説明

画像書換装置

【課題】 積み重ねられた複数の電子ペーパーそれぞれの画像を、積み重ねの順に基づいて書き換えることができる画像書換装置を提供する。
【解決手段】 媒体側アンテナを介してデータを送受信する電子ペーパーのこの媒体側アンテナとデータを送受信する装置側アンテナを複数具備したアンテナ部と、アンテナ部が具備する複数の装置側アンテナそれぞれにおいて識別データを受信した際の受信強度、および、複数の装置側アンテナの相互位置に基づいて、アンテナ部と媒体側アンテナとの距離を推定する距離推定部と、積み重ねられた複数の電子ペーパーの並び順を距離推定部で推定された距離に基づいて認識する並び順認識部と、複数の電子ペーパーそれぞれに、並び順認識部で認識された並び順に応じた各画像を表した画像データを送信する画像送信部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像書換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像の書換えが自在の所謂電子ペーパー側の接点に接点を接触させることでその電子ペーパーに表示させる画像の元となる画像データをこれら接点を通じて送信する画像書換装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−183331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、積み重ねられた複数の電子ペーパーそれぞれの画像を、積み重ねの順に基づいて書き換えることができる画像書換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る画像書換装置は、
媒体側アンテナと、この媒体側アンテナを介して画像データを受信する画像データ受信部と、この画像データ受信部で受信された画像データが表す画像を表示する、表示と消去とが自在の表示画面と、自他を識別する識別データを、この媒体側アンテナを介して受ける指示に応じて、この媒体側アンテナを介して発信する識別データ発信部とを有する電子ペーパーが有する上記媒体側アンテナに対してデータを送受信する装置側アンテナを複数具備したアンテナ部と、
上記電子ペーパーに上記識別データの発信を上記アンテナ部を介して指示する発信指示部と、
上記アンテナ部が具備する複数の装置側アンテナそれぞれにおける上記識別データの受信強度、およびこのアンテナ部におけるこの複数の装置側アンテナの相互位置に基づいて、このアンテナ部と上記媒体側アンテナとの距離を推定する距離推定部と、
積み重ねられた複数の電子ペーパーの並び順を、各電子ペーパーの媒体側アンテナについて上記距離推定部で推定された距離に基づいて認識する並び順認識部と、
上記複数の電子ペーパーそれぞれに、上記並び順認識部で認識された並び順に応じた各画像を表した画像データを上記アンテナ部を介して送信する画像送信部とを備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る画像書換装置は、
上記識別データ発信部が、上記媒体側アンテナを介して受ける指示に応じた強度で上記識別データを発信するものであり、
上記発信指示部は、上記装置側アンテナにおける識別データの受信強度が、予め決められた受信強度に達しない場合に、上記電子ペーパーに対し、前回の強度より強い強度での上記識別データの再発信を指示するものであることを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る画像書換装置は、
上記アンテナ部が具備する複数の装置側アンテナそれぞれにおける上記識別データの受信信号を、信号強度が小さいほど大きい増幅率で増幅することにより、このアンテナ部と上記媒体側アンテナとの距離に対するこの受信信号の強度の関係を増幅前よりも線形化する線形化増幅部を備え、
上記距離推定部が、上記線形化増幅部によって増幅された受信信号の強度を用いて上記距離を推定するものであることを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る画像書換装置は、
上記電子ペーパーが、
上記表示画面への接触位置を認識する位置認識部と、
上記位置認識部によって認識された位置を表す位置データを生成して上記媒体側アンテナを介してこの位置データを発信する位置データ発信部とを有する電子ペーパーであり、
さらに、
上記アンテナ部を介して上記位置データを受信し、この位置データに基づいて、上記表示画面上での描画像を認識する描画像認識部と、
上記描画像認識部で認識された描画像を、上記位置データを発信した電子ペーパーの表示画面に表示されている画像と合成する画像合成部とを備え、
上記画像送信部が、上記画像合成部で合成された画像を表す画像データを、上記位置データを発信した電子ペーパーに対して送信するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る画像書換装置によれば、積み重ねられた複数の電子ペーパーそれぞれの画像を、積み重ねの順に基づいて書き換えることができる。
【0010】
請求項2、3に係る画像書換装置によれば、複数の電子ペーパーの並び順の認識精度が向上する。
【0011】
請求項4に係る画像書換装置によれば、表示画像に対する手書きの追記が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】画像書換システムの模式図である。
【図2】画像書換装置の側面図である。
【図3】画像書換装置の本体の外観斜視図および透視図である。
【図4】電子ペーパーの正面図および透視図である。
【図5】電子ペーパーおよび画像書換装置の内部ブロック図である。
【図6】アンテナ間の水平方向についての位置ズレと、受信強度(電圧)と、これらアンテナ間の垂直方向の距離との関係を示すグラフ図である。
【図7】これら第1から第4までのコイルアンテナそれぞれの中心と、ID信号を発信したデータ通信用アンテナの中心との位置関係を示す図である。
【図8】受信強度曲線を示すグラフ図である。
【図9】画像書換システムの一利用態様の流れを示す図である。
【図10】第2実施形態の画像書換装置の側面図である。
【図11】第2実施形態の画像書換装置に備えられている電子ペーパーの媒体検知部の回路構成図である。
【図12】第2実施形態の画像書換装置の内部ブロック図である。
【図13】線形化増幅回路による処理効果を表すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の画像書換装置の実施形態について説明する。
【0014】
図1は、画像書換システムの模式図である。
【0015】
図1に示される画像書換システム4は、画像書換装置1、電子ペーパー2、およびパーソナルコンピュータ3で構成されており、図1には、電子ペーパー2が3枚積み重ねられている様子が示されている。画像書換装置1は、本発明の画像書換装置の第1実施形態である。
【0016】
図2は、画像書換装置の側面図である。
【0017】
画像書換装置1は、図2の下方に示される本体101と、図2の上方に示される挟込部材102とを有している。本体101に対する挟込部材102の上下動は自在であり、10枚までの電子ペーパー2をこれら本体101と挟込部材102との間の空間1aに挟み込むことができる。挟込部材102には、複数の操作ボタンが設けられた操作ボタン部19(図5参照)が備えられている。
【0018】
図2には、この空間1aに3枚の電子ペーパー2が実際に挟み込まれている様子が示されている。
【0019】
また、図2には、詳しくは後述する、この本体101に備えられているアンテナ部11と、各電子ペーパー2に備えられているデータ通信用アンテナ21とが互いに向き合う様子が示されている。このデータ通信用アンテナ21が、本発明にいう媒体側アンテナの一例に相当する。
【0020】
図3は、画像書換装置の本体の外観斜視図および透視図である。
【0021】
図3(a)には、画像書換装置1の本体101の外観斜視図が示されており、図3(b)には、本体101の端部の正面からの透視図が示されている。
【0022】
図3(b)には、挟込部材102との間に挟み込んだ電子ペーパー2のID番号を表すID信号の受信およびそれら電子ペーパー2で表示させる画像の元となる画像信号の送信に使用されるアンテナ部11が示されている。また、図3(b)には、このアンテナ部11から送信されてきた画像信号が表す画像表示を行うために電子ペーパー2が必要とする電力の供給に使用される給電用アンテナ100が示されている。
【0023】
ここで、データ通信用アンテナ21の位置が垂直方向にきちんと重ね合わせられている場合であれば、複数の電子ペーパー2の並び順の検出は、これらと真正面に向き合う1つのリング状のコイルアンテナにより高精度に検出できる。しかしながら、データ通信用アンテナ21の位置が垂直方向にきちんと重ね合わせられていない場合には、1つのコイルアンテナでは精度は低下する。
【0024】
そこで、この画像書換装置1では、アンテナ部10を、同径でリング状の第1から第4までの4つのコイルアンテナ111、112、113、114を相互に重なるように配置したものとしている。これにより、メカニズムについては後述するが、複数の電子ペーパー2の垂直方向の並びが多少ずれていても複数の電子ペーパー2の並び順の検出精度の低下が抑えられている。これら第1から第4までの4つのコイルアンテナ111、112、113、114が、本発明にいう装置側アンテナの一例に相当する。尚、この画像書換装置1では、径の異なるリング状のコイルアンテナを同心円で配置したものを給電用アンテナ100として使用している。
【0025】
図4は、電子ペーパーの正面図および透視図である。
【0026】
図4(a)には、電子ペーパー2の正面図が示されており、図4(b)には、電子ペーパー2の端部の透視図が示されている。
【0027】
図4(a)に示される電子ペーパー2には、表面に画像表示用のディスプレイ20が設けられている。この電子ペーパー2では、画像書換装置1に挟み込まれている状態でディスプレイ20を電子ペンでなぞると、後に説明するメカニズムにより、電子ペンの軌跡が直ちに画像としてディスプレイ20に表示される。
【0028】
図4(b)に示される電子ペーパー2の端部には、画像書換装置1のアンテナ部11との間でデータ通信が行われる、1つのリング状のコイルアンテナであるデータ通信用アンテナ21と、画像書換装置1の給電用アンテナ100から電力の供給を受ける受電用アンテナ200とが備えられている。
【0029】
詳しい説明は後に譲るが、画像書換装置1のアンテナ部11から電子ペーパー2のデータ通信用アンテナ10へは、画像書換装置1が挟み込んでいる電子ペーパー2に表示させる画像の元となる画像信号と、挟み込まれている電子ペーパー2が有するID番号の送信を要求する指示信号とが送信される。一方、電子ペーパー2のデータ通信用アンテナ21から画像書換装置1のアンテナ部11へは、電子ペーパー2のID番号を表すID信号と、電子ペーパー2のディスプレイ20上の電子ペンの接触位置を表す位置信号とが送信される。
【0030】
図5は、電子ペーパーおよび画像書換装置の内部ブロック図である。
【0031】
図5には、左側に電子ペーパー2のブロック図が示され、右側に画像書換装置1のブロック図が示されている。
【0032】
図5の左側に示される電子ペーパー2は、前述したデータ通信用アンテナ21の他に、媒体側受信回路22、媒体側送信回路23、媒体側データ処理部24、ディスプレイコントローラ25、媒体側メモリ26、ディスプレイ20、およびデジタイザ27を備えている。媒体側受信回路22と媒体側データ処理部24を併せたものが、本発明にいう画像データ受信部の一例に相当し、ディスプレイ20が、本発明にいう表示画面の一例に相当する。また、媒体側送信回路23と媒体側データ処理部24を併せたものが、本発明にいう識別データ発信部の一例に相当する。
【0033】
また、図5に示される電子ペーパー2は、前述した受電用アンテナ200の他に、電力受信回路210を備えている。
【0034】
図5の右側に示される画像書換装置1は、前述したアンテナ部11の他にも、装置側受信回路12、装置側送信回路13、装置側データ処理部14、MPU15、装置側メモリ16、装置側インターフェース(以下、装置側I/Fと称す。)17、および操作ボタン部19を備えている。装置側送信回路13と装置側データ処理部14を併せたものが、本発明にいう発信指示部の一例に相当する。装置側データ処理部14とMPU15を併せたものが、本発明にいう距離推定部、並び順認識部、画像送信部の一例に相当する。
【0035】
また、図5に示される画像書換装置1は、前述した給電用アンテナ100の他に、電力送信回路110および電力送信制御部120を備えている。
【0036】
また、図5の右側上段には、パーソナルコンピュータ(以下、PCと略記する)3が示されており、これらPC3のPC側インターフェース(以下、PC側I/Fと称す。)30と画像書換装置1の装置側I/F17との間でも画像データが送受信される。以下、電子ペーパー2に備えられている各機能部と、画像書換装置1に備えられている各機能部とについて詳細に説明する。
【0037】
電子ペーパー2のデータ通信用アンテナ21と、画像書換装置1のアンテナ部11との間のデータ通信は、いわゆる電磁誘導方式により行われる。この方式は、公知の技術であるので詳細な説明は省略するが、コイル間の誘導磁束による誘起電圧を利用して交信するというものである。
【0038】
媒体側受信回路22では、データ通信用アンテナ21が受信した信号をアナログデータ化して媒体側データ処理部24に送信する。また、媒体側送信回路23では、媒体側データ処理部24から送信されてきたアナログデータを信号化してデータ通信用アンテナ21に送信する。
【0039】
媒体側データ処理部24では、媒体側受信回路22から送信されてきたアナログデータが画像データの場合には、それをデジタルデータ化し媒体側メモリ26に記憶すると共にディスプレイコントローラ25に送信する。
【0040】
ディスプレイコントローラ25では、送信されてきた画像データに応じた画像を、ディスプレイ20において表示させる。尚、このディスプレイ20では、所謂電気泳動方式による画像表示が行われている。
【0041】
一方、媒体側データ処理部24に送りこまれてきたデータが、電子ペーパー2が有するID番号の送信を要求する指示データである場合には、媒体側データ処理部24は、媒体側メモリ26に記憶されているIDデータを媒体側送信回路23に送信する。また、媒体側データ処理部24に送りこまれてきたデータが、ディスプレイ20上の電子ペンの接触位置を表す位置データである場合には、媒体側データ処理部24は、この位置データを媒体側送信回路23に送信する。
【0042】
装置側受信回路12では、アンテナ部11が受信した信号をアナログデータ化して装置側データ処理部14に送信する。また、装置側データ処理部14からのアナログデータが装置側送信回路13に送信されてきた場合には、装置側送信回路13は、受信したアナログデータを信号化してアンテナ部11に送る。
【0043】
画像書換装置1の装置側送信回路13は、電子ペーパー2に表示させる画像の元となる画像信号と、画像書換装置1が挟み込んでいる電子ペーパー2のID番号の送信を要求する要求信号とをアンテナ部11を介して電子ペーパー2に送信する。
【0044】
装置側受信回路12は、電子ペーパー2からのID信号や、前述の電子ペンの軌跡を表す位置信号をアンテナ部11を介して受信する。
【0045】
ここで、画像書換装置1の装置側データ処理部14では、この画像書換装置1に複数の電子ペーパー2が挟み込まれている場合には、複数の電子ペーパー2それぞれから送信されてきたID信号を受信した際の受信強度(電圧)に基づいて、これら複数の電子ペーパー2の並び順を以下の方法により検出する。この並び順は、アンテナ部11に最も近い電子ペーパー2から最も遠い電子ペーパー2にいたるまでのID番号の並びをいう。
【0046】
図6は、アンテナ間の水平方向についての位置ズレと、受信強度(電圧)と、これらアンテナ間の垂直方向の距離との関係を示すグラフ図である。
【0047】
図6(a)には、上方に電子ペーパー2のデータ通信用アンテナ21と、下方にアンテナ部11を構成する4つのコイルアンテナのうち代表的に取りあげた第1コイルアンテナ111とが示されている。これらアンテナの中心の水平方向の位置ズレは位置ズレEで示され、これらアンテナの垂直方向の距離が距離Dで示されている。また、これらデータ通信用アンテナ21および第1コイルアンテナ111は、双方共に径が24mmのリング状のコイルアンテナである。
【0048】
図6(b)には、位置ズレEと受信強度(電圧)Vとこれらアンテナ間の距離Dとの関係を表す3次元グラフが示されている。
【0049】
この3次元グラフに示される関係は、データ通信用アンテナ21が、1Vppの発信電圧(周波数10MHz)でID信号を発信した場合のものである。例えば、これらアンテナの位置ズレEが5mmで、第1コイルアンテナ111における受信電圧Vが100mVの場合には、これらアンテナ間の距離Dは約15mmであると推定される。
【0050】
ところで、図6(b)に示される3次元グラフは、実際には、0mVから700mVまでを1mVで刻んだ700の受信電圧V毎に位置ズレEと距離Dとの関係を表した関数 D=fv(En)(vは1〜700;n=1、2、3、4)が装置側メモリ16に記憶されている。また、互いの位置関係が予め決定されている第1から第4までのコイルアンテナ111、112、113、114からなるアンテナ部11上に、このアンテナ部11と向き合うデータ通信用アンテナ21を投影させた場合の、このデータ通信用アンテナ21の中心から第1から第4までの各コイルアンテナ111、112、113、114の中心までの距離E1、E2、E3、E4の関係を表す関数E4=g(E1、E2、E3)も装置側メモリ16に記憶されている。
【0051】
図7は、これら第1から第4までのコイルアンテナそれぞれの中心と、ID信号を発信したデータ通信用アンテナの中心との間の位置関係を示す図である。
【0052】
図7には、これら第1から第4までのコイルアンテナ111、112、113、114それぞれの中心と、ID信号を発信したデータ通信用アンテナ21の中心との間の距離E1、E2、E3、E4が示されている。いずれの電子ペーパー2についても、これら距離E1、E2、E3、E4は常に上述の式gを満たしている。
【0053】
この画像書換装置1では、各電子ペーパー2のデータ通信用アンテナ21から時間差をもって送信されてくるID信号のアンテナ部11での受信電圧Vと、装置側メモリ16に記憶されている上述の関係式とに基づいて、ID信号を送信した電子ペーパー2のデータ通信用アンテナ21とアンテナ部11との間の距離Dが演算される。例えば、1つの電子ペーパー2から送信されてきたID信号をアンテナ部11で受信した際に、第1コイルアンテナ111で得られた受信電圧V(mv)が50mv、第2コイルアンテナ112で得られた受信電圧(mv)が51mv、第3コイルアンテナ113で得られた受信電圧(mv)が52mv、第4コイルアンテナ114で得られた受信電圧(mv)が49mvであった場合には、装置側メモリ16に記憶されている関数の中からD=f50(E1)、D=f51(E2)、D=f52(E3)、D=f49(E4)、およびE4=g(E1、E2、E3)が読み出される。そして、これら全ての関係式を成立させる唯一の距離Dが算出される。そして、各電子ペーパー2について距離Dの大小により並び順が推定される。
【0054】
ここで、電子ペーパー2から送信されてくるID信号の受信強度(電圧)は、アンテナ部11から遠い位置にある電子ペーパー2からのものほど小さくなる。
【0055】
図8は、受信強度曲線を示すグラフ図である。
【0056】
図8(a)には、電子ペーパー2に信号を発信させた場合の、アンテナ部11におけるその信号の受信強度と、その信号を発信した電子ペーパー2からアンテナ部までの距離との関係を示す受信強度曲線Sが示されている。
【0057】
図8(a)に示される受信強度曲線Sからは、アンテナ部11から離れた電子ペーパー2から送信されてくるID信号ほどアンテナ部11における受信強度は低下することが読みとれる。また、図8(a)に示される受信強度曲線Sからは、アンテナ部11から離れることによる受信強度の低下の度合いが、アンテナ部11から一定以上遠く離れた電子ペーパー2から送信されてくるID信号については極端に小さくなる(図中の範囲G参照)ことが読みとれる。
【0058】
また、一般的に、受信強度が小さくなるとSN(Signal−to−noise)比は小さくなる。
【0059】
このため、アンテナ部11から遠くにある電子ペーパー2の並び順の検出精度は、ID信号の受信強度の差が小さいことと、SN比が低下することとにより低下する。そうなると、これら複数の電子ペーパー2における並び順に応じた画像の表示に支障が出る。
【0060】
そこで、この画像書換装置1では、受信したID信号の中に受信強度が閾値未満のものがある場合には、各電子ペーパー2に対して、前回の送信強度の数倍の送信強度でのID信号の再送信を要求する。
【0061】
図8(b)には、図8(a)に示されるような受信強度曲線Sが得られる発信強度の2倍の発信強度で各電子ペーパー2からID信号が発信された場合に得られた受信強度曲線S’が示されている。
【0062】
図8(b)に示される受信強度曲線S’は、図8(a)に示される受信強度曲線Sと比べて、全体的に受信強度が上昇すると共に、図8(b)の範囲Gに相当する範囲における受信強度の低下の度合いは図8(a)の受信強度曲線Sにおける度合いよりも大きい。
【0063】
このため、ID信号間の受信強度の差も大きくなり、また、受信強度の上昇によりSN比は高くなることから、電子ペーパー2の並び順の検出精度は上昇する。このID信号の送信強度の上昇は、媒体側送信回路23において行われる。
【0064】
このように、前回の送信電圧の、例えば2倍の送信電圧での送信を要求し、これにより受信した受信電圧に基づく距離Dの算出は、実際の受信強度を2分の1にした受信強度を用いて行われる。図5に戻って説明を続ける。
【0065】
装置側I/F17は、PC側I/F30を介して、PC3に記憶されている画像データを受け取り装置側データ処理部14に送信したり、電子ペーパー2で表示された画像の元となる画像データの装置側データ処理部14からの送信を受けてPC3側に送信する。
【0066】
電力送信制御部120は、MPU15からの電子ペーパー2への電力供給指示を受けて、電力送信回路110に、給電用アンテナ100と電子ペーパー側の受電用アンテナ200とを介した電子ペーパー2への電力供給を行わせる。受電用アンテナ200で受電された電力は、電力受信回路210を通じて各機能部に分配される。これらアンテナ間の電力供給も、信号の送信と同様の電磁誘導原理を用いて行われれる。
【0067】
以下、図1に示される、画像書換システム4において、3枚の電子ペーパー2に対して上から順に‘平安時代’、‘鎌倉時代’、および‘室町時代’という文字画像をそれぞれ表示させる。その後、上から順に‘室町時代’、‘鎌倉時代’、および‘平安時代’となるようにオペレータによって入れ替えられた3枚の電子ペーパー2の最上面の電子ペーパー2に表示されている文字画像‘室町時代’の横に電子ペンで‘(戦国時代)’と書き加える。さらに、それらを増刷するという画像書換システムの一利用態様の流れを各機能部の動作の説明と併せて説明する。
【0068】
図9は、画像書換システムの一利用態様の流れを示す図である。
【0069】
図9(a)には、上から順にID番号が‘1’、‘2’、‘3’である3枚の未使用の電子ペーパー2が画像書換装置1に挟み込まれている様子が示されている。この状態で、オペレータが操作ボタン部19に備えられたIDボタン191を操作すると、画像書換装置1のMPU15から電子ペーパー2側へ、ID番号を表すID信号の送信要求が出される。IDボタン191の操作を受けて、電力制御部120からの指示により電力送信回路110を通じて交流電圧が給電用アンテナへ印加されることで電子ペーパー2の受電用アンテナに次々に電力が供給される。ID信号の送信要求をうけて、3枚の電子ペーパー2からは、自身のID番号を表すID信号が発信される。画像書換装置1の装置側データ処理回路14では、装置側受信回路12で検出された、各電子ペーパー2から送信されてきたID信号の、アンテナ部11での受信強度(電圧)と、その内容とに基づいてこれら3枚の電子ペーパー2の並び順を決定する。この並び順は、現在挟み込んでいる電子ペーパー2の並び順として装置側メモリ16の並び順記憶領域に記憶される。また、決定した並び順はPC3にも送られ、図示は省略したが、PC3の画面上には、決定された並び順で並べられた、3枚の電子ペーパー2を模した領域が表示される。オペレータは、PC3の画面上に表示された3つの領域に対して画像を割り当てる編集作業が可能となる。3つの領域に画像が割り当てられると、ID番号と、そのID番号を有する電子ペーパー2に表示させる画像の元となる画像データとが対応づけられた対応テーブルが作成される。以下では、ID番号‘1’の電子ペーパー2に、文字画像‘平安時代’の元となる画像データが対応付けられ、ID番号‘2’の電子ペーパー2に、文字画像‘鎌倉時代’の元となる画像データが対応づけられ、ID番号‘3’の電子ペーパー2に、文字画像‘室町時代’の元となる画像データが対応づけられたものとして話を進める。PC3での編集終了が画像書換装置1のMPU15に知らされると、その対応テーブルはPC3の不図示のメモリに記憶されると共に、画像書換装置1の装置側データ処理部14に送信されて装置側メモリ16の対応テーブル記憶領域にも記憶される。その後、オペレータがW(WRITE)ボタン193を操作すると、MPU15では、装置側メモリ16に記憶されている対応テーブルに記載されている、IDデータ‘1’と、これに対応付けられている画像データ‘平安時代’、IDデータ‘2’と、これに対応づけられている画像データ‘鎌倉時代’、および、IDデータ‘3’と、これに対応づけられている画像データ‘室町時代’の電子ペーパー2側への送信を装置側データ処理部14に指示する。まず、ID信号‘1’と画像信号‘平安時代’が、装置側データ処理部14から装置側送信回路12およびアンテナ部11を介して、最もアンテナ部11に近接したID番号‘3’の電子ペーパー2のデータ通信用アンテナ21に上述の電磁結合方式により送信される。ID番号‘3’の電子ペーパー2では、データ通信用アンテナ21を介して受信したID信号‘1’と画像信号‘平安時代’とについては、自己のID番号‘3’との比較を媒体側データ処理部24で行う。しかし、ID番号‘3’の電子ペーパー2では、受信したID信号‘1’とはIDが不一致のため、受信した画像信号が表す文字画像の表示は行われない。
【0070】
ID番号‘3’の電子ペーパー2で、ID信号‘1’と画像データ‘平安時代’の受信が行われた際、ID番号‘3’の電子ペーパー2の直ぐ上の、ID番号‘2’の電子ペーパー2のデータ通信用アンテナ21にもこの電磁結合方式によりこれらID信号‘1’と画像信号‘平安時代’が送信される。これは、ID番号‘2’の電子ペーパー2の直ぐ上のID番号‘1’の電子ペーパー2においても同様である。この様に連鎖的に、ID信号‘1’と画像データ‘平安時代’が送信された各電子ペーパー2では、受信したID信号と自己のID番号とを比較する。これらが一致した電子ペーパー2では、受信した画像信号による画像表示が行われる。
【0071】
図9(b)には、PC3において編集された、ID番号‘1’と対応づけられていた文字画像‘平安時代’、ID番号‘2’と対応づけられていた文字画像‘鎌倉時代’、および、ID番号‘3’と対応づけられていた文字画像‘室町時代’それぞれが、ID番号が一致する電子ペーパー2において画像表示されている様子が示されている。
【0072】
図9(c)には、図9(b)に示される3枚の電子ペーパー2が、オペレータによって年代が逆となるように並べ替えられた様子が示されている。
【0073】
図9(d)には、オペレータによる年代の並べ替えが行われた3枚の電子ペーパー2が画像書換装置1に挟み込まれた様子が示されている。その後、オペレータによってIDボタン191が操作されると、これら3枚の電子ペーパー2の並び順が装置側メモリ16の並び順記憶領域に上書きされて記憶される。これは、装置側データ処理部14から各電子ペーパー2に対してID信号の発信を指示し、これを受けて、各電子ペーパー2がID信号を発信することで行われる。このID信号を受信した画像書換装置側では、その受信強度から前述したようにして並び順を推定する。さらに、オペレータによってR(READ)ボタン192が操作されると、画像書換装置1に挟み込まれているこれら3枚の電子ペーパー2のIDデータと、そのIDデータを有する電子ペーパー2に表示されている画像の画像データとが読み出される。これは、装置側データ処理部14から各電子ペーパー2に対してID信号と画像信号の送信を指示し、これを受けて、各電子ペーパー2がこれらID信号と表示画面に表示中の画像の元となっている画像信号を画像書換装置1側に送信することで行われる。各電子ペーパー2から送信されてきたID信号の内容とこれに対応づけられている画像信号とが装置側メモリ16の対応テーブル用記憶領域に既に記憶されているIDデータについては画像データが上書きされて記憶される。
【0074】
図9(e)には、現在、最上位の電子ペーパー2のディスプレイ20に対してオペレータが電子ペン195で‘(戦国時代)’を書き加えている様子が示されている。ディスプレイ20に対する電子ペン195の接触位置は、前述したように、図5に示されるデジタイザ27で検出されて媒体側データ処理部24に逐次送信される。媒体側データ処理部24は、その電子ペン195による手書きが行われている電子ペーパー2のID信号と接触位置を表す位置信号とを、画像書換装置1の装置側データ処理部14に逐次送信する。装置側データ処理部14では、装置側メモリ16に記憶されている対応テーブルを参照して送信されてきたIDデータに現在対応付けられている画像データが表す画像とその電子ペンの軌跡とを合成した画像を表す合成画像データを逐次生成し、再び装置側メモリ16に記憶すると共にその電子ペーパー2に逐次送信して画像表示を行わせる。これにより、電子ペン195による描画は、直ちに、その電子ペーパー2における表示画像として表示画面20に表示される。デジタイザ27が、本発明にいう位置認識部の一例に相当し、媒体側送信回路23と媒体側データ処理部24を併せたものが、本発明にいう位置データ送信部の一例に相当する。また、装置側データ処理部14とMPU15を併せたものが、本発明にいう描画像認識部および画像合成部の一例に相当する。
【0075】
その後、‘C(COPY)’ボタン194が操作されると、装置側メモリ16の並び順記憶領域に記憶されている、番目データとIDデータとが対応付けられたび並び順データと、装置側メモリ16の対応テーブル記憶領域に記憶されている、IDデータと画像データとが対応付けられた対応テーブルデータとから、番目データと画像データとが対応づけられたコピー用テーブルが作成される。
【0076】
図9(f)には、その後、ID番号がそれぞれ‘4’、‘5’、‘6’の新たな電子ペーパー2が画像書換装置1に挟み込まれている様子が示されている。IDボタン191が操作されると、それ以降は自動的に、並び順が推定され、コピー用テーブルに記載されている内容が各電子ペーパー2に送りこまれて各電子ペーパー2において画像が表示される。これに伴い、ID番号‘4’、‘5’、‘6’と、これらID番号に対応する画像データとが対応テーブルに追加されて記憶される。また、このコピー動作の解除は不図示の機能解除ボタンを押すことで行われる。以上がこの画像書換システム4における一動作態様の説明である。第1実施形態の画像書換装置1では、電子ペーパー2に表示させる画像を書き換える際の、その書換画像の元となる画像データの送信が互いに非接触のアンテナ間で行われている。また、複数の電子ペーパー2の垂直方向の並びが多少みだれていても、これら複数の電子ペーパー2の並び順が高精度に検出される。
【0077】
次に、本発明の画像書換装置の第2実施形態について説明する。
【0078】
第2実施形態の画像書換装置10と、第1実施形態の画像書換装置1との間の相違点は、第2実施形態の画像書換装置10には、電子ペーパー2がペーパ差込部1aに差し込まれたことを自動的に検知する媒体検知部が備えられており、電子ペーパー2が差し込まれたことを媒体検知部で検知すると自動的にID番号の送信指示が出される点と、このために、第1実施形態に備えられているIDボタン191が省かれている点とにある。以下では、この相違点について説明する。
【0079】
図10は、第2実施形態の画像書換装置の側面図である。尚、図10では、図2に示される部材と同じ種類の部材には、図2において付されている符号と同じ符号が付されている。
【0080】
図10には、下方に示される本体101と、上方に示される挟込部材103との間の空間10aに電子ペーパー2が差し込まれた画像書換装置10が示されている。この画像書換装置10では、第1実施形態の画像書換装置1のように、本体101に対し挟込部材103を上下できない構造であり、空間10aへのに差し込みが可能な電子ペーパー2の枚数も第1実施形態の画像書換装置1と比べて少ない。
【0081】
また、第1実施形態の画像書換装置1では、IDボタン191の操作を受て、電力制御部120からの指示により電力送信回路110を通じて交流電圧が給電用アンテナへ印加されることで、挟み込まれている電子ペーパー2の受電用アンテナに次々に電力が供給される。一方、この第2実施形態の画像書換装置10では、電子ペーパー2に対する電力供給システムを以下に説明するように電子ペーパー2の自動検知に利用している。尚、ここでは、電子ペーパー2を挟み込むタイプの画像書換装置1を例に挙げて説明したが、画像書換装置が、電子ペーパー2の上にかざして電子ペーパー2で表示される画像を書き換える箱型のものであってもよい。
【0082】
図11は、第2実施形態の画像書換装置に備えられている電子ペーパーの媒体検知部の回路構成図である。
【0083】
図11に示される媒体検知部104は、電圧計130、抵抗140、電力送信制御部120、電力送信回路110の構成要素であるFETスイッチ111、給電用アンテナ100、およびMPU15で構成されている。電圧計130は、給電用アンテナ100と直列に繋がれている抵抗140に対して並列に繋げられ、電圧計130における測定値はMPU15でモニタされている。
【0084】
第2実施形態の画像書換装置10では、不図示の電源がオンされると、電子ペーパー2に対して実際に電力供給を行う際に給電用アンテナ100に印加する交流電圧に比べて極く低い交流電圧を印加する。この状態で、給電用アンテナ100と受電用アンテナ200とが接近すると、すなわち、電子ペーパー2が空間10aに差し込まれると、給電用アンテナ100のインピーダンスが増加してMPU15でモニタされる電圧値は当初に比べ低下する。これにより、MPU15では、電子ペーパー2が空間10aに差し込まれたことの自動検知が可能となる。MPU15では、電圧値の低下を検知すると、電力制御部120に対し電力供給用の電圧印加を指示する。
【0085】
次に、本発明の画像書換装置の第3実施形態について説明する。
【0086】
第3実施形態の画像書換装置20と第1実施形態の画像書換装置1との間の相違点は、第3実施形態の画像書換装置20では、第1実施形態の画像書換装置1の装置側受信回路12と装置側データ処理回路14との間には配備されていない線形化増幅回路18が備えられている点である。これに伴い、第3実施形態の画像書換装置20では、装置側メモリ16に記憶されている、0mVから700mVまでを1mVで刻んだ700の受信電圧V毎に位置ズレEと距離Dとの関係を表した関数D=fv(En)(vは1〜700;n=1、2、3、4)で表される三次元グラフも、図7(b)に示される3次元グラフと比べて裾野の傾斜がより急なものを表すこととなる。
【0087】
図12は、第2実施形態の画像書換装置の内部ブロック図である。尚、図12では、図5に示されるブロックと同じ機能を有するブロックには、図5に付されている符号と同じ符号が付されている。
【0088】
図12には、装置側受信回路12と装置側データ処理回路14との間に線形化増幅回路18が示されており、この線形化増幅回路18では、信号強度が小さい信号ほど大きい増幅率で増幅することにより、ID信号を送信してきた電子ペーパー2との距離と、その電子ペーパー2から送信されてきたID信号の受信強度との関係を増幅前よりも線形化する。
【0089】
図13は、線形化増幅回路による処理効果を表すグラフ図である。
【0090】
図13(a)には、この処理が行われない場合の、図8(a)に示される受信強度曲線Sと同じ曲線が示されており、図13(b)には、この処理が施された場合の受信強度曲線S’’が示されている。
【0091】
線形化増幅回路18による処理によって、画像書換装置20のアンテナ部11から遠い位置にある電子ペーパー2からのID信号のA/D変換時のデータの切り捨てによる影響が少なくなり、この第3実施形態の画像書換装置20でも、複数の電子ペーパー2についての並び順が高精度に検出される。
【符号の説明】
【0092】
1、10 画像書換装置
11 アンテナ部
12 装置側受信回路
13 装置側送信回路
14 装置側データ処理部
15 MPU
16 装置側メモリ
18 線形化増幅回路
100 給電用アンテナ
104 媒体検知部
110 電力送信回路
111 第1コイルアンテナ
112 第2コイルアンテナ
113 第3コイルアンテナ
114 第4コイルアンテナ
120 電力送信制御部
130 電圧計
140 抵抗
195 電子ペン
2 電子ペーパー
20 ディスプレイ
200 受電用アンテナ
21 データ通信用アンテナ
22 媒体側受信回路
23 媒体側送信回路
24 媒体側データ処理部
25 ディスプレイコントローラ
26 媒体側メモリ
27 デジタイザ
3 パーソナルコンピュータ
4 画像書換システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体側アンテナと、該媒体側アンテナを介して画像データを受信する画像データ受信部と、該画像データ受信部で受信された画像データが表す画像を表示する、表示と消去とが自在の表示画面と、自他を識別する識別データを、該媒体側アンテナを介して受ける指示に応じて、該媒体側アンテナを介して発信する識別データ発信部とを有する電子ペーパーが有する前記媒体側アンテナに対してデータを送受信する装置側アンテナを複数具備したアンテナ部と、
前記電子ペーパーに前記識別データの発信を前記アンテナ部を介して指示する発信指示部と、
前記アンテナ部が具備する複数の装置側アンテナそれぞれにおける前記識別データの受信強度、および該アンテナ部における該複数の装置側アンテナの相互位置に基づいて、該アンテナ部と前記媒体側アンテナとの距離を推定する距離推定部と、
積み重ねられた複数の電子ペーパーの並び順を、各電子ペーパーの媒体側アンテナについて前記距離推定部で推定された距離に基づいて認識する並び順認識部と、
前記複数の電子ペーパーそれぞれに、前記並び順認識部で認識された並び順に応じた各画像を表した画像データを前記アンテナ部を介して送信する画像送信部とを備えたことを特徴とする画像書換装置。
【請求項2】
前記識別データ発信部が、前記媒体側アンテナを介して受ける指示に応じた強度で前記識別データを発信するものであり、
前記発信指示部は、前記装置側アンテナにおける識別データの受信強度が、予め決められた受信強度に達しない場合に、前記電子ペーパーに対し、前回の強度より強い強度での前記識別データの再発信を指示するものであることを特徴とする請求項1記載の画像書換装置。
【請求項3】
前記アンテナ部が具備する複数の装置側アンテナそれぞれにおける前記識別データの受信信号を、信号強度が小さいほど大きい増幅率で増幅することにより、該アンテナ部と前記媒体側アンテナとの距離に対する該受信信号の強度の関係を増幅前よりも線形化する線形化増幅部を備え、
前記距離推定部が、前記線形化増幅部によって増幅された受信信号の強度を用いて前記距離を推定するものであることを特徴とする請求項1または2記載の画像書換装置。
【請求項4】
前記電子ペーパーが、
前記表示画面への接触位置を認識する位置認識部と、
前記位置認識部によって認識された位置を表す位置データを生成して前記媒体側アンテナを介して該位置データを発信する位置データ発信部とを有する電子ペーパーであり、
さらに、
前記アンテナ部を介して前記位置データを受信し、該位置データに基づいて、前記表示画面上での描画像を認識する描画像認識部と、
前記描画像認識部で認識された描画像を、前記位置データを発信した電子ペーパーの表示画面に表示されている画像と合成する画像合成部とを備え、
前記画像送信部が、前記画像合成部で合成された画像を表す画像データを、前記位置データを発信した電子ペーパーに対して送信するものであることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の画像書換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−65441(P2011−65441A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−215791(P2009−215791)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】