説明

画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置

【課題】ベース部を第1読取ユニットと第2読取ユニットとで個別に設計する必要がなく、これにより、開発期間の短縮化及び低コスト化を実現でき、しかも、光学系を第1読取ユニットと第2読取ユニットとで個別に調整する必要がなく、従って、光学系を効率よく調整することが可能な画像読取装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】第1読取ユニット210及び第2読取ユニット220が装置本体に装着された画像読取装置100において、第1読取ユニット210及び第2読取ユニット220は、それぞれ、同一構成のベースユニット400を備え、ベースユニット400は、ベースフレーム410と、光学系420とを有し、ベースフレーム410には、光学系420を調整するときにベースユニット400を光学系調整用治具500に取り付けて固定するための調整用基準固定部位411,412が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二つの読取ユニットにより原稿に対し光学的に走査することで該原稿における両面の画像を読み取る画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、ファクシミリ装置及びデジタル複合機等の画像形成装置に備えられる画像読取装置や、ネットワーク等の通信手段を介してコンピュータに接続される画像読取装置では、光源によって照明された原稿からの反射光を原稿画像として読み取るようになっている。
【0003】
画像読取装置として、一般的に、原稿を移動させて原稿画像を読み取る原稿移動読取方式のものや、原稿を固定させて原稿画像を読み取る原稿固定読取方式のものが採用される。
【0004】
詳しくは、原稿移動読取方式の画像読取装置では、原稿移動読取モードにおいて第1の透明板(例えば原稿読取ガラス)上を通過するように副走査方向に搬送される原稿を読取位置に位置する走査体にて該第1の透明板を介して主走査方向に走査して画像読取部で読み取る。また、原稿固定読取方式の画像読取装置では、原稿固定読取モードにおいて走査体を副走査方向に移動させつつ第2の透明板(例えば原稿台ガラス)上に載置された原稿を読取領域で該第2の透明板を介して主走査方向に走査して画像読取部で読み取る。
【0005】
従来の画像読取装置として、例えば、原稿を照明する光源と、画像読取部として作用するCCD(Charge Coupled Device)やCIS(Contact Image Sensor)等の光電変換素子を含む光学系とを有する読取ユニットを備え、この読取ユニットにて光源により照明された原稿からの反射光を原稿の画像として光学系を介して読み取る構成のものがある。
【0006】
また、画像読取装置のなかには、原稿における一方の面の画像を読み取る第1読取ユニットと、他方の面の画像を読み取る第2読取ユニットとが装置本体に装着された両面読取方式の画像読取装置もある。
【0007】
詳しくは、両面読取方式の画像読取装置では、一般的に、一方の面が第1読取ユニットに対向するように、かつ、他方の面が第2読取ユニットに対向するように副走査方向に搬送される原稿の両面のうち、前記一方の面を主走査方向に走査して第1読取ユニットで読み取り、かつ、前記他方の面を主走査方向に走査して第2読取ユニットで読み取るようになっている。
【0008】
このような両面読取方式の画像読取装置においては、第1読取ユニットと第2読取ユニットとで共通の構成部材を使用して、部材コストの削減を実現することが要求されている。
【0009】
例えば、特許文献1は、ランプ(光源)と、複数の折り返しミラーと、レンズ(結像レンズ)と、CCD等の光電変換手段(読取素子)とから構成された第1読取ユニット(段落[0034])と、第1読取ユニット1と同様に、ランプと、複数の折り返しミラーと、レンズ26と、CCD等の光電変換手段とから構成された第2読取ユニット(段落[0035])とがケースの中に収められた画像読取装置において、共通の構成部材を使用することで、コストを削減するという観点から、第1読取ユニット及び第2読取ユニットの部材を共用できるようなユニット内の部品構成とすること(段落[0041])を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−354201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載の画像読取装置では、第1読取ユニット及び第2読取ユニットの構成部材を共用できるようなユニット内の部品構成とし、共通の構成部材を使用することで、コストを削減できるものの、主要な部材(具体的には光学系やフレームを含む部材)で構成されたベース部自身は第1読取ユニットと第2読取ユニットとで異なった構成となっているため、該ベース部を第1読取ユニットと第2読取ユニットとで個別に設計する必要があり、それだけ、開発期間の長期化を招くだけでなく、高コスト化の課題が残る。
【0012】
しかも、光学系の倍率調整(例えば、原稿からレンズまでの光路長調整)等の調整作業を行う際には、ベース部自身が第1読取ユニットと第2読取ユニットとで異なった構成となっていることから、該光学系を第1読取ユニットと第2読取ユニットとで個別に調整する必要があり、調整作業に多大な手間がかかるという課題もある。
【0013】
そこで、本発明は、原稿に対し光学的に走査することにより、該原稿における一方の面の画像を読み取る第1読取ユニットと、該原稿における他方の面の画像を読み取る第2読取ユニットとが装置本体に装着された画像読取装置であって、前記第1読取ユニットと前記第2読取ユニットとでベース部を個別に設計する必要がなく、これにより、開発期間の短縮化及び低コスト化を実現でき、しかも、前記第1読取ユニットと前記第2読取ユニットとで光学系を個別に調整する必要がなく、従って、前記光学系を効率よく調整することが可能な画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、前記課題を解決するために、該原稿における両面の画像をそれぞれ読み取る第1読取ユニット及び第2読取ユニットが装置本体に装着された画像読取装置であって、前記第1読取ユニット及び前記第2読取ユニットは、それぞれ、同一構成のベース部を備え、前記ベース部は、ベースフレームと、前記ベースフレームに支持された光学系とを有し、前記ベースフレームには、前記光学系を調整するときに前記ベース部を光学系調整用治具に取り付けて固定するための調整用基準固定部位が設けられていることを特徴とする画像読取装置を提供する。
【0015】
また、本発明は、前記本発明に係る画像読取装置を備えていることを特徴とする画像形成装置も提供する。
【0016】
本発明によれば、前記第1読取ユニット及び前記第2読取ユニットは、それぞれ、同一構成の前記ベース部を備えているので、前記ベース部の共通部品化を実現でき、従って、前記ベース部を前記第1読取ユニットと前記第2読取ユニットとで個別に設計する必要がなく、これにより、開発期間の短縮化及び低コスト化を実現することができる。しかも、前記ベースフレームには、前記光学系を調整するときに前記ベース部を前記光学系調整用治具に取り付けて固定するための前記調整用基準固定部位が設けられているので、前記第1読取ユニットと前記第2読取ユニットとで前記光学系調整用治具や前記光学系を調整するための調整手順を共通にすることができ、従って、前記光学系を前記第1読取ユニットと前記第2読取ユニットとで個別に調整する必要がなく、これにより、前記光学系を効率よく調整することが可能となる。
【0017】
本発明において、前記調整用基準固定部位は、前記第2読取ユニットを前記装置本体に装着したときに前記ベース部を取り付けて固定するための装着用基準固定部位を兼ねている態様を例示できる。
【0018】
この特定事項では、前記調整用基準固定部位が前記第2読取ユニットを前記装置本体に装着したときに前記ベース部を取り付けて固定するための前記装着用基準固定部位を兼ねているので、前記調整用基準固定部位が前記装着用基準固定部位を兼ねた前記ベース部によって前記原稿を精度よく読み取ることができる。
【0019】
本発明において、前記光学系は、複数のミラーを含むミラー群と、結像レンズ及び光電変換素子が一体的に連結されたレンズユニットとを有し、前記ミラー群は、前記原稿からの光を前記結像レンズに導くものであり、前記結像レンズは、前記ミラー群からの光を前記光電変換素子に結像するものであり、前記光電変換素子は、前記結像レンズからの光を画像データとして電気信号に変換するものであり、前記レンズユニットは、前記ベースフレームに対して前記原稿から前記結像レンズまでの光路長を調整可能に設けられている態様を例示できる。
【0020】
この特定事項では、前記原稿から前記結像レンズまでの光路長を前記第1読取ユニットと前記第2読取ユニットとで個別に調整する必要がなく、これにより、前記原稿から前記結像レンズまでの光路長を効率よく調整することが可能となる。
【0021】
本発明において、前記ベースフレームは、前記第1読取ユニットを副走査方向に往復移動自在に支持する支持部材に摺動される摺動部を取り付け可能とされている態様を例示できる。
【0022】
この特定事項では、前記ベースフレームが前記摺動部を取り付け可能とされているので、前記摺動部を容易に交換することができる。
【0023】
本発明において、前記ベースフレームは、前記第1読取ユニットを副走査方向に移動させる光学系駆動部の可動部に固定される固定部を取り付け可能とされている態様を例示できる。
【0024】
この特定事項では、前記ベースフレームが前記固定部を取り付け可能とされているので、前記固定部を容易に交換することができる。
【0025】
本発明において、前記摺動部及び前記固定部は、一体とされている態様を例示できる。
【0026】
この特定事項では、前記摺動部及び前記固定部を同時に着脱することができ、それだけ前記摺動部及び前記固定部の交換作業性を向上させることができる。
【0027】
本発明において、前記ベースフレームは、前記第1読取ユニットを副走査方向に移動自在に支持するレール部材の摺動面を摺動する摺動部材を取り付け可能とされている態様を例示できる。
【0028】
この特定事項では、前記ベースフレームが前記摺動部材を取り付け可能とされているので、前記摺動部材を容易に交換することができる。
【0029】
本発明において、前記原稿における片方の面側から光を照射する第1光源と、前記第1光源からの光を前記片方の面側に反射させる第1反射部材と、前記第1光源からの光を前記片方の面及び前記第1反射部材に向けて導く第1導光部材と、前記原稿における前記片方の面とは反対側から光を照射する第2光源と、前記第2光源からの光を前記反対側の面側に反射させる第2反射部材と、前記第2光源からの光を前記反対側の面及び前記第2反射部材に向けて導く第2導光部材とを備え、前記第1光源及び前記第2光源と、前記第1反射部材及び前記第2反射部材と、前記第1導光部材及び前記第2導光部材とは、それぞれ、同一構成とされている態様を例示できる。
【0030】
この特定事項では、前記第1光源及び前記第2光源と前記第1反射部材及び前記第2反射部材と前記第1導光部材及び前記第2導光部材とがそれぞれ同一構成とされているので、これら部材の共通部品化を実現でき、それだけ部材コストを低減させることができる。
【0031】
本発明において、前記ベースフレームは、前記第1光源、前記第1反射部材及び前記第1導光部材が設けられた第1カバーを取り付け可能とされている態様を例示できる。
【0032】
この特定事項では、前記ベースフレームが取り付け可能とする前記第1カバーに、前記第1光源、前記第1反射部材及び前記第1導光部材が設けられているので、前記第1光源、前記第1反射部材及び前記第1導光部材を容易に組み付けやすくすることができ、これにより、前記第1光源、前記第1反射部材及び前記第1導光部材の組立作業性の容易化を実現することができる。
【0033】
ところで、前記第2光源、前記第2反射部材及び前記第2導光部材が前記第2読取ユニットに設けられる場合、副走査方向の画像領域を確保するために、通常は、前記第2光源、前記第2反射部材及び前記第2導光部材の副走査方向の長さが前記第2読取ユニットの外側にはみ出る長さとなる。かかる観点から、副走査方向に長くなりやすい、前記第2光源と前記第2反射部材と前記第2導光部材とを前記第2読取ユニットではなく前記装置本体に設けることが好ましい。すなわち、本発明において、前記装置本体には、前記第2光源、前記第2反射部材及び前記第2導光部材が設けられている態様を例示できる。
【0034】
この特定事項では、前記第2読取ユニットを前記装置本体におけるコンパクト化が要求される空間に設けることができる。
【0035】
本発明において、前記ベースフレームは、前記第1光源を駆動する第1光源駆動基板と、前記第2光源を駆動する第2光源駆動基板とを互いに異なる位置で取り付け可能とされており、前記第1光源駆動基板及び前記第2光源駆動基板は、同一構成とされている態様を例示できる。
【0036】
この特定事項では、前記ベースフレームが前記第1光源駆動基板と前記第2光源駆動基板とを互いに異なる位置で取り付け可能とされているので、前記第1読取ユニットに接続されるケーブル及び/又は前記第2読取ユニットに接続されるケーブルに対してそれぞれノイズの影響を与える恐れのある前記第1光源駆動基板及び前記第2光源駆動基板を該ケーブルへのノイズの影響が無い或いは少ない位置に取り付けることができる。しかも、前記第1光源駆動基板及び前記第2光源駆動基板が同一構成とされているので、これら部材の共通部品化を実現でき、それだけ部材コストを低減させることができる。
【0037】
本発明において、前記ベースフレームは、前記第1読取ユニットに接続されるケーブルを案内して保持する保持ガイド部材を取り付ける第1カバーを取り付け可能とされている態様を例示できる。
【0038】
この特定事項では、前記ベースフレームが取り付け可能とする前記第1カバーに取り付けられる前記保持ガイド部材が前記第1読取ユニットに接続されるケーブルを案内して保持するので、前記第1読取ユニットに接続されるケーブルを該第1読取ユニットに確実に保持することができる。
【0039】
本発明において、前記ベースフレームは、前記装置本体に固定される本体固定部材を取り付け可能とされている態様を例示できる。
【0040】
この特定事項では、前記ベースフレームが前記本体固定部材を取り付け可能とされているので、前記本体固定部材により前記ベース部を前記装置本体に容易に固定することができる。
【0041】
本発明において、原稿を移動させて片面の原稿画像を第2読取ユニットで読み取り、かつ、両面の原稿画像を前記第1読取ユニット及び前記第2読取ユニットで読み取る原稿移動読取構成と、原稿を固定させて片面の原稿画像を前記第1読取ユニットで読み取る原稿固定読取構成とを備えている態様を例示できる。
【0042】
この特定事項では、同一構成の前記ベース部を用いて、原稿の両面又は片面の原稿画像を読み取ることができる。
【発明の効果】
【0043】
以上説明したように、本発明によると、前記第1読取ユニット及び前記第2読取ユニットは、それぞれ、同一構成の前記ベース部を備えているので、前記ベース部の共通部品化を実現でき、従って、前記ベース部を前記第1読取ユニットと前記第2読取ユニットとで個別に設計する必要がなく、これにより、開発期間の短縮化及び低コスト化を実現することができる。しかも、前記ベースフレームには、前記光学系を調整するときに前記ベース部を前記光学系調整用治具に取り付けて固定するための前記調整用基準固定部位が設けられているので、前記第1読取ユニットと前記第2読取ユニットとで前記光学系調整用治具や前記光学系を調整するための調整手順を共通にすることができ、従って、前記光学系を前記第1読取ユニットと前記第2読取ユニットとで個別に調整する必要がなく、これにより、前記光学系を効率よく調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像読取装置を備えた画像形成装置を概略的に示す断面図である。
【図2】図1に示す画像読取装置を概略的に示す斜視図である。
【図3】図1に示す画像読取装置を概略的に示す断面図である。
【図4】図1に示す画像読取装置において自動原稿送り装置を取り除いた状態を示す斜視図である。
【図5】図4に示す画像読取装置においてさらに第1読取ユニットの第1カバーを取り除いた状態を示す平面図である。
【図6】第1読取ユニット及び第2読取ユニットの双方に備えられる同一構成のベースユニットを概略的に示す断面図である。
【図7】第1読取ユニット及び第2読取ユニットの双方に備えられる同一構成のベースユニットを概略的に示す平面図である。
【図8】第1読取ユニット及び第2読取ユニットの双方に備えられる同一構成のベースユニットを概略的に示す斜視図であって、(a)は、ベースフレームの裏面側から視た図であり、(b)は、ベースフレームの表面側から視た図である。
【図9】第1支持板に対して第2支持板を移動させて微調整する調整用ドライバーを説明するための説明図であって、(a)は、調整用ドライバーの側面図であり、(b)は、調整用ドライバーの底面図である。
【図10】ベースユニットにおける光学系に対して原稿から結像レンズまでの光路長を光学系調整用治具によって調整する調整工程を説明するための説明図であって、(a)は、光学系調整用治具によって調整されるベースユニットの平面図であり、(b)は、光学系調整用治具によって調整されるベースユニットの断面図である。
【図11】第2読取ユニットが装置本体のフレームに装着された状態を示す平面図である。
【図12】第1読取ユニットを概略的に示す図であって、(a)は、第1読取ユニットを前方斜め下から視た斜視図であり、(b)は、第1読取ユニットを前方斜め上から視た斜視図であり、(c)は、第1カバーに取り付けられてケーブルを保持する保持ガイド部材の側面図である。
【図13】第1読取ユニットを概略的に示す断面図である。
【図14】第2読取ユニットを概略的に示す図であって、(a)は、第2読取ユニットを前方斜め上から視た斜視図であり、(b)は、第2読取ユニットを前方斜め下から視た斜視図である。
【図15】第2読取ユニットを概略的に示す断面図である。
【図16】本体固定板によって第2読取ユニットが画像読取装置の装置本体に取り付けられている状態を概略的に示す斜視図である。
【図17】第1読取ユニット及び第2読取ユニットにおいて取り付け部材を対比した対比表である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0046】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像読取装置100を備えた画像形成装置Dを概略的に示す断面図である。
【0047】
図1に示す画像形成装置Dは、原稿の画像を読み取る画像読取装置100と、この画像読取装置100により読み取られた原稿の画像又は外部から受信した画像をカラーもしくは単色で普通紙等の記録シートに記録形成する装置本体Ddとを備えている。
【0048】
[画像形成装置の全体構成について]
画像形成装置Dの装置本体Ddは、露光装置1、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、像担持体として作用する感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナ装置4(4a,4b,4c,4d)、転写部として作用する中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)を含む中間転写ベルト装置8、定着装置12、シート搬送装置50、給紙部として作用する給紙トレイ10、及び排紙部として作用する排紙トレイ15を備えている。
【0049】
画像形成装置Dの装置本体Ddにおいて扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。従って、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナ装置4(4a,4b,4c,4d)、中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)は各色に応じた4種類の画像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれの末尾符号a〜dのうち、符号aがブラックに、符号bがシアンに、符号cがマゼンタに、符号dがイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションが構成されている。以下、末尾符号a〜dは省略して説明する。
【0050】
感光体ドラム3は、装置本体Ddの上下方向のほぼ中央に配置されている。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャ型の帯電器が用いられる。
【0051】
露光装置1は、ここでは、レーザダイオード及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)であり、帯電された感光体ドラム3の表面を画像データに応じて露光して、その表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
【0052】
現像装置2は、感光体ドラム3上に形成された静電潜像を(K,C,M,Y)のトナーにより現像する。クリーナ装置4は、現像及び画像転写後に感光体ドラム3の表面に残留したトナーを除去及び回収する。
【0053】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルト装置8は、中間転写ローラ6に加えて、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ21、従動ローラ22、テンションローラ23、及び中間転写ベルトクリーニング装置9を備えている。
【0054】
中間転写ベルト駆動ローラ21、中間転写ローラ6、従動ローラ22、テンションローラ23等のローラ部材は、中間転写ベルト7を張架して支持し、中間転写ベルト7を所定のシート搬送方向(図中矢印方向)に周回移動させる。
【0055】
中間転写ローラ6は、中間転写ベルト7の内側に回転可能に支持され、中間転写ベルト7を介して感光体ドラム3に圧接されている。
【0056】
中間転写ベルト7は、各感光体ドラム3に接触するように設けられており、各感光体ドラム3の表面のトナー像を中間転写ベルト7に順次重ねて転写することによって、カラーのトナー像(各色のトナー像)を形成する。この転写ベルト7は、ここでは、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端ベルト状に形成されている。
【0057】
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7の内側(裏面)に圧接されている中間転写ローラ6によって行われる。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(例えば、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。中間転写ローラ6は、ここでは、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面は、導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われたローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト7に対して均一に高電圧を印加することができる。
【0058】
画像形成装置Dの装置本体Ddは、転写部として作用する転写ローラ11aを含む2次転写装置11をさらに備えている。転写ローラ11aは、中間転写ベルト7の中間転写ベルト駆動ローラ21とは反対側(外側)に接触している。
【0059】
上述の様に各感光体ドラム3の表面のトナー像は、中間転写ベルト7で積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。このように積層された各色のトナー像は、中間転写ベルト7と共に搬送され、2次転写装置11によって記録シート上に転写される。
【0060】
中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11aとは、相互に圧接されてニップ域を形成する。また、2次転写装置11の転写ローラ11aには、中間転写ベルト7上の各色のトナー像を記録シートに転写させるための電圧(例えば、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。さらに、そのニップ域を定常的に得るために、2次転写装置11の転写ローラ11aもしくは中間転写ベルト駆動ローラ21の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラや発泡性樹脂ローラ等)としている。
【0061】
また、2次転写装置11によって中間転写ベルト7上のトナー像が記録シート上に完全に転写されず、中間転写ベルト7上にトナーが残留することがあり、この残留トナーが次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルトクリーニング装置9によって残留トナーを除去及び回収する。中間転写ベルトクリーニング装置9には、例えばクリーニング部材として中間転写ベルト7に接触するクリーニングブレードが備えられており、このクリーニングブレードで残留トナーを除去及び回収することができる。従動ローラ22は、中間転写ベルト7を内側(裏側)から支持しており、クリーニングブレードは、外部から従動ローラ22に向けて押圧するように中間転写ベルト7に接触している。
【0062】
給紙トレイ10は、記録シートを格納しておくためのトレイであり、装置本体Ddの画像形成部の下側に設けられている。また、画像形成部の上側に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みの記録シートをフェイスダウンで載置するためのトレイである。
【0063】
また、装置本体Ddには、給紙トレイ10の記録シートを2次転写装置11や定着装置12を経由させて排紙トレイ15に送るためのシート搬送装置50が設けられている。このシート搬送装置50は、Sの字形状のシート搬送路Sを有し、シート搬送路Sに沿って、ピックアップローラ16、サバキローラ14a、分離ローラ14b、各搬送ローラ13、レジスト前ローラ対19、レジストローラ対106、定着装置12、及び排紙ローラ17等の搬送部材が配置されている。
【0064】
ピックアップローラ16は、給紙トレイ10のシート搬送方向下流側端部に設けられ、給紙トレイ10から記録シートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。サバキローラ14aは、分離ローラ14bとの間に記録シートを通過させて1枚ずつ分離しつつシート搬送路Sへと搬送する。各搬送ローラ13及びレジスト前ローラ対19は、記録シートの搬送を促進補助するための小型のローラである。各搬送ローラ13は、シート搬送路Sに沿って複数箇所に設けられている。レジスト前ローラ対19は、レジストローラ対106のシート搬送方向上流側の直近に設けられており、記録シートをレジストローラ対106へと搬送するようになっている。
【0065】
レジストローラ106は、レジスト前ローラ19にて搬送されてきた記録シートを一旦停止させて、記録シートの先端を揃え、中間転写ベルト7と2次転写装置11との間のニップ域で中間転写ベルト7上のカラートナー像が記録シートに転写されるように、感光体ドラム3及び中間転写ベルト7の回転にあわせて、記録シートをタイミングよく搬送する。
【0066】
例えば、レジストローラ106は、中間転写ベルト7と2次転写装置11との間のニップ域で中間転写ベルト7上のカラートナー像の先端が記録シートにおける画像形成範囲の先端に合うように、記録シートを搬送する。
【0067】
定着装置12は、ヒートローラ31及び加圧ローラ32を備えている。ヒートローラ31及び加圧ローラ32は、記録シートを挟み込んで搬送する。
【0068】
ヒートローラ31は、所定の定着温度となるように温度制御され、加圧ローラ32と共に記録シートを熱圧着することにより、記録シートに転写されたトナー像を溶融、混合、圧接し、記録シートに対して熱定着させる機能を有している。また、定着装置12には、ヒートローラ31を外部から加熱するための外部加熱ベルト33が設けられている。
【0069】
各色のトナー像の定着後での記録シートは、排紙ローラ17によって排紙トレイ15上に排出される。
【0070】
なお、4つの画像形成ステーションのうち少なくとも一つを用いて、モノクロ画像を形成し、モノクロ画像を中間転写ベルト装置8の中間転写ベルト7に転写することも可能である。このモノクロ画像も、カラー画像と同様に、中間転写ベルト7から記録シートに転写され、記録シート上に定着される。
【0071】
また、記録シートの表(オモテ)面だけではなく、両面の画像形成を行う場合は、記録シートの表面の画像を定着装置12により定着した後に、記録シートをシート搬送路Sの排紙ローラ17により搬送する途中で、排紙ローラ17を停止させてから逆回転させ、記録シートを表裏反転経路Srに通して、記録シートの表裏を反転させてから、記録シートを再びレジストローラ対106へと導き、記録シートの表面と同様に、記録シートの裏面に画像を記録して定着し、記録シートを排紙トレイ15に排出する。
【0072】
[画像読取装置の全体構成について]
本実施の形態に係る画像読取装置100は、原稿移動読取モードを実行する原稿移動読取構成(原稿移動読取機能)と原稿固定読取モードを実行する原稿固定読取構成(原稿固定読取機能)とを備えている。
【0073】
図2及び図3は、それぞれ、図1に示す画像読取装置100を概略的に示す斜視図及び断面図である。図4は、図1に示す画像読取装置100において自動原稿送り装置300を取り除いた状態を示す斜視図である。また、図5は、図4に示す画像読取装置100においてさらに第1読取ユニット210の第1カバー211(図3、図12及び図13参照)を取り除いた状態を示す平面図である。
【0074】
原稿移動読取構成では、自動原稿送り装置300で原稿読取ガラス(第1の透明板の一例)206上を通過するように副走査方向(図中矢印Y方向)の一方側Y1(搬送方向Y3)に搬送される原稿Gに対して片面読み取りでは第2読取ユニット220にて、また両面読み取りでは第2読取ユニット220及び読取位置(ここでは初期位置)に位置する第1読取ユニット210にて原稿読取ガラス206を介して主走査方向(図中矢印X方向)に走査してCCD(Charge Coupled Device)等の縮小型光電変換素子(ここではCCD205)で原稿画像を読み取る。また、原稿固定読取構成では、光学系駆動部530(図4及び図5参照)で第1読取ユニット210を副走査方向Yの他方側Y2に移動させつつ原稿台ガラス(第2の透明板の一例)207を介して原稿台ガラス207上に載置された原稿Gに対して主走査方向Xに走査してCCD205で原稿画像を読み取る。
【0075】
詳しくは、画像読取装置100は、第1読取ユニット210を有する移動原稿読取部200と、第2読取ユニット220を有する自動原稿送り装置300とを備えている。
【0076】
移動原稿読取部200は、原稿読取ガラス206と、原稿台ガラス207と、CCD205を有する第1読取ユニット210と、第1読取ユニット210を移動させる光学系駆動部530とを備えており、これらの部材は枠体202内に収容されている。
【0077】
原稿読取ガラス206は、主走査方向Xに延びる透明なガラス板からなり、枠体202の副走査方向Yにおける一方側Y1の端部において搬送経路303を間にして上下に設けられた一対のものとされている。原稿台ガラス207は、原稿Gの最大サイズよりも大きめの透明なガラス板からなり、周縁部が枠体202の上面に支持されている。
【0078】
図5に示すように、光学系駆動部530は、ここでは、駆動モータ531、駆動プーリ532、駆動伝達機構533、従動プーリ534及び光学ベルト535(可動部の一例)を備えており、これらの部材によって、第1読取ユニット210を副走査方向Yに往復移動できるように構成されている。
【0079】
詳しくは、駆動モータ531は、ステッピングモータとされており、回転軸531aが主走査方向X及び副走査方向Yに直交する読取高さ方向(原稿Gの厚み方向、図中矢印Z方向)に沿うように枠体202の副走査方向Yの一方側Y1に固定されて支持されている。駆動モータ531は、制御部として作用する制御基板110(後述する図14(a)参照)の指示信号に基づき、回転タイミング及び回転速度が制御されるようになっている。
【0080】
駆動プーリ532は、枠体202の底面202aにおける駆動モータ531の近傍に読取高さ方向Zに沿って固定されて支持された回転軸532aに回転自在に支持されている。
【0081】
駆動伝達機構533は、複数の(ここでは第1から第3)ギヤ533a〜533cを含むギヤ列とされている。第1ギヤ533aは、駆動モータ531の回転軸531aに相対回転不能に(固定されて)支持されている。第2ギヤ533bは、回転軸532aに対しては回転自在に、かつ、駆動プーリ532に対しては相対回転不能に(固定されて)支持されている。第3ギヤ533cは、枠体202の底面202aにおける駆動モータ531の近傍に読取高さ方向Zに沿って固定されて支持された回転軸533dに回転自在に支持され、かつ、第1ギヤ533a及び第2ギヤ533bに噛合している。
【0082】
従動プーリ534は、読取高さ方向Zに沿うように枠体202の副走査方向Yの他方側Y2に固定されて支持された支持軸534aに回転自在に支持されている。
【0083】
光学ベルト535は、駆動プーリ532及び従動プーリ534に巻き掛けられており、駆動プーリ532の回転に伴って従動プーリ534が従動回転しつつ駆動プーリ532及び従動プーリ534の回りを周回移動するようになっている。
【0084】
そして、光学ベルト535は、制御基板110にて指示された駆動モータ531によって駆動プーリ532及び従動プーリ534を介して半周分程度周回移動する。第1読取ユニット210は後述するベルト固定部227d(図12(a)参照)で光学ベルト535に固定されている。
【0085】
かかる構成を備えた光学系駆動部530では、スキャナモータ531の回転軸531aが正回転すると、光学ベルト535が駆動プーリ532及び従動プーリ534の回りを副走査方向Yの他方側Y2に周回移動する。これにより、第1読取ユニット210を他方側Y2に移動させることができる。一方、スキャナモータ531の回転軸531aが逆回転すると、光学ベルト535が駆動プーリ532及び従動プーリ534の回りを副走査方向Yの一方側Y1に周回移動する。これにより、第1読取ユニット210を副走査方向Yに往復移動させることができる。
【0086】
また、画像読取装置100は、第1読取ユニット210の後述するシャフト摺動部541a,541bを副走査方向Yに往復移動自在に支持する支持部材として作用するスライドシャフト540を備えている。
【0087】
スライドシャフト540は、ここでは、副走査方向Yに延びた円柱状のものとされており、副走査方向Yの両端が枠体202に支持されている。
【0088】
図3に示すように、自動原稿送り装置300は、原稿Gを搬送するために載置する原稿トレイ301と、この原稿トレイ301よりも副走査方向Yの斜め上方に配置された排出トレイ302と、これらの間を接続する搬送経路303と、上流側搬送ローラ対304a,304b及び下流側搬送ローラ対305a,305bとからなる2つの搬送ローラ対とを備えている。
【0089】
搬送経路303は、原稿Gがその表裏を反転させながら案内するようにU字状に形成されている。本実施の形態では、原稿トレイ301にフェイスアップで載置された原稿Gは、U字状の搬送経路303を通って排出トレイ302にフェイスダウンで排出されるようになっている。
【0090】
上流側搬送ローラ対304a,304bは、一方のローラ304aが駆動ローラとされ、他方のローラ304bが従動ローラとされている。同様に、下流側搬送ローラ対305a,305bも、一方のローラ305aが駆動ローラとされ、他方のローラ305bが従動ローラとされている。
【0091】
上流側搬送ローラ対304a,304bは、原稿Gの搬送方向Y3において原稿読取ガラス206,206を基準にして原稿Gを上流側で搬送する。下流側搬送ローラ対305a,305bは、原稿Gの搬送方向Y3において原稿読取ガラス206,206を基準にして原稿Gを下流側で搬送する。すなわち、上流側搬送ローラ対304a,304b及び下流側搬送ローラ対305a,305bは、原稿読取ガラス206,206を間にして配設されている。そして、原稿読取ガラス206,206は、搬送経路303の搬送壁を画するように設けられている。
【0092】
自動原稿送り装置300は、さらに、ピックアップローラ306と、サバキローラ307と、分離ローラ等の分離部材308と、レジストローラ対309と、排出ローラ対310とを備えている。
【0093】
ピックアップローラ306は、原稿トレイ301上に載置された原稿Gを原稿トレイ301から搬送方向Y3に沿って搬送経路303内へ送り出すようになっている。
【0094】
サバキローラ307は、ピックアップローラ306より搬送方向Y3の下流側の搬送経路303上に配置されており、ピックアップローラ306にて送られてきた原稿Gを分離部材308と共に挟持しつつさらに搬送方向Y3の下流側へ搬送するようになっている。分離部材308は、サバキローラ307に対峙された状態でサバキローラ307との間に搬送される原稿Gが1枚になるように原稿Gを捌く(分離する)ようになっている。これにより、自動原稿送り装置300は、原稿Gをピックアップローラ306にてサバキローラ307と分離部材308との間に搬送し、ここで原稿Gを捌いて分離すると共にサバキローラ307が回転駆動されることによって1枚ずつ搬送することができる。さらに、自動原稿送り装置300は、サバキローラ307にて搬送される原稿Gを搬送経路303にて案内してレジストローラ対309に向けて1枚ずつ供給することができる。
【0095】
レジストローラ対309は、サバキローラ307及び分離部材308と上流側搬送ローラ対304a,304bとの間の搬送経路303上に配置されており、サバキローラ307及び分離部材308にて搬送されてきた原稿Gを一旦停止させて、原稿Gの先端を揃え、CCD205の読み取りタイミングに合わせて、原稿Gをタイミングよく搬送するようになっている。
【0096】
上流側搬送ローラ対304a,304bは、レジストローラ対309からの原稿Gを原稿読取ガラス206,206上に送り出して下流側搬送ローラ対305a,305bへ搬送するようになっている。下流側搬送ローラ対305a,305bは、原稿読取ガラス206,206からの原稿Gを排出ローラ対310へ搬送するようになっている。
【0097】
排出ローラ対310は、下流側搬送ローラ対305a,305bからの原稿Gを排出トレイ302に排出するようになっている。ここでは、排出ローラ対310は、搬送経路303に沿って複数対(具体的には二対)設けられている。
【0098】
なお、自動原稿送り装置300は、副走査方向Yに沿った軸線回りに(例えばヒンジによって軸支され)移動原稿読取部200に対して開閉可能となっており、その下面には、移動原稿読取部200の原稿台ガラス207上に載置された原稿Gを上から押さえる原稿押さえ部材319が設けられている。
【0099】
本実施の形態では、原稿読取ガラス206,206における読取位置での読み取り前後に搬送経路303の一部を構成する直線状の搬送路303a,303bが形成されている。こうすることで、原稿移動読取構成において原稿Gとして基準となる原稿よりも剛性のある名刺やカードなどの特殊原稿を確実に搬送することができ、これにより特殊原稿の搬送性を向上させることができる。なお、本実施の形態においては、特殊原稿読取モードを有しており、特殊原稿が読み取られる場合には、原稿移動読取モードにおいて、特殊原稿読取モードが、図示しない表示部に表示される設定画面や、図示しない操作部に設けられたモードキーへの選択操作によって実行されるようになっている。
【0100】
自動原稿送り装置300は、前記の構成に加えて、特殊原稿用排出搬送経路311、特殊原稿用排出ローラ対312及び特殊原稿用排出トレイ313及び切換部材314を備えている。
【0101】
特殊原稿用排出搬送経路311は、特殊原稿読取モードにおいて、下流側搬送ローラ対305a,305bから搬送されてくる原稿Gを特殊原稿用排出ローラ対312へ案内するものである。特殊原稿用排出ローラ対312は、特殊原稿用排出搬送経路311からの原稿Gを特殊原稿用排出トレイ313に排出するものである。そして、特殊原稿用排出トレイ313は、特殊原稿用排出ローラ対312にて排出される原稿Gを積載する。また、切換部材314は、制御基板110からの指示信号に基づき、原稿移動読取モードの通常モードにおいて基準となる原稿Gを下流側搬送ローラ対305a,305bから排出ローラ対310へ導く第1切換状態(図3中鎖線参照)と、原稿移動読取モードの特殊原稿読取モードにおいて特殊原稿Gを下流側搬送ローラ対305a,305bから特殊原稿用排出ローラ対312へ導く第2切換状態(図3中実線参照)とをとり得るように構成されている。
【0102】
なお、上流側搬送ローラ対304a,304b、下流側搬送ローラ対305a,305b、排出ローラ対310等の搬送系ローラは、図示しない搬送系の駆動部にて駆動されるようになっている。
【0103】
第1読取ユニット210は、縮小光学系タイプのベース部として作用するベースユニット400を有しており、ベースユニット400内に、複数の(ここでは第1から第4)ミラー222〜225(ミラー群の一例)と、結像レンズ226とが設けられている。
【0104】
第1ミラー222は、原稿Gからの反射光を第2ミラー223へ導くようになっている。第2及び第3ミラー223,224は、それぞれ、第1及び第2ミラー222,223からの反射光を第3及び第4ミラー224,225に導くようになっている。第4ミラー225は、第3ミラー224からの反射光を結像レンズ226に導くようになっている。結像レンズ226は、第4ミラー225からの光をCCD205の受光面に結像するようになっている。そして、CCD205は、結像レンズ226からの光(原稿画像光)を受光面で受光して1ライン毎に繰り返し主走査方向Xに走査し、画像データとして電気信号に変換する。
【0105】
画像読取装置100は、さらに、原稿移動読取モードにおいて、第2読取ユニット220で一方の面(表面)を読み取り可能とされている。
【0106】
詳しくは、画像読取装置100は、前記の構成に加えて、第2読取ユニット220を備えている。第2読取ユニット220は、読取位置が第1読取ユニット210の読取位置よりも搬送方向Y3の上流側に位置しており、自動原稿送り装置300内に固定されて支持されている。第2読取ユニット220は、第1読取ユニット210と同じ構成のベースユニット400を有しており、同じ構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0107】
以上説明した画像読取装置100では、原稿トレイ301に原稿Gが載置されていない場合に原稿固定読取モードによって原稿台ガラス207に載置された原稿Gの読み取り指示がなされる。そうすると、第1読取ユニット210は、原稿台ガラス207を介して原稿台ガラス207に載置された原稿Gに対して光を照射しながら一定の速度で副走査方向Yの他方側Y2に移動して原稿Gの画像を読み取る。
【0108】
具体的には、光学系駆動部530にて第1読取ユニット210が初期位置の読取位置から副走査方向Yの他方側Y2に移動する。そして、第1読取ユニット210にて照明されて原稿Gから反射された反射光は、第1から第4ミラー222〜225で反射されたのち、結像レンズ226を介してCCD205の受光面に結像され、ここで原稿画像光が読み取られてアナログ信号に変換される。
【0109】
一方、原稿トレイ301に原稿Gが載置されている場合には原稿移動読取モードによって原稿トレイ301に載置された原稿Gの読み取り指示がなされる。そうすると、通常モードでは切換部材314が第1切換状態にされ、自動原稿送り装置300によって原稿Gを読取位置へ向けて副走査方向Yの一方側Y1(搬送方向Y3)に搬送して原稿Gの画像を第2読取ユニット220にて読み取る。
【0110】
具体的には、原稿トレイ301に載置された原稿Gは、ピックアップローラ306によって取り出され、サバキローラ307及び分離部材308によって1枚ずつに分離され、搬送経路303に搬送される。搬送経路303に搬送された原稿Gは、レジストローラ対309によって、斜行防止のために先端が揃えられると共に、規定の読み取りタイミングで送り出され、上流側搬送ローラ対304a,304bを経て原稿読取ガラス206へと搬送される。そして、原稿読取ガラス206上を通過した原稿Gの一方の面(表面)に、第2読取ユニット220からの光が原稿読取ガラス206を介して照射されて該一方の面で反射される。この原稿Gの一方の面から反射された光は、前述の原稿固定読取モードと同様に、第1から第4ミラー222〜225によって反射された後、結像レンズ226を介してCCD205の受光面に結像され、ここで原稿画像が読み取られてアナログ信号に変換される。
【0111】
読み取りが終了した原稿Gは、下流側搬送ローラ対305a,305bによって読取ガラス206上から引き出され、搬送経路303を経て排出ローラ対310によって排出トレイ302上に排出される。
【0112】
なお、原稿Gの一方の面と他方の面との両面を読み取る場合には、第2読取ユニット220と共に読取位置に静止させた第1読取ユニット210を用いるが、この読み取り動作については前述した第2読取ユニット220と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0113】
また、原稿移動読取モードの特殊原稿読取モードによる原稿Gの読み取り指示がなされる場合には、切換部材314が第2切換状態にされ、前記と同様にして読み取りが終了した原稿Gは、下流側搬送ローラ対305a,305bによって読取ガラス206上から引き出され、特殊原稿用排出搬送経路311を経て特殊原稿用排出ローラ対312によって特殊原稿用排出トレイ313上に排出される。
【0114】
[ベースユニットについて]
図6、図7及び図8は、それぞれ、第1読取ユニット210及び第2読取ユニット220の双方に備えられる同一構成のベースユニット400を概略的に示す断面図、平面図及び斜視図である。図8(a)は、ベースフレーム410の裏面側から視た図を示しており、図8(b)は、ベースフレーム410の表面側から視た図を示している。
【0115】
図6から図8に示すように、ベースユニット400は、ベースフレーム410と、ベースフレーム410に支持された光学系420とを有している。光学系420は、第1から第4ミラー222〜225と、結像レンズ226及びCCD205を連結したレンズユニット228とを有している。
【0116】
そして、ベースフレーム410の主走査方向Xの両外側面には、光学系420を調整するときにベースユニット410を後述する光学系調整用治具500(図10参照)に取り付けて固定するための一対の調整用基準固定部位411,412(図5、図7及び図8参照)がそれぞれ突設されている。
【0117】
具体的には、ベースフレーム410は、一方向が開放した箱形状のものとされており、光学系420の各構成要素を支持するように形成されている。光学系420は、第1から第4ミラー222〜225と、結像レンズ226と、CCD205を搭載したCCD基板227とを備えている。レンズユニット228は、CCD基板227と結像レンズ226とで構成されており、CCD基板227と結像レンズ226とがCCD基板227に搭載されたCCD205に対する結像レンズ226の焦点距離が合うように連結されている。
【0118】
ベースフレーム410の主走査方向Xの両側面には、第1から第4ミラー222〜225を支持するための第1から第4支持部413a〜416aが設けられている。第1から第4支持部413a〜416aには、主走査方向Xに貫通する貫通孔が設けられており、この貫通孔に第1から第4ミラー222〜225が挿通されて主走査方向Xの両端部が板バネ413b〜416bによって保持されている。なお、第1から第4ミラー222〜225は、光路上においてレンズユニット228側に近づくにつれて小さくなる主走査方向Xの光路幅に応じて、主走査方向Xの幅が小さくなっている。
【0119】
また、レンズユニット228は、ベースフレーム410に対して光路長Lを調整可能に設けられている。詳しくは、主走査方向Xの両端部におけるベースフレーム410の副走査方向Yにおける一方の側面の主走査方向Xにおける中央部にレンズユニット228が挿通されて原稿Gから結像レンズ226までの光路長L(図10(b)参照)を調整可能にベースフレーム410の底面410aに支持されている。
【0120】
レンズユニット228は、ベースフレーム410の底面410aに沿って副走査方向Yに移動可能に設けられた第1支持板229aと、CCD基板227及び結像レンズ226を主走査方向の中央部で支持し、かつ、第1支持板229aに沿って副走査方向Yに移動可能に設けられた第2支持板229bをさらに備えている。
【0121】
第1支持板229aには、光路長Lを粗調整するために副走査方向Yに長くなった一対の粗調整用長孔228a,228aが主走査方向Xに間隔をあけて設けられている。ベースフレーム410の底面410aには、一対の第1固定部材(ここでは第1固定ビスB1,B1)を固定する第1固定部(ここでは第1固定ビスの雌孔)がそれぞれ設けられている。そして、第1支持板229aは、一対の粗調整用長孔228a,228aに挿入された一対の第1固定ビスB1,B1によって調整可能にベースフレーム410の底面410aにそれぞれ固定されている。なお、ベースフレーム410の底面410aには、目盛り部M1が設けられている。第1支持板229aには、目盛り部M1を指すマーカー部M2が設けられている。
【0122】
第2支持板229bには、CCD基板227及び結像レンズ226が固定されて支持されており、光路長Lを微調整するために若干の調整代を有する一対の微調整用孔228b,228bが主走査方向Xに一対の第1調整孔228a,228aの間隔よりも広い間隔をあけて設けられている。第1支持板229aには、一対の第2固定部材(ここでは第2固定ビスB2,B2)を固定する第2固定部(ここでは第2固定ビスの雌孔)がそれぞれ設けられている。そして、第2支持板229bは、一対の微調整用孔228b,228bに挿入された一対の第2固定ビスB2,B2によって調整可能に第2支持板229bにそれぞれ固定されている。
【0123】
また、第1支持板229a及び第2支持板229bには、調整用ドライバー600(図9参照)によって微調整される一対の微調整部230,230が設けられている。一対の微調整部230,230は、第1支持板229aの主走査方向Xに間隔をおいて設けられた一対の支点穴231,231と、第2支持板229bに一対の支点穴231,231に対応してそれぞれ設けられた一対の貫通孔232,232とを有している。
【0124】
一対の支点穴231,231は、読取高さ方向Zに沿って深くなっており、一対の貫通孔232,232は、第2支持板229bに主走査方向Xに長くなった長穴状に形成されている。そして、一対の支点穴231,231は、それぞれ、一対の貫通孔232,232内において主走査方向Xの中心から結像レンズ226寄りに設けられている。
【0125】
図9は、第1支持板229aに対して第2支持板229bを移動させて微調整する調整用ドライバー600を説明するための説明図である。図9(a)は、調整用ドライバー600の側面図を示しており、図9(b)は、調整用ドライバー600の底面図を示している。
【0126】
図9に示す調整用ドライバー600は、作業者によって把持される把持部601と、把持部601に支持されたシャフト部602と、シャフト部602の先端に設けられた調整部603とを備えている。調整部603は、第1支持板229aの支点穴231に挿通される支点ピン603aと、先端に支点ピン603aが設けられた旋回部603bとを有している。旋回部603bは、底面から視た外周形状が第2支持板229bの貫通孔232と同形状とされ、かつ、先端に設けられた支点ピン603aの径が支点穴231と同径とされている。そして、調整用ドライバー600は、支点ピン603aが支点穴231に挿通されると共に旋回部603bが貫通孔232に挿通された状態で作業者によって把持部601が回されることで、貫通孔232に挿通された旋回部603bが支点穴231回りに旋回し、これにより、第1支持板229aに対して第2支持板229bを移動させて微調整できるようになっている。
【0127】
図10は、ベースユニット400における光学系420に対して原稿Gから結像レンズ226までの光路長Lを光学系調整用治具500によって調整する調整工程を説明するための説明図である。図10(a)は、光学系調整用治具500によって調整されるベースユニット400の平面図を示しており、図10(b)は、光学系調整用治具500によって調整されるベースユニット400の断面図を示している。なお、図10(a)において原稿載置台570及び原稿G等は図示を省略している。
【0128】
図10に示すように、光学系調整用治具500は、ベースユニット400を載置するユニット載置台510と、ユニット載置台510においてベースユニット400を位置決め固定する位置決め部520と、位置決め部520に位置決め固定されるベースユニット400に対向して配置された原稿載置台570とを備えている。
【0129】
一対の調整用基準固定部位411,412には、位置決め基準穴(ここでは主走査方向Xに沿って深くなった穴)411a,412aがそれぞれ設けられている。
【0130】
ユニット載置台510は、作業台511と、作業台511においてベースユニット400を載置する載置部512とを有している。載置部512は、ベースフレーム410の後述する第1光源駆動基板256aの第1取り付け部401を載置する載置面512aを有している。
【0131】
位置決め部520は、作業台511に対して、ベースユニット400に設けられた一対の調整用基準固定部位411,412の主走査方向Xにおける端部間の距離Dをおいて配設された一対の調整用側板521,522と、一対の調整用側板521,522に取り付けられる一対の調整用ボス523,524とを有している。そして、一対の調整用側板521,522には、光路長Lを規定する貫通孔(ここでは円形状で位置決め基準穴411a,412aと同径の孔)521a,522aがそれぞれ設けられている。一対の調整用ボス523,524は、貫通孔521a,522a及び位置決め基準穴411a,412aに挿通される挿通部(ここでは円柱状で貫通孔521a,522a及び位置決め基準穴411a,412aと同径の挿通部)523a,524aをそれぞれ有している。挿通部523a,524aの先端は、円錐状に先細り形状となっている。
【0132】
原稿載置台570は、支持部571によって原稿Gを読み取る位置(光路長Lの基準となる位置)に支持されている。
【0133】
図10に示す調整工程では、光路長Lを調整するにあたり、先ず、ベースフレーム410の第1取り付け部401を載置部512の載置面512aに載置して、一対の調整用側板521,522間にベースユニット400を配置する。この状態で、一対の調整用側板521,522の貫通孔521a,522aと、一対の調整用基準固定部位411,412の位置決め基準穴411a,412aとがそれぞれ略揃うように副走査方向Yにおける載置部512とは反対側を読取高さ方向Zに移動させ、貫通孔521a,522aを介して一対の調整用ボス523,524の挿通部523a,524aを外側から位置決め基準穴位置決め基準穴411a,412aに挿通する。
【0134】
次に、第1固定ビスB1,B1を緩めた状態にして、ベースフレーム410の底面410aに対して第1支持板229aを相対移動できるようにし、また、第2固定ビスB2,B2を緩めた状態にして、第1支持板229aに対して第2支持板229bを相対移動できるようにする。そして、調整用チャートの原稿Gを原稿載置台570に載置して、CCD205の出力画像をモニタリングしながら、第1支持板229aを移動させて粗調整(倍率調整)し、第1固定ビスB1,B1を本締めして第1支持板229aに対して第2支持板229bを固定する。
【0135】
次に、CCD205の出力画像をモニタリングしながら、調整用ドライバー600(図9参照)を用いて第1支持板229aに対して一対の第2固定ビスB2,B2のうち何れか一方の仮締め状態の第2固定ビスB2の支点回りに他方の第2固定ビス側の第2支持板229bを移動させて微調整し、その後、両方の第2固定ビスB2,B2を本締めして第1支持板229aに対して第2支持板229bを固定し、光路長Lの調整を完了する。そして、第1固定ビスB1,B1及び第2固定ビスB2,B2に対して樹脂等の固定材料を塗布して緩みを防止(所謂ペイントロック)する。なお、この調整は、後述するベースユニット400に第1カバー211(図3、図12及び図13参照)又は第2カバー221(図3、図14及び図15参照)を取り付けた状態で行ってもよい。
【0136】
本実施の形態において、一対の調整用基準固定部位411,412は、第2読取ユニット220を装置本体100aのフレームF(図3及び図11参照)に装着したときにベースユニット400を取り付けて固定するための装着用基準固定部位を兼ねている。
【0137】
図11は、第2読取ユニット220が装置本体100aのフレームFに装着された状態を示す平面図である。なお、図11では第2カバー221を取り外した状態を示している。
【0138】
図11に示すように、自動原稿送り装置300は、第2ユニット420におけるベースユニット400に設けられた一対の調整用基準固定部位(ここでは装着用基準固定部位)411,412の主走査方向Xにおける端部間の距離Dをおいて配設されたフレームF(ここでは一対の側板F1,F2)と、一対の側板F1,F2に設けられる一対のボス311,312とを有している。一対の側板F1,F2には、光路長Lを規定する貫通孔(ここでは円形状で位置決め基準穴411a,412aと同径の孔)F1a,F2aがそれぞれ設けられている。一対のボス311,312は、貫通孔F1a,F2a及び位置決め基準穴411a,412aに挿通される挿通部(ここでは円柱状で貫通孔F1a,F2a及び位置決め基準穴411a,412aと同径の挿通部)311a,312aをそれぞれ有している。挿通部311a,312aの先端は、円錐状に先細り形状となっている。なお、一対のボス311,312のうち、何れか一方のボス311は、挿通部311aに連結される連結部材311bを有し、連結部材311bを介して固定部材(ここでは固定ビスB3,B3)によって一方の側板F1に取り付けられるようになっており、他方のボス312は、他方の側板F2に固着されている。
【0139】
図12は、第1読取ユニット210を概略的に示す図である。図12(a)は、第1読取ユニット210を前方斜め下から視た斜視図を示しており、図12(b)は、第1読取ユニット210を前方斜め上から視た斜視図を示しており、図12(c)は、第1カバー211に取り付けられてケーブル227aを保持する保持ガイド部材212の側面図を示している。また、図13は、第1読取ユニット210を概略的に示す断面図である。
【0140】
本実施の形態において、第1読取ユニット210は、スライドシャフト540(図3から図5参照)に摺動される摺動部として作用するシャフト摺動部541a,541b(図12(a)参照)をさらに備えている。ベースフレーム410は、シャフト摺動部541a,541bを取り付け可能とされている。
【0141】
具体的には、シャフト摺動部541a,541bは、第1読取ユニット210の副走査方向Yの両端部に設けられている。シャフト摺動部541a,541bには、軸線方向が副走査方向Yに沿った軸受け542a,542bが設けられている。そして、シャフト摺動部541a,541bは、軸受け542a,542bを介してスライドシャフト540を副走査方向Yに移動自在に挿通している。
【0142】
これにより、第1読取ユニット210を副走査方向Yに安定して往復移動させることができる。
【0143】
本実施の形態において、第1読取ユニット210は、光学ベルト535に固定される固定部として作用するベルト固定部227d(図12(a)参照)をさらに備えている。ベースフレーム410は、ベルト固定部227dを取り付け可能とされている。
【0144】
具体的には、ベルト固定部227dは、光学ベルト535を主走査方向Xの両側で挟持して固定するようになっており、ベースフレーム410の裏面227cに設けられている。
【0145】
本実施の形態において、シャフト摺動部541a,541b及びベルト固定部227dは、一体形成された取り付けユニット240とされている。取り付けユニット240は、図示しない固定部材(ここでは固定ビス)によってベースフレーム410に取り付けられている。
【0146】
本実施の形態では、画像読取装置100は、第1読取ユニット210を副走査方向Yに移動自在に支持するレール部材として作用するスライドレール550(図3から図5参照)をさらに備えている。
【0147】
スライドレール550は、ここでは、副走査方向Yに延びており、枠体202(具体的には底面202a)に支持されている。スライドレール550は、副走査方向Yに延びるスライド板と、その主走査方向Xの両端から枠体202の底面202aに向けて延びる一対の側板とからなる断面視コの字型の部材とされている。
【0148】
そして、第1読取ユニット210は、第1読取ユニット210をスライドレール550の摺動面550aを摺動する摺動部材として作用するスベリ部材560(図12(a)参照)をさらに備えている。ベースフレーム410は、スベリ部材560を取り付け可能とされている。
【0149】
具体的には、スベリ部材560は、ベースフレーム410の裏面410b(図12(a)参照)に設けられており、スライドレール550の摺動面550aに対して副走査方向Yに摺接しつつベースフレーム410を支持するようになっている。スベリ部材560は、スライドレール550の摺動面550aと摺接する摺接部561と、摺接部561の摺接面561aとは反対側に設けられた係合部562とを有している。係合部562は、先端部が弾性部材で形成された係止部を有しており、該係止部が弾性変形することでベースフレーム410の裏面410bに設けられた係止孔410cに嵌入されて取り付けられるようになっている。スベリ部材560の摺接部561は、スライドレール550の摺動面550aに対して少なくとも摺接面561aが摩擦係数の小さいかつ硬度の大きい材料で形成されることが好ましい。
【0150】
図13に示すように、本実施の形態において、第1読取ユニット210は、原稿Gにおける片方の面側から光を照射する第1光源(ここではLEDアレイ)251aと、第1光源251aからの光を原稿Gにおける片方の面側に反射させる第1反射部材(ここでは反射板)252aと、第1光源251aからの光を原稿Gにおける片方の面及び第1反射部材252aに向けて導く第1導光部材253aと、第1カバー211とをさらに備えている。ベースフレーム410は、第1光源251aと、第1反射部材252aと、第1導光部材253aとが設けられた第1カバー211を取り付け可能とされている。
【0151】
具体的には、第1光源251aは、光源基板254a上で主走査方向Xに列設された複数の発光素子(ここでは発光ダイオード(LED)素子)255a,…からなっている。各発光素子255a,…が光源基板254aの配線パターンに接続され、光源基板254aの配線パターンがハーネス(図示せず)を通じてベースフレーム410の裏面410bに搭載の第1光源駆動基板256a(図12(a)も参照)に接続されている。第1光源駆動基板256aは、第1光源251aを駆動するものであり、ハーネス及び光源基板254aの配線パターンを通じて各発光素子255a,…へと電力を供給し、各発光素子255a,…を点灯及び消灯制御する。
【0152】
なお、第1カバー211には、第1光源251a及び第1導光部材253aと、第1反射部材252aとの間において主走査方向Xに沿って延びるスリットSLが設けられている。スリットSLは、原稿Gからの反射光が通過するようになっている。
【0153】
第1導光部材253aは、透光性を有するガラス又は合成樹脂からなり、副走査方向Yにおける原稿Gの読み取り位置を中心とする照明範囲と第1光源251aと間と、第1反射部材252aと第1光源251aとの間とで光が出射されるようになっている。第1導光部材253aは、光源基板254aの第1光源251aを覆っている。
【0154】
図14は、第2読取ユニット220を概略的に示す図である。図14(a)は、第2読取ユニット220を前方斜め上から視た斜視図を示しており、図14(b)は、第2読取ユニット220を前方斜め下から視た斜視図を示している。また、図15は、第2読取ユニット220を概略的に示す断面図である。なお、図15において、装置本体100aのフレームF(F3,F4)に設けられた第2光源251b、第2反射部材252b及び第2導光部材253b等も示している。
【0155】
本実施の形態において、画像読取装置100は、原稿Gにおける片方の面とは反対側から光を照射する第2光源(ここではLEDアレイ)251bと、第2光源251bからの光を原稿Gにおける反対側の面側に反射させる第2反射部材(ここでは反射板)252bと、第2光源251bからの光を原稿Gにおける反対側の面及び第2反射部材252bに向けて導く第2導光部材253bとをさらに備えている。第2読取ユニット220は、第1カバー211を備えている。装置本体100aのフレームF(F3,F4)(図15参照)には、第2光源251bと、第2反射部材252bと、第2導光部材253bとが設けられている。また、ベースフレーム410の裏面410bには、第2光源251bを駆動する第2光源駆動基板256b(図14(a)参照)が搭載されている。
【0156】
具体的には、第2光源251bは、光源基板254b上で主走査方向Xに列設された複数の発光素子(ここでは発光ダイオード(LED)素子)255b,…からなっている。各発光素子255b,…が光源基板254bの配線パターンに接続され、光源基板254bの配線パターンがハーネス(図示せず)を通じてベースフレーム410の裏面410bに搭載の第2光源駆動基板256b(図14(a)参照)に接続されている。第2光源駆動基板256bは、第2光源251bを駆動するものであり、ハーネス及び光源基板254bの配線パターンを通じて各発光素子255b,…へと電力を供給し、各発光素子255b,…を点灯及び消灯制御する。
【0157】
ここでは、第1光源251a及び第2光源251bは、同一構成とされており、第1反射部材252a及び第2反射部材252bは、同一構成とされており、第1導光部材253a及び第2導光部材253bは、同一構成とされており、また、第1光源駆動基板256a及び第2光源駆動基板256bは、同一構成とされている。
【0158】
ところで、主走査方向Xの両端部が一対の側板F1,F2(図11参照)に固定される第2読取ユニット220は、ベースフレーム410が主走査方向Xにおけるサイズと同じ間隔で設けられた一対の側板F1,F2の間に配置されるため、一対の側板F1,F2の間の間隔より長い、第2光源251b、第2反射部材252b及び第2導光部材253bを第2読取ユニット220の第2カバー221に設けることができない。このため、本実施の形態では、第2光源251b、第2反射部材252b及び第2導光部材253bを第2カバー221ではなく装置本体100aのフレームF(F3,F4)に設けている。
【0159】
詳しくは、図15に示すように、第1支持フレームF3及び第2支持フレームF4は、第2読取ユニット220に設けられた第2カバー221の近傍に配設されている。第1支持フレームF3及び第2支持フレームF4は、副走査方向Yにおいて間隔をおいて配置されている。
【0160】
第2光源251b及び第2導光部材253bは、第1支持フレームF3に支持されており、第2反射部材252bは、第2支持フレームF4に支持されている。
【0161】
なお、第2カバー221には、第2光源251b及び第2導光部材253bと、第2反射部材252bとの間において主走査方向Xに沿って延びるスリットSLが設けられている。スリットSLは、原稿Gからの反射光が通過するようになっている。
【0162】
本実施の形態において、ベースフレーム410は、図12(a)及び図14(a)に示すように、第1光源駆動基板256aと、第2光源駆動基板256bとを互いに異なる位置で取り付け可能とされている。第1光源駆動基板256a及び第2光源駆動基板256bは、図示しない固体部材(ここでは固定ビス)によってベースフレーム410の裏面410bにおける第1取り付け部401及び第2取り付け部402にそれぞれ取り付けられている。
【0163】
本実施の形態において、図12(a)及び図12(c)に示すように、第1読取ユニット210は、CCD基板227に接続されるケーブル(ここではフレキシブルフラットケーブル)227aを案内して保持する保持ガイド部材212をさらに備えている。保持ガイド部材212は、第1カバー211に着脱可能に設けられている。ここでは、ケーブル227aは、一端側がCCD基板227に接続され、他端側が制御基板110(図14(a)参照)に接続されている。
【0164】
詳しくは、保持ガイド部材212は、ガイド本体212aと、ガイド本体212aに設けられ、かつ、第1カバー211に着脱可能とされた係合部212bとを有している。係合部212bは、ガイド本体212aの主走査方向Xの両端部で読取高さ方向Zの第1カバー211側に立設した一対のものとされている。係合部212b,212bの先端部には、内側に突出した係止部212c,212cが設けられている。また、第1カバー211には係合部212b,212bにおける係止部212c,212cを係止する係止孔212a,212aが設けられており、係止部212c,212cがケーブル227aをガイド本体212aと第1カバー211の裏面との間に介在させた状態で係止孔212a,212aに係入されるようになっている。
【0165】
本実施の形態において、第2読取ユニット220は、装置本体100aのフレームF(図3参照)に固定される本体固定部材として作用する本体固定板430(図14(a)参照)をさらに備えている。ベースフレーム410は、本体固定板430を取り付け可能とされている。
【0166】
図16は、本体固定板430によって第2読取ユニット220が画像読取装置100の装置本体100aに取り付けられている状態を概略的に示す斜視図である。
【0167】
図14及び図16に示すように、本体固定板430一端側には、取り付け孔430a,430a及び係止孔430b,430cが設けられている。ベースフレーム410の裏面410bには、取り付け孔430a,430aに挿入された固定部材(ここでは固定ビスB4,B4)を固定する固定部(ここでは固定ビスの雌孔)と、係止孔430b,430cを係止する突起部410d,410eとが設けられている。本体固定板430の他端側には、取り付け部(ここでは取り付け溝430d)が設けられている。また、画像読取装置100の装置本体100aのフレームFには、取り付け溝430dに挿入された固定部材(ここでは固定ビスB5)を固定する固定部(ここでは固定ビスの雌孔)が設けられている。
【0168】
そして、図14に示すように、本体固定板430は、一端側で係止孔430b,430cがベースフレーム410の裏面410bの突起部410d,410eに挿通された状態で、取り付け孔430a,430aに挿入された固定ビスB4,B4によってベースフレーム410の裏面410bに固定され、かつ、他端側で取り付け溝430dに挿入された固定ビスB5によって装置本体100aのフレームFに固定される。また、本体固定板430の他端側の上方には、制御基板110一部が覆い被さっている。
【0169】
なお、本実施の形態に係る画像読取装置100においては、光学系420として、縮小型光電変換素子、レンズ及びミラーを含む縮小光学系タイプのものを適用したが、CIS(Contact Image Sensor)等の密着型光電変換素子及び等倍レンズを含む等倍光学系タイプのものを適用してもよい。
【0170】
以上説明した画像読取装置100によれば、第1読取ユニット210及び第2読取ユニット220は、それぞれ、同一構成のベースユニット400を備えているので、ベースユニット400の共通部品化を実現でき、従って、ベースユニット400を第1読取ユニット210と第2読取ユニット220とで個別に設計する必要がなく、これにより、開発期間の短縮化及び低コスト化を実現することができる。
【0171】
図17は、第1読取ユニット210及び第2読取ユニット220において取り付け部材を対比した対比表である。
【0172】
図17に示すように、第1及び第2駆動基板光源256a,256b、レンズユニット228、ベースフレーム410、第1から第4ミラー222〜225、板バネ413b〜416b、CCD基板227を共通部品として、ベースユニット400を構成することができる。
【0173】
しかも、ベースフレーム410には、光学系420を調整するときにベースユニット400を光学系調整用治具500に取り付けて固定するための調整用基準固定部位411,412が設けられているので、第1読取ユニット210と第2読取ユニット220とで光学系調整用治具500や光学系420を調整するための調整手順を共通にすることができ、従って、光学系420を第1読取ユニット210と第2読取ユニット220とで個別に調整する必要がなく、これにより、光学系420を効率よく調整することが可能となる。
【0174】
また、本実施の形態では、調整用基準固定部位411,412が装着用基準固定部位を兼ねていることで、次の利点がある。すなわち、第2読取ユニット220を装置本体100aのフレームFに装着したときにベースユニット400を取り付けて固定するための装着用基準固定部位が調整用基準固定部位411,412とは異なった位置に配置されていると、調整用基準固定部位411,412に対する装着用基準固定部位の位置精度を考慮する必要があり、それだけ原稿Gの読み取り精度が低下しやすい。この点、本実施の形態では、調整用基準固定部位411,412が装着用基準固定部位を兼ねているので、調整用基準固定部位411,412が装着用基準固定部位を兼ねたベースユニット400によって原稿Gを精度よく読み取ることができる。
【0175】
また、本実施の形態では、レンズユニット228は、ベースフレーム410に対して原稿Gから結像レンズ226までの光路長Lを調整可能に設けられているので、光路長Lを第1読取ユニット210と第2読取ユニット220とで個別に調整する必要がなく、これにより、光路長Lを効率よく調整することが可能となる。
【0176】
ところで、シャフト摺動部541a,541bは、スライドシャフト540に摺動されるために、摺動回数が増えるに従って消耗する消耗部材とされている。また、スベリ部材560は、スライドレール550の摺動面550aに摺動されるために、摺動回数が増えるに従って消耗する消耗部材とされている。この点、本実施の形態では、ベースフレーム410が消耗部材であるシャフト摺動部541a,541bを取り付け可能とされているので、シャフト摺動部541a,541bを容易に交換することができる。また、ベースフレーム410が消耗部材であるスベリ部材560を取り付け可能とされているので、スベリ部材560を容易に交換することができる。
【0177】
また、本実施の形態では、ベースフレーム410が光学ベルト535に固定されるベルト固定部227dを取り付け可能とされているので、ベルト固定部227dを容易に交換することができる。
【0178】
また、本実施の形態では、シャフト摺動部541a,541b及びベルト固定部227dは、一体とされているので、シャフト摺動部541a,541b及びベルト固定部227dを同時に着脱することができ、それだけシャフト摺動部541a,541b及びベルト固定部227dの交換作業性を向上させることができる。
【0179】
また、本実施の形態では、第1光源251a及び第2光源251bと第1反射部材252a及び第2反射部材252bと第1導光部材253a及び第2導光部材253bとがそれぞれ同一構成とされているので、これら部材の共通部品化を実現でき、それだけ部材コストを低減させることができる。
【0180】
また、本実施の形態では、ベースフレーム410が取り付け可能とする第1カバー211に、第1光源251a、第1反射部材252a及び第1導光部材253aが設けられているので、第1光源251a、第1反射部材252a及び第1導光部材253aを組み付けやすくすることができ、これにより、第1光源251a、第1反射部材252a及び第1導光部材253aの組立作業性の容易化を実現することができる。
【0181】
また、本実施の形態では、第2読取ユニット220のベースフレーム410の主走査方向Xにおけるサイズと同じ間隔で設けられた一対の側板F1,F2の間隔より長い第2光源251b、第2反射部材252b及び第2導光部材253bが装置本体100aのフレームFに設けられているので、第2読取ユニット220を装置本体100a(具体的には自動原稿送り装置300)におけるコンパクト化が要求される空間に設けることができる。
【0182】
ところで、第1読取ユニット210において、第1光源駆動基板256aがベースユニット400における第2取り付け部402にあると、第1光源駆動基板256aがCCD基板227のケーブル227aの近傍(図12(a)のα参照)に配置されるため、ケーブル227aからのノイズの影響を受けやすく、誤作動を招く。また、第2読取ユニット220において、第2光源駆動基板256bがベースユニット400における第1取り付け部401にあると、第2光源駆動基板256bがCCD基板227のケーブル227aの近傍(図14(a)のβ参照)に配置されるため、ケーブル227aからのノイズの影響を受けやすく、誤作動を招く。この点、本実施の形態では、ベースフレーム410が第1光源駆動基板256aと第2光源駆動基板256bとを互いに異なる位置で取り付け可能とされているので、第1読取ユニット210のCCD基板227に接続されるケーブル227a及び/又は第2読取ユニット220のCCD基板227に接続されるケーブル227aに対してそれぞれノイズの影響を与える恐れのある第1光源駆動基板256a及び第2光源駆動基板256bをケーブル227a,227aへのノイズの影響が無い或いは少ない位置に取り付けることができる。
【0183】
また、本実施の形態では、ベースフレーム410が取り付け可能とする第1カバー211に取り付けられる保持ガイド部材212が第1読取ユニット210のCCD基板227に接続されるケーブル227aを案内して保持するので、ケーブル227aを第1読取ユニット210に確実に保持することができる。特に、本実施の形態のように、第1読取ユニット210が副走査方向Yに往復移動する場合において、第1読取ユニット210のCCD基板227に接続されるケーブル227aのユニット接続側を第1読取ユニット210に保持することで、第1読取ユニット210の移動に伴うケーブル227aの振動を抑えることができる。
【0184】
また、本実施の形態では、ベースフレーム410が本体固定板430を取り付け可能とされているので、本体固定板430によりベースユニット410を装置本体100aのフレームFに容易に固定することができる。
【0185】
また、本実施の形態では、原稿移動読取構成と原稿固定読取構成とを備えているので、同一構成のベースユニット410を用いて、原稿Gの両面又は片面の原稿画像を読み取ることができる。また、第1読取ユニット210と第2読取ユニット220とでベースユニット400が同一構成とされているので、第1読取ユニット210のベースユニット400と第2読取ユニット220のベースユニット400とのうち、何れか一方のベースユニット400が故障しても(例えば、原稿移動読取構成での原稿Gの読み取りが多いユーザーで第2読取ユニット220のベースユニット400が故障したり、或いは、原稿固定読取構成での原稿Gの読み取りが多いユーザーで第1読取ユニット210のベースユニット400が故障したりしても)、何れか一方の(故障した)ベースユニット400に他方の(正常な)ベースユニット400を応急的に交換することで、ユーザー環境に則した応急処置を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0186】
100 画像読取装置
100a 装置本体
205 CCD(光電変換素子の一例)
210 第1読取ユニット
211 第1カバー
212 保持ガイド部材
220 第2読取ユニット
222 第1ミラー
223 第2ミラー
224 第3ミラー
225 第4ミラー
226 結像レンズ
227 CCD基板
227a ケーブル
227d ベルト固定部(固定部の一例)
228 レンズユニット
251a 第1光源
251b 第2光源
252a 第1反射部材
252b 第2反射部材
253a 第1導光部材
253b 第2導光部材
256a 第1光源駆動基板
256b 第2光源駆動基板
400 ベースユニット(ベース部の一例)
410 ベースフレーム
411 調整用基準固定部位(装着用基準固定部位)
412 調整用基準固定部位(装着用基準固定部位)
420 光学系
430 本体固定板(本体固定部材の一例)
500 光学系調整用治具
535 光学ベルト(可動部の一例)
540 スライドレール(支持部材の一例)
541a シャフト摺動部(摺動部の一例)
541b シャフト摺動部(摺動部の一例)
550 スライドレール(レール部材の一例)
550a 摺動面
560 スベリ部材(摺動部材の一例)
561a 摺接面
D 画像形成装置
F フレーム
G 原稿
L 光路長

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿に対し光学的に走査することにより、該原稿における両面の画像をそれぞれ読み取る第1読取ユニット及び第2読取ユニットが装置本体に装着された画像読取装置であって、
前記第1読取ユニット及び前記第2読取ユニットは、それぞれ、同一構成のベース部を備え、
前記ベース部は、ベースフレームと、前記ベースフレームに支持された光学系とを有し、
前記ベースフレームには、前記光学系を調整するときに前記ベース部を光学系調整用治具に取り付けて固定するための調整用基準固定部位が設けられていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像読取装置であって、
前記調整用基準固定部位は、前記第2読取ユニットを前記装置本体に装着したときに前記ベース部を取り付けて固定するための装着用基準固定部位を兼ねていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置であって、
前記光学系は、複数のミラーを含むミラー群と、結像レンズ及び光電変換素子が一体的に連結されたレンズユニットとを有し、
前記ミラー群は、前記原稿からの光を前記結像レンズに導くものであり、前記結像レンズは、前記ミラー群からの光を前記光電変換素子に結像するものであり、前記光電変換素子は、前記結像レンズからの光を画像データとして電気信号に変換するものであり、
前記レンズユニットは、前記ベースフレームに対して前記原稿から前記結像レンズまでの光路長を調整可能に設けられていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか一つに記載の画像読取装置であって、
前記ベースフレームは、前記第1読取ユニットを副走査方向に往復移動自在に支持する支持部材に摺動される摺動部を取り付け可能とされていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像読取装置であって、
前記ベースフレームは、前記第1読取ユニットを副走査方向に移動させる光学系駆動部の可動部に固定される固定部を取り付け可能とされていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像読取装置であって、
前記摺動部及び前記固定部は、一体とされていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までの何れか一つに記載の画像読取装置であって、
前記ベースフレームは、前記第1読取ユニットを副走査方向に移動自在に支持するレール部材の摺動面を摺動する摺動部材を取り付け可能とされていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までの何れか一つに記載の画像読取装置であって、
前記原稿における片方の面側から光を照射する第1光源と、前記第1光源からの光を前記片方の面側に反射させる第1反射部材と、前記第1光源からの光を前記片方の面及び前記第1反射部材に向けて導く第1導光部材と、前記原稿における前記片方の面とは反対側から光を照射する第2光源と、前記第2光源からの光を前記反対側の面側に反射させる第2反射部材と、前記第2光源からの光を前記反対側の面及び前記第2反射部材に向けて導く第2導光部材とを備え、
前記第1光源及び前記第2光源と、前記第1反射部材及び前記第2反射部材と、前記第1導光部材及び前記第2導光部材とは、それぞれ、同一構成とされていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像読取装置であって、
前記ベースフレームは、前記第1光源、前記第1反射部材及び前記第1導光部材が設けられた第1カバーを取り付け可能とされていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載の画像読取装置であって、
前記装置本体には、前記第2光源、前記第2反射部材及び前記第2導光部材が設けられていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項11】
請求項8から請求項10までの何れか一つに記載の画像読取装置であって、
前記ベースフレームは、前記第1光源を駆動する第1光源駆動基板と、前記第2光源を駆動する第2光源駆動基板とを互いに異なる位置で取り付け可能とされており、
前記第1光源駆動基板及び前記第2光源駆動基板は、同一構成とされていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11までの何れか一つに記載の画像読取装置であって、
前記ベースフレームは、前記第1読取ユニットに接続されるケーブルを案内して保持する保持ガイド部材を取り付ける第1カバーを取り付け可能とされていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12までの何れか一つに記載の画像読取装置であって、
前記ベースフレームは、前記装置本体に固定される本体固定部材を取り付け可能とされていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項14】
請求項1から請求項13までの何れか一つに記載の画像読取装置であって、
原稿を移動させて片面の原稿画像を第2読取ユニットで読み取り、かつ、両面の原稿画像を前記第1読取ユニット及び前記第2読取ユニットで読み取る原稿移動読取構成と、原稿を固定させて片面の原稿画像を前記第1読取ユニットで読み取る原稿固定読取構成とを備えていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項15】
請求項1から請求項14までの何れか一つに記載の画像読取装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−254213(P2011−254213A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125737(P2010−125737)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】