説明

画像読取装置およびこれを備えた画像形成装置

【課題】圧板を自動的に開閉可能な画像読取装置であっても、圧板の開閉動作に支障のないユーザおよびその開閉動作が困難なユーザのいずれもが違和感なく快適に利用可能な画像読取装置および画像形成装置を提供すること。
【解決手段】原稿台に対してADFを一体装備した圧板が自動的に開閉動作可能であり、圧板読取とシートスルー読取とが可能な画像読取装置において、コントローラは、少なくとも圧板読取時、所定のタイミングで圧板を自動で開閉動作させる圧板開閉補助モードと圧板の自動的な開閉動作を行わない圧板開閉通常モードとからなる圧板開閉モードを設定可能であり、読取開始信号が入力されたとき、原稿台に載置された原稿を検知する原稿検知センサおよびADFにセットされた原稿を検知する原稿セットセンサの検出結果に基づき、圧板開閉モードを圧板開閉補助モードおよび圧板開閉通常モードのいずれかに設定するよう構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置およびこれを備えた画像形成装置に関し、特に、原稿台に載置された原稿を閉止、保持する圧板を自動開閉可能な画像読取装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から複写機等の原稿の画像情報を読み取ることを目的とした製品において、読取手段として光学的に原稿表面を走査する画像読取装置が多く用いられている。これらの画像読取装置の多くは、原稿台のコンタクトガラス上の所定位置に原稿を定置し、圧板を閉止した状態で読取を行う方法(以下、圧板読取という)と、原稿トレイにセットされた原稿束から自動的に一枚ずつ原稿を自動搬送する自動原稿搬送装置(以下、ADFという)を装備し、このADFによって複数枚からなる原稿の読み取りを行う方法(以下、ADF読取という)が一般によく知られている。
【0003】
多くの場合、原稿台のコンタクトガラス上に定置された原稿を押さえるための圧板をADFと一体化することでスペースの縮小が図られている。そのため、原稿台上に原稿を定置して圧板読取を行う場合には、読み取られる原稿ごとにADFと一体化された圧板を開閉動作する必要があり、このような動作を手動で行うことが不自由な利用者にとって大きな負担となっている。この課題を解決するために、原稿台上の原稿の有無や、ADFへの原稿のセット状態、オペレータが装置に近接したかどうかなどを判断の根拠として、圧板(ADF)をモータなどの駆動源を用いて自動的に開閉させる装置が既に知られている。
【0004】
従来、この種の画像処理装置として、原稿台に対して圧板(ADF)を自動的に開閉可能な画像処理装置において、読取処理の始動を示す指示が入力された時点での原稿台上の原稿の有無、ADFへの原稿セット状態に応じて開放状態にある圧板の閉止動作を行わせるとともに、原稿台上およびADF上の双方に原稿の存在を検知した場合に圧板によって閉止された原稿の読取動作を優先させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この特許文献1に記載の画像処理装置では、ユーザ自身が直接支持するコピーの始動指令、すなわち原稿のセット後に必ず行うスタートキーの押下による入力指令に応じて、開閉駆動手段を動作させることによりユーザの意思に従った動きで自動的に圧板を閉止する動作を実行するようになっている。したがって、特許文献1に記載の画像処理装置にあっては、ユーザの予想に反して圧板の開閉動作が自動的に行われるといった不具合を解消することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の従来の画像処理装置にあっては、ユーザの予想に反した圧板の自動的な開閉動作を防止することを目的とするものの、圧板を開閉動作させる装置の特性上、その動作が比較的緩やかとなり一定の時間が必要となるため、通常の開閉動作が問題のないユーザにとっては、圧板の開閉動作が完了するまで待機しなければならず、かえって操作に必要な時間が長くなってしまうという問題があった。
【0007】
また、このような圧板の開閉動作を自動で行う画像処理装置では、例えば圧板の自動的な開閉動作中にユーザによる操作力が加わったとき、その開閉動作を停止させる制御手段を具備するものなどもある。しかし、このような従来の画像処理装置が圧板の自動開閉動作を停止させる制御手段を備えていようとも、圧板の開閉動作に支障のないユーザがこの画像処理装置を使用する際には、やはり予期せずに圧板が開閉動作することに戸惑ってしまう。さらに、圧板の開閉動作に支障のないユーザは、このような画像処理装置を使用する度に、圧板の自動的な開閉動作中に操作力を加えてその開閉動作を停止させる必要が生じ、煩わしいという問題があった。
【0008】
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、圧板の開閉を自動的に行うことが可能な画像読取装置であっても、圧板の通常の開閉動作に支障のないユーザおよびその開閉動作が困難なユーザのいずれもが違和感なく快適に利用可能な画像読取装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画像読取装置は、上記目的を達成するため、読取位置を有する原稿台に対して圧板が閉止位置と開放位置との間で自動的に開閉動作可能であり、前記原稿台に載置され、前記圧板により閉止された原稿を読み取る圧板読取と、前記圧板に一体装備された自動原稿搬送手段によって搬送される原稿を読み取るシートスルー読取とが可能な画像読取装置であって、前記圧板の開閉動作を行う圧板開閉手段と、前記原稿台に載置された原稿の有無を検知する第1の検知手段と、前記自動原稿搬送手段にセットされた原稿の有無を検知する第2の検知手段と、前記圧板読取および前記シートスルー読取の少なくともいずれかの読取開始指示をユーザから受け付ける指示受付手段と、前記圧板開閉手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、少なくとも前記圧板読取において所定のタイミングで前記圧板を自動的に開閉動作させる圧板開閉補助モードと、前記圧板の自動的な開閉動作を行わない圧板開閉通常モードとからなる圧板開閉モードを設定可能であり、前記指示受付手段が前記読取開始指示を受け付けたとき、前記第1の検知手段および前記第2の検出手段による原稿の有無の検出結果に基づき、前記圧板開閉モードを前記圧板開閉補助モードおよび前記圧板開閉通常モードのいずれかに設定する構成を有する。
【0010】
この構成により、本発明に係る画像読取装置は、指示受付手段が読取開始指示を受け付けたとき、制御手段が、第1の検知手段および第2の検出手段による原稿の有無の検出結果に基づき、圧板開閉モードを、圧板読取において所定のタイミングで圧板を自動的に開閉動作させる圧板開閉補助モードおよび圧板の自動的な開閉動作を行わない圧板開閉通常モードのいずれかに設定するようになっている。
【0011】
このため、本発明に係る画像読取装置は、ユーザの必要に応じて圧板開閉補助モードと圧板開閉通常モードとを切り替えることができる。すなわち、本発明は、装置使用時の原稿台や自動原稿搬送手段に載置あるいはセットされた原稿の有無に応じて、装置を使用するユーザごとに最適な圧板開閉モードとすることができる。例えば、装置を使用するユーザが圧板の開閉動作に支障のないユーザであると判断できる場合には、予め圧板開閉通常モードに設定することができ、圧板の開閉動作が困難なユーザであると判断できる場合には、予め圧板開閉補助モードに設定することができる。その結果、圧板の開閉動作に支障のないユーザは、圧板の自動的な開閉動作が完了するまで待機する必要がなく、通常の圧板開閉動作を手動で行うことにより操作にかかる時間を短縮することができる。
【0012】
したがって、本発明に係る画像読取装置は、圧板の開閉動作に支障のないユーザおよびその開閉動作が困難なユーザのいずれもが違和感なく快適に使用することができる。
【0013】
また、本発明に係る画像読取装置において、前記制御手段は、前記指示受付手段が前記読取開始指示を受け付けた際、前記第1の検知手段および前記第2の検知手段により前記原稿台および前記自動原稿搬送手段のいずれにも原稿がないことが検知されたとき、前記圧板開閉モードを前記圧板開閉補助モードに設定する構成を有する。
【0014】
この構成により、本発明に係る画像読取装置は、指示受付手段が読取開始指示を受け付けた際、第1の検知手段および第2の検知手段により原稿台および自動原稿搬送手段のいずれにも原稿がないことが検知されたとき、制御手段が、圧板開閉モードを圧板開閉補助モードに設定するので、圧板の開閉が困難なユーザが圧板読取を望む場合に、ユーザ自身により圧板を開閉動作する必要がなく、圧板の開閉が困難なユーザに対して圧板の開閉動作を補助することができる。
【0015】
また、本発明に係る画像読取装置は、前記圧板の開閉状態を検知する第3の検知手段を備え、前記制御手段は、前記圧板開閉モードを前記圧板開閉補助モードに設定する際、前記第3の検知手段により前記圧板が閉止位置にあることを検出したとき、前記圧板を自動的に開放するよう前記圧板開閉手段を制御する構成を有する。
【0016】
この構成により、本発明に係る画像読取装置は、圧板開閉モードを圧板開閉補助モードに設定する際、第3の検知手段により圧板が閉止位置にあることを検出したとき、制御手段が、圧板を自動的に開放するよう圧板開閉手段を制御するので、圧板の開閉が困難なユーザが圧板読取を望む場合に、ユーザ自身により圧板の開放動作を行う必要がなく、圧板の開閉が困難なユーザに対して特に圧板の開放動作を補助することができる。
【0017】
また、本発明に係る画像読取装置は、前記圧板の開閉状態を検知する第3の検知手段を備え、前記制御手段は、前記圧板開閉モードを前記圧板開閉補助モードに設定する際、前記第3の検知手段により前記圧板が開放位置にあることを検出したとき、前記圧板を自動的に閉止するよう前記圧板開閉手段を制御する構成を有する。
【0018】
この構成により、本発明に係る画像読取装置は、圧板開閉モードを圧板開閉補助モードに設定する際、第3の検知手段により圧板が開放位置にあることを検出したとき、制御手段が、圧板を自動的に閉止するよう圧板開閉手段を制御するので、圧板の開閉が困難なユーザが圧板読取を望む場合に、ユーザ自身により圧板の閉止動作を行う必要がなく、圧板の開閉が困難なユーザに対して特に圧板の閉止動作を補助することができる。
【0019】
また、本発明に係る画像読取装置は、前記圧板読取により複数の原稿を連続して読み取る連続読取の終了を受け付ける連続読取終了受付手段を備え、前記圧板開閉補助モードは、前記圧板によって前記原稿台に閉止された原稿を読み取った後、前記圧板を自動的に開放し、その後、前記指示受付手段が前記読取開始指示を受け付けた際に前記圧板を自動的に閉止する開閉動作を前記連続読取終了受付手段が前記連続読取の終了を受け付けるまで繰り返し行う圧板開閉モードであり、前記制御手段は、前記連続読取終了受付手段が前記連続読取の終了を受け付け、かつ前記第1の検知手段により前記原稿台に原稿がないことが検知されたとき、前記圧板を閉止するよう前記圧板開閉手段を制御するとともに、前記圧板開閉補助モードを解除して前記圧板開閉モードを前記圧板開閉通常モードに設定する構成を有する。
【0020】
この構成により、本発明に係る画像読取装置は、連続読取終了受付手段が連続読取の終了を受け付け、かつ第1の検知手段により原稿台に原稿がないことが検知されたとき、制御手段が、圧板を閉止するよう圧板開閉手段を制御するとともに、圧板開閉補助モードを解除して圧板開閉モードを圧板開閉通常モードに設定するので、連続読取の終了時には、機器として圧板が閉止された安定した状態に移行させることができるとともに、次回使用するユーザのために圧板開閉モードを圧板開閉通常モードとすることができる。
【0021】
また、本発明に係る画像読取装置において、前記制御手段は、前記連続読取中に、前記圧板の開放後、所定時間以上前記指示受付手段が前記読取開始指示を受け付けなかったとき、前記圧板が開放された状態で前記圧板開閉補助モードを解除して前記圧板開閉モードを前記圧板開閉通常モードに設定する構成を有する。
【0022】
この構成により、本発明に係る画像読取装置は、連続読取中に、圧板の開放後、所定時間以上、指示受付手段が読取開始指示を受け付けなかったとき、制御手段が、圧板が開放された状態で圧板開閉補助モードを解除して圧板開閉モードを圧板開閉通常モードに設定するので、例えば、連続読取中に画像読取装置の使用が放置された場合であっても、次回使用するユーザにとって利用し易い状態とすることができる。
【0023】
また、本発明に係る画像読取装置は、前記圧板開閉手段に対する外部からの操作力を検知する外部操作力検知手段を備え、前記制御手段は、前記圧板開閉補助モードの設定中に、前記外部操作力検知手段により外部からの操作力が検知されたとき、前記圧板開閉補助モードを解除して前記圧板開閉モードを前記圧板開閉通常モードに設定する構成を有する。
【0024】
この構成により、本発明に係る画像読取装置は、圧板開閉補助モードの設定中に、外部操作力検知手段により外部からの操作力が検知されたとき、制御手段が、圧板開閉補助モードを解除して圧板開閉モードを圧板開閉通常モードに設定する。
【0025】
このため、本発明に係る画像読取装置は、圧板開閉補助モードの設定中にユーザにより操作力が加えられることにより圧板の開閉動作を自動で行う必要がないと判断された後は、圧板開閉モードを圧板開閉通常モードに設定することで、圧板の開閉に支障のないユーザが要求する通常の圧板の開閉動作を可能とすることができる。
【0026】
また、本発明に係る画像読取装置は、前記外部操作力検知手段により外部からの操作力が検知されたとき、前記圧板開閉補助モードを解除するか否かをユーザが選択可能な選択手段を備え、前記制御手段は、前記圧板開閉補助モードの設定中に、前記選択手段により前記圧板開閉補助モードの解除が選択されたとき、前記圧板開閉補助モードを解除して前記圧板開閉モードを前記圧板開閉通常モードに設定する構成を有する。
【0027】
この構成により、本発明に係る画像読取装置は、圧板開閉補助モードの設定中に、選択手段により圧板開閉補助モードの解除が選択されたとき、制御手段が、圧板開閉補助モードを解除して圧板開閉モードを圧板開閉通常モードに設定する。
【0028】
このため、本発明に係る画像読取装置は、例えば、圧板の開閉動作が困難なユーザが、圧板開閉補助モードの設定中に誤って操作力を加えてしまった場合であっても、選択手段により圧板開閉補助モードの解除が選択されない限り、圧板開閉補助モードを維持することができる。したがって、本発明に係る画像読取装置は、圧板の開閉動作が困難なユーザの意図しない圧板開閉補助モードの解除を防止することができる。
【0029】
また、本発明に係る画像形成装置は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像読取装置を具備する。
【0030】
この構成により、圧板の開閉動作に支障のないユーザおよびその開閉動作が困難なユーザのいずれもが違和感なく快適に使用することができる画像形成装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明では、圧板の開閉を自動的に行うことが可能な画像読取装置であっても、圧板の通常の開閉動作に支障のないユーザおよびその開閉動作が困難なユーザのいずれもが違和感なく快適に利用可能な画像読取装置および画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像読取装置を備えた画像形成装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るADFの概略断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るADFの制御構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るADFの第2読取部の制御構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像読取装置の圧板の開放状態を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る画像読取装置で実行される圧板開閉モードの設定制御を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係る画像読取装置で実行される画像読取制御を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係る画像読取装置で実行される外部操作力検知時の圧板開閉モードの切り替え制御を示すフローチャートである。
【図9】外部操作力検知時の圧板開閉モードの切り替え制御の他の形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0034】
図1は、本発明に係る画像読取装置を備えた画像形成装置の一実施の形態を示す図であり、本実施の形態では、画像形成装置を複写機1に適用している。
【0035】
図1に示すように、複写機1は、自動原稿搬送手段としての自動原稿搬送装置(以下、単にADFという)2と、給紙部3と、画像読取部4と、画像形成部5とから構成されている。また、ADF2および画像読取部4は、画像読取装置を構成している。
【0036】
なお、この画像読取装置においては、ADF2により原稿を搬送しながら画像を読み取るいわゆるシートスルー読取と、画像読取部4上に配置された原稿台7に後述する圧板2aにより閉止された原稿を読み取るいわゆる圧板読取とが可能である。
【0037】
ADF2は、原稿トレイ11と、各種ローラ等からなる搬送部13とを備えている。ADF2は、搬送部13により原稿トレイ11に載置された原稿をスリットガラス7a上に搬送し、スリットガラス7aを介して画像読取部4により読み取りが終了した原稿を、スリットガラス7a上を通過させた後、排紙トレイ12に排紙するようになっている。
【0038】
また、このADF2は、画像読取部4に対して後述する圧板開閉機構120を介して開閉自在に取り付けられた圧板2aに一体装備されている。圧板2aは、後述する圧板開閉モードに応じて、原稿台7に対して圧板2aが閉止される閉止位置と開放される開放位置との間で自動的な開閉動作が可能な構成となっている。
【0039】
給紙部3は、用紙サイズの異なる記録紙を収納する給紙カセット21、22と、給紙カセット21、22に収納された記録紙を画像形成部5の画像形成位置まで搬送する各種ローラからなる給紙手段23とを有している。
【0040】
画像読取部4は、原稿台7と、光源およびミラー部材を搭載した第1キャリッジ25およびミラー部材を搭載した第2キャリッジ26からなる走査光学系27と、結像レンズ28と、撮像部29とを備えている。画像読取部4は、第1キャリッジ25に搭載された光源によりスリットガラス7a上を通過中の原稿あるいは原稿台7に閉止された原稿に光を照射し、第1キャリッジ25および第2キャリッジ26に搭載された各ミラー部材により原稿からの反射光を折り返させ、その反射光を結像レンズ28により結像して撮像部29で読み取らせるようになっている。すなわち、画像読取部4は、シートスルー読取を行う際には、走査光学系27を読取位置110に固定した状態で上記読取動作を行う。一方、圧板読取を行う際には、原稿台7に圧板2aにより閉止された原稿に沿うように走査光学系27を副走査方向に移動させながら上記読取動作を行う。
【0041】
画像形成部5は、露光装置31と、感光体ドラム32と、現像装置33、転写ベルト34と、定着装置35とを備えている。画像形成部5は、撮像部29に読み取られた読取画像に基づいて、露光装置31により感光体ドラム32を露光して感光体ドラム32に潜像を形成し、現像装置33により感光体ドラム32に異なる色のトナーを供給して現像するようになっている。そして、画像形成部5は、転写ベルト34により感光体ドラム32に現像された像を給紙部3から供給された記録紙に転写した後、定着装置35により記録紙に転写されたトナー画像のトナーを溶融して、記録紙にカラー画像を定着するようになっている。
【0042】
次いで、図2を参照して、ADF2について詳細に説明する。
図2に示すように、原稿トレイ11は、可動原稿テーブル41と、一対のサイドガイド板42とを有している。可動原稿テーブル41は、原稿トレイ11の給紙方向の略前半部を構成しており、基端部を支点として図中a、b方向に回動するようになっている。このように、原稿トレイ11は、可動原稿テーブル41を回動することにより、原稿トレイ11に載置された原稿の給送方向前端部を適切な高さに合わせることができるようになっている。
【0043】
可動原稿テーブル41の先端部の上方には、給紙適正位置センサ87が設けられている。給紙適正位置センサ87は、原稿載置面に載置された原稿の給送方向前端部が適切な高さである給紙適正位置に保持されているかを検知するようになっている。
【0044】
可動原稿テーブル41の先端部の下方には、ホームポジションセンサ88が設けられている。ホームポジションセンサ88は、可動原稿テーブル41がホームポジションにあることを検知するようになっている。
【0045】
原稿トレイ11の給紙方向の略後半部には、原稿の向きが縦と横のいずれになっているかを検知する原稿長さ検知センサ89、90が、給送方向に離隔して設けられている。なお、原稿長さ検知センサ89、90としては、光学的手段により未接触で検知する反射型センサ、または接触式のアクチュエータタイプのセンサを用いてもよい。
【0046】
一対のサイドガイド板42は、原稿トレイ11に載置された原稿の給紙方向に対する左右方向を位置決めするように立設されている。また、一対のサイドガイド板42の片側は、給紙方向に対する左右方向にスライド自在であり、異なるサイズの原稿が載置可能に構成されている。
【0047】
一対のサイドガイド板42の固定側には、原稿の載置により回動するセットフィラー46が設けられている。また、セットフィラー46の先端部の移動軌跡上の最下部には、原稿トレイ11に原稿が載置されたことを検知する原稿セットセンサ82が設けられている。つまり、原稿セットセンサ82は、原稿トレイ11に原稿が載置されると、セットフィラー46が回動して、セットフィラー46の先端部が原稿セットセンサ82から外れて、ADF2にセットされた原稿の有無を検知するようになっている。本実施の形態における原稿セットセンサ82は、本発明に係る第2の検知手段を構成している。
【0048】
ADF2の搬送部13は、分離給送部51と、プルアウト部52と、ターン部53と、第1読取搬送部54と、第2読取搬送部55と、排紙部56とにより構成されている。
【0049】
分離給送部51は、給紙口の近傍に配置されたピックアップローラ61と、搬送経路を挟んで対向するように配置された給紙ベルト62およびリバースローラ63とを有している。
【0050】
ピックアップローラ61は、給紙ベルト62に取り付けられた支持アーム部材64により支持されており、図示しないカム機構を介して原稿束に接触する接触位置と原稿束から離れた離隔位置との間で図中c、d方向に上下動するようになっている。ピックアップローラ61は、接触位置において原稿トレイ11上に積載された原稿のうち、数枚(理想的には1枚)の原稿をピックアップするようになっている。
【0051】
給紙ベルト62は、給送方向に回転し、リバースローラ63は、給送方向と逆方向に回転するようになっている。また、リバースローラ63は、原稿が重送された場合に、給紙ベルト62に対して逆方向に回転するが、リバースローラ63が給紙ベルト62に接している場合、または原稿を1枚のみ搬送している場合には、図示しないトルクリミッタの働きにより、給紙ベルト62に連れ回りするようになっている。これにより、原稿の重送が防止される。
【0052】
プルアウト部52は、搬送経路を挟むように配置された一対のローラからなるプルアウトローラ65を有している。プルアウト部52は、プルアウトローラ65とピックアップローラ61の駆動タイミングにより、送り出された原稿を一次突当整合(いわゆる、スキュー補正)し、整合後の原稿を引き出し搬送するようになっている。
【0053】
ターン部53は、搬送経路の上から下に向けてカーブしたカーブ部を挟むように配置された一対のローラからなる中間ローラ66および読取入口ローラ67を有している。ターン部53は、中間ローラ66により引き出し搬送された原稿を、カーブ部を搬送することによりターンさせて、読取入口ローラ67により原稿の表面を下方に向けてスリットガラス7aの近傍まで搬送するようになっている。
【0054】
なお、プルアウト部52からターン部53への原稿の搬送速度は、第1読取搬送部54における搬送速度よりも高速に設定されている。これにより、第1読取搬送部54に搬送される原稿の搬送時間の短縮が図られている。
【0055】
第1読取搬送部54は、スリットガラス7aに搬送経路を挟んで対向する位置に配置された第1読取ローラ68と、読取終了後の搬送経路を挟むように配置された一対のローラからなる第1読取出口ローラ69とを有している。第1読取搬送部54は、スリットガラス7aの近傍まで搬送された原稿の表面を第1読取ローラ68によりスリットガラス7aに接触させながら搬送し、読取終了後の原稿を第1読取出口ローラ69によりさらに搬送するようになっている。
【0056】
第2読取搬送部55は、原稿の裏面を読み取る第2読取部101に搬送経路を挟んで対向する位置に配置された第2読取ローラ70と、第2読取部101の搬送方向下流に配置された一対の第2読取出口ローラ71とを有している。第2読取搬送部55では、表面が読み取られた原稿の裏面が第2読取部101により読み取られるようになっている。裏面が読み取られた原稿は、第2読取出口ローラ71により排紙口に向けて搬送される。第2読取ローラ70は、第2読取部101における原稿の浮きを抑えると同時に、第2読取部101におけるシェーディングデータを取得する為の基準白部を兼ねるものである。
【0057】
なお、両面読取を行わない場合には、原稿は第2読取部101を素通りするようになっている。
【0058】
排紙部56は、排紙口の近傍に一対の排紙ローラ72が設けられ、第2読取出口ローラ71により搬送された原稿を排紙トレイ12に排紙するようになっている。
【0059】
また、ADF2には、搬送経路に沿って、突き当てセンサ84、読取入口センサ86、レジストセンサ81、排紙センサ83が設けられており、原稿の搬送距離や搬送速度等の搬送制御に用いられるようなっている。
【0060】
さらに、プルアウトローラ65と中間ローラ66との間には、原稿幅センサ85が設けられている。原稿幅センサ85は、原稿の幅方向に複数並べた受光素子から構成されており、搬送経路を挟んで対向位置に設けられた照射光からの受光結果に基づき原稿幅を検知する。
【0061】
次に、図3を参照して、ADF2の制御構成について説明する。
図3に示すように、ADF2は、ADF2全体の制御および圧板2aの開閉動作の制御を行うコントローラ100を備えている。ADF2は、コントローラ100に信号を入力するセンサ等として、レジストセンサ81、原稿セットセンサ82、排紙センサ83、突き当てセンサ84、原稿幅センサ85、読取入口センサ86、給紙適正位置センサ87、ホームポジションセンサ88、原稿長さ検知センサ89、90、圧板操作力検知センサ91および圧板開放検知センサ92を備えている。
【0062】
また、画像読取装置は、原稿検知センサ93を備えている。この原稿検知センサ93は、原稿台7のコンタクトガラス7bの下方で、かつ載置される原稿の大きさに拘わらずコンタクトガラス7b上の原稿を検知可能な箇所(原稿定置基準位置付近)に配置されており、反射型センサで構成されている。そして、原稿検知センサ93は、圧板読取のためのコンタクトガラス7b上に載置された原稿の有無を検知するようになっている。本実施の形態における原稿検知センサ93が、本発明に係る第1の検知手段を構成している。
【0063】
圧板操作力検知センサ91は、後述する圧板開閉機構120に対する外部からの操作力を検知するようになっている。本実施の形態における圧板操作力検知センサ91が、本発明に係る外部操作力検知手段を構成している。
【0064】
圧板開放検知センサ92は、圧板2aが開放状態にあるか否か、すなわち圧板2aの開閉状態を検知するようになっている。本実施の形態における圧板開放検知センサ92が、本発明に係る第3の検知手段を構成している。
【0065】
上記各センサは、コントローラ100に接続され、検知結果を示す信号をコントローラ100に送信するようになっている。
【0066】
また、ADF2は、コントローラ100から信号を出力してADF2の各部の駆動制御するモータ等として、ピックアップモータ94、給紙モータ95、読取モータ96、排紙モータ97および底板上昇モータ98を備えている。また、画像読取装置は、圧板開閉モータ99を備えている。各モータはコントローラ100に接続されている。
【0067】
底板上昇モータ98は、可動原稿テーブル41を昇降し、ピックアップモータ94は、ピックアップローラ61を上下動するようになっている。
【0068】
給紙モータ95は、ピックアップローラ61、給紙ベルト62、リバースローラ63、プルアウトローラ65および中間ローラ66を回転駆動し、読取モータ96は、読取入口ローラ67、第1読取ローラ68、第1読取出口ローラ69および第2読取出口ローラ71を回転駆動し、排紙モータ97は、排紙ローラ72を回転駆動するようになっている。
【0069】
圧板開閉モータ99は、後述する圧板開閉機構120を駆動するようになっている。本実施の形態における圧板開閉モータ99および圧板開閉機構120は、本発明に係る圧板開閉手段を構成している。
【0070】
各モータは、上記した各センサの検知信号に基づいてコントローラ100によって制御されるようになっている。また、ADF2は、原稿の裏面を読み取る第2読取部101を備え、第2読取部101はコントローラ100に接続されている。
【0071】
また、複写機1は、装置全体の制御を行う本体制御部105、各種の入力操作や動作指示を行う本体操作部106を備えている。コントローラ100と本体制御部105は、I/F107を介して接続されており、双方間で制御信号等のデータの授受が行われるようになっている。
【0072】
なお、本体操作部106には、原稿の読取開始を受け付けるスタートキーや、圧板読取により複数の原稿を連続して読み取る連続読取の終了を受け付ける連続読取終了キーおよび試しコピーキーなどが配設されている。また、本体操作部106は、ユーザによる各種モードの選択を可能とする各種選択画面を表示する機能も有する。本実施の形態における本体操作部106は、本発明に係る指示受付手段、連続読取終了受付手段、選択手段を構成している。
【0073】
このように構成されたADF2においては、分離給送部51、プルアウト部52およびターン部53を経て第1読取搬送部54に搬送される原稿の先端が読取入口センサ86に検知されると、読取入口ローラ67のニップ部に原稿先端が進入する前に原稿搬送速度を読取搬送速度と同速にするため、その原稿搬送速度が減速される。これと同時に、読取モータ96を正転駆動することにより、読取入口ローラ67、第1読取ローラ68、第1読取出口ローラ69および第2読取出口ローラ71を回転駆動する。
【0074】
そして、原稿の先端がレジストセンサ81により検知されると、原稿は、所定の搬送距離をかけて減速され、読取位置110の手前で一時停止する。このとき、コントローラ100は、本体制御部105にI/F107を介してレジスト停止信号を送信する。続いて本体制御部105より読取開始信号を受信すると、レジスト停止していた原稿は、読取位置110に原稿先端が到達するまでに所定の搬送速度に立ち上がるように増速されて搬送される。読取モータ96のパルスカウントにより検出された原稿先端が第1読取搬送部54に到達するタイミングで、本体制御部105に対して第1面(表面)の副走査方向有効画像領域を示すゲート信号が、第1読取搬送部54を原稿後端が抜けるまで送信される。
【0075】
片面原稿読取の場合には、第1読取搬送部54を通過した原稿は、第2読取部101を経て排紙部56へ搬送される。この際、排紙センサ83により原稿の先端が検知されると、排紙モータ97を正転駆動して排紙ローラ72を反時計方向に回転させる。また、このとき、排紙センサ83による原稿の先端検知からの排紙モータパルスカウントにより、原稿後端が排紙ローラ72の上下ローラ対のニップから抜ける直前に排紙モータ駆動速度を減速させて、排紙トレイ12上に排出される原稿が飛び出さないように制御される。
【0076】
両面原稿読取の場合には、排紙センサ83にて原稿先端を検知してから読取モータ96のパルスカウントにより第2読取部101に原稿先端が到達するタイミングで、第2読取部101に対してコントローラ100から副走査方向の有効画像領域を示すゲート信号が、原稿後端が第2読取部101を抜けるまで送信される。
【0077】
次いで、図4を参照して、第2読取部101の制御構成について説明する。
図4に示すように、第2読取部101は、光源部111と、センサチップ112と、増幅器113と、A/D114と、画像処理部115と、フレームメモリ116とを備えている。
【0078】
第2読取部101は、光源部111によりコントローラ100からの点灯信号に基づいて原稿に光を照射し、各センサチップ112により原稿からの反射光を受光して、電気信号に変換して出力するようになっている。第2読取部101は、各センサチップ112から出力された電気信号を、増幅器113により増幅し、A/D114によりアナログ信号からデジタル信号に変換して画像処理部115により画像処理を行い、画像処理が行われた信号をフレームメモリ116に記憶するようになっている。
【0079】
また、第2読取部101は、コントローラ100からのタイミング信号に基づいてフレームメモリ116に記憶された信号の出力制御を行う出力制御回路117と、出力制御回路117から出力される信号を本体制御部105に出力するI/F回路118とを備えている。
【0080】
次いで、図5を参照して、圧板2aの圧板開閉機構120について説明する。
図5に示すように、圧板2aは、図示しない圧板回転軸を介して画像読取部4の原稿台7に開閉可能に取り付けられている。また、この圧板2aの開閉動作は、圧板2aに設けられた圧板開閉機構120により自動化が図られている。
【0081】
すなわち、圧板開閉機構120は、上記圧板回転軸が前述した圧板開閉モータ99により駆動されるようになっている。そして圧板開閉機構120は、コントローラ100によって圧板開閉モータ99の駆動が制御されることにより、上記圧板回転軸が回動することで圧板2aの開閉動作が所定のタイミングで自動的に行われるようになっている。
【0082】
また、圧板開閉機構120には、圧板2aの開閉動作の勢いを抑えるための緩衝バネが設けられている。なお、この緩衝バネがない構成であってもよい。
【0083】
コントローラ100により圧板2aを開放する指令信号が圧板開閉モータ99に入力されると、圧板開閉モータ99は、圧板2aが開動作するよう圧板回転軸を所定の回動方向に回動させる。これにより、圧板開閉機構120は、圧板2aを自動で所定角度まで圧板開動作し、原稿台7に対して圧板2aを開放する。
【0084】
一方、コントローラ100により圧板2aを閉止する指令信号が圧板開閉モータ99に入力されると、圧板開閉モータ99は、圧板2aが閉動作するよう圧板回転軸を上記所定の回動方向と逆の回動方向に回動させる。これにより、圧板開閉機構120は、圧板2aを自動で閉止位置まで圧板閉動作し、原稿台7を閉止する。
【0085】
このようにコントローラ100は、圧板開閉モータ99および圧板開閉機構120を介して圧板2aの開閉動作を制御するようになっている。本実施の形態におけるコントローラ100が、本発明に係る制御手段を構成している。
【0086】
圧板開閉機構120としては、圧板2aを開閉動作できる機構であればよく、上記構成以外に例えば、空気圧式ポンプを用いることも可能である。この場合、緩衝バネを設けた箇所に空気圧式ポンプを取り付け、圧板開閉モータ99の駆動により空気圧を電動で変えることで圧板2aの開閉動作の自動化を実現することができる。具体的には、圧板開閉モータ99は、空気圧式ポンプを正圧で働かせるよう駆動することにより、圧板2aを自動で所定角度まで圧板開動作する。一方で、圧板開閉モータ99は、空気圧式ポンプを停止させるようその駆動を停止するか、あるいは空気圧式ポンプを負圧で働かせるよう駆動することにより、圧板2aを自動で閉止位置まで圧板閉動作する。この他、例えば、圧板開閉機構としてギヤ機構を用い、このギヤ機構の駆動を圧板開閉モータ99で行うことにより圧板2aの開閉動作の自動化を図ってもよい。
【0087】
次に、図6を参照して、コントローラ100において実行される圧板開閉モードの設定制御について説明する。
【0088】
本実施の形態においては、圧板開閉モードとして、圧板開閉補助モードと圧板開閉通常モードとが設定可能となっている。圧板開閉補助モードは、例えば圧板2aの開閉動作が困難なユーザのために設定される圧板開閉モードであり、圧板読取における圧板2aの開閉動作が自動的に行われる圧板開閉モードである。すなわち、圧板開閉補助モードは、圧板2aによって原稿台7のコンタクトガラス7bに閉止された原稿を読み取った後、圧板2aを自動的に開放し、その後、ユーザによる読取開始の指示を受け付けた際に圧板2aを自動的に閉止する開閉動作を、ユーザによる連続読取終了キーが押下されるまで、あるいは連続読取中における圧板2aの開放後、所定時間以上、次原稿の読取開始の指示を受け付けなかったときまで繰り返し行う圧板開閉モードである。一方、圧板開閉通常モードは、例えば圧板2aの開閉動作に支障のないユーザのために設定される圧板開閉モードであり、圧板2aの開閉動作が自動で行われない圧板開閉モードである。
【0089】
図6に示すように、まず、コントローラ100は、読取開始受付したか否か、すなわちユーザによる本体操作部106のスタートキーの押下に基づき、読取開始信号が本体制御部105から入力されたか否かを判定する(ステップS1)。コントローラ100は、読取開始信号が入力されない場合には、本ステップの処理を繰り返し実行する。
【0090】
コントローラ100は、読取開始信号が入力された場合には、原稿セットセンサ82の検出結果に基づき、ADF2に原稿がセットされているか否かを判定する(ステップS2)。コントローラ100は、ADF2に原稿がセットされていると判定した場合には、圧板開閉モードを圧板開閉通常モードに設定して本処理を終了する(ステップS8)。
【0091】
一方、コントローラ100は、ADF2に原稿がセットされていないと判定した場合には、原稿検知センサ93の検出結果に基づき、圧板2aが閉止している原稿が存在するか否か、すなわち原稿台7のコンタクトガラス7bに圧板読取のための原稿が載置されているか否かを判定する(ステップS3)。コントローラ100は、圧板2aが閉止している原稿が存在すると判定した場合には、圧板開閉モードを圧板開閉通常モードに設定して本処理を終了する(ステップS8)。
【0092】
一方、コントローラ100は、圧板2aが閉止している原稿が存在しないと判定した場合には、圧板開放検知センサ92に検出結果に基づき、圧板2aが開放状態であるか否かを判定する(ステップS4)。
【0093】
コントローラ100は、圧板2aが開放状態でない、すなわち圧板2aが閉止位置にあると判定した場合には、圧板開閉モータ99を駆動制御することにより圧板開閉機構120の圧板開動作を実行し(ステップS5)、圧板2aを原稿台7に対して自動的に開放して、圧板開閉モードを圧板開閉補助モードに設定して本処理を終了する(ステップS7)。
【0094】
これに対し、コントローラ100は、圧板2aが開放状態である、すなわち圧板2aが開放位置にあると判定した場合には、圧板開閉モータ99を駆動制御することにより圧板開閉機構120の圧板閉動作を実行し(ステップS6)、圧板2aを原稿台7に対して自動的に閉止して、圧板開閉モードを圧板開閉補助モードに設定して本処理を終了する(ステップS7)。
【0095】
このように、コントローラ100は、読取開始信号が入力された際、原稿セットセンサ82および原稿検知センサ93によりADF2および原稿台7のいずれにも原稿がセットおよび載置されていないことが検知されたとき、圧板開閉モードを圧板開閉補助モードに設定する。
【0096】
次いで、図7を参照して、コントローラ100において実行される画像読取制御について説明する。
【0097】
図7に示すように、まず、コントローラ100は、図6に示すステップS1と同様の判定を行い(ステップS1)、読取開始信号が入力されると、図6に示す圧板開閉モードの設定処理が実行される(ステップS10)。
【0098】
次に、コントローラ100は、ステップ10の圧板開閉モードの設定処理(図6に示す処理)の結果、圧板開閉モードが圧板開閉補助モードに設定されているか否かを判定する(ステップS11)。コントローラ100は、圧板開閉補助モードでないと判定した場合には、通常原稿読取制御を実行して本処理を終了する(ステップS12)。なお、通常原稿読取制御は、圧板2aの自動的な開閉動作を伴わない、すなわち手動で圧板2aを開閉動作する際に実行される従来と同様の読取制御である。
【0099】
コントローラ100は、ステップS11において、圧板開閉補助モードであると判定した場合には、再度、読取開始受付したか否かを判定する(ステップS13)。このとき、圧板2aの開閉動作が困難なユーザは、圧板読取またはシートスルー読取を実行するために、原稿台7のコンタクトガラス7b上、もしくはADF2に原稿を載置あるいはセットすることができる。コントローラ100は、読取開始信号が入力されない場合には、本ステップの処理を繰り返し実行する。
【0100】
コントローラ100は、ステップS13において、読取開始信号が入力された場合には、原稿台7のコンタクトガラス7b上、もしくはADF2に原稿が載置あるいはセットされたものと判断して、原稿セットセンサ82の検出結果に基づき、ADF2に原稿がセットされているか否かを判定する(ステップS14)。コントローラ100は、ADF2に原稿がセットされていると判定した場合には、ADF2による読取制御、すなわちシートスルー読取を実行して(ステップS15)本処理を終了する。
【0101】
一方、コントローラ100は、ステップS14において、ADF2に原稿がセットされていないと判定した場合には、圧板開放検知センサ92に検出結果に基づき、圧板2aが開放状態であるか否かを判定する(ステップS16)。コントローラ100は、圧板2aが開放状態であると判定した場合には、圧板開閉モータ99を駆動制御することにより圧板開閉機構120の圧板閉動作を実行し(ステップS17)、圧板2aを原稿台7に対して閉止した後、圧板読取制御を実行する(ステップS18)。
【0102】
他方、コントローラ100は、ステップS16において、圧板2aが開放状態でないと判定した場合には、上記圧板読取制御を実行する(ステップS18)。
【0103】
次いで、コントローラ100は、ステップS18で実行された圧板読取が試行モードでの読取であるか否かを判定する(ステップS19)。ここで、試行モードとは、所望のコピーが得られるか否かをチェックするために、1枚あるいは1部のコピーを試行出力させるモードであり、ユーザによる試しコピーキーの押下により設定される。
【0104】
コントローラ100は、試行モードでの読取でない、すなわち通常の読取であると判定した場合には、圧板開閉モータ99を駆動制御することにより圧板開閉機構120の圧板開動作を実行し(ステップS20)、圧板2aを原稿台7に対して開放して、タイマーの計時を開始する(ステップS21)。
【0105】
一方、コントローラ100は、ステップS19において、試行モードでの読取であると判定した場合には、ステップS20の処理を実行することなく、タイマーの計時を開始する(ステップS21)。これは、一般的に、試行モードでの読取の場合、例えば現像濃度などのコピー処理条件等を変えて再度試行モードを繰り返すか、または試行モードからそのまま通常の読取に移行する場合が多いため、圧板2aの不要な開放動作を避けるためである。
【0106】
その後、コントローラ100は、再度、読取開始受付したか否かを判定する(ステップS22)。コントローラ100は、読取開始信号が入力された場合には、原稿台7のコンタクトガラス7bに次原稿が載置されたものと判断して、ステップS17に戻り、再度、圧板閉動作を実行し、圧板2aを閉止した後、次原稿の圧板読取制御を実行する(ステップS18)。
【0107】
これに対し、コントローラ100は、読取開始信号が入力されない場合には、圧板読取における連続読取の終了を示す指示が受け付けられたか否か、すなわちユーザにより連続読取終了キーが押下されたか否かを判定する(ステップS23)。
【0108】
コントローラ100は、連続読取の終了を示す指示が受け付けられたと判定した場合には、原稿検知センサ93の検出結果に基づき、圧板2aが閉止している原稿が存在するか否か、すなわち原稿台7のコンタクトガラス7bに圧板読取のための原稿が載置されているか否かを判定する(ステップS24)。コントローラ100は、圧板2aが閉止している原稿が存在すると判定した場合には、圧板2aが閉止する原稿が存在しなくなるまで本ステップの処理を繰り返し実行する。
【0109】
そして、コントローラ100は、圧板2aが閉止している原稿が存在しないと判定した場合には、安全確保のため、そのままの状態で所定時間待機した後(ステップS25)、圧板開閉モータ99を駆動制御することにより圧板開閉機構120の圧板閉動作を実行する(ステップS26)。これにより、圧板2aが原稿台7に対して閉止される。その後、次回利用ユーザのために、圧板開閉補助モードを解除し、圧板開閉モードを圧板開閉通常モードに設定して本処理を終了する(ステップS28)。
【0110】
また、コントローラ100は、ステップS23において、連続読取の終了を示す指示が受け付けられないと判定した場合には、ステップS21で計時を開始したタイマーがカウントアップしたか否かを判定する(ステップS27)。ここで、タイマーのカウントアップの閾値は、複写機1の操作が困難なユーザの利用であることを考慮して、圧板2aの開閉動作を自動で行わない通常の圧板読取における連続読取の際に設定されるカウントアップの閾値よりも大きな値に設定されるのが好ましい。
【0111】
コントローラ100は、タイマーがカウントアップしていないと判定した場合には、ステップS22に戻り、再度ステップS22以降の処理を繰り返し実行する。
【0112】
一方、コントローラ100は、ステップS27において、タイマーがカウントアップしたと判定した場合、すなわち連続読取中にステップS20における圧板2aの開放後、所定時間(設定されたカウントアップの閾値)以上、読取開始信号が入力されないと判定した場合には、次回利用ユーザのために、圧板2aを開放状態に維持したまま圧板開閉補助モードを解除し、圧板開閉モードを圧板開閉通常モードに設定して本処理を終了する(ステップS28)。
【0113】
次に、図8を参照して、コントローラ100において実行される外部操作力検知時の圧板開閉モードの切り替え制御について説明する。
【0114】
本制御は、例えば、圧板開閉補助モード中に圧板2aの開閉動作に支障のないユーザが直接圧板2a等を操作した場合に、圧板2aの開閉動作に支障のないユーザの利用に適した圧板開閉モードに切り替えるために実行されるものである。
【0115】
図8に示すように、コントローラ100は、例えば図7に示す圧板読取制御が開始されると、まず現在の圧板開閉モードが圧板開閉補助モードであるか否かを判定する(ステップS31)。コントローラ100は、現在の圧板開閉モードが圧板開閉補助モードでないと判定した場合には、そもそも圧板2aの開閉動作が自動で行われないので、本制御を不要と判断し、後述するステップS32およびステップS33の処理を実行することなく本処理を終了する。
【0116】
一方、コントローラ100は、現在の圧板開閉モードが圧板開閉補助モードであると判定した場合には、圧板開閉補助モード中に圧板操作力検知センサ91により外部操作力が検知されたか否かを監視する(ステップS32)。ここで、外部操作力の検知方法としては、例えば圧板回転軸に取り付けられたスリット円板と、このスリット円板のスリットを検知するセンサ(本実施の形態では、圧板操作力検知センサ91)とからなる公知の光学式のエンコーダにより検出される圧板回転軸の圧板開閉速度(回転速度)と圧板開閉モータ99における圧板開閉速度(回転速度)との間の開閉速度差(回転速度差)が、所定の開閉速度差(回転速度差)以上となったか否かにより外部操作力の有無を検知する方法が挙げられる。エンコーダは、光学式に限らず、磁気式など他の形式のものであってもよい。
【0117】
コントローラ100は、圧板操作力検知センサ91により外部操作力が検知された場合には、圧板2aの開閉動作に支障のないユーザの利用であると判断して、圧板開閉モードを圧板開閉補助モードから圧板開閉通常モードに切り替えて本処理を終了する(ステップS33)。
【0118】
以上のように、本実施の形態では、読取開始信号がコントローラ100に入力されたとき、コントローラ100が、原稿セットセンサ82および原稿検知センサ93の検出結果に基づき、圧板開閉モードを、圧板開閉補助モードおよび圧板開閉通常モードのいずれかに設定するので、ユーザの必要に応じて圧板開閉補助モードと圧板開閉通常モードとを切り替えることができる。
【0119】
すなわち、装置使用時の原稿台7やADF2に載置あるいはセットされた原稿の有無に応じて、装置を使用するユーザごとに最適な圧板開閉モードとすることができる。例えば、装置を使用するユーザが圧板2aの開閉動作に支障のないユーザであると判断できる場合には、予め圧板開閉通常モードに設定することができ、圧板2aの開閉動作が困難なユーザであると判断できる場合には、予め圧板開閉補助モードに設定することができる。その結果、圧板2aの開閉動作に支障のないユーザは、圧板2aの自動的な開閉動作が完了するまで待機する必要がなく、通常の圧板開閉動作を手動で行うことにより操作にかかる時間を短縮することができる。
【0120】
したがって、本実施の形態に係る画像読取装置は、圧板2aの開閉動作に支障のないユーザおよびその開閉動作が困難なユーザのいずれもが違和感なく快適に使用することができる。
【0121】
また、本実施の形態では、読取開始信号がコントローラ100に入力された際、原稿セットセンサ82および原稿検知センサ93により原稿台7およびADF2のいずれにも原稿がないことが検知されたとき、コントローラ100が、圧板開閉モードを圧板開閉補助モードに設定するので、圧板2aの開閉が困難なユーザが圧板読取を望む場合に、ユーザ自身により圧板2aを開閉動作する必要がなく、圧板2aの開閉が困難なユーザに対して圧板2aの開閉動作を補助することができる。
【0122】
また、本実施の形態では、圧板開閉モードを圧板開閉補助モードに設定する際、圧板開放検知センサ92により圧板2aが開放状態でない、すなわち圧板2aが閉止位置にあることが検出されたとき、コントローラ100が、圧板2aを自動的に開放するよう圧板開閉モータ99および圧板開閉機構120を制御するので、圧板2aの開閉が困難なユーザが圧板読取を望む場合に、ユーザ自身により圧板2aの開放動作を行う必要がなく、圧板2aの開閉が困難なユーザに対して特に圧板2aの開放動作を補助することができる。
【0123】
また、本実施の形態では、圧板開閉モードを圧板開閉補助モードに設定する際、圧板開放検知センサ92により圧板2aが開放位置にあることが検出されたとき、コントローラ100が、圧板2aを自動的に閉止するよう圧板開閉モータ99および圧板開閉機構120を制御するので、圧板2aの開閉が困難なユーザが圧板読取を望む場合に、ユーザ自身により圧板2aの閉止動作を行う必要がなく、圧板2aの開閉が困難なユーザに対して特に圧板2aの閉止動作を補助することができる。
【0124】
また、本実施の形態では、圧板読取時の連続読取の終了を示す指示が受け付けられ、かつ原稿検知センサ93により原稿台7のコンタクトガラス7b上に原稿が載置されていないことが検知されたとき、コントローラ100が、圧板2aを閉止するよう圧板開閉モータ99および圧板開閉機構120を制御するとともに、圧板開閉補助モードを解除して圧板開閉モードを圧板開閉通常モードに設定するので、連続読取の終了時には、機器として圧板2aが閉止された安定した状態に移行させることができるとともに、次回使用するユーザのために圧板開閉モードを圧板開閉通常モードとすることができる。
【0125】
また、本実施の形態では、連続読取中に、圧板2aの開放後に設定されたタイマーがカウントアップするまで次原稿の読取開始信号がコントローラ100に入力されなかったとき、コントローラ100が、圧板2aが開放された状態で圧板開閉補助モードを解除して圧板開閉モードを圧板開閉通常モードに設定するので、例えば、連続読取中に画像読取装置の使用が放置された場合であっても、次回使用するユーザにとって利用し易い状態とすることができる。
【0126】
さらに、本実施の形態では、圧板開閉補助モード中に、圧板操作力検知センサ91により外部からの操作力が検知されたとき、コントローラ100が、圧板開閉補助モードを解除して圧板開閉通常モードに設定するので、圧板開閉補助モード中にユーザにより操作力が加えられることにより、圧板2aの開閉動作を自動で行う必要がないと判断された後は、圧板開閉モードを圧板開閉通常モードに設定することで、圧板2aの開閉に支障のないユーザが要求する通常の圧板2aの開閉動作を可能とすることができる。
【0127】
なお、本実施の形態においては、図8で示したように、圧板開閉補助モード中に外部操作力が検知された場合、圧板開閉モードを圧板開閉補助モードから圧板開閉通常モードに切り替えるようにしたが、これに限らず、例えば図9に示す外部操作力検知時の圧板開閉モードの切り替え制御を実行するようにしてもよい。
【0128】
すなわち、図8に示す例では、圧板開閉補助モード中に外部操作力が検知されると、常に、圧板2aの開閉動作に支障のないユーザにより操作力が加えられたものと判断して圧板開閉モードを圧板開閉補助モードから圧板開閉通常モードに切り替えているが、外部操作力が検知されたからといって、常に圧板2aの開閉動作に支障のないユーザが操作力を加えたとは限らない。例えば、圧板2aの開閉動作が困難なユーザが、圧板開閉補助モード中に誤って操作力を加えてしまう場合も考えられ、この場合にまで圧板開閉モードを圧板開閉補助モードから圧板開閉通常モードに切り替えてしまっては、圧板2aの開閉動作が困難なユーザには、かえって不都合である。
【0129】
そこで、このような不都合を解消するため、図9に示す外部操作力検知時の圧板開閉モードの切り替え制御を実行するようにした。
【0130】
本制御は、基本的には図8に示した外部操作力検知時の圧板開閉モードの切り替え制御と同様であるが、以下の点において異なる。以下、図8に示す処理と異なる処理について説明を行うものとし、図8に示す処理と同様の処理(ステップS41、S42)については、その説明を省略する。
【0131】
図9に示すように、コントローラ100は、ステップS42において、圧板操作力検知センサ91により外部操作力が検知された場合には、本体操作部106に圧板開閉補助モードの解除選択画面を表示させることにより(ステップS43)、ユーザに対して問い合わせを行う。具体的には、コントローラ100は、I/F107を介して本体制御部105に対して圧板開閉モード変更確認要求をコマンドとして送信することにより確認を行う。ユーザは、本体操作部106に表示された圧板開閉補助モードの解除選択画面により、圧板開閉補助モードの解除をするか否かを選択することができる。なお、ユーザによる選択結果は、I/F107を介して本体制御部105からコントローラ100に送信される。
【0132】
次いで、コントローラ100は、本体制御部105から送信されたユーザによる選択結果が圧板開閉補助モードの解除であるか否か、すなわち圧板開閉補助モードの解除が指示されたか否かを判定する(ステップS44)。コントローラ100は、圧板開閉補助モードの解除が指示された場合には、圧板開閉モードを圧板開閉補助モードから圧板開閉通常モードに切り替えて本処理を終了する(ステップS45)。
【0133】
一方、コントローラ100は、圧板開閉補助モードの解除が指示されなかった場合には、圧板開閉モードを圧板開閉補助モードに維持して本処理を終了する。
【0134】
したがって、図9に示す例によれば、圧板2aの開閉動作が困難なユーザが、圧板開閉補助モードの設定中に誤って操作力を加えてしまった場合であっても、本体操作部106に表示された圧板開閉補助モードの解除選択画面により圧板開閉補助モードの解除が選択されない限り、圧板開閉補助モードを維持することができる。この結果、圧板2aの開閉動作が困難なユーザの意図しない圧板開閉補助モードの解除を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0135】
以上のように、本発明に係る画像読取装置は、圧板の開閉を自動的に行うことが可能な画像読取装置であっても、圧板の通常の開閉動作に支障のないユーザおよびその開閉動作が困難なユーザのいずれもが違和感なく快適に利用することができるという効果を有し、原稿台に載置された原稿を閉止、保持する圧板を自動開閉可能な画像読取装置および画像形成装置等として有用である。
【符号の説明】
【0136】
1 複写機(画像形成装置)
2 ADF(自動原稿搬送手段、画像読取装置)
2a 圧板
4 画像読取部(画像読取装置)
7 原稿台
7b コンタクトガラス
82 原稿セットセンサ(第2の検知手段)
91 圧板操作力検知センサ(外部操作力検知手段)
92 圧板開放検知センサ(第3の検知手段)
93 原稿検知センサ(第1の検知手段)
99 圧板開閉モータ(圧板開閉手段)
100 コントローラ(制御手段)
106 本体操作部(指示受付手段、連続読取終了受付手段、選択手段)
110 読取位置
120 圧板開閉機構(圧板開閉手段)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0137】
【特許文献1】特許第4381228号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取位置を有する原稿台に対して圧板が閉止位置と開放位置との間で自動的に開閉動作可能であり、前記原稿台に載置され、前記圧板により閉止された原稿を読み取る圧板読取と、前記圧板に一体装備された自動原稿搬送手段によって搬送される原稿を読み取るシートスルー読取とが可能な画像読取装置であって、
前記圧板の開閉動作を行う圧板開閉手段と、
前記原稿台に載置された原稿の有無を検知する第1の検知手段と、
前記自動原稿搬送手段にセットされた原稿の有無を検知する第2の検知手段と、
前記圧板読取および前記シートスルー読取の少なくともいずれかの読取開始指示をユーザから受け付ける指示受付手段と、
前記圧板開閉手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、少なくとも前記圧板読取において所定のタイミングで前記圧板を自動的に開閉動作させる圧板開閉補助モードと、前記圧板の自動的な開閉動作を行わない圧板開閉通常モードとからなる圧板開閉モードを設定可能であり、前記指示受付手段が前記読取開始指示を受け付けたとき、前記第1の検知手段および前記第2の検出手段による原稿の有無の検出結果に基づき、前記圧板開閉モードを前記圧板開閉補助モードおよび前記圧板開閉通常モードのいずれかに設定することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記指示受付手段が前記読取開始指示を受け付けた際、前記第1の検知手段および前記第2の検知手段により前記原稿台および前記自動原稿搬送手段のいずれにも原稿がないことが検知されたとき、前記圧板開閉モードを前記圧板開閉補助モードに設定することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記圧板の開閉状態を検知する第3の検知手段を備え、
前記制御手段は、前記圧板開閉モードを前記圧板開閉補助モードに設定する際、前記第3の検知手段により前記圧板が閉止位置にあることを検出したとき、前記圧板を自動的に開放するよう前記圧板開閉手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記圧板の開閉状態を検知する第3の検知手段を備え、
前記制御手段は、前記圧板開閉モードを前記圧板開閉補助モードに設定する際、前記第3の検知手段により前記圧板が開放位置にあることを検出したとき、前記圧板を自動的に閉止するよう前記圧板開閉手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記圧板読取により複数の原稿を連続して読み取る連続読取の終了を受け付ける連続読取終了受付手段を備え、
前記圧板開閉補助モードは、前記圧板によって前記原稿台に閉止された原稿を読み取った後、前記圧板を自動的に開放し、その後、前記指示受付手段が前記読取開始指示を受け付けた際に前記圧板を自動的に閉止する開閉動作を前記連続読取終了受付手段が前記連続読取の終了を受け付けるまで繰り返し行う圧板開閉モードであり、
前記制御手段は、前記連続読取終了受付手段が前記連続読取の終了を受け付け、かつ前記第1の検知手段により前記原稿台に原稿がないことが検知されたとき、前記圧板を閉止するよう前記圧板開閉手段を制御するとともに、前記圧板開閉補助モードを解除して前記圧板開閉モードを前記圧板開閉通常モードに設定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記連続読取中に、前記圧板の開放後、所定時間以上前記指示受付手段が前記読取開始指示を受け付けなかったとき、前記圧板が開放された状態で前記圧板開閉補助モードを解除して前記圧板開閉モードを前記圧板開閉通常モードに設定することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記圧板開閉手段に対する外部からの操作力を検知する外部操作力検知手段を備え、
前記制御手段は、前記圧板開閉補助モードの設定中に、前記外部操作力検知手段により外部からの操作力が検知されたとき、前記圧板開閉補助モードを解除して前記圧板開閉モードを前記圧板開閉通常モードに設定することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記外部操作力検知手段により外部からの操作力が検知されたとき、前記圧板開閉補助モードを解除するか否かをユーザが選択可能な選択手段を備え、
前記制御手段は、前記圧板開閉補助モードの設定中に、前記選択手段により前記圧板開閉補助モードの解除が選択されたとき、前記圧板開閉補助モードを解除して前記圧板開閉モードを前記圧板開閉通常モードに設定することを特徴とする請求項7に記載の画像読取装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像読取装置を具備する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−239342(P2011−239342A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111284(P2010−111284)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】