画像形成装置
【課題】シートを給紙するための給紙機構を不必要に移動させることなく、効率的なシートの除去作業を可能とする搬送機構及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】シートに画像を形成する画像形成部を収容する筐体と、前記画像形成部に前記シートを案内する搬送路の少なくとも一部を形成する搬送機構と、を備え、該搬送機構は、前記シートを給紙するための給紙構造体が形成された上流端を含む第1搬送要素と、該第1搬送要素に対向して配設され、該第1搬送要素と協働して前記少なくとも一部の搬送路を形成する第2搬送要素620と、を含み、前記筐体は、前記第2搬送要素620が前記第1搬送要素に沿い、前記少なくとも一部の搬送路を形成する第1位置から、前記第1搬送要素から離間する第2位置までの変位を案内するレール部640を含む画像形成装置。
【解決手段】シートに画像を形成する画像形成部を収容する筐体と、前記画像形成部に前記シートを案内する搬送路の少なくとも一部を形成する搬送機構と、を備え、該搬送機構は、前記シートを給紙するための給紙構造体が形成された上流端を含む第1搬送要素と、該第1搬送要素に対向して配設され、該第1搬送要素と協働して前記少なくとも一部の搬送路を形成する第2搬送要素620と、を含み、前記筐体は、前記第2搬送要素620が前記第1搬送要素に沿い、前記少なくとも一部の搬送路を形成する第1位置から、前記第1搬送要素から離間する第2位置までの変位を案内するレール部640を含む画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートの詰まりを好適に解除可能に形成された搬送機構が組み込まれた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機、プリンタ、ファクシミリ或いはこれらの機能を備える複合機といった画像形成装置は、一般的に、筐体内でシートを搬送しつつ、トナー画像を形成する。多くの画像形成装置は、筐体内で詰まったシートを除去するための機構を備える。
【0003】
例えば、特許文献1は、リンク機構で接続された給紙部と搬送部とを一体的に筐体から引き出し、筐体内で詰まったシートを除去することを可能とする除去機構を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−112848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の開示技術によれば、給紙部及び搬送部が一体的に筐体から引き出されることによって、比較的効率よく、筐体内で詰まったシートが除去されることとなる。しかしながら、給紙部と搬送部とを一体化させるリンク機構は、装置全体を大型化するという欠点がある。また、不必要に給紙部が移動されるため、シートを給紙するための好適な設定が変動しやすくなるため、給紙不良を生じやすいという欠点もある。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、シートを給紙するための給紙機構を不必要に移動させることなく、効率的なシートの除去作業を可能とする比較的小型の搬送機構及びこの搬送機構が組み込まれた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成部を収容する筐体と、前記画像形成部に前記シートを案内する搬送路の少なくとも一部を形成する搬送機構と、を備え、該搬送機構は、前記シートを給紙するための給紙構造体が形成された上流端を含む第1搬送要素と、該第1搬送要素に対向して配設され、該第1搬送要素と協働して前記少なくとも一部の搬送路を形成する第2搬送要素と、を含み、前記筐体は、前記第2搬送要素が前記第1搬送要素に沿い、前記少なくとも一部の搬送路を形成する第1位置から、前記第1搬送要素から離間する第2位置までの変位を案内するレール部を含むことを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、シートは、搬送機構が形成する少なくとも一部の搬送路を通じて、画像形成部に案内される。画像形成部は、シートに画像を形成する。搬送機構の第1搬送要素は、給紙構造体が形成された上流端を含む。給紙構造体は、シートを搬送する。搬送機構の第2搬送要素は、第1搬送要素と協働して少なくとも一部の搬送路を形成する第1位置から、第1搬送要素から離間する第2位置まで、レール部に案内されつつ変位する。したがって、第2位置にある第2搬送要素と第1搬送要素との間に空間が確保され、第1搬送要素と第2搬送要素とによって形成される搬送路で詰まったシートは、給紙構造体を含む第1搬送要素を移動させることなく、且つ、画像形成装置を大型化させるリンク機構を要することなく、効率的に除去されることとなる。
【0009】
上記構成において、前記筐体に挿脱可能に取り付けられるカセットを更に含み、前記第2搬送要素は、前記シートの給紙方向に沿って配設されるとともに互いに回動可能に接続される上流要素と、下流要素とを含み、前記レール部は、前記第2搬送要素が前記第1位置から前記第2位置に変位するときに前記上流要素を案内する第1レール部と、前記第2搬送要素が前記第1位置から前記第2位置に変位するときに前記下流要素を案内する第2レール部と、前記カセットの挿脱を案内する第3レール部とを含み、前記第1レール部及び前記第2レール部は、前記第3レール部に接続され、前記第2位置にある前記第2搬送要素は、前記第3レール部に案内され、前記カセットの挿脱方向に移動可能であることが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、第2搬送要素が第1位置から第2位置まで案内されるとき、第2搬送要素の上流要素は第1レール部によって案内される。第2搬送要素が第1位置から第2位置まで案内されるとき、第2搬送要素の下流要素は第2レール部によって案内される。第2位置にある第2搬送要素は、カセットの挿脱を案内する第3レール部によって、カセットの挿脱方向に移動される。したがって、第2搬送要素をカセットの挿脱方向に移動させるための特別な部品を要することなく、第2搬送要素はカセットの挿脱方向に移動可能となる。第2搬送要素が筐体から引き出されたとき、第1搬送要素と第2搬送要素とで形成された少なくとも一部の搬送路中で詰まったシートは、第2搬送要素とともに筐体から引き出され、或いは、カセットが収容されていた空間内で回収されることとなる。かくして、効率的にシートの回収がなされることとなる。また、上流要素は下流要素に対して回動可能であるので、下流要素が筐体内に留まっている間、上流要素は、下流要素に対して折り曲げ可能であり、筐体からの突出量が低減されることとなる。この結果、使用者が筐体から突出した上流要素に接触することに起因する搬送機構の損傷が好適に抑制されることとなる。
【0011】
上記構成において、前記第1レール部は、前記第1位置から前記第2位置に向かうにつれて、上流方向に傾斜する上流壁と、下流方向に傾斜する下流壁と、を含み、前記上流要素は、前記第1レール部に案内される第1ボスを含むことが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、第2搬送要素が第1位置から第2位置に変位されるとき、第1ボスは上流壁に案内される。この結果、第2搬送要素は、上流方向に移動しつつ第1位置から第2位置に変位される。したがって、筐体からの第2搬送要素の引き出しが効率的に行われることとなる。また、使用者が第2搬送要素を筐体内に戻すとき、第2搬送要素は、第2壁に案内されつつ、第1位置に至ることとなる。第1レール部が、第1位置から第2位置に向かうにつれて、上流方向に傾斜する上流壁と、下流方向に傾斜する下流壁とを含むので、第3レールから第1レール部への第1ボスの乗り移りは比較的円滑に行われる。したがって、第2位置から第1位置への第2搬送要素の変位を効率的に行うことが可能となる。
【0013】
上記構成において、前記第2レール部は、前記上流壁の傾斜方向に沿って傾斜しつつ、前記第1位置から前記第2位置に向けて延び、前記下流要素は、前記第2レール部に案内される第2ボスを含むことが好ましい。
【0014】
上記構成によれば、第2レール部は第1レール部の上流壁の傾斜方向に沿って延びるので、第2搬送要素の第1位置から第2位置への変位が好適に行われることとなる。また、第2位置から第1位置へ第2搬送要素が戻されるとき、下流要素は、第2レール部に案内され、上流要素に対して屈曲する。第1レール部の下流壁は、下流要素が上流要素に対して屈曲しても、好適に上流要素を第1位置から第2位置へ案内する。上流要素が第1レール部の下流壁に案内されつつ第2位置から第1位置に移動する間、上流要素と下流要素との間の屈曲は徐々に解消されることとなる。
【0015】
上記構成において、前記第3レール部は、前記第1ボスを案内する第1区間と前記第2ボスを案内する第2区間との間に、前記第1区間に向かう前記第2ボスの移動を規制する規制部を含むことが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、第3レール部の規制部によって、第2ボスの移動が規制されることとなる。したがって、下流要素は、筐体内に留まることとなる。かくして、第2搬送要素は、第2位置から第1位置へ戻す作業が効率的に行われることとなる。
【0017】
上記構成において、前記第1位置に存する前記第2搬送要素の前記上流要素を位置決めする位置決め機構を更に備えることが好ましい。
【0018】
上記構成によれば、位置決め機構によって、第1位置に存する第2搬送要素の上流要素が位置決めされることとなる。この間、第2レール部は、第1レール部の上流壁の傾斜方向に沿って延びるので、下流要素が意図せず第2位置へ移動することが抑制される。
【0019】
上記構成において、前記位置決め機構は、前記第1搬送要素に形成された係合穴と、前記上流要素に対して出没可能に取り付けられるとともに前記係合穴に係合可能に形成される係合片と、該係合片を前記上流要素に対して突出させるように付勢する付勢部材と、を含むことが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、第1搬送要素に形成された係合穴に、上流要素に取り付けられた係合片が係合することによって、上流要素が第1搬送要素に対して位置決めされる。
【発明の効果】
【0021】
上述の如く、本発明は、シートを給紙するための給紙機構を不必要に移動させることなく、効率的なシートの除去作業を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の斜視図である。
【図2】図1に示される画像形成装置の内部構造を概略的に示す図である。
【図3】図2に示される画像形成装置の搬送機構を示す側面図である。
【図4】図2に示される画像形成装置の搬送機構を示す斜視図である。
【図5】筐体から完全に引き出された搬送機構を示す斜視図である。
【図6】搬送機構の位置決め機構を説明する側面図である。
【図7】搬送機構の位置決め機構を概略的に説明する断面図である。
【図8】レール部の他の構造を示す斜視図である。
【図9】第3レール部の第1区間と第2区間との間の境界周囲の拡大斜視図である。
【図10】図8に示されるレール部に案内される搬送機構の底面図である。
【図11】筐体から引き出される搬送機構の斜視図である。
【図12】筐体から引き出される搬送機構の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。尚、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」や「右」などの方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、何ら本発明を限定するものではない。また、以下の説明において、「シート」との用語は、コピー用紙、コート紙、OHPシート、厚紙、葉書、トレーシングペーパや画像形成処理を受ける他のシート材料を意味する。「シートの先頭縁」との用語は、シートの搬送方向において、先頭に位置するシートの縁を意味する。以下の説明で用いられる「上流」、「下流」及びこれらに類する用語は、シートの搬送方向における「上流」、「下流」及びこれらに類する概念を意味する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。尚、図1の画像形成装置は、プリンタであるが、他の実施形態において、コピー機、ファクシミリ、これらの機能を備える複合機やシートに画像を形成可能な他の装置であってもよい。
【0025】
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体2と、筐体2の正面側に突出するトレイ510と、トレイ510の下方に配設されるカセット300とを備える。筐体2は、シートに画像を形成するのに必要な様々な機器(例えば、後述される画像形成部を構成する要素)を収容する。トレイ510は、トレイ510の下縁を軸に、筐体2に回動可能に取り付けられる。図1に示されるトレイ510は、上述の如く、筐体2から突出する突出位置にある。使用者は、突出位置にあるトレイ510上にシートを載置することができる。トレイ510上のシートは、後述される給紙構造体によって、シートに画像を形成する画像形成部に向けて給紙されることとなる。使用者が、トレイ510を突出位置から筐体2に近づけるように回動させると、トレイ510は筐体2に形成された凹領域21内に収容されることとなる。カセット300は、筐体2に対して、挿脱可能に形成される。使用者は、カセット300を筐体2から正面側に引き抜き、カセット300内にシートを収容することができる。カセット300内に所望のシートを収容した後、使用者はカセット300を筐体2内に挿入することができる。以下の説明において、トレイ510に載置されたシートは第1のシートと便宜的に称され、カセット300内に収容されたシートは、第2のシートと便宜的に称される。画像形成装置1は、第1のシート及び第2のシートを画像形成部に選択的に搬送し、シートにトナー画像を形成することができる。
【0026】
トレイ510の上方に操作パネル22が配設される。使用者は、操作パネル22を操作し、画像形成装置1の所望の動作をさせることができる。操作パネル22は、例えば、トナー画像の濃さを調節するためのボタンを含んでもよい。画像形成装置1は、操作パネル22への使用者による入力及び外部装置(例えば、パーソナルコンピュータ)から送られる画像信号(印刷対象となる画像に関する情報を含む信号)に従って、シートにトナー画像を形成する。
【0027】
トレイ510又はカセット300から給紙されたシートは、画像形成部によってトナー画像の形成がなされた後、筐体2の上面に形成された排紙トレイ23上に排出されることとなる。排紙トレイ23の上側には、略三角柱状の空間が形成され、当該空間内に画像形成処理が施与されたシートが蓄積されることとなる。
【0028】
図2は、画像形成装置1の内部構造を概略的に示す。図2と併せて、図1を参照しつつ、画像形成装置1が更に説明される。
【0029】
トレイ510又はカセット300から搬送されたシートは、筐体2内で形成された搬送路に案内されつつ、シートにトナー画像を形成する画像形成部410及びトナー画像をシートに定着させる定着部430へ搬送される。その後、シートは、排出部450を通じて、排紙トレイ23上に排出される。
【0030】
搬送路は、第1シートを筐体2内へ引き込み、画像形成部410に給紙する給紙構造体520を上流端として、筐体2の背面壁24に向けて延びる第1給紙搬送路530と、第1給紙搬送路530の下方に位置するカセット300の下流端(図2中、右端)から上方に向けて延びる第2給紙搬送路310とを含む。第1給紙搬送路530及び第2給紙搬送路310は、画像形成部410の画像形成工程とタイミングを合わせて、画像形成部410にシートを送るレジストローラ対320の上流で合流する。カセット300の上方に位置する第1給紙搬送路530の略直線状の区間は、後述される搬送機構600によって形成される。
【0031】
搬送路は更に、レジストローラ対320から定着部430までの区間、シートを案内する主搬送路330と、定着部430から排出部450までの区間、シートを案内する排出搬送路340とを含む。主搬送路330に沿って移動するシートに画像形成部410はトナー画像を形成し、定着部430は、シートにトナー画像を定着させる。使用者が片面印刷を画像形成装置1にさせるとき、定着部430から排出搬送路340へ送り出されたシートを排出部450は筐体2外へ排出する。排出されたシートは、排紙トレイ23上に積層されることとなる。
【0032】
使用者が両面印刷を画像形成装置1にさせるとき、排出部450は、定着部430から排出搬送路340へ送り出されたシートを所定量だけ筐体2外へ送り出した後、筐体2内へ引き戻すスイッチバック動作を実行する。搬送路は更に、排出部450によって引き戻されたシートを案内するための戻し搬送路350を含む。戻し搬送路350は、排出部450から筐体2の背面壁24へ向かって延び、その後、下方に向けて延びる。更にその後、戻し搬送路350は、第2給紙搬送路310に向けて延び、第2給紙搬送路310と合流する。
【0033】
第1給紙搬送路530、第2給紙搬送路310、主搬送路330、排出搬送路340及び戻し搬送路350の適所には、これら搬送路に案内されるシートを搬送するための搬送ローラ対360が配設される。
【0034】
上述の如く、トレイ510上に載置されたシートは、給紙構造体520によって、搬送機構600が形成する第1給紙搬送路530に送り込まれる。給紙構造体520は、筐体2に向けて下方に傾斜したトレイ510上のシートの先頭縁を押し上げるリフト板521と、リフト板521によって押し上げられたシートの先頭縁と接触可能に配設された給紙ローラ522と、給紙ローラ522の下方に配設された分離パッド523とを含む。給紙ローラ522が回転すると、シートは、給紙ローラ522と分離パッド523との間を通過し、第1給紙搬送路530内へ送り込まれる。分離パッド523は、給紙ローラ522と分離パッド523との間を通過するシートに対して摩擦力を与える。したがって、給紙ローラ522が複数枚のシートを第1給紙搬送路530へ送り込もうとするとき、分離パッド523は最上位にあるシート(給紙ローラ522と直接的に接触するシート)以外のシートに搬送方向と逆方向に作用する摩擦力を与え、第1給紙搬送路530内への搬送を妨げる。この結果、シートは1枚ずつ第1給紙搬送路530内へ送り込まれることとなる。
【0035】
他のもう1つの給紙源として用いられるカセット300は、シートを支持するリフト板305を含む。リフト板305は、カセット300内のシートの先頭縁を上方に押し上げるように傾斜する。リフト板305の下流端の上方には、ピックアップローラ311が配設される。ピックアップローラ311は、リフト板305が押し上げたシートの先頭縁に接触する。この結果、ピックアップローラ311が回転すると、シートはカセット300から下流へ送り出されることとなる。
【0036】
ピックアップローラ311の下流には、給紙ローラ312及び給紙ローラ312の下方に位置する捌きローラ313が配設される。ピックアップローラ311は、給紙ローラ312と捌きローラ313との間にシートを送り込む。給紙ローラ312は、シートを更に下流へ送り出すように回転する。一方、捌きローラ313は、シートをカセット300に戻す方向に回転する。したがって、ピックアップローラ311が複数枚のシートを送り出したとき、捌きローラ313は最上位にあるシート(給紙ローラ312と直接的に接触するシート)以外のシートをカセット300に押し戻す。この結果、シートは1枚ずつ第2給紙搬送路310へ送り込まれることとなる。
【0037】
第2給紙搬送路310へ送り込まれたシートは、第2給紙搬送路310に設けられた搬送ローラ対360によってレジストローラ対320に向けて送り出される。上述の戻し搬送路350は、第2給紙搬送路310の搬送ローラ対360の上流で合流する。したがって、第2給紙搬送路310の搬送ローラ対360は、戻し搬送路350を通じて第2給紙搬送路310に供給されたシートも同様にレジストローラ対320へ送り出す。レジストローラ対320の上流で、第1給紙搬送路530及び第2給紙搬送路310は合流する。したがって、レジストローラ対320は、第1給紙搬送路530又は第2給紙搬送路310を通じて搬送されたシートを画像形成部410へ供給する。
【0038】
画像形成部410は、イエロー用トナーコンテナ900Y、マゼンタ用トナーコンテナ900M、シアン用トナーコンテナ900C、ブラック用トナーコンテナ900Kを含む。これらコンテナの下方には、YMCK各色に対応する現像装置10Y、10M、10C、10Kがそれぞれ配設される。画像形成部410は、これらトナーコンテナ900Y、900M、900C、900Kに収容されたトナーを用いて、シートに画像を形成する。
【0039】
画像形成部410は、各色のトナー像を担持する感光体ドラム17(電子写真方式で潜像が形成される感光体)を含む。感光体ドラム17として、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。各感光体ドラム17には、トナーコンテナ900Y、900M、900C、900Kからそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが供給される。
【0040】
感光体ドラム17の周囲には、帯電器16、現像装置10(10Y、10M、10C、10K)、転写器(転写ローラ)19及びクリーニング装置18が配置される。帯電器16は、感光体ドラム17の表面を均一に帯電する。帯電後の感光体ドラム17の表面は、露光ユニット94によって露光され、静電潜像が形成される。露光ユニット94は、例えば、外部装置からの画像信号(画像情報を含む信号)に基づき、レーザ光を照射する。現像装置10Y、10M、10C、10Kは、それぞれトナーコンテナ900Y、900M、900C、900Kから供給される各色のトナーを用いて、各々の感光体ドラム17上に形成された静電潜像を現像(可視像化)する。転写ローラ19は、中間転写ベルト921を挟んで感光体ドラム17とニップ部を形成し、感光体ドラム17上のトナー像を中間転写ベルト921上に一次転写する。クリーニング装置18は、トナー像転写後の感光体ドラム17の周面を清掃する。
【0041】
各現像装置10Y、10M、10C、10Kは、現像筐体20を備える。現像筐体20の内部には、磁性キャリアとトナーとを有する2成分現像剤が収納される。また、現像筐体20内には、現像筐体20の底部近傍に長手方向を軸方向として並列に2本の攪拌ローラ11、12(現像剤攪拌部材)が回転可能に配置される。
【0042】
現像筐体20の内部底面には、現像剤の循環経路が設定されており、攪拌ローラ11、12は循環経路内に配設される。攪拌ローラ11、12の間の軸方向には、現像筐体20の底部から立設された仕切り壁201が設けられる。仕切り壁201は、循環経路を区画する。仕切り壁201の周囲を周回するように、循環経路が形成される。2成分現像剤は、循環経路を攪拌ローラ11及び12によって攪拌、搬送されながら帯電される。
【0043】
2成分現像剤は、攪拌ローラ11及び12によって攪拌されつつ現像筐体20内を循環し、トナーが帯電される。攪拌ローラ11上の2成分現像剤は、上側に位置する磁気ローラ14に吸引されて搬送される。吸引された2成分現像剤は、磁気ローラ14上に磁気ブラシ(図示せず)を形成する。磁気ブラシは、ドクターブレード13によって層厚規制される。現像ローラ15上のトナー層は、磁気ローラ14と現像ローラ15との間の電位差によって形成される。トナー層によって感光体ドラム17上の静電潜像が現像される。
【0044】
露光ユニット94は、光源やポリゴンミラー、反射ミラー、偏向ミラーなどの各種の光学系機器を有し、画像形成部410の各々に設けられた感光体ドラム17の周面に、画像信号に基づく光を照射して、静電潜像を形成する。
【0045】
中間転写ユニット92は、中間転写ベルト921、駆動ローラ922及び従動ローラ923を備える。中間転写ベルト921上には、複数の感光体ドラム17からトナー像が重ね塗りされる(一次転写)。重ね塗りされたトナー像は、カセット300又はトレイ510から供給されるシートに二次転写部98において二次転写される。中間転写ベルト921を周回駆動させる駆動ローラ922及び従動ローラ923は、筐体2によって回転自在に支持される。
【0046】
レジストローラ320から送り出されたシートは、二次転写部98を構成する中間転写ベルト921及び転写ローラ981との間に供給される。その後、シートは二次転写部98によって転写されたトナー画像を担持しつつ、定着部430へ送り出される。
【0047】
定着部430は、ヒータ431を内蔵する加熱ローラ432と、加熱ローラ432に圧接される加圧ローラ433とを含む。二次転写部98から送り出されたシートは、加熱ローラ432と加圧ローラ433との間に送り込まれる。シート上のトナーは加熱ローラ432からの熱エネルギを受け溶融し、加圧ローラ433からの圧力を受けることにより、シートに定着されることとなる。定着部430は、シートにトナーを定着した後、排出搬送路340を介してシートを排出部450へ送る。
【0048】
排出部450は、排出ローラ対451を含む。排出ローラ対451は正転・逆転可能に形成される。これにより、上述のスイッチバック動作が達成されることとなる。
【0049】
図3は、第1給紙搬送路530を形成する搬送機構600の側面図である。図3と併せて、図2を参照しつつ、搬送機構600が説明される。
【0050】
搬送機構600は、第1搬送要素610と、第1搬送要素610の下方に配設される第2搬送要素620とを含む。第2搬送要素620の上面は、第1搬送要素610の下面に沿い、第1給紙搬送路530の少なくとも一部を形成する。以下の説明において、第2搬送要素620の上面が第1搬送要素610の下面に沿う第2搬送要素620の位置は、便宜的に、第1位置と称される。第1位置よりも第1搬送要素610から離間した第2搬送要素620の位置は、便宜的に、第2位置と称される。
【0051】
第1搬送要素610の上流端には、図2に関連して説明された給紙構造体520が形成される。上述の如く、給紙構造体520は、第1搬送要素610と第2搬送要素620との間に形成される第1給紙搬送路530にシートを給紙する。
【0052】
上述の如く、第2搬送要素620は、第1搬送要素610に対向して配設され、第1搬送要素610と協働して第1給紙搬送路530を形成する。第2搬送要素620は、給紙構造体520からの第1シートの給紙方向に沿って配設される上流要素622と下流要素621とを含む。上流要素622及び下流要素621は互いに回動可能に接続される。図3には、上流要素622と下流要素621とを回動可能に接続するピン624が示されているが、他の実施形態において、上流要素622と下流要素621とを回動可能に接続するように形成された適切な接続部材が用いられてもよい。上流要素622の上流端の側面から第1ボス625が突出し、下流要素621の下流端の側面から第2ボス623が突出する。
【0053】
図4は、筐体2の側壁25の内壁に接続された第2搬送要素620の斜視図である。図4に示される第2搬送要素620は、第1位置に存する。尚、図4において、第1搬送要素610及びカセット300は示されていない。図4と併せて、図1乃至図3を参照しつつ、第2搬送要素が更に説明される。
【0054】
筐体2の左右側壁25の内壁には、レール部640が凹設される。レール部640は、上流要素622の左右側面から突出する第1ボス625と噛み合うとともに上流要素622を第1位置から第2位置へ案内する第1レール部641と、下流要素621の左右側面から突出する第2ボス623と噛み合うとともに下流要素621を第1位置から第2位置へ案内する第2レール部642と、第1レール部641の下端及び第2レール部642の下端と接続されるとともに水平方向(カセット300の挿脱方向)に延びる第3レール部643とを含む。第3レール部643は、筐体2からのカセット300の挿脱を案内するように形成されてもよい。第2搬送要素620は、第1レール部641及び第2レール部642に案内され、第1位置から第2位置に変位された後、第3レール部643案内され、カセット300の挿脱方向に移動可能となる。
【0055】
第1レール部641は、上流要素622の第1位置を定める地点から第2位置を定める地点にかけて上流方向に傾斜する上流壁644と、上流要素622の第1位置を定める地点から第2位置を定める地点にかけて下流方向に傾斜する下流壁645と、を含む。第2レール部642は、第1レール部641の上流壁644の傾斜方向に沿うように、下流要素621の第1位置を定める地点から第2位置を定める地点にかけて上流方向に傾斜する。
【0056】
図5は、画像形成装置1の筐体2から完全に引き出された第2搬送要素620を示す斜視図である。図5と併せて、図1、図3及び図4を参照しつつ、第2搬送要素620に対する操作が説明される。
【0057】
使用者は、カセット300を筐体2から引き出した後、図5に示されるように第2搬送要素620を筐体2から完全に引き抜くことができる。使用者は、カセット300を筐体2から除去した後、第2搬送要素620を下方に変位させる。上流要素622が、第1位置から第2位置に変位されるとき、上流要素622の第1ボス625は、第1レール部641の上流壁644に案内され、上流方向に移動しながら、下方に変位する。下流要素621が、第1位置から第2位置に変位されるとき、上流要素622と同様に、下流要素621の第2ボス623は、第2レール部642に案内されつつ、上流方向に移動しながら、下方に変位する。その後、使用者は、第2位置に存する第2搬送要素620を第3レール部643に沿って、筐体2から引き出すことができる。この結果、第1搬送要素610と第2搬送要素620との間で形成された第1給紙搬送路530中で詰まったシートは、第2搬送要素620とともに筐体2外へ移動することとなる。或いは、第1給紙搬送路530中で詰まったシートは、カセット300が収容された空間に落下することとなる。かくして、使用者は、効率的に第1給紙搬送路530中で詰まったシートを除去することができる。
【0058】
第1給紙搬送路530中で詰まったシートを除去した後、使用者は下流要素621から筐体2内に第2搬送要素620を押し込むことができる。下流要素621は第3レール部643に案内されて、筐体2内を水平方向に移動する。その後、第2ボス623が第3レール部643の下流端から第2レール部642に乗り移ると、下流要素621は上流要素622に対して屈曲することとなる。第2ボス623が第2レール部642の上端に到達した後、使用者は、上流要素622を上方に押し上げることができる。この結果、上流要素622の第1ボス625は、第1レール部641の下流壁645に案内され、上方に移動しつつ、上流方向に移動する。第1ボス625が第1レール部641の上流端に到達したとき、上流要素622の上面及び下流要素621の上面は、互いに略面一となる。この結果、第1位置に到達した第2搬送要素620は、第1搬送要素610と協働して、第1給紙搬送路530を形成することとなる。
【0059】
図6は、第2搬送要素620を第1位置に位置決めするための位置決め機構を概略的に説明するための搬送機構600の側面図である。図7は、第2搬送要素620を第1位置に位置決めするための位置決め機構を概略的に説明する断面図である。図6及び図7と併せて、図3及び図4を参照しつつ、位置決め機構が説明される。
【0060】
搬送機構600は、第2搬送要素620を第1位置に位置決めするための位置決め機構630を含む。位置決め機構630は、第1搬送要素610の側面に取り付けられた略矩形状の枠体631と、上流要素622に埋設された付勢部材632と、付勢部材632の先端に取り付けられた係合片633とを含む。枠体631には、係合穴634が形成される。本実施形態において、付勢部材632としてコイルバネが用いられるが、他の実施形態において、係合片633を上流要素622の側面に対して出没可能にさせる任意の部材が付勢部材632として用いられてもよい。
【0061】
下流要素621が第1位置にあるとき、上述の如く、上流要素622は第1搬送要素610に沿う位置に配設される。このとき、位置決め機構630の係合片633は係合穴634に挿通される。この結果、上流要素622並びに下流要素621は第1搬送要素610に対して位置決めされ、第1位置で固定されることとなる。
【0062】
使用者が、上流要素622の上流縁に形成された取手部635に対して下方に力を加えると、係合片633は上流要素622に埋没し、係合片633と係合穴634との係合が解除される。かくして、使用者は第1搬送要素610と第2搬送要素620との間に比較的容易に空間を形成することが可能となる。したがって、搬送機構600内で詰まったシートの除去が容易化される。
【0063】
図8は、レール部640の他の構造を示す斜視図である。尚、以下に説明される実施形態において、搬送機構600の構造は、図3乃至図7に関連されたものと略同様である。図8と併せて、図4を参照しつつ、レール部640が説明される。
【0064】
図8に示されるレール部640の第3レール部643は、上流の第1区間と下流の第2区間とに区分される。第1区間は、上流要素622の第1ボス625を案内するために用いられる第2区間は、下流要素621の第2ボス623を案内するために用いられる。尚、本実施形態において、第2ボス623と第3レール部643との間の噛み合い深さは、第1ボス625と第3レール部643との間の噛み合い深さよりも深く設計される。
【0065】
図9は、第1区間と第2区間との間の境界周囲の拡大斜視図である。図9と併せて、図4及び図8を参照しつつ、第3レール部643が更に説明される。
【0066】
図9に示される如く、第2区間の第3レール部643は、第1区間の第3レール部643よりも深く形成されてもよい。この結果、第1区間と第2区間との間に、第1区間へ向かう第2ボス623の移動を規制する規制部646が形成される。尚、本実施形態において、第3レール部643の深さを変えて規制部646が形成されたが、他の実施形態において、第3レール部643を横切る任意の壁、第3レール部643の内方に突出する突出部、第3レール部643のレール幅の縮小部分といった第2ボス623の移動を規制するための任意の構造、形状或いは寸法が規制部646として用いられてもよい。
【0067】
図10は、図8及び図9に関連して説明されたレール部640に案内される第2搬送要素620の底面図である。図10と併せて、図8及び図9を参照しつつ、第2搬送要素620が説明される。
【0068】
図10に示される如く、下流要素621の側面から突出する第2ボス623は、上流要素622の側面から突出する第1ボス625よりも長く形成される。第2搬送要素620の側面からの第1ボス625と第2ボス623との間の突出量の差Xは、第3レール部643の第1区間と第2区間との間の深さの差に略等しい。
【0069】
図11は、筐体2から引き出される第2搬送要素620を示す斜視図である。図11と併せて、図8乃至図10を参照しつつ、第2搬送要素620の移動が説明される。
【0070】
使用者が第3レール部643に沿って第2搬送要素620を筐体2から引き出すと、第2ボス623は、第2区間から第1区間に向けて移動する。第2ボス623が第2区間の上流端に到達すると、第2ボス623は規制部646に引っかかり、第2搬送要素620の移動が妨げられることとなる。この結果、第2搬送要素620は、筐体2から部分的に引き出されることとなる。
【0071】
図12は、筐体2から部分的に引き出された第2搬送要素620を示す斜視図である。図12と併せて、図8乃至図11を参照しつつ、第2搬送要素620が説明される。
【0072】
筐体2から部分的に引き出された第2搬送要素620は、上流要素622は、自重により、筐体2外に露出したピン624を軸に下方に回動する。この結果、使用者は、上流要素622に邪魔されることなく、筐体2内で詰まったシートの除去作業を行うことが可能となる。また、上流要素622が筐体2から突出しないので、使用者が過度の負荷を第2搬送要素620に与えることが好適に避けられることとなる。
【0073】
図12に示される如く、下流要素621は、筐体2内に留まっている。したがって、使用者は、筐体2内のシートを除去した直後に、第2搬送機構620を第3レール部643に案内させて、筐体2内に収容することが可能となる。その後、第2搬送機構620は、上述の如く、第1レール部641及び第2レール部642に案内され、第1位置に設置され、位置決め機構630によって、位置決めされる。
【0074】
上記の実施形態においては、図12に示されるように、使用者は筐体2の正面側からシートを除去することができる。尚、他の実施形態において、筐体2の左右側壁25が開放可能に形成されてもよい。この場合、使用者は搬送機構600の側方からシートを除去することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、これらの機能を併せ持つ複合機やシートに画像を形成する各種装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0076】
1・・・・・画像形成装置
2・・・・・筐体
300・・・カセット
410・・・画像形成部
520・・・給紙構造体
530・・・第1給紙搬送路
600・・・搬送機構
610・・・第1搬送要素
620・・・第2搬送要素
621・・・下流要素
622・・・上流要素
623・・・第2ボス
625・・・第1ボス
630・・・位置決め機構
632・・・付勢部材
633・・・係合片
634・・・係合穴
640・・・レール部
641・・・第1レール部
642・・・第2レール部
643・・・第3レール部
644・・・上流壁
645・・・下流壁
646・・・規制部
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートの詰まりを好適に解除可能に形成された搬送機構が組み込まれた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機、プリンタ、ファクシミリ或いはこれらの機能を備える複合機といった画像形成装置は、一般的に、筐体内でシートを搬送しつつ、トナー画像を形成する。多くの画像形成装置は、筐体内で詰まったシートを除去するための機構を備える。
【0003】
例えば、特許文献1は、リンク機構で接続された給紙部と搬送部とを一体的に筐体から引き出し、筐体内で詰まったシートを除去することを可能とする除去機構を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−112848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の開示技術によれば、給紙部及び搬送部が一体的に筐体から引き出されることによって、比較的効率よく、筐体内で詰まったシートが除去されることとなる。しかしながら、給紙部と搬送部とを一体化させるリンク機構は、装置全体を大型化するという欠点がある。また、不必要に給紙部が移動されるため、シートを給紙するための好適な設定が変動しやすくなるため、給紙不良を生じやすいという欠点もある。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、シートを給紙するための給紙機構を不必要に移動させることなく、効率的なシートの除去作業を可能とする比較的小型の搬送機構及びこの搬送機構が組み込まれた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成部を収容する筐体と、前記画像形成部に前記シートを案内する搬送路の少なくとも一部を形成する搬送機構と、を備え、該搬送機構は、前記シートを給紙するための給紙構造体が形成された上流端を含む第1搬送要素と、該第1搬送要素に対向して配設され、該第1搬送要素と協働して前記少なくとも一部の搬送路を形成する第2搬送要素と、を含み、前記筐体は、前記第2搬送要素が前記第1搬送要素に沿い、前記少なくとも一部の搬送路を形成する第1位置から、前記第1搬送要素から離間する第2位置までの変位を案内するレール部を含むことを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、シートは、搬送機構が形成する少なくとも一部の搬送路を通じて、画像形成部に案内される。画像形成部は、シートに画像を形成する。搬送機構の第1搬送要素は、給紙構造体が形成された上流端を含む。給紙構造体は、シートを搬送する。搬送機構の第2搬送要素は、第1搬送要素と協働して少なくとも一部の搬送路を形成する第1位置から、第1搬送要素から離間する第2位置まで、レール部に案内されつつ変位する。したがって、第2位置にある第2搬送要素と第1搬送要素との間に空間が確保され、第1搬送要素と第2搬送要素とによって形成される搬送路で詰まったシートは、給紙構造体を含む第1搬送要素を移動させることなく、且つ、画像形成装置を大型化させるリンク機構を要することなく、効率的に除去されることとなる。
【0009】
上記構成において、前記筐体に挿脱可能に取り付けられるカセットを更に含み、前記第2搬送要素は、前記シートの給紙方向に沿って配設されるとともに互いに回動可能に接続される上流要素と、下流要素とを含み、前記レール部は、前記第2搬送要素が前記第1位置から前記第2位置に変位するときに前記上流要素を案内する第1レール部と、前記第2搬送要素が前記第1位置から前記第2位置に変位するときに前記下流要素を案内する第2レール部と、前記カセットの挿脱を案内する第3レール部とを含み、前記第1レール部及び前記第2レール部は、前記第3レール部に接続され、前記第2位置にある前記第2搬送要素は、前記第3レール部に案内され、前記カセットの挿脱方向に移動可能であることが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、第2搬送要素が第1位置から第2位置まで案内されるとき、第2搬送要素の上流要素は第1レール部によって案内される。第2搬送要素が第1位置から第2位置まで案内されるとき、第2搬送要素の下流要素は第2レール部によって案内される。第2位置にある第2搬送要素は、カセットの挿脱を案内する第3レール部によって、カセットの挿脱方向に移動される。したがって、第2搬送要素をカセットの挿脱方向に移動させるための特別な部品を要することなく、第2搬送要素はカセットの挿脱方向に移動可能となる。第2搬送要素が筐体から引き出されたとき、第1搬送要素と第2搬送要素とで形成された少なくとも一部の搬送路中で詰まったシートは、第2搬送要素とともに筐体から引き出され、或いは、カセットが収容されていた空間内で回収されることとなる。かくして、効率的にシートの回収がなされることとなる。また、上流要素は下流要素に対して回動可能であるので、下流要素が筐体内に留まっている間、上流要素は、下流要素に対して折り曲げ可能であり、筐体からの突出量が低減されることとなる。この結果、使用者が筐体から突出した上流要素に接触することに起因する搬送機構の損傷が好適に抑制されることとなる。
【0011】
上記構成において、前記第1レール部は、前記第1位置から前記第2位置に向かうにつれて、上流方向に傾斜する上流壁と、下流方向に傾斜する下流壁と、を含み、前記上流要素は、前記第1レール部に案内される第1ボスを含むことが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、第2搬送要素が第1位置から第2位置に変位されるとき、第1ボスは上流壁に案内される。この結果、第2搬送要素は、上流方向に移動しつつ第1位置から第2位置に変位される。したがって、筐体からの第2搬送要素の引き出しが効率的に行われることとなる。また、使用者が第2搬送要素を筐体内に戻すとき、第2搬送要素は、第2壁に案内されつつ、第1位置に至ることとなる。第1レール部が、第1位置から第2位置に向かうにつれて、上流方向に傾斜する上流壁と、下流方向に傾斜する下流壁とを含むので、第3レールから第1レール部への第1ボスの乗り移りは比較的円滑に行われる。したがって、第2位置から第1位置への第2搬送要素の変位を効率的に行うことが可能となる。
【0013】
上記構成において、前記第2レール部は、前記上流壁の傾斜方向に沿って傾斜しつつ、前記第1位置から前記第2位置に向けて延び、前記下流要素は、前記第2レール部に案内される第2ボスを含むことが好ましい。
【0014】
上記構成によれば、第2レール部は第1レール部の上流壁の傾斜方向に沿って延びるので、第2搬送要素の第1位置から第2位置への変位が好適に行われることとなる。また、第2位置から第1位置へ第2搬送要素が戻されるとき、下流要素は、第2レール部に案内され、上流要素に対して屈曲する。第1レール部の下流壁は、下流要素が上流要素に対して屈曲しても、好適に上流要素を第1位置から第2位置へ案内する。上流要素が第1レール部の下流壁に案内されつつ第2位置から第1位置に移動する間、上流要素と下流要素との間の屈曲は徐々に解消されることとなる。
【0015】
上記構成において、前記第3レール部は、前記第1ボスを案内する第1区間と前記第2ボスを案内する第2区間との間に、前記第1区間に向かう前記第2ボスの移動を規制する規制部を含むことが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、第3レール部の規制部によって、第2ボスの移動が規制されることとなる。したがって、下流要素は、筐体内に留まることとなる。かくして、第2搬送要素は、第2位置から第1位置へ戻す作業が効率的に行われることとなる。
【0017】
上記構成において、前記第1位置に存する前記第2搬送要素の前記上流要素を位置決めする位置決め機構を更に備えることが好ましい。
【0018】
上記構成によれば、位置決め機構によって、第1位置に存する第2搬送要素の上流要素が位置決めされることとなる。この間、第2レール部は、第1レール部の上流壁の傾斜方向に沿って延びるので、下流要素が意図せず第2位置へ移動することが抑制される。
【0019】
上記構成において、前記位置決め機構は、前記第1搬送要素に形成された係合穴と、前記上流要素に対して出没可能に取り付けられるとともに前記係合穴に係合可能に形成される係合片と、該係合片を前記上流要素に対して突出させるように付勢する付勢部材と、を含むことが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、第1搬送要素に形成された係合穴に、上流要素に取り付けられた係合片が係合することによって、上流要素が第1搬送要素に対して位置決めされる。
【発明の効果】
【0021】
上述の如く、本発明は、シートを給紙するための給紙機構を不必要に移動させることなく、効率的なシートの除去作業を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の斜視図である。
【図2】図1に示される画像形成装置の内部構造を概略的に示す図である。
【図3】図2に示される画像形成装置の搬送機構を示す側面図である。
【図4】図2に示される画像形成装置の搬送機構を示す斜視図である。
【図5】筐体から完全に引き出された搬送機構を示す斜視図である。
【図6】搬送機構の位置決め機構を説明する側面図である。
【図7】搬送機構の位置決め機構を概略的に説明する断面図である。
【図8】レール部の他の構造を示す斜視図である。
【図9】第3レール部の第1区間と第2区間との間の境界周囲の拡大斜視図である。
【図10】図8に示されるレール部に案内される搬送機構の底面図である。
【図11】筐体から引き出される搬送機構の斜視図である。
【図12】筐体から引き出される搬送機構の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。尚、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」や「右」などの方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、何ら本発明を限定するものではない。また、以下の説明において、「シート」との用語は、コピー用紙、コート紙、OHPシート、厚紙、葉書、トレーシングペーパや画像形成処理を受ける他のシート材料を意味する。「シートの先頭縁」との用語は、シートの搬送方向において、先頭に位置するシートの縁を意味する。以下の説明で用いられる「上流」、「下流」及びこれらに類する用語は、シートの搬送方向における「上流」、「下流」及びこれらに類する概念を意味する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。尚、図1の画像形成装置は、プリンタであるが、他の実施形態において、コピー機、ファクシミリ、これらの機能を備える複合機やシートに画像を形成可能な他の装置であってもよい。
【0025】
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体2と、筐体2の正面側に突出するトレイ510と、トレイ510の下方に配設されるカセット300とを備える。筐体2は、シートに画像を形成するのに必要な様々な機器(例えば、後述される画像形成部を構成する要素)を収容する。トレイ510は、トレイ510の下縁を軸に、筐体2に回動可能に取り付けられる。図1に示されるトレイ510は、上述の如く、筐体2から突出する突出位置にある。使用者は、突出位置にあるトレイ510上にシートを載置することができる。トレイ510上のシートは、後述される給紙構造体によって、シートに画像を形成する画像形成部に向けて給紙されることとなる。使用者が、トレイ510を突出位置から筐体2に近づけるように回動させると、トレイ510は筐体2に形成された凹領域21内に収容されることとなる。カセット300は、筐体2に対して、挿脱可能に形成される。使用者は、カセット300を筐体2から正面側に引き抜き、カセット300内にシートを収容することができる。カセット300内に所望のシートを収容した後、使用者はカセット300を筐体2内に挿入することができる。以下の説明において、トレイ510に載置されたシートは第1のシートと便宜的に称され、カセット300内に収容されたシートは、第2のシートと便宜的に称される。画像形成装置1は、第1のシート及び第2のシートを画像形成部に選択的に搬送し、シートにトナー画像を形成することができる。
【0026】
トレイ510の上方に操作パネル22が配設される。使用者は、操作パネル22を操作し、画像形成装置1の所望の動作をさせることができる。操作パネル22は、例えば、トナー画像の濃さを調節するためのボタンを含んでもよい。画像形成装置1は、操作パネル22への使用者による入力及び外部装置(例えば、パーソナルコンピュータ)から送られる画像信号(印刷対象となる画像に関する情報を含む信号)に従って、シートにトナー画像を形成する。
【0027】
トレイ510又はカセット300から給紙されたシートは、画像形成部によってトナー画像の形成がなされた後、筐体2の上面に形成された排紙トレイ23上に排出されることとなる。排紙トレイ23の上側には、略三角柱状の空間が形成され、当該空間内に画像形成処理が施与されたシートが蓄積されることとなる。
【0028】
図2は、画像形成装置1の内部構造を概略的に示す。図2と併せて、図1を参照しつつ、画像形成装置1が更に説明される。
【0029】
トレイ510又はカセット300から搬送されたシートは、筐体2内で形成された搬送路に案内されつつ、シートにトナー画像を形成する画像形成部410及びトナー画像をシートに定着させる定着部430へ搬送される。その後、シートは、排出部450を通じて、排紙トレイ23上に排出される。
【0030】
搬送路は、第1シートを筐体2内へ引き込み、画像形成部410に給紙する給紙構造体520を上流端として、筐体2の背面壁24に向けて延びる第1給紙搬送路530と、第1給紙搬送路530の下方に位置するカセット300の下流端(図2中、右端)から上方に向けて延びる第2給紙搬送路310とを含む。第1給紙搬送路530及び第2給紙搬送路310は、画像形成部410の画像形成工程とタイミングを合わせて、画像形成部410にシートを送るレジストローラ対320の上流で合流する。カセット300の上方に位置する第1給紙搬送路530の略直線状の区間は、後述される搬送機構600によって形成される。
【0031】
搬送路は更に、レジストローラ対320から定着部430までの区間、シートを案内する主搬送路330と、定着部430から排出部450までの区間、シートを案内する排出搬送路340とを含む。主搬送路330に沿って移動するシートに画像形成部410はトナー画像を形成し、定着部430は、シートにトナー画像を定着させる。使用者が片面印刷を画像形成装置1にさせるとき、定着部430から排出搬送路340へ送り出されたシートを排出部450は筐体2外へ排出する。排出されたシートは、排紙トレイ23上に積層されることとなる。
【0032】
使用者が両面印刷を画像形成装置1にさせるとき、排出部450は、定着部430から排出搬送路340へ送り出されたシートを所定量だけ筐体2外へ送り出した後、筐体2内へ引き戻すスイッチバック動作を実行する。搬送路は更に、排出部450によって引き戻されたシートを案内するための戻し搬送路350を含む。戻し搬送路350は、排出部450から筐体2の背面壁24へ向かって延び、その後、下方に向けて延びる。更にその後、戻し搬送路350は、第2給紙搬送路310に向けて延び、第2給紙搬送路310と合流する。
【0033】
第1給紙搬送路530、第2給紙搬送路310、主搬送路330、排出搬送路340及び戻し搬送路350の適所には、これら搬送路に案内されるシートを搬送するための搬送ローラ対360が配設される。
【0034】
上述の如く、トレイ510上に載置されたシートは、給紙構造体520によって、搬送機構600が形成する第1給紙搬送路530に送り込まれる。給紙構造体520は、筐体2に向けて下方に傾斜したトレイ510上のシートの先頭縁を押し上げるリフト板521と、リフト板521によって押し上げられたシートの先頭縁と接触可能に配設された給紙ローラ522と、給紙ローラ522の下方に配設された分離パッド523とを含む。給紙ローラ522が回転すると、シートは、給紙ローラ522と分離パッド523との間を通過し、第1給紙搬送路530内へ送り込まれる。分離パッド523は、給紙ローラ522と分離パッド523との間を通過するシートに対して摩擦力を与える。したがって、給紙ローラ522が複数枚のシートを第1給紙搬送路530へ送り込もうとするとき、分離パッド523は最上位にあるシート(給紙ローラ522と直接的に接触するシート)以外のシートに搬送方向と逆方向に作用する摩擦力を与え、第1給紙搬送路530内への搬送を妨げる。この結果、シートは1枚ずつ第1給紙搬送路530内へ送り込まれることとなる。
【0035】
他のもう1つの給紙源として用いられるカセット300は、シートを支持するリフト板305を含む。リフト板305は、カセット300内のシートの先頭縁を上方に押し上げるように傾斜する。リフト板305の下流端の上方には、ピックアップローラ311が配設される。ピックアップローラ311は、リフト板305が押し上げたシートの先頭縁に接触する。この結果、ピックアップローラ311が回転すると、シートはカセット300から下流へ送り出されることとなる。
【0036】
ピックアップローラ311の下流には、給紙ローラ312及び給紙ローラ312の下方に位置する捌きローラ313が配設される。ピックアップローラ311は、給紙ローラ312と捌きローラ313との間にシートを送り込む。給紙ローラ312は、シートを更に下流へ送り出すように回転する。一方、捌きローラ313は、シートをカセット300に戻す方向に回転する。したがって、ピックアップローラ311が複数枚のシートを送り出したとき、捌きローラ313は最上位にあるシート(給紙ローラ312と直接的に接触するシート)以外のシートをカセット300に押し戻す。この結果、シートは1枚ずつ第2給紙搬送路310へ送り込まれることとなる。
【0037】
第2給紙搬送路310へ送り込まれたシートは、第2給紙搬送路310に設けられた搬送ローラ対360によってレジストローラ対320に向けて送り出される。上述の戻し搬送路350は、第2給紙搬送路310の搬送ローラ対360の上流で合流する。したがって、第2給紙搬送路310の搬送ローラ対360は、戻し搬送路350を通じて第2給紙搬送路310に供給されたシートも同様にレジストローラ対320へ送り出す。レジストローラ対320の上流で、第1給紙搬送路530及び第2給紙搬送路310は合流する。したがって、レジストローラ対320は、第1給紙搬送路530又は第2給紙搬送路310を通じて搬送されたシートを画像形成部410へ供給する。
【0038】
画像形成部410は、イエロー用トナーコンテナ900Y、マゼンタ用トナーコンテナ900M、シアン用トナーコンテナ900C、ブラック用トナーコンテナ900Kを含む。これらコンテナの下方には、YMCK各色に対応する現像装置10Y、10M、10C、10Kがそれぞれ配設される。画像形成部410は、これらトナーコンテナ900Y、900M、900C、900Kに収容されたトナーを用いて、シートに画像を形成する。
【0039】
画像形成部410は、各色のトナー像を担持する感光体ドラム17(電子写真方式で潜像が形成される感光体)を含む。感光体ドラム17として、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。各感光体ドラム17には、トナーコンテナ900Y、900M、900C、900Kからそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが供給される。
【0040】
感光体ドラム17の周囲には、帯電器16、現像装置10(10Y、10M、10C、10K)、転写器(転写ローラ)19及びクリーニング装置18が配置される。帯電器16は、感光体ドラム17の表面を均一に帯電する。帯電後の感光体ドラム17の表面は、露光ユニット94によって露光され、静電潜像が形成される。露光ユニット94は、例えば、外部装置からの画像信号(画像情報を含む信号)に基づき、レーザ光を照射する。現像装置10Y、10M、10C、10Kは、それぞれトナーコンテナ900Y、900M、900C、900Kから供給される各色のトナーを用いて、各々の感光体ドラム17上に形成された静電潜像を現像(可視像化)する。転写ローラ19は、中間転写ベルト921を挟んで感光体ドラム17とニップ部を形成し、感光体ドラム17上のトナー像を中間転写ベルト921上に一次転写する。クリーニング装置18は、トナー像転写後の感光体ドラム17の周面を清掃する。
【0041】
各現像装置10Y、10M、10C、10Kは、現像筐体20を備える。現像筐体20の内部には、磁性キャリアとトナーとを有する2成分現像剤が収納される。また、現像筐体20内には、現像筐体20の底部近傍に長手方向を軸方向として並列に2本の攪拌ローラ11、12(現像剤攪拌部材)が回転可能に配置される。
【0042】
現像筐体20の内部底面には、現像剤の循環経路が設定されており、攪拌ローラ11、12は循環経路内に配設される。攪拌ローラ11、12の間の軸方向には、現像筐体20の底部から立設された仕切り壁201が設けられる。仕切り壁201は、循環経路を区画する。仕切り壁201の周囲を周回するように、循環経路が形成される。2成分現像剤は、循環経路を攪拌ローラ11及び12によって攪拌、搬送されながら帯電される。
【0043】
2成分現像剤は、攪拌ローラ11及び12によって攪拌されつつ現像筐体20内を循環し、トナーが帯電される。攪拌ローラ11上の2成分現像剤は、上側に位置する磁気ローラ14に吸引されて搬送される。吸引された2成分現像剤は、磁気ローラ14上に磁気ブラシ(図示せず)を形成する。磁気ブラシは、ドクターブレード13によって層厚規制される。現像ローラ15上のトナー層は、磁気ローラ14と現像ローラ15との間の電位差によって形成される。トナー層によって感光体ドラム17上の静電潜像が現像される。
【0044】
露光ユニット94は、光源やポリゴンミラー、反射ミラー、偏向ミラーなどの各種の光学系機器を有し、画像形成部410の各々に設けられた感光体ドラム17の周面に、画像信号に基づく光を照射して、静電潜像を形成する。
【0045】
中間転写ユニット92は、中間転写ベルト921、駆動ローラ922及び従動ローラ923を備える。中間転写ベルト921上には、複数の感光体ドラム17からトナー像が重ね塗りされる(一次転写)。重ね塗りされたトナー像は、カセット300又はトレイ510から供給されるシートに二次転写部98において二次転写される。中間転写ベルト921を周回駆動させる駆動ローラ922及び従動ローラ923は、筐体2によって回転自在に支持される。
【0046】
レジストローラ320から送り出されたシートは、二次転写部98を構成する中間転写ベルト921及び転写ローラ981との間に供給される。その後、シートは二次転写部98によって転写されたトナー画像を担持しつつ、定着部430へ送り出される。
【0047】
定着部430は、ヒータ431を内蔵する加熱ローラ432と、加熱ローラ432に圧接される加圧ローラ433とを含む。二次転写部98から送り出されたシートは、加熱ローラ432と加圧ローラ433との間に送り込まれる。シート上のトナーは加熱ローラ432からの熱エネルギを受け溶融し、加圧ローラ433からの圧力を受けることにより、シートに定着されることとなる。定着部430は、シートにトナーを定着した後、排出搬送路340を介してシートを排出部450へ送る。
【0048】
排出部450は、排出ローラ対451を含む。排出ローラ対451は正転・逆転可能に形成される。これにより、上述のスイッチバック動作が達成されることとなる。
【0049】
図3は、第1給紙搬送路530を形成する搬送機構600の側面図である。図3と併せて、図2を参照しつつ、搬送機構600が説明される。
【0050】
搬送機構600は、第1搬送要素610と、第1搬送要素610の下方に配設される第2搬送要素620とを含む。第2搬送要素620の上面は、第1搬送要素610の下面に沿い、第1給紙搬送路530の少なくとも一部を形成する。以下の説明において、第2搬送要素620の上面が第1搬送要素610の下面に沿う第2搬送要素620の位置は、便宜的に、第1位置と称される。第1位置よりも第1搬送要素610から離間した第2搬送要素620の位置は、便宜的に、第2位置と称される。
【0051】
第1搬送要素610の上流端には、図2に関連して説明された給紙構造体520が形成される。上述の如く、給紙構造体520は、第1搬送要素610と第2搬送要素620との間に形成される第1給紙搬送路530にシートを給紙する。
【0052】
上述の如く、第2搬送要素620は、第1搬送要素610に対向して配設され、第1搬送要素610と協働して第1給紙搬送路530を形成する。第2搬送要素620は、給紙構造体520からの第1シートの給紙方向に沿って配設される上流要素622と下流要素621とを含む。上流要素622及び下流要素621は互いに回動可能に接続される。図3には、上流要素622と下流要素621とを回動可能に接続するピン624が示されているが、他の実施形態において、上流要素622と下流要素621とを回動可能に接続するように形成された適切な接続部材が用いられてもよい。上流要素622の上流端の側面から第1ボス625が突出し、下流要素621の下流端の側面から第2ボス623が突出する。
【0053】
図4は、筐体2の側壁25の内壁に接続された第2搬送要素620の斜視図である。図4に示される第2搬送要素620は、第1位置に存する。尚、図4において、第1搬送要素610及びカセット300は示されていない。図4と併せて、図1乃至図3を参照しつつ、第2搬送要素が更に説明される。
【0054】
筐体2の左右側壁25の内壁には、レール部640が凹設される。レール部640は、上流要素622の左右側面から突出する第1ボス625と噛み合うとともに上流要素622を第1位置から第2位置へ案内する第1レール部641と、下流要素621の左右側面から突出する第2ボス623と噛み合うとともに下流要素621を第1位置から第2位置へ案内する第2レール部642と、第1レール部641の下端及び第2レール部642の下端と接続されるとともに水平方向(カセット300の挿脱方向)に延びる第3レール部643とを含む。第3レール部643は、筐体2からのカセット300の挿脱を案内するように形成されてもよい。第2搬送要素620は、第1レール部641及び第2レール部642に案内され、第1位置から第2位置に変位された後、第3レール部643案内され、カセット300の挿脱方向に移動可能となる。
【0055】
第1レール部641は、上流要素622の第1位置を定める地点から第2位置を定める地点にかけて上流方向に傾斜する上流壁644と、上流要素622の第1位置を定める地点から第2位置を定める地点にかけて下流方向に傾斜する下流壁645と、を含む。第2レール部642は、第1レール部641の上流壁644の傾斜方向に沿うように、下流要素621の第1位置を定める地点から第2位置を定める地点にかけて上流方向に傾斜する。
【0056】
図5は、画像形成装置1の筐体2から完全に引き出された第2搬送要素620を示す斜視図である。図5と併せて、図1、図3及び図4を参照しつつ、第2搬送要素620に対する操作が説明される。
【0057】
使用者は、カセット300を筐体2から引き出した後、図5に示されるように第2搬送要素620を筐体2から完全に引き抜くことができる。使用者は、カセット300を筐体2から除去した後、第2搬送要素620を下方に変位させる。上流要素622が、第1位置から第2位置に変位されるとき、上流要素622の第1ボス625は、第1レール部641の上流壁644に案内され、上流方向に移動しながら、下方に変位する。下流要素621が、第1位置から第2位置に変位されるとき、上流要素622と同様に、下流要素621の第2ボス623は、第2レール部642に案内されつつ、上流方向に移動しながら、下方に変位する。その後、使用者は、第2位置に存する第2搬送要素620を第3レール部643に沿って、筐体2から引き出すことができる。この結果、第1搬送要素610と第2搬送要素620との間で形成された第1給紙搬送路530中で詰まったシートは、第2搬送要素620とともに筐体2外へ移動することとなる。或いは、第1給紙搬送路530中で詰まったシートは、カセット300が収容された空間に落下することとなる。かくして、使用者は、効率的に第1給紙搬送路530中で詰まったシートを除去することができる。
【0058】
第1給紙搬送路530中で詰まったシートを除去した後、使用者は下流要素621から筐体2内に第2搬送要素620を押し込むことができる。下流要素621は第3レール部643に案内されて、筐体2内を水平方向に移動する。その後、第2ボス623が第3レール部643の下流端から第2レール部642に乗り移ると、下流要素621は上流要素622に対して屈曲することとなる。第2ボス623が第2レール部642の上端に到達した後、使用者は、上流要素622を上方に押し上げることができる。この結果、上流要素622の第1ボス625は、第1レール部641の下流壁645に案内され、上方に移動しつつ、上流方向に移動する。第1ボス625が第1レール部641の上流端に到達したとき、上流要素622の上面及び下流要素621の上面は、互いに略面一となる。この結果、第1位置に到達した第2搬送要素620は、第1搬送要素610と協働して、第1給紙搬送路530を形成することとなる。
【0059】
図6は、第2搬送要素620を第1位置に位置決めするための位置決め機構を概略的に説明するための搬送機構600の側面図である。図7は、第2搬送要素620を第1位置に位置決めするための位置決め機構を概略的に説明する断面図である。図6及び図7と併せて、図3及び図4を参照しつつ、位置決め機構が説明される。
【0060】
搬送機構600は、第2搬送要素620を第1位置に位置決めするための位置決め機構630を含む。位置決め機構630は、第1搬送要素610の側面に取り付けられた略矩形状の枠体631と、上流要素622に埋設された付勢部材632と、付勢部材632の先端に取り付けられた係合片633とを含む。枠体631には、係合穴634が形成される。本実施形態において、付勢部材632としてコイルバネが用いられるが、他の実施形態において、係合片633を上流要素622の側面に対して出没可能にさせる任意の部材が付勢部材632として用いられてもよい。
【0061】
下流要素621が第1位置にあるとき、上述の如く、上流要素622は第1搬送要素610に沿う位置に配設される。このとき、位置決め機構630の係合片633は係合穴634に挿通される。この結果、上流要素622並びに下流要素621は第1搬送要素610に対して位置決めされ、第1位置で固定されることとなる。
【0062】
使用者が、上流要素622の上流縁に形成された取手部635に対して下方に力を加えると、係合片633は上流要素622に埋没し、係合片633と係合穴634との係合が解除される。かくして、使用者は第1搬送要素610と第2搬送要素620との間に比較的容易に空間を形成することが可能となる。したがって、搬送機構600内で詰まったシートの除去が容易化される。
【0063】
図8は、レール部640の他の構造を示す斜視図である。尚、以下に説明される実施形態において、搬送機構600の構造は、図3乃至図7に関連されたものと略同様である。図8と併せて、図4を参照しつつ、レール部640が説明される。
【0064】
図8に示されるレール部640の第3レール部643は、上流の第1区間と下流の第2区間とに区分される。第1区間は、上流要素622の第1ボス625を案内するために用いられる第2区間は、下流要素621の第2ボス623を案内するために用いられる。尚、本実施形態において、第2ボス623と第3レール部643との間の噛み合い深さは、第1ボス625と第3レール部643との間の噛み合い深さよりも深く設計される。
【0065】
図9は、第1区間と第2区間との間の境界周囲の拡大斜視図である。図9と併せて、図4及び図8を参照しつつ、第3レール部643が更に説明される。
【0066】
図9に示される如く、第2区間の第3レール部643は、第1区間の第3レール部643よりも深く形成されてもよい。この結果、第1区間と第2区間との間に、第1区間へ向かう第2ボス623の移動を規制する規制部646が形成される。尚、本実施形態において、第3レール部643の深さを変えて規制部646が形成されたが、他の実施形態において、第3レール部643を横切る任意の壁、第3レール部643の内方に突出する突出部、第3レール部643のレール幅の縮小部分といった第2ボス623の移動を規制するための任意の構造、形状或いは寸法が規制部646として用いられてもよい。
【0067】
図10は、図8及び図9に関連して説明されたレール部640に案内される第2搬送要素620の底面図である。図10と併せて、図8及び図9を参照しつつ、第2搬送要素620が説明される。
【0068】
図10に示される如く、下流要素621の側面から突出する第2ボス623は、上流要素622の側面から突出する第1ボス625よりも長く形成される。第2搬送要素620の側面からの第1ボス625と第2ボス623との間の突出量の差Xは、第3レール部643の第1区間と第2区間との間の深さの差に略等しい。
【0069】
図11は、筐体2から引き出される第2搬送要素620を示す斜視図である。図11と併せて、図8乃至図10を参照しつつ、第2搬送要素620の移動が説明される。
【0070】
使用者が第3レール部643に沿って第2搬送要素620を筐体2から引き出すと、第2ボス623は、第2区間から第1区間に向けて移動する。第2ボス623が第2区間の上流端に到達すると、第2ボス623は規制部646に引っかかり、第2搬送要素620の移動が妨げられることとなる。この結果、第2搬送要素620は、筐体2から部分的に引き出されることとなる。
【0071】
図12は、筐体2から部分的に引き出された第2搬送要素620を示す斜視図である。図12と併せて、図8乃至図11を参照しつつ、第2搬送要素620が説明される。
【0072】
筐体2から部分的に引き出された第2搬送要素620は、上流要素622は、自重により、筐体2外に露出したピン624を軸に下方に回動する。この結果、使用者は、上流要素622に邪魔されることなく、筐体2内で詰まったシートの除去作業を行うことが可能となる。また、上流要素622が筐体2から突出しないので、使用者が過度の負荷を第2搬送要素620に与えることが好適に避けられることとなる。
【0073】
図12に示される如く、下流要素621は、筐体2内に留まっている。したがって、使用者は、筐体2内のシートを除去した直後に、第2搬送機構620を第3レール部643に案内させて、筐体2内に収容することが可能となる。その後、第2搬送機構620は、上述の如く、第1レール部641及び第2レール部642に案内され、第1位置に設置され、位置決め機構630によって、位置決めされる。
【0074】
上記の実施形態においては、図12に示されるように、使用者は筐体2の正面側からシートを除去することができる。尚、他の実施形態において、筐体2の左右側壁25が開放可能に形成されてもよい。この場合、使用者は搬送機構600の側方からシートを除去することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、これらの機能を併せ持つ複合機やシートに画像を形成する各種装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0076】
1・・・・・画像形成装置
2・・・・・筐体
300・・・カセット
410・・・画像形成部
520・・・給紙構造体
530・・・第1給紙搬送路
600・・・搬送機構
610・・・第1搬送要素
620・・・第2搬送要素
621・・・下流要素
622・・・上流要素
623・・・第2ボス
625・・・第1ボス
630・・・位置決め機構
632・・・付勢部材
633・・・係合片
634・・・係合穴
640・・・レール部
641・・・第1レール部
642・・・第2レール部
643・・・第3レール部
644・・・上流壁
645・・・下流壁
646・・・規制部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成部を収容する筐体と、
前記画像形成部に前記シートを案内する搬送路の少なくとも一部を形成する搬送機構と、を備え、
該搬送機構は、前記シートを給紙するための給紙構造体が形成された上流端を含む第1搬送要素と、該第1搬送要素に対向して配設され、該第1搬送要素と協働して前記少なくとも一部の搬送路を形成する一対の要素を含む第2搬送要素と、を含み、
前記筐体は、前記第2搬送要素が前記第1搬送要素に沿い、前記少なくとも一部の搬送路を形成する第1位置から、前記第1搬送要素から離間する第2位置までの変位を案内するレール部を含み、
前記一対の要素は、前記シートの給紙方向に沿って配設され、且つ、互いに回動可能に接続され、
前記レール部は、前記第2搬送要素が前記第1位置から前記第2位置に変位するときに前記一対の要素のうち一方を案内する第1レール部を含み、
前記一対の要素のうち前記一方は、前記第1レール部に案内される第1ボスを含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1レール部は、前記第1位置から前記第2位置に向かうにつれて、前記シートの給紙方向において上流方向に傾斜する上流壁と、前記上流方向とは反対の下流方向に傾斜する下流壁と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記レール部は、前記第2搬送要素が前記第1位置から前記第2位置に変位するときに前記一対の要素のうち他方を案内する第2レール部を含み、
前記第2レール部は、前記上流壁の傾斜方向に沿って傾斜しつつ、前記第1位置から前記第2位置に向けて延び、
前記一対の要素のうち前記他方は、前記第2レール部に案内される第2ボスを含むことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2搬送要素が前記第1位置に存するときに、前記一対の要素のうち前記一方を位置決めする位置決め機構を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記位置決め機構は、前記第1搬送要素に形成された係合穴と、前記一対の要素のうち前記一方に対して出没可能に取り付けられるとともに前記係合穴に係合可能に形成される係合片と、該係合片を前記一対の要素のうち前記一方に対して突出させるように付勢する付勢部材と、を含むことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成部を収容する筐体と、
前記画像形成部に前記シートを案内する搬送路の少なくとも一部を形成する搬送機構と、を備え、
該搬送機構は、前記シートを給紙するための給紙構造体が形成された上流端を含む第1搬送要素と、該第1搬送要素に対向して配設され、該第1搬送要素と協働して前記少なくとも一部の搬送路を形成する一対の要素を含む第2搬送要素と、を含み、
前記筐体は、前記第2搬送要素が前記第1搬送要素に沿い、前記少なくとも一部の搬送路を形成する第1位置から、前記第1搬送要素から離間する第2位置までの変位を案内するレール部を含み、
前記一対の要素は、前記シートの給紙方向に沿って配設され、且つ、互いに回動可能に接続され、
前記レール部は、前記第2搬送要素が前記第1位置から前記第2位置に変位するときに前記一対の要素のうち一方を案内する第1レール部を含み、
前記一対の要素のうち前記一方は、前記第1レール部に案内される第1ボスを含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1レール部は、前記第1位置から前記第2位置に向かうにつれて、前記シートの給紙方向において上流方向に傾斜する上流壁と、前記上流方向とは反対の下流方向に傾斜する下流壁と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記レール部は、前記第2搬送要素が前記第1位置から前記第2位置に変位するときに前記一対の要素のうち他方を案内する第2レール部を含み、
前記第2レール部は、前記上流壁の傾斜方向に沿って傾斜しつつ、前記第1位置から前記第2位置に向けて延び、
前記一対の要素のうち前記他方は、前記第2レール部に案内される第2ボスを含むことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2搬送要素が前記第1位置に存するときに、前記一対の要素のうち前記一方を位置決めする位置決め機構を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記位置決め機構は、前記第1搬送要素に形成された係合穴と、前記一対の要素のうち前記一方に対して出没可能に取り付けられるとともに前記係合穴に係合可能に形成される係合片と、該係合片を前記一対の要素のうち前記一方に対して突出させるように付勢する付勢部材と、を含むことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−37379(P2013−37379A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−213963(P2012−213963)
【出願日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【分割の表示】特願2010−39299(P2010−39299)の分割
【原出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【分割の表示】特願2010−39299(P2010−39299)の分割
【原出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]