説明

画像形成装置

【課題】感光体から画像が転写されるベルトの圧着解除時における変動を小さく抑える。
【解決手段】回転する感光体と、感光体と接触して感光体上に形成されたトナー画像が転写されるベルト30とを有した画像形成装置において、ベルトを張架するステアリングローラの傾斜角度を変更して、ベルト30の幅方向の位置を調整するステアリング動作の制御を行うステアリング制御部を設ける。そして、ステアリング制御部は、ベルト30を感光体に接触させる圧着動作中と、ベルト30を感光体から離す解除動作中に、ステアリング動作を実行しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体に付着したトナーを中間転写ベルトに転写する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、画像形成装置は、まず感光体であるドラムを一様に帯電すると共に、原稿画像に合わせて帯電した電荷を消去(露光)し、静電潜像を形成する。そして、このドラムの静電潜像に現像部を用いてトナーを付着させ、ドラムに付着したトナーを中間転写ベルトや用紙等の転写材に転写して、画像を形成する。中間転写ベルトを使用する場合には、一端中間転写ベルトに転写された画像を、さらに用紙に転写する。
【0003】
中間転写ベルトは、ドラムに対して正しい位置で接触するように、ベルトステアリング制御が行われている。すなわち、ベルト端部検出センサを設けて、そのベルト端部検出センサが検出したベルト端部の位置に基づいて、ステアリングローラの傾斜角を変化させて、ベルト位置が適正になるように調整する。万一、ベルトステアリング制御が適正でなく、中間転写ベルトの位置が適正でないと、例えばカラー画像形成時には中間転写ベルトの幅方向の色ずれが発生してしまう。
【0004】
特許文献1には、画像形成装置において、ステアリング機構で中間転写ベルトの制御を行う点についての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−122653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、画像形成装置は、中間転写ベルトが用紙への画像形成動作を開始するとドラムと適正に接触させる圧着動作を行い、画像形成動作が終了するとドラムから離す圧着解除動作を行う。終了時に中間転写ベルトをドラムから離すのは、停止動作時のドラム回転速度と中間転写ベルトの移動速度の相異などで、ドラムや中間転写ベルトが損傷するのを防止するためと、メンテナンスなどで中間転写ユニットやドラムユニットを引き出す際に、ドラムや中間転写ベルトの損傷を防止するためである。
【0007】
ところが、中間転写ベルトをドラムから離す圧着解除動作を行うと、圧着解除動作中にベルトステアリング制御状態が乱れてしまい、画像形成動作を再開させる際に、ベルトステアリング制御が安定するまでに時間がかかる問題がある。
中間転写ベルトをドラムから離す圧着解除動作時に、中間転写ベルトの端部の位置を検出するベルト端部検出センサと中間転写ベルトとの接触抵抗により、中間転写ベルトは、一時的に端部に反りが生じる。中間転写ベルトの端部に反りが生じると、ベルト端部検出センサは、誤った端部位置を検出する。ベルトステアリング制御で、この誤った端部位置の検出状況に基づいて中間転写ベルトの位置を補正するベルトステアリング制御が行われると、例えば適正な位置の中間転写ベルトを誤った位置に移動させる制御が行われ、ベルトステアリング制御状態が乱れてしまう。
ベルトステアリング制御状態が乱れると、画像形成動作の再開時に圧着動作が開始した際に、比較的大きなベルト位置補正処理が行われて、ベルト位置が安定するまでに時間がかかってしまう。このようにベルト位置が安定するまでに時間がかかって、ベルト位置補正が画像形成動作の開始までに間に合わない場合には、用紙に形成される画像に色ずれが発生する。
【0008】
図7は、中間転写ベルトの端部を、ベルト端部検出センサで検出する状態の例を示した図である。図7に仮想線(二点鎖線)で示した中間転写ベルト101は、圧着動作中のベルト位置であり、図7に実線で示した中間転写ベルト102は、圧着解除中のベルト位置である。中間転写ベルト101は、図7に矢印で示すように下方向に搬送される。
中間転写ベルト101の端部の位置を検出するベルト端部検出センサ110は、支点112を中心として回動するレバー111を備える。そして、ベルト端部検出センサ110のレバー111が中間転写ベルト101,102の端部と接した際の、レバー111の回動角度θ1を使った演算で、中間転写ベルト101,102の端部の位置が算出される。
【0009】
図7に示した中間転写ベルト101は、圧着解除動作により、圧着解除中の中間転写ベルト102の位置に移動する。圧着解除動作により、中間転写ベルト101の位置から中間転写ベルト102の位置に移動する際には、ベルト端部検出センサ110のレバー111と、中間転写ベルト102の端部102aとの接触抵抗で、一時的に中間転写ベルト102の端部102aが反った状態になることがある。図7に破線で示した端部102bは、若干反った状態を示している。中間転写ベルト102の端部102bが若干反った状態になると、レバー111の回動角度θ1が、反っていない端部102aと接した場合の回動角度から変化し、中間転写ベルト102の位置が誤って検出されてしまう。このベルト端部の反りによる位置の誤検出が発生すると、ベルトステアリング制御状態は乱れたものになってしまう。
【0010】
図8は、中間転写ベルトを圧着動作中から圧着解除し、さらに圧着動作を復帰させた場合における、従来のベルトステアリング制御状態の例を示した図である。
図8において、横軸は時間であり、期間T1は画像形成動作中で中間転写ベルトが圧着動作している期間である。そして、期間T2に中間転写ベルトの圧着の解除動作が行われ、期間T3で中間転写ベルトが停止している状態となる。その後、画像形成が可能な状態に復帰する際には、期間T4で中間転写ベルトの搬送が開始され、中間転写ベルトとドラムとの速度合わせが行われる。この期間T4では、中間転写ベルトを圧着させる動作は行われず、解除状態で待機している。
期間T4での速度合わせが完了すると、中間転写ベルトを圧着位置とする期間T5に移る。この期間T5での圧着解除位置からの復帰動作が完了することで、期間T6に中間転写ベルトがドラムに圧着された圧着動作中となり、画像形成が可能な状態に復帰する。
【0011】
図8の縦軸は、中間転写ベルトの目標位置Xからの変位Baを示す。ステアリング制御では、中間転写ベルトの目標位置Xからの変位Baに応じたステアリングローラの傾斜角度を設定して、中間転写ベルトの位置Baを目標位置Xに近づける制御を行う。ベルト位置Baは、図7に示したベルト端部検出センサ110の出力から算出されるベルト位置である。
【0012】
図8に示した制御状態では、画像形成動作中の期間T1で比較的安定したベルト位置制御が行われて、ベルト位置Baが目標位置Xとほぼ一致している状態を示している。このように圧着動作中に安定していても、図8に示した解除動作中の期間T2に、レバーとの接触抵抗で中間転写ベルトの端部の反りが発生すると、ベルト位置Baが目標位置Xから離れた位置になったと誤検出されてしまう。解除動作中の期間T2に続いた停止期間T3は、ベルト駆動が停止しているためステアリング制御が実行されず、目標位置Xから離れたベルト位置Baが検出された状態が継続する。そして、速度合わせ期間T4と圧着動作期間T5には、目標位置Xから外れたベルト位置Baを目標位置Xに戻すステアリング制御が行われる。ここでのステアリング制御では、目標位置Xから外れたベルトを戻すように制御され、さらに期間T5の圧着動作でベルトの反りが戻るため、目標位置を大幅にオーバーしてしまうことにより、必要以上の補正動作が行われる。このため、期間T4,T5では、ベルト位置Baが、期間T2とは逆方向に目標位置Xから比較的大きく外れてしまう。
【0013】
ステアリング制御では、このようなベルト位置Baの目標位置Xからの大きなずれが発生すると徐々に目標位置Xに近づける制御が行われるが、ベルト位置Baが目標位置Xに近い状態に収束して安定するまでに比較的長い時間がかかってしまう。
【0014】
このため、図8に示すような制御状態となると、圧着状態となった期間T6の直後には、中間転写ベルトがずれた状態で画像形成動作が行われて、カラー画像形成時の色ずれが発生するという問題がある。また、中間転写ベルトの位置が安定してから画像形成動作を行うようにした場合には、画像形成動作の開始までに時間がかかるという問題がある。
【0015】
本発明は、感光体から画像が転写されるベルトの圧着解除動作時における変動を小さく抑えることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の画像形成装置は、回転する感光体と、感光体上のトナー画像を担持して搬送するベルトとを有し、ベルトを感光体に接触させる圧着動作と、ベルトを感光体から離す解除動作を行う圧着解除機構を備える。また、ベルトと接触し、ベルトの搬送方向と直交する幅方向の位置を検出するベルト位置検出部と、ベルト位置検出部が検出したベルト位置に基づいて、ベルトを張架するステアリングローラの傾斜角度を変更して、ベルトの幅方向の位置を調整するステアリング動作の制御を行うステアリング制御部とを備える。そして、ステアリング制御部は、圧着解除機構で圧着動作中及び解除動作中において、ステアリング動作を行わないことを特徴とする。
【0017】
このように構成したことで、ベルトの感光体への圧着を解除した後、再度感光体に圧着させたとき、圧着動作中及び解除動作中に誤ったステアリング制御が行われることを阻止でき、圧着解除中に、ベルト位置が大きく変動することを効果的に阻止できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、感光体からトナー画像が転写されるベルトの圧着動作の完了時における変動を小さく抑えることができ、圧着動作完了後の画像形成時の色ずれなどを効果的に防止できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施の形態の例による画像形成装置を示す全体構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態の例による中間転写ベルトのステアリング制御について説明した図である。
【図3】本発明の一実施の形態の例による中間転写ベルトの圧着時と圧着解除時の状態を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態の例による中間転写ベルトの圧着解除から圧着駆動までのステアリング制御処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態の例による中間転写ベルトの制御状態を示すタイミング図である。
【図6】本発明の他の実施の形態の例による中間転写ベルトの圧着解除から圧着駆動までのステアリング制御処理を示すフローチャートである。
【図7】従来の画像形成装置の中間転写ベルトの端部の検出状態の例を示す説明図である。
【図8】従来の中間転写ベルトの制御状態の例を示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の画像形成装置の一実施の形態例(以下、本例という。)について、図1〜図6を参照して説明する。なお、本欄の記載は、特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。
説明は以下の順序で行う。
1.画像形成装置全体の構成例
2.中間転写ベルトのステアリング制御の説明
3.画像形成装置の動作(例1)
4.画像形成装置の動作(例2)
5.変形例
【0021】
[1.画像形成装置全体の構成例]
まず、画像形成装置の構成例について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施の形態の例を示す全体構成図である。
図1に示す画像形成装置1は、タンデム型カラー画像形成装置であり、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像の形成を行う。
【0022】
画像形成装置1は、画像読取部10と、4組の画像形成部20Y,20M,20C,20Kと、中間転写ベルト30と、用紙収納部40と、2次転写部50と、定着部60と、用紙のスイッチバックを行う用紙搬送装置70とを有する。また、画像形成装置1は、操作表示部80と、制御部90を有する。
【0023】
画像読取部10は、原稿台11に載置された原稿の画像を、ラインイメージセンサで読み込み、光電変換することで、画像情報信号を生成する。この画像情報信号に対してアナログ処理、デジタル変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等をして画像形成信号が生成される。この画像形成信号は、画像形成部20Y,20M,20C,20Kの後述する各光書込部23Y,23M,23C,23Kに入力される。
【0024】
画像形成部20Yは、イエロー(Y)色の画像を形成し、画像形成部20Mは、マゼンタ(M)色の画像を形成する。また、画像形成部20Cは、シアン(C)色の画像を形成し、画像形成部20Kは、ブラック(K)色の画像を形成する。
【0025】
画像形成部20Yは、感光体ドラム21Yと、その感光体ドラム21Yの周囲に配置された帯電部22Yと、光書込部23Yと、現像部24Yと、ドラムクリーナ25Yを有している。これと同様に、画像形成部20Mは、感光体ドラム21Mと、帯電部22Mと、光書込部23Mと、現像部24Mと、ドラムクリーナ25Mを有している。
【0026】
また、画像形成部20Cは、感光体ドラム21Cと、帯電部22Cと、光書込部23Cと、現像部24Cと、ドラムクリーナ25Cを有している。そして、画像形成部20Kは、感光体ドラム21Kと、帯電部22Kと、光書込部23Kと、現像部24Kと、ドラムクリーナ25Kを有している。
【0027】
感光体ドラム21Y,21M,21C,21K、帯電部22Y,22M,22C,22K、光書込部23Y,23M,23C,23K、現像部24Y、24M、24C、24K及びドラムクリーナ25Y,25M,25C,25Kは、それぞれ共通する機能を有する。以下、特に区別が必要な場合を除き、色を示す符号Y、M、C、Kを付さずに共通に説明する。
【0028】
感光体ドラム21は、不図示の駆動モータによって回転する。帯電部22は、感光体ドラム21に電荷を与え、感光体ドラム21の表面を一様に帯電する。光書込部23は、画像情報信号に基づいて、感光体ドラム21の表面に対して露光操作を行って、感光体ドラム21上に静電潜像を形成する。
【0029】
現像部24は、感光体ドラム21に形成された静電潜像にトナーを付着させる。これにより、感光体ドラム21の表面には、トナー画像が形成される。ドラムクリーナ25は、感光体ドラム21の表面に残留しているトナーを除去する。
【0030】
感光体ドラム21上に付着したトナー画像は、転写材である中間転写ベルト30に転写され、中間転写ベルト30がトナー画像を担持して搬送する。中間転写ベルト30は、無端状に形成されており、複数のローラによって感光体ドラム21の回転方向とは逆方向に回転される。
【0031】
中間転写ベルト30における各画像形成部20Y,20M,20C,20Kの感光体ドラム21Y,21M,21C,21Kと対向する位置には、1次転写部31Y,31M,31C,31Kが設けられている。1次転写部31Y,31M,31C,31Kは、中間転写ベルト30にトナーと反対の極性を印加させることで、感光体ドラム21上に形成されたトナー像を中間転写ベルト30に転写する。
【0032】
そして、中間転写ベルト30が回転することで、中間転写ベルト30の表面には、4組の画像形成部20Y,20M,20C,20Kで形成されたトナー像が順次転写される。これにより、中間転写ベルト30上には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各トナー像が重畳したカラー画像が形成される。
【0033】
各画像形成部20Y,20M,20C,20Kの感光体ドラム21Y,21M,21C,21Kは、圧着用ローラ32が圧着位置にあるとき、中間転写ベルト30と接した状態となり、各1次転写部31Y,31M,31C,31Kで転写動作が行われる。
また、中間転写ベルト30は、圧着用ローラ32が圧着解除位置にあるとき、各画像形成部20Y,20M,20C,20Kの感光体ドラム21Y,21M,21C,21Kから離れる。圧着用ローラ32は、圧着解除部材である。この圧着用ローラ32は、中間転写ベルト30による用紙への画像形成動作が停止したときに、圧着解除位置に配置される。なお、単色モードとして、画像形成部20Y,20M,20Cのみ感光体ドラム21Y,21M,21Cから離れるように構成してもよい。
また、中間転写ベルト30の内周部は、ステアリングローラ33に接触している。このステアリングローラ33は、中間転写ベルト30の幅方向の位置を調整するステアリング調整を行うための部材である。圧着用ローラ32とステアリングローラ33の詳細構成は後述する。
【0034】
用紙収納部40は、装置本体の下部に配置されており、用紙Sのサイズに応じて複数設けられている。この用紙Sは、給紙部41により給紙されて搬送部43に送られ、レジストローラ44を経て転写位置である2次転写部50に搬送される。
【0035】
2次転写部50は、ローラ状に形成されており、レジストローラ44を経て送られてきた用紙Sを中間転写ベルト30側に押圧する。これにより、用紙S上には、中間転写ベルト30上のカラー画像が転写される。
【0036】
2次転写部50における用紙Sの排出側には、定着部60が設けられている。定着部60は、用紙Sに転写されたトナー像を加圧加熱して定着させる。トナー像が定着した用紙Sは、定着搬送ローラ46及び排紙ローラ47を経て装置外に排出される。
【0037】
定着搬送ローラ46の搬送方向下流には、切換ゲート48が配置されている。切換ゲート48は、定着搬送ローラ46を通過した用紙Sの搬送方向を切り換える。
【0038】
すなわち、片面の画像形成動作時におけるフェイスアップ排紙を行う場合に、切換ゲート48は、用紙Sを直進させる。これにより、用紙Sは、排紙ローラ47によって排紙される。なお、フェイスアップ排紙とは、画像形成を行った面を表にする排紙(表排紙)のことである。
【0039】
また、片面画像形成時におけるフェイスダウン排紙又は両面に画像形成を行う場合に、切換ゲート48は、用紙Sを用紙搬送装置70へ案内する。なお、フェイスダウン排紙とは、画像形成を行った面を裏にする排紙(裏排紙)のことである。
用紙搬送装置70は、用紙Sの搬送方向を逆転するスイッチバックを行って、用紙Sの表裏を反転させる。
【0040】
フェイスダウン排紙を行う場合は、用紙搬送装置70によって表裏が反転された用紙Sを、切換ゲート48へ案内し、排紙ローラ47によって排紙する。また、両面に画像形成を行う場合は、用紙搬送装置70によって表裏が反転された用紙Sを転写位置に送る。
【0041】
操作表示部80は、タッチパネル等を有しており、ユーザが画像形成装置1を動作させるためのジョブ情報を入力する入力部として機能する。この操作表示部80では、例えば、用紙のサイズの選択、用紙の枚数の選択、片面の画像形成又は両面の画像形成の選択等をジョブ情報として入力することができる。操作表示部80で入力されたジョブ情報は、制御部90に送信される。
【0042】
また、操作表示部80は、スタートボタンを有している。ユーザが操作表示部80によりジョブ情報を入力してスタートボタンを押圧することにより、画像形成装置1は、入力されたジョブ情報に基づいた動作を開始する。制御部90は、受信したジョブ情報に基づいて画像形成装置1の画像形成動作を制御する。圧着用ローラ32による中間転写ベルト30の圧着動作や、ステアリングローラ33による中間転写ベルト30のステアリング制御についても、制御部90の制御で実行される。
【0043】
[2.中間転写ベルトのステアリング制御の説明]
次に、図2及び図3を参照して、中間転写ベルト30のステアリング制御を行う構成について説明する。
図2は、無端状に形成された中間転写ベルト30の一部とステアリング制御について示した斜視図であり、図3は、図2の構成を側面から見た図である。
図2に示すように、中間転写ベルト30は、圧着用ローラ32、ステアリングローラ33及びその他のローラ(不図示)によって張架されている。ステアリングローラ33の一端側33aは、支持部材39に支持されており、他端側33bは、不図示の駆動機構に接続されている。駆動機構は、ステアリングローラ33の一端側33aを支点として円を描く回動方向θ10(図2)に、他端側33bを可動させる。この他端側33bの可動により、中間転写ベルト30の幅方向W1の位置を移動させるステアリング調整が行われる。
例えば、ステアリングローラ33を回動方向θ10に沿って一方に傾斜させると、中間転写ベルト30の位置が、奥側(一端側33a)に移動する。また、ステアリングローラ33を回動方向θ10に沿って他方に傾斜させると、中間転写ベルト30の位置が、手前側(他端側33b)に移動する。このステアリングローラ33の傾斜角度は、制御部90により制御される。制御部90は、ステアリング制御を実行するコントローラである。制御部90によるステアリングローラ33の傾斜角度の制御は、後述するベルト端部検出センサ34による中間転写ベルト30の端部位置の検出に基づいて行われる。
【0044】
圧着用ローラ32は、ステアリングローラ33の近傍に設けられている。この圧着用ローラ32は、圧着解除機構を構成するローラであり、圧着解除動作時には、圧着位置から図2及び図3に示すα方向へ移動して、圧着解除位置に到達する。また、圧着動作時には、圧着解除位置からβ方向へ移動して、圧着位置に到達する。この圧着用ローラ32の移動についても、制御部90が制御する不図示の駆動機構により実行される。圧着用ローラ32が圧着位置に配置されると、中間転写ベルト30は、各画像形成部20Y,20M,20C,20Kの感光体ドラム21Y,21M,21C,21Kと接触する。また、圧着用ローラ32が圧着解除位置に配置されると、中間転写ベルト30は、各画像形成部20Y,20M,20C,20Kの感光体ドラム21Y,21M,21C,21Kから離れる。
【0045】
以下の説明では、中間転写ベルト30が感光体ドラム21と接触している状態を圧着状態とし、中間転写ベルト30が各感光体ドラム21から離れている状態を圧着解除状態とする。図3に実線で示した中間転写ベルト30は、圧着状態であり、図3に破線で示した中間転写ベルト30′は、圧着解除状態である。なお、図3では、2つの感光体ドラム21Y及び21Mだけを示すが、その他の感光体ドラム21C,21Kと中間転写ベルト30との関係も同じである。
【0046】
そして、図2に示すように、中間転写ベルト30の端部30a,30bの位置を検出するベルト端部検出センサ34が、中間転写ベルト30の近傍に固定配置される。
ベルト端部検出センサ34は、2つのレバー35,36を備え、レバー35で中間転写ベルト30の一方の端部30aの位置を検出し、レバー36で中間転写ベルト30の他方の端部30bの位置を検出する。レバー35は、支点部35aを中心として回動し、接触部35bが中間転写ベルト30の一方の端部30aと接触するように、バネなどの機構で付勢させてある。そして、レバー35の回動角度θ11で、中間転写ベルト30の端部30aの位置を検出する。すなわち、ベルト端部検出センサ34には、中間転写ベルト30の端部30aが適正位置であるときのレバー35の回動角度θ11が設定してあり、その適正位置での回動角度から回動角度θ11が変化したとき、中間転写ベルト30の端部30aが適正位置でないと判定する。そして、そのときの角度の変化量を端部30aの位置の動き量に換算して、端部30aの検出位置の情報を得る。なお、レバー35の接触部35bは、図3に示すように、圧着状態の中間転写ベルト30(実線で示す位置)と、圧着解除状態の中間転写ベルト30′(破線で示す位置)のいずれでも接触して検出できる長さに形成されている。
【0047】
レバー36についても、レバー35と同様の原理で、中間転写ベルト30の端部30bの位置を検出する。すなわち、レバー36は、支点部36aを中心として回動し、接触部36bが中間転写ベルト30の他方の端部30bと接触するように、バネなどの機構で付勢させてある。そして、レバー36の回動角度θ12で、中間転写ベルト30の端部30bの位置を検出する。すなわち、レバー36の回動角度θ12が、適正位置での回動角度から変化したとき、中間転写ベルト30の端部30bが適正位置でないと判定する。そして、そのときの角度の変化量を端部30bの位置の動き量に換算して、端部30bの検出位置の情報を得る。
【0048】
これらのレバー35,36の回動角度θ11,θ12を、中間転写ベルト30の端部30a,30bの位置に換算する処理は、例えば制御部90によって行われる。制御部90は、図2に示すようにメモリ91を備え、回動角度θ11,θ12を中間転写ベルト30の動き量に換算するための演算に必要な情報をメモリ91から取得する。
【0049】
なお、図2及び図3では説明を簡単にするために、1つの圧着用ローラ32で中間転写ベルト30の圧着状態と圧着解除状態とを設定するように構成した。これに対して、複数の圧着用ローラを用いて、圧着状態と圧着解除状態とを設定する構成としてもよい。
【0050】
[3.画像形成装置の動作(例1)]
次に、図4〜図5を参照して、本例の画像形成装置の動作について説明する。ここでは、中間転写ベルト30を圧着状態から圧着解除状態に変化させ、さらに圧着解除状態から圧着状態に戻すまでの動作を説明する。
中間転写ベルト30は、用紙Sへの画像形成動作中に、感光体ドラム21と圧着状態となり、用紙Sへの画像形成動作が停止しているときに、感光体ドラム21から離れた圧着解除状態となる。
【0051】
図4のフローチャートに従って説明すると、まず、制御部90は、中間転写ベルト30が感光体ドラム21と圧着状態のとき、ステアリング制御を行う(ステップS11)。すなわち、制御部90は、ベルト端部検出センサ34の検出出力に基づいて、ステアリングローラ33の傾斜角度を設定する。そして、制御部90は、圧着解除指示があるか否かを判断し(ステップS12)、圧着解除指示がない場合には、ステップS11でのステアリング制御を継続して行う。
【0052】
そして、ステップS12で圧着解除指示があると判断した場合、制御部90は、ベルト端部検出センサ34が検出したベルト位置が、予め設定された閾値(第1の閾値Wa)の範囲内であるか否かを判断する(ステップS13)。この第1の閾値Waは、中間転写ベルト30の位置が、適正な位置から大きく外れているか否かを判断するための閾値であり、中間転写ベルト30の位置がベルト目標位置から比較的大きく外れた場合には、第1の閾値Waの範囲外となる。
ステップS13の判断で、現在のベルト位置が第1の閾値Waの範囲内であると判断した場合には、さらに制御部90は、現在の中間転写ベルト30のステアリング制御が平衡状態にあるか否かを判断する(ステップS14)。このステアリング制御が平衡状態にあることの判断は、ベルト端部検出センサ34が検出したベルト位置が、一定時間T0内に継続して、予め設定された閾値(第2の閾値Wb)の範囲内であることから判断する。なお、第2の閾値Wbは、第1の閾値Waよりもベルト目標位置に近い範囲内にある閾値である。また、一定時間T0は、中間転写ベルト30の変動状態が判るように、例えば1秒から数秒程度の時間である。
【0053】
ステップS14の判断で、現在の中間転写ベルト30のステアリング制御が平衡状態にあると判断した場合、制御部90は、ステアリングローラ33によるステアリング制御を停止する。このとき、メモリ91が、ステアリング制御を停止する直前のステアリングローラ33の傾斜角度を記憶する。そして、制御部90は、圧着用ローラ32を圧着解除位置に移動させる解除動作を実行する(ステップS15)。
【0054】
制御部90は、この解除動作の実行で、中間転写ベルト30が圧着解除位置になったか否かを判断する(ステップS16)。この判断で、圧着解除位置になるまでステップS15での解除動作を実行し、圧着解除位置になったことを判断すると、制御部90は、解除動作を停止する(ステップS17)。なお、この圧着解除状態のとき、制御部90は、ステアリング制御停止時のステアリングローラ33の傾斜角度をそのまま維持し、中間転写ベルト30の搬送を停止する。
【0055】
ステップS17で圧着解除状態になった後は、制御部90は、圧着開始指示があるか否かを判断し(ステップS18)、圧着開始指示がない場合には、ステップS17での停止状態を維持する。ステップS18で圧着開始指示があると判断した場合には、制御部90は、中間転写ベルト30の搬送を開始し、中間転写ベルト30とドラム21との速度合わせを行う(ステップS19)。このステップS19での速度合わせが完了した後、制御部90は、圧着用ローラ32を圧着位置に移動させる圧着動作を実行する(ステップS20)。そして制御部90は、この圧着動作の実行で、圧着用ローラ32が圧着位置に移動して圧着駆動が完了したか否かを判断し(ステップS21)、圧着駆動が完了するまでステップS20の圧着動作を継続して行う。
【0056】
ステップS21で圧着駆動が完了したと判断すると、制御部90は、圧着動作を停止し、ステアリングローラ33によるステアリング制御を開始し(ステップS22)、ステップS11のステアリング制御の実行状態に戻る。ステップS22でステアリング制御を開始する際には、ステップS15でステアリング制御を停止したときのステアリングローラ33の傾斜角度が維持され、その維持されたステアリングローラ33の傾斜角度でステアリング制御が開始される。なお、何らかの要因でステアリング制御を停止した際のステアリングローラ33の傾斜角度が維持されていない場合には、制御部90は、メモリ91が記憶したステアリング制御を停止する直前の傾斜角度を読み出して、その傾斜角度を設定してもよい。
【0057】
そして、ステップS13でベルト端部検出センサ34が検出したベルト位置が、第1の閾値Waの範囲外であると判断した場合と、ステップS14でステアリング制御が平衡状態でないと判断した場合には、制御部90は、圧着用ローラ32を圧着解除位置に移動させる圧着解除動作を実行する(ステップS31)。このときには、制御部90は、ステアリングローラ33によるステアリング制御を継続して行う。
【0058】
制御部90は、この圧着解除動作の実行で、中間転写ベルト30が圧着解除位置になったか否かを判断する(ステップS32)。この判断で、圧着解除位置になるまでステップS31での解除動作を実行し、圧着解除位置になったことを判断すると、制御部90は、解除動作を停止すると同時に、ステアリングローラ33によるステアリング制御を停止し、中間転写ベルト30の搬送を停止する(ステップS33)。
【0059】
ステップS33で圧着解除状態になった後は、制御部90は、圧着開始指示があるか否かを判断し(ステップS34)、圧着開始指示がない場合には、ステップS33での停止状態を維持する。ステップS34で圧着開始指示があると判断した場合には、制御部90は、中間転写ベルト30の搬送を開始し、中間転写ベルト30とドラム21との速度合わせを行う(ステップS35)。このステップS35での速度合わせ開始時には、制御部90は、ステアリングローラ33によるステアリング制御を開始する。
【0060】
そして、ステップS35での速度合わせが完了した後、制御部90は、圧着用ローラ32を圧着位置に移動させる圧着動作を実行する(ステップS36)。そして制御部90は、この圧着動作の実行で、圧着用ローラ32が圧着位置に移動して圧着駆動が完了したか否かを判断し(ステップS37)、圧着駆動が完了するまでステップS36の圧着動作を継続して行う。
ステップS37で圧着駆動が完了したと判断すると、制御部90は、圧着動作を停止し、ステップS11のステアリング制御の実行状態に戻る。
【0061】
この図4のフローチャートに示す処理を実行した場合の、中間転写ベルト30のステアリング制御状態の例を図5に示す。図5は、中間転写ベルト30を圧着動作中から圧着解除し、さらに圧着動作を復帰させた場合の状態を示す。
図5において、横軸は時間であり、期間T11は中間転写ベルト30の圧着動作が行われて、画像形成が可能な期間である。そして、期間T12に中間転写ベルト30の圧着の解除動作が行われ、期間T13で中間転写ベルト30が停止している状態となる。その後、期間T14で中間転写ベルト30とドラム21との速度合わせが行われ、期間T15で中間転写ベルト30をドラム21に圧着させる圧着動作が行われ、期間T16で中間転写ベルト30の圧着動作中となり、画像形成可能に復帰する状態となる。
【0062】
図5の縦軸は、中間転写ベルトの目標位置Xからの変位B1を示す。圧着状態の期間T11では、制御部90がステアリングローラ33の傾斜角度を制御して、中間転写ベルト30の位置B1を目標位置Xに近づける制御を行っている。すなわち、制御部90は、ステアリングローラ33の傾斜角度を変化させて、ベルト位置B1を目標位置Xに収束させるサーボ制御を行う。
【0063】
図5に示した画像形成動作中の期間T11では、比較的安定したベルト位置制御が行われて、ベルト位置B1が目標位置Xとほぼ一致した、平衡状態である。そして、中間転写ベルト30の圧着の解除動作が行われる期間T12が開始されると同時に、制御部90はステアリング制御を停止する。
【0064】
したがって、ステアリングローラ33の傾斜角度は、期間T12開始時の状態が、そのまま維持される。これに対して、期間T12にベルト端部検出センサ34で検出されるベルト位置B1は、目標位置Xから外れた位置が検出される。これは、ベルト端部検出センサ34と中間転写ベルト30との接触抵抗で、一時的に中間転写ベルト30の端部が若干反るためである。
【0065】
この圧着解除動作中の期間T12の状態は、圧着解除状態で停止した期間T13でもそのまま引き継がれる。
そして、圧着解除状態で停止している状態から復帰する速度合わせの期間T14になっても、ステアリング制御が行われず、ベルト端部検出センサ34で検出されるベルト位置B1に変化がない。
【0066】
そして、圧着動作が行われる期間T15になると、中間転写ベルト30が圧着位置に戻るが、圧着解除動作中に中間転写ベルト30の端部に発生した反りは、ベルト端部検出センサ34と中間転写ベルト30との接触抵抗により、再び元の反りのない状態に戻る。このとき、ステアリング制御が行われていないために、ベルトの位置は、期間T12開始時のベルト位置B1に戻る。この状態で圧着中の期間T16になると、ステアリング制御が開始されて、期間T11での平衡状態を引き継いだ、平衡状態でのステアリング制御状態となる。
なお、図5に破線で示したベルト位置Baは、従来例として図7に示したベルト位置の例である。
【0067】
図5から判るように、圧着中の期間T16の開始時には、ベルト位置がほぼ平衡した圧着解除直前の姿勢と同じ姿勢(復帰姿勢)になる。したがって、ステアリングローラ33によるステアリング制御を開始すると、直ちに目標位置Xに収束する安定したステアリング制御に復帰し、期間T16になって直ぐに用紙Sへの画像形成動作を開始させても、色ずれが発生しない良好な画像形成を行うことができる。特に、ステアリング制御を停止したときのステアリングローラ33の傾斜角度が、ステアリング制御開始まで一定に保つように維持されることで、平衡状態でのステアリングローラ33の傾斜角度が維持され、ステアリングローラ33の傾斜角度が平衡状態の角度から外れることがなく、良好な制御が行える。
【0068】
また、図4のフローチャートに示したように、圧着解除前の中間転写ベルト30の位置が閾値Waを超えて大きくずれた場合や、圧着解除前の中間転写ベルト30の状態が平衡状態でない場合には、制御部90は、期間T12の解除動作中と、期間T14の速度合わせ中と、期間T15の圧着動作中においてもステアリング制御を行う。
このため、圧着解除動作中に発生する中間転写ベルト30の端部の反りの影響を超えるベルト位置変動がある状態では、中間転写ベルト30を平衡状態に戻すためのステアリング制御が圧着解除動作中や圧着動作中にも行われ、中間転写ベルト30の位置が比較的大きく適正位置から外れている場合における、平衡状態に戻るまでの時間を短縮することができる。なお、図5に示した第1の閾値Wa,第2の閾値Wb,一定時間T0は、それぞれ図4のフローチャートのステップS13で判断する第1の閾値Waと、ステップS14で平衡状態を判断する第2の閾値Wbと一定時間T0の例を示したものである。
【0069】
[4.画像形成装置の動作(例2)]
次に、図6のフローチャートを参照して、中間転写ベルト30を圧着解除状態から圧着状態に戻す際の別の処理について説明する。この図6のフローチャートにおいて、ステップS11〜S21、及びステップS31〜S36の処理は、図4のフローチャートで説明した処理と同じであり、その説明は省略する。
そして、図6のフローチャートの処理例では、ステップS20で圧着用ローラ32を圧着位置に移動させる圧着動作を実行した後、ステップS21で圧着駆動が完了したか否かを判断し、圧着駆動が完了したと判断したとき、制御部90は、一定時間Ta待機する(ステップS23)。一定時間Taは、例えば1秒程度の時間であり、この時間は、中間転写ベルト30の端部に発生した反りを、確実に元の状態に戻し、ベルト端部検出センサ34の誤検知によるステアリング制御の誤動作を防止するためである。そして、その一定時間Taが経過した後、制御部90は、ベルト端部検出センサ34の出力に基づいて、ステアリングローラ33の傾斜角度を制御するステアリング制御を開始し(ステップS24)、ステップS11のステアリング制御の実行状態に戻る。
【0070】
この図6のフローチャートに示すように、圧着を開始させてから1秒程度の一定時間Taが経過するまで待機してからステアリング制御を開始させることで、ベルト端部検出センサ34の誤検知によるステアリング制御の誤動作を防ぎ、より良好な制御が期待できる。すなわち、若干の時間Taだけステアリング制御を開始させるタイミングを遅らせることで、中間転写ベルト30の端部に発生した反りの戻りに若干の時間がかかる場合にも対処が可能になる。
【0071】
[5.変形例]
なお、図1〜図3に示した画像形成装置の構成は、一例を示したものであり、図示の構成に限定されるものではない。
また、図2に示したベルト端部検出センサ34は、中間転写ベルト30の一方の端部30aと他方の端部30bの双方を検出する構成とした。これに対して、例えば一方のレバー35で、回動角度θ11から中間転写ベルト30の端部30aの正確な位置検出を行い、他方のレバー36で、回動角度θ12がリミット値を超えるか否かだけの検出を行う構成のベルト端部検出センサでもよい。あるいは、ベルト端部検出センサ34として、一方のレバー35だけを備えて、他方のレバー36を省略した構成で中間転写ベルトの位置を検出してもよい。
また、図2に示したベルト端部検出センサ34のようなベルト端部をレバーの回動角度で検出するセンサ以外のベルト位置検出部で、ベルトの位置を検出してもよい。例えば、光学的にベルトの位置を検出するベルト位置検出部を備えた構成でもよい。
【0072】
また、ステアリングローラの傾斜角度により中間転写ベルトのステアリング制御を行う構成についても、一例を示したものであり、その他のステアリング部材を備えた構成で、中間転写ベルトの位置を制御するステアリング制御構成でもよい。
【0073】
メモリを設けてステアリングローラの傾斜角度を記憶する場合には、停止直前のステアリングローラの傾斜角度ではなく、任意の平衡状態におけるステアリングローラの傾斜角度をメモリに記憶させて、そのメモリが記憶した傾斜角度を復帰時のステアリングローラの傾斜角度に設定してもよい。
【0074】
また、メモリを設けずに、停止直前のステアリングローラの傾斜角度を、ステアリング制御を再開する際に、そのままステアリングローラの傾斜角度として用いてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…画像形成装置、10…画像読取部、11…原稿台、20Y,20M,20C,20K…画像形成部、21Y,21M,21C,21K…感光体ドラム、22Y,22M,22C,22K…帯電部、23Y,23M,23C,23K…光書込部、24Y,24M,24C,24K…現像部、25Y,25M,25C,25K…ドラムクリーナ、30,30′…中間転写ベルト、30a,30b…中間転写ベルトの端部、31Y,31M,31C,31K…1次転写部、32…圧着用ローラ、33…ステアリングローラ、33a…ステアリングローラの一端側(固定側)、33b…ステアリングローラの他端側(可動側)、34…ベルト端部検出センサ、35,36…レバー、35a,36a…支点部、35b,36b…接触部、39…支持部材、40…用紙収納部、50…2次転写部、60…定着部、70…用紙搬送装置、71…用紙反転経路、72…再給紙路、74A,74B…正逆回転ローラ、76A,76B…用紙停止ローラ、80…操作表示部、90…制御部、91…メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する感光体と、
前記感光体上のトナー画像を担持して搬送するベルトと、
前記ベルトを前記感光体に接触させる圧着動作と、前記ベルトを前記感光体から離す解除動作を行う圧着解除機構と、
前記ベルトと接触し、前記ベルトの搬送方向と直交する幅方向の位置を検出するベルト位置検出部と、
前記ベルト位置検出部が検出したベルト位置に基づいて、前記ベルトを張架するステアリングローラの傾斜角度を変更して、前記ベルトの幅方向の位置を調整するステアリング動作の制御を行うステアリング制御部と、を備え、
前記ステアリング制御部は、前記圧着動作中及び前記解除動作中において、前記ステアリング動作を行わないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ステアリング制御部は、前記圧着動作中及び前記解除動作中において、前記ステアリングローラの傾斜角度を一定に保つ制御を行う
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ステアリング制御部は、画像形成のための圧着動作が終了後、一定期間が経過する間、前記ステアリングローラの傾斜角度を一定に保つ制御を行う
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ステアリング制御部は、前記ベルト位置検出部が検出したベルト位置が、所定の閾値を超えた場合、前記圧着動作及び前記解除動作中に、前記ステアリング動作を行う制御を行う
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ステアリング制御部は、前記解除動作を行う前に前記ベルト位置検出部が検出したベルト位置から、平衡状態でないと判断した場合、前記圧着動作中及び前記解除動作中に、前記ステアリング動作を行う制御を行う
請求項1記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−92698(P2013−92698A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235404(P2011−235404)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】