説明

画像記録装置、方法及びプログラム

【課題】高感度撮影画像の流出防止や閲覧制限を可能とする。
【解決手段】高感度撮影を行う場合に、内部メモリ31に高感度撮影画像を記録し、外部の記録媒体200やPC210には高感度撮影画像から作成された低感度撮影画像を記録する。これにより、外部記録媒体には被写体が視認できない又は視認しにくく加工された低感度撮影画像が記録されているので、例え記録媒体内の画像が第三者が閲覧可能な環境に置かれたとしても、被写体のプライバシーを保護することが可能である。また、高感度撮影画像は内部メモリ31に記録し、外部表示装置220への出力を禁止したり、コピーや移動する場合にはユーザ認証処理を行うようにしたりすることで、第三者が閲覧可能な環境へ流出することを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高感度撮影された画像を取り扱うのに好適な画像記録装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
天体撮影や夜間の動物撮影等、低照度下でも撮影可能な高感度カメラというものがある。高感度カメラは、例えば夜間の動物の生態調査のように、被写体である動物に気づかれる虞のあるストロボのような光を発する機器を使用できない、暗がりの状況下での撮影に用いられる。高感度カメラには、放送等に用いる非常に高価なものや、監視カメラ等に用いられる比較的低画質、低解像度なものがある。
【0003】
近年では、多くのユーザが手軽に利用しているデジタルカメラでも高感度撮影が可能になってきている。特に、高画質、高解像度で撮影可能な一眼レフカメラでも、高感度撮影が可能になってきている。
【0004】
また、デジタルカメラで撮影した画像は、CF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カードやSDカードのような記録媒体を通してコンピュータ上へ容易に画像を取り込むことができる。従って、電子メールやホームページ等インターネットを利用して、もしくはTV等に出力して、手軽に友人同士、家族同士で画像を公開、閲覧して楽しむユーザが増えている。しかしながら、こうした手軽さを利用して、被写体の知らないところで、インターネットを利用して不特定多数の第三者が閲覧可能な状況下へ流出するケースも増加している。
【0005】
一方、近年、CFカードやSDカードのような記録媒体だけでなく、カメラ内部に大容量のメモリを備え、記録媒体がなくても画像が記録できるカメラが増えてきている。このように、カメラ内部に大容量のメモリを備えることで、記録媒体がない状態でも画像を記録することができるだけでなく、例えば他人に見せたくない画像等はカメラ内部に保存し、それ以外の画像は記録媒体に保存する、他人に見せる際は記録媒体に入っている画像を使うといった具合に、ユーザが自分のプライバシーを守ることにも利用できる。
【0006】
このような、カメラ内部のメモリと記録媒体の少なくとも一つに画像を記録する方法として、特許文献1に開示されているものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−86810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載のカメラは、圧縮率、画素数又は記録形式を変えた画像を、記録媒体又はカメラ内部のメモリに記録するというものである。
【0009】
特許文献1にあるように、撮影画像の記録先を変更する技術により、ユーザのプライバシー保護は可能となるが、撮影画像の流出と、撮影画像を第三者が自由に閲覧できてしまうこととを防ぐのは困難である。
【0010】
従って、撮影画像の流出の防止や閲覧を防ぐ仕組みが必要である。特に、高感度撮影は、暗がりでも被写体に気づかれずに撮影可能であるため、被写体のプライバシー保護のためにも画像流出防止及び閲覧制限等の対策が必要である。
【0011】
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、高感度撮影画像の流出防止や閲覧制限を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の画像記録装置は、被写体を撮像するときの撮影感度を設定する撮影感度設定手段と、前記撮影感度設定手段により設定された撮影感度に従って被写体を撮像する撮影手段と、前記撮影感度設定手段により設定された撮影感度が高感度である場合に、その高感度撮影画像を内部記録媒体に記録する高感度撮影画像記録手段と、前記高感度撮影画像記録手段により記録される高感度撮影画像から低感度撮影画像を作成する低感度撮影画像作成手段と、前記低感度撮影画像作成手段により作成された低感度撮影画像を外部記録媒体に記録する低感度撮影画像記録手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、高感度撮影画像の流出防止や閲覧制限が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態に係るカメラの外観を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係るカメラの垂直断面図である。
【図3】第1の実施形態に係るカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態に係るカメラの撮影時の画像記録処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態に係るカメラのクイックレビュー処理を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に係るカメラの画像再生処理を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態に係るカメラのコピー・移動処理を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施形態に係るカメラの撮影時の画像記録処理を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態に係るカメラの画像再生処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明を適用した画像記録装置として機能する実施形態に係る撮像装置、より詳細にはレンズ交換式のデジタル一眼レフカメラの外観を示す斜視図、図2は図1の垂直断面図である。図1に示すように、カメラ本体100の上部には、アクセサリシュー110、光学ファインダ104、AE(自動露出)ロックボタン112、AF(オートフォーカス)の測距点選択ボタン113が設けられている。また、撮影操作のためのレリーズボタン114、電子ダイアル411、モードダイアルスイッチ60、及び外部表示装置409が設けられている。
【0016】
電子ダイアル411は、他の操作ボタンと併用してカメラに数値を入力したり、撮影モードを切り換えたりするための多機能信号入力装置である。また、外部表示装置409は、液晶表示装置から構成され、シャッタースピード、絞り、撮影モード等の撮影条件や、他の情報を表示する。
【0017】
また、カメラ本体100の背面には、撮影された画像や各種設定画面等を表示するLCDモニタ装置417が設けられている。また、LCDモニタ装置417に撮影した画像を表示する再生スイッチ66、単写/連写スイッチ68、十字配置スイッチ116、SETボタン117、メニューボタン124、及び電源スイッチ72が設けられている。
【0018】
単写/連写スイッチ68は、単写モードと連写モードとを設定するために用いられる。単写モードでは、レリーズボタン114の押下によりシャッタースイッチSW2(64)がONになったときに、1コマの撮影を行って待機状態とする。連写モードでは、シャッタースイッチSW2(64)がONになっている間、連続して撮影を行い続ける。また、上下左右に配された4つのボタンからなる十字配置スイッチ116と、その中央に配されたSETボタン117とは、LCDモニタ装置417に表示されるメニュー項目等の選択や実行をカメラに指示するために用いられる。メニューボタン124は、LCDモニタ装置417にカメラの各種設定を行うためのメニュー画面を表示させるためのボタンである。例えば、撮影モードを選択、設定するときは、このメニューボタン124を押下した後、十字配置スイッチ116を操作して希望のモードを選択し、希望のモードが選択された状態でSETボタン117を押下することにより設定が完了する。
【0019】
図2に示すように、本実施形態に係るカメラは、カメラ本体100と、交換レンズタイプのレンズユニット300とにより構成される。なお、401は撮影光軸である。
【0020】
レンズユニット300において、310は複数のレンズからなる撮像レンズ、312は絞りである。306はレンズユニット300のレンズマウントであり、レンズユニット300はレンズマウント306を介してカメラ本体100に着脱可能に機械的に結合し、両者は電気的に接続する。
【0021】
カメラ本体100において、130は撮影光路中に配置されたミラーであり、レンズユニット300からの被写体光をファインダ光学系に導く位置(図2に示す位置、斜設位置と呼ぶ)と撮影光路外に退避する位置(退避位置と呼ぶ)との間で移動可能である。なお、ミラー130はクイックリターンミラーの構成としても、ハーフミラーの構成としても、どちらでも構わない。
【0022】
203はピント板であり、ミラー130から光学ファインダ104に導かれる被写体光が結像される。205は光学ファインダ104の視認性を向上させるためのコンデンサレンズである。132はペンタゴナルダハプリズムであり、ピント板203及びコンデンサレンズ205を通った被写体光をファインダ観察用の接眼レンズ208及び光学ファインダ104に導く。
【0023】
14は固体撮像素子である撮像素子である。209、207はシャッターを構成する後幕と先幕であり、これら後幕209、先幕207の開放によって、その後方に配置された撮像素子14が必要時間だけ露光される。418は撮像素子14の前面に配設された光学ローパスフィルタであり、撮像素子14に結像する被写体像の空間周波数を調整する。
【0024】
211はプリント基板であり、撮像素子14を保持する。215はプリント基板211の後方に配置された、もう一枚のプリント基板である表示基板である。この表示基板215の反対側の面に透過型のLCDモニタ装置417及びバックライト照明装置416が配置されている。これらLCDモニタ装置417及びバックライト照明装置416は、図3に示す画像表示部28を構成する。
【0025】
200は画像データを記録する記録媒体、86は電池(携帯用電源)であり、これら記録媒体200及び電池86はカメラ本体100に対して着脱可能である。
【0026】
図3は、本実施形態に係るカメラの回路構成を示すブロック図である。レンズユニット300において、320はレンズユニット300をカメラ本体100と接続するためのインタフェース、322はレンズユニット300をカメラ本体100と電気的に接続するコネクタである。コネクタ322はカメラ本体100とレンズユニット300との間で制御信号、状態信号、データ信号等を伝え合うと共に、各種電圧の電流を供給される或いは供給する機能も備えている。また、コネクタ322は電気通信のみならず、光通信、音声通信等を伝達する構成としても良い。
【0027】
340は絞り制御部であり、測光制御部46からの測光情報に基づいて、後述するカメラ本体100のシャッター12を制御するシャッター制御部40と連携しながら、絞り312を制御する。342はフォーカス制御部であり、撮像レンズ310のフォーカシングを制御する。344はズーム制御部であり、撮像レンズ310のズーミングを制御する。350はレンズユニット300全体を制御するレンズシステム制御回路であり、動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリを備える。更に、レンズユニット300固有の番号等の識別情報、管理情報、開放絞り値や最小絞り値、焦点距離等の機能情報、現在や過去の各設定値等を保持する不揮発メモリも備える。
【0028】
カメラ本体100において、106はカメラ本体100とレンズユニット300を機械的に結合するレンズマウントである。12はシャッターであり、後幕209、先幕207により構成される。撮像レンズ310に入射した光線は、一眼レフ方式によって光量制限手段である絞り312、レンズマウント306及び106、ミラー130、シャッター12を介して導かれ、光学像として撮像素子14上に結像する。
【0029】
16はA/D変換器であり、撮像素子14から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。18は撮像素子14、A/D変換器16、D/A変換器26にそれぞれクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路であり、メモリ制御回路22及びシステム制御回路50により制御される。
【0030】
20は画像処理回路であり、A/D変換器16からのデータ或いはメモリ制御回路22からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。また、画像処理回路20は、必要に応じて、A/D変換器16から出力される画像データを用いて所定の演算処理を行う。得られた演算結果に基づいてシステム制御回路50がシャッター制御部40、焦点調節部42を制御するための、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF処理、AE処理、フラッシュプリ発光(EF)処理を行うことができる。更に、画像処理回路20は、A/D変換器16から出力される画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のオートホワイトバランス(AWB)処理も行う。なお、図3に示す例では、焦点調節部42及び測光制御部46を専用に備えている。従って、焦点調節部42及び測光制御部46を用いてAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行い、画像処理回路20を用いたAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行わない構成としても構わない。また、焦点調節部42及び測光制御部46を用いてAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行い、更に、画像処理回路20を用いたAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行う構成としても構わない。
【0031】
21は暗号化回路であり、システム制御回路50を介して画像データに対して暗号化処理を行う。22はメモリ制御回路であり、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30、圧縮・伸長回路32を制御する。A/D変換器16から出力される画像データは、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、或いはメモリ制御回路22のみを介して、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。24は画像表示メモリである。26はD/A変換器である。28はLCDモニタ装置417、バックライト照明装置416等からなる画像表示部であり、画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器26を介して画像表示部28により表示される。画像表示部28を用いて、撮像した画像データを逐次表示することで、電子ビューファインダ(EVF)機能を実現することができる。また、画像表示部28は、システム制御回路50の指示により任意に表示をON/OFFすることが可能であり、表示をOFFにした場合にはカメラ本体100の電力消費を大幅に低減することができる。
【0032】
30は撮影した静止画像を格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像を格納するのに十分な記憶容量を備える。これにより、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ30に対して行うことが可能となる。31は内部メモリである。32は公知の圧縮方法を用いて画像データを圧縮・伸長する圧縮・伸長回路である。圧縮・伸長回路32は、メモリ30に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータを再びメモリ30に書き込む。
【0033】
40はシャッター制御部であり、測光制御部46からの測光情報に基づいて、絞り312を制御する絞り制御部340と連携しながらシャッター12を制御する。42はAF処理を行うための焦点調節部である。レンズユニット300内の撮像レンズ310に入射した光線を絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130及び焦点調節用サブミラー(不図示)を介して一眼レフ方式で入射することにより、光学像として結像された画像の合焦状態を測定する。46はAE処理を行うための測光制御部である。レンズユニット300内の撮像レンズ310に入射した光線を、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130及び測光用サブミラー(図示せず)を介して一眼レフ方式で入射することにより、光学像として結像された画像の露出状態を測定する。48はフラッシュであり、AF補助光の投光機能、フラッシュ調光機能も有する。測光制御部46はフラッシュ48と連携することにより、EF処理機能も有する。また、焦点調節部42による測定結果と、A/D変換器16からの画像データを画像処理回路20によって演算した演算結果とを用いて、AF制御を行うようにしても構わない。更に、測光制御部46による測定結果と、A/D変換器16からの画像データを画像処理回路20によって演算した演算結果とを用いて露出制御を行うようにしても構わない。
【0034】
50はカメラ本体100全体を制御するシステム制御回路であり、周知のCPU等を内蔵する。52はシステム制御回路50の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリである。54はシステム制御回路50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等を外部に通知するための通知部である。通知部54としては、例えばLCDやLED等による視覚的な表示を行う表示部や音声による通知を行う発音素子等が用いられるが、これらのうち1つ以上の組み合わせにより構成される。特に、表示部の場合には、例えば外部表示装置409のようにカメラ本体100の操作部70近辺で、視認しやすい、単数あるいは複数箇所に設置されている。また、通知部54は、その一部の機能が光学ファインダ104内に設置されている。
【0035】
通知部54の表示内容のうち、LCD等の画像表示部28に表示するものとしては以下のものがある。まず、単写/連写撮影表示、セルフタイマ表示等、撮影モードに関する表示がある。また、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示等の記録に関する表示がある。また、シャッター速度表示、絞り値表示、露出補正表示、調光補正表示、外部フラッシュ発光量表示、赤目緩和表示等の撮影条件に関する表示がある。その他に、マクロ撮影表示、ブザー設定表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記録媒体200及びパーソナルコンピュータ(PC)210の着脱状態表示がある。更に、レンズユニット300の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付・時刻表示、外部コンピュータとの接続状態を示す表示がある。また、通知部54の表示内容のうち、光学ファインダ104内に表示するものとしては、例えば、以下のものがある。合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、フラッシュ充電完了表示、シャッター速度表示、絞り値表示、露出補正表示、記録媒体書き込み動作表示等である。
【0036】
56は後述するプログラム等が格納された電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。
【0037】
60、62、64、66、68及び70は、システム制御回路50の各種の動作指示を入力するための操作手段であり、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成される。
【0038】
ここで、これらの操作手段の具体的な説明を行う。60はモードダイアルスイッチであり、自動撮影モード、プログラム撮影モード、シャッター速度優先撮影モード、絞り優先撮影モード、マニュアル撮影モード、焦点深度優先(デプス)撮影モード等の各機能撮影モードを切り替え設定することができる。他に、ポートレート撮影モード、風景撮影モード、接写撮影モード、スポーツ撮影モード、夜景撮影モード、パノラマ撮影モード、動画撮影モード等の各機能撮影モードを切り替え設定することもできる。
【0039】
62はシャッタースイッチSW1であり、レリーズボタン114の操作途中(例えば半押し)でONとなり、AF処理、AE処理、AWB処理、EF処理等の動作開始を指示する。64はシャッタースイッチSW2であり、レリーズボタン114の操作完了(例えば全押し)でONとなり、露光処理、現像処理、及び記録処理からなる一連の処理の動作開始を指示する。まず、露光処理では、撮像素子14から読み出した信号をA/D変換器16、メモリ制御回路22を介して画像データをメモリ30に書き込む。現像処理では、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像処理を行う。記録処理では、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路32で圧縮を行い、内部記録媒体である内部メモリ31に書き込む、或いは、外部記録媒体である記録媒体200或いはPC210に画像データを書き込む或いは送信する。
【0040】
66は再生スイッチであり、撮影モード状態で撮影した画像をメモリ30或いは記録媒体200、PC210から読み出して画像表示部28に表示する再生動作の開始を指示する。68は単写/連写スイッチであり、上述したように単写モードと連写モードとを設定することができる。
【0041】
70は各種ボタンやタッチパネル等からなる操作部である。一例として、ライブビュー開始/停止ボタン、動画記録開始/停止ボタン、メニューボタン124、SETボタン117、マルチ画面再生改ページボタン、フラッシュ設定ボタン、単写/連写/セルフタイマ切り換えボタン、十字配置スイッチ116、AEロックボタン112、AFの測距点選択ボタン113、電子ダイアル411を含む。更に、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像移動−(マイナス)ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正ボタン、調光補正ボタン、外部フラッシュ発光量設定ボタン、日付/時間設定ボタン等も含む。なお、十字配置スイッチ116の上下左右のボタンの各機能は、回転ダイアルスイッチを備えることによって、より軽快に数値や機能を選択することが可能となる。他に、再生モード、マルチ画面再生・消去モード、PC接続モード等の各機能モードを設定することができる再生スイッチがある。また、画像表示部28のON/OFFを設定する画像表示ON/OFFスイッチ、撮影直後に撮影した画像データを自動再生するクイックレビュー機能を設定するクイックレビューON/OFFスイッチがある。また、JPEG圧縮の圧縮率を選択するため、或いは撮像素子の信号をそのままデジタル化して記録媒体に記録するRAWモードを選択するためのスイッチである圧縮モードスイッチがある。また、ワンショットAFモードとサーボAFモードとを設定可能なAFモード設定スイッチ等がある。ワンショットAFモードでは、シャッタースイッチSW1(62)がONになった際にオートフォーカス動作を開始し、一旦合焦した場合、その合焦状態を保ち続ける。サーボAFモードでは、シャッタースイッチSW1(62)がONになっている間、連続してオートフォーカス動作を続ける。
【0042】
72は電源スイッチであり、カメラ本体100の電源ON、電源OFFの各モードを切り替え設定することができる。また、カメラ本体100に接続されたレンズユニット300、外部フラッシュ115、記録媒体200、PC210等の各種付属装置の電源ON、電源OFFの設定も合わせて切り替え設定可能である。
【0043】
80は電源制御部であり、電池検出回路、DC‐DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成される。電源制御部80は、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、検出結果及びシステム制御回路50の指示に基づいてDC‐DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。82、84はコネクタ、86はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li‐ion電池、Liポリマー電池等の二次電池である。なお、ACアダプター等からなる電源を使用するようにしても構わない。
【0044】
90及び94は記録媒体200及びPC210とのインタフェース、95は外部表示装置であるTV等の外部モニタ220とのインタフェースである。92及び96は記録媒体200及びPC210と接続を行うコネクタ、97は外部モニタ220との接続を行うコネクタである。98はコネクタ92、96に記録媒体200やPC210が装着されているか、コネクタ97に外部モニタ220が接続しているか否かを検知するコネクタ着脱検知回路である。
【0045】
なお、本実施形態では記録媒体200、PC210とのインタフェース及びコネクタを2系統持つものとして説明しているが、単数或いは複数、いずれの系統数を備える構成としても構わない。また、異なる規格のインタフェース及びコネクタを組み合わせて備える構成としても構わない。インタフェース及びコネクタとしては、種々の記憶媒体の規格に準拠したものを用いて構成することが可能である。例えば、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)カードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード、SDカード等である。インタフェース90、そしてコネクタ92をPCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを用いて構成した場合、各種通信カードを接続することができる。通信カードとしては、LANカードやモデムカード、USB(Universal Serial Bus)カード、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394カードがある。他にも、P1284カード、SCSI(Small Computer System Interface)カード、PHS等がある。これら各種通信カードを接続することにより、他のコンピュータやプリンタ等の周辺機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を転送し合うことができる。
【0046】
また、外部モニタ220とのインタフェース95及びコネクタ97としては、アナログ信号及びデジタル信号の伝送が可能な構成にすることができる。例えば、ビデオ出力端子やHDMI(High−Definition Multimedia Interface)接続端子等である。
【0047】
115は外部フラッシュ装置であり、アクセサリシュー110を介して装着される。120はレンズマウント106内でカメラ本体100をレンズユニット300と接続するためのインタフェースである。122はカメラ本体100をレンズユニット300と電気的に接続するコネクタである。また、レンズマウント106及び/又はコネクタ122にレンズユニット300が装着されているか否かは、不図示のレンズ着脱検知部により検知される。コネクタ122はカメラ本体100とレンズユニット300との間で制御信号、状態信号、データ信号等を伝え合うと共に、各種電圧の電流を供給する機能も備える。コネクタ122を介して通信される、各種光学情報(絞り、ズーム位置、瞳距離、焦点距離等)は、カメラ本体100のメモリ30に記憶される。通信の要求はカメラ側から行う場合もあれば、レンズ側から情報更新のたびに通信される場合もある。また、コネクタ122は電気通信だけでなく、光通信、音声通信等を伝達する構成としても良い。
【0048】
200はメモリカードやハードディスク等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部202、カメラ本体100とのインタフェース204、カメラ本体100と接続を行うコネクタ206を備える。記録媒体200としては、PCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等のメモリカード、ハードディスク等を用いることができる。また、マイクロDAT、光磁気ディスク、CD‐RやCD‐WR等の光ディスク、DVD等の相変化型光ディスク等で構成されていても勿論構わない。
【0049】
210はカメラに接続されたPCであり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部212、カメラ本体100とのインタフェース214、カメラ本体100と接続を行うコネクタ216を備える。
【0050】
220はカメラに接続された外部モニタあり、表示部222、カメラ本体100とのインタフェース214、カメラ本体100と接続を行うコネクタ216を備える。
【0051】
次に、図4のフローチャートを参照して、本実施形態に係るカメラの撮影時の画像記録処理の流れを説明する。当該処理は、システム制御回路50が不揮発性メモリ56に記憶された画像記録処理プログラムを実行することにより実施される。なお、撮影感度は、電子ダイアル411を含む多数のスイッチ類の信号を操作部70からシステム制御回路50に通知され、設定される。この場合、操作部70が撮影感度設定手段として作用する。
【0052】
まず、ステップS401で、レリーズボタン114が全押しされることでシャッタースイッチSW2(64)よりシステム制御回路50に撮影動作開始が通知される。これにより、システム制御回路50の制御下で、予め設定されている撮影モード、絞り、シャッター速度、感度等の撮影条件に応じて、上述した露光処理が行われる。更に、ステップS402では、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像処理が行われる。この場合、システム制御回路50が撮影手段として作用する。
【0053】
次に、ステップS403で、システム制御回路50は、ステップS401において行われた撮影での感度設定が高感度であったか否かを判定する。なお、感度設定が、被写体が暗い場合にシャッタースピードが遅くなることによる手ブレを抑えるためにカメラが自動的に感度を調整するモード(オートISO)に設定されている場合にも、撮影開始時に調整された感度値を用いて高感度であったか否かを判定する。なお、ここでは、高感度である条件を、例えばISO感度10000以上とするが、これに限定されるものではない。
【0054】
ステップS403において高感度撮影であった場合、ステップS404に進む。ステップS404では、システム制御回路50の制御下で、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路32で圧縮処理を行い、内部メモリ31に記録する。内部メモリ31への記録は、デジタルカメラにおいて汎用的に使用されているDCF(Design Rule For Camera File System)ファイルの形式で行われる。この際、ステップS405以降で作成するファイルと同一のDCFオブジェクトとする必要がある。なお、DCFオブジェクトとは、関連のあるファイル群をまとめて取り扱うことができるよう、同一ファイル番号を持つファイル群として規定され、ファイル番号が同一であれば、拡張子は異なっても良いとされている。これにより、ステップS404において作成された高感度撮影画像とステップS405以降で作成される画像が、同一撮影動作により作成された画像であることが保証される。従って、高感度撮影画像は、拡張子の異なる同一のファイル番号(例えば、ABCD0001.HJP)として内部メモリ31に記録する。この場合、システム制御回路50が高感度撮影画像記録手段として作用し、圧縮・伸長回路32の圧縮処理や内部メモリ31への記録を制御する。
【0055】
次に、ステップS405で、システム制御回路50の制御下で、再度メモリ30から画像データを読み出し、メモリ制御回路22を介して画像処理回路20にて、デジタル的に乗算を行ってゲインをかける、いわゆるデジタルゲイン補正(ゲインダウン補正)を行う。これにより、画像全体を暗くし、あたかも低感度設定で露出アンダーに撮影したかのような低感度撮影画像を作成する。次に、ステップS406で、圧縮・伸長回路32で圧縮処理を行い、ステップS404においてつけたファイル名と同一のファイル名(例えば、ABCD0001.JPG)で、記録媒体200或いはPC210に画像データを書き込む或いは送信する。この場合、画像処理回路20が低感度撮影画像作成手段として作用し、システム制御回路50が低感度撮影画像記録手段として作用し、圧縮・伸長回路32の圧縮処理や、記録媒体200或いはPC210に画像データへの記録又は送信を制御する。
【0056】
なお、本実施形態では、ゲインダウン補正により画像全体的に暗い、露出アンダーの画像を作成したが、高感度撮影時に、手軽に画像を持ち出せる記録媒体200等には、人間が被写体を視認できない又は視認しにくい画像が記録されていれば良いので、例えば画像全体にモザイク処理を施す等しても良い。
【0057】
また、JPGフォーマットのJPG画像データに添付されるExif規格に基づくExif情報には、露出時間、シャッタースピード、感度、フラッシュ発光等の撮影時の諸条件が記述されているのが一般的である。そのため、高感度撮影画像の場合、このExif情報には撮影時の感度を記載するのはもちろん、別途作成した低感度撮影画像にも撮影時の感度を記載する。
【0058】
一方、ステップS403において高感度撮影でなかった場合、ステップS407に進無。ステップS407では、システム制御回路50の制御下で、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路32で圧縮処理を行い、記録媒体200或いはPC210に画像データを書き込む或いは送信する。
【0059】
以上の説明では、通常感度撮影時の画像の記録先を記録媒体200或いはPC210とし、高感度撮影時のみ内部メモリ31に記録するものとして説明しているが、例えばメニュー画面等から通常感度撮影時画像の記録先を内部メモリ31と変更することができるカメラに適用できることは言うまでもない。
【0060】
次に、図5のフローチャートを参照して、本実施形態に係るカメラのクイックレビュー処理の流れを説明する。当該処理は、システム制御回路50が不揮発性メモリ56に記憶されたクイックレビュー処理プログラムを実行することにより実施される。まず、ステップS501で、システム制御回路50は、クイックレビュー機能がONであるか否かを判定し(ステップS501)、ONであればステップS502に進み、ステップS502では、撮影時の感度設定が高感度であるか否かを判定する。ステップS502において高感度撮影である場合、ステップS503に進む。ステップS503では、システム制御回路50の制御下で、内部メモリ31に記録した高感度撮影画像(ABCD0001.HJP)を画像表示部28に表示する。一方、ステップS502において高感度撮影でない場合、ステップS504に進む。ステップS504では、システム制御回路50の制御下で、記録媒体200或いはPC210に記録した画像を画像表示部28に表示する。
【0061】
次に、図6のフローチャートを参照して、本実施形態に係るカメラの画像再生処理の流れを説明する。当該処理は、システム制御回路50が不揮発性メモリ56に記憶された画像再生プログラムを実行することにより実施される。ユーザが再生スイッチ66を押下することで、記録媒体200(或いはPC210)から撮影画像を読み出して画像表示部28に表示する再生動作の開始が指示される。ステップS601において十字配置スイッチ116を用いて再生画像が選択されると、ステップS602で、システム制御回路50は、記録媒体200(或いはPC210)に記録されている選択画像と同一のDCFオブジェクト(高感度撮影画像)が内部メモリ31に存在するかを検索する。内部メモリ31に選択画像と同一DCFオブジェクトのファイルが存在する場合、ステップS603に進む。ステップS603では、外部モニタ220がカメラ本体100に接続しているか否かを判定する。この判定は、システム制御回路50がコネクタ着脱検知回路98を用いて行う。
【0062】
ステップS603において外部モニタ220がカメラ本体100に接続されていない場合、ステップS604に進む。ステップS604では、システム制御回路50の制御下で、内部メモリ31から該当するDCFオブジェクトを画像表示メモリ24に書きこみ、画像表示部28に表示する。
【0063】
一方、ステップS602において内部メモリ31に選択画像と同一DCFオブジェクトのファイルが存在しない場合、及び、ステップS03において外部モニタ220がカメラ本体100に接続されている場合、ステップS605に進む。ステップS605では、システム制御回路50の制御下で、記録媒体200(或いはPC210)から選択画像を画像表示メモリ24に書き込み、画像表示部28に表示する。すなわち、記録媒体200(或いはPC210)から選択された画像が、高感度撮影画像から作成された低感度撮影画像である場合、高感度撮影画像の外部モニタ220に出力することを禁止する。この場合、システム制御回路50が出力禁止手段として作用する。
【0064】
次に、図7のフローチャートを参照して、本実施形態に係るカメラにおいて内部メモリ31に記録された高感度撮影画像を記録媒体200やPC210にコピー又は移動させる処理の流れを説明する。当該処理は、システム制御回路50が不揮発性メモリ56に記憶されたコピー・移動プログラムを実行することにより実施される。なお、コピー・移動処理は、メニュー項目から選択されて実施しても良いし、撮影時に逐次実施しても良い。
【0065】
まず、システム制御回路50は、コピー又は移動元が内部メモリ31であるか否かを判定する(ステップS701)。ステップS701においてコピー又は移動元が内部メモリ31である場合、ステップS702に進む。ステップS702では、システム制御回路50は、カメラ本体100のLCDモニタ装置417及び操作部70、もしくはPC210よりユーザ認証処理を行う。ユーザ認証処理としては、ここでは事前にPC210よりアプリケーションを用いてカメラ本体100にIDとパスワードを登録しておくものとするが、これに限らず公知の技術を用いて行っても良い。この場合、システム制御回路50が認証手段として作用する。
【0066】
ステップS703で、システム制御回路50は認証許可であるか否かを判定し、認証不許可である場合、内部メモリ31の画像のコピー及び移動を禁止し、処理を終了する。この場合、システム制御回路50が移動禁止手段として作用する。
【0067】
一方、ステップS703において認証許可である場合、ステップS704に進む。ステップS704では、システム制御回路50は、カメラ本体100の内部メモリ31に記録された画像の中からユーザにコピー又は移動したい画像を選択させる。ユーザは、カメラ本体100の十字配置スイッチ116やPC210を用いて画像を選択する。この場合、システム制御回路50が移動許可手段として作用する。
【0068】
次に、ステップS705で、システム制御回路50は、選択画像のExif情報から撮影時に設定された感度を判定する。ステップS705において高感度撮影画像である場合、ステップS706に進む。ステップS706では、システム制御回路50は、高感度撮影画像に対して暗号化回路21を用いて暗号化処理を行う。この場合、システム制御回路50及び暗号化回路21が認証手段として作用する。ここで使われる暗号化技術は、公開鍵暗号方式等の公知の技術を用いれば良い。また、暗号化処理に加えて、電子透かし技術やExif情報の撮影者情報の欄等を用いて、撮影者の情報を記述しても良い。次に、ステップS707で、選択画像の記録媒体200或いはPC210へのコピー又は移動を実行する。一方、ステップS705において高感度撮影画像でない場合、直接ステップS707に進み、選択画像の記録媒体200或いはPC210へのコピー又は移動を実行する。
【0069】
なお、ステップS701においてコピー又は移動元が内部メモリ31でない場合、ステップS708に進む。ステップS708では、システム制御回路50は、カメラ本体100の記録媒体200或いはPC210に記録された画像の中からユーザにコピー又は移動したい画像を選択させる。ユーザは、カメラ本体100の十字配置スイッチ116やPC210を用いて画像を選択する。次に、ステップS709で、選択画像の記録媒体200或いはPC210へのコピー又は移動を実行する。
【0070】
なお、図7のフローチャートにおいては、画像を一つずつ選択する場合について説明したが、記録されている画像を一括でコピー又は移動する場合には、コピー又は移動元が内部メモリ31であればステップS705〜S707を、コピー又は移動元が記録媒体200やPC210であればステップS709を画像枚数分繰り返すことで実現することができる。
【0071】
以上述べたように、高感度撮影を行う場合に、カメラ内部の大容量メモリ(内部メモリ31)に高感度撮影画像を記録し、記録媒体200やPC210には高感度撮影画像から作成された低感度撮影画像を記録する。これにより、CFカードやSDカードのような記録媒体には被写体が視認できない又は視認しにくく加工された低感度撮影画像が記録されているので、例え記録媒体内の画像が第三者が閲覧可能な環境に置かれたとしても、被写体のプライバシーを保護することが可能である。また、高感度撮影画像は内部メモリ31に記録し、外部表示装置220への出力を禁止することで、インターネット等の第三者が閲覧可能な環境へ流出することを防止することができる。更に、コピーや移動する場合にはユーザ認証処理を行うようにすることで、例えば盗難されたカメラで高感度撮影が利用されたとしても、第三者が閲覧可能な環境へ流出することを防止することができる。更に、コピーや移動する場合に高感度撮影画像を暗号化することで、万が一第三者が閲覧可能な環境へ流出したとしても、復号化できなければPC等で画像を閲覧することはできないので、第三者の閲覧を制限することができる。
【0072】
上記実施形態では、高感度撮影画像と低感度撮影画像が同一撮影動作で生成された画像であると識別するために、DCFオブジェクトを用いる例を説明したが、同一撮影動作であると判別できればこの方法に限らない。例えば、Exif情報にはメーカ独自の情報も含めることが可能であることから、Exif情報内に高感度撮影画像と低感度撮影画像の互いのファイル名を記載する等して、同一撮影動作で生成された画像であると識別しても良い。
【0073】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、内部メモリ31から高感度撮影画像をコピー又は移動する際に、ユーザ認証後に高感度撮影画像を暗号化して、記録媒体200やPC210へ書き込む或いは送信していた。第2の実施形態では、撮影時に暗号化して、高感度撮影画像を記録する手法について説明する。なお、カメラの基本的な構成や処理動作は第1の実施形態と同様であり、以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0074】
図8のフローチャートを参照して、本実施形態に係るカメラの撮影時の画像記録処理の流れを説明する。当該処理は、システム制御回路50が不揮発性メモリ56に記憶された画像記録処理プログラムを実行することにより実施される。ここでは、第1の実施形態で説明した図4との相違についてのみ説明する。
【0075】
まず、ステップS401〜S403では、システム制御回路50の制御下で、撮影処理を行い、撮影画像の現像処理をし、撮影時の感度設定が高感度であるか否かを判定する。そして、ステップS403において高感度撮影であった場合、暗号化処理を施した上で(ステップS801)、ステップS404に進み、高感度撮影画像を記録する。ここでの高感度撮影画像の記録先としては、既に暗号化されているので、記録媒体200或いはPC210としても良い。なお、ステップS801での暗号化処理は、ステップSS706での暗号化処理と同様、高感度撮影画像に対して暗号化回路21を用いて暗号化処理を行う。ここで使われる暗号化技術は、公開鍵暗号方式等の公知の技術を用いれば良い。また、暗号化処理に加えて、電子透かし技術やExif情報の撮影者情報の欄等を用いて、撮影者の情報を記述しても良い。その後、ステップS405〜S406で、高感度撮影画像から低感度撮影画像を作成し、記録媒体200或いはPC210に書き込む或いは送信する。
【0076】
また、ステップS403において高感度撮影でなかった場合、ステップS407に進む。ステップS407では、システム制御回路50の制御下で、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路32で圧縮処理を行い、記録媒体200或いはPC210に画像データを書き込む或いは送信する。
【0077】
次に、図9のフローチャートを参照して、本実施形態に係るカメラの画像再生処理の流れを説明する。当該処理は、システム制御回路50が不揮発性メモリ56に記憶された画像再生プログラムを実行することにより実施される。ここでは、第1の実施形態で説明した図6との相違についてのみ説明する。
【0078】
本実施形態では、図8の画像記録処理により、暗号化した高感度撮影画像が記録媒体200或いはPC210に記録されるものとする。ステップS601において再生画像が選択されると、ステップS901で、システム制御回路50は、記録媒体200(或いはPC210)に記録されている選択画像が高感度撮影画像であるか否かを判定する。これは、Exif情報から撮影時に設定された感度を参照する。選択画像が高感度撮影画像である場合、ステップS603に進む。ステップS603では、システム制御回路50は、外部モニタ220がカメラ本体100に接続しているか否かを判定する。
【0079】
ステップS603において外部モニタ220がカメラ本体100に接続されていない場合、ステップS604に進む。ステップS604では、システム制御回路50の制御下で、高感度撮影画像を復号化した上で画像表示部28に表示する。
【0080】
一方、ステップS901において選択画像が高感度撮影画像でない場合、及び、ステップS603において外部モニタ220がカメラ本体100に接続されている場合、ステップS902に進む。ステップS902では、システム制御回路50の制御下で、選択画像を画像表示部28に表示する。
【0081】
クイックレビュー処理については、第1の実施形態と同様である。また、コピー・移動処理では、コピー又は移動元が内部メモリ31ではないので、ステップS701からステップS708、S709に進むことになる。
【0082】
以上述べたように、画像記録時に高感度撮影画像に暗号化を施すようにしたので、カメラ外部の記録媒体200やPC210に記録し、画像が流出したとしても、暗号化されているので画像を閲覧することは不可能であり、第三者による閲覧を制限することが可能である。
【0083】
(他の実施形態)
本発明は上述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムを、各装置に直接、或いは遠隔から供給できるようにしても良い。また、その装置の処理部が該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによって、上記の実施形態を実行可能とする場合を含む。従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【符号の説明】
【0084】
20:画像処理回路、21:暗号化回路、31:内部メモリ、50:システム制御回路、70:操作部、100:カメラ本体、200:記録媒体、210:PC、220:外部モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像するときの撮影感度を設定する撮影感度設定手段と、
前記撮影感度設定手段により設定された撮影感度に従って被写体を撮像する撮影手段と、
前記撮影感度設定手段により設定された撮影感度が高感度である場合に、その高感度撮影画像を内部記録媒体に記録する高感度撮影画像記録手段と、
前記高感度撮影画像記録手段により記録される高感度撮影画像から低感度撮影画像を作成する低感度撮影画像作成手段と、
前記低感度撮影画像作成手段により作成された低感度撮影画像を外部記録媒体に記録する低感度撮影画像記録手段とを備えたことを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記低感度撮影画像作成手段は、前記高感度撮影画像記録手段により記録された高感度撮影画像に対して、被写体を視認できない又は視認しにくいように画像処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記内部記録媒体に記録された高感度撮影画像を外部記録媒体にコピー及び移動することを禁止する移動禁止手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記内部記録媒体に記録された高感度撮影画像を外部表示装置に出力することを禁止する出力禁止手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項5】
ユーザ認証処理を行う認証手段と、
前記認証手段により認証されたユーザに対して、前記内部記録媒体に記録された高感度撮影画像を外部記録媒体にコピー及び移動することを許可する移動許可手段と、
前記移動許可手段によりコピー及び移動が許可された場合、前記内部記録媒体に記録された高感度撮影画像を外部記録媒体にコピー又は移動する際に、その高感度撮影画像を暗号化する暗号化手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記高感度撮影画像記録手段により高感度撮影画像を前記内部記録媒体に記録する際に、その高感度撮影画像を暗号化する暗号化手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項7】
被写体を撮像するときの撮影感度を設定する撮影感度設定手段と、
前記撮影感度設定手段により設定された撮影感度に従って被写体を撮像する撮影手段と、
前記撮影感度設定手段により設定された撮影感度が高感度である場合に、その高感度撮影画像を暗号化した上で外部記録媒体に記録する高感度撮影画像記録手段と、
前記高感度撮影画像記録手段により記録される高感度撮影画像から低感度撮影画像を作成する低感度撮影画像作成手段と、
前記低感度撮影画像作成手段により作成された低感度撮影画像を前記外部記録媒体に記録する低感度撮影画像記録手段とを備えたことを特徴とする画像記録装置。
【請求項8】
被写体を撮像するときの撮影感度を設定する撮影感度設定手段と、前記撮影感度設定手段により設定された撮影感度に従って被写体を撮像する撮影手段とを備えた撮像装置により撮影された画像を記録する画像記録方法であって、
前記撮影感度設定手段により設定された撮影感度が高感度である場合に、その高感度撮影画像を内部記録媒体に記録するステップと、
前記高感度撮影画像から低感度撮影画像を作成するステップと、
前記作成された低感度撮影画像を外部記録媒体に記録するステップとを有することを特徴とする画像記録方法。
【請求項9】
被写体を撮像するときの撮影感度を設定する撮影感度設定手段と、前記撮影感度設定手段により設定された撮影感度に従って被写体を撮像する撮影手段とを備えた撮像装置により撮影された画像を記録する画像記録方法であって、
前記撮影感度設定手段により設定された撮影感度が高感度である場合に、その高感度撮影画像を暗号化した上で外部記録媒体に記録するステップと、
前記高感度撮影画像から低感度撮影画像を作成するステップと、
前記作成された低感度撮影画像を前記外部記録媒体に記録するステップとを有することを特徴とする画像記録方法。
【請求項10】
被写体を撮像するときの撮影感度を設定する撮影感度設定手段と、前記撮影感度設定手段により設定された撮影感度に従って被写体を撮像する撮影手段とを備えた撮像装置により撮影された画像を記録する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記撮影感度設定手段により設定された撮影感度が高感度である場合に、その高感度撮影画像を内部記録媒体に記録する処理と、
前記高感度撮影画像から低感度撮影画像を作成する処理と、
前記作成された低感度撮影画像を外部記録媒体に記録する処理とをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
被写体を撮像するときの撮影感度を設定する撮影感度設定手段と、前記撮影感度設定手段により設定された撮影感度に従って被写体を撮像する撮影手段とを備えた撮像装置により撮影された画像を記録する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記撮影感度設定手段により設定された撮影感度が高感度である場合に、その高感度撮影画像を暗号化した上で外部記録媒体に記録する処理と、
前記高感度撮影画像から低感度撮影画像を作成する処理と、
前記作成された低感度撮影画像を前記外部記録媒体に記録する処理とをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−60255(P2012−60255A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199225(P2010−199225)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】