説明

画像形成装置

【課題】 画像形成装置内のリソースを使用して、不揮発性メモリーの容量を増加せずに、大きなサイズの画像データをデータ保証しつつ受信することが可能とする。
【解決手段】 ファクシミリボード1(またはネットワークボード6)は、フラッシュメモリー2内の所定の記憶領域の残り容量が不足していない場合、その画像データを、その記憶領域に登録した後にファクシミリボード1(またはネットワークボード6)内から消去し、その記憶領域の残り容量が不足した場合、その画像データをハードディスクドライブ4に登録し、ハードディスクドライブ4に登録された画像データに基づく画像が印刷された後に、その画像データをファクシミリボード1(またはネットワークボード6)内から消去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある画像処理装置は、親展ボックスに画像データを保存し、親展ボックスの容量が不足すると、画像データを、外部の記憶メディアに保存する(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、複数の画像形成装置を有するあるシステムでは、ある画像形成装置内の記憶領域が不足した場合に別の画像形成装置の記憶領域に画像データを記憶する(例えば特許文献2参照)。
【0004】
また、あるファクシミリ通信装置は、ファイル記憶装置内の一定容量の記憶領域に、ファクシミリで受信された画像データを保存していき、その記憶領域がデータフル状態になると、そのファイル記憶装置内の別の記憶領域を使用して画像データを保存する(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−306269号公報
【特許文献2】特開2001−103316号公報
【特許文献3】特開平11−146167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術では、画像データを外部の記憶メディアに保存すると、ファクシミリ等で受信した画像データの場合、セキュリティの観点から好ましくない。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術では、複数の画像形成装置が必要となり、1台の画像形成装置では実現が困難である。
【0008】
また、特許文献3に記載の技術では、ファイル記憶装置内の一定容量の記憶領域がデータフル状態になると、同一のファイル記憶装置内の別の記憶領域に画像データを保存するため、大サイズの画像データの受信に、ファイル記憶装置の容量増加が必要となる。ファイル記憶装置をフラッシュメモリーなどの不揮発性メモリーとする場合には、フラッシュメモリーのサイズが大きくなると、装置のコストが増加するため、好ましくない。
【0009】
このように、上述の技術では、画像形成装置内のリソースを使用して、不揮発性メモリーの容量を増加せずに、大きなサイズの画像データをデータ保証しつつ受信することが困難である。
【0010】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、画像形成装置内のリソースを使用して、不揮発性メモリーの容量を増加せずに、大きなサイズの画像データをデータ保証しつつ受信することが可能な画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、不揮発性メモリーと、不揮発性メモリーとは別の記憶装置と、画像データを伝送する電気信号を受信しその電気信号から画像データを生成して保持する受信回路とを備える。そして、受信回路は、不揮発性メモリー内の所定の記憶領域の残り容量が不足していない場合、その画像データを、その記憶領域に登録した後に受信回路内から消去し、その記憶領域の残り容量が不足した場合、その画像データを記憶装置に登録し、記憶装置に登録された画像データに基づく画像が印刷された後にその画像データを受信回路内から消去する。
【0013】
これにより、画像形成装置内のリソースを使用して、不揮発性メモリーの容量を増加せずに、大きなサイズの画像データをデータ保証しつつ受信することが可能となる。
【0014】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置に加え、次のようにしてもよい。この場合、画像形成装置は、画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理回路を備える。そして、上述の記憶装置は、画像処理回路により画像処理を施された後の画像データを一時的に保存するための記憶装置である。
【0015】
これにより、画像形成装置内の画像処理用の記憶装置を利用して、不揮発性メモリーの容量を増加せずに、大きなサイズの画像データをデータ保証しつつ受信することが可能となる。
【0016】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、不揮発性メモリーの記憶領域は、当該画像形成装置の電源オフ後のデータ保持を保証し、記憶装置は、一時保存用の記憶装置であって、当該画像形成装置の電源オフ後のデータ保持を保証しない。
【0017】
これにより、電源オフ後のデータ保持を保証しない記憶装置を使用して、不揮発性メモリーの容量を増加せずに、大きなサイズの画像データをデータ保証しつつ受信することが可能となる。
【0018】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、記憶装置に登録された画像データに基づく画像が印刷される前に、不揮発性メモリーの記憶領域に登録されている画像データに基づく画像を印刷する。
【0019】
これにより、先に受信され不揮発性メモリーの記憶領域に登録されている画像データに基づく画像が先に印刷されるため、受信された順番で画像データに基づく画像が印刷される。
【0020】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、受信回路は、所定の設定データに従って、記憶領域の残り容量が不足した場合、画像データを記憶装置に登録し、記憶装置に登録された画像データに基づく画像が印刷された後に画像データを受信回路内から消去するか、記憶装置に登録された画像データがユーザー操作に基づき消去され記憶領域の残り容量の不足が解消された後に画像データを記憶領域に登録するか、を選択する。
【0021】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、受信回路は、画像データを伝送するファクシミリ信号を受信しファクシミリ信号から画像データを生成して保持する。
【0022】
これにより、ファクシミリの受信画像について、画像形成装置内のリソースを使用して、不揮発性メモリーの容量を増加せずに、大きなサイズの画像データをデータ保証しつつ受信することが可能となる。
【0023】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、受信回路は、画像データを伝送する通信データを所定のプロトコルでネットワークから受信し通信データから画像データを生成して保持する。
【0024】
これにより、インターネットファクシミリなどのネットワークファクシミリの受信画像について、画像形成装置内のリソースを使用して、不揮発性メモリーの容量を増加せずに、大きなサイズの画像データをデータ保証しつつ受信することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、画像形成装置内のリソースを使用して、不揮発性メモリーの容量を増加せずに、大きなサイズの画像データをデータ保証しつつ受信することが可能な画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施の形態1に係る画像形成装置によるファクシミリ受信時の処理について説明するフローチャートである。
【図3】図3は、設定データにおいて保存モードが選択されている場合の、実施の形態2に係る画像形成装置によるファクシミリ受信時の処理について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0028】
実施の形態1.
【0029】
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。この画像形成装置は、ファクシミリ機能およびネットワークファクシミリ機能を有する、ファクシミリ通信装置、複合機などである。
【0030】
図1において、ファクシミリボード1は、モデムを内蔵し、そのモデムで電話回線などを介してファクシミリ信号を送受し、受信したファクシミリ信号から画像データを生成して内蔵メモリーに保持する。つまり、ファクシミリボード1は、画像データを伝送する電気信号を受信しその電気信号から画像データを生成して保持する受信回路である。
【0031】
ファクシミリボード1は、フラッシュメモリー2内の所定の記憶領域の残り容量が不足していない場合、その画像データを、その記憶領域に登録した後にファクシミリボード1内から消去し、その記憶領域の残り容量が不足した場合、その画像データをハードディスクドライブ4に登録し、ハードディスクドライブ4に登録された画像データに基づく画像が印刷された後にその画像データをファクシミリボード1内から消去する。
【0032】
フラッシュメモリー2は、不揮発性メモリーである。フラッシュメモリー2には、ファクシミリボード1およびネットワークボード6により受信された画像データを登録される所定の記憶領域(いわゆるファックスボックス)が設けられている。
【0033】
画像処理部3は、画像データに対して所定の画像処理(色変換、スクリーン処理など)を施す。画像処理部3は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)などで構成される。
【0034】
ハードディスクドライブ4は、フラッシュメモリー2とは別の記憶装置であって、画像処理部3により画像処理を施された後の画像データを一時的に保存するための記憶装置である。
【0035】
なお、フラッシュメモリー2の記憶領域は、当該画像形成装置の電源オフ後のデータ保持を保証するが、ハードディスクドライブ4は、データの一時保存用記憶装置であって、当該画像形成装置の電源オフ後のデータ保持を保証しない。
【0036】
印刷処理部5は、図示せぬ印刷機構(例えば電子写真方式の印刷機構)を制御して、画像処理部3による画像処理後の画像データに基づく画像を印刷用紙に印刷させる。
【0037】
ネットワークボード6は、ネットワークインターフェイスを内蔵し、そのネットワークインターフェイスでネットワークを介して所定のプロトコルでファクシミリ画像を含む通信データを送受し、受信した通信データから画像データを生成して内蔵メモリーに保持する。つまり、ネットワークボード6は、画像データを伝送する電気信号を受信しその電気信号から画像データを生成して保持する受信回路である。
【0038】
ネットワークボード6は、フラッシュメモリー2内の所定の記憶領域の残り容量が不足していない場合、その画像データを、その記憶領域に登録した後にネットワークボード6内から消去し、その記憶領域の残り容量が不足した場合、その画像データをハードディスクドライブ4に登録し、ハードディスクドライブ4に登録された画像データに基づく画像が印刷された後にその画像データをネットワークボード6内から消去する。
【0039】
コントローラー7は、画像処理部3、印刷処理部5などの内部装置を制御し、ファクシミリボード1およびネットワークボード6からの要求に応じて、受信した画像データについての画像処理および印刷処理を実行させる。
【0040】
この実施の形態では、コントローラー7は、ハードディスクドライブ4に登録された画像データに基づく画像を印刷させる場合、ハードディスクドライブ4に登録された画像データに基づく画像を印刷させる前に、フラッシュメモリー2の記憶領域に登録されている画像データに基づく画像を印刷させる。
【0041】
操作パネル8は、ユーザーの操作を受け付ける入力装置(例えばタッチパネル、テンキー、ボタンスイッチなど)、およびユーザーに対して各種情報を表示する表示装置(例えば液晶ディスプレイ、インジケーターなど)を有する。
【0042】
次に、実施の形態1に係る画像形成装置の動作について説明する。
【0043】
まず、ファクシミリボード1によるファクシミリ受信時の処理について説明する。図2は、実施の形態1に係る画像形成装置によるファクシミリ受信時の処理について説明するフローチャートである。
【0044】
ファクシミリボード1は、ファクシミリボード1内に、受信した画像データが残っているか否かを判定する(ステップS1)。
【0045】
ファクシミリボード1内に、受信した画像データが残っている場合、ファクシミリボード1は、1ページの分の画像データについて、フラッシュメモリー2への登録を試みる(ステップS2)。
【0046】
ファクシミリボード1は、フラッシュメモリー2の残り容量が不足せずに、1ページ分の画像データをフラッシュメモリー2に登録した場合(ステップS3)、そのページの画像データをファクシミリボード1から削除する(ステップS4)。
【0047】
一方、ファクシミリボード1は、1ページ分の画像データをフラッシュメモリー2を登録しているときにフラッシュメモリー2の残り容量が不足した場合(ステップS3)、まず、1ページ分の画像データのうちの途中まで登録した部分をフラッシュメモリー2から削除し(ステップS5)、コントローラー7に対して、フラッシュメモリー2に登録されている画像データについての印刷処理の要求を送信する(ステップS6)。
【0048】
コントローラー7は、その要求を受信すると、画像処理部3に、フラッシュメモリー2に登録されている画像データに対する画像処理を実行させる。画像処理部3は、フラッシュメモリー2から画像データを読み出し、その画像データに対して画像処理を施し、画像処理後の画像データをハードディスクドライブ4に格納する。そして、コントローラー7は、印刷処理部5に、その画像処理後の画像データに基づく画像の印刷を実行させる。
【0049】
なお、フラッシュメモリー2に登録されている画像データは、印刷処理の終了後に自動的にフラッシュメモリー2から削除されるようにしてもよいし、ユーザーの操作に従って印刷処理の終了後にフラッシュメモリー2から削除されるようにしてもよい。
【0050】
また、ファクシミリボード1は、1ページ分の画像データのうちの途中まで登録した部分をフラッシュメモリー2から削除した後(ステップS5)、その1ページ分の画像データをハードディスクドライブ4に登録し(ステップS7)、コントローラー7に対して、ハードディスクドライブ4に登録したその1ページ分の画像データについての印刷処理の要求を送信する(ステップS8)。
【0051】
コントローラー7は、その要求を受信すると、画像処理部3がフラッシュメモリー2に登録されている画像データに対する画像処理を実行した後に、画像処理部3に、ハードディスクドライブ4に登録したその1ページ分の画像データに対する画像処理を実行させる。画像処理部3は、ハードディスクドライブ4からその1ページ分の画像データを読み出し、その画像データに対して画像処理を施し、画像処理後の画像データをハードディスクドライブ4に格納する。そして、コントローラー7は、印刷処理部5に、その画像処理後の画像データに基づく画像の印刷を実行させる。印刷処理部5は、フラッシュメモリー2に登録されている画像データについての印刷処理が完了した後に、ハードディスクドライブ4に登録された画像データについての印刷処理を実行させる。
【0052】
コントローラー4は、その1ページ分の画像データについて画像処理および印刷処理が完了すると、その旨をファクシミリボード1に通知する。ファクシミリボード1は、その通知を受け付けると、その1ページ分の画像データを、ファクシミリボード1内から削除する(ステップS9)。
【0053】
ファクシミリボード1は、ファクシミリボード1内にまだ画像データが残っているか否かを判定し(ステップS10)、ファクシミリボード1内にまだ画像データが残っている場合には、1ページずつ、ステップS7からステップS10の処理を繰り返し実行する。
【0054】
ステップS1またはステップS10において、ファクシミリボード1は、ファクシミリボード1内に画像データが残っていないと判定した場合、受信時の処理を終了する。
【0055】
なお、ネットワークボード6によるネットワークファクシミリ受信時の処理は、ファクシミリボード1によるファクシミリ受信時の処理(図2)と同様である。つまり、ネットワークボード6が、ネットワークファクシミリで画像データを受信すると、フラッシュメモリー2の記憶領域の残り容量が不足していない場合には、その画像データをフラッシュメモリー2に登録し、そうでない場合には、フラッシュメモリー2の記憶領域の残り容量が不足した場合には、その画像データをハードディスクドライブ4に登録する。そして、1ページずつ、ハードディスクドライブ4に登録した画像データに対して、画像処理および印刷処理が実行される。
【0056】
以上のように、上記実施の形態1によれば、ファクシミリボード1およびネットワークボード6は、それぞれ、フラッシュメモリー2内の所定の記憶領域の残り容量が不足していない場合、その画像データを、その記憶領域に登録した後にファクシミリボード1またはネットワークボード6内から消去し、その記憶領域の残り容量が不足した場合、その画像データをハードディスクドライブ4に登録し、ハードディスクドライブ4に登録された画像データに基づく画像が印刷された後にその画像データをファクシミリボード1またはネットワークボード6内から消去する。
【0057】
これにより、画像形成装置内の既存のリソース(ここでは、画像処理用のハードディスクドライブ4)を使用して、フラッシュメモリー2の容量を増加せずに、大きなサイズの画像データをデータ保証しつつ受信することが可能となる。
【0058】
また、ファクシミリボード1およびネットワークボード6をプログラム制御で実現する場合、画像形成装置内の既存のリソースをそのまま使用するため、既存のファクシミリボードおよびネットワークボードのファームウェアを更新するだけで、上述のファクシミリボード1およびネットワークボード6を実現することができる。
【0059】
実施の形態2.
【0060】
本発明の実施の形態2に係る画像形成装置は、フラッシュメモリー2などに記憶される設定データに基づいて、ファクシミリ受信時およびネットワークファクシミリ受信時の処理モードを選択する。
【0061】
処理モードとしては、並行出力モードと保存モードとがある。
【0062】
並行出力モードは、実施の形態1のように、フラッシュメモリー2内の所定の記憶領域の残り容量が不足した場合に、ハードディスクドライブ4に画像データを登録しただちに画像処理および印刷処理を実行する。
【0063】
保存モードは、フラッシュメモリー2内の所定の記憶領域に保存可能な画像データだけを受信する。
【0064】
なお、実施の形態2に係る画像形成装置の構成については、実施の形態1(図1)のものと同様であるので、その説明を省略する。
【0065】
次に、実施の形態2に係る画像形成装置の動作について説明する。
【0066】
ユーザーや管理者は、操作パネル8を操作して、設定データの値を、並行出力モードを示す値および保存モードを示す値のいずれかに設定する。コントローラー7は、その操作に対応する値の設定データをフラッシュメモリー2などに保存する。
【0067】
そして、設定データの値が、並行出力モードを示すである場合、ファクシミリの受信およびネットワークファクシミリの受信が発生すると、実施の形態1と同様の処理が実行される。
【0068】
一方、設定データの値が、保存モードを示すである場合、ファクシミリの受信およびネットワークファクシミリの受信が発生すると、以下の処理が実行される。
【0069】
図3は、設定データにおいて保存モードが選択されている場合の、実施の形態2に係る画像形成装置によるファクシミリ受信時の処理について説明するフローチャートである。
【0070】
ファクシミリボード1は、ファクシミリボード1内に、受信した画像データが残っているか否かを判定する(ステップS21)。
【0071】
ファクシミリボード1内に、受信した画像データが残っている場合、ファクシミリボード1は、1ページの分の画像データについて、フラッシュメモリー2への登録を試みる(ステップS22)。
【0072】
ファクシミリボード1は、フラッシュメモリー2の残り容量が不足せずに、1ページ分の画像データをフラッシュメモリー2に登録した場合(ステップS23)、そのページの画像データをファクシミリボード1から削除する(ステップS24)。
【0073】
一方、ファクシミリボード1は、1ページ分の画像データをフラッシュメモリー2を登録しているときにフラッシュメモリー2の残り容量が不足した場合(ステップS23)、残り容量が不足していることをコントローラー7に通知する。コントローラー7は、残り容量が不足していることを示すメッセージを操作パネル8に表示する(ステップS25)。これにより、残り容量が不足しているがユーザーに通知され、ユーザーによる、フラッシュメモリー2内の画像データの削除が促される。
【0074】
ユーザーがフラッシュメモリー2に登録されている画像データについての画像処理および印刷処理を実行するための操作を行い、その画像処理および印刷処理が実行された後、ユーザーがフラッシュメモリー2に登録されている画像データの削除のための操作を操作パネル8に対して行うと、コントローラー7は、その操作に従って、フラッシュメモリー2内の画像データを削除する(ステップS26)。なお、ファクシミリボード1およびネットワークボード6は、1回の受信(1セッション)ごとに、異なる1つのファイルとして画像データをフラッシュメモリー2に登録するようにし、コントローラー7は、フラッシュメモリー2内の画像データのリストを操作パネル8に表示し、そのリストからユーザーにより選択された画像データのみを削除するようにしてもよい。
【0075】
ユーザーの操作に従ってフラッシュメモリー2内の画像データが削除された後、ステップS22に戻り、ファクシミリボード1は、1ページの分の画像データについて、フラッシュメモリー2への登録を再度試みる。
【0076】
なお、ネットワークファクシミリの場合、ネットワークボード6がファクシミリボード1と同様の動作をする。
【0077】
以上のように、上記実施の形態2によれば、設定により並行出力モードと保存モードのいずれかを選択することができる。
【0078】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0079】
例えば、上記の各実施の形態において、ハードディスクドライブ4の代わりに、SSD(Solid State Drive)などといった他の大容量記憶装置を使用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、例えば、ファクシミリおよびインターネットファクシミリによる画像の受信に適用可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 ファクシミリボード(受信回路の一例)
2 フラッシュメモリー(不揮発性メモリーの一例)
3 画像処理部
4 ハードディスクドライブ(記憶装置の一例)
6 ネットワークボード(受信回路の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリーと、
前記不揮発性メモリーとは別の記憶装置と、
画像データを伝送する電気信号を受信し前記電気信号から前記画像データを生成して保持する受信回路とを備え、
前記受信回路は、前記不揮発性メモリー内の所定の記憶領域の残り容量が不足していない場合、前記画像データを、前記記憶領域に登録した後に前記受信回路内から消去し、前記記憶領域の残り容量が不足した場合、前記画像データを前記記憶装置に登録し、前記記憶装置に登録された前記画像データに基づく画像が印刷された後に前記画像データを前記受信回路内から消去すること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部を備え、
前記記憶装置は、前記画像処理部により前記画像処理を施された後の前記画像データを一時的に保存するための記憶装置であること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記不揮発性メモリーの前記記憶領域は、当該画像形成装置の電源オフ後のデータ保持を保証し、前記記憶装置は、一時保存用の記憶装置であって、当該画像形成装置の電源オフ後のデータ保持を保証しないことを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶装置に登録された前記画像データに基づく画像が印刷される前に、前記不揮発性メモリーの前記記憶領域に登録されている前記画像データに基づく画像を印刷することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記受信回路は、所定の設定データに従って、前記記憶領域の残り容量が不足した場合、前記画像データを前記記憶装置に登録し、前記記憶装置に登録された前記画像データに基づく画像が印刷された後に前記画像データを前記受信回路内から消去するか、前記記憶装置に登録された前記画像データがユーザー操作に基づき消去され前記記憶領域の残り容量の不足が解消された後に前記画像データを前記記憶領域に登録するか、を選択することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記受信回路は、画像データを伝送するファクシミリ信号を受信し前記ファクシミリ信号から前記画像データを生成して保持することを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記受信回路は、画像データを伝送する通信データを所定のプロトコルでネットワークから受信し前記通信データから前記画像データを生成して保持することを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−90254(P2013−90254A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231177(P2011−231177)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】