説明

画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体

【課題】 プレーヤにとって扱い易い操作環境を提供でき、リアルな画像を生成できる画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体を提供すること。
【解決手段】 キャラクタがクリーンヒット等された場合に長期動作制限(気絶、ピヨリ)状態にキャラクタを設定し、長期動作制限状態のキャラクタに次の攻撃が加えられた場合にも長期動作制限状態を期間TLだけ非解除にする。通常状態のキャラクタと長期動作制限状態のキャラクタとで反応(やられ)モーションを異ならせる。通常状態用と長期制限状態用の両方の反応モーションが用意される攻撃と通常状態用の反応モーションだけが用意される攻撃を設ける。長期動作制限状態のキャラクタに挑発攻撃や特定のコンボ攻撃が加えられた場合に長期動作制限期間を短縮、延長する。通常状態のキャラクタに対しては成立しないコンボ攻撃を長期動作制限状態のキャラクタに対しては成立させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、仮想的な3次元空間であるオブジェクト空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像を生成する画像生成システム(ゲームシステム)が知られており、いわゆる仮想現実を体験できるものとして人気が高い。格闘ゲームを楽しむことができる画像生成システムを例にとれば、プレーヤは、キャラクタを操作し、相手プレーヤやコンピュータが操作する相手キャラクタと対戦することでゲームを楽しむ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような格闘ゲームでは、プレーヤが操作するキャラクタの攻撃が相手キャラクタにクリーンヒットした場合などに、攻撃を受けた相手キャラクタの動作が長期間制限される気絶(ピヨリ)状態になる場合がある。このような相手キャラクタの気絶状態は、相手を倒す絶好の機会であり、プレーヤにとって大きなチャンスとなる。
【0004】
しかしながら、このように相手キャラクタが気絶状態になった場合に、プレーヤが突然のチャンスの到来に焦ってしまい、ゲームコントローラ(操作手段)の操作を誤ると、相手を倒すのに十分でない弱い攻撃が相手にヒットしてしまう場合がある。すると、せっかく気絶状態にあった相手キャラクタが回復してしまい、相手を倒す絶好の機会をプレーヤは逃してしまう。このように従来の画像生成システムは、プレーヤにとって扱い易い操作環境(インターフェース環境)の提供という点で、技術的課題の達成が不十分であった。
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、プレーヤにとって扱い易い操作環境を提供でき、リアルな画像を生成できる画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、画像生成を行う画像生成システムであって、キャラクタの動作を制御する手段と、キャラクタに対して所与の条件を満たす攻撃が加えられた場合に、通常攻撃が加えられた時の動作制限状態よりも動作制限期間が長い長期動作制限状態に、該キャラクタを設定する手段と、キャラクタの画像を含むゲーム画像を生成する手段とを含み、長期動作制限状態に設定されたキャラクタに対して次の攻撃が加えられた場合にも、該キャラクタの長期動作制限状態を所与の期間だけ非解除にすることを特徴とする。また本発明に係るプログラムは、コンピュータにより使用可能なプログラム(情報記憶媒体又は搬送波に具現化されるプログラム)であって、上記手段をコンピュータに実現させる(上記手段としてコンピュータを機能させる)ことを特徴とする。また本発明に係る情報記憶媒体は、コンピュータにより読み取り可能(使用可能)な情報記憶媒体であって、上記手段をコンピュータに実現させる(上記手段としてコンピュータを機能させる)ためのプログラムを含むことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、所与の条件を満たす攻撃(アクション)がキャラクタに加えられると、キャラクタが長期動作制限状態(例えば通常状態よりも2倍以上長い期間、動作が制限される状態)に設定される。そして本発明では、このような長期動作制限状態のキャラクタに対して次に続く攻撃(アクション)が加えられた場合にも、所与の期間だけ長期動作制限状態が非解除になる。
【0008】
従って本発明によれば、ダメージ量の弱い攻撃等により、キャラクタの長期動作制限状態が解除されてしまう事態を防止でき、プレーヤのゲーム操作環境の向上を図れる。
【0009】
なお、キャラクタを長期動作制限状態に設定する手段は、攻撃による動作制限期間を計時する第1のカウント手段とは別個独立に、長期動作制限期間を計時する第2のカウント手段を設けることで実現できる。そして、長期動作制限状態のキャラクタに次の攻撃が加えられ、第1のカウント手段による計時処理により、その攻撃による動作制限期間が経過したと判断された場合にも、第2のカウント手段による計時処理を続行するようにする。これにより、キャラクタの長期動作制限状態を所与の期間(長期動作制限期間)だけ非解除にする機能を実現できる。
【0010】
また本発明は、画像生成を行う画像生成システムであって、キャラクタの動作を制御する手段と、キャラクタに対して所与の条件を満たす攻撃が加えられた場合に、通常攻撃が加えられた時の動作制限状態よりも動作制限期間が長い長期動作制限状態に、該キャラクタを設定する手段と、キャラクタの画像を含むゲーム画像を生成する手段とを含み、長期動作制限状態のキャラクタと通常状態のキャラクタとで、次の攻撃が加えられた時にキャラクタが行う反応モーションを異ならせることを特徴とする。また本発明に係るプログラムは、コンピュータにより使用可能なプログラム(情報記憶媒体又は搬送波に具現化されるプログラム)であって、上記手段をコンピュータに実現させる(上記手段としてコンピュータを機能させる)ことを特徴とする。また本発明に係る情報記憶媒体は、コンピュータにより読み取り可能(使用可能)な情報記憶媒体であって、上記手段をコンピュータに実現させる(上記手段としてコンピュータを機能させる)ためのプログラムを含むことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、所与の条件を満たす攻撃(アクション)がキャラクタに加えられると、キャラクタが長期動作制限状態に設定される。そして本発明では、通常状態のキャラクタに攻撃(アクション)が加えられた場合には、そのキャラクタが第1の反応モーションを行う一方で、長期動作制限状態のキャラクタに攻撃(アクション)が加えられた場合には、そのキャラクタが第1の反応モーションとは異なる第2の反応モーションを行う。従って、長期動作制限状態のキャラクタに、その状態を効果的に表現する反応モーションを行わせることが可能になり、よりリアルな画像表現を少ない処理負荷で実現できる。
【0012】
また本発明に係る画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体は、長期動作制限状態のキャラクタに攻撃が加えられた場合に行われる反応モーションが、通常状態のキャラクタに攻撃が加えられた場合に行われる反応モーションよりも長い再生時間を有する反応モーションであることを特徴とする。
【0013】
また本発明に係る画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体は、長期動作制限状態のキャラクタに攻撃が加えられた場合に行われる反応モーションが、通常状態のキャラクタに攻撃が加えられた場合に行われる反応モーションよりもキャラクタの動作がゆっくりになる反応モーションであることを特徴とする。
【0014】
このようにすれば、長期動作制限状態のキャラクタが、その後の攻撃で翻弄される様子等をリアルに表現できる。
【0015】
また本発明に係る画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体は、第1〜第Nの攻撃のうち第1〜第M(M<N)の攻撃については、攻撃が加えられた時にキャラクタが行う反応モーションとして、通常状態用の反応モーションと長期動作制限状態用の反応モーションの両方が用意され、第1〜第Nの攻撃のうち第M+1〜第Nの攻撃については、攻撃が加えられた時にキャラクタが行う反応モーションとして、長期動作制限状態用の反応モーションが用意されず、通常状態用の反応モーションが用意されることを特徴とする。
【0016】
このようにすれば、全ての攻撃に対して通常状態用と長期動作制限状態用の両方の反応モーションを用意しなくて済むため、モーションのデータ量を節約できる。また、モーション作成に要する労力も軽減でき、ソフトウェアの開発期間の短縮化等を図れる。
【0017】
また本発明に係る画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体は、長期動作制限状態用の反応モーションと通常状態用の反応モーションの両方が用意される前記第1〜第Mの攻撃が、攻撃がヒットするまでの期間が長い攻撃、キャラクタに与えるダメージ量が大きい攻撃、又は複数の攻撃が連続的に組み合わさったコンボ攻撃であることを特徴とする。
【0018】
但し、長期動作制限状態用と通常状態用の反応モーションの両方が用意される攻撃は、このような攻撃に限定されるものでない。
【0019】
また本発明は、画像生成を行う画像生成システムであって、キャラクタの動作を制御する手段と、キャラクタに対して所与の条件を満たす攻撃が加えられた場合に、通常攻撃が加えられた時の動作制限状態よりも動作制限期間が長い長期動作制限状態に、該キャラクタを設定する手段と、キャラクタの画像を含むゲーム画像を生成する手段とを含み、長期動作制限状態のキャラクタに加えられる攻撃が所与の攻撃である場合には、該キャラクタの長期動作制限状態が解除されるまでの期間が変更されることを特徴とする。また本発明に係るプログラムは、コンピュータにより使用可能なプログラム(情報記憶媒体又は搬送波に具現化されるプログラム)であって、上記手段をコンピュータに実現させる(上記手段としてコンピュータを機能させる)ことを特徴とする。また本発明に係る情報記憶媒体は、コンピュータにより読み取り可能(使用可能)な情報記憶媒体であって、上記手段をコンピュータに実現させる(上記手段としてコンピュータを機能させる)ためのプログラムを含むことを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、所与の条件を満たす攻撃(アクション)がキャラクタに加えられると、キャラクタが長期動作制限状態に設定される。そして本発明では、このような長期動作制限状態のキャラクタに対して所与の攻撃(アクション)が加えられた場合には、長期動作制限期間が変更(短縮、延長等)される。従って、長期動作制限期間において行われたプレーヤの攻撃に応じて、プレーヤを不利にしたり、プレーヤを優遇したりすることが可能になり、より多様なゲーム演出が可能になる。
【0021】
また本発明は、画像生成を行う画像生成システムであって、キャラクタの動作を制御する手段と、キャラクタに対して所与の条件を満たす攻撃が加えられた場合に、通常攻撃が加えられた時の動作制限状態よりも動作制限期間が長い長期動作制限状態に、該キャラクタを設定する手段と、キャラクタの画像を含むゲーム画像を生成する手段とを含み、通常状態のキャラクタに対する攻撃では成立が許可されない、複数の攻撃が連続的に組み合わさったコンボ攻撃を、長期動作制限状態のキャラクタに対する攻撃では成立を許可することを特徴とする。また本発明に係るプログラムは、コンピュータにより使用可能なプログラム(情報記憶媒体又は搬送波に具現化されるプログラム)であって、上記手段をコンピュータに実現させる(上記手段としてコンピュータを機能させる)ことを特徴とする。また本発明に係る情報記憶媒体は、コンピュータにより読み取り可能(使用可能)な情報記憶媒体であって、上記手段をコンピュータに実現させる(上記手段としてコンピュータを機能させる)ためのプログラムを含むことを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、所与の条件を満たす攻撃(アクション)がキャラクタに加えられると、キャラクタが長期動作制限状態に設定される。そして本発明では、通常状態のキャラクタに対しては成立しないコンボ攻撃(コンボアクション)が、このような長期動作制限状態のキャラクタに対しては成立するようになる。従って、プレーヤは、通常状態では成立しないコンボ攻撃を相手キャラクタに加えることが可能になり、ゲームを優位に進めることができる。これにより、ゲームに対するプレーヤの没入度を高めることができる。
【0023】
また本発明に係る画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体は、一方のキャラクタの攻撃が他方のキャラクタに加えられた場合の他方のキャラクタの反応モーション及び動作制限期間の長さが、一方のキャラクタの攻撃の種類により決定されることを特徴とする。
【0024】
このようにすれば、一方のキャラクタの攻撃の態様に応じた反応モーションを、他方のキャラクタに行わせることが可能になり、よりリアルな画像表現を実現できる。また、キャラクタを動作制御する処理ルーチンの簡素化等も図れるようになる。
【0025】
また本発明に係る画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体は、キャラクタが長期動作制限状態に設定された場合に、該キャラクタが長期動作制限状態にあることをプレーヤに知らせる手段を含むこと(該手段をコンピュータに実現させるためのプログラム、情報記憶媒体であること)を特徴とする。
【0026】
このようにすれば、相手キャラクタが長期動作制限状態にあることを知ったプレーヤは様々な戦略を立てれるようになり、ゲーム演出のバラエティを増すことができる。
【0027】
なお、キャラクタが長期動作制限状態にあることは、画像により可視的に知らせてもよいし、音により知らせてもよい。或いは操作手段(ゲームコントローラ)を介して知らせてもよい。また、長期動作制限状態の解除時間に近づくにつれて、長期動作制限状態にあることを示す情報(画像、音等)を変化させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施形態の画像生成システムの機能ブロック図の例である。
【図2】図2(A)、(B)、(C)は、キャラクタに加えられた攻撃の種類に基づき反応モーションや動作制限期間を決定する手法について説明するための図である。
【図3】図3(A)、(B)、(C)は、長期動作制限状態を一定期間だけ非解除にする手法や、通常状態と長期動作制限状態とでキャラクタの反応モーションを異ならせる手法について説明するための図である。
【図4】各攻撃に対応させて通常状態用と長期動作制限状態用の反応モーションを用意する手法について説明するための図である。
【図5】図5(A)、(B)は、長期動作制限期間を短縮、延長する手法について説明するための図である。
【図6】通常期間では成立しないコンボ攻撃を、長期動作制限期間において成立させる手法について説明するための図である。
【図7】図7(A)、(B)、(C)は、本実施形態により生成されるゲーム画像の例である。
【図8】図8(A)、(B)は、本実施形態により生成されるゲーム画像の例である。
【図9】図9(A)、(B)、(C)は、本実施形態により生成されるゲーム画像の例である。
【図10】本実施形態の処理の詳細例について示すフローチャートである。
【図11】本実施形態の処理の詳細例について示すフローチャートである。
【図12】図12(A)、(B)は、本実施形態の処理の詳細例について示すフローチャートである。
【図13】図13(A)、(B)は、本実施形態の処理について説明するための図である。
【図14】図14(A)、(B)、(C)、(D)は、本実施形態の処理について説明するための図である。
【図15】本実施形態を実現できるハードウェアの構成の一例を示す図である。
【図16】図16(A)、(B)、(C)は、本実施形態が適用される種々の形態のシステムの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本実施形態について図面を用いて説明する。
【0030】
なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を何ら限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0031】
1.構成
図1に、本実施形態の画像生成システム(ゲームシステム)の機能ブロック図の一例を示す。なお同図において本実施形態は、少なくとも処理部100を含めばよく(或いは処理部100と記憶部170を含めばよく)、それ以外のブロックについては任意の構成要素とすることができる。
【0032】
操作部160は、プレーヤが操作データを入力するためのものであり、その機能は、レバー、ボタン、マイク、或いは筺体などのハードウェアにより実現できる。
【0033】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAMなどのハードウェアにより実現できる。
【0034】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などのハードウェアにより実現できる。処理部100は、この情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本発明(本実施形態)の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本発明(本実施形態)の手段(特に処理部100に含まれるブロック)をコンピュータに実現(実行、機能)させるためのプログラムが格納され、このプログラムは、例えば1又は複数のモジュール(オブジェクト指向におけるオブジェクトも含む)を含む。
【0035】
なお、情報記憶媒体180に格納される情報の一部又は全部は、システムへの電源投入時等に記憶部170に転送されることになる。また情報記憶媒体180には、本発明の処理を行うためのプログラム、画像データ、音データ、表示物の形状データ、本発明の処理を指示するための情報、或いはその指示に従って処理を行うための情報などを含ませることができる。
【0036】
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのハードウェアにより実現できる。
【0037】
音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカなどのハードウェアにより実現できる。
【0038】
携帯型情報記憶装置194は、プレーヤの個人データやゲームのセーブデータなどが記憶されるものであり、この携帯型情報記憶装置194としては、メモリカードや携帯型ゲーム装置などを考えることができる。
【0039】
通信部196は、外部(例えばホスト装置や他の画像生成システム)との間で通信を行うための各種の制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ、或いは通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0040】
なお本発明(本実施形態)の各手段を実現(実行、機能)するためのプログラム(データ)は、ホスト装置(サーバー)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180に配信するようにしてもよい。このようなホスト装置(サーバー)の情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含まれる。
【0041】
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの各種の処理を行う。この場合、処理部100は、記憶部170内の主記憶部172をワーク領域として使用して、各種の処理を行う。
【0042】
ここで、処理部100が行う処理としては、コイン(代価)の受け付け処理、各種モードの設定処理、ゲームの進行処理、選択画面の設定処理、オブジェクト(1又は複数のプリミティブ)の位置や回転角度(X、Y又はZ軸回り回転角度)を求める処理、オブジェクトを動作させる処理(モーション処理)、視点の位置(仮想カメラの位置)や視線角度(仮想カメラの回転角度)を求める処理、マップオブジェクトなどのオブジェクトをオブジェクト空間へ配置する処理、ヒットチェック処理、ゲーム結果(成果、成績)を演算する処理、複数のプレーヤが共通のゲーム空間でプレイするための処理、或いはゲームオーバー処理などを考えることができる。
【0043】
処理部100は、動作制御部110、動作制限状態設定部112、画像生成部120、音生成部130を含む。なお、処理部100は、これらの全ての機能ブロックを含む必要はない。
【0044】
ここで動作制御部110は、キャラクタ(人、ロボット、車又は戦車等のゲームに登場する移動オブジェクト)の動作を制御する処理を行う。より具体的には、キャラクタをゲーム空間(オブジェクト空間)で移動(並進移動、回転移動)させる処理や、キャラクタにモーション(アニメーション)を行わせる処理(モーション再生、モーション生成)を行う。
【0045】
ここで、キャラクタを移動させる処理は、操作部160からの操作データ(プレーヤからの入力データ)や前のフレーム(インター)でのキャラクタの位置、回転角度等に基づいて、現在のフレームでのキャラクタの位置、回転角度を求めることで実現できる。
【0046】
また、キャラクタのモーション処理は、キャラクタ(オブジェクト)のモーションを、モーションデータ記憶部176に記憶されているモーションデータに基づいて再生することで実現できる。
【0047】
即ち、モーションデータ記憶部176には、キャラクタ(スケルトン)を構成する各パーツオブジェクト(スケルトンを構成するモーション骨)の位置又は回転角度等を含むモーションデータが記憶されている。動作制御部110(モーション処理部)は、このモーションデータを読み出し、このモーションデータに基づいてキャラクタの各パーツオブジェクト(モーション骨)を動かすことで(キャラクタのスケルトン形状を変形させることで)、キャラクタのモーションを再生する。
【0048】
なお、モーションデータ記憶部176に記憶されるモーションデータは、モーションキャプチャなどを利用して作成したものであることが望ましいが、モーションデータを、物理シミュレーション(物理計算を利用したシミュレーション。物理計算は擬似的な物理計算でもよい)などによりリアルタイムに生成するようにしてもよい。
【0049】
また、少ないモーションデータ量でリアルなモーションを再生するために、モーション補間やインバース・キネマティクスを用いてモーション再生を行うことが望ましい。
【0050】
動作制限状態設定部112は、所与の条件が成立した場合にキャラクタの動作を長期間にわたって制限するための処理を行う。より具体的には、キャラクタに対して所与の条件を満たす攻撃が加えられた場合(一方のキャラクタが他方のキャラクタに対して所与の条件を満たす攻撃を加えた場合)に、通常攻撃が加えられた時の動作制限状態よりも長期間にわたって動作が制限される長期動作制限状態(気絶状態、ピヨリ状態、翻弄状態、ダメージを受けて動けなくなる状態)に、そのキャラクタ(他方のキャラクタ)を設定する処理を行う。
【0051】
ここで所与の条件を満たす攻撃は、例えば、相手キャラクタを長期間にわたって動作制限状態に陥れるほどのダメージを与える攻撃である。より具体的には、相手キャラクタの攻撃をかわしてヒットしたカウンタ攻撃や、適切な距離・適切なタイミングでヒットしたクリーンヒット攻撃や、相手キャラクタとの距離が近い状態で深くヒットしたカウンタ攻撃(クリーンヒットとカウンタの複合)や、或いは複数の攻撃が連続的に組み合わさったコンボ攻撃などである。
【0052】
一方、通常攻撃は、相手キャラクタを長期動作制限状態に陥れるほどのダメージが無い攻撃(相手キャラクタを通常の動作制限状態に設定する攻撃)である。より具体的には、操作部(ゲームコントローラ)の単純な操作(1つ又は複数のボタンを押すだけの操作等)で実現される攻撃などである。
【0053】
また、動作制限(動作不能)状態は、操作部を用いた動作指示操作が受け付けられなくなる状態や、相手からの攻撃に対するガードが不能になる状態や、或いは対戦におけるキャラクタの動作に関して何らかの不利益が課させる状態などである。
【0054】
そして、所与の条件を満たす攻撃が加えられた場合の長期動作制限状態は、通常攻撃が加えられた場合の動作制限状態よりも、その期間が例えば2倍以上長く設定されており、その攻撃を受けたキャラクタは長期にわたって動作制限状態を強いられることになる。なお、長期動作制限状態の場合に、攻撃を受けたゲームキャラクタの動作指示操作を一時的に受け付けるようにすることも可能である。例えば、第Kの攻撃による動作制限状態が終了した後、次の第K+1の攻撃が開始されるまで、動作指示操作を一時的に受け付けるようにしてもよい。
【0055】
本実施形態では、このようにキャラクタ(自プレーヤが操作するキャラクタ、相手プレーヤが操作するキャラクタ、或いはコンピュータが操作するキャラクタ)が長期動作制限状態に設定された場合に、そのキャラクタに対して次に続く攻撃が加えられても、そのキャラクタの長期動作制限状態を所与の期間(長期動作制限期間)だけ非解除にしている。これは例えば、攻撃による動作制限期間(モーション再生期間)を計時する第1のカウント手段とは別に、長期動作制限期間を計時する第2のカウント手段を設けることで実現でいる。このようにすることで、攻撃側のプレーヤが操作を誤り、長期動作制限状態の相手キャラクタに対してダメージの少ない攻撃を加えた場合にも、その攻撃が原因で相手キャラクタが長期動作制限状態から回復してしまう事態を防止できる。
【0056】
また本実施形態では、長期動作制限状態のキャラクタ(所与の条件を満たす攻撃が加えられたキャラクタ)と通常状態のキャラクタ(所与の条件を満たす攻撃が加えられていないキャラクタ)とで、次に続く攻撃が加えられた時のキャラクタの反応モーション(被攻撃モーション、やられモーション)を異ならせたり、長期動作制限状態のキャラクタに加えられる攻撃の種類に応じて、長期動作制限期間を変更(短縮又は延長等)するようにしている。或いは、通常状態のキャラクタに対しては成立が許可されないコンボ攻撃を、長期動作制限状態のキャラクタではその成立を許可するようにしている。
【0057】
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて画像処理を行い、ゲーム画像を生成し、表示部190に出力する。例えば、いわゆる3次元のゲーム画像を生成する場合には、まず、座標変換、クリッピング処理、透視変換、或いは光源計算等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、描画データ(プリミティブ面の頂点(構成点)に付与される位置座標、テクスチャ座標、色(輝度)データ、法線ベクトル或いは癇l等)が作成される。そして、この描画データ(プリミティブ面データ)に基づいて、ジオメトリ処理後のオブジェクト(1又は複数プリミティブ面)の画像が、描画バッファ174(フレームバッファ、ワークバッファ等のピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ)に描画される。これにより、オブジェクト空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成されるようになる。
【0058】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0059】
なお、本実施形態の画像生成システムは、1人のプレーヤのみがプレイできるシングルプレーヤモード専用のシステムにしてもよいし、このようなシングルプレーヤモードのみならず、複数のプレーヤがプレイできるマルチプレーヤモードも備えるシステムにしてもよい。
【0060】
また複数のプレーヤがプレイする場合に、これらの複数のプレーヤに提供するゲーム画像やゲーム音を、1つの端末を用いて生成してもよいし、ネットワーク(伝送ライン、通信回線)などで接続された複数の端末(ゲーム機、携帯電話)を用いて生成してもよい。
【0061】
2.本実施形態の特徴
次に本実施形態の特徴について図面を用いて説明する。なお、以下では、格闘ゲームに本実施形態を適用した場合を主に例にとり説明するが、本実施形態は、格闘ゲーム以外の他のゲームにも広く適用できる。
【0062】
2.1 長期動作制限状態(気絶状態、ピヨリ状態)の非解除
さて本実施形態では図2(A)に示すように、キャラクタCH1(一方のキャラクタ)の攻撃がキャラクタCH2(他方のキャラクタ)にヒットした場合に、キャラクタCH2の反応モーション(被攻撃モーション、やられモーション)を、キャラクタCH1の攻撃の種類に応じて決定するようにしている(なお、以下では、キャラクタCH1の攻撃がキャラクタCH2にヒットした場合を例にとり説明するが、CH2の攻撃がCH1にヒットした場合も同様である)。
【0063】
より具体的には図2(B)に示すように、キャラクタCH1の攻撃の種類と、その攻撃に対するキャラクタCH2の反応モーション及び動作制限(動作不能)期間とを対応づけたテーブルデータを用意する。そして図2(B)に示すように、キャラクタCH1の攻撃A、B、C、D、Eがヒットした場合には、各々、キャラクタCH2の反応モーションRA、RB、RC、RD、REを再生するようにする。また、キャラクタCH2を、各々、10、10、15、20、100フレームだけ動作制限(動作不能)状態に設定する。即ちキャラクタCH2に対する動作指示操作を、その期間だけ受け付けないようにする。
【0064】
このようにキャラクタCH1の攻撃の種類に応じてキャラクタCH2の反応モーションを決めるようにすれば、例えば右フック(攻撃A)の場合にはCH2の顔が左に飛ばされ(反応モーションRA)、左フック(攻撃B)の場合にはCH2の顔が右に飛ばされる(反応モーションRB)というように、矛盾のないリアルな画像表現を実現できる。また、キャラクタの動作を制御する処理ルーチン(アルゴリズム)の構造を簡素化でき、キャラクタCH1の動作制御の処理ルーチンとキャラクタCH2の動作制御の処理ルーチンとして、共通の処理ルーチンを使用できるようになる。これにより、ゲームプログラムの構造を簡素化でき、プログラムの開発期間の短縮化、プログラムのバグの低減化等を図れる。
【0065】
しかしながら、図2(A)、(B)に示すようなキャラクタの動作制御手法では、以下のような問題が発生することが判明した。
【0066】
即ち、本実施形態の格闘ゲームでは、キャラクタCH1の攻撃がキャラクタCH2にクリーンヒットした場合に、キャラクタCH2を長期動作制限状態(気絶状態、ピヨリ状態、翻弄状態)に設定する。これにより、キャラクタCH1を操作するプレーヤに、キャラクタCH2を倒す絶好の機会が与えられることになる。
【0067】
しかしながら、このようにキャラクタCH2が長期動作制限状態になった場合に、プレーヤが焦ってゲーム操作を誤ると、キャラクタCH2を倒すのに不十分な弱い攻撃が相手キャラクタに加えられてしまう場合がある。すると、せっかく長期動作制限状態(気絶状態)にあったキャラクタCH2が、その弱い攻撃に対応した反応モーションを行ってしまい、相手を倒す絶好の機会をプレーヤは逃してしまう。
【0068】
より具体的には図2(B)、(C)に示すように、攻撃E(所与の条件を満たす攻撃であるクリーンヒット、カウンタ攻撃、コンボ攻撃等)がキャラクタCH2にヒットしたとすると、長期間(100フレーム)、CH2は動作制限(動作不能)状態になるはずである。
【0069】
しかしながら、プレーヤがゲーム操作を誤り、長期動作制限期間の解除前に、ダメージ量の少ない通常攻撃A(例えば単なるジャブ)をキャラクタCH2に与えてしまうと、攻撃Aに対応した短い動作制限期間の反応モーションRA(10フレーム)を行った後に、CH2の動作制限状態は解除されてしまう。
【0070】
従って、CH1を操作するプレーヤは、普段は成功することが希な投げ技等の大技(長期動作制限状態などの時にしか成功しない技)を決める機会を逃してしまう。このため、プレーヤに不自然感を与えてしまい、ゲームへのプレーヤの没入度を減退させてしまう。
【0071】
そこで、このような問題を解決するために本実施形態では、長期動作制限状態のキャラクタに攻撃が加えられた場合にも、長期動作制限状態を所与の期間だけ非解除にする手法を採用している。
【0072】
より具体的には図3(A)に示すように、攻撃EがキャラクタCH2にヒットすることで、CH2は期間LTだけ長期動作制限状態(気絶状態、ピヨリ状態)に設定される。そして、ひとたび長期動作制限状態に設定されると、次の攻撃A、B、CがキャラクタCH2にヒットしても、期間LTが終了するまでCH2の長期動作制限状態は解除されない。即ち攻撃Aに対応した反応モーションをCH2が行った後も、長期動作制限状態は解除されない。そして、その後、期間LT内に攻撃BがCH2にヒットした場合には、CH2は、長期動作制限状態での攻撃Bに対応した反応モーションを行うようになる。
【0073】
従って本実施形態によれば、攻撃Aのヒットにより長期動作制限状態が解除されてしまう図2(C)の問題点を解消でき、プレーヤに不自然感を与えてしまう事態を防止できる。そして本実施形態では、攻撃A、B、Cがヒットした場合のキャラクタCH2の反応モーションや動作制限期間の長さ(反応モーションの再生時間)が、攻撃A、B、Cの種類により決定される。従って、キャラクタCH2は、長期動作制限状態においても攻撃A、B、Cに対応した反応モーションも行うようになるため、よりリアルな画像表現を実現できる。このように本実施形態によれば、よりリアルな画像表現を実現しながらも、プレーヤに不自然感を与えず、プレーヤにとって扱い易いインターフェース環境(ゲーム操作環境)を提供できるようになる。
【0074】
2.2 長期動作制限状態用の反応モーション
本実施形態では、長期動作制限状態のキャラクタと通常状態のキャラクタとで、攻撃を受けた時にキャラクタが行う反応モーションを異ならせている。
【0075】
より具体的には図3(B)に示すように、攻撃A、B、Cが加えられた時の反応(やられ)モーションとして、各々、通常状態用の反応モーションRA、RB、RCと、長期動作制限状態用(気絶状態用、ピヨリ状態用)の反応モーションRA’、RB’、RC’を用意する。
【0076】
そして図3(C)に示すように、長期動作制限期間LT(気絶期間、ピヨリ期間)以外の通常期間において攻撃A、B、CがキャラクタCH2にヒットした場合には、通常状態用の反応モーションRA、RB、RCをCH2に行わせる。
【0077】
一方、長期動作制限期間LT(気絶期間、ピヨリ期間)において攻撃A、B、CがキャラクタCH2にヒットした場合には、長期動作制限状態用の反応モーションRA’、RB’、RC’をCH2に行わせる。
【0078】
このようにすれば、長期動作制限期間LTとそれ以外の通常期間とでは、攻撃に対するキャラクタCH2の反応モーションが異なるようになる。従って、キャラクタCH2が長期動作制限状態にあることを効果的に表現できるようになり、より多様でリアルな画像表現を実現できる。
【0079】
例えば図3(C)に示すように、長期動作制限期間LTでの反応モーションRA’、RB’、RC’を、通常期間での反応モーションRA、RB、RCよりも再生時間が長い反応モーションにする。或いは、反応モーションRA’、RB’、RC’を、RA、RB、RCに比べてCH2のリアクションが激しい反応モーション(より翻弄されている反応モーション)にする。
【0080】
このようにすれば、キャラクタCH2が長期動作制限状態(気絶状態、ピヨリ状態)にあることを、プレーヤは、CH2の反応モーションを見ることで視覚的に認識できるようになる。また、キャラクタCH2の反応モーションの再生時間が長くなったり、CH2のリアクションが激しくなることで、攻撃により相手が翻弄されている様子をリアルに表現でき、プレーヤの仮想現実感を高めることができる。
【0081】
なお、長期動作制限期間LTでの反応モーションRA’、RB’、RC’は、通常期間での反応モーションRA、RB、RCよりも、キャラクタの動作がゆっくりになる反応モーションにしてもよい。例えば、反応モーションRA’、RB’、RC’では、モーションの再生スピードをゆっくりにする(動作の大きさが大きくなる反応モーションにする)。このようにすれば、キャラクタの動作時間が長くなり、攻撃によりそのキャラクタが翻弄されている様子をリアルに表現できるようになる。
【0082】
また、長期動作制限状態用の反応モーションを、全ての攻撃に対して用意せずに、一部の攻撃に対してだけ用意するようにしてもよい。
【0083】
より具体的には図4に示すように、攻撃A、B、C、D、E(第1〜第Mの攻撃)に対しては、攻撃を受けた時の反応モーションとして、通常状態用の反応モーションRA、RB、RC、RD、REと長期動作制限状態用の反応モーションRA’、RB’、RC’、RD’、RE’の両方を用意する。
【0084】
一方、攻撃F、G、H、I、J(第M+1〜第Nの攻撃)に対しては、攻撃を受けた時の反応モーションとして、通常状態用の反応モーションRF、RG、RH、RI、RJだけを用意する。
【0085】
このようにすれば、攻撃F、G、H、I、Jについては、長期動作制限状態用の反応モーションを用意しなくても済むようになる。従って、全ての攻撃に対して通常状態用及び長期制限状態用の両方の反応モーションを用意する手法に比べて、モーションデータの量を少なくできるようになり、余ったメモリ容量を他の用途に使用できるようになる。また、攻撃F、G、H、I、Jに対する長期動作制限状態用の反応モーションについては、モーションデータを作成しなくて済むようになるため、ゲームソフトウェアの開発期間を短縮化できる。
【0086】
なお、通常状態用及び長期動作制限状態用の両方の反応モーションを用意する攻撃(第1〜第Mの攻撃)としては、例えば、攻撃が開始してからヒットするまでの期間が長い攻撃や、相手キャラクタCH2に与えるダメージ量が大きい攻撃や、或いはコンボ攻撃などを考えることができる。或いは、動作指示の操作が簡単な攻撃(ボタンを1回又は複数回だけ押すだけで行われる左パンチ、右パンチ、左キック、右キック等)を考えることができる。
【0087】
一方、長期動作制限状態用の反応モーションを用意せず、通常状態用の反応モーションだけを用意する攻撃としては、例えば、相手キャラクタCH2に与えるダメージ量が極めて少ない攻撃や、プレーヤが使用することが極めて希な攻撃や、或いは動作指示の操作が極めて複雑で煩雑な攻撃などを考えることができる。
【0088】
また図4において、反応モーションRA〜RJやRA’〜RE’を全て異なるモーションにする必要はなく、その一部を共用するようにしてもよい。例えばRAとRFを同じモーションにしたり、RA’とRGを同じモーションにしてもよい。
【0089】
2.3 長期動作制限期間の変更、コンボ攻撃の許可
本実施形態では、長期動作制限状態のキャラクタに加えられる攻撃が所与の攻撃である場合には、長期動作制限期間を変更(短縮又は延長等)するようにしている。
【0090】
例えば図5(A)では、攻撃EによりキャラクタCH2が長期動作制限状態になっている。そして、この長期動作制限期間LTにおいてキャラクタCH1がCH2に対して挑発攻撃等を行った場合には、その行為に対するペナルティとして、期間LTを短縮するようにする。
【0091】
このようにすれば、相手の長期動作制限状態を利用して不誠実な行為や不正な行為を行っているプレーヤに対して、期間LTの短縮によるペナルティを課すことが可能になる。これにより、このようなプレーヤの行為を防止でき、よりスムーズなゲーム進行を実現できる。
【0092】
また例えば図5(B)では、攻撃Eにより長期動作制御状態になっているキャラクタCH2に対して、特定のコンボ攻撃(複数の攻撃の連続により成立する攻撃)の繰り出しに成功している。このような場合には、このコンボ攻撃の成功に対するボーナスポイントとして、期間LTを延長するようにする。
【0093】
このようにすれば、期間LTにおいてコンボ攻撃を成功させることについての動機づけをプレーヤに与えることができ、ゲームへのプレーヤの没入度を増すことができる。この場合に例えば、普段はプレーヤにあまり利用されないコンボ攻撃を、期間LTを延長させるコンボ攻撃として設定すれば、使用頻度が少ないコンボ攻撃をプレーヤが取得する有効な機会を与えることできる。即ち、キャラクタCH2が長期動作制限状態になっている期間LTは、難しいコンボ攻撃の取得に絶好の機会となる。そして、このように期間LTを利用して、使用頻度の少ないコンボ攻撃をプレーヤに取得させれば、種々のコンボ攻撃をプレーヤに広めることが可能となり、ゲームの面白みを更に増すことができる。
【0094】
なお、期間TLを短縮又は延長させる攻撃は、挑発攻撃やコンボ攻撃に限定されず、種々の攻撃を考えることができる。
【0095】
また本実施形態では、通常状態のキャラクタに対する攻撃では成立しないコンボ攻撃を、長期動作制限状態のキャラクタに対する攻撃では成立させるようにしている。即ち図6に示すように、長期動作制限期間LT以外の通常期間においては成立しないキャラクタCH2に対するコンボ攻撃Pを、期間LTにおいてはその成立を許可する。
【0096】
このようにすれば、キャラクタCH2を長期動作制限状態に陥れたプレーヤは、通常は成立しないコンボ攻撃を繰り出すことが可能になり、CH2に対して更なるダメージ量を与えることができる。これにより、プレーヤは期間TLを利用してゲームを優位に進めることが可能になり、ゲームに対するプレーヤの没入度を高めることができる。
【0097】
なお、期間LT以外の通常期間では成立しないコンボ攻撃を期間LTで成立可能にする手法は、後述するように、通常期間と期間LTとで、キャラクタの反応モーションについての動作制限期間を異ならせることで実現できる。
【0098】
図7(A)〜図9(C)に、本実施形態により生成されるゲーム画像の例を示す。
【0099】
図7(A)、(B)、(C)は、キャラクタCH2が長期動作制限状態ではない通常状態にある場合に、キャラクタCH1の攻撃がCH2にヒットした時のゲーム画像の例である。例えば図7(A)ではキャラクタCH1の左パンチ攻撃が、図7(B)では右蹴り上げ攻撃が、図7(C)では右蹴り上げに続く蹴り降ろし攻撃が、通常状態のキャラクタCH2にヒットしている。
【0100】
この場合にはキャラクタCH2は通常状態にあるため(ダメージ量が所定量に達していないため)、図7(A)、(B)、(C)に示すように、再生される反応モーション(やられモーション)は、通常状態用の反応モーションとなる。即ち、キャラクタCH1からの攻撃に対して、キャラクタCH2は、それほど大きく翻弄されていない。
【0101】
図8(A)では、キャラクタCH1の右フックがキャラクタCH2の腹部に深くヒットしおり、近い距離にいるCH1からの攻撃がCH2にクリーンヒットしている(所与の条件を満たす攻撃が加えられている)。これにより、キャラクタCH2のダメージ量が所定量に達し、図8(B)に示すように、CH2は長期動作制限状態(気絶状態、精神翻弄状態、ピヨリ状態)になる。
【0102】
そして、図9(A)、(B)、(C)は、このようにキャラクタCH2が長期動作制限状態にある場合に、キャラクタCH1の攻撃がCH2にヒットした時のゲーム画像の例である。例えば図9(A)ではキャラクタCH1の左パンチ攻撃が、図9(B)では右蹴り上げ攻撃が、図9(C)では右蹴り上げに続く蹴り降ろし攻撃が、長期動作制限状態のキャラクタCH2にヒットしている。
【0103】
この場合にはキャラクタCH2は長期動作制限状態にあるため(ダメージ量が所定量に達しているため)、図9(A)、(B)、(C)に示すように、再生される反応モーション(やられモーション)は、長期制限状態用の反応モーションとなる。即ち、キャラクタCH1からの攻撃に対して、キャラクタCH2は大きく翻弄されており、CH2が長期制限状態にあることがプレーヤに対してリアルに伝えられる。これにより、プレーヤの仮想現実感を格段に増すことができる。
【0104】
なお、図8(B)〜図9(C)のようにキャラクタCH2が長期動作制限状態(ピヨリ状態)になった場合には、CH2が長期動作制限状態にあることを、何らかの形でプレーヤに知らせることが望ましい。例えば、画像を用いて可視的に知らせる場合には、長期動作制限状態にあるCH2の頭の上で、ヒヨコがくるくる回るようにする。
【0105】
このようにすれば、キャラクタCH1を操作するプレーヤは、相手キャラクタCH2が長期動作制限状態にあることを直感的に直ぐに把握できるようになり、相手キャラクタCH2の状態に応じた種々の戦略を立てて、CH2に攻撃を加えることが可能になる。
【0106】
また、例えば、長期動作制限状態の解除時間に近づくにつれて(キャラクタCH2の体力が回復するにつれて)、ヒヨコの数を減らしたり、ヒヨコを星印に変えたりするようにしてもよい。即ち、キャラクタCH2が長期動作制限状態にあるこを知らせる情報を、長期動作制限状態の解除時間に近づくにつれて(CH2の体力が回復するにつれて)、変化させるようにする。このようにすれば、長期動作制限状態がいつ解除されるのかをプレーヤは簡単に知ることができるようになり、ゲーム戦略のバラエティ度を増すことができる。
【0107】
なお、キャラクタCH2にうめき声を発声させるなどして、長期動作制限状態にあることをプレーヤに知らせてもよい。即ち、キャラクタCH2が長期動作制限状態にあることを、画像のみならず、音などの情報を用いて知らせてもよい。
【0108】
3.本実施形態の処理
次に、本実施形態の処理の詳細例について、図10〜図12(B)のフローチャートを用いて説明する。
【0109】
当該フレームに関する処理が開始すると、図10に示すように、まず、キャラクタが当該フレームで動作可能か否かを判断する(ステップS1)。そして、キャラクタが動作不能の場合にはステップS2、S3を飛ばしてステップS4に移行する。
【0110】
一方、キャラクタが動作可能の場合には、ゲームコントローラ(操作手段)からの動作指示入力があったか否かを判断する(ステップS2)。そして、動作指示入力があった場合には、モーション(技)再生処理を行い(ステップS3)、動作指示入力がなかった場合にはモーション再生処理を飛ばしてステップS4に移行する。
【0111】
なお本実施形態では図13(A)に示すように、プレーヤがゲームコントローラのボタンA、B、C、Dを押すと、プレーヤが操作するキャラクタは攻撃A、B、C、Dを繰り出す。また、攻撃Bが開始してから5〜10フレームの間にボタンBを押すと、コンボ攻撃Eを繰り出す。
【0112】
ステップS4に移行すると、長期動作制限用カウンタCP(ピヨリカウンタ)を例えば1だけデクリメントする。そして、フレーム番号FNを1だけインクリメントして(ステップS5)、次のフレームの処理に移行する。
【0113】
図11は、図10のステップS3のモーション再生処理についてのフローチャートである。
【0114】
まず、モーションを開始し(ステップS11)、そのモーション(技)が挑発モーションか否かを判断する(ステップS12)。そして、挑発モーションの場合には、長期動作制限用カウンタCPを、挑発に対するペナルティポイントPNの分だけデクリメントして、長期動作制限期間を短縮する(ステップS13)。そして図10の処理にリターンする。
【0115】
一方、挑発モーションでない場合には、モーションによる攻撃が相手キャラクタにヒットしたか否かを判断する(ステップS14)。このヒットチェックは、例えば、双方のキャラクタに設定されたヒットボックスが互いに交差するか否かを判定することなどにより実現できる。
【0116】
そして、攻撃が相手キャラクタにヒットしなかった場合には図10の処理にリターンし、ヒットした場合には、相手キャラクタの反応(やられ)モーション処理に移行する(ステップS15)。
【0117】
次に、相手キャラクタが動作可能状態か否かを判断し(ステップS16)、動作可能状態の場合には図10の処理にリターンし、動作不能状態の場合には、コンボ処理に移行する(ステップS17)。
【0118】
図12(A)は、図11のステップS15の反応(やられ)モーション処理についてのフローチャートである。
【0119】
まず、長期動作制限用カウンタCPが0よりも大きいか否かを判断する(ステップS21)。そして、CP>0の場合は、図13(B)のテーブルデータを利用して、相手キャラクタに長期動作制限状態(ピヨリ)用の反応モーションを行わせる(ステップS22)。一方、CP>0ではない場合には、図13(B)のテーブルデータを利用して、相手キャラクタに通常状態用の反応モーションを行わせる(ステップS23)。
【0120】
なお、攻撃A〜Eを行う際の自キャラクタの動作制限(動作不能)期間は、図13(B)のテーブルデータに基づいて設定される。また、反応モーションの際の相手キャラクタの動作制限(動作不能)期間は図14(A)のテーブルデータに基づいて設定される。
【0121】
次に、長期動作制限用カウンタCPの設定を行い(ステップS24)、図11の処理にリターンする。この場合、カウンタCPは図14(A)のテーブルデータに基づいて設定される。即ち、図14(A)では、相手キャラクタが攻撃Eを受けた時に、カウンタCPが200に設定され、長期動作制限期間が決定される。
【0122】
図12(B)は、図11のステップS17のコンボ処理についてのフローチャートである。
【0123】
まず、自キャラクタが行うコンボ攻撃が、カウンタCPへのボーナスポイントが設定されているコンボ攻撃か否かを判断する(ステップS31)。そして、ボーナスポイントが設定されている場合には、そのボーナスポイントBN(例えば5ポイント)の分だけカウンタCPをインクリメントし(ステップS32)、図11の処理にリターンする。
【0124】
さて本実施形態では、図13(B)、図14(A)に示すように自キャラクタCH1及び相手キャラクタCH2の動作制限期間を設定している。これにより、長期動作制限期間以外の通常期間においては、例えば図14(B)、(C)に示すようにキャラクタCH1、CH2は動作することになる。
【0125】
即ち図14(B)では、キャラクタCH1の攻撃C(CH1の動作制限期間=15フレーム)が、5フレーム目にキャラクタCH2にヒットしている。すると、この5フレーム目から、通常状態用のCH2の反応モーションRC(CH2の動作制限期間=10フレーム)が開始する。従って、キャラクタCH1、CH2の動作制限期間は図14(B)に示すように15フレーム目で同時に解除されることになる。従って、プレーヤが攻撃Cに続いて次の攻撃を指示しても、攻撃Cに続くコンボ攻撃は、長期動作制限期間以外の通常期間においては不可となる。
【0126】
一方、図14(C)では、キャラクタCH1の攻撃B(CH1の動作制限期間=10フレーム)が5フレーム目にキャラクタCH2にヒットしている。すると、この5フレーム目から、通常状態用のCH2の反応モーションRB(CH2の動作制限期間=10フレーム)が開始する。従って、キャラクタCH1の動作制限期間が10フレーム目で解除される一方で、キャラクタCH2の動作制限期間は15フレーム目で解除されることになる。従って、プレーヤが攻撃Bに続いて次の攻撃を指示することで、攻撃Bに続くコンボ攻撃が可能になる。
【0127】
以上のように、図13(B)、図14(A)のテーブルデータでは、通常期間においては攻撃Bに続くコンボ攻撃しか許可されていない。
【0128】
これに対して、長期動作制限期間においては、攻撃Cに続くコンボ攻撃も成立が許可されている。
【0129】
即ち図14(D)では、キャラクタCH1の攻撃C(CH1の動作制限期間=15フレーム)が5フレーム目にキャラクタCH2にヒットしている。すると、この5フレーム目から、長期動作制限状態用のCH2の反応モーションRC’(CH2の動作制限期間=15フレーム)が開始する。つまり、この反応モーションRC’では、図14(B)のRCよりも動作制限期間が5フレームだけ延長されている。従って、キャラクタCH1の動作制限期間が15フレーム目で解除される一方で、キャラクタCH2の動作制限期間は20フレーム目で解除されることになる。従って、図14(B)の場合と異なり、プレーヤが攻撃Cに続いて次の攻撃を指示することで、攻撃Cに続くコンボ攻撃が成立するようになる。
【0130】
このように本実施形態では、キャラクタの反応モーションの動作制限期間を、通常状態の場合と長期動作制限状態の場合とで異ならせることで、通常期間では成立しないコンボ攻撃を、長期動作制限期間で成立させることに成功している。
【0131】
4.ハードウェア構成
次に、本実施形態を実現できるハードウェアの構成の一例について図15を用いて説明する。
【0132】
メインプロセッサ900は、CD982(情報記憶媒体)に格納されたプログラム、通信インターフェース990を介して転送されたプログラム、或いはROM950(情報記憶媒体の1つ)に格納されたプログラムなどに基づき動作し、ゲーム処理、画像処理、音処理などの種々の処理を実行する。
【0133】
コプロセッサ902は、メインプロセッサ900の処理を補助するものであり、高速並列演算が可能な積和算器や除算器を有し、マトリクス演算(ベクトル演算)を高速に実行する。例えば、オブジェクトを移動させたり動作(モーション)させるための物理シミュレーションに、マトリクス演算などの処理が必要な場合には、メインプロセッサ900上で動作するプログラムが、その処理をコプロセッサ902に指示(依頼)する。
【0134】
ジオメトリプロセッサ904は、座標変換、透視変換、光源計算、曲面生成などのジオメトリ処理を行うものであり、高速並列演算が可能な積和算器や除算器を有し、マトリクス演算(ベクトル演算)を高速に実行する。例えば、座標変換、透視変換、光源計算などの処理を行う場合には、メインプロセッサ900で動作するプログラムが、その処理をジオメトリプロセッサ904に指示する。
【0135】
データ伸張プロセッサ906は、圧縮された画像データや音データを伸張するデコード処理を行ったり、メインプロセッサ900のデコード処理をアクセレートする処理を行う。これにより、オープニング画面、インターミッション画面、エンディング画面、或いはゲーム画面などにおいて、MPEG方式等で圧縮された動画像を表示できるようになる。なお、デコード処理の対象となる画像データや音データは、ROM950、CD982に格納されたり、或いは通信インターフェース990を介して外部から転送される。
【0136】
描画プロセッサ910は、ポリゴンや曲面などのプリミティブ(プリミティブ面)で構成されるオブジェクトの描画(レンダリング)処理を高速に実行するものである。オブジェクトの描画の際には、メインプロセッサ900は、DMAコントローラ970の機能を利用して、オブジェクトデータを描画プロセッサ910に渡すと共に、必要であればテクスチャ記憶部924にテクスチャを転送する。すると、描画プロセッサ910は、これらのオブジェクトデータやテクスチャに基づいて、Zバッファなどを利用した陰面消去を行いながら、オブジェクトをフレームバッファ922に高速に描画する。また、描画プロセッサ910は、痺uレンディング(半透明処理)、デプスキューイング、ミップマッピング、フォグ処理、バイリニア・フィルタリング、トライリニア・フィルタリング、アンチエリアシング、シェーディング処理なども行うことができる。そして、1フレーム分の画像がフレームバッファ922に書き込まれると、その画像はディスプレイ912に表示される。
【0137】
サウンドプロセッサ930は、多チャンネルのADPCM音源などを内蔵し、BGM、効果音、音声などの高品位のゲーム音を生成する。生成されたゲーム音は、スピーカ932から出力される。
【0138】
ゲームコントローラ942(レバー、ボタン、筺体、パッド型コントローラ又はガン型コントローラ等)からの操作データや、メモリカード944からのセーブデータ、個人データは、シリアルインターフェース940を介してデータ転送される。
【0139】
ROM950にはシステムプログラムなどが格納される。なお、業務用ゲームシステムの場合には、ROM950が情報記憶媒体として機能し、ROM950に各種プログラムが格納されることになる。なお、ROM950の代わりにハードディスクを利用するようにしてもよい。
【0140】
RAM960は、各種プロセッサの作業領域として用いられる。
【0141】
DMAコントローラ970は、プロセッサ、メモリ(RAM、VRAM、ROM等)間でのDMA転送を制御するものである。
【0142】
CDドライブ980は、プログラム、画像データ、或いは音データなどが格納されるCD982(情報記憶媒体)を駆動し、これらのプログラム、データへのアクセスを可能にする。
【0143】
通信インターフェース990は、ネットワークを介して外部との間でデータ転送を行うためのインターフェースである。この場合に、通信インターフェース990に接続されるネットワークとしては、通信回線(アナログ電話回線、ISDN)、高速シリアルバスなどを考えることができる。そして、通信回線を利用することでインターネットを介したデータ転送が可能になる。また、高速シリアルバスを利用することで、他の画像生成システムとの間でのデータ転送が可能になる。
【0144】
なお、本発明の各手段は、その全てを、ハードウェアのみにより実現(実行)してもよいし、情報記憶媒体に格納されるプログラムや通信インターフェースを介して配信されるプログラムのみにより実現してもよい。或いは、ハードウェアとプログラムの両方により実現してもよい。
【0145】
そして、本発明の各手段をハードウェアとプログラムの両方により実現する場合には、情報記憶媒体には、本発明の各手段をハードウェアを利用して実現するためのプログラムが格納されることになる。より具体的には、上記プログラムが、ハードウェアである各プロセッサ902、904、906、910、930等に処理を指示すると共に、必要であればデータを渡す。そして、各プロセッサ902、904、906、910、930等は、その指示と渡されたデータとに基づいて、本発明の各手段を実現することになる。
【0146】
図16(A)に、本実施形態を業務用ゲームシステム(画像生成システム)に適用した場合の例を示す。プレーヤは、ディスプレイ1100、1101上に映し出されたゲーム画像を見ながら、ガン型コントローラ1102、1103などを操作してゲームを楽しむ。内蔵されるシステムボード(サーキットボード)1106には、各種プロセッサ、各種メモリなどが実装される。そして、本発明の各手段を実現するためのプログラム(データ)は、システムボード1106上の情報記憶媒体であるメモリ1108に格納される。以下、このプログラムを格納プログラム(格納情報)と呼ぶ。
【0147】
図16(B)に、本実施形態を家庭用のゲームシステム(画像生成システム)に適用した場合の例を示す。プレーヤはディスプレイ1200に映し出されたゲーム画像を見ながら、ガン型コントローラ1202、1204などを操作してゲームを楽しむ。この場合、上記格納プログラム(格納情報)は、本体システムに着脱自在な情報記憶媒体であるCD1206、或いはメモリカード1208、1209などに格納されている。
【0148】
図16(C)に、ホスト装置1300と、このホスト装置1300とネットワーク1302(LANのような小規模ネットワークや、インターネットのような広域ネットワーク)を介して接続される端末1304-1〜1304-n(ゲーム機、携帯電話)とを含むシステムに本実施形態を適用した場合の例を示す。この場合、上記格納プログラム(格納情報)は、例えばホスト装置1300が制御可能な磁気ディスク装置、磁気テープ装置、メモリなどの情報記憶媒体1306に格納されている。端末1304-1〜1304-nが、スタンドアロンでゲーム画像、ゲーム音を生成できるものである場合には、ホスト装置1300からは、ゲーム画像、ゲーム音を生成するためのゲームプログラム等が端末1304-1〜1304-nに配送される。一方、スタンドアロンで生成できない場合には、ホスト装置1300がゲーム画像、ゲーム音を生成し、これを端末1304-1〜1304-nに伝送し端末において出力することになる。
【0149】
なお、図16(C)の構成の場合に、本発明の各手段を、ホスト装置(サーバー)と端末とで分散して実現するようにしてもよい。また、本発明の各手段を実現するための上記格納プログラム(格納情報)を、ホスト装置(サーバー)の情報記憶媒体と端末の情報記憶媒体に分散して格納するようにしてもよい。
【0150】
またネットワークに接続する端末は、家庭用ゲームシステムであってもよいし業務用ゲームシステムであってもよい。そして、業務用ゲームシステムをネットワークに接続する場合には、業務用ゲームシステムとの間で情報のやり取りが可能であると共に家庭用ゲームシステムとの間でも情報のやり取りが可能なセーブ用情報記憶装置(メモリカード、携帯型ゲーム装置)を用いることが望ましい。
【0151】
なお本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。
【0152】
例えば、長期動作制限状態を所与の期間だけ非解除にする手法や、通常状態と長期動作制限状態とでキャラクタの反応モーションを異ならせる手法や、長期動作制限状態のキャラクタに所与の攻撃が加えられた場合に長期動作制限期間を変更する手法や、通常状態の場合には成立しないコンボ攻撃を長期動作制限状態の場合には成立させる手法は、図1〜図14(D)で説明した手法に限定されず、種々の変形実施が可能であり、例えば、これらの手法を種々の形態で組み合わせた変形実施も可能である。
【0153】
また、キャラクタに対する長期動作制限状態の設定処理や、長期動作制限期間で行われる処理についても、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【0154】
また、本発明のうち従属請求項に係る発明においては、従属先の請求項の構成要件の一部を省略する構成とすることもできる。また、本発明の1の独立請求項に係る発明の要部を、他の独立請求項に従属させることもできる。
【0155】
また、本発明は種々のゲーム(格闘ゲーム、シューティングゲーム、ロボット対戦ゲーム、スポーツゲーム、競争ゲーム、ロールプレイングゲーム、音楽演奏ゲーム、ダンスゲーム等)に適用できる。
【0156】
また本発明は、業務用ゲームシステム、家庭用ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクションシステム、シミュレータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を生成するシステムボード等の種々の画像生成システム(ゲームシステム)に適用できる。
【符号の説明】
【0157】
100 処理部
110 動作制御部
112 動作制限状態設定部
120 画像生成部
130 音生成部
160 操作部
170 記憶部
172 主記憶部
174 描画バッファ
176 モーションデータ記憶部
180 情報記憶媒体
190 表示部
192 音出力部
194 携帯型情報記憶装置
196 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像生成を行う画像生成システムであって、
キャラクタの動作を制御する手段と、
キャラクタに対して所与の条件を満たす攻撃が加えられた場合に、通常攻撃が加えられた時の動作制限状態よりも動作制限期間が長い長期動作制限状態に、該キャラクタを設定する手段と、
キャラクタの画像を含むゲーム画像を生成する手段とを含み、
長期動作制限状態に設定されたキャラクタに対して次の攻撃が加えられた場合にも、該キャラクタの長期動作制限状態を所与の期間だけ非解除にすることを特徴とする画像生成システム。
【請求項2】
画像生成を行う画像生成システムであって、
キャラクタの動作を制御する手段と、
キャラクタに対して所与の条件を満たす攻撃が加えられた場合に、通常攻撃が加えられた時の動作制限状態よりも動作制限期間が長い長期動作制限状態に、該キャラクタを設定する手段と、
キャラクタの画像を含むゲーム画像を生成する手段とを含み、
長期動作制限状態のキャラクタと通常状態のキャラクタとで、次の攻撃が加えられた時にキャラクタが行う反応モーションを異ならせることを特徴とする画像生成システム。
【請求項3】
請求項2において、
長期動作制限状態のキャラクタに攻撃が加えられた場合に行われる反応モーションが、通常状態のキャラクタに攻撃が加えられた場合に行われる反応モーションよりも長い再生時間を有する反応モーションであることを特徴とする画像生成システム。
【請求項4】
請求項2において、
長期動作制限状態のキャラクタに攻撃が加えられた場合に行われる反応モーションが、通常状態のキャラクタに攻撃が加えられた場合に行われる反応モーションよりもキャラクタの動作がゆっくりになる反応モーションであることを特徴とする画像生成システム。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかにおいて、
第1〜第Nの攻撃のうち第1〜第M(M<N)の攻撃については、攻撃が加えられた時にキャラクタが行う反応モーションとして、通常状態用の反応モーションと長期動作制限状態用の反応モーションの両方が用意され、
第1〜第Nの攻撃のうち第M+1〜第Nの攻撃については、攻撃が加えられた時にキャラクタが行う反応モーションとして、長期動作制限状態用の反応モーションが用意されず、通常状態用の反応モーションが用意されることを特徴とする画像生成システム。
【請求項6】
請求項5において、
長期動作制限状態用の反応モーションと通常状態用の反応モーションの両方が用意される前記第1〜第Mの攻撃が、攻撃がヒットするまでの期間が長い攻撃、キャラクタに与えるダメージ量が大きい攻撃、又は複数の攻撃が連続的に組み合わさったコンボ攻撃であることを特徴とする画像生成システム。
【請求項7】
画像生成を行う画像生成システムであって、
キャラクタの動作を制御する手段と、
キャラクタに対して所与の条件を満たす攻撃が加えられた場合に、通常攻撃が加えられた時の動作制限状態よりも動作制限期間が長い長期動作制限状態に、該キャラクタを設定する手段と、
キャラクタの画像を含むゲーム画像を生成する手段とを含み、
長期動作制限状態のキャラクタに加えられる攻撃が所与の攻撃である場合には、該キャラクタの長期動作制限状態が解除されるまでの期間が変更されることを特徴とする画像生成システム。
【請求項8】
画像生成を行う画像生成システムであって、
キャラクタの動作を制御する手段と、
キャラクタに対して所与の条件を満たす攻撃が加えられた場合に、通常攻撃が加えられた時の動作制限状態よりも動作制限期間が長い長期動作制限状態に、該キャラクタを設定する手段と、
キャラクタの画像を含むゲーム画像を生成する手段とを含み、
通常状態のキャラクタに対する攻撃では成立が許可されない、複数の攻撃が連続的に組み合わさったコンボ攻撃を、長期動作制限状態のキャラクタに対する攻撃では成立を許可することを特徴とする画像生成システム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかにおいて、
一方のキャラクタの攻撃が他方のキャラクタに加えられた場合の他方のキャラクタの反応モーション及び動作制限期間の長さが、一方のキャラクタの攻撃の種類により決定されることを特徴とする画像生成システム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかにおいて、
キャラクタが長期動作制限状態に設定された場合に、該キャラクタが長期動作制限状態にあることをプレーヤに知らせる手段を含むことを特徴とする画像生成システム。
【請求項11】
コンピュータ使用可能なプログラムであって、
キャラクタの動作を制御する手段と、
キャラクタに対して所与の条件を満たす攻撃が加えられた場合に、通常攻撃が加えられた時の動作制限状態よりも動作制限期間が長い長期動作制限状態に、該キャラクタを設定する手段と、
キャラクタの画像を含むゲーム画像を生成する手段と、
をコンピュータに実現させるプログラムであって、
長期動作制限状態に設定されたキャラクタに対して次の攻撃が加えられた場合にも、該キャラクタの長期動作制限状態を所与の期間だけ非解除にすることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
コンピュータ使用可能なプログラムであって、
キャラクタの動作を制御する手段と、
キャラクタに対して所与の条件を満たす攻撃が加えられた場合に、通常攻撃が加えられた時の動作制限状態よりも動作制限期間が長い長期動作制限状態に、該キャラクタを設定する手段と、
キャラクタの画像を含むゲーム画像を生成する手段と、
をコンピュータに実現させるプログラムであって、
長期動作制限状態のキャラクタと通常状態のキャラクタとで、次の攻撃が加えられた時にキャラクタが行う反応モーションを異ならせることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
請求項12において、
長期動作制限状態のキャラクタに攻撃が加えられた場合に行われる反応モーションが、通常状態のキャラクタに攻撃が加えられた場合に行われる反応モーションよりも長い再生時間を有する反応モーションであることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
請求項12において、
長期動作制限状態のキャラクタに攻撃が加えられた場合に行われる反応モーションが、通常状態のキャラクタに攻撃が加えられた場合に行われる反応モーションよりもキャラクタの動作がゆっくりになる反応モーションであることを特徴とするプログラム。
【請求項15】
請求項12乃至14のいずれかにおいて、
第1〜第Nの攻撃のうち第1〜第M(M<N)の攻撃については、攻撃が加えられた時にキャラクタが行う反応モーションとして、通常状態用の反応モーションと長期動作制限状態用の反応モーションの両方が用意され、
第1〜第Nの攻撃のうち第M+1〜第Nの攻撃については、攻撃が加えられた時にキャラクタが行う反応モーションとして、長期動作制限状態用の反応モーションが用意されず、通常状態用の反応モーションが用意されることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
請求項15において、
長期動作制限状態用の反応モーションと通常状態用の反応モーションの両方が用意される前記第1〜第Mの攻撃が、攻撃がヒットするまでの期間が長い攻撃、キャラクタに与えるダメージ量が大きい攻撃、又は複数の攻撃が連続的に組み合わさったコンボ攻撃であることを特徴とするプログラム。
【請求項17】
コンピュータ使用可能なプログラムであって、
キャラクタの動作を制御する手段と、
キャラクタに対して所与の条件を満たす攻撃が加えられた場合に、通常攻撃が加えられた時の動作制限状態よりも動作制限期間が長い長期動作制限状態に、該キャラクタを設定する手段と、
キャラクタの画像を含むゲーム画像を生成する手段と、
をコンピュータに実現させるプログラムであって、
長期動作制限状態のキャラクタに加えられる攻撃が所与の攻撃である場合には、該キャラクタの長期動作制限状態が解除されるまでの期間が変更されることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
コンピュータ使用可能なプログラムであって、
キャラクタの動作を制御する手段と、
キャラクタに対して所与の条件を満たす攻撃が加えられた場合に、通常攻撃が加えられた時の動作制限状態よりも動作制限期間が長い長期動作制限状態に、該キャラクタを設定する手段と、
キャラクタの画像を含むゲーム画像を生成する手段と、
をコンピュータに実現させるプログラムであって、
通常状態のキャラクタに対する攻撃では成立が許可されない、複数の攻撃が連続的に組み合わさったコンボ攻撃を、長期動作制限状態のキャラクタに対する攻撃では成立を許可することを特徴とするプログラム。
【請求項19】
請求項11乃至18のいずれかにおいて、
一方のキャラクタの攻撃が他方のキャラクタに加えられた場合の他方のキャラクタの反応モーション及び動作制限期間の長さが、一方のキャラクタの攻撃の種類により決定されることを特徴とするプログラム。
【請求項20】
請求項11乃至19のいずれかにおいて、
キャラクタが長期動作制限状態に設定された場合に、該キャラクタが長期動作制限状態にあることをプレーヤに知らせる手段をコンピュータに実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項21】
コンピュータにより読み取り可能な情報記憶媒体であって、請求項11乃至20のいずれかのプログラムを含むことを特徴とする情報記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−31050(P2011−31050A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199419(P2010−199419)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【分割の表示】特願2001−161190(P2001−161190)の分割
【原出願日】平成13年5月29日(2001.5.29)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】