説明

画像形成装置

【課題】本発明は、スループットを向上することを目的とする。
【解決手段】本発明の画像形成装置は、ホストコンピュータ201からの印刷ジョブを受信する送受信部202と、印刷ジョブに基づいて間欠温度の閾値を切り替える閾値切替部206と、内部温度を検知する内部温度検知部としての内部温度検知センサ112と、内部温度検知センサ112により検知された内部温度を管理し、当該内部温度を閾値切替部206により切り替えられた間欠温度の閾値と比較する内部温度制御部204と、内部温度制御部204により、内部温度が間欠温度の閾値よりも高いと判断された場合において、実行中の印刷ジョブが両面印刷ジョブである場合には、印刷ジョブを切換える印刷ジョブ切換え部205と、印刷ジョブを管理するもので、間欠印刷の実行を制御するコントローラ部203とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱部を持つ画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、発熱部を有する画像形成装置としては、特許文献1に開示されるものがあり、装置内部にて両面印刷の反転動作を行う構成のものであった。
【0003】
即ち、特許文献1では、媒体反転機構を有し、両面印刷可能な印刷装置の印刷方法において、給紙ジャムの発生を検出すると、片面印刷途中の印刷媒体が存在するときは該片面印刷を続行し、印刷完了後、反転機構へ搬送し、その後、給紙ジャムの解除を要求し、解除終了後に印刷処理を再開する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−77760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術の構成に加えて、画像形成部の昇温による画像不良やクリーニング不良を防止する為、間欠印刷や印刷停止をするものも提案されているが、スループットが低下するという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は上述の技術的な課題に鑑み、装置の内部温度により印刷ジョブを切換えることにより、或いは装置の内部温度上昇時に印刷ジョブの残枚数により間欠印刷動作を変えることにより、スループットを向上することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述技術的な課題を解決するため、本発明の第1の態様による画像形成装置は、内部温度を検知する内部温度検知部と、第1の温度を有し、前記内部温度検知部で検知した温度と前記第1の温度とを比較する内部温度制御部と、前記内部温度制御部の比較結果に基づいて両面印刷から片面印刷へと切替える印刷ジョブ切替え部とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の態様による画像形成装置は、ホストコンピュータと通信自在な画像形成装置であって、上記ホストコンピュータからの印刷ジョブを受信する送受信部と、上記印刷ジョブに基づいて間欠温度の閾値を切り替える閾値切替部と、内部温度を検知する内部温度検知部と、上記内部温度検知部により検知された内部温度を管理し、当該内部温度を上記閾値切替部により切り替えられた間欠温度の閾値と比較する内部温度制御部と、上記内部温度制御部により、内部温度が上記間欠温度の閾値よりも高いと判断され、内部温度が完全停止温度の閾値以下であると判断された場合において、実行中の印刷ジョブが両面印刷ジョブであり、別の印刷ジョブとして片面印刷ジョブが存在する場合には、印刷ジョブを切換える印刷ジョブ切換え部と、上記印刷ジョブを管理するもので、間欠印刷の実行を制御するコントローラ部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る画像形成装置によれば、装置の内部温度により印刷ジョブを切換えることにより、或いは装置の内部温度上昇時に印刷ジョブの残枚数により間欠印刷動作を変えることにより、スループットを向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタの構成図。
【図2】図1のジョブセパレート機構の詳細を示す構成図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタとその周辺機器の制御系の構成図。
【図4】各種閾値を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタによる印刷要求時の処理の流れを説明するフローチャート。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタとその周辺機器の制御系の構成図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタによる印刷要求時の処理の流れを説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の画像形成装置に係る好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明の画像形成装置は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
【0012】
図1には本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタ100の構成を示し説明する。
【0013】
図1に示されるように、画像形成装置としてのプリンタ100は、印刷媒体としての第1用紙102を格納する第1用紙格納トレイ101、給紙センサ103、書出しセンサ104、画像形成部105、印刷ヘッド部106、転写部107、定着部108、排出センサ109、両面セパレータ110、本体スタッカ111、内部温度検知センサ112、両面印刷ユニット120、ジョブセパレート機構36を有している。
【0014】
このような構成において、第1用紙格納トレイ101は、第1用紙102を格納している。給紙センサ103は、給紙された第1用紙102を検出するもので、その検出は給紙のタイミングの基準となる。そして、書出しセンサ104は、搬送されてきた第1用紙102を検出するもので、その検出は画像形成タイミングの基準となる。
【0015】
画像形成部105は、電子写真プロセスにより感光体ドラム上に現像剤による画像を形成するものである。印刷ヘッド部106は、画像形成部105の感光体ドラム上に光線によって静電潜像を形成するものである。転写部107は、画像形成部105の感光体ドラム上に形成された現像剤による画像を媒体に転写するものである。そして、定着部108は、印刷媒体としての第1用紙102上に転写された現像剤による画像を熱により該印刷媒体に定着させるものである。
【0016】
排出センサ109は、印刷媒体が定着部108を抜けたことを検出するものである。両面セパレータ110は、印刷媒体を排出するか両面印刷ユニット120へ吸入するかを切り替えるものである。本体スタッカ111は、印刷媒体を排出するものである。内部温度検知センサ112は、装置内の温度を検出するものである。そして、両面印刷ユニット120は、両面印刷を行うために用紙の表裏反転を行うものである。
【0017】
ここで、図2には図1のジョブセパレート機構36の詳細を示し説明する。
【0018】
図2に示されるように、排出ローラ15jは不図示のモータの駆動によって図中矢印Aの方向に回転し、排出ローラ15iは追従回転するとともに、不図示の駆動部により図中矢印Bの軸方向に移動するように構成されている。従って、画像を形成した印刷媒体を本体スタッカ111に排紙する場合に、排出ローラ15iを選択的に軸方向に移動させることにより、図に示すように、画像を形成した印刷媒体を、位置をずらして積層することが可能である。これによって、両面印刷ジョブの途中に印刷を中断した印刷済み媒体と両面印刷ジョブに優先して印刷された片面印刷ジョブの積層位置がずれて積層されるため、異なるジョブの印刷済み媒体が混在することなく、区別することができる。また、両面印刷ジョブを指示しているユーザが、両面印刷ジョブが中断されていることを知らずに画像形成装置の本体スタッカ111に積層された印刷媒体を見てから気づくことがないよう、両面印刷ジョブを中断した際はユーザに通知するようにしてもよい。中断した両面印刷ジョブを再開する場合においても同様である。
【0019】
図3には本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタ100とその周辺機器の制御系の構成を詳細に示し説明する。
【0020】
図3に示されるように、画像形成装置としてのプリンタ100は、送受信部202とコントローラ部203、内部温度制御部204、内部温度検知センサ112、給紙制御部210、排出制御部211を備えている。コントローラ部203は、更に印刷ジョブ切換え部205を備えており、内部温度制御部204は閾値切替部206を備えている。閾値切替部206は、第2の温度としての完全停止温度207、第3の温度としての片面間欠温度208、第1の温度としての両面間欠温度209のそれぞれの閾値を切り替えることが可能となっている。このようなプリンタ100は、送受信部202を介してホストコンピュータ201と通信可能となっており、給紙制御部210は両面印刷ユニット120に接続されている。
【0021】
このような構成において、送受信部202は、ホストコンピュータ201とデータの送受信を行い、ホストコンピュータ201からの印刷情報(印刷ジョブ)を受信する。この印刷情報はコントローラ部203に送られ、コントローラ部203では、該印刷情報を処理する。コントローラ部203は、画像形成装置全体の制御を司る。内部温度検知センサ112は、装置内の温度を検出し、内部温度制御部204は、装置の内部温度を管理する。
【0022】
閾値切替部206では、装置内の温度により印刷停止、間欠印刷を行う為の閾値を切り替える。より具体的には、完全停止温度207とは、装置保護のために印刷を停止する閾値であり、片面間欠温度208とは、片面印刷時、装置内の温度上昇を和らげるために間欠印刷にする閾値であり、両面間欠温度209とは、両面印刷時、装置内の温度上昇を和らげるために間欠印刷にする閾値である。
【0023】
この例では、図4に示されるように、片面間欠温度208が47℃、両面間欠温度が45℃、完全停止温度が50℃に設定されている。但し、これに限定されない。
【0024】
印刷ジョブ切換え部205は、印刷ジョブの切換えを行う。即ち、より詳細には、例えば、内部温度検知センサ112により検知された内部温度が内部温度制御部204の閾値切替部206により設定された間欠温度の閾値よりも高く、内部温度が完全停止温度の閾値以下である場合において、現在の印刷ジョブが両面印刷ジョブであり、別の印刷ジョブとして片面印刷ジョブがある場合には、印刷ジョブ切換え部205により印刷ジョブの切換えが行われる。即ち、この場合には、両面印刷ジョブから片面印刷ジョブに印刷ジョブが切り換えられることになる。
【0025】
以上のほか、排出制御部210は、排出先を制御する。給紙制御部211は、給紙先を制御する。そして、両面印刷ユニット120は、自動で両面印刷を行う。
【0026】
以下、図5のフローチャートを参照して、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタ100による印刷要求時の処理の流れを説明する。
【0027】
ホストコンピュータ201より印刷ジョブが送信されてくると、送受信部202が印刷ジョブを受信し、該印刷ジョブがコントローラ部203に送られ、該コントローラ部203により印刷処理が開始される(ステップS301)。
【0028】
このように印刷ジョブを受信し、印刷処理が開始されると、コントローラ部203からの指令に基づいて、内部温度制御部204は内部温度検知センサ112により装置内の内部温度を計測する(ステップS302)。
【0029】
続いて、閾値切換え部206は、印刷ジョブに応じて間欠印刷温度の閾値を切換える(ステップS303)。印刷ジョブが片面印刷ジョブであれば片面間欠温度208の閾値に、両面印刷ジョブであれば両面間欠温度209の閾値に設定する。
【0030】
次いで、内部温度制御部204は、計測した内部温度が先に設定した間欠温度の閾値よりも高いか否かの判定を行う(ステップS304)。ここで、内部温度制御部204により内部温度が間欠温度以下と判断されたときには、コントローラ部203の指令に基づいて給紙制御部210が給紙動作を開始する(ステップS311)。
【0031】
一方、上記ステップS304にて、内部温度が間欠温度の閾値より高いと判断された場合には、内部温度制御部204は、内部温度が完全停止温度よりも高いか否かの判定を行う(ステップS305)。ここで、内部温度制御部204により、内部温度が完全停止温度より高いと判断された場合には、上記ステップS302に戻り、上記処理を繰り返し、内部温度が完全停止温度以下になるまで給紙動作は行われなくなる。
【0032】
一方、上記ステップS305にて、内部温度制御部204により内部温度が完全停止温度以下と判断された場合には、コントローラ部203は、現在の印刷ジョブが両面印刷ジョブか否かの判断を行う(ステップS306)。ここで、コントローラ部203により、現在の印刷ジョブが両面印刷ジョブであると判断された場合には、コントローラ部203は別の印刷ジョブがあるかの判断を行う(ステップS307)。
【0033】
上記ステップS307にて、コントローラ部203により、別の印刷ジョブがあると判断された場合には、コントローラ部203は、別の印刷ジョブが片面印刷ジョブか否かの判断を行う(ステップS308)。
【0034】
上記ステップS306にて現在の印刷ジョブが片面印刷ジョブと判断された場合、上記ステップS307にて別の印刷ジョブがないと判断された場合、上記ステップS308にて別の印刷ジョブが片面印刷ジョブでないと判断された場合には、コントローラ部503は、前の印刷ページが定着部108を通過するまで監視を行う(ステップS309)。そして前の印刷ページが定着部108を通過した後、所定時間(本実施形態においては60秒間)給紙動作を停止する(ステップS310)。この60秒間の給紙動作の停止は間欠印刷を実施するために行うものである。
【0035】
こうして60秒間給紙動作が停止されると、給紙制御部211は給紙を行う(ステップS311)。そして、コントローラ部203は、印刷ジョブの最終ページか否かの判断を行う(ステップS312)。このステップS312にて、印刷ジョブの最終ページでは無いと判断された場合には、上記ステップS302に戻り、上記動作を繰り返す。
【0036】
一方、上記ステップS312にて、印刷ジョブの最終ページであると判断された場合には、コントローラ部203は、保留した印刷ジョブがあるか否かの判断を行う(ステップS313)。上記ステップS308にて現在の印刷ジョブが片面印刷ジョブであると判断された場合と、上記ステップS313にて保留した印刷ジョブがあると判断された際は、印刷ジョブ切換え部205が印刷ジョブの切換えを行い(ステップS314)、上記ステップS302に戻り、上記処理を繰り返す。一方、ステップS313にて、保留している印刷ジョブが無いと判断された場合には、コントローラ部503は、印刷動作を終了する(ステップS315)。
【0037】
このように、本処理では、内部温度検知センサ112により検知された内部温度が内部温度制御部204の閾値切替部206により設定された間欠温度の閾値よりも高く、完全停止温度の閾値以下である場合において、現在の印刷ジョブが両面印刷ジョブであり、別の印刷ジョブとして片面印刷ジョブがある場合には、印刷ジョブ切換え部205により印刷ジョブの切換えが行われ通常の印刷が行われる。また、内部温度が間欠温度の閾値より高く、完全停止温度以下である場合において、現在の印刷ジョブが両面印刷ジョブでない場合、或いは両面印刷ジョブではないが、別の印刷ジョブが無い場合、或いは別の印刷ジョブはあるが、それが両面印刷ジョブである場合には、前の印刷ページが定着部108を通過するまで監視された後、間欠印刷を実施するために60秒間給紙動作が停止される。
【0038】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、ホストコンピュータ201と通信自在な画像形成装置としてのプリンタ100であって、ホストコンピュータ201からの印刷ジョブを受信する送受信部202と、印刷ジョブに基づいて間欠温度の閾値を切り替える閾値切替部206と、内部温度を検知する内部温度検知部としての内部温度検知センサ112と、内部温度検知センサ112により検知された内部温度を管理し、当該内部温度を閾値切替部206により切り替えられた間欠温度の閾値と比較する内部温度制御部204と、内部温度制御部204により、内部温度が間欠温度の閾値よりも高いと判断された場合において、実行中の印刷ジョブが両面印刷ジョブである場合には、印刷ジョブを切換える印刷ジョブ切換え部205と、印刷ジョブを管理するもので、間欠印刷の実行を制御するコントローラ部203とを有することを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0039】
さらに、本発明の第1の実施形態によれば、ホストコンピュータ201と通信自在な画像形成装置としてのプリンタ100であって、ホストコンピュータ201からの印刷ジョブを受信する送受信部202と、印刷ジョブに基づいて間欠温度の閾値を切り替える閾値切替部206と、内部温度を検知する内部温度検知部としての内部温度検知センサ112と、内部温度検知センサ112により検知された内部温度を管理し、当該内部温度を閾値切替部206により切り替えられた間欠温度の閾値と比較する内部温度制御部204と、内部温度制御部204により、内部温度が間欠温度の閾値よりも高いと判断され、内部温度が完全停止温度の閾値以下であると判断された場合において、実行中の印刷ジョブが両面印刷ジョブである場合には、印刷ジョブを切換える印刷ジョブ切換え部205と、印刷ジョブを管理するもので、間欠印刷の実行を制御するコントローラ部203とを有することを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0040】
また、コントローラ部203が、内部温度制御部204により、内部温度が間欠温度の閾値よりも高いと判断され、内部温度が完全停止温度の閾値以下であると判断された場合において、実行中の印刷ジョブが両面印刷ジョブではない場合には、間欠印刷を実行するよう制御することとしてもよい。
【0041】
さらに、コントローラ部203が、内部温度制御部204により、内部温度が上記間欠温度の閾値よりも高いと判断され、内部温度が完全停止温度の閾値以下であると判断された場合において、実行中の印刷ジョブは両面印刷ジョブであるが別の印刷ジョブがない場合には、間欠印刷を実行するよう制御することとしてもよい。
【0042】
また、コントローラ部203が、内部温度制御部204により、内部温度が上記間欠温度の閾値よりも高いと判断され、内部温度が完全停止温度の閾値以下であると判断された場合において、実行中の印刷ジョブは両面印刷ジョブであり別の印刷ジョブがあるがそれが両面印刷ジョブである場合には、間欠印刷を実行するよう制御することとしてもよい。
【0043】
従って、第1の実施形態によれば、装置の内部温度により印刷ジョブを切換えることにより、装置のスループットが向上するという効果が得られる。
【0044】
(第2の実施形態)
【0045】
次に本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置について説明する。尚、第2の実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタ500の機械系の構成は、第1の実施形態(図1)と同様であるため、重複した説明は省略する。以下、同一構成については同一符号を用いて説明を進める。
【0046】
図6には本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタ500とその周辺機器の制御系の構成を詳細に示し説明する。
【0047】
図6に示されるように、画像形成装置としてのプリンタ500は、送受信部502とコントローラ部503、内部温度制御部504、内部温度検知センサ112、給紙制御部510、排出制御部511を備えている。コントローラ部203は、更に印刷ジョブ切換え部505、残枚数管理部512を備えており、内部温度制御部504は閾値切替部506を備えている。閾値切替部506は、完全停止温度507、片面間欠温度508、両面間欠温度509それぞれの閾値を切り替えることが可能となっている。このようなプリンタ500は、送受信部502を介してホストコンピュータ501と通信可能となっており、給紙制御部510は両面印刷ユニット120に接続されている。
【0048】
このような構成において、送受信部502は、ホストコンピュータ501とデータの送受信を行い、ホストコンピュータ501からの印刷情報(印刷ジョブ)を受信する。この印刷情報はコントローラ部503に送られ、コントローラ部503では、該印刷情報を処理する。コントローラ部503は、画像形成装置全体の制御を司る。内部温度検知センサ112は、装置内の温度を検出し、内部温度制御部504は、装置の内部温度を管理する。
【0049】
閾値切替部506では、装置内の温度により印刷停止、間欠印刷を行う為の閾値を切り替える。より具体的には、完全停止温度507とは、装置保護のために印刷を停止する閾値であり、片面間欠温度508とは、片面印刷時、装置内の温度上昇を和らげるために間欠印刷にする閾値であり、両面間欠温度509とは、両面印刷時、装置内の温度上昇を和らげるために間欠印刷にする閾値である。この例では先に図4に示されるように、片面間欠温度508、両面間欠温度509、完全停止温度507が設定されている。但し、これに限定されない。
【0050】
印刷ジョブ切換え部505は、印刷ジョブの切換えを行う。即ち、内部温度検知センサ112により検知された内部温度が内部温度制御部504の閾値切替部506により設定された間欠温度の閾値よりも高く、完全停止温度の閾値以下である場合において、残枚数管理部512により残枚数が所定枚数(この例では5枚)よりも多いと判断され、現在の印刷ジョブが両面印刷ジョブであり、別の印刷ジョブとして片面印刷ジョブがあるときには、印刷ジョブ切換え部505により印刷ジョブの切換えが行われる。
【0051】
以上のほか、排出制御部510は、排出先を制御する。給紙制御部511は、給紙先を制御する。両面印刷ユニット120は、自動で両面印刷を行うものである。そして、特に第2の実施形態において特徴的なのは、残枚数管理部512は、印刷ジョブの残枚数を管理することである。即ち、内部温度検知センサ112により検知された内部温度が内部温度制御部504の閾値切替部506により設定された間欠温度の閾値よりも高く、完全停止温度の閾値以下である場合において、残枚数管理部512により残枚数が所定枚数(この例では5枚)以下であると判断された場合には、間欠印刷を実施することなく通常印刷を実行することを特徴としている。
【0052】
以下、図7のフローチャートを参照して、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタ500による印刷要求時の処理の流れを説明する。
【0053】
ホストコンピュータ501より印刷ジョブが送信されてくると、送受信部502が印刷ジョブを受信し、該印刷ジョブがコントローラ部503に送られ、該コントローラ部503により印刷処理が開始される(ステップS601)。
【0054】
このように印刷ジョブを受信し、印刷処理が開始されると、コントローラ部503からの指令に基づいて、内部温度制御部504は内部温度検知センサ112により装置内の内部温度を計測する(ステップS602)。
【0055】
続いて、閾値切換え部506は、印刷ジョブに応じて間欠印刷温度の閾値を切換える(ステップS603)。印刷ジョブが片面印刷ジョブであれば片面間欠温度508の閾値に、両面印刷ジョブであれば両面間欠温度509の閾値に設定する。
【0056】
次いで、内部温度制御部504は、計測した内部温度が先に設定した間欠温度の閾値よりも高いのか否かの判定を行う(ステップS604)。ここで、内部温度が間欠温度以下と判断されたときには、コントローラ部503の指令により、給紙制御部510が給紙動作を開始する(ステップS612)。
【0057】
一方、上記ステップS604にて、内部温度が間欠温度の閾値より高いと判断された場合には、内部温度制御部504は、内部温度が完全停止温度の閾値よりも高いかの判定を行う(ステップS605)。ここで、内部温度制御部504により、内部温度が完全停止温度の閾値より高いと判断された場合には、上記ステップS602に戻り、上記処理を繰り返し、内部温度が完全停止温度以下になるまで給紙動作は行われなくなる。
【0058】
一方、上記ステップS605にて、内部温度制御部204により内部温度が完全停止温度の閾値以下と判断された場合には、残枚数管理部512は印刷ジョブの残り印刷枚数が所定枚数(この例では5枚、但しこれに限定されない)以下であるか否かを判断する(ステップS606)。ここで、残枚数管理部512が、残枚数が5枚以下であると判断した場合には、ステップS612に移行し、間欠印刷を行わず通常の印刷を行う。
【0059】
ステップS606において、残枚数管理部512により、印刷ジョブの残り印刷枚数が5枚より多いと判断された場合には、コントローラ部503は、現在の印刷ジョブが両面印刷ジョブか否かの判断を行う(ステップS607)。ここで、コントローラ部503により、現在の印刷ジョブが両面印刷ジョブであると判断された場合には、コントローラ部503は別の印刷ジョブがあるかの判断を行う(ステップS608)。
【0060】
上記ステップS608にて、コントローラ部503により、別の印刷ジョブがあると判断された場合には、コントローラ部503は、別の印刷ジョブが片面印刷ジョブか否かの判断を行う(ステップS609)。
【0061】
上記ステップS607にて現在の印刷ジョブが片面印刷ジョブと判断された場合、上記ステップS608にて別の印刷ジョブがないと判断された場合、上記ステップS609にて別の印刷ジョブが片面印刷ジョブでないと判断された場合には、コントローラ部503は、前の印刷ページが定着部108を通過するまで監視を行う(ステップS610)。そして、前の印刷ページが定着部108を通過した後、60秒間給紙動作を停止する(ステップS611)。この60秒間の給紙動作の停止は間欠印刷を実施するために行うものである。
【0062】
こうして60秒間給紙動作が停止されると、給紙制御部511は給紙を行う(ステップS612)。そして、コントローラ部503は、印刷ジョブの最終ページか否かの判断を行う(ステップS613)。このステップS613にて、印刷ジョブの最終ページでは無いと判断された場合には、上記ステップS602に戻り、上記動作を繰り返す。
【0063】
一方、上記ステップS613にて、印刷ジョブの最終ページであると判断された場合には、コントローラ部503は、保留した印刷ジョブがあるか否かの判断を行う(ステップS614)。上記ステップS609にて現在の印刷ジョブが片面印刷ジョブであると判断された場合と、上記ステップS614にて保留した印刷ジョブがあると判断された際は、印刷ジョブ切換え部505が、印刷ジョブの切換えを行い(ステップS615)、上記ステップS602に戻り、上記処理を繰り返す。一方、ステップS614にて、保留している印刷ジョブが無いと判断された場合には、コントローラ部503は、印刷動作を終了する(ステップS616)。
【0064】
このように、本処理では、内部温度検知センサ112により検知された内部温度が内部温度制御部504の閾値切替部506により設定された間欠温度の閾値よりも高く、完全停止温度の閾値以下である場合において、残枚数管理部512により残枚数が所定枚数(この例では5枚)以下であると判断された場合には、間欠印刷を実施することなく通常印刷を実行する。残枚数管理部512により、残枚数が5枚よりも多いと判断された場合において、現在の印刷ジョブが両面印刷ジョブであり、別の印刷ジョブとして片面印刷ジョブがある場合には、印刷ジョブ切換え部505により印刷ジョブが切換えられ、通常の印刷が行われる。また、内部温度が間欠温度の閾値より高く、完全停止温度以下である場合において、残枚数が5枚よりも多く、現在の印刷ジョブが両面印刷ジョブでない場合、或いは両面印刷ジョブではないが、別の印刷ジョブが無い場合、或いは別の印刷ジョブはあるが、それが両面印刷ジョブである場合には、コントローラ部503により前の印刷ページが定着部108を通過するまで監視された後、間欠印刷を実施するために60秒間給紙動作が停止されるようになっている。
【0065】
以上説明したように、本発明の第2の実施形態によれば、印刷ジョブの残枚数を管理する残枚数管理部512を有し、印刷ジョブ切換え部505は、残枚数に基づいて印刷ジョブを切換えることを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0066】
また、印刷ジョブの残枚数を管理する残枚数管理部512を有し、コントローラ部503は、内部温度制御部504により、内部温度が上記間欠温度の閾値よりも高いと判断され、内部温度が完全停止温度の閾値以下であると判断された場合において、残枚数管理部512により残枚数が所定枚数以下であると判断された場合には、間欠印刷を実施することなく、給紙動作を開始するよう制御することを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0067】
従って、第2の実施形態によれば、装置の内部温度上昇時に印刷ジョブの残枚数により間欠印刷動作の可否を変えることにより、装置のスループットを向上するという効果が得られる。
【0068】
上述の第1、第2の実施形態では、プリンタに適用した例を説明したが、ファクシミリ、複写機、或いはコピー機能を含む複合機についても適用可能である。
また、本発明の実施形態では、印刷ジョブを両面印刷ジョブから別の片面印刷ジョブに切替えることとしたが、一つの印刷ジョブを両面印刷から片面印刷に切替えてもよい。
【符号の説明】
【0069】
100,500 プリンタ
101 第1用紙格納トレイ
102 第1用紙
103 給紙センサ
104 書出しセンサ
105 画像形成部
106 印刷ヘッド部
107 転写部
108 定着部
109 排出センサ
110 両面セパレータ
111 本体スタッカ
112 内部温度検知センサ
120 両面印刷ユニット
201,501 ホストコンピュータ
202,502 送受信部
203,503 コントローラ部
204,504 内部温度制御部
205,505 印刷ジョブ切換え部
206,506 閾値切替部
207,507 完全停止温度
208,508 片面間欠温度
209,509 両面間欠温度
210,510 給紙制御部
211,511 排出制御部
512 残枚数管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部温度を検知する内部温度検知部と、
第1の温度を有し、前記内部温度検知部で検知した温度と前記第1の温度とを比較する内部温度制御部と、
前記内部温度制御部の比較結果に基づいて両面印刷から片面印刷へと切替える印刷ジョブ切替え部と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記印刷ジョブ切替え部は、
前記内部温度が前記第1の温度よりも高い場合に、印刷ジョブを両面印刷から片面印刷に切替えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記内部温度制御部は、第2の温度を更に有し、
前記印刷ジョブ切替え部は、
前記内部温度が前記第1の温度よりも高く、前記第2の温度よりも低い場合に、印刷ジョブを両面印刷から片面印刷に切替えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の温度は、間欠温度であり、
前記第2の温度は、停止温度であることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記印刷ジョブ切替え部は、
両面印刷から別の印刷ジョブである片面印刷ジョブへと切替えることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
ホストコンピュータと通信自在であって、
上記ホストコンピュータからの印刷ジョブを受信する送受信部と、
上記印刷ジョブに基づいて間欠温度の閾値を切り替える閾値切替部と、
上記印刷ジョブを管理するもので、間欠印刷の実行を制御するコントローラ部と、
を更に有し、
上記内部温度制御部は、上記内部温度検知部により検知された内部温度を管理し、当該内部温度を上記閾値切替部により切り替えられた間欠温度の閾値と比較し、
上記印刷ジョブ切替え部は、上記内部温度制御部により、内部温度が上記間欠温度の閾値よりも高いと判断された場合において、実行中の印刷ジョブが両面印刷ジョブである場合には、印刷ジョブを切換える、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
印刷ジョブの残枚数を管理する残枚数管理部を有し、上記印刷ジョブ切換え部は、上記残枚数に基づいて印刷ジョブを切換える
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
ホストコンピュータと通信自在な画像形成装置であって、
上記ホストコンピュータからの印刷ジョブを受信する送受信部と、
上記印刷ジョブに基づいて間欠温度の閾値を切り替える閾値切替部と、
内部温度を検知する内部温度検知部と、
上記内部温度検知部により検知された内部温度を管理し、当該内部温度を上記閾値切替部により切り替えられた間欠温度の閾値と比較する内部温度制御部と、
上記内部温度制御部により、内部温度が上記間欠温度の閾値よりも高いと判断され、内部温度が完全停止温度の閾値以下であると判断された場合において、実行中の印刷ジョブが両面印刷ジョブであり、別の印刷ジョブとして片面印刷ジョブが存在する場合には、印刷ジョブを切換える印刷ジョブ切換え部と、
上記印刷ジョブを管理するもので、間欠印刷の実行を制御するコントローラ部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
上記コントローラ部は、上記内部温度制御部により、内部温度が上記間欠温度の閾値よりも高いと判断され、内部温度が完全停止温度の閾値以下であると判断された場合において、実行中の印刷ジョブが両面印刷ジョブではない場合には、間欠印刷を実行するよう制御すること
を特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
上記コントローラ部は、上記内部温度制御部により、内部温度が上記間欠温度の閾値よりも高いと判断され、内部温度が完全停止温度の閾値以下であると判断された場合において、実行中の印刷ジョブは両面印刷ジョブであるが別の印刷ジョブがない場合には、間欠印刷を実行するよう制御すること
を特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項11】
上記コントローラ部は、上記内部温度制御部により、内部温度が上記間欠温度の閾値よりも高いと判断され、内部温度が完全停止温度の閾値以下であると判断された場合において、実行中の印刷ジョブは両面印刷ジョブであり別の印刷ジョブがあるがそれが両面印刷ジョブである場合には、間欠印刷を実行するよう制御すること
を特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項12】
印刷ジョブの残枚数を管理する残枚数管理部を有し、
上記コントローラ部は、上記内部温度制御部により、内部温度が上記間欠温度の閾値よりも高いと判断され、内部温度が完全停止温度の閾値以下であると判断された場合において、上記残枚数管理部により残枚数が所定枚数以下であると判断された場合には、間欠印刷を実施することなく、給紙動作を開始するよう制御すること
を特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−93427(P2012−93427A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238595(P2010−238595)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】