画像形成装置
【課題】Collate/Unncollate指定に応じて所望の印刷物を得ることができるようにする。
【解決手段】画像形成装置は、入力された画像データを解析して描画データを生成する。そして画像の濃度補正データを使用して描画データの濃度補正を行う。また、画像形成装置には、複数ページの画像データを複数部印刷する場合に部単位で印刷するか否か(Collate/Uncollate)が設定可能となっている。そして、画像形成装置が画像形成中に所定の画質調整モードに移行した際、Collate/Uncollate設定手段の設定状態に応じて、画像形成を中断して再度の濃度補正を行うか否かを決定する。例えば、Uncollate設定で1ページの印刷が終了した後、2ページ目の1枚目の印刷が終了したときに、画質調整による新しいキャリブレーションデータが作成されたものとする(S112)。この場合、印刷は停止することなく3ページ目まで全て印刷し、印刷を完了させる(S113)。
【解決手段】画像形成装置は、入力された画像データを解析して描画データを生成する。そして画像の濃度補正データを使用して描画データの濃度補正を行う。また、画像形成装置には、複数ページの画像データを複数部印刷する場合に部単位で印刷するか否か(Collate/Uncollate)が設定可能となっている。そして、画像形成装置が画像形成中に所定の画質調整モードに移行した際、Collate/Uncollate設定手段の設定状態に応じて、画像形成を中断して再度の濃度補正を行うか否かを決定する。例えば、Uncollate設定で1ページの印刷が終了した後、2ページ目の1枚目の印刷が終了したときに、画質調整による新しいキャリブレーションデータが作成されたものとする(S112)。この場合、印刷は停止することなく3ページ目まで全て印刷し、印刷を完了させる(S113)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、より詳細には、情報処理装置から送信されたページ記述言語データからビットマップイメージを生成して画像形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナル・コンピュータ等のホストコンピュータと接続し、ホストコンピュータから送信された印刷データを処理して印刷(画像形成)を行うプリンタなどの画像形成装置が一般的に使用されている。例えばホストコンピュータには、ワープロ・ソフト、ペイント・ソフト等の画像生成用ソフトウェアと、生成した文書、絵画等の画像を画像処理装置に送信して記録用紙に画像形成させるためのプリンタドライバとがインストールされている。
【0003】
ホストコンピュータで生成された画像は、プリンタドライバによって、画像形成のためのコマンドがページ記述言語で記述されたデータ(PDLデータ)に変換され、変換されたPDLデータが画像形成装置へ送信される。PDLデータを受信した画像形成装置は、受信したPDLデータに含まれるコマンドを解析して、描画オブジェクト及び描画オブジェクトの属性(描画オブジェクトの種類、座標、色彩等)を示す情報を含む中間データを生成し、生成した中間データをレンダリングすることによって、ラスタイメージデータ(ビットマップイメージ)を生成する。更に画像形成装置は、生成したラスタイメージデータに基づいて、記録用紙に画像を形成する。このとき、画像形成装置は記録用紙を所定の方向に搬送しながらこの記録用紙に画像を形成する。
【0004】
一方、プリンタドライバがPDLデータに基づいて中間データを生成し、生成した中間データを画像形成装置へ送信する構成のシステムも存在する。この場合、画像形成装置が中間データを生成する必要はなく、画像形成装置では、受信した中間データをレンダリングすることによって、ラスタイメージデータを生成して記録用紙に画像を形成することができる。
【0005】
画像形成装置では、PDLデータ等から生成したラスタイメージデータを保存しておき、繰り返し印刷することができる。この場合、感光体上にトナー像を形成して記録紙へ転写するプリントエンジンの濃度特性変化により、当初保存したラスタイメージデータの印刷物とは色味が異なってしまう、という不具合が発生する。具体的には、温度や湿度等の変化に伴う出力画像の変化、あるいは感光ドラムやトナーカートリッジのトナー等の消耗部品の劣化等に伴う画像の変化などがある。
【0006】
このような濃度特性の変化を補正し、安定した画像を供給するために濃度制御を行なう画像形成装置がある。例えば、画像形成装置にて現在の濃度特性を測定し、その測定結果に従って濃度補正情報を生成する。そしてPDLデータに基づいて中間データを生成する際に濃度補正処理を行ない、中間データをメモリに記憶しておく。そして同じ印刷を繰り返す場合は、中間データを読み出して印刷を行うようにしている。
しかしながら上記のような方式では、一旦濃度補正処理を行った中間データを繰り返し使用するため、その後の経時による濃度補正情報の変化に対応できない。この場合、現在の濃度補正情報と中間データの生成時の濃度補正情報に差異が生じ、画像の濃度が適正でなくなる場合があった。
【0007】
これに対応するために、例えば特許文献1には、印刷時に濃度特性を測定し、一定レベル以上の差異が検知されると、再度中間データの生成を行う技術が開示されている。
ここでは、生成した中間データを記憶する際に、その中間データを生成するときに使用した濃度補正データも記憶しておく。そして、記憶した中間データを再利用して画像形成を行う時に、中間データとともに記憶されている濃度補正データと現在の濃度補正データとを比較し、濃度補正データの内容が大きく異なる場合には再度印字データを読み込み、中間データを再度生成し直して、ラスタイメージデータを生成する。これにより、一度形成した中間データの画像形成を何度も繰り返す間に濃度のずれが生じた場合、再度濃度補正を施した中間データを形成し直すことができるので、同じ文書なのに印刷結果(色み)が大きく異なるという不具合を回避することができるとされている。
以下、このような濃度補正データに基づく中間データの生成、及びその中間データに基づくラスタイメージデータの生成処理をRIP(Raster Image Processor)とし、濃度補正データの比較に基づき再度中間データを生成してラスタイメージデータを生成する処理を再RIPとして説明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−22298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
印刷(画像形成)を行うプリンタなどの画像形成装置におい、印刷を行う際の設定条件として、Collate/Uncollate設定がある。この設定は、複数ページの原稿画像を複数部印刷することを印刷ジョブにより指示された場合、部単位で印刷するか否かを指定するもので、Collate は部単位での印刷を指定し、Uncollate は部単位でない印刷を指定する。Collate/Uncollate設定は、ソート/グループ印刷とも呼ばれる。
【0010】
特許文献1のように、中間データ生成時と現在の濃度補正データを比較し、所定レベル以上の差異があったときに現在の濃度補正データを使用して中間データを再生成する場合、Collate/Uncollate設定の条件によっては、単純に同じ処理が行われると、Uncollate時にユーザが期待している出力結果とは異なる印刷物が得られてしまう。以下にこの理由を説明する。
【0011】
図15は、Collate/Uncollate設定に従う画像データの印刷順序の一例を説明する図である。例えば、印刷ジョブで指示された原稿の画像データが1〜3ページであり、印刷部数が3部であったものとする。ここでCollateが設定されているときは、1,2,3のページ順序の印刷が3回繰り返される。また、Uncollateが設定されているときは、1ページが3部、2ページが3部、3ページが3部の順序で印刷される。
【0012】
図16は、従来の再RIPにおける問題点の一例を説明するための図で、Uncollate設定で3ページの原稿画像データを3部印刷するときに、濃度補正データに基づく再RIP(中間データの再生成処理)が行われたときの様子を示す。
印刷データを受信した画像形成装置では、時刻t1におけるRIPを実行する(S401)。ここでは時刻t1における濃度補正データ(キャリブレーションデータ)を取得して、画像データに濃度補正処理を行って中間データを生成し、ラスタライズして印刷を開始する。Uncollate設定であるため、印刷順序は1,1,1ページの順となる。印刷部数は例えば3部が指定されている。
【0013】
1ページ目の印刷が終了した後2ページ目の印刷では、2,2,2ページの順序で印刷を行うが、2ページ目の1枚目の印刷が終了したときに、画質調整による新しいキャリブレーションデータが時刻t2で作成されたものとする(S402)。この場合、画像形成装置では、部単位の印刷が終了(部完)したところで印刷を停止し(S403)、時刻t2におけるキャリブレーションデータを使用した再RIPが行われる(S404)。そしてt2のキャリブレーションデータによる再RIPの印刷が行われる。
【0014】
この場合、従来の処理では、再RIPによる印刷では、予定部数(ここでは3部)から既に印刷した部数(ここでは2部)を差し引いた値を再度セットすると、Uncollate設定であるにもかかわらず、Collate設定時と同様に、1,2,3ページの印刷が行われ、印刷が完了する(S405)。本来ユーザは、再RIP時には3,3,3ページの印刷を望むことになるが、従来例では、ユーザが望まない印刷結果となってしまう。
【0015】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、画質調整モードへの移行時に印刷条件指定であるCollate/Unncollateを判定し、その判定に従い処理方法を変更することにより、Collate/Unncollate指定に応じて所望の印刷物を得ることができるようにした画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、入力された画像データを解析し、描画データを生成する描画データ生成手段と、画像形成の濃度測定を行って生成した濃度補正データを使用して前記描画データの濃度補正を行う濃度補正手段と、前記濃度補正手段により濃度補正された描画データを展開して記録媒体に画像形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置において、複数ページの画像データを複数部印刷する場合、部単位で印刷するか否かを設定するCollate/Uncollate設定手段を有し、前記濃度補正手段は、前記画像形成装置が画像形成中に所定の画質調整モードに移行した際、前記Collate/Uncollate設定手段の設定状態に応じて、画像形成を中断して再度の前記濃度補正を行うか否かを決定することを特徴としたものである。
【0017】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記画像形成手段が、前記Collate/Uncollate設定手段の設定状態がCollateである場合、画像形成中に前記画質調整モードに移行した際に、部単位の画像形成が終了した時点で画像形成を中断し、前記濃度補正手段は、濃度補正データによる再度の濃度補正を行い、前記画像形成手段は、前記再度の濃度補正を行った描画データを使用して中断後の画像形成を予定量まで実行することを特徴としたものである。
【0018】
第3の技術手段は、第2の技術手段において、第2の技術手段において、前記画像形成手段が、前記Collate/Uncollate設定手段の設定状態がUncollateである場合、画像形成中に前記画質調整モードに移行した際に、ページ単位の画像形成が終了しても画像形成を中断することなく、前記濃度補正手段による再度の濃度補正を行わずに、ページ単位の画像形成を予定量まで実行することを特徴としたものである。
【0019】
第4の技術手段は、第2の技術手段において、前記画像形成手段は、前記Collate/Uncollate設定手段の設定状態がUncollateである場合、画像形成中に前記画質調整モードに移行した際に、ページ単位の画像形成が終了した時点で画像形成を中断し、前記濃度補正手段は、濃度補正データによる再度の濃度補正を行い、前記画像形成手段は、前記再度の濃度補正を行った描画データを使用して中断後のページ単位の画像形成を予定量まで実行することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、画質調整モードへの移行時に印刷条件指定であるCollate/Unncollateを判定し、その判定に従い処理方法を変更することにより、Collate/Unncollate指定に応じて所望の印刷物を得ることができるようにした画像処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による画像形成装置の一実施形態のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す画像形成装置のソフトウェア構成を示す図である。
【図3】本発明による画像処理装置のCollate設定時の処理例を説明する図である。
【図4】本発明による画像処理装置のUncollate設定時の処理例を説明する図である。
【図5】本発明による画像処理装置のUncollate設定時の他の処理例を説明する図である。
【図6】本発明による画像処理装置でCollate設定時における各モジュールの実行シーケンスの一例を説明する図である。
【図7】本発明による画像処理装置のUncollate設定時における各モジュールの実行シーケンスの一例を示す図である。
【図8】本発明による画像処理装置のUncollate設定時における各モジュールの実行シーケンスの他の例を記述したものである。
【図9】本発明による画像処理装置でUncollateが設定されているときの印刷ドライバ部の処理の流れを説明するためフローチャートである。
【図10】本発明による画像処理装置でUncollateが設定されているときの印刷ドライバの処理の流れの他の例を説明するためフローチャートである。
【図11】トナーパッチの入力濃度と測定値との関係を示す図である。
【図12】出力濃度の補正処理例を説明する図である。
【図13】入力濃度と出力濃度が理想的な状態のときの渦巻き型ディザマトリックスの一例を示す図である。
【図14】入力濃度と出力濃度がリニアになっていないときの渦巻き型ディザマトリックスの一例を示す図である。
【図15】Collate/Uncollate設定に従う画像データの印刷順序の一例を説明する図である。
【図16】従来の再RIPにおける問題点の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明による画像形成装置の一実施形態のハードウェア構成を示すブロック図である。本例の画像形成装置は、スキャナ、コピー、プリンタ機能等を備えた複合機(MFP;Multifunction Peripheral)として構成されている。
画像形成装置は、PC等のホストコンピュータから送信されたPDLデータをレンダリングしてレンダリングイメージデータを生成する画像形成処理部(ICU)1と、画像形成処理部1で生成されたレンダリングイメージデータを記録紙等の媒体に画像形成(印刷)するプリンタ制御部(PCU)2と、原稿画像を読み取ってその画像データを出力するスキャナ部(SCN)3とを備えている。本発明の画像データ生成手段、濃度補正手段、Collate/Uncollate設定手段はICU1によって実現され、本発明の画像形成手段はプリンタ制御部2によって実現される。
【0023】
ICU1は、ホストコンピュータ等から受信したPDLデータデータを基にレンダリングを行って画像データ(レンダリングイメージデータ)を生成する部分で、ホストコンピュータと通信を行うNIC(Network Interface Card)11、CPU12、RAM13、PCU2との間で画像データ等の送受信を行うVIDEO I/F14及びI/F19、操作画面や各種情報表示を行うとともにユーザ操作を受け付けるオペレーションパネル15、ROM16、HDD17、スキャナ部3との間で画像データ等を送受信するVIDEO I/F18及びI/F20を備えている。
【0024】
また、PCU2は、印刷を行うため印刷エンジンを制御する部分で、ICU1との間で画像データ等の送受信を行うVIDEO I/F21及びI/F24、CPU22、ROM23、RAM25、両面印刷処理を行う両面ユニット27、記録紙に印字(画像形成)を行う印字ユニット29、印字ユニット29等に記録紙の給紙を行う給紙ユニット29、印字された記録紙を排紙するための排紙ユニット30、これら各ユニットとCPUとのインタフェースであるユニットI/F26を備えている。
【0025】
SCN3は、ICU1との間で画像データ等の送受信を行うVIDEO I/F21及びI/F24、CPU22、ROM23、RAM25、両面印刷処理を行う両面ユニット27、記録紙に印字(画像形成)を行う印字ユニット29、印字ユニット29等に記録紙の給紙を行う給紙ユニット28、印字された記録紙を排紙するための排紙ユニット30、これら各ユニットとCPU22が接続されるバスとのインタフェースであるユニットI/F26を備えている。
【0026】
図2は、図1に示す画像形成装置のソフトウェア構成を示す図である。
ICU1は、プリンタとして動作するためのRIPデータ入力部101、プリンタアプリケーションモジュール100、印刷ドライバ部(プリンタアプリケーション用)110、プリンタドライバ(コピーアプリケーション用)120、コピーアプリケーションモジュール130、スキャンアプリケーションモジュール140、プロセスコントロールサービス部150、印刷サービス部160、ファイルマネージャ部170、ユーザインタフェース部180、スキャンドライバ部190を有している。
【0027】
プリンタアプリケーションモジュール100は、RIPデータを解釈するためのインタープリタモジュール102と、解釈したデータをビットマップデータに変換するためのレンダリングモジュール104、印刷エンジンから得られた画質調整値により最適なディザマトリックスパターンを選択・生成するためのディザパターン作成部103、再RIPを行うためにRIPデータを保存格納するRIPデータ保存部105を有している。
【0028】
印刷ドライバ部(プリンタアプリ用)110は、プリンタジョブ管理部111を有し、プリンタアプリケーションモジュール100で生成されたページごとのビットマップイメージを、ファイルマネージャ部170で保存・管理させると共に、プリンタジョブとして管理し、他のアプリケーションから共通して使用される印刷サービス部160に対し、プリンタジョブとして印刷の登録を行う。
【0029】
コピーアプリケーションモジュール130は、コピーパラメータを設定するコピーパラメータ設定部131と、スキャンデータを受信するスキャンデータ受信部132とを有している。画像処理装置10がMFPとしてコピー機能を実行する場合、コピーアプリケーションモジュール130は、ユーザから指示されたコピーパラメータをユーザインタフェース部180から受け取り、その情報を基にスキャンドライバ部190に対しスキャン動作を指示する。ユーザインタフェース部180には、オペレーションパネルを制御するオペパネ制御部181と、パラメータを管理・保存するパラメータ管理/保存部182を有している。
【0030】
スキャンドライバ部190は、スキャンデータ受信部191を有し、コピーアプリケーションモジュール130からの指示に従って、指定された倍率やスキャン領域でスキャナを動作させてスキャンデータを得る。その後、コピーアプリケーションモジュール130は、スキャンしたデータをコピージョブとし、コピーアプリケーション用の印刷ドライバ部120を介して印刷サービス部160にコピージョブを印刷登録する。
【0031】
スキャンアプリケーションモジュール140は、スキャンパラメータを設定するスキャンパラメータ設定部141と、スキャンデータを受信するスキャンデータ受信部142とを有している。画像処理装置10がMFPとしてスキャン機能を実行する場合、スキャンアプリケーションモジュール140は、ユーザから指示されたスキャンパラメータをユーザインタフェース部180から受け取り、その情報を基にスキャンドライバ部190に対してスキャン動作を指示する。スキャンドライバ部190は、指示された倍率やスキャン領域でスキャナを動作させてスキャンデータを得る。
【0032】
その後得られたスキャンデータは、ファイルマネージャ部170のイメージデータ保存・管理部171にイメージデータとして保存管理される。保存されたイメージデータはスキャンアプリケーションモジュール140からファイルとしてネットワークを介して図示しないサーバーに送られたり、メールに添付データとして利用されたり、図示しないUSBストレージに直接記録されたりする。
【0033】
印刷サービス部160は、ジョブを管理するジョブ管理部161、印刷制御を行う印刷制御部162、PCUから得られる印刷エンジンのステータスを管理するステータス管理部163を有し、それぞれのアプリケーションの印刷ドライバ部110,120から登録された印刷ジョブデータを印刷キューデータとしてハンドリングすることで、各ジョブを処理する順番を決定して管理している。
【0034】
また、印刷サービス部160は、PCU2から得られる印刷エンジンの様々なステータス情報、例えば、各給紙トレイの用紙サイズや用紙残量、排紙トレイの状態、印刷実行状態、フィニシャーのステープル針の残量やパンチクズの容量情報、印刷機の温度、湿度情報等を得て、ユーザインタフェース部180を通じて、オペレーションパネルに表示を行う機能を有する。
また、印刷サービス部160は、印刷中にユーザがオペレーションパネルからジョブのキャンセル処理要求を行った場合、現在印刷実行が行われているジョブがその対象となっていれば、PCU2を通じて印刷を中断させる。そして印刷停止後、そのジョブを管理する印刷ドライバ部110,120に対して登録されたジョブを削除するように要求することで、ジョブの削除が行われる。
【0035】
プロセスコントロールサービス部150は、画質調整部151を有し、印刷サービス部160が得た湿度/温度情報や、前回のキャリブレーション実行からの経過時間や印刷枚数、使用トナー量等に基づいて特定の条件を満たした場合にキャリブレーション(プロコンともいう)を印刷エンジンに行わせ、印刷機自体の自己調整を行わせる。またこれとともに、濃度補正のための情報を得て印刷画質の経時変化による画質低下を防ぐ処理を行う。
【0036】
プロセスコントロールサービス部150で得られた濃度補正情報は、プリンタアプリケーションモジュール100がレンダリング時に使用するディザマトリックスを生成するためのデータとして使用される。また、濃度補正情報は、コピーアプリケーションモジュール130等で入力されたRGBデータを印刷する場合に、印刷サービス部160で画質調整のためのパラメータとして使用される。
【0037】
PCU2は、プロセスコントロールサービス部150と通信し、キャリブレーションを行うキャリブレーション部200、印刷サービス部160から印字データを受信する印字データ受信部210,印字ユニットを制御する印字ユニット制御部220、給紙ユニットを制御する給紙ユニット制御部230、両面ユニットを制御する両面ユニット制御部240、排紙ユニットを制御する排紙ユニット制御部250を有している。
【0038】
SCN3は、スキャンドライバ部190と通信し、スキャンデータを送信するスキャンデータ送信部310、スキャンキャリブレーションを行うスキャンキャリブレーション部320、スキャナユニットを制御するスキャナユニット制御部330、及びADFユニットを制御するADFユニット制御部340を有している。
【0039】
図3は、本発明による画像処理装置のCollate設定時の処理例を説明する図である。ここでは、Collate設定において3ページの原稿画像データを3部印刷するときに、濃度補正データに基づく再RIP(中間データの再生成処理)が行われたときの様子を示す。
まず、印刷データを受信した画像形成装置では、時刻t1における濃度補正データ(キャリブレーションデータ)を取得して画像データに濃度補正処理を行って中間データを生成し、ラスタライズして印刷を開始する(S101)。印刷順序は1,2,3ページの順となる。ここでは、印刷部数は3部が指定されている。
【0040】
1部目の印刷が終了した後2部目の印刷では、再度1,2,3ページの順序で印刷を行うが、2部目の1ページ目の印刷が終了したときに、画質調整による新しいキャリブレーションデータが時刻t2で作成されたものとする(S102)。
この場合、画像形成装置では、部単位の印刷が終了(部完)したところで印刷を停止し(S103)、時刻t2におけるキャリブレーションデータを使用して再RIPを実行して(S104)、のこりの部数(この場合1部)の印刷を行う。これにより印刷が完了する(S105)。ここに示すCollate時の処理は、従来と同様の処理になる。
【0041】
図4は、本発明による画像処理装置のUncollate設定時の処理例を説明する図である。ここでは、Uncollate設定において3ページの原稿画像データを3部印刷するときに、濃度補正データに基づく再RIPを行わない設定であるときの様子を示している。
印刷データを受信した画像形成装置では、時刻t1におけるキャリブレーションデータを取得して画像データに濃度補正処理を行って中間データを生成し、ラスタライズして印刷を開始する(S111)。Uncollate設定であるため、印刷順序は1,1,1ページの順となる。印刷部数は3部が指定されている。
【0042】
1ページの印刷が終了した後2ページ目の印刷では、2,2,2ページの順序で印刷を行うが、2ページ目の1枚目の印刷が終了したときに、画質調整による新しいキャリブレーションデータが時刻t2で作成されたものとする(S112)。この場合、本例では再RIP処理を行わない設定であるため、印刷は停止することなく、3ページ目まで全て印刷し、印刷を完了させる(S113)。つまり、1回の印刷ジョブの印刷処理途中で新しいキャリブレーションデータが作成されたとしても、その印刷ジョブの印刷処理中では新しいキャリブレーションデータを使用した再RIPは実行しない。新しいキャリブレーションデータは、次の印刷ジョブ(New Job)に反映させる。
【0043】
このような処理により、Uncollate設定であっても新たなキャリブレーションデータの作成時にCollate設定と同じ再RIP処理が行われることがなく、ユーザ所望の印刷結果(1〜3頁を3部)を得ることができる。また、新しいキャリブレーションデータは、次の印刷ジョブから反映させることができ、濃度補正データに基づく適切な画質で印刷処理を実行することができるようになる。
【0044】
図5は、本発明による画像処理装置のUncollate設定時の他の処理例を説明する図である。ここでは、Uncollate設定において3ページの原稿画像データを3部印刷するときに、濃度補正データに基づく再RIPを行う設定であるときの様子を示している。
印刷データを受信した画像形成装置では、時刻t1におけるキャリブレーションデータを取得して画像データに濃度補正処理を行って中間データを生成し、ラスタライズして印刷を開始する(S121)。Uncollate設定であるため、印刷順序は1,1,1ページの順となる。印刷部数は3部が指定されている。
【0045】
1ページ目の印刷が終了した後2ページ目の印刷では、2,2,2ページの順序で印刷を行うが、2ページ目の1枚目の印刷が終了したときに、画質調整による新しいキャリブレーションデータが時刻t2で作成されたものとする(S122)。この場合、再RIPを行うために部単位の印刷が終了したところで(部完)印刷を停止し(S123)、時刻t2におけるキャリブレーションデータを使用して再RIPを実行する(S124)。そしてすでに2ページまでの印刷が終了しているため、生成されたページデータのうち3ページ目だけを印刷登録する(S125)。そして、3ページ目を3枚印刷する。これにより印刷が完了する(S126)。
【0046】
このような処理により、Uncollate設定であっても新たなキャリブレーションデータの作成時にCollate設定と同じ再RIP処理が行われることがなく、ユーザ所望の印刷結果(1〜3頁を3部)を得ることができる。この場合、新しいキャリブレーションデータが作成されると部完で印刷が停止され、再RIPが行われるため、再RIP後の画質を向上させることができる。また、印刷ジョブの区切りのよいタイミング(部完)で再RIPデータを反映させるため、部間やページ間における画質の差は発生しない。
【0047】
図6は、本発明による画像処理装置でCollate設定時における各モジュールの実行シーケンスの一例を説明する図である。このシーケンスは、上記図3のCollate設定時の処理に相当する。
プロセスコントロールサービス部は、一定時間もしくは一定の印刷枚数ごとにPCUに対して画質調整要求を出力し、画質調整要求に従って測定された濃度情報を元にキャリブレーションデータ(濃度補正データ)を保存する。PCU(process control unit)は、画像形成装置のハードウェアを動作させるもので、記録媒体に体する画像形成(印刷)動作を実行する。プリンターアプリ(プリンタアプリケーション)は、PCUに印刷指令を行う。印刷ドライバ部は、画像形成装置に内蔵されているプリンターアプリ(プリンターエミュレーション)で生成されたビットマップイメージデータを印刷サービスに投入する。プリンタアプリでは、PCから入力されたPDLデータを解釈してビットマップデータ(ラスタイメージデータ)を生成する。
【0048】
印刷条件としてはCollateが指定され、画像データをN部印刷する指示が行われたものとする。プリンタアプリは、外部のホストコンピュータ等からPDLデータ(RIPデータ)が入力すると、RIP処理を開始する(S1)。ここでは、入力したRIPデータを解析し、濃度補正データを使用して描画オブジェクトを含む中間データを生成する。プリンタアプリは、RIP処理が完了すると(S2)、中間データをラスタライズして印刷ドライバ部に送り(S3)、印刷サービス部にジョブ登録を行う(S4)。このとき、最初にPDLデータ言語で指定された印刷部数やCollate/Uncollate条件も印刷サービス部に登録する。印刷サービス部は、ジョブ登録が完了した旨を印刷ドライバに返す(S5)。印刷サービス部では、登録されたデータの印刷開始をPCUに指示し(S6)、PCUは印刷を開始する(S7)。
【0049】
プロセスコントロールサービス部は、一定時間もしくは一定の印刷枚数、またはその両方の条件に従ってPCUに画質調整を要求する(S8)。PCUは、この画質調整要求に応じて印刷を一時停止し、印刷停止イベントを印刷サービスに送る(S9)。そしてPCUは、画質調整モードに入り、プリンタアプリで使用するキャリブレーションデータを生成する(S12)。
プロセスコントロールサービス部は、画質調整の前に印刷ドライバ部に対して画像調整による印刷停止イベントを送り(S10)、画質調整の後には画質調整完了イベントを送る(S13)。
【0050】
印刷ドライバ部は、プロセスコントロールサービス部から送られた印刷停止イベントを受信すると、印刷サービス部に対して部完印刷停止要求を行う(S11)。ここでは、複数ページをN部印刷するときに、M(M<N)部目の印刷が最後まで終了した時点で印刷を停止させるよう要求する。M部目の印刷が完了する前に途中で停止し、新たなRIPデータを使用して残りの印刷を行うと、印刷制御が複雑になるためである。
【0051】
PCUは、画質調整の終了に応じて印刷を再開し(S15)、再開時には印刷再開イベントを印刷サービスに送る(S16)。そして印刷サービス部からの部完印刷停止指示(S16)に応じて、部単位で印刷が完了したところで印刷を停止し、印刷ドライバ部に部完停止完了イベントを送る(S17)。
印刷ドライバ部は、部完停止完了イベントを受信すると、プリンタアプリに再RIP要求を行なう(S18)。プリンタアプリは、再RIP要求に従って、新たに生成されたキャリブレーションデータを使用して再RIP処理を実行し(S19〜S20)、再度1ページ目のラスタイメージデータから順に印刷ドライバに送り(S21)、印刷サービスにジョブ登録を行う(S22)。このとき登録する印刷部数は、すでに印刷が終了したM部を除くN−M部となる。
印刷サービス部は、ジョブ登録が完了した旨を印刷ドライバ部に返す(S23)。そして印刷サービス部では、登録されたデータの印刷開始をPCUに指示し(S24)、PCUは印刷を開始する(S25)。
【0052】
そしてのこりの部数(N−M部)の印刷が全て完了すると、PCUは印刷サービス部に印刷停止イベントを送り(S26)、印刷サービス部は、印刷ドライバ部にジョブ印刷完了通知を行う(S27)。そして印刷ドライバ部は、プリンタアプリにRIPデータ消去要求を行う(S28)。その要求によりプリンタアプリは、保持していたRIPデータを削除する(S29)。
【0053】
このように、印刷ドライバ部は画像処処理装置のCollate/Uncollate設定がCollateであることを判別することにより、画質調整による印刷停止イベントの入力に応じて、部完印刷停止要求を印刷サービスに出力することで、部単位の印刷が終了した時点で印刷を停止させ、再RIP処理を行った後に、のこりの部数の印刷を行わせるようにする。これによりCollate/Uncollate設定に応じて最適な印刷を行わせることができるようになる。
【0054】
図7は、本発明による画像処理装置のUncollate設定時における各モジュールの実行シーケンスの一例を示す図である。
このシーケンスは、上記図4のUncollate設定時の処理に相当する。この例では、印刷条件としてUncollateが指定され、画像データをN部印刷する指示が行われたものとする。ここでは、図6のシーケンスと同様の処理を行う部分はその繰り返しの詳細な説明は省略し、主に本例の特徴となる部分について説明する。
【0055】
S31〜S35では、プリンタアプリが生成したラスタイメージデータを印刷ドライバ部を介して印刷サービス部に登録する。ここでS34では、最初にPDLデータ言語で指定された印刷部数やCollate/Uncollate条件も印刷サービスに登録するが、本例の場合には、Uncollateが登録される。
【0056】
PCUで印刷が開始された後(S37)、プロセスコントロールサービスがPCUに画質調整による停止イベントを印刷ドライバに送った場合(S38)、印刷ドライバは現在Uncollateに設定されていることを判別して、Collate設定のときのような部完停止要求を行わない。
このため、印刷サービスは、画質調整(S41)による印刷停止が終了し、印刷が再開(S44)しても部完停止を行わずにそのまま印刷を続け、印刷完了する(S45〜S47)。そしてプリンタアプリは、保持していたRIPデータを削除する(S48)。
【0057】
このように、印刷ドライバは画像処処理装置のCollate/Uncollate設定がUncollateであることを判別することにより、画質調整による印刷停止イベントの入力があっても部完印刷停止要求を印刷サービスに出力しないようにして、規定部数までそのまま印刷させるようにする。これにより、Uncollate設定であっても新たなキャリブレーションデータの作成時にCollate設定と同じ再RIP処理が行われることがなく、ユーザ所望の印刷結果を得ることができる。また、新しいキャリブレーションデータは、次の印刷ジョブから反映させることができ、濃度補正データに基づく適切な画質で印刷処理を実行することができるようになる。
このように、本発明の実施形態では、Collate/Uncollate設定に応じて最適な印刷を行わせることができるようになる。
【0058】
図8は、本発明による画像処理装置のUncollate設定時における各モジュールの実行シーケンスの他の例を記述したものである。
このシーケンスは、上記図5のUncollate設定時の処理に相当する。この例では、印刷条件としてUncollateが指定され、画像データをN部印刷する指示が行われたものとする。ここでは、図6のシーケンスと同様の処理を行う部分はその繰り返しの詳細な説明は省略し、主に本例の特徴となる部分について説明する。
【0059】
S51〜S71までは、図6のCollate設定時と同様の処理になる。つまり本例では、Uncollate設定であってもプロセスコントロールサービスの画質調整による停止イベントが発生した場合には(S60)、印刷ドライバ部は印刷サービス部に対して部完停止要求を送る(S61)。これに応じてPCUは、ページ単位の印刷が終了した時点で印刷を停止し、部完停止完了イベントを印刷ドライバ部に送る(S67)。ただしこの場合、Collate/Uncollate設定は、Uncolaateになっているため、PCUの印刷順序は、1ページ目×N,2ページ目×N・・となる。ここでは例えば、部完停止要求に応じた印刷停止時にmページまで印刷が終了したものとする。
【0060】
この後プリンタアプリでは、再RIP処理を行う(S69)。再RIPが完了すると(S71)、プリンタアプリが生成したラスタイメージデータを印刷ドライバ部を介して印刷サービスに登録する(S72)。このとき印刷ドライバ部は、すでに印刷が終了しているmページまでのデータは印刷サービスに登録することなく、m+1ページ目以降のデータを登録する。また、Collate/Uncollate条件としてUncollateが登録される。
【0061】
そしてPCUでは、登録されたデータに従ってm+1ページ以降をUncollate設定にて印刷する(S75)。印刷が終了すると、プリンタアプリは、保持していたRIPデータを削除する(S79)。
【0062】
このように、印刷ドライバは画像処処理装置のCollate/Uncollate設定がUncollateであることを判別することにより、画質調整による印刷停止イベントの入力があったときに部完印刷停止要求を印刷サービスに出力し、ページ単位の印刷が終了した時点で印刷を停止させる。そして再RIP処理を行ってのこりのページをUncollate設定で印刷させるようにする。従って、部間やページ間における画質の差は発生させることなく、Collate/Uncollate設定に応じて最適な印刷を行わせることができるようになる。
【0063】
図9は、本発明による画像処理装置でUncollateが設定されているときの印刷ドライバ部の処理の流れを説明するためフローチャートで、上記図4に示すようなUncollate設定時に再RIPを行わないときの印刷ドライバ部の処理を示すものである。
印刷ドライバ部がジョブ印刷を実行する場合、ジョブ印刷が完了していれば(ステップS201−Yes)、RIPデータを削除して処理を終了する(ステップS211)。また、ジョブ印刷が完了していなければ(ステップS201−No)、プロセスコントロールサービスからの画質調整による停止イベントを受信したか否かを判別する(ステップS202)。画質調整による停止イベントを受信していない場合には、ステップS201に戻る。また、画質調整による停止イベントを受信した場合には、現在の設定を確認し、Collateジョブか否かを判別する(ステップS203)。
【0064】
Collateジョブでない場合にはステップS201に戻る。また、Collateジョブである場合、印刷ドライバ部は印刷サービスに対して部完停止要求を実行する(ステップS204)。そしてPCUから部完停止完了イベントを受信すると(ステップS205)、ジョブ印刷が完了したか否かを判別し(ステップS206)、完了していればRIPデータを削除して処理を終了し(ステップS211)、完了していなければ、印刷済みの部数の情報を取得する(ステップS207)。そして、再RIP要求を実行し(ステップS208)、再RIP処理が終了したならば(ステップS209−Yes)、残り部数を印刷サービスにセットして印刷登録を行う(ステップS210)。
【0065】
図10は、本発明による画像処理装置でUncollateが設定されているときの印刷ドライバの処理の流れの他の例を説明するためフローチャートで、上記図5に示すようなUncollate設定時に再RIPを行うときの印刷ドライバ部の処理を示すものである。
印刷ドライバ部がジョブ印刷を実行する場合、ジョブ印刷が完了していれば(ステップS301−Yes)、RIPデータを削除して処理を終了する(ステップS312)。また、ジョブ印刷が完了していなければ(ステップS301−No)、プロセスコントロールサービスから画質調整による停止イベントを受信したか否かを判別する(ステップS302)。画質調整による停止イベントを受信していない場合には、ステップS301に戻る。また、画質調整による停止イベントを受信した場合には、印刷ドライバ部は印刷サービス部に対して部完停止要求を実行する(ステップS303)。
【0066】
そして印刷ドライバ部は、PCUからの部完停止完了イベントの受信を待ち(ステップS304)、部完停止完了イベントを受信すると、ジョブ印刷が完了したか否かを判別する(ステップS305)。ジョブ印刷が完了していればRIPデータを削除して処理を終了し(ステップS312)、完了していなければ、印刷済みの部数の情報を取得する(ステップS306)。そして、再RIP要求を実行し(ステップS307)、再RIP処理が終了したならば(ステップS308−Yes)、現在の設定を確認し、Collateジョブか否かを判別する(ステップS309)。
Collateジョブの場合には、プリンタドライバ部は残り部数をセットして印刷サービスに対して印刷登録を行う(ステップS310)。また、Collateジョブでない場合には、印刷済み部数より大きなページのみ印刷サービスに対して印刷登録する(S311)。
【0067】
次に、画像形成装置で実行されるキャリブレーション処理について説明する。
キャリブレーション処理の主な処理として、キャリブレーションを実行させるための所定の条件(以下、キャリブレーション実行条件とする)が満たされると、画像形成装置は、感光体ドラム表面上や中間転写体上に濃度の異なるテスト用トナー画像(トナーパッチとも言う)を作成する。そして、光学センサ等の濃度センサを用いて各入力濃度で生成されたトナーパッチからの反射光を検出し、トナー画像の濃度を測定する。これを各色(C,M,Y,K)で行うことでトナー色ごとに入力濃度に対する、出力濃度のデータを得ることができる。
【0068】
図11は、トナーパッチの入力濃度と測定値との関係を示す図である。ここでは、入力濃度を0〜255の256レベルとし、各レベルのトナーパッチを濃度センサにより測定したときの測定値を示している。図11(A)は理想状態を示す図で、記録用紙にトナーを転写・定着する際に、光学的・物理的なドットゲインの影響がない場合には、入力濃度に対する出力濃度がリニアに変化する。
【0069】
しかしながら、実際の測定結果は、図11(B)〜図11(D)に示すような結果となることがある。例えば図11(B)では、入力濃度に対して実測値(出力濃度)が大きくなり、図11(C)では、入力濃度に対して出力濃度が小さくなる。また、図11(D)では、入力濃度が低濃度の範囲では出力濃度は小さくなるが、入力濃度が高濃度の範囲では反対に出力濃度は大きくなる。また、これら以外の挙動を示すこともある。このような場合、入力濃度に対する出力濃度の補正を行うことにより、画像品質を防ぐ処理を行う。
【0070】
図12は、図11(B)の状態の場合の補正処理を説明する図である。図12に示すように、入力濃度値が128のときには、実際は128よりも大きい濃度実測値Oaが得られる。また、実測値で128の濃度を得たい場合には、入力濃度としては128より小さい入力値Iaを与ればよい。濃度補正に関する基本的な仕組みを示すために、ここでは入力される濃度が0−255の8ビット階調とし、画像形成装置の出力階調が0,1で示される1ビット階調とするとき、一辺が16ドット×16ドットの渦巻き型のディザマトリックスを使用して面積階調法により階調を表現する。
【0071】
まず、理想的な入力濃度と出力濃度がリニアになっている状態では、これに対応する渦巻き型ディザマトリックスは図13(A)で表されるものとなる。このディザマトリックスは、中心部分から渦を巻くように時計回りで、しきい値として0,1,2・・が順番に設定されたディザパターンとなる。このディザパターンに入力値128を入力すると、各マトリックスに設定されたしきい値が128よりも小さい部分が黒(斜線部分)として表現され、これが面積階調(256セルのうち128セルが黒として認識される)として出力濃度128の値を持つビットマップで表現される(図13(B))。
【0072】
図13(A)に示す理想的なディザマトリックスに対して、図12に示すような入力濃度−出力濃度の関係をもつ場合には、Iaの入力濃度のときに出力濃度が128となり、入力濃度128の時に出力濃度がOaとなる。例えばIaが115、Oaが141の濃度である場合、補正されたしきい値を持つ渦巻き型ディザマトリックステーブルは、図14(A)に示すようになる。図14(A)でしきい値が128のセルは、図13(A)の理想状態では115であり、図14(A)でしきい値が141のセルは、図13(A)の理想状態では128になる。
このしきい値をもつディザパターンを、印刷エンジン部が図12のような特性をもつときに使用することで、入力値が128の出力パターンは図14(B)に示すようなビットマップ出力となる。このビットマップが、図12の印刷エンジン特性で出力されることにより、128の出力濃度が得られることになる。以上が濃度補正の基本的な考え方となる。
さらに、出力階調が1ビットだけではなく2、4ビットの多階調をサポートし、それに出力が多段階となるディザマトリックスを組み合わせて使用される。この場合にも基本的な補正の原理は上記の1ビット出力の場合と同じになる。
【符号の説明】
【0073】
1…画像形成処理部、2…プリンタ制御部、3…スキャナ部、10…画像処理装置、12…CPU、13…RAM、14…VIDEO I/F、15…オペレーションパネル、16…ROM、17…HDD、18…VIDEO I/F、19…VIDEO I/F、20…VIDEO I/F、21…VIDEO I/F、22…CPU、23…ROM、24…VIDEO I/F、25…RAM、26…ユニットI/F、27…両面ユニット、28…給紙ユニット、29…印字ユニット、30…排紙ユニット、100…プリンタアプリケーションモジュール、101…RIPデータ入力部、102…インタープリタモジュール、103…ディザパターン作成部、104…レンダリングモジュール、105…RIPデータ保存部、110,120…印刷ドライバ部、111…プリンタジョブ管理部、120…印刷ドライバ部、130…コピーアプリケーションモジュール、131…コピーパラメータ設定部、132…スキャンデータ受信部、140…スキャンアプリケーションモジュール、141…スキャンパラメータ設定部、142…スキャンデータ受信部、150…プロセスコントロールサービス部、151…画質調整部、160…印刷サービス部、161…ジョブ管理部、162…印刷制御部、163…ステータス管理部、170…ファイルマネージャ部、180…ユーザインタフェース部、181…オペパネ制御部、182…保存部、190…スキャンドライバ部、191…スキャンデータ受信部、200…キャリブレーション部、210,…印字データ受信部、220…印字ユニット制御部、230…給紙ユニット制御部、240…両面ユニット制御部、250…排紙ユニット制御部、310…スキャンデータ送信部、320…スキャンキャリブレーション部、330…スキャナユニット制御部、340…ADFユニット制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、より詳細には、情報処理装置から送信されたページ記述言語データからビットマップイメージを生成して画像形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナル・コンピュータ等のホストコンピュータと接続し、ホストコンピュータから送信された印刷データを処理して印刷(画像形成)を行うプリンタなどの画像形成装置が一般的に使用されている。例えばホストコンピュータには、ワープロ・ソフト、ペイント・ソフト等の画像生成用ソフトウェアと、生成した文書、絵画等の画像を画像処理装置に送信して記録用紙に画像形成させるためのプリンタドライバとがインストールされている。
【0003】
ホストコンピュータで生成された画像は、プリンタドライバによって、画像形成のためのコマンドがページ記述言語で記述されたデータ(PDLデータ)に変換され、変換されたPDLデータが画像形成装置へ送信される。PDLデータを受信した画像形成装置は、受信したPDLデータに含まれるコマンドを解析して、描画オブジェクト及び描画オブジェクトの属性(描画オブジェクトの種類、座標、色彩等)を示す情報を含む中間データを生成し、生成した中間データをレンダリングすることによって、ラスタイメージデータ(ビットマップイメージ)を生成する。更に画像形成装置は、生成したラスタイメージデータに基づいて、記録用紙に画像を形成する。このとき、画像形成装置は記録用紙を所定の方向に搬送しながらこの記録用紙に画像を形成する。
【0004】
一方、プリンタドライバがPDLデータに基づいて中間データを生成し、生成した中間データを画像形成装置へ送信する構成のシステムも存在する。この場合、画像形成装置が中間データを生成する必要はなく、画像形成装置では、受信した中間データをレンダリングすることによって、ラスタイメージデータを生成して記録用紙に画像を形成することができる。
【0005】
画像形成装置では、PDLデータ等から生成したラスタイメージデータを保存しておき、繰り返し印刷することができる。この場合、感光体上にトナー像を形成して記録紙へ転写するプリントエンジンの濃度特性変化により、当初保存したラスタイメージデータの印刷物とは色味が異なってしまう、という不具合が発生する。具体的には、温度や湿度等の変化に伴う出力画像の変化、あるいは感光ドラムやトナーカートリッジのトナー等の消耗部品の劣化等に伴う画像の変化などがある。
【0006】
このような濃度特性の変化を補正し、安定した画像を供給するために濃度制御を行なう画像形成装置がある。例えば、画像形成装置にて現在の濃度特性を測定し、その測定結果に従って濃度補正情報を生成する。そしてPDLデータに基づいて中間データを生成する際に濃度補正処理を行ない、中間データをメモリに記憶しておく。そして同じ印刷を繰り返す場合は、中間データを読み出して印刷を行うようにしている。
しかしながら上記のような方式では、一旦濃度補正処理を行った中間データを繰り返し使用するため、その後の経時による濃度補正情報の変化に対応できない。この場合、現在の濃度補正情報と中間データの生成時の濃度補正情報に差異が生じ、画像の濃度が適正でなくなる場合があった。
【0007】
これに対応するために、例えば特許文献1には、印刷時に濃度特性を測定し、一定レベル以上の差異が検知されると、再度中間データの生成を行う技術が開示されている。
ここでは、生成した中間データを記憶する際に、その中間データを生成するときに使用した濃度補正データも記憶しておく。そして、記憶した中間データを再利用して画像形成を行う時に、中間データとともに記憶されている濃度補正データと現在の濃度補正データとを比較し、濃度補正データの内容が大きく異なる場合には再度印字データを読み込み、中間データを再度生成し直して、ラスタイメージデータを生成する。これにより、一度形成した中間データの画像形成を何度も繰り返す間に濃度のずれが生じた場合、再度濃度補正を施した中間データを形成し直すことができるので、同じ文書なのに印刷結果(色み)が大きく異なるという不具合を回避することができるとされている。
以下、このような濃度補正データに基づく中間データの生成、及びその中間データに基づくラスタイメージデータの生成処理をRIP(Raster Image Processor)とし、濃度補正データの比較に基づき再度中間データを生成してラスタイメージデータを生成する処理を再RIPとして説明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−22298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
印刷(画像形成)を行うプリンタなどの画像形成装置におい、印刷を行う際の設定条件として、Collate/Uncollate設定がある。この設定は、複数ページの原稿画像を複数部印刷することを印刷ジョブにより指示された場合、部単位で印刷するか否かを指定するもので、Collate は部単位での印刷を指定し、Uncollate は部単位でない印刷を指定する。Collate/Uncollate設定は、ソート/グループ印刷とも呼ばれる。
【0010】
特許文献1のように、中間データ生成時と現在の濃度補正データを比較し、所定レベル以上の差異があったときに現在の濃度補正データを使用して中間データを再生成する場合、Collate/Uncollate設定の条件によっては、単純に同じ処理が行われると、Uncollate時にユーザが期待している出力結果とは異なる印刷物が得られてしまう。以下にこの理由を説明する。
【0011】
図15は、Collate/Uncollate設定に従う画像データの印刷順序の一例を説明する図である。例えば、印刷ジョブで指示された原稿の画像データが1〜3ページであり、印刷部数が3部であったものとする。ここでCollateが設定されているときは、1,2,3のページ順序の印刷が3回繰り返される。また、Uncollateが設定されているときは、1ページが3部、2ページが3部、3ページが3部の順序で印刷される。
【0012】
図16は、従来の再RIPにおける問題点の一例を説明するための図で、Uncollate設定で3ページの原稿画像データを3部印刷するときに、濃度補正データに基づく再RIP(中間データの再生成処理)が行われたときの様子を示す。
印刷データを受信した画像形成装置では、時刻t1におけるRIPを実行する(S401)。ここでは時刻t1における濃度補正データ(キャリブレーションデータ)を取得して、画像データに濃度補正処理を行って中間データを生成し、ラスタライズして印刷を開始する。Uncollate設定であるため、印刷順序は1,1,1ページの順となる。印刷部数は例えば3部が指定されている。
【0013】
1ページ目の印刷が終了した後2ページ目の印刷では、2,2,2ページの順序で印刷を行うが、2ページ目の1枚目の印刷が終了したときに、画質調整による新しいキャリブレーションデータが時刻t2で作成されたものとする(S402)。この場合、画像形成装置では、部単位の印刷が終了(部完)したところで印刷を停止し(S403)、時刻t2におけるキャリブレーションデータを使用した再RIPが行われる(S404)。そしてt2のキャリブレーションデータによる再RIPの印刷が行われる。
【0014】
この場合、従来の処理では、再RIPによる印刷では、予定部数(ここでは3部)から既に印刷した部数(ここでは2部)を差し引いた値を再度セットすると、Uncollate設定であるにもかかわらず、Collate設定時と同様に、1,2,3ページの印刷が行われ、印刷が完了する(S405)。本来ユーザは、再RIP時には3,3,3ページの印刷を望むことになるが、従来例では、ユーザが望まない印刷結果となってしまう。
【0015】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、画質調整モードへの移行時に印刷条件指定であるCollate/Unncollateを判定し、その判定に従い処理方法を変更することにより、Collate/Unncollate指定に応じて所望の印刷物を得ることができるようにした画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、入力された画像データを解析し、描画データを生成する描画データ生成手段と、画像形成の濃度測定を行って生成した濃度補正データを使用して前記描画データの濃度補正を行う濃度補正手段と、前記濃度補正手段により濃度補正された描画データを展開して記録媒体に画像形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置において、複数ページの画像データを複数部印刷する場合、部単位で印刷するか否かを設定するCollate/Uncollate設定手段を有し、前記濃度補正手段は、前記画像形成装置が画像形成中に所定の画質調整モードに移行した際、前記Collate/Uncollate設定手段の設定状態に応じて、画像形成を中断して再度の前記濃度補正を行うか否かを決定することを特徴としたものである。
【0017】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記画像形成手段が、前記Collate/Uncollate設定手段の設定状態がCollateである場合、画像形成中に前記画質調整モードに移行した際に、部単位の画像形成が終了した時点で画像形成を中断し、前記濃度補正手段は、濃度補正データによる再度の濃度補正を行い、前記画像形成手段は、前記再度の濃度補正を行った描画データを使用して中断後の画像形成を予定量まで実行することを特徴としたものである。
【0018】
第3の技術手段は、第2の技術手段において、第2の技術手段において、前記画像形成手段が、前記Collate/Uncollate設定手段の設定状態がUncollateである場合、画像形成中に前記画質調整モードに移行した際に、ページ単位の画像形成が終了しても画像形成を中断することなく、前記濃度補正手段による再度の濃度補正を行わずに、ページ単位の画像形成を予定量まで実行することを特徴としたものである。
【0019】
第4の技術手段は、第2の技術手段において、前記画像形成手段は、前記Collate/Uncollate設定手段の設定状態がUncollateである場合、画像形成中に前記画質調整モードに移行した際に、ページ単位の画像形成が終了した時点で画像形成を中断し、前記濃度補正手段は、濃度補正データによる再度の濃度補正を行い、前記画像形成手段は、前記再度の濃度補正を行った描画データを使用して中断後のページ単位の画像形成を予定量まで実行することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、画質調整モードへの移行時に印刷条件指定であるCollate/Unncollateを判定し、その判定に従い処理方法を変更することにより、Collate/Unncollate指定に応じて所望の印刷物を得ることができるようにした画像処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による画像形成装置の一実施形態のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す画像形成装置のソフトウェア構成を示す図である。
【図3】本発明による画像処理装置のCollate設定時の処理例を説明する図である。
【図4】本発明による画像処理装置のUncollate設定時の処理例を説明する図である。
【図5】本発明による画像処理装置のUncollate設定時の他の処理例を説明する図である。
【図6】本発明による画像処理装置でCollate設定時における各モジュールの実行シーケンスの一例を説明する図である。
【図7】本発明による画像処理装置のUncollate設定時における各モジュールの実行シーケンスの一例を示す図である。
【図8】本発明による画像処理装置のUncollate設定時における各モジュールの実行シーケンスの他の例を記述したものである。
【図9】本発明による画像処理装置でUncollateが設定されているときの印刷ドライバ部の処理の流れを説明するためフローチャートである。
【図10】本発明による画像処理装置でUncollateが設定されているときの印刷ドライバの処理の流れの他の例を説明するためフローチャートである。
【図11】トナーパッチの入力濃度と測定値との関係を示す図である。
【図12】出力濃度の補正処理例を説明する図である。
【図13】入力濃度と出力濃度が理想的な状態のときの渦巻き型ディザマトリックスの一例を示す図である。
【図14】入力濃度と出力濃度がリニアになっていないときの渦巻き型ディザマトリックスの一例を示す図である。
【図15】Collate/Uncollate設定に従う画像データの印刷順序の一例を説明する図である。
【図16】従来の再RIPにおける問題点の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明による画像形成装置の一実施形態のハードウェア構成を示すブロック図である。本例の画像形成装置は、スキャナ、コピー、プリンタ機能等を備えた複合機(MFP;Multifunction Peripheral)として構成されている。
画像形成装置は、PC等のホストコンピュータから送信されたPDLデータをレンダリングしてレンダリングイメージデータを生成する画像形成処理部(ICU)1と、画像形成処理部1で生成されたレンダリングイメージデータを記録紙等の媒体に画像形成(印刷)するプリンタ制御部(PCU)2と、原稿画像を読み取ってその画像データを出力するスキャナ部(SCN)3とを備えている。本発明の画像データ生成手段、濃度補正手段、Collate/Uncollate設定手段はICU1によって実現され、本発明の画像形成手段はプリンタ制御部2によって実現される。
【0023】
ICU1は、ホストコンピュータ等から受信したPDLデータデータを基にレンダリングを行って画像データ(レンダリングイメージデータ)を生成する部分で、ホストコンピュータと通信を行うNIC(Network Interface Card)11、CPU12、RAM13、PCU2との間で画像データ等の送受信を行うVIDEO I/F14及びI/F19、操作画面や各種情報表示を行うとともにユーザ操作を受け付けるオペレーションパネル15、ROM16、HDD17、スキャナ部3との間で画像データ等を送受信するVIDEO I/F18及びI/F20を備えている。
【0024】
また、PCU2は、印刷を行うため印刷エンジンを制御する部分で、ICU1との間で画像データ等の送受信を行うVIDEO I/F21及びI/F24、CPU22、ROM23、RAM25、両面印刷処理を行う両面ユニット27、記録紙に印字(画像形成)を行う印字ユニット29、印字ユニット29等に記録紙の給紙を行う給紙ユニット29、印字された記録紙を排紙するための排紙ユニット30、これら各ユニットとCPUとのインタフェースであるユニットI/F26を備えている。
【0025】
SCN3は、ICU1との間で画像データ等の送受信を行うVIDEO I/F21及びI/F24、CPU22、ROM23、RAM25、両面印刷処理を行う両面ユニット27、記録紙に印字(画像形成)を行う印字ユニット29、印字ユニット29等に記録紙の給紙を行う給紙ユニット28、印字された記録紙を排紙するための排紙ユニット30、これら各ユニットとCPU22が接続されるバスとのインタフェースであるユニットI/F26を備えている。
【0026】
図2は、図1に示す画像形成装置のソフトウェア構成を示す図である。
ICU1は、プリンタとして動作するためのRIPデータ入力部101、プリンタアプリケーションモジュール100、印刷ドライバ部(プリンタアプリケーション用)110、プリンタドライバ(コピーアプリケーション用)120、コピーアプリケーションモジュール130、スキャンアプリケーションモジュール140、プロセスコントロールサービス部150、印刷サービス部160、ファイルマネージャ部170、ユーザインタフェース部180、スキャンドライバ部190を有している。
【0027】
プリンタアプリケーションモジュール100は、RIPデータを解釈するためのインタープリタモジュール102と、解釈したデータをビットマップデータに変換するためのレンダリングモジュール104、印刷エンジンから得られた画質調整値により最適なディザマトリックスパターンを選択・生成するためのディザパターン作成部103、再RIPを行うためにRIPデータを保存格納するRIPデータ保存部105を有している。
【0028】
印刷ドライバ部(プリンタアプリ用)110は、プリンタジョブ管理部111を有し、プリンタアプリケーションモジュール100で生成されたページごとのビットマップイメージを、ファイルマネージャ部170で保存・管理させると共に、プリンタジョブとして管理し、他のアプリケーションから共通して使用される印刷サービス部160に対し、プリンタジョブとして印刷の登録を行う。
【0029】
コピーアプリケーションモジュール130は、コピーパラメータを設定するコピーパラメータ設定部131と、スキャンデータを受信するスキャンデータ受信部132とを有している。画像処理装置10がMFPとしてコピー機能を実行する場合、コピーアプリケーションモジュール130は、ユーザから指示されたコピーパラメータをユーザインタフェース部180から受け取り、その情報を基にスキャンドライバ部190に対しスキャン動作を指示する。ユーザインタフェース部180には、オペレーションパネルを制御するオペパネ制御部181と、パラメータを管理・保存するパラメータ管理/保存部182を有している。
【0030】
スキャンドライバ部190は、スキャンデータ受信部191を有し、コピーアプリケーションモジュール130からの指示に従って、指定された倍率やスキャン領域でスキャナを動作させてスキャンデータを得る。その後、コピーアプリケーションモジュール130は、スキャンしたデータをコピージョブとし、コピーアプリケーション用の印刷ドライバ部120を介して印刷サービス部160にコピージョブを印刷登録する。
【0031】
スキャンアプリケーションモジュール140は、スキャンパラメータを設定するスキャンパラメータ設定部141と、スキャンデータを受信するスキャンデータ受信部142とを有している。画像処理装置10がMFPとしてスキャン機能を実行する場合、スキャンアプリケーションモジュール140は、ユーザから指示されたスキャンパラメータをユーザインタフェース部180から受け取り、その情報を基にスキャンドライバ部190に対してスキャン動作を指示する。スキャンドライバ部190は、指示された倍率やスキャン領域でスキャナを動作させてスキャンデータを得る。
【0032】
その後得られたスキャンデータは、ファイルマネージャ部170のイメージデータ保存・管理部171にイメージデータとして保存管理される。保存されたイメージデータはスキャンアプリケーションモジュール140からファイルとしてネットワークを介して図示しないサーバーに送られたり、メールに添付データとして利用されたり、図示しないUSBストレージに直接記録されたりする。
【0033】
印刷サービス部160は、ジョブを管理するジョブ管理部161、印刷制御を行う印刷制御部162、PCUから得られる印刷エンジンのステータスを管理するステータス管理部163を有し、それぞれのアプリケーションの印刷ドライバ部110,120から登録された印刷ジョブデータを印刷キューデータとしてハンドリングすることで、各ジョブを処理する順番を決定して管理している。
【0034】
また、印刷サービス部160は、PCU2から得られる印刷エンジンの様々なステータス情報、例えば、各給紙トレイの用紙サイズや用紙残量、排紙トレイの状態、印刷実行状態、フィニシャーのステープル針の残量やパンチクズの容量情報、印刷機の温度、湿度情報等を得て、ユーザインタフェース部180を通じて、オペレーションパネルに表示を行う機能を有する。
また、印刷サービス部160は、印刷中にユーザがオペレーションパネルからジョブのキャンセル処理要求を行った場合、現在印刷実行が行われているジョブがその対象となっていれば、PCU2を通じて印刷を中断させる。そして印刷停止後、そのジョブを管理する印刷ドライバ部110,120に対して登録されたジョブを削除するように要求することで、ジョブの削除が行われる。
【0035】
プロセスコントロールサービス部150は、画質調整部151を有し、印刷サービス部160が得た湿度/温度情報や、前回のキャリブレーション実行からの経過時間や印刷枚数、使用トナー量等に基づいて特定の条件を満たした場合にキャリブレーション(プロコンともいう)を印刷エンジンに行わせ、印刷機自体の自己調整を行わせる。またこれとともに、濃度補正のための情報を得て印刷画質の経時変化による画質低下を防ぐ処理を行う。
【0036】
プロセスコントロールサービス部150で得られた濃度補正情報は、プリンタアプリケーションモジュール100がレンダリング時に使用するディザマトリックスを生成するためのデータとして使用される。また、濃度補正情報は、コピーアプリケーションモジュール130等で入力されたRGBデータを印刷する場合に、印刷サービス部160で画質調整のためのパラメータとして使用される。
【0037】
PCU2は、プロセスコントロールサービス部150と通信し、キャリブレーションを行うキャリブレーション部200、印刷サービス部160から印字データを受信する印字データ受信部210,印字ユニットを制御する印字ユニット制御部220、給紙ユニットを制御する給紙ユニット制御部230、両面ユニットを制御する両面ユニット制御部240、排紙ユニットを制御する排紙ユニット制御部250を有している。
【0038】
SCN3は、スキャンドライバ部190と通信し、スキャンデータを送信するスキャンデータ送信部310、スキャンキャリブレーションを行うスキャンキャリブレーション部320、スキャナユニットを制御するスキャナユニット制御部330、及びADFユニットを制御するADFユニット制御部340を有している。
【0039】
図3は、本発明による画像処理装置のCollate設定時の処理例を説明する図である。ここでは、Collate設定において3ページの原稿画像データを3部印刷するときに、濃度補正データに基づく再RIP(中間データの再生成処理)が行われたときの様子を示す。
まず、印刷データを受信した画像形成装置では、時刻t1における濃度補正データ(キャリブレーションデータ)を取得して画像データに濃度補正処理を行って中間データを生成し、ラスタライズして印刷を開始する(S101)。印刷順序は1,2,3ページの順となる。ここでは、印刷部数は3部が指定されている。
【0040】
1部目の印刷が終了した後2部目の印刷では、再度1,2,3ページの順序で印刷を行うが、2部目の1ページ目の印刷が終了したときに、画質調整による新しいキャリブレーションデータが時刻t2で作成されたものとする(S102)。
この場合、画像形成装置では、部単位の印刷が終了(部完)したところで印刷を停止し(S103)、時刻t2におけるキャリブレーションデータを使用して再RIPを実行して(S104)、のこりの部数(この場合1部)の印刷を行う。これにより印刷が完了する(S105)。ここに示すCollate時の処理は、従来と同様の処理になる。
【0041】
図4は、本発明による画像処理装置のUncollate設定時の処理例を説明する図である。ここでは、Uncollate設定において3ページの原稿画像データを3部印刷するときに、濃度補正データに基づく再RIPを行わない設定であるときの様子を示している。
印刷データを受信した画像形成装置では、時刻t1におけるキャリブレーションデータを取得して画像データに濃度補正処理を行って中間データを生成し、ラスタライズして印刷を開始する(S111)。Uncollate設定であるため、印刷順序は1,1,1ページの順となる。印刷部数は3部が指定されている。
【0042】
1ページの印刷が終了した後2ページ目の印刷では、2,2,2ページの順序で印刷を行うが、2ページ目の1枚目の印刷が終了したときに、画質調整による新しいキャリブレーションデータが時刻t2で作成されたものとする(S112)。この場合、本例では再RIP処理を行わない設定であるため、印刷は停止することなく、3ページ目まで全て印刷し、印刷を完了させる(S113)。つまり、1回の印刷ジョブの印刷処理途中で新しいキャリブレーションデータが作成されたとしても、その印刷ジョブの印刷処理中では新しいキャリブレーションデータを使用した再RIPは実行しない。新しいキャリブレーションデータは、次の印刷ジョブ(New Job)に反映させる。
【0043】
このような処理により、Uncollate設定であっても新たなキャリブレーションデータの作成時にCollate設定と同じ再RIP処理が行われることがなく、ユーザ所望の印刷結果(1〜3頁を3部)を得ることができる。また、新しいキャリブレーションデータは、次の印刷ジョブから反映させることができ、濃度補正データに基づく適切な画質で印刷処理を実行することができるようになる。
【0044】
図5は、本発明による画像処理装置のUncollate設定時の他の処理例を説明する図である。ここでは、Uncollate設定において3ページの原稿画像データを3部印刷するときに、濃度補正データに基づく再RIPを行う設定であるときの様子を示している。
印刷データを受信した画像形成装置では、時刻t1におけるキャリブレーションデータを取得して画像データに濃度補正処理を行って中間データを生成し、ラスタライズして印刷を開始する(S121)。Uncollate設定であるため、印刷順序は1,1,1ページの順となる。印刷部数は3部が指定されている。
【0045】
1ページ目の印刷が終了した後2ページ目の印刷では、2,2,2ページの順序で印刷を行うが、2ページ目の1枚目の印刷が終了したときに、画質調整による新しいキャリブレーションデータが時刻t2で作成されたものとする(S122)。この場合、再RIPを行うために部単位の印刷が終了したところで(部完)印刷を停止し(S123)、時刻t2におけるキャリブレーションデータを使用して再RIPを実行する(S124)。そしてすでに2ページまでの印刷が終了しているため、生成されたページデータのうち3ページ目だけを印刷登録する(S125)。そして、3ページ目を3枚印刷する。これにより印刷が完了する(S126)。
【0046】
このような処理により、Uncollate設定であっても新たなキャリブレーションデータの作成時にCollate設定と同じ再RIP処理が行われることがなく、ユーザ所望の印刷結果(1〜3頁を3部)を得ることができる。この場合、新しいキャリブレーションデータが作成されると部完で印刷が停止され、再RIPが行われるため、再RIP後の画質を向上させることができる。また、印刷ジョブの区切りのよいタイミング(部完)で再RIPデータを反映させるため、部間やページ間における画質の差は発生しない。
【0047】
図6は、本発明による画像処理装置でCollate設定時における各モジュールの実行シーケンスの一例を説明する図である。このシーケンスは、上記図3のCollate設定時の処理に相当する。
プロセスコントロールサービス部は、一定時間もしくは一定の印刷枚数ごとにPCUに対して画質調整要求を出力し、画質調整要求に従って測定された濃度情報を元にキャリブレーションデータ(濃度補正データ)を保存する。PCU(process control unit)は、画像形成装置のハードウェアを動作させるもので、記録媒体に体する画像形成(印刷)動作を実行する。プリンターアプリ(プリンタアプリケーション)は、PCUに印刷指令を行う。印刷ドライバ部は、画像形成装置に内蔵されているプリンターアプリ(プリンターエミュレーション)で生成されたビットマップイメージデータを印刷サービスに投入する。プリンタアプリでは、PCから入力されたPDLデータを解釈してビットマップデータ(ラスタイメージデータ)を生成する。
【0048】
印刷条件としてはCollateが指定され、画像データをN部印刷する指示が行われたものとする。プリンタアプリは、外部のホストコンピュータ等からPDLデータ(RIPデータ)が入力すると、RIP処理を開始する(S1)。ここでは、入力したRIPデータを解析し、濃度補正データを使用して描画オブジェクトを含む中間データを生成する。プリンタアプリは、RIP処理が完了すると(S2)、中間データをラスタライズして印刷ドライバ部に送り(S3)、印刷サービス部にジョブ登録を行う(S4)。このとき、最初にPDLデータ言語で指定された印刷部数やCollate/Uncollate条件も印刷サービス部に登録する。印刷サービス部は、ジョブ登録が完了した旨を印刷ドライバに返す(S5)。印刷サービス部では、登録されたデータの印刷開始をPCUに指示し(S6)、PCUは印刷を開始する(S7)。
【0049】
プロセスコントロールサービス部は、一定時間もしくは一定の印刷枚数、またはその両方の条件に従ってPCUに画質調整を要求する(S8)。PCUは、この画質調整要求に応じて印刷を一時停止し、印刷停止イベントを印刷サービスに送る(S9)。そしてPCUは、画質調整モードに入り、プリンタアプリで使用するキャリブレーションデータを生成する(S12)。
プロセスコントロールサービス部は、画質調整の前に印刷ドライバ部に対して画像調整による印刷停止イベントを送り(S10)、画質調整の後には画質調整完了イベントを送る(S13)。
【0050】
印刷ドライバ部は、プロセスコントロールサービス部から送られた印刷停止イベントを受信すると、印刷サービス部に対して部完印刷停止要求を行う(S11)。ここでは、複数ページをN部印刷するときに、M(M<N)部目の印刷が最後まで終了した時点で印刷を停止させるよう要求する。M部目の印刷が完了する前に途中で停止し、新たなRIPデータを使用して残りの印刷を行うと、印刷制御が複雑になるためである。
【0051】
PCUは、画質調整の終了に応じて印刷を再開し(S15)、再開時には印刷再開イベントを印刷サービスに送る(S16)。そして印刷サービス部からの部完印刷停止指示(S16)に応じて、部単位で印刷が完了したところで印刷を停止し、印刷ドライバ部に部完停止完了イベントを送る(S17)。
印刷ドライバ部は、部完停止完了イベントを受信すると、プリンタアプリに再RIP要求を行なう(S18)。プリンタアプリは、再RIP要求に従って、新たに生成されたキャリブレーションデータを使用して再RIP処理を実行し(S19〜S20)、再度1ページ目のラスタイメージデータから順に印刷ドライバに送り(S21)、印刷サービスにジョブ登録を行う(S22)。このとき登録する印刷部数は、すでに印刷が終了したM部を除くN−M部となる。
印刷サービス部は、ジョブ登録が完了した旨を印刷ドライバ部に返す(S23)。そして印刷サービス部では、登録されたデータの印刷開始をPCUに指示し(S24)、PCUは印刷を開始する(S25)。
【0052】
そしてのこりの部数(N−M部)の印刷が全て完了すると、PCUは印刷サービス部に印刷停止イベントを送り(S26)、印刷サービス部は、印刷ドライバ部にジョブ印刷完了通知を行う(S27)。そして印刷ドライバ部は、プリンタアプリにRIPデータ消去要求を行う(S28)。その要求によりプリンタアプリは、保持していたRIPデータを削除する(S29)。
【0053】
このように、印刷ドライバ部は画像処処理装置のCollate/Uncollate設定がCollateであることを判別することにより、画質調整による印刷停止イベントの入力に応じて、部完印刷停止要求を印刷サービスに出力することで、部単位の印刷が終了した時点で印刷を停止させ、再RIP処理を行った後に、のこりの部数の印刷を行わせるようにする。これによりCollate/Uncollate設定に応じて最適な印刷を行わせることができるようになる。
【0054】
図7は、本発明による画像処理装置のUncollate設定時における各モジュールの実行シーケンスの一例を示す図である。
このシーケンスは、上記図4のUncollate設定時の処理に相当する。この例では、印刷条件としてUncollateが指定され、画像データをN部印刷する指示が行われたものとする。ここでは、図6のシーケンスと同様の処理を行う部分はその繰り返しの詳細な説明は省略し、主に本例の特徴となる部分について説明する。
【0055】
S31〜S35では、プリンタアプリが生成したラスタイメージデータを印刷ドライバ部を介して印刷サービス部に登録する。ここでS34では、最初にPDLデータ言語で指定された印刷部数やCollate/Uncollate条件も印刷サービスに登録するが、本例の場合には、Uncollateが登録される。
【0056】
PCUで印刷が開始された後(S37)、プロセスコントロールサービスがPCUに画質調整による停止イベントを印刷ドライバに送った場合(S38)、印刷ドライバは現在Uncollateに設定されていることを判別して、Collate設定のときのような部完停止要求を行わない。
このため、印刷サービスは、画質調整(S41)による印刷停止が終了し、印刷が再開(S44)しても部完停止を行わずにそのまま印刷を続け、印刷完了する(S45〜S47)。そしてプリンタアプリは、保持していたRIPデータを削除する(S48)。
【0057】
このように、印刷ドライバは画像処処理装置のCollate/Uncollate設定がUncollateであることを判別することにより、画質調整による印刷停止イベントの入力があっても部完印刷停止要求を印刷サービスに出力しないようにして、規定部数までそのまま印刷させるようにする。これにより、Uncollate設定であっても新たなキャリブレーションデータの作成時にCollate設定と同じ再RIP処理が行われることがなく、ユーザ所望の印刷結果を得ることができる。また、新しいキャリブレーションデータは、次の印刷ジョブから反映させることができ、濃度補正データに基づく適切な画質で印刷処理を実行することができるようになる。
このように、本発明の実施形態では、Collate/Uncollate設定に応じて最適な印刷を行わせることができるようになる。
【0058】
図8は、本発明による画像処理装置のUncollate設定時における各モジュールの実行シーケンスの他の例を記述したものである。
このシーケンスは、上記図5のUncollate設定時の処理に相当する。この例では、印刷条件としてUncollateが指定され、画像データをN部印刷する指示が行われたものとする。ここでは、図6のシーケンスと同様の処理を行う部分はその繰り返しの詳細な説明は省略し、主に本例の特徴となる部分について説明する。
【0059】
S51〜S71までは、図6のCollate設定時と同様の処理になる。つまり本例では、Uncollate設定であってもプロセスコントロールサービスの画質調整による停止イベントが発生した場合には(S60)、印刷ドライバ部は印刷サービス部に対して部完停止要求を送る(S61)。これに応じてPCUは、ページ単位の印刷が終了した時点で印刷を停止し、部完停止完了イベントを印刷ドライバ部に送る(S67)。ただしこの場合、Collate/Uncollate設定は、Uncolaateになっているため、PCUの印刷順序は、1ページ目×N,2ページ目×N・・となる。ここでは例えば、部完停止要求に応じた印刷停止時にmページまで印刷が終了したものとする。
【0060】
この後プリンタアプリでは、再RIP処理を行う(S69)。再RIPが完了すると(S71)、プリンタアプリが生成したラスタイメージデータを印刷ドライバ部を介して印刷サービスに登録する(S72)。このとき印刷ドライバ部は、すでに印刷が終了しているmページまでのデータは印刷サービスに登録することなく、m+1ページ目以降のデータを登録する。また、Collate/Uncollate条件としてUncollateが登録される。
【0061】
そしてPCUでは、登録されたデータに従ってm+1ページ以降をUncollate設定にて印刷する(S75)。印刷が終了すると、プリンタアプリは、保持していたRIPデータを削除する(S79)。
【0062】
このように、印刷ドライバは画像処処理装置のCollate/Uncollate設定がUncollateであることを判別することにより、画質調整による印刷停止イベントの入力があったときに部完印刷停止要求を印刷サービスに出力し、ページ単位の印刷が終了した時点で印刷を停止させる。そして再RIP処理を行ってのこりのページをUncollate設定で印刷させるようにする。従って、部間やページ間における画質の差は発生させることなく、Collate/Uncollate設定に応じて最適な印刷を行わせることができるようになる。
【0063】
図9は、本発明による画像処理装置でUncollateが設定されているときの印刷ドライバ部の処理の流れを説明するためフローチャートで、上記図4に示すようなUncollate設定時に再RIPを行わないときの印刷ドライバ部の処理を示すものである。
印刷ドライバ部がジョブ印刷を実行する場合、ジョブ印刷が完了していれば(ステップS201−Yes)、RIPデータを削除して処理を終了する(ステップS211)。また、ジョブ印刷が完了していなければ(ステップS201−No)、プロセスコントロールサービスからの画質調整による停止イベントを受信したか否かを判別する(ステップS202)。画質調整による停止イベントを受信していない場合には、ステップS201に戻る。また、画質調整による停止イベントを受信した場合には、現在の設定を確認し、Collateジョブか否かを判別する(ステップS203)。
【0064】
Collateジョブでない場合にはステップS201に戻る。また、Collateジョブである場合、印刷ドライバ部は印刷サービスに対して部完停止要求を実行する(ステップS204)。そしてPCUから部完停止完了イベントを受信すると(ステップS205)、ジョブ印刷が完了したか否かを判別し(ステップS206)、完了していればRIPデータを削除して処理を終了し(ステップS211)、完了していなければ、印刷済みの部数の情報を取得する(ステップS207)。そして、再RIP要求を実行し(ステップS208)、再RIP処理が終了したならば(ステップS209−Yes)、残り部数を印刷サービスにセットして印刷登録を行う(ステップS210)。
【0065】
図10は、本発明による画像処理装置でUncollateが設定されているときの印刷ドライバの処理の流れの他の例を説明するためフローチャートで、上記図5に示すようなUncollate設定時に再RIPを行うときの印刷ドライバ部の処理を示すものである。
印刷ドライバ部がジョブ印刷を実行する場合、ジョブ印刷が完了していれば(ステップS301−Yes)、RIPデータを削除して処理を終了する(ステップS312)。また、ジョブ印刷が完了していなければ(ステップS301−No)、プロセスコントロールサービスから画質調整による停止イベントを受信したか否かを判別する(ステップS302)。画質調整による停止イベントを受信していない場合には、ステップS301に戻る。また、画質調整による停止イベントを受信した場合には、印刷ドライバ部は印刷サービス部に対して部完停止要求を実行する(ステップS303)。
【0066】
そして印刷ドライバ部は、PCUからの部完停止完了イベントの受信を待ち(ステップS304)、部完停止完了イベントを受信すると、ジョブ印刷が完了したか否かを判別する(ステップS305)。ジョブ印刷が完了していればRIPデータを削除して処理を終了し(ステップS312)、完了していなければ、印刷済みの部数の情報を取得する(ステップS306)。そして、再RIP要求を実行し(ステップS307)、再RIP処理が終了したならば(ステップS308−Yes)、現在の設定を確認し、Collateジョブか否かを判別する(ステップS309)。
Collateジョブの場合には、プリンタドライバ部は残り部数をセットして印刷サービスに対して印刷登録を行う(ステップS310)。また、Collateジョブでない場合には、印刷済み部数より大きなページのみ印刷サービスに対して印刷登録する(S311)。
【0067】
次に、画像形成装置で実行されるキャリブレーション処理について説明する。
キャリブレーション処理の主な処理として、キャリブレーションを実行させるための所定の条件(以下、キャリブレーション実行条件とする)が満たされると、画像形成装置は、感光体ドラム表面上や中間転写体上に濃度の異なるテスト用トナー画像(トナーパッチとも言う)を作成する。そして、光学センサ等の濃度センサを用いて各入力濃度で生成されたトナーパッチからの反射光を検出し、トナー画像の濃度を測定する。これを各色(C,M,Y,K)で行うことでトナー色ごとに入力濃度に対する、出力濃度のデータを得ることができる。
【0068】
図11は、トナーパッチの入力濃度と測定値との関係を示す図である。ここでは、入力濃度を0〜255の256レベルとし、各レベルのトナーパッチを濃度センサにより測定したときの測定値を示している。図11(A)は理想状態を示す図で、記録用紙にトナーを転写・定着する際に、光学的・物理的なドットゲインの影響がない場合には、入力濃度に対する出力濃度がリニアに変化する。
【0069】
しかしながら、実際の測定結果は、図11(B)〜図11(D)に示すような結果となることがある。例えば図11(B)では、入力濃度に対して実測値(出力濃度)が大きくなり、図11(C)では、入力濃度に対して出力濃度が小さくなる。また、図11(D)では、入力濃度が低濃度の範囲では出力濃度は小さくなるが、入力濃度が高濃度の範囲では反対に出力濃度は大きくなる。また、これら以外の挙動を示すこともある。このような場合、入力濃度に対する出力濃度の補正を行うことにより、画像品質を防ぐ処理を行う。
【0070】
図12は、図11(B)の状態の場合の補正処理を説明する図である。図12に示すように、入力濃度値が128のときには、実際は128よりも大きい濃度実測値Oaが得られる。また、実測値で128の濃度を得たい場合には、入力濃度としては128より小さい入力値Iaを与ればよい。濃度補正に関する基本的な仕組みを示すために、ここでは入力される濃度が0−255の8ビット階調とし、画像形成装置の出力階調が0,1で示される1ビット階調とするとき、一辺が16ドット×16ドットの渦巻き型のディザマトリックスを使用して面積階調法により階調を表現する。
【0071】
まず、理想的な入力濃度と出力濃度がリニアになっている状態では、これに対応する渦巻き型ディザマトリックスは図13(A)で表されるものとなる。このディザマトリックスは、中心部分から渦を巻くように時計回りで、しきい値として0,1,2・・が順番に設定されたディザパターンとなる。このディザパターンに入力値128を入力すると、各マトリックスに設定されたしきい値が128よりも小さい部分が黒(斜線部分)として表現され、これが面積階調(256セルのうち128セルが黒として認識される)として出力濃度128の値を持つビットマップで表現される(図13(B))。
【0072】
図13(A)に示す理想的なディザマトリックスに対して、図12に示すような入力濃度−出力濃度の関係をもつ場合には、Iaの入力濃度のときに出力濃度が128となり、入力濃度128の時に出力濃度がOaとなる。例えばIaが115、Oaが141の濃度である場合、補正されたしきい値を持つ渦巻き型ディザマトリックステーブルは、図14(A)に示すようになる。図14(A)でしきい値が128のセルは、図13(A)の理想状態では115であり、図14(A)でしきい値が141のセルは、図13(A)の理想状態では128になる。
このしきい値をもつディザパターンを、印刷エンジン部が図12のような特性をもつときに使用することで、入力値が128の出力パターンは図14(B)に示すようなビットマップ出力となる。このビットマップが、図12の印刷エンジン特性で出力されることにより、128の出力濃度が得られることになる。以上が濃度補正の基本的な考え方となる。
さらに、出力階調が1ビットだけではなく2、4ビットの多階調をサポートし、それに出力が多段階となるディザマトリックスを組み合わせて使用される。この場合にも基本的な補正の原理は上記の1ビット出力の場合と同じになる。
【符号の説明】
【0073】
1…画像形成処理部、2…プリンタ制御部、3…スキャナ部、10…画像処理装置、12…CPU、13…RAM、14…VIDEO I/F、15…オペレーションパネル、16…ROM、17…HDD、18…VIDEO I/F、19…VIDEO I/F、20…VIDEO I/F、21…VIDEO I/F、22…CPU、23…ROM、24…VIDEO I/F、25…RAM、26…ユニットI/F、27…両面ユニット、28…給紙ユニット、29…印字ユニット、30…排紙ユニット、100…プリンタアプリケーションモジュール、101…RIPデータ入力部、102…インタープリタモジュール、103…ディザパターン作成部、104…レンダリングモジュール、105…RIPデータ保存部、110,120…印刷ドライバ部、111…プリンタジョブ管理部、120…印刷ドライバ部、130…コピーアプリケーションモジュール、131…コピーパラメータ設定部、132…スキャンデータ受信部、140…スキャンアプリケーションモジュール、141…スキャンパラメータ設定部、142…スキャンデータ受信部、150…プロセスコントロールサービス部、151…画質調整部、160…印刷サービス部、161…ジョブ管理部、162…印刷制御部、163…ステータス管理部、170…ファイルマネージャ部、180…ユーザインタフェース部、181…オペパネ制御部、182…保存部、190…スキャンドライバ部、191…スキャンデータ受信部、200…キャリブレーション部、210,…印字データ受信部、220…印字ユニット制御部、230…給紙ユニット制御部、240…両面ユニット制御部、250…排紙ユニット制御部、310…スキャンデータ送信部、320…スキャンキャリブレーション部、330…スキャナユニット制御部、340…ADFユニット制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画像データを解析し、描画データを生成する描画データ生成手段と、画像形成の濃度測定を行って生成した濃度補正データを使用して前記描画データの濃度補正を行う濃度補正手段と、前記濃度補正手段により濃度補正された描画データを展開して記録媒体に画像形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置において、
複数ページの画像データを複数部印刷する場合、部単位で印刷するか否かを設定するCollate/Uncollate設定手段を有し、
前記濃度補正手段は、前記画像形成装置が画像形成中に所定の画質調整モードに移行した際、前記Collate/Uncollate設定手段の設定状態に応じて、画像形成を中断して再度の前記濃度補正を行うか否かを決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記画像形成手段は、前記Collate/Uncollate設定手段の設定状態がCollateである場合、画像形成中に前記画質調整モードに移行した際に、部単位の画像形成が終了した時点で画像形成を中断し、
前記濃度補正手段は、濃度補正データによる再度の濃度補正を行い、
前記画像形成手段は、前記再度の濃度補正を行った描画データを使用して中断後の画像形成を予定量まで実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記画像形成手段は、前記Collate/Uncollate設定手段の設定状態がUncollateである場合、画像形成中に前記画質調整モードに移行した際に、ページ単位の画像形成が終了しても画像形成を中断することなく、前記濃度補正手段による再度の濃度補正を行わずに、ページ単位の画像形成を予定量まで実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記画像形成手段は、前記Collate/Uncollate設定手段の設定状態がUncollateである場合、画像形成中に前記画質調整モードに移行した際に、ページ単位の画像形成が終了した時点で画像形成を中断し、
前記濃度補正手段は、濃度補正データによる再度の濃度補正を行い、
前記画像形成手段は、前記再度の濃度補正を行った描画データを使用して中断後のページ単位の画像形成を予定量まで実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
入力された画像データを解析し、描画データを生成する描画データ生成手段と、画像形成の濃度測定を行って生成した濃度補正データを使用して前記描画データの濃度補正を行う濃度補正手段と、前記濃度補正手段により濃度補正された描画データを展開して記録媒体に画像形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置において、
複数ページの画像データを複数部印刷する場合、部単位で印刷するか否かを設定するCollate/Uncollate設定手段を有し、
前記濃度補正手段は、前記画像形成装置が画像形成中に所定の画質調整モードに移行した際、前記Collate/Uncollate設定手段の設定状態に応じて、画像形成を中断して再度の前記濃度補正を行うか否かを決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記画像形成手段は、前記Collate/Uncollate設定手段の設定状態がCollateである場合、画像形成中に前記画質調整モードに移行した際に、部単位の画像形成が終了した時点で画像形成を中断し、
前記濃度補正手段は、濃度補正データによる再度の濃度補正を行い、
前記画像形成手段は、前記再度の濃度補正を行った描画データを使用して中断後の画像形成を予定量まで実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記画像形成手段は、前記Collate/Uncollate設定手段の設定状態がUncollateである場合、画像形成中に前記画質調整モードに移行した際に、ページ単位の画像形成が終了しても画像形成を中断することなく、前記濃度補正手段による再度の濃度補正を行わずに、ページ単位の画像形成を予定量まで実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記画像形成手段は、前記Collate/Uncollate設定手段の設定状態がUncollateである場合、画像形成中に前記画質調整モードに移行した際に、ページ単位の画像形成が終了した時点で画像形成を中断し、
前記濃度補正手段は、濃度補正データによる再度の濃度補正を行い、
前記画像形成手段は、前記再度の濃度補正を行った描画データを使用して中断後のページ単位の画像形成を予定量まで実行することを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−86437(P2012−86437A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234497(P2010−234497)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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