説明

画像形成装置

【課題】ひずみを除去するとともに、部材の異常な磨耗を抑制することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】電源がON(オン)されたかどうか、あるいは、画像出力信号が入力されたかどうかを判断する(ステップS2)。次に、予備駆動条件を満たすかどうかを判断する(ステップS3)。満たす場合には、次に、クリーニングブレードを離間させる(ステップS4)。そして、次に、供給ローラを離間させる(ステップS6)。そして、次に、予備回転を開始する(ステップS8)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの電子写真方式の画像形成装置に関し、現像ローラ等の現像部材を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置においては、現像装置を用いて像担持体である感光体上に静電潜像がトナーにより現像される。そして、例えば、感光体上に現像された静電潜像が記録用紙に転写されて画像が形成されることになる。このような画像形成装置の転写プロセスでは、一般に静電転写方式が採用されている。
【0003】
トナー像を被転写体である用紙に転写する場合は、感光体に対向するように配置された用紙の裏面から転写ローラ等により電圧を印加し、感光体と記録用紙との間に電界を形成してこの電界によりトナー像を記録用紙に静電吸着させている。
【0004】
そして、その後、定着装置により加圧定着することにより転写されたトナー像を記録用紙に定着させている。
【0005】
ところで、この湿式現像装置における現像装置においては、従来よりキャリア液中にトナーを分散させた液体現像剤を搬送ローラを介して弾性部材である現像ローラに供給し、この現像ローラによって感光体上の静電潜像を現像するものが知られている。このような現像装置において、画像形成をする時でない場合すなわち非画像形成時においては、弾性部材である現像ローラは静止した状態である。
【0006】
この点で、画像形成する時でない場合すなわち非画像形成時においては、弾性部材である現像ローラは静止した状態である。
【0007】
弾性部材(現像ローラ)の表面の一部が他の部材(例えば搬送ローラ)と圧接している状態が続くと、弾性部材の表面の圧接部に圧縮ひずみが発生する。圧縮ひずみが発生した部分では部材間の圧接力が低下するため、弾性部材が再び回転を開始して画像形成する際、均一な液体現像剤の受け渡しができなくなり、弾性部材の回転周期で濃度ムラ(以下、ピッチムラと表記する)が発生する問題が生じる。
【0008】
以下に、ひずみ発生によりピッチムラが発生するメカニズムを説明する。
弾性部材の表面にひずみが生じている部分では、ひずみで凹んでいる部分に液体現像剤がより多く担持されていると考えられる。
【0009】
一方、液体現像剤を受け渡す側の部材と現像剤を受け取る側の部材とが対向部において同方向に回転している場合、液体現像剤は部材のニップ間を通過し、部材の速度比に応じた割合でそれぞれの部材に分配される。
【0010】
したがって、受け渡し側の部材にひずみがあり、その部分に現像剤がより多く担持されている場合、受け取り側の部材上の搬送量も増加する。
【0011】
また、液体現像剤を受け渡す側の部材と液体現像剤を受け取る側の部材が対向部において逆方向に回転している場合、受け渡し側の部材上の液体現像剤は、部材間のニップ部を通過せず、ニップ通過前に受け取り側の部材に搬送される。しかし、受け渡し側の部材表面にひずみが生じていると、この部分で圧接力が低下している為、液体現像剤は部材のニップ間をすり抜けやすくなる。このため、受け取り側の部材上の搬送量は減少する。
【0012】
このようなメカニズムで、弾性部材にひずみが発生していると、搬送される液体現像剤の量が増加あるいは減少する為、ひずみのある弾性部材の回転する周期で濃度ムラが発生すると考えられる。
【0013】
一方、特許文献1は、ひずみを除去するために現像ローラと感光体ドラムとを接触して現像を行う記録装置の待機時において、当該現像ローラまたは感光体ドラムのいずれか一方、または両方を所定時間間隔で所定時間だけ回転させる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平2−248967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上記特許文献1に示される方式は、現像ローラ等に生じたひずみを解消するために待機時に所定時間だけ単に回転させることを示しているが、現像剤が現像ローラ等に付着していないような場合には、現像ローラ等に設けられたクリーニングブレード等との間で異常な摩擦が生じる可能性があり現像ローラ等の部材に異常な磨耗を生じさせる可能性がある。
【0016】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、ひずみを除去するとともに、部材の異常な磨耗を抑制することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のある局面に従う画像形成装置は、像担持体にトナー像を形成するために現像剤を担持する現像部材と、現像部材に当接され、現像部材に残存した現像剤を除去するためのクリーニング部材と、現像部材と接触して設けられ、供給される現像剤を現像部材に搬送するための搬送部材と、搬送部材および現像部材の少なくとも一方の駆動を制御する駆動部と、クリーニング部材と現像部材との接触を離間させるための調節機構とを備える。現像部材および搬送部材の少なくとも一方は、弾性材料で形成される。駆動部は、画像形成の際の本駆動の前にクリーニング部材の現像部材への当接が離間した状態で現像部材および搬送部材の少なくとも一方を一定期間、予備回転する。
【0018】
好ましくは、予備駆動の際、搬送部材への現像剤の供給は停止された状態に設定される。
【0019】
特に、搬送部材に現像剤を供給するために現像剤を貯留するための貯留槽と、少なくとも一部が貯留槽に貯留された現像剤に浸漬され、搬送部材に接触して設けられ、貯留された現像剤を汲み上げて、搬送部材に供給する汲み上げ部材とをさらに備える。予備駆動の際、汲み上げ部材と搬送部材とは離間した状態に設定される。
【0020】
特に、搬送部材に現像剤を供給するために現像剤を貯留するための貯留槽と、本駆動の際には、搬送部材の少なくとも一部が現像剤に浸漬するように貯留槽に現像剤を供給し、予備駆動の際には、搬送部材が現像剤に浸漬しないように貯留槽から現像剤を排出するポンプ部とをさらに備える。
【0021】
特に、予備駆動の後、本駆動の前に、搬送部材への現像剤の供給は再開されて現像部材に現像剤は搬送され、現像部材に搬送される現像剤を検知する検知部材をさらに備える。検知部材で現像部材に搬送される現像剤を検知した後、調節機構は、クリーニング部材を現像部材に当接する。
【発明の効果】
【0022】
本発明に従う画像形成装置における駆動部は、画像形成の際の本駆動の前にクリーニング部材の現像部材への当接が離間した状態で現像部材および搬送部材の少なくとも一方を一定期間、予備回転する。
【0023】
したがって、画像形成前に予備回転させることにより、現像部材等を予備回転することにっよりひずみを解消することが可能であるとともに、クリーニング部材の当接が離間した状態であるため、現像部材の磨耗を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に従う別の湿式画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明の実施の形態1に従う現像装置の構成を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態1に従う第1の調節部32の動作を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態2に従う第2の調節部34の動作を説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態1に従う制御部38における画像形成の際の本駆動前の処理について説明するフロー図である。
【図7】本発明の実施の形態1の変形例1に従う現像装置の構成について説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態1の変形例に従う制御部38における画像形成の際の本駆動前の処理について説明するフロー図である。
【図9】本発明の実施の形態1の変形例2に従う現像装置の構成について説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態2に従う現像装置の構成について説明する図である。
【図11】本発明の実施の形態2に従う制御部38における画像形成の際の本駆動前の処理について説明するフロー図である。
【図12】本発明の実施の形態2の変形例1に従う現像装置の構成について説明する図である。
【図13】本発明の実施の形態2の変形例2に従う現像装置の構成について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明においては同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一であるものとする。
【0026】
本発明の実施の形態においては、画像形成装置の一例として湿式画像形成装置について代表的に説明するが乾式画像形成装置についても同様に適用することが可能である。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【0028】
図1を参照して、本発明の実施の形態1に従う湿式画像形成装置には、ドラム状の像担持体である感光体1が設けられ、感光体1の周辺には矢印で示す回転方向の順に現像装置の現像ローラ24、転写ローラ11、クリーニングブレード12、イレーサランプ13、帯電装置14および露光装置15がそれぞれ配設される。
【0029】
感光体1の表面は、帯電装置14により所定の表面電位に一様に帯電される。そして、その後、露光装置15により画像情報の露光を行ない、感光体1の表面に静電潜像を形成する。次いで、感光体1上の静電潜像は、現像装置の現像ローラ24によりトナー粒子およびキャリア液を含む液体現像剤で現像され、感光体1の表面にトナー像が形成される。このとき、トナー粒子だけでなく分散媒であるキャリア液も感光体1の表面に付着する。
【0030】
そして、感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写ローラ11との対向部である転写部に運ばれる。そして、転写部では、被転写体10が矢印の方向(方向d)に搬送され、転写ローラ11に印加されたトナー粒子と逆極性の電圧の力により感光体1上のトナー粒子は被転写体10に転写される。そして、トナー粒子が転写された被転写体10は、図示しない定着部に搬送されトナー像が定着される。
【0031】
一方、転写部を通過した後の感光体1上には、クリーニングブレード12が設けられており、感光体1上に残留した転写残トナー粒子および分散媒を回収する。トナー粒子と分散媒とが回収された感光体1はイレーサランプ13により露光され、潜像電位がキャンセルされる。これらの工程を繰り返し行なうことにより、次々に画像が印字される。
【0032】
ここで、液体現像剤は、キャリア液である絶縁性液体と、静電潜像を現像するトナー粒子と、トナー粒子を分散させる分散剤とを主要成分としている。
【0033】
キャリア液としては、一般に電子写真用液体現像剤に用いるものであれば特に制限することなく使用することができるが、中でも不揮発性の液体は好ましい。不揮発性液体としてはたとえば、シリコンオイル、ミネラルオイル、パラフィンオイル、鉱物油等を挙げることができる。
【0034】
トナー粒子としては、一般に電子写真用液体現像剤に用いるものであれば、特に制限することなく使用することができる。トナー用結着樹脂としては、たとえばポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。またこれらの樹脂を複数、混合して用いることも可能である。また、トナーの着色に用いられる顔料および染料も一般に市販されているものを用いることができる。たとえば、顔料としては、カーボンブラック、ベンガラ、酸化チタン、シリカ、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スカイブルー、ベンジジンイエロー、レーキレッドD等を用いることができる。染料としてはソルベントレッド27やアシッドブルー9等を用いることができる。
【0035】
液体現像剤の調製方法としては、一般に用いられる技法に基づいて調製することができる。たとえば、結着剤樹脂と顔料とを所定の配合比で、加圧ニーダ、ローラミルなどを用いて溶融混練して均一に分散させ、得られた分散体をたとえばジェットミルによって微粉砕する。得られた微粉末をたとえば風力分級機などにより分級することで、所望の粒径の着色トナーを得ることができる。そして、得られたトナー粒子をキャリア液としての絶縁性液体と所定の配合比で混合する。この混合物をボールミル等の分散手段により均一に分散させ、液体現像剤を得ることができる。
【0036】
なお、本例においては、ポリエステル樹脂を100部、銅フタロシアニン15部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、ロール内加熱温度100℃の同方向回転二軸押出し機を用い溶融混練を行い、得られた混合物を冷却、粗粉砕して粗粉砕トナーを得た。また、IPS2028(出光興産社製)75部、粗粉砕トナーを25部、分散剤としてV216(IPS社製)を0.8部混合し、サンドミルにより4日間湿式粉砕し、湿式現像剤を得た。なお、その時の粒径は2.0μmであった。粒径はレーザ回折式粒度分布測定装置(SALD−2200(島津製作所社製))にて測定した。
【0037】
次に、現像装置の構成について詳細については後述するが、概略について簡単に説明する。
【0038】
現像装置には、感光体1と加圧接触される現像ローラ24と、トナーおよびキャリア液を含む液体現像剤6を貯蔵した現像槽5と、現像槽5に一部が浸漬され、液体現像剤を汲み上げる汲み上げローラ22と、汲み上げローラ22により汲み上げられた液体現像剤の厚みを規制して計量する規制部材23と、汲み上げローラ22により汲み上げられた液体現像剤を現像ローラ24に供給する供給ローラ21とを含む。
【0039】
互いに隣接している汲み上げローラ22と供給ローラ21とは接触領域において同一方向に回転するものとする。また、汲み上げローラ22は、供給ローラ21に従動して回転するものとする。本例においては、汲み上げローラ22は回転方向fの方向に回転する場合が示されている。また、供給ローラ21は、回転方向eの方向に回転する場合が示されている。
【0040】
また、互いに隣接している供給ローラ21と現像ローラ24とは接触領域において互いに反対方向に回転するものとする。反対方向とすることにより供給ローラ21から現像ローラ24への液体現像剤を効率的に供給することが可能となる。また、現像ローラ24の薄層を均一にすることが可能である。画像形成時において、本例においては、供給ローラ21は、回転方向eの方向に回転し、現像ローラ24は、回転方向bの方向に回転する場合が示されている。
【0041】
なお、本例においては、後述するが、供給ローラ21と現像ローラ24とにそれぞれを回転させるための駆動機構(駆動部)が設けられており、汲み上げローラ22には回転させるための駆動機構は設けられていないものとする。
【0042】
なお、汲み上げローラ22には表面に凹部を設けた金属ローラ(アニロックスローラ)を用いることで液体現像剤の量を正確に規制するようにしても良い。
【0043】
現像ローラ24の周辺には帯電装置26が設けられるとともに、クリーニングブレード25が設けられる。そして、現像ローラ24には、上述したように所定量の液体現像剤が供給され、帯電装置26により現像ローラ24上の液体現像剤中に含まれるトナーに電荷が与えられる。その後、現像ローラ24により感光体1に搬送された荷電されたトナーは感光体1上において画像部を現像する。なお、感光体1は、本例においては、回転方向aの方向に回転する場合が示されている。
【0044】
各ローラ等は、円柱状であり、本例では、その断面部分が示されている。
なお、クリーニングブレード25は、ゴム体であっても剛体であっても良い。ゴム体は、ウレタンゴムや、NBRゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。剛体の場合には、ポリプロピレン、ABS、ポリカーボネート等の樹脂類や、アルミ、アルマイト、SUS、真鍮などの金属類が挙げられる。
【0045】
上記図1の構成は、単色(例えば黒色)の画像形成が可能な湿式画像形成装置の構成であるが、次に複数色(カラー)の画像形成が可能な湿式画像形成装置について説明する。
【0046】
図2は、本発明の実施の形態に従う別の湿式画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【0047】
図2を参照して、本発明の実施の形態1に従う湿式画像形成装置には、像担持体である中間転写ベルト16が設けられ、中間転写ベルト16の周辺には矢印で示す回転方向の順にイエロー用の感光体1Y、マゼンタ用の感光体1M、シアン用の感光体1Cおよび黒用の感光体1Kが配設される。また、中間転写ベルト16を挟んで感光体1と対向して転写ローラ11Y〜11Kがそれぞれ設けられる。
【0048】
また、転写ローラ18と、クリーニングブレード17とが配設される。
また、各感光体1に対応して、現像装置の現像ローラ24、転写ローラ11、クリーニングブレード12、イレーサランプ13、帯電装置14および露光装置15がそれぞれ配設される。
【0049】
また、現像装置は、上述したように感光体1と加圧接触される現像ローラ24と、トナーおよびキャリア液を含む液体現像剤を貯蔵した現像槽5と、現像槽5に一部が浸漬され、液体現像剤を汲み上げる汲み上げローラ22と、汲み上げローラ22により汲み上げられた液体現像剤の厚みを規制して計量する規制部材23と、汲み上げローラ22により汲み上げられた液体現像剤を現像ローラ24に供給する供給ローラ21とを含む。
【0050】
ここで、記号に付記しているY,M,C,Kの記号は、イエロー用、マゼンタ用、シアン用、黒用であることをそれぞれ表している。
【0051】
各感光体1で現像されたトナー像は、転写ローラ11により中間転写ベルト16に転写される。そして、中間転写ベルト16に転写されたトナー像は、それぞれの色に重ね合わせられ、転写ローラ18との対向部である転写部に運ばれる。そして、転写部では、被転写体10が矢印の方向に搬送され、転写ローラ11により中間転写ベルト16上のトナー像が被転写体10に転写される。そして、図示しない定着部に搬送されトナー像が定着される。
【0052】
以下においては、画像形成の際の本駆動前の現像装置における予備回転について説明する。説明を簡易にするために図1の構成で説明するが、図1に限られず図2の構成についても同様に適用可能である。
【0053】
図3は、本発明の実施の形態1に従う現像装置の構成を説明する図である。
図3を参照して、現像装置には、感光体1と加圧接触される現像ローラ24と、トナーおよびキャリア液を含む液体現像剤6を貯蔵した現像槽5と、現像槽5に一部が浸漬され、液体現像剤を汲み上げる汲み上げローラ22と、汲み上げローラ22により汲み上げられた液体現像剤の厚みを規制して計量する規制部材23と、汲み上げローラ22により汲み上げられた液体現像剤を現像ローラ24に供給する供給ローラ21と、制御部38の指示に従ってクリーニングブレード25と現像ローラ24との当接を調節する第1の調節部32と、制御部38の指示に従って供給ローラ21の位置を調節する第2の調節部34と、制御部38からの指示に従って現像ローラ24および供給ローラ21をそれぞれ回転させるための駆動部36と、現像ローラ24に対して設けられ、現像ローラ24に付着する液体現像剤の有無を検出するための検知センサ30とを含む。検知センサ30は、検出結果を制御部38に出力する。
【0054】
そして、また、現像装置を制御する制御部38が設けられている場合が示されている。
図4は、本発明の実施の形態1に従う第1の調節部32の動作を説明する図である。
【0055】
図4(A)を参照して、本例では、第1の調節部32として、クリーニングブレード25に当接された軸支された回転機構29が設けられている場合が示されている。回転機構29は、図示しないモータ等により制御部38からの指示に従って回転する。
【0056】
図4(B)を参照して、ここでは制御部38からの指示に従って回転機構29が回転してクリーニングブレード25と現像ローラ24とが当接状態から離間状態に移行した場合が示されている。
【0057】
図5は、本発明の実施の形態2に従う第2の調節部34の動作を説明する図である。
図5(A)を参照して、本例では第2の調節部34が供給ローラ21の位置を調節する。具体的には、汲み上げローラ22との接触状態が離間状態となるように供給ローラ21の位置を調節する。
【0058】
そして、駆動部36が供給ローラ21を回転方向eの方向に回転させる。本例においては、現像ローラ24を供給ローラ21に従動回転させて、現像ローラ24を回転方向gの方向に回転する。接触領域において同一方向に互いに回転させることにより摩擦を軽減することが可能である。
【0059】
そして、現像ローラ24および供給ローラ21を回転させることにより接触領域において生じるひずみを解消することが可能となる。
【0060】
また、供給ローラ21と汲み上げローラ22とが離間状態であるため汲み上げローラ22から液体現像剤が汲み上げられて、供給ローラ21に付着することがなく不必要に現像槽5から液体現像剤を汲み上げて液量を消費することがない。
【0061】
図5(B)を参照して、本例では、再び、第2の調節部34が供給ローラ21の位置を調節して、汲み上げローラ22と供給ローラ21とが接触状態となった場合が示されている。
【0062】
図6は、本発明の実施の形態1に従う制御部38における画像形成の際の本駆動前の処理について説明するフロー図である。
【0063】
図6を参照して、まず、電源がON(オン)されたかどうか、あるいは、画像出力信号が入力されたかどうかを判断する(ステップS2)。すなわち、電源がONされた起動時か、画像を形成するための画像出力信号が入力されたか否かで判断する。
【0064】
ステップS2において、電源がON(オン)された場合、あるいは、画像出力信号が入力された場合には、次のステップS3に進む。
【0065】
一方、ステップS2において、電源がON(オン)されていない、あるいは、画像出力信号が入力されていない場合(ステップS2においてNO)には、その状態を維持する。
【0066】
次に、制御部38は、予備駆動条件を満たすかどうかを判断する(ステップS3)。予備駆動条件としては、例えば、一例として、前回、電源がONされた時刻と比較して、1日が経過しているかを条件とすることが可能である。また、画像出力信号の入力毎に予備駆動条件を満たすと判断することも可能であるが、前回、画像出力信号が入力されてから所定期間が経過しているかを条件とすることも可能である。なお、特にこれらに限られず、他の条件を予備駆動条件として判断するようにしても良い。また、本例においては、ステップS3で予備駆動条件を満たすか否かを判断する場合について説明しているが、例えば、ステップS3を設けず、ステップS2から直接ステップS4に進むようにしても良い。
【0067】
ステップS3において、予備駆動条件を満たすと判断した場合(ステップS3においてYES)には、クリーニングブレードを離間させる(ステップS4)。
【0068】
具体的には、制御部38は、第1の調節部32である回転機構29に指示してクリーニングブレード25を現像ローラ24から離間させる。
【0069】
そして、次に、供給ローラ21を離間させる(ステップS6)。具体的には、制御部38は、第2の調節部34に指示して供給ローラ21を汲み上げローラ22から離間させる。
【0070】
次に、予備回転を開始する(ステップS8)。具体的には、制御部38は、駆動部36に指示して供給ローラ21を回転させる。なお、予備回転においては、現像ローラ24は、供給ローラ21に対して従動で回転するものとする。なお、本例においては、現像ローラ24は、供給ローラ21に対して従動で回転する場合について説明するがそれぞれ駆動するようにしても良いし、接触領域において互いに反対方向に回転させるようにすることも可能である。
【0071】
そして、5分後、予備回転を終了する(ステップS10)。具体的には、制御部38は、駆動部36に指示して供給ローラ21の回転を停止する。
【0072】
次に、供給ローラ21を圧接する(ステップS12)。具体的には、制御部38は、第2の調節部34に指示して供給ローラ21の位置を調節する。本例においては、汲み上げローラ22と再び接触するように供給ローラ21の位置を調節する。
【0073】
次に、現像ローラ24、供給ローラ21、汲み上げローラ22の駆動を開始する(ステップS16)。具体的には、制御部38は、駆動部36に指示して供給ローラ21および現像ローラ24を回転させる。上述したように、当該ローラの回転により現像槽5の液体現像剤6が汲み上げられる。
【0074】
次に、現像ローラ24の表面に液体現像剤が有るかどうかを判断する(ステップS18)。具体的には、制御部38は、検知センサ30から検知結果(液体現像剤有り)の入力を受けたか否かを判断する。液体現像剤がローラ間に介在するためトルクUPを防止することも可能である。
【0075】
現像ローラ24の表面に液体現像剤が有ると判断された場合(ステップS18においてYES)には、クリーニングブレード25を現像ローラ24に圧接する(ステップS20)。具体的には、制御部38は、第1の調節部32である回転機構29に指示してクリーニングブレード25を現像ローラ24に当接させる。
【0076】
そして、制御部38は、画像形成を開始する(ステップS22)。そして、処理を終了する(リターン)。
【0077】
本実施の形態1に従う現像装置においては、画像形成前に予備回転させることにより、上述したように、現像ローラ等のひずみを解消することが可能である。その際、クリーニングブレード25は、現像ローラ24から離間している。したがって、現像ローラ24の回転に従うクリーニングブレード25との摩擦を回避し現像ローラ24の磨耗を抑制することが可能である。特に、感光体1は、剛体のため摩擦係数が高く磨耗は生じにくいと考えられるが、現像ローラ24は剛体ではなく材質的にゴム体等が用いられるため離間させて摩擦を回避することが望ましい。また、現像ローラ24の磨耗に限られず、クリーニングブレード25の寿命も延ばすことが可能である。
【0078】
さらに、予備回転時に画像形成時と同じ方向に現像ローラ24を回転させた場合には、現像ローラ24と供給ローラ21とが接触領域において逆方向に回転することになり、このときに液体現像剤が供給されていない状態ではローラ駆動のトルク上昇が起こり駆動が不安定になるおそれが考えられるが、現像ローラ24と供給ローラ21とが接触領域において同方向に回転されることにより、このトルク上昇を防止することができる。この場合、現像ローラ24と供給ローラ21とが接触領域において速度差なしで回転されることがより望ましい。
【0079】
また、予備回転時においては、供給ローラ21と汲み上げローラ22とが離間した状態で回転されるため汲み上げローラ22から供給ローラ21に対して液体現像剤が供給されることはなく、不必要に現像槽5から液体現像剤を汲み上げて液量を消費することがない。
【0080】
また、クリーニングブレード25が再び現像ローラ24に当接されるタイミングは、現像ローラ24に液体現像剤が付着している状態が検知された後であるため、液体現像剤がクリーニングブレード25と現像ローラ24との間に介在するため当接により異常な摩擦が生じることを回避することが可能である。
【0081】
(変形例1)
図7は、本発明の実施の形態1の変形例1に従う現像装置の構成について説明する図である。
【0082】
図7(A)を参照して、本例では、第1の調節部32として、押圧機構50と、現像ローラ24の回転軸56と連結されたバネ54と、回転軸56がスライド可能なスライド溝52とが設けられている。回転軸56にバネ54の一端が連結されており、他端は固定されているものとする。そして、現像ローラ24の回転軸56は、バネ54によりクリーニングブレード25に当接する方向に付勢されているものとする。また、現像ローラ24は、スライド溝52に沿って移動することが可能であるものとする。
【0083】
図7(B)を参照して、ここでは制御部38からの指示に従って押圧機構50が現像ローラ24の回転軸56を押圧する場合が示されている。押圧機構50が回転軸56を押圧することによりスライド溝52に沿って現像ローラ24が移動する。本例においては、押圧機構50により回転軸56を押圧することにより、現像ローラ24とクリーニングブレード25とが当接状態から離間状態に移行した場合が示されている。
【0084】
そして、さらに、本例においては、現像ローラ24の位置が移動することにより感光体1と現像ローラ24との接触状態が離間状態に移行するものとする。
【0085】
図8は、本発明の実施の形態1の変形例に従う制御部38における画像形成の際の本駆動前の処理について説明するフロー図である。
【0086】
図8を参照して、まず、電源がON(オン)されたかどうか、あるいは、画像出力信号が入力されたかどうかを判断する(ステップS2)。ステップS2において、電源がON(オン)された場合、あるいは、画像出力信号が入力された場合には、次のステップS3に進む。ステップS2において、電源がON(オン)されていない、あるいは、画像出力信号が入力されていない場合(ステップS2においてNO)には、その状態を維持する。次に、制御部38は、予備駆動条件を満たすかどうかを判断する(ステップS3)。
【0087】
ステップS3において、予備駆動条件を満たすと判断した場合(ステップS3においてYES)には、クリーニングブレード25および現像ローラ24を離間させる(ステップS4)。具体的には、制御部38は、押圧機構50に指示し、押圧機構50は、現像ローラ24の回転軸56を押圧して、スライド溝52に沿って現像ローラ24を移動させる。当該動作により、クリーニングブレード25は、現像ローラ24から離間するとともに、現像ローラ24も感光体1から離間する。
【0088】
次に、予備回転を開始する(ステップS8)。具体的には、制御部38は、駆動部36に指示して供給ローラ21を回転させる。なお、予備回転においては、現像ローラ24は、供給ローラ21に対して従動で回転するものとする。
【0089】
そして、5分後、予備回転を終了する(ステップS10)。具体的には、制御部38は、駆動部36に指示して供給ローラ21の回転を停止する。
【0090】
次に、現像ローラ24の表面に液体現像剤が有るかどうかを判断する(ステップS18)。具体的には、制御部38は、検知センサ30から検知結果(液体現像剤有り)の入力を受けたか否かを判断する。
【0091】
現像ローラ24の表面に液体現像剤が有ると判断された場合(ステップS18においてYES)には、クリーニングブレード25および現像ローラ24を圧接する(ステップS21)。具体的には、制御部38は、押圧機構50に指示し、押圧機構50は、現像ローラ24の回転軸56の押圧を開放する。上述したように、現像ローラ24の回転軸56は、バネ54によりクリーニングブレード25に当接する方向に付勢されており、付勢力により再び、現像ローラ24は、クリーニングブレードに当接される。また、同様に現像ローラ24は、感光体1と接触状態(圧接状態)となる。
【0092】
そして、制御部38は、画像形成を開始する(ステップS22)。そして、処理を終了する(リターン)。
【0093】
本実施の形態1の変形例1に従う現像装置の構成においても画像形成前に予備回転させることにより、上述したように、現像ローラ等のひずみを解消することが可能である。その際、クリーニングブレード25は、現像ローラ24から離間している。したがって、現像ローラ24の回転に従うクリーニングブレード25との摩擦を回避し現像ローラ24の磨耗を抑制することが可能である。そして、上記で説明したのと同様の効果を生じさせることが可能である。
【0094】
また、本変形例1に従う現像装置の構成においては、押圧機構50により、クリーニングブレード25と現像ローラ24との離間と、感光体1と現像ローラ24との離間とが同時に実現されるため第2の調節部34を設ける必要がなく、構成を簡易にすることが可能である。
【0095】
(変形例2)
図9は、本発明の実施の形態1の変形例2に従う現像装置の構成について説明する図である。
【0096】
図9を参照して、本例では、図5の構成と比較して、第2の調節部34が供給ローラ21の位置を調節して、汲み上げローラ22と供給ローラ21との接触状態を離間状態とするとともに、さらに、現像ローラ24と供給ローラ21との接触状態も離間状態となるように供給ローラ21の位置を調節する場合が示されている。
【0097】
そして、駆動部36が供給ローラ21を回転方向eの方向に回転させる。また、本例においては、一例として現像ローラ24も回転方向bの方向に回転させる。
【0098】
そして、現像ローラ24および供給ローラ21との接触状態を離間状態して回転させることにより接触領域において生じるひずみを解消することが可能となる。
【0099】
また、供給ローラ21と汲み上げローラ22とが離間状態であるため汲み上げローラ22から液体現像剤が汲み上げられて、供給ローラ21に付着することがなく不必要に現像槽5から液体現像剤を汲み上げて液量を消費することがない。その他の部分については、図5で説明したのと同様である。すなわち、図6で説明した制御部38における画像形成の際の本駆動前の処理を同様に適用することが可能である。
【0100】
(実施の形態2)
上記の実施の形態1に従う構成においては、供給ローラ等のローラの位置を移動させる構成について説明した。本発明の実施の形態2においては、供給ローラ等のローラの位置を移動させることない方式について説明する。
【0101】
図10は、本発明の実施の形態2に従う現像装置の構成について説明する図である。
図10を参照して、本発明の実施の形態2に従う現像装置は、図4の構成と比較して、調整槽42と、ポンプ44,46とをさらに設けた点が異なる。ここで、ポンプ46は、制御部38からの指示に従って調整槽42に貯留されている液体現像剤を現像槽5に供給する。ポンプ44は、制御部38からの指示に従って現像槽5に貯留されている液体現像剤を調整槽42に搬出する。
【0102】
図11は、本発明の実施の形態2に従う制御部38における画像形成の際の本駆動前の処理について説明するフロー図である。
【0103】
図11を参照して、まず、電源がON(オン)されたかどうか、あるいは、画像出力信号が入力されたかどうかを判断する(ステップS2)。ステップS2において、電源がON(オン)された場合、あるいは、画像出力信号が入力された場合には、次のステップS3に進む。
【0104】
一方、ステップS2において、電源がON(オン)されていない、あるいは、画像出力信号が入力されていない場合(ステップS2においてNO)には、その状態を維持する。
【0105】
次に、制御部38は、予備駆動条件を満たすかどうかを判断する(ステップS3)。ステップS3において、予備駆動条件を満たすと判断した場合(ステップS3においてYES)には、クリーニングブレードを離間させる(ステップS4)。
【0106】
上述したように、制御部38は、第1の調節部32である回転機構29に指示してクリーニングブレード25を現像ローラ24から離間させる。
【0107】
そして、次に、現像槽5の液体現像剤を調整槽42に搬出する(ステップS30)。具体的には、制御部38は、ポンプ44に指示し、ポンプ44は、現像槽5の液体現像剤を調整槽42に搬出する。
【0108】
次に、予備回転を開始する(ステップS32)。具体的には、制御部38は、駆動部36に指示して供給ローラ21を回転させる。なお、予備回転においては、現像ローラ24は、供給ローラ21に対して従動で回転するものとする。本例においては、回転方向gの方向に現像ローラ24が回転している場合が示されている。
【0109】
そして、5分後、予備回転を終了する(ステップS34)。具体的には、制御部38は、駆動部36に指示して供給ローラ21の回転を停止する。
【0110】
次に、調整槽42から現像槽5に液体現像剤を供給する(ステップS36)。具体的には、制御部38は、ポンプ46に指示し、ポンプ46は、調整槽42の液体現像剤を現像槽5に供給する。
【0111】
次に、現像ローラ24、供給ローラ21、汲み上げローラ22の駆動を開始する(ステップS38)。具体的には、制御部38は、駆動部36に指示して供給ローラ21および現像ローラ24を回転させる。上述したように、当該ローラの回転により現像槽5の液体現像剤6が汲み上げられる。
【0112】
次に、現像ローラ24の表面に液体現像剤が有るかどうかを判断する(ステップS40)。具体的には、制御部38は、検知センサ30から検知結果(液体現像剤有り)の入力を受けたか否かを判断する。液体現像剤がローラ間に介在するためトルクUPを防止することも可能である。
【0113】
現像ローラ24の表面に液体現像剤が有ると判断された場合(ステップS40においてYES)には、クリーニングブレード25を現像ローラ24に圧接する(ステップS42)。上述したように制御部38は、第1の調節部32である回転機構29に指示してクリーニングブレード25を現像ローラ24に当接させる。
【0114】
そして、制御部38は、画像形成を開始する(ステップS44)。そして、処理を終了する(リターン)。
【0115】
本実施の形態2に従う現像装置においては、画像形成前に予備回転させることにより、上述したように、現像ローラ等のひずみを解消することが可能である。その際、クリーニングブレード25は、現像ローラ24から離間している。したがって、現像ローラ24の回転に従うクリーニングブレード25との摩擦を回避し現像ローラ24の磨耗を抑制することが可能である。
【0116】
さらに、予備回転時に、画像形成時と同じ方向に現像ローラ24を回転させた場合には、現像ローラ24と供給ローラ21とが接触領域において逆方向に回転することになり、このときに液体現像剤が供給されていない状態ではローラ駆動のトルク上昇が起こり駆動が不安定になるおそれが考えられるが、現像ローラ24と供給ローラ21とが接触領域において同方向に回転されることにより、このトルク上昇を防止することができる。この場合、現像ローラ24と供給ローラ21とが接触領域において速度差なしで回転されることがより望ましい。
【0117】
また、本例においては、予備回転前に、現像槽5の液体現像剤を調整槽42に移動させる。当該処理により、各ローラが回転することにより、液体現像剤が汲み上げられて不必要に現像槽5から液体現像剤量を消費することがない。
【0118】
そして、クリーニングブレード25が再び現像ローラ24に当接されるタイミングは、再び、現像槽5に液体現像剤が供給されて、そして、液体現像剤が汲み上げられて現像ローラ24に液体現像剤が付着している状態が検知された後である。すなわち、液体現像剤がクリーニングブレード25と現像ローラ24との間に介在するため当接により異常な摩擦が生じることを回避することが可能である。
【0119】
(変形例1)
図12は、本発明の実施の形態2の変形例1に従う現像装置の構成について説明する図である。
【0120】
図12を参照して、本発明の実施の形態2の変形例1に従う現像装置は、図10の構成と比較して、現像槽5を設けない点で異なる。具体的には、現像槽5の代わりに、回収部材40と、ポンプ46から供給される液体現像剤を汲み上げローラ22に搬送するためのマイラ48を設けた点が異なる。
【0121】
すなわち、本構成においては、画像形成の際の本駆動時において、汲み上げローラ22の一部は、液体現像剤に浸漬した状態とならない。具体的には、ポンプ46から液体現像剤がマイラ48に供給され、マイラ48とガイド部材48との間で液溜りが生じる。そして、規制部材23を通過した液体現像剤が汲み上げローラ22に供給される。なお、汲み上げローラ22から滴下した液体現像剤は回収部材40で回収されてポンプ44により再び調整槽42に搬出される。
【0122】
本発明の実施の形態2の変形例1に従う現像装置の構成についても図11で説明したのと同様の処理を実行することが可能であるが、現像槽5が設けられていないためステップS36,S38において、ポンプ46によりマイラ48を介して汲み上げローラ22に供給を開始しながら、現像ローラ24、供給ローラ21、汲み上げローラ22の駆動を開始するものとする。その他の点については、図11で説明したのと同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。なお、予備回転時には、制御部38は、駆動部36に指示して、供給ローラ21を回転方向eの方向に回転させる場合が本例においては示されている。そして、予備回転時において、現像ローラ24および汲み上げローラ22は、従動回転で回転しているものとする。
【0123】
本構成においても、上記の実施の形態2で説明したのと同様の効果を生じさせることが可能である。
【0124】
(変形例2)
図13は、本発明の実施の形態2の変形例2に従う現像装置の構成について説明する図である。
【0125】
図13を参照して、本発明の実施の形態2の変形例2に従う現像装置は、図10の構成と比較して、供給ローラ21を削除した点が異なる。その他の点は、図10で説明したのと同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。なお、予備回転時には、制御部38は、駆動部36に指示して、現像ローラ24を回転方向bの方向に回転させる場合が本例においては示されている。なお、ここでは、予備回転時において、汲み上げローラ22は、従動回転であるものとする。
【0126】
本発明の実施の形態2の変形例2に従う現像装置の構成についても図11で説明したのと同様の処理を実行することが可能である。そして、本構成においても、上記の実施の形態2で説明したのと同様の効果を生じさせることが可能である。
【0127】
また、供給ローラ21を削除したため部品点数を削減して、構成を簡易にすることが可能である。
【0128】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0129】
1,1C,1K,1M,1Y 感光体、5 現像槽、6 液体現像剤、10 被転写体、11,11Y〜11K,18 転写ローラ、12,17,25 クリーニングブレード、13 イレーサランプ、14,26 帯電装置、15 露光装置、16 中間転写ベルト、21 供給ローラ、22 汲み上げローラ、23 規制部材、24 現像ローラ、29 回転機構、30 検知センサ、32 第1の調節部、34 第2の調節部、36 駆動部、38 制御部、40 回収部材、42 調整槽、44,46 ポンプ、48 ガイド部材、50 押圧機構、52 スライド溝、54 バネ、56 回転軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体にトナー像を形成するために現像剤を担持する現像部材と、
前記現像部材に当接され、前記現像部材に残存した現像剤を除去するためのクリーニング部材と、
前記現像部材と接触して設けられ、供給される前記現像剤を前記現像部材に搬送するための搬送部材と、
前記搬送部材および前記現像部材の少なくとも一方の駆動を制御する駆動部と、
前記クリーニング部材と前記現像部材との接触を離間させるための調節機構とを備え、
前記現像部材および前記搬送部材の少なくとも一方は、弾性材料で形成され、
前記駆動部は、画像形成の際の本駆動の前に前記クリーニング部材の前記現像部材への当接が離間した状態で前記現像部材および前記搬送部材の少なくとも一方を一定期間、予備回転する、画像形成装置。
【請求項2】
前記予備駆動の際、前記搬送部材への前記現像剤の供給は停止された状態に設定される、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記搬送部材に前記現像剤を供給するために前記現像剤を貯留するための貯留槽と、
少なくとも一部が前記貯留槽に貯留された前記現像剤に浸漬され、前記搬送部材に接触して設けられ、前記貯留された前記現像剤を汲み上げて、前記搬送部材に供給する汲み上げ部材とをさらに備え、
前記予備駆動の際、前記汲み上げ部材と前記搬送部材とは離間した状態に設定される、請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記搬送部材に前記現像剤を供給するために前記現像剤を貯留するための貯留槽と、
前記本駆動の際には、前記搬送部材の少なくとも一部が前記現像剤に浸漬するように前記貯留槽に前記現像剤を供給し、前記予備駆動の際には、前記搬送部材が前記現像剤に浸漬しないように前記貯留槽から前記現像剤を排出するポンプ部とをさらに備える、請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記予備駆動の後、前記本駆動の前に、前記搬送部材への前記現像剤の供給は再開されて前記現像部材に前記現像剤は搬送され、
前記現像部材に搬送される前記現像剤を検知する検知部材をさらに備え、
前記検知部材で前記現像部材に搬送される前記現像剤を検知した後、前記調節機構は、前記クリーニング部材を前記現像部材に当接する、請求項2〜4のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−88367(P2012−88367A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232425(P2010−232425)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】