説明

画像表示装置および画像表示処理プログラム

【課題】ディスプレイ上に表示される地図上に、撮影して画像を得た際の撮影位置に対応してサムネイル画像を表示する際に、サムネイル画像や地図の視認性を向上する。
【解決手段】PCの画像記憶部に記憶される画像は、撮影日時情報と位置情報とが関連付けされる。これらの画像は所定の条件に従ってグループ分けされる。また、個々の画像に対応するサムネイル画像と、グループを代表するシンボルと、グループ内に属する画像の位置情報を代表する代表位置情報が生成される。モニタに表示される地図上で、位置情報に対応する位置にサムネイル画像が重ねて表示される。地図の表示縮尺はユーザが変更可能に構成される。表示縮尺が、表示切替閾値以下のときにはシンボルが表示され、表示切替閾値を越えるときにはサムネイル画像が表示される。表示切替閾値もユーザが変更可能に構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置および画像表示処理プログラムに関し、画面に表示された地図上に画像を重ねて表示し、その際に画像を撮影した場所に対応付けて画像を地図上に配置する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)用センサ(以下、GPSセンサと称する)の省電力化、小型化に伴い、カメラにGPSセンサを内蔵することが可能となった。GPSセンサを内蔵するカメラで撮影して得られた画像に付加されるEXIFタグとして、撮影日時等の情報に加えて測位情報、すなわち当該画像の撮影をしたときにカメラが地球上のどこにあったかを示す情報も記録できるようになっている。
【0003】
また、カメラとは独立して動作可能なGPSセンサユニットをカメラとともに持ち歩き、後処理により、各画像内の撮影日時情報とGPSセンサのログ情報(所定の時間間隔で測位を繰り返し行った結果の記録)とをもとにして、各画像が撮影されたときのカメラの位置を推定し、撮影位置情報(測位情報)として各画像のタグ情報中に書き込むものも知られている。
【0004】
タグ情報中に測位情報が含まれる画像を表示する応用例としては、画像を表示してその画像の近傍に測位情報を表示するだけにとどまらず、以下に説明するような応用例がある。すなわち、モニタ上に地図を表示して、その地図上に画像を重ねて表示する。このとき、各画像に対応する測位情報をもとに、画像を撮影したときの位置に対応する地図上の位置に各画像を配置する。
【0005】
上記のようにして地図上に画像を重ねて表示することにより、撮影をしたときの経路をたどりながら各画像を閲覧したり、画像がどこで撮られたものかを後で思い出す際のよりどころとしたりすることが可能となる。
【0006】
ところで、撮影して得られた画像が多い場合、定点で多くの撮影がなされた場合、あるいは表示されている地図の縮尺が小さい(広域の地図が表示されている)場合、モニタ上に表示される画像が密集して互いに重なり合ってしまい、個々の画像を閲覧しにくくなることが特許文献1に指摘されている。
【0007】
このような不具合を解決するため、特許文献1には、撮影時刻や撮影位置等によってグループ分けし、そのグループを表すシンボル画像を、表示すべき地図データ上の対応する位置に表示するとともに、表示中のシンボル画像が選択されたときには、そのシンボル画像が表すグループ内の画像を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−289650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1に開示される技術では、複数の写真が所定の時間(撮影時刻)に従ってグループ分けされ、そのグループを表すシンボル画像が、表示すべき地図上の対応する位置に表示される。このとき、階層化されたグループ分けがなされる。すなわち、複数の画像がひとまとまりとなって1つのグループ(説明の便宜上、これを下位グループと称する)が形成され、その下位グループが複数集められたグループ(同じく、これを中位グループと称する)が形成され、その中位グループが複数集められたグループ(同じく、上位グループと称する)が形成され、更に上位のグループが形成される、というように階層化されたグループ分けがなされる。
【0010】
表示されている地図の縮尺が比較的小さい(比較的広域の地図が表示されている)場合、より上位の階層のグループのシンボル画像が地図上に表示される。地図の表示縮尺が大きくなったとき、その表示縮尺に応じて、より下位の階層のグループそれぞれのシンボル画像が地図上に表示される。地図の表示縮尺をさらに大きくすると、やがて最下位階層のグループのシンボル画像が表示される。
【0011】
そして、最下位階層のグループのシンボル画像が選択されたときには、そのシンボル画像が表すグループに属する画像が表示器に表示される。
【0012】
しかしながら、上述した技術において、ユーザは最下位階層のグループのシンボル画像が表示されるようになるまで地図の表示縮尺を調節する必要があり、画像(写真)を表示することと、所望の表示縮尺で地図を表示することとの両立は困難となる場合がある。
【0013】
つまり、上記のように地図の表示縮尺を大きくしてゆき(広域から狭域の表示に切り替えてゆき)、画像(写真)が表示可能な状態となったときには、地図の表示縮尺が所望の表示縮尺よりも大きくなりすぎて、どこの地図が表示されているのか不明となる場合がある。このときユーザは、地図の表示縮尺を小さくして(より広域の表示に切り替えて)地図が表している場所を把握しようとする。しかし、そのときにはシンボル画像に表示が切り替えられてしまって個々の画像(写真)を閲覧することができない、といった不具合を生じ得る。
【0014】
本発明は上記の課題に鑑みなされたもので、個別の画像の表示と所望の表示縮尺での地図表示との両立を可能とし、使い勝手の良い画像表示技術を提供可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1) 本発明は、位置情報および撮影日時情報が関連付けられた画像のサムネイル画像を、ディスプレイ上に表示された地図に重ねて表示する画像表示装置に適用され、この画像表示装置が、
前記画像を記憶する画像記憶部と、
前記画像記憶部に記憶された複数の画像を、所定の条件に従って分類し、複数のグループにグループ化するグループ化処理部と、
前記複数のグループのそれぞれを代表するシンボルを生成するシンボル生成部と、
前記複数のグループそれぞれの代表位置を指定する代表位置指定部と、
使用者の操作により前記ディスプレイに表示される地図の縮尺を設定する縮尺設定部と、
前記縮尺設定部で設定された縮尺の地図を前記ディスプレイに表示する地図表示処理部と、
前記縮尺設定部で設定された縮尺が閾値以下である場合には、前記地図上における前記代表位置に対応する位置に前記グループのそれぞれを代表するシンボルを表示し、前記縮尺設定部で設定された縮尺が前記閾値を超える場合には、前記各グループに含まれる画像のサムネイル画像を、前記画像のそれぞれに関連付けられている位置情報で特定される地図上の位置に表示する、サムネイル画像表示処理部と、
使用者の操作により前記閾値を設定する閾値設定部と
を有することにより、上述した課題を解決する。
(2) 本発明はまた、位置情報および撮影日時情報が関連付けられた画像を記憶する画像記憶部と、前記画像を表示可能なディスプレイとを有するコンピュータで実行される画像表示処理プログラムに適用される。この画像表示処理プログラムは、
前記画像記憶部に記憶された複数の画像を、所定の条件に従って分類し、複数のグループにグループ化するグループ化処理手順と、
前記複数のグループのそれぞれを代表するシンボルを生成するシンボル生成処理手順と、
前記複数のグループそれぞれの代表位置を指定する代表位置指定処理手順と、
使用者の操作を入力し、前記ディスプレイに表示される地図の縮尺を設定する縮尺設定処理手順と、
前記縮尺設定処理手順で設定された縮尺の地図を前記ディスプレイに表示する地図表示処理手順と、
前記縮尺設定処理手順で設定された縮尺が閾値以下である場合には、前記地図上における前記代表位置に対応する位置に前記グループのそれぞれを代表するシンボルを表示し、前記縮尺設定処理手順で設定された縮尺が前記閾値を超える場合には、前記各グループに含まれる画像のサムネイル画像を、前記画像のそれぞれに関連付けられている位置情報で特定される地図上の位置に表示する、サムネイル画像表示処理手順と、
使用者の操作を入力し、前記閾値を設定する閾値設定処理手順と
を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、設定された縮尺でディスプレイ上に表示された地図上にサムネイル画像を表示する際に、縮尺が表示切替閾値以下である場合には代表サムネイル画像が表示される一方、縮尺が表示切替閾値を越す場合には個別サムネイル画像が表示されるので、地図およびサムネイル画像を見やすくすることが可能である。また、表示切替閾値をユーザが設定可能に構成されることにより、地図の表示縮尺を変えてサムネイル画像の表示状態を変化させることが可能となるのに加えて、地図の表示縮尺を変えずにサムネイル画像の表示状態を変化させることも可能となり、地図やサムネイル画像を見やすく表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ネットワークを介してサーバと接続されるホストPCにカメラが接続される様子を説明するブロック図である。
【図2】サーバの内部構成例を概略的に示すブロック図である。
【図3】カメラの内部構成例を概略的に示すブロック図である。
【図4】ホストPCの内部構成例を概略的に示すブロック図である。
【図5】画像データファイルのグループ分けを概念的に示す図である。
【図6】画像管理テーブル中のデータ構造例を概念的に示す図である。
【図7】グループ管理テーブル中のデータ構造例を概念的に示す図である。
【図8】画像データファイルの内部構成例を概念的に示す図である。
【図9】地図管理テーブル中のデータ構造例を概念的に示す図である。
【図10】GUI表示の一例を説明する図である。
【図11】地図上にサムネイル画像を重ねて表示するモードを選択したときにモニタ上に表示される初期画面の一例を示す図である。
【図12】地図上に代表サムネイル画像が表示されている状態で地図の表示倍率を上げた結果、地図上に個別サムネイル画像が表示される状態に切り替えられた例を示す図である。
【図13】地図上に個別サムネイル画像が表示されている状態で軌跡表示の操作が行われたときの表示例を示す図である。
【図14】地図上に表示された代表サムネイル画像のうち、所望のものをユーザが選択してその代表サムネイル画像に対応するグループ内の個別サムネイル画像を表示する操作をしたときの表示例を示す図である。
【図15】PCで実行される画像登録処理の手順を概略的に説明するフローチャートである。
【図16】PCで実行される画像表示処理の手順を概略的に説明するフローチャートである。
【図17A】PCで実行されるユーザ操作受付処理の手順を概略的に説明するフローチャートである。
【図17B】同じく、図17Aのフローチャートに続くフローチャートである。
【図17C】同じく、図17Bのフローチャートに続くフローチャートである。
【図18】PCで実行される軌跡表示処理の手順を概略的に説明するフローチャートである。
【図19】本発明の第2の実施の形態において、サーバにより管理される地図データ管理テーブルのデータ構造例を概念的に示す図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態において、ユーザ操作によって位置情報を付加する操作を受け付ける表示画面の例を示す図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態において、PCで実行される位置情報関連付け処理の手順を概略的に説明するフローチャートである。
【図22】モニタに表示される地図上のポインタの位置から緯度および経度を導出する手順を概念的に示す図であり、(a)はモニタ上の地図表示領域のサイズと地図の表示サイズとが一致している場合を示し、(b)はモニタ上の地図表示領域に地図の一部が表示される場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
− 第1の実施の形態 −
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像表示システム100の構成を概略的に示すブロック図である。画像表示システム100は、サーバ200と、カメラ300と、ホストPC400とを含み、サーバ200とホストPC400とはネットワークNWを介して接続されている。このネットワークNWは、例えばインターネットを利用することが可能である。
【0019】
カメラ300は電子カメラであり、動画および静止画のうち、少なくともいずれかの撮影が可能で、静止画像データファイルや動画像データファイルを生成可能に構成される。カメラ300はホストPC400と切り離された状態で撮影が可能であり、必要に応じて適宜ホストPC400(以下、単にPC400と称する)に接続される。本実施の形態において、カメラ300は後で詳細に説明するようにGPSセンサを有しており、GPS衛星GSからの電波を受信して測位情報(カメラが存在している位置に関する情報)を得ることが可能に構成される。
【0020】
PC400は、通常のパーソナルコンピュータを利用可能であり、PC400のモニタ上に表示された地図の上に、カメラ300から転送された画像を重ねて表示することが可能に構成される。PC400のモニタに地図を表示するための画像データ(本明細書ではこれを地図データと称する)は、サーバ200内に記憶されている。サーバ200は、PC400から要求されるのに対応する地図データをPC400に送信する。なお、PC400自体が地図データを記憶可能であれば、PC400をサーバ200に接続する必要は無い。以下ではサーバ200に地図データが記憶されるものとして説明をする。図1では1台のサーバ200が図示されているが、複数のサーバが画像表示システム100内に含まれていても良い。
【0021】
図2は、サーバ200の概略的構成を示すブロック図である。サーバ200は、カメラ300のユーザ等に対し、ネットワークNWを介して様々なサービスを提供可能に構成される。そのうちの1つが地図データをユーザに提供するサービスである。
【0022】
サーバ200は、CPU202と、RAM204と、ネットワークインターフェース206(図2中ではNW I/Fと表記される)と、記憶装置208とを有する。これらの要素はシステムバス220を介して電気的に接続される。記憶装置208内には地図データ記憶部210と地図データ管理テーブル900とが設けられ、これらの地図データ記憶部210、地図管理テーブル900によって地図管理データベース212が構築される。
【0023】
地図データ記憶部210には、地球上の主要な位置を中心とする様々な縮尺の地図データが全世界を網羅するように記憶されている。地図データ管理テーブル900には、地図データ記憶部210に記憶される様々な場所、様々な縮尺の地図を管理するための情報が図9に示されるように登録されている。すなわち、地図データ管理テーブル900内には、登録番号902、中心点904、縮尺906、カバー範囲908、地図データパス910、地図データ名912などの情報が記録される。
【0024】
ところで、モニタ上に表示される地図の縮尺(表示縮尺)は、モニタの表示画素の画素ピッチに依存する。つまり、同一の地図データに基づく地図がモニタ上に表示されていたとしても、モニタの画素ピッチが小さい(DPI値が大きい)と、表示される地図の大きさは小さくなるので表示縮尺は小さくなる。モニタ固有のDPI値に基づき、モニタ上に表示される地図の大きさを調節して地図の表示縮尺が厳密なものとなるようにすることも可能であるが、本明細書では説明を簡単化するため、モニタの画素ピッチは機種によらず同じであるものとして説明する。
【0025】
中心点904は、地図の中心位置を緯度、経度で表した情報を含む。単位は度、分であり、緯度は南緯90度(−90°00.00’)から北緯90度(+90°00.00’)まで、経度は西経180度(−180°00.00’)から東経180度(+180°00.00’)までを表現可能なGPS値として記憶される。なお、本明細書中で分は小数点第二位までの十進数として表現されるものとする。すなわち、20.50’は20分30秒を意味するものとする。無論、度、分、秒で表現されるものであってもよい。
【0026】
縮尺906は、最大縮尺を0、最小縮尺を9とする指数で表される。もちろん、これらの指数は一例であって、どのような数値を用いてもよいし、指数に代えて記号等を用いても良い。また、縮尺の段階も上記例の10段階より多くしても少なくしてもよい。カバー範囲908は、当該の地図データがカバーしている範囲(経度の東端・西端、緯度の北端・南端)を示している。地図データパス910は、当該の地図データが記憶される地図データ記憶部210内の記憶位置(パス)を示している。地図データ912は、当該の地図データを収容する地図データファイルの名称を示している。なお、上記地図データパス910と地図データ912とについては、図9に例示されるように互いに独立して登録されるものであってもよいが、1つの項目としてまとめられて登録されるものであってもよい。
【0027】
図9において、0番として登録される地図データについて説明すると、この地図の中心は北緯30°、東経130°で、縮尺は最大縮尺(つまり、最も詳細な地図に相当する。)、カバー範囲は北緯25°から35°、東経125°から135°までであることを意味している。この地図データは/map/imgのパスにファイル名Map_00.tifとして保存されていることを意味している。本実施の形態において、地図データのデータ形式はtiffであるものとして説明をするが、jpegやgif等、他の形式であってもよい。また、複数のデータ形式が混在して扱われるものであってもよく、例えば、地図の表示縮尺や表示形態等に応じて異なるデータ形式の地図データが登録されていてもよい。
【0028】
例えば、撮影場所が山岳地帯や国立公園内等である場合、地図として航空写真を表示し、その上にサムネイル画像を表示することも可能である。あるいは、撮影場所が街中である場合、地図の表示縮尺を拡大したときに平面地図からいわゆるストリートビューに地図が切り替えられ、そこにサムネイル画像を表示することも可能である。そのような場合には、地図のデータ形式としてjpeg形式が好適となりうる。
【0029】
図2を再び参照し、CPU202はネットワークインターフェース206を介してPC400からの地図データ転送要求を受信する。この地図データ転送要求中に含まれる情報に基づき、CPU202は地図管理データベース212にアクセスしてPC400からの要求に対応する地図データを特定し、該当する地図データファイルをPC400に送信する。
【0030】
図3は、カメラ300の内部構成を概略的に示すブロック図である。カメラ300は、GPSレシーバ302と、表示処理部304と、画像表示部306と、撮像部308と、画像処理部310と、コントローラ312と、操作入力部314と、プログラムメモリ316と、画像メモリ318と、通信インターフェース320(図3中では通信I/Fと表記される)とを有する。
【0031】
GPSレシーバ302、表示処理部304、画像処理部310、操作入力部314、プログラムメモリ316、画像メモリ318、通信インターフェース320は、コントローラ312に電気的に接続される。画像表示部306は表示処理部304に、撮像部308は画像処理部310に、それぞれ電気的に接続される。
【0032】
GPSレシーバ302は、複数のGPS衛星から発せられる信号を受信して処理し、測位情報を生成可能に構成される。このGPSレシーバ302は、カメラ300内に内蔵されるものであっても、カメラ300に対して取り外し可能に装着されるものであってもよい。
【0033】
撮像部308は、撮影レンズと、撮影レンズによって形成された像を光電変換して画像信号を生成する撮像素子と、撮像素子からアナログ画像信号を読み出し、増幅してディジタル画像信号に変換するアナログ・フロントエンド部とを含む。
【0034】
画像処理部310は、撮像部308から出力されるディジタル画像信号を処理して画像データを生成する。この画像データは画像メモリ318内に記憶される。画像処理部310はまた、撮像部308から比較的短い周期で読み出されるディジタル画像信号を逐次処理し、ライブビューとして画像表示部306に表示するための画像を生成可能に構成される。
【0035】
画像メモリ318は、カメラ300で撮影して得られた画像データ等を記憶可能に構成されるメモリであり、フラッシュメモリ、あるいは磁気記憶装置等で構成可能である。この画像メモリ318は、カメラ300内に内蔵されるものであっても、カメラ300に対して取り外し可能に装着されるものであってもよい。
【0036】
操作入力部314は、電源スイッチ、撮影/再生モード切り替えスイッチ、レリーズスイッチ等を含む。操作入力部214はまた、焦点距離、ホワイトバランス、露出モード、動画/静止画の画像記録モード等を切り替えるためのプッシュスイッチ、スライドスイッチやタッチパネル、ダイヤルスイッチ等を含む。
【0037】
コントローラ312は、操作入力部314をユーザが操作するのに応じて、ユーザの希望するモードでカメラ300が動作するように、カメラ300のアクチュエータ、表示素子、センサ等の構成要素を統括的に制御する。コントローラ312は、CPUまたはハードウェアロジック等で構成可能である。コントローラ312がCPUで構成される場合、このコントローラ312で実行されるプログラムがプログラムメモリ316に記憶される。プログラムメモリ316は、フラッシュメモリとRAMとを有して構成することが可能である。
【0038】
コントローラ312は、画像処理部310で生成された画像データを画像メモリ318に記憶する際の記憶管理の処理も行う。コントローラ312はまた、画像メモリ318に記憶された画像データを読み出して画像表示部306に画像を表示する際の動作制御を行う。コントローラ312はさらに、ユーザがカメラ300を被写体に向けて構図や露出を調整する操作をする際に、画像処理部310からライブビュー画像データが出力される場合に、画像表示部306にライブビュー画像を表示するように動作制御を行う。
【0039】
画像表示部306は、画像、アイコン、文字等を表示可能に構成され、バックライト付きのTFTカラー液晶パネル、あるいは有機ELカラー表示パネル等で構成される。表示処理部304は、コントローラ312から出力される表示用画像データをもとに画像表示部306を制御して画像を表示する。
【0040】
図4は、PC400の概略的構成を示すブロック図である。PC400は、モニタ402と、キーボードやマウス等の操作部404と、ネットワークインターフェース406(図4においては、NW I/Fと表記される)と、通信インターフェース408(図4においては通信I/Fと表記される)と、CPU410と、RAM412と、記憶装置418と、光ディスクドライブ430とを有する。これらの要素はシステムバス440を介して互いに電気的に接続されている。画像表示処理等を実行可能なアプリケーションソフトウェア(以下では画像表示処理ソフトと称する)がPC400上で実行されることにより、PC400は画像表示処理装置として機能する。
【0041】
モニタ402は、CRTまたはフラットパネルディスプレイ装置等で構成される。操作部404は、ユーザがPC400に所望の情報を入力したり操作をしたりするための、タッチパネルやキーボード、マウス等のユーザインターフェースである。ユーザによる操作部404の操作内容はCPU410に伝達される。ネットワークインターフェース406は、PC400がネットワークNWを介してサーバ200と通信を行うことを可能とするためのものである。通信インターフェース408は、カメラ300と有線または無線の形態で相互通信して画像データ等の情報の授受を可能とするためのものである。
【0042】
CPU410は、様々な情報処理を行うことが可能に構成される。RAM412は、CPU410が情報処理を行う際のワークエリアとして用いられる。記憶装置418は、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブなどで構成されて比較的大きな記憶容量を有する記憶装置である。なお、PC400には、記憶装置418が複数台接続されていてもよい。
【0043】
光ディスクドライブ430は、装着された光ディスクDから画像データファイルやプログラムファイル等を読み込むことが可能に構成される。補助記憶装置418内には、画像記憶部414と、プログラム記憶部416と、画像管理テーブル600と、グループ管理テーブル700とが設けられる。画像管理テーブル600とグループ管理テーブル700とによって画像管理データベース420が構築される。
【0044】
画像記憶部414には、通信インターフェース408を介してカメラ300から転送された画像データファイルが記憶される。プログラム記憶部416には、光ディスクDから読み込まれたプログラムや、通信インターフェース408を介してサーバ200から提供されたプログラムが記憶される。画像記憶部414に記憶される画像データは、画像管理テーブル600およびグループ管理テーブル700によって管理される。
【0045】
CPU410は、プログラム記憶部416に記憶された画像表示処理ソフトを読み込んでRAM412にロードする。後でフローチャートを参照して詳述するが、CPU410が画像表示処理プログラムを実行することにより行われる処理は大別して2つある。1つは画像登録処理であり、もう1つは画像表示処理である。
【0046】
画像登録処理は、カメラ300からPC400に転送されて画像記憶部414に記憶された画像データファイルをグループ分けして画像管理テーブル600およびグループ管理テーブル700に登録する処理である。ここで画像データファイルの構造について図8を参照して説明する。図8は、画像データファイル800の構造を概念的に示すブロック図である。
【0047】
画像データファイル800は、付加情報802と、サムネイル画像データ804と、主画像データ806とを含む。付加情報802はタグ情報、あるいはメタデータと称され、カメラ300によって撮影動作が行われて主画像データ806が生成されたときの撮影データ等を含む。一例として、付加情報802は、撮影日時情報802a、GPS値情報802b、シャッタ速度情報802cなどを含む。つまり、第1の実施の形態において、位置情報(GPS値情報802b)は、画像データファイル800内の付加情報802としてそれぞれの画像に関連付けられている。
【0048】
CPU410は、上記付加情報802をもとにグループ分けの処理を行う。一例として、CPU410は撮影日時情報802aに基づき、グループ分けの処理を行うことが可能である。つまり、CPU410は、画像記憶部414に記憶される各画像データファイルの撮影日時情報802aを参照し、同じ日に撮影された画像が1つのグループに属するようにグループ分けの処理を行うことが可能である。このとき、1つのグループ内に属する画像が所定の数を越した場合には、同じ日の午前と午後、さらには時刻によってさらに細かくグループ分けをすることも可能である。逆に、複数の日にわたって旅行したときに撮影した画像や、異なる複数の機会に同じ場所を訪れた際に撮影した画像が1つのグループ内に属するようにグループ分けすることも可能である。
【0049】
他の例としては、GPS値情報802bを参照し、所定のエリア内で撮影された画像が1つのグループに属するようにグループ分けの処理を行うことが可能である。あるいは、付加情報802中の複数の情報の組み合わせによりグループ分けするものであってもよい。以下では、CPU410が撮影日時情報に基づき、同じ日に撮影された画像が1つのグループに属するようにグループ分けの処理を行うものとして説明をする。
【0050】
図5に、CPU410によるグループ分けの処理結果を概念的に示す。図5の例では、画像データファイルがグループ00、グループ01、グループ02のグループIDが付された3つのグループ500、510、520に分類されている。各グループ500、510、520に分類される画像データファイル500a、500b、…、510a、510b、…、520a、520b、…には、ファイル名として0000から始まり、1ずつ増加する連番が付与されるものとする。また、説明を単純化するため、欠番は無いものとして説明をする。図5に示される例では0000.jpgから0061.jpgまでの62駒分の画像がグループ00に属するように分類される。同様に、0062.jpgから0116.jpgまでの55駒分の画像がグループ01に、0117.jpgから0157.jpgまでの41駒分の画像がグループ02に属するように分類される。
【0051】
図6は画像管理テーブル600の構成例を、図7はグループ管理テーブル700の構成例を、それぞれ示す概念図である。画像管理テーブル600およびグループ管理テーブル700は、画像データファイルが図5に示されるように分類されたのに対応する例が示されている。
【0052】
画像管理テーブル600には、登録番号602、ファイル名604、グループID606、撮影日時608、GPS値610、パス612、個別サムネイル614などの情報が登録される。ファイル名604には、個々の画像のファイル名が登録される。グループID606には、CPU410によるグループ分けの処理によって仕分けられた先のグループIDが登録される。撮影日時608には、各画像データファイルの付加情報802中から撮影日時情報802aが抽出されて登録される。GPS値610には、各画像データファイルの付加情報802中からGPS値情報802bが抽出されて登録される。パス612には、記憶装置418内における画像データファイルの記憶位置(パス)が登録される。個別サムネイル614は、各画像データファイルに対応する個別サムネイル画像の保存先および保存ファイル名が登録される。
【0053】
上記個別サムネイル画像としては、画像データファイル800中に含まれるサムネイル画像データ804を利用することも可能であるが、本実施の形態では地図上に重ねて表示するためのサムネイル画像をCPU410が新規に生成するものとして説明をする。つまり、個別サムネイル614には、画像記憶部414に記憶される個々の画像データファイルに対応して生成されたサムネイル画像データファイル(個別サムネイル画像データファイル)の記憶位置(パス)およびファイル名が登録される。
【0054】
図6でNo.0として登録されるエントリを例に説明すると、ファイル名0000.jpgの画像はグループ00(Group_00)に分類され、2009年10月11日の午前11時11分11秒に北緯35度39.50分、東経139度44.62分の位置で撮影されて生成されたものであって、当該の画像データファイルは記憶装置418内の/img/group_00に記憶されていることが判る。また、この画像データファイルに対応する個別サムネイル画像の画像データファイルが記憶装置418内の/thmb/imgにthmb0000と云うファイル名で記憶されていることが判る。
【0055】
グループ管理テーブル700には、登録番号702、グループID704、代表GPS値706、駒数708、代表サムネイル710などの情報が登録される。グループID704にはグループID名が登録される。代表GPS値には、それぞれのグループに属する各画像のGPS値を代表するGPS値が登録される。本実施の形態においては各グループ内の画像中で最初に撮影されたもの(一番古いもの)のGPS値を代表GPS値とする例を示す。他の例としては、そのグループ内に属する全ての画像のGPS値を統計的に処理、例えば平均値導出、中央値導出等の処理をして代表GPS値を導出することが可能である。
【0056】
あるいは、ユーザがその地図上においてグループを代表する場所をマウス等によって指定する操作をしてもよい。その場合、地図上で指定された場所に対応するGPS値を代表GPS値として登録することが可能である。駒数708には、そのグループに属する画像の駒数が登録される。代表サムネイル710には、そのグループを代表するサムネイル画像の保存先およびファイル名が登録される。
【0057】
図7でNo.0として登録されるエントリを例に説明すると、グループ00(Group_00)というグループ名の代表GPS値は北緯35度39.50分、東経139度44.62分であり、当該のグループ内には62駒の画像が含まれ、またその代表サムネイル画像は/thmb/groupにgthmb00と云うファイル名で記憶されていることが判る。
【0058】
上記代表サムネイル画像としては、当該のグループ内に含まれる画像の個別サムネイル画像中からユーザが選択したものとすることが可能である。あるいは、そのグループ中で最初に撮影された画像、最後に撮影された画像、あるいはそれらの中間のタイミングで撮影された画像等の個別サムネイル画像に対応するものを当該グループの代表サムネイル画像とすることが可能である。あるいは、フォルダのアイコンや、旅行、スポーツ観戦、ハイキング等のイベントを表すアイコン(シンボル)を代表サムネイル画像としてもよい。本実施の形態においては、各グループ内の画像中で最初に撮影されたもの(一番古いもの)のGPS値を代表GPS値とする例を先に示したので、代表サムネイル画像についても各グループ内の画像中で最初に撮影した画像の個別サムネイル画像を代表サムネイル画像とする。
【0059】
図10から図14を参照し、PC400のモニタ402上に表示される地図上にサムネイル画像が表示される例について説明をする。図10は、画像表示処理ソフトをPC400上で実行させたときに、モニタ402上に地図やサムネイル画像とともに表示される縮尺を操作するスライダ1000を例示する図である。図11から図14には、スライダ1000が画面の右上隅に表示される例が示されている。しかし、これは一例であり、ユーザが例えばドラグ操作等をすることにより、好みの場所にスライダ1000を移動可能に構成されていてもよい。
【0060】
スライダ1000には、マイナスボタン1002、代表サムネイルアイコン1004、スライダつまみ1006、表示切替境界部1008、個別サムネイルアイコン1010、プラスボタン1012などが表示される。これらのうち、代表サムネイルアイコン1004、個別サムネイルアイコン1010を除く要素について、ユーザがマウス等のポインティングデバイスを用いて操作することが可能に構成される。
【0061】
マイナスボタン1002は、モニタ402上に現在表示されている地図の縮尺よりも一段階小さい縮尺の(広域の)地図を表示する操作を受け付けるためのものである。プラスボタン1012は、モニタ402上に現在表示されている地図の縮尺よりも一段階大きい縮尺の(狭域の)地図を表示する操作を受け付けるためのものである。ユーザがマウス等を操作して、これらのボタン1002、1012のうち、いずれかの上にポインタが位置する状態とし、マウスボタンを押下する操作をすることにより、上述のように地図の表示縮尺を段階的に切り替えることが可能となる。以下では上述した操作を説明する際に、「マイナスボタン1002をクリックする」、あるいは「プラスボタン1012をクリックする」と称する。
【0062】
ユーザがマウス等を操作してスライダつまみ1006の上にポインタが位置する状態とし、マウスボタンを押下したままマウスを左右に動かすドラグ操作をすることにより、図10の左側または右側にスライダつまみ1006が移動する。スライダつまみ1006の左右方向に沿う表示位置に応じてモニタ402上に表示される地図の縮尺を連続的に変化させることが可能に構成される。
【0063】
同じく、ユーザがマウス等を操作して表示切替境界部1008の上にポインタが位置する状態とし、マウスボタンを押下したままマウスを左右に動かすドラグ操作をすることにより、図10の左側または右側に表示切替境界部1008が移動する。表示切替境界部1008の左右方向に沿う表示位置に応じて表示切替閾値を調整することが可能となる。表示切替閾値については以下で詳しく説明する。以上では、上述のようにドラグ操作をすることを、「スライダつまみ1006を動かす」あるいは「表示切替境界部1008を動かす」と称する。
【0064】
本発明の実施の形態に係る画像表示処理装置によれば、図11から図14に例示されるように地図上にサムネイル画像を表示する際、現状で表示されている地図の縮尺に応じて代表サムネイル画像または個別サムネイル画像が表示される。これらの代表サムネイル画像および個別サムネイル画像については、図6、図7を参照して先に説明したように画像管理テーブル600、グループ管理テーブル700によって管理されるので、表示するのに必要なサムネイル画像データを迅速に見つけ出し、表示することが可能となる。地図上に代表サムネイル画像、個別サムネイル画像を表示する際の表示位置は、画像管理テーブル600、グループ管理テーブル700内にそれぞれ登録されるGPS値610、代表GPS値706が参照されて決定される。
【0065】
上述したサムネイル画像表示処理において、地図の表示縮尺が予め設定される閾値以下である場合(より小さい縮尺、すなわちより広域の地図が表示されている場合)、代表サムネイル画像が地図上に表示される。反対に、予め設定される閾値を越す場合(より大きい縮尺、すなわちより狭域の地図が表示されている場合)、個別サムネイル画像が地図上に表示される。本明細書では、この閾値を表示切替閾値と称する。
【0066】
表示切替境界部1008を左側(マイナス側、小縮尺側)に動かすと、表記切替閾値が小さくなる。逆に、表示切替境界部1008を右側(プラス側、大縮尺側)に動かすと、表示切替閾値が大きくなる。つまり、地図上に重ねて表示されるサムネイル画像が、代表サムネイル画像から個別サムネイル画像へ、あるいは個別サムネイル画像から代表サムネイル画像へ切り替えられる際の閾値を、ユーザが表示切替境界部1008を左側または右側に動かすことにより変更することが可能に構成される。
【0067】
表示切替境界部1008は表示切替閾値のインジケータを兼ねている。すなわち、スライダつまみ1006の表示位置が表示切替境界部1008の表示位置よりも左側にある場合、地図上に重ねて表示されるのは代表サムネイル画像となる。逆に、スライダつまみ1006の表示位置が表示切替境界部1008の表示位置よりも右側にある場合、地図上に重ねて表示されるのは個別サムネイル画像となる。
【0068】
代表サムネイルアイコン1004は、表示切替境界部1008の表示位置を基準として、スライダつまみ1006の表示位置が左側にあるときに代表サムネイル画像が表示されることを示している。同様に、個別サムネイルアイコン1010は、表示切替境界部1008の表示位置を基準として、スライダつまみ1006の表示位置が右側にあるときに個別サムネイル画像が表示されることを示している。
【0069】
図11は、画像表示処理ソフトが実行されている状態でユーザがPC400を操作し、地図上にサムネイル画像を重ねて表示するモードを選択したときにモニタ402上に表示される初期画面の一例を示す。図11の例においては、比較的広域の地図が表示されていて、その地図上に5つの代表サムネイル画像1104a、1104b、1104c、1104d、1104eが表示されている。初期画面上で表示される地図の縮尺は、例えば最も小さいもの(世界地図)や地球が表示されるようにしてもよいし、ユーザが予め設定した地域および縮尺の地図が表示されるようにしてもよい。以下では日本全図が表示されるものとして説明をする。
【0070】
なお、図11の初期画面が表示される前の段階において、ユーザは今までに撮り貯めた画像中から5つのイベント(5つのグループ)を選択しており、その結果として、5つのグループに対応する代表サムネイル画像が地図上に表示されているものとする。
【0071】
5つの代表サムネイル画像1104a、1104b、1104c、1104d、1104eが表示されるそれぞれの位置に対応してピン1108が表示される。これらのピンの先端部分は、各代表サムネイル画像1104a、1104b、1104c、1104d、1104eに対応するグループの代表GPS値で特定される地図上の場所を示している。図11では5つのグループそれぞれに対応する代表サムネイル画像が表示される例を示しているが、先にも説明したとおり、各グループを代表するシンボルを表示してもよい。また、代表サムネイル画像とシンボルとが混在して表示されてもよい。
【0072】
表示画面1100中には、先に図10を参照して説明したスライダ1000に加えて、軌跡ボタン1106、クローズボタン1102が表示される。ユーザがマウス等を操作して、軌跡ボタン1106またはクローズボタン1102の上にポインタが位置する状態とし、マウスボタンを押下する操作をすることにより、以下に説明する動作が行われる。以下では上記の操作を「軌跡ボタン1106をクリックする」、「クローズボタン1102をクリックする」と称する。クローズボタン1102をクリックすると、表示画面1100は閉じられる。
【0073】
地図上に個別サムネイル画像が表示されている状態のときにユーザが軌跡ボタン1106をクリックすると、一旦地図だけの表示となる。その後、各画像に付加される撮影日時情報に基づき、昇順または降順に、個別サムネイル画像が時間をおいて1つずつ増加するように表示される。このとき、撮影日時が隣り合う個別サムネイル画像を結ぶように線が引かれる。以下では昇順に表示がなされるものとして説明をする。
【0074】
すなわち、グループ内の画像中、撮影日時が最も先の(最初に撮影された)画像に対応する個別サムネイル画像(第1サムネイル画像)が最初に表示され、次いで二番目に古い画像に対応する個別サムネイル画像(第2サムネイル画像)が付加的に表示され、これら第1サムネイル画像および第2サムネイル画像間を結ぶように線が引かれる。同様の表示処理が、グループ内で最も後に撮影された画像が表示されるまで続けられる。上述のように各画像に付加される撮影日時情報に基づき、昇順または降順に、個別サムネイル画像を、時間をおいて1つずつ増加するように表示することを以下では個別サムネイル画像を「時系列表示する」と称する。
【0075】
個別サムネイル画像の時系列表示および時系列表示される個別サムネイル画像間に線を表示する処理が行われているときにその表示過程をユーザが観視することにより、そのグループ内の画像を撮影しながら撮影者が移動したときの経路をたどることが可能となる。なお、以上に説明した表示方法の別例として、グループ内の個別サムネイル画像をすべて表示しておき、各画像の撮影日時に従って昇順または降順に、撮影日時が隣り合う個別サムネイル画像間を結ぶように線を引くものであってもよい。この場合、ユーザは個別サムネイル画像間を結ぶ線が時間を追って延伸してゆく様子を観視することにより、撮影者の経路をたどることが可能となる。
【0076】
本明細書中では上述したように各画像の撮影日時に従って昇順または降順に、撮影日時が隣り合う個別サムネイル画像間を結ぶように線を引くことを軌跡表示と称する。図13、図14には、上述した軌跡表示の処理を完了した後の表示画面1100の例が示されている。図14では個別サムネイル画像間を直線で結ぶ例を示しているが、スプライン曲線等を用いて曲線で結ぶようにしてもよい。ところで、各画像が撮影されたときの撮影地点が互いに近い画像が存在する場合、対応する個別サムネイル画像は重なりあうように表示される場合がある。そのような場合には、撮影日時の順に従って、新しい画像に対応する個別サムネイル画像が上(前側)になるように表示することが可能である。あるいは、その逆に、古い画像に対応する個別サムネイル画像が上(前側)になるように表示することが可能である。
【0077】
以上に加えて、ユーザがマウス等を操作して所望の個別サムネイル画像の上にポインタを移動すると、その個別サムネイル画像が一番前に表示されて、他の個別サムネイル画像に覆われることの無いように表示されてもよい。その場合、ポインタが他の場所に移動されたときに、元の表示状態に戻されることが望ましい。
【0078】
以上では、ユーザが軌跡ボタン1106をクリックしたときに個別サムネイル画像の時系列表示と軌跡表示の処理が行われる例について説明した。以上に加えて、ユーザがスライダつまみ1006を動かす操作、あるいは表示切替境界部1008を動かす操作をして、表示されるサムネイル画像が代表サムネイル画像から個別サムネイル画像に切り替えられるときにも、各画像に付加される撮影日時情報に基づき、個別サムネイル画像の時系列表示が行われるようにしてもよい。
【0079】
図11を再度参照して説明する。表示画面1100内において地図の表示中心を変えたい場合(地図をスクロールしいた場合)、ユーザは地図上で新たな表示中心としたい場所にポインタを移動させてダブルクリック操作を行う。すると、ダブルクリック操作をしたときにポインタが位置していた場所を中心とする地図が表示され、代表サムネイル画像の表示位置も新たに表示された地図に対応して更新される。
【0080】
また、ユーザがスライダつまみ1006を図11の左に向かって動かすと、地図の表示縮尺が小さくなり(より広域の地図が表示されるようになり)、それにつれて代表サムネイル画像間の表示ピッチも減少する。逆に、図11の右に向かってスライダつまみ1006を動かしたとき、地図の表示縮尺が大きくなり、それにつれて代表サムネイル画像間の表示ピッチも増加する。地図の表示縮尺によっては表示画面1100からフレームアウトして表示されなくなる代表サムネイル画像も存在しうる。
【0081】
地図の表示縮尺を増すために、図11の右に向かってスライダつまみ1006を動かしてゆくと、やがてスライダつまみ1006の表示位置が表示切替境界部1008の表示位置よりも右に位置するようになる。つまり、スライダつまみ1006で設定される地図の縮尺が、表示切替調整部1008で設定された表示切替閾値を越す。すると、図12に例示されるように、地図上に表示されるサムネイル画像が代表サムネイル画像から個別サムネイル画像に切り替えられる。図12に示される例では、図11中に表示される代表サムネイル画像1104a〜1104eのうち、代表サムネイル画像1104cおよび1104eに対応するグループの個別サムネイル画像1110a〜1110eおよび1112a〜1112dが地図上に表示されている。
【0082】
なお、図11に例示される表示状態から図12に例示される表示状態とするために、ユーザは以下のような操作をする。すなわち、図11の表示状態においてユーザは画面内の点Pをダブルクリックし、地図の表示中心を移動させる。その後、スライダつまみ1006を図11の右に向かって動かし、表示切替境界部1008よりも右側に位置させることにより、図12に例示されるような表示状態となる。
【0083】
図12に例示される表示状態で軌跡ボタン1106をクリックすると、先にも説明したように、一旦地図だけの表示となる。その後、個別サムネイル画像の時系列表示と軌跡表示とが行われる。この軌跡表示の処理を完了した状態が図13に例示される状態である。図13では、第1のグループに属する個別サムネイル画像1110a〜1110eと、第2のグループに属する個別サムネイル画像1112a〜1112dとが地図上に表示される例が示される。このように複数のグループのそれぞれに属する個別サムネイル画像が表示される場合、グループごとに分けて個別サムネイル画像の時系列処理および軌跡表示処理が行われることが望ましい。
【0084】
ところで、図11の代表サムネイル画像1104eのグループに属する画像の個別サムネイル画像1112a〜1112d中、図12、図13においては一部の個別サムネイル画像がフレームアウトし、欠けて表示されている。この状態でユーザが軌跡ボタン1106をクリックすると、軌跡表示が行われる際に、線1114aがフレームアウトする。つまり、表示される線1114aが、表示画面1100内から画面外に向かって延伸するかのように表示される。
【0085】
また、図13に示される例では、個別サムネイル画像1112bに対応する画像よりも個別サムネイル画像1112cに対応する画像の方が後で撮影されており、しかも個別サムネイル画像1112cが表示画面1100内に表示されている。この場合、表示画面1100外から画面内に向かうかのように線1114aが表示される。ユーザは、上述したように軌跡表示される様子を観視することにより、一部の個別サムネイル画像が表示画面1100内に表示されていないことを直観的に知ることが可能となる。
【0086】
図13に例示されるように線1114a、1114bが表示されている状態で、この線1114a、1114bを消去したいとき、ユーザは軌跡ボタン1106を再度クリックすればよい。あるいは、スライダつまみ1006または表示切替境界部1008を動かしてサムネイル画像の表示が個別サムネイル画像表示状態から代表サムネイル画像表示状態になるように操作することにより、線1114a、1114bを消去することが可能となる。
【0087】
ところで、地図上に個別サムネイル画像が多く表示されていると、個別サムネイル画像が密集してしまって地図が見えなくなる場合がある。その一方で、ユーザは地図を見たい場合がある。この場合、サムネイル画像の表示を一時的に行わないようにするモードを設けることも可能であるが、本発明の画像表示処理装置によれば、以下に説明する2つの方法によって個別サムネイル画像表示状態から代表サムネイル画像表示状態に切り替えてサムネイル画像の表示数を減じ、地図を見やすくすることが可能となる。
【0088】
第1の方法は、スライダつまみ1006を図12〜図14における左方向に動かし、表記切替閾値調整部1008の表示位置よりも左側にスライダつまみ1006の表示位置を移動する方法である。この場合、地図の表示縮尺が小さくなるので、より広域の地図を表示画面1100内に表示することが可能となる。また、スライダつまみ1006を左方向に動かすのに代えて、マイナスボタン1002をクリックする操作をしてもよい。
【0089】
第2の方法は、表示切替境界部1008を図12〜図14の右方向に動かし、スライダつまみ1006の表示位置よりも右側に表示切替境界部1008の表示位置を移動させる方法である。この場合、地図の表示縮尺を固定したまま、個別サムネイル画像表示状態から代表サムネイル画像表示状態に切り替えられる。結果として、地図上に表示されるサムネイル画像の数が減少するので地図の視認性を向上させることが可能となる。
【0090】
ところで、図11に例示されるように代表サムネイル画像1104a〜1104eが地図上に表示されている状態でユーザがマウスを操作し、所望する代表サムネイル画像上にポインタを位置させ、クリックまたはダブルクリック等を行って選択する操作を行うことにより、その代表サムネイル画像に対応するグループ内の各画像に対応する個別サムネイル画像を以下に説明するように表示画面1100上に表示させることが可能に構成されている。
【0091】
例えば、図11中の代表サムネイル画像1104cを選択する操作をユーザが行った場合、図14に示される状態となる。このように代表サムネイル画像1104cを選択する操作を行った場合、所望のグループ内だけに属する個別サムネイル画像だけを地図上に表示させることを、一回の操作で行うことが可能となる。なお、図14には線(移動軌跡)1114cが表示されている例が示されているが、この線1114cは上記の代表サムネイル画像を選択する操作を行ったのに応じて表示されるものではなく、軌跡ボタン1106をユーザがクリックした後に軌跡表示が行われた結果を示すものである。
【0092】
ユーザが選択した代表サムネイル画像に対応するグループ内の個別サムネイル画像が図14に例示されるように表示する処理が行われる際、このグループ内に属する画像それぞれの測位情報(GPS値)に基づき、地図の表示縮尺および表示中心が求められる。具体的には、
1. 個別サムネイル画像は地図上でそれぞれの画像の測位情報に対応する位置に配置されるようにし、
2. このときに、グループ内に属する画像の個別サムネイル画像がフレームアウトすることなく全て表示されるようにし、
3. さらに、上記1および2の条件を満足しつつ、個別サムネイル画像同士の重なり量ができるだけ小さくなるように(地図の表示縮尺ができるだけ大きくなるように)、地図の表示縮尺および表示中心位置が求められる。
【0093】
以下、上記の処理を行う手順について説明をする。図6を参照して先に説明したように、画像管理テーブル600内には、PC400の画像記憶部414内に記憶される画像それぞれに対応して、各画像が所属するグループID606、そして各画像に対応するGPS値の情報610や個別サムネイル画像の情報614が他の情報とともに登録されている。
【0094】
上記のように代表サムネイル画像を選択する操作をユーザが行うと、選択された代表サムネイル画像に対応するグループの画像のGPS値が画像管理テーブル600から読み出されて最端GPS値が導出される。この最端GPS値を導出する処理は、1つのグループ内に属する画像の各GPS値中、東端、西端、北端、南端のGPS値を導出する処理を意味する。つまり、あるグループに属する画像それぞれのGPS値の、東、西、北、南の分布範囲を導出する処理である。
【0095】
上記最端GPS値をもとに地図の表示中心位置が導出される。一例としては、東西南北4つの最端GPS値に基づき、東西方向の最端GPS値の中間値と、南北方向の最端GPS値の中間値とに基づいて地図の表示中心位置を導出することが可能である。
【0096】
続いて、東西南北方向の最端GPS値に対応する地図上の位置に個別サムネイル画像を表示したときに、これらの個別サムネイル画像がフレームアウトしないように地図の表示縮尺が導出される。ところで、モニタ402上に表示される地図の表示縮尺は、厳密にはモニタ402の表示画素の画素ピッチに依存するものであることは先に述べたとおりであるが、モニタ402上に表示される地図の範囲(大きさ)についてもモニタの表示解像度に依存する。また、モニタ402上に表示されるウィンドウのサイズ(地図を表示する領域の大きさ)にも依存する。したがって、モニタ402上において地図を表示する領域の水平方向および垂直方向の大きさ(ピクセルサイズ)と、東西南北方向の最端GPS値とに基づいて地図の縮尺が決定される。
【0097】
以上に説明した処理が行われた結果、ユーザが選択操作した代表サムネイル画像に対応するグループに属する画像の個別サムネイル画像が図14に例示されるように表示画面1100内にすべて収まるように表示される。このとき、上述したように、地図上に表示されるそれぞれの個別サムネイル画像同士が重なって表示されてしまう場合にも、その重なり量が最小化されるように地図の表示縮尺が自動的に導出されるので、個別サムネイル画像の視認性(一覧性)を高めることが可能となる。
【0098】
本発明の実施の形態に係る画像表示処理装置において、上述したユーザ操作に応じて図14を参照して説明した表示がなされたときに、表示切替閾値が自動的に設定される。その例が図14に示されている。図11に例示される状態から図14に例示される状態に表示が切り替えられると、そのときに表示される地図の縮尺に対応する位置にスライダつまみ1006の表示位置が自動的に調節される。また、表示切替閾値も自動的に設定される。このときに設定される表示切替閾値は、上述したごとく自動的に導出された地図の表示縮尺以下の値に設定することが望ましい。このように設定をすることにより、スライダ1000におけるスライダつまみ1006および表示切替境界部1008の位置関係と、表示されているサムネイル画像表示の状態との間に矛盾を生じないようにすることが可能となる。
【0099】
図14に例示される表示がなされた後、ユーザが軌跡ボタン1106をクリックすることにより、線1114cを表示する処理(軌跡表示処理)が行われる。この軌跡表示処理に際しては、先に説明したのと同様の処理が行われる。すなわち、一旦地図だけの表示となり、その後、個別サムネイル画像の時系列表示と軌跡表示の処理が行われる。
【0100】
ところで、所望の代表サムネイル画像を選択する操作をしたのに伴って図14に例示される表示がなされた後、ユーザは、地図の表示縮尺を変更したり、表示中心位置を移動したりする操作を行うことが可能である。例えば、フレームアウトしている部分の地図を見たいときに、ユーザは地図の表示中心位置を変更する操作をすることができる。また、地図をより詳細に表示したい場合にはスライダつまみ1006を図14の右方向に移動させる操作をすることができる。その場合、一部の個別サムネイル画像が、地図の表示中心位置の移動や表示倍率の増加に伴ってフレームアウトし、見えなくなっている場合もありうる。そのような状況のもとでユーザが軌跡ボタン1106をクリックした場合には、以下に説明するような表示処理が行われる。
【0101】
すなわち、先に説明したように、グループ内の画像それぞれに対応するGPS値から最端GPS値を導出して地図の表示中心位置を求め、モニタ402上において地図を表示する領域の水平方向および垂直方向の大きさと、東西南北方向の最端GPS値とに基づいて地図の縮尺を求める処理が再び行われる。その後、地図の再描画、個別サムネイル画像の時系列表示および軌跡表示の処理が行われる。その結果、図14に例示される状態に再び戻される。
【0102】
以上に説明したようにPC400で行われる画像登録処理および画像表示処理について、図15から図18のフローチャートを参照して説明する。図15から図18に示されるフローチャートは、プログラム記憶部416(図4)に記憶されている画像表示処理ソフトがRAM412にロードされてCPU410により実行される処理手順である。図15の画像登録処理の処理手順と、図17から図18の画像表示処理手順とは互いに独立したものとして示されているが、以下では1つのアプリケーションプログラム(画像表示処理ソフト)中に統合されているものとして説明する。
【0103】
上記画像登録処理プログラムおよび画像表示処理プログラムを含む画像表示処理ソフトは、光ディスクD等に収容されてPC400のユーザに提供され、光ディスクドライブ430によって読み取られ、PC400にインストールされる。あるいは、メモリーカード等の他の記憶媒体に収容されて提供されるものであってもよいし、ネットワーク等を介して提供されるものであってもよい。
【0104】
図15を参照し、画像登録処理手順について説明する。図15に示される処理は、PC400上で画像表示処理ソフトが実行されているときにユーザが操作部404を操作して画像登録処理の実行を選択したときにCPU410により実行される処理手順である。なお、画像登録処理手順が行われる際の前提として、カメラ300で撮影して得られた画像がPC400に予め転送されていて、画像記憶部414中に記憶されているものとする。
【0105】
S1500においてCPU410は、画像記憶部414に未処理の画像、すなわち画像管理テーブル600およびグループ管理テーブル700に登録する処理がまだ行われていない画像の有無を判定する。この判定が肯定される、ということは、未登録の画像(画像データファイル800)が画像記憶部414にあるということである。S1500の判定が肯定されるとCPU410はS1502において、未登録画像中の1つの画像データファイル800を読み出す。そして、この画像データファイル800に含まれる付加情報802中から撮影日時情報802aおよびGPS値情報802bを抽出する。
【0106】
S1504においてCPU410は、S1502で読み出した画像データファイル800中の主画像データ806に対して画素間引き等の処理をして個別サムネイル画像データを生成し、記憶する処理を行う。なお、上記S1504の処理において、画像データファイル800中のサムネイル画像データ804を利用可能であればそのようにしてもよい。
【0107】
S1506においてCPU410は、S1502で抽出された撮影日時情報802aをもとに画像をグループ分けする処理を行う。本実施の形態においては撮影日時情報802aをもとにグループ分けをする例について説明するが、他の情報に基づいてグループ分けしても、ユーザによるグループ分け操作を受け付ける処理をしてもよい。
【0108】
S1508においてCPU410は、データベース登録処理、すなわち現在の処理対象となっている画像データファイル800の情報を画像管理テーブル600に登録する処理を行う。そして、画像記憶部414に未処理の画像が存在する間、上述したS1500からS1508までの処理が繰り返し行われる。
【0109】
S1500での判定が否定された場合、すなわち画像記憶部414に未処理の画像データファイル800が存在しないと判定された場合、処理はS1510に進む。S1510においてCPU410は、未処理の画像、すなわちグループ管理テーブル700に情報を登録するための処理が行われていない画像の有無を判定する。S1510の判定が肯定される、すなわちグループ管理テーブル700に情報を登録するための処理が行われていない画像があると判定されると、処理はS1512に進む。
【0110】
CPU410はS1512において、代表GPS値を導出する処理を行う。つまり、S1500からS1508までの処理によってグループ分けされた結果に基づき、1つのグループに属する画像それぞれのGPS値情報をもとに代表GPS値を導出する処理を行う。本実施の形態においては、そのグループに属する画像中で最初に撮影された(最も古い)画像のGPS値をグループ代表GPS値とする例について説明するが、先にも説明したとおり、グループ内の画像それぞれのGPS値の平均値、中央値等を導出する等、他の方法を用いてもよい。また、ユーザが地図上の所望の点を選択する操作を受け付けて、その位置に対応するGPS値を代表GPS値としてもよい。
【0111】
S1514でCPU410は代表サムネイル画像を決定(生成)し、記憶する処理を行う。本実施の形態においては、そのグループに属する画像中で最初に撮影された画像の個別サムネイル画像を代表サムネイル画像とする例にについて説明するが、先にも説明したとおり、シンボル生成したり、あるいは予め用意されているシンボルの中から適したものを選択したりする等、他の方法を用いてもよい。
【0112】
S1516でCPU410は、グループ管理テーブル700に情報を登録する処理を行う。そして、S1510での判定が肯定される間、上述したS1510からS1516までの処理が繰り返し行われる。S1510での判定が否定されると図15に示される一連の処理が完了する。
【0113】
図16から図18を参照して、画像表示処理手順について説明する。図16から図18に示される処理は、PC400上で画像表示処理ソフトが実行されているときにユーザが操作部404を操作し、画像表示処理の実行を選択したときにCPU410により実行される処理手順である。この画像表示処理とは、図11から図14を参照して先に説明したように、表示画面1100内に地図を表示し、その地図上に代表サムネイル画像や個別サムネイル画像を表示する処理である。
【0114】
なお、画像表示処理手順が行われる際の前提として、表示画面1100上に代表サムネイル画像や個別サムネイル画像を表示する対象のグループをユーザが既に選択しているものとする。つまり、図11を例に説明すると、代表サムネイル画像1104a、1104b、1104c、1104d、1104eに対応するグループをユーザが既に選択しているものとする。
【0115】
S1600においてCPU410は、広域地図データをサーバ200から取得し、この広域地図データに基づいて表示画面1100上に地図を表示する処理をS1602で行う。この、S1602で地図を表示する際に、ウィンドウの枠や、図10および11を参照して説明したクローズボタン1102、軌跡ボタン1106、スライダ1000も表示される。
【0116】
本実施の形態においては、S1600、S1602の処理によって、先にも説明したように日本地図が表示されるものとするが、世界地図等が表示されるものであっても、ユーザにより予め設定された地域、縮尺の地図が表示されるものであってもよい。また、以下では地図データをサーバ200から取得する例について説明するが、地図データがPC400内に記憶されていて、S1600ではそれを読み出す処理が行われてもよい。
【0117】
S1604においてCPU410は、表示対象となっているグループを特定する情報を取得する。この、表示対象となっているグループは、先にも説明したように、ユーザによって予め選択されているものとする。
【0118】
S1606においてCPU410は、S1602の処理で表示された地図上に代表サムネイル画像(シンボル)を表示する処理を行う。すなわち、S1602の処理で表示された地図上において、S1604の処理で取得された情報で特定されるグループの代表GPS値に対応する位置の近傍に、各グループの代表サムネイル画像(シンボル)を表示する処理をCPU410は行う。このときCPU410は、図11を参照して説明したように、代表サムネイル画像の近傍にピン1108を表示し、画像がどこで撮影されたものであるかを地図上で示す。なお、表示される地図の縮尺と、各グループの代表GPS値との関係によっては、図11に例示されるように代表サムネイル画像が重なるように表示される場合がある。この場合には、例えば撮影日時がより後の(より新しい)グループの代表サムネイル画像が前側に表示されるように表示の順番を設定することが可能である。
【0119】
以上に説明したS1600からS1606までの処理が完了した時点で、表示画面1100内には図11に例示されるような表示がなされる。ユーザは操作部404を用い、図10から図14を参照して先に説明した操作を行う。CPU410はS1608において、ユーザ操作を受け付け、このユーザ操作に対応して表示を変更する処理を行う。S1608の処理の詳細については後で図17を参照して説明する。
【0120】
S1610でCPU410は、ユーザが画面を閉じる操作、すなわちクローズボタン1102をクリックする操作をしたか否かを判定する。この判定が否定される間、S1608の処理が繰り返し行われる。S1610の判定が肯定されると表示画面1100を消去する処理が行われ、一連の画像表示処理が完了する。
【0121】
図17は、S1608のユーザ操作受付処理の内容を説明するフローチャートであり、図17A、図17B、図17Cから構成されている。図17AのS1700ではユーザ操作が地図縮尺切替の操作、すなわちマイナスボタン1002またはプラスボタン1012をクリックする操作であるか否かが判定される。この判定が肯定されるとCPU410はS1702に進み、サーバ200から地図データを新たに取得する。つまり、マイナスボタン1002をクリックする操作がなされた場合、現状で表示されている地図の縮尺よりも1段階小さい縮尺の地図データを新規に取得する処理をCPU410は行う。逆に、プラスボタン1012をクリックする操作がなされた場合、現状で表示されている地図の縮尺よりも1段階大きい縮尺の地図データを新規に取得する処理をCPU410は行う。
【0122】
S1704においてCPU410は、S1702で取得した地図データに基づき、地図を再描画する処理を行う。S1704の処理が実行される時点でサムネイル画像は消去された状態となる。S1706においてCPU410は、現状で設定されている表示縮尺の値を取得する。以下ではこれを表示縮尺の値(a)と称する。S1706の処理が行われる時点における表示縮尺の値(a)は、S1704で表示された地図の表示縮尺に対応するものとなっている。
【0123】
S1708においてCPU410は、現状で設定されている表示切替閾値の値を取得する。以下ではこれを表示切替閾値(b)と称する。S1708の処理が行われる時点における表示切替閾値(b)は、スライダ1000中で表示される表示切替境界部1008の表示位置に対応する。
【0124】
CPU410はS1710において、表示縮尺の値(a)が表示切替閾値(b)を上回っているか否かを判定し、この判定が肯定されるとS1712において個別サムネイル画像表示の処理を行い、リターンする。一方、S1710の判定が否定された場合、すなわち表示縮尺の値(a)が表示切替閾値(b)以下であると判定された場合、CPU410はS1714において代表サムネイル画像表示の処理を行い、リターンする。なお、S1710での判定の基準は一例であり、表示縮尺の値(a)が表示切替閾値(b)以上であるときにS1712に進み、表示縮尺の値(a)が表示切替閾値(b)を下回るときにS1714に分岐してもよい。
【0125】
S1714の処理が行われた場合に対応するのが図11に例示される表示状態である。また、S1712の処理が行われた場合に対応するのが図12に例示される表示状態である。図11の例では、表示切替境界部1008の表示位置よりも表示スライダつまみ1006の表示位置が左側に位置し、図12の例では、表示切替境界部1008の表示位置よりも表示スライダつまみ1006の表示位置が右側に位置している。S1712で個別サムネイル画像の表示処理が行われる際には、先に説明した時系列表示の処理が行われる。
【0126】
S1700での判定が否定された場合の分岐先であるS1720においてCPU410は、ユーザ操作が表示縮尺ズーム操作、すなわちスライダつまみ1006を図10の右側または左側にスライドさせる操作であるか否かを判定する。この判定が肯定された場合、スライダつまみ1006の表示位置に対応して地図の新たな表示縮尺を決定する処理がS1722で行われる。
【0127】
続くS1724では、S1722で決定された表示縮尺の地図を表示画面1100に表示するためには新たな地図データ(現状で保有しているのとは異なる縮尺の地図データ)が必要か否かを判定する。この判定が肯定された場合、処理はS1702に戻り、必要な倍率の地図データがサーバ200から取得され、続いてS1704からS1714までの処理が行われて地図の更新表示、サムネイル画像の再表示が行われる。
【0128】
S1724での判定が否定された場合、処理はS1704に戻り、現状で保有している地図データに基づく地図の更新表示の処理が行われ、続いてS1706からS1714までの処理が行われてサムネイル画像の再表示が行われる。
【0129】
S1720での判定が否定された場合の分岐先であるS1730においてCPU410は、ユーザ操作が表示切替閾値変更操作、すなわち表示閾値切替調整部1008を図10の右側または左側にスライドさせる操作であるか否かを判定する。この判定が肯定された場合、表示切替調整部1008の表示位置に対応して、新たな表示切替閾値(b)が設定される。
【0130】
S1374においてCPU410は、S1732で新たな表示切替閾値(b)を設定した後も表示縮尺の値(a)と表示切替閾値(b)との大小関係に変化が無いか否かの判定を行う。「変化なし」との判定がなされた場合、リターンする。S1374での判定が「変化あり」であった場合、処理はS1704に戻り、地図更新の処理が行われる。続いてS1706からS1714の処理が行われてサムネイル画像再表示が行われる。
【0131】
つまり、S1732で新たな表記切替閾値(b)が設定された後に表示縮尺の値(a)と表示切替閾値(b)との大小関係に変化が無い場合には、現状で表示されているサムネイル画像(代表サムネイル画像または個別サムネイル画像)の表示更新をする必要は無いので上記のようにリターンする。一方、上記大小関係に変化があった場合、サムネイル画像の表示状態を代表サムネイル画像表示状態から個別サムネイル画像表示状態、または個別サムネイル画像表示状態から代表サムネイル画像表示状態へと切り替える必要があるので、上記のようにS1704およびそれに続く処理が行われる。
【0132】
S1730での判定が否定された場合の分岐先であるS1740(図17B)においてCPU410は、ユーザ操作が代表サムネイル画像を選択する操作であるか否かを判定する。ここで、代表サムネイル画像を選択する操作とは、先に説明したとおり、地図上に表示されている代表サムネイル画像のいずれかをユーザがクリック、あるいはダブルクリックして選択する操作である。この操作が行われた場合、以下に説明するように選択された代表サムネイル画像に対応するグループ内の個別サムネイル画像を地図上に表示する処理が行われる。
【0133】
S1740の判定が肯定された場合、処理はS1742に進み、CPU410はグループ内画像の最端GPS値を取得する処理を行う。この最端GPS値を導出する処理は、先にも説明したように、1つのグループ内に属する画像のGPS値中、東端、西端、北端、南端のGPS値を導出する処理である。つまり、CPU410は画像管理テーブル600にアクセスし、ユーザによって選択されたグループに属する画像それぞれのGPS値の、東、西、北、南の分布範囲を導出する。
【0134】
なお、あるグループに属する画像が1枚であったり、全て同じ場所で撮影された画像であったりした場合には、単一のGPS値しか得られない。その場合には単一のGPS値に対して東西、南北それぞれの方向に所定のオフセット値を加えた(減じた)値を以て最端GPS値とすることが可能である。
【0135】
S1744、S1746においてCPU410は、選択されたグループ内の個別サムネイル画像をすべて表示するのに適した地図の表示中心(GPS値)および表示縮尺を導出する処理を行う。先にも説明したように、東端、西端のGPS値の中間値と、北端、南端のGPS値の中間値とから地図の表示中心のGPS値を求めることができる。表示倍率についても、先述したように、地図上に表示される個別サムネイル画像が表示画面1100からフレームアウトすることなく、かつ個々の個別サムネイル画像同士が重なって表示されてしまう場合にも、その重なり量が最小化されるように導出される。
【0136】
S1748においてCPU410は、S1746で導出された地図表示縮尺に対応して表示切替閾値を設定する処理を行う。つまり、S1746で導出された地図の表示縮尺以下の値に表示切替閾値を設定する処理をCPU410は行う。
【0137】
S1750においてCPU410は、S1746で導出された表示縮尺に基づき、新たな縮尺の地図データをサーバ200からダウンロードする必要があるか否かを判定する。つまり、現状で保有している地図データをもとに地図を表示する際の表示倍率を変えるだけでは新たな表示中心、新たな縮尺の地図を表示できない場合、この判定は肯定される。この判定が肯定される場合、処理はS1702(図7A)に戻り、新たな縮尺の地図データをサーバ200からダウンロードする。なお、サーバ200から過去にダウンロードされた地図データについてはRAM412または記憶装置418にキャッシュしておき、該当するキャッシュデータがあるときには地図データのダウンロードを行わずにキャッシュデータを利用してもよい。S1750の判定が否定された場合には、処理はS1704に戻る。
【0138】
上記処理に続き、S1704からS1712までの処理が行われ、図14に例示されるものにおいて線1114cが表示されていない状態の表示がなされる。上記処理において、S1748で表示切替閾値(b)が設定される際に、S1746で導出された表示縮尺の値(a)以下の値とされるのは先に説明したとおりである。したがって、S1704およびこれに続く処理が行われる際に、S1710での判定が肯定されることとなり、S1712の個別サムネイル画像表示の処理が行われる。
【0139】
図17BのS1740での判定が否定された場合の分岐先であるS1760においてCPU410は、ユーザ操作が軌跡ボタン1106をクリックする操作であるか否かを判定する。S1760での判定が肯定されると、CPU410はS1762において、軌跡表示は既に行われていて表示画面1100内に線(図13、図14に示される線1114a、1114b、1114cを総称して「線1114」と称する)が表示されているか否かを判定する。S1762の判定が肯定されると、処理は図17AのS1704に戻り、地図および個別サムネイル画像の再描画処理が行われる。その結果、線1114が消去される。
【0140】
S1762の判定が否定される、すなわち線1114はまだ引かれていないと判定されると処理はS1764に進み、現状のサムネイル画像表示状態が、ユーザによって選択されたグループ内の個別サムネイル画像が表示されている状態か否かが判定される。この判定が肯定される、ということは表示画面内に表示される代表サムネイル画像のうち、所望の代表サムネイル画像をユーザが選択する操作をした結果、その代表サムネイル画像に対応するグループの個別サムネイル画像が表示されている状態にある、ということである。
【0141】
S1764の判定が肯定されるとCPU410はS1766、S1768、S1770、S1772の処理を行う。これらの処理は先に説明したS1722、S1744、S1746、S1748の処理と同様である。つまり、グループ内の個別サムネイル画像をすべて表示するのに適した地図の表示中心(GPS値)および表示縮尺を導出し、導出された表示縮尺以下の値に表示切替閾値を設定する処理を行う。CPU410は続いて、S1774の地図更新表示処理およびS1778の軌跡表示処理(個別サムネイル画像の時系列表示および移動軌跡表示の処理)を行い、リターンする。
【0142】
現状のサムネイル画像表示モードが選択されたグループ内の個別サムネイル画像を表示するモードであるとS1764で判定されて以上に説明したS1766からS1778までの処理が行われることにより以下のような表示が行われる。すなわち、ユーザによって選択されたグループの個別サムネイル画像が表示されている状態のときに、先にも説明したようにユーザは地図の表示倍率を変えたり、あるいは地図の表示中心を代えたりする操作をしている可能性がある。
【0143】
その場合、ユーザによって選択されたグループ内の個別サムネイル画像中の一部が表示画面1100からフレームアウトしたり、地図の表示倍率が小さすぎる結果、個別サムネイル画像同士が重なって表示されてしまったりしている可能性がある。このような場合であっても、S1766からS1778までの処理が行われることにより、図14に例示されるように、グループ内の個別サムネイル画像が表示画面1100内にすべて表示され、なおかつ個別サムネイル画像間の表示ピッチができるだけ大きくなるように表示される。
【0144】
以上の処理により、軌跡表示に際して線1114が表示画面1100からフレームアウトすることもなく、地図および個別サムネイル画像がユーザにとってできるだけ見やすくなるように表示されるようになる。S1778における軌跡表示の処理の詳細については後で図18を参照して説明する。
【0145】
S1764での判定が否定された場合、CPU410はS1780において表示画面1100内に個別サムネイル画像が表示されているか否かの判定を行う。この判定が否定されるということは、現状のサムネイル画像表示モードが代表サムネイル画像表示モードであるか、あるいはユーザが地図の表示縮尺を大きくした結果、表示縮尺の値(a)が表示切替閾値(b)を越したことにより個別サムネイル画像が表示されるモードとなっているけれども、表示画面1100には地図しか表示されていない状態にある(例えば、地図の表示縮尺を大きくしすぎて全ての個別サムネイル画像が表示部1100からフレームアウトしている)、ということである。その場合、CPU410はS1782の処理を行い、表示画面1100内に「軌跡表示ができない」旨の警告表示をしてリターンする。
【0146】
S1780での判定が肯定された場合の処理について説明する。S1780での判定が肯定される、ということは、ユーザが地図の表示縮尺を大きくした結果、表示縮尺の値(a)が表示切替閾値(b)を越したことにより現状のサムネイル画像表示モードが個別サムネイル画像を表示するモードとなっていて、なおかつ個別サムネイル画像が少なくとも1つは表示されている、ということである。S1780での判定が肯定される場合、先に説明した地図の表示中心および表示縮尺を更新して表示切替閾値を設定する処理(S1766からS1772までの処理)をスキップし、CPU410はS1774の地図更新表示およびS1778の軌跡表示のみをおこなってリターンする。この場合には図13を参照して先に説明した軌跡表示が行われる。
【0147】
図17BのS1760での判定が否定された場合の分岐先である図17CのS1790においてCPU410は、ユーザ操作が地図表示中心を移動する操作であるか否かを判定する。つまり、図11を参照して先に説明したように、表示画面1100内に表示される地図上の任意の点Pをクリックする操作であるか否かを判定する。
【0148】
S1790での判定が肯定されると、CPU410はS1792において、表示画面1100内の地図上でユーザがクリックした点に対応するGPS値を新たな表示中心位置とする。S1794においてCPU410は、新たな地図データが必要か否かの判定を行う。つまり、S1792で更新された表示中心位置の地図を表示画面1100に表示することが、現状で保有している地図データでは不可能である場合、S1794の判定が肯定される。S1794の判定が肯定されると処理は図17AのS1702に戻る。なお、S1702での地図データを新たに取得する際、キャッシュデータを利用可能な場合にはそれを利用することについては先に説明したとおりである。一方、S1794の判定が否定されると処理は1704に戻る。以降、地図の更新表示およびサムネイル画像の更新表示が行われてリターンする。
【0149】
図17BのS1778で行われる軌跡表示の詳細について図18を参照して説明する。図18の処理は、表示画面1100上に表示される地図上に個別サムネイル画像を時系列表示しながら軌跡表示をするための処理である。先にも説明したように、本発明の実施の形態においては昇順に時系列表示がなされるものとする。つまり、撮影日時の古いものから順に時系列表示がなされるものとする。
【0150】
S1800においてCPU410は、画像管理テーブル600にアクセスし、ユーザにより選択されたグループに属する画像の撮影日時情報およびGPS値情報を取得する。CPU410はS1802において、画像管理テーブル600中のパス612の情報で指定されるパス中をたどり、個別サムネイル614の情報で特定されるファイル名の個別サムネイル画像ファイルを読み出す。そして、表示画面1100に表示される地図上において、その画像のGPS情報で特定される位置に個別サムネイル画像を表示する。
【0151】
S1804においてCPU410は、S1802の処理で表示されたサムネイル画像が一連の時系列表示における最初の画像であるか否かの判定をする。S1804の判定が肯定されると処理はS1808に進む。一方、S1804の判定が否定される、すなわち表示された個別サムネイル画像が一連の時系列表示において二番目以降に表示されたものであると判定された場合、処理はS1806に進む。
【0152】
S1806においてCPU410は、一連の時系列表示における1つ前の順番で地図上に表示された個別サムネイル画像と、直近のタイミングで地図上に表示された個別サムネイル画像との間を結ぶ線1104を引く処理を行う。この線1104の引き方としては、図13、14に例示されるように、個別サムネイル画像よりも前側に(個別サムネイル画像の一部が線1104によって隠れるように)引いてもよいし、あるいは個別サムネイル画像の後側に(個別サムネイル画像によって線1104の一部が隠れるように)引いてもよい。
【0153】
S1808においてCPU410は、直近のタイミングで表示された個別サムネイル画像が、一連の時系列表示における最後のものであるか否かの判定をする。S1808の判定が否定される間、S1802からS1806までの処理が繰り返し行われ、時系列表示および軌跡表示が行われる。S1808の判定が肯定されると処理はS1810に進む。
【0154】
S1810においてCPU410は、軌跡表示をする対象として他のグループのものがあるか否かを判定する。地図上に表示される代表サムネイル画像の中からユーザにより選択されたものに対応するグループの個別サムネイル画像が表示される場合には、表示対象のグループは1つだけなのでS1810の判定は否定され、したがってリターンする。一方、図11に例示されるように、地図上にいくつかの代表サムネイル画像1104a、1104b、1104c、1104d、1104eが表示されている状態でユーザがスライダつまみ1006を図11の右方向に動かし、地図の表示縮尺の値(a)が表示切替閾値(b)を越したために個別サムネイル画像表示が行われる場合、複数のグループの個別サムネイル画像が地図上に表示される。その場合には、S1810の判定が肯定される間、複数のグループに対応する個別サムネイル画像の表示を行う処理が行われる。その結果、図12に例示されるような個別サムネイル画像の表示処理が行われる。
【0155】
以上の実施の形態では、図16のフローチャートに例示されるように、画像表示処理の開始時に、ユーザにより予め設定された、あるいはデフォルトで設定された縮尺の比較的広域の地図が表示される例について説明した。これに代えて、図14を参照して説明した、ユーザが選択したグループに属する個別サムネイル画像が表示される際に地図の表示中心および表示倍率が自動的に設定されるのと同様の方法を用いて地図の表示中心、表示縮尺を自動的に設定して地図を表示し、その地図上に代表サムネイル画像を表示するようにしてもよい。つまり、表示対象として選択されているグループの代表サムネイル画像が表示画面1100内に全て表示され、かつそれぞれの代表サムネイル画像間の表示ピッチができるだけ大きくなるように地図の表示中心および表示縮尺が自動的に設定され、S1602での地図表示が行われるようにしてもよい。
【0156】
以上に説明したように、本発明によれば、設定された縮尺でディスプレイ上に表示された地図上にサムネイル画像を表示する際に、縮尺が表示切替閾値以下である場合には代表サムネイル画像が表示される一方、縮尺が表示切替閾値を越す場合には個別サムネイル画像が表示され、この表示切替閾値をユーザが設定可能に構成されることにより、以下のような効果を奏することが可能となる。
【0157】
すなわち、地図上に個別サムネイル画像が表示されている状態でユーザが広域の地図を見たいために地図の縮尺を小さく設定した場合、地図上に表示されるそれぞれの個別サムネイル画像は密集して表示されるようになる。すると、地図が見えにくくなる場合がある。しかし、表示縮尺が表示切替閾値以下となったときに表示されるサムネイル画像は代表サムネイル画像に切り替えられるので、結果として地図上に表示されるサムネイル画像の数は減じられ、地図は見やすくなる。また、ディスプレイ上で表示されるサムネイル画像の表示密度が減少するので、サムネイル画像同士の重なりも減じられ、何が写っているのかを容易に把握することが可能となる。
【0158】
また、地図上に個別サムネイル画像が表示されている状態でユーザが表示切替閾値を増す操作をすることにより、地図の表示縮尺は固定したままで、地図上に表示されるサムネイル画像を個別サムネイル画像から代表サムネイル画像に切り替えることが可能となる。これにより、地図の表示縮尺を固定した状態で地図上に表示されるサムネイル画像の数を減じることが可能となり、地図が見やすくなる。
【0159】
逆に、地図よりも個別サムネイル画像を見たい場合には地図の表示縮尺は固定したまま表示切替閾値を減じる操作をすることにより、サムネイル画像の表示を代表サムネイル画像から個別サムネイル画像へと容易に切り替えることが可能となる。
【0160】
このように、本発明によれば地図の表示縮尺と表示切替閾値とを独立して設定可能な構成を有することにより、地図の表示縮尺とサムネイル画像の表示状態とをユーザの好みに応じて変えることが可能となり、地図およびサムネイル画像を見やすくすることが可能となる。
【0161】
また、地図上に表示されている代表サムネイル画像のうち、所望のものをユーザが選択する操作をしたのに応じて、選択された代表サムネイル画像に対応するグループ内の全ての個別サムネイル画像を表示する際に、以下のように表示されることについて説明した。すなわち、選択された代表サムネイル画像に対応するグループ内のサムネイル画像が表示画面1100内に全て表示され、かつそれぞれの個別サムネイル画像間の表示ピッチができるだけ大きくなるように地図の表示中心および表示縮尺が自動的に設定される。
【0162】
したがって、表示画面1100内に個別サムネイル画像が多く表示される場合でも、個別サムネイル画像間の表示ピッチをできるだけ大きくして、それにより表示される個別サムネイル画像間の重なり量を減じて画像を見やすくすることが可能となる。また、このように個別サムネイル画像が表示される際、自動的に設定された地図の表示縮尺に対応して表示切替閾値も自動的に設定されることにより、ユーザがスライダつまみ1006や表示切替境界部1008を操作する際の操作性を向上することが可能となる。
【0163】
さらに、地図上に表示される個別サムネイル画像の数が時間を追って漸次増加してゆくように時系列表示の処理が行われることにより、ユーザは撮影したときの経路を地図上でたどるようにして個別サムネイル画像を観視することが可能となる。また、軌跡表示の処理が行われる際にも、軌跡を表す線1114が時間を追って延伸してゆく様子が示されるので、ユーザは地図上で撮影時の経路をたどることが可能となる。
【0164】
− 第2の実施の形態 −
第1の実施の形態においては、図3を参照して説明したカメラ300がGPSレシーバ302を有しており、撮影時にGPS情報を得ることが可能で、このGPS情報が位置情報として画像に関連付けられる例について説明した。これに対し、第2の実施の形態においては、カメラがGPSセンサを有しておらず、ユーザが画像に位置情報を関連付けする操作をする例について説明する。
【0165】
第2の実施の形態における画像表示システムでは、第1の実施の形態で図3を参照して説明したカメラ300からGPSレシーバ302を除いたものが用いられる。したがって、画像データファイル800(図8)中の付加情報802中にはGPS値802bが含まれない。また、サーバ200中の地図データ管理テーブル900が図19に示される地図データ管理テーブル900Aに置き換えられる。あるいは、地図データ管理テーブル900に加えて地図データ管理テーブル900Aを有する。以上が第1の実施の形態との構成上の違いである。なお、カメラ300がGPSレシーバ302を有していても、撮影場所がGPS衛星からの電波が届きにくい場所であったり、その他の要因によって測位情報を得ることができなかったりする場合がある。そのような場合、本発明の第1の実施の形態と第2の実施の形態とを共に実施するようにしてもよい。
【0166】
図19に示される地図管理テーブル900Aにおいて、第1の実施の形態における地図管理テーブル900(図9)中で登録される情報と同じ情報には図9に示されるのと同じ符号を付してその説明を省略する。地図管理テーブル900Aには、中心点904、縮尺906、カバー範囲908が登録されない。代わりに、地図ID903、地図エリア名905、地図原点907、カバー範囲909が登録される点が地図管理テーブル900との違いである。
【0167】
地図ID903は、サーバ200の地図データ記憶部210に記憶される地図のひとつ一つに対して一意に付与されるIDである。地図エリア名905は、地図によってカバーされる範囲を示す情報である。地図原点907は、各地図の原点位置をGPS値で表した情報である。先にも説明したように、本実施の形態においては、地図の左上隅の点に対応するGPS値が地図原点907として登録されているものとする。カバー範囲909は、それぞれの地図がカバーする範囲を示す情報である。本実施の形態においては、緯度方向、経度方向に沿うカバー範囲を「度」で表したものをカバー範囲909とする例を示す。つまり、図19に示される例において、No.0のエントリに登録されるMP001という地図IDの地図は日本の北海道内の道北エリアをカバーし、北緯47度、東経140度を原点として緯度方向(南北方向)に4度、経度方向(東西方向)に5度のカバー範囲を有する。
【0168】
図20は、1または複数の画像のそれぞれに対してユーザが位置情報を関連付けする操作を行う際にPC400のモニタ402に表示される画面の例を示す図である。モニタ402には、地図2204が表示され、地図2204上にポインタ2206が表示される。地図2204の下方には、サムネイル画像一覧2210が表示される。地図2204の上方左寄りにはクローズボタン2212が、右寄りには地図名表示部2200および地図選択操作ボタン2202が表示される。ユーザはマウス等を用い、以下に説明するように位置情報を各画像に対して関連付けする操作を行う。
【0169】
図20に例示される画面は、画像記憶部414中に記憶される画像中、ユーザが所望のグループの画像を選択した後、位置情報を関連付けする操作をするためのメニューを選択したときに表示される。ユーザはサムネイル画像一覧2210と地図2204とを見比べ、サムネイル画像一覧2210に表示された画像が撮影されたエリア(地域)を含む地図が表示されているかどうかを確認する。
【0170】
適切な地図が表示されていない場合、ユーザは地図名表示部2200上にポインタ2206を移動させてマウスをクリックする操作を行う。つまり、地図名表示部2200をクリックする操作を行う。すると、ドロップダウンメニューが表示される。このドロップダウンメニュー中には表示可能な地図の名称の一覧が表示されるので、ユーザは所望の地図名上にポインタ2206を位置させてクリックする操作を行う。次いで、地図選択操作ボタン2202にポインタ2206を位置させてクリックする操作をすると、地図2204が表示される領域に新たな地図が表示される。
【0171】
ユーザは次に、サムネイル画像一覧2210中から所望のサムネイル画像2208上にポインタ2206を位置させてクリックする操作を行う。すると、そのサムネイル画像2208は、一例として太枠で囲われた表示となり、ユーザはどのサムネイル画像が選択されているかを知ることができる。以下では、ユーザが選択したサムネイル画像を選択サムネイル画像2208と称する。
【0172】
ユーザは上記のようにして選択サムネイル画像2208を決定した後、その選択サムネイル画像2208に対応する画像を撮影したときの場所に対応する地図2204上の位置にポインタ2206を移動させてマウスボタンをクリックする(以下、単に「クリックする」と称する)操作を行う。PC400は、そのときのポインタ2206の位置(2次元のX、Y座標値)を検出する。ここで、X,Y座標値は、地図2004が表示されている画面上の表示領域の左上の座標を(0、0)として、X、Y座標値をピクセルで表わしたものである。
【0173】
上述した操作をユーザが行うと、ユーザがクリック操作をしたときに地図2204上でポインタ2206が位置していた点に対応する緯度および経度が、後で図22を参照して詳述する手順によって導出される。導出された緯度および経度はGPS値として画像管理テーブル600中に登録される。なお、第1の実施の形態と同様に、図示しないスライダにより、表示された地図の縮尺を変化させることができる。また、第2の実施の形態においては、撮影地点をユーザが地図上で指定する操作に基づいて導出された緯度・経度の情報を、GPSレシーバを用いて得られるGPS値と同様のフォーマットで表現したものをGPS値と称する。このようにして位置情報を関連付けする処理を完了した画像に対応するサムネイル画像には、処理済みであることを示すアイコンを付加する等、処理前のサムネイル画像の表示形態とは異なるものとすることが望ましい。
【0174】
グループ内の画像に対して位置情報を関連付ける処理が完了した後、ユーザはクローズボタン2212をクリックする。すると、このグループに対応する情報をグループ管理テーブル700に登録する処理がPC400によって実行される。つまり、代表GPS値706を決定する処理が行われる。
【0175】
この代表GPS値706を決定する方法の一例としては、グループ内の画像中で最初に撮影されたもの(一番古いもの)のGPS値を当該グループの代表GPS値706とすることができる。他の例としては、そのグループ内に属する全ての画像のGPS値610を統計的に処理、例えば平均値導出、中央値導出等の処理をして代表GPS値706を導出することが可能である。あるいは、モニタ402上に表示される地図2204上でユーザが位置を指定する操作(例えば地図2204上の所望の位置にポインタ2206を移動させてクリックする操作)を受け付け、その位置に対応する緯度、経度を導出して代表GPS値706とすることも可能である。
【0176】
図20を参照して説明したユーザ操作を受け付け、グループ内の画像それぞれに位置情報を関連付けるために、PC400内のCPU410によって実行される処理手順について図21を参照して説明する。画像記憶部414中に記憶される画像中、ユーザが所望のグループの画像を選択し、位置情報を関連付けする操作をするためのメニューを選択した結果、図20に例示される表示をモニタ402上に表示する処理が行われた後、図21に示される処理の実行が開始される。
【0177】
S2300においてCPU410はユーザによるクリック操作が検出されたか否かの判定を行う。この判定が否定される間、S2300の処理が繰り返し行われる。S2300での判定が肯定されると、S2300でクリック操作が行われた際の、ポインタ2206の位置を判定する処理がS2302で行われる。
【0178】
ポインタ2206が地図名表示部2200(図20)上にあると判定されたときの分岐先であるS2304において、CPU410は表示地図切替のための処理を行う。つまり、先に説明したようにドロップダウンメニューを表示してユーザによる地図選択の操作を受け付け、新たな地図をモニタ402上に表示する処理をCPU410は行う。S2304の処理が完了すると処理はS2300に戻る。
【0179】
サムネイル画像一覧2210が表示されている領域上にポインタ2206があると判定されたときの分岐先であるS2306において、CPU410はポインタ2206の表示位置にあるサムネイル画像、すなわち選択サムネイル画像2208に対応する画像(ファイル名)を特定する。S2306の処理が完了すると処理はS2300に戻る。
【0180】
地図2204の表示されている領域上にポインタ2206があると判定されたときの分岐先であるS2308において、CPU410は、地図2204上におけるポインタ2206の位置を特定し、その位置に対応する緯度および経度を求める処理を行う。
【0181】
S2310においてCPU410は、ファイル名で特定される画像の位置情報として、GPS値610を対応付ける処理を行う。すなわち、画像管理テーブル600中、ファイル名で特定されるエントリ中にGPS値610を登録する処理を行う。S2310の処理が完了すると処理はS2300に戻る。
【0182】
S2302において、ポインタ2206がクローズボタン2212の上にあると判定すると、CPU410はモニタ402上の図20に例示される表示を消去し、位置情報関連付けの処理を完了する。
【0183】
上記処理を完了した後、ユーザはPC400を操作して、モニタ402上に表示される地図上にサムネイル画像を表示するためのメニューを選択する。すると、第1の実施の形態で図11から図14を参照して説明したような表示が行われる。
【0184】
図21のフローチャート中のS2308で行われる処理について図22を参照して説明する。図22は、モニタ402に表示される地図2204上のポインタ2206の位置から緯度および経度を導出する手順を概念的に示す図である。図22において(a)はモニタ402上の地図2204の表示領域のサイズと地図の表示サイズとが一致している様子を示している。一方、(b)は、モニタ402上の地図2204の表示領域内に地図の一部が表示される様子を示している。
【0185】
同じ地図データを用いて地図を表示する場合であっても、そのモニタ402上に表示する際の表示倍率を増すと地図の表示サイズは図21(b)の二点鎖線の矩形2204A(以下、単に矩形2204Aと称する)で示されるように地図2204の表示領域のサイズよりも大きくなる。そして、地図2204の表示領域には地図の一部が拡大されて表示されるようになる。
【0186】
そして、図10などを参照して説明したスライダ1000をユーザが操作すると、地図の表示サイズ、すなわち矩形2204Aの大きさが変化する。また、地図の表示中心を移動させる操作をすると、地図2204に対する矩形2204Aの位置が上下左右に変化する。また、ポインタ2206の位置はピクセルを単位として表される一方、地図上の位置は緯度および経度、すなわち角度で表される。これらのことを考慮して以下に説明するように緯度および経度の導出処理が行われる。なお、地図2204は、上方を北とする。
【0187】
図22の(a)および(b)において、モニタ402に地図2204を表示する際の表示領域のサイズは横方向にMピクセル、縦方向にNピクセルを有するものとする。また、ポインタ2206は、地図2204の表示領域の左上隅の点(以下では表示原点と称する)を基準として右方向にXピクセル、下方向にYピクセルの位置にあるものとする。図22中のその他の符号e、f、g、h、p、qは全て角度を単位とするものである。そのうち、位置を表す符号には丸カッコを付す。例えば、(e、f)は地球表面における経度e(度)、緯度f(度)の位置を表す。また、p(度)及びg(度)は、それぞれ緯度f(度)における地球表面上の経度方向の角度に対応する距離を表わし、q(度)及びh(度)は地球表面上の緯度方向の角度に対応する長さを表わす。本実施の形態において、地図データによってカバーされる領域の左上隅の点を地図原点と称する。つまり、図22に示される例において地図原点は(e、f)で特定される点である。
【0188】
図22(a)では、横方向にMピクセル、縦方向にNピクセルの表示領域に、経度方向にp、緯度方向にqのカバー範囲の地図が表示縮尺Rで表示されている様子が描かれている。図22(a)では表示領域と地図のサイズとが一致しているため表示原点と地図原点とが一致している。このとき、地図の表示縮尺をRとしている。
【0189】
図22(b)は、経度方向にp、緯度方向にqの範囲をカバーする地図が拡大表示された状態を表わしている。このときの表示縮尺はSで、横方向にMピクセル、縦方向にNピクセルの表示領域には、地図が部分的に表示されている様子が描かれている。表示原点は地図原点に対して、経度方向にg、緯度方向にh離れている。地図原点と表示原点との間の横方向および縦方向のずれ量(ピクセル)は、地図のスライド量として検出する。例えば、図22(b)おける地図は、地図の原点と表示原点が一致していた状態から地図を左方向にmピクセル、上方向にnピクセルだけスライドした状態であるとすると、以下の式(1)および式(2)により表示原点と地図の原点の経度方向の距離の差gと緯度方向の距離の差hを導出できる。なお、以下に示される式において/は除算を、・は乗算を意味する。

g = (m/M)・(R/S)・p … 式(1)
h = (n/N)・(R/S)・q … 式(2)

地図2204の表示原点を基準として図22(b)の右方向にXピクセル、下方向にYピクセルの位置をポインタ2206が指しているものとすると、この位置に対応する緯度および経度は以下の式(3)、式(4)を用いて導出することが可能となる。

経度 = e+g+(p/M)・(R/S)・X … 式(3)
緯度 = f+h+(q/N)・(R/S)・Y … 式(4)

図21に示すフローチャートのS2308では、モニタ402に表示される地図2204上におけるポインタ2206の位置に対応する緯度および経度が以上に説明した方法によって導出される。
【0190】
以上に説明したように、第2の実施の形態においては画像データファイル800内の付加情報802中にはGPS値が含まれていない。そして、各画像に位置情報を関連付ける操作をユーザが行った結果、画像管理テーブル600内にGPS値610が登録される。なお、ユーザによる上述した操作に対応して、撮影場所のGPS値を導出することができるので、導出されたGPS値を各画像データファイル800内の付加情報802中に記録する処理を行うことも可能である。その場合、図20を参照して説明したユーザ操作が行われたときに、それぞれの画像の付加情報802中にGPS値を記録する処理をCPU410が行うものであってもよい。その後、第1の実施の形態で説明した処理によって、画像管理テーブル600(図6)、グループ管理テーブル700(図7)中に情報を登録する処理をCPU410が行うことも可能である。
【0191】
以上、本発明の第1および第2の実施の形態では、画像表示処理を行う装置としてPC400を用いる例について説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、モニタ表示装置を有して記憶装置内に記憶される画像データを表示可能なフォトストレージ装置やデジタルフォトフレーム、ヘッドマウントディスプレイ装置等にも適用可能である。あるいは、カメラ300自体が比較的大きな表示部を有している場合、比較的大きな外部モニタ表示装置に接続可能な場合、あるいはプロジェクタ等を内蔵していてユーザが視認可能な大きさで地図とサムネイル画像を表示可能な場合、カメラ300で上述した表示を行うようにしてもよい。
【0192】
また、第1の実施の形態ではカメラ300がGPSレシーバ302を有していて、撮影時に得られた測位情報が画像データファイル800内の付加情報802中に付加される例について説明したが、測位情報は必ずしもこのような形態で付加されなくてもよい。例えば、カメラ300が携帯電話、あるいは他の無線公衆網に接続可能なモバイル機器に組み込まれるものである場合、撮影時に接続可能な基地局の位置と、交信時の電波強度等に基づいて測位情報を得ることができる。また、GPSロガー(所定の時間間隔で測位動作を繰り返し行い、得られたGPS情報を測位時刻とともに記録する装置)あるいはそれに類する装置をカメラとともに持ち歩き、撮影時にカメラが存在していた位置に対応する情報を後処理によって自動または手動で付加情報802中に追記したり、画像管理テーブル600、600A中に登録したりする処理が行われるものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0193】
本発明は、記憶装置内に記憶される画像データに基づく画像を表示可能な全ての機器、すなわちパーソナルコンピュータ、フォトストレージ装置、デジタルフォトフレーム、ヘッドマウントディスプレイ装置、カメラ、あるいはテレビ等のモニタ表示装置に接続可能で動画像や静止画像を記憶可能なレコーダ等に適用可能である。
【符号の説明】
【0194】
100 … 画像表示システム
200 … サーバ
206 … ネットワークインターフェース
208 … 記憶装置
210 … 地図画像記憶部
212 … 地図管理データベース
300 … カメラ
302 … GPSレシーバ
308 … 撮像部
312 … コントローラ
318 … 画像メモリ
320 … 通信インターフェース
400 … PC(パーソナルコンピュータ)
402 … モニタ
404 … 操作部
406 … ネットワークインターフェース
408 … 通信インターフェース
410 … CPU
412 … RAM
414 … 画像記憶部
416 … プログラム記憶部
418 … 記憶装置
420 … 画像管理データベース
500、510、520 グループ
600、600A … 画像管理テーブル
700、700A … グループ管理テーブル
800 … 画像データファイル
802 … 付加情報
802a … 撮影日時情報
802b … GPS値情報
806 … 主画像データ
900、900A … 地図データ管理テーブル
1000 … スライダ
1006 … スライダつまみ
1008 … 表示切替境界部
1100 … 表示画面
1102、2212 … クローズボタン
1104 … 代表サムネイル画像
1106 … 軌跡ボタン
1110、1112 … 個別サムネイル画像
1114 … 線(移動軌跡)
2200 … 地図名表示部
2202 … 地図選択操作ボタン
2204 … 地図
2206 … ポインタ
2208 … 選択サムネイル画像
2210 … サムネイル画像一覧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報および撮影日時情報が関連付けられた画像のサムネイル画像を、ディスプレイ上に表示された地図に重ねて表示する画像表示装置であって、
前記画像を記憶する画像記憶部と、
前記画像記憶部に記憶された複数の画像を、所定の条件に従って分類し、複数のグループにグループ化するグループ化処理部と、
前記複数のグループのそれぞれを代表するシンボルを生成するシンボル生成部と、
前記複数のグループそれぞれの代表位置を指定する代表位置指定部と、
使用者の操作により前記ディスプレイに表示される地図の縮尺を設定する縮尺設定部と、
前記縮尺設定部で設定された縮尺の地図を前記ディスプレイに表示する地図表示処理部と、
前記縮尺設定部で設定された縮尺が閾値以下である場合には、前記地図上における前記代表位置に対応する位置に前記グループのそれぞれを代表するシンボルを表示し、前記縮尺設定部で設定された縮尺が前記閾値を越える場合には、前記各グループに含まれる画像のサムネイル画像を、前記画像のそれぞれに関連付けられている位置情報で特定される地図上の位置に表示する、サムネイル画像表示処理部と、
使用者の操作により前記閾値を設定する閾値設定部と
を有することを特徴する画像表示装置。
【請求項2】
前記地図上に表示されたシンボルをユーザが選択する操作を行ったことを検出するシンボル選択操作検出手段を更に有し、
前記シンボルをユーザが選択する操作を行ったことを前記シンボル選択操作検出手段で検出した場合、前記縮尺設定部は前記閾値より大きい縮尺に設定し、前記地図表示部は前記縮尺設定部で設定された縮尺の地図を前記ディスプレイに表示し、
前記サムネイル画像表示処理部は、前記選択されたシンボルが代表するグループに属する画像のサムネイル画像を、前記画像のそれぞれに関連付けられている位置情報で特定される地図上の位置に表示することを特徴とする請求項1の画像表示装置。
【請求項3】
前記地図上に表示された前記シンボルのうち、使用者により選択されたシンボルに対応するグループに属する画像のそれぞれに関連付けられた前記位置情報をもとに、前記ディスプレイに表示される地図の縮尺を導出する表示縮尺導出処理部をさらに有し、
前記地図表示処理部はさらに、前記表示縮尺導出処理部で導出された縮尺の地図を前記ディスプレイに表示し、
前記サムネイル画像表示処理部はさらに、前記縮尺が前記閾値を超える場合には、使用者により選択された前記シンボルに対応するグループに属するそれぞれの画像のサムネイル画像を前記表示された地図上に表示する
ことを特徴とする請求項1の画像表示装置。
【請求項4】
前記表示縮尺導出処理部はさらに、使用者により選択された前記シンボルに対応するグループに属する画像それぞれのサムネイル画像の全てが、前記地図表示処理部で表示された地図上に表示されるように当該地図の縮尺を導出することを特徴とする請求項3の画像表示装置。
【請求項5】
前記表示縮尺導出処理部で導出された縮尺をもとに前記閾値を自動的に決定する閾値決定処理部をさらに有し、
前記閾値決処理部は、前記表示縮尺導出処理部で導出された縮尺以下の値に前記閾値を決定することを特徴とする請求項3または4の画像表示装置。
【請求項6】
前記グループ化処理部は、前記画像記憶部に記憶された複数の画像を、各画像に関連付けられた前記撮影日時情報に基づいてグループ化することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つの画像表示装置。
【請求項7】
前記各画像に関連付けられた位置情報は、前記画像が撮影された時に、その画像を撮影した撮影装置で取得された緯度及び経度の測位情報であること特徴とする請求項1から6のいずれか1つの画像表示装置。
【請求項8】
前記各画像に関連付けられた位置情報は、前記ディスプレイに表示された地図上で位置を指定する操作を使用者がしたのを検出して得られた2次元情報であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つの画像表示装置。
【請求項9】
前記代表位置指定部は、前記ディスプレイに表示された地図上で位置を指定する操作を使用者がしたのを検出して得られた2次元情報により前記代表位置を指定することを特徴とする請求項1から8のいずれか1つの画像表示装置。
【請求項10】
前記代表位置指定部は、1つのグループに属する画像のそれぞれに関連付けられた位置情報を平均して得られた2次元情報により、当該グループの前記代表位置を指定することを特徴とする請求項1から8のいずれか1つの画像表示装置。
【請求項11】
前記サムネイル画像表示処理部はさらに、前記複数のグループ内のそれぞれの画像に対応するサムネイル画像を前記地図上に表示する際に、グループ毎にそのグループに属する画像のそれぞれに関連付けされた撮影日時情報に基づき、昇順または降順に従って前記サムネイル画像を順次表示していくことを特徴とする請求項1から10のいずれか1つの画像表示装置。
【請求項12】
前記サムネイル画像表示処理部はさらに、前記複数のグループ内のそれぞれの画像に対応するサムネイル画像を前記地図上に表示する際に、グループ毎にそのグループに属する画像のそれぞれに関連付けされた撮影日時情報に基づき、撮影日時が隣り合う画像のサムネイル画像間を結ぶようにラインを表示することを特徴とする請求項1から11のいずれか1つの画像表示装置。
【請求項13】
前記シンボルは、当該シンボルが代表するグループに属する画像から生成された第2のサムネイル画像であることを特徴とする請求項1から12のいずれか1つの画像表示装置。
【請求項14】
位置情報および撮影日時情報が関連付けられた画像を記憶する画像記憶部と、前記画像を表示可能なディスプレイとを有するコンピュータで実行される画像表示処理プログラムであって
前記画像記憶部に記憶された複数の画像を、所定の条件に従って分類し、複数のグループにグループ化するグループ化処理手順と、
前記複数のグループのそれぞれを代表するシンボルを生成するシンボル生成処理手順と、
前記複数のグループそれぞれの代表位置を指定する代表位置指定処理手順と、
使用者の操作を入力し、前記ディスプレイに表示される地図の縮尺を設定する縮尺設定処理手順と、
前記縮尺設定処理手順で設定された縮尺の地図を前記ディスプレイに表示する地図表示処理手順と、
前記縮尺設定処理手順で設定された縮尺が閾値以下である場合には、前記地図上における前記代表位置に対応する位置に前記グループのそれぞれを代表するシンボルを表示し、前記縮尺設定処理手順で設定された縮尺が前記閾値を超える場合には、前記各グループに含まれる画像のサムネイル画像を、前記画像のそれぞれに関連付けられている位置情報で特定される地図上の位置に表示する、サムネイル画像表示処理手順とを有し、
前記閾値は、使用者の操作により設定可能であることを特徴とする画像表示処理プログラム。
【請求項15】
前記地図上に表示されたシンボルをユーザが選択する操作を行ったことを検出するシンボル選択操作検出処理手順を更に有し、
前記シンボルをユーザが選択する操作を行ったことを前記シンボル選択操作検出処理手順で検出した場合、前記縮尺設定処理手順において前記閾値より大きい縮尺に設定され、前記地図表示処理手順では前記縮尺設定処理手順で設定された縮尺の地図が前記ディスプレイに表示され、
前記サムネイル画像表示処理手順は、前記選択されたシンボルが代表するグループに属する画像のサムネイル画像が、前記画像のそれぞれに関連付けられている位置情報で特定される地図上の位置に表示する手順を含むことを特徴とする請求項15の画像表示処理プログラム。
【請求項16】
前記地図上に表示された前記シンボルのうち、使用者により選択されたシンボルに対応するグループに属するそれぞれの画像に関連付けられた前記位置情報をもとに、前記ディスプレイに表示される地図の縮尺を導出する表示縮尺導出処理手順をさらに有し、
前記地図表示処理手順はさらに、前記表示縮尺導出処理手順で導出された縮尺の地図を前記ディスプレイに表示する処理手順を有し、
前記サムネイル画像表示処理手順はさらに、前記縮尺が前記閾値を超える場合には、使用者により選択されたシンボルに対応するグループに属する画像のそれぞれのサムネイル画像を前記表示された地図上に表示する処理手順を有する
ことを特徴とする請求項14の画像表示処理プログラム。
【請求項17】
前記表示縮尺導出処理手順はさらに、使用者により選択された前記シンボルに対応するグループに属する画像それぞれのサムネイル画像の全てが、前記地図表示処理手順によって表示された地図上に表示されるように当該地図の縮尺を導出する処理手順を有することを特徴とする請求項16の画像表示処理プログラム。
【請求項18】
前記表示縮尺導出処理手順で導出された縮尺をもとに前記閾値を決定する閾値決定処理手順を更に有し、
前記閾値決処理手順は、前記表示縮尺導出処理手順で導出された縮尺以下の値に前記閾値を決定する処理手順を有することを特徴とする請求項16または17の画像表示処理プログラム。
【請求項19】
前記グループ化処理手順は、前記画像記憶部に記憶された複数の画像を、各画像に関連付けられた前記撮影日時情報に基づいてグループ化する処理手順を有することを特徴とする請求項14から18のいずれか1つの画像表示処理プログラム。
【請求項20】
前記各画像に関連付けられた位置情報は、前記画像が撮影された時に、その画像を撮影した撮影装置で取得された緯度及び経度の測位情報であること特徴とする請求項14から19のいずれか1つの画像表示処理プログラム。
【請求項21】
前記各画像に関連付けられた位置情報は、前記ディスプレイに表示された地図上の位置を指定する、使用者の操作を受け付けて得られた2次元情報であることを特徴とする請求項14から19のいずれか1つの画像表示処理プログラム。
【請求項22】
前記代表位置指定処理手順は、前記ディスプレイに表示された地図上の位置を指定する、使用者の操作を受け付けて得られた2次元情報により前記代表位置を指定する処理を含むことを特徴とする請求項14から21のいずれか1つの画像表示処理プログラム。
【請求項23】
前記代表位置指定処理手順は、1つのグループに属する画像のそれぞれに関連付けられた位置情報を平均して得られた2次元情報により、当該グループの前記代表位置を指定する処理を含むことを特徴とする請求項14から21のいずれか1つの画像表示処理プログラム。
【請求項24】
前記サムネイル画像表示処理手順はさらに、前記複数のグループ内のそれぞれの画像に対応するサムネイル画像を前記地図上に表示する際に、グループ毎にそのグループに属する画像のそれぞれに関連付けされた撮影日時情報に基づき、昇順または降順に従って前記サムネイル画像を順次表示していく処理手順を有することを特徴とする請求項14から23のいずれか1つの画像表示処理プログラム。
【請求項25】
前記サムネイル画像表示処理手順はさらに、前記複数のグループ内のそれぞれの画像に対応するサムネイル画像を前記地図上に表示する際に、グループ毎にそのグループに属する画像のそれぞれに関連付けされた撮影日時情報に基づき、撮影日時が隣り合う画像のサムネイル画像間を結ぶようにラインを表示する処理手順を有することを特徴とする請求項14から24のいずれか1つの画像表示処理プログラム。
【請求項26】
前記シンボルは、当該シンボルが代表するグループに属する画像から生成された第2のサムネイル画像であることを特徴とする請求項14から25のいずれか1つの画像表示処理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17A】
image rotate

【図17B】
image rotate

【図17C】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2011−145407(P2011−145407A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5258(P2010−5258)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】