説明

画像形成装置

【課題】トナー収容部が純正品であるか否かを判定する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、磁性トナーを収容するトナーコンテナ46と、トナーコンテナ46から供給された磁性トナーを利用して用紙に画像を形成するエンジン部3と、トナーコンテナ46内を回転して磁性トナーを攪拌する複数の攪拌部材461と、攪拌部材461の先端部に配置され、内部が空洞となっている空洞形状部464と、トナーコンテナ46の外部であって空洞形状部464が移動する経路の近傍に配置され、磁性トナーの透磁率を検出する透磁率センサー103と、透磁率センサー103によって検出された透磁率に基づいて、トナーコンテナ46が純正品であるか否かを判定する判定部92と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナーを利用して被転写材に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機や複合機やプリンター等の画像形成装置には、トナーを利用して、被転写材としての用紙に画像を形成するものがある。ところで、近年は、画像形成装置において純正品のトナー(トナーコンテナ(トナー収容部))が使用されるばかりではなく、非純正品のトナー(トナーコンテナ)が使用される場合がある。非純正品のトナー(トナーコンテナ)が画像形成装置にて使用された場合には、その画像形成装置の性能が、純正品が使用された場合よりも劣る他、画像形成装置が故障するおそれがある。このため、例えば、リブを利用してトナー(トナーコンテナ)が純正品であるか否かを判定し、純正品ではないと判定した場合には、報知を行う画像形成装置が提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−235934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された画像形成装置では、純正品であるか否かの判定に利用されるリブをトナーコンテナの外面に設けているため、容易に複製されやすいおそれがある。
【0005】
本発明は、トナー収容部が純正品であるか否かを判定する画像形成装置を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、磁性トナーを収容するトナー収容部と、前記トナー収容部から供給された磁性トナーを利用して被転写材に画像を形成するエンジン部と、前記トナー収容部内を回転して磁性トナーを攪拌する複数の攪拌部材と、前記攪拌部材の先端部に配置され、内部が空洞となっている空洞形状部と、前記トナー収容部の外部であって前記空洞形状部が移動する経路の近傍に配置され、磁性トナーの透磁率を検出する検出部と、前記検出部によって検出された透磁率に基づいて、前記トナー収容部が純正品であるか否かを判定する判定部と、を備える画像形成装置に関する。
【0007】
また、前記判定部は、検出部によって所定の閾値以下の透磁率が検出される時間の間隔と、基準となる時間の間隔とを比較することにより、前記トナー収容部が純正品であるか否かを判定することが好ましい。
【0008】
また、前記基準となる時間の間隔は、前記トナー収容部の種別に応じて複数設定されており、前記判定部は、前記検出部によって前記所定の閾値以下の透磁率が検出される時間の間隔が、複数の前記基準となる時間の間隔のうちいずれに一致するか否かに基づいて、前記トナー収容部の種別を判定することが好ましい。
【0009】
また、前記空洞形状部は、磁性トナーが通過することが可能な大きさの孔を有し、前記検出部によって検出された、前記孔を介して前記空洞形状部に流入した磁性トナーの透磁率に基づいて、前記トナー収容部が、使用済みトナー収容部にトナーが再充填された再利用品であるか否かを判定する再利用判定部をさらに備えることが好ましい。
【0010】
また、画像形成装置は、複数の攪拌部材それぞれの基端に接続された回転軸と、前記回転軸を一定の回転速度で回転させる駆動部と、をさらに備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、トナー収容部が純正品であるか否かを判定する画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】画像形成装置の一実施形態に係るコピー機の全体構成を説明するための図である。
【図2】コピー機の機能構成を示すブロック図である。
【図3】トナーコンテナ、現像器及び制御部等の一例について説明するための図である。
【図4A】コピー機の第1の動作について説明するための第1のフローチャートである。
【図4B】コピー機の第1の動作について説明するための第2のフローチャートである。
【図4C】コピー機の第1の動作について説明するための第3のフローチャートである。
【図5】透磁率センサーから出力される電圧信号について説明するための第1の図である。
【図6】コピー機の第2の動作について説明するためのフローチャートである。
【図7】透磁率センサーから出力される電圧信号について説明するための第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の画像形成装置の一実施形態に係るコピー機について説明する。まず、コピー機1の全体構成について説明する。図1は、画像形成装置の一実施形態に係るコピー機1の全体構成を説明するための図である。
【0014】
コピー機1は、原稿搬送部10と、原稿読取部20と、用紙搬送部30と、画像形成部40と、転写部50と、定着部60とを備える。
原稿搬送部10は、ADF(Automatic Document Feeder)であり、原稿載置部11と、第1送りローラー12と、ガイド13と、タイミングローラー対14と、原稿排出部15とを備える。第1送りローラー12は、原稿載置部11に載置された原稿Gを1枚ずつ順にタイミングローラー対14に供給する。タイミングローラー対14は、原稿読取部20が原稿Gの画像を読み取るタイミングと、原稿Gの画像が原稿読取部20によって読み取られる位置(ガイド13が配置されている位置)に原稿Gを供給するタイミングとを合わせるために、原稿Gの搬送又は原稿Gの搬送停止を行う。ガイド13は、搬送された原稿Gを後述する第1読取面21aに導く。原稿排出部15は、原稿読取部20によって画像が読み取られた(ガイド13を通過した)原稿Gをコピー機本体2の外部に排出する。
原稿排出部15におけるコピー機本体2の外側には、原稿集積部16が形成される。原稿集積部16には、原稿排出部15から排出された原稿Gが積層して集積される。
【0015】
原稿読取部20は、第1読取面21aと、第2読取面22aとを備える。第1読取面21aは、ガイド13に対向して配置された第1コンタクトガラス21の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。第2読取面22aは、第1読取面21aに隣接して(図1に示す場合では、第1読取面21aの右側の大部分に亘って)配置される。第2読取面22aは、原稿搬送部10を用いずに原稿Gの画像を読み取る場合に用いられる。第2読取面22aは、原稿Gが載置される第2コンタクトガラス22の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。
【0016】
また、原稿読取部20は、照明部23と、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27と、撮像部28とをコピー機本体2の内部に備える。照明部23と第1ミラー24とは、それぞれ副走査方向Xに移動する。第2ミラー25と第3ミラー26とは、図1において照明部23及び第1ミラー24の左側に配置される。さらに、第2ミラー25及び第3ミラー26は、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27とを介した第1読取面21a又は第2読取面22aから撮像部28までの距離(光路長)を一定に保ちつつ、それぞれ副走査方向Xに移動する。
【0017】
照明部23は、原稿Gに光を照射する光源である。第1ミラー24、第2ミラー25及び第3ミラー26は、光路長を一定に保ちつつ、原稿Gによって反射された光を結像レンズ27に導くためのミラーである。結像レンズ27は、第3ミラー26から入射した光を撮像部28に結像させる。撮像部28は、入射された光を電気信号に変換することにより、結像された光像に基づいて画像データを得るための撮像素子であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサーである。
【0018】
用紙搬送部30は、第2送りローラー31と、第3送りローラー32と、レジストローラー対33と、用紙排出部34とを備える。第2送りローラー31は、給紙カセット36に収容される用紙T(被転写材)を転写部50に供給する。第3送りローラー32は、手差しトレイ37に載置される用紙T(被転写材)を転写部50に供給する。レジストローラー対33は、転写部50にトナー画像が到達するタイミングと、転写部50に用紙Tを供給するタイミングとを合わせるために、用紙Tの搬送又は用紙Tの搬送停止を行う。また、レジストローラー対33は、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正を行う。用紙排出部34は、トナー画像が定着された用紙Tをコピー機本体2の外部に排出する。
用紙排出部34におけるコピー機本体2の外側には、排紙集積部35が形成される。排紙集積部35には、用紙排出部34から排出された用紙Tが積層して集積される。
【0019】
画像形成部40は、トナー画像を形成するためのものであり、感光体ドラム41と、帯電部42と、レーザースキャナーユニット43と、現像器44と、クリーニング部45と、トナーコンテナ46と、1次転写ローラー47と、中間転写ベルト48と、対向ローラー49とを備える。
感光体ドラム41(41a,41b,41c,41d)は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローそれぞれのトナー画像を形成するために、感光体又は像担持体として機能する。各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの周囲には、感光体ドラム41の回転方向に沿って上流側から下流側へ順に、帯電部42と、レーザースキャナーユニット43と、現像器44と、クリーニング部45とが配置される。帯電部42は、感光体ドラム41の表面を帯電させる。レーザースキャナーユニット43は、感光体ドラム41の表面から離れて配置され、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに関する画像データに基づいて感光体ドラム41の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム41の表面には、露光された部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。現像器44は、感光体ドラム41の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を形成する。クリーニング部45は、除電器(図示せず)によって感光体ドラム41の表面が除電された後のその表面に残るトナー等を除去する。
トナーコンテナ46は、現像器44に供給される各色のトナーを収容する。トナーコンテナ46と現像器44とは、トナー供給路(図示せず)により接続されている。
なお、現像器44及びトナーコンテナ46の詳細については、後述する。
【0020】
1次転写ローラー47(47a,47b,47c,47d)は、中間転写ベルト48における各感光体ドラム41a,41b,41c,41dとは反対側にそれぞれ配置される。中間転写ベルト48は、画像形成部40及び転写部50を通過するベルトである。中間転写ベルト48の一部分は、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dと各1次転写ローラー47a,47b,47c,47dとの間に挟み込まれ、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの表面に形成されたトナー画像が1次転写される。対向ローラー49は、環状形状の中間転写ベルト48の内側に配置され、中間転写ベルト48を図1に示す矢印A方向に進行させるための駆動ローラーである。
【0021】
転写部50は、2次転写ローラー51を備える。2次転写ローラー51は、中間転写ベルト48における対向ローラー49とは反対側に配置され、中間転写ベルト48の一部分を対向ローラー49との間に挟みこむ。さらに、2次転写ローラー51は、中間転写ベルト48に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。
【0022】
定着部60は、加熱回転体61と、加圧回転体62とを備える。加熱回転体61と加圧回転体62とは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで、トナーを溶融及び加圧し、そのトナーを用紙Tに定着させる。
【0023】
次に、コピー機1の機能構成について説明する。図2は、コピー機1の機能構成を示すブロック図である。
コピー機1は、上述した構成要素(原稿搬送部10、原稿読取部20、用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60)を備える。用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60によりエンジン部3が構成される。なお、図1を用いて説明した構成要素については、その説明を省略する。
さらに、コピー機1は、上述した機能構成に加えて、操作部70と、記憶部80と、制御部90とを備える。
【0024】
操作部70は、テンキー(図示せず)、タッチパネル(図示せず)及びスタートキー(図示せず)等を備える。テンキーは、印刷部数等の数字を入力するために操作される。タッチパネルは、種々の機能(一例として、印刷倍率の設定機能や、複数のページを1枚の用紙Tに割り付ける機能(2in1等))が割り当てられた複数のキー等を表示する。タッチパネルに表示されたキーは、種々の機能のうちのいずれかをコピー機1に実行させるために操作される。スタートキーは、印刷を実行させるために操作される。操作部70は、いずれかのキーが操作されることにより、このキーが操作されたことを表す信号を制御部90に供給する。
【0025】
記憶部80は、ハードディスクや半導体メモリー等から構成される。記憶部80は、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに基づく画像データを記憶する。また、記憶部80は、コピー機1において利用される制御プログラム、及びこの制御プログラムによって利用されるデータ等を記憶する。
【0026】
制御部90は、原稿搬送部10、原稿読取部20、エンジン部3、操作部70等を制御する。なお、制御部90の詳細については後述する。
【0027】
以上のように、コピー機1は、トナーを収容するトナーコンテナ46(トナー収容部)と、トナーコンテナ46から供給されたトナーを利用して被転写材としての用紙Tに画像を形成するエンジン部と、を備える。ここで、トナーは、本実施形態の場合、磁性体を含む磁性トナーである。
【0028】
次に、トナーコンテナ46及び現像器44の駆動及び制御の詳細について説明する。図3は、トナーコンテナ46、現像器44及び制御部90等の一例について説明するための図である。
【0029】
トナーコンテナ46は、攪拌部材461と、空洞形状部464と、回転軸462と、トナー補給ローラー463と、ハウジング466と、を備える。ハウジング466の内部には、トナーTN、攪拌部材461、空洞形状部464及び回転軸462を収容する。
攪拌部材461は、ハウジング466内を回転してトナーTNを攪拌する。攪拌部材461は、例えば、板状のものから形成されている。その攪拌部材461は、図3において矢印Bで示す回転方向(周方向)に沿って複数備えられる。なお、本実施形態では、攪拌部材461が2つ(第1の攪拌部材461a及び第2の攪拌部材461b)設けられた例について説明する。
【0030】
空洞形状部464は、攪拌部材461の先端部に配置され、内部が空洞となっている。その空洞形状部464には、トナーTNが通過することが可能な大きさの孔465が設けられている。したがって、空洞形状部464では、トナーTNの中に位置する場合には、時間が経過するのにしたがって内部に流入したトナーTNの量が多くなる。また、空洞形状部464に設けられる孔465の数や空洞形状部464の内部の大きさは、例えば、新品のトナーコンテナ46に収容されるトナーTNを使い切った場合でも、その内部に流入したトナーTNで一杯にならないように設定されている。一例として、空洞形状部464に設けられる孔465の数や空洞形状部464の内部の大きさは、使用済みのトナーコンテナ46にトナーTNが再充填されることによりトナーコンテナ46が再利用される場合において、再利用の回数が3〜6回程度で、その内部が流入したトナーTNで一杯になるように設定されている。
【0031】
このような空洞形状部464は、攪拌部材461が後述する透磁率センサー103の近傍を通過する場合に、攪拌部材461の先端部におけるその透磁率センサー103に対向する部分に少なくとも設けられている。空洞形状部464の形状は、如何なる形状であってよい。例えば、空洞形状部464の形状は、球形、楕円体、立方体、直方体、三角柱、円柱、四角錐、三角錐及び円錐等のうちいずれかの形状であってよい。
【0032】
回転軸462には、複数の攪拌部材461それぞれの基端部が接続される。ここで、攪拌部材461同士(第1の攪拌部材461aと第2の攪拌部材461bと)のなす角θ1,θ2は、所定の角度に設定されている。所定の角度は、例えば、トナーコンテナ46が純正品であるか否かを判定するため、及びトナーコンテナ46の仕向け先や容量等の種別を判定するために設定される。回転軸462は、トナーコンテナ46の外部に配置された駆動部としてのメインモーター101によって回転させられる。
メインモーター101は、後述する駆動制御部91の制御に基づいて、回転軸462を一定の回転速度で回転させる。
【0033】
トナー補給ローラー463は、ハウジング466の下部に設けられた孔部(図示せず)に配置されている。トナー補給ローラー463は、トナーコンテナ46に収容されるトナーTNを現像器44に供給する場合に回転する。トナー補給ローラー463が回転することで、トナーコンテナ46に収容されるトナーTNは、ハウジング466の孔部から排出される。トナー補給ローラー463は、トナーコンテナ46の外部に配置されたトナー補給モーター102によって回転させられる。
トナー補給モーター102は、後述する駆動制御部91の制御に基づいて、トナー補給ローラー463を回転させる。具体的には、駆動制御部91は、現像器44内のトナー量を一定にするために、トナー補給ローラー463を回転させることによりトナーコンテナ46から現像器44にトナーTNを補給させる。
【0034】
検出部としての透磁率センサー103は、トナーコンテナ46の外部であって、空洞形状部464が移動する経路の近傍に配置される。また、透磁率センサー103は、トナーTNの透磁率を検出する。透磁率センサー103は、その透磁率センサー103の近傍を空洞形状部464が通過した場合に、透磁率センサー103の近傍を空洞形状部464が通過していない場合よりも小さな透磁率を検出する。これは、透磁率センサー103の近傍を空洞形状部464が通過していない場合には、トナーコンテナ46における透磁率センサー103の近傍にトナーTNが高密度に存在するため、透磁率センサー103によって検出される透磁率が相対的に大きくなるのに対し、透磁率センサー103の近傍を空洞形状部464が通過した場合には、その空洞形状部464の内部がトナーTNで一杯になっていない(空洞形状部464の内部に空洞を有する)ため、透磁率センサー103によって検出される透磁率が相対的に小さくなるからである。透磁率センサー103は、透磁率を検出すると、その透磁率に対応する大きさの電圧信号を出力する。
【0035】
なお、透磁率センサー103は、トナーコンテナ46に収容されるトナーTNの量を検出するために利用される。したがって、透磁率センサー103は、コピー機1に予め配置されているので、本発明を実施するために新たに配置される必要はない。すなわち、コピー機1は、コストの増加を抑えることができる。
【0036】
現像器44は、マグローラー441と、ハウジング442と、を備える。ハウジング442は、現像器44の外形を形成する。現像器44は、マグローラー441を介して感光体ドラム41にトナーTNを供給する。
【0037】
制御部90は、駆動制御部91と、判定部92と、再利用判定部93とを備える。
駆動制御部91は、メインモーター101及びトナー補給モーター102をそれぞれ独立に制御することにより、メインモーター101及びトナー補給モーター102を駆動させる。また、駆動制御部91は、メインモーター101を駆動するよう制御することによりメインモーター101が駆動した場合に、メインモーター101から送信される所定の信号を受信する。その所定の信号は、メインモーター101が駆動していることを示す信号である。
【0038】
判定部92は、透磁率センサー103によって検出された透磁率に基づいて、トナーコンテナ46が純正品であるか否かを判定する。具体的には、判定部92は、透磁率センサー103によって所定の閾値以下の透磁率が検出される時間の間隔と、基準となる時間の間隔とを比較することにより、トナーコンテナ46が純正品であるか否かを判定する。
【0039】
より具体的には、透磁率センサー103は、2つの攪拌部材461のうちの一方の攪拌部材461が近傍を通過した場合、及び他方の攪拌部材461が近傍を通過した場合には、相対的により小さな電圧値の電圧信号を出力する。そして、判定部92は、透磁率センサー103から電圧信号を受け付けると、その電圧信号が示す電圧値が所定の閾値以下であるか否かを判定する。トナーコンテナ46が新品の場合及びトナーコンテナ46を再利用した回数が少ない場合には、透磁率センサー103の近傍を攪拌部材461が通過すると、その電圧値が所定の閾値以下となるので、判定部92は、電圧値が所定の閾値以下となった場合に、計時を開始する。判定部92は、次に、電圧値が所定の閾値以下となった場合に、計時を終了して電圧値が所定の閾値以下となった時間の間隔(時間2)を確定させると共に、再度計時を開始させる。さらに、判定部92は、次に、電圧値が所定の閾値以下となった場合に、計時を終了して電圧値が所定の閾値以下となった時間の間隔(時間3)を確定させる。なお、閾値は、複数設定されていてもよい。この場合、判定部92は、電圧値が複数の閾値のうちいずれかの1つの閾値以下になったら計時を開始する。
【0040】
そして、判定部92は、時間2及び時間3のそれぞれについて、トナーコンテナ46が純正品であるか否かを判定するたに予め設定されている基準となる時間の間隔と比較して、基準となる時間の間隔に時間2及び時間3が一致する又は略一致する場合には、トナーコンテナ46が純正品であると判定する。一方、判定部92は、その他の場合には、トナーコンテナ46が純正品ではないと判定すると共に、報知部(図示せず)に第1の報知を行わせる。第1の報知は、例えば、音又は音声をスピーカー(報知部)から出力することや、トナーコンテナ46が純正品ではないことを示す情報を上述したタッチパネル(報知部)に表示させることである。
なお、判定部92は、透磁率センサー103から受け付けた電圧信号が示す電圧値が所定の閾値以下にならない場合には、計時を開始しない。
【0041】
また、判定部92は、透磁率センサー103によって所定の閾値以下の透磁率が検出される時間の間隔が、複数の基準となる時間の間隔のうちいずれに一致するか否かに基づいて、トナーコンテナ46の種別を判定する。ここで、基準となる時間の間隔は、トナーコンテナ46の種別に応じて複数設定されている。
【0042】
すなわち、判定部92は、上述した時間2及び時間3それぞれが、トナーコンテナ46の種別に応じて設定された複数の基準となる時間の間隔のうちいずれの時間の間隔に一致する又は略一致するか判定することにより、トナーコンテナ46の種別を判定する。そして、判定部92は、トナーコンテナ46の種別を判定した結果、コピー機1に搭載されたトナーコンテナ46がそのコピー機1に対応するトナーコンテナ46の種別ではない場合には、上述した報知部に第2の報知を行わせる。第2の報知は、例えば、第1の報知とは異なる音又は音声をスピーカーから出力することや、コピー機1に対応しないトナーコンテナ46であることを示す情報をタッチパネルに表示させることである。
【0043】
再利用判定部93は、透磁率センサー103によって検出された、孔465を介して空洞形状部464に流入した磁性トナーTNの透磁率に基づいて、トナーコンテナ46が、使用済みトナーコンテナにトナーTNが再充填された再利用品であるか否かを判定する。
【0044】
トナーコンテナ46が交換された場合には、コピー機1に新たに配置されたトナーコンテナ46には、トナーTNが満載されている。この場合には、透磁率センサー103によって検出される透磁率(第1の透磁率)は、相対的に大きくなる。
ここで、コピー機1に新たに配置されたトナーコンテナ46が新品の場合(トナーコンテナ46が再利用品ではない場合)には、空洞形状部464には、トナーTNが流入していない。また、コピー機1に新たに配置されたトナーコンテナ46の再利用の回数が相対的に少ない場合には、空洞形状部464には、少量のトナーTNが流入している。この場合には、透磁率センサー103の近傍を空洞形状部464が通過したときに、その透磁率センサー103によって検出される透磁率(第2の透磁率)は、第1の透磁率よりも小さくなる。この場合には、透磁率センサー103から出力される電圧信号の電圧値は、上述した閾値以下になる。
【0045】
これに対し、コピー機1に新たに配置されたトナーコンテナ46の再利用の回数が相対的に多い場合には、空洞形状部464には、多量のトナーTNが流入している。この場合には、透磁率センサー103の近傍を空洞形状部464が通過したときに、その透磁率センサー103によって検出される透磁率(第3の透磁率)は、第1透磁率よりも小さく、且つ、第2の透磁率よりも大きくなる。この場合には、透磁率センサー103から出力される電圧信号の電圧値は、上述した閾値(第1の閾値th1)以下にならない。このため、第2の閾値th2(th1<th2)を設定して、再利用判定部93は、透磁率センサー103から出力される電圧信号の電圧値が第2の閾値th2以下になったか否かを判断する。なお、閾値は、第1の閾値th1及び第2の閾値th2が設定される場合に限定されることはなく、3つ以上の閾値(第3の閾値th3、…)が設定されてもよい。
【0046】
したがって、再利用判定部93は、透磁率センサー103によって検出される透磁率が設定されている複数の閾値のうちいずれか1つの閾値以下にならない場合には、コピー機1に新たに配置されたトナーコンテナ46の再利用の回数が相対的に多いとして、その新たに配置されたトナーコンテナ46が再利用品であると判定する。そして、再利用判定部93は、トナーコンテナ46が再利用品であると判定した場合には、上述した報知部に第3の報知を行わせる。第3の報知は、例えば、第1の報知及び第2の報知とは異なる音又は音声をスピーカーから出力することや、トナーコンテナ46が再利用品であることを示す情報をタッチパネルに表示させることである。
一方、再利用判定部93は、透磁率センサー103によって検出される透磁率が所定の閾値以下になる場合には、コピー機1に新たに配置されたトナーコンテナ46が再利用品ではないと判定する。
【0047】
次に、本実施形態におけるコピー機1の第1の動作について説明する。図4Aは、コピー機1の第1の動作について説明するための第1のフローチャートである。図4Bは、コピー機1の第1の動作について説明するための第2のフローチャートである。図4Cは、コピー機1の第1の動作について説明するための第3のフローチャートである。また、図5は、透磁率センサー103から出力される電圧信号について説明するための第1の図である。
【0048】
ステップST10において、駆動制御部91は、メインモーター101が回転することにより、回転軸462が回転しているか否かを判断する。すなわち、駆動制御部91は、メインモーター101を駆動するよう制御した場合に、メインモーター101が駆動したことを示す信号を受信したか否かを判断する。メインモーター101が駆動していない場合(No)には、ステップST10の判断が再度行われる。メインモーター101が駆動している場合(Yes)には、処理は、ステップST12に進む。
【0049】
ステップST11において、判定部92は、時間1の計時を開始する。
【0050】
ステップST12において、判定部92は、透磁率センサー103の検出値が攪拌部材461の検出閾値以下か否かを判断する。すなわち、判定部92は、透磁率センサー103から受け付けた電圧信号をサンプリングして、電圧信号が示す電圧値が閾値th1(図5参照)以下になったか否かを判断する。電圧値が閾値th1以下になっていない場合(No)には、処理は、図4Cに示すステップST27に進む。電圧値が閾値th1以下になった場合(Yes)には、処理は、ステップST13に進む。
【0051】
図4Cに示すステップST27において、判定部92は、時間1が所定の時間を越えたか否かを判断する。その所定の時間は、攪拌部材461が1周する時間である。時間1が所定の時間を越えていない場合(No)には、処理は、図4Aに示すステップST12に戻る。時間1が所定の時間を越えている場合(Yes)には、処理は、ステップST28に進む。
【0052】
ステップST28において、判定部92は、コピー機1に配置されているトナーコンテナ46が純正品ではない(非純正品である)と判定する。この場合、判定部92は、上述した報知部にトナーコンテナが純正品ではないことを示す警告を出力させることが可能である。
【0053】
一方、図4Aに示すステップST13において、判定部92は、時間2(図5参照)の計時を開始する。
【0054】
ステップST14において、判定部92は、再度、透磁率センサー103の検出値が攪拌部材461の検出閾値以下か否かを判断する。すなわち、判定部92は、透磁率センサー103から受け付けた電圧信号をサンプリングして、電圧信号が示す電圧値が閾値th1(図5参照)以下になったか否かを判断する。電圧値が閾値th1以下になっていない場合(No)には、ステップST14の判断が再度行われる。電圧値が閾値th1以下になった場合(Yes)には、処理は、ステップST15に進む。
【0055】
ステップST15において、判定部92は、時間2を確定して、時間3(図5参照)の計時を開始する。
【0056】
ステップST16において、判定部92は、再度、透磁率センサー103の検出値が攪拌部材461の検出閾値以下か否かを判断する。すなわち、判定部92は、透磁率センサー103から受け付けた電圧信号をサンプリングして、電圧信号が示す電圧値が閾値th1(図5参照)以下になったか否かを判断する。電圧値が閾値th以下になっていない場合(No)には、ステップST16の判断が再度行われる。電圧値が閾値th1以下になった場合(Yes)には、処理は、ステップST17に進む。
【0057】
ステップST17において、判定部92は、時間3を確定する。ステップST17の後は、図4Bに示すステップST18に進む。
【0058】
ステップST18において、判定部92は、ステップST15において確定した時間2と、ステップST17において確定した時間3とのうち、どちらの時間が長いかを判断する。すなわち、判定部92は、時間2<時間3であるか否かを判定する。時間2よりも時間3の方が長い場合(Yes)には、処理は、ステップST19に進む。時間2よりも時間3の方が短い場合(No)には、処理は、ステップST20に進む。
【0059】
ステップST19において、判定部92は、時間2及び時間3のそれぞれが種別1に関しての基準となる時間の間隔に一致する又は略一致するか否かを判断する。すなわち、判定部92は、一方の攪拌部材461が検出されてから他方の攪拌部材461が検出されるまでの下限値a1Lと、一方の攪拌部材461が検出されてから他方の攪拌部材461が検出されるまでの上限値a1Hとの間に時間2が入るか否かを判断すると共に、他方の攪拌部材461が検出されてから一方の攪拌部材461が検出されるまでの下限値b1Lと、他方の攪拌部材461が検出されてから一方の攪拌部材461が検出されるまでの上限値b1Hとの間に時間3が入るか否かを判断する。a1L<時間2<a1H、且つ、b1L<時間3<b1Hである場合(Yes)には、処理は、ステップST21に進む。a1L<時間2<a1H、且つ、b1L<時間3<b1Hではない場合(No)には、処理は、ステップST22に進む。
【0060】
ここで、判定部92は、a1L<時間2<a1H、且つ、b1L<時間3<b1Hである場合には、第1の攪拌部材461aと第2の攪拌部材461bとのなす角θ1,θ2が、種別1(純正品)に対応する角度に設定されていると判定する。一方、判定部92は、a1L<時間2<a1H、且つ、b1L<時間3<b1Hではない場合には、第1の攪拌部材461aと第2の攪拌部材461bとのなす角θ1,θ2が、種別1(純正品)に対応する角度に設定されていないと判定する。
【0061】
ステップST20において、判定部92は、時間2及び時間3のそれぞれが種別1に関しての基準となる時間の間隔に一致する又は略一致するか否かを判断する。すなわち、判定部92は、a1L<時間3<a1H、且つ、b1L<時間2<b1Hであるか否かを判断する。a1L<時間3<a1H、且つ、b1L<時間2<b1Hである場合(Yes)には、処理は、ステップST21に進む。a1L<時間3<a1H、且つ、b1L<時間2<b1Hではない場合(No)には、処理は、ステップST22に進む。
【0062】
ここで、判定部92は、a1L<時間3<a1H、且つ、b1L<時間2<b1Hである場合には、第1の攪拌部材461aと第2の攪拌部材461bとのなす角θ1,θ2が、種別1(純正品)に対応する角度に設定されていると判定する。一方、判定部92は、a1L<時間3<a1H、且つ、b1L<時間2<b1Hではない場合には、第1の攪拌部材461aと第2の攪拌部材461bとのなす角θ1,θ2が、種別1(純正品)に対応する角度に設定されていないと判定する。
【0063】
ステップST21において、判定部92は、コピー機1に配置されているトナーコンテナ46が種別1の純正品であると判定する。
【0064】
ステップST22において、判定部92は、ステップST15において確定した時間2と、ステップST17において確定した時間3とのうち、どちらの時間が長いかを判断する。すなわち、判定部92は、時間2<時間3であるか否かを判定する。時間2よりも時間3の方が長い場合(Yes)には、処理は、ステップST23に進む。時間2よりも時間3の方が短い場合(No)には、処理は、ステップST24に進む。
【0065】
ステップST23において、判定部92は、時間2及び時間3のそれぞれが種別2に関しての基準となる時間の間隔に一致する又は略一致するか否かを判断する。すなわち、判定部92は、一方の攪拌部材461が検出されてから他方の攪拌部材461が検出されるまでの下限値a2Lと、一方の攪拌部材461が検出されてから他方の攪拌部材461が検出されるまでの上限値a2Hとの間に時間2が入るか否かを判断すると共に、他方の攪拌部材461が検出されてから一方の攪拌部材461が検出されるまでの下限値b2Lと、他方の攪拌部材461が検出されてから一方の攪拌部材461が検出されるまでの上限値b2Hとの間に時間3が入るか否かを判断する。a2L<時間2<a2H、且つ、b2L<時間3<b2Hである場合(Yes)には、処理は、ステップST25に進む。a2L<時間2<a2H、且つ、b2L<時間3<b2Hではない場合(No)には、処理は、ステップST26に進む。
【0066】
ここで、判定部92は、a2L<時間2<a2H、且つ、b2L<時間3<b2Hである場合には、第1の攪拌部材461aと第2の攪拌部材461bとのなす角θ1,θ2が、種別2(純正品)に対応する角度に設定されていると判定する。一方、判定部92は、a2L<時間2<a2H、且つ、b2L<時間3<b2Hではない場合には、第1の攪拌部材461aと第2の攪拌部材461bとのなす角θ1,θ2が、種別2(純正品)に対応する角度に設定されていないと判定する。
【0067】
ステップST24において、判定部92は、時間2及び時間3のそれぞれが種別2に関しての基準となる時間の間隔に一致する又は略一致するか否かを判断する。すなわち、判定部92は、a2L<時間3<a2H、且つ、b2L<時間2<b2Hであるか否かを判断する。a2L<時間3<a2H、且つ、b2L<時間2<b2Hである場合(Yes)には、処理は、ステップST25に進む。a2L<時間3<a2H、且つ、b2L<時間2<b2Hではない場合(No)には、処理は、ステップST26に進む。
【0068】
ここで、判定部92は、a2L<時間3<a2H、且つ、b2L<時間2<b2Hである場合には、第1の攪拌部材461aと第2の攪拌部材461bとのなす角θ1,θ2が、種別2(純正品)に対応する角度に設定されていると判定する。一方、判定部92は、a2L<時間3<a2H、且つ、b2L<時間2<b2Hではない場合には、第1の攪拌部材461aと第2の攪拌部材461bとのなす角θ1,θ2が、種別2(純正品)に対応する角度に設定されていないと判定する。
【0069】
ステップST25において、判定部92は、コピー機1に配置されているトナーコンテナ46が種別2の純正品であると判定する。
【0070】
ステップST26において、判定部92は、コピー機1に配置されているトナーコンテナ46が純正品ではない(非純正品である)と判定する。すなわち、判定部92は、第1の攪拌部材461aと第2の攪拌部材461bとのなす角θ1,θ2が、種別1,2(純正品)に対応する角度に設定されていないので、トナーコンテナ46が非純正品であると判定する。
【0071】
なお、上述したコピー機1の動作の説明では、トナーコンテナ46が種別1と種別2のうちいずれかであるか否かを判定する場合について説明した。しかしながら、判定されるトナーコンテナ46の種別は2種類に限定されることはなく、3種類以上であってもよい。
【0072】
次に、本実施形態におけるコピー機1の第2の動作について説明する。図6は、コピー機1の第2の動作について説明するためのフローチャートである。また、図7は、透磁率センサー103から出力される電圧信号について説明するための第2の図である。
【0073】
ステップST31において、駆動制御部91は、メインモーター101が回転することにより、回転軸462が回転しているか否かを判断する。すなわち、駆動制御部91は、メインモーター101を駆動するよう制御した場合に、メインモーター101が駆動したことを示す信号を受信したか否かを判断する。メインモーター101が駆動していない場合(No)には、ステップST31の判断が再度行われる。メインモーター101が駆動している場合(Yes)には、処理は、ステップST32に進む。
【0074】
ステップST12で「No」の場合に行うステップST32において、再利用判定部93は、計時を開始する。
【0075】
ステップST33において、再利用判定部93は、透磁率センサー103の検出値が空洞形状部464の検出閾値以下か否かを判断する。すなわち、再利用判定部93は、透磁率センサー103から受け付けた電圧信号をサンプリングして、電圧信号が示す電圧値が閾値th(図7参照)以下になったか否かを判断する。なお、図7に示す閾値th1及び閾値th2は、図5に示す閾値th1及び閾値th2と同一である。電圧値が閾値th2以下になった場合(Yes)には、処理は、ステップST34に進む。電圧値が閾値th2以下になっていない場合(No)には、処理は、ステップST35に進む。
【0076】
ステップST34において、判定部92は、図4A、図4B、図4C及び図5を用いて説明したような、トナーコンテナ46が純正品であるか否かの判定、及びトナーコンテナ46の種別の判定を行う。なお、ステップST12、ステップST14及びステップST16において、閾値th1を閾値th2に置き換えて判断を行う。
【0077】
ステップST35において、再利用判定部93は、ステップST32にて開始した計時時間が所定の時間を越えたか否かを判断する。ここで、その所定の時間は、トナーコンテナ46が再利用品であるか否かを判断するために用いられる時間である。計時時間が所定の時間を越えていない場合(No)には、処理は、ステップST33に戻る。計時時間が所定の時間を越えた場合(Yes)には、処理は、ステップST36に進む。
【0078】
ステップST36において、ステップST33と同様に閾値th3以下かどうかを判断し、さらに計時時間が所定時間を越えたかどうかを判断する。閾値th3以下の場合は再利用品であると判断し、さらに純正品であるかどうかの判断をする(ステップST12以降の判断では、閾値をth3として行う)。所定時間を越えても閾値th3を下回らない場合は純正品でないと判断する。再利用判定部93は、空洞形状部464に相対的に多量のトナーTNが流入しているために、透磁率センサー103から出力される電圧信号の電圧値が図7に示すように閾値th2以下にならないとして、トナーコンテナ46が再利用品であると判定する。すなわち、再利用判定部93は、トナーコンテナ46の再利用の回数が相対的に多いとして、そのトナーコンテナ46が再利用品であると判定する。
【0079】
以上説明したように、本実施形態のコピー機1によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態のコピー機1は、透磁率センサー103によって検出された透磁率に基づいて、トナーコンテナ46が純正品であるか否かを判定することができる。すなわち、コピー機1は、透磁率センサー103によって所定の閾値以下の透磁率が検出される時間の間隔と、基準となる時間の間隔とを比較することに基づいて、トナーコンテナ46が純正品であるか否かを判断することができる。
【0080】
また、コピー機1は、第1の攪拌部材461a及び第2の攪拌部材461bそれぞれの先端部に配置された空洞形状部464が透磁率センサー103の近傍を通過するときの時間の間隔、すなわち、第1の攪拌部材461aと第2の攪拌部材461bとのなす角、及び攪拌部材461の回転速度とに応じて、純正品であるか否かを判定する。第1の攪拌部材461aと第2の攪拌部材461bと空洞形状部464は、トナーコンテナ46のハウジング466の内部に設けられているため、それらの攪拌部材461同士のなす角は容易にはわかり難い。したがって、トナーコンテナ46は、コピーの対象とされ難い。
【0081】
また、コピー機1において利用されるトナーTNは磁性トナーであるため、コピー機1には、予め透磁率センサー103が配置されている。このため、コピー機1は、トナーコンテナ46が純正品であるか否かを判定する等のために新たに透磁率センサー103を配置する必要がない。よって、コピー機1は、コストの増加を抑えることができる。
【0082】
また、コピー機1は、透磁率センサー103によって所定の閾値以下の透磁率が検出される時間の間隔が、複数の基準となる時間の間隔のうちいずれに一致するか否かに基づいて、トナーコンテナ46の種別を判定することができる。
【0083】
また、トナーコンテナ46が再利用品の場合には、空洞形状部464には、相対的に多量のトナーTNが流入する。このため、コピー機1は、透磁率センサー103によって検出される透磁率に基づいて、トナーコンテナ46が再利用品であるか否かを判定することができる。
【0084】
また、コピー機1は、複数の攪拌部材461それぞれの基端が接続される回転軸462をメインモーター101によって一定の回転速度で回転させる。これにより、コピー機1は、透磁率センサー103によって透磁率を検出させ、その検出された透磁率に基づいて、トナーコンテナ46が純正品であるか否かを判定することができると共に、トナーコンテナ46の種別を判定することができる。
【0085】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、種々の形態で実施することができる。
本実施形態のコピー機1は、攪拌部材461の数を2つとしたが、この形態に限定されることはなく、攪拌部材461の数が3つ以上であってもよい。
【0086】
本実施形態のコピー機1は、カラーコピー機であるが、この形態に限定されることはなく、モノクロコピー機であってもよい。
また、本実施形態のコピー機1は、中間転写ベルト48を介して用紙Tにトナー画像を転写している(間接転写方式)が、この形態に限定されることはなく、感光体ドラムに形成されたトナー画像を直接に用紙Tに転写してもよい(直接転写方式)。
また、本実施形態のコピー機1は、用紙Tの片面を印刷する構成であるが、これに限定されることはなく、用紙の両面を印刷する構成であってもよい。
【0087】
また、本発明の画像形成装置は、上述したコピー機1に限定されることはない。すなわち、本発明の画像形成装置は、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンター機能及びスキャナ機能を備える複合機であってもよく、ファクシミリやプリンターであってもよい。
また、本発明の画像形成装置によってトナー画像が定着される被転写材は用紙Tに限定されることはなく、例えば、OHP(オーバヘッドプロジェクター)シート等のフィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0088】
1…コピー機(画像形成装置)、3…エンジン部、46…トナーコンテナ(トナー収容部)、461…攪拌部材、462…回転軸、464…空洞形状部、465…孔、92…判定部、93…再利用判定部、101…メインモーター(駆動部)、103…透磁率センサー(検出部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性トナーを収容するトナー収容部と、
前記トナー収容部から供給された磁性トナーを利用して被転写材に画像を形成するエンジン部と、
前記トナー収容部内を回転して磁性トナーを攪拌する複数の攪拌部材と、
前記攪拌部材の先端部に配置され、内部が空洞となっている空洞形状部と、
前記トナー収容部の外部であって前記空洞形状部が移動する経路の近傍に配置され、磁性トナーの透磁率を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された透磁率に基づいて、前記トナー収容部が純正品であるか否かを判定する判定部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記判定部は、検出部によって所定の閾値以下の透磁率が検出される時間の間隔と、基準となる時間の間隔とを比較することにより、前記トナー収容部が純正品であるか否かを判定する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記基準となる時間の間隔は、前記トナー収容部の種別に応じて複数設定されており、
前記判定部は、前記検出部によって前記所定の閾値以下の透磁率が検出される時間の間隔が、複数の前記基準となる時間の間隔のうちいずれに一致するか否かに基づいて、前記トナー収容部の種別を判定する
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記空洞形状部は、磁性トナーが通過することが可能な大きさの孔を有し、
前記検出部によって検出された、前記孔を介して前記空洞形状部に流入した磁性トナーの透磁率に基づいて、前記トナー収容部が、使用済みトナー収容部にトナーが再充填された再利用品であるか否かを判定する再利用判定部をさらに備える
請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
複数の攪拌部材それぞれの基端に接続された回転軸と、
前記回転軸を一定の回転速度で回転させる駆動部と、をさらに備える
請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−3484(P2013−3484A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136965(P2011−136965)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】