説明

画像読み取り装置

【課題】開放したカバー上に原稿の一部を載置することができるようにすることによって、装置をはみ出してしまうような大きな原稿であっても、オペレータが手で原稿を支える必要がなく、簡単に原稿の画像を読み取らせる操作を行うことができるようにする。
【解決手段】原稿を載置する原稿載置台と、該原稿載置台上を開閉するカバーとを有し、前記原稿載置台上に載置される原稿の画像を読み取る画像読み取り装置10であって、前記カバーは、開放状態において、前記原稿載置台上に載置される原稿の少なくとも一部分を載置することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読み取り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写装置、ファクシミリ装置等は、カット紙等のシート状の原稿又は本等の冊子状の原稿の画像を読み取るための画像読み取り装置を備え、該画像読み取り装置は移動可能に配設された読み取りセンサ、原稿を載置するためのガラス板、及び、該ガラス板上に載置された原稿を押さえるためのカバーを備える。前記読み取りセンサは、原稿を走査しながら、照明装置から照射されて原稿の表面で反射された光をガラス板を通して検出する。そして、該ガラス板を支持するためのガラス板支持部が配設され、該ガラス板支持部の一辺に沿って配設されたヒンジ機構によって、前記カバーが揺動自在に支持される(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−261624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の画像読み取り装置においては、原稿である本や冊子等の見開きの片側のページのみを読み取りたい場合や、見開きの両方のページを読み取りたいが、ガラス板サイズが片側のページサイズしかない場合は、前記原稿が装置をはみ出してしまうため、オペレータは原稿が落下しないように保持する必要があった。このような場合、装置から飛び出した原稿を支えながら読み取り動作を行わなければならず、作業中に原稿がずれてしまうおそれがある。
【0004】
また、前記従来の画像読み取り装置がコンピュータ等に接続されて画像を読み取る場合には、オペレータはコンピュータの操作を行う必要があり、手で原稿を押さえることができなかった。
【0005】
本発明は、前記従来の画像読み取り装置の問題点を解決して、開放したカバー上に原稿の一部を載置することができるようにすることによって、装置をはみ出してしまうような大きな原稿であっても、オペレータが手で原稿を支える必要がなく、簡単に原稿の画像を読み取らせる操作を行うことができる画像読み取り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明の画像読み取り装置においては、原稿を載置する原稿載置台と、該原稿載置台上を開閉するカバーとを有し、前記原稿載置台上に載置される原稿の画像を読み取る画像読み取り装置であって、前記カバーは、開放状態において、前記原稿載置台上に載置される原稿の少なくとも一部分を載置することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像読み取り装置は、開放したカバー上に原稿の一部を載置することができるようになっている。そのため、装置をはみ出してしまうような大きな原稿であっても、オペレータが手で原稿を支える必要がなく、簡単に原稿の画像を読み取らせる操作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明の第1の実施の形態における画像読み取り装置の第1の例を示す第1の斜視図、図2は本発明の第1の実施の形態における画像読み取り装置の第1の例を示す第2の斜視図である。
【0010】
図1及び2において、10は本実施の形態における画像読み取り装置であり、原稿載置台としての画像読み取り装置本体11及びカバーとしてのガラス板支持部カバー13を有する。前記画像読み取り装置本体11は、図示されないCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の読み取りセンサ、センサ駆動部、レンズ、ミラー等の光学装置、蛍光灯等の照明装置、画像処理部等のセンサモジュールを備え、原稿の表面を走査して原稿のイメージ、すなわち、画像を読み取るようになっている。また、前記画像読み取り装置本体11は、ガラス板12aを支持するガラス板支持部12を備え、前記読み取りセンサは、前記ガラス板支持部12上に載置された原稿の画像を読み取るようになっている。この場合、前記読み取りセンサは、センサ駆動部によって図1及び2における左右方向に一定速度で移動させられ、前記原稿を走査しながら、照明装置から照射されて原稿の表面で反射された光をガラス板12aを通して検出する。
【0011】
そして、前記ガラス板支持部12の一辺に沿って回動支点としてのヒンジ部15が配設され、ガラス板支持部カバー13が前記ヒンジ部15を介して回動可能に前記ガラス板支持部12に取り付けられている。これにより、前記ガラス板支持部カバー13は、前記ガラス板支持部12に対して開閉可能になっている。図1は、ガラス板支持部カバー13を開放した状態を示している。通常の原稿、すなわち、大きさが前記ガラス板支持部12の大きさよりも小さい原稿の画像を読み取る場合、オペレータは、前記ガラス板支持部カバー13を図1に示されるような位置にまで回動させ、ガラス板支持部12を開放して該ガラス板支持部12上に原稿を載置した後、前記ガラス板支持部カバー13を反対方向に回動させて閉止した状態にする。これにより、ガラス板支持部カバー13は、後ろからガラス板支持部12上に載置された原稿を覆うようにして、ガラス板支持部12の上面を閉止する。
【0012】
なお、前記ヒンジ部15は、後述される開放可能なロック機構を備え、通常では、ガラス板支持部カバー13がガラス板支持部12に対して90度以上の角度に開くことを防止している。しかし、冊子等の原稿の見開きページのように、大きさが前記ガラス板支持部12の大きさよりも大きい原稿の画像を読み取る場合、前記ヒンジ部15のロック機構を開放することによって、ガラス板支持部カバー13がガラス板支持部12に対して90度以上の角度に開くことができ、図2に示されるように、ガラス板支持部カバー13とガラス板支持部12とが略同一平面を形成することができるようになっている。
【0013】
ここで、ガラス板支持部カバー13の背面、すなわち、ガラス板支持部12と対向する面の反対側の面には、支持部としてのガラス板支持部カバー支え部14が、図示されない蝶番(ちょうつがい)等によって、回動可能に取り付けられている。なお、前記ガラス板支持部カバー支え部14は、図1及び2に示されるように、不使用状態と使用状態とに固定可能となるロック式のものを使用することがより好ましいが、回動可能であれば、どのように取り付けられていてもよい。そして、前記ガラス板支持部カバー支え部14は、不使用時には、図1に示されるように、ガラス板支持部カバー13に平行となるように折り畳まれた状態となり、使用時には、図2に示されるように、図示されない回動支点を中心にガラス板支持部カバー13に対して垂直に展開し、画像読み取り装置10が載置されている後述される載置台17等の上面に当接して、前記ガラス板支持部カバー13を支えるようになっている。前記ガラス板支持部カバー支え部14の大きさ、厚さや面積、材質、取り付け位置等は適宜変更可能であり、ガラス板支持部カバー13を支持可能な強度が得られれば形状や設置位置、材質等はどのようなものであってもよい。
【0014】
次に、本実施の形態におけるヒンジ部15のロック機構の構成について説明する。
【0015】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるヒンジ部のロック機構の構成を示す第1の図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるヒンジ部のロック機構の構成を示す第2の図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるヒンジ部のロック機構におけるカムの位置関係を示す図である。
【0016】
ガラス板支持部カバー13が、図3(a)に示されるように、ガラス板支持部12の上面を閉止する状態から、該ガラス板支持部12に対して90度の角度になるまでの範囲にあるとき、ヒンジ部15のロック機構は、図3(b)に示されるような状態になっている。前記ヒンジ部15は、横断面が略D字形状のヒンジシャフト15aを備え、該ヒンジシャフト15aは、画像読み取り装置本体11に形成され、横断面が略D字形状の貫通孔(こう)を備えるヒンジ軸受け部15cに回転不能に、かつ、軸方向に移動可能に挿入されている。また、前記ヒンジシャフト15aには、ガラス板支持部12に形成され、横断面が円形の貫通孔を備えるガラス板軸受け部13aに回転可能に、かつ、軸方向に移動可能に挿入されている。これにより、ガラス板支持部12は、画像読み取り装置本体11に対して、ヒンジシャフト15aを中心にして回転することができる。
【0017】
なお、前記ガラス板軸受け部13aにカバーカム部13bが一体的に形成されている。そして、前記ヒンジシャフト15aの内側端には、前記カバーカム部13bと係合可能なヒンジロック用カム部15dが取り付けられている。前記カバーカム部13bとヒンジロック用カム部15dとは、ガラス板支持部カバー13が、ガラス板支持部12の上面を閉止する状態から該ガラス板支持部12に対して90度の角度になるまでの範囲では係合しないが、ガラス板支持部カバー13がガラス板支持部12に対して90度の角度になると相互に係合する。これにより、ガラス板支持部カバー13がガラス板支持部12に対して90度以上の角度になることを防止するようになっている。
【0018】
また、前記ヒンジシャフト15aの外側端にはヒンジロック解除ボタン15eが取り付けられ、該ヒンジロック解除ボタン15eとヒンジ軸受け部15cとの間にコイルスプリングから成るヒンジロックスプリング15bが圧縮力を受けた状態で挿入されている。これにより、前記ヒンジシャフト15aは、ヒンジロックスプリング15bによって外側方向へ付勢されている。
【0019】
そして、ガラス板支持部カバー13をガラス板支持部12に対して90度以上の角度にする場合には、図4(b)において矢印で示される方向の力をヒンジロック解除ボタン15eに付与するようになっている。前記力がヒンジロックスプリング15bの付勢力に打ち勝つと、ヒンジシャフト15aが内側に向けて軸方向に移動し、ヒンジロック用カム部15dがガラス板軸受け部13aから離間してカバーカム部13bと係合不能となる。これにより、図4(a)に示されるように、ガラス板支持部カバー13とガラス板支持部12とが同一平面を形成することができる。
【0020】
ここで、ガラス板支持部カバー13とガラス板支持部12との角度と、カバーカム部13bとヒンジロック用カム部15dとの係合関係とを関連付けて説明すると、図5に示されるようになる。図5(c)に示されるように、ガラス板支持部カバー13がガラス板支持部12の上面を閉止する状態、すなわち、ガラス板支持部カバー13とガラス板支持部12との角度が0度であるとき、カバーカム部13bがヒンジロック用カム部15dに対して90度回転した位置にあるので、カバーカム部13bとヒンジロック用カム部15dとは係合しない。すなわち、カムとガラス板支持部カバー13とはフリー状態である。なお、該フリー状態は、ガラス板支持部カバー13とガラス板支持部12との角度が0〜90度の範囲で維持される。
【0021】
そして、ガラス板支持部カバー13を、ヒンジ部15を中心にしてガラス板支持部12に対して回転させ、図5(b)に示されるように、ガラス板支持部カバー13とガラス板支持部12との角度が90度になると、カバーカム部13bとヒンジロック用カム部15dとが相互に係合する。すなわち、カムがロックし、ガラス板支持部カバー13は90度開いて止まる。この状態で、オペレータがヒンジロック解除ボタン15eを押して、図4(b)において矢印で示される方向の力をヒンジロック解除ボタン15eに付与すると、ヒンジシャフト15aが内側に向けて軸方向に移動し、ヒンジロック用カム部15dがガラス板軸受け部13aから離間してカバーカム部13bと係合が外れる。すなわち、カムのロックが解除される。
【0022】
すると、ガラス板支持部カバー13を、ヒンジ部15を中心にしてガラス板支持部12に対して更に回転させ、図5(c)に示されるように、ガラス板支持部カバー13とガラス板支持部12との角度を180度にすることができる。すなわち、カムのロック解除によって、ガラス板支持部カバー13は180度まで開く。このとき、カバーカム部13bがヒンジロック用カム部15dに対して90度回転した位置にある。なお、ガラス板支持部カバー13を反対方向に回転させて、図5(c)に示されるように、ガラス板支持部カバー13がガラス板支持部12の上面を閉止する状態にする際には、カバーカム部13b及びヒンジロック用カム部15dの反対側の面が傾斜しているので相互に係合しないようになっている。そのため、オペレータは、ガラス板支持部カバー13を回転させるだけでよく、ヒンジロック解除ボタン15eを押す必要がない。すなわち、閉じる際には、ロック解除は不要である。
【0023】
このように、本実施の形態におけるヒンジ部15のロック機構においては、ヒンジロック解除ボタン15eを押すことによって、ヒンジロック用カム部15dとカバーカム部13bとの係合が外れ、ガラス板支持部カバー13を、通常における90度の範囲でなく、180度の範囲で開閉させることができる。また、ガラス板支持部カバー13を開く際にはヒンジロック解除ボタン15eを押す必要があるが、ガラス板支持部カバー13を閉じる際にはヒンジロック解除ボタン15eを押す必要がないので操作性が良好である。
【0024】
次に、本実施の形態における画像読み取り装置10の第1の変形例を説明する。
【0025】
図6は本発明の第1の実施の形態における画像読み取り装置の第2の例を示す第1の斜視図、図7は本発明の第1の実施の形態における画像読み取り装置の第2の例を示す第2の斜視図、図8は本発明の第1の実施の形態における画像読み取り装置の第2の例を示す側面図である。
【0026】
図6〜8に示される例においては、前記ガラス板支持部カバー支え部14の大きさが図1及び2に示される例と相違している。前記ガラス板支持部カバー支え部14の長さは、図1及び2に示される例よりも長く、ガラス板支持部カバー13の横方向(ヒンジ部15の回動軸方向に直交する方向の寸法)の幅寸法に近い長さとなっている。さらに、画像読み取り装置本体11におけるヒンジ部15が取り付けられている側部の下辺部に、前記ガラス板支持部カバー支え部14を支持する受け部14aが取り付けられている。なお、図6は、図1と同様に、ガラス板支持部カバー13を開放した状態を示し、図7は、図2と同様に、ガラス板支持部カバー13とガラス板支持部12とが同一平面を形成する状態を示し、図8は、図7に示される状態の画像読み取り装置10の側面を示している。
【0027】
そして、冊子等の原稿の見開きページのように、大きさが前記ガラス板支持部12の大きさよりも大きい原稿の画像を読み取る場合、前記ヒンジ部15のロック機構を開放して、ガラス板支持部カバー13をガラス板支持部12に対して180度の角度に開き、ガラス板支持部カバー13とガラス板支持部12とが略同一平面を形成する。この場合、ガラス板支持部カバー支え部14をガラス板支持部カバー13に対して垂直に展開すると、図7及び8に示されるように、ガラス板支持部カバー支え部14が受け部14aによって支持されるようになっている。そのため、画像読み取り装置10が載置台17の端部に配設された場合であっても、ガラス板支持部カバー13は、ガラス板支持部カバー支え部14及び受け部14aによって下方から支えられるので、水平を維持することができ、原稿をガラス板支持部カバー13上に載置することができる。
【0028】
次に、本実施の形態における画像読み取り装置10の第2の変形例を説明する。
【0029】
図9は本発明の第1の実施の形態における画像読み取り装置の第3の例を示す斜視図である。
【0030】
図9に示される例においては、ガラス板支持部カバー13に収納凹部14bが形成され、ガラス板支持部カバー支え部14の不使用時には、該ガラス板支持部カバー支え部14が前記収納凹部14bに収納されるようになっている。なお、ガラス板支持部カバー支え部14は、蝶番14cによって、ガラス板支持部カバー13に対して回転可能に取り付けられている。また、前記収納凹部14bの深さは、収納されたガラス板支持部カバー支え部14の背面とガラス板支持部カバー13とが略同一平面となる程度の寸法になっている。そのため、ガラス板支持部カバー支え部14の不使用時には、ガラス板支持部カバー13の背面は、突出物のない平面となり、画像読み取り装置10の取り扱いが容易になる。
【0031】
次に、本実施の形態における画像読み取り装置10の第3の変形例を説明する。
【0032】
図10は本発明の第1の実施の形態における画像読み取り装置の第4の例を示す側面図である。
【0033】
図10に示される例においては、前記ガラス板支持部カバー支え部14の取り付けられる位置が図1及び2に示される例と相違している。この場合、ガラス板支持部カバー支え部14は、ガラス板支持部カバー13においてヒンジ部15が取り付けられている辺に近接した位置に取り付けられている。そして、前記ヒンジ部15のロック機構を開放して、ガラス板支持部カバー13をガラス板支持部12に対して180度の角度に開き、ガラス板支持部カバー13とガラス板支持部12とが略同一平面を形成するようにしたときに、ガラス板支持部カバー支え部14をガラス板支持部カバー13に対して垂直に展開すると、図10に示されるように、ガラス板支持部カバー支え部14の短辺が画像読み取り装置本体11の側部に当接して支持されるようになっている。そのため、画像読み取り装置10が載置台17の端部に配設された場合であっても、ガラス板支持部カバー13は、ガラス板支持部カバー支え部14が画像読み取り装置本体11の側部に当接することによって下方から支えられるので、水平を維持することができ、原稿をガラス板支持部カバー13上に載置することができる。
【0034】
次に、前記構成の画像読み取り装置10の動作について説明する。
【0035】
図11は本発明の第1の実施の形態における画像読み取り装置のガラス板支持部に冊子状の原稿を載置した状態を示す図である。
【0036】
画像読み取り装置10によって冊子状の原稿18、例えば、本の所定のページの画像を読み取る場合、オペレータは、前記原稿18を見開きの状態とし、前記ページを下向きにしてガラス板支持部12のガラス板12a上に載置する。ここで、見開きの状態の原稿18のサイズが前記ガラス板支持部12のサイズよりも大きい場合、オペレータは、図11に示されるように、ガラス板支持部カバー13を180度まで開き、ガラス板支持部カバー13とガラス板支持部12とが略同一平面を形成するようにして、ガラス板支持部カバー13の上に見開きの状態の原稿18の一部を載置する。
【0037】
この場合、オペレータは、ヒンジ部15のヒンジロック解除ボタン15eを押して、ヒンジロック用カム部15dとカバーカム部13bとの係合を外し、カムのロックを解除する。これにより、ガラス板支持部カバー13は180度まで開き、該ガラス板支持部カバー13とガラス板支持部12とが略同一平面を形成するようになる。また、オペレータは、ガラス板支持部カバー支え部14をガラス板支持部カバー13に対して垂直に展開する。これにより、ガラス板支持部カバー13は、ガラス板支持部カバー支え部14によって下方から支えられるので、水平を維持することができ、原稿18の一部をガラス板支持部カバー13上に載置することができる。そして、前記原稿18の重量は、ガラス板支持部カバー支え部14によって支持される。
【0038】
このように、本実施の形態においては、ヒンジ部15におけるカムのロックを解除することによって、ガラス板支持部カバー13を180度まで開き、該ガラス板支持部カバー13とガラス板支持部12とが略同一平面を形成することができ、かつ、ガラス板支持部カバー13をガラス板支持部カバー支え部14によって下方から支えて水平を維持することができるようになっている。そのため、本のようにサイズの大きな原稿18でも、無理なくガラス板支持部12上に載置することができ、オペレータは、手で原稿18を支える必要がなく、簡単に原稿18の画像を読み取らせる操作を行うことができる。
【0039】
また、ガラス板支持部カバー支え部14を受け部14a又は画像読み取り装置本体11の側部によって下方から支えるようにすることによって、画像読み取り装置10の設置スペースが狭く、画像読み取り装置10が載置台17の端部に配設された場合であっても、ガラス板支持部カバー13の水平を維持することができる。そのため、ガラス板支持部カバー13を原稿18を載置する補助台として使用することができ、ガラス板支持部カバー13上に原稿18を載置することができる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び効果についてもその説明を省略する。
【0041】
図12は本発明の第2の実施の形態における画像読み取り装置を示す斜視図である。
【0042】
本実施の形態における画像読み取り装置10は、図12に示されるように、画像読み取り装置本体11の両側部上端に形成された案内部としてのガラス板支持部カバー移動レール22を有する。なお、該ガラス板支持部カバー移動レール22は、ガラス板支持部12の対向する短辺に沿って延在する。そして、ガラス板支持部カバー13の両端に取り付けられたヒンジ部15が前記ガラス板支持部カバー移動レール22に移動可能に係合する。なお、前記ヒンジ部15にはヒンジ部ロック21が取り付けられ、該ヒンジ部ロック21がロックしている状態にあるときはヒンジ部15のガラス板支持部カバー移動レール22に対する移動が禁止され、前記ヒンジ部ロック21がロック解除の状態にあるときのみ、前記ヒンジ部15はガラス板支持部カバー移動レール22に沿って移動可能となる。
【0043】
また、画像読み取り装置本体11の側壁には、移動したガラス板支持部カバー13を支えるためのガラス板支持部カバー支え部14が取り付けられている。該ガラス板支持部カバー支え部14は、図示されない蝶番等によって回動可能に取り付けられ、不使用時には、画像読み取り装置本体11の側部に平行となるように折り畳まれた状態となり、使用時には、図12に示されるように、図示されない回動支点を中心に画像読み取り装置本体11の側部に対して垂直に展開し、前記ガラス板支持部カバー13を支えるようになっている。なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0044】
次に、本実施の形態における画像読み取り装置10の動作について説明する。
【0045】
図13は本発明の第2の実施の形態における画像読み取り装置の動作を示す図、図14は本発明の第2の実施の形態における画像読み取り装置のガラス板支持部に冊子状の原稿を載置した状態を示す図である。
【0046】
画像読み取り装置10によって冊子状の原稿18、例えば、本の所定のページの画像を読み取る場合、オペレータは、前記原稿18を見開きの状態とし、前記ページを下向きにしてガラス板支持部12のガラス板12a上に載置する。ここで、見開きの状態の原稿18のサイズが前記ガラス板支持部12のサイズよりも大きい場合、オペレータは、図13に示されるように、ガラス板支持部カバー13をガラス板支持部カバー支え部14が取り付けられている画像読み取り装置本体11の側壁にまで移動させる。そして、ガラス板支持部カバー13とガラス板支持部12とが略同一平面を形成するようにして、図14に示されるように、ガラス板支持部カバー13の上に見開きの状態の原稿18の一部を載置する。
【0047】
この場合、オペレータは、ヒンジ部15のヒンジ部ロック21を操作して、該ヒンジ部ロック21をロック解除の状態にする。これにより、ヒンジ部15がガラス板支持部カバー移動レール22に沿って移動可能となるので、ガラス板支持部カバー13をガラス板支持部カバー支え部14が取り付けられている画像読み取り装置本体11の側壁にまで移動させることができる。そして、前記ガラス板支持部カバー13をヒンジ部15を中心として閉じる方向に回転させ、ガラス板支持部カバー13とガラス板支持部12とが略同一平面を形成するようになる。また、オペレータは、ガラス板支持部カバー支え部14をガラス板支持部カバー13に対して垂直に展開する。これにより、該ガラス板支持部カバー13は、ガラス板支持部カバー支え部14によって下方から支えられるので、水平を維持することができ、図14に示されるように、原稿18の一部をガラス板支持部カバー13上に載置することができる。そして、前記原稿18の重量は、ガラス板支持部カバー支え部14によって支持される。
【0048】
このように、本実施の形態においては、ガラス板支持部カバー13を移動させるガラス板支持部カバー移動レール22が配設され、ガラス板支持部カバー13を移動させた後に、該ガラス板支持部カバー13とガラス板支持部12とが同一平面を形成することができるようになっているので、原稿18を無理に反転させなくても、該原稿18の画像を読み取らせる操作を行うことができる。
【0049】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び効果についても、その説明を省略する。
【0050】
図15は本発明の第3の実施の形態における画像読み取り装置を示す斜視図である。
【0051】
本実施の形態における画像読み取り装置10は、図15に示されるように、画像読み取り装置本体11の側部に内蔵された原稿補助台としてのガラス板支持部補助トレイ31を有する。そして、該ガラス板支持部補助トレイ31は、突出状態及び収納状態に切り替え可能となっている。なお、図15に示される例において、前記ガラス板支持部補助トレイ31は収納状態になっている。その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0052】
次に、本実施の形態における画像読み取り装置10の動作について説明する。
【0053】
図16は本発明の第3の実施の形態における画像読み取り装置の動作を示す図、図17は本発明の第3の実施の形態における画像読み取り装置のガラス板支持部に冊子状の原稿を載置した状態を示す図である。
【0054】
画像読み取り装置10によって冊子状の原稿18、例えば、本の所定のページの画像を読み取る場合、オペレータは、前記原稿18を見開きの状態とし、前記ページを下向きにしてガラス板支持部12のガラス板12a上に載置する。ここで、見開きの状態の原稿18のサイズが前記ガラス板支持部12のサイズよりも大きい場合、オペレータは、図16に示されるように、ガラス板支持部補助トレイ31を引き出して突出状態とする。そして、該ガラス板支持部補助トレイ31の上面とガラス板支持部12とがほぼ同一平面を形成するようにして、図17に示されるように、ガラス板支持部補助トレイ31の上に見開きの状態の原稿18の一部を載置する。
【0055】
このように、本実施の形態においては、ガラス板支持部補助トレイ31が画像読み取り装置本体11に内蔵されている。そして、使用時にガラス板支持部補助トレイ31を引き出して、上面がガラス板支持部12とほぼ同一平面を形成するようにしたので、本のようにサイズが大きな原稿18でも、無理なく載置することができ、オペレータは、手で原稿18を支える必要がなく、簡単に原稿18の画像を読み取らせる操作を行うことができる。また、ガラス板支持部カバー13もそのまま使用することができる。
【0056】
さらに、本実施の形態を前記第1の実施の形態と組み合わせることもできる。この場合、ガラス板支持部補助トレイ31を、画像読み取り装置本体11におけるヒンジ部15と反対側の側部に内蔵することが望ましい。これにより、画像読み取り装置本体11において、ガラス板支持部13が180度開いて原稿18を載置する面を形成する側と反対側にガラス板支持部補助トレイ31を引き出して原稿18を載置する面を形成することができるので、原稿18のサイズがより大きな場合にも対応することができる。
【0057】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1〜第3の実施の形態と同じ動作及び効果についても、その説明を省略する。
【0058】
図18は本発明の第4の実施の形態における画像読み取り装置を示す斜視図である。
【0059】
本実施の形態における画像読み取り装置10は、図18に示されるように、画像読み取り装置本体11の側部に内蔵された原稿補助台としてのガラス板支持部補助トレイ32を有する。そして、該ガラス板支持部補助トレイ32は、突出状態及び収納状態に切り替え可能であり、さらに、長さを調節可能に拡張することができるようになっている。なお、図18に示される例において、前記ガラス板支持部補助トレイ32は収納状態になっている。その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0060】
次に、本実施の形態における画像読み取り装置10の動作について説明する。
【0061】
図19は本発明の第4の実施の形態における画像読み取り装置の動作を示す図、図20は本発明の第4の実施の形態における画像読み取り装置のガラス板支持部に冊子状の原稿を載置した状態を示す図である。
【0062】
画像読み取り装置10によって冊子状の原稿18、例えば、本の所定のページの画像を読み取る場合、オペレータは、前記原稿18を見開きの状態とし、前記ページを下向きにしてガラス板支持部12のガラス板12a上に載置する。ここで、見開きの状態の原稿18のサイズが前記ガラス板支持部12のサイズよりも大きい場合、オペレータは、図19に示されるように、ガラス板支持部補助トレイ32を引き出して拡張する。なお、引き出す長さは、原稿18のサイズに合わせて調節することができる。そして、ガラス板支持部補助トレイ32の上面とガラス板支持部12とがほぼ同一平面を形成するようにして、図20に示されるように、ガラス板支持部補助トレイ32の上に見開きの状態の原稿18の一部を載置する。
【0063】
このように、本実施の形態においては、ガラス板支持部補助トレイ32が画像読み取り装置本体11に内蔵されている。そして、使用時にガラス板支持部補助トレイ32を引き出して拡張し、上面がガラス板支持部12とほぼ同一平面を形成するようにしたので、本のようにサイズが大きな原稿18でも、無理なく載置することができ、オペレータは、手で原稿18を支える必要がなく、簡単に原稿18の画像を読み取らせる操作を行うことができる。また、原稿18のサイズに合わせて、ガラス板支持部補助トレイ32を引き出す長さを調節することができるので、原稿18のサイズが大きな場合にも対応することができる。
【0064】
さらに、本実施の形態を前記第1の実施の形態と組み合わせることもできる。この場合、ガラス板支持部補助トレイ32を、画像読み取り装置本体11におけるヒンジ部15と反対側の側部に内蔵することが望ましい。これにより、画像読み取り装置本体11において、ガラス板支持部カバー13が180度開いて原稿18を載置する面を形成する側と反対側にガラス板支持部補助トレイ32を引き出して原稿18を載置する面を形成することができるので、原稿18のサイズがより大きな場合にも対応することができる。
【0065】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像読み取り装置の第1の例を示す第1の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における画像読み取り装置の第1の例を示す第2の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるヒンジ部のロック機構の構成を示す第1の図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるヒンジ部のロック機構の構成を示す第2の図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるヒンジ部のロック機構におけるカムの位置関係を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における画像読み取り装置の第2の例を示す第1の斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における画像読み取り装置の第2の例を示す第2の斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における画像読み取り装置の第2の例を示す側面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における画像読み取り装置の第3の例を示す斜視図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における画像読み取り装置の第4の例を示す側面図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における画像読み取り装置のガラス板支持部に冊子状の原稿を載置した状態を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における画像読み取り装置を示す斜視図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態における画像読み取り装置の動作を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態における画像読み取り装置のガラス板支持部に冊子状の原稿を載置した状態を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態における画像読み取り装置を示す斜視図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態における画像読み取り装置の動作を示す図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態における画像読み取り装置のガラス板支持部に冊子状の原稿を載置した状態を示す図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態における画像読み取り装置を示す斜視図である。
【図19】本発明の第4の実施の形態における画像読み取り装置の動作を示す図である。
【図20】本発明の第4の実施の形態における画像読み取り装置のガラス板支持部に冊子状の原稿を載置した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
10 画像読み取り装置
11 画像読み取り装置本体
13 ガラス板支持部カバー
14 ガラス板支持部カバー支え部
15 ヒンジ部
18 原稿
22 ガラス板支持部カバー移動レール
31、32 ガラス板支持部補助トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)原稿を載置する原稿載置台と、
(b)該原稿載置台上を開閉するカバーとを有し、
(c)前記原稿載置台上に載置される原稿の画像を読み取る画像読み取り装置であって、
(d)前記カバーは、開放状態において、前記原稿載置台上に載置される原稿の少なくとも一部分を載置することができることを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項2】
前記カバーは、略水平状態となるように開放可能であり、かつ、略水平状態に支持する支持部を備える請求項1に記載の画像読み取り装置。
【請求項3】
前記支持部は前記カバーに収納可能に配設される請求項2に記載の画像読み取り装置。
【請求項4】
前記支持部は前記原稿載置台の側部に当接する請求項2又は3に記載の画像読み取り装置。
【請求項5】
(a)前記カバーは回動支点を備え、
(b)前記原稿載置台は前記回動支点を支持するとともに案内可能な案内部を備え、
(c)前記カバーは前記原稿載置台に対して複数方向に開放可能である請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像読み取り装置。
【請求項6】
前記原稿載置台の側部に突出状態と収納状態とを切り替え可能に配設された、原稿を載置可能な原稿補助台を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像読み取り装置。
【請求項7】
前記カバーは前記原稿載置台と略同一平面を形成可能な請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像読み取り装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2006−78516(P2006−78516A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−259187(P2004−259187)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】