説明

画像観賞方法

【課題】印刷された静止画と、これと関連付けられた動画データを通信端末機で再生して、これを組み合わせて同時に観賞できることにより、静止画と動画との内容を全体として一体的に観賞することができる新しい画像観賞方法を提供すること。
【解決手段】静止画に対して関連付けされた所定情報を、通信端末機によって取得する工程と、通信ネットワーク上の配信用サーバに保存された、前記静止画の所定部位と関連付けされた動画データを、前記所定情報により特定して、前記通信端末機に取得する工程と、前記通信端末機の表示部と前記静止画の前記所定部位との位置合せを行い、前記動画データを再生して前記表示部に動画を表示する工程と、前記工程は、前記通信端末機の前記表示部を、前記静止画の前記所定部位に設けられた目合せに沿って前記位置合せを行う、画像観賞方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像観賞方法に関し、特に、静止画と通信端末機で再生される動画との組合せによる画像観賞方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、印刷物に印刷された静止画そのものを見て楽しむものとしては、例えば、ポスター、雑誌、写真集、漫画、新聞のように、数多く存在している。このような印刷物を見る者は、専らその静止画をただ静止した画像として観賞して楽しむ以外の観賞方法はなかった。
【0003】
このように、静止画が印刷された印刷物は、別段機器を使用せずに手軽に静止画を楽しむことができるものの、その静止画自体は特に変化するものではないため、本発明者らは、印刷物を見る者に対して目新しい画像観賞方法を提供することを模索していた。
【0004】
ここで、現在では、テレビ、DVD(Digital Versatile Disc)、パーソナルコンピュータをはじめ、動画を楽しむことができる手段が広く普及しており、これらを用いて動画を楽しむ機会が極めて多い時代となっている。
【0005】
しかしながら、印刷された静止画の観賞と、動画の観賞とでは、全く異なる観賞方法であって、動画の1シーンを静止画として観賞することはできても、印刷された静止画と、これと関連付けられた動画との組合せで楽しむ観賞方法は存在しなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−203117
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、印刷された静止画と、これと関連付けられた動画データを通信端末機で再生して、これを組み合わせて同時に観賞できることにより、静止画と動画との内容を全体として一体的に観賞することができる新しい画像観賞方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の画像観賞方法は、静止画に対して関連付けされた所定情報を、通信端末機によって取得する情報取得工程と、通信ネットワーク上の配信用サーバに保存された、前記静止画の所定部位と関連付けされた動画データを、前記所定情報により特定して、前記通信端末機に取得する動画データ取得工程と、前記通信端末機の表示部と前記静止画の前記所定部位との位置合せを行い、前記動画データを再生して前記表示部に動画を表示する動画表示工程と、を有することを特徴とする。なお、本発明において、静止画とは、写真・図形・文字などの動きのない画像をいい、動画とは、一定時間間隔で取得された一連の画像を、短い間隔で連続表示することにより得られる動きのある映像であり、画像とは、前記静止画及び前記動画を含むものとする。
【0009】
また、本発明の画像観賞方法の前記動画表示工程は、前記通信端末機の前記表示部を、前記静止画の前記所定部位に設けられた目合せに沿って前記位置合せが行われることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の画像観賞方法の前記動画表示工程における前記動画データの再生は、前記通信端末機の前記表示部を、前記静止画の前記所定部位にとどめた状態で行うことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の画像観賞方法の前記動画表示工程における前記動画データの再生は、前記通信端末機の前記表示部を、前記静止画に対して相対的に移動させながら行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の画像観賞方法の前記動画は、前記静止画の前記所定部位を内容とするものであり、かつ、前記表示部における再生内容が、前記静止画の前記所定部位と略一致する寸法となるものであること。
【0013】
また、本発明の画像観賞方法の前記静止画は写真画像であり、前記動画は、前記写真画像と同一の被写体を内容とすることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の画像観賞方法の前記静止画は漫画又は絵画であり、前記動画は前記漫画又は絵画を内容とするアニメーションであることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の画像観賞方法は、静止画に対して関連付けされた所定情報を、通信端末機によって取得する情報取得工程と、通信ネットワーク上の配信用サーバに保存された、前記静止画の所定部位と関連付けされた動画データを含むプログラムを、前記所定情報により特定して、前記通信端末機に取得するプログラム取得工程と、前記通信端末機の表示部と前記静止画の前記所定部位との位置合せを行い、前記プログラムを実行して前記表示部に動画を表示する動画表示工程と、を有する画像観賞方法であって、前記プログラムは、前記通信端末機の音声入力部へ入力される音声に反応して変化する動画データの再生が可能であり、前記動画表示工程は、前記音声が入力されたときに前記変化する動画データを再生することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の画像観賞方法は、静止画に対して関連付けされた所定情報を、通信端末機によって取得する情報取得工程と、通信ネットワーク上の配信用サーバに保存された、前記静止画の所定部位と関連付けされた動画データを含むプログラムを、前記所定情報により特定して、前記通信端末機に取得するプログラム取得工程と、前記通信端末機の表示部と前記静止画の前記所定部位との位置合せを行い、前記プログラムを実行して前記表示部に動画を表示する動画表示工程と、を有する画像観賞方法であって、前記プログラムは、前記通信端末機のタッチパネルの操作に反応して変化する動画データの再生が可能であり、前記動画表示工程は、前記タッチパネルが操作されたときに前記変化する動画データを再生することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の画像観賞方法の前記動画データは、音声を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、印刷された静止画に対して、静止画の所定部位に関する動画データを有する通信端末機を、静止画上の所定位置に配置し、動画データを再生することによって、静止画と動画との内容を全体として一体的に観賞することができる画像観賞方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)は、本発明の第1実施形態に係る画像観賞方法において用いる印刷物及び通信端末機の外観図、(b)は、通信端末機の動画表示状態を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る画像観賞方法において用いる通信端末機の基本的なブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る画像観賞方法において用いる通信端末機と配信用サーバとの接続関係を示す基本的な概念図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る画像観賞方法において、動画の第1状態を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る画像観賞方法において、動画の第2状態を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る画像観賞方法において、動画の第3状態を示す図である。
【図7】図4乃至図6に対応した本発明の第1実施形態に係る画像観賞方法の工程を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施形態の変形例を示す図である。
【図9】(a)は、本発明の第2実施形態に係る画像観賞方法において用いる印刷物及び通信端末機の外観図、(b)は、変化後の動画データを示す図である。
【図10】(a)は、本発明の第2実施形態の変形例に係る画像観賞方法において用いる印刷物及び通信端末機の外観図、(b)は、変化後の動画データを示す図である。
【図11】(a)は、本発明の第3実施形態に係る画像観賞方法において用いる印刷物及び通信端末機の外観図、(b)は、変化後の動画データを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
本発明に係る画像観賞方法の第1実施形態について、図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明に係る画像観賞方法において用いる印刷物及び通信端末機の外観図、(b)は、通信端末機の動画表示状態を示す図である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態における画像観賞方法は、静止画11が印刷された印刷物10と、静止画11の所定部位(30)の動画13を表示可能な通信端末機20の表示部21と、を前記所定部位(30)において位置合わせした状態で、静止画11と関連付けされた動画データを再生することにより、静止画11と動画13との内容を全体として一体的に観賞することができるものである。以下、本実施形態において使用される印刷物10及び通信端末機20並びに通信ネットワークの構成について、詳細に説明する。
【0022】
図1(a)に示すように、印刷物10は、少なくとも、静止画11と、目合せ30と、2次元コード40と、が印刷されたものであればよい。従って、例えば、各種の雑誌、新聞、写真集、ポスター、映画等のチケットのような、紙媒体へ印刷された印刷物であってもよいし、プラスチック製下敷きのような、紙媒体以外の媒体へ印刷された印刷物であってもよく、特にこれらに限定されるものではない。
【0023】
図1(a)に示すように、静止画11は、印刷物10に印刷された静止画であり、女性モデルが被写体である写真画像である。ただし、本発明における静止画としては、人の写真画像に限定されるものではなく、人以外の生物や建物などを撮影した写真画像でもよいし、写真画像以外のものとして、例えば漫画や絵画といった静止画でもよく、印刷可能な静止画であればよい。また、図1(a)に示すように、本実施形態では、印刷物10の同一ページ内に、1つの静止画11が印刷されたものを示しているが、少なくとも1以上の静止画が印刷されていればよい。
【0024】
目合せ30は、静止画11の所定部位を囲むように、静止画11上に表示されたものであり、通信端末機20の表示部21を静止画11の上に重ねて配置する場所を示すための、位置合せ用の目印として機能する。同時に、印刷物10の観賞者に対して、静止画11のうち、いずれの部位が動画として観賞できる部位であるのかを知らせるための目印としても機能するものである。
【0025】
図1(a)に示すように、目合せ30は、椅子に腰掛けて脚を組んだ女性モデルの写真画像である静止画11のうち、組まれた脚付近を囲うようにして、角を構成する線でなる4つの目合せ32a,32b,32c,32dのように印刷表示されている。また、それらの目合せ30によって囲う範囲乃至大きさは、通信端末機20の表示部21の大きさに対応していればよく、より具体的には通信端末機20の表示部21を重ねて位置合せしたときに、表示部21を重ねたことによって隠れる範囲乃至大きさとすればよい。
【0026】
ただし、本発明における目合せ30は、静止画11のうち、通信端末機10を用いて動画として観賞できる部位を特定することができるものであれば、その形状、大きさ、個数などは特に限定されるものではない。例えば、形状は、本実施形態のような角を構成する線に代えて、鉤括弧状([ ])、丸形、星形、四角形などでもよいし、一続きの実線や破線によって所定部位を囲うようにしてもよい。また、個数は、本実施形態のように1つの所定部位を特定する目合せ30としてもよいし、これに加えて他の部位(例えば、顔を含む範囲など)にも目合せを設けることにより、1つの静止画11の中に2つ以上の目合せ30を設けるようにしてもよい。また、表示部21で再生される動画13は、後述のように静止画11の中の所定部位であることから、目合せ30で示す範囲は、静止画11よりも小さくなければならない。
【0027】
静止画11に対して関連付けられた所定情報、例えば所定符号としては、2次元コード40を用いればよい。2次元コード40は、静止画11に対して関連付けされていれば、印刷物10のどこに設けるかは特に限定されるものではないが、静止画11の近傍に設けるなど、観賞者が一見して関連性を見出せる位置に設けておくのが好適である。
【0028】
所定符号としての2次元コード40は、後述の通信ネットワーク70上のコンテンツサーバ74(図3参照)に保存された動画データ12(図3参照)を特定でき、URL(Uniform Resource Locator)を内容とするものである。2次元コード40は、後述の通信端末機20のカメラ22(図2参照)によって撮像され、所定のURLに変換されることにより、静止画11と関連付けされた動画データ12(図3参照)を特定できるようになっている。
【0029】
現在、このような所定情報としての2次元コード40としては、URLへの変換が可能な図形的コード(QRコード(Quick Response Code(登録商標)))が広く普及しているが、この外にも、例えば、静止画11の中に直接、URLを内容とする情報を埋め込むように構成してもよく、動画データ12の通信ネットワーク上の保存場所を特定可能であればどの様な情報でもよく、特に限定されるものではない。
【0030】
次に、通信端末機20の構成について、主として図2を用いて説明する。図2は、本発明に画像観賞方法において用いる通信端末機の基本的なブロック図である。図2に示すように、通信端末機20は、表示部21、カメラ22、マイクロフォン23、スピーカー24、入力装置25、メモリ26、制御部61、無線部62、及び電源部63を有するものであればよく、本実施形態では、カメラ機能付きの携帯電話機を用いて説明する。
【0031】
表示部21は、制御部61による制御のもと、制御部61を介して送られてくるデータ、例えば、入力装置25により入力された文字列、メモリ26に記録されている各種データ、無線部62を介してアクセスしたウエブサイトの内容などを表示処理するためのデータ表示手段であればよい。表示部21としては、LCD(Liquid Crystal Display)などの液晶を用いた表示手段を用いればよい。
【0032】
カメラ22は、撮影用レンズ(図示せず)を有し、制御部61による制御のもと、入力装置25からの操作信号に応じて動作し、被写体を撮像する機能を有するものであればよい。本実施形態においては、カメラ22は、2次元コード40を撮像し、読み取って通信端末機20に入力するための情報取得手段としても機能する。なお、撮像した静止画は、制御部61で処理された後、メモリ26に一時保存又は保存を行うことができる。
【0033】
マイクロフォン23は、制御部61による制御のもと、外部の音声を通信端末機20に入力するための音声入力手段として機能するものであればよい。マイクロフォン23から入力された音声は、制御部61によってアナログ−デジタル変換され、音声データとして、無線部62から送信されたり、その他の処理が可能になっている。
【0034】
スピーカー24は、制御部61による制御のもと、種々の音声データを、制御部61によってデジタル−アナログ変換した上で、音声として外部に出力するための音声出力手段として機能するものである。また、イヤホン端子(図示せず)をさらに備えるものであってもよい。
【0035】
入力装置25は、制御部61による制御のもと、通信端末機20の使用者による入力操作により、種々のデータを入力するためのデータ入力手段であり、テンキー、決定キー、ファンクションキー(いずれも図示せず)等を有するものとすればよい。入力装置25により入力されるデータとしては、例えば、電話番号、各種文字列、通信端末機20の機能の選択、表示部21に表示される操作情報の選択・決定などが挙げられる。使用者による入力操作が可能なものであれば特に限定されないが、ボタン式、タッチパネル式(後述のタッチパネル251)など、各種の形状・入力機能を有しているものを採択できる。
【0036】
メモリ26は、制御部61により制御され、揮発性メモリ(図示せず)、不揮発性メモリ(図示せず)などによって構成される記憶手段である。揮発性メモリは、電源を切る度に消去され、制御部61の処理や入力データの一時保存、カメラ22により撮像した画像や、無線部62を通じて通信ネットワークから受信したデータなどを一時的に保存できるようになっている。また、制御部61の演算処理時の記憶領域としても機能する。不揮発性メモリは、電源を切っても内容は保持されるため、長期保存する場合に使用される。例えば、電話番号の記録、動画データ、各種プログラムの長期保存などに使用することが望ましい。通信端末機20のメモリ26が不足する場合や、他の通信端末機やパーソナルコンピュータとの各種データの交換を行う際に備えて、交換可能な外部メモリ(図示せず)を使用できる構成としてもよい。
【0037】
制御部61は、表示部21、カメラ22、マイクロフォン23、スピーカー24、入力装置25、メモリ26、無線部62、電源部63が接続されており、各動作の処理を司る。制御部61は、内蔵するプロセッサ(図示せず)とメモリ26とを使用し、各機器を制御するプログラム(アプリケーション)を制御することで、通信端末機20の全体の機能を統括できるようになっている。従って、通信端末機20のカメラ22によって2次元コード40を撮像されたデータを、メモリ26に予め保存されている所定の変換プログラムに従って、制御部61において変換処理して、所定のURLを取得する処理を行うことができる。
【0038】
無線部62は、アンテナ(図示せず)を有し、通信端末機20と通信ネットワーク70(図3参照)との間でデータの送受信を行う。マイクロフォン23から入力した音声や、入力装置25から入力した文字データ等を制御部61から受けて通信ネットワーク70に送信する。また、通信ネットワーク70から受信した音声データ、文字データ、動画データ、ゲームデータなどを、制御部61を経由して、メモリ26、スピーカー24、表示部21等に出力できるようになっている。
【0039】
電源部63は、制御部61の制御に従い、電池や電源コンセントからの入力電気等を管理できるようになっており、通信端末機を適切な通電状態に保つ機能を有する。
【0040】
図2に示すように、表示部21、カメラ22、マイクロフォン23、スピーカー24、入力装置25、メモリ26、制御部61、無線部62、及び電源部63は、本発明を実施する一例としての通信端末機20の一般的構成を示すものに過ぎず、本発明を実施できるものであれば、前記構成の増減変更は、特に限定されるものではない。
【0041】
次に、所定情報としての2次元コード40を、通信端末機20によって取得し、配信用サーバから動画データを取得するネットワーク関係について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る画像観賞方法において用いる通信端末機と配信用サーバとの接続関係を示す基本的な概念図である。
【0042】
通信ネットワーク70は、通信端末機20と、コンテンツプロパイダ73と、動画データ12を保存したコンテンツサーバ74と、を接続している。従って、前記のように、通信端末機20のカメラ22によって2次元コード40を取得し、制御部61において変換処理して、所定のURLを取得できれば、通信端末機20は、無線部62、通信ネットワーク70を介して、コンテンツプロバイダ73に接続することが可能である。さらに、コンテンツプロバイダ73内のコンテンツサーバ74内に保存されている動画データ12に接続でき、この動画データ12のダウンロード又はストリーミングによる配信を受けることができるようになっている。
【0043】
コンテンツプロパイダ73は、デジタルデータ化された情報(デジタルコンテンツ)を提供する事業者である。コンテンツサーバ74は、コンテンツプロパイダ73が所有する、各種デジタルコンテンツのデータを保存し、それを利用者に配信することができるサーバである。本実施形態ではコンテンツサーバ74内部に、動画データ12が保存されており、2次元コード40によって個々の動画データ12が特定されている。
【0044】
なお、通信ネットワーク70は、本実施形態における通信ネットワークを簡略化して説明したものであり、2次元コード40によって動画データ12が特定して通信端末機20への配信が可能であれば、特に構成が限定されるものではない。
【0045】
図1(b)は、通信端末機20に、2次元コード40によって特定された動画データ12のダウンロードが終了した状態を示す図である。なお、ダウンロードが終了した状態の表示部11への表示形式は、図1(b)のような表示形式に限定されるものではない。
【0046】
次に、本実施形態において、通信端末機20を用いて再生可能な、静止画11と関連付けされた動画データ12の具体的内容を、図4乃至図6を参照して説明する。図4は、動画の第1状態を示す図、図5は、動画の第2状態を示す図、図6は、動画の第3状態を示す図である。
【0047】
図4に示すように、通信端末機20の表示部21を、目合せ30に沿って位置合せを行い、その部位にとどめた状態で、静止画11に関連付けされた動画データ12を再生し、表示部21に動画13(再生内容)を表示する。この動画13は、静止画11の被写体の女性モデルと同一人を再生内容とする動画であり、静止画11の目合せ30で囲われた組まれた脚(所定部位)を内容としている。また、前記のように位置合せがなされた状態で、表示部21に表示される動画13は、静止画11の目合せ30で囲われた組まれた脚(所定部位)と略一致する寸法となっている。従って、図4に示すように、通信端末機20の表示部21が重ねられて隠れる静止画11の部位が、略一致する寸法で表示部21に表示されるため、静止画11と動画13とを併せて観賞すれば、全体としてほぼ違和感なく、図1(a)に示すような静止画11の全体像と同様に見ることができる。このような状態で動画データ12を再生すると、図4、図5、図6の順に沿って左右の脚を組み換える動画13が表示部21に表示される。このように、静止画11と動画13との内容を全体として一体的に観賞することができる。
【0048】
なお、動画データ12は、その動画13の内容に連動する声、音声、交換等の音声データを組み込み、表示部21における再生時において、スピーカー24から声、音楽、効果音等の音声が連動して発生できるようにしてもよい。また、本実施形態では、静止画11が写真画像であるため、動画データ12は同一被写体による実写の動画を内容としているが、静止画11が漫画又は絵画の場合には、動画データ12はアニメーションとすればよい。
【0049】
図4乃至図6に示すような静止画11と動画13とを一体的に観賞する本実施形態の画像観賞方法の工程について、図7を参照して説明する。図7は、図4乃至図6に対応した画像観賞方法の工程を示すフローチャートである。
【0050】
始めに、情報取得工程について説明する。印刷物10の観賞者は、静止画と関連付けされた動画とともに観賞可能とされている静止画11を見つけた場合、静止画11に関連付けされた2次元コード(所定情報)40が付与されているか確認する(ステップS1)。付与されている場合、通信端末機20の所定情報取得機能を起動する(ステップS2)。ここで、所定情報取得機能を起動するというのは、本実施形態においては、カメラ22が撮像可能な状態とされること、及び、信端末機20のカメラ22によって撮像されたデータを変換処理して、所定のURLを取得する所定の変換プログラムを実行可能な状態とされることである。次に、通信端末機20の前記所定情報取得機能(カメラ22)により2次元コード40を撮像して読み取る(ステップS3)。この場合に、図1(a)に示すように、表示部21には、前記撮像によって通信端末機20に入力された2次元コード40が表示される。
【0051】
次に、動画データ取得工程について説明する。所定情報取得機能(変換プログラム)により、2次元コード40を撮像して得られたデータを変換して、2次元コード40に含まれるURL情報、すなわち、通信ネットワーク70上の特定の動画データ12についてのURLを取得し(ステップS4)、表示部21においてそのURLを表示する(S5)。なお、URL情報の表示部21への表示は任意である。通信端末機20は、前記URLに基づいて、通信ネットワーク70を介して、配信用サーバとしてのコンテンツサーバ74にアクセスするか否かを選択させる案内表示を表示部21にて行い(ステップS6)、観賞者によってアクセスすることが選択された場合には(ステップ6でYES)、コンテンツサーバ74内に保存されて配信可能とされている、静止画11に関連付けされた動画データ12を、表示部21に表示させる(ステップS7)。なお、観賞者によって前記アクセスをしないことが選択された場合には(ステップS6でNO)、本実施形態による画像観賞方法による観賞が終了される。
【0052】
次に、通信端末機20の表示部21において、動画データ12の配信の実行をするか否かを選択させる案内表示を行う(ステップS8)。ここで、観賞者が配信の実行を選択した場合は(ステップS8でYES)、動画データ12の配信が実行される(ステップS9)。なお、観賞者によって配信の実行をしないことが選択された場合には(ステップS8でNO)、本実施形態による画像観賞方法による観賞が終了される。
【0053】
配信された動画データ12を、通信端末機20のメモリ26へ保存するか否かを選択させる案内表示が行われ(ステップS10)、観賞者によって保存することが選択された場合には(ステップS10でYES)、保存の処理が実行される(ステップS11)。なお、観賞者によって動画データ12を保存しないことが選択された場合には(ステップS10でNO)、本実施形態による画像観賞方法による観賞が終了される。
【0054】
ステップS10における案内表示は、主として、動画データ12をダウンロード形式で配信する場合に行えばよい。ストリーミング形式による配信の場合には、ステップS10における案内表示は省略して、通信端末機20の内部処理として、ステップS11で行う保存処理は、メモリ26のうち揮発性メモリに一時的に保存するようにすればよい。この場合、通信端末機20の電源を切断したり、他の動画データにアクセスしたりした場合は、再度2次元コード40の撮像からやり直すこととなる。
【0055】
次に、動画表示工程について説明する。図4に示すように、静止画11に設けられた目合せ30に沿って、通信端末機20の表示部21を位置合せする(ステップS12)。動画データ12を再生するか否かを選択させる案内表示がなされ(ステップS13)、観賞者によって再生実行が選択された場合(ステップS13でYES)、動画13は、図4に示す第1状態、図5に示す第2状態、図6に示す第3状態のように、表示部21に表示処理される(ステップS14)。動画データ12の再生内容である動画13が一通り再生し終わった場合に、再度、同じ動画データ12を再生するか否かを選択させる案内表示がなされ(ステップS15)、観賞者によって再生実行が選択された場合には(ステップS15でYES)、ステップS14に戻って動画データ12の再生を繰り返し、再生終了が選択された場合には(ステップS15でNO)、本実施形態による画像観賞方法による観賞が終了される。
【0056】
以上のように、図4乃至図6に示すように、静止画11と、表示部21に表示される動画13と、を一体として観賞することで、従来には無かった画像観賞方法として、静止画11及び動画13の両方を楽しむことができるようになる。
【0057】
(変形例)
次に、上記の第1実施形態の変形例について、図8を参照して説明する。図8は、第1実施形態の変形例を示す図である。図8に示すように、本変形例は、通信端末機20を、静止画11aに対して相対的に移動させながら、静止画11aと動画13aとを組み合わせて一体的に観賞する画像観賞方法である。なお、通信端末機20及びネットワーク関係については、上記の第1実施形態と同じであるため、同一符号を付して、詳細な説明は割愛する。
【0058】
図8に示すように、印刷物10aには、立った状態の女性モデルを被写体とした写真画像である静止画11aが印刷されており、この静止画11aに関連付けされた所定符号である2次元コード40aが、静止画11aの近傍に印刷表示されている。静止画11aの所定部位を囲むように、目合せ30aが静止画11a上に印刷表示されている。より具体的には、目合せ30aは、第1所定部位として前記女性モデルの胸部付近を囲むように表示された目合せa1と、第2所定部位として前記女性モデルの腰部付近を囲むように表示された目合せa2と、によって設けられている。
【0059】
2次元コード40aによって特定され、静止画11aと関連付けされた動画データ12a(図3参照)の動画13aは、静止画11aの被写体の女性モデルと同一人を内容とする動画であり、静止画11aの目合せ30a1で囲われた胸部付近から、目合せ30a2で囲われた腰部付近に向かって移動するものである。さらに、図8に示すように、動画13における女性モデルの服装が、静止画11aにおける女性モデルの服装と異なるものとなっていてもよい。
【0060】
本変形例の画像観賞方法の各工程は、基本的に図7に示すフローチャートと同様であるが、その動画表示工程では、単に動画データ12aを再生するだけではなく、以下のように行うようにする。図8に示すように、通信端末機20の表示部21を、まずは目合せ30a1に沿って位置合せを行い(図7のステップS12に相当)、静止画11aに関連付けされた動画データ12aを再生し(図7のステップS13に相当)、表示部21に動画13aを表示する。前記のように、動画13aは、静止画11aの胸部付近(目合せ30a1)から、腰部付近(目合せ30a2)に向かって移動するため、これに合わせて、通信端末機20の表示部21を、目合せ30a2に向かって移動させるようにする。
【0061】
本変形例においても、位置合せがなされた状態で、表示部21に表示される動画13aは、静止画11aの目合せ30aで囲われた部位と略一致する寸法となっている。従って、図8に示すように、通信端末機20の表示部21が重ねられて隠れる静止画11aの部位が、略一致する寸法で表示部21に表示されるため、静止画11aと動画13aとを併せて観賞すれば、全体としてほぼ違和感なく、静止画11aの全体像と同様に見ることができる。これにより、本変形例によれば、図8の第1所定部位(30a1)から第2所定部位(30a2)の間の異なる服装による動画13aを、静止画11aと組合せて、全体として一体的に観賞することができる。なお、動画13aの移動方向は、図8のような上から下へ移動するものに限られず、静止画11a上の任意の移動方向を採用できる。
【0062】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態に係る画像観賞方法について、図9を参照して説明する。図9(a)は、第2実施形態に係る画像観賞方法において用いる印刷物及び通信端末機の外観図、(b)は、変化後の動画データを示す図である。図9に示すように、第2実施形態は、静止画11bと、通信端末機の音声入力部へ入力される音声に反応して変化する動画13bと、を組み合わせて一体的に観賞する画像観賞方法である。なお、通信端末機20及びネットワーク関係については、上記の第1実施形態と同じであるため、同一符号を付して、詳細な説明は割愛する。
【0063】
図9に示すように、印刷物10bには、火が点されている蝋燭の写真画像である静止画11bが印刷され、この静止画11bに関連付けされた所定符号である2次元コード40bが、静止画11bの近傍に印刷表示されている。静止画11bの所定部位、すなわち蝋燭の上部及び炎を囲むように、目合せ30bが静止画11b上に印刷表示されている。
【0064】
静止画11bと関連付けされた動画データ(変化する動画データ)の動画13bは、静止画11bの同一又は同種の蝋燭を内容とする動画であり、図9では、静止画11bの目合せ30bで囲われた蝋燭の炎の形が変化するものを示している。
【0065】
ここで、第1実施形態と異なるのは、2次元コード40によって特定されて、通信端末機20に配信(ダウンロード)されるものが、前記変化する動画データを含むプログラムとしてのアプリケーションソフト14である点である。このアプリケーションソフト14は、通信端末機20に設けられたマイクロフォン23(音声入力部)へ入力される音声に反応して、前記変化する動画データを再生する処理を行うようにプログラムされている。アプリケーションソフト14は、第1実施形態における動画データ12と同様、コンテンツサーバ74に保存されており、静止画11bに記載された2次元コード40bは、そのURLを特定することができるものとなっている。
【0066】
第2実施形態の画像観賞方法の各工程は、基本的には図7に示すフローチャートと同様であるが、その動画データ取得工程(図7のステップS4乃至ステップS11)は、第2実施形態ではプログラム取得工程として、同じ要領で、アプリケーションソフト14がコンテンツサーバ74から通信端末機20にダウンロードされ、メモリ26に保存される。
【0067】
また、動画表示工程では、以下のように行うようにする。図9(a)に示すように、通信端末機20の表示部21を、目合せ30bに沿って位置合せを行う(図7のステップS12に相当)。ここで、観賞者による入力装置25への起動指示により、制御部61はメモリ26からアプリケーションソフト14を読み込んで実行し、表示部21には初期画像(第1状態)として、静止画11bの目合せ30bで囲われた部位と同じ内容の画像が表示される(図9(a)参照)。この状態で、観賞者は表示部21に表示された蝋燭の炎に向かって息を吹きかけると、表示部21近傍に配置されているマイクロフォン23にも息がかかるため、マイクロフォン23から入力された息の音(音声)が制御部61にて音声データとして処理され、アプリケーションソフト14に音声が入力されたことを伝達する。アプリケーションソフト14は、入力された音声に反応して前記変化する動画データを再生することにより、表示部11には、図9(b)に示すように、炎が「揺れる」状態の動画13bが表示される。なお、息を吹きかける強さを音声の大きさとして処理し、マイクロフォン23に息を強く吹きかけると炎が「大きく揺れる」や「消える」ような変化する動画データを再生するように、アプリケーションソフト14を作成しても良い。
【0068】
第2実施形態においても、位置合せがなされた状態で、表示部21に表示される動画13bは、静止画11bの目合せ30bで囲われた部位と略一致する寸法となっている。従って、図9に示すように、通信端末機20の表示部21が重ねられて隠れる静止画11bの部位が、略一致する寸法で表示部21に表示されるため、静止画11bと動画13bとを併せて観賞すれば、全体としてほぼ違和感なく、静止画11bの全体像と同様に見ることができる。これにより、第2実施形態によれば、印刷された静止画11bの蝋燭の炎を変化させる感覚で、静止画11bと動画11bとを組合せて、全体として一体的に観賞することができる。
【0069】
(変形例)
次に、上記の第2実施形態の変形例について、図10を参照して説明する。図10(a)は、本発明の第2実施形態の変形例に係る画像観賞方法において用いる印刷物及び通信端末機の外観図、(b)は、変化後の動画データを示す図である。図10に示すように、本変形例は、静止画11bと、通信端末機の音声入力部へ入力される言語(音声)に反応して変化する動画13bと、を組み合わせて一体的に観賞する画像観賞方法である。
【0070】
図10に示すように、印刷物10cには、正面から描かれた犬の漫画である静止画11cが印刷され、この静止画11cに関連付けされた所定符号である2次元コード40cが、静止画11cの近傍に印刷表示されている。静止画11cの所定部位、すなわち犬の前脚付近を囲むように、目合せ30cが静止画11c上に印刷表示されている。
【0071】
静止画11bと関連付けされた動画データ(変化する動画データ)の動画13cは、静止画11cの漫画の犬を内容とするアニメーションとしての動画であり、図10では、静止画11cの目合せ30cで囲われた前脚の形が変化するものを示している。
【0072】
上記第2実施形態と同様に、2次元コード40cによって特定されて、通信端末機20に配信(ダウンロード)されるものは、前記変化する動画データを含むプログラムとしてのアプリケーションソフト14aである。このアプリケーションソフト14aは、通信端末機20に設けられたマイクロフォン23(音声入力部)へ入力される言語(音声)に反応して、前記変化する動画データを再生する処理を行うようにプログラムされている。
【0073】
本変形例の画像観賞方法の各工程は、第2実施形態と基本的に同様であるが、動画表示工程では、以下のように行うようにする。図10(a)に示すように、通信端末機20の表示部21を、目合せ30cに沿って位置合せを行う(図7のステップS12に相当)。ここで、観賞者による入力装置25への起動指示により、制御部61はメモリ26からアプリケーションソフト14aを読み込んで実行し、表示部21には初期画像(第1状態)として、静止画11cの目合せ30cで囲われた部位と同じ内容の画像が表示される(図10(a)参照)。この状態で、観賞者は表示部21に表示された犬に向かって「お手」と言語を発すると、表示部21近傍に配置されているマイクロフォン23でその音声が入力され、マイクロフォン23から入力された「お手」という音声が制御部61にて音声データとして処理され、アプリケーションソフト14aに音声が入力されたことを伝達する。アプリケーションソフト14aは、入力された音声に反応して前記変化する動画データを再生することにより、表示部11には、図10(b)に示すように、犬の前脚が前方に伸ばされた「お手」状態の動画13cが表示される。なお、観賞者の発する言語の内容に応じて、別の変化する動画データを再生するように、アプリケーションソフト14aを作成しても良い。
【0074】
本変形例においても、位置合せがなされた状態で、表示部21に表示される動画13cは、静止画11cの目合せ30cで囲われた部位と略一致する寸法となっている。従って、図10に示すように、通信端末機20の表示部21が重ねられて隠れる静止画11cの部位が、略一致する寸法で表示部21に表示されるため、静止画11cと動画13cとを併せて観賞すれば、全体としてほぼ違和感なく、静止画11cの全体像と同様に見ることができる。これにより、本変形例によれば、印刷された静止画11cの犬に指示するような感覚で、静止画11cと動画13cとを組合せて、全体として一体的に観賞することができる。
【0075】
(第3実施形態)
以下、本発明の第3実施形態に係る画像観賞方法について、図11を参照して説明する。図11(a)は、第3実施形態に係る画像観賞方法において用いる印刷物及び通信端末機の外観図、図11(b)は、変化後の動画データを示す図である。図11に示すように、第3実施形態は、静止画11dと、通信端末機のタッチパネルの操作に反応して変化する動画13dと、を組み合わせて一体的に観賞する画像観賞方法である。なお、通信端末機20及びネットワーク関係については、上記の第1及び第2実施形態と同じであるため、同一符号を付して、詳細な説明は割愛する。
【0076】
図11に示すように、印刷物10dには、花びら・茎・葉を有する花の漫画である静止画11dが印刷され、この静止画11dに関連付けされた所定符号である2次元コード40dが、静止画11dの近傍に印刷表示されている。静止画11dの所定部位、すなわち花びらを囲むように、目合せ30dが静止画11d上に印刷表示されている。
【0077】
静止画11dと関連付けされた動画データ(変化する動画データ)の動画13dは、静止画11dの漫画の花を内容とするアニメーションとしての動画であり、図11(b)では、静止画11dの目合せ30dで囲われた花びらが変化するものを示している。
【0078】
上記第2実施形態と同様に、2次元コード40dによって特定されて、通信端末機20に配信(ダウンロード)されるものは、前記変化する動画データを含むプログラムとしてのアプリケーションソフト14bである。このアプリケーションソフト14bは、通信端末機20に設けられたタッチパネル251の操作に反応して、「タッチパネルに触れる」と「タッチパネル上でドラッグする」等を判別して、前記変化する動画データを再生する処理を行うようにプログラムされている。
【0079】
第3実施形態の画像観賞方法の各工程は、第1及び第2実施形態と基本的に同様であるが、動画表示工程では、以下のように行うようにする。図11(a)に示すように、通信端末機20の表示部21を、目合せ30dに沿って位置合せを行う(図7のステップS12に相当)。ここで、観賞者による入力装置25への起動指示により、制御部61はメモリ26からアプリケーションソフト14bを読み込んで実行し、表示部21には初期画像(第1状態)として、静止画11dの目合せ30dで囲われた部位と同じ内容の画像が表示される(図11(a)参照)。この状態で、観賞者は表示部21を兼ねて設けられたタッチパネル251に表示された所定の花びらを取り除く方向に指でなぞる操作すると、タッチパネル251にその操作内容が入力され、タッチパネル251から入力された操作内容が制御部61にてデータとして処理され、アプリケーションソフト14bに操作内容が入力されたことを伝達する。アプリケーションソフト14bは、入力された操作内容に反応して前記変化する動画データを再生することにより、表示部11には、図11(b)に示すように、花びらが取り除かれる内容の動画13dが表示される。なお、例えば、「花びらをつつくと全体が揺れる」や「花びらを取り除く途中で指をタッチパネルから離すと、花びらがひらひら落ちる」ように、観賞者によるタッチパネル251への操作内容に応じて、別の変化する動画データを再生するように、アプリケーションソフト14bを作成しても良い。
【0080】
第3実施形態においても、位置合せがなされた状態で、表示部21に表示される動画13dは、静止画11dの目合せ30dで囲われた部位と略一致する寸法となっている。従って、図11に示すように、通信端末機20の表示部21が重ねられて隠れる静止画11dの部位が、略一致する寸法で表示部21に表示されるため、静止画11dと動画13dとを併せて観賞すれば、全体としてほぼ違和感なく、静止画11dの全体像と同様に見ることができる。これにより、第3実施形態によれば、印刷された静止画11dの花にあたかも触れている感覚で、静止画11dと動画13dとを組合せて、全体として一体的に観賞することができる。
【0081】
第2及び第3実施形態のように、通信端末機への入力装置として、マイクロフォン23及びタッチパネル251を使用する例を示したが、これに限定されることはなく、他の入力装置を用いてもよく、入力された内容に対応して静止画に対応したアプリケーションソフトを作成しても良い。
【0082】
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
【符号の説明】
【0083】
10 印刷物
11 静止画
12 動画データ
13 動画
14 アプリケーションソフト(動画データを含むプログラム)
20 通信端末機
21 表示部
22 カメラ
23 マイクロフォン(音声入力部)
24 スピーカー
25 入力装置
26 メモリ
30、30a、30b、30c、30d 目合せ
32a、32b、32c、32d、 目合せ
40 2次元コード(所定情報、所定符号)
61 制御部
62 無線部
63 電源部
70 通信ネットワーク
73 コンテンツプロパイダ
74 コンテンツサーバ(配信用サーバ)
251 タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静止画に対して関連付けされた所定情報を、通信端末機によって取得する情報取得工程と、
通信ネットワーク上の配信用サーバに保存された、前記静止画の所定部位と関連付けされた動画データを、前記所定情報により特定して、前記通信端末機に取得する動画データ取得工程と、
前記通信端末機の表示部と前記静止画の前記所定部位との位置合せを行い、前記動画データを再生して前記表示部に動画を表示する動画表示工程と、を有すること
を特徴とする画像観賞方法。
【請求項2】
前記動画表示工程は、前記通信端末機の前記表示部を、前記静止画の前記所定部位に設けられた目合せに沿って前記位置合せが行われることを特徴とする請求項1記載の画像観賞方法。
【請求項3】
前記動画表示工程における前記動画データの再生は、前記通信端末機の前記表示部を、前記静止画の前記所定部位にとどめた状態で行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像観賞方法。
【請求項4】
前記動画表示工程における前記動画データの再生は、前記通信端末機の前記表示部を、前記静止画に対して相対的に移動させながら行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像観賞方法。
【請求項5】
前記動画は、前記静止画の前記所定部位を内容とするものであり、かつ、前記表示部における再生内容が、前記静止画の前記所定部位と略一致する寸法となるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1に記載の画像観賞方法。
【請求項6】
前記静止画は写真画像であり、前記動画は、前記写真画像と同一の被写体を内容とすることを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の画像観賞方法。
【請求項7】
前記静止画は漫画又は絵画であり、前記動画は前記漫画又は絵画を内容とするアニメーションであることを特徴とする請求項1乃至請求項6記載の画像観賞方法。
【請求項8】
静止画に対して関連付けされた所定情報を、通信端末機によって取得する情報取得工程と、
通信ネットワーク上の配信用サーバに保存された、前記静止画の所定部位と関連付けされた動画データを含むプログラムを、前記所定情報により特定して、前記通信端末機に取得するプログラム取得工程と、
前記通信端末機の表示部と前記静止画の前記所定部位との位置合せを行い、前記プログラムを実行して前記表示部に動画を表示する動画表示工程と、を有する画像観賞方法であって、
前記プログラムは、前記通信端末機の音声入力部へ入力される音声に反応して変化する動画データの再生が可能であり、
前記動画表示工程は、前記音声が入力されたときに前記変化する動画データを再生することを特徴とする画像観賞方法。
【請求項9】
静止画に対して関連付けされた所定情報を、通信端末機によって取得する情報取得工程と、
通信ネットワーク上の配信用サーバに保存された、前記静止画の所定部位と関連付けされた動画データを含むプログラムを、前記所定情報により特定して、前記通信端末機に取得するプログラム取得工程と、
前記通信端末機の表示部と前記静止画の前記所定部位との位置合せを行い、前記プログラムを実行して前記表示部に動画を表示する動画表示工程と、を有する画像観賞方法であって、
前記プログラムは、前記通信端末機のタッチパネルの操作に反応して変化する動画データの再生が可能であり、
前記動画表示工程は、前記タッチパネルが操作されたときに前記変化する動画データを再生することを特徴とする画像観賞方法。
【請求項10】
前記動画データは、音声を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項9のうち、いずれか1に記載の画像観賞方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−193079(P2010−193079A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34210(P2009−34210)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(399106169)株式会社集英社 (3)
【Fターム(参考)】