説明

画像生成装置、遊技機、及び画像生成プログラム

【課題】モデルの色を簡単に設定・変更することが可能な画像生成装置を提供する。
【解決手段】仮想三次元空間に1以上のモデルを配置するモデル配置手段(3041)、モデルごとに対応付けられた基本色情報を変動させる基本色変動手段(3042)、基本色情報に対応させてモデルの色調を決定する色調情報を変更する色調情報変更手段(3043)、及び色調情報に対応した色調にモデルをレンダリングするレンダリング手段(3044)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体画像表示においてモデルの色を容易に設定可能な画像生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータグラフィックス技術の分野では、表示対象となるオブジェクトやポリゴンの色は、テクスチャマッピングを含むシェーディング処理によって定められていた。例えば、特開平11―195134号公報には、色が空間的に滑らかに変化する2次元画像であるソース画像を生成し、与えられた多角形平面の各頂点の色に相当する色の、ソース画像内の位置を演算し、演算したソース画像内の位置を頂点とするソース画像内の多角形の領域内もしくは当該多角形の領域に外接する多角形の領域内の画像をテクスチャ画像として、多角形平面にテクスチャマッピングすることにより、多角形平面内において空間的に色が滑らかに変化するように多角形平面内に色を与えるようにした画像処理方法が開示されている(特許文献1)。また、特開平10−320585号公報には、四辺形領域の角部に関し双一次補間を実行し勾配をもって色をレンダリングさせるものであった(特許文献2)。
【0003】
このような処理によれば、テクスチャをマッピングしたり予め頂点(角部)に色を設定したりしておくことで、ポリゴン(四辺形領域)の色が定められていた。いずれの従来技術も、ポリゴンの基本的な色は、プログラム設計者が予め定めておくものであった
【特許文献1】特開平11―195134号公報(特許文献1、段落0010)
【特許文献2】特開平10−320585号公報(特許文献2、段落0014)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、オブジェクトを構成するポリゴンの全ての頂点に対する色や、ポリゴンにマッピングする全てのテクスチャを、デザイン設計段階で個別に指定しなければならない。特に、特別の質感や模様を付与しない背景の一部をなすようなオブジェクトまで全て色やテクスチャを指定することは、極端に煩雑であり、プログラム設計の負荷が多すぎる。
【0005】
また、多種多様なテクスチャを全てのポリゴンにマッピングするためには、テクスチャの種類だけテクスチャデータを保持しなければならず、多大なメモリ容量が必要である。
【0006】
そこで、本発明は、モデルの色を簡単に設定・変更することが可能な画像生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の画像生成装置は、仮想三次元空間に1以上のモデルを配置するモデル配置手段と、モデルごとに対応付けられた基本色情報を変動させる基本色変動手段と、基本色情報に対応させてモデルの色調を決定する色調情報を変更する色調情報変更手段と、色調情報に対応した色調にモデルをレンダリングするレンダリング手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、コンピュータに、仮想三次元空間に1以上のモデルを配置する機能と、モデルごとに対応付けられた基本色情報を変動制御する機能と、基本色情報に対応させてモデルの色調を決定する色調情報を変更する機能と、色調情報に対応した色調にモデルをレンダリングする機能と、を実行させるための画像生成プログラムである。
【0009】
本発明によれば、モデル毎に基本色情報に対応させて色調変化が可能になっているところで、この基本色情報が変動制御されるように構成されている。そしてモデルに対して決定された色調でレンダリング処理がされる。よって、基本色情報の変動に対応してモデルの色が一体として変更されるように構成されている。
【0010】
ここで、「モデル」には、基本色情報に対応させて色調を変更可能に構成されている、仮想三次元において独立して移動、回転、拡大縮小等の座標変換が可能なものであり、ワイヤーフレームモデルやソリッドモデルであってもよい。例えば、サーフェスモデルであれば、一つのオブジェクトを定義する多角形の各々で定義される。このほか、色表現が可能なモデルとして、スイープ、スキン、スケルトン、旋回、パーティクル、ブーリアン演算、ボーン、マッスル、メタボール等で定義されるモデルに対して本発明を適用することは可能である。
【0011】
特に、モデルが、複数の多角形の集合により定義されるサーフェスモデルであることは好ましい。サーフェスモデルの場合、色調情報は、多角形の各々に対して設定されることになる。サーフェスモデルであれば、比較的少ない演算負荷で色調変化を表現でき、処理能力の限られた装置にも適するからである。
また「多角形」は平面(例えばポリゴン)であっても、曲面(ベジエ曲面、Bスプライン曲面、NURBS曲面等)であってもよい。多角形の各々に設定される色調情報は、多角形に対して一つ設定されるもの(例えばフラットシェーディング)でも、複数(例えば多角形の頂点毎)設定されるもの(例えばスムーズシェーディング)でもよい。
【0012】
ここで、モデルの画像を生成するためには、モデリングされた三次元形状を構成する多角形に対して視点や光源の位置や向きを考慮して表面色の輝度(色調を含む)を計算するレンダリングが必要であるが、モデルの表面には、光源の色調とは別に色調が設定される。本発明では、原初的には、この多角形の各々の表面色は、無彩色かつ所定の輝度に設定されている。このような表面色は、例えば白色または灰白色であり、彩度が無いものである。本発明の色調情報変更手段は、基本色情報に対応させて各多角形の色調情報を一時に変更するように構成されているので、結局、基本色情報によって指定される色調に、モデルの全ての多角形の色が一時に設定されることになり、簡単にモデル全体の色を変更できることになる。
【0013】
ここで「一時」とは同時という意味の他、複数の多角形の色調設定が表示画像の更新タイミングに間に合うようにされることを含むものである。
また、ここにいう色調情報の変更は、一つの色調情報が変更される場合の他、無彩色かつ所定の輝度に設定される第1の色調情報に加えて、有彩色を指定する第2の色調情報が新たに設定され、第1の色調情報で指定される色調と第2の色調情報で指定される色調とが合成されてレンダリング可能に構成されている場合も含むものである。
【0014】
本発明において、モデルの色調が連続的に変動するように基本色情報が変動制御されることは好ましい。モデルの色が連続的に、すなわち滑らかに変化すれば、突然に色変わりする違和感が少ないからである。ここで、連続的には、段階的に基本色情報が変更される場合も含む。
【0015】
また本発明において、基本色情報により決定される色調は、モデル毎に異なるように変動制御されることは好ましい。本発明によれば、モデル単位で色調変更が可能なので、モデルの特徴や位置等に応じた多彩な色を表示することができる。
【0016】
また本発明の遊技機は、抽選結果に応じて遊技の進行を変化させる遊技機であって、仮想三次元空間に1以上のモデルを配置するモデル配置手段と、抽選結果に対応させて、モデルごとに対応付けられた基本色情報を変動制御する基本色変動制御手段と、基本色情報に対応させてモデルの色調を決定する色調情報を変更する色調情報変更手段と、色調情報に対応した色調にモデルをレンダリングするレンダリング手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
同様に、本発明の画像生成プログラムは、コンピュータに、仮想三次元空間に1以上のモデルを配置する機能と、所定の抽選結果に対応させて、モデルごとに対応付けられた基本色情報を変動制御する機能と、基本色情報に対応させてモデルの色調を決定する色調情報を変更する機能と、色調情報に対応した色調にモデルをレンダリングする機能と、を実行させることを特徴とする。
【0018】
本発明の画像生成技術によれば、上述したようにモデル単位で色調変更が可能となっており、本発明では、このモデル単位に変更される色調を抽選結果に対応させている。このため、抽選結果が遊技者にとって利益のあるものであるか、利益のあるかのように見せるか、または利益が無いか等の期待度をモデルの色調で表現することができる。例えば、モデルの色調変化をこの抽選結果の予告に利用すれば、遊技者は、モデルの色調が特定のものになったことで、抽選結果が大当たりであるかのような期待感を遊技者に抱かせることが可能となり、遊技者の興趣を増すことができる。
【0019】
ここで「遊技機」に限定は無いが、例えば回動式遊技機(以下、「スロットマシン」という。)、ぱちんこ機(第一種ぱちんこ機、第二種ぱちんこ機を含む)等を含む。
【0020】
また本発明の画像生成プログラムは、記憶媒体に格納されて流通されるものである。このような記憶媒体としては、コンピュータに読み取り可能な媒体であり、各種ROM、フラッシュメモリを備えたUSBメモリ、USBメモリ、SDメモリ、メモリスティック、メモリカードや、FD、CD−ROM、DVD−ROM等の物理的な記憶媒体を含む。また広義の記録媒体として、プログラムを伝送可能なインターネット等の伝送媒体をも含むものとする。伝送媒体を通して伝送されたプログラム(ダウンロード)されたプログラムは、そのままメモリに記憶されて、コンピュータに実行されるものだからである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、基本色情報に対応してモデルの色調を設定可能に構成されているので、基本色情報の変動制御により、モデルの色調を一括して変化させることで、簡単にモデルの色彩を変化させることができ、多彩なモデルの色彩による演出を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施形態として、遊技場等に設置される遊技機(スロットマシン)に、本発明の画像生成装置(方法)を適用したものを例示する。以下の実施形態は本発明の適応例に過ぎず、本発明は実施形態に限定されず種々に変更して適用することが可能である。
(定義)
本明細書における用語を以下のように定義する。
「遊技」とは、メダルが投入されてから、スタートスイッチの操作によってリールが回転し、ストップスイッチの操作によってリールが停止するまでの一連の動作をいう。
「通常遊技」とは、所定の期待値に基づいて実行される「遊技」をいう。
「特別遊技」とは、「通常遊技」とは異なる「遊技」であって遊技者に有利な「遊技」をいう。
【0023】
「抽選」とは、遊技機の操作部(スイッチ等)が操作されたことを契機として、乱数等を用いて、予め定められた期待値でコンピュータがくじを引く処理をいう。
「当選」とは、「抽選」の結果、当たりになった場合をいい、特に、コンピュータによるくじ引きで当たりとなった場合をいう。本実施形態では機械的に定まる「入賞」と区別して用いる。
「入賞」とは、停止したリールにより示される有効ライン上の図柄の組合せが、特定の役を示す状態となっていることをいう。
【0024】
「役」とは、抽選の結果が当選である場合に、その当選の種類を特定するものである。「当選役」または図柄が揃った場合には「入賞役」ともいう。
「特別役」とは、「特別遊技」に移行させるための役である。
「小役」とは、その小役の種類に応じた枚数のメダルを遊技者に払い出すための役である。
【0025】
「リプレイ」とは、前回の遊技で投入されたメダル枚数を維持したまま再遊技を行う権利を与えるための役である。
「有効ライン」とは、停止した図柄の並びを便宜上示すもので、有効ライン上に並んだ図柄の組合せによって特定の「役」であるか「ハズレ」であるかを示すものである。複数の「有効ライン」が設定されている場合には、それらをまとめて「有効ライン群」という。
【0026】
(実施形態1)
本発明の実施形態1は、モデルの色調を予め定めたシーケンスに従って経時的に変化させる装置に関する。
(構成)
まず筐体構成から説明する。図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るスロットマシン10の筐体の前面部は、開閉自在にフロントパネル20が取り付けられている。フロントパネル20の上部に表示機能を有する演出表示装置40が設けられた表示領域となっており、中央部に操作部が設けられている。
【0027】
筐体上部には、表示機能を有する演出表示装置40が設けられている。演出表示装置40は、例えば液晶パネルを含んで構成されており、種々の演出のための画像や遊技に必要な情報を表示領域に表示可能に構成されている。演出表示装置40には、1つの透明な表示窓21が設けられている。表示窓21の領域には、画像を表示するための液晶や液晶を構成する部材(偏光板など)や液晶を制御する回路などが設けられておらず、光を透過するようになっており、物理的に画像表示できない領域となっている。
【0028】
筐体内部であって表示窓21を通して視認可能な位置には、3つのリール(回胴)が配置されている。正面から見て左側から、左リール31L、中リール31C、右リール31Rの順番で配置されている。
【0029】
リール31L、31C及び31Rは、リング状の中空構造に成形されている。リールの外周は、外周面に貼られるリールテープの幅に成形されており、外周面にはリールテープ上に印刷される図柄の形状に合わせて開口が複数設けられている。リールの内部は中空になっており、外周面から延びるフレームで回転軸が支持されている。
【0030】
リールの外周面には入賞図柄(入賞役を構成する図柄)を印刷したリールテープが各々貼られている。それぞれのリールテープには、例えば21個の図柄が等間隔で配列されて印刷されている。図柄の配列は、リールテープごとに異なるようになっている。リールテープの図柄が、リールの外周面に設けられた開口に対応するようになっている。表示窓21からは、この表示窓を通してリール31L、31C及び31Rが観察されるようになっており、各リール外周面の上下方向で連続する3つの図柄が見えるように表示窓21の大きさが設定されている。図1では、リール群31(リール31L、31C及び31Rのまとまりを意味する)上に示された円が、一つの図柄を示している。
【0031】
リール31L、31C及び31Rのそれぞれの回転軸には、ステッピングモータ(図示せず)が各々連結されている。このステッピングモータは、リール31L、31C及び31Rを任意の速度で回転させたり、任意の角度(位置)で停止させたりすることが可能になっている。各リールが回転する場合には、リール31L、31C及び31Rの図柄が表示窓21内で上下に移動しているように視認されるようになっている。
【0032】
リール31L、31C及び31Rの内側には、バックランプ(図示せず)が設けられている。バックランプはリールごとに3個ずつ配置されており、リールが停止した時に表示窓21から見える総計で9個の図柄に対して、リール外周面の開口を通して光を照射するようになっている。
【0033】
図1に示す表示窓21上の破線は、有効ライン22a、22b及び22cからなる有効ライン群22を示すものである。有効ライン群22は、水平方向の中段の有効ライン22aと、水平方向の上段及び下段の2本の有効ライン22bと、右下がり及び左下がりの斜め方向の2本の有効ライン22cとから構成されている。そして、リール31L、31C及び31Rに付された図柄は、リール31L、31C及び31Rが停止した時に、表示窓21から見える9個の図柄が全てこれらの有効ライン群22上に位置するような間隔で配置されている。
【0034】
スロットマシン10の筐体の中央部において、演出表示装置40の右下側に当たる位置には、メダル投入口23が設けられている。メダル投入口23からメダルが投入されると、投入されたメダル枚数に応じて有効ライン22a、22b及び22cの1ライン乃至5ラインが有効になるように構成されている。すなわち、投入されたメダルはゲームの対価として徴収され、投入されたメダルが1枚の場合には1つの有効ライン22aが有効になり、2枚のときは水平方向の3つの有効ライン22a及び22bが有効になり、3枚のときはさらに加えて斜め方向の2つの有効ライン22cを含む総計で5つの有効ライン22a〜22cが有効になる。これらの制御は、後述のメインCPU(中央演算装置)51(図2参照)により行われる。例えば、3枚のメダルが投入されている場合には、リール31L、31C及び31Rが停止した時に、少なくとも1つの有効ライン22a〜22cに特定の図柄の組み合わせが停止していれば、その組み合わせに応じた役に入賞したこととなる。
【0035】
また筐体の中央部には、遊技者によって操作される各種の操作スイッチが設けられている。例えば、本実施形態では、スタートスイッチ41、ストップスイッチ群42及びベットスイッチ群43が設けられている。
【0036】
スタートスイッチ41は、リール31L、31C及び31Rの回転をスタートさせるときに遊技者が操作するスイッチ、例えばレバーとして構成されている。ストップスイッチ群42は、左リール31Lを停止させるときに操作する左ストップスイッチ42Lと、中リール31Cを停止させるときに操作する中ストップスイッチ42Cと、右リール31Rを停止させるときに操作する右ストップスイッチ42Rとから構成されている。これらのストップスイッチ42L、42C及び42Rは、例えばボタンとして並設されている。
【0037】
ベットスイッチ群43は、遊技者がクレジット内のメダルを投入する際にベット数(賭数)を指定するスイッチ群であり、1ベット・2ベットスイッチ43a及びMAXベットスイッチ(3ベットスイッチ)43bから構成されている。これらのベットスイッチ43a及び43bも、例えばボタンとして配置されている。1ベット・2ベットスイッチ43aが操作されると、1枚又は2枚のメダルがベットされ(ゲームの対価として徴収され)、MAXベットスイッチ43bが操作されると、最大ベット数である3枚のメダルがベットされる。すなわち、ベットスイッチ群43の操作で指定されるベット数が、クレジットとなっているメダル数から徴収され、クレジットがベット数だけ減算される。
【0038】
さらに、筐体の下部の中央部には、メダル払出口90が設けられ、メダル払出口90の両側には、スピーカ71が設けられている。遊技(ゲーム)中には、種々の演出、例えばバックランプの点灯、演出表示装置40を用いた画像表示及びスピーカ71からの音声の出力等が行われる。さらに、このような演出として、入賞可能性の告知演出が行われることもある。
【0039】
これらの構成を有するスロットマシンにおいて実施される通常遊技の概要を簡単に説明する。
スロットマシン10において、遊技者がメダル投入口23からメダルを投入するか、ベットスイッチ群43を操作すると、有効ライン22a〜22cがベット数に応じて有効化される。
【0040】
ベット数を指定した遊技者がスタートスイッチ41を操作すると、ベット数に応じた役の抽選が行われると共に、リール31L、31C及び31Rが回転し始める。そして、遊技者がストップスイッチ42L、42C及び42Rを操作すると、操作されたボタンに応じてリール31L、31C及び31Rの回転が停止する。このとき、スタートスイッチ41の操作と同時に行われている役の抽選結果が当選であった場合には、有効化されている有効ライン群22上に並ぶ図柄の組み合わせが、予め定められた何らかの役の図柄の組み合わせに一致するようにリールが停止制御され、その入賞役に応じたメダルの払い出し等が行われる。
【0041】
(システム構成)
次に、スロットマシン10の内部構成等のシステム構成について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るスロットマシン10のシステム構成を示すブロック図である。スロットマシン10の筐体内部には、メイン制御基板50、並びにこのメイン制御基板50に接続されたサブ制御基板60、リール基板11、中央表示基板12及び電源装置基板13が配置されている。
【0042】
(メイン制御基板50)
メイン制御基板50には、メインCPU51、ROM52、RAM53及びインタフェース回路(I/F回路)54が設けられており、これらはバス55を介して互いに接続されている。
【0043】
メインCPU51は、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)及び実行を行う。そして、メインCPU51は、ROM52に記憶されているプログラム及びデータ等を読み出し、これらに基づいてスロットマシン10全体の制御を行う。
【0044】
ROM52には、メインCPU51に、後述の図6のフローチャートに示すような操作に基づく抽選処理及びその他の遊技の制御に必要なソフトウェアプログラム及びデータ等が記憶されている。また、RAM53は、メインCPU51が各種の制御を行う時に用いられ、データ等を一時的に記憶可能に構成されている。
【0045】
I/F回路54は、メイン制御基板50と、サブ制御基板60、リール基板11、中央表示基板12及び電源装置基板13との間で行われる信号の送受信の際に、タイミングの制御等を行うようになっている。但し、メイン制御基板50とサブ制御基板60との間では、メイン制御基板50からサブ制御基板60への信号の送信は行われるが、サブ制御基板60からメイン制御基板50への信号の送信は行われないように構成されている。
【0046】
(サブ制御基板60)
サブ制御基板60には、サブCPU61、ROM62、RAM63、画像制御プロセッサ64、画像データROM65、ビデオRAM66、音源回路67、アンプ68及びインタフェース回路(I/F回路)69が設けられている。サブCPU61、ROM62、制御用RAM63、画像制御プロセッサ64、音源回路67及びI/F回路69はバス70を介して互いに接続されている。また、画像データROM65及びビデオRAM66は画像制御プロセッサ64に接続され、アンプ68は音源回路67に接続されている。
【0047】
サブCPU61は、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)及び実行を行う。そして、サブCPU61は、ROM62に記憶されているプログラム及びデータ等を読み出し、サブ制御基板60全体の制御、特に遊技者に対する演出の制御を行うようになっている。なお、サブCPU61の処理能力や開発言語等には、何らの制約もない。
【0048】
ROM62には、サブCPU61に、後述のフローチャートに示すようなソフトウェアプログラム及びデータ等が記憶されている。また、RAM63は、サブCPU61が各種の制御を行う時に用いられ、データ等を一時的に記憶可能に構成されている。
【0049】
これらのサブCPU61、ROM62及びRAM63は、夫々メイン制御基板50に設けられたメインCPU51、ROM52及びRAM53と同様の機能を有するものである。なお、ROM62及びRAM63は、夫々ROM52及びRAM53と同一のものを用いてもよいが、これらよりも容量の大きいものを用いてもよい。
【0050】
画像データROM65には、演出表示装置40にレンダリング処理されるモデル(オブジェクト、キャラクタ)、文字及び背景等の画像データを生成するための元画像データが記憶されている。また、ビデオRAM66は、画像制御プロセッサ64が演出表示装置40に表示しようとする画像データを生成する時に用いられ、画像データROM65から読み出した元画像データ等に基づき生成された画像データがフレーム画像データとしてビデオRAM66に展開されるようになっている。演出表示装置40は、ビデオRAM66に記憶されたフレーム画像データを表示可能にサブ制御基板60に接続されている。
【0051】
サブ制御基板60には、さらにスピーカ71、上述のバックランプ等が設けられている。スピーカ71はアンプ68に接続されている。これらの演出用周辺機器は、遊技中の演出(役の当選可能性の告知演出等)の出力を行うものであり、サブ制御基板60にのみ接続されており、メイン制御基板50には接続されていない。
【0052】
I/F回路69は、メイン制御基板50からの信号の受信の際に、タイミングの制御等を行う。なお、上述のように、メイン制御基板50からサブ制御基板60への信号の送信は行われるが、サブ制御基板60からメイン制御基板50への信号の送信は行われない。すなわち、一方向の送信のみが可能となっている。
【0053】
(リール基板11)
リール基板11には、左リール31L、中リール31C及び右リール31Rを駆動するためのステッピングモータ(図示せず)が接続されている。各ステッピングモータは、さらに、これらのリール31L、31C及び31Rの回転軸に接続されていく。これらのリール31L、31C及び31Rの動作を制御するための制御信号は、メインCPU51からリール基板11に供給されるようになっている。
【0054】
(中央表示基板12)
中央表示基板12は、例えばフロントパネル20の裏側の中央部に取り付けられる。
中央表示基板12には、セレクタ81、1ベット・2ベットスイッチ43a、MAXベットスイッチ(3ベットスイッチ)43b、スタートスイッチ(レバー)41、左ストップスイッチ(ボタン)42L、中ストップスイッチ(ボタン)42C、右ストップスイッチ(ボタン)42R、設定表示部82及び設定変更スイッチ83が接続されている。
【0055】
セレクタ81は、メダル投入口23から投入されたメダルが正規のものであるか識別し、不正なメダルを排除するように構成されている。設定表示部82は、フロントパネル20の裏側から見えるように配置されており、確率や払い出しに関する設定(例えば、設定1〜設定6)等が表示される。設定変更スイッチ83は、確率や払い出しに関する設定等を変更する際に操作されるスイッチである。
【0056】
(電源装置基板13)
電源装置基板13には、設定変更有効化スイッチ91、電源スイッチ92、ホッパ装置93及び電源装置94が接続されている。
設定変更有効化スイッチ91は、設定変更スイッチ83を用いた設定の変更を可能な状態にする際に操作するスイッチである。すなわち、設定変更有効化スイッチ91がオンの状態になっているときに限り、設定変更スイッチ83を用いた設定の変更が可能になる。電源スイッチ92は、電源装置94のオン/オフを切り替えるためのスイッチである。ホッパ装置93は、メダルの貯蔵及び払い出しを行う装置であり、電源装置基板13を介したメインCPU51からの指示に基づいて、予め貯蔵しておいたメダルから所定枚数のメダルをメダル払出口90に払い出すようになっている。
【0057】
(メイン制御基板における機能ブロック)
次に、メイン制御基板50の機能的な構成について説明する。
図3は、メイン制御基板50の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、本実施形態においては、例えばメインCPU51がROM52内に記録されるプログラムを実行することにより、以下の制御部101、役抽選部103、リール制御部106、入賞判定部107、遊技状態制御部108及び払出制御部109が機能的に実現される。また、例えばRAM53が、以下のフラグ情報記憶部105として機能し、例えばROM52に、以下の抽選テーブル102のデータが記憶されている。
【0058】
(役抽選部103)
役抽選部103は、役(特別役、小役、リプレイ等)の抽選を行う機能ブロックである。役抽選部103は、遊技毎に、内部で乱数を発生させた後に一の乱数を取得し、ROM52に記憶されている抽選テーブル102を参照し、取得した乱数が属する領域に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定するようになっている。
【0059】
例えば、役抽選部103は、スタートスイッチ41が操作された場合に抽選を行い、この「遊技」が「当選」であるか「ハズレ」であるか及び「当選」である場合の「役」を決定する。すなわち、役抽選部103は、スタートスイッチ41の押下があった場合に、所定の範囲の乱数(例えば、10進法で0〜65535)を発生させ、所定の条件が満たされたときに一の乱数値を取得する。抽選テーブル102には、役抽選部103が取得可能な乱数値に対して、特別役当選領域、小役当選領域、リプレイ当選領域、及び非当選(ハズレ)領域等が、所定の割合で設定されている。
【0060】
さらに役抽選部103は、リール31L、31C、及び31Rは、ストップスイッチ42L,42C,及び42Rのそれぞれが押下された後に、「当選」していた場合にはその当選の役を表す図柄の並びとなるように停止制御され、当選役と同じ役に入賞させる。また、抽選の結果が「ハズレ」(非当選)ていた場合には図柄の並びがいずれかの役を表さないように停止制御される。いずれの場合でも、ストップスイッチ42L,42C,及び42Rの押下タイミングが前後しても、停止図柄が変わることはない。
【0061】
なお、役抽選部103が実施する抽選は、一回の遊技に対して一回の抽選を実施して当選役を決定してもよいが、複数回の抽選を実施するように構成してもよい。
また、スタートスイッチ41の押下やストップスイッチ42L、42C、及び42Rの押下タイミングで抽選を実施して抽選結果を定めるという役抽選部103主導の構成にする他、特別な引き込み動作をせずにリール群31を停止させ、結果的にリール31L、31C、及び31Rが停止した位置を入賞判定部107が検出して入賞の有無や、入賞役を判定するように構成してもよい。この場合、抽選や当選役という概念は無く、役抽選部103は存在しなくてもよい。また、遊技の種類に応じて、役抽選部103主導か否かを、つまり抽選をするか、リールによる入賞判定をするかを切り替えてもよい。
【0062】
(制御部101)
制御部101は、役抽選部103や、後述のリール制御部106及び入賞判定部107等の動作タイミングを制御する中心的機能ブロックである。
例えば、制御部101は、スタートスイッチ41が操作されたことを条件として、役抽選部103に役の抽選を行わせると共に、リール制御部106にリール群31の回転を開始させ、また、ストップスイッチ群42が操作されたことを条件として、リール制御部106にリール群31の停止制御を行わせ、さらに、リール群31が停止したことを条件として、入賞判定部107に入賞判定を行わせるものである。
なお、制御部101の動作はこれらに限定されるものではなく、メイン制御基板50に必要とされる制御一般を司るものである。
【0063】
(フラグ情報記憶部105)
フラグ情報記憶部105は、役抽選部103の抽選結果によって何らかの役に対するフラグがオンされた場合に、当選した役の種類及びそのフラグがオンになったことを記憶可能に構成されている。
【0064】
(リール制御部106)
リール制御部106は、制御部101からの指示に基づいて、リール群31(リール31L、31C及び31R)の回転及び停止の制御を行う機能ブロックである。
より詳細には、リール制御部106は、遊技状態(例えば、通常遊技状態、特別遊技状態等)、役抽選部103による抽選の結果、及びストップスイッチ群42(ストップスイッチ42L、42C及び42R)が操作されたタイミング等に基づいて、リール31L、31C及び31Rの停止位置を決定すると共に、ステッピングモータの駆動を制御して、その決定した位置でリール31L、31C及び31Rの回転を停止させるようになっている。
【0065】
例えば、役抽選部103による抽選の結果「ハズレ」となり、いずれの役にも当選していないときは、有効になっている有効ライン上にどの役の図柄の組合せも停止しないように、各リール31L、31C及び31Rの停止位置を定め、定められた位置で各リールを停止させる。一方、何らかの役に「当選」している場合には、有効になっている有効ライン上に当選した役の図柄の組合せが停止するように図柄の組合せを定め、その図柄の組合せがその時に有効になっている有効ラインに表れるように各リール31L、31C及び31Rの停止位置を定め、定められた位置で各リールを停止させる。
【0066】
特に、特別役に「当選」している場合には、有効になっている有効ライン上に特別役の図柄の組合せが停止するように、リール31L、31C及び31Rの停止制御の範囲内(例えば、4図柄以内)でできる限り特別役に係る図柄が揃うような引き込み制御を行う。但し、特別役が「当選」している場合であっても、小役やリプレイに「当選」した場合には、有効化されている有効ライン上に特別役の図柄の組合せが停止しないように、リール31L、31C及び31Rの停止位置を定め、停止制御をする。
なお、このようなリール31L、31C及び31Rを停止させる際の制御は、リール制御用のテーブルを用いて行ってもよい。
【0067】
(入賞判定部107)
入賞判定部107は、最終的な入賞状態を判定するための機能ブロックである。
入賞判定部107は、有効ライン群22のうち、有効になっている有効ラインのいずれかに役の図柄の組合せが並んでいるか否かを判定し、並んでいるものがあれば当遊技でその役に入賞したと判定するものである。役の抽選は、役抽選部103によって予め決定されてはいるが、機械的なリールを用いる場合などにはリールが予定どおりに停止できない場合がるため、最終的に停止したリールの位置を検出しなければならないからである。
【0068】
入賞判定部107は、例えばステッピングモータの停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ラインに位置する図柄を判定し、これに基づいて、役の入賞の有無を判定する。
【0069】
なお、役抽選部103によって予め役を定めて、それに併せてリール31L、31C及び31Rを停止させる代わりに、引き込み可能な位置に各リールを次々停止させ、最終的に停止した実際のリール31L、31C及び31Rの位置を検出して、入賞判定部107が図柄の組合せを判定し、役を決定するように構成してもよい。
【0070】
(遊技状態制御部108)
遊技状態制御部108は、入賞判定部107による判定の結果、特別役に入賞していた場合に、次遊技から所定の終了条件が満たされるまでの間、特別遊技の制御を行うための機能ブロックである。
【0071】
例えば、遊技状態制御部108は、特別遊技中における役抽選部103の抽選結果に応じて、リール制御部106に特別遊技用のリール制御を行わせたり、サブ制御基板60に特別遊技用の演出を行わせたりする。
【0072】
(払出制御部109)
払出制御部109は、入賞判定部107による判定の結果、入賞している役に応じたメダルの払い出しをホッパ装置93に行わせるための機能ブロックである。
【0073】
(サブ制御基板における機能ブロック)
次に、サブ制御基板60の機能的な構成について説明する。
図4は、サブ制御基板60の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
演出パターン選択部201は、サブCPU61がROM62内に記録されたコンピュータに読み取り可能なプログラムを実行することにより機能的に実現されるものである。また、サブCPU61がROM62内に記録されたコンピュータに読み取り可能なプログラムを実行することにより、画像制御プロセッサ64を制御しながら演出制御部202が機能的に実現される。
【0074】
このサブ制御基板60によって実施される演出は、演出表示装置40によって表示窓21の周囲の画像表示領域に表示される画像による演出、スピーカ71から発音される音による演出である。これらの演出は、メイン制御基板50における動作と異なり、抽選など、遊技自体の方向性を変化させるものではないが、画像と音との演出により、遊技者に刺激を与え、入賞への期待感を高めたり単調さを解消したりする重要な役割を担っている。
【0075】
(演出パターン選択部201)
演出パターン選択部201は、遊技状態に応じて演出のパターンを選択する機能ブロックである。
具体的には、演出パターン選択部201は、メイン制御基板50の役抽選部103からの信号を受けて、当選した役等に応じた演出パターンを選択したり、メイン制御基板50の入賞判定部107及び特別役遊技制御部108からの信号を受けて、入賞役や遊技状態に応じた演出パターンを選択したりする。
【0076】
ここで演出パターンは、スタートスイッチ41が押下されたかいずれのストップスイッチ42が押下されたか、いずれのリール31L、31C、及び31Rが停止したかといった遊技の進行状態や、抽選の結果、決定した役の種類、通常遊技か特別遊技かといった遊技状態に応じて選択されるものである。
【0077】
(演出制御部202)
演出制御部202は、演出パターン選択部201によって選択された演出パターンに基づく演出を制御する機能ブロックである。
演出制御部202は、選択された演出パターンに対して画像を表示させるための立体画像データを作成し、それを二次元画像データに変換して演出表示装置40に供給して、画像表示領域上に画像を表示させるように動作する。また、演出制御部202は、選択された演出パターンに対して音響を音源回路67に発生させるための制御を実施する。
【0078】
(音源回路67)
音源回路67は、所定のチャネル数、例えば8つの音源チャネルの発音回路を備えており、音源チャネル数分のフレーズの同時再生が可能になっている。音源回路67は、演出制御部202から出力される演出要求コマンドによって制御される。音源回路67は、演出制御部202からから送信された演出要求コマンドに対応させて、対応する音源チャネルの音源データを図示しないサウンドROMから読み出して合成し、右チャネル、左チャネル別に発生させる。そしてD/A変換してアナログ音響信号として出力する。アンプ68は、この左右のチャネルそれぞれのアナログ音響信号を増幅し、右スピーカ71R・左スピーカ71Rに、ステレオ音響を送出させる。
【0079】
(演出制御部の詳細な機能ブロック)
次に、演出制御部202の具体的な構成について説明する。
本実施形態の演出制御部202は、演出パターンの一環として、本発明のモデル色調変動演出パターンを適用可能に構成されている。
【0080】
図5に、演出制御部202を機能的な側面から区分けした機能ブロックを示す。
図5に示すように、演出制御部202は、機能ブロックとして、画像制御部301、音制御部302、モデルデータ記憶部3031、基本色情報記憶部3032、テクスチャデータ記憶部3033、画像データ生成部304、画像データ記憶部305、及び表示制御部306を備えている。画像データ生成部304は、モデル配置手段3041、基本色変動手段3042、色調変更手段3043、及びレンダリング手段3044を備えている。
【0081】
なお、上記構成のうち、画像制御部301及び音制御部302は、ROM62に格納されたプログラムをサブCPU61が実行することにより機能的に実現される。モデルデータ記憶部3031及びテクスチャデータ記憶部3033は、画像データROM65に相当している。基本色情報記憶部3032は、ROM62に相当している。画像データ記憶部305は、ビデオRAM66が相当している。画像データ生成部304の各構成及び表示制御部306は、本発明の画像生成プログラムを実行するサブCPU61、及びサブCPU61の制御に基づいて動作する画像制御プロセッサ64によって機能的に実現されている。
【0082】
(画像制御部301)
画像制御部301は、演出パターン選択部201によって選択された演出パターンに応じた表示画像を表示させるため、画像データ生成部304に対し一連の制御をする機能ブロックである。つまり画像制御部301により、演出パターンに応じた画像上のストーリーが決定され、表示されるモデルが決定され、モデルの動きが決定されるようになっている。なお、画像制御部301は、描画タイミングごとに、演出パターンに適合したモデルを指定し、モデルを透視投影変換するための視点を定め、光源の状態を指定するようになっている。
【0083】
なお、「描画タイミング」には限定は無いが、本実施形態では、フレーム期間(同期信号)に対応して定められるものとする。
【0084】
(音制御部302)
音制御部302は、演出パターン選択部201によって選択された演出パターンに応じた音信号を生成し発生するように音源回路67を制御するように構成されている。この音制御部302において制御される音は、画像制御部301の制御によって表示される画像の進行と密接な関連性を有するように、画像制御部301との間で時間的な連携がとられている。
【0085】
(モデルデータ記憶部3031)
モデルデータ記憶部3031は、立体画像生成のためのモデリング変換の元データであるモデルデータを記憶するものである。モデルデータは、仮想三次元空間において表示対象とさせるモデル(各種オブジェクト)の形状及び配置を定義する数値情報が記憶されている。モデルデータは、モデリング方法に応じて幾つかのバリエーションを適用可能ではある。本実施形態ではサーフェスモデルを適用するため、一つひとつのモデルデータは、モデルごとに予め設定された基準座標を原点として、モデルの外形を形作る多角形であるポリゴンの頂点座標情報の集合体となっている。各ポリゴンを基準座標からの相対位置に配置していけばモデルの外形が規定される。このモデルはそれぞれ自己完結のローカル座標系(ボディ座標系、モデリング座標系、オブジェクト座標系)において各ポリゴンの相対位置(形状、向き、大きさ)が三次元的に定義されることになる。
【0086】
(基本色情報記憶部3032)
基本色情報記憶部3032は、モデルごとに対応付けられた基本色情報を記憶するものである。
本実施形態において、「基本色」(ベースカラー)とはモデルに対して一つ設定される色調のことである。この「基本色」を指定するための情報(数値、相対値)が「基本色情報」である。「基本色情報」は、あるモデルに対して一つ設定されることで、そのモデル全体の色調を規定するように定められた情報である。例えば、基本色情報は、R(赤色)、G(緑色)、及びB(青色)それぞれについて設定される値(各色8ビット数値の場合には0〜255のいずれかの値、16ビット数値の場合には0〜65535のいずれかの値)をとる情報である。
【0087】
特に、本実施形態1において、この基本色情報は、各モデルに基本色の変動開始を指定してからの、時間の経過に応じた色調の変化を規定するものである。基本色情報は、R,G,Bそれぞれについての経過時間と数値との関係を示すものであればよく、関係テーブルの形式で記憶されていても関係式情報として記憶されていてもよい(図10及び11参照)。
【0088】
(光源・視点情報記憶部3033)
光源・視点情報記憶部3033には、視点情報及び光源情報が記憶されている。この視点情報及び光源情報は、画像制御部301の制御により出力されるものである。
ここで、視点情報とは、モデリング変換されて仮想三次元空間に配置されたオブジェクトを2次元画像に展開するための視点を特定するための情報である。光源情報とは、オブジェクトをレンダリング処理により可視化するための光源を設定するための情報である。
【0089】
視点情報としては、ワールド座標系(グローバル座標系)における視点座標となっている。演出パターンに応じて視点位置が変化する場合には、経時的な一連の視点情報が記録されている。光源情報としては、光源の種類(無限遠光源であるか、点光源であるか、スポットライトであるか)と共に、光源の位置、光源の明るさ、光が届く距離、光の減衰特性、光の色、環境光の強さ等が設定されている。
【0090】
(テクスチャデータ記憶部3034)
テクスチャデータ記憶部3034には、モデリング変換され、ビューイング変換され、透視投影変換されたモデルに対してマッピング(展開、貼り付け)されるテクスチャを定義したテクスチャデータが記憶されている。
【0091】
テクスチャとは、サーフィスモデルにおいては頂点座標の集合であるポリゴンの表面にマッピングされる模様・質感・色彩に関するデータである。テクスチャデータは、模様等を表すための所定の解像度で作成された画像データであり、例えばGIF形式やPNG形式の画像データである。テクスチャを所定のポリゴンに貼り付けるためには、テクスチャデータに対して、所定の画像変換、例えばアフィン変換を施して、テクスチャをポリゴンの形状に展開(伸張・縮小・変形)するマッピング処理をする。
【0092】
なお、本実施形態においては、基本色情報に基づいたレンダリング処理によりモデルが彩色されるので、テクスチャデータは必須ではない。但し、後述のレンダリング手段3044が基本色で定められる色調とテクスチャとを合成(変調)可能に構成されている場合には、モデルのテクスチャデータとして、無彩色であって所定の輝度、例えば白色の色調のテクスチャデータを利用することが可能である。また、テクスチャデータを利用する場合には、モデルに質感や模様を表現するテクスチャをマッピングすることができる。
【0093】
(画像データ記憶部305)
画像データ記憶部305は、配置情報記憶レイヤ3051、色調情報記憶レイヤ3052、出力画像記憶レイヤ3053によって構成される。
【0094】
これらのうち、配置情報記憶レイヤ3051は、モデル配置手段3041によってモデリング変換されたモデルの配置情報、すなわち各モデルを構成するポリゴンの頂点ごとのワールド座標系における座標情報を記憶するものである。
【0095】
色調情報記憶レイヤ3052は、基本色情報に対応させて、モデルを構成する各ポリゴンの頂点に設定される色調情報を記憶するものである。この色調情報は、頂点ごとに、R,G,Bの各数値が定義されている。色調情報は、ごとに定められた照明の濃度情報及びその色調情報を格納するものである。つまり、一つひとつのモデルを構成するポリゴンに対応させて、それぞれ規定された照明の濃度情報、及び、その色調情報が記憶される。
出力画像記憶レイヤ3053は、表示画像空間に対応した二次元座標に展開され、各々がレンダリング処理した後のモデル画像(情報)を記憶するものである。
【0096】
(モデル配置手段3041)
モデル配置手段3041は、仮想三次元空間に1以上のモデルを配置するための機能ブロックである。
具体的には、描画タイミングで表示される1以上のオブジェクト、及びそれらの仮想三次元空間内における配置は、画像制御部301によって指定される。
【0097】
モデル配置手段3041は、モデルデータ記憶部3031から仮想三次元空間に配置させるべきモデルのモデルデータを読み出す。そしてモデル配置手段3041は、画像制御部301により指定された今回の描画タイミングにおける仮想三次元空間内における配置となるよう、ローカル座標系で定義されたモデルデータにモデリング変換演算処理を実行し、ワールド座標系で定義された仮想三次元空間におけるモデルの配置を定める。この座標変換により、任意の三次元幾何変換(平行移動、回転、スケール変換、せん断、反射)がされて、モデルの位置、向きや大きさ等が定められる。例えば、あるポリゴンのローカル座標系における頂点座標(x,y,z)がモデリング変換演算により、ワールド座標系における頂点座標(X,Y,Z)に変更される。この頂点座標が、仮想三次元空間における頂点位置を定義することになる。
【0098】
図8に、本実施形態におけるモデルを構成する多角形、すなわちポリゴンの模式図を示す。
図8に示すように、モデルを構成する一つのポリゴン520は、頂点座標を規定することによって定義される。図8では、頂点V1〜V4の4頂点が示されている。個々の頂点は、ワールド座標系で定められた基準座標からの座標値(X1,Y1,Z1)〜で(X4,Y4,Z4)それぞれ定義される。
【0099】
ここで、各頂点には、その頂点の座標値の他、その頂点における色(色相、彩度、輝度(明度))を決定するための色調情報C1〜4が設定されている。これら頂点に設定される情報を総じて頂点情報をいう。色調情報は、例えば、R,G,Bそれぞれの成分値(スカラー値)、または、ベクトル情報となっている。ベクトル情報は、例えば、頂点の法線方向のベクトルを定義するものである。
【0100】
なお、頂点に対して色調情報を設定することは、グローシェーディングやフォンシェーディングのようなスムーズシェーディング処理を適用する場合に適当である。これに対し、フラットシェーディング処理を適用する場合には、ポリゴンに対応させてその中心点の色調情報を一つ設定すればよい。
【0101】
(基本色変動手段3042)
基本色変動手段3042は、モデルごとに対応付けられた基本色情報を変動させる機能ブロックである。
基本色変動手段3042は、基本色情報記憶部3032を参照して、描画タイミングごとに表示対象となるモデルの色調を規定する基本色情報を指定していく。本実施形態では、基本色は固定値ではなく、経時的に変化するものとなっている。特に本実施形態では、モデルの色調が連続的に変動するように基本色情報が変動制御される。基本色、すなわちモデルの色調としては、モデルの色相、彩度、輝度(明度)のいずれか1以上を組み合わせて変更可能である。
【0102】
図10に、基本色変動手段3042が出力する基本色情報によって基本色の色相を変化させる場合の例を示す。図10には、三つの異なるモデルM1,M2,M3のそれぞれに対する色相の変化を示している。例えば、モデルM1では時刻0で青となっていた色相が時間の経過とともに(描画タイミングごとに)変化していき、時刻t1で赤となる。その後さらに色相が変化し、時刻t2で再び色相が青に戻る。このような変化を周期的に繰り返している。他のモデルM2やM3では、変動周期こそモデルM1と同じであるが、同一時刻における色相が互いに異なるようにモデルの色相が変動制御されている。
【0103】
図11に、基本色変動手段3042が出力する基本色情報によって基本色の彩度を変化させる場合の例を示す。図11には、三つの異なるモデルM1,M2,M3のそれぞれに対する彩度の変化を示している。例えば、モデルM1では時刻0で彩度が100%であったものが時間の経過とともに(描画タイミングごとに)彩度が変化していき、時刻t1では彩度10%となる。その後さらに彩度が変化し、時刻t2で再び彩度100%に戻る。このような変化を周期的に繰り返している。また、他のモデルM2やM3では、モデルM1と同一の変動周期であるが、同一時刻における彩度が互いに異なるようにモデルの彩度が変動制御されている。
【0104】
このほか、基本色情報によって、輝度(明度)を変動させてもよい。また、色相、彩度、輝度のうち2以上を組み合わせて変動させてもよい。同一時刻における色調が互いにモデルごとに異なるように制御される。
【0105】
(色調情報変更手段3043)
色調情報変更手段3043は、基本色情報に対応させてモデルの色調を決定する色調情報を変更する機能ブロックである。
具体的に、色調情報変更手段3043は、基本色変動手段3042により決定された描画タイミングごとの基本色情報に基づき、レンダリングに必要なモデルの色調情報を変更する。つまり、モデルの色は、モデルを構成する各ポリゴンの頂点情報に含まれる色調情報によって定められるので、色調情報変更手段3043は、基本色が定まると、そのモデルにおける全ての頂点の各々に対しそれぞれ色調情報を生成するのである。生成された頂点情報は、色調情報記憶レイヤ3052に格納される。
【0106】
(レンダリング手段3044)
レンダリング手段3044は、色調情報に対応した色調にモデルをレンダリングするための機能ブロックである。
【0107】
まず、レンダリング手段3044は、ワールド座標系で定義されている各モデルの配置を、当該演出パターンのために設定されている視点Cを基準とする視点座標系(ビューイング座標系)に変換するための、ビューイング変換を各モデルに対して実施する。この変換により、視点Cの位置を原点(0,0,0)とし、奥行き方向をZ軸方向とする座標系で、モデルが定義されるようになる。このとき、視角に入る全てのモデルに演算処理をするのでは演算負荷が大きすぎる。このため、レンダリング手段3044は、クリッピング処理を実施する。すなわち、近すぎるモデルや遠すぎるモデルを変換対象から排除するため、レンダリング手段3044は、仮想三次元空間に一定の変換範囲(視体積;ビューボリューム)を設定し、視体積内に配置されたモデルに対してのみ座標変換を実施する。
【0108】
次いで、レンダリング手段3044は、隠面消去処理をしやすくするために、必要に応じて視点座標系で定義されたモデルに対し正規化変換処理を実施する。この正規化変換を実施することにより、視体積の座標値が、例えばx、y成分については、−1.0から+1.0の範囲、z成分が0から+1.0の範囲で単純に定義できるようになる。そしてレンダリング手段3044は、視体積内のモデルに対し透視投影演算処理を実施し、表示領域に対応した投影面(ビュースクリーン)における装置座標を算出する。このとき、視点からモデル同士が重なって見える場合には、本来見えない線を消去する隠線消去や、本来見えない面を消去する隠面消去を実施する。隠面消去法には、公知のペインタアルゴリズム、Zバッファ法、スキャンライン法、レイトレーシング法が適用可能である。
【0109】
次に、レンダリング手段3044は、投影面に割り付けられた各ポリゴンのための実際の表示画像を生成していく。まず、ポリゴンそのものの色調を定めるため、色調情報記憶レイヤ3052に記憶された色調情報を参照する。次に、光源・視点情報記憶部3033から光源情報を読み出し、色調情報で定まる色調を光源情報に基づく光で変調するためのベクトル演算を実施する。また、必要に応じて、レンダリング手段3044は、テクスチャデータ記憶部3032から、ポリゴンごとにそのサーフェスに展開するテクスチャのためのテクスチャデータを読み出す。
【0110】
レンダリング手段3044は、テクスチャデータが存在する場合にはそのモデルのポリゴンにテクスチャをマッピングする。テクスチャをポリゴンごとの形状に適合させるために、必要に応じてアフィン変換等が実行される。
【0111】
さらにレンダリング手段3044は、各頂点に設けられた色調情報に基づいてポリゴンのシェーディングを実施する。グローシェーディングをする場合には、各頂点の色調情報に対し、入射光の強度、入射角、鏡面反射率、ハイライト特性係数、環境光強度、環境反射率等の要素を加味した演算式に基づき、頂点の色調を求める。そしてポリゴン中の任意点の色調を周囲の頂点の色調からの線形補間により計算する。また、フォンシェーディングをする場合には、各頂点の法線ベクトルを平均化し、ポリゴン中の任意点の法線ベクトルを周囲の頂点の法線ベクトルからの線形補間により求め、任意点の色調を演算式に基づき求める。
【0112】
なお、演算のパラメータを限定したり、演算式を簡素化したりすることで、演算をさらに簡単にしてもよい。逆に、演算能力の高い装置であれば、レイトレーシング法やラジオシティ法等を適用して、厳密なレンダリング演算を実施してもよい。
【0113】
これらの処理により、各ポリゴンの任意点における色調が定められ、その画像データが生成される。レンダリング手段3044は、全てのポリゴンに対してレンダリング処理を実行して、フレーム画像データを生成する。生成された画像データは出力画像記憶レイヤ3053に格納される。このようにして生成されたフレーム画像データによる表示画像は、一つのモデルについては、ポリゴンの向きや位置によって、光源状態が異なるため若干の輝度等の差があるものの、基礎となる単一の基本色が色調情報に統一的に反映されているので、モデル全体としては統一した基本色にカラーリングされて表示される。
【0114】
図9に、仮想三次元空間に配置されたモデルと投影面との模式図を示す。
図9に示すように、仮想三次元空間に設定された視点Cを基準として透視投影変換の結果、仮想三次元空間が投射される投影面600が得られる。仮想三次元空間に、モデリング処理によりモデル500及び510が配置されているものとする。モデル500が透視投影変換で投影面600に投影されることにより、モデル画像602となっている。また、モデル510が投影面600に投影されることにより、モデル画像612になっている。モデル500とモデル510とはそれぞれ異なる基本色情報が与えられ、異なる色調を有するようになっている。各モデルの色調は、例えば、図10や図11に示されたシーケンスで経時的に変化していくものである。
【0115】
(表示制御部306)
表示制御部306は、画像データ記憶部305の出力画像データ記憶レイヤ3053に記憶されているフレーム画像データを描画タイミングごとに読み出して演出表示装置40に転送する。この転送されたフレーム画像データに基づいて演出表示装置40は、表示領域にフレーム画像データに対応する画像を表示する。
【0116】
(メイン制御基板における動作)
図6は、メイン制御基板50による制御を示すフローチャートである。
図6において、遊技者によってメダルが投入され、スタートスイッチ41が操作されると、制御部101は、スタートスイッチ41がオンになったことを検知し、役抽選部103は役の抽選処理を行う(ステップS101/YES、ステップS102)。一方、遊技者によりスタートスイッチ41が操作されず、スタートスイッチ41がオンとなったことを検知できなかった場合は、制御部101は、スタートスイッチ41がオンとなったことを検知するまでステップS101の処理を繰り返し実行する。
【0117】
ステップS102の役抽選処理においては、役抽選部103は、乱数を取得し、取得した乱数と抽選テーブルとを照らし合わせて役の抽選処理を行う。抽選の結果、何らかの役の当選があった場合、フラグ情報記憶部105内において当役のフラグをオンにさせる。役抽選部103による抽選結果は、当選役情報としてI/F回路54を介してサブ制御基板60に送信される(ステップS103)。
【0118】
リール制御部106は、ストップスイッチ群42の何れか1個が操作されたか否かを判断する(ステップS104)。何れか1個のストップスイッチが操作されると(ステップS104/YES)、当選役が入賞可能となるようなリール制御を行って、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転を停止させる(ステップS105)。
【0119】
なお、ステップS102の役抽選処理において何れの役にも当選していなかった場合は(「ハズレ」に当選した場合)、リール制御部106は、ステップS105において何れの役にも当選しなかった場合に対応するリール制御を行う。
【0120】
続いて、リール制御部106は、全てのストップスイッチが操作され、全リールが停止したか否かを判断する(ステップS106)。全リールが未だ停止していない場合には(ステップS106/NO)、ステップS104におけるストップスイッチ操作の有無の検出処理からの処理を繰り返す。
【0121】
全てのリールが停止すると(ステップS106/YES)、入賞判定部107は、有効化された有効ライン上に並んでいる図柄の組合せに基づいて入賞の有無を判断する(ステップS107)。この結果、何らかの入賞がある場合には(ステップS107/YES)、入賞した役に対応する入賞処理が実行される(ステップS108)。
【0122】
入賞役が「特別役」である場合、次の遊技から所定の終了条件が満たされるまでの間「特別遊技」を実行するための移行処理を遊技状態制御部108が行う。
一方、ステップS107において、何も入賞がないと判断された場合には(ステップS107/NO)、処理はステップS101に戻る。
【0123】
続いて、遊技状態制御部108は、「特別遊技」中において、「特別役」であるビッグボーナスゲーム又はレギュラーボーナスゲームに応じた遊技状態を遊技者に提供するよう、リール制御部106に「特別遊技」中のリール制御を行わせたり、サブ制御基板60に「特別遊技」用の演出を行わせたりする。ビックボーナスゲーム又はレギュラーボーナスゲームの規定回数の遊技を終えると、「通常遊技」に移行する処理を行う。
【0124】
入賞役が「特別役」でない場合、フラグ情報記憶部105において特別役のフラグがオンの状態で記憶されていれば、フラグ情報記憶部105でのそのフラグの記憶状態は次の遊技に持ち越される。
【0125】
また、入賞役が「リプレイ」である場合、入賞判定部107は、制御部101に対して当遊技でのベット(賭数)を次の遊技に持ち越させる。一方、入賞役が「特別役」でも「リプレイ」でもない場合には、払出制御部109が入賞役に応じた枚数のメダルの払い出しをホッパ装置93に行わせる。
【0126】
(サブ制御基板における動作)
次に、サブ制御基板60の動作について説明する。
図7は、サブ制御基板60による制御を示すフローチャートである。
【0127】
図7において、まず、演出パターン選択部201は、メイン制御基板50のからの演出パターンを読み取り、演出制御部202に転送する(ステップS201)。次にステップS202に移行し、演出制御部202の画像制御部301は、描画タイミングになっているか否かを判定する。まだ描画タイミングでない場合(NO)、ステップS211に移行し、表示制御部306は、前回の描画タイミングにおけるフレーム画像データに基づく表示制御を続行する。
【0128】
ここで、描画タイミングは、次回のフレーム画像データの更新処理に間に合う所定のタイミングであり、システムによって適宜定められるものである。なお、描画タイミングは、フレーム期間ごととする他、1以上のフレーム期間おきに設定してもよい。
【0129】
ステップS202において描画タイミングとなった場合(YES)、画像制御部301は、ステップS203に移行し、本発明に係る基本色変動処理フラグがオンになっているか否かを点検する。基本色変動処理フラグがオンになっていない場合(NO)、すなわち本発明の基本色変動処理を実施しない場合には、ステップS211に移行し、表示制御部306は表示制御をする。
【0130】
一方、ステップS203において、基本色変動処理フラグがオンになっている場合(YES)、ステップS204に移行し、画像データ生成部304のモデル配置手段3041は、モデルデータ記憶部3031からモデルデータを読み取り、各ポリゴンの頂点座標にモデリング変換演算を実行して、ワールド座標系におけるポリゴン座標を決定していく。決定したポリゴンの頂点座標は、配置情報記憶レイヤ3051に順次格納されていく。
【0131】
次いでステップS205において、画像データ生成部304の基本色変動手段3042は、処理対象となっているモデルが、基本色を変動させる対象モデルであるか否かを判定する。基本色変動の対象モデルでない場合には、ステップS209に移行し、レンダリング手段3044は通常のモデルのためのレンダリング処理を実施する。
【0132】
一方、ステップS205において、処理対象モデルが基本色変動の対象モデルであった場合(YES)、ステップS206に移行し、基本色変動手段3042は、基本色情報記憶部3032に格納された基本色情報を参照する。基本色変動パターンが、図10や図11における変動シーケンスに基づく場合、基本色変動手段3042は、次の描画タイミングにおける色相、彩度、輝度(明度)をモデルごとに特定していくことになる。そして、ステップS207に移行し、色調情報変更手段3042は、モデルごとに、モデルを構成するポリゴンの頂点の各々に対する色調情報を一律に変更していく。この処理により、例えば基本色が「青」であれば、全てのポリゴンに「青」の色調が割り当てられる。そして、ステップS208において、色調情報変更手段3042は、演算された色調情報を頂点情報の一部として色調情報記憶レイヤ3052に記憶する。ここまでの処理で、モデル毎の色調が決定される。
【0133】
このような色調設定が完了したら、ステップS209において、画像データ生成部304のレンダリング手段3044は、レンダリング処理を実行する。まずレンダリング手段3044は、ビューイング変換を実行する。次いで正規化変換を実行し、続いて透視投影変換を実行する。そして必要な隠線消去処理、隠面消去処理を実行する。
【0134】
次いで、レンダリング手段3044は、光源・視点情報記憶部3033から光源情報を読み出す。テクスチャデータが存在する場合には、ポリゴン単位でテクスチャデータ記憶部3032からテクスチャデータを読み出す。そしてシェーディング処理を各ポリゴンに対して実施して画像データを生成する。そして、ステップS210において、レンダリング手段3044は、生成されたフレーム画像データを出力画像記憶レイヤ3053に出力する。最後に、ステップS211において、表示制御部306は、出力画像記憶レイヤ3053に記憶されたフレーム画像データを演出表示装置40に出力する。
【0135】
(本実施形態1の利点)
本実施形態1によれば、次のような利点がある。
(1)本実施形態では、モデル毎に基本色情報に対応させて色調変化が可能に構成されている。このため、プログラムデザイナーは、モデル毎の基本色を一つ定めれば、そのモデル全体の色調を簡単に設定することができる。
【0136】
(2)また本実施形態では、モデルがサーフェスモデルで定義されているため、比較的少ない演算負荷で色調変化を表現できる。
【0137】
(3)また本実施形態では、基本色情報により決定される色調は、モデル毎に異なるように変動制御されるので、モデルの特徴や位置等に応じた多彩な色を表示することができる。
【0138】
(4)特に本実施形態1によれば、図10や図11のような変動シーケンスに従ってモデルの色調が連続的に変動するように変動制御されるので、自然な色変わりを表現可能である。よって、モデルの基本色がシーケンシャルに変化していくという興趣に富んだ画像表示を提供可能である。
【0139】
(実施形態2)
本発明の実施形態2は、モデルの基本色変動を遊技機の抽選結果に連動させるようにしたものである。
【0140】
本実施形態2における遊技機の構成は、実施形態1で説明したものと同じであるため、その説明を省略する。ただし、メイン制御基板50からは、役抽選部103による抽選結果が全てサブ制御基板60に転送されてくるものとし、演出パターン選択部201経由でこの抽選結果を受け取る演出制御部202の基本色変動手段3042は、抽選結果に応じて、モデルの基本色を決定可能に構成されている。
【0141】
すなわち、基本色変動手段3042は、抽選結果が、「リプレイ」であるか、「特別役」であるか、「小役」であるか、に応じて、一つの基本色を決定するように構成されている。また、抽選結果が「ハズレ」であっても、その期待度に応じて基本色を決定するようになっている。例えば、リール群31の並びにおいて、有効ライン群22のいずれの有効ラインにも同じ図柄が並ばないならば、期待値が少ないことを示す基本色を定める。またいずれか一つの有効ラインに2つの同じ図柄が並ぶならば、いわゆるリーチ状態として期待値が若干上がったことを示す基本色を定める。さらに2つ以上の有効ラインに同じ図柄がそれぞれ並ぶならば、いわゆるダブルリーチ状態として、更に期待値が上がったことを示す基本色を定める。表1にこのような基本色の割付例を示す。
【表1】

このようにして決定された基本色は、色調変更手段3043によって各モデルを構成するポリゴンの頂点における色調情報として更新される。そしてレンダリング手段3044によって、視覚的に認識される色調として画像表示される。
演出表示装置40の表示画像を観察する遊技者は、モデルの色調変化によって、現在のゲームにおける期待値を認識することになる。
【0142】
以上、本実施形態2によれば、上記実施形態1と同様の作用効果を奏する他、モデル単位に変更される色調が抽選結果に対応しているので、モデルの色調変化が抽選結果の予告をしていることになり、遊技者の興趣を増すことができる。
【0143】
(変形例)
本発明は、上記に限定されることなく種々に変形して実施することが可能である。
(1)例えば、上記実施形態では、サーフェスモデルのモデル(ポリゴン)に対して、本発明の基本色変動処理を適用したが、これに限定されない。例えば、スイープ、スキン、スケルトン、旋回、パーティクル、ブーリアン演算、ボーン、マッスル、メタボール等で定義されるモデルに対して本発明を適用することは可能である。
【0144】
(2)また、上記実施形態では、サーフェスモデルの多角形に平面ポリゴンを適用したが、曲面(ベジエ曲面、Bスプライン曲面、NURBS曲面等)に適用してもよい。
【0145】
また、上記実施形態では、スムーズシェーディングによって色調データを生成していたが、ポリゴンに対して一つ色調を設定するフラットシェーディングによるものとしてもよい。
【0146】
(3)また、上記実施形態では、ポリゴンの色調が一つの色調情報によって決定されるとの前提で、基本色情報に応じて色調情報を変更していたが、これに限定されない。例えば、ポリゴンに、無彩色かつ所定の輝度の色調(白)の第1の色調情報が基本的に設定しておくものとし、それに加えて、基本色情報に対応した有彩色を指定する第2の色調情報が別途設定されるものとしてもよい。この場合、第1の色調情報で指定される色調と第2の色調情報で指定される色調とが合成されてレンダリングすることになる。
【0147】
(4)また、上記実施形態では、遊技機に本発明を適用したが、これに限定されず、この画像処理装置・方法に関するプログラムを実行可能なコンピュータを備える装置一般に適用することが可能である。例えば、ゲーム装置やシミュレーション装置などに本発明を適用可能である。
【0148】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】本発明の実施形態に係るスロットマシンの正面図
【図2】本発明の実施形態に係るスロットマシンのシステム構成を示すブロック図
【図3】メイン制御基板の機能的な構成を示す機能ブロック図
【図4】サブ制御基板の機能的な構成を示す機能ブロック図
【図5】演出制御部の詳細な機能ブロック図
【図6】メイン制御基板による制御を示すフローチャート
【図7】実施形態におけるサブ制御基板の照明処理を示すフローチャート
【図8】ポリゴンと各頂点座標との関係図
【図9】仮想三次元空間におけるモデル配置と表示領域との関係を説明する概略図
【図10】基本色情報の変動設定例であり、色相を変動させる場合の例
【図11】照明の色調の変動設定例であり、彩度を変動させる場合の例
【符号の説明】
【0150】
10 スロットマシン
21 表示窓
31 リール
31L 左リール
31C 中リール
31R 右リール
40 演出表示装置
50 メイン制御基板
51 メインCPU
52、62 ROM
53、63 RAM
54、69 I/F回路
60 サブ制御基板
101 制御部
102 抽選テーブル
103 役抽選部
105 フラグ情報記憶部
106 リール制御部
107 入賞判定部
108 遊技状態制御部
201 演出パターン選択部
202 演出制御部
301 画像制御部
302 音制御部
3031 モデルデータ記憶部
3032 基本色情報記憶部
3033 光源・視点情報記憶部
3034 テクスチャデータ記憶部
304 画像データ生成部
3041 モデル配置手段
3042 基本色変動手段
3043 色調変更手段
3044 レンダリング手段
305 画像データ記憶部
3051 配置情報記憶レイヤ
3052 色調情報記憶レイヤ
3053 出力画像記憶レイヤ
306 表示制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想三次元空間に1以上のモデルを配置するモデル配置手段と、
モデルごとに対応付けられた基本色情報を変動させる基本色変動手段と、
該基本色情報に対応させて該モデルの色調を決定する色調情報を変更する色調情報変更手段と、
該色調情報に対応した色調に該モデルをレンダリングするレンダリング手段と、
を備えたことを特徴とする画像生成装置。
【請求項2】
前記モデルは、複数の多角形の集合により定義されるサーフェスモデルであり、
前記色調情報は、該多角形の各々に対して設定される、
請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項3】
前記モデルを構成する前記多角形の各々には、無彩色かつ所定の輝度の表面色をレンダリングするための前記色調情報が設定されており、
前記色調情報変更手段は、前記基本色情報に対応させて各前記多角形の前記色調情報を一時に変更するように構成されている、請求項2に記載の画像生成装置。
【請求項4】
前記モデルの色調が連続的に変動するように前記基本色情報が変動制御される、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像生成装置。
【請求項5】
前記基本色情報により決定される色調は、前記モデル毎に異なるように変動制御される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像生成装置。
【請求項6】
抽選結果に応じて遊技の進行を変化させる遊技機であって、
仮想三次元空間に1以上のモデルを配置するモデル配置手段と、
該抽選結果に対応させて、モデルごとに対応付けられた基本色情報を変動制御する基本色変動制御手段と、
該基本色情報に対応させて該モデルの色調を決定する色調情報を変更する色調情報変更手段と、
該色調情報に対応した色調に該モデルをレンダリングするレンダリング手段と、
を備えたことを特徴とする画像生成装置。
【請求項7】
コンピュータに、
仮想三次元空間に1以上のモデルを配置する機能と、
モデルごとに対応付けられた基本色情報を変動制御する機能と、
該基本色情報に対応させて該モデルの色調を決定する色調情報を変更する機能と、
該色調情報に対応した色調に該モデルをレンダリングする機能と、
を実行させるための画像生成プログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
仮想三次元空間に1以上のモデルを配置する機能と、
所定の抽選結果に対応させて、モデルごとに対応付けられた基本色情報を変動制御する機能と、
該基本色情報に対応させて該モデルの色調を決定する色調情報を変更する機能と、
該色調情報に対応した色調に該モデルをレンダリングする機能と、
を実行させるための画像生成プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−257378(P2007−257378A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−81775(P2006−81775)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】