説明

画像検索装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体

【課題】画像の検索の効率や操作性(ユーザビリティ)の向上に有利な技術を提供する。
【解決手段】画像を検索する画像検索装置であって、検索条件を生成するために設定された検索キー画像から、特徴量及び撮像条件の少なくとも一方を取得する取得処理を行う取得手段と、取得された前記特徴量及び前記撮像条件の少なくとも一方から、互いに異なる複数の検索条件を生成する。生成された前記複数の検索条件のそれぞれについて、前記検索キー画像を除く前記複数の画像から検索する検索処理を行う検索手段と、検索された複数の画像が前記複数の検索条件のそれぞれについて表示手段に表示されるように制御する表示制御処理を行う表示制御手段と、前記表示手段に表示された複数の画像から、ユーザの操作に応じて1つの画像を選択する選択処理を行う選択手段と、前記選択手段によって選択された画像を新たな検索キー画像として設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像検索装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラなどの撮像装置においては、記録媒体の進歩に伴って大量の画像を記録することが可能となり、かかる大量の画像を効率的に検索及び閲覧する技術が求められている。そこで、大量の画像を検索及び閲覧する際に、多数の縮小画像を表示する技術や入力された検索条件に一致又は類似する画像を表示する技術の他に、画像に付帯された情報から検索条件を生成して画像を検索及び表示する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−271801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、多数の縮小画像を表示する技術は、多量の画像を素早く閲覧することはできるが、特定の画像を検索することができない。また、入力された検索条件に一致又は類似する画像を表示する技術は、画像を検索する度に検索条件を入力するなどの煩雑な操作が必要となる。また、特許文献1に開示された技術は、最初に画像を検索する際にはキーワードなどの入力が必要となることに加えて、検索条件による画像の検索を継続すること(即ち、検索を繰り返し行うこと)については何ら考慮されていない。このように、従来技術は、画像を効率的に検索することができなかったり、ユーザにとって操作の負担が大きかったりするなどして、操作性(ユーザビリティ)を著しく欠いていた。
【0005】
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、画像の検索の効率や操作性(ユーザビリティ)の向上に有利な技術を提供することを例示的目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての画像検索装置は、画像を検索する画像検索装置であって、複数の画像のうち、検索条件を生成するために設定された検索キー画像から、前記検索キー画像の特徴量及び前記検索キー画像の撮像条件の少なくとも一方を取得する取得処理を行う取得手段と、前記取得手段によって取得された前記特徴量及び前記撮像条件の少なくとも一方から、互いに異なる複数の検索条件を生成する生成処理を行う生成手段と、前記生成手段によって生成された前記複数の検索条件のそれぞれについて、前記検索キー画像を除く前記複数の画像から当該検索条件に一致又は類似する画像を検索する検索処理を行う検索手段と、前記検索手段によって検索された複数の画像が前記複数の検索条件のそれぞれについて表示手段に表示されるように制御する表示制御処理を行う表示制御手段と、前記表示手段に表示された複数の画像から、ユーザの操作に応じて1つの画像を選択する選択処理を行う選択手段と、前記選択手段によって選択された画像を新たな検索キー画像として設定する設定処理を行う設定手段と、前記設定手段によって前記新たな検索キー画像が設定されると、当該新たな検索キー画像を用いて、前記取得処理、前記生成処理、前記検索処理、前記表示制御処理、前記選択処理及び前記設定処理が繰り返し行われるように、前記取得手段、前記生成手段、前記検索手段、前記表示制御手段、前記選択手段及び前記設定手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、例えば、画像の検索の効率や操作性(ユーザビリティ)の向上に有利な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一側面としての画像検索装置として機能する撮像装置を示す概略外観図である。
【図2】図1に示す撮像装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】図1に示す撮像装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】記録媒体に記録される画像ファイル(静止画像ファイル)の構成例を示す図である。
【図5】図3に示すS316の再生処理を詳細に説明するためのフローチャートである。
【図6】図5に示すS518の関連画像再生の可否判定処理を詳細に説明するためのフローチャートである。
【図7】図1に示す撮像装置の表示部における表示例を示す図である。
【図8】図5に示すS532の関連画像再生処理を詳細に説明するためのフローチャートである。
【図9】図1に示す撮像装置の表示部における表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
図1は、本発明の一側面としての画像検索装置として機能する撮像装置100を示す概略外観図である。図2は、撮像装置100の構成を示す概略ブロック図である。撮像装置100は、被写体を撮像する撮像装置であって、本実施形態では、デジタルカメラとして具現化される。また、撮像装置100は、撮像した画像に対応する画像データ(画像ファイル)を、撮像装置100に接続された記録媒体200に記録すると共に、記録媒体200に記録された画像データ(画像ファイル)に対応する画像を表示(再生)する。なお、記録媒体200は、メモリカードやハードディスクなどで構成され、各種データを記録する。記録媒体200は、撮像装置100のスロットに収納されることで、インタフェース(I/F)を介して、撮像装置100との通信が可能となる。
【0012】
撮像装置100は、図1及び図2に示すように、撮像光学系102と、シャッター部104と、撮像部106と、バリア部108と、A/D変換部110と、画像処理部112と、メモリ114と、D/A変換部116と、表示部118とを有する。また、撮像装置100は、メモリ制御部120と、不揮発性メモリ122と、システム制御部124と、システムメモリ126とを有する。更に、撮像装置100は、モード切替スイッチ128と、シャッターボタン130と、十字ボタン132と、ホイール134と、電源スイッチ136と、電源制御部138と、電源部140とを有する。
【0013】
撮像光学系102は、撮像レンズやフォーカスレンズなどを含み、被写体からの光を撮像部106の撮像面に結像する(即ち、光学像を形成する)。シャッター部104は、本実施形態では、絞り機能を有する。撮像部106は、CCDやCMOS素子(光電変換素子)などで構成され、撮像光学系102によって形成された光学像を電気信号に変換する。バリア部108は、撮像光学系102、シャッター部104及び撮像部106を含む撮像系をカバーして、撮像系への汚れの付着や撮像系の破損を防止する。A/D変換部110は、アナログ信号をデジタル信号に変換する機能を有し、本実施形態では、撮像部106から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0014】
画像処理部112は、A/D変換部110から入力されるデータ又はメモリ制御部120から入力されるデータに対して、画素補間や縮小などのリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部112は、撮像した画像を用いて所定の演算処理を行い、演算結果をシステム制御部124に出力する。システム制御部124は、画像処理部112からの演算結果に基づいて、露光制御及び焦点検出制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理及びEF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。更に、画像処理部112は、撮像した画像を用いて所定の演算処理を行い、かかる演算結果に基づいて、TTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も実行する。
【0015】
メモリ114は、画像処理部112及びメモリ制御部120を介して、或いは、メモリ制御部120を介して、A/D変換部110から出力されるデータを格納する。例えば、メモリ114は、撮像部106から出力されてA/D変換部110でデジタル信号に変換された画像データ(静止画像データや動画像データ)や表示部118に表示するため(即ち、画像表示用)の画像データなどを格納する。従って、メモリ114は、所定枚数の静止画像データや所定時間の動画像データ及び音声データを格納することが可能な記憶容量を備える。なお、メモリ114は、画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)としても機能する。
【0016】
D/A変換部116は、メモリ114に格納されている画像表示用の画像データをアナログ信号に変換して、表示部118に供給する。表示部118は、LCD等の表示素子を有し、D/A変換部116から供給されるアナログ信号に応じた画像や撮像装置100に関する各種情報を表示する。
【0017】
メモリ制御部120は、メモリ114に格納されるデータ(画像データなど)及びメモリ114から読み出されるデータを制御する。不揮発性メモリ122は、電気的にデータを消去及び記録可能なメモリであって、例えば、EEPROMなどを含む。不揮発性メモリ122は、システム制御部124の動作用の定数やプログラム(後述する種々のフローチャートを実行するためのプログラム)などを格納(記録)する。
【0018】
システム制御部124は、撮像装置100の全体を制御する。システム制御部124は、不揮発性メモリ122に格納されたプログラムを実行して、本実施形態の各処理を実現する。例えば、システム制御部124は、メモリ114、D/A変換部116及び表示部118などを制御して表示制御を行う。システムメモリ126は、例えば、RAMで構成され、システム制御部124の動作用の定数や変数、不揮発性メモリ122から読み出したプログラム等を展開する。
【0019】
モード切替スイッチ128、シャッターボタン130、十字ボタン132、ホイール134及び電源スイッチ136などを含む複数のスイッチやボタンは、ユーザの操作を受け付ける(システム制御部124に各種の動作指示を入力する)操作部として機能する。また、操作部は、表示部118に設けられたタッチパネルも含む。タッチパネルには、表示部118に表示される種々の機能アイコンを選択(操作)することによって、適宜機能が割り当てられる。換言すれば、タッチパネルは、終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞り込みボタン、属性変更ボタン、関連画像再生ボタンなどの機能ボタンとして機能する。例えば、メニューボタンが押された場合、各種設定を可能とするメニュー画面が表示部118に表示される。これにより、ユーザは、表示部118に表示されたメニュー画面と、十字状に配置された上ボタン、下ボタン、左ボタン及び右ボタンを含む十字ボタン132やセットボタンとを用いて、直感的に各種設定を行うことができる。
【0020】
モード切替スイッチ128は、撮像装置100(システム制御部124)の動作モードを切り替えるためのスイッチである。本実施形態では、撮像装置100の動作モードを静止画像撮像モード、動画像撮像モード、再生モードなどに切り替えることが可能である。
【0021】
シャッターボタン130は、被写体の撮像を指示するためのボタンであって、第1のシャッタースイッチ130aと、第2のシャッタースイッチ130bとを含む。第1のシャッタースイッチ130aは、シャッターボタン130の操作途中(半押し)でON状態となり、第1のシャッタースイッチ信号SW1を生成して、システム制御部124に供給する。なお、システム制御部124は、第1のシャッタースイッチ130aから供給される第1のシャッタースイッチ信号SW1によって、AF処理、AE処理、EF処理などを開始する。第2のシャッタースイッチ130bは、シャッターボタン130の操作完了(全押し)でON状態となり、第2のシャッタースイッチ信号SW2を生成して、システム制御部124に供給する。なお、システム制御部124は、第2のシャッタースイッチ130bから供給される第2のシャッタースイッチ信号SW2によって、撮像部106からの画像の読み出しから記録媒体200に画像データを記録するまでの一連の撮像処理を開始する。
【0022】
ホイール134は、回転可能な部材であって、表示部118に表示された選択項目を指示する際などに十字ボタン132と共に使用される。ホイール134は、回転量に応じて電気的なパルス信号を生成して、システム制御部124に供給する。システム制御部124は、ホイール134から供給されるパルス信号に基づいて、撮像装置100の各部を制御する。なお、ホイール134は、ユーザの回転操作を検出することができればどのような部材であってもよい。例えば、ホイール134は、ユーザの回転操作に応じてホイール自体が回転してパルス信号を生成するダイヤル部材であってもよいし、ホイール自体は回転せず、ホイール上でのユーザの回転操作を検出するタッチホイールであってもよい。
【0023】
電源スイッチ136は、撮像装置100の電源状態を電源ONの状態又は電源OFFの状態に切り替えるためのスイッチである。電源制御部138は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路などを含み、電源部140における電池の装着の有無、電池の種類、電池の残容量を検出する。また、電源制御部138は、電源部140における検出結果及びシステム制御部124からの指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む撮像装置100の各部に供給する。電源部140は、アルカリ電池やリチウム電池などの一次電池、NiCd電池、NiMH電池やLi電池などの二次電池、ACアダプターなどを着脱可能に保持して、電圧(直流電圧)を出力する。
【0024】
撮像装置100では、中央1点AFや顔AFを用いて、被写体を撮像することが可能である。中央1点AFとは、撮像画面内の中央位置の1点に対してAFを行うことであり、顔AFとは、顔検出処理によって検出された撮像画面内の顔に対してAFを行うことである。また、撮像装置100は、顔AFと同時に、顔AE、顔FE及び顔WBを行うこともできる。顔AEとは、顔検出処理によって検出された顔の明るさに応じて、撮像画面全体の露出を最適化することである。顔FEとは、顔検出処理によって検出された顔を中心としてフラッシュの調光を行うことである。顔WBとは、顔検出処理によって検出された顔の色に応じて、撮像画面全体のWBを最適化することである。
【0025】
ここで、顔検出処理について簡単に説明する。顔検出処理では、まず、システム制御部124が顔検出対象の画像データを画像処理部112に入力する。画像処理部112は、システム制御部124の制御下で、入力された画像データに対して水平方向バンドパスフィルタ及び垂直方向バンドパスフィルタを作用ささせて、画像データからエッジ成分を検出する。システム制御部124は、画像処理部112によって検出されたエッジ成分に対してパターンマッチングを行い、目、鼻、口及び耳の候補群を抽出する。また、システム制御部124は、抽出された候補群のうち、予め設定された条件(例えば、2つの目の距離や傾きなど)を満たすものを目と判断して、目の候補群として絞り込む。更に、システム制御部124は、絞り込まれた目の候補群とそれに対応する顔の他のパターン(鼻、口、耳)とを対応させ、予め設定した非顔条件フィルタを作用させることで顔を検出する。そして、システム制御部124は、顔の検出結果に応じて顔情報を生成して、顔検出処理を終了する。なお、顔情報は、例えば、顔の数、位置及びサイズなどを含み、画像(画像データ)の特徴量として画像データに関連付けてメモリ114や記録媒体200に格納される。
【0026】
このように、撮像装置100では、ライブビュー表示、或いは、再生(表示)される画像に対応する画像データを解析し、顔情報などの画像データの特徴量を検出することができる。
【0027】
以下、撮像装置100の全体的な動作について説明する。図3は、撮像装置100の動作を説明するためのフローチャートである。電源スイッチ136が操作されて撮像装置100の電源状態が電源OFFの状態から電源ONの状態になると、撮像装置100は動作を開始する。
【0028】
まず、S302において、システム制御部124は、フラグや制御変数等を初期化する。次いで、S304において、システム制御部124は、記録媒体200に記録されているファイルに関する管理処理(ファイル管理処理)を行う。本実施形態では、システム制御部124は、再生対象のディレクトリの有無、再生対象の画像データ(画像ファイル)の有無、再生対象の画像データのパス名リスト、記録媒体200に記録された画像の総数の情報を取得し、システムメモリ126に格納する。
【0029】
次に、S306、S308及びS310において、システム制御部124は、撮像装置100の動作モード(即ち、モード切替スイッチ128によって設定された動作モード)を判別する。具体的には、S306において、システム制御部124は、撮像装置100の動作モードが静止画像撮像モードであるかどうかを判別する。撮像装置100の動作モードが静止画像撮像モードであると判別された場合には、S312に移行して、システム制御部124は、静止画像撮像処理を行う。また、撮像装置100の動作モードが静止画像撮像モードではないと判別された場合には、S308に移行して、システム制御部124は、撮像装置100の動作モードが動画像撮像モードであるかどうかを判別する。撮像装置100の動作モードが動画像撮像モードであると判別された場合には、S314に移行して、システム制御部124は、動画像撮像処理を行う。また、撮像装置100の動作モードが動画像撮像モードではないと判別された場合には、S310に移行して、システム制御部124は、撮像装置100の動作モードが再生モードであるかどうかを判別する。撮像装置100の動作モードが再生モードであると判別された場合には、S316に移行して、システム制御部124は、再生処理を行う。なお、S316の再生処理については後で詳細に説明する。また、撮像装置100の動作モードが再生モードではない(即ち、静止画像撮像モード、動画像撮像モード及び再生モード以外のその他のモードである)と判別された場合には、S318に移行して、システム制御部124は、その他のモードに応じた処理を行う。ここで、その他のモードとしては、例えば、記録媒体200に記録されたファイルを送信する送信モード、外部機器からファイルを受信して記録媒体200に記録する受信モードなどがある。モード切替スイッチ128によって設定された動作モードに対応した処理(S312、S314、S316又はS318の処理)を行うと、S320に移行する。
【0030】
S320において、システム制御部124は、電源スイッチ136が操作されて撮像装置100の電源状態が電源ONの状態から電源OFFの状態になったかどうかを判別する。撮像装置100の電源状態が電源OFFの状態になっていない(電源ONの状態を維持している)と判別された場合には、S306(S306乃至S310における撮像装置100の動作モードの判別)に移行する。また、撮像装置100の電源状態が電源OFFの状態になったと判別された場合には、S322に移行して、システム制御部124は、終了処理を行う。終了処理は、例えば、表示部118の表示を終了する処理、バリア部108で撮像系を保護する処理、フラグや制御変数などを含むパラメータや設定値を不揮発性メモリ122に記録する処理、電源供給が不要な構成要素への電源供給を停止する処理を含む。S322の終了処理が完了すると、撮像装置100は動作を終了する。
【0031】
図4を参照して、S312の静止画像撮像処理を行うことで記録媒体200に記録される画像ファイル(静止画像ファイル)の構成について説明する。図4に示すように、画像ファイル400は、先頭に画像ファイルの開始を示すマーカ(SOI)410を有する。また、画像ファイル400は、マーカ410の後にヘッダに相当する第1のアプリケーションマーカ(APP1)420及び第2のアプリケーションマーカ(APP1)430を有する。更に、画像ファイル400は、画像ファイルの最後を示すマーカ(EOI)490を有する。
【0032】
第1のアプリケーションマーカ420は、サイズ(APP1 Length)421、アプリケーションマーカがExifであることを示す識別コード(APP1 Identifier Code)422を含む。また、第1のアプリケーションマーカ420は、画像データの作成日時(Date Time)423、画像データが生成された日時(Date Time Original)424を含む。更に、第1のアプリケーションマーカ420は、画像データの色情報(ColorInfo)425、画像データの顔情報(FaceInfo)426、その他の撮像情報(...Etc.)427、サムネイル画像(Thumbnail Data)428を含む。
【0033】
第2のアプリケーションマーカ430は、サイズ(APP1 Length)431、アプリケーションマーカがXMPであることを示す識別コード(APP1 Identifier Code)432を含む。また、第2のアプリケーションマーカ430は、お気に入り度(Rating)433、メタデータ変更日時(MetaDataDate)434、その他の撮像情報(...Etc.)435を含む。
【0034】
また、画像ファイル400に記録される画像データは、量子化テーブル(DQT)440、ハフマンテーブル(DHT)450、フレーム開始マーカ(SOF)460を含む。更に、画像ファイル400に記録される画像データは、スキャン開始マーカ(SOS)470、圧縮データ(Compressed data)480を含む。
【0035】
図3に示すS316の再生処理について説明する。図5は、S316の再生処理を詳細に説明するためのフローチャートである。なお、再生処理は、モード切替スイッチ128が操作されて他のモードに切り替わった場合や電源スイッチ136が操作されて撮像装置100の電源状態が電源OFFの状態になった場合に、割り込み処理等によって終了する。
【0036】
まず、S502において、システム制御部124は、記録媒体200から、記録媒体200に記録されている画像(画像データ)の最新の画像情報を取得する。次に、S504において、システム制御部124は、記録媒体200から最新の画像情報が正しく取得されたかどうかを判定する。最新の画像情報が正しく取得されていないと判定された場合には、S506以降において、システム制御部124は、画像なし時の入力待ち状態となる。なお、最新の画像情報が正しく取得されていない場合とは、記録媒体200に記録されている画像が1つもないような状態や記録媒体200の不良によって画像情報が取得できないような状態などが考えられる。一方、最新の画像情報が正しく取得されたと判定された場合には、S512に移行する。なお、記録媒体200に少なくとも1つの画像が記録されていれば、画像情報を取得することが可能である。
【0037】
S506において、システム制御部124は、最新の画像情報が正しく取得されていない(記録媒体200に画像が記録されていない)ことをユーザに通知する。例えば、システム制御部124は、「画像がありません」というメッセージを表示部118に表示する。次いで、S508において、システム制御部124は、操作入力があったかどうかを判定する。なお、操作入力とは、ユーザによる操作部の操作や電源部140の電圧低下などを知らせるイベントなどが含まれる。操作入力がないと判定された場合には、操作入力があるまで、S508を繰り返す。また、操作入力があったと判定された場合には、S510に移行し、システム制御部124は、操作入力に対応する処理を行う。例えば、記録媒体200に画像が記録されていなくても、メニューボタンの操作入力がされた場合には、メニュー画面を表示部118に表示して、ユーザが設定変更などを行えるようにする。
【0038】
S512において、システム制御部124は、S502で取得した最新の画像情報に基づいて、記録媒体200から最新の画像データを読み込む。次に、S514において、システム制御部124は、ファイル解析処理を行って、S512で読み込んだ最新の画像データにおける画像の特徴量や撮像条件を取得する。
【0039】
次に、S516において、システム制御部124は、S512で読み込んだ最新の画像データに対応する画像を表示部118に表示する。この際、S514のファイル解析処理によって取得した画像の特徴量や撮像条件を表示部118に表示してもよい。また、S514のファイル解析処理において、画像データの一部が壊れているなどの画像データの不良が検出されれば、その旨(エラー)を表示する。
【0040】
次いで、S518において、システム制御部124は、関連画像再生の可否判定処理を行う。ここで、関連画像再生とは、大量の画像を閲覧する際に、従来の画像送りのように特定の順番で再生(表示)するのではなく、ユーザの興味に応じて再生する再生モードである。関連画像再生では、現在再生している画像(検索キー画像)から生成される互いに異なる複数の検索条件に一致又は類似する画像を、検索キー画像と共に表示する。例えば、検索キー画像に含まれる人物の数と同じ数の人物を含む画像、検索キー画像と同じような色合いの画像、検索キー画像と同じ日に生成された画像などを検索して、検索キー画像と共に表示する。そして、検索された画像から、ユーザの操作に応じて選択された1つの画像を新たな検索キー画像として設定し、新たな検索キー画像を用いて画像の検索及び表示を行う。このように、関連画像再生は、大量の画像を完全にランダムに再生するのではなく、ユーザの興味、即ち、ユーザによって選択された画像(から生成される検索条件)に応じて再生することが可能である。なお、S518の関連画像再生の可否判定処理については図6を用いて後述する。
【0041】
次に、S520において、システム制御部124は、操作入力があったかどうかを判定する。なお、操作入力とは、ユーザによる操作部の操作や電源部140の電圧低下などを知らせるイベントなどが含まれる。操作入力がないと判定された場合には、操作入力があるまで、S520を繰り返す。一方、操作入力があったと判定された場合には、S522に移行する。
【0042】
S522において、システム制御部124は、操作入力が画像送りを指示する操作入力であるかどうかを判定する。ここで、画像送りを指示する操作入力とは、ユーザが、操作部を介して、画像送りボタンを押した(選択した)場合などである。操作入力が画像送りを指示する操作入力であると判定された場合には、S524に移行し、操作入力が画像送りを指示する操作入力ではないと判定された場合には、S530に移行する。
【0043】
S524において、システム制御部124は、表示部118に表示する次の画像データを読み込む。画像送りボタンは、送り方向に応じた一対のボタン(例えば、十字ボタン132の左ボタン及び右ボタン)で構成され、操作されたボタンに対応する送り方向に応じて次の画像データが読み込まれる。次に、S526において、システム制御部124は、ファイル解析処理を行って、S524で読み込んだ次の画像データにおける画像の特徴量や撮像条件を取得する。次いで、S528において、システム制御部124は、S524で読み込んだ次の画像データに対応する画像を表示部118に表示して、S518に移行する。この際、S526のファイル解析処理によって取得した画像の特徴量や撮像条件を表示部118に表示してもよい。また、S526のファイル解析処理において、画像データの一部が壊れているなどの画像データの不良が検出されれば、その旨(エラー)を表示する。
【0044】
S530において、システム制御部124は、操作入力が関連画像再生を指示する操作入力であるかどうかを判定する。ここで、関連画像再生を指示する操作入力とは、ユーザが、操作部を介して、関連画像再生ボタンを押した(選択した)場合などである。操作入力が関連画像再生を指示する操作入力であると判定された場合には、S532に移行し、システム制御部124は、関連画像再生処理を行う。関連画像再生処理については図8を用いて後述する。一方、操作入力が関連画像再生を指示する操作入力ではないと判定された場合には、S534に移行する。
【0045】
S534において、システム制御部124は、操作入力に対応する処理を行う。なお、操作入力に対応する処理とは、例えば、画像(画像データ)の消去処理、画像の編集処理、マルチ再生(マルチ画像表示)への切替処理、メニューボタンによるメニュー画面の表示処理などである。なお、マルチ再生とは、画像データに対応する縮小画像を表示部118に複数並べて表示する再生モードである。
【0046】
次に、S536において、システム制御部124は、記録媒体200に画像が記録されているかどうかを判定する。記録媒体200に画像が記録されていない(即ち、S534において画像の消去処理などが行われて画像が存在しない)と判定された場合には、S538に移行して、記録媒体200に画像が記録されていないことをユーザに通知する。一方、記録媒体200に画像が記録されていると判定された場合には、S518に移行する。
【0047】
図5に示すS518の関連画像再生の可否判定処理について説明する。図6は、S518の関連画像再生の可否判定処理を詳細に説明するためのフローチャートである。
【0048】
まず、S602において、システム制御部124は、S516で表示された画像(画像データ)が関連画像再生の対象画像であるかどうかを判定する。本実施形態では、動画像、及び、検索条件を生成するために必要となる画像の特徴量及び撮像条件を有していない画像は、関連画像再生の対象画像としない。換言すれば、S602では、S516で表示された画像が、動画像ではなく、且つ、画像の特徴量及び撮像条件の少なくとも一方を有している画像であるという条件(対象画像条件)を満たしているかどうかを判定する。なお、対象画像条件は、静止画像であり、且つ、画像の特徴量及び撮像条件の少なくとも一方を有している画像であるという条件としてもよい。また、S516で表示された画像の撮像条件のうち、かかる画像を撮像した撮像装置の機種情報が検索条件を生成するために必要となる画像の特徴量及び撮像条件を付加可能な機種を示す情報であることを対象画像条件の1つとしてもよい。
【0049】
画像が関連画像再生の対象画像ではないと判定された場合には、S604において、システム制御部124は、メモリ114に格納されている関連画像再生選択可能フラグを無効にして、関連画像再生の可否判定処理を終了する。なお、関連画像再生選択可能フラグが無効である場合には、図7(a)に示すように、関連画像再生ボタンを操作(選択)することが不可能となる。図7(a)は、関連画像再生選択可能フラグが無効である場合の表示例であって、関連画像再生ボタンの形態(例えば、色)を他のボタン(例えば、WBボタン、Printボタン)の形態と異ならせ、関連画像再生ボタンの操作が不可能であることを示している。一方、画像が関連画像再生の対象画像であると判定された場合には、S606に移行する。
【0050】
S606において、システム制御部124は、メモリ114に格納されている関連画像再生選択可能フラグを有効にする。次いで、S608において、システム制御部124は、記録媒体200に記録された画像のうち、対象画像条件を満たす画像の数をカウントする。なお、連写モード等によって時間的に連続して撮像された1組の連写画像については代表画像を1つとしてカウントするとよい。連写画像のそれぞれを関連画像再生の対象画像としてカウントすると、記録媒体200に連写画像だけが記録されている場合であっても、関連画像再生が実行可能であるとしてしまう(即ち、S616及びS618が行われてしまう)からである。連写画像は画像の特徴量及び撮像条件が同じか類似している場合が多く、関連画像再生の対象として連写画像をバラバラにカウントしてしまうと、同一の連写で撮像された画像ばかりが再生されてしまう可能性が高く、好ましくない。また、S534において画像の編集処理が行われた画像は、編集処理前の画像に似た画像である可能性が高いため、編集処理前の画像と編集処理後の画像とを1つの画像とみなして(即ち、一連画像とみなして)カウントするとよい。但し、編集処理によって画像の特徴量が変更された場合には、編集処理前の画像と編集処理後の画像とを別々の画像としてカウントしてもよい。また、ブレ画像、非合焦画像、お気に入り度が−1(除去)画像は、関連画像再生において表示する必要がないと考え、関連画像再生の対象画像としてカウントしなくてもよい。
【0051】
次いで、S610において、システム制御部124は、S608でカウントされた対象画像条件を満たす画像の数が閾値以上であるかどうかを判定する。なお、閾値は、関連画像再生処理において、表示部118に同時に表示される複数の関連画像に同一の画像が含まれないように、表示部118に同時に表示する複数の関連画像の数に応じて設定する。また、閾値が大きくなればなるほど、関連画像再生において画像を検索及び表示する際に同一の画像が表示される可能性が少なくなり、変化に富んだ面白みのある関連画像再生が可能となる。従って、関連画像再生処理において、表示部118に表示される画像の数に対して十分に大きな数(例えば、数十枚程度)を閾値として設定するとよい。
【0052】
S608でカウントされた対象画像条件を満たす画像の数が閾値以上ではないと判定された場合には、S612に移行して、システム制御部124は、関連画像再生の実行不可能通知処理を行う。具体的には、図7(b)に示すように、関連画像再生を実行することが不可能であることを表すアイコンICを関連画像再生ボタンに重ねて表示する。次いで、S614において、システム制御部124は、メモリ114に格納されている関連画像再生実行可能フラグを無効にして、関連画像再生の可否判定処理を終了する。
【0053】
S608でカウントされた対象画像条件を満たす画像の数が閾値以上であると判定された場合には、S616に移行して、システム制御部124は、関連画像再生の実行可能通知処理を行う。具体的には、図7(c)に示すように、関連画像再生ボタンを操作(選択)することが可能であることを表示する。図7(c)では、関連画像再生ボタンの形態が他のボタンの形態と同じであり、また、関連画像再生を実行することが不可能であることを表すアイコンICが表示されておらず、関連画像再生ボタンの操作及び関連画像再生の実行が可能であることを示している。次いで、S618において、システム制御部124は、メモリ114に格納されている関連画像再生実行可能フラグを有効にして、関連画像再生の可否判定処理を終了する。
【0054】
図5に示すS532の関連画像再生処理について説明する。図8は、S532の関連画像再生処理を詳細に説明するためのフローチャートである。
【0055】
まず、S802において、システム制御部124は、関連画像再生実行可能フラグが有効であるかどうかを判定する。関連画像再生実行可能フラグが有効ではない(無効である)と判定された場合には、S804に移行して、システム制御部124は、対象画像条件を満たす画像が閾値以上必要であることを通知して、関連画像再生処理を終了する。例えば、システム制御部124は、図7(d)に示すように、「関連画像再生を行うためには、もっとたくさんの画像が必要です。」というメッセージMSを表示部118に表示する。一方、関連画像再生実行可能フラグが有効であると判定された場合には、S806に移行する。
【0056】
S806において、システム制御部124は、記録媒体200に記録されている複数の画像から1つの画像をランダムに選択して一手前画像として設定する。次いで、S808において、システム制御部124は、関連画像再生処理に移行する直前に表示部118に表示されている画像(カレント画像)を検索キー画像として設定する。なお、検索キー画像は、検索条件を生成するために設定される画像である。次に、S810において、システム制御部124は、S806で設定された一手前画像を表示部118の所定の位置に表示する。同様に、S812において、システム制御部124は、S808で設定された検索キー画像を表示部118の所定の位置に表示する。本実施形態では、図9(a)に示すように、表示部118の左位置に一手前画像902が表示され、表示部118の中央位置に検索キー画像904が表示される。
【0057】
次に、S814において、システム制御部124は、S808で設定された検索キー画像から、かかる検索キー画像の特徴量及び撮像条件の少なくとも一方を取得する取得処理を行う。具体的には、画像ファイルの構成(図4参照)で説明したように、アプリケーションマーカから画像の特徴量及び撮像条件を取得することが可能である。なお、画像の特徴量は、例えば、画像データの色情報(色の分布及び強度など)や顔情報(顔の数、位置及びサイズなど)などを含む。また、撮像条件は、例えば、画像データが生成(撮像)された日時、撮像モード、撮像装置の各種設定(露出設定など)、被写体距離、位置情報などを含む。
【0058】
次いで、S816において、システム制御部124は、S814で取得された検索キー画像の特徴量及び撮像条件の少なくとも一方から、互いに異なる複数の検索条件を生成する生成処理を行う。検索条件は、表示部118に関連画像(即ち、検索キー画像を用いて検索された画像)として表示する画像の数(本実施形態では、3つ)だけ、画像の特徴量及び撮像条件に含まれる情報を組み合わせて生成される。本実施形態では、検索キー画像の色情報及び顔情報の両方を含む検索条件と、検索キー画像の色情報のみを含む検索条件と、検索キー画像の顔情報のみを含む検索条件との3つの検索条件を生成するものとする。
【0059】
次に、S818において、システム制御部124は、S816で生成された複数の検索条件のそれぞれについて、S808で設定された検索キー画像を除く画像から検索条件に一致又は類似する関連画像を検索する検索処理を行う。上述したように、本実施形態では、検索キー画像の色情報及び顔情報の両方を含む検索条件と、検索キー画像の色情報のみを含む検索条件と、検索キー画像の顔情報のみを含む検索条件が生成されている。従って、関連画像として、検索キー画像の色情報及び顔情報に類似又は一致する画像、検索キー画像の色情報のみに類似又は一致する画像、及び、検索キー画像の顔情報のみに類似又は一致する画像が検索される。ここで、複数の検索条件(本実施形態では3つ)のうち、1つの検索条件での検索処理が実行されて、検索結果として1つの関連画像が検索されると、その画像の特徴量及び/又は撮像条件を取得する。そして、まだ検索処理が実行されていない他の検索条件を、検索済みの関連画像から取得した画像の特徴量及び/又は撮像条件に基づいて調整し、調整した検索条件で残りの検索処理を行う場合もある。例えば、ある検索条件によって、検索キー画像と同一の撮像日、且つ、類似度が極めて高い画像が検索された場合、他の検索条件で検索される画像に、検索キー画像と同一の撮像日、且つ、類似度が極めて高い画像が含まれる可能性を低減するように調整する。全ての検索条件に対して検索結果(関連画像)を取得すると、S820に移行する。
【0060】
S820において、システム制御部124は、S818で検索された画像が複数の検索条件のそれぞれについて表示部118に表示されるように制御する表示制御処理を行う。具体的には、S818で検索された関連画像を検索条件ごとに割り当てられた表示部118の所定の位置に表示する。本実施形態では、図9(a)に示すように、表示部118の中央下位置に検索キー画像の色情報及び顔情報の両方を含む検索条件で検索された関連画像906が表示される。また、表示部118の右位置に検索キー画像の色情報のみを含む検索条件で検索された関連画像908が表示される。更に、表示部118の中央上位置に検索キー画像の顔情報のみを含む検索条件で検索された関連画像910が表示される。なお、一手前画像902、検索キー画像904、関連画像906、908及び910のそれぞれの色情報及び顔情報を明示した図を図9(b)に示す。但し、図9(b)は、表示部118に実際に表示されるものではなく、内部的に使用される画像の特徴量である色情報及び顔情報を可視化したものである。
【0061】
また、S818の検索処理において、1つの検索条件に対して複数の画像が検索された場合には、かかる複数の画像から1つの画像をランダムで選択して表示部118に表示すればよい。これにより、1つの検索条件に対して様々な画像を表示することが可能となる。なお、1つの検索条件に対して1つの画像を検索するように、S818の検索処理を行うことも可能である。
【0062】
また、時間的に連続して撮像された連写画像に対しては検索処理(S818)を行うことを制限してもよい。例えば、関連画像として連写画像を繰り返して表示部118に表示してもユーザにとってメリットはない。そこで、連写画像については代表画像に対して検索処理を行うことで、S820の表示制御処理において、連写画像が繰り返して表示されることを抑制することが可能となる。なお、連写画像であるかどうかの判定方法には、当業界で周知のいかなる判定方法をも適用することができる。例えば、以下の3つの方法がある。1つ目の方法は、画像の属性情報に記録された、1組の連写画像であることを示す識別子によって1組の連写画像であると判定する方法である。2つ目の方法は、画像の撮像日時が閾値以上に近い複数の画像を1組の連写画像と判定する方法である。3つ目の方法は、画像の撮像日時が閾値以上に近く、且つ、属性情報に記録された撮像条件のうち、連写撮像では変更されない特定の撮像条件が同一である複数の画像を1組の連写画像と判定する方法である。
【0063】
次に、S822において、システム制御部124は、操作入力があったかどうかを判定する。なお、操作入力とは、ユーザによる操作部の操作や電源部140の電圧低下などを知らせるイベントなどが含まれる。操作入力がないと判定された場合には、操作入力があるまで、S822を繰り返す。一方、操作入力があったと判定された場合には、S824に移行する。
【0064】
S824において、システム制御部124は、操作入力が関連画像再生の終了を指示する操作入力であるかどうかを判定する。ここで、関連画像再生の終了を指示する操作入力とは、ユーザが、操作部を介して、関連画像再生終了ボタンを押した(選択した)場合などである。操作入力が関連画像再生の終了を指示する操作入力であると判定された場合には、関連画像再生処理を終了する。一方、操作入力が関連画像再生の終了を指示する操作入力ではないと判定された場合には、S826に移行する。
【0065】
S826において、システム制御部124は、操作入力が画像の選択を指示する操作入力であるかどうかを判定する。ここで、画像の選択とは、S810及びS820で表示部118に表示された一手前画像及び関連画像からユーザが1つの画像を選択することを意味する。具体的には、ユーザは、図9(a)において、一手前画像902、関連画像906、908及び910の配置関係と同じ配置関係を有する十字ボタン132の左ボタン、下ボタン、上ボタン及び右ボタンのいずれかを指定することで、画像を選択する。また、表示部118にはタッチパネルが設けられているため、ユーザは、表示部118に表示された一手前画像902、関連画像906、908及び910のいずれかをタッチすることで、画像を選択することも可能である。操作入力が画像の選択を指示する操作入力ではないと判定された場合には、S828に移行して、システム制御部124は、操作入力に対応する処理を行う。なお、S828で行う操作入力に対応する処理としては、例えば、以下の4つの処理がある。1つ目の処理は、S822で判定された操作入力が検索キー画像を拡大する操作入力であった場合に、表示部118の中央に表示された検索キー画像を拡大して表示する処理である。検索キー画像を拡大する操作入力は、操作部の1つとしてのズームレバーで行うようにすることが好ましい。ズームレバーは、撮像モードにおいては光学ズーム又は電子ズームの指示に、再生モードにおいては再生している画像の拡大又は縮小の指示に用いる操作部材である。2つ目の処理は、S822で判定された操作入力がメニューボタンの押下であった場合に、メニュー画面を表示部118に表示し、各種設定操作を受け付ける処理である。3つ目の処理は、S822で判定された操作入力が検索キー画像に対する回転処理(回転、トリミング、リサイズなど)を指示する操作入力であった場合に、その指示に応じた処理を検索キー画像に施す処理である。4つ目の処理は、S822で判定された操作入力が検索キー画像に対して属性情報の付与又は削除を指示する操作入力であった場合に、その指示に応じて検索キー画像の属性を変更する処理である。なお、属性情報は、例えば、お気に入り度、キーワード、分類情報、プロテクト属性、印刷指定属性等を含む。一方、操作入力が画像の選択を指示する操作入力であると判定された場合には、S830に移行する。
【0066】
S830において、システム制御部124は、表示部118に表示された複数の画像(一手前画像及び関連画像)から、ユーザの操作に応じて1つの画像を選択する選択処理を行う。
【0067】
次いで、S832において、システム制御部124は、S830で選択された画像を新たな検索キー画像として設定する設定処理を行う。次に、S834において、システム制御部124は、直前の検索キー画像(即ち、S832で新たなキー画像を設定する前の検索キー画像)を新たな一手前画像として設定する。S832及びS834で新たな検索キー画像及び新たな一手間画像が設定されると、S810に移行する。従って、新たな検索キー画像を用いて、取得処理(S814)、生成処理(S816)、検索処理(S818)、表示制御処理(S820)、選択処理(S830)及び設定処理(S832)が繰り返し行われる。
【0068】
本実施形態の撮像装置100によれば、検索キー画像を用いて検索された複数の関連画像うち、ユーザの操作に応じて選択された1つの関連画像を新たな検索キー画像として設定することによって、画像の検索を継続して(繰り返し)行うことができる。この際、ユーザは、キーワードや検索条件を入力する必要はなく、興味に応じて画像を選択するだけで、かかる興味に応じた画像が検索及び表示される。従って、撮像装置100は、従来技術と比較して、画像の検索の効率や操作性(ユーザビリティ)を向上させることができる。
【0069】
また、撮像装置100では、画像の検索を繰り返し行う際に、選択処理において選択された画像の検索条件を記憶し、かかる検索条件を次の検索時の生成処理において優先的に生成することによって、ユーザの興味をより反映させた検索を行うことも可能である。
例えば、検索キー画像の特徴量及び撮像条件を「色=赤」、「人数=集合写真」とし、「検索条件=集合写真」に対して検索された関連画像をユーザが選択した場合を考える。この場合、かかる関連画像を検索キー画像として次の検索を行う際に、検索条件として「検索条件=集合写真」を優先的に生成することで、集合写真を閲覧したいというユーザの興味に対応することができる。
【0070】
また、撮像装置100では、関連画像再生処理において様々な画像を検索及び表示するために、厳しさの異なる検索条件を生成することも可能である。具体的には、検索キー画像と一致又は類似するレベルが異なる画像を検索する第1の検索条件、第2の検索条件及び第3の検索条件を生成すればよい。例えば、第1の検索条件は、検索キー画像と一致又は類似するレベルが最も高いレベル(第1のレベル)となるように、検索キー画像の特徴量及び撮像条件の少なくとも一方を最も多く(第1の数だけ)含む。また、第2の検索条件は、検索キー画像と一致又は類似するレベルが第1のレベルよりも低い第2のレベルとなるように、検索キー画像の特徴量及び撮像条件の少なくとも一方を第1の数よりも少ない第2の数だけ含む。また、第3の検索条件は、検索キー画像と一致又は類似するレベルが第2のレベルよりも低い第3のレベルとなるように、検索キー画像の特徴量及び撮像条件の少なくとも一方を第2の数よりも少ない第3の数だけ含む。
【0071】
また、本実施形態では、表示部118に表示される複数の画像(一手前画像、検索キー画像、関連画像)の配置関係が十字ボタン132の配置関係と同じになるようにして、ユーザが関連画像を選択する際の操作性を高めている。その際、複数の検索条件のそれぞれで検索された画像が表示部118において常に同じ配置関係となるようにすることも可能である。特に、画像送りにおいては、十字ボタン132の右ボタンに送りボタン、十字ボタン132の左ボタンに戻りボタンの機能を割り当てることが多いため、画像を閲覧する際に、ユーザは右ボタンを多く押す(選択する)傾向がある。そこで、十字ボタン132の右ボタンに対応する表示部118の右位置に、上述した第1の検索条件で検索された画像が常に表示されるようにする。これにより、通常の画像送りと同じようにユーザが右ボタンを繰り返し押した場合には、検索条件の変動が少ないため、最初の検索キー画像に似た画像を閲覧し続けることが可能となる。一方、十字ボタン132の右ボタンに対応する表示部118の右位置に、上述した第1の検索条件で検索された画像が常に表示されないようにすることも可能である。これにより、通常の画像送りと同じようにユーザが右ボタンを繰り返し押した場合に、検索条件の変動を大きくして、様々な画像を閲覧することが可能となる。
【0072】
なお、図6を参照して説明した関連画像再生の可否判定処理を、静止画像撮像モード及び/又は動画像モードに遷移した時と、静止画像撮像モード及び/又は動画像撮像モードで静止画像又は動画像を撮像して画像ファイルが1つ生成されるたびに行ってもよい。そして、関連画像再生可能フラグが有効であるか無効であるかに応じて、関連画像再生が可能であるか不可能であるか、不可能な場合にはあと何枚の画像が必要であるかを識別可能な表示を静止画像撮像モード及び/又は動画像撮像モードにおいて表示してもよい。これにより、ユーザは現状で関連画像再生を行えるのかどうか、関連画像再生を行えない場合にはあと何枚の画像を撮像すれば関連画像再生が行えるようになるのかを撮像時に知ることができ、これ以上の撮像を行うべきかどうかの判断の助けとなる。
【0073】
また、本実施形態においては、本発明をデジタルカメラに適用した場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、パーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話端末、携帯型画像ビューワ及びプリンタなど、複数の画像を同時に表示するように制御可能な表示装置を備えるものに適用することができる。
【0074】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び、かかるプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0075】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を検索する画像検索装置であって、
複数の画像のうち、検索条件を生成するために設定された検索キー画像から、前記検索キー画像の特徴量及び前記検索キー画像の撮像条件の少なくとも一方を取得する取得処理を行う取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記特徴量及び前記撮像条件の少なくとも一方から、互いに異なる複数の検索条件を生成する生成処理を行う生成手段と、
前記生成手段によって生成された前記複数の検索条件のそれぞれについて、前記検索キー画像を除く前記複数の画像から当該検索条件に一致又は類似する画像を検索する検索処理を行う検索手段と、
前記検索手段によって検索された複数の画像が前記複数の検索条件のそれぞれについて表示手段に表示されるように制御する表示制御処理を行う表示制御手段と、
前記表示手段に表示された複数の画像から、ユーザの操作に応じて1つの画像を選択する選択処理を行う選択手段と、
前記選択手段によって選択された画像を新たな検索キー画像として設定する設定処理を行う設定手段と、
前記設定手段によって前記新たな検索キー画像が設定されると、当該新たな検索キー画像を用いて、前記取得処理、前記生成処理、前記検索処理、前記表示制御処理、前記選択処理及び前記設定処理が繰り返し行われるように、前記取得手段、前記生成手段、前記検索手段、前記表示制御手段、前記選択手段及び前記設定手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像検索装置。
【請求項2】
前記ユーザの操作を受け付ける複数のボタンを含む操作手段を更に有し、
前記表示制御手段は、前記表示手段に表示される複数の画像の配置関係が前記複数のボタンの配置関係と同じになるように、前記表示手段における画像の表示を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像検索装置。
【請求項3】
前記生成手段は、前記複数の検索条件として、前記検索キー画像と一致又は類似するレベルが第1のレベルとなる画像を検索するための第1の検索条件と、前記レベルが前記第1のレベルよりも低い第2のレベルとなる画像を検索するための第2の検索条件と、前記レベルが前記第2のレベルよりも低い第3のレベルとなる画像を検索するための第3の検索条件とを生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像検索装置。
【請求項4】
前記第1の検索条件は、前記特徴量及び前記撮像条件の少なくとも一方を第1の数だけ含み、
前記第2の検索条件は、前記特徴量及び前記撮像条件の少なくとも一方を前記第1の数よりも少ない第2の数だけ含み、
前記第3の検索条件は、前記特徴量及び前記撮像条件の少なくとも一方を前記第2の数よりも少ない第3の数だけ含むことを特徴とする請求項3に記載の画像検索装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記検索手段によって検索された、前記第1の検索条件に一致又は類似する画像、前記第2の検索条件に一致又は類似する画像及び前記第3の検索条件に一致又は類似する画像が前記表示手段において常に同じ配置関係となるように、前記表示手段における画像の表示を制御することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像検索装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記検索手段によって検索された画像と共に、前記検索キー画像が前記表示手段に表示されるように制御することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の画像検索装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記設定手段によって設定された新たな検索キー画像から生成された検索条件で検索された画像と共に、前記新たな検索キー画像及び直前の検索キー画像が前記表示手段に表示されるように制御することを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の画像検索装置。
【請求項8】
前記検索手段は、前記複数の画像のうち、時間的に連続して撮像された連写画像については代表画像に対して前記検索処理を行うことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の画像検索装置。
【請求項9】
前記検索手段は、前記複数の検索条件のうち、1つの検索条件で検索された画像から取得した情報に基づいて他の検索条件を調整し、調整した他の検索条件で検索することを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の画像検索装置。
【請求項10】
前記1つの検索条件で検索された画像が前記検索キー画像と同一の撮像日で類似度が高い画像である場合には、前記調整した他の検索条件で検索される画像に前記検索キー画像と同一の撮像日で類似度が高い画像が含まれる可能性を低減するように、前記他の検索条件を調整することを特徴とする請求項9に記載の画像検索装置。
【請求項11】
画像を検索する画像検索装置の制御方法であって、
取得手段が、複数の画像のうち、検索条件を生成するために設定された検索キー画像から、前記検索キー画像の特徴量及び前記検索キー画像の撮像条件の少なくとも一方を取得する取得ステップと、
生成手段が、前記取得ステップで取得された前記特徴量及び前記撮像条件の少なくとも一方から、互いに異なる複数の検索条件を生成する生成ステップと、
検索手段が、前記生成ステップで生成された前記複数の検索条件のそれぞれについて、前記検索キー画像を除く前記複数の画像から当該検索条件に一致又は類似する画像を検索する検索ステップと、
表示制御手段が、前記検索ステップで検索された複数の画像が前記複数の検索条件のそれぞれについて表示手段に表示されるように制御する表示制御ステップと、
選択手段が、前記表示手段に表示された複数の画像から、ユーザの操作に応じて1つの画像を選択する選択ステップと、
設定手段が、前記選択ステップで選択された画像を新たな検索キー画像として設定する設定ステップと、
前記設定ステップで前記新たな検索キー画像が設定されると、当該新たな検索キー画像を用いて、前記取得ステップ、前記生成ステップ、前記検索ステップ、前記表示制御ステップ、前記選択ステップ及び前記設定ステップが繰り返し行われるように制御する制御ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載された画像検索装置の各手段として機能させるプログラム。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載された画像検索装置の各手段として機能させるプログラムを格納した記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−164799(P2011−164799A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24830(P2010−24830)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】