説明

画像形成装置

【課題】画像が形成された回転部材から媒体への転写率が低下したときに、その低下した転写率を向上させること。
【解決手段】画像形成装置の制御部は、記録用紙に転写された検出用画像の初期寸法を測定する(ステップS110)。続いて、制御部は、画像を形成する処理を決められた枚数になるまで行った後、再び記録用紙に転写された検出用画像の寸法を測定する(ステップS140)。初期寸法と測定した寸法との変化量が閾値に到達している場合(ステップS160:YES)、制御部110は、中間転写ベルトの外周面を削剥させる処理を実施する(ステップS170)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ベルト駆動ローラ及び従動ローラの回転数を比較した結果に基づき、ベルト状担持体の表面を研磨する接離可能な摺擦部材の動作を制御する技術について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−289578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、画像が形成された回転部材から媒体への転写率が低下したときに、その低下した転写率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、フッ素系樹脂を含有し、前記フッ素系樹脂の粒子が第1表面に露出する回転可能な第1回転部材と、前記第1表面に接触する第2表面を有する回転可能な第2回転部材と、前記第1表面に画像を形成する形成手段と、前記形成手段により前記第1表面に形成された画像を、前記第1表面と前記第2表面とが接触する領域を決められた方向に通過する媒体に転写する転写手段と、前記転写手段により前記媒体に転写された前記画像の前記方向の寸法を測定する測定手段と、前記方向の寸法が決められた大きさである特定画像を前記形成手段が前記第1表面に形成する場合、前記第1回転部材及び前記第2回転部材を互いに異なる速度で回転させる回転手段と、第1時期に前記形成手段によって前記特定画像が形成されて前記測定手段により測定された前記寸法と、前記第1時期よりも後の第2時期に前記形成手段によって前記特定画像が形成されて前記測定手段により測定された前記寸法との差が閾値以上である場合に、前記第1表面を削剥する削剥手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、フッ素系樹脂を含有し、前記フッ素系樹脂の粒子が第1表面に露出する回転可能な第1回転部材と、前記第1表面よりも固く、当該第1表面に接触する第2表面を有する回転可能な第2回転部材と、前記第1回転部材及び前記第2回転部材を回転させる回転手段と、前記第1表面に画像を形成する形成手段と、前記形成手段により前記第1表面に形成された画像を媒体に転写する転写手段と、前記第1表面に露出する前記粒子の量に応じた物理量を検出する検出手段と、前記物理量に応じた前記粒子の量が目標とする量よりも少なくなったことを表す条件を、前記検出手段により検出された物理量が満たす場合に、前記回転手段を制御して前記第1回転部材と前記第2回転部材とを異なる速度で回転させ、前記第1表面を前記第2の表面によって削剥させる削剥制御手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、フッ素系樹脂を含有し、前記フッ素系樹脂の粒子が第1表面に露出する回転可能な第1回転部材と、当該第1表面よりも固く、前記第1表面に接触する第2表面を有する回転可能な第2回転部材と、前記第1表面に画像を形成する形成手段と、前記形成手段により前記第1表面に形成された画像を、前記第1表面と前記第2表面とが接触する領域を決められた方向に通過する媒体に転写する転写手段と、前記転写手段により前記媒体に転写された前記画像の前記方向の寸法を測定する測定手段と、前記方向の寸法が決められた大きさである特定画像を前記形成手段が前記第1表面に形成する場合、前記第1回転部材及び前記第2回転部材を互いに異なる速度で回転させる回転手段と、第1時期に前記形成手段によって前記特定画像が形成されて前記測定手段により測定された前記寸法と、前記第1時期よりも後の第2時期に前記形成手段によって前記特定画像が形成されて前記測定手段により測定された前記寸法との差が閾値以上である場合に、前記回転手段を制御して前記第1回転部材と前記第2回転部材とを異なる速度で回転させ、前記第1表面を前記第2の表面によって削剥させる削剥制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項2又は3に記載の構成において、前記第2回転部材は、無端のベルト状の部材であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1、2、3に係る発明によれば、画像が形成された回転部材から媒体への転写率が低下したときに、その低下した転写率を向上させることができる。
請求項4に係る発明によれば、第2回転部材がベルト状の部材でない場合に比べて、第2表面を固くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】画像形成部の構成を示す図である。
【図3】中間転写ベルト及び二次転写ベルトの断面を示す図である。
【図4】外周面から露出するPTFEの量の変化を示すグラフである。
【図5】二次転写率の変化を示すグラフである。
【図6】中間転写ベルトからPTFEが離脱した状態を示す図である。
【図7】中間転写ベルトの外周面が削剥された状態を示す図である。
【図8】外周面が削剥されたときの露出するPTFEの量を示したグラフである。
【図9】二次転写率の変化を示すグラフである。
【図10】画像形成枚数と転写領域の摩擦力との関係の一例を表すグラフである。
【図11】二次転写率の変化を示すグラフである。
【図12】画像を濃度センサが測定した値の例を示した図である。
【図13】動摩擦係数μと、画像の寸法との関係を示すグラフである。
【図14】制御部が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施形態]
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る電子写真方式の画像形成装置10の構成を示すブロック図である。本実施形態の画像形成装置10は、制御部110と、記憶部120と、画像形成部200とを備える。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)を含む演算装置やメモリを備えたコンピュータである。制御部110の演算装置は、メモリに記憶されたプログラムを実行して、画像形成装置10の各部を制御する。
【0012】
記憶部120は、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置を備え、例えば、画像を形成するための画像データを記憶する。画像形成部200は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナーを用いて電子写真プロセスにより記録媒体に画像を形成する。記録媒体は、例えば記録用紙であるが、OHPシートなどのプラスチックや、その他の材質のシートなどであってもよく、表面に画像を記録し得る媒体であればよい。
【0013】
図2は、画像形成部200の構成を示す図である。図2に示す画像形成部200の各符号のうち、その末尾に付されたアルファベットは画像形成装置が扱うトナーの色に対応する。符号の末尾のアルファベットが異なる構成は、扱うトナーの色が異なるが、その構成は互いに共通している。以下の説明において、これら各構成を特に区別する必要がない場合には、符号の末尾のアルファベットを省いて説明する。画像形成部200は、感光体ドラム211と、帯電装置212と、露光装置213と、現像装置214と、一次転写ロール220と、中間転写ベルト240と、回転ロール245と、駆動ロール244と、除去部材246と、二次転写装置250と、バックアップロール255と、除去部材256と、搬送ロール260と、濃度センサ270と、定着装置280と、用紙検知装置290とを有する。
【0014】
感光体ドラム211は、円筒状の部材であり、表面に形成される静電潜像を保持する。感光体ドラム211は、中間転写ベルト240の回転に伴って、円筒の中心を軸として図中の矢印A1の方向に回転する。帯電装置212は、感光体ドラム211の表面を決められた電位に帯電させる。露光装置213は、感光体ドラム211の帯電した表面に対し画像データに応じた露光を行って、その感光体ドラム211に静電潜像を形成する。現像装置214は、Y、M、C、Kのいずれかの色のトナーと、フェライト粉などの磁性体とを含む現像剤を収容している。現像装置214は、この現像剤を用いて、感光体ドラム211に形成された静電潜像にトナーを供給することで、現像を行う。この現像により、感光体ドラム211の表面に画像が形成される。
【0015】
中間転写ベルト240は、回転可能な無端のベルト状の部材であり、熱硬化性ポリイミド樹脂にポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTFE)を分散させて形成されている。このように中間転写ベルト240がPTFEを含有していることで、PTFEを含有していない場合に比べて、表面からトナーが離れやすくなって画像の転写率が向上している。また、中間転写ベルト240は、駆動ロール244、回転ロール245、一次転写ロール220及びバックアップロール255と接触しながら、図中の矢印A1が示す方向に回転する。以下では、この方向を第1回転方向A1という。感光体ドラム211Y、211M、211C及び211Kは、中間転写ベルト240の外周面に沿うように、第1回転方向A1の上流側から下流側に向かって一列に並べて配置されている。中間転写ベルト240は本発明に係る「第1回転部材」の一例であり、中間転写ベルト240の外周面は本発明に係る「第1表面」の一例である。
【0016】
駆動ロール244及び回転ロール245は、中間転写ベルト240を支持する円筒状の部材であり、それぞれ円筒の中心を軸として回転する。駆動ロール244は、図示せぬ駆動機構により駆動力を与えられて回転することで、中間転写ベルト240を回転させている。駆動ロール244は、制御部110の制御により、回転する速度が変化する。これにより、中間転写ベルト240が回転する速度も変化する。除去部材246は、例えばゴム又は樹脂等で形成されており、長尺の板状の部材である。除去部材246は、長手方向に延びる辺を中間転写ベルト240の外周面に接触させて、この外周面の付着物を除去する。
【0017】
一次転写ロール220は、中間転写ベルト240を挟んで感光体ドラム211と対向する円筒状の部材であり、感光体ドラム211に形成された画像を中間転写ベルト240に転写する。詳細には、一次転写ロール220と感光体ドラム211とに電位差が生じることにより、感光体ドラム211表面のトナーが中間転写ベルト240の表面に転写される。上述した感光体ドラム211、帯電装置212、露光装置213、現像装置214及び一次転写ロール220が協働することで、中間転写ベルト240の外周面(第1表面)に画像を形成する本発明に係る「形成手段」として機能する。
【0018】
二次転写装置250は、二次転写ベルト251と、二次転写ロール253と、駆動ロール254とを有する。二次転写ベルト251は、回転可能な無端のベルト状の部材であり、二次転写ロール253及び駆動ロール254と接触しながら、図中の矢印A2が示す方向に回転する。以下では、この方向を第2回転方向A2という。二次転写ベルト251は、外周面が中間転写ベルト240の外周面よりも硬度が大きくなる(固くなる)ように形成されている。このため、二次転写ベルト251の外周面と中間転写ベルト240の外周面とがこすれ合うと、中間転写ベルト240の外周面が削られる(削剥される)ことになる。二次転写ベルト251は本発明に係る「第2回転部材」の一例であり、二次転写ベルト251の外周面は本発明に係る「第2表面」の一例である。
【0019】
二次転写ロール253及び駆動ロール254は、二次転写ベルト251を支持する円筒状の部材であり、それぞれ円筒の中心を軸として回転する。駆動ロール254は、図示せぬ駆動機構により駆動力を与えられて回転することで、二次転写ベルト251を回転させている。駆動ロール254は、制御部110の制御により、回転する速度が変化する。これにより、二次転写ベルト251が回転する速度も変化する。
【0020】
二次転写ロール253は、中間転写ベルト240及び二次転写ベルト251を挟んでバックアップロール255と対向する円筒状の部材であり、中間転写ベルト240に転写された画像を、記録用紙に転写する。詳細には、二次転写ロール253とバックアップロール255とに電位差が生じることにより、中間転写ベルト240の外周面に形成されている画像が、二次転写ベルト251と中間転写ベルト240とが接触する領域(転写領域B1という)に搬送されてくる記録用紙の表面に転写される。二次転写ロール253及びバックアップロール255が協働することで、本発明に係る「転写手段」として機能する。除去部材256は、例えばゴム又は樹脂等で形成されており、長尺の板状の部材である。除去部材256は、長手方向に延びる辺を二次転写ベルト251の外周面に接触させて、この外周面の付着物を除去する。
【0021】
搬送ロール260は、図示せぬ駆動装置により駆動させられる円筒状の部材であり、図2に示す破線の搬送路Pに沿って矢印A3方向に記録用紙を搬送する。以下では、この方向を用紙搬送方向A3という。用紙搬送方向A3は、本発明に係る「方向」の一例である。搬送ロール260によって搬送される記録用紙は、上記転写領域B1を用紙搬送方向A3に通過することになる。濃度センサ270は、一対の発光素子及び受光素子を有し、発光素子によって光が照射された記録用紙からの反射光を受光素子が受光してその光量を検出することにより、記録用紙上に転写された画像の濃度を検出する。濃度センサ270は、検出した濃度を示すデータを制御部110に供給する。濃度センサ270は、用紙搬送方向A3において、二次転写装置250の下流側、且つ定着装置280の上流側となる位置に設けられている。定着装置280は、画像が転写された記録用紙に熱と圧力とを加える定着処理を施し、その画像を記録用紙に定着させる。用紙検知装置290は、搬送路Pに近接する位置に設けられ、搬送路Pを搬送される用紙を検知する。用紙検知装置290は、検知した結果を制御部110に通知する。以上の構成により、画像形成部200においては、用紙搬送方向A3に搬送される記録用紙に画像が形成される。
【0022】
図3は、転写領域B1における中間転写ベルト240及び二次転写ベルト251の断面を示す図である。中間転写ベルト240は、PTFE241を含有している。図3では、これらのPTFE241のうち、中間転写ベルト240の外周面242(第1表面)から露出しているものをPTFE241aとし、露出していないものをPTFE241bとして示した。また、図3では、転写領域B1に向けて用紙搬送方向A3に搬送される記録用紙C1と、外周面242上に形成されて中間転写ベルト240に保持されながら転写領域B1に向かう画像D1とを示した。画像D1と外周面242との境界には、PTFE241aが露出しているところがある。このように露出したPTFE241aがあることにより、それがない場合に比べて、上述のとおり画像D1が外周面242から離れやすくなって転写領域B1における転写率が向上している。PTFE241aは、記録用紙C1、除去部材246又は二次転写ベルト251と外周面242とが接触するところに働く摩擦力のため、外周面242から剥がれて離脱していく。画像が形成される枚数(画像形成枚数)が増えるほど、これらの摩擦力が働く時間が長くなり、離脱するPTFEが増えていく、つまり外周面242から露出するPTFEが減っていく。
【0023】
図4は、外周面242から露出するPTFEの量の変化の一例を示すグラフである。このグラフの縦軸は、単位面積あたりのPTFE粒子の存在確率(単位は%)を示している。この存在確率の増減は、外周面242から露出するPTFEの量の増減を表している。以下では、外周面242から露出するPTFEの量のことを露出するPTFE量という。また、このグラフの横軸は、画像形成枚数を示している。この例では、画像形成枚数がE0からE1に増えたときに、PTFEの生存確率がそれぞれF0、F1(F0>F1)と減っている。つまり、露出するPTFE量が少なくなっている。また、画像形成枚数がE0からE1に増える途中においても、露出するPTFE量は、画像形成枚数が増えるに連れて少なくなっている。
【0024】
図5は、露出するPTFE量が図4で表されるように変化したときの、二次転写率の変化を示すグラフである。このグラフの縦軸は、二次転写率(単位は%)を示し、横軸は画像形成枚数を示している。画像形成枚数がE0からE1に増えたときに、二次転写率は、それぞれG0、G1(G0>G1)と減っている。また、画像形成枚数がE0からE1に増える途中においても、二次転写率は、画像形成枚数が増えるに連れて減っている。
【0025】
図3の中間転写ベルト240の断面は、図4、図5において画像形成枚数がE0のときのものを示したものとする。一方、図4、図5において画像形成枚数がE1のときのこの断面を図6に示す。
図6は、図3の中間転写ベルト240から図4に示すとおりPTFE241aが離脱した状態を示す図である。図6に示す範囲では、外周面242から露出するPTFEがなくなっている。このときの中間転写ベルト240の厚さをL1とする。一方、図6の状態でも、中間転写ベルト240の内部には、分散されたPTFE241bが残っている。
【0026】
画像形成装置10においては、図6に示す状態となったときに、外周面242の削剥が行われる。具体体には、上述した中間転写ベルト240の外周面242と二次転写ベルト251の外周面252(第2表面)との硬度の差が利用される。つまり、これらの外周面242、252がこすれ合うように中間転写ベルト240及び二次転写ベルト251を回転させ、それによって外周面252よりも硬度が小さい(柔らかい)外周面242を削っていく。図6に示す時点では、中間転写ベルト240の厚さはL1となっている。外周面252は、本発明に係る「第2表面」の一例である。
【0027】
図7は、中間転写ベルト240の外周面242が削剥された状態を示す図である。図7では、削剥されて厚さがL2(L1>L2)となった中間転写ベルト240が示されている。この中間転写ベルト240の外周面242からは、図3において外周面242から露出していなかった(つまり埋まっていた)PTFEが、外周面242から露出する状態となっている。図7では、こうして露出したPTFEを241cの符号を付して示した。この状態における露出するPTFE量と二次転写率とを図8、図9を用いて説明する。
【0028】
図8は、画像形成枚数がE1のときに図7で説明した削剥が行われた場合の露出するPTFE量を示したグラフである。この削剥が行われた結果、露出するPTFE量は、画像形成枚数がE0であったときのF0まで多くなった。
図9は、図8に示したときの二次転写率の変化を示すグラフである。画像形成枚数がE1のときに露出するPTFE量がF0まで多くなったので、二次転写率も、画像形成枚数がE0だったときのG0まで増加した。
【0029】
画像形成装置10においては、露出するPTFE量が定められた目安よりも少なくなったと判定したときにこの削剥を行う。この判定は、中間転写ベルト240の外周面242と二次転写ベルト251の外周面252とが接触するところ、すなわち図3に示した転写領域B1において働く摩擦力(転写領域の摩擦力)が、画像形成枚数が増えるに連れて大きくなることを利用する。
【0030】
図10は、画像形成枚数と転写領域の摩擦力との関係の一例を表すグラフである。このグラフの縦軸は、転写領域B1における動摩擦係数μを示し、横軸は画像形成枚数を示している。転写領域B1において中間転写ベルト240及び二次転写ベルト251が互いに押し合う力が概ね共通していれば、この動摩擦係数μの増減は、転写領域の摩擦力の増減を表すことになる。この例では、画像形成枚数がE0からE2に増えたときに、動摩擦係数μがそれぞれH0、H2(H0<H2)と増えている。つまり、転写領域の摩擦力が大きくなっている。また、画像形成枚数がE0からE2に増える途中においても、転写領域の摩擦力は、画像形成枚数が増えるに連れて大きくなっている。
【0031】
図11は、転写領域の摩擦力が図10で表されるように変化したときの、二次転写率の変化を示すグラフである。このグラフの縦軸は、二次転写率(単位は%)を示し、横軸は画像形成枚数を示している。画像形成枚数がE0からE2に増えたときに、二次転写率は、それぞれI0、I2(I0>I2)と減っている。また、画像形成枚数がE0からE2に増える途中においても、二次転写率は、画像形成枚数が増えるに連れて減っている。
以上に示した図8、9、10、11の各グラフの関係から、転写領域の摩擦力が増加したことを検出すると、二次転写率が減ったことを検出することになり、さらに、露出するPTFE量が減ったことを検出することになる。
【0032】
画像形成装置10においては、転写領域の摩擦力(又は動摩擦係数μ)の増減の度合いが、次のように検出される。中間転写ベルト240の外周面242及び二次転写ベルト251の外周面252が転写領域B1において用紙搬送方向A3に移動する速度を、それぞれ第1移動速度及び第2移動速度とする。画像形成装置10においては、第1移動速度及び第2移動速度がともに或る速度となる状態(これを基準状態という。)のときに、画像がそのサイズどおりに記録用紙に転写されるようになっている。
【0033】
図12は、記録用紙に形成された画像を濃度センサ270が測定した値の例を示した図である。図12(a)では、記録用紙に形成された画像J1が示されている。画像J1は、用紙搬送方向A3の寸法が決められた大きさとなっており、この例ではその大きさがL3である。画像J1は本発明に係る「特定画像」の一例である。図12(b)では、上記基準状態のときの濃度センサ270による画像J1の測定結果K1をグラフで示している。このグラフの縦軸は濃度センサ270が測定した値(測定値)を示し、横軸は濃度センサ270が測定した時刻を示している。濃度センサ270による画像J1の濃度の測定は、時刻t0に開始され、それまでの測定値であるm0よりも大きな値が測定されるようになる。そして、測定値が最大となるまで増加し、その後減少して再び元の測定値であるm0になった時刻t1に画像J1の濃度の測定が終了する。これは、基準状態であれば、用紙搬送方向A3の寸法がL3の画像の測定に要する時間がt1−t0となることを示している。
【0034】
図12(c)では、基準状態よりも第2移動速度を遅く又は速くした場合の測定結果K2、K3をグラフで示している。また、このグラフでは、図12(b)に示した測定値の変化を表す測定結果K1を二点鎖線で示した。なお、各測定結果K1、K2、K3は、いずれも或る種類の記録用紙を用いて測定された結果を示している。転写領域B1において記録用紙が移動する速度は、第2移動速度が遅いほど遅くなり、これが速いほど速くなる。前者の場合、中間転写ベルト240が画像J1を転写し終わるまでに記録用紙が移動する距離が、基準状態に比べて短くなる。つまり、用紙搬送方向A3において画像J1が転写される範囲が基準状態に比べて小さくなる。その結果、濃度センサ270による画像J1の濃度の測定が開始されて(時刻t0)から終了する(時刻t2)までに要する時間(t2−t0)が、基準状態の測定結果K1に比べて短くなる。つまり、t2−t0<t1−t0となる。
【0035】
一方、後者の場合、中間転写ベルト240が画像J1を転写し終わるまでに記録用紙が移動する距離が、基準状態に比べて長くなる。つまり、用紙搬送方向A3において画像J1が転写される範囲が基準状態に比べて大きくなる。その結果、濃度センサ270による画像J1の濃度の測定が開始されて(時刻t0)から終了する(時刻t3)までに要する時間(t3−t0)が、基準状態の測定結果K1に比べて短くなる。つまり、t1−t0<t3−t0となる。
【0036】
濃度センサ270が測定する記録用紙は、搬送ロール260によって或る速度(搬送速度という。)で用紙搬送方向A3に搬送されている。上記の各測定結果において画像J1の濃度の測定に要した時間をこの搬送速度に乗じると、記録用紙に転写された画像J1の用紙搬送方向A3の寸法の大きさを表すことになる。こうして表された寸法の大きさが各測定によって異なることがあれば、それは、それらの測定において記録用紙が転写領域を通過する速度(記録用紙の通過速度)が異なっていたということになる。
【0037】
記録用紙の通過速度、すなわち上記寸法の大きさは、図10で示した転写領域B1における動摩擦係数μの変化の影響を受ける。転写領域B1では、中間転写ベルト240の外周面242に対する記録用紙の滑りが生じており、動摩擦係数μが小さいほど、この滑りの度合いが大きくなる。
図13は、転写領域B1における動摩擦係数μと、記録用紙に転写された画像の用紙搬送方向A3の寸法との関係を示すグラフである。このグラフの縦軸は上記寸法の大きさを示し、横軸は転写領域B1における動摩擦係数μを示す。図13(a)では、第2移動速度が第1移動速度よりも速い場合を示している。この場合、転写領域B1で中間転写ベルト240の外周面242から記録用紙に対して働く摩擦力は、記録用紙の通過速度を遅くする方向に作用する。このため、転写領域B1における動摩擦係数μが大きくなるほど、記録用紙の通過速度が遅くなり、上記寸法が小さくなっていく。一方、図13(b)では、第2移動速度が第1移動速度よりも遅い場合を示している。この場合、上記摩擦力は、記録用紙の通過速度を速くする方向に作用する。このため、転写領域B1における動摩擦係数μが大きくなるほど、記録用紙の通過速度が速くなり、上記寸法が大きくなっていく。
【0038】
図13(a)、(b)で示したいずれの場合も、転写領域B1における動摩擦係数μが大きくなるに連れて、上記寸法の大きさが変化することになる。また、図10で示したとおり、この動摩擦係数μは、画像形成枚数が増えるに連れて大きくなり、図11で示したとおり、それに伴い二次転写率も低下していく。以上のことから、上記寸法の大きさの変化の度合いは、上記動摩擦係数μの変化の度合いを表し、さらには露出するPTFE量が減少する度合い及び二次転写率が低下する度合いを表すことになる。画像形成装置10では、この寸法の大きさを測定し、その変化量が或る値に達したときに、低下した二次転写率を向上させるために、上述した中間転写ベルト240の外周面242の削剥を行う。
【0039】
図14は、画像形成装置10の制御部110が実行する処理の手順を示すフローチャートである。図14では、制御部110が低下した二次転写率を向上させるために実行する処理の手順を示している。この手順は、画像形成装置10に新たな中間転写ベルト240が取り付けられた後、又は上述した削剥が実施された後の時期に実行される。この時期は、本発明に係る「第1時期」の一例である。まず、制御部110は、検出用画像の初期寸法を測定する(ステップS110)。この検出用画像とは、図12に示した画像J1のように用紙搬送方向A3の寸法が決められている画像であり、記録用紙に転写されたこの検出用画像の用紙搬送方向A3の寸法が初期寸法である。例えば、制御部110は、各部を制御して画像J1を記録用紙に形成させる。その際、制御部110は、駆動ロール244及び254を制御して、中間転写ベルト240及び二次転写ベルト251を互いに異なる速度で回転させる。このとき、上述した第1移動速度と第2移動速度とに速度差が生じていることになる。画像J1が形成された記録用紙が濃度センサ270が設けられている位置を通り過ぎると、濃度センサ270から画像J1の濃度を測定した結果を示すデータが制御部110に供給されてくる。制御部110は、このデータが表す濃度を用いて、検出用画像の濃度の測定に要した時間に上記搬送速度を乗じることでこの初期寸法を測定する。制御部110、駆動ロール244及び254が協働することで、本発明に係る「回転手段」として機能する。また、制御部110及び濃度センサ270が協働することで、本発明に係る「測定手段」として機能する。
【0040】
続いて、制御部110は、画像を形成する処理を実行する(ステップS120)。ここで形成される画像は、上記検出用画像以外の画像であり、例えば画像データに応じた画像である。この場合、制御部110は、駆動ロール244及び254を制御して、中間転写ベルト240と二次転写ベルト251とを或る速度(共通の速度)となるように回転させる。ここで両ベルトが回転する速度は、完全に等速となっていなくともよいが、制御部110は、少なくとも、ステップS110のときよりは速度差を小さくして両ベルトを回転させる。なお、この場合、制御部110は、いずれかの駆動ロールに駆動力を与えないように制御して、転写領域B1において一方のベルトから伝動される力によって他方のベルトが回転する(従動する)ようにしてもよい。
【0041】
次に、制御部110は、用紙検知装置290から検知される結果により、前回寸法を測定したときから搬送された記録用紙の枚数を測定し、測定した枚数が例えば500枚に達したか否かを判断する(ステップS130)。この枚数は、前回寸法を測定したとき以降の画像形成枚数を表す。なお、この枚数は500枚に限らず、寸法の測定の間隔として決められるものであれば何枚であってもよい。ここで500枚に達していないと判断した場合(ステップS130:NO)、制御部110は、ステップS120の処理を再び実行する。つまり、制御部110は、前回寸法を測定してから500枚の記録用紙に画像が形成されるまで、ステップS120、S130の処理を繰り返す。このときに、画像形成がされない期間や、画像形成装置10の電源のオフ−オン等が行われていてもよい。
【0042】
ステップS130において、500枚に達した(YES)と判断した場合、制御部110は、例えばユーザの指示による画像が形成されていないそのとき以降の時期に、検出用画像の寸法を測定する(ステップS140)。この時期は、本発明に係る「第2時期」の一例である。このとき、制御部110は、ステップS110における、すなわち第1時期における第1移動速度及び第2移動速度で中間転写ベルト240及び二次転写ベルト251をそれぞれ回転させる。なお、この500枚という枚数は、あくまで寸法の測定の間隔の目安として用いられているものであるため、寸法が測定されるまでにさらに画像が形成されてもよい。また、この間隔を目安どおりにするため、制御部110は、画像形成を中断してこの測定を行ってもよい。
【0043】
次に、制御部110は、ステップS140(第2時期)において測定した寸法と上記初期寸法(第1時期に測定した寸法)との差を初期寸法からの変化量として検出する(ステップS150)。上述したとおり、第1時期における第1移動速度及び第2移動速度で第2時期でも測定がされているため、図13の説明で述べたとおり、この変化量は、転写領域B1における動摩擦係数μの変化を表し、さらには露出するPTFE量が減少する度合いを表すことになる。つまり、この変化量は、露出するPTFE量に応じた物理量である。制御部110及び濃度センサ270が協働することで、本発明に係る「検出手段」として機能する。続いて、制御部110は、検出した変化量が閾値以上か否かを判断する(ステップS160)。この閾値は、記憶部120に予め記憶されているものとする。この閾値は、露出するPTFE量が削剥を実施すべき量(目標とする量)となったときに検出される変化量の値となるように、予め定められている。つまり、検出された変化量が閾値以上になるということは、この変化量に応じた露出するPTFE量が目標とする量よりも少なくなったことを表す条件が、検出された変化量によって満たされたということになる。
【0044】
ステップS160において否(NO)と判断した場合、制御部110は、ステップS120の処理を実行する。これにより、再び500枚の記録用紙に画像が形成されるまで、上記変化量の判断が行われないことになる。
一方、ステップS160において閾値以上(YES)と判断した場合、制御部110は、中間転写ベルト240の外周面242の削剥を実施する(ステップS170)。詳細には、制御部110は、駆動ロール244及び254を制御して、中間転写ベルト240と二次転写ベルト251とを異なる速度で予め決められた回数回転させる。このとき、制御部110は、画像を形成しないように各部を制御する。これにより、中間転写ベルト240の外周面242よりも硬度が大きい(固い)二次転写ベルト251の外周面252によって、外周面242が削剥される。制御部110、駆動ロール244及び254が協働することで、本発明に係る「削剥制御手段」として機能する。この削剥により粉末状になった中間転写ベルト240の成分は、外周面242又は252に付着して、それぞれ除去部材246又は256により除去される。これにより、図6に示すように外周面242から露出するPTFEが減った状態となっていた中間転写ベルト240の外周面242が削剥され、図7に示すように中間転写ベルト240に埋まっていたPTFEが外周面242から露出するようになる。そして、図8に示すように露出するPTFE量が増加し、図9に示すように二次転写率が向上する。
【0045】
以上の実施形態によれば、検出用画像の寸法の変化量から中間転写ベルト240の二次転写率が低下したときを判断し、二次転写率が低下したと判断されたときにその低下した二次転写率が向上することになる。
【0046】
[変形例]
上述した実施形態は、本発明の実施の一例に過ぎず、次のように様々に変形させてもよい。また、上述した実施形態及び以下の各変形例は、必要に応じて組み合わせてもよい。
【0047】
(変形例1)
制御部110は、上述した実施形態では、中間転写ベルト240の外周面242を削剥するか否かの判断を、検出用画像の寸法の変化量を用いて行ったが、これ以外の方法で行ってもよい。例えば、制御部110は、画像形成枚数が閾値に到達したとき、又は画像形成装置10が使用された時間(使用時間)が閾値に到達したときに削剥を実施してもよい。これらの画像形成枚数及び使用時間は、本発明に係る「物理量」の例である。この場合も、二次転写ベルト251の外周面252によって外周面242が削剥されることで、この削剥のために他の部材を設ける必要がなくなる。
【0048】
(変形例2)
画像形成装置10においては、上述した実施形態では、二次転写ベルト251が中間転写ベルト240の外周面242を削剥したが、他の部材を用いて削剥してもよい。例えば、図2に破線で示した長尺で板状の削剥部材247を外周面242と接触させて中間転写ベルト240を回転させることで、外周面242を削剥してもよい。なお、削剥部材247は、円筒状の部材(ロール)又は布状の部材等であってもよい。これらの部材は、本発明に係る「削剥手段」の例である。この場合も、検出用画像の寸法の変化量を用いることで、外周面242の実際の状態に基づいて外周面242を削剥するか否かを判断することになる。このため、例えば、何らかの事情で露出するPTFE量が画像形成枚数や使用時間の割に減っていたり、反対に減らずに残っていたりした場合であっても、その露出するPTFE量の状態に応じてこの判断がされることになる。本変形例によれば、このように判断しない場合に比べて、上述した削剥を実施すべき量(目標とする量)に対して実際に露出しているPTFE量が近くなったタイミングで削剥することになりやすい。
【0049】
(変形例3)
濃度センサ270は、上述した実施形態では、定着装置280により定着される前の画像の濃度を測定したが、定着した後の画像の濃度を測定してもよい。この場合、濃度センサ270は、用紙搬送方向A3の定着装置280よりも下流側に配置される。
【0050】
(変形例4)
制御部110が図14のステップS160の判断を行うときに用いられる閾値は、例えば、中間転写ベルト240が初めて取り付けられたときと、外周面242が削剥された後とで異なっていてもよいし、又は用紙の種類によって異なっていてもよい。前者の場合、削剥によって外周面242から露出するPTFEの量が、中間転写ベルト240が初めて取り付けられたときのその量とは異なる場合であっても、各々の状態から露出するPTFE量が或る量まで減ったときの上記寸法の変化量を予め測定して閾値として定めればよい。また、後者の場合、用紙の種類によって露出するPTFE量が減る速さが異なる場合に、各々の用紙が用いられたときに露出するPTFE量が或る量まで減ったときの上記寸法の変化量を予め測定して閾値として定めればよい。以上のとおり閾値を定めることで、露出するPTFE量が或る量まで減ったときに外周面242を削剥するという判断がされることになる。
【0051】
(変形例5)
中間転写ベルト240は、PTFEを厚さ方向の全体に含有しているものに限らず、外周側の表層にPTFEの粒子を含有しているものであってもよい。要するに、中間転写ベルト240は、PTFEを含有し、かつ、PTFEの粒子が外周面242に露出するものであればよい。これにより、外周面242を削剥したときに、含有されていたPTFEが露出して転写率が向上する。
【0052】
(変形例6)
中間転写ベルト240は、上述した各実施形態では、PTFEの粒子を含有していたが、PTFE以外の樹脂の粒子を含有していてもよい。その例としては、PTFEとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体、PTFEと6フッ化プロピレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの3元共重合体、又はPTFEとエチレンとの共重合体等が挙げられる。中間転写ベルト240が含有する樹脂としては、外周面242からトナーを離れやすくするため、望ましくは、フッ素系樹脂が用いられるとよく、その中でも、PTFEが用いられるとよい。
【0053】
(変形例7)
二次転写装置250は、上述した実施形態では、ベルト状の部材である二次転写ベルト251を中間転写ベルト240に接触させていたが、ロール状の部材を中間転写ベルト240に接触させてもよい。このロール状の部材は、本発明に係る「第2回転部材」の一例である。この場合も、この部材を中間転写ベルト240とは異なる速度で回転させることで、検出用画像の寸法の変化量が検出される。また、この部材の表面の硬度を中間転写ベルト240の外周面242よりも大きくすることで、この部材を中間転写ベルト240とは異なる速度で回転させたときに外周面242が削剥される。なお、望ましくは、第2回転部材は、ベルト状の部材であるとよい。ロール状の部材は、転写領域B1を形成させるために、その表面が変形するように形成されるが、ベルト状の部材であれば、その表面(外周面)を変形させる必要がない。そのため、ベルト状の部材は、ロール状の部材に比べて、その表面を固くすることが容易である。
【0054】
(変形例8)
本発明は、画像形成装置に限らず、制御装置(制御部110がその一例)及びコンピュータに図14に示した処理の手順を実現させるためのプログラムとしても把握されるものである。かかるプログラムは、これを記憶させた光ディスク等の記録媒体の形態で提供されたり、インターネット等の通信回線を介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用させるなどの形態でも提供されたりするものである。
【符号の説明】
【0055】
10…画像形成装置、110…制御部、120…記憶部、200…画像形成部、211…感光体ドラム、212…帯電装置、213…露光装置、214…現像装置、220…一次転写ロール、240…中間転写ベルト、241…PTFE、242…外周面、244…駆動ロール、245…回転ロール、246…除去部材、247…削剥部材、250…二次転写装置、251…二次転写ベルト、252…外周面、253…二次転写ロール、254…駆動ロール、255…バックアップロール、256…除去部材、260…搬送ロール、270…濃度センサ、280…定着装置、290…用紙検知装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ素系樹脂を含有し、前記フッ素系樹脂の粒子が第1表面に露出する回転可能な第1回転部材と、
前記第1表面に接触する第2表面を有する回転可能な第2回転部材と、
前記第1表面に画像を形成する形成手段と、
前記形成手段により前記第1表面に形成された画像を、前記第1表面と前記第2表面とが接触する領域を決められた方向に通過する媒体に転写する転写手段と、
前記転写手段により前記媒体に転写された前記画像の前記方向の寸法を測定する測定手段と、
前記方向の寸法が決められた大きさである特定画像を前記形成手段が前記第1表面に形成する場合、前記第1回転部材及び前記第2回転部材を互いに異なる速度で回転させる回転手段と、
第1時期に前記形成手段によって前記特定画像が形成されて前記測定手段により測定された前記寸法と、前記第1時期よりも後の第2時期に前記形成手段によって前記特定画像が形成されて前記測定手段により測定された前記寸法との差が閾値以上である場合に、前記第1表面を削剥する削剥手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
フッ素系樹脂を含有し、前記フッ素系樹脂の粒子が第1表面に露出する回転可能な第1回転部材と、
前記第1表面よりも固く、当該第1表面に接触する第2表面を有する回転可能な第2回転部材と、
前記第1回転部材及び前記第2回転部材を回転させる回転手段と、
前記第1表面に画像を形成する形成手段と、
前記形成手段により前記第1表面に形成された画像を媒体に転写する転写手段と、
前記第1表面に露出する前記粒子の量に応じた物理量を検出する検出手段と、
前記物理量に応じた前記粒子の量が目標とする量よりも少なくなったことを表す条件を、前記検出手段により検出された物理量が満たす場合に、前記回転手段を制御して前記第1回転部材と前記第2回転部材とを異なる速度で回転させ、前記第1表面を前記第2の表面によって削剥させる削剥制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
フッ素系樹脂を含有し、前記フッ素系樹脂の粒子が第1表面に露出する回転可能な第1回転部材と、
当該第1表面よりも固く、前記第1表面に接触する第2表面を有する回転可能な第2回転部材と、
前記第1表面に画像を形成する形成手段と、
前記形成手段により前記第1表面に形成された画像を、前記第1表面と前記第2表面とが接触する領域を決められた方向に通過する媒体に転写する転写手段と、
前記転写手段により前記媒体に転写された前記画像の前記方向の寸法を測定する測定手段と、
前記方向の寸法が決められた大きさである特定画像を前記形成手段が前記第1表面に形成する場合、前記第1回転部材及び前記第2回転部材を互いに異なる速度で回転させる回転手段と、
第1時期に前記形成手段によって前記特定画像が形成されて前記測定手段により測定された前記寸法と、前記第1時期よりも後の第2時期に前記形成手段によって前記特定画像が形成されて前記測定手段により測定された前記寸法との差が閾値以上である場合に、前記回転手段を制御して前記第1回転部材と前記第2回転部材とを異なる速度で回転させ、前記第1表面を前記第2の表面によって削剥させる削剥制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記第2回転部材は、無端のベルト状の部材である
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−80186(P2013−80186A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221257(P2011−221257)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】