説明

画像表示装置及び画像表示方法

【課題】移動体に搭載された画像表示部に対するドライバの視認性が下がることを抑制しつつ、同画像表示部に表示障害が発生した場合においても、同画像表示部に表示すべき画像をドライバに対して表示することが可能な画像表示装置及び画像表示方法を提供する。
【解決手段】
移動体に搭載された表示部110に画像を表示する表示手段と、前記移動体内に存在する通信端末機器130を検知する端末機器検知手段と、前記端末機器検知手段により前記移動体内に通信端末機器130が検知された場合に、前記移動体に搭載された表示部110に表示すべき画像を、前記通信端末機器の表示画面に表示する通信制御手段と、を備えることを特徴とする画像表示装置10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置及び画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特に車両などの移動体に搭載された画像表示装置において表示画面に表示障害が発生すると、ドライバが必要な情報を把握することが出来なくなり運転操作に支障をきたす恐れがあった。特許文献1では、車両に搭載された画像表示装置の表示画面を分割し、分割されたそれぞれの表示領域に異なる画像が表示可能な画像表示装置が開示されている。この画像表示装置では、分割された表示画面の各表示領域に表示障害が発生したことを検出する障害検出手段を備え、表示領域の一部に表示障害が発生すると画像信号を他の表示領域に表示させるように制御している。このように特許文献1に記載の画像表示装置では、分割された表示領域の一つに表示障害が発生しても、同表示領域に表示すべき画像を、別の分割された表示領域で視認することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−361457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の画像表示装置では、表示領域を分割することで分割された各表示領域のサイズが小さくなるため、各表示領域の視認性において常時ドライバへの負担が増加することが避けられないものとなっていた。
【0005】
この発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は移動体に搭載された画像表示部に対するドライバの視認性が下がることを抑制しつつ、同画像表示部に表示障害が発生した場合においても、同画像表示部に表示すべき画像をドライバに対して表示することが可能な画像表示装置及び画像表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目標を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、移動体に搭載された表示部に画像を表示する表示手段と、前記移動体内に存在する通信端末機器を検知する端末機器検知手段と、前記端末機器検知手段により前記移動体内に通信端末機器が検知された場合に、前記移動体に搭載された表示部に表示すべき画像を、前記通信端末機器の表示画面に表示する通信制御手段と、を備える画像表示装置である。
【0007】
上記の構成によれば、移動体の内部に通信端末機器が検知され、通信端末機器が検知された場合は、移動体に搭載された表示部に表示すべき画像が通信端末機器の表示画面に表示される。これにより、表示部と通信端末機器の表示画面の両方に画像が表示される、または、通信端末機器の表示画面に画像が表示されることとなる。結果、表示障害により移動体に搭載された表示部の表示画面に画像が表示されない場合においても、通信端末機器の表示画面を通して、移動体に搭載された表示部に表示すべき画像の視認が可能となる。このため、移動体に搭載された表示部の表示障害に備えて同表示部の表示画面を予め分割する必要がない。結果として、移動体に搭載された表示部に対するドライバの視認性が下がることを抑制しつつ、同表示部に表示障害が発生した場合においても、同表示部に表示すべき画像をドライバに対して表示することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像表示装置において、前記移動体の周囲の様子を撮像する撮像手段を備え、前記表示手段は、前記撮像手段により撮像された画像を前記移動体に搭載された表示部に表示し、前記通信制御手段は、前記端末機器検知手段により前記移動体内に通信端末機器が検知された場合に、前記撮像手段により撮像された画像を、前記通信端末機器の表示画面に表示することをその要旨とする。
【0008】
上記の構成によれば、ドライバが移動体に搭載された表示部を通して移動体の周囲の様子を確認している状況で同表示部に表示障害が発生した場合においても、同表示部に表示すべき画像をドライバに対して表示することが可能となる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像表示装置において、前記通信制御手段は、前記移動体に搭載された表示部に画像の表示ができない場合に、同表示部に表示すべき画像を前記通信端末機器の表示画面に表示することをその要旨とする。
【0010】
上記の構成によれば、移動体に搭載された表示部に画像の表示が出来ない場合は、同表示部に表示すべき画像を、通信端末機器の表示画面に表示する一方で、移動体に搭載された表示部に画像の表示が出来る場合は、同表示部に表示すべき画像を通信端末機器の表示画面に表示しない。このように、通信端末機器の表示画面への表示は、移動体に搭載された表示部が表示すべき画像を表示できない場合に限定される。結果として、通信端末機器の表示画面の使用が、移動体に搭載された表示部に表示すべき画像の表示に常時限定されることを防ぐことが可能となる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3の何れか一項に記載の画像表示装置において、前記移動体に搭載された表示部において画像が表示できないことを検知し、同表示部において画像が表示できないことを示す異常検知信号を前記通信制御手段に対して出力する異常検知手段を備え、前記通信制御手段は、前記異常検知手段から出力される異常検知信号を受信した場合に、前記移動体に搭載された表示部に表示すべき画像を前記通信端末機器の表示画面に表示することをその要旨とする。
【0012】
上記の構成によれば、移動体に搭載された表示部の故障などにより、同表示部に画像の表示が出来ない場合は、通信制御手段が異常検知手段から出力される異常検知信号を受信し、同表示部に表示すべき画像を通信端末機器の表示画面に表示する。一方で、異常検知手段から異常検知信号が出力されない場合には、通信制御手段は、移動体に搭載された表示部に表示すべき画像を通信端末機器の表示画面に表示しない。結果として、移動体に搭載された表示部が故障した場合であっても、通信端末機器の表示画面への自動的な表示が円滑に行われることとなる。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の何れか一項に記載の画像表示装置において、前記通信制御手段は、前記移動体の周囲物体の位置情報に基づいて、前記移動体に搭載された表示部に表示すべき画像を前記通信端末機器の表示画面に表示することをその要旨とする。
【0013】
上記の構成によれば、移動体の周囲物体の位置情報に基づいて、移動体に搭載された表示部に表示すべき画像を通信端末機器の表示画面に表示させる。これにより、例えばドライバが移動体に搭載された表示部を通して移動体の周囲の様子を確認している状況で同表示部に表示障害が発生した場合においても、移動体の周囲物体の位置によっては予め同表示部に表示すべき画像が通信端末機器の表示画面に表示されているため、ドライバは同表示画面の視認により安定して移動体の周囲の様子を確認することが可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像表示装置において、前記通信制御手段は、前記移動体と前記周囲物体との接触可能性が高い場合に、前記移動体に搭載された表示部に表示すべき画像を前記通信端末機器の表示画面に表示することをその要旨とする。
【0014】
上記の構成によれば、移動体と同移動体の周囲物体との接触可能性が高い場合に、移動体に搭載された表示部に表示すべき画像を通信端末機器の表示画面に表示させる。これにより、表示部と通信端末機器の表示画面の両方に移動体の周囲の様子の画像が表示されることとなる。結果、ドライバが移動体に搭載された表示部を通して移動体の周囲の様子を確認している状況で同表示部に表示障害が発生した場合においても、移動体と同移動体の周囲物体との接触可能性が高い場合には予め同表示部に表示すべき画像が通信端末機器の表示画面に表示されているため、ドライバは同表示画面の視認により安定して移動体の周囲の様子を確認することが可能となる。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6の何れか一項に記載の画像表示装置において、
前記通信制御手段は、前記移動体から前記周囲物体までの距離が所定の値以下である場合に、前記移動体に搭載された表示部に表示すべき画像を前記通信端末機器の表示画面に表示することをその要旨とする。
【0015】
上記の構成によれば、移動体から同移動体の周囲物体までの距離が所定の値以下である場合に、移動体に搭載された表示部に表示すべき画像を通信端末機器の表示画面に表示させる。これにより、表示部と通信端末機器の表示画面の両方に移動体の周囲の様子の画像が表示されることとなる。結果、ドライバが移動体に搭載された表示部を通して移動体の周囲の様子を確認している状況で同表示部に表示障害が発生した場合においても、移動体から同移動体の周囲物体までの距離が所定の値以下である場合には予め同表示部に表示すべき画像が通信端末機器の表示画面に表示されているため、ドライバは同表示画面の視認により安定して移動体の周囲の様子を確認することが可能となる。
請求項8に記載の発明は、移動体の内部に存在する通信端末機器を検知するステップと、前記移動体内に通信端末機器が検知された場合に、前記移動体に搭載された表示部に表示すべき画像を、前記通信端末機器の表示画面に表示するステップと、を備えることをその要旨とする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明にかかる画像表示装置を含む車両の構成を示す模式図。
【図2】第1の実施形態にかかる画像表示制御のフローチャート。
【図3】第2の実施形態にかかる画像表示制御のフローチャート。
【図4】第3の実施形態にかかる画像表示制御のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、この発明にかかる画像表示装置及び画像表示方法を、車両に搭載される表示部と同車両に持ち込まれた通信端末機器とを制御する制御装置として具体化した第1の実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
【0018】
図1は、本実施形態にかかる画像表示装置を含む車両の構成を示す模式図である。図1において、車両1は、画像表示装置10と、右サイドカメラ200と、左サイドカメラ210と、バックカメラ220とで構成される。
画像表示装置10は、通信制御部100と、表示部110と、異常検知部140と、端末機器検知部150とで構成される。通信制御部100は、ROM、RAM.CPU等によって構成されており、本実施形態における各種制御を行う。具体的には、右サイドカメラ200、左サイドカメラ210、及びバックカメラ220などから車両1の周辺情報を取得し、表示部110及び車両1の内部に持ち込まれた通信端末機器150への画像の出力を制御する。
【0019】
端末機器検知部150は、車両1の内部に持ち込まれた通信端末機器130の検出を行う。通信端末機器130は画像の表示画面を有するものであり、例えば、携帯電話、携帯型音楽再生機、モバイルコンピュータなどが挙げられる。
異常検知部140は、車両1に搭載された画像表示装置10の表示部110に表示障害が発生しているか否かを検知する。表示部110に表示障害が発生している場合、異常検知部140は、表示部110において画像が表示できないことを検知し、表示部110において画像が表示できないことを示す異常検知信号を前記通信制御部100に対して出力する。
【0020】
車両1に搭載された各種のカメラにより、車両1の周囲の様子が撮像される。本実施例においては、車両1は、車両1の左右及び後ろの方向の様子をそれぞれ撮像する右サイドカメラ200と、左サイドカメラ210と、バックカメラ220とを備えている。右サイドカメラ200、左サイドカメラ210、及びバックカメラ220は、車両用周辺監視カメラの一種であり、例えばCCDカメラである。右サイドカメラ200、左サイドカメラ210、及びバックカメラ220によって取得された画像は、通信制御部100に出力される。
【0021】
以下、図2を参照して本実施形態の通信制御部100が実行する画像表示制御について説明する。この画像表示制御は、通信制御部100によって所定の制御周期で繰り返し実行される。
この画像表示制御が開始されると、通信制御部100は、図2のステップS100に示されるように、車両1に搭載された表示部110に表示障害が発生しているか否かの判定を行う。具体的には、異常検知部140が、表示部110において画像が表示できないことを検知し、表示部110において画像が表示できないことを示す異常検知信号を前記通信制御部100に対して出力する。通信制御部100が異常検知部140から出力される異常検知信号を受信した場合は、通信制御部100は、表示部110に表示障害が発生している旨の判定を行う。一方で、異常検知部140から異常検知信号が出力されない場合には、通信制御部100は、表示部110に表示障害が発生していない旨の判定を行う。
ステップS100において、車両1に搭載された表示部110に表示障害が発生している旨の判定がなされた場合(ステップS100:YES)には、ステップS101へと進む。ステップS101では、車両1の内部に存在する通信端末機器130の検索を行う。
一方、ステップS100において、車両1に搭載された表示部110に表示障害が発生していない旨の判定がなされた場合(ステップS100:NO)には、通信制御部100は、一連の処理を一旦終了させる。
ステップS101において、車両1の内部に存在する通信端末機器130の検索が成された後に、ステップS102へと進む。ステップS102では、通信制御部100は、車両1の内部に通信端末機器130が存在するか否かを判定する。
ステップS102において、通信端末機器130が存在する旨の判定がなされた場合(ステップS102:YES)には、ステップS103へと進む。ステップS103では、通信制御部100は、車両1の内部に存在する通信端末機器130は複数であるか否かの判定を行う。具体的には、端末機器検知部150が車両1の内部において、複数の通信端末機器130を検知したか否かの判定を行う。
一方、ステップS102において、通信端末機器130が存在しない旨の判定がなされた場合(ステップS102:NO)には、ステップS107へと進む。ステップS107では、通信制御部100は、通信端末機器がない旨の情報の案内を車両1の搭乗者に対して行う。その後、通信制御部100は、ステップS108にて、通信端末機器を要求する旨の案内を車両1の搭乗者に対して行い、ステップS101へと進む。
ステップS103において、通信端末機器130が複数である旨の判定がなされなかった場合(ステップS103:NO)には、ステップS104へと進む。
一方、ステップS103にて、通信端末機器130が複数である旨の判定がなされた場合(ステップS103:YES)には、ステップS109へと進む。ステップS109では、通信制御部100は、表示部110に表示すべき画像を、端末機器検知部150によって検知された複数の通信端末機器130の内の何れに表示するかの選択肢を車両1の搭乗者に対して通知する。通信端末機器130が車両1の搭乗者により選択されると(ステップS110)、通信制御部100は、画像の表示先を決定する(ステップS104)。
ステップS104において、画像の表示先が決定されると、ステップS105へと進む。ステップS105では、通信制御部100は、通信端末機器130に画像表示用ソフトウェアがインストールされているか否かの判定を行う。
ステップS105において、通信端末機器130に画像表示用ソフトウェアがインストールされている旨の判定がなされた場合(ステップS105:YES)には、ステップS106へと進む。ステップS106では、通信制御部100は、表示部110に表示すべき画像を通信端末機器130の表示画面に表示する。
これにより、車両1の内部に通信端末機器130が検知され、通信端末機器130が検知された場合は、車両1に搭載された表示部110に表示すべき画像が通信端末機器130の表示画面に表示される。これにより、表示障害により車両1に搭載された表示部110の表示画像に画像が表示されない場合においても、通信端末機器130の表示画面を通して、車両1に搭載された表示部110に表示すべき画像の視認が可能となる。
また、車両1に搭載された表示部110に画像の表示が出来ない場合は、同表示部110に表示すべき画像を、通信端末機器130の表示画面に表示する一方で、車両1に搭載された表示部110に画像の表示が出来る場合は、同表示部110に表示すべき画像を通信端末機器130の表示画面に表示しない。このように、通信端末機器130の表示画面への表示は、車両1に搭載された表示部110が表示すべき画像を表示できない場合に限定される。結果として、通信端末機器130の表示画面の使用が、車両1に搭載された表示部110に表示すべき画像の表示に常時限定されることを防ぐことが可能となる。
一方、ステップS105において、通信端末機器130に画像表示用ソフトウェアがインストールされている旨の判定がなされなかった場合(ステップS105:NO)には、ステップS111へと進む。ステップS111では、通信制御部100は、画像表示用ソフトウェアの取得を行う。例えば、通信制御部100は、インターネットを介しての画像表示用ソフトウェアのダウンロードにより取得を行う。その後、通信制御部100は、ステップS112にて、通信端末機器130へ画像表示用ソフトウェアのインストールを行い、通信端末機器130の表示画面で、表示部110に表示すべき画像を表示できるようにする。その後、ステップS106へと進む。尚、この実施形態においては、車両1に搭載された表示部110に表示障害が発生している場合に限って、表示部110が表示するべき画像を通信端末機器の表示画面に表示する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。表示部110に表示障害が発生していない場合であっても、表示部110と通信端末機器の表示画面との両方の画面に表示してもよい。これにより、車両の搭乗者が見易い方の画面で視認することができる。
(第2の実施形態)
以下、この発明にかかる画像表示装置を、車両に搭載される表示部と同車両に持ち込まれた通信端末機器とを制御する制御装置として具体化した第2の実施形態について、図1及び図3を参照して説明する。なお、本実施形態は図2を参照して説明した第1の実施形態における画像表示装置及び画像表示方法に対して、画像表示装置に予め初期登録された通信端末機器を検索する制御を加えたものである。そのため、以下では第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を割愛し、第1の実施形態と異なる画像表示制御の内容を中心に説明する。
以下、図3を参照して本実施形態の通信制御部100が実行する画像表示制御について説明する。この画像表示制御は、通信制御部100によって所定の制御周期で繰り返し実行される。
この画像表示制御が開始されると、通信制御部100は、図3のステップS200に示されるように、車両1に搭載された表示部110に表示障害が発生しているか否かの判定を行う。具体的には、異常検知部140が、表示部110において画像が表示できないことを検知し、表示部110において画像が表示できないことを示す異常検知信号を前記通信制御部100に対して出力する。通信制御部100が異常検知部140から出力される異常検知信号を受信した場合は、通信制御部100は、表示部110に表示障害が発生している旨の判定を行う。一方で、異常検知部140から異常検知信号が出力されない場合には、通信制御部100は、表示部110に表示障害が発生していない旨の判定を行う。
ステップS200において、車両1に搭載された表示部110に表示障害が発生している旨の判定がなされた場合(ステップS200:YES)には、ステップS201へと進む。ステップS201では、車両1の内部に存在する、予め登録された通信端末機器130の検索を行う。
一方、ステップS200において、車両1に搭載された表示部110に表示障害が発生していない旨の判定がなされた場合(ステップS200:NO)には、通信制御部100は、一連の処理を一旦終了させる。
ステップS201において、通信制御部100に予め登録された通信端末機器130の検索が成された後に、ステップS202へと進む。ステップS202では、通信制御部100は、車両1の内部に、画像表示装置10に予め登録された通信端末機器130が存在するか否かを判定する。
ステップS202において、予め登録された通信端末機器130が存在する旨の判定がなされた場合(ステップS202:YES)には、ステップS205へと進む。これにより、車両1の内部に複数の通信端末機器130が存在する場合でも、予め登録された通信端末機器130を検知した場合は、自動的に同登録された通信端末機器130に表示されるため、ユーザーによる通信端末機器130の選択操作を省くことが可能となる。これにより、通信端末機器130の表示画面へのよりスムーズな画像表示が可能となる。
一方、ステップS202において、予め登録された通信端末機器130が存在しない旨の判定がなされた場合(ステップS202:NO)には、ステップS203へと進む。ステップS203では、通信制御部100は、予め登録された通信端末機器130以外の通信端末機器130が車両1の内部に存在するか否かの判定を行う。
ステップS203において、予め登録された通信端末機器130以外の通信端末機器130が存在しない旨の判定がなされた場合(ステップS203:NO)には、ステップS208へと進む。ステップS208では、通信制御部100は、予め登録された通信端末機器、及びその他の通信端末機器がない旨の案内を車両1の搭乗者に対して行う。その後、通信制御部100は、ステップS209にて、通信端末機器を要求する旨の案内を車両1の搭乗者に対して行い、ステップS201へと進む。
ステップS203において、予め登録された通信端末機器130以外の通信端末機器130が存在する旨の判定がなされた場合(ステップS203:YES)には、ステップS204へと進む。ステップS204では、通信制御部100は、車両1の内部に存在する通信端末機器130は複数であるか否かの判定を行う。具体的には、端末機器検知部150が車両1の内部において、複数の通信端末機器130を検知したか否かの判定を行う。
ステップS204において、通信端末機器130が複数である旨の判定がなされなかった場合(ステップS204:NO)には、ステップS205へと進む。
一方、ステップS204にて、通信端末機器130が複数である旨の判定がなされた場合(ステップS204:YES)には、ステップS210へと進む。ステップS210では、通信制御部100は、表示部110に表示すべき画像を、端末機器検知部150によって検知された複数の通信端末機器130の内の何れに表示するかの選択肢を車両1の搭乗者に対して通知する。通信端末機器130が車両1の搭乗者により選択されると(ステップS211)、通信制御部100は、画像の表示先を決定する(ステップS205)。
ステップS205において、画像の表示先が決定されると、ステップS206へと進む。ステップS206では、通信制御部100は、通信端末機器130に画像表示用ソフトウェアがインストールされているか否かの判定を行う。
ステップS206において、通信端末機器130に画像表示用ソフトウェアがインストールされている旨の判定がなされた場合(ステップS206:YES)には、ステップS207へと進む。ステップS207では、通信制御部100は、表示部110に表示すべき画像を通信端末機器130の表示画面に表示する。
一方、ステップS206において、通信端末機器130に画像表示用ソフトウェアがインストールされている旨の判定がなされなかった場合(ステップS206:NO)には、ステップS212へと進む。ステップS212では、通信制御部100は、画像表示用ソフトウェアの取得を行う。例えば、通信制御部100は、インターネットを介しての画像表示用ソフトウェアのダウンロードにより取得を行う。その後、通信制御部100は、ステップS213にて、通信端末機器130へ画像表示用ソフトウェアのインストールを行い、通信端末機器130の表示画面で、表示部110に表示すべき画像を表示できるようにする。その後、ステップS207へと進む。
(第3の実施形態)
以下、この発明にかかる画像表示装置を、車両に搭載される表示部と同車両に持ち込まれた通信端末機器とを制御する制御装置として具体化した第3の実施形態について、図1及び図4を参照して説明する。なお、本実施形態は図2を参照して説明した第1の実施形態における画像表示装置及び画像表示方法に対して、車両と車両の周囲物との衝突危険度を算出する制御を加え、さらに一部変更を加えたものである。そのため、以下では第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を割愛し、第1の実施形態と異なる画像表示制御の内容を中心に説明する。
【0022】
以下、図4を参照して本実施形態の通信制御部100が実行する画像表示制御について説明する。この画像表示制御は、通信制御部100によって所定の制御周期で繰り返し実行される。
この画像表示制御が開始されると、通信制御部100は、図4のステップS301に示されるように、車両1の内部に存在する通信端末機器130の検索を行う。ステップS301において、車両1の内部に存在する通信端末機器130の検索が成された後に、ステップS302へと進む。ステップS302では、通信制御部100は、車両1の内部に通信端末機器130が存在するか否かを判定する。
ステップS302において、通信端末機器130が存在する旨の判定がなされた場合(ステップS302:YES)には、ステップS303へと進む。ステップS303では、車両1の周囲の環境情報の取得が行われる。具体的には、車両1に搭載された対物センサ(図示省略)などのセンサにより、車両1の周囲の物体の位置情報の取得を行う。
一方、ステップS302において、通信端末機器130が存在しない旨の判定がなされた場合(ステップS302:NO)には、ステップS309へと進む。ステップS309では、通信制御部100は、通信端末機器がない旨の情報の案内を車両1の搭乗者に対して行う。その後、通信制御部100は、ステップS310にて、通信端末機器を要求する旨の案内を車両1の搭乗者に対して行い、ステップS301へと進む。
ステップS303にて取得された車両1の周囲の物体の位置情報の取得が行われると、ステップS304において、通信制御部100は、車両1と車両1の周囲物体との衝突危険度を算出する。ステップS305では、ステップS304にて算出された衝突危険度が予め設定された閾値T以上であるか否かが判定される。衝突危険度が予め設定された閾値T以上である旨の判定がなされた場合は(ステップS305:YES)、ステップS306へと進む。ここで、周囲物体として、例えば車両やバイク、自転車などの移動体、障害物、歩行者、動物などが挙げられる。
一方、ステップS305にて、衝突危険度が予め設定された閾値T以上である旨の判定がなされなかった場合は(ステップS305:NO)、通信制御部100は、一連の処理を一旦終了させる。
ステップS306では、通信制御部100は、通信端末機器130に画像表示用ソフトウェアがインストールされているか否かの判定を行う。
ステップS306において、通信端末機器130に画像表示用ソフトウェアがインストールされている旨の判定がなされた場合(ステップS306:YES)には、ステップS307へと進む。ステップS307では、通信制御部100は、表示部110に表示すべき画像を通信端末機器130の表示画面に表示する。
一方、ステップS306において、通信端末機器130に画像表示用ソフトウェアがインストールされている旨の判定がなされなかった場合(ステップS306:NO)には、ステップS311へと進む。ステップS311では、通信制御部100は、画像表示用ソフトウェアの取得を行う。例えば、通信制御部100は、インターネットを介しての画像表示用ソフトウェアのダウンロードにより取得を行う。その後、通信制御部100は、ステップS312にて、通信端末機器130へ画像表示用ソフトウェアのインストールを行い、通信端末機器130の表示画面で、表示部110に表示すべき画像を表示できるようにする。その後、ステップS307へと進む。
これにより、車両1と車両1の周囲物体との衝突危険度が高い場合に、車両1に搭載された表示部110に表示すべき画像を通信端末機器130の表示画面に表示させる。これにより、表示部110と通信端末機器130の表示画面の両方に車両1の周囲の様子の画像が表示されることとなる。結果、例えばドライバが車両1に搭載された表示部110を通して車両1の周囲の様子を確認している状況で同表示部110に表示障害が発生した場合においても、車両1と同車両1の周囲物体との衝突危険度が高い場合には予め同表示部110に表示すべき画像が通信端末機器130の表示画面に表示されているため、ドライバは同表示画面の視認により安定して車両1の周囲の様子を確認することが可能となる。
また、上記実施形態では、衝突危険度に基づいて通信端末機器130の表示画面に画像を表示する場合を取り上げたが、車両1と車両1の周囲物との距離に基づいて通信端末機器130の表示画面に画像を表示することも可能である。この場合、車両1と車両1の周囲物との距離間隔が予め設定された基準値以下である場合には、車両1の表示部110に表示すべき画像を通信端末機器130の表示画面に出力する。その一方で、車両1と車両1の周囲物との距離間隔が予め設定された基準値以上である場合には、車両1の表示部110に表示すべき画像を通信端末機器130の表示画面に出力しないといった制御が可能となる。
これにより、車両1から同車両1の周囲物体までの距離が所定の値以下である場合に、車両1に搭載された表示部110に表示すべき画像を通信端末機器130の表示画面に表示させる。これにより、表示部110と通信端末機器130の表示画面の両方に車両1の周囲の様子の画像が表示されることとなる。結果、例えばドライバが車両1に搭載された表示部110を通して車両1の周囲の様子を確認している状況で同表示部110に表示障害が発生した場合においても、車両1から同車両1の周囲物体までの距離が所定の値以下である場合には予め同表示部110に表示すべき画像が通信端末機器130の表示画面に表示されているため、ドライバは同表示画面の視認により安定して車両1の周囲の様子を確認することが可能となる。
尚、本発明における通信端末機器130と画像表示装置10との通信方式は、有線方式であっても無線方式であっても良い。
車両1に搭載されるカメラは、本実施形態におけるような右サイドカメラ200、左サイドカメラ210、及びバックカメラ220を備える場合のみならず、他の形態が可能である。
上記の各実施形態は、適宜組み合わせて実行することが可能である。また、上記の各実施形態におけるように、表示部110に表示障害が発生した場合に通信端末機器130の表示画面に画像を表示する場合のみならず、車両1の始動を条件として通信端末機器130の表示画面に画像を表示するなど、他の条件での制御が可能である。
【0023】
また、本発明における画像表示装置及び画像表示方法は、車両に適用される場合のみならず、船舶や飛行機など、他の移動体における画像表示装置及び画像表示方法としても適用可能である。
【0024】
本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更もまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0025】
1…車両
10…画像表示装置
100…通信制御部
110…表示部
130…通信端末機器
140…異常検知部
150…端末機器検知部
200…右サイドカメラ
210…左サイドカメラ
220…バックカメラ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載された表示部に画像を表示する表示手段と、
前記移動体内に存在する通信端末機器を検知する端末機器検知手段と、
前記端末機器検知手段により前記移動体内に通信端末機器が検知された場合に、前記移動体に搭載された表示部に表示すべき画像を、前記通信端末機器に設けられた表示画面に表示する通信制御手段と、を備える
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置において、
前記移動体の周囲の様子を撮像する撮像手段を備え、
前記表示手段は、前記撮像手段により撮像された画像を前記移動体に搭載された表示部に表示し、
前記通信制御手段は、前記端末機器検知手段により前記移動体内に通信端末機器が検知された場合に、前記撮像手段により撮像された画像を、前記通信端末機器の表示画面に表示する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像表示装置において、
前記通信制御手段は、前記移動体に搭載された表示部に画像の表示ができない場合に、同表示部に表示すべき画像を前記通信端末機器の表示画面に表示する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
請求項2又は3の何れか一項に記載の画像表示装置において、
前記移動体に搭載された表示部において画像が表示できないことを検知し、同表示部において画像が表示できないことを示す異常検知信号を前記通信制御手段に対して出力する異常検知手段を備え、
前記通信制御手段は、前記異常検知手段から出力される異常検知信号を受信した場合に、前記移動体に搭載された表示部に表示すべき画像を前記通信端末機器の表示画面に表示する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
請求項2〜4の何れか一項に記載の画像表示装置において、
前記通信制御手段は、前記移動体の周囲物体の位置情報に基づいて、前記移動体に搭載された表示部に表示すべき画像を前記通信端末機器の表示画面に表示する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像表示装置において、
前記通信制御手段は、前記移動体と前記周囲物体との接触可能性が高い場合に、前記移動体に搭載された表示部に表示すべき画像を前記通信端末機器の表示画面に表示する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項7】
請求項5又は6の何れか一項に記載の画像表示装置において、
前記通信制御手段は、前記移動体から前記周囲物体までの距離が所定の値以下である場合に、前記移動体に搭載された表示部に表示すべき画像を前記通信端末機器の表示画面に表示する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項8】
移動体の内部に存在する通信端末機器を検知するステップと、
前記移動体内に通信端末機器が検知された場合に、前記移動体に搭載された表示部に表示すべき画像を、前記通信端末機器の表示画面に表示するステップと、を備える
ことを特徴とする画像表示方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−92727(P2013−92727A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236044(P2011−236044)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】