説明

画像記録装置

【課題】シート状の記録紙を用いる画像記録時における記録位置誤差をなくすとともに、記録後の搬送中に画像に傷等が生じないようにした画像記録装置を提供すること。
【解決手段】インクを吐出して画像記録を行う記録ヘッドと、この記録ヘッドに対向して記録媒体搬送方向に直交する方向に延在する記録媒体支持面を有する吸着プラテンとを有する画像記録装置であって、前記吸着プラテンの上流に設けられたニップローラ対と、前記吸着プラテンの下流に設けられた吸着搬送ベルトとを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタなどの画像記録装置の技術分野に関し、より詳細には、記録媒体を単列または複数列として搬送しつつ縁なし印刷を行う場合に好適に利用可能で、特にシート状の記録紙を用いる画像記録時における記録位置誤差をなくすとともに、記録後における搬送中に画像に傷等が生じないようにした画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インクジェットプリンタを用いて縁なし印刷を行う需要が高まっている。これはインクジェットプリンタが、基本的に乾式処理に近い手軽な処理であることに加えて、インクジェットプリント技術等の発展に伴って、これにより形成される画像の質(画質)が著しく向上し、銀塩写真材料を用いるプリントの画質に迫り、その差が殆んどなくなってきていることによる。
【0003】
これに応じて、業務用のインクジェットプリンタも使用されるようになっている。業務用のインクジェットプリンタでは、記録材料のコスト並びに画像間の中間部カットに伴うロスの発生防止の点から、画像形成前にロール紙を画像形成に対応する長さにカットし、シート状態で印刷(すなわち、インクジェットプリント)するのが好ましい。
しかし、インクジェットプリンタでシート状の記録材料に縁なし印刷を行う際には、後述するように問題が多いので、現状では、ロール紙に連続的に画像を形成した後、これを画像毎にカットする方式が一般的である。
【0004】
インクジェットプリンタの基本的な構成は、記録媒体の記録面と対向する面に、この記録媒体に向かってインクを吐出する複数のノズル列を有する記録ヘッドと、上記記録媒体を下方から支えて上記記録ヘッドと記録媒体との間の距離を保つプラテンと、上記記録ヘッドの走査並びにインク吐出を制御する手段と、上記記録媒体の搬送(副走査に当たる)を制御する手段等を有して構成される。
【0005】
ところで、近年は、インクジェットプリンタを用いて記録した画像の高画質化が強く要望されるようになっている。これは、使用分野が、個人用のいわゆる趣味のための用途から、商業的に幅広く利用されるようになってきたことによるものである。
この際に問題になるのは、記録時に発生する記録紙の搬送誤差に起因する記録位置ずれにより画質が低下することである。また、記録後の記録紙を搬送する際に発生する記録面への接触に起因する傷の発生という問題もある。
【0006】
前者は、シート状の記録媒体をローラ対や吸着搬送手段等を複数組み合わせて搬送する際に、これらの複数のローラ対や吸着搬送手段等の間での搬送速度のわずかなズレが原因となって記録媒体の搬送誤差が生じ、これに伴ってインクジェットによる記録位置にもずれが生じるという問題である。この問題は、記録媒体を搬送する際に用いる複数の搬送手段(ローラ対や吸着搬送手段)の間の搬送速度のズレが原因となっている。
【0007】
この問題に関しては、例えば特許文献1に開示されている技術が知られている。
この技術は、従来あった、ロール状(長尺)の記録媒体を記録位置の上流側および下流側に配置される2対のローラ間に挟持搬送しつつ、画像を光学的スキャンニングにより記録するようにした場合、これらの2対のローラ対間で、両者間の回転速度差により、記録媒体の平面性が保てなくなるという問題(具体的には、下流側のローラ対が若干低速回転している場合)に対処するために、下流側のローラ対で、記録媒体を上流側のローラ対から離れる方向に引っ張るように付勢して、記録媒体の平面性を保つというものである。
【0008】
しかしながら、この技術をシート状の記録媒体を用いる際においては、記録媒体が上流側のローラ対から外れた後では、記録媒体は若干速く回転している下流側のローラ対のみにより搬送されるため、途中から記録密度が変ることになり、記録画像の画質が低下してしまうという問題が生ずる。
この問題は、画像記録方法が光学的(写真)画像記録方法であっても、インクジェットによる画像記録方法であっても、全く同様に発生する問題である。
【0009】
特許文献1に開示されている技術は、このような問題に対処するために、記録媒体の速度制御を、記録媒体の後端が上流側のローラ対から外れるタイミングで、上流側のローラ対の搬送速度に基づく速度制御から、下流側のローラ対の搬送速度に基づく速度制御に変更するというものである。
そして、これにより、前述のような、上流側のローラ対の搬送速度と下流側のローラ対の搬送速度とが変動することがなくなるので、記録媒体の後端が上流側のローラ対を通過する前後で、記録媒体に記録される画像の画質が低下するのが抑制されるとしている。
【0010】
【特許文献1】特開2007−260938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、この技術においても、下記のような問題がある。すなわち、この技術では、所定長さの記録媒体が上流側の搬送ローラ対および下流側の搬送ローラ対の両方で挟持されている間は、下流側の搬送ローラ対によって下流側に引っ張られた状態の記録媒体に対して画像の記録が行われる。そして、記録媒体の後端が上流側の搬送ローラ対を通過し、記録媒体が上流側の搬送ローラ対で挟持されなくなると、その後は、記録媒体は下流側の搬送ローラ対で挟持されて搬送されることになる。
【0012】
しかしながら、インクジェットプリンタにおいては、記録部の後段における記録媒体の搬送手段は、記録部の前段における搬送手段であるニップローラを採用すると、未乾燥の画像面に対して高画質プリント作製上好ましくない影響を及ぼす。
すなわち、未乾燥の画像面がニップローラに触れた場合には、インクの移動が発生したり、ローラの傷等が転写されたりすることにより、画像面に少なからぬ好ましくない影響を及ぼす。
【0013】
これに対する対策としては、ニップローラのような記録紙幅での線接触ではなく、数個のスターホイールと呼ばれる点接触ニップローラによる搬送を行うものがある。しかし、この構成においても記録媒体の画像面に微小な跡(点穴)が形成されてしまう。従って、画像面にキズ等をつけることなく搬送するために、記録媒体の裏面のみに接触することで記録紙を搬送する手段を用いることが好ましい。
【0014】
実際に、シート状の記録媒体を用いるインクジェットプリンタにおいては、記録部より上流側のフィードローラにおける記録開始から、規定されたピッチでの間欠副走査を行う間欠搬送手段を備えた装置が用いられる場合があるが、この場合には、シート状の記録媒体の後端が上述のフィードローラから外れた後は、記録部の下流側の記録媒体の裏面のみに接触することで記録紙を搬送する手段による、裏面のみの搬送に移る。
【0015】
このように構成されたインクジェットプリンタにおいては、記録部前後における記録紙搬送手段の引継ぎを時間的に途切れることなく行うことで、連続的な搬送(速度変動がない搬送)を実現できるが、実際には搬送駆動の制御の受け渡し時における振動が発生するため、記録部に対しての高精度の搬送が損なわれることになり、高画質プリントに影響が出る。
【0016】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、前記従来技術に基づく問題点を解消した、改良された画像記録装置を提供することにある。
より具体的には、記録媒体を単列または複数列として搬送しつつ縁なし印刷を行う場合に好適に利用可能で、特にシート状の記録紙を用いる画像記録時における記録位置誤差をなくすとともに、記録後における搬送中に画像に傷等が生じないようにした画像記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明に係る画像記録装置は、インクを吐出して画像記録を行う記録ヘッドと、この記録ヘッドに対向して記録媒体搬送方向に直交する方向に延在する記録媒体支持面を有する吸着プラテンとを有する画像記録装置であって、前記吸着プラテンの上流に設けられたニップローラ対と、前記吸着プラテンの下流に設けられた吸着搬送ベルトとを有することを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る画像記録装置においては、前記吸着プラテンの上流に設けられたニップローラ対には、記録媒体のニップを解除可能に構成されており、前記記録ヘッドで記録を行う際に記録対象である記録媒体を間欠搬送するものであって、その表面に滑り止め処理が施されていることが好ましい。
【0019】
また、本発明に係る画像記録装置においては、前記吸着プラテンの下流に設けられた吸着搬送ベルトは、前記記録ヘッドで記録を行った記録媒体を受け取って、前記ニップローラ対と同期して記録媒体を間欠搬送もしくは連続搬送するものであることが好ましい。
【0020】
また、本発明に係る画像記録装置においては、前記吸着プラテンの上流に設けられたニップローラ対と前記吸着プラテンの下流に設けられた吸着搬送ベルトとの駆動力の切り換えは、前記記録ヘッドで記録を行った記録媒体が前記吸着搬送ベルトによる搬送が開始され、この吸着搬送ベルトによる搬送力が確保された時点に行われ、同時に前記ニップローラ対は、記録媒体のニップを解除するものであることが好ましい。
【0021】
また、本発明に係る画像記録装置においては、前記記録ヘッドで記録を行った記録媒体の前記吸着搬送ベルトによる搬送が開始されてから、この吸着搬送ベルトによる搬送力が確保されるまでの時間は、前記吸着搬送ベルトによる搬送が開始されてから、前記吸着プラテンの上流に設けられたニップローラ対のニップが解除されるまでの時間と等しいことが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、記録媒体を単列または複数列として搬送しつつ縁なし印刷を行う場合に好適に利用可能で、特にシート状の記録紙を用いる画像記録時における記録位置誤差をなくすとともに、記録後における搬送中に画像に傷等が生じないようにした画像記録装置を実現できるという顕著な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の画像記録装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0024】
図1に、本発明の画像記録装置を利用するインクジェットプリンタの一例の概念図を示す。
【0025】
図1に示すように、画像記録装置10は、記録媒体装填部12、記録媒体供給部14、画像記録部16、乾燥部18、排出部20とを備える。
また、画像記録装置10は、画像記録装置10全体の動作の制御や管理、動作履歴の管理等を行う制御部24を有する。
【0026】
記録媒体装填部12は、ロール状記録媒体装填部32と、記録シートカセット36とを有する。ロール状記録媒体装填部32は、装置内の下段に配置され、その上方に記録シートカセット36が配置されている。
ロール状記録媒体装填部32は、図1に示されるように、画像記録装置10の下方に設けられており、マガジン38と、フランジ40と、フランジ回転ローラ42および44と、フィードローラ46とを有する。フランジ40、フランジ回転ローラ42、44、フィードローラ46は、マガジン38の中に配置されている。
マガジン38は、内部に、印刷媒体としてのロール状の記録媒体48が装填される。また、マガジン38は、装置筐体から引出可能な構造であり、装填するロール状記録媒体48を交換することができる。
【0027】
ロール状記録媒体48は、円筒状の芯部材(図示しない)の周囲に、外周面側が画像記録面となるように巻き付けられて構成されている。ロール状記録媒体48の長さや幅方向の寸法は、特に限定はなく、例えば、89mm〜210mmの範囲のいずれかの幅の長尺の記録媒体を用いることができる。また、記録媒体として任意の表面種別の記録媒体を用いることができ、例えば、光沢面またはマット面を有する記録紙、基材表面に熱可塑性樹脂を有する記録紙を用いることができる。
また、幅の狭いロール状の記録媒体を使用する場合は、マガジン38の内部に複数のロール状記録媒体を、紙面奥行き方向(回転軸方向)に複数並べて装填してもよい。複数のロール状記録媒体を装填することで、幅の狭い記録媒体を2列以上の多列搬送させながら画像記録することが可能となり、印刷効率を高めることが可能となる。
【0028】
フランジ40は、マガジン38内に回転自在に配置された芯部材と、芯部材の両端に外径がロール状記録媒体48の最大外径よりも大きいつば部とで構成されている。フランジ40の芯部材には、ロール状記録媒体48が巻き付けられており、両端のつば部でロール状記録媒体48の端部の幅方向を規制し、その幅方向にガイドする。
【0029】
フランジ回転ローラ42および44は、フランジ40の下方の位置で、水平方向に所定間隔はなれて互いに平行に配置されており、フランジ40のつば部の外周と接触している。また、それぞれのフランジ回転ローラ42および44は、図示しない回転駆動部に接続されている。回転駆動部によりフランジ回転ローラ42および44を順方向または逆方向の回転させることで、フランジ40を回転させ、ロール状記録媒体48を送り出したり巻き取ったりすることができる。
フィードローラ46は、制御部24による制御の下、引出されたロール状記録媒体48を挟持して、後述する記録媒体供給部14に搬送する。
【0030】
記録シートカセット36は、所定のサイズに予めカットされた記録シート50を積載して収容するための収容部材であり、画像記録装置10に着脱可能に構成されている。
記録シート50は、画像記録面が下側に位置するように、記録シートカセット36内に積載されている。記録シートカセット36内の記録シート50は、記録シートカセット36の上方に配置されている給紙ローラ52によって、1枚ずつ捌かれて、後述する記録媒体供給部14に送り出される。
【0031】
記録媒体供給部14は、記録媒体装填部12から送り出された長尺の記録媒体または記録シートを画像記録部16まで搬送するために設けられる。記録媒体供給部14は、カッタ54と、裏印字ユニット56と、幅ガイド58と、ターンローラ62と、8つのフィードローラ64,66,68,70,72,74,76,78とを有する。
【0032】
ターンローラ62は、ロール状記録媒体装填部32から略水平に送り出された長尺のロール状記録媒体48の向きを変えて、ロール状記録媒体48を上方に位置する裏印字ユニット56に向けて搬送させるためのローラである。
また、フィードローラ64は、ロール状記録媒体48の搬送経路においてターンローラ62の搬送方向下流側に設けられ、記録媒体装填部12から引き出されたロール状記録媒体48を搬送する。また、フィードローラ66は、フィードローラ64の搬送方向下流側に、フィードローラ64とは、所定間隔離されて配置されている。また、フィードローラ68は、フィードローラ66の搬送方向下流側に、フィードローラ66とは所定間隔離れて配置されている。
カッタ54は、ロール状記録媒体48の搬送経路において、フィードローラ64とフィードローラ66との間に配置され、ロール状記録媒体48を所定の長さの記録媒体に切断する。また、カッタ54は、所定の処理が終了したとき、または、長尺の記録媒体を途中で交換するときに、ロール状記録媒体48を切断する。
【0033】
ループ形成部69は、フィードローラ66とフィードローラ68との間に設けられている。ループ形成部69は、搬送面に対して垂直な方向に設けられている搬送ガイド(図示しない)を解放することにより、ループ形成部69において記録媒体のループが形成される。ここで、カッタ54で記録媒体を切断する際は、記録媒体の搬送を一時的に停止させる必要があるため、フィードローラ64は、記録媒体を間欠的に搬送するが、ループ形成部69を設けることで、カッタ54による記録媒体の切断動作の影響を及ぼす負荷が、ループ形成部69より下流側の搬送経路に与えられることを防止でき、後述する裏印字ユニット56で安定して裏印字を行うことができる。
【0034】
フィードローラ70および72は、記録シートカセット36から送り出された記録シート50を裏印字ユニット56に向けて搬送する。
【0035】
裏印字ユニット56は、フィードローラ68から搬送された所定長さに切断されたロール状記録媒体48またはフィードローラ72から供給された記録シート50(以下、単に「記録媒体P」という)の画像記録面の反対側に所定の裏印字情報を記録するための印字装置であり、フィードローラ72の搬送方向下流側に設けられている。
裏印字ユニット56は、例えば、ドットインパクトプリンタやインクジェットプリンタを用いて構成される。また、裏印字情報としては、画像ファイル名や画像補正情報等を例示される。
また、裏印字ユニット56よりも搬送方向上流側には、フィードローラ74が配置され、搬送方向下流側には、フィードローラ76が配置されている。
【0036】
フィードローラ78は、裏印字ユニット56により裏印字が記録された記録媒体Pを幅ガイド58に向けて搬送する。
幅ガイド58は、後に詳しく説明する画像記録部16のフィードローラ80の上流側に配置され、画像記録部16に進入する記録媒体Pの幅方向の位置を調整する。幅ガイド58は、記録媒体Pが画像記録部16の所定位置に搬送されるよう(位置ずれが生じないよう)に、記録媒体Pの幅方向の位置と向きを調整する。
【0037】
つぎに、画像記録部16について詳細に説明する。
ここで、図2は、画像記録装置10の画像記録部16の周辺の概略構成を模式的に示す正面図であり、図3(A)は、図2のIIIA−IIIA線断面図であり、図3(B)は、図2のIIIB−IIIB線断面図である。また、図4(A)〜(C)は、記録中における画像記録部16での記録媒体搬送状況を示す模式的側面図である。
画像記録部16は、フィードローラ80と、インク吐出手段82と、プラテン84と、吸着搬送ベルト86と、マスク機構90とを備える。
フィードローラ80は、幅ガイド58の下流側に配置されたローラであり、幅ガイド58により幅方向の位置が規制された記録媒体Pをプラテン84に搬送する。ここで、フィードローラ80は、図中上段のローラに関するリフトアップ機構を有するものであり、制御部24からの指示により、図4(A)〜(C)に示すように、記録媒体Pを挟持/挟持解除に切り換え可能に構成されている。
【0038】
インク吐出手段82は、記録媒体の幅方向(以下、主走査方向ともいう)に往復移動しながら記録媒体に画像を形成するシリアルタイプの画像記録手段であり、記録媒体Pに向けてインク液滴を吐出する記録ヘッドユニット100と、記録ヘッドユニット100を副走査方向に移動させるヘッド走査機構102と、位置検出センサ104とを有する。
【0039】
記録ヘッドユニット100は、図2および図3に示されるように、記録媒体Pに対向して配置されており、フィードローラ80によって搬送される記録媒体P上にインク液滴を滴下して画像を形成する。
記録ヘッドユニット100は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、および黒(K)の各色に対応するインク液滴を吐出する4種類のインクジェットヘッドを有している。この4種類のインクジェットヘッドは、主走査方向に並んで配置されている。
また、インクジェットヘッドは、それぞれ、記録媒体Pに対向する面にインクを吐出する複数の吐出口が形成されている。また、インクジェットヘッドの駆動方式(つまり、インク液滴を吐出する方式)としては、ピエゾ素子(圧電素子)による振動を利用するピエゾ方式、発熱体によってインクに生じる気泡の圧力を利用するサーマル方式、インク液滴に与えた電荷を利用する静電方式の何れの駆動方式も利用することができる。
【0040】
ヘッド走査機構102は、記録ヘッドユニット100を支持するヘッド支持体106と、ヘッド支持体106に挿通され、主走査方向と軸が平行となる向きに配置されたシャフト108a、108bと、ヘッド支持体106をシャフト108に沿って移動させる駆動部110とを有する。
ヘッド支持体106は、板状部材であり、記録ヘッドユニット100の記録媒体Pに垂直で、副走査方向に平行な面を支持している。
シャフト108aは、ネジ溝が形成された棒状部材であり、ヘッド支持体106に螺合されており、シャフト108bは、ネジ溝が形成されていない棒状部材であり、ヘッド支持体106に主走査方向に移動自在に挿通されている。また、シャフト108aとシャフト108bとは、所定間隔離間して平行に配置されている。
【0041】
駆動部110は、シャフト108aを回転させる回転機構であり、シャフト108aを回転させることで、シャフト108aに螺合しているヘッド支持体106を主走査方向に移動させる。
このように、ヘッド走査機構102は、駆動部110により、シャフト108aを回転させ、シャフト108aおよび108bに沿って主走査方向にヘッド支持体106を移動させることで、記録ヘッドユニット100を主走査方向に往復移動させる。
なお、記録ヘッドユニット100を主走査方向に移動させるヘッド操作機構は、本実施形態のような、ネジ伝動による方法に限定されず、例えば、ベルトやプーリを用いる方法、静電力を利用した方法など、シリアルスキャン方式のインクジェットプリンタで用いられる方法を利用することができる。
【0042】
位置検出センサ104は、記録ヘッドユニット100の主走査方向の端部に隣接してヘッド支持体106に固定されている。位置検出センサ104は、対向する位置(後述するプラテン84上に)に記録媒体Pが有るか否かを検出する。また、位置検出センサ104は、記録媒体Pの有無を検出することで、記録媒体Pの端部も検出することができる。
インク吐出手段82は、基本的に以上のような構成である。
【0043】
次に、プラテン84は、記録媒体Pの搬送方向において、フィードローラ80の下流側に、記録ヘッドユニット100が走査される領域に対向して、配置されており、フィードローラ80から搬送された記録媒体Pを所定位置で支持する。
また、プラテン84の記録媒体Pと接触する面には、複数の吸引孔85が、搬送方向に一定間隔で並んで形成されている。
プラテン84により記録媒体Pを支持することで、記録媒体Pと記録ヘッドユニット100との距離を一定距離にすることができ、記録ヘッドユニット100から吐出されたインク液滴の着弾精度をより高くすることができる。
【0044】
ファン88は、プラテン84の記録媒体Pが接触している面とは反対側に面に配置され、その上方に位置するプラテン84から下方に向かう方向に空気の流れを発生させる。なお、ファン88は、1つでも複数でもよい。
ファン88により、空気の流れを発生させることで、プラテン84に形成された吸引孔85からプラテン84に接触している記録媒体Pをプラテン84側に吸引することができ、記録媒体Pをプラテン84に吸着させることができる。
なお、プラテン84に形成された吸引孔85の吸着力が強すぎると記録媒体Pを搬送させることが困難になる恐れがあるので、プラテン84に形成された吸引孔85の吸着力は、フィードローラ80または後述する吸着搬送ベルト86により記録媒体Pを搬送することができる程度の吸着力であることが望ましい。
【0045】
吸着搬送ベルト86は、記録媒体Pの搬送方向において、プラテン84の下流側に配置され、フィードローラ80から送り出され、プラテン84を通過した記録媒体Pを、さらに下流へ搬送する機能を有するものである。吸着搬送ベルト86を構成する材料としては、熱収縮の小さい材料で、例えばステンレス304等が好ましい。
【0046】
次に、マスク機構90は、インク吐出手段82により記録媒体Pに画像が形成される領域(以下、単に「画像形成領域」という)の4辺にそれぞれ配置された、上流側マスク120、下流側マスク122および2つの端部マスク124、126と、端部マスク124、126をそれぞれ支持するマスク支持体130、132と、マスク支持体130および132と螺合したシャフト134とシャフト134を回転させるシャフト回転機構136とで構成される。
【0047】
上流側マスク120は、主走査方向に平行な方向が長辺となる板状部材であり、記録媒体Pの搬送経路に垂直な方向において、プラテン84と記録ヘッドユニット100との間で、かつ、プラテン84の記録媒体Pが接触する面と所定間隔離間した位置に固定されている。また、上流側マスク120は、副走査方向において、画像形成領域の搬送方向上流側の辺(つまり領域の縁)に接触する位置に固定されている。
また、上流側マスク120の記録ヘッドユニット100側の面には、凹部が形成されており、この凹部には、インクを吸収する材料で構成された吸収部材138が載置されている。吸収部材138は、上流側マスク120の画像形成領域と接触している縁まで配置されている。
なお、吸収部材138としては、スポンジ等インクを吸収する種々の物質を用いることができる。
【0048】
下流側マスク122は、主走査方向に平行な方向が長辺となる板状部材であり、上流側マスク120に対して平行で、かつ、プラテン84と平行な面において、上流側マスク120と同一平面上に固定されている。つまり、下流側マスク122も、プラテン84の記録媒体Pが接触する面と所定間隔離間した位置に固定されている。また、下流側マスク122は、副走査方向において、画像形成領域の搬送方向下流側の辺(つまり領域の縁)に接触する位置に固定されている。
また、下流側マスク122の記録ヘッドユニット100側の面にも凹部が形成されており、凹部には、吸収部材140が載置されている。また、吸収部材140も画像形成領域と接触している縁まで配置されている。
【0049】
端部マスク124および端部マスク126は、板状部材であり、上流側マスク120と下流側マスク122との間に配置され、上流側マスク120、下流側マスク122およびプラテン84と摺動可能な状態で接触している。また、端部マスク124と端部マスク126は、上流側マスク120の長辺の中点と下流側マスク122の長辺の中点とを結んだ線を対称線として、対向して配置されている。
また、端部マスク124および端部マスク126も、それぞれ記録ヘッドユニット100側の面に凹部が形成されており、凹部には、吸収部材142、144が載置されている。
吸収部材142は、端部マスク124のプラテン84の中心側の縁まで配置されており、吸収部材144は、端部マスク126のプラテン84の中心側の縁まで配置されている。
【0050】
マスク支持体130は、L字型の板状部材であり、一方の端部が、端部マスク124の記録媒体Pと対向する面とは反対側の面と接合され、他方の端部近傍が後述するシャフト134と螺合している。また、マスク支持体130は、端部マスク124と接合している側の直線部分がプラテン84の表面と平行で、シャフト134と螺合している側の直線部分がプラテン84の表面と垂直となる向きで配置されている。
マスク支持体132は、上流側マスク120の長辺の中点と下流側マスク122の長辺の中点とを結んだ線を対称線として、マスク支持体130と対称な形状であり、一方の端部が、端部マスク126の記録媒体Pと対向する面とは反対側の面と接合され、他方の端部近傍が後述するシャフト134と螺合している。
【0051】
シャフト134は、ファン88よりもプラテン84から離れた位置に、主走査方向に平行な方向が軸と平行なる向きに配置されている。シャフト134は、ネジ溝が形成されており、このネジ溝は、中央で螺旋の方向が逆になる(つまり、時計回りの螺旋が反時計回りの螺旋となる)ように形成されている。
シャフト回転機構136は、シャフト134を所定位置を支持し、シャフト134を任意の方向に回転させる。
【0052】
マスク機構90は、以上のような構成であり、シャフト回転機構136により、シャフト134を回転させることで、シャフト134に螺合しているマスク支持体130、132を主走査方向に移動させ、マスク支持体130が支持している端部マスク124およびマスク支持体132が支持している端部マスク126を主走査方向に移動させる。
ここで、シャフト134は、中央で螺旋の向きが逆になっているため、シャフト134を回転させることで、端部マスク124と端部マスク126とを対称軸に対して対称に(つまりセンター基準で)移動させることができ、端部マスク124と端部マスク126との距離を調整することができる。
これにより、マスク機構90は、記録媒体Pの幅に応じて、端部マスク124と端部マスク126との距離を調整することで、端部マスク124および端部マスク126とプラテン84上を移動する記録媒体Pの端部とを接触させることができる。
これにより、記録ヘッドユニット100によりインク液滴が吐出される領域のプラテン84上の四方を、上流側マスク120、下流側マスク122、端部マスク124および端部マスク126で囲うことができる。
【0053】
次に、図1を参照して乾燥部18について説明する。
乾燥部18は、吸着搬送ベルト86(の記録媒体Pが載置される面)に対向して配置された乾燥ファン92を有し、画像記録部16によって画像が記録された記録媒体上のインクを乾かす。乾燥ファン92は、搬送される記録媒体の画像形成面に空気を吹き付けてインクの乾燥を促進させる。
【0054】
ここで、本実施形態では、乾燥ファンでインクを乾燥させる構成としたが、乾燥ファンの代わりにインクの乾燥を促進させるためのヒータを用いてもよく、乾燥をより一層促進させるために乾燥ファンとヒータとを併用してもよい。
なお、記録媒体P上に記録された画像のインクをより短時間で乾燥させることができるため乾燥部を設けることが好ましいが、使用する記録媒体やインクの種類によっては、インクの乾燥状態が異なるため、例えば、インクが直ぐに乾いてしまうような記録媒体またはインクを使用する場合は、乾燥部18を設けなくてもよい。
【0055】
排出部20は、フィードローラ94と、直交搬送ベルト96とを備える。フィードローラ94は、吸着搬送ベルト86の搬送方向下流側に設けられ、吸着搬送ベルト86により搬送されたプリントを画像記録装置の筐体の排出口(図示しない)から外部に排出する。直交搬送ベルト96は、排出口から排出されたプリントを、図1の紙面に対して垂直な方向(手前側)に搬送することができる。
直交搬送ベルト96によって搬送されたプリントは集積トレイ(図示しない)に集積される。集積トレイは、オーダーごとにプリントを仕分けする循環式ソータで構成されていても良い。
画像記録装置10は、基本的に以上のように構成される。
【0056】
次に、画像記録装置10の動作を説明することで、本発明の画像記録装置についてより詳細に説明する。以下では、ロール状記録媒体48に画像を記録(描画)する場合について説明する。なお、記録シート50に画像を記録する場合も記録媒体を所定長さに切断する動作がないことを除いて基本的には同様の工程で画像を記録する。
【0057】
まず、画像記録部16は、使用する記録媒体Pの幅に応じて、マスク機構90のシャフト回転機構136によりシャフト134を回転させ、端部マスク124と端部マスク126との距離(間隔)が記録媒体Pの幅となるように、端部マスク124と端部マスク126を移動させる。
次に、マガジン38の内部のフランジ回転ローラ42、44およびフィードローラ46を回転させ、マガジン38からロール状記録媒体48を引き出す。
引き出されたロール状記録媒体48は、ターンローラ62で方向転換され、フィードローラ64、66で搬送される。
引き出されたロール状記録媒体48がフィードローラ68に到達したとき、フィードローラ68は、回転されておらず、フィードローラ66とフィードローラ68との間にロール状記録媒体48のループが形成される。そして、フィードローラ68からカッタ54までのロール状記録媒体48の長さが一定距離となったら、カッタ54によりロール状記録媒体48が切断され、所定長さの記録媒体Pとなる。
【0058】
カッタ54により切断された記録媒体Pは、フィードローラ68、74、76により搬送され、裏印字ユニット56に対向する位置を通過する際に、記録媒体Pの一方の面(つまり裏面)に裏印字情報が記録される。
【0059】
その後、記録媒体Pは、フィードローラ76、78により搬送され、幅ガイド58により、幅方向の位置と向きが調整された後、画像記録部16のフィードローラ80まで搬送される。
【0060】
画像記録部16まで搬送された記録媒体Pは、さらに搬送され、プラテン84と上流マスク120との間を通過し、幅方向の両端が端部マスク124、126と接触した状態となる。
記録媒体Pは、さらに搬送され、先端が下流側マスク122に到達したら、記録ヘッドユニット100によるインク吐出を開始する。なお、記録媒体Pが下流側マスク122に到達したか否かの検出は、位置検出センサ104により記録媒体Pの先端を検出し、その後搬送された距離から算出しても下流側マスク122に記録媒体Pを検出するセンサを配置してもよい。
【0061】
画像記録部16は、インク吐出手段82の記録ヘッドユニット100を主走査方向に移動させながら記録ヘッドユニット100からインク液滴を記録媒体Pに吐出し、そして、記録ヘッドユニット100が一往復するごとにまたは片方向に移動するごとに、フィードローラ80または吸着搬送ベルト86により、記録ヘッドユニット100による描画領域の長さの分だけ記録媒体Pを搬送方向(以下、「副走査方向」ともいう)に間欠的に送り出す。このような動作を繰り返すことによって記録媒体Pに画像を記録することができる。
ここで、記録ヘッドユニット100は、記録媒体Pに画像を形成する際に、記録媒体Pの両端部よりも外側にもインクを吐出して、画像が記録媒体Pの縁(端部)まで記録される縁無し印刷を行う。なお、記録媒体Pの両端部よりも外側に吐出されたインクは、記録媒体Pの端部に接触している端部マスク124,126上の吸収部材142,144に着弾する。
また、インク吐出手段82は、位置検出センサ104により記録媒体Pの端部を検出することで、確実に記録媒体Pの端部まで画像を記録している。
また、画像記録時、記録媒体Pは、ファン88によりプラテン84に吸引されている。
【0062】
画像記録部16により画像が形成された記録媒体Pは、吸着搬送ベルト86によりさらに搬送される。吸着搬送ベルト86により搬送される際に、乾燥部18によりインクの乾燥が促進され、記録媒体Pに記録された画像は乾燥される。
【0063】
ここで、本発明に係る画像記録装置10の特徴的動作である、画像記録部16における記録媒体Pの搬送制御方法について説明する。
記録媒体Pは、前述の通り、図中左側から画像記録部16に送り込まれる。この状況では、記録媒体Pはファン88によりプラテン84上に吸着されつつ、フィードローラ80により挟持されて搬送される。この搬送は、記録ヘッドユニット100が一往復するごとにまたは片方向に移動するごとに、記録ヘッドユニット100による描画領域の長さの分だけ副走査方向に間欠的に送り出すものであることは前述の通りである。
【0064】
そして、記録媒体Pがさらに搬送されて、その後端がフィードローラ80のセンサローラ80aに達すると、図示されていないセンサがこれを検知して制御部24に信号を送る。制御部24は、この信号を受け取ると、フィードローラ80のニップローラ80bによるフィードローラ80における記録媒体Pのニップを解除して、以後の記録媒体Pの搬送を吸着搬送ベルト86のみに行わせる。
このように、実質的に、複数の搬送機構が同時には記録媒体Pの搬送に関与しないようにすることにより、画像記録部16における記録媒体Pの搬送上の「揺れ」(搬送方向に沿った方向での前後方向への振動)を防止することができ、記録される画像を高画質のものにすることができる。
【0065】
すなわち、フィードローラ80は、メインローラの図中左側(入口側)に小径ローラ80aを、また、図中上側に同じく小径の押圧ローラ80bを備えており、この小径の押圧ローラ80aは記録媒体Pの有無を検知するセンサの機能を有し、小径の押圧ローラ80bはメインローラに対してリフトアップする機構を有するものであり、制御部24からの指示により、図4(A)〜(C)並びに、図5に示すフローチャートに示すように、記録媒体Pを挟持/挟持解除に切り換え可能に構成されている。
【0066】
図4(A)〜(C)に示す動作を以下に説明する。
図4(A)は、記録媒体Pが画像記録部16に送り込まれてきたところを示しており、この段階では、記録媒体Pはフィードローラ80において、メインローラとセンサの機能を有する小径ローラ80aと、同じく小径の押圧ローラ80bは、ともに所定の圧力でメインローラに押圧されており、ニップローラとして機能しているものである。
【0067】
図4(B)は、記録媒体Pがさらに搬送され、その後端がフィードローラ80のセンサの機能を有する小径ローラ80aから外れた瞬間(ステップ150)を示しており、このときに発せられる記録媒体Pの「後端通過信号」に基づいて、フィードローラ80の小径の押圧ローラ80bがニップを解除されたこと(ステップ152)を示している。
この段階では、記録媒体Pは吸着搬送ベルト86のみによって搬送される。なお、この搬送も記録媒体Pを間欠的に送り出すものである。
【0068】
図4(C)は、記録媒体Pがさらに搬送され、次に送り込まれる記録媒体P’の先端がフィードローラ80においてセンサの機能を有する小径ローラ80aにより検出された瞬間(ステップ154)を示している。そして、このときに発せられる記録媒体Pの先端検出信号に基づいて、フィードローラ80の小径の押圧ローラ80bがニップを回復した状況(ステップ156)を示している。
以後は、この3段階の動作が循環して行われることになり、画像記録部16における記録媒体Pの搬送上の「揺れ」を防止し、記録される画像を高画質のものにすることができる。
【0069】
なお、上述の画像記録部16における記録媒体Pの搬送制御方法は、上記実施形態に限られるものではなく、フィードローラ80とその外側に所定の角度だけ巻き付いた短いエンドレスベルトで構成するなど、種々の変更を行うことが可能である。
【0070】
(0050)
記録媒体Pは、その後、フィードローラ94により排出され、図示されていない図の紙面に垂直な方向の直交搬送ベルト96により、所定の集積トレイに集積される。
画像記録装置10は、以上のようにして記録媒体Pに画像を記録する。
【0071】
上記実施形態においては、記録媒体を単列で搬送して画像記録を行う例を示したが、本発明は記録媒体を複数列として搬送しつつ縁なし印刷を行う場合においても、特にシート状の記録紙を用いる画像記録時における記録位置誤差をなくすとともに、記録後における搬送中に画像に傷等が生じないようにした画像記録装置を実現できるという顕著な効果を奏する。
【0072】
なお、上記実施形態は、本発明の一例を示したものであり、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更や改良を行ってもよいことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の画像記録装置の一実施形態の概略構成を示す正面図である。
【図2】図1に示す画像記録装置の画像記録部の周辺部を模式的に示す平面図である。
【図3】(A)は、図2のIIIA−IIIA線断面図であり、(B)は、図2のIIIB−IIIB線断面図である。
【図4】(A)〜(C)は、実施例の画像記録装置の画像記録部の搬送系の詳細を示す模式側面図である。
【図5】画像記録部周辺における記録媒体の搬送制御の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
10 画像記録装置
12 記録媒体装填部
14 記録媒体供給部
16 画像記録部
18 乾燥部
20 排出部
24 制御部
32 ロール状記録媒体装填部
36 記録シートカセット
38 マガジン
40 フランジ
46 フィードローラ
48 ロール状記録媒体
50 記録シート
52 給紙ローラ
54 カッタ
56 裏印字ユニット
58 幅ガイド
64,66,68,70,72,74,76,78,80 フィードローラ
80a センサローラ
80b ニップローラ
82 インク吐出手段
84 プラテン
86 吸着搬送ベルト
88 ファン
90 マスク機構
92 乾燥ファン
94 フィードローラ
96 直交搬送ベルト
100 記録ヘッドユニット
102 ヘッド走査機構
104 位置検出センサ
106 ヘッド支持体
108 シャフト
110 駆動部
120 上流側マスク
122 下流側マスク
124,126 端部マスク
130,132 マスク支持体
134 シャフト
136 シャフト回転機構
138,140 吸収部材
150,152,154,156 処理ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出して画像記録を行う記録ヘッドと、
この記録ヘッドに対向して記録媒体搬送方向に直交する方向に延在する記録媒体支持面を有する吸着プラテンとを有する画像記録装置であって、
前記吸着プラテンの上流に設けられたニップローラ対と、前記吸着プラテンの下流に設けられた吸着搬送ベルトとを有することを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記吸着プラテンの上流に設けられたニップローラ対は、記録媒体のニップを解除可能に構成されており、前記記録ヘッドで記録を行う際に記録対象である記録媒体を間欠搬送するものであって、その表面に滑り止め処理が施されている請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記吸着プラテンの下流に設けられた吸着搬送ベルトは、前記記録ヘッドで記録を行った記録媒体を受け取って、前記ニップローラ対と同期して記録媒体を間欠搬送もしくは連続搬送するものである請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記吸着プラテンの上流に設けられたニップローラ対と前記吸着プラテンの下流に設けられた吸着搬送ベルトとの駆動力の切り換えは、前記記録ヘッドで記録を行った記録媒体が前記吸着搬送ベルトによる搬送が開始され、この吸着搬送ベルトによる搬送力が確保された時点に行われ、同時に前記ニップローラ対は、記録媒体のニップを解除する請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記記録ヘッドで記録を行った記録媒体の前記吸着搬送ベルトによる搬送が開始されてから、この吸着搬送ベルトによる搬送力が確保されるまでの時間は、前記吸着搬送ベルトによる搬送が開始されてから、前記吸着プラテンの上流に設けられたニップローラ対のニップが解除されるまでの時間と等しい請求項2に記載の画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−69782(P2010−69782A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−241182(P2008−241182)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】