説明

画像形成装置

【課題】記録材に転写されるトナー像の幅方向に並べてパッチを形成する構成で、転写バイアスの変化に拘らず、転写ローラに付着したトナーの回収を十分に行える構造を実現する。
【解決手段】転写バイアスは厚紙の時の方が、普通紙の時より絶対値が大きくなる。したがって、転写されるトナー像と並べて配置されるパッチに流れる電流も、厚紙の時の方が多くなる。トナーは負極性に帯電しているため、転写バイアスが大きいと電荷の注入により帯電量がより低下する。したがって、転写バイアスの絶対値が大きい厚紙の時の方が、普通紙の時よりもクリーニング電流を小さくする。これにより、パッチトナーの帯電量に対して過大な電流が流れることを防止して、トナーの回収を十分に行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真複写機やレーザプリンタ等の画像形成装置に関し、特に、トナー像を像担持体から記録材に転写する転写部材をクリーニングする構造に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、同じ画像を複数枚出力したとき濃度・色味に対し初期から最終枚の画像までが同じように見える要求が高まりつつある。そこで、非画像位置に調整用トナー像(パッチ)を形成して、画像制御を行う構造が従来から知られている。例えば、画像と画像との間(紙間)にパッチを形成する構造が知られている(特許文献1参照)。また、図13に示すように、形成されるトナー像と幅方向に並べてパッチを形成する構造も知られている(特許文献2、3参照)。
【0003】
このようなパッチは、感光ドラムや中間転写ベルトなどの像担持体上に形成された後、像担持体から記録材にトナー像を転写させるための転写ローラなどの転写部材が存在する位置を通過する。この際、パッチが転写部材に転写されないように、転写部材を像担持体から離間させる構造が従来から知れている。また、転写部材を離間させずに、このパッチが転写ローラに付着することを許容し、転写部材に付着したトナーをクリーニングする構造も知られている(特許文献4、5参照)。
【0004】
例えば、転写ローラに摺接するようにファーブラシを設け、バイアスローラを介してトナーと逆極性のバイアスをファーブラシに印加することにより、転写ローラに付着したトナーをファーブラシに転移させる。そして、ファーブラシに転移したトナーは更にバイアスローラに転移し、バイアスローラに付着したトナーをブレードなどにより掻き落とす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−202711号公報
【特許文献2】特開2006−91179号公報
【特許文献3】特開2007−47554号公報
【特許文献4】特開2004−309696号公報
【特許文献5】特開2008−89657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、パッチをトナー像と幅方向に並べて形成する場合、このトナー像を記録材に転写する際に、パッチの一部または全部のトナー(パッチトナー)が転写部材に転写される。即ち、トナー像とパッチとが像担持体表面の幅方向並べて形成されるため、トナー像を記録材に転写するために転写電圧を印加すると、トナー像が記録材に転写されると共に、パッチトナーが転写部材に転写される。転写部材に転写されたパッチトナーは、ファーブラシにトナーと逆極性のバイアスを印加することにより、このファーブラシに回収されるが、この際、ファーブラシに印加するバイアスによっては、トナーの回収が十分に行えない可能性がある。
【0007】
即ち、上述のように、パッチトナーは、トナー像を記録材に転写する電圧の影響を受ける。転写電圧は、環境や記録材の種類などにより変化するため、転写部材に転写されたパッチトナーの帯電量は、この転写電圧の変化の影響を受ける。したがって、ファーブラシに印加する電流値を転写電圧に拘らず一定とすると、パッチトナーの帯電量に対して電流値を適切に設定できない。具体的には、パッチトナーの帯電量に対して電流値が小さ過ぎると、電界不足を起こしてトナーをファーブラシに十分に回収できない。また、パッチトナーの帯電量に対して電流値が大き過ぎると、トナーの極性が反転してしまい、やはり、トナーをファーブラシに十分に回収できない。転写部材からトナーを十分に回収できなければ、転写部材を通過する記録材の裏面が汚れてしまう。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑み、記録材に転写されるトナー像の幅方向に並べてパッチを形成する構成で、転写電圧の変化に拘らず、転写部材に付着したトナーの回収を十分に行える構造を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、像担持体と、負極性に帯電したトナーにより前記像担持体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、電圧が印加されることにより前記像担持体上のトナー像を記録材に転写する転写部材と、前記像担持体に形成された調整用トナー像を検知する検知手段と、前記検知手段の出力に応じて前記トナー像形成手段のトナー像形成条件を調整する調整手段と、トナーと逆極性の電圧が印加されることにより前記転写部材を静電的にクリーニングするクリーニング手段と、を有し、前記トナー像形成手段は、前記像担持体の回転軸線方向において記録材に転写されるトナー像に並べて調整用トナー像を形成可能である画像形成装置において、前記転写部材に印加される電圧が第一の転写電圧のときに前記クリーニング手段に流れる電流値の絶対値が、前記転写部材に印加される電圧の絶対値が前記第一の転写電圧よりも小さい第二の転写電圧のときに前記クリーニング手段に流れる電流値の絶対値よりも小さくなるように、前記クリーニング手段に印加する電圧或いは電流を制御する制御手段を有する、ことを特徴とする画像形成装置にある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、記録材に転写されるトナー像の幅方向に並べてパッチを形成する構成で、転写電圧の変化に拘らず、転写部材に付着したトナーの回収を十分に行える。即ち、負極性のトナーの場合、転写電圧が大きいと電荷の注入が多くなり、パッチトナーの帯電量が低下するため、流れる電流値を小さくすることにより、適切に転写部材をクリーニングできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す模式図。
【図2】感光ドラム上のパッチの形成位置を示す模式図。
【図3】パッチの検知により画像形成条件の調整を行うための制御ブロック図。
【図4】クリーニングバイアスを決定するフロー図。
【図5】厚紙、普通紙、紙間における転写電圧、パッチに流れる電流、トナー帯電量、クリーニング(CLN)電流の関係を示す図。
【図6】普通紙、紙間、厚紙に画像形成を行った場合のクリーニング電流を示す図。
【図7】各トナー帯電量における、CLN電流とクリーニング(CLN)残濃度との関係を示す図。
【図8】トナー帯電量とCLN電流との関係を示す図。
【図9】転写バイアスとCLN電流との関係を示す図。
【図10】第1の実施形態の効果を確認するために行った実験の結果を示す図。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す模式図。
【図12】中間転写ベルト上のパッチの形成位置を示す模式図。
【図13】パッチをトナー像と幅方向に並べて形成した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図1ないし図10を用いて説明する。まず、図1を用いて本実施形態の画像形成装置について説明する。
【0013】
[画像形成装置]
符号1は感光ドラム(像担持体)であり、矢線A方向へ回転し、その表面は帯電装置2により一様に帯電される。符号3は画像情報に基づいて露光する露光装置である。周知の電子写真プロセスによって画像情報に応じた静電潜像が感光ドラム1に形成される。現像装置4kはブラック(k)トナーを内包する。前述の静電潜像はこの現像装置4kにより現像され、感光ドラム1面上にトナー像が形成される。静電潜像の露光部にトナーを付着させて現像する反転現像方式が用いられる。本実施形態では、これら帯電装置2、露光装置3、現像装置4kによりトナー像形成手段を構成する。また、現像に使用するトナーは、現像装置4kで負極性に帯電されている。
【0014】
感光ドラム1上(像担持体上)の未定着トナー像は、転写部Tで記録材7に転写される。転写部Tには、転写部材である転写ローラ9が感光ドラム1と対向するように配置されている。そして、転写ローラ9に転写バイアス印加手段である電源28から所定に制御されたトナーと異なる極性の定電圧バイアス(転写バイアス)を印加することにより、トナー像は感光ドラム1から記録材7に転写される。電源28から印加される転写バイアスは、転写高圧検知手段29により検知される。
【0015】
記録材に安定して良好な転写を行うために、転写バイアス値は、記録材の種類を条件として用いて、常に記録材に流れる電流を一定にするように決定している。転写バイアス値は各条件における最適値を設計時に測定し、転写バイアステーブルとして記憶している。例えば、坪量80g/mの普通紙で2800V、200g/mの厚紙で3500Vとする。また、紙間においても同量の電流を流すために2000Vの転写バイアスを設定する。
【0016】
転写後の感光ドラム1は、一回転毎に表面の転写残トナーがクリーニング装置11によりクリーニングされる。そして、上述の作像工程が繰り返される。一方、トナー像が転写される記録材7は、レジストローラ8で一旦位置決め停止させた後、所定のタイミングで転写部Tへと送り込まれる。トナー像が転写された記録材7は、不図示の搬送部材により不図示の定着器に搬送され、記録材7にトナー像を溶融固着する。
【0017】
符号17は、感光ドラム1上で調整用トナー像(パッチ)の濃度を検出するパッチセンサである。調整用トナー像(パッチ)は、図2に示すように、画像安定化制御のために、色や濃度を変化させて副走査方向(感光ドラム表面移動方向、回転方向)に連続形成する。
【0018】
本実施形態では、トナー像形成手段は、感光ドラム1の回転軸線方向(幅方向、主走査方向)において記録材7に転写されるトナー像に並べて調整用トナー像を形成可能である。このため、図2に示すように、トナー像(出力画像領域1、2)の幅方向に隣接する位置に、複数のパッチを副走査方向に並べて形成している。1つのパッチの形状は、例えば、副走査方向に20mm、主走査方向(副走査方向に直交する幅方向)に16mmである。なお、副走査方向において出力画像領域と紙間領域とを跨ぐ領域の主走査方向延長上にはパッチが形成されないようにした。
【0019】
このように感光ドラム1上に形成されたパッチの濃度を、パッチセンサ17により検出しその結果に応じてトナーの画像制御を行う。なお、ここで呼んでいるパッチ濃度は記録材に転写した時に濃度測定器(X−Rite社製)で測定した値である。パッチはその後に出力画像領域が記録材へ転写されるのにあわせて転写ローラ9に付着する。
【0020】
符号25は、クリーニング手段であるファーブラシで転写ローラ9に付着したパッチトナーを、電源23からバイアスローラ26を介して印加されたトナーと逆極性のバイアスにより静電クリーニングする。ファーブラシ25に流れる電流値は、電流計24により検知する。ファーブラシ25に印加するバイアスは、後述するように、パッチトナーが転写部Tを通過する際の転写ローラ9に印加した転写バイアス値により決める。ファーブラシ25に転移したトナーは次いでバイアスローラ26に転移し、クリーニングブレード27で掻き落として回収される。
【0021】
ここで、本実施形態の転写ローラ9は、例えば、外径8〜12mmの金属製の芯金と、その外周面に導電性材料層を形成したものであり、外径16〜30mmに構成されている。この導電性材料層はゴム、例えばヒドリンゴムやEPDM等の高分子エラストマーや高分子フォーム材料を基材として用い、それにイオン性導電物質を混入することにより、導電性を1[MΩ]から100[MΩ]という中抵抗領域に調整したものである。また転写ローラ9の表層には樹脂コート、例えばウレタンやナイロンなどを2〜10μmでコーティングしたものを用いている。硬度は転写ローラ全体で、AskerCで25〜40のものを用いている。
【0022】
ファーブラシ25は、例えば、毛長4mm、芯金径10mmで全体としての外径が18mmである。また、外径30mmの対向金属ローラに2mm侵入させて、100rpmで回転させながら100Vに電圧を印加した場合の抵抗値が、N/N環境(23℃、50%RH)測定で、1E+5〜1E+10Ωとなるものを使用する。
【0023】
バイアスローラ26は、例えば、外径13〜20mmのSUSの金属ローラを使用する。クリーニングブレード27には弾性を有するポリウレタンゴムを使用する。ファーブラシ25は、転写ローラ9とバイアスローラ26にそれぞれ1〜2mm侵入させ、転写ローラ9に対してはカウンタ回転させ、バイアスローラ26に対しては順回転させる。
【0024】
[クリーニングバイアス制御]
次に、転写ローラ9のクリーニング手段であるファーブラシ25に印加するバイアスの制御について説明する。このバイアスの制御は、図3に示す制御手段及び調整手段である制御部Cにより行う。パッチセンサ17で検知された信号は、A/D変換回路を通って濃度変換回路に送られ、テーブルを参照することにより信号に対応した濃度値に変換され、CPUに送られる。また、CPUには記録材の情報、例えば、厚紙、普通紙などの情報が送られる。そして、CPUがレーザ出力、転写ローラ9に印加する転写バイアス(転写高圧)などのトナー像形成条件、ファーブラシ25に印加するクリーニングバイアス(CLN高圧)を決定し、それぞれ出力するようにしている。即ち、制御部Cは、パッチセンサ17の出力に応じてトナー像形成条件を調整すると共に、クリーニングバイアスを制御している。
【0025】
特に、クリーニングバイアスは、図4に示すように決定する。まず、選択された記録材の情報を取得する(S101)。次に、記録材情報とパッチセンサ17の情報から転写バイアステーブルを参照して、転写ローラ9に印加する転写バイアスを決定する(S102)。そして、転写バイアス値よりファーブラシ25に印加するクリーニングバイアス(CLNバイアス)を決める(S103)。
【0026】
ここで、転写バイアスを各条件で変更するのは記録材が存在する出力画像領域における電流を一定にするためである。したがって、非画像領域に形成したパッチに転写部Nで流れる電流は、記録材が存在しない分だけ増加し、かつ記録材の種類により変更される転写バイアスにあわせて変化する。そして、パッチに流れる電流が変化すれば、パッチトナー帯電量も変化する。パッチトナーの帯電量が変化すれば、それをクリーニングするために、ファーブラシ25に印加する電流値も変化する。本実施形態では、パッチトナーは負極性に帯電しているため、パッチに流れる電流が多いほど電荷が注入され、帯電量が低下する。
【0027】
図5は、本実施形態での転写バイアスとクリーニング電流(CLN電流)との関係を示す。(a)が転写バイアスであり記録材種で決定されている。この設定であれば各記録材に流れる電流は50μAで一定であり安定した転写が行える。ただしこの条件における記録材の存在しない非画像領域にあるパッチに流れる電流は各記録材に転写する場合によって変化し、(b)の用になる。紙間は記録材がない場合の設定でありこの場合は、記録材がある場合の記録材上の条件と等しくなる。(c)はこの電流が流れた場合の各パッチのトナー帯電量であり、最適条件で転写されトナー帯電量を維持する紙間のパッチに比べ、記録材が存在する場合は強く電流が流れることにより帯電量の絶対値が低下する。
【0028】
(d)は各パッチのトナー帯電量に最適なCLN電流である。パッチのトナー帯電量に対しCLN電流が少ないとCLN電界不足を起こす。一方、CLN電流量が過剰に多すぎるとパッチトナーが極性反転してしまい、ファーブラシ25で十分に回収ができない。したがって、本実施形態では、制御部Cは、次のようにファーブラシ25に印加する電圧或いは電流を制御している。即ち、転写バイアスが第一の転写電圧のときにファーブラシ25に流れる電流値の絶対値が、転写バイアスの絶対値が第一の転写電圧よりも小さい第二の転写電圧のときにファーブラシ25に流れる電流値の絶対値よりも小さくなるようにする。
【0029】
(d)では、記録材が厚紙の時の転写バイアスが3500Vで、普通紙の時の転写バイアスが2800Vである。即ち、厚紙の時が第一の転写電圧で、普通紙の時が第二の転写電圧である。そして、厚紙の時のクリーニング電流は2μAで、普通紙の時のクリーニング電流4μAよりも小さくしている。なお、紙間は記録材が存在しないため、転写バイアスが小さく、パッチに流れる電流も小さい。したがって、パッチトナーの帯電量の低下も小さいため、クリーニング電流が大きくなる。このような本実施形態の記録材とクリーニング電流との関係は、図6に示すようになる。
【0030】
ここで、トナー帯電量とCLN電流に対する清掃能力の関係について、図7を用いてより詳しく説明する。まず、パッチに対する最適なCLN電流は、パッチトナーの帯電量で異なる。図7は縦軸が清掃できずに残ったトナーが記録材(出力紙)に転写及び定着された場合の濃度であり、Bで示した視認限界を超えると汚れとして認識され問題となる。視認限界は出力紙に対し濃度差で0.02程度である。転写ローラ9に付着したパッチトナーの帯電量は転写における高圧設定の影響を受けるため、記録材条件等できまる高圧設定次第で変化する。図8に、トナー帯電量とクリーニング電流との関係を示す。図8から明らかなように、トナー帯電量の絶対値が大きくなるほど、クリーニング電流を大きくする必要があることがわかる。
【0031】
この結果、図9に示すように、転写バイアス値により最適なCLN電流が得られる。即ち、転写バイアスの絶対値が大きいほどクリーニング電流を小さくすることにより、最適に転写ローラ9のクリーニングを行える。したがって、本実施形態では、上述したように、普通紙よりも厚紙の方が転写バイアスが大きいため、厚紙の時の方がクリーニング電流を小さくしている。言い換えれば、記録材の厚さが大きくなるほど、ファーブラシ25に流れる電流値が小さくなるように、ファーブラシ25に印加する電圧或いは電流を制御している。
【0032】
このような本実施形態によれば、記録材に転写されるトナー像の幅方向に並べてパッチを形成する構成で、転写電圧(転写バイアス)の変化に拘らず、転写ローラ9に付着したトナーの回収を十分に行える。即ち、負極性のトナーの場合、転写バイアスが大きいと電荷の注入が多くなり、パッチトナーの帯電量が低下する。このため、この帯電量の低下を考慮せずに大きな電流を流すと、パッチトナーの極性が反転し、ファーブラシ25により十分に回収できなくなる。そこで、本実施形態では、転写バイアスが大きい場合には、パッチトナーの帯電量が低下しているため、パッチトナーに流れる電流値(CLN電流)を小さくしている。これにより、ファーブラシ25で転写ローラ9を適切にクリーニングできる。
【0033】
本実施形態の効果を確認するために行った実験の結果を図10に示す。この実験では、クリーニング電流を図5に示したように記録材の種類によって異ならせた本実施形例と、記録材の種類に拘らずクリーニング電流を固定した3つの比較例とで、記録材の裏の汚れを比較した。なお、記録材の裏の汚れが図7に示す視認限界を超えた場合には、汚れが発生しているとし、視認限界を超えていない場合には汚れが発生していないとした。
【0034】
図10から明らかなように、本実施例のCLN電流制御を用いると全ての転写条件のパッチを転写ローラ9から十分に清掃できた。一方、CLN電流を固定した比較例の制御を用いると、それぞれ何れかの転写条件のパッチを転写ローラ9から十分に清掃できず、結果、紙裏汚れが発生した。
【0035】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図11及び図12を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、ブラック(k)1色で感光ドラムから記録材に直接転写する単色直接転写方式の構成について説明した。これに対して本実施形態の場合、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(k)の4色により画像形成を行っている。また、各色の画像形成ステーションから中間転写ベルトに転写してから記録材に転写するフルカラー中間転写方式を採用している。特に本実施形態は、中間転写ベルトに沿って各色の画像形成ステーションを並べて配置したタンデム型の構造である。
【0036】
符号1Y、1M、1C、1kは感光ドラム(像担持体)であり、矢線A方向へ回転し、その表面は帯電装置2Y、2M、2C、2kにより一様に帯電される。符号3Y、3M、3C、3kは画像情報に基づいて露光する露光装置である。周知の電子写真プロセスによって画像情報に応じた静電潜像が感光ドラム1Y、1M、1C、1kに形成される。
【0037】
現像装置4Y、4M、4C、4kはそれぞれ有彩色トナーのイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)とブラック(k)を内包する。前述の静電潜像はこれら現像装置4Y、4M、4C、4kにより現像され、各感光ドラム1Y、1M、1C、1k面上にトナー像が形成される。静電潜像の露光部にトナーを付着させて現像する反転現像方式が用いられる。また、画像形成装置内には不図示の環境センサが搭載されており、温度と相対湿度を検出することにより雰囲気環境の絶対水分量を算出することができる。
【0038】
また、符号6は各感光ドラム1Y、1M、1C、1kの表面に当接されるように配設された中間転写ベルト(像担持体)であり、複数の張架ローラ20、21、22に張架されて矢印Gの方向へ回動するようになっている。本実施形態では、張架ローラ20は中間転写ベルト6の張力を一定に制御するようにしたテンションローラ、張架ローラ22は中間転写ベルト6の駆動ローラ、張架ローラ21は二次転写用の対向ローラである。
【0039】
このような中間転写ベルト6としては、例えば、ポリイミド、ポリカーボネート等の樹脂または各種ゴム等に帯電防止剤としてカーボンブラックを適当量含有させたものを用いる。そして、その体積抵抗率を1E+8〜1E+13[Ω・cm]、厚みを0.07〜0.1[mm]とする。
【0040】
本実施形態では、このように、各感光ドラム1Y、1M、1C、1kに対し無端のベルト状の中間転写ベルト6を対向配置している。そして、感光ドラム1Y上の未定着トナー像を1次転写ローラ(1次転写部材)5Yにより中間転写ベルト6上に静電的に1次転写する。次いで、重ね合わせるように感光ドラム1M、1C、1k上の未定着トナー像を順次1次転写ローラ5M、5C、5kにより1次転写し、中間転写ベルト6上に4色の未定着トナー像が重ね合わされたフルカラー画像を得る。1次転写後の各感光ドラム1Y、1M、1C、1kは、一回転毎に表面の転写残トナーがクリーニング装置11Y、11M、11C、11kによりクリーニングされる。そして、上述の作像工程が繰り返される。
【0041】
本実施形態では、各色の画像形成ステーションは、それぞれ感光ドラム1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、1次転写ローラ5、クリーニング装置11により構成される(Y、M、C、kの添え字は省略)。そして、これら各画像形成ステーションがトナー像形成手段に相当する。
【0042】
前述の1次転写ローラ5Y、5M、5C、5kは、中間転写ベルト6の各感光ドラム1Y、1M、1C、1kに対向する1次転写部T1Y、T1M、T1C、T1kにおいて、中間転写ベルト6の裏面側に配設されている。そして、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5kに、トナーの帯電極性と逆極性の正極性の1次転写バイアスを印加することで、感光ドラム1Y、1M、1C、1k上のトナー像が中間転写ベルト6上に1次転写されるようになっている。
【0043】
また、記録材7の搬送経路に面した中間転写ベルト6の2次転写部T2には、2次転写ローラ10が、中間転写ベルト6のトナー像担持面側に圧接配置される。また、中間転写ベルト6の裏面側に配設された対向ローラ21が、2次転写ローラ10の対向電極をなし2次転写バイアスが印加される。本実施形態では、2次転写ローラ10が転写部材に相当する。
【0044】
中間転写ベルト6上(像担持体上)のトナー像を記録材7に転写する際、対向ローラ21には転写バイアス印加手段である電源28から所定に制御されたトナーと同極性の定電圧バイアス(転写バイアス)が印加される。電源28から印加される転写バイアスは、転写高圧検知手段29により検知される。
【0045】
記録材に安定して良好な転写を行うために、2次転写バイアス値は、記録材の種類と雰囲気環境の絶対水分量を条件として用いて、常に記録材に流れる電流を一定にするように決定している。2次転写バイアス値は各条件における最適値を設計時に測定し、2次転写バイアステーブルとして記憶している。
【0046】
本実施形態においては、例えば、雰囲気環境の水分量10g/mにおいて、坪量80g/mの普通紙で−2800V、200g/mの厚紙で−3500Vとした。また、紙間においても同量の電流を流すために−2000Vの転写バイアスを設定している。更に、2次転写部T2の下流側には、2次転写後の中間転写ベルト6上に残留したトナーを除去するベルトクリーナ12が設けられている。
【0047】
また、本実施形態において、記録材7は、レジストローラ8で一旦位置決め停止させた後所定のタイミングで2次転写部T2に送り込まれる。更に、2次転写後の記録材7を不図示の搬送部材により不図示の定着器へ搬送し、記録材7にトナーを溶融固着するようになっている。
【0048】
符号17は、中間転写ベルト6上で調整用トナー像(パッチ)の濃度を検出するパッチセンサである。なお、パッチセンサ17と対向する中間転写ベルト6の裏側にはローラ19を当接配置している。調整用トナー像(パッチ)は、図10に示すように、画像安定化制御のために、色や濃度を変化させて副走査方向(中間転写ベルト表面移動方向、回転方向)に連続形成する。
【0049】
本実施形態では、トナー像形成手段は、中間転写ベルト6の回転軸線方向(幅方向、主走査方向)において記録材7に転写されるトナー像に並べて調整用トナー像を形成可能である。このため、図10に示すように、トナー像(出力画像領域1、2)の幅方向に隣接する位置に、複数のパッチを副走査方向に並べて形成している。1つのパッチの形状は、例えば、副走査方向に20mm、主走査方向(副走査方向に直交する幅方向)に16mmである。
【0050】
なお、副走査方向において出力画像領域と紙間領域の境界から前後5mmの主走査方向延長上にはパッチが形成されないようにした。これは本構成において2次転写ローラ10と中間転写ベルト6とのニップ(2次転写ニップ)、及び、2次転写ローラ10と後述するファーブラシ25とが接触する部分(クリーニングニップ)の長さに対応している。これにより、2次転写バイアス条件が変わるタイミングの2次転写ニップ、及び、クリーニング(CLN)バイアスが変わるタイミングのクリーニングニップを避けて、パッチを形成できる。この結果、パッチに流れるそれぞれの電流量を正確に見積もることができる。
【0051】
このように中間転写ベルト6上に形成されたパッチの濃度を、パッチセンサ17により検出しその結果に応じてトナーの画像制御を行う。なお、ここで呼んでいるパッチ濃度は記録材に転写した時に濃度測定器(X−Rite社製)で測定した値である。パッチはその後に出力画像領域が記録材へ転写されるのにあわせて2次転写ローラ10に付着する。
【0052】
符号25は、クリーニング手段であるファーブラシで2次転写ローラ10に付着したパッチトナーを、電源23からバイアスローラ26を介して印加されたトナーと逆極性のバイアスにより静電クリーニングする。ファーブラシ25に流れる電流値は、電流計24により検知する。ファーブラシ25に印加するバイアスは、後述するように、パッチトナーが2次転写部T2を通過する際の2次転写ローラ10に印加した2次転写バイアス値により決める。ファーブラシ25に転移したトナーは次いでバイアスローラ26に転移し、クリーニングブレード27で掻き落として回収される。
【0053】
なお、1次転写ローラ5及び2次転写ローラ10の構成は、前述の第1の実施形態の転写ローラ9と同じである。また、ファーブラシ25、バイアスローラ26の構成も第1の実施形態と同じである。また、ファーブラシ25は、2次転写ローラ10とバイアスローラ26にそれぞれ1〜2mm侵入させ、ファーブラシ25は2次転写ローラ10とカウンタ回転させ、バイアスローラ26とは順回転させる。
【0054】
このように構成される本実施形態の場合も、上述の第1の実施形態と同様に、ファーブラシ25に印加するクリーニングバイアスを制御する。なお、本実施形態では、2次転写バイアスをトナーと同極性(負極性)とし、対向ローラ21側から印加するようにしている。したがって、第1の実施形態とは、転写バイアスが負極性となる点で異なるが、その他の関係については、例えば図5に示した場合と同じである。即ち、2次転写バイアスの絶対値が大きくなるほど、クリーニング電流が小さくなるようにする。また、本実施形態の場合も、前述の図10にその結果を示した実験と同様の実験を行い、図10に示した結果を同様の結果を得た。その他の構造及び作用は、上述の第1の実施形態と同じである。
【0055】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について説明する。なお、上述の第1、第2の各実施形態では、転写バイアスを定電圧制御した場合について説明したが、本実施形態では、この転写バイアスを目標電流で定電流制御している。以下の説明では、第1の実施形態の図1を参照して説明するが、第2の実施形態についても同様である。
【0056】
感光ドラム1上の未定着トナー像を記録材7に転写する際、転写ローラ9には、定電流制御された電源28からトナーと異なる極性の転写バイアスが印加され、トナー像は記録材7に転写される。記録材に安定して良好な転写を行うために、定電流制御のターゲット電流は、記録材の種類及びサイズ(幅)と雰囲気環境の絶対水分量を条件として用いて、常に記録材に流れる電流を一定にするように決定している。
【0057】
記録材のサイズの影響を受けるのは転写ニップ中の記録材領域(幅)に対し、非記録材領域においてより多くの電流が流れるため、記録材領域が小さいほどターゲット電流(目標電流)を大きくする必要があるからである。ターゲット電流は各条件における最適値を設計時に測定し、ターゲット電流テーブルとして記憶している。
【0058】
電源28はターゲット電流を得るバイアスを設定し、これにより記録材に流れる電流を最適にする。転写ローラ9に流れる電流値は、電流計29aにより検知する。本実施形態においても第1の実施形態と同様に、記録材7に流れる電流を50μAとする。このため、転写バイアスは坪量80g/mの普通紙で2800V、200g/mの厚紙で3500Vとなり、紙間においても同量の電流を流すために2000Vの転写バイアスとなる。
【0059】
このような本実施形態の場合も、第1の実施形態と同様に、2次転写バイアスの絶対値が大きくなるほど、クリーニング電流が小さくなるようにする。このため、記録材の厚さが大きくなるほど、ファーブラシ25に流れる電流値が小さくなるように、ファーブラシ25に印加する電圧或いは電流を制御している。また、本実施形態の場合、転写バイアスを定電流制御しているため、転写バイアスは上述のように記録材のサイズ(幅)の影響を受ける。このため、記録材の幅が大きくなるほど、ターゲット電流を小さくし(即ち、第一の転写電流よりも小さい第二の転写電流に設定し)、ファーブラシ25に流れる電流値が小さくなるように、ファーブラシ25に印加する電圧或いは電流を制御する。その他の構成及び作用は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0060】
<その他の実施形態>
上述の各実施形態では、記録材の厚さや幅などの記録材情報に応じて、クリーニングバイアスを決定していたが、装置内の環境に応じてクリーニングバイアスを制御しても良い。即ち、前述したように、転写バイアスは雰囲気環境の絶対水分量を考慮して決定される。したがって、クリーニングバイアスもこの絶対水分量を考慮して決定した方が、より効率良く転写ローラのクリーニングを行える。したがって、装置内の環境を検知して絶対水分量を算出する環境センサを有する場合、制御部は、次のようにクリーニング手段(ファーブラシ)に印加する電圧或いは電流を制御する。即ち、環境センサにより算出する絶対水分量が小さくなるほど、転写バイアスを小さくし、クリーニング手段に流れる電流値が小さくなるように、クリーニング手段に印加する電圧或いは電流を制御する。なお、好ましくは、このような絶対水分量と、上述した記録材の情報とを合わせて、クリーニング電流に反映させる。
【0061】
また、上述の各実施形態では、負極性に帯電したトナーを使用した画像形成装置について説明したが、正極性に帯電したトナーを使用する構造にも本発明を適用できる。正極性に帯電したトナーを使用する場合、負極性のトナーと異なり、転写バイアスの絶対値の増加により帯電量が大きくなる。即ち、トナーが正極性であるため、電荷の注入により帯電量が増大する。したがって、正極性のトナーを使用する場合、次のようにクリーニング手段(ファーブラシ)に印加する電圧或いは電流を制御する。転写バイアスが第一の転写電圧のときにファーブラシに流れる電流値の絶対値が、転写バイアスの絶対値が第一の転写電圧よりも小さい第二の転写電圧のときにファーブラシに流れる電流値の絶対値よりも大きくなるようにする。又は、転写バイアスが第一の転写電流のときにファーブラシに流れる電流値の絶対値が、転写バイアスの絶対値が第一の転写電流よりも小さい第二の転写電流のときにファーブラシに流れる電流値の絶対値よりも大きくなるようにする。したがって、例えば、厚紙の時の方が、普通紙の時よりもクリーニング電流を大きくする。言い換えれば、記録材の厚さに対するクリーニング電流の大小関係が、上述の各実施形態と逆になる。その他の定電流制御での記録材の幅に対するクリーニング電流の関係、絶対水分量に対するクリーニングの関係についても、同様に上述の各実施形態と逆になる。
【符号の説明】
【0062】
1、1Y、1M、1C、1k・・・感光ドラム(像担持体)、6・・・中間転写ベルト(像担持体)、7・・・記録材、9・・・転写ローラ(転写部材)、10・・・2次転写ローラ(転写部材)、17・・・パッチセンサ(検知手段)、25・・・ファーブラシ(クリーニング手段)、C・・・制御部(制御手段、調整手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、
負極性に帯電したトナーにより前記像担持体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
電圧が印加されることにより前記像担持体上のトナー像を記録材に転写する転写部材と、
前記像担持体に形成された調整用トナー像を検知する検知手段と、
前記検知手段の出力に応じて前記トナー像形成手段のトナー像形成条件を調整する調整手段と、
トナーと逆極性の電圧が印加されることにより前記転写部材を静電的にクリーニングするクリーニング手段と、を有し、
前記トナー像形成手段は、前記像担持体の回転軸線方向において記録材に転写されるトナー像に並べて調整用トナー像を形成可能である画像形成装置において、
前記転写部材に印加される電圧が第一の転写電圧のときに前記クリーニング手段に流れる電流値の絶対値が、前記転写部材に印加される電圧の絶対値が前記第一の転写電圧よりも小さい第二の転写電圧のときに前記クリーニング手段に流れる電流値の絶対値よりも小さくなるように、前記クリーニング手段に印加する電圧或いは電流を制御する制御手段を有する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
像担持体と、
負極性に帯電したトナーにより前記像担持体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
電圧が印加されることにより前記像担持体上のトナー像を記録材に転写する転写部材と、
前記像担持体に形成された調整用トナー像を検知する検知手段と、
前記検知手段の出力に応じて前記トナー像形成手段のトナー像形成条件を調整する調整手段と、
トナーと逆極性の電圧が印加されることにより前記転写部材を静電的にクリーニングするクリーニング手段と、を有し、
前記トナー像形成手段は、前記像担持体の回転軸線方向において記録材に転写されるトナー像に並べて調整用トナー像を形成可能である画像形成装置において、
前記転写部材に印加される電流が第一の転写電流のときに前記クリーニング手段に流れる電流値の絶対値が、前記転写部材に印加される電流の絶対値が前記第一の転写電流よりも小さい第二の転写電流のときに前記クリーニング手段に流れる電流値の絶対値よりも小さくなるように、前記クリーニング手段に印加する電圧或いは電流を制御する制御手段を有する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、記録材の厚さが大きくなるほど、前記クリーニング手段に流れる電流値が小さくなるように、前記クリーニング手段に印加する電圧或いは電流を制御する、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記転写部材に印加される電圧は目標電流で定電流制御され、
前記制御手段は、記録材の幅が大きくなるほど、前記目標電流を小さくし、前記クリーニング手段に流れる電流値が小さくなるように、前記クリーニング手段に印加する電圧或いは電流を制御する、
ことを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
装置内の環境を検知して絶対水分量を算出する環境センサを有し、
前記制御手段は、前記環境センサにより算出する絶対水分量が小さくなるほど、前記転写部材に印加する電圧を大きくし、前記クリーニング手段に流れる電流値が小さくなるように、前記クリーニング手段に印加する電圧或いは電流を制御する、
ことを特徴とする、請求項1又は3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
像担持体と、
正極性に帯電したトナーにより前記像担持体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
電圧が印加されることにより前記像担持体上のトナー像を記録材に転写する転写部材と、
前記像担持体に形成された調整用トナー像を検知する検知手段と、
前記検知手段の出力に応じて前記トナー像形成手段のトナー像形成条件を調整する調整手段と、
トナーと逆極性の電圧が印加されることにより前記転写部材を静電的にクリーニングするクリーニング手段と、を有し、
前記トナー像形成手段は、前記像担持体の回転軸線方向において記録材に転写されるトナー像に並べて調整用トナー像を形成可能である画像形成装置において、
前記転写部材に印加される電圧が第一の転写電圧のときに前記クリーニング手段に流れる電流値の絶対値が、前記転写部材に印加される電圧の絶対値が前記第一の転写電圧よりも小さい第二の転写電圧のときに前記クリーニング手段に流れる電流値の絶対値よりも大きくなるように、前記クリーニング手段に印加する電圧或いは電流を制御する制御手段を有する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
像担持体と、
正極性に帯電したトナーにより前記像担持体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
電圧が印加されることにより前記像担持体上のトナー像を記録材に転写する転写部材と、
前記像担持体に形成された調整用トナー像を検知する検知手段と、
前記検知手段の出力に応じて前記トナー像形成手段のトナー像形成条件を調整する調整手段と、
トナーと逆極性の電圧が印加されることにより前記転写部材を静電的にクリーニングするクリーニング手段と、を有し、
前記トナー像形成手段は、前記像担持体の回転軸線方向において記録材に転写されるトナー像に並べて調整用トナー像を形成可能である画像形成装置において、
前記転写部材に印加される電流が第一の転写電流のときに前記クリーニング手段に流れる電流値の絶対値が、前記転写部材に印加される電流の絶対値が前記第一の転写電流よりも小さい第二の転写電流のときに前記クリーニング手段に流れる電流値の絶対値よりも大きくなるように、前記クリーニング手段に印加する電圧或いは電流を制御する制御手段を有する、
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−3161(P2013−3161A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130510(P2011−130510)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】