説明

画像読み取り装置

【課題】 設置空間を大きくすることなく且つ低コストで透過原稿の内容の確認と読み取りとが可能な画像読み取り装置を提供する。
【解決手段】 原稿が載置される原稿載置面を有する透明なプラテンと、前記プラテンを挟んで前記原稿載置面とは逆側に設けられるキャリッジと、前記プラテンを挟んで前記原稿載置面の側に設けられ、前記プラテンに載置されている透過原稿を照明する第一の光源と、前記第一の光源から放射され前記透過原稿を透過した光を光電変換して前記透過原稿を表す画像信号を出力するイメージセンサと、前記キャリッジに搭載され前記プラテンに向けて面均一な光を放射する面光源と、前記キャリッジを前記プラテンに平行に搬送する搬送部であって、前記面光源が前記原稿載置面を照明する位置で前記キャリッジを停止する搬送部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読み取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にポジフィルム、ネガフィルムなどの透過原稿を画像読み取り装置に読み取らせる場合、間違った透過原稿を読み取らせてしまわないよう、ユーザは読み取らせる前に透過原稿の内容を確認している。この確認は、例えばライトテーブルなどの専用のビューワを用いたり、あるいは蛍光管ランプなどの光にフィルムを透かしたりすることで行っている。ライトテーブルとは、ガラス板などの原稿台の下に面均一な光を放射する面光源を備えたものであって、透過原稿を原稿台上に載置して内容を確認するためのものである。ライトテーブルを用いると、蛍光管ランプなどに透かして確認する場合に比べて確認が容易である。しかしながら、ライトテーブルを用いるためには画像読み取り装置とは別にライトテーブルを用意しなければならないという問題がある。
【0003】
特許文献1には、ライトテーブルが一体化された画像読み取り装置が開示されている。特許文献1に記載の画像読み取り装置は壁掛けタイプの画像読み取り装置であり、透過原稿の上端をクリップで挟んで吊し、クリップをスライドさせて透過原稿をライトボックス(ライトテーブル)の前に移動させることで透過原稿の内容を確認するものである。また、特許文献1に記載の画像読み取り装置は、ライトボックスの隣にプラテンが独立して設けられている。特許文献1に記載の画像読み取り装置ではクリップを搬送することによって透過原稿がプラテンの前を通過し、それにより読み取り対象範囲(主走査範囲)が移動して透過原稿が読み取られる。すなわち、特許文献1に記載の画像読み取り装置は、所謂シートフィード型の画像読み取り装置である。
【0004】
【特許文献1】米国特許第6208437号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の画像読み取り装置によると、透過原稿の読み取り終わった部分が画像読み取り装置からはみ出すので、画像読み取り装置の横に読み取り可能な最大サイズの透過原稿の幅分の空間が必要である。すなわち、特許文献1に記載の画像読み取り装置では、最大サイズの透過原稿とほぼ同じ大きさのライトボックスの空間と、画像読み取り装置の横に最大サイズの透過原稿の幅分の空間とが必要であり、少なくとも最大サイズの透過原稿2つ分の設置空間が必要である。従って、画像読み取り装置の設置空間が大きくなるという問題がある。更に、特許文献1に記載の画像読み取り装置では、ライトボックスは読み取り可能な最大サイズの透過原稿全体を面均一に照明するので、最大サイズの透過原稿全体を面均一に照明できる大きさの面光源が必要であり、透過原稿の内容を確認するためのコストが増大するという問題もある。
本発明は、かかる事情に鑑みて創作されたものであって、設置空間を大きくすることなく且つ低コストで透過原稿の内容の確認と読み取りとが可能な画像読み取り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像読み取り装置は、原稿が載置される原稿載置面を有する透明なプラテンと、前記プラテンを挟んで前記原稿載置面とは逆側に設けられるキャリッジと、前記プラテンを挟んで前記原稿載置面の側に設けられ、前記プラテンに載置されている透過原稿を照明する第一の光源と、前記第一の光源から放射され前記透過原稿を透過した光を光電変換して前記透過原稿を表す画像信号を出力するイメージセンサと、前記キャリッジに搭載され前記プラテンに向けて面均一な光を放射する面光源と、前記キャリッジを前記プラテンに平行に搬送する搬送部であって、前記面光源が前記原稿載置面を照明する位置で前記キャリッジを停止する搬送部と、を備える。本発明によると、原稿台に載置されている透過原稿を読み取るので、透過原稿を搬送する必要がなく、画像読み取り装置の横に読み取り可能な最大サイズの透過原稿の幅分の空間が必要ない。すなわち本発明では設置空間は概ね最大サイズの透過原稿1つ分でよいので、設置空間を小さくできる。また、キャリッジに面光源を搭載しているので、面光源を移動することにより、透過原稿より小さい面光源で透過原稿全体を確認できる。よって、透過原稿の内容を確認するためのコストを低減できる。
【0007】
さらに本発明に係る画像読み取り装置では、前記キャリッジを停止させる位置を選択する位置選択手段を更に備え、前記搬送部は、前記キャリッジを前記位置選択手段で選択された位置で停止する。本発明によると、ユーザは面光源で照明する位置を選択できる。
さらに本発明に係る画像読み取り装置では、前記キャリッジに搭載され、前記プラテンに載置されている反射原稿の主走査線上を照明する第二の光源を更に備える。本発明によると、反射原稿を読み取ることもできる。
【0008】
さらに本発明に係る画像読み取り装置では、前記面光源は、前記第二の光源から放射された光の一部を面均一に放射する。本発明によると、面光源は第二の光源から放射された光の一部を面均一に放射するので、面光源自体が光源を備える必要がない。よって、画像読み取り装置のコストを低減できる。
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、複数の実施例に基づいて本発明の実施の形態を説明する。各実施例において同一の符号が付された構成要素は、その符号が付された他の実施例の構成要素と対応する。
(第一実施例)
図1は、本発明の第一実施例に係る画像読み取り装置としてのイメージスキャナ1の内部構造を示す模式図である。イメージスキャナ1は、プラテンとしての原稿台10に載置された原稿を読み取る所謂フラットベッド型である。
【0010】
原稿台10はガラス板などの透明板で形成され、上を向く面(原稿載置面)10aに印刷文書、写真、書籍などの反射原稿や、35mmストリップフィルム、35mmマウントフィルムなどの透過原稿が載置される。
透過原稿照明部11は、原稿カバー12の原稿台10側に配置されている。透過原稿照明部11は、第一の光源としての透過原稿用光源11a、図示しない拡散板、図示しない反射板等を備える。透過原稿用光源11aは白色冷陰極蛍光ランプなどの照明装置であり、その長手方向軸線がキャリッジ13のガイドロッド14の中心軸線と平行に延びるように配置される。これにより、透過原稿照明部11は透過原稿を均一な照度で照明することができる。
【0011】
キャリッジ13は、筐体39に収容されている。すなわちキャリッジ13は原稿台10を挟んで原稿載置面10aとは逆側に設けられている。キャリッジ13は原稿載置面10aに対し平行なガイドロッド14に摺動自在に嵌合している。キャリッジ13は、第二の光源としての2本の反射原稿用光源15、ミラー16、レンズ17、イメージセンサ18、および面光源22を搭載している。キャリッジ13はキャリッジ搬送用モータ32a(図2参照)によって駆動されるプーリ19に掛けられたベルト20に牽引され、原稿載置面10aと平行なX方向に往復移動する。反射原稿用光源15は、白色冷陰極蛍光ランプなどの照明装置であり、原稿載置面10aに載置された反射原稿を照明する。反射原稿用光源15、ミラー16、レンズ17、及びイメージセンサ18がキャリッジ13によってX方向に運搬されると、反射原稿上の主走査線が移動する。
【0012】
ミラー16、およびレンズ17は、反射原稿用光源15に照明された反射原稿の反射光および透過原稿用光源11aに照明された透過原稿の透過光をイメージセンサ18の受光面に入射させる。
イメージセンサ18は、フォトダイオードなどで構成される図示しないセルが直線的に多数配列された所謂リニアイメージセンサである。イメージセンサ18は多数のセルが管状の反射原稿用光源15の中心軸線と平行に並ぶ姿勢でキャリッジ13に搭載されている。イメージセンサ18の各セルには受光量に応じた電荷が光電変換により蓄積される。各画素に蓄積された電荷は、CCD(Charge Coupled Device)によってイメージセンサ18の出力部に転送される。この電荷転送は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)によって行われてもよい。イメージセンサ18から出力される画像信号は、AFE部21(図2参照)に出力される。
【0013】
面光源22は、ライトパイプ35(図3(A)参照)、反射板37(図3(A)参照)、拡散板38(図3(A)参照)などを備える。面光源22の大きさは原稿載置面10aに比べて小さい。従って、面光源22は原稿載置面10aの全体ではなく、原稿載置面10aの一部の領域のみを面均一に照明する。面光源22は透過原稿の読み取り前にユーザが内容を確認するためのものであり、面光源22が原稿載置面10aの一部の領域を面均一に照明することにより、ユーザは原稿載置面10aの当該一部の領域上に載置されている透過原稿の内容を容易に確認できる。
【0014】
図2は、イメージスキャナ1のハードウェアの主要構成を示すブロック図である。
CPU23は、ROM24に記憶されているプログラムを実行してイメージスキャナ1の各部を制御する。ROM24は各種プログラム、各種データなどを記憶する不揮発性のメモリである。これらの各種プログラムや各種データは、所定のサーバからのネットワークを介したダウンロード、図示しないリムーバブルメモリなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体からの読み出しなどによってROM24に格納される。RAM25は各種プログラム、各種データなどを一時的に記憶するメモリである。RAMコントローラ33は、CPU23、AFE部21、画像処理部26、外部インタフェースコントローラ27などとRAM25との間のデータ転送を制御する。
【0015】
透過原稿用光源コントローラ28は、インバータ回路、制御回路などから構成され、透過原稿用光源11aの点灯、消灯を制御する。
反射原稿用光源コントローラ29は、インバータ回路、制御回路などから構成され、反射原稿用光源15の点灯、消灯を制御する。
面光源コントローラ30は、インバータ回路、制御回路などから構成され、面光源22の点灯、消灯を制御する。
【0016】
イメージセンサコントローラ31はイメージセンサ18を駆動するために必要な駆動パルスをイメージセンサ18に出力する駆動回路であり、例えば同期信号発生器、駆動用タイミングジェネレータなどから構成される。
キャリッジコントローラ32は、キャリッジ搬送用モータ32a、キャリッジ搬送用モータ駆動回路、制御回路などから構成される。キャリッジコントローラ32は、CPU23から送信されるキャリッジ搬送制御信号を受信し、キャリッジ搬送用モータ32aの回転方向、回転速度などを制御する。
【0017】
アナログフロントエンド(AFE)部21は、CDS(Correlated Double Sampling)処理、画像の黒レベルを再現するためのオプティカル・ブラック・クランプ制御、画像の電気信号のゲインの調整による電気信号のレベル調整処理、量子化処理などを行ってディジタル化されたスキャン画像をRAMコントローラ33を介してRAM25に格納する。
【0018】
画像処理部26は、RAM25に記憶されているスキャン画像に対し、ガンマ補正、シェーディング補正などの画像処理を施すための信号処理をCPU23と協働して行うDSP(Digital Signal Processor)である。
位置選択手段としての外部インタフェースコントローラ27は、イメージスキャナ1とPC(Personal Computer)などの外部システムとを通信可能に接続する。外部インタフェースコントローラ27は、外部システムから位置指定信号を受信することで、キャリッジ13を停止させる位置を選択する位置選択手段として機能する。なお、イメージスキャナ1の図示しない操作部で停止させる位置を選択するようにしてもよい。
【0019】
ガイドロッド14、プーリ19、ベルト20、CPU23、およびキャリッジコントローラ32は、特許請求の範囲に記載の「搬送部」に相当する。CPU23、および外部インタフェースコントローラ27は、特許請求の範囲に記載の「位置選択手段」に相当する。
次に、面光源22について説明する。
【0020】
図3(A)はキャリッジ13を上から見た模式図であり、図3(B)は図3(A)に示すII−II線の断面図である。図3(A)においてX方向は主走査方向であり、Y方向は副走査方向である。キャリッジ13は主走査方向の幅が狭い小幅部13aと、小幅部13aよりも主走査方向の幅が広い大幅部13bとを有している。反射原稿用光源15は大幅部13bに収容されており、面光源22は小幅部13aに収容されている。
【0021】
面光源22は、ライトパイプ35、導光板36、光を反射する反射シート37、及び光を拡散させる性質を持つ半透明な拡散シート38を備える。面光源22は、主走査方向の中心が原稿載置面10aの主走査方向の中心と一致するように設けられている。
導光板36は透明度の高いガラス等で形成されている。拡散シート38は導光板36の上面に貼り付けられている。反射シート37は導光板36の下面と、導光板36の4つの端面のうちの対抗する2つの端面とに貼り付けられている。なお、第一実施例では導光板36を用いる場合を例に説明するが、必ずしも導光板36を用いる必要はない。具体的には例えば、拡散シート38の代わりに拡散シート38より強度の高い拡散板を用い、また、反射シート37の代わりに反射シート37より強度の高い反射板を用いると、それらは導光板36がなくても姿勢を維持できるので、導光板36を不要にすることができる。
【0022】
2つのライトパイプ35は、導光板36の4つの端面のうち、反射シート37が貼り付けられていない2つの端面に沿って配置されている。ライトパイプ35は、白色の光を放射する発光ダイオード35aと、図4(A)および図4(B)に示すように発光ダイオード35aから放射された光を導光板36内に入射させる反射板35bとを有している。ここで図4(B)は図4(A)に示すII−II線の断面図である。反射板35bは図4(B)に示すように溝を形成する形状に形成されており、反射板35bの内壁面と導光板36の端面とによって主走査方向の両端が開口した開空間が形成されている。発光ダイオード35aは、反射板35bと導光板36とによって形成されている開空間の両端に当該開空間を閉じるようにして設けられている。発光ダイオード35aとしては、白色発光ダイオードを設けてもよいし、赤色発光ダイオード、青色発光ダイオード、及び緑色発光ダイオードの3つを設けてもよい。
【0023】
発光ダイオード35aの光は図4(A)に示すように開空間に向かって放射され、放射された光は直接、あるいは反射板35bに反射されて導光板36に入射する。導光板36に入射した光は図4(B)に示すように反射シート37によって反射されながら導光板36内を進行して拡散シート38に入射する。拡散シート38に入射した光は拡散シート38で拡散されて上方に面均一に放射される。なお、図4(B)では理解を容易にするため導光板36の切断面については平行斜線を省略して示している。
【0024】
次に、透過原稿の載置について説明する。
図5は、原稿載置面10aに載置されている透過原稿を模式的に示す上面図である。第一実施例では透過原稿として複数の画像が一定の間隔をおいて記録されている35mmストリップフィルム(以下「ストリップフィルム」という)を例に説明する。なお、透過原稿は例えば35mmマウントフィルムであってもよい。図中の網掛け領域はストリップフィルム41および42において画像が記録されている領域を示しており、以降の説明では画像が形成されている各領域のことをフレームというものとする。
【0025】
第一実施例ではストリップフィルム41および42はホルダ43に保持されて原稿台10上に位置決めされる。具体的には例えば、ホルダ43が原稿台10と筐体39(図1参照)との段差39a(図1参照)に当接して位置決めされることによってストリップフィルム41および42が原稿載置面10a上に位置決めされて載置される。2つのストリップフィルム41および42のうち、原稿載置面10aの主走査方向の中心に位置している方のストリップフィルム41が読み取り対象となる。また、第一実施例では面光源22は主走査方向の中心位置が原稿載置面10aの主走査方向の中心位置に重なるように設けられているので、面光源22が点灯したとき、ストリップフィルム41のみ内容を確認可能である。なお、ストリップフィルム41およびストリップフィルム42の内容を同時に確認できるだけの大きさの面光源を備えてもよい。図5において破線44で示すキャリッジ13はホームポジションにあるキャリッジ13であって、面光源22が点灯されていないキャリッジ13を示している。面光源22が点灯されていないので各フレームに記録されている画像はいずれも暗く、フレームにどのような画像が記録されているのかを確認したり、記録されている画像の微妙な色あいを確認したりすることは困難である。
【0026】
次に、イメージスキャナ1の作動について説明する。
始めに、面光源22でフレームを照明する作動について説明する。この作動は、ユーザがPCを操作してストリップフィルムのフレームを選択し、キャリッジ13の移動を指示すると開始される。
ユーザがキャリッジ13の移動を指示すると、選択されたフレーム位置を示す位置指定信号がPCからイメージスキャナ1に送信される。外部インタフェースコントローラ27を介して位置指定信号を受信したCPU23は、面光源コントローラ32を制御して発光ダイオード35aを点灯させるとともに、キャリッジコントローラ32を制御してキャリッジ13を搬送し、位置指定信号が示すフレーム位置でキャリッジ13を停止させる。
【0027】
図6は、選択されたフレーム位置でキャリッジ13を停止した様子を模式的に示す上面図である。図6はユーザが3番目のフレームを選択した場合を示している。キャリッジ13を停止すると選択されたフレームが面光源22によって図示するように面均一に照明されるので、ユーザはフレームの内容を容易に確認することができる。
【0028】
CPU23は、ユーザが別のフレームを選択してキャリッジ13の移動を指示する毎に、当該別のフレームが面光源22に照明される位置にキャリッジ13を搬送させる。これによりユーザはストリップフィルム41の任意のフレームの内容を確認できる。このように、面光源22をキャリッジ13に搭載して搬送するので、小さな面光源22でストリップフィルム41全体を確認することができる。よって、ストリップフィルム41の内容を確認するためのコストを低減できる。
【0029】
なお、例えば、ホルダ43にマウントフィルムを保持させた場合とストリップフィルムを保持させた場合とではフレームの位置が異なるので、マウントフィルムとストリップフィルムとではキャリッジ13が停止する位置は必ずしも一致しない。
また、第一実施例ではユーザがフレームを選択する場合を例に説明したが、ユーザがキャリッジ13の移動を指示するとキャリッジ13のホームポジションに最も近いフレームが照明される位置までキャリッジ13を搬送し、以降、キャリッジ13の移動が指示される毎に隣のフレームを順に照明していくようにしてもよい。
【0030】
次に、ストリップフィルムを読み取る作動について説明する。この作動は、ストリップフィルムが図5に示すように原稿載置面10aに載置されている状態で、ユーザがPCを操作してイメージスキャナ1に読み取りを指示すると開始される。なお、ストリップフィルムの読み取りでは、ユーザにフレームを選択させて選択されたフレームだけを読み取ってもよいし、全てのフレームを一括して読み取ってもよい。
(1)CPU23は、透過原稿用光源11aを点灯させるとともに、キャリッジコントローラ32を制御してキャリッジ13を一定の速度で搬送させる。
(2)CPU23は、イメージセンサコントローラ31を制御してシフトパルス等の駆動パルスをイメージセンサ18に所定のシーケンスで入力する。これによりフレームの主走査線上の透過光像に相関した量の電荷(信号電荷)がイメージセンサ18に蓄積され、蓄積された電荷はCCD等により画像信号としてAFE部21に出力される。
(3)AFE部21は、出力された画像信号に所定の処理を施してディジタル画像データに変換し、画像処理部26に出力する。
(4)画像処理部26は、ディジタル画像データに所定の処理を施し、PCに転送する。
【0031】
上述した(2)〜(4)の処理を繰り返すことにより、フレームに記録されている画像を表す画像データがPCにおいて取得される。
反射原稿を読み取る作動については、原稿カバー12の原稿台10側に透過原稿照明部11を覆う原稿マットが取り付けられること、および反射原稿用光源15から光が放射されること以外は透過原稿を読み取る作動と実質的に同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0032】
以上説明した本発明の第一実施例に係るイメージスキャナ1によると、原稿台10に載置されている透過原稿を読み取るので、イメージスキャナ1の横に読み取り可能な最大サイズの透過原稿の幅分の空間が必要なく、設置空間は読み取り可能な最大サイズの透過原稿の概ね1つ分でよい。従って設置空間を小さくできる。また、キャリッジ13に面光源22を搭載しているので、面光源22を移動することにより、ストリップフィルムより小さい面光源22でストリップフィルム全体を確認できる。よって、面光源22のコストを低減でき、ストリップフィルムの内容を確認するためのコストを低減できる。
【0033】
(第二実施例)
図7(A)は本発明の第二実施例に係る画像読み取り装置のキャリッジ50を上面から見た模式図であり、図7(B)は図7(A)に示すII−II線の断面図である。第二実施例の面光源51は、導光板36、反射シート52、拡散シート38、およびライトパイプ53を備えている。反射シート52は、導光板36の主走査方向の両端面、反射原稿用光源15とは逆側の端面、および下面に貼り付けられており、反射原稿用光源15側の端面には反射シートは貼り付けられていない。第二実施例のライトパイプ53は図7(B)に示すように2つの反射板53a、53bで構成されている。2つの反射板53a、53bは導光板36と反射原稿用光源15との間に上下に離間して平行に配置されており、反射原稿用光源15から放射された光を導光板36の端面まで導光する。これにより反射原稿用光源15から放射された光の一部が導光板36に入射し、原稿台10に向かって面均一に放射される。
第二実施例の画像読み取り装置によると、面光源51の光源として反射原稿用光源15を用いるので、面光源51用の光源を別途備える必要がなく、画像読み取り装置のコストを低減できる。
【0034】
(第三実施例)
図8(A)は本発明の第三実施例に係る画像読み取り装置のキャリッジ60を上面から見た模式図であり、図8(B)は図8(A)に示すII−II線の断面図である。第三実施例の面光源61は、導光板36、複数の発光ダイオード62、第二実施例で説明した反射シート52、および拡散シート38を備えている。第三実施例では導光板36の端面であって主走査方向に延びる2つの端面の一方に沿って複数の発光ダイオード62が配置されており、発光ダイオード62から放射された光が導光板36内に直接入射する。なお、発光ダイオード62は導光板36のいずれの端面に配置してもよいし、複数の端面に配置してもよい。
【0035】
第三実施例の画像読み取り装置によると、面光源61の光源として複数の発光ダイオード62を備え、それらが発光する光が導光板36に直接入射するので、第一実施例の面光源22に比べてより明るい光を放射できる。従って、ストリップフィルムの内容をより容易に確認できる。
【0036】
(第四実施例)
図9(A)は本発明の第四実施例に係る画像読み取り装置のキャリッジ70を上面から見た模式図であり、図9(B)は図9(A)に示すII−II線の断面図である。第四実施例の画像読み取り装置は、第三実施例の画像読み取り装置の発光ダイオード62を、図9(B)に示すように白色冷陰極蛍光ランプなどの照明装置53に置き換え、照明装置53を囲うように反射板54を備えたものである。第四実施例の画像読み取り装置の効果は第三実施例の画像読み取り装置の効果と実質的に同一である。
【0037】
尚、本発明は、原稿台10に対してイメージセンサ及びレンズの位置を固定し、複数のミラーを連動して移動させることによって主走査線を移動させるミラー移動型イメージスキャナにも適応できる。さらに本発明は、画像読み取り機能を備えた複写機やファクシミリにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第一実施例に係る画像読み取り装置の内部構造を示す模式図。
【図2】本発明の第一実施例に係る画像読み取り装置のブロック図。
【図3】(A)は本発明の第一実施例に係るキャリッジを上から見た模式図、(B)は(A)に示すII−II線の断面図。
【図4】(A)は本発明の第一実施例に係る面光源を上から見た模式図、(B)は(A)に示すII−II線の断面図。
【図5】本発明の第一実施例に係る画像読み取り装置を上から見た模式図。
【図6】本発明の第一実施例に係る画像読み取り装置を上から見た模式図。
【図7】(A)は本発明の第二実施例に係るキャリッジを上から見た模式図、(B)は(A)に示すII−II線の断面図。
【図8】(A)は本発明の第三実施例に係るキャリッジを上から見た模式図、(B)は(A)に示すII−II線の断面図。
【図9】(A)は本発明の第四実施例に係るキャリッジを上から見た模式図、(B)は(A)に示すII−II線の断面図。
【符号の説明】
【0039】
1 イメージスキャナ、10 原稿台(プラテン)、10a 原稿載置面、11a 透過原稿用光源(第一の光源)、13 キャリッジ、14 ガイドロッド(搬送部)、15 反射原稿用光源(第二の光源)、18 イメージセンサ、19 プーリ(搬送部)、20 ベルト(搬送部)、22 面光源、23 CPU(搬送部、位置選択手段)、27 外部インタフェースコントローラ(位置選択手段)、32 キャリッジコントローラ(搬送部)、50 キャリッジ、51 面光源、60 キャリッジ、61 面光源、70 キャリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿が載置される原稿載置面を有する透明なプラテンと、
前記プラテンを挟んで前記原稿載置面とは逆側に設けられるキャリッジと、
前記プラテンを挟んで前記原稿載置面の側に設けられ、前記プラテンに載置されている透過原稿を照明する第一の光源と、
前記第一の光源から放射され前記透過原稿を透過した光を光電変換して前記透過原稿を表す画像信号を出力するイメージセンサと、
前記キャリッジに搭載され前記プラテンに向けて面均一な光を放射する面光源と、
前記キャリッジを前記プラテンに平行に搬送する搬送部であって、前記面光源が前記原稿載置面を照明する位置で前記キャリッジを停止する搬送部と、
を備えることを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項2】
前記キャリッジを停止させる位置を選択する位置選択手段を更に備え、
前記搬送部は、前記キャリッジを前記位置選択手段で選択された位置で停止することを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り装置。
【請求項3】
前記キャリッジに搭載され、前記プラテンに載置されている反射原稿の主走査線上を照明する第二の光源を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読み取り装置。
【請求項4】
前記面光源は、前記第二の光源から放射された光の一部を面均一に放射することを特徴とする請求項3に記載の画像読み取り装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−253926(P2006−253926A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−65817(P2005−65817)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】