説明

画像撮影装置および画像撮影方法

【課題】 特殊なデバイスや暗号化アルゴリズムを用いることなく、安価に、また記憶領域を圧迫せずに装置の紛失や盗難の際にもデータの漏洩を防止することを目的とする。
【解決手段】 パラメータ生成部6で符号化パラメータを生成する。生成した符号化パラメータは画像ファイル記憶部9へ保存する。また撮影装置へも生成した符号化パラメータを渡す。撮影装置1は、撮影部2で撮影した画像を渡された符号化パラメータで符号化し、符号化パラメータは削除する。画像サーバ5は、撮影装置1から符号化された画像データを受取ると、画像ファイル記憶部9にある符号化パラメータで復号を行う。よって撮影装置1には撮影後、符号化パラメータは残っていない。そのため撮影装置1では撮影した画像を復号することができず、撮影装置1の紛失や盗難の際にもデータの漏洩が防止される。また暗号化アルゴリズムを備える必要もないため、記憶領域を圧迫することもない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像撮影装置、画像サーバ、画像撮影方法、画像ファイル生成方法、符号化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の撮影装置は、カメラとカメラデータ転送用装置との間で、装置間の認証に成功した場合のみに、カメラで撮影した画像の転送を行う。カメラとカメラデータ転送用装置との間で、装置間の認証が失敗した場合には、カメラで撮影した画像を削除し、転送を行わないようにしている。
【0003】
他の例では、まずカメラに固有のID(識別子)を持たせる。そしてカメラのIDを暗号化の鍵として画像データ第1回目の暗号化を行う。次に記録媒体にも固有のIDを持たせる。そして記録媒体のIDを暗号化の鍵として画像データの第2回目の暗号化を行うようにしている。
【特許文献1】特開2003−244523号公報
【特許文献2】特開2002−94924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の撮影装置は、カメラとカメラデータ転送装置との間で認証が失敗した場合には、撮影画像はカメラ内の記憶メディアから削除される。しかしカメラデータ転送装置に接続しない場合には、撮影画像はカメラ内の記憶メディアに記憶されたままになっている。そのため、カメラの盗難や紛失の場合に、カメラを分解されると画像が漏洩するという課題があった。
【0005】
これを防ぐためにカメラ内の記憶メディアに耐タンパデバイスを用い、分解された場合にデータを自動的に消失させることもできる。しかしこの場合には、撮影装置の価格が高価となる。また耐タンパデバイスに記憶できる容量が限られているため、撮影できる画像のサイズや枚数が制限されるという課題があった。
【0006】
また従来の暗号化を用いる方式では、撮影装置側と再生装置側の両方に、標準の符号化アルゴリズムとは別に、暗号化アルゴリズムを備える必要があった。そのため両装置での処理負荷や必要メモリ容量の増加が発生するという課題があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、特殊なデバイスや暗号化アルゴリズムを用いることなく、安価に、装置の紛失や盗難の際にもデータの漏洩を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は以下の特徴がある。画像を撮影し撮影画像を生成する撮影部と、前記撮影部で生成した前記撮影画像を符号化するために使用する第1符号化パラメータを記憶する第1記憶部と、前記撮影画像を前記第1符号化パラメータで符号化し第1符号化画像データを生成する第1符号化部と、前記第1符号化部で生成した前記第1符号化画像データを記憶する第2記憶部とを備え、前記第1符号化部は、前記第1符号化画像データを生成した場合、前記第1記憶部に記憶された前記第1符号化パラメータを削除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、撮影画像から第1符号化画像データを生成した場合、第1記憶部に記憶された第1符号化パラメータを削除した。そのため特殊なデバイスや暗号化アルゴリズムを用いることなく安価に、またメモリ容量の圧迫をすることなしに、装置の紛失や盗難の場合にも装置内のデータの漏洩を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る撮影システムの構成を示すブロック図である。
【0012】
実施の形態1は、撮影装置1と画像サーバ5とからなる。撮影装置1は撮影部2と符号化部3と記憶媒体4とからなる。撮影部2は撮影画像を電子的なデータに変換する。符号化部3は第1符号化部を持つ。符号化部3の第1符号化部はデータの符号化を行う。記憶媒体4は符号化パラメータと画像データとを記憶する。記憶媒体4は第1記憶部と第2記憶部とを持つ。第1記憶部は符号化パラメータを記憶する。また第2記憶部は画像データを記憶する。ここで第1記憶部と第2記憶部とは別々の記憶媒体でも構わないし、同じ記憶媒体でも構わない。ここでは第1記憶部と第2記憶部とは同じ記憶媒体であることとする。画像サーバ5はパラメータ生成部6と媒体入出力I/F(インターフェース)7と画像ファイル生成部8と画像ファイル記憶部9とからなる。パラメータ生成部6は符号化テーブルに記憶された符号化パラメータを生成する。媒体入出力I/F7は記憶媒体4を着脱することができ、記憶媒体4とデータの読み書きを行う。画像ファイル生成部8は画像データと符号化パラメータとから画像ファイルを生成する。画像ファイル記憶部9は符号化パラメータと画像ファイルと基準とするJPEG画像ファイルを記憶する。例えば、媒体入出力I/F7はFDD(Flexible Disk Drive)904などである。また画像ファイル記憶部9は磁気ディスク装置920などである。
【0013】
本実施の形態では、画像ファイルの形式をJPEG(Joint Photographic Experts Group)とし、符号化パラメータにはハフマン符号化テーブルを用いる。図2は、JPEG画像ファイルを生成する場合の符号化において用いられるハフマン符号化テーブルを定義するセグメントの形式を示す。図1では、ハフマン符号化テーブルは撮影部2で撮影したJPEG画像が保持する。
【0014】
図2において、ハフマン符号化テーブルセグメント21はハフマン符号化テーブルセグメント21全体を表す。JPEGのハフマン符号化テーブルセグメント21は、セグメントの先頭を示す固定値(0xFFC4)からなる2バイトのハフマンテーブル定義マーカコードDHT22で開始される。次に、JPEGのハフマン符号化テーブルセグメント21は、テーブル全体の長さを2バイトで示すLn23が続く。次にJPEGのハフマン符号化テーブルセグメント21は、テーブルのクラス識別子としてそれぞれ4ビットからなるTc24とTh25とが続く。次に、JPEGのハフマン符号化テーブルセグメント21は、1ビットから16ビットまでの各符号長に割り当てられた符号の数を示すLi26(1≦i≦16)が続く。最後に、JPEGのハフマン符号化テーブルセグメント21は、各符号に割り当てられた1バイトのデータの値を示すVij27(1≦i≦16,1≦j≦Li)が符号の数分続く。またハフマン符号化テーブルセグメント21は、1つのハフマン符号化テーブルセグメント21の中に複数個のハフマンテーブルが定義される。そのことからハフマン符号化テーブルセグメント21は、テーブルのクラス識別子以降が複数回繰り返される。
【0015】
次に動作について説明する。
【0016】
まず、画像サーバ5において、符号化パラメータを生成する動作を説明する。
【0017】
図3は、画像サーバ5において符号化パラメータを生成する処理を示すフローチャートである。図3では、画像サーバ5は画像ファイル記憶部9に記憶する基準とするJPEG画像ファイルから符号化テーブルを読み込む。符号長が同じ物の間で、符号に割り当てられたデータをランダムに入れ替えた符号化テーブルを画像ファイル記憶部9へ出力する。また基準とするJPEG画像ファイルのハフマン符号化テーブルは標準符号化テーブルとして定義されているものを使用しているものとする。
【0018】
ステップS101では、パラメータ生成部6は内部変数としてLnとTyとをそれぞれ0に初期化する。
【0019】
ステップS102では、パラメータ生成部6は16個の要素を持つ配列Liを割り当てる。そしてパラメータ生成部6は各要素を0に初期化する。
【0020】
ステップS103では、パラメータ生成部6は入力のJPEG画像ファイルをスキャンし、ハフマンテーブル定義マーカコードまで読み飛ばす。
【0021】
ステップS104では、パラメータ生成部6は、JPEG画像ファイルの次の2バイトを変数Lnに読み込む。そしてパラメータ生成部6はサイズがLnバイトの出力バッファをパラメータ生成部6の内部に割り当てる。
【0022】
ステップS105では、パラメータ生成部6は出力バッファの先頭に変数Lnの値を2バイトで書き出す。そしてパラメータ生成部6は変数Lnの値を2減算する。
【0023】
ステップS106では、パラメータ生成部6は変数Lnの値が0より大きいかチェックする。パラメータ生成部6は、変数Lnの値が0より大きい場合はステップS107へ進み、変数Lnの値が0より大きくない場合は処理を終了する。
【0024】
ステップS107では、パラメータ生成部6は、ステップS106で変数Lnが0より大きい場合には、次の1バイトをTyに読み込む。
【0025】
ステップS108では、パラメータ生成部6は出力バッファにTyの値を1バイトで書き出す。そしてパラメータ生成部6変数Lnの値を1減算する。
【0026】
ステップS109では、パラメータ生成部6はJPEG画像ファイルの次の16バイトを1バイトずつ配列Liの要素としてLi[0]からLi[15]に読み込む。そしてパラメータ生成部6は変数Lnの値を16減算する。
【0027】
ステップS110では、パラメータ生成部6は内部変数iを0に初期化する。
【0028】
ステップS111では、パラメータ生成部6は変数iの値が16より小さいかをチェックする。パラメータ生成部6は、変数iの値が16より小さい場合はステップS112へ進み、変数iの値が16より小さくない場合はステップS106へ進む。
【0029】
ステップS112では、パラメータ生成部6は配列の要素Li[i]が0より大きいかチェックする。パラメータ生成部6は、要素Li[i]が0より大きい場合にはステップS113へ進み、要素Li[i]が0より大きくない場合にはステップS119へ進む。
【0030】
ステップS113では、パラメータ生成部6はステップS112で配列の要素Li[i]が0より大きい場合には、長さがLi[i]に等しい配列Vij[]を割り当てる。そしてパラメータ生成部6は、次のLi[i]バイトを割り当てた配列Vij[]の要素に読み込む。
【0031】
ステップS114では、パラメータ生成部6は長さがLi[i]に等しい配列R[]を割り当てる。パラメータ生成部6は、その要素が0から(Li[i]−1)の間の乱数で、各要素が他の要素と重複しない値を要素として設定する。
【0032】
ステップS115では、パラメータ生成部6は内部変数kを0に初期化する。
【0033】
ステップS116では、パラメータ生成部6は出力バッファにVij[R[k]]の値を1バイトで書き出す。
【0034】
ステップS117では、パラメータ生成部6は変数kの値に1加算する。
【0035】
ステップS118では、パラメータ生成部6は変数kの値がLi[i]より小さいかをチェックする。変数kの値がLi[i]より小さい場合はステップS116へ進み、変数kの値がLi[i]より小さくない場合はステップS119へ進む。
【0036】
ステップS119では、パラメータ生成部6は、変数kの値がLi[i]より小さくない場合は、変数iの値に1加算する。そしてステップS111へ進む。
【0037】
画像サーバ5では、パラメータ生成部6が図3に記述した符号化パラメータ生成処理を実行して、符号化パラメータを生成する。画像サーバ5では、パラメータ生成部6が少なくとも1つ以上の符号化パラメータを生成する。パラメータ生成部6は生成した符号化パラメータにそれぞれ異なるIDを付けて画像ファイル記憶部9に記憶する。また記憶媒体4が媒体入出力I/F7に接続された状態の場合に、パラメータ生成部6は、画像ファイル記憶部9に記憶したIDを付けた符号化パラメータを、媒体入出力I/F7を介して記憶媒体4の第1記憶部に記憶する。
【0038】
次に、撮影装置1において画像を撮影する動作を説明する。ここで、画像を撮影する場合には、記憶媒体4の第1記憶部にはIDを付けた符号化パラメータが1つ以上記憶されているものとする。
【0039】
図4は撮影装置1において画像を撮影する場合に実行される処理を示したフローチャートである。図4に基づいて画像を撮影する動作を説明する。
【0040】
ステップS201では、撮影部2は、画像の撮影に先立ち、記憶媒体4の第1記憶部に符号化パラメータがあるかをチェックする。撮影部2は、記憶媒体4の第1記憶部に符号化パラメータがある場合はステップS202へ進み、記憶媒体4の第1記憶部に符号化パラメータがない場合は処理を終了する。
【0041】
ステップS202では、撮影部2は、ステップS201で記憶媒体4の第1記憶部に符号化パラメータがある場合、撮影を実行する。
【0042】
ステップS203では、符号化部3の第1符号化部は、撮影部2が撮影した画像ファイルを撮影部2から符号化部3の第1符号化部へ取り込む。
【0043】
ステップS204では、符号化部3の第1符号化部は、記憶媒体4の第1記憶部に記憶されているID付きの符号化パラメータを1つ取り込む。
【0044】
ステップS205では、符号化部3の第1符号化部は、ステップS204で取り込みしたID付きの符号化パラメータを記憶媒体4の第1記憶部から削除する。
【0045】
ステップS206では、符号化部3の第1符号化部は、ステップS204で符号化パラメータとして読み込んだハフマン符号化テーブルを使って、ステップS203で取り込んだ撮影画像を符号化する。
【0046】
ステップS207では、符号化部3の第1符号化部は、符号化部3の第1符号化部に持つ符号化パラメータを削除する。
【0047】
ステップS208では、符号化部3の第1符号化部は、画像データの符号化に使用した符号化パラメータのIDと同じIDを、符号化した画像データに付けて、記憶媒体4の第2記憶部に記憶する。符号化部3の第1符号化部はIDを付けた画像データを記憶媒体4の第2記憶部へ記憶して処理は終了する。
【0048】
次に、画像サーバ5において、画像ファイルを生成する動作を説明する。
【0049】
図5は、画像サーバ5において、撮影装置1で符号化された画像データから画像ファイルを生成する場合に実行される処理を示したフローチャートである。図5に基づいて画像ファイルを生成する処理を説明する。ここで、媒体入出力I/F7には、ID付きの符号化された画像データが1つ以上記憶された記憶媒体4が接続されているものとする。
【0050】
ステップS301では、画像ファイル生成部8は、記憶媒体4の第2記憶部に符号化された画像データがあるかをチェックする。画像ファイル生成部8は、記憶媒体4の第2記憶部に符号化された画像データがある場合はステップS302へ進み、記憶媒体4の第2記憶部に符号化された画像データがない場合は処理を終了する。
【0051】
ステップS302では、画像ファイル生成部8は、ステップS301で記憶媒体4の第2記憶部に符号化された画像データがある場合は、媒体入出力I/F7を介して記憶媒体4の第2記憶部よりID付きの符号化された画像データを1つ画像ファイル生成部に取り込む。
【0052】
ステップS303では、画像ファイル生成部8は、ステップS301で取り込んだ符号化された画像データを記憶媒体4の第2記憶部から削除する。
【0053】
ステップS304では、画像ファイル生成部8は、画像ファイル記憶部9から、ステップS302で取り込んだ符号化された画像データに付いたIDと同じIDの付いた符号化パラメータを取り出す。
【0054】
ステップS305では、画像ファイル生成部8は、ステップS304で取り出した符号化パラメータのハフマン符号化テーブルを用いて符号化された画像データからJPEG画像ファイルを生成する。
【0055】
ステップS306では、画像ファイル生成部8は、ステップS305で生成したJPEG画像ファイルを画像ファイル記憶部9へ保存する。画像ファイル生成部8は続いてステップS301へ戻り、処理を繰り返す。
【0056】
上記のように、まず画像サーバ5は符号化テーブルを符号化パラメータとして事前に生成する。生成した符号化パラメータを撮影装置1へ渡す。次に撮影装置1は画像サーバから受け取った符号化テーブルを使って撮影画像を符号化する。そして符号化に使用した符号化テーブルを撮影装置1から削除するというように処理を行っている。そのため、個人情報などを含む画像を撮影した後に、撮影装置1の盗難や紛失が発生した場合にも、撮影装置1には符号化された画像データのみが記憶されているだけである。符号化された画像データのみから撮影画像を復号して生成することはできない。よって撮影画像の漏洩を防止することができる。
【0057】
また、撮影画像の符号化に使用する符号化テーブルは標準符号化テーブルの符号長が同じ符号を入れ替えして作成されている。よって符号化テーブルは符号長を変えることなく符号に割り当てされている。このため符号化された画像データのサイズは標準符号化テーブルを使って符号化を行った物と同一のサイズとなる。そのため、符号化された画像データのサイズの増加を抑えることができる。
【0058】
本実施の形態では、撮影装置1と画像サーバ5との間での符号化パラメータおよび符号化された画像データの受け渡しを不揮発性メモリ素子からなる記憶媒体4を使用して行った。他にも相互に通信を行う通信装置を撮影装置1と画像サーバ5とのそれぞれに設け、通信手段を使って符号化パラメータおよび符号化された画像データの受け渡しを行っても同様の効果が得られる。
【0059】
通信装置を備えた場合における実施の形態1の構成図を図8に示す。ここで、通信部60は撮影装置の通信装置である。また画像サーバ通信部61は画像サーバの通信装置である。
【0060】
この場合、通信部60、画像サーバ通信部61に使用される通信媒体は、無線であっても有線であっても構わない。また通信部60、画像サーバ通信部61に使用される通信媒体は、広域通信であっても近距離通信であっても構わない。さらに、通信部60、画像サーバ通信部61に使用される通信媒体は、常時接続であってもデータの受け渡しを行う際のみケーブルなどを接続する一時的な通信であっても構わない。
【0061】
このため、通信部60、画像サーバ通信部61に使用される通信媒体は、電話回線を使用したダイヤルアップ通信、携帯電話を使用した無線パケット通信、赤外線通信、USBケーブルを使った通信、無線LANや有線LANを使った通信など種々の通信媒体を使って行うことができる。通信装置を備える場合には、記憶媒体4は、撮影装置1に内蔵されていても構わない。
【0062】
本実施の形態では、撮影装置1は、符号化パラメータを予め記憶媒体4の第1記憶部に記憶し、この記憶媒体4の第1記憶部に記憶された符号化パラメータを使用するようにした。他にも記憶媒体4の第1記憶部に記憶している符号化パラメータがなくなった場合に、通信部60、画像サーバ通信部61での通信を使って画像サーバからの符号化パラメータを補充するようにしても構わない。この場合、撮影装置1は、記憶媒体4の第1記憶部に記憶した符号化パラメータを使いきった場合にも、画像撮影を中断することなく、継続して行うことができる。
【0063】
なお、本実施の形態では、画像データについて説明を行った。しかし、本実施の形態は符号化を行う他の種類のデータに対しても適用することができる。例えば、本実施の形態は音声データなどに対しても適用することができる。この場合の効果は画像データの場合と同様となる。
【0064】
実施の形態2.
実施の形態1では、撮影部2からは符号化されていない画像データが出力されるとしていた。実施の形態2では、撮影部2から符号化された画像データが出力される場合の実施の形態について示す。ここでは、撮影部2から符号化されて出力されたデータを復号し、さらに、別の符号化テーブルを用いて再符号化する処理となる。
【0065】
図6は、実施の形態2に係る撮影システムの構成を示すブロック図である。
【0066】
実施の形態2は、撮影装置31と画像サーバ37とからなる。撮影装置31は撮影部32と符号化/復号部33と表示部34と入力部35と記憶媒体36とからなる。撮影部32は撮影画像を電子的なデータに変換する。撮影部32は第2符号化部を持つ。撮影部32の第2符号化部はデータを符号化する。符号化/復号部33はデータの符号化とデータの復号と画像データの比較とを行う。符号化/復号部33は第1符号化部と復号部と比較部を持つ。第1符号化部は画像データの符号化を行う。復号部は符号化された画像データの復号を行う。比較部は画像データと画像データとの比較を行う。表示部34は画像を表示する。入力部35は撮影装置の利用者からの入力を受け付ける。記憶媒体36は符号化パラメータと画像データとを記憶する。記憶媒体36は第1記憶部と第2記憶部とを持つ。第1記憶部は符号化パラメータを記憶する。また第2記憶部は画像データを記憶する。ここで第1記憶部と第2記憶部とは別々の記憶媒体でも構わないし、同じ記憶媒体でも構わない。ここでは第1記憶部と第2記憶部とは同じ記憶媒体であることとする。
【0067】
画像サーバ37はパラメータ生成部38と媒体入出力I/F39と画像ファイル生成部40と画像ファイル記憶部41とからなる。パラメータ生成部38は符号化テーブルに記憶された符号化パラメータを生成する。媒体入出力I/F39は記憶媒体36を着脱することができ、記憶媒体36とデータの読み書きを行う。画像ファイル生成部40は画像データと符号化パラメータとから画像ファイルを生成する。画像ファイル記憶部41は符号化パラメータと画像ファイルとを記憶する。例えば、媒体入出力I/F39はFDD904などである。また画像ファイル記憶部41は磁気ディスク装置920などである。
【0068】
次に動作について説明する。
【0069】
実施の形態2において、画像サーバ37における符号化パラメータを生成する動作および画像ファイルを生成する動作は、実施の形態1で記載した画像サーバ5の動作と同様である。符号化パラメータを生成する動作が図3、画像ファイルを生成する動作が図5にそれぞれ示されている。そのためここでは説明を省略する。
【0070】
そこで、画像を撮影する動作を説明する。ここでは、画像を撮影する場合には、記憶媒体36の第1記憶部にはIDの付いた符号化パラメータが1つ以上記憶されているものとする。
【0071】
図7は、撮影装置31において画像を撮影する場合に実行される処理を示したフローチャートである。図7に基づいて画像を撮影する動作を説明する。
【0072】
ステップS401では、撮影部32の第2符号化部は、画像の撮影に先立ち、記憶媒体36の第1記憶部に符号化パラメータがあるかをチェックする。撮影部32の第2符号化部は、記憶媒体36の第1記憶部に符号化パラメータがある場合はステップS402へ進み、記憶媒体36の第1記憶部に符号化パラメータがない場合は処理を終了する。
【0073】
ステップS402では、撮影部32の第2符号化部は、ステップS401で記憶媒体36の第1記憶部に符号化パラメータがある場合、撮影を実行する。
【0074】
ステップS403では、符号化/復号部33の第1符号化部は、撮影後に画像ファイルを撮影部32の第2符号化部から符号化/復号部33の第1符号化部へ取り込む。この場合、符号化/復号部33の第1符号化部は、撮影部32の第2符号化部から画像ファイルとして、符号化されたの画像データと符号化に使用した符号化テーブルとを取り込む。
【0075】
ステップS404では、符号化/復号部33の第1符号化部は、記憶媒体36の第1記憶部に記憶されているID付きの符号化パラメータで、読み込み済チェックが付けられていないものを1つ取り込む。
【0076】
ステップS405では、符号化/復号部33の第1符号化部は、ステップS404で読み込んだ、記憶媒体36の第1記憶部に記憶されている符号化パラメータに読み込み済チェックを付ける。
【0077】
ステップS406では、符号化/復号部33の復号部は、ステップS403で符号化された画像データと共に取り込んだ符号化テーブルで、ステップS403で取り込んだ符号化された画像データを復号する。
【0078】
ステップS407では、符号化/復号部33の第1符号化部は、ステップS406で復号した画像データを、ステップS404で取り込んだID付きの符号化パラメータを使って再度符号化する。
【0079】
ステップS408では、符号化/復号部33の復号部は、ステップS407で再度符号化した画像データの一部を、ステップS403で符号化データと共に取り込んだ符号化テーブルで復号する。
【0080】
ステップS409では、表示部34は、ステップS408で復号した画像の一部を表示する。
【0081】
ステップS410では、撮影装置31の利用者は、ステップS409で表示された画像の一部を確認する。撮影装置31の利用者は、画像の一部が何を撮影したものか判別不可能な場合には入力部35に対してOKを入力し、判別可能な場合にはNGを入力する。
【0082】
ステップS411では、符号化/復号部33の第1符号化部は、ステップS410でされた入力をチェックする。符号化/復号部33の第1符号化部は、入力がOKの場合はステップS412へ進み、入力がNGの場合はステップS415へ進む。
【0083】
ステップS412では、符号化/復号部33の第1符号化部は、入力部35に対しての入力がOKの場合、ステップS404で最後に読み込んだ符号化パラメータを記憶媒体36の第1記憶部と符号化/復号部33の第1符号化部とから削除する。
【0084】
ステップS413では、符号化/復号部33の第1符号化部は、記憶媒体36の第1記憶部の符号化パラメータに付けられた読み込み済のチェックを全てクリアする。
【0085】
ステップS414では、符号化/復号部33の第1符号化部は、ステップS407で符号化した画像データを記憶媒体36の第2記憶部に記憶する。符号化/復号部33の第1符号化部が画像データを記憶媒体36の第2記憶部へ記憶して処理は終了する。
【0086】
ステップS415では、符号化/復号部33の第1符号化部は、ステップS410で入力部35に対しての入力がNGの場合、記憶媒体36の第1記憶部に読み込み済のチェックが付けられていない符号化パラメータがあるかをチェックする。符号化/復号部33の第1符号化部は、記憶媒体36の第1記憶部に読み込み済のチェックが付けられていない符号化パラメータがある場合、ステップS404へ進み処理を繰り返す。符号化/復号部33の第1符号化部は、記憶媒体36の第1記憶部に読み込み済のチェックが付けられていない符号化パラメータがない場合、処理を終了する。
【0087】
上記のように、まず画像サーバ37は符号化テーブルを符号化パラメータとして事前に生成する。生成した符号化パラメータを撮影装置31へ渡す。次に撮影装置31は画像サーバ37から受け取った符号化テーブルを使って撮影画像を符号化する。そして符号化に使用した符号化テーブルを撮影装置31から削除するというように処理を行っている。そのため、個人情報などを含む画像を撮影した後に、撮影装置31の盗難や紛失が発生した場合にも、撮影装置31には符号化された画像データのみが記憶されているだけである。符号化された画像データのみから撮影画像を復号して生成することはできない。よって撮影画像の漏洩を防止することができる。
【0088】
また、撮影画像の符号化に使用する符号化テーブルは標準符号化テーブルの符号長が同じ符号を入れ替えして作成されている。よって符号化テーブルは符号長を変えることなく符号に割り当てされている。このため符号化された画像データのサイズは標準符号化テーブルを使って符号化を行った物と同一のサイズとなる。そのため、符号化された画像データのサイズの増加を抑えることができる。
【0089】
さらに、符号化した画像データの一部を、撮影部32の第2符号化部の保持する符号化パラメータで復号し、表示部34で表示を行い、撮影装置31の利用者に確認をしている。このことにより、符号化した画像の内容が符号化で使用した符号化テーブルがないと認識できないことを確認することができる。
【0090】
実施の形態2では、撮影装置31に、画像を表示する表示部34と、撮影装置31の利用者からの入力を受け付ける入力部35とを設けている。表示部34と入力部35とを使用して符号化の効果の確認を利用者とインタラクティブに行っている。この確認処理は次のように実施することも可能である。まず、符号化/復号部33の復号部は、撮影部32の第2符号化部で符号化された画像データを、撮影部32の第2符号化部から提供される符号化テーブルを使って復号した第1の画像を作成する。符号化/復号部33の復号部は、第1の画像を符号化パラメータで再度符号化した画像データを、撮影部32の第2符号化部から提供される符号化テーブルを使って復号した第2の画像を作成する。次に、符号化/復号部33の比較部は、第1の画像と第2の画像とを比較する。比較の結果、符号化/復号部33の比較部は、第1の画像と第2の画像とに差がある場合はOK、差がない場合はNGとする方法である。
【0091】
またこの画像の比較は、撮影画像全体の符号化および復号を行わず、撮影画像の一部分で、画像の中の位置が同じ部分を符号化および復号して比較することで、処理負荷を小さくして実施することも可能である。
【0092】
実施の形態2は、実施の形態1と同じく種々の通信媒体を使って行うことが可能である。よって実施の形態2は、通信媒体を使うことにより記憶媒体36の第1記憶部に記憶した符号化パラメータを使いきった場合にも、画像撮影を中断することなく、継続して画像撮影を行うことができる。
【0093】
通信装置を備えた場合における実施の形態2の構成図を図9に示す。ここで、通信部82は撮影装置の通信装置である。また画像サーバ通信部83は画像サーバの通信装置である。
【0094】
なお、本実施の形態では、画像データについて説明を行った。しかし、本実施の形態は符号化を行う他の種類のデータに対しても適用することができる。例えば、本実施の形態は音声データなどに対しても適用することができる。この場合の効果は画像データの場合と同様となる。
【0095】
上記の実施の形態1と実施の形態2の特徴をまとめると以下のようになる。
【0096】
画像を撮影する撮影部と、撮影した画像を符号化する符号化部と、符号化で使用する符号化パラメータと撮影画像を符号化した画像データを記憶する記憶部とからなり、前記符号化部では撮影画像を、前記符号化パラメータを使って符号化した後に前記記憶部の符号化パラメータを削除することを特徴とする画像撮影装置である。
【0097】
前記記憶部は、複数のID付き符号化パラメータを記憶し、前記符号化部は撮影画像を符号化する際に複数のID付き符号化パラメータ中の1つを使って符号化を行い、画像データに符号化で使用した符号化パラメータと同じIDを付け、その後で前記記憶部の符号化パラメータを削除することを特徴とする。
【0098】
また撮影画像を符号化した画像データと符号化パラメータとを合せて出力する撮影部と、画像データを復号する復号部と、復号した画像を符号化する符号化部と、符号化で使用する符号化パラメータと画像データを記憶する記憶部とからなり、前記符号化部では撮影画像を、前記符号化パラメータを使って符号化した後に前記記憶部の符号化パラメータを削除することを特徴とする画像撮影装置である。
【0099】
さらに、前記記憶部は、複数のID付き符号化パラメータを記憶し、前記符号化部は、復号した画像を符号化する際に複数のID付き符号化パラメータ中の1つを使って符号化を行い、画像データに符号化で使用した符号化パラメータと同じIDを付けた後に前記記憶部の符号化パラメータを削除することを特徴とする。
【0100】
前記画像撮影装置はさらに、表示部と入力部とからなり、表示部は符号化部が符号化した画像データを撮影部が出力した符号化パラメータを使って復号部で復号した画像を表示し、入力部からの入力に応じて別の符号化パラメータを用いて符号化を行うことを特徴とする。
【0101】
また前記画像撮影装置は、表示部と入力部とからなり、表示部は符号化部が符号化した画像データの一部分を撮影部が出力した符号化パラメータを使って復号部で復号した画像を表示し、入力部からの入力に応じて別の符号化パラメータを用いて符号化を行うことを特徴とする。
【0102】
上記はさらに次のようにも実施できる。前記画像撮影装置はさらに、比較部からなり、比較部は復号部が復号した画像と符号化部が符号化した画像データを撮影部が出力した符号化パラメータを使って復号した画像とを比較し、これら2つの画像が一致する場合には、別の符号化パラメータを用いて符号化を行うことを特徴とする。
【0103】
また前記画像撮影装置は、比較部からなり、比較部は復号部が復号した画像の一部分と符号化部が符号化した画像データを撮影部が出力した符号化パラメータを使って復号した画像とを比較し、これら2つの画像が一致する場合には、別の符号化パラメータを用いて符号化を行うことを特徴とする。
【0104】
また前記符号化パラメータは、符号化テーブルであることを特徴とする。
【0105】
そして前記符号化テーブルは、所定の符号化テーブルについてコード長が同一の符号の間で割り当てられたシンボルを入れ替えたものであることを特徴とする。
【0106】
また前記記憶部は、画像撮影装置から着脱できる不揮発性記憶媒体であることを特徴とする。
【0107】
前記画像撮影装置はさらに、通信部からなり、通信部は画像サーバとの通信を行い符号化パラメータを取得することを特徴とする。
【0108】
また画像撮影装置へ提供する符号化パラメータを生成するパラメータ生成部と、画像撮影装置で符号化された画像データとパラメータ生成部の符号化パラメータから所定の形式の画像ファイルを生成する画像ファイル生成部とからなることを特徴とする画像サーバである。
【0109】
前記画像サーバは、画像撮影装置へ提供するID付き符号化パラメータを生成するパラメータ生成部と、画像撮影装置で符号化されたID付き画像データと画像データのIDと同じIDの符号化パラメータから所定の形式の画像ファイルを生成する画像ファイル生成部とからなることを特徴とする。
【0110】
画像サーバで生成される前記符号化パラメータは、符号化テーブルであることを特徴とする。
【0111】
画像サーバで生成される前記符号化パラメータの前記符号化テーブルは、所定の符号化テーブルについてコード長が同一の符号の間で割り当てられたシンボルを入れ替えたものであることを特徴とする。
【0112】
前記画像サーバはさらに、画像サーバから着脱できる不揮発性記憶媒体への読み書きを実施する入出力部からなり、画像撮影装置へ提供する符号化パラメータを不揮発性記憶媒体へ書き込むことを特徴とする。
【0113】
前記画像サーバはさらに、通信部からなり、画像撮影装置からの要求に応じて画像撮影装置へ符号化パラメータを送信することを特徴とする。
【0114】
図10は、実施の形態における画像サーバの外観の一例を示す図である。
図10において、画像サーバ100は、システムユニット910、CRT(Cathode Ray Tube)表示装置901、キーボード(K/B)902、マウス903、コンパクトディスク装置(CDD)905、プリンタ装置906、スキャナ装置907を備え、これらはケーブルで接続されている。
さらに、画像サーバ100は、FAX機932、電話器931とケーブルで接続され、また、ローカルエリアネットワーク(LAN)942、ゲートウェイ941を介してインターネット940に接続されている。
【0115】
図11は、実施の形態における画像サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図11において、画像サーバ100は、プログラムを実行するCPU(Central
Processing Unit)911を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、CRT表示装置901、K/B902、マウス903、FDD(Flexible Disk Drive)904、磁気ディスク装置920、CDD905、プリンタ装置906、スキャナ装置907と接続されている。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置あるいは記憶部の一例である。
通信ボード915は、FAX機932、電話器931、LAN942等に接続されている。
例えば、通信ボード915、K/B902、スキャナ装置907、FDD904などは、入力部の一例である。
また、例えば、通信ボード915、CRT表示装置901などは、出力部の一例である。
【0116】
ここで、通信ボード915は、LAN942に限らず、直接、インターネット940、或いはISDN等のWAN(ワイドエリアネットワーク)に接続されていても構わない。直接、インターネット940、或いはISDN等のWANに接続されている場合、画像サーバ100は、インターネット940、或いはISDN等のWANに接続され、ウェブサーバ941は不用となる。
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム(OS)921、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923は、CPU911、OS921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0117】
上記プログラム群923には、上述した実施の形態の説明において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、上述した実施の形態の説明において、「符号化された〜」、「復号された〜」、「〜データ」として説明するものが、「〜ファイル」として記憶されている。
また、上述した実施の形態の説明において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータの入出力を示し、そのデータの入出力のためにデータは、磁気ディスク装置920、FD(Flexible Disk)、光ディスク、CD(コンパクトディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(Digital Versatile Disk)等のその他の記録媒体に記録される。あるいは、信号線やその他の伝送媒体により伝送される。
【0118】
また、上述した実施の形態の説明において「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、ハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
【0119】
また、上述した実施の形態を実施するプログラムは、また、磁気ディスク装置920、FD(Flexible Disk)、光ディスク、CD(コンパクトディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(Digital Versatile Disk)等のその他の記録媒体による記録装置を用いて記憶されても構わない。
【0120】
実施の形態における撮影装置はビデオカメラなどの装置である。ハードウェア構成の一例としては図11に撮影部を加えたものが該当する。
【産業上の利用可能性】
【0121】
撮影装置や音声記録装置などに対して導入することで、特殊なデバイスや暗号化アルゴリズムを用いることなく、紛失や盗難の際にもデータの漏洩を防止することが実現できる。そのため安価に、また記憶できる容量を圧迫することなく、紛失や盗難の際にもデータの漏洩を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】実施の形態1に係る撮影システムの構成を示すブロック図である。
【図2】JPEG画像ファイルを生成において用いられるハフマン符号化テーブルを定義するセグメントの形式である。
【図3】画像サーバ5において符号化パラメータを生成する処理を示すフローチャートである。
【図4】撮影装置1において画像を撮影する場合に実行される処理を示したフローチャートである。
【図5】画像サーバ5において撮影装置1で符号化された画像データから画像ファイルを生成する場合に実行される処理を示したフローチャートである。
【図6】実施の形態2に係る撮影システムの構成を示すブロック図である。
【図7】撮影装置31において画像を撮影する場合に実行される処理を示したフローチャートである。
【図8】通信装置を備えた場合における実施の形態1の構成図である。
【図9】通信装置を備えた場合における実施の形態2の構成図である。
【図10】実施の形態における画像サーバのハードウェア構成図の一例である。
【図11】実施の形態における画像サーバのハードウェア構成図の一例である。
【符号の説明】
【0123】
1 撮影装置、2 撮影部、3 符号化部、4 記憶媒体、5 画像サーバ、6 パラメータ生成部、7 媒体入出力I/F、8 画像ファイル生成部、9 画像ファイル記憶部、21 ハフマン符号化テーブルセグメント、22 DHT、23 Ln、24 Tc、25 Th、26 Li、27 Vij、31 撮影装置、32 撮影部、33 符号化/復号部、34 表示部、35 入力部、36 記憶媒体、37 画像サーバ、38 パラメータ生成部、39 媒体入出力I/F、40 画像ファイル生成部、41 画像ファイル記憶部、100 画像サーバ、901 CRT表示装置、902 K/B、903 マウス、904 FDD、905 CDD、906 プリンタ装置、907 スキャナ装置、910 システムユニット、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 OS、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群、931 電話器、932 FAX機、940 インターネット、941 ゲートウェイ、942 LAN。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮影し撮影画像を生成する撮影部と、
前記撮影部で生成した前記撮影画像を符号化するために使用する第1符号化パラメータを記憶する第1記憶部と、
前記撮影画像を前記第1符号化パラメータで符号化し第1符号化画像データを生成する第1符号化部と、
前記第1符号化部で生成した前記第1符号化画像データを記憶する第2記憶部とを備え、
前記第1符号化部は、前記第1符号化画像データを生成した場合、前記第1記憶部に記憶された前記第1符号化パラメータを削除することを特徴とする画像撮影装置。
【請求項2】
前記撮影部は、前記撮影画像を第2符号化パラメータで符号化し第2符号化画像データを生成する第2符号化部を備え、
上記画像撮影装置は、さらに、前記撮影部から、前記第2符号化部が生成した前記第2符号化画像データと前記第2符号化部で符号化に使用した前記第2符号化パラメータとを入力し、前記第2符号化画像データを復号して前記撮影画像として前記第1符号化部へ出力する復号部を備えることを特徴とする請求項1記載の画像撮影装置。
【請求項3】
前記第1記憶部は、前記第1符号化パラメータを特定するID(識別子)が付加された前記第1符号化パラメータであるID付き第1符号化パラメータを記憶し、
前記第1符号化部は、前記撮影画像を前記ID付き第1符号化パラメータで符号化し前記第1符号化画像データを生成し、前記第1符号化画像データに符号化で使用した前記ID付き第1符号化パラメータの前記IDを付加し、前記第1記憶部に記憶された前記IDを持つ前記ID付き第1符号化パラメータを削除することを特徴とする請求項2記載の画像撮影装置。
【請求項4】
前記復号部は、前記第2記憶部から前記第1符号化画像データの少なくとも一部を入力し、前記第2符号化パラメータを使用して前記第1符号化画像データの少なくとも一部を復号した復号画像を生成し、
前記画像撮影装置は、さらに、前記復号部で生成した前記復号画像を表示する表示部と、
前記撮影画像の符号化を再度行うかの判定を画像撮影者が入力する入力部とを備え、
前記第1符号化部は、前記入力部が入力した判定に従い、前記第1記憶部の前記ID付き第1符号化パラメータの中から前記第1符号化画像データの符号化で使用した前記ID付き第1符号化パラメータとは別のID付き第1符号化パラメータを1つ選択し、選択した前記ID付き第1符号化パラメータで再度符号化し前記第1符号化画像データの生成を行うことを特徴とする請求項3記載の画像撮影装置。
【請求項5】
前記復号部は、前記第1符号化画像データの少なくとも一部を、前記第2符号化パラメータを使用して復号して比較元画像を生成し、前記第2符号化画像データの比較元画像に該当する部分を、前記第2符号化パラメータを使用して復号し比較先画像を生成し、
前記画像撮影装置は、さらに、前記復号部で生成した前記比較元画像と前記比較先画像とを比較する比較部を備え、
前記第1符号化部は、比較部の比較で前記比較元画像と前記比較先画像とが一致した場合、前記ID付き第1符号化パラメータの中から前記第1符号化画像データの符号化で使用した前記ID付き第1符号化パラメータとは別のID付き第1符号化パラメータを1つ選択し、選択した前記ID付き第1符号化パラメータで再度符号化し前記第1符号化画像データの生成を行うことを特徴とする請求項3記載の画像撮影装置。
【請求項6】
前記第1符号化パラメータは、符号化に使用する値を符号化テーブルに記憶され、前記符号化テーブルの中で符号長が同じ長さの符号に割り当てられた値を入れ替えして生成されたパラメータであることを特徴とする請求項1記載の画像撮影装置。
【請求項7】
前記第1記憶部と前記第2記憶部とは、画像撮影装置と着脱可能な不揮発性記憶媒体であることを特徴とする請求項1記載の画像撮影装置。
【請求項8】
前記画像撮影装置は、さらに、前記第1符号化パラメータを外部から受信して前記第1記憶部へ出力する通信部を備えることを特徴とした請求項1記載の画像撮影装置。
【請求項9】
画像の符号化に使用するIDが付加された符号化パラメータであるID付き符号化パラメータを生成するパラメータ生成部と、
画像を前記パラメータ生成部で生成した前記ID付き符号化パラメータで符号化し生成された符号化画像データと、前記ID付き符号化パラメータとを入力として画像ファイルを生成する画像ファイル生成部と、
前記画像ファイル生成部で生成した前記画像ファイルを記憶する画像ファイル記憶部とを備えることを特徴とする画像サーバ。
【請求項10】
前記第1符号化パラメータは、符号化に使用する値を符号化テーブルに記憶され、前記符号化テーブルの中で符号長が同じ長さの符号に割り当てられた値を入れ替えして生成されたパラメータであることを特徴とする請求項9記載の画像サーバ。
【請求項11】
前記画像サーバは、さらに、前記画像サーバと着脱できる不揮発性記憶媒体を読み書き可能な入出力部を備え、
前記入出力部は、前記パラメータ生成部で生成した前記符号化パラメータを不揮発性記憶媒体へ書き込むことを特徴とする請求項9記載の画像サーバ。
【請求項12】
前記画像サーバは、さらに、前記パラメータ生成部で生成した前記符号化パラメータを外部へ送信する画像サーバ通信部を備えることを特徴とする請求項9記載の画像サーバ。
【請求項13】
画像を撮影し撮影画像を生成する撮影ステップと、
前記撮影ステップで撮影した前記撮影画像を符号化するために使用する第1符号化パラメータを記憶する第1記憶ステップと、
前記撮影画像を前記第1符号化パラメータで符号化し第1符号化画像データを生成する第1符号化ステップと、
前記第1符号化ステップで生成した前記第1符号化画像データを記憶する第2記憶ステップとを備え、
前記第1符号化ステップは、前記第1符号化画像データを生成した後、前記第1記憶ステップに記憶された前記第1符号化パラメータを削除することを特徴とする画像撮影方法。
【請求項14】
画像の符号化に使用するIDが付加された符号化パラメータであるID付き符号化パラメータを生成するパラメータ生成ステップと、
前記画像を前記パラメータ生成ステップで生成した前記ID付き符号化パラメータで符号化し生成された符号化画像データと、前記ID付き符号化パラメータとを入力として画像ファイルを生成する画像ファイル生成ステップと、
前記画像ファイル生成ステップで生成した前記画像ファイルを記憶する画像ファイル記憶ステップとを備えることを特徴とする画像ファイル生成方法。
【請求項15】
データを符号化するのに使用する符号化パラメータを記憶する第1記憶部と、
前記データを前記符号化パラメータで符号化し符号化データを生成する符号化部と、
前記符号化部での符号化で生成した前記符号化データを記憶する第2記憶部とを備え、
前記符号化部は、前記符号化データを生成した場合、前記第1記憶部に記憶された前記符号化パラメータを削除することを特徴とする符号化装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮影し撮影画像を生成する撮影部と、
前記撮影部で生成した前記撮影画像を符号化するために使用する第1符号化パラメータを記憶する第1記憶部と、
前記撮影画像を前記第1符号化パラメータで符号化し第1符号化画像データを生成する第1符号化部と、
前記第1符号化部で生成した前記第1符号化画像データを記憶する第2記憶部とを備え、
前記第1符号化部は、前記第1符号化画像データを生成した場合、前記第1記憶部に記憶された前記第1符号化パラメータを削除することを特徴とする画像撮影装置。
【請求項2】
前記撮影部は、前記撮影画像を第2符号化パラメータで符号化し第2符号化画像データを生成する第2符号化部を備え、
上記画像撮影装置は、さらに、前記撮影部から、前記第2符号化部が生成した前記第2符号化画像データと前記第2符号化部で符号化に使用した前記第2符号化パラメータとを入力し、前記第2符号化画像データを復号して前記撮影画像として前記第1符号化部へ出力する復号部を備えることを特徴とする請求項1記載の画像撮影装置。
【請求項3】
前記第1記憶部は、前記第1符号化パラメータを特定するID(識別子)が付加された前記第1符号化パラメータであるID付き第1符号化パラメータを記憶し、
前記第1符号化部は、前記撮影画像を前記ID付き第1符号化パラメータで符号化し前記第1符号化画像データを生成し、前記第1符号化画像データに符号化で使用した前記ID付き第1符号化パラメータの前記IDを付加し、前記第1記憶部に記憶された前記IDを持つ前記ID付き第1符号化パラメータを削除することを特徴とする請求項2記載の画像撮影装置。
【請求項4】
前記復号部は、前記第2記憶部から前記第1符号化画像データの少なくとも一部を入力し、前記第2符号化パラメータを使用して前記第1符号化画像データの少なくとも一部を復号した復号画像を生成し、
前記画像撮影装置は、さらに、前記復号部で生成した前記復号画像を表示する表示部と、
前記撮影画像の符号化を再度行うかの判定を画像撮影者が入力する入力部とを備え、
前記第1符号化部は、前記入力部が入力した判定に従い、前記第1記憶部の前記ID付き第1符号化パラメータの中から前記第1符号化画像データの符号化で使用した前記ID付き第1符号化パラメータとは別のID付き第1符号化パラメータを1つ選択し、選択した前記ID付き第1符号化パラメータで再度符号化し前記第1符号化画像データの生成を行うことを特徴とする請求項3記載の画像撮影装置。
【請求項5】
前記復号部は、前記第1符号化画像データの少なくとも一部を、前記第2符号化パラメータを使用して復号して比較元画像を生成し、前記第2符号化画像データの比較元画像に該当する部分を、前記第2符号化パラメータを使用して復号し比較先画像を生成し、
前記画像撮影装置は、さらに、前記復号部で生成した前記比較元画像と前記比較先画像とを比較する比較部を備え、
前記第1符号化部は、比較部の比較で前記比較元画像と前記比較先画像とが一致した場合、前記ID付き第1符号化パラメータの中から前記第1符号化画像データの符号化で使用した前記ID付き第1符号化パラメータとは別のID付き第1符号化パラメータを1つ選択し、選択した前記ID付き第1符号化パラメータで再度符号化し前記第1符号化画像データの生成を行うことを特徴とする請求項3記載の画像撮影装置。
【請求項6】
前記第1符号化パラメータは、符号化に使用する値を符号化テーブルに記憶され、前記符号化テーブルの中で符号長が同じ長さの符号に割り当てられた値を入れ替えして生成されたパラメータであることを特徴とする請求項1記載の画像撮影装置。
【請求項7】
前記第1記憶部と前記第2記憶部とは、画像撮影装置と着脱可能な不揮発性記憶媒体であることを特徴とする請求項1記載の画像撮影装置。
【請求項8】
前記画像撮影装置は、さらに、前記第1符号化パラメータを外部から受信して前記第1記憶部へ出力する通信部を備えることを特徴とした請求項1記載の画像撮影装置。
【請求項9】
画像を撮影し撮影画像を生成する撮影ステップと、
前記撮影ステップで撮影した前記撮影画像を符号化するために使用する第1符号化パラメータを記憶する第1記憶ステップと、
前記撮影画像を前記第1符号化パラメータで符号化し第1符号化画像データを生成する第1符号化ステップと、
前記第1符号化ステップで生成した前記第1符号化画像データを記憶する第2記憶ステップとを備え、
前記第1符号化ステップは、前記第1符号化画像データを生成した後、前記第1記憶ステップに記憶された前記第1符号化パラメータを削除することを特徴とする画像撮影方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−173954(P2006−173954A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−362268(P2004−362268)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(394013002)三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社 (251)
【Fターム(参考)】