説明

画像表示装置及び画像表示方法

【課題】視線移動を伴うことなく画像を参照しつつメイクアップを行うことを可能にする。
【解決手段】ファンデーション仮想メイクアップ画像FMが表示される状態(a)と、顔Fが第2の所定時間ハーフミラー31に写る状態(b)とを交互に繰り繰り返す。このとき、ファンデーション仮想メイクアップ画像FMを表示する液晶表示パネル32と、顔Fが写るハーフミラー31とは同一の表示部3内に積層されている。したがって、ファンデーション仮想メイクアップ画像FMを見る際と、写った顔Fを見る際に、視線移動を伴うことがない。よって、視線移動を伴うことなく、画像を参照しつつファンデーションのメイクアップを行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メイクアップ(化粧)に使用する画像表示装置及び画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メイクアップに使用する装置として、特許文献1記載の装置が提案されている。この装置は、蝶番を介して連結された第1部材と第2部材とで構成されている。第1部材にはカメラとモニタとが配置され、第2部材には鏡が配置されている。そして、カメラによりユーザのメイクアップ前の顔を撮影し、撮影した顔の画像をメイクアップシミュレーション処理して、メイクアップが施された仮想的な顔画像を生成し、モニタに表示する。したがって、ユーザは第1部材のモニタに表示された仮想的なメイクアップ画像を参照しつつ、第2部材の鏡に写る現時点における自己の顔を見ながらメイクアップを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−39523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来技術を用いてメイクアップを行う場合、前述のように、ユーザは第1部材のモニタで仮想的なメイクアップ画像と、第2部材の鏡に写る現時点における自己の顔を見比べながらメイクアップを行うことになる。したがって、メイクアップ時には、モニタと鏡との間で視線移動させる必要がある。しかも、メイクアップは、ファンデーション、アイシャドウ、チーク等の複数段階で構成されることから、メイクアップが完了するまでには、多数回に及ぶ視線移動が強いられることとなる。
【0005】
このため、メイクアップの完了までに時間を要したり、視線移動の煩雑さに起因してメイクアップが不完全なままで作業を終了してしまい、自己が満足するようなメイクアップ結果が得られない等の不満が生ずるものであった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、視線移動を伴うことなく画像を参照しつつメイクアップを行うことのできる画像表示装置及び画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、請求項1記載の発明に係る画像表示装置にあっては、画面に画像を表示する表示パネルと、メイクアップが施されたメイクアップ画像を記憶する記憶回路と、前記記憶回路に記憶されているメイクアップ画像を前記表示パネルの前記画面に表示する表示モードと、前記表示パネルの前記画面に前記メイクアップ画像を表示することなく前記表示パネルの前記画面を鏡面状態にする鏡面モードと、を切り替える表示制御回路と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2記載の発明に係る画像表示装置にあっては、前記メイクアップ画像は、ユーザの顔画像に画像メイクアップ処理が施された画像であることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3記載の発明に係る画像表示装置にあっては、前記メイクアップ画像は、ユーザ以外の顔画像に画像メイクアップ処理が施された画像であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4記載の発明に係る画像表示装置にあっては、前記記憶回路は、メイクアップの段階や部位に応じた種別毎にメイクアップが施された複数種の前記メイクアップ画像を記憶し、前記表示制御回路は、前記表示モードにおいて前記記憶回路に記憶されている複数種の前記メイクアップ画像を表示させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5記載の発明に係る画像表示装置にあっては、前記表示制御回路により切り換えられる表示モードと鏡面モードとの時間間隔が異なることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6記載の発明に係る画像表示装置にあっては、前記鏡面モードの時間が前記表示モードの時間よりも長いことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7記載の発明に係る画像表示方法にあっては、記憶回路に記憶されているメイクアップ画像を表示パネルの画面に表示する表示ステップと、前記表示ステップの前、後の少なくとも一方に、前記メイクアップ画像を表示することなく前記表示パネルの前記画面を鏡面状態にする鏡面ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、視線移動を伴うことなく画像を参照しつつメイクアップを行うことができる。このため、メイクアップの完了までに時間を要することがなく短時間でメイクアップを完了することができる。また、視線移動の煩雑さに起因してメイクアップが不完全なままで作業を終了してしまうことを防止して、ユーザにおいて満足するようなメイクアップ結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルフォトフレームの外観を示す図である。
【図2】表示部の断面構造を示す垂直断面図である。
【図3】デジタルフォトフレームの回路構成を示すブロック図である。
【図4】撮像部の回路構成を示すブロック図である。
【図5】第1の実施の形態における仮想メイクアップ画像作成モードの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】ライブビュー画像が表示された状態の画面例を示す図である。
【図7】ファンデーションのメイクゾーン書き込み時の画面例を示す図である。
【図8】チークのメイクゾーン書き込み書き込み時の画面例を示す図である。
【図9】アイシャドウのメイクゾーン書き込み時の画面例を示す図である。
【図10】完成メイクアップ仮想画像を示す図である。
【図11】メークモード処理の処理手順を示す示すフローチャートである。
【図12】ファンデーションメイクアップ時の表示遷移図である。
【図13】チークメイクアップ時の表示遷移図である。
【図14】アイシャドウメイクアップ時の表示遷移図である。
【図15】インタラプトルーチンを示すフローチャートである。
【図16】インタラプト時の表示遷移図である。
【図17】第2の実施の形態における仮想メイクアップ画像作成モードの処理手順を示すフローチャートである。
【図18】同実施の形態における仮想メイクアップ画像作成モード時の表示遷移図である。
【図19】第3の実施の形態における仮想メイクアップ画像作成モードの処理手順を示すフローチャートである。
【図20】同実施の形態における仮想メイクアップ画像作成モード時の表示遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の各実施の形態に共通する画像表示装置としてのデジタルフォトフレーム(以下、DPFという)1を示す外観図である。
【0017】
DPF1の正面には、本体2に保持された液晶表示パネル等によって構成される表示部3が設けられている。この表示部3には透明のタッチパネル5が一体的に構成されており、表示部3に表示される画像に対するタッチを検出可能である。本体2の前面上部中央には撮像部4が設けられ、下面にはメモリカードスロット6が設けられている。更に、本体側部にGPSアンテナ7、前面右側に人感センサ8が設けられている。
【0018】
図2は、前記表示部3の断面構造を示す図である。この表示部3には、最も外部側に前記タッチパネル5が配置され、外部側から内部側に順次ハーフミラー31、液晶表示パネル32、バックライト33が配置されている。したがって、バックライト33を点灯させた表示モードの状態においては、矢印Aで示すようにバックライト33からの光が液晶表示パネル32、ハーフミラー31、及びタッチパネル5を透過して外部に放出され、液晶表示パネル32に表示される画像を視認することができる。
【0019】
しかし、バックライト33を消灯させた鏡面モードの状態においては、矢印Bで示すように外部からの光はタッチパネル5を透過した後、ハーフミラー31に反射し再度タッチパネル5を透過して外部に拡散する。したがって、バックライト33を消灯させた鏡面モードの状態においては、ハーフミラー31は鏡面として機能し、ユーザの顔等を写すことが可能である。
【0020】
図3は、DPF1の電気的構成を示したブロック図である。DPF1は、CPU(Central Processing Unit)11と、CPU11に接続されたROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access memory)13、内部メモリ14を備え、ROM12には、CPU11に後述するフローチャートに示す動作等を行わせるためのプログラムが記憶されている。このプログラムには、前記撮像部4で撮像した画像における顔部分の画像である顔画像を認識するための顔認識プログラム、この認識した顔画像を画像処理して、メイクアップが施された仮想メイクアップ画像を生成するメイクアップシミュレーションプログラムが含まれている。
【0021】
なお、顔認識プログラム及びメイクアップシミュレーションプログラムとしては、公知のプログラムを適宜用いることができ、例えば前記特許文献1に開示されているプログラムを用いるようにしてもよい。
【0022】
RAM13は、CPU11が必要に応じて種々のデータを一時的に記憶する作業用のメモリである。内部メモリ14は、ハードディスク又はフラッシュメモリによる大容量不揮発性メモリであり、多数の画像を保存可能となっている。
【0023】
表示制御部16は、CPU11から供給される表示用の画像データに基づいて液晶表示パネル32を駆動することにより、画像や各種メニューを表示部3に表示させる。キー入力制御部17は、CPU11の制御に基づいてタッチパネル5の操作信号を入力するものである。
【0024】
メモリカードインターフェース18は、メモリカードスロット6に着脱自在に装着された各種のメモリカード60と、CPU11との間におけるデータの入出力を制御する入出力インターフェースである。
【0025】
GPS制御部20は、GPSアンテナ7で受信した情報を元に位置情報を取得する。これにより、DPF1の現在位置を知ることができる。人感センサ8はCPU11に接続され、近くに人がいるかどうかを検知するものである。したがって、近くに人がいない状態が所定時間以上続くと自動的に電源を切って節電を図る(オートパワーオフ)。
【0026】
通信制御部90は、電話回線91若しくは無線LAN92を経由してメールの送受信を含む通信制御を行う。アドレス帳93は、メール送受信に使用するアドレスを記憶し、実際は内部メモリ14内に設けられる。
【0027】
バックアップサーバ40は、ネットワークを介して接続され、自動的に若しくは手動指示により内部メモリ14に記録されたデータのバックアップを行う。配信コンテンツサーバ50は、ネットワークを介してDPF1へデータを配信することができる。パーソナルコンピュータ70は、無線LAN92等で通信制御部90を介してDPF1と接続でき、DPF1では設定できない複雑な設定等をすることができる。
【0028】
電源制御部80は、電源プラグ81を介してAC電源を取り入れ、直流に変換して各部に電力を供給する。前述したオートパワーオフの制御も行う。
【0029】
図4は、前記撮像部4の詳細を示すブロック図である。撮像部4は、AE(Auto Exposure)、AWB(Auto White Balance)、AF(Auto Focus)等の一般的なデジタルカメラと同様の機能を有するものである。すなわち、レンズブロック41には、ズームレンズ411や図示しないフォーカスレンズ等の光学系、及び光学系を駆動するための駆動機構が含まれている。ズームレンズ411は、駆動機構に設けられているズームモータ42によって光軸方向に駆動される。
【0030】
撮像部4全体は、前記CPU11より制御され、CPU11には、タイミング発生器(TG:Timing Generator)43を介してモータードライバ44が接続されている。モータードライバ44は、ユーザの操作に応じたCPU11の命令、あるいはCPU11の単独の命令に従いタイミング発生器43が発生するタイミング信号に基づき、ズームモータ42を駆動する。これにより、ズームレンズ411が駆動されて、そのレンズ位置が変化する。
【0031】
このとき、CPU11は、自己が発生する命令を記憶して管理している。したがって、CPU11は、自己が発生する命令を記憶して管理することにより、タイミング発生器43が発生するタイミング信号に応じて変化するズームレンズ411のレンズ位置を取得することができる。また、図示は省略するが、実際には、フォーカスレンズを駆動するためのフォーカスモーター及びモータードライバや、メカシャッタやメカ絞り及びそれらを駆動するためのモーターを有する駆動機構等が設けられている。
【0032】
また、撮像部4は、撮像素子としてCCD(Charge Coupled Device)45を有している。CCD45は、レンズブロック41の光軸上に配置されている。被写体は、レンズブロック41によってCCD45の受光面に結像される。垂直及び水平ドライバ46は、CPU11の命令に従いタイミング発生器43が生成するタイミング信号に基づき、CCD45を駆動する。CCD45は、垂直及び水平ドライバ46により駆動されて、被写体の光学像に応じたアナログの撮像信号をユニット回路47に出力する。ユニット回路47は、CCD45の出力信号に含まれるノイズを相関二重サンプリングによって除去するCDS(Correllated Double Sampling)回路や、ノイズが除去された撮像信号をデジタル信号に変換するA/D(Analog/Digital)変換器等から構成され、デジタル信号をDSP(Digital Signal Processor)48へ出力する。
【0033】
DSP48は、ユニット回路47から出力されたデジタル信号に対しペデスタルクランプやオートホワイトバランス等の各種画像処理を施すことにより、輝度(Y)信号及び色差(UV)信号からなる画像データを生成する。DSP48で変換された画像データは順次前記RAM13に格納されるとともに、REC(Record)ライブビュー・モードでは1フレーム分のデータ(画像データ)が蓄積される毎にビデオ信号に変換され、前記液晶表示パネル32へ送られてライブビュー画像として画面表示される。
【0034】
そして、静止画を撮影する際には、CPU11は、CCD45、垂直及び水平ドライバ46、ユニット回路47、及びDSP48に対してライブビュー画撮影モードから静止画撮影モードへの切り替えを指示し、この静止画撮影モードによる撮影処理により得られ、RAM13に一時記憶された画像データは、CPU11により圧縮され、最終的には所定のフォーマットの静止画ファイルとして内部メモリ14等に記録される。
【0035】
なお、ムービー録画モードにおいては、RAM13に順次記憶される複数の画像データがCPU11により順次圧縮され、動画ファイルとして内部メモリ14等に記録される。この内部メモリ14等に記録された静止画ファイル及び動画ファイルは、PLAY・モードにおいてユーザの選択操作に応じてCPU11に読み出されるとともに伸張され、画像データとしてRAM13に展開された後、画像データに基づく画像が液晶表示パネル32に表示される。
【0036】
無論、液晶表示パネル32にライブビュー画像や再生画像等を表示する際には、バックライト33はオンであって点灯されている。
【0037】
次に、以上の構成に係る第1の実施の形態の動作について説明する。仮想メイクアップ画像作成モードが設定されている状態において、CPU11はROM12に格納されているプログラムに従い、図5のフローチャートに示すように処理を実行する。すなわち、撮像部4によって撮像された画像を液晶表示パネル32に転送することにより、ライブビュー画像を表示させる(ステップS101)。したがって、ユーザがDPF1に顔を正対させて着座していると、図6に示すように、表示部3の液晶表示パネル32には、ユーザの顔Fが表示される。
【0038】
このとき、CPU11は、図6に示すように、液晶表示パネル32の一部にシャッタボタン301を表示させ、この表示させたシャッタボタン301がタッチされたか否かを判断する(ステップS102)。シャッタボタン301がタッチされたならば、撮影処理を実行して、撮像部4により撮像されている画像をRAM13に保存する(ステップS103)。
【0039】
なお、本実施の形態においては、シャッタボタン301に対するタッチに応答して撮影処理を実行するようにしたが、顔認識プログラムにより顔を認識し、ライブビュー画像中にズームレンズ411の位置に応じた所定の大きさの顔が存在する状態となったことを条件として、自動撮影するようにしてもよい。
また、撮影される顔の大きさに関しては、例えば液晶表示パネル31「ズームボタン」を表示して、「ズームボタン」に対するタッチに応じてズームモータ42によりズームレンズ411を駆動するようにしもよい。このようにすれば、ユーザが所望する大きさの顔画像を撮影することができる。
【0040】
引き続き、この撮影された顔画像を液晶表示パネル32に再生表示させる(ステップS104)。したがって、このステップS104での処理により、図7に示すように、当該ユーザの顔画像FPが再生表示される。次に、ファンデーションのメイクゾーン書き込み指示表示を実行する(ステップS105)。このステップS105での処理により、図7に示すように、例えば「ファンデーション色サンプル」なる文字列ととサンプル色「BE(ベージュの略)1」「BE2」「OC(オークルの略)1」「OC2」を液晶表示パネル32に表示させる。
【0041】
これを視認したユーザは、指あるいはペンにより、何れかのサンプル色にタッチした後、表示されている顔画像FPにおいて、ファンデーションを施すべき部位にタッチし、あるいはタッチした状態で指等を移動させる。すると、タッチした位置及び領域がタッチパネル5より検出され、CPU11はこのタッチパネル5により検出された位置及び領域に応じて顔画像をメイクアップ処理する(ステップS106)。
【0042】
このメイクアップ処理は、例えばタッチにより選択されたサンプル色であるファンデーション色で、タッチした位置及び領域を着色表示する処理である。したがって、ユーザが顔画像FPの鼻筋や両眼の下部にタッチしたとすると、図7に示すように、顔画像FPの鼻筋や両眼の下部に所定のファンデーション色からなるメイクゾーンMZ(ファンデーションの場合は顔全体)が付加されることとなる。
【0043】
また、このときCPU11は、液晶表示パネル32の一部に完了ボタン303を表示し、この完了ボタン303がタッチされたか否かにより、ユーザによるファンデーションの書き込みが完了したか否かを判断する(ステップS107)。ユーザにより完了ボタン303がタッチされて、ファンデーションの書き込みが完了したならば、この時点で液晶表示パネル32に表示されている画像をファンデーション仮想メイクアップ画像として、RAM13に記憶する(ステップS108)。したがって、図6(c)の表示状態でユーザが完了ボタン303にタッチしたとすると、顔画像FPの鼻筋や両眼の下部に所定のファンデーション色からなるメイクゾーンMZが付加された画像がファンデーション仮想メイクアップ画像FMとしてRAM13に保存されることとなる。
【0044】
引き続き、チークのメイクゾーン書き込み指示表示を実行する(ステップS109)。このステップS109での処理により、図8に示すように、例えば「チーク色の色サンプル」なる文字列と、サンプル色「PK(ピンクの略)1」「PK2」「OR(オレンジの略)1」「OR2」「RD(レッドの略)1」「RD2」を液晶表示パネル32に表示させる。
【0045】
これを視認したユーザは、指あるいはペンにより、表示されている顔画像FPにおいて、チークを施すべき部位にタッチし、あるいはタッチした状態で指等を移動させる。すると、タッチした位置及び領域がタッチパネル5より検出され、CPU11はこのタッチパネル5により検出された位置及び領域に応じて顔画像をメイクアップ処理する(ステップS110)。
【0046】
このメイクアップ処理は、例えばタッチにより選択されたサンプル色であるチーク色で、タッチした位置及び領域を着色表示する処理である。したがって、ユーザが顔画像FPの両頬にタッチしたとすると、図8に示すように、顔画像FPの両頬に所定のチーク色からなるメイクゾーンMZが付加されることとなる。また、このときCPU11は、液晶表示パネル32の一部に完了ボタン303を表示し、この完了ボタン303がタッチされたか否かにより、ユーザによるチークの書き込みが完了したか否かを判断する(ステップS111)。ユーザにより完了ボタン303がタッチされて、チークの書き込みが完了したならば、この時点で液晶表示パネル32に表示されている画像をチーク仮想メイクアップ画像CMとして、RAM13に記憶する(ステップS112)。
【0047】
引き続き、アイシャドウのメイクゾーン書き込み指示表示を実行する(ステップS113)。このステップS113での処理により、図9に示すように、例えば「アイシャドウ色の色サンプル」なる文字列と、サンプル色「GR(グリーンの略)1」「GR2」「BL(ブルーの略)1」「BL2」「PU(パープルの略)1」「PU2」を液晶表示パネル32に表示させる。
【0048】
これを視認したユーザは、指あるいはペンにより、表示されている顔画像FPにおいて、アイシャドウを施すべき部位にタッチし、あるいはタッチした状態で指等を移動させる。すると、タッチした位置及び領域がタッチパネル5より検出され、CPU11はこのタッチパネル5により検出された位置及び領域に応じて顔画像をメイクアップ処理する(ステップS114)。
【0049】
このメイクアップ処理は、例えばタッチにより選択されたサンプル色であるアイシャドウ色で、タッチした位置及び領域を着色表示する処理である。したがって、ユーザが瞼にタッチしたとすると、瞼に所定のアイシャドウ色からなるメイクゾーンが付加されることとなる。また、このときCPU11は、液晶表示パネル32の一部に完了ボタン303を表示し、この完了ボタン303がタッチされたか否かにより、ユーザによるアイシャドウの書き込みが完了したか否かを判断する(ステップS115)。ユーザにより完了ボタン303がタッチされて、チークの書き込みが完了したならば、この時点で液晶表示パネル32に表示されている画像をアイシャドウ仮想メイクアップ画像IMとして、RAM13に記憶する(ステップS116)。
【0050】
さらに、以上のアイシャドウ仮想メイクアップまでが施された画像を完成メイクアップ仮想画像としてRAM13に記憶する(ステップS117)。したがって、このステップS117での処理により、図10に示す完成メイクアップ仮想画像PMがRAM13に保存されることとなる。
【0051】
したがって、以上に説明した仮想メイクアップ画像作成モードが終了すると、RAM13には、少なくとも下記(1)〜(4)の画像が記憶された状態となる。
(1)ファンデーション仮想メイクアップ画像
(2)チーク仮想メイクアップ画像
(3)アイシャドウ仮想メイクアップ画像
(4)完成メイクアップ仮想画像(=アイシャドウ仮想メイクアップ画像)
【0052】
また、以上に説明した仮想メイクアップ画像作成モードが終了すると、CPU11は、図11に示すフローチャートに従ってメークモード処理を実行する。すなわち、バックライト33をオンにして(ステップS201)、ファンデーション仮想メイクアップ画像と、ファンデーションを施すべき方向を示す矢印を液晶表示パネル32に表示させる(ステップS202)。図2において前述したように、バックライト33を点灯さた状態では、矢印Aで示すようにバックライト33からの光が液晶表示パネル32、ハーフミラー31、及びタッチパネル5を透過して外部に放出され、液晶表示パネル32に表示される画像を視認することができる。
【0053】
したがって、図12(a)に示すように、ユーザは表示部3の外部側から、液晶表示パネル32に表示されたファンデーション仮想メイクアップ画像FMを視認することができる。また、このファンデーション仮想メイクアップ画像FMには、メイクゾーンMZが付加され、予めROM12に記憶されているプログラムに従って、認識した顔画像に対してファンデーションを施すべき施すべき方向を示す矢印Cが表示される。したがって、ユーザはこれを参照して自己の顔へのファンデーションによるメイクを開始する。
【0054】
なお、このとき液晶表示パネル31には、図示のように
1.ファンデーションを矢印のように塗る。
2.チークを矢印のように入れる。
3.アイシャドウを矢印のように入れる
なる指示項目304を表示させる。
【0055】
一方、CPU11は、第1の所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS203)、第1の所定時間が経過したならばバックライト33をオフにして消灯させる(ステップS204)。図2において前述したように、バックライト33を消灯させた鏡面モードの状態においては、矢印Bで示すように外部からの光はタッチパネル5を透過した後、ハーフミラー31に反射し再度タッチパネル5を透過して外部に拡散する。このため、バックライト33を消灯させた鏡面モードの状態においては、ハーフミラー31は鏡面として機能し、ユーザの顔等を写すことが可能である。
【0056】
したがって、図12(b)に示すように、鏡面として機能したハーフミラー31にユーザの顔Fが写る。よって、ユーザはハーフミラー31に写った顔Fを見ながら、自己の顔にファンデーションによるメイクを施すことができる。なお、このとき、その直前まで表示されていたファンデーション仮想メイクアップ画像FMと自己の顔Fの位置を合わせる。
【0057】
他方、CPU11は、バックライト33をオフにしてから第2の所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS205)、第2の所定時間が経過したならばバックライト33をオンにする(ステップS206)。これにより、図12(a)に示すように、再度ユーザは表示部3の外部側から、液晶表示パネル32に表示されたファンデーション仮想メイクアップ画像FMを視認することができる。
【0058】
つまり、図12に示すように、ファンデーション仮想メイクアップ画像FMが表示される状態(a)と、顔Fが第2の所定時間ハーフミラー31に写る状態(b)とが交互に繰り返される。このとき、ファンデーション仮想メイクアップ画像FMを表示する液晶表示パネル32と、顔Fが写るハーフミラー31とは同一の表示部3内に積層されている。したがって、ファンデーション仮想メイクアップ画像FMを見る際と、写った顔Fを見る際とで視線移動を伴うことがない。
【0059】
よって、視線移動を伴うことなく、画像を参照しつつファンデーションのメイクアップを行うことができる。このため、ファンデーションのメイクアップの完了までに時間を要することがなく短時間でメイクアップを完了することができる。また、視線移動の煩雑さに起因してメイクアップが不完全なままで作業を終了してまうことを防止して、ユーザにおいて満足するようなファンデーションのメイクアップ結果を得ることができる。
【0060】
ここで、第1の所定時間と第2の所定時間との長さの関係は、第2の所定時間が第1の所定時間よりも長いことが好ましい。その理由は、第1の所定時間においてユーザは、表示されたファンデーション仮想メイクアップ画像を視認するのみであるが、第2の所定時間においてユーザは、ハーフミラー31に写った自己の顔Fを見ながらメイクアップ作業を行わなければならない。したがって、メイクアップ作業が行われることを考慮すると、第2の所定時間が第1の所定時間よりも長くすることがよい。無論、第1の所定時間と第2の所定時間の長さを同一としてもよい。
【0061】
また、図12(a)に示すように、CPU11は、液晶表示パネル32の一部に完了ボタン303を表示し、この完了ボタン303がタッチされたか否かにより、ユーザによるファンデーションのメイク作業が完了したか否かを判断する(ステップS207)。ユーザがファンデーションのメイク作業を完了して、完了ボタン303をタッチすると、ステップS207の判断がYESとなる。
【0062】
したがって、CPU11は、ステップS207からステップS208に処理を進めて、チーク仮想メイクアップ画像と、チークを施すべき方向を示す矢印を液晶表示パネル32に表示させる(ステップS208)。図2において前述したように、バックライト33を点灯さた状態では、矢印Aで示すようにバックライト33からの光が液晶表示パネル32、ハーフミラー31、及びタッチパネル5を透過して外部に放出され、液晶表示パネル32に表示される画像を視認することができる。
【0063】
したがって、図13(a)に示すように、ユーザは表示部3の外部側から、液晶表示パネル32に表示されたチーク仮想メイクアップ画像CMを視認することができる。また、このチーク仮想メイクアップ画像CMには、メイクゾーンMZが付加され、予めROM12に記憶されているプログラムに従って、認識した顔画像に対してチークを施すべき施すべき方向を示す矢印Cが表示される。したがって、ユーザはこれを参照して自己の顔へのチークによるメイクを開始する。
【0064】
なお、このとき液晶表示パネル31には、前述と同様に指示項目304を表示させる。
【0065】
一方、CPU11は、第1の所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS209)、第1の所定時間が経過したならばバックライト33をオフにして消灯させる(ステップS210)。したがって、図13(b)に示すように、鏡面として機能したハーフミラー31にユーザの顔Fが写る。よって、ユーザはハーフミラー31に写った顔Fを見ながら、自己の顔にチークによるメイクを施すことができる。
【0066】
他方、CPU11は、バックライト33をオフにしてから第2の所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS211)、第2の所定時間が経過したならばバックライト33をオンにする(ステップS212)。これにより、図13(a)に示すように、再度ユーザは表示部3の外部側から、液晶表示パネル32に表示されたチーク仮想メイクアップ画像CMを視認することができる。
【0067】
つまり、図13に示すように、チーク仮想メイクアップ画像CMが表示される状態(a)と、顔Fが第2の所定時間ハーフミラー31に写る状態(b)とが交互に繰り返される。このとき、チーク仮想メイクアップ画像CMを表示する液晶表示パネル32と、顔Fが写るハーフミラー31とは同一の表示部3内に積層されている。したがって、チーク仮想メイクアップ画像CMを見る際と、写った顔Fを見る際とで視線移動を伴うことがない。
【0068】
よって、視線移動を伴うことなく、画像を参照しつつチークのメイクアップを行うことができる。このため、チークのメイクアップの完了までに時間を要することがなく短時間でメイクアップを完了することができる。また、視線移動の煩雑さに起因してメイクアップが不完全なままで作業を終了してまうことを防止して、ユーザにおいて満足するようなチークのメイクアップ結果を得ることができる。
【0069】
また、図13(a)に示すように、CPU11は、液晶表示パネル32の一部に完了ボタン303を表示し、この完了ボタン303がタッチされたか否かにより、ユーザによるチークのメイク作業が完了したか否かを判断する(ステップS213)。ユーザがチークのメイク作業を完了して、完了ボタン303をタッチすると、ステップS213の判断がYESとなる。
【0070】
したがって、CPU11は、ステップS213からステップS214に処理を進めて、アイシャドウ仮想メイクアップ画像と、アイシャドウを施すべき方向を示す矢印を液晶表示パネル32に表示させる(ステップS214)。図2において前述したように、バックライト33を点灯さた状態では、矢印Aで示すようにバックライト33からの光が液晶表示パネル32、ハーフミラー31、及びタッチパネル5を透過して外部に放出され、液晶表示パネル32に表示される画像を視認することができる。
【0071】
したがって、図14(a)に示すように、ユーザは表示部3の外部側から、液晶表示パネル32に表示されたアイシャドウ仮想メイクアップ画像IMを視認することができる。また、このアイシャドウ仮想メイクアップ画像IMには、メイクゾーンMZが付加され、予めROM12に記憶されているプログラムに従って、認識した顔画像に対してアイシャドウを施すべき施すべき方向を示す矢印Cが表示される。したがって、ユーザはこれを参照して自己の顔へのアイシャドウによるメイクを開始する。
【0072】
なお、このとき液晶表示パネル31には、前述と同様に指示項目304を表示させる。
【0073】
一方、CPU11は、第1の所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS215)、第1の所定時間が経過したならばバックライト33をオフにして消灯させる(ステップS216)。したがって、図14(b)に示すように、鏡面として機能したハーフミラー31にユーザの顔Fが写る。よって、ユーザはハーフミラー31に写った顔Fを見ながら、自己の顔にアイシャドウによるメイクを施すことができる。
【0074】
他方、CPU11は、バックライト33をオフにしてから第2の所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS217)、第2の所定時間が経過したならばバックライト33をオンにする(ステップS218)。これにより、図14(a)に示すように、再度ユーザは表示部3の外部側から、液晶表示パネル32に表示されたアイシャドウ仮想メイクアップ画像IMを視認することができる。
【0075】
つまり、図14に示すように、アイシャドウ仮想メイクアップ画像IMが表示される状態(a)と、顔Fが第2の所定時間ハーフミラー31に写る状態(b)とが交互に繰り返される。このとき、アイシャドウ仮想メイクアップ画像IMを表示する液晶表示パネル32と、顔Fが写るハーフミラー31とは同一の表示部3内に積層されている。したがって、アイシャドウ仮想メイクアップ画像IMを見る際と、写った顔Fを見る際とで視線移動を伴うことがない。
【0076】
よって、視線移動を伴うことなく、画像を参照しつつアイシャドウのメイクアップを行うことができる。このため、アイシャドウのメイクアップの完了までに時間を要することがなく短時間でメイクアップを完了することができる。また、視線移動の煩雑さに起因してメイクアップが不完全なままで作業を終了してまうことを防止して、ユーザにおいて満足するようなアイシャドウのメイクアップ結果を得ることができる。
【0077】
また、図14(a)に示すように、CPU11は、液晶表示パネル32の一部に完了ボタン303を表示し、この完了ボタン303がタッチされたか否かにより、ユーザによるアイシャドウのメイク作業が完了したか否かを判断する(ステップS219)。ユーザがアイシャドウのメイク作業を完了して、完了ボタン303をタッチすると、ステップS207の判断がYESとなり、このフローに従った処理を終了する。
【0078】
したがって、本実施の形態によれば、ファンデーション、チーク、アイシャドウの各々のメイク種に関して、視線移動を伴うことなく画像を参照しつつメイクアップを行うことができる。よって、各メイク種のメイクアップの完了までに時間を要することがなく短時間でメイクアップを完了することができる。また、視線移動の煩雑さに起因してメイクアップが不完全なままで作業を終了してしまうことを防止して、ユーザにおいて満足するような顔全体のメイクアップ結果を得ることができる。
【0079】
図15は、本実施の形態おけるタイマーインタラプトルーチンを示すフローチャートである。CPU11は、前述の図11に示すフローチャートに従ってメークモード処理が実行されている状態において、所定の周期で飛び込んでこのタイマーインタラプトルーチンに従い処理を実行する。すなわち、タッチパネル5の所定部位、例えばタッチパネル5の中心部に対するタッチが検出されたか否かを判断する(ステップS301)。このタッチが検出されたならば、バックライト33をオンにして(ステップS302)、完成メイクアップ画像を液晶表示パネル32に表示させる(ステップS303)。
【0080】
したがって、図16(a)に示すように、ユーザは表示部3の外部側から、液晶表示パネル32に表示された完成メイクアップ仮想画像PMを視認することができる。また、CPU11は、第1の所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS304)、第1の所定時間が経過したならばバックライト33をオフにして消灯させる(ステップS305)。したがって、図16(b)に示すように、鏡面として機能したハーフミラー31にユーザの顔Fが写る。よって、ユーザはハーフミラー31に写った顔Fを見ることができる。
【0081】
他方、CPU11は、バックライト33をオフにしてから第2の所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS306)、第2の所定時間が経過したならば再度タッチパネル5の中心部に対するタッチが検出されたか否かを判断する(ステップS307)。そして、再度タッチパネル5に対するタッチが検出されるまで、ステップS302からの処理を繰り返し、再度タッチパネル5に対するタッチが検出されたならば、図11に示すメークモード処理のメインルーチンにリターンする。
【0082】
したがって、このタイマーインタラプトルーチンにより、ユーザはタッチパネル5の中心部に対するタッチを行えば、任意の時点で完成メイクアップ仮想画像PMを視認することができる。よって、各メイクの途中や終了時等において、随時完成メイクアップ仮想画像PMを参照しながらメイクを完成させることができる。
【0083】
(第2の実施の形態)
前述した第1の実施の形態がユーザのタッチにより仮想メイクアップ画像を生成したのに対し、この第2の実施の形態は、ROMに予め記憶されている仮想メイクアップ画像を生成するメイクアップシミュレーションプログラムを用いて仮想メイクアップ画像を生成するようにしたものである。仮想メイクアップ画像作成モードが設定されている状態において、CPU11はROM12に格納されているプログラムに従い、図17のフローチャートに示すように処理を実行する。すなわち、撮像部4によって撮像された画像を液晶表示パネル32に転送することにより、ライブビュー画像を表示させる(ステップS401)。したがって、ユーザがDPF1に顔を正対させて着座していると、図6に示すように、表示部3の液晶表示パネル32には、ユーザの顔Fが表示される。
【0084】
このとき、CPU11は、図6に示すように、液晶表示パネル32の一部にシャッタボタン301を表示させ、この表示させたシャッタボタン301がタッチされたか否かを判断する(ステップS402)。シャッタボタン301がタッチされたならば、撮影処理を実行して、撮像部4により撮像されている画像をRAM13に保存する(ステップS403)。
【0085】
引き続き、この撮影された顔画像をファンデーションメイクアップ処理する(ステップS404)。すなわち、前述したように、ROM12には、撮像部4で撮像した画像における顔部分の画像である顔画像を認識するための公知の顔認識プログラム、この認識した顔画像を画像処理して、メイクアップが施された仮想メイクアップ画像を生成する公知のメイクアップシミュレーションプログラムが格納されている。また、前記特許文献1には、ファンデーション、チーク、アイシャドウに毎にメイクアップシミュレーション画像を生成する技術が開示されている。したがって、ステップS403では、公知のメイクアップシミュレーションプログラムを用いて、撮影された顔画像にファンデーションのメイクアップを施す処理を実行する。そして、この処理により得られたファンデーション仮想メイクアップ画像をRAM13に記憶する(ステップS405)。
【0086】
同様にして、顔画像をチークメイクアップ処理し(ステップS406)、これにより得られたチーク仮想メイクアップ画像をRAM13に記憶する(ステップS407)。さらに、同様にして、顔画像をアイシャドウメイクアップ処理し(ステップS408)、これにより得られたアイシャドウ仮想メイクアップ画像をRAM13に記憶する(ステップS409)。さらに、以上のファンデーション、チーク、アイシャドウ各メイクアップ処理が全て施された完成メイクアップ仮想画像をRAM13に記憶する(ステップS410)。
【0087】
したがって、以上に説明した仮想メイクアップ画像作成モードが終了すると、第1の実施の形態と同様にRAM13には、少なくとも下記(1)〜(4)の画像が記憶された状態となる。
(1)ファンデーション仮想メイクアップ画像
(2)チーク仮想メイクアップ画像
(3)アイシャドウ仮想メイクアップ画像
(4)完成メイクアップ仮想画像(=アイシャドウ仮想メイクアップ画像)
【0088】
したがって、この第2の実施の形態によれば、ユーザが書き込み作業を行わずとも、(1)〜(4)の各仮想メイクアップ画像を生成して、RAM13に記憶することができる。
【0089】
そして、以上に説明した仮想メイクアップ画像作成モードが終了すると、CPU11は、前述の第1の実施の形態と同様に図11に示すフローチャートに従ってメークモード処理を実行する。したがって、本実施の形態においても、ファンデーション、チーク、アイシャドウの各々のメイク種に関して、視線移動を伴うことなく画像を参照しつつメイクアップを行うことができる。よって、各メイク種のメイクアップの完了までに時間を要することがなく短時間でメイクアップを完了することができる。また、視線移動の煩雑さに起因してメイクアップが不完全なままで作業を終了してしまうことを防止して、ユーザにおいて満足するような顔全体のメイクアップ結果を得ることができる。
【0090】
また、図15に示したインタラプトルーチンも同様に実行する。したがって、ユーザは任意の時点で図18(a)に示すように、メイクアップシミュレーションプログラムにより生成された完成メイクアップ仮想画像MPMを視認することができる。また、図18(b)に示すように、鏡面として機能したハーフミラー31にユーザの顔Fを写すこともできる。前記タイマーインタラプトルーチンにより、ユーザはタッチパネル5の中心部に対するタッチを行えば、任意の時点で完成メイクアップ仮想画像PMをと自己の顔Fと視認することができる。よって、各メイクの途中や終了時等において、随時完成メイクアップ仮想画像MPMを参照しながらメイクを完成させることができる。
【0091】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態は、モデルの顔にファンデーション、チーク、アイシャドウのメイクゾーンが表示されると共にメイクアップが施された画像をダウンロードして取得するようにしたものである。すなわち、配信コンテンツサーバ50には、モデルの顔にファンデーション、チーク、アイシャドウのメイクゾーンが表示されると共にメイクアップが施された画像が各々複数記憶されている。
【0092】
そして、仮想メイクアップ画像作成モードが設定されている状態において、DPF1のCPU11はROM12に格納されているプログラムに従い、図19のフローチャートに示すように処理を実行する。すなわち、通信制御部90を起動して、電話回線91又は無線LAN92、及びネットワークを介して配信コンテンツサーバ50に接続する(ステップS501)。
【0093】
次に、配信コンテンツサーバ50に記憶されているファンデーションメイクアップ画像をダウンロードし、RAM13に記憶する(ステップS502)。このとき、配信コンテンツサーバ50には、異なるモデルに異なるファンデーションを施して撮影した複数のファンデーションメイクアップ画像が記憶されており、ユーザはこれらから自己の顔に合った所望のファンデーションメイクアップ画像を選択する。
【0094】
以下同様にして、配信コンテンツサーバ50に記憶されているチークメイクアップ画像をダウンロードして、RAM13に記憶し(ステップS503)、アイシャドウメイクアップ画像をダウンロードして、RAM13に記憶する(ステップS504)。さらに、以上のファンデーション、チーク、アイシャドウ各メイクアップ処理が全て施された完成メイクアップ仮想画像をRAM13に記憶する(ステップS505)。
【0095】
したがって、以上に説明した仮想メイクアップ画像作成モードが終了すると、第1の実施の形態と同様にRAM13には、少なくとも下記(1)〜(4)の画像が記憶された状態となる。
(1)ファンデーションメイクアップ画像
(2)チークメイクアップ画像
(3)アイシャドウメイクアップ画像
(4)完成メイクアップ画像(=アイシャドウメイクアップ画像)
【0096】
したがって、この第3の実施の形態によれば、ユーザが書き込み作業を行わずとも、(1)〜(4)の各仮想メイクアップ画像を生成して、RAM13に記憶することができる。
【0097】
したがって、この第3の実施の形態によれば、ユーザが書き込み作業を行わずとも、(1)〜(4)のモデルによる理想的な各メイクアップ画像を取得して、RAM13に記憶することができる。
【0098】
そして、以上に説明した仮想メイクアップ画像作成モードが終了すると、CPU11は、前述の第1の実施の形態と同様に図11に示すフローチャートに従ってメークモード処理を実行する。したがって、本実施の形態においても、ファンデーション、チーク、アイシャドウの各々のメイク種に関して、視線移動を伴うことなく画像を参照しつつメイクアップを行うことができる。よって、各メイク種のメイクアップの完了までに時間を要することがなく短時間でメイクアップを完了することができる。また、視線移動の煩雑さに起因してメイクアップが不完全なままで作業を終了してまうことを防止して、ユーザにおいて満足するような顔全体のメイクアップ結果を得ることができる。
【0099】
しかも、本実施の形態においては、モデルの顔にメイクアップが施された理想的なメイクアップ画像を参照しながら、メイクアップを行うことができる。
【0100】
また、図15に示したインタラプトルーチンも同様に実行する。したがって、ユーザは任意の時点で図20(a)に示すように、モデルの顔を撮影した完成メイクアップ画像PPMを視認することができる。また、図20(b)に示すように、鏡面として機能したハーフミラー31にユーザの顔Fを写すこともできる。前記タイマーインタラプトルーチンにより、ユーザはタッチパネル5の中心部に対するタッチを行えば、任意の時点で完成メイクアップ仮想画像PMをと自己の顔Fと視認することができる。よって、各メイクの途中や終了時等において、随時モデルの完成メイクアップ画像PPMを参照しながらメイクを完成させることができる。
【0101】
なお、実施の形態においては、メイクアップの段階や部位に応じた種別毎にメイクアップが施されたファンデーション、チーク、アイシャドウの各々画像を用いるようにした。しかし、このようにメイクアップの段階や部位に応じた種別毎の画像を用いることなく、ファンデーション、チーク、アイシャドウが全て施された単一の画像を用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0102】
1 DPF
2 本体
3 表示部
4 撮像部
5 タッチパネル
11 CPU
12 ROM
13 RAM
16 表示制御部
30 通信制御部
31 ハーフミラー
32 液晶表示パネル
33 バックライト
40 バックアップサーバ
41 レンズブロック
42 ズームモータ
43 タイミング発生器
44 モータードライバ
45 CCD
46 水平ドライバ
47 ユニット回路
48 DSP
50 配信コンテンツサーバ
301 シャッタボタン
302 ガイド文字列
303 完了ボタン
411 ズームレンズ
FM ファンデーション仮想メイクアップ画像
FP 顔画像
MZ メイクゾーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面に画像を表示する表示パネルと、
メイクアップが施されたメイクアップ画像を記憶する記憶回路と、
前記記憶回路に記憶されているメイクアップ画像を前記表示パネルの前記画面に表示する表示モードと、前記表示パネルの前記画面に前記メイクアップ画像を表示することなく前記表示パネルの前記画面を鏡面状態にする鏡面モードと、を切り替える表示制御回路と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記メイクアップ画像は、ユーザの顔画像に画像メイクアップ処理が施された画像であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記メイクアップ画像は、ユーザ以外の顔画像に画像メイクアップ処理が施された画像であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記記憶回路は、メイクアップの段階や部位に応じた種別毎にメイクアップが施された複数種の前記メイクアップ画像を記憶し、
前記表示制御回路は、前記表示モードにおいて前記記憶回路に記憶されている複数種の前記メイクアップ画像を表示させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記表示制御回路により切り換えられる表示モードと鏡面モードとの時間間隔が異なることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記鏡面モードの時間が前記表示モードの時間よりも長いことを特徴とする請求項5記載の画像表示装置。
【請求項7】
記憶回路に記憶されているメイクアップ画像を表示パネルの画面に表示する表示ステップと、
前記表示ステップの前、後の少なくとも一方に、前記メイクアップ画像を表示することなく前記表示パネルの前記画面を鏡面状態にする鏡面ステップと、
を含むことを特徴とする画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図11】
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【図15】
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【図17】
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【図19】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図18】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−78469(P2012−78469A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222117(P2010−222117)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】