説明

画像生成装置及び情報記憶媒体

【課題】 飛翔物の判定ゾーンの通過の判定基準をプレーヤに効果的に認識させることができる画像生成装置及び情報記憶媒体を提供すること。
【解決手段】 オブジェクト空間内の所与のフィールド24上を飛翔する飛翔物26が所与の判定ゾーン20を通過したか否かを判定する。飛翔物26が判定ゾーン20を通過したと判定した場合に、この判定を下した際の基準となった判定基準ポイントを知らせるマーカー30を表示する。判定エリア22と飛翔物26の2次元座標位置27の軌跡28との交点にマーカー30を表示する。或いは判定エリア22の透視投影エリア34と飛翔物26の透視投影点の軌跡との交点にマーカー30を表示する。野球ゲームでは、ストライクと判定した場合に影をホームベース上に残す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オブジェクト空間内の所与の視点での視界画像を生成するための画像生成装置及び情報記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、仮想的な3次元空間であるオブジェクト空間内に複数のオブジェクトを配置し、所与の視点での視界画像を生成する画像生成装置が知られており、いわゆる仮想的な現実感を体感できるものとして人気が高い。
【0003】
野球ゲームを楽しめる画像生成装置を例にとれば、プレーヤは、画面上の打者ゲームキャラクタ等を操作し、投手ゲームキャラクタから投げ込まれたボールを画面に映し出されるバットで打ち返すことでゲームを楽しむ。この画像生成装置によれば、野球を実際にプレイしているような感覚をプレーヤに対して与えることができる。
【0004】
さて、この種のゲームでは、投手ゲームキャラクタから投げ込まれたボールがストライクゾーンを通過したか否かを判定する必要がある。そして、通常は、ボールのフィールド上での2次元位置がホームベースを横切ったか否か等の判定基準に基づいて、コンピュータが、ストライク、ボールの判定を下すことになる。
【0005】
しかしながら、このボールは3次元のオブジェクト空間内を飛んでくるものであり、プレーヤは、このボールをヒットすべくボールの画像に目を集中させている。従って、ボールのフィールド上での2次元位置がホームベースを横切ったか否か等をプレーヤが認識することは難しい。このため、コンピュータがどのような判定基準でストライクか否かを判定したのかを、プレーヤが認識するのは極めて困難であった。この結果、プレーヤが判定に不満や疑問を抱いたり、判定基準がプレーヤにとって曖昧になりゲームへのプレーヤの没入度等が損なわれるなどの問題があった。
【特許文献1】特開平8−36651号公報
【特許文献2】特開平8−24441号公報
【特許文献3】特開昭61−294312号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、飛翔物の判定ゾーンの通過の判定基準をプレーヤに効果的に認識させることができる画像生成装置及び情報記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、オブジェクト空間内の所与の視点での視界画像を生成する画像生成装置であって、オブジェクト空間内の所与のフィールド上を飛翔する飛翔物が所与の判定ゾーンを通過したか否かを判定するための処理を行う手段と、前記飛翔物が前記判定ゾーンを通過したと判定した場合に、該判定を下した際の基準となった判定基準ポイントを知らせるマーカーを表示するための処理を行う手段と、前記飛翔物の画像を含む視界画像を生成する手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、オブジェクト空間内をボールなどの飛翔物が飛翔する。そしてこの飛翔物が、例えば野球ゲームにおけるストライクゾーンなどの判定ゾーンを通過したか否かが判定される。そして通過したと判定された場合に、その判定基準ポイントを知らせるためのマーカーが表示される。オブジェクト空間内を飛翔する飛翔物の判定ゾーンの通過の判定をどのような基準に基づき下したのかを、視界画像を見る例えばプレーヤ等が認識するのは一般的に困難である。しかしながら、本発明によれば、判定基準ポイントを知らせるためのマーカーが表示される。このためプレーヤは、判定基準を容易に且つ明確に認識することができる。
【0009】
また本発明は、前記判定ゾーンが前記フィールド上の所与の判定エリアにより規定される場合において、該判定エリアと、前記飛翔物の前記フィールド上での2次元座標位置の軌跡とが交わる場所に、前記マーカーを表示することを特徴とする。本発明では、判定ゾーンの大きさや位置などが、例えば野球ゲームおけるホームベースに相当する判定エリアにより規定されている。そして、判定基準ポイントを知らせるためのマーカーが、この判定エリアと、飛翔物の2次元座標位置の軌跡が交わる場所に表示される。これにより現実世界の事象に近い判定基準で飛翔物の判定ゾーンの通過の可否を判定する場合にも、プレーヤ等は、この判定基準を容易に且つ明確に認識することができる。
【0010】
また本発明は、前記飛翔物の飛翔に追従させて前記飛翔物の影を前記フィールド上で移動させると共に、該影が前記判定エリアと交わった場合に、該影を前記マーカーとして前記判定エリア上に残すことを特徴とする。このようにすれば、飛翔物の影をマーカーとして利用することができる。これにより、影以外の特別な表示物を用意することなくマーカーを表示することができ、処理の簡易化を図れると共に、より自然な画像表現が可能となる。
【0011】
また本発明は、前記判定ゾーンが前記フィールド上の所与の判定エリアにより規定される場合において、該判定エリアをスクリーン上へ透視投影したエリアと、前記飛翔物をスクリーン上へ透視投影した点の軌跡とが交わる場所に、前記マーカーを表示することを特徴とする。本発明によれば、判定エリアの透視投影エリアと飛翔物の透視投影点が交わるか否かという判定基準で、飛翔物の判定ゾーンの通過の可否が判定される。これによりプレーヤ等が理解しやすく納得しやすい判定基準で判定を下すことができる。
【0012】
また本発明は、前記飛翔物が野球ゲームにおけるボールであり、前記判定ゾーンがストライクゾーンであり、前記判定エリアがホームベースであることを特徴とする。これにより、野球ゲームにおけるストライク、ボールの判定基準をプレーヤに容易に且つ明確に認識させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0014】
まず本実施例の原理について説明する。
【0015】
本実施例では、野球のボールなどの飛翔物が、オブジェクト空間内の所与のフィールド上を飛翔する。そして、この飛翔物が、野球ゲームにおけるストライクゾーンなどの所与の判定ゾーンを通過したか否かを判定する。そして、飛翔物が上記判定ゾーンを通過したと判定した場合に、その判定を下した際の基準となった判定基準ポイントを知らせるマーカーを表示する。より具体的には、例えば図1(A)、(B)に示すような手法を採用する。
【0016】
図1(A)では、判定ゾーン20の位置、大きさ等は、野球ゲームにおけるホームベースなどの所与の判定エリア22により規定されている。そしてこの判定エリア22と、飛翔物26のフィールド24上での2次元座標位置27の軌跡28とが交わる場所に、マーカー30を表示している。
【0017】
さて現実世界の野球においてはボールのフィールド上での2次元位置がホームベースを横切ったか否かという判定基準でストライクかボールかを判定する。従って野球ゲームにおいても、より現実世界に近いゲーム世界の構築のためには、上記判定基準でストライクか否かを判定することが望ましい。
【0018】
しかしながら野球ゲームにおいては、ボールは3次元のオブジェクト空間内を飛翔するため、ボールの2次元位置がホームベースを横切った否かをプレーヤが認識するのは非常に困難である。この場合、上記困難性を軽減すべく、ボールの影を表示する手法を採用することもできる。しかし、ゲームプレイの際、プレーヤは、ボールを上手くヒットすべくボールに目を集中させているため、上記影の存在に対してはあまり注意を払わない。このため、ボールの影を表示しても、上記困難性は、あまり軽減されない。
【0019】
このように、ボールの2次元位置がホームベースを横切ったか否かという判定基準を、プレーヤが認識することは困難である。このため、このような判定基準でコンピュータがストライク、ボールの判定を下すと、プレーヤが判定結果に不満や疑問を抱いたり、プレーヤのゲームへの没入度等が損なわれる。
【0020】
本実施例によれば、図1(A)に示すように、コンピュータがどのような判定基準で判定したのかをプレーヤが知るためのマーカー30が表示される。従って、判定基準、即ち図1(A)の場合には飛翔物26の2次元位置27の軌跡28が判定エリア22と交わるか否かという判定基準を、プレーヤは容易に且つ明確に認識できる。このため、プレーヤの判定結果に対する不信度を軽減でき、ゲームへのプレーヤの没入度、熱中度を高めることができる。
【0021】
一方、図1(B)の手法では、図1(A)と異なり、判定エリア22をスクリーン32上へ透視投影したエリア34と、飛翔物26をスクリーン32上へ透視投影した点の軌跡とが交わる場所に、マーカー30を表示している。
【0022】
前述したように、現実世界においては、ボールのフィールド上での2次元位置がホームベースを横切ったか否かという判定基準でストライクか否かを判定する。従って、現実世界により近いゲーム世界の構築のためには、野球ゲームにおいても上記判定基準によりストライクか否かを判定することが望ましい。
【0023】
しかしながら、野球ゲームにおいてプレーヤが実際に見るものは、視点31において見える画像であり、スクリーン32に透視投影された画像である。従って野球ゲームの世界においては、現実世界の判定基準を採用せず、ホームベースの透視投影画像とボールの透視投影画像とが交わった場合にストライクと判定した方が、プレーヤにとって理解しやすい場合もある。そこで、そのような場合には図1(B)に示す手法を採用する。即ち判定エリア22を透視投影したエリア34と、飛翔物26を透視投影した点の軌跡とが交わった場合にストライクと判定し、その交わった場所に、マーカー30を表示する。この手法は、現実世界とは異なる判定基準を採用するため、ゲームのリアル性は損なわれるが、判定基準がプレーヤにとって理解しやすく、ゲームの操作容易性を向上できるという利点を持つ。
【0024】
図2に本実施例に係る画像生成装置の機能ブロック図の一例を示す。ここで操作部10は、プレーヤからの操作情報を入力するためのものであり、操作部10にて得られた操作情報は処理部100に入力される。処理部100は、この操作情報と、所与のプログラム等に基づいて、表示物を表すオブジェクトが複数配置されて成るオブジェクト空間を設定する処理等を行うものであり、例えばCPU、メモリなどのハードウェアにより構成される。画像生成部200は、この設定されたオブジェクト空間内の所与の視点にて見える視界画像を生成する処理を行うものであり、例えばCPU、DSP、画像生成専用のIC、メモリなどのハードウェアにより構成される。画像生成部200により得られた視界画像は表示部12において表示される。
【0025】
ここで処理部100は、判定処理部110、マーカー表示処理部120を含む。ここで判定処理部110は、オブジェクト空間内の所与のフィールド上を飛翔する飛翔物が所与の判定ゾーンを通過したか否かを判定するための処理を行う。またマーカー表示処理部120は、飛翔物が判定ゾーンを通過したと判定した場合に、この判定を下した際の基準となった判定基準ポイントを知らせるマーカーを表示するための処理を行う。
【0026】
図3(A)〜図5(B)に本実施例により生成される視界画像の例を示す。
【0027】
図3(A)は、投手ゲームキャラクタ40が打者ゲームキャラクタ42に対してボール44を投げている場面の視界画像である。この時、本実施例では、ボール44の移動に追従して影46をフィールド上で移動させており、この影46の位置座標は、ボール42の2次元位置座標と一致している。
【0028】
図3(B)は、ボール44が更に打者ゲームキャラクタ42に近づいた場面の視界画像である。この時、ボール44の2次元位置はホームベース48を横切っている。即ちボール44の影46がホームベース48上にある。従って、この場合には、現実世界のストライクの判定基準を採用して、ストライクと判定する。
【0029】
このようにストライクと判定した場合に、本実施例では、図4(A)に示すようにホームベース48上に影46を残す。この残った影46は、コンピュータのストライク、ボールの判定基準をプレーヤに知らせるためのマーカーとなるものである。一方、投手ゲームキャラクタ40の投球がボールと判定された場合には、図4(B)に示すように影46はホームベース48上に残らない。
【0030】
図3(A)、(B)のようにボール44が飛んできた時に、プレーヤの目はボール44に集中している。従って、影46の存在にはほとんど注意が行き届かない。またボール44及び影46は共にかなりのスピードと飛んでくるため、影46がホームベース48上のどの場所を通ったかについてはプレーヤはほとんど認識できない。従って、ホームベース48上に影46が残らないこれまでの手法では、飛んできたボール44がなぜストライクなのか或いはなぜボールなのかをプレーヤが認識できない状態でゲームが進んで行ってしまう。
【0031】
これに対して本実施例では、図4(A)に示すように、ストライクの判定を下した際のホームベース48上の判定基準ポイントに影46を残す。この残った46を見たプレーヤは、この判定基準ポイントを影が通過したためコンピュータがストライクと判定したということを容易に認識できる。即ちプレーヤはコンピュータの判定基準を容易に認識できる。従って、ストライク、ボールの判定に対してプレーヤが持つ不満や疑問を解消できる。またストライク、ボールの判定基準の曖昧さが解消され、ゲームへのプレーヤの没入度、熱中度を格段に高めることができる。
【0032】
なお図3(A)〜図4(B)では、ボール44の2次元位置に影46が配置されている。しかしながら、光源が真上に無いと仮定して、ボール44の2次元位置と影46の位置とを異ならせることも可能である。そしてこの場合には、影46以外の他のマーカーをホームベース48上に残すようにすればよい。
【0033】
図5(A)、(B)は、図1(B)に示す手法によりマーカーを残す場合の視界画像の例である。この手法では、ボール44の透視投影画像がホームベース48の透視投影画像を横切った否かでストライク、ボールの判定を行っており、図5(A)では横切っているためストライクと判定されている。そして図5(B)に示すように、ボール44の透視投影画像とホームベース48の透視投影画像が交わった場所にマーカー50を表示する。このマーカー50を見ることで、プレーヤは判定基準を明確に把握できる。
【0034】
現実世界の事象の忠実な再現を試みる場合には、影46(より正確にはボール44の2次元位置)がホームベース48を横切ったか否かでストライク、ボールを判定すべきである。しかしながら、実際にプレーヤが見るのは、スクリーン上への透視投影画像である。従って図5(A)、(B)に示すように、ボール44の透視投影画像がホームベース48の透視投影画像を横切ったか否かでストライク、ボールを判定するという判定基準の方が、プレーヤにとって分かりやすく、プレーヤも納得しやすい。そしてこの場合にも、本実施例では、図5(B)に示すように判定の基準となったポイントにマーカー50が残される。従って、この残されたマーカー50を見ることでプレーヤは、ボール44の透視投影画像がホームベース48の透視投影画像を横切ったか否かという上記判定基準でコンピュータが判定を下したということを、容易に理解できる。このため判定に対してプレーヤが持つ不満や疑問を解消できると共にゲームへのプレーヤの没入度等を格段に高めることができる。
【0035】
なおホームベース上に影などのマークを残す場合、打者ゲームキャラクタ42がボール44をヒットしたか否かに関わらずマークを残すようにしてもよいし、ストライク、ボールの判定前にヒットされた場合等にはマークを残さないようにしてもよい。ボールのヒットの如何に関わらずマークを残せば、どのコースのボールをヒットしたのかをプレーヤに知らせることができるという利点がある。
【0036】
次に本実施例の動作の一例について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0037】
まずボールを例えば1フレーム分の移動量だけ移動させる処理を行う(ステップS1)。この場合のボールの1フレーム分の移動量は、投手ゲームキャラクタの各々が持つ能力情報、プレーヤの選んだ球種、風向き情報などに基づいて決められる。
【0038】
次にボールをキャッチャーが捕球したか否かが判断され(ステップS2)、捕球していない場合にはボールのZ座標がホームベース上にあるか否かが判断される(ステップS3)。
【0039】
本実施例における座標設定は図7(A)に示すようになっている。即ち投手ゲームキャラクタ40の位置とホームベース48の中心とを結ぶ方向にZ座標が設定され、このZ座標に直交する方向にX座標が設定される。また高さ方向にY座標が設定される。従ってボール44の座標が(X、Y、Z)である場合には影46の座標は(X、0、Z)になる。
【0040】
ボールのZ座標がホームベース上にあるか否かは例えば次のようにして判断する。即ち図7(B)に示すように、ホームベース48の頂点V1〜V4の各座標が、V1(a、0、b)、V2(−a、0、b)、V3(−a、0、−b)、V4(a、0、−b)である場合に、ボールのZ座標が下式を満たすか否かで判断する。

|Z|<2b (1)

ボールのZ座標がホームベース上にないと判断された場合にはステップS1に戻り、ボールを1フレーム分の移動量だけ再度移動させる。一方、ボールのZ座標がホームベース上にあると判断された場合には、今度はボールのX座標がホームベース上にあるか否かを判断する(ステップS4)。これは、ボールのX座標が下式を満たすか否かで判断する。

|X|<2a (2)

X座標がホームベース上にない場合にはステップ1に戻る。一方、X座標がホームベース上にある場合には、ホームベース上に既に影残りがあるか否かを判断し(ステップS5)、無い場合は図4(A)に示すようにホームベース48上に影46を残す(ステップS6)。影残りを表示した後、ステップ1に戻り、再度ボールを移動させる。そしてボールが移動しキャッチャーに捕球されると、例えば図4(A)のEに示すようなストライク・ボールの判定表示を行う(ステップS7)。
【0041】
なお図6では、ボールのY座標、即ちボールの高さについてはチェックしていないが、これをチェックするようにしてもよい。また図1(B)、図5(A)、(B)に示す手法でストライク判定、マーカー表示を行う場合には、ボールがホームベース上にあるか否かをスクリーン座標系において判定し、スクリーン座標系でのマーカーの表示位置を決めればよい。
【0042】
次に、本実施例を実現できるハードウェアの構成の一例について図8を用いて説明する。同図に示す装置では、CPU1000、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006、音生成IC1008、画像生成IC1010、I/Oポート1012、1014が、システムバス1016により相互にデータ送受信可能に接続されている。そして前記画像生成IC1010にはディスプレイ1018が接続され、音生成IC1008にはスピーカ1020が接続され、I/Oポート1012にはコントロール装置1022が接続され、I/Oポート1014には通信装置1024が接続されている。
【0043】
情報記憶媒体1006は、プログラム、表示物を表現するための画像情報、音情報等が主に格納されるものであり、CD−ROM、ゲームカセット、ICカード、DVD、MO、FD、メモリ等が用いられる。例えば家庭用ゲーム装置ではゲームプログラム等を格納する情報記憶媒体としてCD−ROM、ゲームカセット、DVD等が用いられる。また業務用ゲーム装置ではROM等のメモリが用いられ、この場合には情報記憶媒体1006はROM1002になる。
【0044】
コントロール装置1022はゲームコントローラ、操作パネル等に相当するものであり、プレーヤがゲーム進行に応じて行う判断の結果を装置本体に入力するための装置である。
【0045】
情報記憶媒体1006に格納されるプログラム、ROM1002に格納されるシステムプログラム(装置本体の初期化情報等)、コントロール装置1022によって入力される信号等に従って、CPU1000は装置全体の制御や各種データ処理を行う。RAM1004はこのCPU1000の作業領域等として用いられる記憶手段であり、情報記憶媒体1006やROM1002の所与の内容、あるいはCPU1000の演算結果等が格納される。またテーブルデータ等の論理的な構成を持つデータ構造は、このRAM又は情報記憶媒体上に構築されることになる。
【0046】
更に、この種の装置には音生成IC1008と画像生成IC1010とが設けられていてゲーム音やゲーム画像の好適な出力が行えるようになっている。音生成IC1008は情報記憶媒体1006やROM1002に記憶される情報に基づいて効果音やバックグラウンド音楽等のゲーム音を生成する集積回路であり、生成されたゲーム音はスピーカ1020によって出力される。また、画像生成IC1010は、RAM1004、ROM1002、情報記憶媒体1006等から送られる画像情報に基づいてディスプレイ1018に出力するための画素情報を生成する集積回路である。なおディスプレイ1018として、いわゆるヘッドマウントディスプレイ(HMD)と呼ばれるものを使用することもできる。
【0047】
また、通信装置1024はゲーム装置内部で利用される各種の情報を外部とやりとりするものであり、他のゲーム装置と接続されてゲームプログラムに応じた所与の情報を送受したり、通信回線を介してゲームプログラム等の情報を送受することなどに利用される。
【0048】
そして図1〜図7(B)で説明した種々の処理は、所与の処理を行うプログラムを格納した情報記憶媒体1006と、該プログラムに従って動作するCPU1000、画像生成IC1010、音生成IC1008等によって実現される。なお画像生成IC1010、音生成IC1008等で行われる処理は、CPU1000あるいは汎用のDSP等によりソフトウェア的に行ってもよい。
【0049】
図9(A)に、本実施例を業務用ゲーム装置に適用した場合の例を示す。プレーヤは、ディスプレイ1100上に映し出されたゲーム画像を見ながら、レバー1102、ボタン1104等を操作してゲームを楽しむ。装置に内蔵されるシステム基板1106には、CPU、画像合成IC、音合成IC等が実装されている。そしてオブジェクト空間内の所与のフィールド上を飛翔する飛翔物が所与の判定ゾーンを通過したか否かを判定するための処理を行うための情報、前記飛翔物が前記判定ゾーンを通過したと判定した場合に、該判定を下した際の基準となった判定基準ポイントを知らせるマーカーを表示するための処理を行うための情報、前記飛翔物の画像を含む視界画像を生成するための情報、前記判定ゾーンが前記フィールド上の所与の判定エリアにより規定される場合において、該判定エリアと、前記飛翔物の前記フィールド上での2次元座標位置の軌跡とが交わる場所に、前記マーカーを表示するための情報、該判定エリアをスクリーン上へ透視投影したエリアと、前記飛翔物をスクリーン上へ透視投影した点の軌跡とが交わる場所に、前記マーカーを表示するための情報等は、システム基板1106上の情報記憶媒体であるメモリ1108に格納される。以下、これらの情報を格納情報と呼ぶ。これらの格納情報は、上記の種々の処理を行うためのプログラムコード、画像情報、音情報、表示物の形状情報、テーブルデータ、リストデータ、プレーヤ情報等の少なくとも1つを含むものである。
【0050】
図9(B)に、本実施例を家庭用のゲーム装置に適用した場合の例を示す。プレーヤはディスプレイ1200に映し出されたゲーム画像を見ながら、ゲームコントローラ1202、1204を操作してゲームを楽しむ。この場合、上記格納情報は、本体装置に着脱自在な情報記憶媒体であるCD−ROM1206、ICカード1208、1209等に格納されている。
【0051】
図9(C)に、ホスト装置1300と、このホスト装置1300と通信回線1302を介して接続される端末1304−1〜1304-nとを含むゲーム装置に本実施例を適用した場合の例を示す。この場合、上記格納情報は、例えばホスト装置1300が制御可能な磁気ディスク装置、磁気テープ装置、メモリ等の情報記憶媒体1306に格納されている。端末1304−1〜1304-nが、CPU、画像生成IC、音生成ICを有し、スタンドアロンでゲーム画像、ゲーム音を生成できるものである場合には、ホスト装置1300からは、ゲーム画像、ゲーム音を生成するためのゲームプログラム等が端末1304−1〜1304-nに配送される。一方、スタンドアロンで生成できない場合には、ホスト装置1300がゲーム画像、ゲーム音を生成し、これを端末1304−1〜1304-nに伝送し端末において出力することになる。
【0052】
なお本発明は、上記実施例で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。
【0053】
例えば上記実施例では野球ゲームに本発明を適用した場合について主に説明した。しかしながら本発明は、野球ゲームにおけるストライク判定に特に有効だが、それ以外の種々のゲームに適用可能である。例えば図10(A)に、本発明をサッカーゲームに適用した場合の例を示す。図10(A)では、ボール60の影62をライン上に残している。サッカーにおいてはボールがゴールラインを通過するとゴールキック等になり、サイドラインを通過するとスローイングになる。しかしながらボールが空中を飛んだ場合、ゴールラインの上を通過したのかサイドラインの上を通過したのかの判定が難しくなる。しかしながら図10(A)に示すように影62を残せば、その判定基準をプレーヤに効果的に認識させることが可能となる。また図10(B)に、本発明をラグビーゲームやアメリカンフットボールゲームに適用した場合の例を示す。図10(B)でも、ボール64の影66を残している。これによりペナルティキック等が成功したか否かの判定基準を、プレーヤに効果的に認識させることができる。
【0054】
また本発明の実現のためには、特に図1(A)、(B)に示す手法が効果的であるが、これらと均等な種々の手法を採用できる。
【0055】
また本発明は、家庭用、業務用のゲーム装置のみならず、シミュレータ、多数のプレーヤが参加する大型アトラクション装置、パーソナルコンピュータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を合成するシステム基板等の種々の装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1(A)、(B)は、本実施例の原理を説明するための図である。
【図2】本実施例の機能ブロック図の一例である。
【図3】図3(A)、(B)は、本実施例により生成される視界画像の一例である。
【図4】図4(A)、(B)も、本実施例により生成される視界画像の一例である。
【図5】図5(A)、(B)も、本実施例により生成される視界画像の一例である。
【図6】本実施例の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図7】図7(A)、(B)は、ストライク、ボールの判定処理について説明するための図である。
【図8】本実施例を実現するハードウェアの構成の一例を示す図である。
【図9】図9(A)、(B)、(C)は、本実施例が適用される種々の形態の装置について説明するための図である。
【図10】図10(A)、(B)は、本発明をサッカーゲーム、ラグビーゲーム、アメリカンフットボールゲームに適用した場合について説明するための図である。
【符号の説明】
【0057】
10 操作部
12 表示部
20 判定ゾーン
22 判定エリア
24 フィールド
26 飛翔物
27 飛翔物の2次元座標位置
28 軌跡
30 マーカー
31 視点
32 スクリーン
34 判定エリアの透視投影エリア
100 処理部
110 判定処理部
120 マーカー表示処理部
200 画像生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクト空間内の所与の視点での視界画像を生成する画像生成装置であって、
オブジェクト空間内の所与のフィールド上を飛翔する飛翔物が所与の判定ゾーンを通過したか否かを判定するための処理を行う手段と、
前記飛翔物が前記判定ゾーンを通過したと判定した場合に、該判定を下した際の基準となった判定基準ポイントを知らせるマーカーを表示するための処理を行う手段と、
前記飛翔物の画像を含む視界画像を生成する手段とを含むことを特徴とする画像生成装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記判定ゾーンが前記フィールド上の所与の判定エリアにより規定される場合において、該判定エリアと、前記飛翔物の前記フィールド上での2次元座標位置の軌跡とが交わる場所に、前記マーカーを表示することを特徴とする画像生成装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記飛翔物の飛翔に追従させて前記飛翔物の影を前記フィールド上で移動させると共に、
該影が前記判定エリアと交わった場合に、該影を前記マーカーとして前記判定エリア上に残すことを特徴とする画像生成装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記判定ゾーンが前記フィールド上の所与の判定エリアにより規定される場合において、該判定エリアをスクリーン上へ透視投影したエリアと、前記飛翔物をスクリーン上へ透視投影した点の軌跡とが交わる場所に、前記マーカーを表示することを特徴とする画像生成装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかにおいて、
前記飛翔物が野球ゲームにおけるボールであり、前記判定ゾーンがストライクゾーンであり、前記判定エリアがホームベースであることを特徴とする画像生成装置。
【請求項6】
オブジェクト空間内の所与の視点での視界画像を生成するための情報記憶媒体であって、
オブジェクト空間内の所与のフィールド上を飛翔する飛翔物が所与の判定ゾーンを通過したか否かを判定するための処理を行うための情報と、
前記飛翔物が前記判定ゾーンを通過したと判定した場合に、該判定を下した際の基準となった判定基準ポイントを知らせるマーカーを表示するための処理を行うための情報と、
前記飛翔物の画像を含む視界画像を生成するための情報とを含むことを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項7】
請求項6において、
前記判定ゾーンが前記フィールド上の所与の判定エリアにより規定される場合において、該判定エリアと、前記飛翔物の前記フィールド上での2次元座標位置の軌跡とが交わる場所に、前記マーカーを表示することを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項8】
請求項6において、
前記判定ゾーンが前記フィールド上の所与の判定エリアにより規定される場合において、該判定エリアをスクリーン上へ透視投影したエリアと、前記飛翔物をスクリーン上へ透視投影した点の軌跡とが交わる場所に、前記マーカーを表示することを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項9】
請求項7又は8において、
前記飛翔物が野球ゲームにおけるボールであり、前記判定ゾーンがストライクゾーンであり、前記判定エリアがホームベースであることを特徴とする情報記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−132337(P2008−132337A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−324756(P2007−324756)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【分割の表示】特願平10−42801の分割
【原出願日】平成10年2月9日(1998.2.9)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】