画像読取装置、および、画像読取方法
【課題】簡単な構成で、より精度良く原点マークを検出する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】画像読取装置50は、読取対象に光を照射する光源(210)と、読取対象を経由した光を蓄積する光電変換素子(220)と、光源(210)および光源変換素子(220)を制御して読み取った画像から所定マークを検出し、原稿読み取りの基準位置を決定する基準位置決定手段と、その基準位置に基づき光源(210)および光源変換素子(220)を制御して原稿読み取りを開始する原稿読取手段と、を備え、基準位置決定手段は、光源(210)から出力させる光の光量を異ならせて当該光量ごとに画像を読み取り、読み取った光量の異なる画像の少なくともいずれかを用いて所定マークを検出することによって、基準位置を特定する。
【解決手段】画像読取装置50は、読取対象に光を照射する光源(210)と、読取対象を経由した光を蓄積する光電変換素子(220)と、光源(210)および光源変換素子(220)を制御して読み取った画像から所定マークを検出し、原稿読み取りの基準位置を決定する基準位置決定手段と、その基準位置に基づき光源(210)および光源変換素子(220)を制御して原稿読み取りを開始する原稿読取手段と、を備え、基準位置決定手段は、光源(210)から出力させる光の光量を異ならせて当該光量ごとに画像を読み取り、読み取った光量の異なる画像の少なくともいずれかを用いて所定マークを検出することによって、基準位置を特定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、および、画像読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットベット型のスキャナー装置は、イメージセンサーを搭載したキャリッジを、原稿台に沿って副走査方向に移動させながら画像を読み取る。
【0003】
このようなスキャナー装置は、一般に、画像の読み取りに先立ちキャリッジを基準位置(いわゆる「ホームポジション」)へ移動させる。このとき、キャリッジの基準位置は、例えば、所定の位置(例えば、白基準板付近)に貼られた原点マークを検出することにより特定される(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−167974号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の原点マークを正確に検出できない場合には、キャリッジの基準位置もずれてしまう。そのため、原点マークは、精度良く検出される必要がある。
【0006】
しかし、原稿読み取り時の規定光量(光源の光量)で原点マークを読み取ろうとすると、原点マークとその周辺領域での輝度差が小さくなり、原点マークを精度良く検出できないことがある。
【0007】
本発明は、簡単な構成で、より精度良く原点マークを検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本願発明は、読取対象に光を照射する光源と、前記読取対象を経由した光を蓄積する光電変換素子と、前記光源および前記光源変換素子を制御して読み取った画像から所定マークを検出し、原稿読み取りの基準位置を決定する基準位置決定手段と、前記基準位置に基づき前記光源および前記光源変換素子を制御して原稿読み取りを開始する原稿読取手段と、を備え、前記基準位置決定手段は、前記光源から出力させる光の光量を異ならせて当該光量ごとに画像を読み取り、読み取った光量の異なる画像の少なくともいずれかを用いて前記所定マークを検出することによって、前記基準位置を特定する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の画像読取装置50の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】原点マーク30の位置の一例を示す図である。
【図3】(A)は、原点マーク30の一例を示す図である。(B1)〜(B3)は、原点マークマーク画像(光量:少)の一例を示す図である。(C1)〜(C3)は、原点マーク画像(光量:標準)の一例を示す図である。(D1)〜(D3)は、原点マーク画像(光量:多)の一例を示す図である。
【図4】原点マーク検出処理(カラー)の一例を示すフロー図である。
【図5】点灯時間によって光源の光量を調整する場合における、原点マーク検出処理(カラー)の一例を示すタイミングチャートである。
【図6】電力供給量によって光源の光量を調整する場合における、原点マーク検出処理(カラー)の一例を示すタイミングチャートである。
【図7】光源の光量を調整しながら読み取られた原点マーク画像(カラー)のイメージ図である。
【図8】原点マーク検出処理(モノクロ)の一例を示すフロー図である。
【図9】点灯時間によって光源の光量を調整する場合における、原点マーク検出処理(モノクロ)の一例を示すタイミングチャートである。
【図10】電力供給量によって光源の光量を調整する場合における、原点マーク検出処理(モノクロ)の一例を示すタイミングチャートである。
【図11】光源の光量を調整しながら読み取られた原点マーク画像(モノクロ)のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態の一例を図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態が適用された画像読取装置50の概略構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
画像読取装置50は、筐体の上面に原稿台10を備えた、いわゆるフラットベッド型画像読取装置である。画像読取装置50は、イメージセンサー(固体撮像素子)220を走査して、透明板の原稿台10に載置された原稿の画像を読み取る。
【0013】
画像読取装置50は、図示するように、LED光源210及びイメージセンサー220を搭載したキャリッジ200と、キャリッジ200の移動を制御する駆動機構300と、画像読取装置50の全体を制御し、画像を読み取るための種々の処理を行うコントローラー100と、を備えている。
【0014】
キャリッジ200は、イメージセンサー220を、LED光源210とともに副走査方向に運搬する。キャリッジ200は、原稿台の盤面に対し平行なガイド用のシャフト等にスライド自在に係止されており、駆動機構300のモーター(例えば、DCモーター)により回転するベルトにより牽引される。キャリッジ200の移動量は、駆動機構300のモーターの回転量に応じてパルスを出力するエンコーダーの出力値により制御される。
【0015】
LED光源210は、赤色(R)LED、緑色(G)LED、青色(B)LEDからなり、カラー画像を読み取る場合には、RGBの3色の光を所定の順序で発生する。本実施形態では、LED光源210は、通常の原稿の1ライン分の読み取りを行う場合には、赤色LED、緑色LED、青色LEDの順に光を発生する。そして、原稿の画像データの生成に必要なライン数分の読み取りを行うために、同様の発光動作を繰り返す。各色のLEDの発光時間は、色ごとに予め定められており、点灯してからその定められた時間が経過したときに、消灯する。なお、1ライン分の読み取りを行う場合の発光順序は、RGBの順序に限られない。
【0016】
なお、LED光源210は、モノクロ画像を読み取る場合には、通常の原稿1ライン分の読み取りで赤色LED、緑色LED、青色LEDを同時に発光させる。
【0017】
イメージセンサー220は、原稿に反射した光を受光し、受光量に応じた電荷を蓄積し、画像読取データ(電気信号)として、コントローラー100に送る。
【0018】
イメージセンサー220は、主走査方向に並んだ複数のセンサーチップからなる。各センサーチップは、通常のCIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーと同様の構成を備えている。すなわち、各センサーチップは、光電変換素子(フォトダイオード)と、シフトゲートと、シフトレジスターと、を備える。そして、光電変換素子に蓄積された電荷を、シフトゲートを開通させてシフトレジスターへ転送し、シフトレジスターにより電荷を順次移動させながら出力する。
【0019】
シフトゲートの開通(電荷の転送)は、シフトパルス(後述する読取制御部120からの信号)の印加に応答して行われる。光電変換素子は、常時、光の受光量に応じて電荷を蓄積しているため、電荷のシフトレジスターへの転送タイミングが、次の発光色の光についての電荷を蓄積する開始タイミングとなる。シフトレジスターに転送された電荷は、シフトレジスターの末端の出力部より、電気信号(アナログデータ)に変換されて、後述するA/D変換部110に送られる。
【0020】
シフトレジスターに格納された電荷の出力は、所定の読み出しクロック(後述する読取制御部120からの信号)に応答して行われる。例えば、1クロック毎に1画素の電荷がアナログデータとして出力される。
【0021】
コントローラー100は、アナログ処理を行う(例えば、イメージセンサー220から出力されたアナログデータをデジタルデータに変換する)A/D変換部110と、A/D変換部110から出力されたデジタルデータに対して各種補正を行うデータ補正処理部130と、データ補正処理部130が各種補正を行うためのデジタルデータ(例えば、白基準データや黒基準データ)を記憶する記憶部140と、データ補正処理部130からのデータをパーソナルコンピューターなどのホストに送るための出力部150と、コントローラー100内の各機能部を全体的に制御するとともに、キャリッジ200内のLED光源210やイメージセンサー220、及び、駆動機構300を制御する読取制御部120と、を備えている。
【0022】
読取制御部120は、駆動機構300のモーターの回転を制御することにより、キャリッジ200の移動を制御する。
【0023】
また、読取制御部120は、イメージセンサー220による、画像読み取りを制御する。
【0024】
具体的には、読取制御部120は、イメージセンサー220に対してシフトパルスの提供を周期的に行い、光電変換素子に蓄積された電荷のシフトレジスターへの転送タイミング(次の電荷蓄積の開始タイミング)を制御する。
【0025】
また、読取制御部120は、イメージセンサー220に対して読み出しクロックの供給を行い、シフトレジスターに格納されている電荷のA/D変換部110への出力を制御する。
【0026】
また、読取制御部120は、イメージセンサー220の読み取り動作に合わせて、LED光源210の点灯、消灯を制御する。
【0027】
ところで、読取制御部120は、原稿の読み取りに先立ち、キャリッジ200を基準位置(ホームポジション)へ移動させる。このとき、読取制御部120は、所定の位置に貼られた原点マーク30を検出して、基準位置を特定する。従って、キャリッジ200を正確に基準位置へ移動させるためには、原点マーク30を正確に検出する必要がある。
【0028】
図2は、原点マーク30が貼られる位置の一例を示す図である。例えば、原点マーク30は、図示するように、原稿台10のキャリッジ200側の面であり、白基準板(白基準データを取得するときに読み取られる板)20の付近に貼られる。なお、図には、原点マーク30の位置を黒塗りの円形で表しており、白基準板20の位置を網掛けの四辺形で表している。
【0029】
また、図3(A)は、原点マーク30の一例を示す図である。図示するように、原点マーク30には、例えば、黒塗りの円形のものを用いる。なお、原点マーク30を精度良く検出するためには、原点マーク30の周辺領域をなるべく白色とした方がよい。
【0030】
もちろん、原点マーク30の位置、形状、色などは、上記に限定されるものではなく、例えば、原点マーク30を白基準板20の上に重ねてもよい。
【0031】
ところで、上記のような原点マーク30を検出するためには、原稿を読み取る場合と同様にLED光源210を点灯させて、原点マーク30を読み取る。ただし、原稿を読み取る場合のように規定の光量(以下では「規定光量」とよぶ)で原点マーク30を読み取ろうとすると、原点マーク30とその周辺領域での輝度差が小さくなり、精度良く原点マーク30を検出できない場合がある。
【0032】
特に、工場出荷前での製造過程や、出荷後の使用状況などによって、LED光源210が出力する光の規定光量にムラが生じたりすると、その規定光量で原点マーク30を読み取っても、原点マーク30を精度良く検出できない。
【0033】
そこで、本実施形態では、読取制御部120は、LED光源210から出力させる光の光量を異ならせ、当該光量ごとに原点マーク30を検出する。
【0034】
例えば、第1に、読取制御部120は、LED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも減少させ、原点マーク30を読み取る。第2に、読取制御部120は、LED光源210から出力される光の光量を規定光量のままとし、原点マーク30を読み取る。第3に、読取制御部120は、LED光源210から出力される光の光量を規定光量よりも増加させ、原点マーク30を読み取る。
【0035】
こうして、読取制御部120は、原点マーク30についての読み取り画像を、光量ごと(すなわち、規定光量よりも少ない光量、規定光量のままの光量、規定光量よりも多い光量)に得ることができる。なお、原点マーク30についての読み取り画像を、以下では、「原点マーク画像」とよぶ。
【0036】
図3(B1)〜(B3)は、LED光源210の規定光量が標準より少ない場合に得られる原点マーク画像の例を示す図である。本実施形態では、上述したように、読取制御部120は、LED光源210から出力させる光の光量を異ならせて、その光量ごとに原点マーク30を読み取る。そのため、図3(B1)に示すような規定光量よりも少ない光量で読み取られた原点マーク画像と、図3(B2)に示すような規定光量のままの光量で読みとられた原点マーク画像と、図3(B3)に示すような規定光量よりも多い光量で読み取られた原点マーク画像と、が得られる。
【0037】
また、図3(C1)〜(C3)は、LED光源210の規定光量が標準的である場合に得られる原点マーク画像の例を示す図である。本実施形態では、読取制御部120は、LED光源210の規定光量の多少に関わらず、LED光源210から出力させる光の光量を異ならせて、その光量ごとに原点マーク30を読み取る。そのため、LED光源210の規定光量が標準的である場合においても、図3(C1)に示すような規定光量よりも少ない光量で読み取られた原点マーク画像と、図3(C2)に示すような規定光量のままの光量で読みとられた原点マーク画像と、図3(C3)に示すような規定光量よりも多い光量で読み取られた原点マーク画像と、が得られる。
【0038】
また、図3(D1)〜(D3)は、LED光源210の規定光量が標準より多い場合に得られる原点マーク画像の例を示す図である。このように、LED光源210の規定光量が標準より多い場合においても、図3(D1)に示すような規定光量よりも少ない光量で読み取られた原点マーク画像と、図3(D2)に示すような規定光量のままの光量で読みとられた原点マーク画像と、図3(D3)に示すような規定光量よりも多い光量で読み取られた原点マーク画像と、が得られる。
【0039】
こうすれば、LED光源210が出力する光の規定光量にムラが生じたとしても、原点マーク30を高精度に検出できる原点マーク画像を得ることができる。例えば、LED光源210の規定光量が標準より少ない場合には、図3(B3)に示すような規定光量よりも多い光量で読み取られた原点マーク画像が、原点マーク30の検出に適した画像となる。また、LED光源210の規定光量が標準的である場合には、図3(C2)に示すような規定光量のままの光量で読み取られた原点マーク画像が、原点マーク30の検出に適した画像となる。また、LED光源210の規定光量が標準より多い場合には、図3(D1)に示すような規定光量よりも少ない光量で読み取られた原点マーク画像が、原点マーク30の検出に適した画像となる。
【0040】
ところで、読取制御部120は、LED光源210の点灯時間を異ならせることによって、LED光源210から出力させる光の光量を異ならせる。また、読取制御部120は、LED光源210に供給する電力量を異ならせることによって、LED光源210から出力させる光の光量を異ならせてもよい。また、読取制御部120は、LED光源210の点灯時間を異ならせること、及び、LED光源210に供給する電力量を異ならせること、の少なくともいずれかによって、LED光源210から出力させる光の光量を異ならせてもよい。
【0041】
図1に戻り、A/D変換部110は、IC(いわゆる、アナログフロントエンドIC)によって構成される。A/D変換部110は、入力されたアナログデータをデジタルデータに変換(量子化)し、データ補正処理部130に出力する。
【0042】
データ補正処理部130は、A/D変換部110から出力されたデジタルデータに対して、シェーディング補正などの各種補正を施して、出力部150に出力する。
【0043】
記憶部140は、データ補正処理部130が各種補正処理を行うためのデータを記憶するメモリーなどによって実現される。例えば、記憶部140は、シェーディング補正に用いる白基準データや黒基準データを記憶する。
【0044】
出力部150は、ネットワーク接続やUSB接続を行うためのインターフェイスを備え、データ補正処理部130から出力されたデジタルデータを、ホストコンピューターに送信する。
【0045】
上記のコントローラー100の主な構成要素は、演算装置であるCPUと、プログラム等が記録されたROMと、メインメモリーとしてデータ等を一時的に格納するRAMと、ホスト等との入出力を制御するインターフェイスと、各構成要素間の通信通路となるシステムバスと、を備えた一般的なコンピューターにより達成することができる。特定の処理を専用に行うように設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)を含んで、又は、ASICにより構成されていてもよい。
【0046】
本実施形態が適用された画像読取装置50は、以上のような構成からなる。ただし、この構成は、本願発明の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上記の構成に限られない。また、一般的な画像読取装置が備える他の構成を排除するものではない。また、画像読取装置50は、さらにプリント機能や、ファクシミリ機能を有する複合機であってもよい。また、A/D変換部110は、キャリッジ200内の基板に搭載されていてもよい。
【0047】
また、上記した各構成要素は、画像読取装置50の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。画像読取装置50の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0048】
次に、上記構成からなる画像読取装置50の特徴的な動作について説明する。
【0049】
<原点マーク検出処理(カラー)>
図4は、本実施形態の画像読取装置50で実行される原点マーク検出処理(カラー)の一例を示すフロー図である。ただし、本フローは、カラー画像の読取制御方法を利用する場合の処理である。
【0050】
読取制御部120は、例えば、原稿の読み取り開始の指示を受け付けると、本フローを開始する。
【0051】
本フロー開始すると、読取制御部120は、原点マーク30を検出するために、LED光源210の赤色(R)LEDに発光させ、1ライン分の読み取りを行う(ステップS101)。
【0052】
続いて、読取制御部120は、LED光源210の緑色(G)LEDに発光させ、1ライン分の読み取りを行う(ステップS102)。
【0053】
次に、読取制御部120は、LED光源210の青色(B)LEDに発光させ、1ライン分の読み取りを行う(ステップS103)。
【0054】
ただし、上記ステップS101〜ステップS103において、読取制御部120は、LED光源210から出力させる光の光量を異ならせている。すなわち、読取制御部120は、同ラインの読み取りにおいて、色ごとに、LED光源210から出力される光の光量を異ならせている。
【0055】
ここで、各色のLED光源210から出力させる光の光量を異ならせる方法としては、上述したように、例えば、点灯時間を異ならせる方法(例1)がある。
【0056】
図5は、点灯時間によってLED光源210の光量を調整する場合における、各色のLED光源210の点灯タイミング、消灯タイミングを示すタイミングチャートである。図中の太線は、読取制御部120から各色のLED光源210へ供給される信号を表している。
【0057】
図示するように、読取制御部120は、赤色(R)LEDの点灯時間を、規定(標準)時間よりも短くする。こうして、上記ステップS101において、読取制御部120は、赤色(R)LEDから出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも減少させることができる。
【0058】
また、読取制御部120は、緑色(G)LEDの点灯時間を、規定(標準)時間のままとする。こうして、読取制御部120は、緑色(G)LEDから出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)のままとすることができる。
【0059】
また、読取制御部120は、青色(B)LEDの点灯時間を、規定(標準)時間よりも長くする。こうして、読取制御部120は、青色(B)LEDから出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも増加させることができる。
【0060】
これとともに、読取制御部120は、イメージセンサー220に対してシフトパルスの提供を周期的に行うため(図5に示す点線のタイミング)、光電変換素子に蓄積された電荷はシフトレジスターへ転送され、色ごとに光量の異なる原点マーク画像を得ることができる。
【0061】
なお、図示する例では、点灯状態を有効信号(H)、消灯状態を無効信号(L)としているが、これに限定されるものではない。また、各色のLED光源210の点灯時間は、図示する例に限定されるものではないが、赤(R)LEDの点灯時間、緑色(G)LEDの点灯時間、青色(B)LEDの点灯時間、の比を、「1:2:4」にするのが好ましい。すなわち、緑色(G)LEDの点灯時間を、赤色(R)LEDの点灯時間の2倍とし、青色(B)LEDの点灯時間を、赤色(R)LEDの点灯時間の4倍とするのが好ましい。
【0062】
ところで、各色のLED光源210から出力させる光の光量を異ならせる方法として、上述したように、例えば、LED光源210に供給する電力量を異ならせる方法(例2)もある。
【0063】
図6は、LED光源210に供給する電力量によってLED光源210の光量を調整する場合における、各色のLED光源210の点灯タイミング、消灯タイミングを示すタイミングチャートである。
【0064】
図示するように、読取制御部120は、赤色(R)LEDへ供給する電力量を、規定(標準)電力量よりも減少させる。こうして、上記ステップS101において、読取制御部120は、赤色(R)LEDから出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも減少させることができる。
【0065】
また、読取制御部120は、緑色(G)LEDへ供給する電力量を、規定(標準)電力量のままとする。こうして、読取制御部120は、緑色(G)LEDから出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)のままとすることができる。
【0066】
また、読取制御部120は、青色(B)LEDへ供給する電力量を、規定(標準)電力量よりも増加させる。こうして、読取制御部120は、青色(B)LEDから出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも増加させることができる。
【0067】
これとともに、読取制御部120は、イメージセンサー220に対してシフトパルスの提供を周期的に行うため(図6に示す点線のタイミング)、光電変換素子に蓄積された電荷はシフトレジスターへ転送され、色ごとに光量の異なる原点マーク画像を得ることができる。
【0068】
なお、図示する例では、点灯状態を有効信号(H)、消灯状態を無効信号(L)としているが、これに限定されるものではない。また、各色のLED光源210の点灯時間については、簡単のため、同一としているが、これに限定されるものではない。もちろん、各色のLED光源210の点灯時間は、原稿読み取り時と同様にするのが好ましい。
【0069】
図4に戻り説明する。上記ステップS101〜ステップS103の処理を実行して、1ライン分の原点マーク画像を読み取ると、読取制御部120は、原点マーク30を検出する処理を実行する(ステップS104)。
【0070】
具体的には、読取制御部120は、上記ステップで得られた各色の原点マーク画像と、原点マーク30の特徴点を示すデータ(以下では「特徴データ」とよぶ)と、をそれぞれ比較する。
【0071】
ここで、例えば、LED光源210の規定光量が標準より少ない場合には、上記ステップS101〜ステップS103で得られた色ごとの原点マーク画像は、図3(B1)〜(B3)に示すような画像となる。すなわち、赤色(R)の原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも減少させて読み取られているため、図3(B1)に示すような画像となり、緑色(G)の原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量のままとして読み取られているため、図3(B2)に示すような画像となり、青色(B)の原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも増加させて読み取られているため、図3(B3)に示すような画像となる。
【0072】
そして、図3(B1)、(B2)に示すように、赤色(R)の原点マーク画像や緑色(G)の原点マーク画像では、原点マーク30とその周辺領域での輝度差が小さいため、原点マーク30の特徴データと比較しても原点マーク30を精度良く検出できない。
【0073】
しかし、図3(B3)に示すように、青色(B)の原点マーク画像については、原点マーク30とその周辺領域での輝度差がはっきりしているため、精度良く原点マーク30を検出できる。
【0074】
また、例えば、LED光源210の規定光量が標準的である場合には、上記ステップS101〜ステップS103で得られた色ごとの原点マーク画像は、図3(C1)〜(C3)に示すような画像となる。すなわち、赤色(R)の原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも減少させて読み取られているため、図3(C1)に示すような画像となり、緑色(G)の原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量のままとして読み取られているため、図3(C2)に示すような画像となり、青色(B)の原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも増加させて読み取られているため、図3(C3)に示すような画像となる。
【0075】
そして、図3(C1)、(C3)に示すように、赤色(R)の原点マーク画像や青色(B)の原点マーク画像では、原点マーク30とその周辺領域での輝度差が小さいため、原点マーク30の特徴データと比較しても原点マーク30を精度良く検出できない。
【0076】
しかし、図3(C2)に示すように、緑色(G)の原点マーク画像については、原点マーク30とその周辺領域での輝度差がはっきりしているため、精度良く原点マーク30を検出できる。
【0077】
また、例えば、LED光源210の規定光量が標準より多い場合には、上記ステップS101〜ステップS103で得られた色ごとの原点マーク画像は、図3(D1)〜(D3)に示すような画像となる。すなわち、赤色(R)の原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも減少させて読み取られているため、図3(D1)に示すような画像となり、緑色(G)の原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量のままとして読み取られているため、図3(D2)に示すような画像となり、青色(B)の原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも増加させて読み取られているため、図3(D3)に示すような画像となる。
【0078】
そして、図3(D2)、(D3)に示すように、緑色(G)の原点マーク画像や青色(B)の原点マーク画像では、原点マーク30とその周辺領域での輝度差が小さいため、原点マーク30の特徴データと比較しても原点マーク30を精度良く検出できない。
【0079】
しかし、図3(D1)に示すように、赤色(R)の原点マーク画像については、原点マーク30とその周辺領域での輝度差がはっきりしているため、精度良く原点マーク30を検出できる。
【0080】
このように、本フローでは、色ごとにLED光源210の光量を異ならせた複数の原点マーク画像(R、G、B)が読み取られ、これらの原点マーク画像(R、G、B)のうち少なくとも1つは原点マーク30を明確に検出できる画像となる。そのため、LED光源210の光量の多少に関わらず精度良く原点マーク30を検出できる。
【0081】
なお、原点マーク30の特徴データは、予めROM等の記憶装置に用意(格納)されているものとする。
【0082】
図4に戻り、読取制御部120は、ステップS104において原点マーク30を検出できたか否か判別する(ステップS105)。
【0083】
例えば、読取制御部120は、上記ステップS101〜S103で読み取られた所定ライン分(例えば、直近の10ライン分)の原点マーク画像(R、G、B)のいずれにも、原点マーク30の特徴がない場合には、原点マーク30を検出できなかったものと判定し(ステップS105;No)、処理をステップS101に戻し、次のラインの読み取りを行う。
【0084】
一方、読取制御部120は、原点マーク画像に、原点マーク30の特徴が存在する場合には、原点マーク30を検出できたものと判定し(ステップS105;Yes)、処理をステップS106へ移行する。
【0085】
なお、図7は、ステップS101〜ステップS103の処理を繰り返し実行することによって得られる原点マーク画像のイメージ図である。図示するように、読取制御部120は、LED光源210の光量を規定光量より減少させて読み取られた赤色(R)の原点マーク画像と、LED光源210の光量を規定光量のままにして読み取られた緑色(G)の原点マーク画像と、LED光源210の光量を規定光量より増加させて読み取られた青色(B)の原点マーク画像と、を得ることができる。なお、読取制御部120は、このように得られた各色の原点マーク画像を、所定の記憶装置(例えば、RAM)に格納しておくものとする。
【0086】
ステップS106に処理が移行すると、読取制御部120は、ステップS104で原点マーク30が検出された位置(例えば、原点マーク30の副走査方向の一端)を、キャリッジ200の基準位置(すなわち、ホームポジション)と決定する(ステップS106)。
【0087】
それから、読取制御部120は、ステップS106で決定された基準位置にキャリッジ200を移動させて、原稿の読取制御を開始する(ステップS107)。
【0088】
その後、読取制御部120は、本フローを終了する。
【0089】
以上の原点マーク検出処理(カラー)を行うことにより、本実施形態の画像読取装置50は、LED光源210が出力する光の規定光量にムラが生じたとしても、原点マーク30を高精度に検出できる。その結果、原稿の読取制御に先立ち、キャリッジ200を基準位置に従来よりも正確に移動させることができる。
【0090】
なお、上記したフローの各処理単位は、画像読取装置50を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。画像読取装置50が行う処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
【0091】
また、上記の実施形態は、本発明の要旨を例示することを意図し、本発明を限定するものではない。多くの代替物、修正、変形例は当業者にとって明らかである。
【0092】
例えば、上記実施形態では、カラー画像の読取制御方法を利用して原点マークを検出する処理について説明したが、原点マークの検出に他の方法を利用してもよい。例えば、モノクロ画像の読取制御方法を利用して原点マークを検出してもよい。
【0093】
<原点マーク検出処理(モノクロ)>
図8は、本実施形態の画像読取装置50で実行される原点マーク検出処理(モノクロ)の一例を示すフロー図である。ただし、本フローは、モノクロ画像の読取制御方法を利用する場合の処理である。
【0094】
読取制御部120は、例えば、原稿の読み取り開始の指示を受け付けると、本フローを開始する。
【0095】
本フロー開始すると、読取制御部120は、原点マーク30を検出するために、LED光源210の赤色(R)LED、緑色(G)LED、青色(B)LEDを同時に発光させ、1ライン分の読み取りを行う。ただし、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも減少させて、読み取りを行う(ステップS201)。
【0096】
図9(A)は、点灯時間によってLED光源210の光量を調整する場合における、各色のLED光源210の点灯タイミング、消灯タイミングを示すタイミングチャートである(例1)。図中の太線は、読取制御部120から各色のLED光源210へ供給される信号を表している。
【0097】
図示するように、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210の点灯時間を、規定(標準)時間よりも短くする。こうして、上記ステップS201において、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも減少させることができる。
【0098】
これとともに、読取制御部120は、イメージセンサー220に対してシフトパルスの提供を周期的に行うため(図9(A)に示す点線のタイミング)、光電変換素子に蓄積された電荷はシフトレジスターへ転送され、LED光源210の光量を減少させたモノクロの原点マーク画像を得ることができる。
【0099】
なお、図示する例では、点灯状態を有効信号(H)、消灯状態を無効信号(L)としているが、これに限定されるものではない。
【0100】
また、もちろん、LED光源210に供給する電力量によってLED光源210の光量を減少させてもよい。
【0101】
図10(A)は、LED光源210に供給する電力量によってLED光源210の光量を調整する場合における、各色のLED光源210の点灯タイミング、消灯タイミングを示すタイミングチャートである(例2)。図中の太線は、読取制御部120から各色のLED光源210へ供給される信号を表している。
【0102】
図示するように、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210へ供給する電力量を、規定(標準)電力量よりも減少させる。こうして、上記ステップS201において、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも減少させることができる。
【0103】
これとともに、読取制御部120は、イメージセンサー220に対してシフトパルスの提供を周期的に行うため(図10(A)に示す点線のタイミング)、光電変換素子に蓄積された電荷はシフトレジスターへ転送され、LED光源210の光量を減少させたモノクロの原点マーク画像を得ることができる。
【0104】
なお、図示する例では、点灯状態を有効信号(H)、消灯状態を無効信号(L)としているが、これに限定されるものではない。また、各色のLED光源210の点灯時間については、簡単のため、各色を区別せずに同一としているが、これに限定されるものではない。もちろん、各色のLED光源210の点灯時間は、原稿読み取り時と同様にするのが好ましい。
【0105】
図8に戻り説明する。上記ステップS201の処理を実行して、光量を減少させた1ライン分のモノクロの原点マーク画像を読み取ると、読取制御部120は、再び、LED光源210の赤色(R)LED、緑色(G)LED、青色(B)LEDを同時に発光させ、ステップS201と同ラインの読み取りを行う。ただし、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)のままとして、読み取りを行う(ステップS202)。
【0106】
図9(B)は、点灯時間によってLED光源210の光量を調整する場合における、各色のLED光源210の点灯タイミング、消灯タイミングを示すタイミングチャートである(例1)。図中の太線は、読取制御部120から各色のLED光源210へ供給される信号を表している。
【0107】
図示するように、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210の点灯時間を、規定(標準)時間のままとする。こうして、上記ステップS202において、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)のままとすることができる。
【0108】
これとともに、読取制御部120は、イメージセンサー220に対してシフトパルスの提供を周期的に行うため(図9(B)に示す点線のタイミング)、光電変換素子に蓄積された電荷はシフトレジスターへ転送され、LED光源210の光量を調整していないモノクロの原点マーク画像を得ることができる。
【0109】
なお、図示する例では、点灯状態を有効信号(H)、消灯状態を無効信号(L)としているが、これに限定されるものではない。
【0110】
また、もちろん、LED光源210に供給する電力量によってLED光源210の光量を規定光量のままとしてもよい。
【0111】
図10(B)は、LED光源210に供給する電力量によってLED光源210の光量を調整する場合における、各色のLED光源210の点灯タイミング、消灯タイミングを示すタイミングチャートである(例2)。図中の太線は、読取制御部120から各色のLED光源210へ供給される信号を表している。
【0112】
図示するように、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210へ供給する電力量を、規定(標準)電力量のままとする。こうして、上記ステップS202において、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)のままとすることができる。
【0113】
これとともに、読取制御部120は、イメージセンサー220に対してシフトパルスの提供を周期的に行うため(図10(B)に示す点線のタイミング)、光電変換素子に蓄積された電荷はシフトレジスターへ転送され、LED光源210の光量を調整していないモノクロの原点マーク画像を得ることができる。
【0114】
なお、図示する例では、点灯状態を有効信号(H)、消灯状態を無効信号(L)としているが、これに限定されるものではない。また、各色のLED光源210の点灯時間については、簡単のため、各色を区別せずに同一としているが、これに限定されるものではない。もちろん、各色のLED光源210の点灯時間は、原稿読み取り時と同様にするのが好ましい。
【0115】
図8に戻り説明する。上記ステップS202の処理を実行して、光量を調整せずに1ライン分のモノクロの原点マーク画像を読み取ると、読取制御部120は、再び、LED光源210の赤色(R)LED、緑色(G)LED、青色(B)LEDを同時に発光させ、ステップS202と同ラインの読み取りを行う。ただし、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも増加させて、読み取りを行う(ステップS203)。
【0116】
図9(C)は、点灯時間によってLED光源210の光量を調整する場合における、各色のLED光源210の点灯タイミング、消灯タイミングを示すタイミングチャートである(例1)。図中の太線は、読取制御部120から各色のLED光源210へ供給される信号を表している。
【0117】
図示するように、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210の点灯時間を、規定(標準)時間よりも長くする。こうして、上記ステップS203において、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも増加させることができる。
【0118】
これとともに、読取制御部120は、イメージセンサー220に対してシフトパルスの提供を周期的に行うため(図9(C)に示す点線のタイミング)、光電変換素子に蓄積された電荷はシフトレジスターへ転送され、LED光源210の光量を増加させたモノクロの原点マーク画像を得ることができる。
【0119】
なお、図示する例では、点灯状態を有効信号(H)、消灯状態を無効信号(L)としているが、これに限定されるものではない。
【0120】
また、もちろん、LED光源210に供給する電力量によってLED光源210の光量を規定光量より増加させてもよい。
【0121】
図10(C)は、LED光源210に供給する電力量によってLED光源210の光量を調整する場合における、各色のLED光源210の点灯タイミング、消灯タイミングを示すタイミングチャートである(例2)。図中の太線は、読取制御部120から各色のLED光源210へ供給される信号を表している。
【0122】
図示するように、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210へ供給する電力量を、規定(標準)電力量よりも増加させる。こうして、上記ステップS203において、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも増加させることができる。
【0123】
これとともに、読取制御部120は、イメージセンサー220に対してシフトパルスの提供を周期的に行うため(図10(C)に示す点線のタイミング)、光電変換素子に蓄積された電荷はシフトレジスターへ転送され、LED光源210の光量を増加させたモノクロの原点マーク画像を得ることができる。
【0124】
なお、図示する例では、点灯状態を有効信号(H)、消灯状態を無効信号(L)としているが、これに限定されるものではない。また、各色のLED光源210の点灯時間については、簡単のため、各色を区別せずに同一としているが、これに限定されるものではない。もちろん、各色のLED光源210の点灯時間は、原稿読み取り時と同様にするのが好ましい。
【0125】
図8に戻り説明する。上記ステップS205の処理を実行して、光量を増加させた1ライン分のモノクロの原点マーク画像を読み取ると、読取制御部120は、原点マーク30を検出する処理を実行する(ステップS204)。
【0126】
具体的には、読取制御部120は、上記ステップで得られた各原点マーク画像と、原点マーク30の特徴データと、をそれぞれ比較する。
【0127】
ここで、例えば、LED光源210の規定光量が標準より少ない場合には、上記ステップS201〜S203で得られたモノクロの原点マーク画像は、図3(B1)〜(B3)に示すような画像となる。すなわち、ステップS201で読み取られた原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも減少させて読み取られているため、図3(B1)に示すような画像となり、ステップS202で読み取られた原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量のままとして読み取られているため、図3(B2)に示すような画像となり、ステップS203で得られた原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも増加させて読み取られているため、図3(B3)に示すような画像となる。
【0128】
そして、図3(B1)、(B2)に示すように、ステップ201やステップS202で読み取られた原点マーク画像では、原点マーク30とその周辺領域での輝度差が小さいため、原点マーク30の特徴データと比較しても原点マーク30を精度良く検出できない。
【0129】
しかし、図3(B3)に示すように、ステップS203で読み取られた原点マーク画像については、原点マーク30とその周辺領域での輝度差がはっきりしているため、精度良く原点マーク30を検出できる。
【0130】
また、例えば、LED光源210の規定光量が標準的である場合には、上記ステップS201〜S203で得られた各原点マーク画像は、図3(C1)〜(C3)に示すような画像となる。すなわち、ステップS201で読み取られた原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも減少させて読み取られているため、図3(C1)に示すような画像となり、ステップS202で読み取られた原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量のままとして読み取られているため、図3(C2)に示すような画像となり、ステップS203で得られた原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも増加させて読み取られているため、図3(C3)に示すような画像となる。
【0131】
そして、図3(C1)、(C3)に示すように、ステップS201やステップS203で読み取られた原点マーク画像では、原点マーク30とその周辺領域での輝度差が小さいため、原点マーク30の特徴データと比較しても原点マーク30を精度良く検出できない。
【0132】
しかし、図3(C2)に示すように、ステップS202で読み取られた原点マーク画像については、原点マーク30とその周辺領域での輝度差がはっきりしているため、精度良く原点マーク30を検出できる。
【0133】
また、例えば、LED光源210の規定光量が標準より多い場合には、上記ステップS201〜S203で得られた各原点マーク画像は、図3(D1)〜(D3)に示すような画像となる。すなわち、ステップS201で読み取られた原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも減少させて読み取られているため、図3(D1)に示すような画像となり、ステップS202で読み取られた原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量のままとして読み取られているため、図3(D2)に示すような画像となり、ステップS203で読み取られた原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも増加させて読み取られているため、図3(D3)に示すような画像となる。
【0134】
そして、図3(D2)、(D3)に示すように、ステップS202やステップS203で読み取られた原点マーク画像では、原点マーク30とその周辺領域での輝度差が小さいため、原点マーク30の特徴データと比較しても原点マーク30を精度良く検出できない。
【0135】
しかし、図3(D1)に示すように、ステップS201で読み取られた原点マーク画像については、原点マーク30とその周辺領域での輝度差がはっきりしているため、精度良く原点マーク30を検出できる。
【0136】
このように、本フローでは、モノクロ画像の読取制御方法を利用する場合であっても、LED光源210の光量を異ならせた複数の原点マーク画像(モノクロ)が読み取られ、これらの原点マーク画像(モノクロ)のうち少なくとも1つは原点マーク30を明確に検出できる画像となる。そのため、LED光源210の光量の多少に関わらず精度良く原点マーク30を検出できる。
【0137】
図8に戻り、読取制御部120は、ステップS204において原点マーク30を検出できたか否か判別する(ステップS205)。
【0138】
例えば、読取制御部120は、上記ステップS201〜S203で読み取られた所定ライン分(例えば、直近の10ライン分)の原点マーク画像(モノクロ)のいずれにも、原点マーク30の特徴がない場合には、原点マーク30を検出できなかったものと判定し(ステップS205;No)、処理をステップS201に戻し、次のラインの読み取りを行う。
【0139】
一方、読取制御部120は、原点マーク画像に、原点マーク30の特徴が存在する場合には、原点マーク30を検出できたものと判定し(ステップS205;Yes)、処理をステップS206へ移行する。
【0140】
なお、図11は、ステップS201〜S203の処理を繰り返し実行することによって得られるモノクロの原点マーク画像のイメージ図である。図示するように、読取制御部120は、LED光源210の光量を規定光量より減少させて読み取られたモノクロの原点マーク画像と、LED光源210の光量を規定光量のままにして読み取られたモノクロの原点マーク画像と、LED光源210の光量を規定光量より増加させて読み取られたモノクロの原点マーク画像と、を得ることができる。
【0141】
処理がステップS206に移行すると、読取制御部120は、ステップS204で原点マーク30が検出された位置(例えば、原点マーク30の副走査方向の一端)を、キャリッジ200の基準位置(すなわち、ホームポジション)と決定する(ステップS206)。
【0142】
それから、読取制御部120は、ステップS206で決定された基準位置にキャリッジ200を移動させて、原稿の読取制御を開始する(ステップS207)。
【0143】
その後、読取制御部120は、本フローを終了する。
【0144】
以上の原点マーク検出処理(モノクロ)を行うことにより、本実施形態の画像読取装置50は、モノクロ画像の読取制御方法を利用する場合であっても、カラー画像の読取制御方法を利用する場合と同様に、LED光源210が出力する光の光量の多少に関わらず、原点マーク30を高精度に検出できる。その結果、原稿の読取制御に先立ち、キャリッジ200を基準位置に従来よりも正確に移動させることができる。
【0145】
また、上記実施形態や上記変形例では、各色の光源をLED光源としているが、これに限定されない。
【0146】
また、上記実施形態や上記変形例では、LED光源210から出力させる光の光量を3段階(減少、調整なし、増加)で異ならせている。しかし、これに限定されず、2段階、あるいは、4段階以上としてもよい。
【0147】
また、上記実施形態では説明していなかったが、原稿読み取り時におけるRGBそれぞれの点灯時間は、一般的に、R点灯時間が最も長く、G点灯時間が次に長く、B点灯時間が最も短い(R点灯時間>G点灯時間>B点灯時間)。しかし、上記実施形態では、図5に示すように、原点マーク30検出時に、あえて、R点灯時間を最も短くし、G点灯時間を次に短くし、B点灯時間を最も長くすることにより(R点灯時間<G点灯時間<B点灯時間)、各色のLED光源210が出力する光量に差がでるようにしている。
【符号の説明】
【0148】
50・・・画像読取装置、100・・・コントローラー、110・・・A/D変換部、120・・・読取制御部、130・・・データ補正処理部、140・・・記憶部、150・・・出力部、200・・・キャリッジ、210・・・LED光源、220・・・イメージセンサー。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、および、画像読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットベット型のスキャナー装置は、イメージセンサーを搭載したキャリッジを、原稿台に沿って副走査方向に移動させながら画像を読み取る。
【0003】
このようなスキャナー装置は、一般に、画像の読み取りに先立ちキャリッジを基準位置(いわゆる「ホームポジション」)へ移動させる。このとき、キャリッジの基準位置は、例えば、所定の位置(例えば、白基準板付近)に貼られた原点マークを検出することにより特定される(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−167974号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の原点マークを正確に検出できない場合には、キャリッジの基準位置もずれてしまう。そのため、原点マークは、精度良く検出される必要がある。
【0006】
しかし、原稿読み取り時の規定光量(光源の光量)で原点マークを読み取ろうとすると、原点マークとその周辺領域での輝度差が小さくなり、原点マークを精度良く検出できないことがある。
【0007】
本発明は、簡単な構成で、より精度良く原点マークを検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本願発明は、読取対象に光を照射する光源と、前記読取対象を経由した光を蓄積する光電変換素子と、前記光源および前記光源変換素子を制御して読み取った画像から所定マークを検出し、原稿読み取りの基準位置を決定する基準位置決定手段と、前記基準位置に基づき前記光源および前記光源変換素子を制御して原稿読み取りを開始する原稿読取手段と、を備え、前記基準位置決定手段は、前記光源から出力させる光の光量を異ならせて当該光量ごとに画像を読み取り、読み取った光量の異なる画像の少なくともいずれかを用いて前記所定マークを検出することによって、前記基準位置を特定する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の画像読取装置50の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】原点マーク30の位置の一例を示す図である。
【図3】(A)は、原点マーク30の一例を示す図である。(B1)〜(B3)は、原点マークマーク画像(光量:少)の一例を示す図である。(C1)〜(C3)は、原点マーク画像(光量:標準)の一例を示す図である。(D1)〜(D3)は、原点マーク画像(光量:多)の一例を示す図である。
【図4】原点マーク検出処理(カラー)の一例を示すフロー図である。
【図5】点灯時間によって光源の光量を調整する場合における、原点マーク検出処理(カラー)の一例を示すタイミングチャートである。
【図6】電力供給量によって光源の光量を調整する場合における、原点マーク検出処理(カラー)の一例を示すタイミングチャートである。
【図7】光源の光量を調整しながら読み取られた原点マーク画像(カラー)のイメージ図である。
【図8】原点マーク検出処理(モノクロ)の一例を示すフロー図である。
【図9】点灯時間によって光源の光量を調整する場合における、原点マーク検出処理(モノクロ)の一例を示すタイミングチャートである。
【図10】電力供給量によって光源の光量を調整する場合における、原点マーク検出処理(モノクロ)の一例を示すタイミングチャートである。
【図11】光源の光量を調整しながら読み取られた原点マーク画像(モノクロ)のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態の一例を図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態が適用された画像読取装置50の概略構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
画像読取装置50は、筐体の上面に原稿台10を備えた、いわゆるフラットベッド型画像読取装置である。画像読取装置50は、イメージセンサー(固体撮像素子)220を走査して、透明板の原稿台10に載置された原稿の画像を読み取る。
【0013】
画像読取装置50は、図示するように、LED光源210及びイメージセンサー220を搭載したキャリッジ200と、キャリッジ200の移動を制御する駆動機構300と、画像読取装置50の全体を制御し、画像を読み取るための種々の処理を行うコントローラー100と、を備えている。
【0014】
キャリッジ200は、イメージセンサー220を、LED光源210とともに副走査方向に運搬する。キャリッジ200は、原稿台の盤面に対し平行なガイド用のシャフト等にスライド自在に係止されており、駆動機構300のモーター(例えば、DCモーター)により回転するベルトにより牽引される。キャリッジ200の移動量は、駆動機構300のモーターの回転量に応じてパルスを出力するエンコーダーの出力値により制御される。
【0015】
LED光源210は、赤色(R)LED、緑色(G)LED、青色(B)LEDからなり、カラー画像を読み取る場合には、RGBの3色の光を所定の順序で発生する。本実施形態では、LED光源210は、通常の原稿の1ライン分の読み取りを行う場合には、赤色LED、緑色LED、青色LEDの順に光を発生する。そして、原稿の画像データの生成に必要なライン数分の読み取りを行うために、同様の発光動作を繰り返す。各色のLEDの発光時間は、色ごとに予め定められており、点灯してからその定められた時間が経過したときに、消灯する。なお、1ライン分の読み取りを行う場合の発光順序は、RGBの順序に限られない。
【0016】
なお、LED光源210は、モノクロ画像を読み取る場合には、通常の原稿1ライン分の読み取りで赤色LED、緑色LED、青色LEDを同時に発光させる。
【0017】
イメージセンサー220は、原稿に反射した光を受光し、受光量に応じた電荷を蓄積し、画像読取データ(電気信号)として、コントローラー100に送る。
【0018】
イメージセンサー220は、主走査方向に並んだ複数のセンサーチップからなる。各センサーチップは、通常のCIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーと同様の構成を備えている。すなわち、各センサーチップは、光電変換素子(フォトダイオード)と、シフトゲートと、シフトレジスターと、を備える。そして、光電変換素子に蓄積された電荷を、シフトゲートを開通させてシフトレジスターへ転送し、シフトレジスターにより電荷を順次移動させながら出力する。
【0019】
シフトゲートの開通(電荷の転送)は、シフトパルス(後述する読取制御部120からの信号)の印加に応答して行われる。光電変換素子は、常時、光の受光量に応じて電荷を蓄積しているため、電荷のシフトレジスターへの転送タイミングが、次の発光色の光についての電荷を蓄積する開始タイミングとなる。シフトレジスターに転送された電荷は、シフトレジスターの末端の出力部より、電気信号(アナログデータ)に変換されて、後述するA/D変換部110に送られる。
【0020】
シフトレジスターに格納された電荷の出力は、所定の読み出しクロック(後述する読取制御部120からの信号)に応答して行われる。例えば、1クロック毎に1画素の電荷がアナログデータとして出力される。
【0021】
コントローラー100は、アナログ処理を行う(例えば、イメージセンサー220から出力されたアナログデータをデジタルデータに変換する)A/D変換部110と、A/D変換部110から出力されたデジタルデータに対して各種補正を行うデータ補正処理部130と、データ補正処理部130が各種補正を行うためのデジタルデータ(例えば、白基準データや黒基準データ)を記憶する記憶部140と、データ補正処理部130からのデータをパーソナルコンピューターなどのホストに送るための出力部150と、コントローラー100内の各機能部を全体的に制御するとともに、キャリッジ200内のLED光源210やイメージセンサー220、及び、駆動機構300を制御する読取制御部120と、を備えている。
【0022】
読取制御部120は、駆動機構300のモーターの回転を制御することにより、キャリッジ200の移動を制御する。
【0023】
また、読取制御部120は、イメージセンサー220による、画像読み取りを制御する。
【0024】
具体的には、読取制御部120は、イメージセンサー220に対してシフトパルスの提供を周期的に行い、光電変換素子に蓄積された電荷のシフトレジスターへの転送タイミング(次の電荷蓄積の開始タイミング)を制御する。
【0025】
また、読取制御部120は、イメージセンサー220に対して読み出しクロックの供給を行い、シフトレジスターに格納されている電荷のA/D変換部110への出力を制御する。
【0026】
また、読取制御部120は、イメージセンサー220の読み取り動作に合わせて、LED光源210の点灯、消灯を制御する。
【0027】
ところで、読取制御部120は、原稿の読み取りに先立ち、キャリッジ200を基準位置(ホームポジション)へ移動させる。このとき、読取制御部120は、所定の位置に貼られた原点マーク30を検出して、基準位置を特定する。従って、キャリッジ200を正確に基準位置へ移動させるためには、原点マーク30を正確に検出する必要がある。
【0028】
図2は、原点マーク30が貼られる位置の一例を示す図である。例えば、原点マーク30は、図示するように、原稿台10のキャリッジ200側の面であり、白基準板(白基準データを取得するときに読み取られる板)20の付近に貼られる。なお、図には、原点マーク30の位置を黒塗りの円形で表しており、白基準板20の位置を網掛けの四辺形で表している。
【0029】
また、図3(A)は、原点マーク30の一例を示す図である。図示するように、原点マーク30には、例えば、黒塗りの円形のものを用いる。なお、原点マーク30を精度良く検出するためには、原点マーク30の周辺領域をなるべく白色とした方がよい。
【0030】
もちろん、原点マーク30の位置、形状、色などは、上記に限定されるものではなく、例えば、原点マーク30を白基準板20の上に重ねてもよい。
【0031】
ところで、上記のような原点マーク30を検出するためには、原稿を読み取る場合と同様にLED光源210を点灯させて、原点マーク30を読み取る。ただし、原稿を読み取る場合のように規定の光量(以下では「規定光量」とよぶ)で原点マーク30を読み取ろうとすると、原点マーク30とその周辺領域での輝度差が小さくなり、精度良く原点マーク30を検出できない場合がある。
【0032】
特に、工場出荷前での製造過程や、出荷後の使用状況などによって、LED光源210が出力する光の規定光量にムラが生じたりすると、その規定光量で原点マーク30を読み取っても、原点マーク30を精度良く検出できない。
【0033】
そこで、本実施形態では、読取制御部120は、LED光源210から出力させる光の光量を異ならせ、当該光量ごとに原点マーク30を検出する。
【0034】
例えば、第1に、読取制御部120は、LED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも減少させ、原点マーク30を読み取る。第2に、読取制御部120は、LED光源210から出力される光の光量を規定光量のままとし、原点マーク30を読み取る。第3に、読取制御部120は、LED光源210から出力される光の光量を規定光量よりも増加させ、原点マーク30を読み取る。
【0035】
こうして、読取制御部120は、原点マーク30についての読み取り画像を、光量ごと(すなわち、規定光量よりも少ない光量、規定光量のままの光量、規定光量よりも多い光量)に得ることができる。なお、原点マーク30についての読み取り画像を、以下では、「原点マーク画像」とよぶ。
【0036】
図3(B1)〜(B3)は、LED光源210の規定光量が標準より少ない場合に得られる原点マーク画像の例を示す図である。本実施形態では、上述したように、読取制御部120は、LED光源210から出力させる光の光量を異ならせて、その光量ごとに原点マーク30を読み取る。そのため、図3(B1)に示すような規定光量よりも少ない光量で読み取られた原点マーク画像と、図3(B2)に示すような規定光量のままの光量で読みとられた原点マーク画像と、図3(B3)に示すような規定光量よりも多い光量で読み取られた原点マーク画像と、が得られる。
【0037】
また、図3(C1)〜(C3)は、LED光源210の規定光量が標準的である場合に得られる原点マーク画像の例を示す図である。本実施形態では、読取制御部120は、LED光源210の規定光量の多少に関わらず、LED光源210から出力させる光の光量を異ならせて、その光量ごとに原点マーク30を読み取る。そのため、LED光源210の規定光量が標準的である場合においても、図3(C1)に示すような規定光量よりも少ない光量で読み取られた原点マーク画像と、図3(C2)に示すような規定光量のままの光量で読みとられた原点マーク画像と、図3(C3)に示すような規定光量よりも多い光量で読み取られた原点マーク画像と、が得られる。
【0038】
また、図3(D1)〜(D3)は、LED光源210の規定光量が標準より多い場合に得られる原点マーク画像の例を示す図である。このように、LED光源210の規定光量が標準より多い場合においても、図3(D1)に示すような規定光量よりも少ない光量で読み取られた原点マーク画像と、図3(D2)に示すような規定光量のままの光量で読みとられた原点マーク画像と、図3(D3)に示すような規定光量よりも多い光量で読み取られた原点マーク画像と、が得られる。
【0039】
こうすれば、LED光源210が出力する光の規定光量にムラが生じたとしても、原点マーク30を高精度に検出できる原点マーク画像を得ることができる。例えば、LED光源210の規定光量が標準より少ない場合には、図3(B3)に示すような規定光量よりも多い光量で読み取られた原点マーク画像が、原点マーク30の検出に適した画像となる。また、LED光源210の規定光量が標準的である場合には、図3(C2)に示すような規定光量のままの光量で読み取られた原点マーク画像が、原点マーク30の検出に適した画像となる。また、LED光源210の規定光量が標準より多い場合には、図3(D1)に示すような規定光量よりも少ない光量で読み取られた原点マーク画像が、原点マーク30の検出に適した画像となる。
【0040】
ところで、読取制御部120は、LED光源210の点灯時間を異ならせることによって、LED光源210から出力させる光の光量を異ならせる。また、読取制御部120は、LED光源210に供給する電力量を異ならせることによって、LED光源210から出力させる光の光量を異ならせてもよい。また、読取制御部120は、LED光源210の点灯時間を異ならせること、及び、LED光源210に供給する電力量を異ならせること、の少なくともいずれかによって、LED光源210から出力させる光の光量を異ならせてもよい。
【0041】
図1に戻り、A/D変換部110は、IC(いわゆる、アナログフロントエンドIC)によって構成される。A/D変換部110は、入力されたアナログデータをデジタルデータに変換(量子化)し、データ補正処理部130に出力する。
【0042】
データ補正処理部130は、A/D変換部110から出力されたデジタルデータに対して、シェーディング補正などの各種補正を施して、出力部150に出力する。
【0043】
記憶部140は、データ補正処理部130が各種補正処理を行うためのデータを記憶するメモリーなどによって実現される。例えば、記憶部140は、シェーディング補正に用いる白基準データや黒基準データを記憶する。
【0044】
出力部150は、ネットワーク接続やUSB接続を行うためのインターフェイスを備え、データ補正処理部130から出力されたデジタルデータを、ホストコンピューターに送信する。
【0045】
上記のコントローラー100の主な構成要素は、演算装置であるCPUと、プログラム等が記録されたROMと、メインメモリーとしてデータ等を一時的に格納するRAMと、ホスト等との入出力を制御するインターフェイスと、各構成要素間の通信通路となるシステムバスと、を備えた一般的なコンピューターにより達成することができる。特定の処理を専用に行うように設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)を含んで、又は、ASICにより構成されていてもよい。
【0046】
本実施形態が適用された画像読取装置50は、以上のような構成からなる。ただし、この構成は、本願発明の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上記の構成に限られない。また、一般的な画像読取装置が備える他の構成を排除するものではない。また、画像読取装置50は、さらにプリント機能や、ファクシミリ機能を有する複合機であってもよい。また、A/D変換部110は、キャリッジ200内の基板に搭載されていてもよい。
【0047】
また、上記した各構成要素は、画像読取装置50の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。画像読取装置50の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0048】
次に、上記構成からなる画像読取装置50の特徴的な動作について説明する。
【0049】
<原点マーク検出処理(カラー)>
図4は、本実施形態の画像読取装置50で実行される原点マーク検出処理(カラー)の一例を示すフロー図である。ただし、本フローは、カラー画像の読取制御方法を利用する場合の処理である。
【0050】
読取制御部120は、例えば、原稿の読み取り開始の指示を受け付けると、本フローを開始する。
【0051】
本フロー開始すると、読取制御部120は、原点マーク30を検出するために、LED光源210の赤色(R)LEDに発光させ、1ライン分の読み取りを行う(ステップS101)。
【0052】
続いて、読取制御部120は、LED光源210の緑色(G)LEDに発光させ、1ライン分の読み取りを行う(ステップS102)。
【0053】
次に、読取制御部120は、LED光源210の青色(B)LEDに発光させ、1ライン分の読み取りを行う(ステップS103)。
【0054】
ただし、上記ステップS101〜ステップS103において、読取制御部120は、LED光源210から出力させる光の光量を異ならせている。すなわち、読取制御部120は、同ラインの読み取りにおいて、色ごとに、LED光源210から出力される光の光量を異ならせている。
【0055】
ここで、各色のLED光源210から出力させる光の光量を異ならせる方法としては、上述したように、例えば、点灯時間を異ならせる方法(例1)がある。
【0056】
図5は、点灯時間によってLED光源210の光量を調整する場合における、各色のLED光源210の点灯タイミング、消灯タイミングを示すタイミングチャートである。図中の太線は、読取制御部120から各色のLED光源210へ供給される信号を表している。
【0057】
図示するように、読取制御部120は、赤色(R)LEDの点灯時間を、規定(標準)時間よりも短くする。こうして、上記ステップS101において、読取制御部120は、赤色(R)LEDから出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも減少させることができる。
【0058】
また、読取制御部120は、緑色(G)LEDの点灯時間を、規定(標準)時間のままとする。こうして、読取制御部120は、緑色(G)LEDから出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)のままとすることができる。
【0059】
また、読取制御部120は、青色(B)LEDの点灯時間を、規定(標準)時間よりも長くする。こうして、読取制御部120は、青色(B)LEDから出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも増加させることができる。
【0060】
これとともに、読取制御部120は、イメージセンサー220に対してシフトパルスの提供を周期的に行うため(図5に示す点線のタイミング)、光電変換素子に蓄積された電荷はシフトレジスターへ転送され、色ごとに光量の異なる原点マーク画像を得ることができる。
【0061】
なお、図示する例では、点灯状態を有効信号(H)、消灯状態を無効信号(L)としているが、これに限定されるものではない。また、各色のLED光源210の点灯時間は、図示する例に限定されるものではないが、赤(R)LEDの点灯時間、緑色(G)LEDの点灯時間、青色(B)LEDの点灯時間、の比を、「1:2:4」にするのが好ましい。すなわち、緑色(G)LEDの点灯時間を、赤色(R)LEDの点灯時間の2倍とし、青色(B)LEDの点灯時間を、赤色(R)LEDの点灯時間の4倍とするのが好ましい。
【0062】
ところで、各色のLED光源210から出力させる光の光量を異ならせる方法として、上述したように、例えば、LED光源210に供給する電力量を異ならせる方法(例2)もある。
【0063】
図6は、LED光源210に供給する電力量によってLED光源210の光量を調整する場合における、各色のLED光源210の点灯タイミング、消灯タイミングを示すタイミングチャートである。
【0064】
図示するように、読取制御部120は、赤色(R)LEDへ供給する電力量を、規定(標準)電力量よりも減少させる。こうして、上記ステップS101において、読取制御部120は、赤色(R)LEDから出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも減少させることができる。
【0065】
また、読取制御部120は、緑色(G)LEDへ供給する電力量を、規定(標準)電力量のままとする。こうして、読取制御部120は、緑色(G)LEDから出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)のままとすることができる。
【0066】
また、読取制御部120は、青色(B)LEDへ供給する電力量を、規定(標準)電力量よりも増加させる。こうして、読取制御部120は、青色(B)LEDから出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも増加させることができる。
【0067】
これとともに、読取制御部120は、イメージセンサー220に対してシフトパルスの提供を周期的に行うため(図6に示す点線のタイミング)、光電変換素子に蓄積された電荷はシフトレジスターへ転送され、色ごとに光量の異なる原点マーク画像を得ることができる。
【0068】
なお、図示する例では、点灯状態を有効信号(H)、消灯状態を無効信号(L)としているが、これに限定されるものではない。また、各色のLED光源210の点灯時間については、簡単のため、同一としているが、これに限定されるものではない。もちろん、各色のLED光源210の点灯時間は、原稿読み取り時と同様にするのが好ましい。
【0069】
図4に戻り説明する。上記ステップS101〜ステップS103の処理を実行して、1ライン分の原点マーク画像を読み取ると、読取制御部120は、原点マーク30を検出する処理を実行する(ステップS104)。
【0070】
具体的には、読取制御部120は、上記ステップで得られた各色の原点マーク画像と、原点マーク30の特徴点を示すデータ(以下では「特徴データ」とよぶ)と、をそれぞれ比較する。
【0071】
ここで、例えば、LED光源210の規定光量が標準より少ない場合には、上記ステップS101〜ステップS103で得られた色ごとの原点マーク画像は、図3(B1)〜(B3)に示すような画像となる。すなわち、赤色(R)の原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも減少させて読み取られているため、図3(B1)に示すような画像となり、緑色(G)の原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量のままとして読み取られているため、図3(B2)に示すような画像となり、青色(B)の原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも増加させて読み取られているため、図3(B3)に示すような画像となる。
【0072】
そして、図3(B1)、(B2)に示すように、赤色(R)の原点マーク画像や緑色(G)の原点マーク画像では、原点マーク30とその周辺領域での輝度差が小さいため、原点マーク30の特徴データと比較しても原点マーク30を精度良く検出できない。
【0073】
しかし、図3(B3)に示すように、青色(B)の原点マーク画像については、原点マーク30とその周辺領域での輝度差がはっきりしているため、精度良く原点マーク30を検出できる。
【0074】
また、例えば、LED光源210の規定光量が標準的である場合には、上記ステップS101〜ステップS103で得られた色ごとの原点マーク画像は、図3(C1)〜(C3)に示すような画像となる。すなわち、赤色(R)の原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも減少させて読み取られているため、図3(C1)に示すような画像となり、緑色(G)の原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量のままとして読み取られているため、図3(C2)に示すような画像となり、青色(B)の原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも増加させて読み取られているため、図3(C3)に示すような画像となる。
【0075】
そして、図3(C1)、(C3)に示すように、赤色(R)の原点マーク画像や青色(B)の原点マーク画像では、原点マーク30とその周辺領域での輝度差が小さいため、原点マーク30の特徴データと比較しても原点マーク30を精度良く検出できない。
【0076】
しかし、図3(C2)に示すように、緑色(G)の原点マーク画像については、原点マーク30とその周辺領域での輝度差がはっきりしているため、精度良く原点マーク30を検出できる。
【0077】
また、例えば、LED光源210の規定光量が標準より多い場合には、上記ステップS101〜ステップS103で得られた色ごとの原点マーク画像は、図3(D1)〜(D3)に示すような画像となる。すなわち、赤色(R)の原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも減少させて読み取られているため、図3(D1)に示すような画像となり、緑色(G)の原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量のままとして読み取られているため、図3(D2)に示すような画像となり、青色(B)の原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも増加させて読み取られているため、図3(D3)に示すような画像となる。
【0078】
そして、図3(D2)、(D3)に示すように、緑色(G)の原点マーク画像や青色(B)の原点マーク画像では、原点マーク30とその周辺領域での輝度差が小さいため、原点マーク30の特徴データと比較しても原点マーク30を精度良く検出できない。
【0079】
しかし、図3(D1)に示すように、赤色(R)の原点マーク画像については、原点マーク30とその周辺領域での輝度差がはっきりしているため、精度良く原点マーク30を検出できる。
【0080】
このように、本フローでは、色ごとにLED光源210の光量を異ならせた複数の原点マーク画像(R、G、B)が読み取られ、これらの原点マーク画像(R、G、B)のうち少なくとも1つは原点マーク30を明確に検出できる画像となる。そのため、LED光源210の光量の多少に関わらず精度良く原点マーク30を検出できる。
【0081】
なお、原点マーク30の特徴データは、予めROM等の記憶装置に用意(格納)されているものとする。
【0082】
図4に戻り、読取制御部120は、ステップS104において原点マーク30を検出できたか否か判別する(ステップS105)。
【0083】
例えば、読取制御部120は、上記ステップS101〜S103で読み取られた所定ライン分(例えば、直近の10ライン分)の原点マーク画像(R、G、B)のいずれにも、原点マーク30の特徴がない場合には、原点マーク30を検出できなかったものと判定し(ステップS105;No)、処理をステップS101に戻し、次のラインの読み取りを行う。
【0084】
一方、読取制御部120は、原点マーク画像に、原点マーク30の特徴が存在する場合には、原点マーク30を検出できたものと判定し(ステップS105;Yes)、処理をステップS106へ移行する。
【0085】
なお、図7は、ステップS101〜ステップS103の処理を繰り返し実行することによって得られる原点マーク画像のイメージ図である。図示するように、読取制御部120は、LED光源210の光量を規定光量より減少させて読み取られた赤色(R)の原点マーク画像と、LED光源210の光量を規定光量のままにして読み取られた緑色(G)の原点マーク画像と、LED光源210の光量を規定光量より増加させて読み取られた青色(B)の原点マーク画像と、を得ることができる。なお、読取制御部120は、このように得られた各色の原点マーク画像を、所定の記憶装置(例えば、RAM)に格納しておくものとする。
【0086】
ステップS106に処理が移行すると、読取制御部120は、ステップS104で原点マーク30が検出された位置(例えば、原点マーク30の副走査方向の一端)を、キャリッジ200の基準位置(すなわち、ホームポジション)と決定する(ステップS106)。
【0087】
それから、読取制御部120は、ステップS106で決定された基準位置にキャリッジ200を移動させて、原稿の読取制御を開始する(ステップS107)。
【0088】
その後、読取制御部120は、本フローを終了する。
【0089】
以上の原点マーク検出処理(カラー)を行うことにより、本実施形態の画像読取装置50は、LED光源210が出力する光の規定光量にムラが生じたとしても、原点マーク30を高精度に検出できる。その結果、原稿の読取制御に先立ち、キャリッジ200を基準位置に従来よりも正確に移動させることができる。
【0090】
なお、上記したフローの各処理単位は、画像読取装置50を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。画像読取装置50が行う処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
【0091】
また、上記の実施形態は、本発明の要旨を例示することを意図し、本発明を限定するものではない。多くの代替物、修正、変形例は当業者にとって明らかである。
【0092】
例えば、上記実施形態では、カラー画像の読取制御方法を利用して原点マークを検出する処理について説明したが、原点マークの検出に他の方法を利用してもよい。例えば、モノクロ画像の読取制御方法を利用して原点マークを検出してもよい。
【0093】
<原点マーク検出処理(モノクロ)>
図8は、本実施形態の画像読取装置50で実行される原点マーク検出処理(モノクロ)の一例を示すフロー図である。ただし、本フローは、モノクロ画像の読取制御方法を利用する場合の処理である。
【0094】
読取制御部120は、例えば、原稿の読み取り開始の指示を受け付けると、本フローを開始する。
【0095】
本フロー開始すると、読取制御部120は、原点マーク30を検出するために、LED光源210の赤色(R)LED、緑色(G)LED、青色(B)LEDを同時に発光させ、1ライン分の読み取りを行う。ただし、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも減少させて、読み取りを行う(ステップS201)。
【0096】
図9(A)は、点灯時間によってLED光源210の光量を調整する場合における、各色のLED光源210の点灯タイミング、消灯タイミングを示すタイミングチャートである(例1)。図中の太線は、読取制御部120から各色のLED光源210へ供給される信号を表している。
【0097】
図示するように、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210の点灯時間を、規定(標準)時間よりも短くする。こうして、上記ステップS201において、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも減少させることができる。
【0098】
これとともに、読取制御部120は、イメージセンサー220に対してシフトパルスの提供を周期的に行うため(図9(A)に示す点線のタイミング)、光電変換素子に蓄積された電荷はシフトレジスターへ転送され、LED光源210の光量を減少させたモノクロの原点マーク画像を得ることができる。
【0099】
なお、図示する例では、点灯状態を有効信号(H)、消灯状態を無効信号(L)としているが、これに限定されるものではない。
【0100】
また、もちろん、LED光源210に供給する電力量によってLED光源210の光量を減少させてもよい。
【0101】
図10(A)は、LED光源210に供給する電力量によってLED光源210の光量を調整する場合における、各色のLED光源210の点灯タイミング、消灯タイミングを示すタイミングチャートである(例2)。図中の太線は、読取制御部120から各色のLED光源210へ供給される信号を表している。
【0102】
図示するように、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210へ供給する電力量を、規定(標準)電力量よりも減少させる。こうして、上記ステップS201において、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも減少させることができる。
【0103】
これとともに、読取制御部120は、イメージセンサー220に対してシフトパルスの提供を周期的に行うため(図10(A)に示す点線のタイミング)、光電変換素子に蓄積された電荷はシフトレジスターへ転送され、LED光源210の光量を減少させたモノクロの原点マーク画像を得ることができる。
【0104】
なお、図示する例では、点灯状態を有効信号(H)、消灯状態を無効信号(L)としているが、これに限定されるものではない。また、各色のLED光源210の点灯時間については、簡単のため、各色を区別せずに同一としているが、これに限定されるものではない。もちろん、各色のLED光源210の点灯時間は、原稿読み取り時と同様にするのが好ましい。
【0105】
図8に戻り説明する。上記ステップS201の処理を実行して、光量を減少させた1ライン分のモノクロの原点マーク画像を読み取ると、読取制御部120は、再び、LED光源210の赤色(R)LED、緑色(G)LED、青色(B)LEDを同時に発光させ、ステップS201と同ラインの読み取りを行う。ただし、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)のままとして、読み取りを行う(ステップS202)。
【0106】
図9(B)は、点灯時間によってLED光源210の光量を調整する場合における、各色のLED光源210の点灯タイミング、消灯タイミングを示すタイミングチャートである(例1)。図中の太線は、読取制御部120から各色のLED光源210へ供給される信号を表している。
【0107】
図示するように、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210の点灯時間を、規定(標準)時間のままとする。こうして、上記ステップS202において、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)のままとすることができる。
【0108】
これとともに、読取制御部120は、イメージセンサー220に対してシフトパルスの提供を周期的に行うため(図9(B)に示す点線のタイミング)、光電変換素子に蓄積された電荷はシフトレジスターへ転送され、LED光源210の光量を調整していないモノクロの原点マーク画像を得ることができる。
【0109】
なお、図示する例では、点灯状態を有効信号(H)、消灯状態を無効信号(L)としているが、これに限定されるものではない。
【0110】
また、もちろん、LED光源210に供給する電力量によってLED光源210の光量を規定光量のままとしてもよい。
【0111】
図10(B)は、LED光源210に供給する電力量によってLED光源210の光量を調整する場合における、各色のLED光源210の点灯タイミング、消灯タイミングを示すタイミングチャートである(例2)。図中の太線は、読取制御部120から各色のLED光源210へ供給される信号を表している。
【0112】
図示するように、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210へ供給する電力量を、規定(標準)電力量のままとする。こうして、上記ステップS202において、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)のままとすることができる。
【0113】
これとともに、読取制御部120は、イメージセンサー220に対してシフトパルスの提供を周期的に行うため(図10(B)に示す点線のタイミング)、光電変換素子に蓄積された電荷はシフトレジスターへ転送され、LED光源210の光量を調整していないモノクロの原点マーク画像を得ることができる。
【0114】
なお、図示する例では、点灯状態を有効信号(H)、消灯状態を無効信号(L)としているが、これに限定されるものではない。また、各色のLED光源210の点灯時間については、簡単のため、各色を区別せずに同一としているが、これに限定されるものではない。もちろん、各色のLED光源210の点灯時間は、原稿読み取り時と同様にするのが好ましい。
【0115】
図8に戻り説明する。上記ステップS202の処理を実行して、光量を調整せずに1ライン分のモノクロの原点マーク画像を読み取ると、読取制御部120は、再び、LED光源210の赤色(R)LED、緑色(G)LED、青色(B)LEDを同時に発光させ、ステップS202と同ラインの読み取りを行う。ただし、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも増加させて、読み取りを行う(ステップS203)。
【0116】
図9(C)は、点灯時間によってLED光源210の光量を調整する場合における、各色のLED光源210の点灯タイミング、消灯タイミングを示すタイミングチャートである(例1)。図中の太線は、読取制御部120から各色のLED光源210へ供給される信号を表している。
【0117】
図示するように、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210の点灯時間を、規定(標準)時間よりも長くする。こうして、上記ステップS203において、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも増加させることができる。
【0118】
これとともに、読取制御部120は、イメージセンサー220に対してシフトパルスの提供を周期的に行うため(図9(C)に示す点線のタイミング)、光電変換素子に蓄積された電荷はシフトレジスターへ転送され、LED光源210の光量を増加させたモノクロの原点マーク画像を得ることができる。
【0119】
なお、図示する例では、点灯状態を有効信号(H)、消灯状態を無効信号(L)としているが、これに限定されるものではない。
【0120】
また、もちろん、LED光源210に供給する電力量によってLED光源210の光量を規定光量より増加させてもよい。
【0121】
図10(C)は、LED光源210に供給する電力量によってLED光源210の光量を調整する場合における、各色のLED光源210の点灯タイミング、消灯タイミングを示すタイミングチャートである(例2)。図中の太線は、読取制御部120から各色のLED光源210へ供給される信号を表している。
【0122】
図示するように、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210へ供給する電力量を、規定(標準)電力量よりも増加させる。こうして、上記ステップS203において、読取制御部120は、各色(R、G、B)のLED光源210から出力される光の光量を規定光量(すなわち、原稿読み取り時の光量)よりも増加させることができる。
【0123】
これとともに、読取制御部120は、イメージセンサー220に対してシフトパルスの提供を周期的に行うため(図10(C)に示す点線のタイミング)、光電変換素子に蓄積された電荷はシフトレジスターへ転送され、LED光源210の光量を増加させたモノクロの原点マーク画像を得ることができる。
【0124】
なお、図示する例では、点灯状態を有効信号(H)、消灯状態を無効信号(L)としているが、これに限定されるものではない。また、各色のLED光源210の点灯時間については、簡単のため、各色を区別せずに同一としているが、これに限定されるものではない。もちろん、各色のLED光源210の点灯時間は、原稿読み取り時と同様にするのが好ましい。
【0125】
図8に戻り説明する。上記ステップS205の処理を実行して、光量を増加させた1ライン分のモノクロの原点マーク画像を読み取ると、読取制御部120は、原点マーク30を検出する処理を実行する(ステップS204)。
【0126】
具体的には、読取制御部120は、上記ステップで得られた各原点マーク画像と、原点マーク30の特徴データと、をそれぞれ比較する。
【0127】
ここで、例えば、LED光源210の規定光量が標準より少ない場合には、上記ステップS201〜S203で得られたモノクロの原点マーク画像は、図3(B1)〜(B3)に示すような画像となる。すなわち、ステップS201で読み取られた原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも減少させて読み取られているため、図3(B1)に示すような画像となり、ステップS202で読み取られた原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量のままとして読み取られているため、図3(B2)に示すような画像となり、ステップS203で得られた原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも増加させて読み取られているため、図3(B3)に示すような画像となる。
【0128】
そして、図3(B1)、(B2)に示すように、ステップ201やステップS202で読み取られた原点マーク画像では、原点マーク30とその周辺領域での輝度差が小さいため、原点マーク30の特徴データと比較しても原点マーク30を精度良く検出できない。
【0129】
しかし、図3(B3)に示すように、ステップS203で読み取られた原点マーク画像については、原点マーク30とその周辺領域での輝度差がはっきりしているため、精度良く原点マーク30を検出できる。
【0130】
また、例えば、LED光源210の規定光量が標準的である場合には、上記ステップS201〜S203で得られた各原点マーク画像は、図3(C1)〜(C3)に示すような画像となる。すなわち、ステップS201で読み取られた原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも減少させて読み取られているため、図3(C1)に示すような画像となり、ステップS202で読み取られた原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量のままとして読み取られているため、図3(C2)に示すような画像となり、ステップS203で得られた原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも増加させて読み取られているため、図3(C3)に示すような画像となる。
【0131】
そして、図3(C1)、(C3)に示すように、ステップS201やステップS203で読み取られた原点マーク画像では、原点マーク30とその周辺領域での輝度差が小さいため、原点マーク30の特徴データと比較しても原点マーク30を精度良く検出できない。
【0132】
しかし、図3(C2)に示すように、ステップS202で読み取られた原点マーク画像については、原点マーク30とその周辺領域での輝度差がはっきりしているため、精度良く原点マーク30を検出できる。
【0133】
また、例えば、LED光源210の規定光量が標準より多い場合には、上記ステップS201〜S203で得られた各原点マーク画像は、図3(D1)〜(D3)に示すような画像となる。すなわち、ステップS201で読み取られた原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも減少させて読み取られているため、図3(D1)に示すような画像となり、ステップS202で読み取られた原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量のままとして読み取られているため、図3(D2)に示すような画像となり、ステップS203で読み取られた原点マーク画像は、LED光源210の光量を規定光量よりも増加させて読み取られているため、図3(D3)に示すような画像となる。
【0134】
そして、図3(D2)、(D3)に示すように、ステップS202やステップS203で読み取られた原点マーク画像では、原点マーク30とその周辺領域での輝度差が小さいため、原点マーク30の特徴データと比較しても原点マーク30を精度良く検出できない。
【0135】
しかし、図3(D1)に示すように、ステップS201で読み取られた原点マーク画像については、原点マーク30とその周辺領域での輝度差がはっきりしているため、精度良く原点マーク30を検出できる。
【0136】
このように、本フローでは、モノクロ画像の読取制御方法を利用する場合であっても、LED光源210の光量を異ならせた複数の原点マーク画像(モノクロ)が読み取られ、これらの原点マーク画像(モノクロ)のうち少なくとも1つは原点マーク30を明確に検出できる画像となる。そのため、LED光源210の光量の多少に関わらず精度良く原点マーク30を検出できる。
【0137】
図8に戻り、読取制御部120は、ステップS204において原点マーク30を検出できたか否か判別する(ステップS205)。
【0138】
例えば、読取制御部120は、上記ステップS201〜S203で読み取られた所定ライン分(例えば、直近の10ライン分)の原点マーク画像(モノクロ)のいずれにも、原点マーク30の特徴がない場合には、原点マーク30を検出できなかったものと判定し(ステップS205;No)、処理をステップS201に戻し、次のラインの読み取りを行う。
【0139】
一方、読取制御部120は、原点マーク画像に、原点マーク30の特徴が存在する場合には、原点マーク30を検出できたものと判定し(ステップS205;Yes)、処理をステップS206へ移行する。
【0140】
なお、図11は、ステップS201〜S203の処理を繰り返し実行することによって得られるモノクロの原点マーク画像のイメージ図である。図示するように、読取制御部120は、LED光源210の光量を規定光量より減少させて読み取られたモノクロの原点マーク画像と、LED光源210の光量を規定光量のままにして読み取られたモノクロの原点マーク画像と、LED光源210の光量を規定光量より増加させて読み取られたモノクロの原点マーク画像と、を得ることができる。
【0141】
処理がステップS206に移行すると、読取制御部120は、ステップS204で原点マーク30が検出された位置(例えば、原点マーク30の副走査方向の一端)を、キャリッジ200の基準位置(すなわち、ホームポジション)と決定する(ステップS206)。
【0142】
それから、読取制御部120は、ステップS206で決定された基準位置にキャリッジ200を移動させて、原稿の読取制御を開始する(ステップS207)。
【0143】
その後、読取制御部120は、本フローを終了する。
【0144】
以上の原点マーク検出処理(モノクロ)を行うことにより、本実施形態の画像読取装置50は、モノクロ画像の読取制御方法を利用する場合であっても、カラー画像の読取制御方法を利用する場合と同様に、LED光源210が出力する光の光量の多少に関わらず、原点マーク30を高精度に検出できる。その結果、原稿の読取制御に先立ち、キャリッジ200を基準位置に従来よりも正確に移動させることができる。
【0145】
また、上記実施形態や上記変形例では、各色の光源をLED光源としているが、これに限定されない。
【0146】
また、上記実施形態や上記変形例では、LED光源210から出力させる光の光量を3段階(減少、調整なし、増加)で異ならせている。しかし、これに限定されず、2段階、あるいは、4段階以上としてもよい。
【0147】
また、上記実施形態では説明していなかったが、原稿読み取り時におけるRGBそれぞれの点灯時間は、一般的に、R点灯時間が最も長く、G点灯時間が次に長く、B点灯時間が最も短い(R点灯時間>G点灯時間>B点灯時間)。しかし、上記実施形態では、図5に示すように、原点マーク30検出時に、あえて、R点灯時間を最も短くし、G点灯時間を次に短くし、B点灯時間を最も長くすることにより(R点灯時間<G点灯時間<B点灯時間)、各色のLED光源210が出力する光量に差がでるようにしている。
【符号の説明】
【0148】
50・・・画像読取装置、100・・・コントローラー、110・・・A/D変換部、120・・・読取制御部、130・・・データ補正処理部、140・・・記憶部、150・・・出力部、200・・・キャリッジ、210・・・LED光源、220・・・イメージセンサー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取対象に光を照射する光源と、
前記読取対象を経由した光を蓄積する光電変換素子と、
前記光源および前記光源変換素子を制御して読み取った画像から所定マークを検出し、原稿読み取りの基準位置を決定する基準位置決定手段と、
前記基準位置に基づき前記光源および前記光源変換素子を制御して原稿読み取りを開始する原稿読取手段と、を備え、
前記基準位置決定手段は、
前記光源から出力させる光の光量を異ならせて当該光量ごとに画像を読み取り、読み取った光量の異なる画像の少なくともいずれかを用いて前記所定マークを検出することによって、前記基準位置を特定する、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像読取装置であって、
前記基準位置決定手段は、
前記光源の点灯時間を異ならせることによって、当該光源から出力させる光の光量を異ならせる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像読取装置であって、
前記基準位置決定手段は、
前記光源に供給する電力量を異ならせることによって、当該光源から出力させる光の光量を異ならせる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像読取装置であって、
前記基準位置決定手段は、
前記光源の点灯時間を異ならせること、及び、前記光源に供給する電力量を異ならせること、の少なくともいずれかによって、当該光源から出力させる光の光量を異ならせる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
請求項2又は4に記載の画像読取装置であって、
前記光源は、複数色の光を独立して出力するものであり、
前記基準位置決定手段は、
前記色ごとに、前記光源の点灯時間を異ならせる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像読取装置であって、
前記基準位置決定手段は、
前記光源において、緑色の点灯時間を、赤色の点灯時間の2倍とし、青色の点灯時間を、赤色の点灯時間の4倍とすることによって、当該光源から出力させる光の光量を異ならせる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
請求項5に記載の画像読取装置であって、
前記原稿読取手段は、
原稿を読み取る場合に、前記光源について、赤色の点灯時間を最も長く、緑色の点灯時間を次に長く、青色の点灯時間を最も短くし、
前記基準位置決定手段は、
前記所定マークを検出する場合に、前記光源について、赤色の点灯時間を最も短く、緑色の点灯時間を次に短く、青色の点灯時間を最も長くする、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
読取対象に光を照射する光源と、前記読取対象を経由した光を蓄積する光電変換素子と、を備える画像読取装置における画像読取方法であって、
前記光源および前記光源変換素子を制御して読み取った画像から所定マークを検出し、原稿読み取りの基準位置を決定する基準位置決定ステップと、
前記基準位置に基づき前記光源および前記光源変換素子を制御して原稿読み取りを開始する原稿読取ステップと、を行い、
前記基準位置決定ステップでは、
前記光源から出力させる光の光量を異ならせて当該光量ごとに画像を読み取り、読み取った光量の異なる画像の少なくともいずれかを用いて前記所定マークを検出することによって、前記基準位置を特定する、
ことを特徴とする画像読取方法。
【請求項1】
読取対象に光を照射する光源と、
前記読取対象を経由した光を蓄積する光電変換素子と、
前記光源および前記光源変換素子を制御して読み取った画像から所定マークを検出し、原稿読み取りの基準位置を決定する基準位置決定手段と、
前記基準位置に基づき前記光源および前記光源変換素子を制御して原稿読み取りを開始する原稿読取手段と、を備え、
前記基準位置決定手段は、
前記光源から出力させる光の光量を異ならせて当該光量ごとに画像を読み取り、読み取った光量の異なる画像の少なくともいずれかを用いて前記所定マークを検出することによって、前記基準位置を特定する、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像読取装置であって、
前記基準位置決定手段は、
前記光源の点灯時間を異ならせることによって、当該光源から出力させる光の光量を異ならせる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像読取装置であって、
前記基準位置決定手段は、
前記光源に供給する電力量を異ならせることによって、当該光源から出力させる光の光量を異ならせる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像読取装置であって、
前記基準位置決定手段は、
前記光源の点灯時間を異ならせること、及び、前記光源に供給する電力量を異ならせること、の少なくともいずれかによって、当該光源から出力させる光の光量を異ならせる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
請求項2又は4に記載の画像読取装置であって、
前記光源は、複数色の光を独立して出力するものであり、
前記基準位置決定手段は、
前記色ごとに、前記光源の点灯時間を異ならせる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像読取装置であって、
前記基準位置決定手段は、
前記光源において、緑色の点灯時間を、赤色の点灯時間の2倍とし、青色の点灯時間を、赤色の点灯時間の4倍とすることによって、当該光源から出力させる光の光量を異ならせる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
請求項5に記載の画像読取装置であって、
前記原稿読取手段は、
原稿を読み取る場合に、前記光源について、赤色の点灯時間を最も長く、緑色の点灯時間を次に長く、青色の点灯時間を最も短くし、
前記基準位置決定手段は、
前記所定マークを検出する場合に、前記光源について、赤色の点灯時間を最も短く、緑色の点灯時間を次に短く、青色の点灯時間を最も長くする、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
読取対象に光を照射する光源と、前記読取対象を経由した光を蓄積する光電変換素子と、を備える画像読取装置における画像読取方法であって、
前記光源および前記光源変換素子を制御して読み取った画像から所定マークを検出し、原稿読み取りの基準位置を決定する基準位置決定ステップと、
前記基準位置に基づき前記光源および前記光源変換素子を制御して原稿読み取りを開始する原稿読取ステップと、を行い、
前記基準位置決定ステップでは、
前記光源から出力させる光の光量を異ならせて当該光量ごとに画像を読み取り、読み取った光量の異なる画像の少なくともいずれかを用いて前記所定マークを検出することによって、前記基準位置を特定する、
ことを特徴とする画像読取方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−98619(P2013−98619A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237120(P2011−237120)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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