説明

画像形成装置

【課題】帯電部材に印加される電圧を調整する際に、環境変動や経時劣化等によって帯電部材の抵抗値が変化してしまって帯電部材に過電流が流れてしまう不具合が未然に防止される、画像形成装置を提供する。
【解決手段】電圧調整手段は、装置の立ち上げ動作がおこなわれるときに、前回の調整がおこなわれたときの出力電圧V0が所定の閾値VAよりも小さい場合には出力電圧V0を今回の調整を開始するときの出力電圧に設定して、前回の出力電圧V0が閾値VA以上である場合には閾値VA以下となる所定電圧VBを今回の調整を開始するときの出力電圧に設定して、帯電ローラに電力を印加する電源部における出力電圧の調整を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関し、特に、感光体ドラム、感光体ベルト等の像担持体を帯電する帯電部材に流れる電流を検知しながら帯電部材に印加される電圧を調整する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、感光体ドラム、感光体ベルト等の像担持体を帯電する帯電ローラ等の帯電部材に印加される電圧(帯電バイアス)を適正化することを目的として、帯電部材に流れるAC電流を検知しながらそのAC電流が目標範囲内になるように、電源部から帯電部材に印加される電圧(帯電バイアス)を調整する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の画像形成装置は、帯電部材に印加される電圧を調整する際に、環境変動や経時劣化等によって帯電部材の抵抗値が変化してしまって帯電部材に過電流が流れてしまう不具合を未然に防止することができなかった。これは、従来の電圧調整制御では、帯電部材に電流を流した後にその電流値を検知するように構成されていたためである。そのため、帯電部材に過電流が流れた後にそれを検知して、事後的に過電流が流れるのを阻止するような制御をおこなったとしても、帯電部材に一時的に過電流が流れることによって帯電部材や像担持体にダメージが生じてしまっていた。
【0004】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、帯電部材に印加される電圧を調整する際に、環境変動や経時劣化等によって帯電部材の抵抗値が変化してしまって帯電部材に過電流が流れてしまう不具合が未然に防止される、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の請求項1記載の発明にかかる画像形成装置は、電源部から電圧が印加されて、トナー像が担持される像担持体上を帯電する帯電部材と、前記帯電部材に流れる電流を検知する電流検知手段と、前記電流検知手段によって検知される電流が所定の目標範囲内になるように前記電源部における出力電圧を調整する電圧調整手段と、を備え、前記電圧調整手段は、少なくとも装置の立ち上げ動作がおこなわれるときに、前回の調整がおこなわれたときの出力電圧V0が所定の閾値VAよりも小さい場合には前記出力電圧V0を今回の調整を開始するときの出力電圧に設定して、前記出力電圧V0が前記閾値VA以上である場合には前記閾値VA以下となる所定電圧VBを今回の調整を開始するときの出力電圧に設定して、前記電源部における出力電圧の調整を開始するものである。
【0006】
また、この発明の請求項2記載の発明にかかる画像形成装置は、電源部から電圧が印加されて、トナー像が担持される像担持体上を帯電する帯電部材と、前記帯電部材に流れる電流を検知する電流検知手段と、前記電流検知手段によって検知される電流が所定の目標範囲内になるように前記電源部における出力電圧を調整する電圧調整手段と、温度又は/及び湿度を検知する環境条件検知手段と、を備え、前記電圧調整手段は、少なくとも装置の立ち上げ動作がおこなわれるときに、前回の調整がおこなわれたときの出力電圧V0が所定の閾値VAよりも小さい場合には前記出力電圧V0を今回の調整を開始するときの出力電圧に設定して、前記出力電圧V0が前記閾値VA以上であって前回の調整がおこなわれたときの前記環境条件検知手段の検知結果Y0と今回の調整を開始するときの前記環境条件検知手段の検知結果Y1との差分が所定値Δよりも小さい場合には前記出力電圧V0を今回の調整を開始するときの出力電圧に設定して、前記出力電圧V0が前記閾値VA以上であって前記検知結果Y0と前記検知結果Y1との差分が所定値Δ以上である場合には前記閾値VA以下となる所定電圧VBを今回の調整を開始するときの出力電圧に設定して、前記電源部における出力電圧の調整を開始するものである。
【0007】
また、請求項3記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記所定電圧VBを前記閾値VAとしたものである。
【0008】
また、請求項4記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記閾値VAは、前記電源部の容量から予め定められたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、帯電部材に印加される電圧を調整する際に、前回の調整がおこなわれたときに帯電部材に印加された電圧に基いて、今回の調整を開始するときに帯電部材に印加する電圧を設定して、電圧調整を開始しているため、環境変動や経時劣化等によって帯電部材の抵抗値が変化してしまっても、帯電部材に過電流が流れてしまう不具合が未然に防止される、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。
【図2】作像部を示す構成図である。
【図3】帯電ローラに印加されるAC調整開始電圧の制御を示すフローチャートである。
【図4】環境変動にともなう帯電AC電流―帯電AC電圧特性の変化を示すグラフである。
【図5】この発明の実施の形態2における画像形成装置において、帯電ローラに印加されるAC調整開始電圧の制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0012】
実施の形態1.
図1〜図4にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
本実施の形態1における画像形成装置1は、複数のプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BK(作像部)が中間転写ベルト17に対向するように並設されたタンデム型のカラー画像形成装置である。
【0013】
図1において、1は画像形成装置としてのカラー複写機の装置本体、3は原稿を原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿の画像情報を読み込む原稿読込部、6は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部(露光部)、7は転写紙等の記録媒体Pが収納される給紙部、10Y、10M、10C、10BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部としてのプロセスカートリッジ、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する2次転写ローラ、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着部、28は各プロセスカートリッジ(作像部)10Y、10M、10C、10BKの現像部に各色のトナーを補給するためのトナー容器、を示す。
【0014】
ここで、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BK(作像部)は、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム11、帯電部材としての帯電ローラ12、現像部13(現像装置)、クリーニング部15(クリーニング装置)、潤滑剤供給装置16(潤滑剤供給部)が一体化されたものである(図2を参照できる。)。そして、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKは、寿命に達したときに装置本体1に対して交換される。
各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKにおける感光体ドラム11(像担持体)上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される。
【0015】
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス上の原稿の画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿にて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿のカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部(不図示である。)で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
【0016】
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部6に送信される。そして、書込み部6からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応するプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの感光体ドラム11上に向けて照射される。
【0017】
一方、4つの感光体ドラム11は、それぞれ、図の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11の表面は、帯電部材としての帯電ローラ12との対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部6において、光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応して射出される。図示は省略するが、レーザ光は、ポリゴンミラーに入射して反射した後に、複数のレンズを透過する。複数のレンズを透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
【0018】
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目のプロセスカートリッジ10Yの感光体ドラム11表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラー(不図示である。)により、感光体ドラム11の回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電ローラ12によって帯電された後の感光体ドラム11上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
【0019】
同様に、シアン成分のレーザ光は、紙面左から2番目のプロセスカートリッジ10Cの感光体ドラム11表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から3番目のプロセスカートリッジ10Mの感光体ドラム11表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目(中間転写ベルト17の走行方向に対して最も下流側である。)のプロセスカートリッジ10BK(黒色用作像部)の感光体ドラム11表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
【0020】
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11表面は、それぞれ、現像部13との対向位置に達する。そして、各現像部13から感光体ドラム11上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写ローラ14が設置されている。そして、1次転写ローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(第1転写工程である。)。
【0021】
そして、第1転写工程後の感光体ドラム11表面は、それぞれ、クリーニング部15との対向位置に達する。そして、クリーニング部15で、感光体ドラム11上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム11表面は、潤滑剤供給装置16の位置と除電部(不図示である。)の位置とを順次通過して、感光体ドラム11における一連の作像プロセスが終了する。
【0022】
他方、感光体ドラム11上の各色の画像が重ねて転写された中間転写ベルト17表面は、図中の矢印方向に走行して、2次転写ローラ18の位置に達する。そして、2次転写ローラ18の位置で、記録媒体P上に中間転写ベルト17上のフルカラーの画像が2次転写される(第2転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部(不図示である。)の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部に回収されて、中間転写ベルト17上の一連の転写プロセスが完了する。
【0023】
ここで、2次転写ローラ18位置の記録媒体Pは、給紙部7から搬送ガイド、レジストローラ19等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された転写紙Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ19に導かれる。レジストローラ19に達した記録媒体Pは、中間転写ベルト17上のトナー像とタイミングを合わせて、2次転写ローラ18の位置に向けて搬送される。
【0024】
その後、フルカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20に導かれる。定着部20では、定着ローラと加圧ローラとのニップにて、カラー画像が記録媒体P上に定着される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラ29によって装置本体1外に出力画像として排出された後に、排紙部5上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0025】
次に、図2にて、画像形成装置の作像部について詳述する。
なお、図2は黒色用作像部としてのプロセスカートリッジ10BK(モノクロ用のプロセスカートリッジ)を示す構成図である。モノクロ用のプロセスカートリッジ10BKと、カラー用のプロセスカートリッジ10Y、10M、10Cと、は、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる点を除き、ほぼ同じ構成部材によって構成されているため、カラー用のプロセスカートリッジ10Y、10M、10Cの図示と説明は適宜省略する。
【0026】
図2に示すように、プロセスカートリッジ10BKには、像担持体としての感光体ドラム11と、感光体ドラム11を帯電する帯電部材としての帯電ローラ12と、感光体ドラム11上に形成される静電潜像を現像する現像部13と、感光体ドラム11上の未転写トナーを回収するクリーニング部15と、感光体ドラム11上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置16と、が、ケースに一体的に収納されている。
【0027】
ここで、像担持体としての感光体ドラム11は、負帯電性の有機感光体であって、ドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。
図示は省略するが、感光体ドラム11は、基層としての導電性支持体上に、絶縁層である下引き層、感光層としての電荷発生層及び電荷輸送層、保護層(表面層)が順次積層されている。
感光体ドラム11の導電性支持体(基層)としては、体積抵抗が1010Ωcm以下の導電性材料を用いることができる。
【0028】
帯電ローラ12(帯電部材)は、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなるローラ部材であって、潤滑剤供給装置16に対して感光体ドラム11の回転方向下流側に配設されている。また、帯電ローラ12(帯電部材)は、潤滑剤供給装置16によって感光体ドラム11上に供給された潤滑剤が付着しないように、感光体ドラム11に対して非接触で対向するように配設されている。
そして、帯電ローラ12には電源部としてのAC電源部41から所定の電圧(帯電バイアス)が印加されて、これにより対向する感光体ドラム11の表面を一様に帯電する。
【0029】
現像部13(現像装置)は、主として、感光体ドラム11に対向する現像ローラ13aと、現像ローラ13aに対向する第1搬送スクリュ13b1と、仕切部材を介して第1搬送スクリュ13b1に対向する第2搬送スクリュ13b2と、現像ローラ13aに対向するドクターブレード13cと、で構成される。現像ローラ13aは、内部に固設されてローラ周面に磁極を形成するマグネットと、マグネットの周囲を回転するスリーブと、で構成される。マグネットによって現像ローラ13a(スリーブ)上に複数の磁極が形成されて、現像ローラ13a上に現像剤が担持されることになる。現像部13内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収容されている。
【0030】
クリーニング部15は、潤滑剤供給装置16に対して感光体ドラム11の回転方向上流側に配設されている。クリーニング部15には、感光体ドラム11に当接するクリーニングブレード15a、クリーニング部15内に回収されたトナーを廃トナーとして廃トナー回収容器(不図示である。)に向けて搬送する搬送コイル15b、等が設置されている。クリーニングブレード15aは、ウレタンゴム等のゴム材料からなり、感光体ドラム11表面に所定角度かつ所定圧力で当接している。これにより、感光体ドラム11上に付着する未転写トナー等の付着物が機械的に掻き取られてクリーニング部15内に回収されることになる。ここで、感光体ドラム11上に付着する付着物としては、未転写トナーの他に、記録媒体P(用紙)から生じる紙粉、帯電ローラ12aによる放電時に感光体ドラム11上に生じる放電生成物、トナーに添加されている添加剤、等がある。
【0031】
潤滑剤供給装置16は、固形潤滑剤16b、感光体ドラム11と固形潤滑剤16bとに摺接する潤滑剤供給ローラ16a(ブラシ状ローラ)、固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aに向けて付勢する圧縮スプリング16c、潤滑剤供給ローラ16aによって感光体ドラム11上に供給された潤滑剤を薄層化するブレード状部材16d、等で構成される。なお、ブレード状部材16dは、潤滑剤供給ローラ16aに対して感光体ドラム11の回転方向下流側の位置で感光体ドラム11に対してカウンタ方向に当接するように構成されている。
このように構成された潤滑剤供給装置16によって、感光体ドラム11上に薄層化された潤滑剤が供給される。
【0032】
図2にて、先に述べた作像プロセスをさらに詳しく説明する。
現像ローラ13aは、図2中の矢印方向(反時計方向)に回転している。現像部13内の現像剤は、間に仕切部材を介在するように配設された第1搬送スクリュ13b1及び第2搬送スクリュ13b2の回転によって、不図示のトナー補給部によってトナー容器28から補給されたトナーとともに撹拌混合されながら長手方向に循環する(図2の紙面垂直方向である。)。
【0033】
そして、摩擦帯電してキャリアに吸着したトナーは、キャリアとともに現像ローラ13a上に担持される。現像ローラ13a上に担持された現像剤は、その後にドクターブレード13cの位置に達する。そして、現像ローラ13a上の現像剤は、ドクターブレード13cの位置で適量に調整された後に、感光体ドラム11との対向位置(現像領域である。)に達する。
【0034】
その後、現像領域において、現像剤中のトナーが、感光体ドラム11表面に形成された静電潜像に付着する。詳しくは、レーザ光Lが照射された画像部の潜像電位(露光電位)と、現像ローラ13aに印加された現像バイアスとの、電位差(現像ポテンシャル)によって形成される電界によって、トナーが潜像に付着する(トナー像が形成される)。
【0035】
その後、現像工程にて感光体ドラム11に付着したトナーは、そのほとんどが中間転写ベルト17上に転写される。そして、感光体ドラム11上に残存した未転写のトナーが、クリーニングブレード15aによってクリーニング部15内に回収される。
【0036】
ここで、図示は省略するが、装置本体1に設けられたトナー補給部は、交換自在に構成されたボトル状のトナー容器28と、トナー容器28を保持・回転駆動するとともに現像部13に新品トナーを補給するトナーホッパ部と、で構成されている。また、トナー容器28内には、新品のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのいずれかである。)が収容されている。また、トナー容器28(トナーボトル)の内周面には、螺旋状の突起が形成されている。
【0037】
なお、トナー容器28内の新品トナーは、現像部13内のトナー(既設のトナーである。)の消費にともない、トナー補給口から現像部13内に適宜に補給されるものである。図示は省略するが、現像部13内のトナーの消費は、感光体ドラム11に対向する反射型フォトセンサと、現像部13の第2搬送スクリュ23b2の下方に設置された磁気センサと、によって間接的又は直接的に検知される。
【0038】
以下、本実施の形態1において特徴的な、画像形成装置1の構成・動作について詳述する。
図2を参照して、電源部としてのAC電源部41は、電圧調整手段としての制御部40による制御によって、感光体ドラム11(像担持体)を帯電する帯電ローラ12(帯電部材)に電圧(AC電圧)を印加する。ここで、装置1には、帯電ローラ12に流れるAC電流(電流)の値を検知する電流検知手段としてのAC電流検知部42が設置されている。そして、電圧調整手段としての制御部40によって、AC電流検知部42(電流検知手段)によって検知されるAC電流が所定の目標範囲内になるようにAC電源部41における出力電圧(帯電AC出力電圧)が調整される(帯電ローラ12に印加されるAC電圧が調整される)。すなわち、帯電ローラ12は、AC電流検知部42による検知結果に基いたフィードバック制御によって定電圧制御されることになる。そして、帯電ローラ12と感光体ドラム11との微小ギャップ間で生じる放電によって、感光体ドラム11の表面が帯電されることになる。
なお、本実施の形態1では、AC電流検知部42によって帯電ローラ12に流れるAC電流(電流)の値を直接的に検知するように構成したが、AC電流検知部42によって帯電ローラ12に流れるAC電流(電流)の値を感光体ドラム11を介して間接的に検知するように構成することもできる。
【0039】
ここで、本実施の形態1では、画像形成装置1において立ち上げ動作(ウォーミングアップ動作)がおこなわれるときに、前回の調整がおこなわれたときの出力電圧V0(前回の調整制御において最終的に調整された出力電圧である。)が所定の閾値VAよりも小さい場合には、その出力電圧V0を今回の調整を開始するときの出力電圧(帯電AC出力調整開始電圧)に設定する。これに対して、前回の調整がおこなわれたときの出力電圧V0が上述した閾値VA以上である場合には、その閾値VA以下となる所定電圧VBを今回の調整を開始するときの出力電圧(帯電AC出力調整開始電圧)に設定する。そして、これらの出力電圧(帯電AC出力調整開始電圧)を用いて、制御部40によってAC電源部41における出力電圧の調整を開始する。そして、それ以降、装置の立ち上げ動作が終了した後は、制御部40によって、AC電流検知部42によって検知されるAC電流が所定の目標範囲内になるようにAC電源部41における出力電圧(帯電AC出力電圧)が調整されることになる。
【0040】
具体的に、図3に示すフローチャートを参照して、ユーザーの操作によって、画像形成装置1の主電源(メインスイッチ)がオンされたり、待機モード(低電力を供給して装置1の消費電力を抑えつつ、装置1の比較的迅速な立ち上げを可能にする制御モードである。)から通常モードへ復帰されたりすると、まず、前回の出力電圧V0(前回の調整制御において最終的に調整されたAC電源部41の出力電圧である。)が所定の閾値VAよりも小さいかが判別される(ステップS1)。すなわち、装置の立ち上げ時において、制御部40からAC電源部41に出力要求があった時点で、帯電ローラ12に過電流が流れないか(閾値VAを超えないか)が判断される。
ここで、閾値VAは、AC電源部41の容量(電源容量)から予め定められた値であって、AC電源部41の容量を超える過大な電流が流れることによる帯電ローラ12や感光体ドラム11やAC電源部41への負荷を低減するためのものである。
【0041】
そして、ステップS1にて、前回の出力電圧V0が閾値VAよりも小さいものと判別された場合には、今回の調整を開始するときの出力電圧(帯電AC出力調整開始電圧)として前回の出力電圧V0の値が設定される(ステップS2)。
これに対して、ステップS1にて、前回の出力電圧V0が閾値VAよりも小さくないものと判別された場合には、今回の調整を開始するときの出力電圧(帯電AC出力調整開始電圧)として所定電圧VB(閾値VA以下となる電圧である。)の値が設定される(ステップS3)。すなわち、装置の立ち上げ時において、制御部40からAC電源部41に出力要求があった時点で、帯電ローラ12に過電流が流れるものと判断された場合に、過電流が生じないように閾値VA以下の所定電圧VBが帯電AC出力調整開始電圧として設定される。
なお、上述した所定電圧VBとして、閾値VAを用いることもできる。
【0042】
このような制御をおこなうことにより、帯電ローラ12に印加される電圧を調整する際に、環境変動や帯電ローラ12の経時劣化や交換等によって帯電ローラ12の抵抗値が変化してしまっても、帯電ローラ12に過電流が流れて帯電ローラ12や感光体ドラム11やAC電源部41にダメージが生じてしまう不具合を未然に防止することができる。
さらに、上述した制御は、前回の出力電圧V0が閾値VAよりも小さいものと判別された場合に、今回の調整を開始するときの出力電圧(帯電AC出力調整開始電圧)として前回の出力電圧V0の値を設定して、帯電ローラ12に印加される電圧の調整を開始するので、その調整にかかる時間(調整時間)を短縮化することができる。したがって、ユーザーに対する「お待たせ時間」を低減することができる。
【0043】
図4は、環境変動にともなう帯電AC電流―帯電AC電圧特性の変化を示すグラフであって、上述した効果の一部を説明するためのものである。
図4に示すように、帯電AC電流―帯電AC電圧特性がグラフQ0の状態で帯電AC出力電圧を図中のX点に対応する値となるように決定した後に、環境変動等により帯電ローラ12の抵抗値が変化して、帯電AC電流―帯電AC電圧特性がグラフQ1の状態に変わってしまった場合、上述したX点で決定した帯電AC出力電圧を帯電AC出力調整開始電圧として設定して調整制御を開始してしまうと、図中の○印で示す限界電流値を超えた過電流が帯電ローラ12に流れてしまうことになる。
これに対して、本実施の形態1における制御をおこなうことで、環境変動等により帯電ローラ12の抵抗値が変化して、帯電AC電流―帯電AC電圧特性がグラフQ0の状態からグラフQ1の状態に変わってしまった場合であっても、グラフQ0の状態で決定された帯電AC出力電圧(図中のX点に対応する出力電圧であって、前回の出力電圧V0である。)が閾値VA以上であると判断されて、閾値VA以下の所定電圧所定電圧VB(ここでは、閾値VAとしている。)を帯電AC出力調整開始電圧として設定して調整制御を開始するため、図中X点から矢印方向に最終的に移動した●印に示すように限界電流値を超えた過電流が帯電ローラ12に流れてしまう不具合を抑止することができる。
【0044】
なお、本実施の形態1では、前回の調整がおこなわれたときに帯電ローラ12に印加された電圧V0に基いて今回の調整を開始するときに帯電ローラ12に印加する電圧(開始電圧)を設定する制御を、装置の立ち上げ時におこなった。
しかし、このような制御の実行は、装置の立ち上げ時に限定されることなく、画像形成動作中や非画像形成動作においても帯電ローラ12に印加される電圧を調整する動作がおこなわれる場合には、その調整動作に合わせて適宜おこなうことができる。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態1によれば、帯電ローラ12(帯電部材)に印加される電圧を調整する際に、前回の調整がおこなわれたときに帯電ローラ12に印加された電圧V0に基いて、今回の調整を開始するときに帯電ローラ12に印加する電圧(開始電圧)を設定して、電圧調整を開始しているため、環境変動や経時劣化等によって帯電ローラ12の抵抗値が変化してしまっても、帯電ローラ12に過電流が流れてしまう不具合を未然に防止することができる。
【0046】
実施の形態2.
図5にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図5は、実施の形態2における画像形成装置において帯電ローラ12に印加されるAC調整開始電圧の制御を示すフローチャートであって、前記実施の形態1における図3に対応する図である。
本実施の形態2における画像形成装置は、前回の調整がおこなわれたときに帯電ローラ12に印加された電圧と、環境条件検知手段43によって検知される検知結果と、に基いて今回の調整を開始するときに帯電ローラ12に印加する電圧を設定している点が、前記実施の形態1のものとは相違する。
【0047】
本実施の形態2における画像形成装置1も、前記実施の形態1のものと同様に、感光体ドラム11に対して非接触で対向する帯電ローラ12が、AC電流検知部42による検知結果に基いたフィードバック制御によって定電圧制御されるように構成されている。そして、装置1には、前記実施の形態1のものと同様に、電流検知手段としてのAC電流検知部42、電圧調整手段としての制御部40、等が設置されている。
ここで、本実施の形態2における画像形成装置1では、装置内の温度や湿度を検知する環境条件検知手段としての温湿度センサ43(図2を参照できる)を用いた帯電電圧制御がおこなわれる。
【0048】
そして、本実施の形態2では、画像形成装置1において立ち上げ動作がおこなわれるときに、前回の調整がおこなわれたときの出力電圧V0(前回の調整制御において最終的に調整された出力電圧である。)が所定の閾値VAよりも小さい場合には、その出力電圧V0を今回の調整を開始するときの出力電圧(帯電AC出力調整開始電圧)に設定する。また、前回の調整がおこなわれたときの出力電圧V0が上述した閾値VA以上である場合であって、前回の調整がおこなわれたときの温湿度センサ43の検知結果Y0と今回の調整を開始するときの温湿度センサ43の検知結果Y1との差分が所定値Δよりも小さい場合にも、前回の出力電圧V0を今回の調整を開始するときの出力電圧(帯電AC出力調整開始電圧)に設定する。これに対して、前回の調整がおこなわれたときの出力電圧V0が上述した閾値VA以上である場合であって、前回の調整がおこなわれたときの温湿度センサ43の検知結果Y0と今回の調整を開始するときの温湿度センサ43の検知結果Y1との差分が所定値Δ以上である場合には、閾値VA以下となる所定電圧VBを今回の調整を開始するときの出力電圧(帯電AC出力調整開始電圧)に設定する。そして、これらの出力電圧(帯電AC出力調整開始電圧)を用いて、制御部40によってAC電源部41における出力電圧の調整を開始する。
【0049】
具体的に、図5に示すフローチャートを参照して、ユーザーの操作によって、画像形成装置1の主電源(メインスイッチ)がオンされたり、待機モードから通常モードへ復帰されたりすると、まず、前回の出力電圧V0(前回の調整制御において最終的に調整されたAC電源部41の出力電圧である。)が所定の閾値VAよりも小さいかが判別される(ステップS11)。
ここで、閾値VAは、前記実施の形態1のものと同様に、AC電源部41の容量(電源容量)から予め定められた値である。
【0050】
そして、ステップS11にて、前回の出力電圧V0が閾値VAよりも小さいものと判別された場合には、今回の調整を開始するときの出力電圧(帯電AC出力調整開始電圧)として前回の出力電圧V0の値が設定される(ステップS12)。
これに対して、ステップS11にて、前回の出力電圧V0が閾値VAよりも小さくないものと判別された場合には、さらに前回の調整がおこなわれたときの温湿度センサ43の検知結果Y0と今回の調整を開始するときの温湿度センサ43の検知結果Y1との差分が所定値Δよりも小さいかが判別される(ステップS13)。その結果、前回の検知結果Y0と今回の検知結果Y1との差分が所定値Δよりも小さいものと判別された場合には、帯電ローラ12の抵抗値の変化が比較的小さくてそれほど過大な電流が生じにくい状態であるものとして、今回の調整を開始するときの出力電圧(帯電AC出力調整開始電圧)として前回の出力電圧V0の値が設定される(ステップS14)。
これに対して、ステップS13にて、前回の検知結果Y0と今回の検知結果Y1との差分が所定値Δよりも小さくないものと判別された場合には、帯電ローラ12の抵抗値の変化が比較的大きくて過大な電流が生じやすい状態であるものとして、今回の調整を開始するときの出力電圧(帯電AC出力調整開始電圧)として所定電圧VB(閾値VA以下となる電圧である。)の値が設定される(ステップS15)。
なお、上述した所定電圧VBとして、閾値VAを用いることもできる。
【0051】
このような制御をおこなうことにより、帯電ローラ12に印加される電圧を調整する際に、環境変動や帯電ローラ12の経時劣化や交換等によって帯電ローラ12の抵抗値が変化してしまっても、帯電ローラ12に過電流が流れて帯電ローラ12や感光体ドラム11やAC電源部41にダメージが生じてしまう不具合を未然に防止することができる。特に、本実施の形態2では、環境変動によって帯電ローラ12に過電流が流れる不具合を抑止することを重視した制御になっている。
さらに、上述した制御は、前回の出力電圧V0が閾値VA以上であるものと判別された場合であっても、環境変動がそれほど大きくないと判別された場合には、今回の調整を開始するときの出力電圧(帯電AC出力調整開始電圧)として前回の出力電圧V0の値を設定して、帯電ローラ12に印加される電圧の調整を開始するので、その調整にかかる時間(調整時間)を短縮化することができる。したがって、ユーザーに対する「お待たせ時間」を低減することができる。
【0052】
なお、温湿度センサ43(環境条件検知手段)によって「温度」を検知する場合には、上述した制御における「所定値Δ」として10℃程度を設定することが好ましい。
また、温湿度センサ43(環境条件検知手段)によって「相対湿度」を検知する場合には、上述した制御における「所定値Δ」として30%程度を設定することが好ましい。
また、温湿度センサ43(環境条件検知手段)によって「絶対湿度」を検知する場合には、上述した制御における「所定値Δ」として10mg/m3程度を設定することが好ましい。
なお、温湿度センサ43(環境条件検知手段)によって検知して上述した制御に反映する環境条件は、「温度」、「湿度(相対湿度又は絶対湿度)」のうち、一方のみであっても、両方であっても、上述した効果を得ることができる。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態2によれば、帯電ローラ12(帯電部材)に印加される電圧を調整する際に、前回の調整がおこなわれたときに帯電ローラ12に印加された電圧V0に基いて、さらに温湿度センサ43(環境条件検知手段)によって検知される検知結果に基いて、今回の調整を開始するときに帯電ローラ12に印加する電圧(開始電圧)を設定して、電圧調整を開始しているため、環境変動や経時劣化等によって帯電ローラ12の抵抗値が変化してしまっても、帯電ローラ12に過電流が流れてしまう不具合を未然に防止することができる。
【0054】
なお、前記各実施の形態では、作像部における各部(感光体ドラム11、帯電ローラ12、現像部13、クリーニング部15、潤滑剤供給装置16である。)を一体化してプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKを構成して、作像部のコンパクト化とメンテナンス作業性の向上とを図っている。
これに対して、作像部における各部11、12、13、15、16をプロセスカートリッジの構成部材とせずに、それぞれ単体で装置本体1に交換自在に設置されるように構成することもできる。このような場合にも、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、前記各実施の形態では、2成分現像剤を用いる2成分現像方式の現像部13が搭載された画像形成装置に対して本発明を適用したが、1成分現像剤を用いる1成分現像方式の現像部13が搭載された画像形成装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
【0055】
また、前記各実施の形態では、中間転写ベルト17を用いたタンデム型のカラー画像形成装置に対して本発明を適用した。これに対して、転写搬送ベルトを用いたタンデム型のカラー画像形成装置(転写搬送ベルトに対向するように並設された複数の感光体ドラム上のトナー像を、転写搬送ベルトによって搬送される記録媒体上に重ねて転写する装置である。)や、モノクロ画像形成装置等、その他の画像形成装置に対しても、本発明を適用することができる。そして、このような場合であっても、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
なお、本発明が前記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0057】
1 画像形成装置本体(装置本体)、
11 感光体ドラム(像担持体)、
12 帯電ローラ(帯電部材)、
40 制御部(電圧調整手段)、
41 AC電源部(電源部)、
42 AC電流検知部(電流検知手段)、
43 温湿度センサ(環境条件検知手段)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0058】
【特許文献1】特開2008−40112号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源部から電圧が印加されて、トナー像が担持される像担持体上を帯電する帯電部材と、
前記帯電部材に流れる電流を検知する電流検知手段と、
前記電流検知手段によって検知される電流が所定の目標範囲内になるように前記電源部における出力電圧を調整する電圧調整手段と、
を備え、
前記電圧調整手段は、少なくとも装置の立ち上げ動作がおこなわれるときに、前回の調整がおこなわれたときの出力電圧V0が所定の閾値VAよりも小さい場合には前記出力電圧V0を今回の調整を開始するときの出力電圧に設定して、前記出力電圧V0が前記閾値VA以上である場合には前記閾値VA以下となる所定電圧VBを今回の調整を開始するときの出力電圧に設定して、前記電源部における出力電圧の調整を開始することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
電源部から電圧が印加されて、トナー像が担持される像担持体上を帯電する帯電部材と、
前記帯電部材に流れる電流を検知する電流検知手段と、
前記電流検知手段によって検知される電流が所定の目標範囲内になるように前記電源部における出力電圧を調整する電圧調整手段と、
温度又は/及び湿度を検知する環境条件検知手段と、
を備え、
前記電圧調整手段は、少なくとも装置の立ち上げ動作がおこなわれるときに、前回の調整がおこなわれたときの出力電圧V0が所定の閾値VAよりも小さい場合には前記出力電圧V0を今回の調整を開始するときの出力電圧に設定して、前記出力電圧V0が前記閾値VA以上であって前回の調整がおこなわれたときの前記環境条件検知手段の検知結果Y0と今回の調整を開始するときの前記環境条件検知手段の検知結果Y1との差分が所定値Δよりも小さい場合には前記出力電圧V0を今回の調整を開始するときの出力電圧に設定して、前記出力電圧V0が前記閾値VA以上であって前記検知結果Y0と前記検知結果Y1との差分が所定値Δ以上である場合には前記閾値VA以下となる所定電圧VBを今回の調整を開始するときの出力電圧に設定して、前記電源部における出力電圧の調整を開始することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記所定電圧VBを前記閾値VAとしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記閾値VAは、前記電源部の容量から予め定められたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−88352(P2012−88352A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232275(P2010−232275)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】