説明

画像形成装置

【課題】 送信先の電話番号を誤入力した場合に、原稿から読み取った画像データが誤印刷されるのを抑制することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 電話回線へトーン信号として送出される数字0〜9を入力するための第1操作キーと、電話回線へは送出されない回線非送出符号を入力するための第2操作キーと、FAX送信モード及び複写モードを切り替えるモード選択部と、原稿の読み取りを開始させるための第3操作キーと、第1操作キー及び第2操作キーを操作した後の第3操作キーの操作に基づいて、原稿の読み取りを開始し、画像データをFAX送信するFAX送信処理部と、第1操作キーを操作した後の第3操作キーの操作に基づいて、原稿の読み取りを開始し、画像データを印刷する複写処理部と、複写モードにおける第2操作キーの操作に基づいて、ユーザにモード確認を促す報知処理を実行するユーザ報知部により構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に係り、さらに詳しくは、ファクシミリ送信機能及び複写機能を備えた画像形成装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機は、原稿から画像データを読み取り、記録用紙に印刷する複写モードと、電話回線を介して画像データを送信先へ送信するFAX(ファクシミリ)送信モードとを切り替えることができる。これらの動作モードでは、共通の操作キーが印刷部数と、送信先の電話番号を入力し、或いは、原稿の読み取りを開始させるのに用いられる。すなわち、複写モードでは、テンキーを操作して印刷部数を入力した後、スタートキーを操作すれば、原稿の読み取りが開始され、画像データが記録用紙に印刷される。また、FAX送信モードでは、テンキーを操作して送信先の電話番号を入力した後、スタートキーを操作すれば、原稿の読み取りが開始され、電話回線を介して画像データが送信先へFAX送信される。通常、テンキーは、DTMF(Dial Tone Multi Frequency)と呼ばれるトーン信号として電話回線へ送出される数0〜9をそれぞれ入力するための10個の操作キーからなる。
【0003】
この様なFAX送信機能及び複写機能を備えた画像形成装置では、テンキー及びスタートキーが複写モード及びFAX送信モードのいずれの動作モードにおいても使用される共通の操作キーである。このため、複写モードが選択されていることに気付かずに、FAX送信モードであると思って電話番号を誤入力し、スタートキーを操作すれば、大量のミスコピーが発生してしまうという問題があった。
【0004】
そこで、テンキーを操作して入力された文字列の桁数に基づいて、当該文字列が印刷部数であるか、或いは、送信先の電話番号であるかを判別する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2)。また、特許文献2には、符号「#」を検知し、符号「#」を含む文字列が入力されれば、短縮ダイヤル番号であると判断することが記載されている。これらの技術を利用すれば、複写モードが選択されていることに気付かずに電話番号を誤入力したとしても、入力文字列が送信先の電話番号であることを正しく検知することができる。
【0005】
しかしながら、送信先の電話番号が符号「#」を用いない通常のダイヤル番号、すなわち、市外局番及び市内局番と加入者番号とからなる番号である場合、印刷部数の方が電話番号と比較して必ずしも桁数が小さいとは限らない。このため、上述した従来の画像形成装置では、入力文字列が印刷部数であるか、或いは、送信先の電話番号であるかを正しく識別できない場合があるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−229466号公報
【特許文献2】特開平1−317072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、複写モードが選択されていることに気付かずにファクシミリ送信の送信先を示す電話番号を誤入力した場合に、原稿から読み取った画像データが誤印刷されるのを抑制することができる画像形成装置を提供することを目的としている。特に、印刷部数及び電話番号の桁数に関わらず、入力文字列が送信先の電話番号であることを正しく検知してユーザに動作モードの確認を促すことができる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の本発明による画像形成装置は、ファクシミリ送信機能及び複写機能を備えた画像形成装置であって、電話回線へトーン信号として送出される数字0〜9を入力するための第1操作キーと、上記電話回線へは送出されない回線非送出符号を入力するための第2操作キーと、ファクシミリ送信モード及び複写モードを切り替えるモード選択部と、原稿の読み取りを開始させるための第3操作キーと、上記ファクシミリ送信モードが選択されている場合に、第1操作キー及び第2操作キーを操作した後の第3操作キーの操作に基づいて、原稿の読み取りを開始し、上記数字により指定された送信先へ画像データをファクシミリ送信するファクシミリ送信処理部と、上記複写モードが選択されている場合に、第1操作キーを操作した後の第3操作キーの操作に基づいて、原稿の読み取りを開始し、上記数字により指定された印刷部数に従って、画像データを記録用紙に印刷する複写処理部と、上記複写モードが選択されている場合に、第2操作キーの操作に基づいて、ユーザにモード確認を促す第1報知処理を実行するユーザ報知部とを備えて構成される。
【0009】
この画像形成装置では、ファクシミリ送信モードが選択されていれば、第1操作キー及び第2操作キーを操作した後の第3操作キーの操作によって、原稿の読み取りが開始され、画像データがファクシミリ送信される。また、複写モードが選択されていれば、第1操作キーを操作した後の第3操作キーの操作によって、原稿の読み取りが開始され、画像データが記録用紙に印刷される。そして、複写モードが選択されている場合には、第2操作キーの操作によって、ユーザにモード確認を促す第1報知処理が実行される。つまり、送信先の電話番号を入力する際には、数字1〜9及び0だけでなく回線非送出符号を入力し、印刷部数を入力する際には、数字1〜9及び0だけを入力するものと予め定めておけば、複写モード時に回線非送出符号が入力されれば、電話番号の誤入力であると判断することができる。このため、複写モードが選択されていることに気付かずに、ファクシミリ送信の送信先を示す電話番号を誤入力した場合に、入力文字列が送信先の電話番号であることを正しく検知してユーザに動作モードの確認を促すことができる。特に、回線非送出符号の有無によって電話番号の誤入力であるか否かを判別するので、印刷部数及び電話番号の桁数に関わらず、入力文字列が送信先の電話番号であることを正しく検知することができる。また、送信先の電話番号を入力する際には通常のダイヤル番号に回線非送出符号を付加するように定めておくだけで、画像データのファクシミリ送信に影響を与えることなく、電話番号の誤入力を正しく検知することができる。
【0010】
第2の本発明による画像形成装置は、上記構成に加え、上記ユーザ報知部が、上記ファクシミリ送信モードが選択されている場合に、第2操作キーが操作されることなく第3操作キーが操作されれば、ユーザにファクシミリ送信の可否を照会する第2報知処理を実行するように構成される。
【0011】
ファクシミリ送信モード時において、回線非送出符号が入力されないまま第3操作キーが操作された場合、印刷部数の誤入力である可能性がある。この画像形成装置では、その様な場合にユーザにファクシミリ送信の可否を照会するので、ファクシミリ送信モードであることに気付かずに、複写用の印刷部数を誤入力した場合に、ファクシミリ送信を中止させることができる。
【0012】
第3の本発明による画像形成装置は、上記構成に加え、上記ファクシミリ送信処理部が、第3操作キーの操作時点までに第2操作キーの操作によってハイフンが上記回線非送出符号として入力された場合に、画像データのファクシミリ送信を行う一方、上記ハイフンが入力されることなく第3操作キーが操作された場合に、ユーザがファクシミリ送信を拒否すれば、画像データのファクシミリ送信を行わないように構成される。
【0013】
この画像形成装置では、ファクシミリ送信モード時にハイフンを用いて電話番号が入力されれば、原稿から読み取った画像データのファクシミリ送信が行われる。一方、ハイフンが入力されなければ、ファクシミリ送信の可否が照会され、ユーザがファクシミリ送信を拒否すれば、画像データのファクシミリ送信が行われない。このため、ファクシミリ送信モードであることに気付かずに、複写用の印刷部数を誤入力した場合に、ファクシミリ送信を容易に中止させることができる。
【0014】
第4の本発明による画像形成装置は、上記構成に加え、上記ユーザ報知部が、第1報知処理として、上記複写モードが選択されていることを音声で通知するように構成される。この様な構成によれば、動作モードの表示に気付かないユーザであっても、複写モードであることを認識させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明による画像形成装置では、複写モード時に回線非送出符号が入力されれば、電話番号の誤入力であると判断することができる。このため、複写モードが選択されていることに気付かずに、ファクシミリ送信の送信先を示す電話番号を誤入力した場合に、入力文字列が送信先の電話番号であることを正しく検知してユーザに動作モードの確認を促すことができる。特に、回線非送出符号の有無によって電話番号の誤入力であるか否かを判別するので、印刷部数及び電話番号の桁数に関わらず、入力文字列が送信先の電話番号であることを正しく検知することができる。従って、複写モードが選択されていることに気付かずにファクシミリ送信の送信先を示す電話番号を誤入力した場合に、原稿から読み取った画像データが誤印刷されるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態による画像形成装置の一構成例を示した図であり、画像形成装置の一例としてMFP100が示されている。
【図2】図1のMFP100内の機能構成の一例を示したブロック図である。
【図3】図1のMFP100における複写モード時の動作の一例を示した図であり、電話番号を示す文字列が誤入力された場合の確認画面132が示されている。
【図4】図1のMFP100におけるFAX送信モード時の動作の一例を示した図であり、文字列中にハイフンが入力されなかった場合の確認画面134が示されている。
【図5】図2のMFP100における複写モード時の動作の一例を示したフローチャートである。
【図6】図2のMFP100におけるFAX送信モード時の動作の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<MFP100>
図1は、本発明の実施の形態による画像形成装置の一構成例を示した図であり、画像形成装置の一例としてMFP100が示されている。図中の(a)は、MFP100の斜視図であり、(b)には、MFP100の操作パネル10が示されている。
【0018】
このMFP(Multifunction Peripheral:複合機)100は、複写機能、FAX機能及びスキャナ機能を有し、これらの機能を選択的に実行させることができる画像形成装置であり、操作パネル10が設けられている。操作パネル10には、操作キー11,14〜18、インジケータ12及びディスプレイ13が配置されている。
【0019】
操作キー11は、複写モード、FAX送信モード及びスキャナモードのいずれかを選択するためのモード選択キーであり、これらの動作モードを択一的に選択することができる。インジケータ12は、操作キー11を操作することによって選択された動作モードを示すためのLED(発光ダイオード)表示部である。この例では、操作キー11及びインジケータ12が、上記動作モードごとに設けられ、所望の動作モードを直接に選択することができる。
【0020】
ディスプレイ13は、操作情報、動作状態などを画面表示する画面表示部であり、例えば、タッチパネルセンサを備えた液晶ディスプレイからなる。操作キー14は、電話回線へトーン信号として送出される回線送出符号を入力するための操作キーであり、テンキー、アスタリスク入力キー及びシャープ入力キーからなる。テンキーは、数字0〜9をそれぞれ入力するための10個の操作キーからなる。アスタリスク入力キーは、アスタリスク記号「*」を入力するための操作キーであり、シャープ入力キーは、シャープ記号「#」を入力するための操作キーである。
【0021】
操作キー15は、ハイフン記号「‐」を入力するための操作キーである。ハイフン記号「‐」は、電話回線へは送出されない回線非送出符号であり、電話番号を示す文字列をディスプレイ13上に表示する際に、区切り記号として表示される。この様な回線非送出符号としては、ハイフン記号「‐」の他に、例えば、スラッシュ記号「/」、カンマ記号「,」、括弧記号「(」又は「)」がある。
【0022】
操作キー16は、印刷条件などの設定情報をリセットし、或いは、入力情報をクリアするための操作キーである。操作キー17は、原稿の読み取りを開始させるためのスタートキーであり、操作キー18は、原稿読み取りなどの処理を中断又は中止させるためのストップキーである。
【0023】
図2は、図1のMFP100内の機能構成の一例を示したブロック図である。このMFP100は、キー入力部21、モード選択部22、FAX制御部23、読取部24、回線制御部25、複写制御部26、印刷部27、表示制御部28、ユーザ報知部29及びスピーカ30により構成される。
【0024】
キー入力部21は、操作キー14〜18の操作に基づいて、所定の入力信号を生成し、FAX制御部23、複写制御部26、表示制御部28及びユーザ報知部29へ出力する。モード選択部22は、操作キー11の操作に基づいて、複写モード及びFAX送信モードのいずれかに動作モードを切り替え、モード選択情報をFAX制御部23、複写制御部26、表示制御部28及びユーザ報知部29へ出力する。
【0025】
FAX制御部23、読取部24及び回線制御部25は、FAX送信処理部であり、FAX送信モードが選択されている場合に、操作キー14及び15を操作した後の操作キー17の操作に基づいて、原稿の読み取りを開始し、読み取った画像データをFAX送信する。原稿から読み取った画像データは、操作キー14を操作することによって入力された複数の数字又は記号からなる文字列(電話番号)で指定された送信先へ、電話回線を介して送信される。
【0026】
読取部24は、原稿を光学的に読み取って画像データを生成し、FAX制御部23又は複写制御部26へ出力する。回線制御部25は、入力文字列をトーン信号に変換し、電話回線を介して交換機へ送信することにより、送信先の通信機器と接続する。その際、入力文字列中のハイフン(‐)は無視され、回線送出符号のみトーン信号として送出される。FAX制御部23は、読取部24に対し原稿の読み取りを指示し、回線制御部25に対し画像データの送信を指示する。
【0027】
ここで、FAX送信の送信先を示す電話番号を入力する際には、数字0〜9だけでなくハイフン記号「‐」が入力される。このハイフン記号「‐」は、回線非送出符号であることから、電話番号を示す文字列に対し任意の位置に配置しても良いが、ここでは、市外局番及び市内局番の間と、市内局番及び加入者番号の間にそれぞれ区切り記号として配置される。
【0028】
複写制御部26、読取部24及び印刷部27は、複写処理部であり、複写モードが選択されている場合に、操作キー14を操作した後の操作キー17の操作に基づいて、原稿の読み取りを開始し、読み取った画像データを記録用紙に印刷する。原稿から読み取った画像データは、操作キー14を操作することによって入力された1又は2以上の数字からなる文字列で指定された印刷部数に従って、印刷処理が実行される。
【0029】
印刷部数は、ページ単位で画像データを記録用紙に印刷する際のページごとの印刷枚数である。例えば、M枚の原稿を読み取って得られるMページ分の画像データをそれぞれ記録用紙に印刷することにより、M枚の記録用紙からなる冊子を複製として作成する場合、印刷部数がNであれば、その様な冊子をN個作成するために、各ページの画像データがN枚の記録用紙に印刷される。
【0030】
印刷部27は、画像データを所定の記録用紙に印刷する。複写制御部26は、読取部24に対し原稿の読み取りを指示し、印刷部27に対し画像データの印刷を指示する。ここで、印刷部数を入力する際には、数字0〜9だけが入力される。
【0031】
表示制御部28は、ディスプレイ13を制御し、操作情報及び動作状態を画面上に表示する。例えば、FAX送信モードでは、所定のFAX待機画面がディスプレイ13上に表示され、送信先の電話番号として入力された文字列がFAX待機画面内に表示される。また、複写モードでは、所定のコピー待機画面がディスプレイ13上に表示され、印刷部数として入力された文字列がコピー待機画面内に表示される。
【0032】
ユーザ報知部29は、複写モードが選択されている場合に、操作キー15の操作に基づいて、ユーザにモード確認を促すための第1報知処理を実行する。つまり、複写モードであるにもかかわらず、ハイフン(‐)が入力されれば、電話番号が誤入力されたと判断し、ユーザに対し、動作モードの確認が促される。この様な第1報知処理としては、例えば、複写モードである旨のメッセージを配置した所定の確認画面を表示するとともに、複写モードが選択されていることをスピーカ30から音声で通知する。
【0033】
ユーザ報知部29では、FAX送信モードが選択されている場合に、操作キー15が操作されることなく操作キー17が操作されれば、ユーザにFAX送信の可否を照会するための第2報知処理が実行される。つまり、FAX送信モードであるにもかかわらず、操作キー17の操作時点までにハイフン(‐)が入力されなければ、印刷部数が誤入力されたか、或いは、ハイフン(‐)を入力し忘れたと判断し、ユーザに対し、FAX送信しても良いかどうかが照会される。この様な第2報知処理としては、例えば、FAX送信するか否かを選択するための選択ボタンを配置した所定の確認画面を表示する。
【0034】
FAX送信処理は、操作キー17の操作時点までに操作キー15の操作によってハイフン(‐)が入力された場合、操作キー17の操作によって直ちに実行される。一方、ハイフン(‐)が入力されることなく操作キー17が操作された場合には、操作キー17の操作に基づいて確認画面が表示され、ユーザがFAX送信を拒否すれば、FAX送信処理は実行されない。
【0035】
<複写モード時の確認画面>
図3は、図1のMFP100における複写モード時の動作の一例を示した図であり、電話番号を示す文字列が誤入力された場合の確認画面132が示されている。図中の(a)には、コピー待機画面131が示され、(b)には、コピー待機画面131上に表示された確認画面132が示されている。
【0036】
コピー待機画面131は、印刷部数を入力するための入力欄31が配置された入力画面である。テンキーを操作して印刷部数を示す文字列、例えば、「123」を入力した後、スタートキーを操作すれば、複写処理が実行される。
【0037】
確認画面132は、複写モードにおいて、ハイフン(‐)が入力されれば表示される警告画面である。例えば、テンキーを操作して文字列「03」を入力した後、操作キー15を操作してハイフン(‐)を入力すれば、当該操作キー15の操作に基づいて、確認画面132が表示される。この確認画面132は、例えば、コピー待機画面131上に表示され、複写モードであることを示すメッセージと、FAX送信モードへ切り替えるか否かを選択するための選択ボタン32,33が配置されている。
【0038】
選択ボタン32は、FAX送信モードへ切り替えるための操作アイコンであり、この選択ボタン32を操作すれば、FAX送信モードへ動作モードが切り替えられる。その際、入力済みの文字列は、そのまま送信先を示す電話番号の一部として用いられる。一方、選択ボタン33を操作すれば、入力済みの文字列はクリアされ、コピー待機画面131の表示状態へ復帰する。
【0039】
<FAX送信モード時の確認画面>
図4は、図1のMFP100におけるFAX送信モード時の動作の一例を示した図であり、文字列中にハイフンが入力されなかった場合の確認画面134が示されている。図中の(a)には、FAX待機画面133が示され、(b)には、FAX待機画面133上に表示された確認画面134が示されている。
【0040】
FAX待機画面133は、送信先の電話番号を入力するための入力欄41が配置された入力画面である。テンキーを操作して送信先の電話番号を示す文字列を入力した後、スタートキーを操作すれば、FAX送信処理が実行される。電話番号を示す文字列を入力する際には、市外局番「03」と市内局番「1234」との間、及び、市内局番と加入者番号「5678」との間にそれぞれハイフン(‐)が入力される。
【0041】
確認画面134は、FAX送信モードにおいて、スタートキーの操作時点までにハイフン(‐)が入力されなかった場合に表示される警告画面である。例えば、テンキーを操作して文字列「0312345678」を入力した後、スタートキーを操作すれば、当該スタートキーの操作に基づいて、確認画面134が表示される。
【0042】
この確認画面134は、例えば、FAX待機画面133上に表示され、FAX送信モードであることを示すメッセージと、FAX送信の可否を選択するための選択ボタン42,43が配置されている。
【0043】
選択ボタン42は、FAX送信を許可するための操作アイコンであり、この選択ボタン42を操作すれば、FAX送信処理が実行される。一方、選択ボタン43を操作すれば、入力済みの文字列はクリアされ、FAX待機画面133の表示状態へ復帰する。
【0044】
図5のステップS101〜S111は、図2のMFP100における複写モード時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、複写制御部26は、複写モード用の待機画面の表示中にキー入力を受け付ければ、入力文字の種類をチェックする(ステップS101)。そして、複写制御部26は、入力された文字が番号であれば、印刷部数を示す文字列の一部であると判断してその値を記憶し、ステップS101の処理手順を繰り返す(ステップS102,S107)。
【0045】
一方、ユーザ報知部29は、入力された文字がハイフン(‐)であれば、FAX送信の送信先を示す電話番号の誤入力であると判断し、ユーザに動作モードの確認を促すための報知処理を実行する(ステップS102〜S104)。この報知処理では、所定の確認画面が待機画面上に表示され、FAX送信モードへ切り替えるか否かがユーザに照会される(ステップS105)。
【0046】
確認画面上の選択ボタン32が操作されれば、動作モードはFAX送信モードへ切り替えられる(ステップS106)。一方、選択ボタン33が操作されれば、入力済みの文字列はクリアされ、この処理は終了する。
【0047】
次に、複写制御部26は、スタートキー(操作キー17)が操作されれば(ステップS102,S103,S108)、入力済みの文字列を印刷部数として複写処理を実行する(ステップS109)。また、複写制御部26は、ストップキー(操作キー18)又はリセットキー(操作キー16)が操作されれば、入力済みの文字列をクリアしてこの処理を終了する(ステップS108,S110,S111)。
【0048】
図6のステップS201〜S214は、図2のMFP100におけるFAX送信モード時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、FAX制御部23は、FAX送信モード用の待機画面の表示中にキー入力を受け付ければ、入力文字の種類をチェックする(ステップS201)。そして、FAX制御部23は、入力された文字が番号であれば、送信先を示す電話番号の一部であると判断してその値を記憶し、ステップS201の処理手順を繰り返す(ステップS202,S206)。
【0049】
一方、ユーザ報知部29は、入力された文字がハイフン(‐)であれば、FAX送信の送信先を示す電話番号が入力されていると判断し、電話番号に入力ミスがないかを確認するための確認画面を待機画面上に表示する(ステップS202〜S204)。この確認画面では、電話番号の入力を継続させるか、或いは、入力済みの文字列をクリアして待機画面に復帰させるかがユーザに照会される(ステップS205)。
【0050】
このとき、ユーザが入力継続を選択すれば、FAX制御部23は、ステップS201の処理手順を繰り返す。一方、待機画面への復帰が選択されれば、FAX制御部23は、入力済みの文字列をクリアしてこの処理を終了する。
【0051】
次に、FAX制御部23は、スタートキー(操作キー17)が操作されれば(ステップS202,S203,S207)、入力済みの文字列をチェックする(ステップS208)。そして、FAX制御部23は、文字列中にハイフン(‐)が含まれていれば、送信先の電話番号が正しく入力されていると判断し、FAX送信処理を実行する(ステップS209,S210)。
【0052】
一方、ユーザ報知部29は、文字列中にハイフン(‐)が含まれていなければ、印刷部数を誤って入力した可能性があると判断し、ユーザにFAX送信の可否を照会するための確認画面を表示する(ステップS213)。このとき、FAX制御部23は、ユーザがFAX送信を許可すれば、FAX送信処理を実行し(ステップS214,S210)、FAX送信を許可しなければ、入力済みの文字列をクリアしてこの処理を終了する。
【0053】
また、FAX制御部23は、ストップキー(操作キー18)又はリセットキー(操作キー16)が操作されれば、入力済みの文字列をクリアしてこの処理を終了する(ステップS202,S203,S207,S211,S212)。
【0054】
本実施の形態によれば、FAX送信モードが選択されていれば、操作キー14,15を操作した後の操作キー17の操作によって、原稿の読み取りが開始され、画像データがFAX送信される。また、複写モードが選択されていれば、操作キー14を操作した後の操作キー17の操作によって、原稿の読み取りが開始され、画像データが記録用紙に印刷される。そして、複写モードが選択されている場合には、操作キー15の操作によって、ユーザにモード確認を促す報知処理が実行される。このため、複写モードが選択されていることに気付かずに、FAX送信の送信先を示す電話番号を誤入力した場合に、入力文字列が送信先の電話番号であることを正しく検知してユーザに動作モードの確認を促すことができる。
【0055】
また、FAX送信モード時において、ハイフン(‐)が入力されないまま操作キー17が操作された場合には、ユーザにFAX送信の可否を照会するので、FAX送信モードであることに気付かずに、複写用の印刷部数を誤入力した場合に、FAX送信を中止させることができる。特に、FAX送信モード時にハイフン(‐)を用いて電話番号が入力されれば、原稿から読み取った画像データのFAX送信が行われる一方、ハイフン(‐)が入力されなければ、FAX送信の可否が照会される。このとき、ユーザがFAX送信を拒否すれば、画像データのFAX送信が行われないので、FAX送信モードであることに気付かずに印刷部数を誤入力した場合に、FAX送信を容易に中止させることができる。
【0056】
なお、本実施の形態では、回線非送出符号としてハイフン記号「‐」が送信先の電話番号を示す文字列と共に入力される場合の例について説明したが、他の回線非送出符号を入力させるものも本発明には含まれる。例えば、スラッシュ記号「/」を送信先の電話番号を示す文字列と共に入力させ、文字列中にスラッシュ(/)が含まれているか否かによって、入力文字列が送信先の電話番号であるか、或いは、複写用の印刷部数であるかを判別するような構成であっても良い。
【0057】
また、本実施の形態では、複写モード時にハイフン(‐)を入力するための操作キー15が操作されれば、操作キー15の操作時点で、ユーザにモード確認を促す報知処理が実行される場合の例について説明した。しかしながら、本発明は、ユーザに動作モードの確認を促すための報知処理を実行するタイミングをこれに限定するものではない。例えば、入力情報を確定させるための確定キーを有する画像形成装置の場合、確定キーを操作した時点で、それまでにハイフン(‐)が入力されていたか否かを判別し、その判別結果に基づいて報知処理を実行するような構成であっても良い。或いは、スタートキー(操作キー17)を操作した時点で、それまでにハイフン(‐)が入力されていたか否かを判別し、その判別結果に基づいて報知処理を実行するような構成であっても良い。
【符号の説明】
【0058】
100 MFP
10 操作パネル
11,14〜18 操作キー
12 インジケータ
13 ディスプレイ
131 コピー待機画面
132 確認画面
133 FAX待機画面
134 確認画面
21 キー入力部
22 モード選択部
23 FAX制御部
24 読取部
25 回線制御部
26 複写制御部
27 印刷部
28 表示制御部
29 ユーザ報知部
30 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファクシミリ送信機能及び複写機能を備えた画像形成装置において、
電話回線へトーン信号として送出される数字0〜9を入力するための第1操作キーと、
上記電話回線へは送出されない回線非送出符号を入力するための第2操作キーと、
ファクシミリ送信モード及び複写モードを切り替えるモード選択部と、
原稿の読み取りを開始させるための第3操作キーと、
上記ファクシミリ送信モードが選択されている場合に、第1操作キー及び第2操作キーを操作した後の第3操作キーの操作に基づいて、原稿の読み取りを開始し、上記数字により指定された送信先へ画像データをファクシミリ送信するファクシミリ送信処理部と、
上記複写モードが選択されている場合に、第1操作キーを操作した後の第3操作キーの操作に基づいて、原稿の読み取りを開始し、上記数字により指定された印刷部数に従って、画像データを記録用紙に印刷する複写処理部と、
上記複写モードが選択されている場合に、第2操作キーの操作に基づいて、ユーザにモード確認を促す第1報知処理を実行するユーザ報知部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
上記ユーザ報知部は、上記ファクシミリ送信モードが選択されている場合に、第2操作キーが操作されることなく第3操作キーが操作されれば、ユーザにファクシミリ送信の可否を照会する第2報知処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
上記ファクシミリ送信処理部は、第3操作キーの操作時点までに第2操作キーの操作によってハイフンが上記回線非送出符号として入力された場合に、画像データのファクシミリ送信を行う一方、上記ハイフンが入力されることなく第3操作キーが操作された場合に、ユーザがファクシミリ送信を拒否すれば、画像データのファクシミリ送信を行わないことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
上記ユーザ報知部は、第1報知処理として、上記複写モードが選択されていることを音声で通知することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−253571(P2012−253571A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124640(P2011−124640)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】