説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置の筐体に備えられた報知部と画像形成装置の筐体以外の場所に備えられた報知部とを同期させる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、筐体、LED135,145、ICUコントローラ210およびパワーコントローラ220を備える。LED135は、筐体に配置され、点灯または消灯することによって画像形成装置100の状態の変化を知らせる。LED145は、筐体以外の場所に配置され、点灯または消灯することによって画像形成装置100の状態を知らせる。ICUコントローラ210は、省エネモード中には電力供給が停止されていて、レディモード中には画像形成プロセス部の制御を含む画像形成装置100全体の動作制御を行う。パワーコントローラ220は、レディモード中および省エネモード中において電力供給されていて、画像形成装置100の構成部への電力供給を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省エネモード中において複数の報知部の報知または非報知を同期させる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の画像形成装置は、スキャナ機能、FAX機能、プリント機能およびコピー機能等の複数の機能を有するものが主流となりつつある。このような複数の機能を有する画像形成装置は、それぞれの機能を実現するための対応する部分に電力供給をしなければならないため、消費電力が大きいものが多い。
【0003】
そこで、画像形成装置が一定時間使用されない場合は、自動的に省エネモードに移行し、消費電力を低減する方法が採用されている。
【0004】
しかし、省エネモードは、画像形成装置の各部への電力供給を遮断して消費電力の低減を実現するものであるが、省エネモード中に画像形成装置の状態が変更した場合にその情報をネットワーク上のサーバに通知するときには、制御部に電力を供給して制御部を復帰させる必要があった。
【0005】
そこで、画像形成装置を制御するための2つの制御部を備え、消費電力が少ない方の制御部を使って画像形成装置の状態情報をネットワーク上のサーバに通知する画像形成装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−153192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
また、近年の画像形成装置は、画像形成装置の状態が変化した場合に、その情報をユーザに知らせるために、画像形成装置の筐体および画像形成装置の筐体以外の場所に発光部等の報知部を備えるものがある。
【0008】
しかしながら、これらの発光部は、発光部ごとにユーザに知らせる画像形成装置の状態が異なるため、少なくともいずれか1つの発光部が見えないユーザにとっては、画像形成装置の状態の変化がわからない場合があるため、全てのユーザに対して画像形成装置の状態の変化を知らせることができないという問題があった。
【0009】
さらに、省エネモード時において画像形成装置の状態が変化した場合は、発光部を制御する第2制御部に対して、発光部を点灯または消灯させるための制御信号を出力する第1制御部には電力が供給されていないため、複数の発光部の点灯または消灯の同期をとることができなかった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、省エネモード中において画像形成装置の状態が変化した場合に報知部を報知または非報知させるための制御部に電力を供給する画像形成装置であって、画像形成装置の筐体に備えられた報知部と画像形成装置の筐体以外の場所に備えられた報知部とを同期させる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の画像形成装置は、画像形成プロセス動作を行う画像形成プロセス部を含む画像形成装置本体の全体に電力供給を行うレディモードと、画像形成プロセス部への電力供給を停止させる省エネモードと、を有する。
【0012】
また、本発明の画像形成装置は、筐体、第1報知部、第2報知部、第1制御部および第2制御部を備える。筐体は、画像形成プロセス部が収納される。第1報知部は、筐体に配置され、報知または非報知することによって画像形成装置本体の状態の変化を知らせる。第2報知部は、筐体以外の場所に配置され、報知または非報知することによって画像形成装置本体の状態を知らせる。第1制御部は、省エネモード中には電力供給が停止されていて、レディモード中には画像形成プロセス部の制御を含む画像形成装置本体の全体の動作制御を行う。第2制御部は、レディモード中および省エネモード中において電力供給されていて、画像形成装置本体の構成部への電力供給を制御する。
【0013】
また、第2制御部は、省エネモード中において画像形成装置本体の状態が変化すると、第1制御部に電力を供給するように制御する。第1制御部は、第2制御部によって電力が供給されると、第2制御部に対して第1報知部および第2報知部を報知または非報知させるための電力供給を制御する制御信号を出力する。第2制御部は、第1制御部からの制御信号を受けると、第1報知部および第2報知部に対する電力制御を行って、これらの報知部を報知または非報知させるように制御する。
【0014】
この構成では、第2制御部は、省エネモード中においては、画像形成プロセス部への電力供給を停止させていて、さらに、第1制御部への電力供給も停止させている。この状態において、画像形成装置本体の状態が変化すると、第2制御部は、第1制御部に電力を供給するように制御する。したがって、ユーザが第1制御部に電力を供給するための操作をする必要がなく、画像形成装置本体の状態が変化すれば自動的に第1制御部に電力が供給される。
【0015】
また、この構成では、筐体に第1報知部が配置されていて、筐体以外の場所に第2報知部が配置されている。省エネモード中において、第2制御部は、第1制御部からの制御信号を受けると、これらの報知部に対する電力制御を行って、これらの報知部を点灯または消灯させるように制御する。つまり、第1報知部および第2報知部は、同期して報知または非報知する。したがって、画像形成装置周辺にいるユーザおよび画像形成装置から離れた場所にいるユーザに対して画像形成装置本体の状態変化を知らせることができる。すなわち、画像形成装置が設置されている部屋全体のユーザに対して画像形成装置本体の状態変化を知らせることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明における画像形成装置は、省エネモード中において画像形成装置の状態が変化した場合に報知部を報知または非報知させるための制御部に電力を供給し、画像形成装置の筐体に備えられた報知部と画像形成装置の筐体以外の場所に備えられた報知部とを同期させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の基本的構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置における第1報知部および第2報知部の配置位置を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の主要部分のブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の制御を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の制御を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置における第1制御部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る画像形成装置を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0019】
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100の基本的構成を示す図である。
【0021】
画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色または単色の画像を形成するものである。画像形成装置100は、原稿処理装置120、給紙部80、画像形成プロセス部110および排紙部90から構成されている。
【0022】
原稿処理装置120は、原稿載置台121、原稿搬送装置122および原稿読取部123を有する。原稿載置台121は、透明ガラスからなり、原稿が載置可能な構成となっている。原稿搬送装置122は、原稿トレイに積載された原稿を1枚ずつ搬送する。また、原稿搬送装置122は、矢印124方向に回動自在に構成され、原稿載置台121の上を開放することにより原稿載置台121に原稿を置くことができるようになっている。原稿読取部123は、原稿搬送装置122で搬送中の原稿または原稿載置台122に載置された原稿を読み取る。
【0023】
給紙部80は、給紙カセット81、手差し給紙カセット82、ピックアップローラ83およびピックアップローラ84が設けられている。給紙カセット81は、定形シートを蓄積しておくためのトレイである。手差し給紙カセット82は、不定形シートを載置することができるトレイである。ピックアップローラ83は、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路101に供給する。同様にピックアップローラ84は、手差し給紙カセット82の端部近傍に設けられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路101に供給する。
【0024】
画像形成プロセス部110は、画像形成ステーション31,32,33,34、露光ユニット30、中間転写ベルトユニット50および定着ユニット70から構成されている。画像形成ステーション31,32,33,34は、それぞれ感光体ドラム10、帯電器20、現像器40およびクリーナユニット60が設けられており、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。本実施形態では、画像形成ステーション31について説明する。
【0025】
感光体ドラム10は、画像形成時に回転し、現像剤像を担持するためのものである。感光体ドラム10の周囲には、回転方向上流から帯電器20、露光ユニット30、現像器40、中間転写ベルトユニット50、クリーナユニット60の順に配置されている。定着ユニット70は、搬送路101上において画像形成プロセス部110の最も下流に位置する。
【0026】
帯電器20は、感光体ドラム10の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
【0027】
露光ユニット30は、帯電された感光体ドラム10を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。露光ユニット30は、レーザ射出部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット30は、レーザ光を走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム10に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。露光ユニット30としては、この他発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書き込みヘッドを用いる手法も採用できる。
【0028】
現像器40は、感光体ドラム10上に形成された静電潜像をトナーにより顕像化するものである。
【0029】
中間転写ベルトユニット50は、中間転写ベルト51、中間転写ベルト駆動ローラ52、中間転写ベルト従動ローラ53、中間転写ローラ54および中間転写ベルトクリーニングユニット55を備えている。
【0030】
中間転写ベルト駆動ローラ52、中間転写ベルト従動ローラ53および中間転写ローラ54は、中間転写ベルト51を張架して回転駆動させる。また、中間転写ローラ54は、感光体ドラム10のトナー像を、中間転写ベルト51上に転写するための転写バイアスを与える。
【0031】
中間転写ベルト51は、感光体ドラム10に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム10に形成されたトナー像を中間転写ベルト51に転写することによって、中間転写ベルト51上にトナー像を形成する機能を有している。中間転写ベルト51は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0032】
感光体ドラム10から中間転写ベルト51へのトナー像の転写は、中間転写ベルト51の裏側に接触している中間転写ローラ54によって行われる。中間転写ローラ54には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ54は、直径8mm〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト51に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0033】
上述のように感光体ドラム10上で顕像化された静電潜像は中間転写ベルト51で積層される。このように積層された画像情報は、中間転写ベルト51の回転によって、用紙と中間転写ベルト51との接触位置に配置される転写ローラ56によって用紙上に転写される。
【0034】
このとき、中間転写ベルト51と転写ローラ56は所定ニップで圧接されるとともに、転写ローラ56にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ56は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ56もしくは中間転写ベルト駆動ローラ52のいずれか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等)としている。
【0035】
また、上記のように、感光体ドラム10に接触することにより中間転写ベルト51に付着したトナーもしくは転写ローラ56によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト51上に残存したトナーは、中間転写ベルトクリーニングユニット55によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット55には、中間転写ベルト51に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト51は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ53で支持されている。
【0036】
クリーナユニット60は、現像・画像転写後における感光体ドラム10上の表面に残留したトナーを除去・回収する。
【0037】
定着ユニット70は、加熱ローラ71および加圧ローラ72を備えており、加熱ローラ71および加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。また加熱ローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写されたトナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。また、加熱ローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0038】
排紙部90は、排紙トレイ91および排紙ローラ92を有する。定着ユニット70を通過した用紙は、排紙ローラ92を経て排紙トレイ91に排出される。排紙トレイ91は、印刷済みのシートを集積するためのトレイである。
【0039】
また、両面印字要求のときは、上記のように片面印字が終了し定着ユニット70を通過したシートの後端が排紙ローラ92で把持されたときに、排紙ローラ92が逆回転することによってシートを搬送ローラ102,103に導く。そしてその後レジストローラ104を経てシート裏面に印字が行われた後にシートが排紙トレイ91に排出される。
【0040】
図2は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100におけるLED135,145の配置位置を示す図である。
【0041】
画像形成装置100は、動作モードとして、レディモードおよび省エネモードを有する。レディモードとは、画像形成プロセス動作を行う画像形成プロセス部110を含む画像形成装置100全体に電力供給を行う動作モードのことである。省エネモードとは、画像形成プロセス部110への電力供給を停止させる動作モードのことである。
【0042】
画像形成装置100は、筐体130、イオン発生器140およびLED135,145を備える。LED135は、本発明の第1報知部に相当する。LED145は、本発明の第2報知部に相当する。筐体130は、画像形成プロセス部110が収納される。LED135は、筐体130に配置されていて、点灯または消灯することによって画像形成装置100の状態の変化を知らせる。また、LED145は、イオン発生器140に配置されていて、点灯または消灯することによって画像形成装置100の状態の変化を知らせる。なお、LEDの点灯には、点滅も含まれるとする。また、LEDの点灯は、第1報知部および第2報知部の報知に該当し、LEDの消灯は、第1報知部および第2報知部の非報知に該当する。
【0043】
また、本実施形態においては、第1報知部および第2報知部としてLEDを例示しているが、これに限られるものではない。例えば、スピーカ等の音声発生装置や、液晶パネル等の表示装置等も含まれる。音声発生装置が音声を発生する状態は、第1報知部および第2報知部の報知に該当し、音声発生装置が音声を発生していない状態は、第1報知部および第2報知部の非報知に該当する。また、表示装置が表示している状態は、第1報知部および第2報知部の報知に該当し、表示装置が表示していない状態は、第1報知部および第2報知部の報知に該当する。
【0044】
LED135は、主に画像形成装置100の周辺にいるユーザに対して画像形成装置100の状態の変化を知らせる機能を有する。また、LED145は、主に画像形成装置100から離れた位置にいるユーザに対して画像形成装置100の状態の変化を知らせる機能を有する。画像形成装置100の状態の変化とは、例えば、FAXを受信した場合や、空の給紙カセット81にシートが補充されたような場合のことを示す。
【0045】
なお、本実施形態では、LED145をイオン発生器140に配置しているが、筐体130以外の場所であれば任意の場所に配置できる。例えば、画像形成装置100が設置されている部屋の隣の部屋に配置することもできる。この構成では、画像形成装置100が設置されている部屋の隣の部屋にいるユーザに対して、画像形成装置100の状態の変化を知らせることができる。また、本実施形態では、LEDが2つ備えられた構成を示しているが、3つ以上であってもよい。LEDの数を増やすことによって。画像形成装置100の状態の変化を知ることができるユーザを増やすことができる。
【0046】
図3は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100の主要部分のブロック図である。
【0047】
画像形成装置100は、コントローラ200、ROM230、RAM240、LED135,145、センサ250、画像形成ステーション31〜34、露光ユニット30、中間転写ベルトユニット50および定着ユニット70を備える。LED135,145、画像形成ステーション31〜34、露光ユニット30、中間転写ベルとユニット50および定着ユニット70の機能については、上記において説明したため、ここでは説明を割愛する。
【0048】
コントローラ200は、ICUコントローラ210およびパワーコントローラ220を備える。ICUコントローラ210は、本発明の第1制御部に相当する。パワーコントローラ220は、本発明の第2制御部に相当する。ICUコントローラ210は、省エネモード中には電力供給が停止されていて、レディモード中には画像形成プロセス部110の制御を含む画像形成装置100全体の動作制御を行う。パワーコントローラ220は、レディモード中および省エネモード中において電力供給されていて、画像形成装置100の構成部への電力供給を制御する。
【0049】
なお、本実施形態では、コントローラ200を1つのユニットとしているが、ICUコントローラ210とパワーコントローラ220とが独立したユニットとして存在していてもよい。
【0050】
コントローラ200は、ROM230に記憶された制御プログラムを読み出して実行し、各部を総括的に制御する。RAM240は、コントローラ200のワーキングエリアとして活用される。センサ250は、FAXを受信したことを検知するセンサである。センサ250からの検知信号は、コントローラ200に伝達される。
【0051】
なお、本実施形態では、センサ250以外にも、画像形成装置100の状態の変化を検知するためのセンサが備えられているが、説明の都合上割愛する。
【0052】
パワーコントローラ220は、省エネモード中においてセンサ250からの検知信号を受信すると、ICUコントローラ210に電力を供給するように制御する。そして、ICUコントローラ210は、パワーコントローラ220によって電力が供給されると、パワーコントローラ220に対してLED135,145を点灯または消灯させるための電力供給を制御する制御信号を出力する。さらに、パワーコントローラ220は、ICUコントローラ210からの制御信号を受けると、LED135,145に対する電力制御を行って、LED135,145を点灯または消灯させるように制御する。
【0053】
図4は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100の制御を示すフローチャートである。図4のフローチャートは、画像形成装置100の電源がオンしている場合に適用される。
【0054】
コントローラ200は、ジョブが実行されてから、または、画像形成装置100の電源がオンしてから一定時間が経過したか否かを判断する(S10)。なお、ジョブには様々なものが存在するが、本実施形態では、画像形成ジョブとして説明する。コントローラ200は、画像形成ジョブが実行されてからまだ一定時間が経過していないと判断すると(S10のN)、新たに画像形成ジョブがあるか否かを判断する(S20)。コントローラ200は、新たに画像形成ジョブがないと判断すると(S20のN)、S10の制御に移行する。コントローラ200は、新たに画像形成ジョブがあると判断すると(S20のY)、画像形成ジョブを実行し(S30)、S10の制御に移行する。
【0055】
コントローラ200は、画像形成ジョブが実行されてから一定時間が経過したと判断すると(S10のY)、パワーコントローラ220がICUコントローラ210への電力供給を停止させる(S40)。すなわち、画像形成装置100は、省エネモードに移行する。
【0056】
その後、コントローラ200は、FAXを受信したか否かを判断する(S50)。本実施形態では、S50の判断をFAXを受信したか否かについて行っているが、画像形成装置100の状態が変化する態様であればFAX受信に限定されない。例えば、上述したように、空の給紙カセット81にシートが補充されたような場合を判断の対象としてもよい。
【0057】
コントローラ200は、FAXを受信していないと判断すると(S50のN)、新たに画像形成ジョブがあるか否かを判断する(S60)。コントローラ200は、新たに画像形成ジョブがないと判断すると(S60のN)、S50の制御に移行する。コントローラ200は、新たに画像形成ジョブがあると判断すると(S60のY)、パワーコントローラ220がICUコントローラ210へ電力供給をし(S70)、画像形成ジョブを実行する(S30)。
【0058】
コントローラ200は、センサ250からの検知信号によって、FAXを受信したと判断すると(S50のY)、パワーコントローラ220がICUコントローラ210へ電力供給をする(S80)。ICUコントローラ210は、パワーコントローラ220によって電力が供給されると、パワーコントローラ220に対してLED135,145を点灯または消灯させるための電力供給を制御する制御信号を出力する(S90)。パワーコントローラ220は、ICUコントローラ210からの制御信号を受けると、LED135,145に対する電力制御を行って、LED135,145を点灯または消灯させるように制御する(S100)。その後、S10の制御に移行する。
【0059】
本実施形態の構成では、パワーコントローラ220は、省エネモード中においては、画像形成プロセス部110への電力供給を停止させていて、さらに、ICUコントローラ210への電力供給も停止させている。この状態において、画像形成装置100の状態が変化すると、パワーコントローラ220は、ICUコントローラ210に電力を供給するように制御する。したがって、ユーザがICUコントローラ210に電力を供給するための操作をする必要がなく、画像形成装置100の状態が変化すれば自動的にICUコントローラ210に電力が供給される。
【0060】
また、本実施形態の構成では、筐体130にLED135が配置されていて、筐体130以外の場所(イオン発生器140)にLED145が配置されている。省エネモード中において、パワーコントローラ220は、ICUコントローラ210からの制御信号を受けると、LED135,145に対する電力制御を行って、LED135,145を点灯または消灯させるように制御する。つまり、LED135,145は、同期して点灯または消灯する。したがって、画像形成装置100周辺にいるユーザおよび画像形成装置100から離れた場所にいるユーザに対して画像形成装置100の状態変化を知らせることができる。すなわち、画像形成装置100が設置されている部屋全体のユーザに対して画像形成装置100の状態変化を知らせることができる。
【0061】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態以降の実施形態においては、第1実施形態と重複する説明は割愛する。
【0062】
図5は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置100の制御を示すフローチャートである。図5のフローチャートは、画像形成装置100の電源がオンしている場合に適用される。
【0063】
本実施形態では、パワーコントローラ220は、LED135,145に対する電力制御を行って、LED135,145を点灯または消灯させるように制御し(S100)、その後、ICUコントローラ210への電力供給を停止させる(S40)。すなわち、パワーコントローラ220は、S100の制御を行った後、画像形成装置100を省エネモードに移行させる。
【0064】
この構成では、省エネモード中においてFAXを受信し、パワーコントローラ220がLED135,145に対する電力制御を行って、LED135,145を点灯または消灯させるように制御した後、すぐに画像形成装置100を省エネモードに移行させることにより、画像形成装置100全体の消費電力を低減させることができる。
【0065】
最後に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0066】
図6は、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置100におけるICUコントローラ210の構成を示す図である。
【0067】
ICUコントローラ210は、図6に示すように、画像形成装置100の構成部を動作制御するためのモジュールを複数含む。ICUコントローラ210は、一例として、FAXモジュール、画像形成モジュール、スキャナモジュールおよびデータ記憶モジュールを含む。
【0068】
本実施形態では、パワーコントローラ220は、省エネモード中において画像形成装置100の状態が変化(FAX受信等)すると、ICUコントローラ210におけるその状態変化に対応する構成部を動作制御するためのモジュールにのみ電力を供給する。例えば、省エネモード中においてFAXを受信した場合は、パワーコントローラ220は、ICUコントローラ210におけるFAXモジュールにのみ電力を供給する。
【0069】
この構成では、ICUコントローラ210の不要な内部モジュールを復帰させないため、画像形成装置100のFAXに対応する構成部のみを復帰させることができる。したがって、画像形成装置100全体の消費電力を低減させることができる。
【0070】
なお、画像形成装置100のFAXに対応する構成部以外にも、例えば、画像形成モジュールを復帰させてもよい。そうすると、FAXを受信した後ですぐにそのFAXデータを画像形成することができる。
【0071】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0072】
100−画像形成装置
110−画像形成プロセス部
130−筐体
135−LED
140−イオン発生器
145−LED
210−ICUコントローラ
220−パワーコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成プロセス動作を行う画像形成プロセス部を含む画像形成装置本体の全体に電力供給を行うレディモードと、前記画像形成プロセス部への電力供給を停止させる省エネモードと、を有する画像形成装置であって、
前記画像形成プロセス部が収納される筐体と、
前記筐体に配置される第1報知部であって報知または非報知することによって画像形成装置本体の状態の変化を知らせる第1報知部と、
前記筐体以外の場所に配置される第2報知部であって報知または非報知することによって画像形成装置本体の状態の変化を知らせる第2報知部と、
前記省エネモード中には電力供給が停止されていて、前記レディモード中には前記画像形成プロセス部の制御を含む画像形成装置本体の全体の動作制御を行う第1制御部と、
前記レディモード中および前記省エネモード中において電力供給されていて、画像形成装置本体の構成部への電力供給を制御する第2制御部と、
を備え、
前記第2制御部は、前記省エネモード中において画像形成装置本体の状態が変化すると、前記第1制御部に電力を供給するように制御し、
前記第1制御部は、前記第2制御部によって電力が供給されると、前記第2制御部に対して前記第1報知部および前記2報知部を報知または非報知させるための電力供給を制御する制御信号を出力し、
前記第2制御部は、前記第1制御部からの前記制御信号を受けると、前記第1報知部および前記2報知部に対する電力制御を行って、これらの報知部を報知または非報知させるように制御する
画像形成装置。
【請求項2】
前記第1制御部は、画像形成装置本体の構成部を動作制御するためのモジュールを複数含み、
前記第2制御部は、前記省エネモード中において画像形成装置本体の状態が変化すると、前記第1制御部における前記状態変化に対応する構成部を動作制御するためのモジュールに電力を供給する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1制御部は、画像形成装置本体の構成部を動作制御するためのモジュールを複数含み、
前記第2制御部は、前記省エネモード中において画像形成装置本体の状態が変化すると、前記第1制御部における前記状態変化に対応する構成部を動作制御するためのモジュールにのみ電力を供給する
請求項1または2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−68336(P2012−68336A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211537(P2010−211537)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】