説明

画像表示装置

【課題】 パーソナルコンピュータ及び表示装置を所有していなくても手軽にディジタル画像を鑑賞することができると共に、周囲の明るさに応じて表示の明るさを調整し、表示を観やすくすることができる画像表示装置を提供する。
【解決手段】 画像表示装置1の制御マイコン42は、メモリーカード12から画像情報を読み出して画像処理ブロック43で画像信号処理を施して画像信号を生成し、表示部4に表示する。周囲の明るさを検知するための光センサを設け、制御マイコン42は、検出した光量が一定値以下であるとき、表示部4の表示の明るさを暗くするように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばディジタルスチルカメラ等にて撮影されたディジタル画像を表示する画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、銀塩フィルムを用いたカメラや電子スチルカメラ(ディジタルスチルカメラも含む)等により撮影された画像は、鑑賞するために用いられることが多く、その鑑賞の方法には様々な形態が存在している。
【0003】
銀塩フィルムを用いたカメラにより撮影された画像を鑑賞する場合の鑑賞形態としては、例えば、当該カメラにて撮影された画像を印画紙に印画した写真を例えば写真たてや額に入れて観る鑑賞や、写真アルバムに整理して入れた写真を観る鑑賞、ポジフィルムの場合に当該ポジフィルムをスライド映写機にてスクリーン上に映して観る鑑賞等が考えられる。
【0004】
また、電子スチルカメラ(ディジタルスチルカメラも含む)により撮影された画像を鑑賞する場合の鑑賞形態としては、例えば、そのカメラにて撮影した画像をパーソナルコンピュータに接続された表示装置に表示することによる鑑賞、当該カメラが画像再生用の表示装置を備えたカメラの場合はその表示装置に表示することによる鑑賞等の形態が考えられる。
【0005】
従来技術として、特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平05−108732号公報
【特許文献2】特開平10−83146号公報
【特許文献3】特開平5−145872号公報
【特許文献4】特開平9−127922号公報
【特許文献5】国際公開第97/11447号
【特許文献6】実願平2−401871号(実開平4−114081号)のマイクロフィルム
【特許文献7】特開平9−21998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、銀塩フィルムを用いたカメラにより撮影された画像を鑑賞する場合において、例えば写真を写真たてや額等に入れた場合には、常時同じ写真しか鑑賞できず、別の写真を鑑賞するには写真の入れ替えが必要となる。また、写真アルバムに入れた写真を観る場合には、アルバムを取り出して開く手間が必要になり、例えば36枚撮りの写真を観るにはアルバムのページを捲らなければならず、常時鑑賞するようなことができない。ポジフィルムをスライド映写機にてスクリーン上に映して観る場合には、周囲を暗くして観なければならず、また、スクリーンなどが必要となり、全体として大がかりになってしまう。
【0008】
一方で、電子スチルカメラ(ディジタルスチルカメラも含む)等により撮影された画像を鑑賞する場合は、例えば銀塩フィルムから得られた複数の写真を鑑賞する場合のように、写真たてや額への写真の入れ替えが不要で、また、アルバムのページを捲るような手間も不要で、スライド映写機等の大がかりな装置も不要であるが、例えばパーソナルコンピュータとそれに接続された表示装置が必要であり、また、画像再生用の表示装置を備えたカメラの場合はその表示装置を介さなければ画像の鑑賞ができない。なお、近年は、例えば著名人の写真集などをディジタル画像化して外部記録媒体に記録し、この外部記録媒体を販売するようなことも行われているが、当該外部記録媒体に記録されたディジタル画像を鑑賞する場合にも、例えばパーソナルコンピュータとそれに接続された表示装置が必要となり、手軽にディジタル画像を表示するための専用の装置も存在していない。
【0009】
そこで、本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、パーソナルコンピュータ及び表示装置を所有していなくても手軽にディジタル画像を鑑賞することができ、また、使用電力量を減らして、省エネルギ効果を得ることができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像表示装置は、上記課題を解決するために、短辺と長辺とを有し、長辺側が下になる第1の位置と短辺側が下になる第2の位置との間で回動可能な操作手段と、画像データを無線で受信する無線通信手段と、画像データ受信用のシリアルケーブルを接続するシリアルデータ端子と、上記無線通信手段を介して受信された画像データ及びシリアルデータ端子を介して受信された画像データを保存する記録媒体と、上記記録媒体から読み出された画像データに対して所定の画像信号処理を施すことによって画像信号を生成する画像信号処理手段と、上記画像信号処理手段からの画像信号を表示する画像表示手段と、周囲の光量を検出する光検出手段と、上記光検出手段からの検出信号に基づいて上記画像表示手段の表示の明るさを調整し、検出した光量が一定値以下であるとき、表示の明るさを暗くするように調整する調整手段とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、光検出手段が周囲の光量を検出し、検出した光量が一定値以下であるとき、画像表示手段の表示の明るさを暗くするように調整することにより、表示を観やすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態となる画像表示装置の正面図である。
【図2】上記画像表示装置の背面側からの斜視図である。
【図3】上記画像表示装置が操作部を全回動させている状態の正面図である。
【図4】上記画像表示装置が操作部を全回動させている状態の背面図である。
【図5】上記画像表示装置の側面図である。
【図6】上記画像表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【図7】上記画像表示装置から操作部を取り出す状態を示す図である。
【図8】上記画像表示装置で操作部を取り出し電源スイッチをオンにしてからメモリーカードを挿入するまでの動作を説明するための図である。
【図9】上記画像表示装置を横にして画像を再生している状態を示す図である。
【図10】上記画像表示装置を縦にして画像を再生している状態を示す図である。
【図11】上記画像表示装置を構成する透明カバー板と、化粧板と、ディスプレイ本体部の分解斜視図である。
【図12】操作部をスライド収納するタイプの画像表示装置の外観斜視図である。
【図13】他の実施の形態となる画像表示装置の正面側からの斜視図である。
【図14】上記図13に示した画像表示装置の背面側からの斜視図である。
【図15】上記図13及び図14に示した画像表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【図16】上記図13及び図14に示した画像表示装置の表示部上の表示画像の表示方向の決定動作を説明するための図である。
【図17】上記図13及び図14に示した画像表示装置と外部装置、外部記録媒体との間の接続状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る画像表示装置の実施の形態について図面を参照しながら説明する。この実施の形態は外部記録媒体であるメモリーカードに記録されている画像データを表示部に表示する、図1及び図2に外観を示す画像表示装置1である。図1は画像表示装置1の正面図であり、図2は背面側からの斜視図である。
【0014】
この画像表示装置1は、最外部側、すなわち鑑賞者側から順番に、アクリルからなる透明カバー板2と、表示部4を視認させる開口部と後述する人体認識センサ5用の開口部を切り欠いた化粧板3と、表示部4と人体認識センサ5を備えた本体部7とを固定用止め具6で接合して組み立てられている。
【0015】
表示部4は、例えば液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の薄型且つ軽量のディスプレイであり、後述する画像処理ブロックから供給された表示画像信号に基づく画像の表示を行う。
【0016】
装置を横長に設置したとき、本体部7の上部には図2に示すように、後述する操作部10の操作釦群8と電源スイッチ19が配設される。また、本体部7の背面側の右端部中央よりには後述するスリープ時間設定のためのスライドスイッチ46が設けられる。この画像表示装置1は本体7の筐体にネジで固定された脚部9と、透明カバー板2によって支えられ、例えば机上に設置される。
【0017】
図3には画像表示装置1が操作部を全回動させている状態の正面図を示す。本体部7に対して操作部10が支点21を係止して90度回動する。図示は操作部10を矢印R方向に90度回動させた状態であり、この状態から矢印L方向に90度回動することにより操作部10を本体部7内に収納できる。
【0018】
操作部10にはメモリーカード挿入部11が設けられおり、メモリーカード12の外部からの挿入を可能としている。メモリーカード挿入部11の内部にはメモリーカード12を接続するためのメモリーカードスロットが設けられている。
【0019】
メモリーカード12はいわゆるSSFDC(Solid-State Floppy Disk Card)と略称されるフラッシュEEPROM(Electically Erasable and Programmable ROM)を用いたメモリーカードやいわゆるミニチュアカード等の少なくともディジタル画像データを記憶可能な記録媒体である。
【0020】
操作部10には右端部側の上部から早送りサーチ釦13、再生及び停止釦14、早戻しサーチ釦15、ローテート(ROTATE)釦16及びディスプレイ(DISPLAY)釦17が設けられている。また、下部には十字キー18が設けられている。
【0021】
早送りサーチ釦13はメモリーカード12に記録された画像情報を早送りしてサーチするための釦である。再生及び停止釦14はメモリーカード12に記録された画像情報を再生及び停止する釦である。早戻しサーチ釦15はメモリーカード12に記録された画像情報を早戻しサーチするための釦である。ローテート釦16は表示部4に表示する画像の表示方向情報をメモリーカード12に記録するための釦である。ディスプレイ釦17は画像情報に付加されている例えば撮影日時やインデックス情報の表示をオンオフするための釦である。十字キー18は、表示部4に表示されたメニュー項目を選択、確定するための釦である。上下左右を指示する各キー18a,18c,18d及び18bを備えると共に、中央部に確定用のクリック釦18eを備えている。
【0022】
図3に示した状態において、操作部10の各釦に関するキャラクタ表示は操作者(鑑賞者)に正面から視認されるので、操作者は表示部4を見ながら操作できる。また、この操作部10を矢印L方向に90度回動させると上記13〜17の各操作釦は本体部7の上部に位置して、上述した操作釦群8を形成する。各釦のキャラクタ表示は例えば化粧板3の上部にも設けられているので操作者は操作部10が本体部7に収納されている状態でも上記各釦13〜17を操作できる。
【0023】
また、操作部10は横長に広がるように構成されているので、操作するときは装置を縦にすることがなく、その結果、画面上の表示文字は横方向のみ考えればよいことになる。
【0024】
さらにメモリーカード挿入部11も操作部10に付いているので、操作部10を閉じたとき、挿入部11が露出しない構造になっている。
【0025】
図4には画像表示装置1が操作部を全回動させている状態の背面図を示す。本体部7に対して操作部10が90度回動している状態である。
【0026】
脚部9は、二つの取り付け孔20a及び20bを縦方向に配設している。上側の取り付け孔20aにネジ20cを通して本体部7に接合されると、脚部9は長く使われる。これに対して脚部9が下側の取り付け孔20bにネジ20cを通して本体部7に接合されると、脚部9は短く使われる。脚部9は透明カバー板2と一緒に装置を支えているので、脚部9が長いと表示部4は例えば机上の設置面に対して起きあがってくる。また脚部9が短いと表示部9は設置面に対して比較的寝てくる。このように二つの孔を設けることにより鑑賞者に設置面に対する角度を選択させることができる。また、脚部9は底辺の中心を上記孔の位置から右側にずらし、底辺を背面側から見て右側に伸ばしている。これは画像表示装置1が縦置きにされたときにも安定して支えることができるようにするためである。
【0027】
また、本体部7には固定の操作釦も配設されている。上部に取り付けられた電源スイッチ19、背面側から見た側部に取り付けられた表示部4の明るさを調整するためのブライト(BRIGHT)+釦47a,ブライト−釦47bである。また、背面には操作者に表示状態を継続させる時間、又はスリープのための時間を設定させるスライドスイッチ46も設けられている。また、側面の下部にはスピーカ48が備えられている。また、背面側から見て左下部には直流電源DCが接続される接続部22も設けられている。
【0028】
図5には上記ブライト+釦47a,ブライト−釦47bやスピーカ48が設置されている側面部を示す。上述したように、この画像表示装置1は脚部9と透明カバー板2によって支えられて例えば机の設置面23に置かれる。
【0029】
次に、この画像表示装置1の内部構成について図6のブロック図を参照しながら説明する。
【0030】
メモリーカード12には、既に電子スチルカメラ等により撮影された画像情報が圧縮画像データとして記録されている。
【0031】
メモリーカード12に記録された画像を再生する場合、制御マイコン(マイクロコンピュータ)42はメモリーカードコントローラー40を経てメモリーカード12より圧縮画像データを読み込み、内蔵のDRAMに記録する。その圧縮画像データを画像処理ブロック43で伸張処理し、DRAMに書き戻す。DRAMに書き戻された画像データは、画像処理ブロック43で処理された後、表示部4に表示される。
【0032】
特にこの画像表示装置1は制御マイコン42を使って、表示部3に表示する画像の表示方向情報をメモリーカード12にメモリーカードコントローラ40を介して記録すると共に、メモリーカード12から読み出した上記表示方向情報に応じた表示画像信号を表示部4に表示する。
【0033】
上記表示方向情報とは、画像を表示する際の方向に関する情報である。具体的には、操作者がはじめにメモリーカード12から画像情報を読み出して表示部4に表示した際に、操作部10のローテート釦16を押しながら表示の際の上下方向を指示する情報である。一つの画像に対してローテート釦16を最大でも3度押せば例えば右周りに画像を回転させて、自分の好みの上下方向を指示できる。
【0034】
制御マイコン42はローテート釦16の押下に応じ画像処理ブロック43を通して画像を回転させて得られる上記表示方向情報をメモリーカード12に画像情報と共に書き込む。上記表示方向情報が書き込まれたメモリーカード12はこのまま同じ画像表示装置1に挿入されていてもよいが、他の画像表示装置に挿入されてもよい。
【0035】
例えば同じ画像表示装置1に挿入されたままで、次に操作者が表示部4に画像を表示しようとするときには上記表示方向情報に応じた上下方向で画像を表示できる。画像表示装置1の設置状況が上記表示方向情報記録時と異なっても上下方向はそのままで表示できる。これは位置検出スイッチ41が画像表示装置1の横置き又は縦置き等の設置状態を検出し、検出出力を制御マイコン42に送り、かつ制御マイコン42がメモリーカードコントローラ40を介してメモリーカード12から上記表示方向情報を読み出すことにより可能となる。位置検出スイッチ41としては、二方向に可動素子が動くもの、あるいは全方向に振り子型素子が動くものを利用できる。
【0036】
上記表示方向情報のメモリーカード12への記録から、その表示方向情報に応じた画像の表示処理までを図7〜図10を参照しながら以下に説明する。
【0037】
先ず、図7に示すように、操作部10を取り出し、図8で電源スイッチ19をオンにし、メモリーカード12を挿入してから、1枚1枚の画像24を表示部4に表示しながらローテート釦16を最大で3度押下して上下方向を決定し、この上下方向に関する情報を上記表示方向情報としてメモリーカード12に画像24情報と共に記録する。
【0038】
すると、次に、再生するときには、図9に示すように画像表示装置1を横にしても、図10に示すように縦にしても、いちいち上下方向を指示しなくても、正しい方向に表示できる。縦にした場合には表示部4の上下に若干の非表示領域26,27ができる。
【0039】
さらに、この画像表示装置1は、上記図1〜図6に示してきた人体認識センサ5を備えており、人体の接近等を認識すると、表示部4の表示状態を切り換えることができる。人体認識センサ5の具体例としては、例えば人体から発生する赤外線を感知する赤外線センサや、超音波を発生してその反射波により人や物の接近を感知する超音波センサ、レーザ光やLED(発行ダイオード)光等を発生してその反射光により人や物の接近を感知する光センサ等の各種の認識センサが考えられる。特に、この画像表示装置1では、人体認識センサ5の前の空間の20cm以内で例えば手がかざされたときに検出出力を出すものとする。
【0040】
制御マイコン42は人体認識センサ5からの検出を受けると、図示しない電源ブロックからの電源の表示部4への供給をオン/オフする。すなわち、人体認識センサ5にて人が手をかざしたことを検出すると、電源ブロックからの電源を表示部4に供給し、表示部4をオン状態にする。
【0041】
また、装置本体7の背面部に配設されたスリープ切換用のスライドスイッチ46により、その表示時間を30分、60分などに設定していれば、人が手をかざしたことを検出した後、30分又は60分等設定された時間だけ表示部4をオンにすることができる。
【0042】
さらに、画像表示装置1を構成する透明カバー板2と、化粧板3と、ディスプレイ本体部7は図11のように分解可能にできるので、化粧板3を設置場所、例えば部屋の雰囲気に合わせて変えることもできる。透明カバー板2と化粧板3とディスプレイ本体7の接続は、固定用止め具6を化粧板3の穴28を通してディスプレイ本体7の止め具固定部29に挿入することによって行われる。化粧板3としては色や、デザインを異ならせたものを用意しておく。
【0043】
またさらに画像表示装置1では、操作部10を図3及び図4に示した支点21を中心に90度回動して引き出すようにしていたが、図12に示すようなタイプの画像表示装置30としてもよい。
【0044】
すなわち、画像表示装置30は、表示部32を備えたディスプレイ本体31に対して、各種操作釦34及び35を備えた操作部33をスライドさせて引き出す。操作部33にはメモリーカード37を挿入するためのメモリーカード挿入部36が備えてある。このため、この画像表示装置30でも、操作部33を閉じたとき、挿入口が外部に露出しない構造になっている。
【0045】
次に、本発明の他の実施の形態について以下に説明する。この他の実施の形態は図13及び図14に外観を示す画像表示装置50である。図13は画像表示装置50を斜め正面からみた図を、図14は斜め背面からみた図を示している。
【0046】
図13において、画像表示装置50は、装飾的なデザインが施された写真たて形状の筐体51を備えている。また、当該筐体51の前面には表示部52と赤外線素子54と光センサ55と人体認識センサ56と操作釦57が配され、例えば筐体51の上部には外部記録媒体となるメモリーカードを装着するためのソケット53が配されている。
【0047】
また、図14において、筐体51の背面側には、当該筐体51を立てるための脚部59と、後述するシリアルケーブル用のソケット58が配されている。なお、この図13及び図14に例示した筐体は、電源として乾電池或いは2次電池を使用しており、したがって、電源コードは存在していない。もちろん、外部から電源を供給する場合には電源コードが例えば背面側に設けられることになる。
【0048】
なお、図13及び図14の例では、装飾的なデザインが施された筐体として写真たて形状の筐体を挙げたが、額形状の筐体であってもよい。
【0049】
図15には画像表示装置50の内部構成を示す。この図15において、ソケット58は、例えばシリアルケーブル接続用のソケットである。また、赤外線素子(IrDA)54は、赤外線を使用して通信を行うための赤外線通信用I/Oポートである。したがって、画像表示装置50は、当該ソケット58或いは赤外線素子54を介して外部装置と接続可能となっている。なお、外部装置としては、後述するように、少なくともディジタル画像データを供給するためのデジタルスチルカメラ、パーソナルコンピュータ、フィルムスキャナ等が考えられる。この画像表示装置50では、当該ソケット58或いは赤外線素子54を介して上述の外部装置からディジタル画像データを受け取る。なお、画像表示装置50と外部装置との間のデータ通信として、通常状態では赤外線通信素子54を使用したデータ通信側が選ばれていることにする。
【0050】
通信切替スイッチ61は、ソケット58を介したデータ通信と赤外線素子54を介したデータ通信を選択的に切り替えて通信ブロック62に送るための切替手段である。この画像表示装置50では、上述したように、通常状態で赤外線素子54を使用したデータ通信側が選ばれているが、ソケット58にシリアルケーブルが接続された時点で、当該通信切替スイッチ61が動作し、上記ソケット58を介したデータ通信側が選ばれる。
【0051】
通信ブロック62は、上記赤外線素子54或いはソケット58を介し、さらに上記通信切替スイッチ61を介して受け取った外部装置からのデータを、所定の規則に従って内蔵メモリ63に供給する。
【0052】
ソケット53は、外部記録媒体接続用のソケットである。したがって、この画像表示装置50は、当該ソケット53を介して外部記録媒体と接続可能となされている。外部記録媒体としては、上述したようなメモリカードを用いる。当該メモリカードを使用したときのソケット53は、例えばメモリカードスロットからなる。この画像表示装置50では、当該ソケット53を介して外部記録媒体からディジタル画像データを受け取り、このソケット53を介して受け取ったディジタル画像データが、通信/媒体切替スイッチ64に送られる。なお、この画像表示装置50では、外部記録媒体接続用のソケット53を複数設けることも可能であり、このように画像表示装置に複数のソケット53を設け、各ソケットにそれぞれ外部記録媒体を装着した場合には、これら各外部記録媒体間でのデータ通信も可能である。
【0053】
内蔵メモリ63は、画像表示装置50に内蔵される、書き換え可能なメモリであり、ソケット58或いは赤外線素子54を介し、更に通信切替スイッチ62と通信ブロック62を介して供給された外部装置からのディジタル画像データを一時的に保存し、この保存したディジタル画像データを通信/媒体切替スイッチ64に送る。この内蔵メモリ63、書き換え可能であるため、必要に応じて上記外部装置からのディジタル画像データを入れ替えることができる。
【0054】
通信/媒体切替スイッチ64は、ソケット53を介して外部記録媒体から供給されるディジタル画像データと、内蔵メモリ63から読み出されたディジタル画像データとを選択的に切り替えて、画像処理ブロック65に送るための切替手段である。ここでは、通常状態として内蔵メモリ63から読み出されたディジタル画像データが画像処理ブロック65に送られるようになされているが、ソケット53に外部記憶媒体が装填された時点で、当該通信/媒体切替スイッチ64が動作し、上記ソケット53を介した外部記憶媒体からのディジタル画像データ側が選ばれる。
【0055】
画像処理ブロック65は、内蔵メモリ63から読み出され、通信/媒体切替スイッチ64を介して供給されたディジタル画像データ、或いはソケット53から入力され、通信/媒体切替スイッチ64を介して供給されたディジタル画像データに対して、所定の信号処理を行い、表示部52にて表示を行うための表示画像信号を生成する。
【0056】
表示部52は、例えば液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の薄型且つ計量のディスプレイであり、上記画像処理ブロック65から供給された表示画像信号に基づく画像の表示を行う。
【0057】
位置検出スイッチ66は、当該画像表示装置50本体の設置状況に応じて、表示部52における画像表示の方向を決定するための表示方向決定手段として設けられているものである。当該位置検出スイッチ66の具体例としては、例えば、画像表示の方向をユーザが選択的に設定するための方向選択スイッチや、例えば重力センサ等を備え、画像表示装置50がどのように置かれているかを当該重力センサにて自動的に検出し、その置かれた状況に応じて画像表示の方向を自動的に設定するための自動位置検出器などが考えられる。なお、ユーザによる方向選択動作の手間を省くためには、上記自動位置検出器を使用することが望ましい。この位置検出スイッチ66からの位置検出信号は、画像処理ブロック65に送られる。
【0058】
したがってこの場合の画像処理ブロック65は、当該位置検出信号に応じて表示部52における画像表示の方向を決定し、当該決定した表示方向に応じた表示画像を上記表示部52に表示させる。すなわち、表示部52の表示画面が、例えば図16に示すようにV辺とH辺からなる四角形状になされているような場合において、画像表示装置50が例えば縦位置(縦方向)に置かれていることを上記位置検出信号が示している時、画像処理ブロック65は、例えば図16中(A)に示すように、表示部52の表示画面の例えばV辺が上下方向に、H辺が水平方向になるように表示部52上の表示画像70の表示方向を決定し、当該決定した表示方向に応じた表示画像を上記表示部52に表示させる。一方、例えば表示部52の表示画面がV辺とH辺からなる四角形状になされているような場合において、画像表示装置50が例えば横位置に置かれていることを上記位置検出信号が示している時、画像処理ブロック65は、例えば図16中(B)に示すように、表示部52の表示画面の例えばH辺が上下方向に、V辺が水平方向になるように表示部52上の表示画像70の表示方向を決定し、当該決定した表示方向に応じた表示画像を上記表示部52に表示させる。
【0059】
なお、図16の例では、表示部52の表示画面の形状として、V辺がH辺より長い長方形を例に挙げているが、H辺がV辺より長い長方形でもよく、また、V辺とH辺の長さが等しい正方形であってもよい。さらに、表示部52の表示画面の形状は、長方形や正方形だけでなく、円形、楕円形、台形、各種の多角形等のいかなる形状であってもよいが、いずれの形状を採用した場合でも、表示部52上に表示される表示画像70の上下方向は、当該画像表示装置50の置かれた状況に応じて決定される。言い換えれば、画像表示装置50おいては、表示部52の表示画面の形状が、例えば円形や六角形,8角形等のように特に表示方向として縦方向や横方向のように決まった方向を持たせることが困難な形状であったとしても、表示部52上に表示される表示画像70の上下方向を当該画像表示装置50本体の置かれた状況に応じて決定することができる。もちろん、上述のような画像表示装置50本体の置かれた状況に応じた表示方向の決定を行わないようにすることも可能である。
【0060】
電源ブロック67は、画像表示装置50に電源を供給するための電源であり、電源コードを介したAC電源を所定電圧のDC電源に変換して供給するものである。なお、当該電源ブロック67は、例えば各種2次電池や乾電池等から所定電圧のDC電源を供給するものであってもよい。
【0061】
人体認識センサ56も、当該画像表示装置50に対して、例えば人(又は物)が一定の範囲内に来たことを検出し、その検出信号を出力するものである。この人体認識センサ56の具体例としては、例えば人体から発生する赤外線を感知する赤外線センサや、超音波を発生してその反射波により人や物の接近を感知する超音波センサ、レーザ光やLED(発光ダイオード)光等を発生してその反射光により人や物の接近を感知する光センサ等の各種の認識センサが考えられる。
【0062】
電源供給スイッチ68は、上記電源ブロック67と画像表示装置50の本体との間に設けられるものであり、上記人体認識センサ56からの検出信号に応じて、上記電源ブロック67からの電源の画像表示装置50の本体への供給をオン/オフする。すなわち、電源供給スイッチ68は、上記人体認識センサ56にて特に人が画像表示装置50に対して一定範囲内に来たときにのみ、上記電源ブロック67からの電源を画像表示装置50の本体に供給し、一方で、人が画像表示装置50に対して一定範囲内に来ていないときには上記電源ブロック67からの電源を画像表示装置50の本体に供給しないようにすることで、必要のない時(人が近くにいなくて表示画像を観ている可能性が充分低い時)の表示を行わないようにし、当該ディジタル画像表示装置1の使用電力量を減らして、省エネルギ効果を得るようにしている。
【0063】
光センサ55は、当該画像表示装置50の周囲の明るさを検知するためのセンサであり、その光検出出力を表示部明るさ調整部69に送る。
【0064】
表示部明るさ調整部69は、表示部52の明るさを調整するための調整手段であり、例えば上記光センサ55からの光検出出力に応じて上記表示部52の表示を点灯/非点灯する。すなわち、上記表示部明るさ調整部69では、上記光センサ55にてある一定以上の光量、又は光量がある一定以下であることを検知したときに、上記表示部52を点灯する。なお、上記ある一定以上の光量を検知したときに表示部52を点灯する理由としては、例えば昼間や強い照明光が存在する場合のように、ある一定以上の光量があって明るいとき、人が活動している可能性が高く、表示部52の表示を誰かが観る可能性が高いためであり、したがって、ある一定以上の光量を検知したときに上記表示部52を点灯するようにする。また、光量がある一定以下であるときに表示部52を点灯する理由としては、例えば夜間や弱い照明状態のように暗い環境のとき、表示部52の表示が見難いと考えられるため、上記表示部52を点灯するようにする。
【0065】
また、表示部明るさ調整部69は、上記光センサ55からの光検出出力に応じて、表示部52における表示の明るさを調整するための可変調整手段とすることも可能である。すなわち、表示部52における表示の明るさは、例えば昼間のように明るい環境ではより明るく、逆に夜間や夕方等のように比較的暗い環境では多少暗くした方が(明るすぎない方が)観やすくなるため、この場合の上記表示部明るさ調整部69では、上記光センサ55にてある一定以上の光量(例えば昼間の光量)を検知したときには上記表示部52の表示の明るさをより明るくするように、逆に、上記光センサ55にて検知した光量がある一定以下(例えば夜間や夕方等の光量)であるときには上記表示部52の表示の明るさを暗くするように調整する。
【0066】
操作部57は、画像表示装置50の動作をユーザが操作するための操作釦を備えている。例えば画像処理ブロック65が表示部52上に各種の操作メニュー項目を表示させた状態で、当該操作部57にてそれらメニュー項目の何れかを選択することで、画像表示装置50の動作をユーザが操作する。なお、操作メニュー項目として挙げられる操作項目一例としては、上記人体認識センサ56や光センサ55の機能の入/切(オン/オフ)、ディジタル画像のスライド表示(スライドショー)や、フェード表示など各種の表示方法にかかるものが考えられる。
【0067】
なお、上述した内蔵メモリ63に記憶したディジタル画像データは、いわゆるプリンタ等にてプリントすることも可能である。この場合、内蔵メモリ63に記憶されているディジタル画像データを、例えば赤外線素子54を介して赤外線通信対応のプリンタに通信してプリント出力させ、また、ソケット58を介してシリアルケーブル対応のプリンタに通信してプリント出力させる。
【0068】
上述のように、例えば銀塩写真の写真たてのような形状の筐体を備えることで画像表示装置1は、装飾的な機能を付加することが可能となり、また、表示画像は外部装置や外部記録媒体から供給されるため、銀塩写真の写真たて等のように写真の入れ替えに手間取ることなく、簡単に表示画像を入れ替えることが可能となる。
【0069】
次に、図17を用いて、画像表示装置50と各種外部装置、外部記録媒体との間の通信形態について説明する。
【0070】
この図17において、画像表示装置50は、外部装置としてのディジタルスチルカメラ72、パーソナルコンピュータ73、フィルムスキャナ75、プリンタ74等と接続可能である。これら外部装置と画像表示装置50との間のデータ通信は、前記赤外線素子54やシリアルケーブル用のソケット58を介して行われる。また、画像表示装置50には、外部記録媒体としての前記メモリカード71が装着可能である。このメモリカード71は、画像表示装置50の前記ソケット53に装着される。
【0071】
上述したようなことから、画像表示装置50によれば、パーソナルコンピュータを介さずに、本体の内蔵メモリ63にディジタルスチルカメラ等の外部装置からのデジタル映像データを取り込み表示できるため、パーソナルコンピュータのユーザ以外にも表示されたディジタル画像を提供可能であり、パーソナルコンピュータに比べ単機能を追求することで携帯性にも優れている。
【0072】
また、画像表示装置50によれば、メモリカード等の外部記録媒体を着脱可能なソケット53を備えているため、当該外部記録媒体にに記録されたディジタル画像を表示することができ、また、複数のソケット53を設けることで、複数の外部記録媒体間でのデータの受け渡しが可能となる。さらに、例えば著名人(プロの写真家等)の写真集などが外部記録媒体としてメモリカード化されているとき、当該メモリカードに記録されたディジタル画像を表示することで、著名人の写真集などのディジタル画像を容易に提供でき、そのための再生装置として活用できる。
【0073】
また、画像表示装置50によれば、赤外線素子54やシリアルケーブル用ソケット58を備えるため、赤外線データ通信やシリアルデータ通信を行うことができ、したがって、内蔵メモリ7のデータ(ディジタル画像データ)を容易に書き換えることができる。
【0074】
また、画像表示装置50によれば、操作部57を備え、当該操作部57により各種の操作メニューの選択が可能となされているため、幾通りかのディジタル画像の表示方法を選ぶことができる。
【0075】
また、画像表示装置50によれば、表示部の大きさによっては、例えば図13や図14のように、装飾的なデザインの施された筐体内を用いることができ、これにより装飾用ディスプレイとしての楽しみ方ができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
上述したような本発明の実施の形態によれば、画像表示手段に画像信号を表示するための上下方向情報を表示方向情報として記録媒体に記録すると共に、この表示方向情報を記録媒体から読み出して画像表示の際に用いることができるので、装置自体を縦にしても横にしても特に上下方向を指示しなくても、正しい方向に画像を表示できる。
【0077】
また、例えばパーソナルコンピュータ及び表示装置を所有していなくても手軽にディジタル画像を鑑賞することが可能となり、また、著名人の写真集など外部記録媒体を介して提供されるディジタル画像を手軽に鑑賞することが可能となる。さらに、必要であれば、銀塩写真の写真たてや額のような装飾的な機能を持たせることも可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 画像表示装置、2 透明カバー板、3 化粧板、4 表示部、5 人体認識センサ、7 ディスプレイ本体部、10 操作部、16 ローテート釦

【特許請求の範囲】
【請求項1】
短辺と長辺とを有し、長辺側が下になる第1の位置と短辺側が下になる第2の位置との間で回動可能な操作手段と、
画像データを無線で受信する無線通信手段と、
画像データ受信用のシリアルケーブルを接続するシリアルデータ端子と、
上記無線通信手段を介して受信された画像データ及びシリアルデータ端子を介して受信された画像データを保存する記録媒体と、
上記記録媒体から読み出された画像データに対して所定の画像信号処理を施すことによって画像信号を生成する画像信号処理手段と、
上記画像信号処理手段からの画像信号を表示する画像表示手段と、
周囲の光量を検出する光検出手段と、
上記光検出手段からの検出信号に基づいて上記画像表示手段の表示の明るさを調整し、検出した光量が一定値以下であるとき、表示の明るさを暗くするように調整する調整手段と
を備える画像表示装置。
【請求項2】
上記画像表示手段の表示状態を切り換える時間を設定させるための時間設定部と、
上記時間設定部で設定された時間だけ上記画像表示手段の表示状態を継続する制御手段と
を備える請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
外部記録媒体が装着される装着部
を備える請求項1記載の画像表示装置。
【請求項4】
上記装着部は複数設けられ、各外部記録媒体間でデータ通信が可能である請求項3記載の画像表示装置。
【請求項5】
上記シリアルデータ端子にシリアルケーブルが接続されたとき、該シリアルデータ端子を介したデータ通信を選択する通信切換スイッチ
を備える請求項1記載の画像表示装置。
【請求項6】
プリンタに画像データを通信するプリンタインターフェース
を備える請求項1記載の画像表示装置。
【請求項7】
上記画像表示手段に画像データのスライドショーを表示する手段
を備える請求項1記載の画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−226362(P2012−226362A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−137899(P2012−137899)
【出願日】平成24年6月19日(2012.6.19)
【分割の表示】特願2008−60113(P2008−60113)の分割
【原出願日】平成11年1月25日(1999.1.25)
【出願人】(510198206)モバイルメディア アイディアズ リミティド ライアビリティ カンパニー (3)
【Fターム(参考)】