画像読取装置及び画像処理装置
【課題】原稿の画像を複数のブロックに分割し、ブロック単位で画像を読み取った場合に、再生された画像の画像品位が低下するのを抑制することができるようにする。
【解決手段】原稿の画像を読み取る読取部と、画像の読取画像データを生成する画像読取制御部21と、読取画像データを記録するための記憶部と、記憶部における使用可能記憶容量に応じて原稿の画像を複数のブロックに分割するブロック読取制御処理手段と、原稿の画像を複数のブロックに分割する際に、所定のラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断するブロック分割ライン判定処理手段とを有する。記憶部の記憶容量を小さくすることができ、画像読取装置のコストを低くすることができる。
【解決手段】原稿の画像を読み取る読取部と、画像の読取画像データを生成する画像読取制御部21と、読取画像データを記録するための記憶部と、記憶部における使用可能記憶容量に応じて原稿の画像を複数のブロックに分割するブロック読取制御処理手段と、原稿の画像を複数のブロックに分割する際に、所定のラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断するブロック分割ライン判定処理手段とを有する。記憶部の記憶容量を小さくすることができ、画像読取装置のコストを低くすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置及び画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、スキャナ、複写機、ファクシミリ、複合機(Multi Function Printer)等の画像処理装置、例えば、複合機においては、プリンタとして機能するプリンタ部及びスキャナとして機能する画像読取装置としてのスキャナ部を備えるようになっている。
【0003】
該スキャナ部は自動原稿搬送部及び原稿台を備え、自動原稿搬送部によって搬送されたシート状の原稿、すなわち、シート原稿、又は原稿台に載置された冊子状の原稿、すなわち、冊子原稿の画像が、読取部によって読み取られる。
【0004】
ところで、前記スキャナ部には、読取部によって読み取られた画像のデータ、すなわち、読取画像データを記録するためのメモリが配設されるようになっているが、高い解像度で画像が読み取られると、読取画像データのデータ量が多くなり、メモリに必要とされる容量、すなわち、メモリ容量が大きくなり、複合機のコストが高くなってしまう。
【0005】
そこで、メモリ容量の小さいメモリを配設し、原稿の画像を複数のブロックに分割し、ブロック単位で画像を読み取り、メモリに記録される読取画像データのデータ量を少なくするようにした複合機が提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−229477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の複合機においては、分割した各ブロックの繋ぎ目を構成するライン(読取ライン)上の読取画像データに、抜け、重複等が生じることがあり、その場合、画像を再生、例えば、印刷等によって形成すると、再生された画像にずれ、乱れ等が発生し、画像品位が低下してしまう。
【0008】
本発明は、前記従来の複合機の問題点を解決して、原稿の画像を複数のブロックに分割し、ブロック単位で画像を読み取った場合に、再生された画像の画像品位が低下するのを抑制することができる画像読取装置及び画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明の画像読取装置においては、原稿の画像を読み取る読取部と、該読取部によって読み取られた画像の読取画像データを生成する画像読取制御部と、前記読取画像データを記録するための記憶部と、該記憶部における使用可能記憶容量に応じて前記原稿の画像を複数のブロックに分割するブロック読取制御処理手段と、原稿の画像を複数のブロックに分割する際に、所定のラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断するブロック分割ライン判定処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像読取装置においては、原稿の画像を読み取る読取部と、該読取部によって読み取られた画像の読取画像データを生成する画像読取制御部と、前記読取画像データを記録するための記憶部と、該記憶部における使用可能記憶容量に応じて前記原稿の画像を複数のブロックに分割するブロック読取制御処理手段と、原稿の画像を複数のブロックに分割する際に、所定のラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断するブロック分割ライン判定処理手段とを有する。
【0011】
この場合、記憶部における使用可能記憶容量に応じて原稿の画像が複数のブロックに分割され、ブロック単位で画像が読み取られるので、記憶部の記憶容量を小さくすることができ、画像処理装置のコストを低くすることができる。
【0012】
また、所定のラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかが判断されるので、ブロックの繋ぎ目を構成するライン上の読取画像データに、抜け、重複等が生じるのを抑制することができる。その結果、画像を印刷等によって再生した場合に、再生された画像にずれ、乱れ等が発生するのを抑制することができ、画像品位が低下するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態における複合機の制御ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における複合機の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるスキャナ部の概念図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタ部の概念図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるスキャナ部の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるヒストグラムを説明するための図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるシート原稿の画像の例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるヒストグラムの第1の例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるヒストグラムの第2の例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるヒストグラムの第3の例を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態におけるブロック分割ライン判定部の判定の例を示す第1の図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態におけるブロック分割ライン判定部の判定の例を示す第2の図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態におけるブロック分割ライン判定部の判定の例を示す第3の図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態における複合機の制御ブロック図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態におけるスキャナ部の動作を示す第1のフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施の形態におけるスキャナ部の動作を示す第2のフローチャートである。
【図17】本発明の第2の実施の形態におけるシート原稿の画像の例を示す第1の図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態における2値化データの例を示す第1の図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態における2値化データの例を示す第2の図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態におけるシート原稿の画像の例を示す第2の図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態における2値化データの例を示す第3の図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態における2値化データの例を示す第4の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像処理装置としての複合機について説明する。
【0015】
図2は本発明の第1の実施の形態における複合機の斜視図である。
【0016】
図に示されるように、複合機10は、スキャナとして機能し、読取用の媒体としての図示されない原稿の画像を読み取る画像読取装置としてのスキャナ部20、及び該スキャナ部20より下方に配設され、プリンタとして機能し、画像形成用の媒体としての図示されない用紙に画像を形成する画像形成装置としてのプリンタ部60を備える。該プリンタ部60は、スキャナ部20から送られた第1の画像データとしての読取画像データ、又は図示されない外部装置、例えば、コンピュータから送られた第2の画像データとしての印刷データを受け、読取画像データ又は印刷データに基づいて、前記用紙に画像を形成する。なお、本実施の形態においては、スキャナ部20によってカラーの画像が読み取られ、プリンタ部60によって単色の画像が形成されるようになっているが、スキャナ部20によって単色の画像を読み取ったり、プリンタ部60によってカラーの画像を形成したりすることができる。
【0017】
そして、前記スキャナ部20は、前記原稿のうちの、第1の読取用の媒体としてのシート状の原稿、すなわち、シート原稿を自動的に搬送する自動原稿搬送部(ADF)31、及び該自動原稿搬送部31の下方において、図示されないヒンジを揺動中心にして自動原稿搬送部31を揺動自在に支持する支持部としての画像読取部32を備える。
【0018】
前記自動原稿搬送部31は、前記シート原稿をセットするための原稿セット部23、及び画像が読み取られた後のシート原稿を積載するための原稿排出部24を備える。
【0019】
また、前記画像読取部32の上面には、シート原稿、又は第2の読取用の媒体としての冊子状の原稿、すなわち、冊子原稿を載置するための原稿台Fbが、前面には、操作・表示部としての操作パネルHpが配設される。該操作パネルHpは、操作者が複合機10に対して各種の指示又は設定を行うための操作部22、及び操作者に対して各種の通知又は表示を行うための表示部25を備え、前記操作部22は操作要素としてのボタン、キー等を備え、前記表示部25は、表示画面を形成するための液晶ディスプレイ又はLED(Light Emitting Diode)ディスプレイを備える。なお、前記表示部25をタッチパネルによって形成し、操作部として機能させることができる。
【0020】
次に、前記スキャナ部20について説明する。
【0021】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるスキャナ部の概念図である。
【0022】
図において、31は自動原稿搬送部であり、該自動原稿搬送部31には、筐体Cs1から突出させて前記原稿セット部23及び原稿排出部24が形成される。原稿セット部23は、原稿束を構成する複数のシート原稿を載置するための原稿トレイである。また、原稿排出部24は、画像が読み取られた後のシート原稿を積載するための原稿スタッカであり、シート原稿又は冊子原稿を画像読取部32に配設された第1の透過部材としての原稿読取ガラス41に押し付けるための原稿圧板として機能する。なお、原稿排出部24の裏面(原稿読取ガラス41と対向する側)には、シート原稿又は冊子原稿に対する背景を形成するためのシート部材としての白色シート39が取り付けられる。
【0023】
前記筐体Cs1内には、回転自在に配設され、原稿セット部23にセットされたシート原稿を繰り出し、1枚ずつ分離させて搬送路Rtに送る第1の搬送部材としての給紙ローラ33、搬送路Rtに配設され、原稿セット部23から送られたシート原稿を画像読取位置p1に送る第2の搬送部材としての搬送ローラ対34、画像が読み取られた後のシート原稿を原稿排出部24に排出するための第3の搬送部材としての排出ローラ対35、シート原稿の搬送方向における給紙ローラ33より上流側に配設され、原稿セット部23にシート原稿がセットされていることを検出するための第1の原稿検出部としての原稿センサ36、搬送路Rtにおける搬送ローラ対34と画像読取位置p1との間に配設され、前記搬送ローラ対34によって搬送されたシート原稿の前端が原稿読取位置p1に近づいたことを検出する第2の原稿検出部としての読取位置センサ37、原稿搬送用の駆動部としてのステッピングモータ38、前記画像読取位置p1において、シート原稿を画像読取部32に配設された第2の透過部材としての原稿読取ガラス55に押し付ける原稿押圧部としての原稿押圧板51等が配設される。前記ステッピングモータ38は、図示されないギヤ構造を介して給紙ローラ33、搬送ローラ対34、排紙ローラ対35等と連結され、ステッピングモータ38を駆動することによって発生させられた回転が給紙ローラ33、搬送ローラ対34、排紙ローラ対35等に伝達される。
【0024】
また、前記画像読取部32には、筐体Cs2の上面において、前記原稿排出部24と対向させて前記原稿読取ガラス41が、原稿押圧板51と対向させて前記原稿読取ガラス55が配設される。前記筐体Cs2内には、シート原稿の幅方向、すなわち、主走査方向に延在させて、かつ、シート原稿の送り方向、すなわち、副走査方向に移動自在に配設された読取部としての読取ユニット40、該読取ユニット40を図示されないシャフトに沿って副走査方向に移動させるための走行ユニット48、シェーディング補正を行うための補正板としての白色補正板49、前記読取ユニット40が基準位置であるホームポジションに位置していることを検出する基準位置検出部としてのホームセンサ50等が配設される。
【0025】
前記走行ユニット48は、走査用の駆動部としてのステッピングモータ53、該ステッピングモータ53によって回転させられる駆動ローラR1、該駆動ローラR1と所定の距離をおいて配設された従動ローラR2、前記駆動ローラR1と従動ローラR2とによって走行自在に張設された駆動ベルト42等を備え、該駆動ベルト42の所定の箇所に前記読取ユニット40が取り付けられる。前記ステッピングモータ53を駆動し、読取ユニット40をシャフトに沿って副走査方向に移動させ、ホームセンサ50によって読取ユニット40が検出されたときにステッピングモータ53の駆動を停止させると、読取ユニット40をホームポジションに位置させることができる。なお、図3に示されるように、画像読取位置p1と対向する位置が前記読取ユニット40のホームポジションにされる。
【0026】
前記読取ユニット40は、ホームポジションに位置させられた状態で、自動原稿搬送部31によって搬送され、画像読取位置p1を通過するシート原稿の画像を読み取ることができ、シャフトに沿って移動させられることによって、原稿台Fb上に載置されたシート原稿又は冊子原稿の画像を読み取ることができる。なお、原稿台Fb上に載置されたシート原稿又は冊子原稿の画像の読取りが終了すると、読取ユニット40はホームポジションに戻される。
【0027】
また、前記読取ユニット40は、原稿読取ガラス55上の通過するシート原稿、及び原稿読取ガラス41上に載置されたシート原稿又は冊子原稿に光を照射するための光源43、該光源43から放射され、シート原稿又は冊子原稿において反射した光の光路を変更させる反射ミラー44、45、光を集光するレンズ46、該レンズ46によって集光された光を結像し、光電変換し、画像に応じた電圧(アナログ電圧)をセンサ出力として発生させる読取センサ47等を備える。なお、該読取センサ47として、CCD(Charge Coupled Device)センサが使用される。また、前記白色補正板49は、前記CCDセンサの各素子が出力する電圧のばらつきを平滑化するためのシェーディング補正を行う際に読み取られ、そのときの読取センサ47のセンサ出力である電圧が基準値にされる。
【0028】
次に、前記スキャナ部20の動作について説明する。
【0029】
まず、自動原稿搬送部31によって搬送されるシート原稿の画像を読み取る場合について説明する。
【0030】
操作者が、原稿セット部23にシート原稿をセットすると、原稿センサ36によってシート原稿が検出される。そして、操作者が、前記操作部22のボタンのうちのスタートボタンを押下すると、ステッピングモータ38が駆動され、給紙ローラ33が回転させられ、原稿セット部23からシート原稿が繰り出され、1枚ずつ分離させられ、搬送路Rtに送られる。
【0031】
続いて、シート原稿は搬送路Rt内を搬送ローラ対34によって搬送され、画像読取位置p1に送られ、該画像読取位置p1を通過する間に、シート原稿の画像が、ホームポジションに置かれた読取ユニット40によって読み取られる。
【0032】
そして、画像の読取りが終了したシート原稿は、排出ローラ対35によって自動原稿搬送部31外に排出され、原稿排出部24に積載される。
【0033】
次に、原稿台Fb上に載置されたシート原稿又は冊子原稿の画像を読み取る場合について説明する。
【0034】
まず、操作者は、ヒンジを介して自動原稿搬送部31を回動させ、原稿台Fbを開放する。続いて、操作者が、シート原稿又は冊子原稿を原稿台Fb上に載置し、自動原稿搬送部31を回動させて原稿排出部24によってシート原稿又は冊子原稿を原稿台Fb上に押し付け、前記操作部22のスタートボタンを押下すると、前記ステッピングモータ53が駆動され、駆動ベルト42が走行させられ、読取ユニット40がシャフトに沿ってホームポジションから原稿台Fb側に移動させられ、続いて、原稿読取ガラス41の下を副走査方向に移動させられる。その間に、シート原稿又は冊子原稿の画像が読取ユニット40によって読み取られる。
【0035】
次に、前記プリンタ部60について説明する。
【0036】
図4は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタ部の概念図である。
【0037】
図に示されるように、プリンタ部60は、像担持体としての感光体ドラム61、帯電装置としての帯電ローラ62、露光装置としてのLEDヘッド63、現像剤担持体としての現像ローラ64、転写部材としての転写ローラ65、用紙を収容する媒体収容部としての用紙カセット67、該用紙カセット67に収容された用紙を1枚ずつ繰り出す繰出部材としてのホッピングローラ68、該ホッピングローラ68によって繰り出された用紙の斜行を矯正するレジストローラ対69、定着装置としての定着器70等を備える。該定着器70は、第1のローラとしての加熱ローラRh、及び該加熱ローラRhと対向させて配設された第2のローラとしての加圧ローラRpを備える。なお、前記感光体ドラム61、帯電ローラ62、現像ローラ64等によって画像形成ユニットが構成される。
【0038】
該画像形成ユニットにおいて、感光体ドラム61の表面は、帯電ローラ62によって一様に帯電させられ、LEDヘッド63によって露光されて潜像としての静電潜像が形成され、該静電潜像に、現像ローラ64によって現像剤としてのトナーが付着させられ、静電潜像が現像されて現像剤像としてのトナー像になる。
【0039】
一方、用紙は、用紙カセット67からホッピングローラ68によって繰り出され、レジストローラ対69を介して感光体ドラム61と転写ローラ65との間の転写部に送られ、該転写部において転写ローラ65によってトナー像が用紙に転写される。
【0040】
続いて、用紙は、定着器70に送られ、該定着器70において、トナー像が定着させられ、画像が形成される。その後、用紙は図示されない排出ユニットによってプリンタ部60外に排出される。
【0041】
次に、前記複合機10の制御部について説明する。
【0042】
図1は本発明の第1の実施の形態における複合機の制御ブロック図である。
【0043】
図に示されるように、複合機10と外部装置11とはデータ通信バス12によって接続され、複合機10において、スキャナ部20とプリンタ部60とはケーブルCbによって接続される。前記外部装置11は、サーバ、パソコン等であり、前記データ通信バス12は、USB(Universal Serial Bus)、LAN(Local Area Network)等である。
【0044】
そして、前記スキャナ部20は、スキャナ部20の全体の制御を行う制御部としてのスキャナ主制御部71を備え、該スキャナ主制御部71に、スキャナ部20の制御を行うためのプログラム等が記録される第1の記憶装置としての、かつ、不揮発性記憶装置としてのROM(Read Only Memory)72、画像データ、制御データ等が一時的に記録される第2の記憶装置としての、かつ、揮発性記憶装置としてのRAM(Random Access Memory)73、操作パネルHp、送受信処理手段としてのインタフェース制御部77等が接続され、前記操作パネルHpに操作部22及び表示部25が配設される。前記インタフェース制御部77は、前記データ通信バス12を介して外部装置11と、前記ケーブルCbを介してプリンタ部60と接続され、外部装置11から送られた印刷データを受け、プリンタ部60に画像データを送るために送受信処理を行う。
【0045】
また、前記スキャナ主制御部71には、画像読取制御処理手段としての画像読取制御部21が接続され、該画像読取制御部21は、画像読取制御処理を行い、読取ユニット40から送られたセンサ出力をアナログ/ディジタル変換し、画素ごとに出力レベル(画像濃度)が階調数で表される読取画像データを生成する。そして、前記スキャナ主制御部71の図示されない記録処理手段は、記録処理を行い、画像読取制御部21によって生成された読取画像データを前記RAM73に一時的に記録する。そのために、RAM73には、読取画像データを記録するための記憶部としてのバッファ74が形成される。該バッファ74は、所定のデータ量の読取画像データ、例えば、標準的な原稿の1ページの画像の読取画像データを記録することができるように、記憶容量としてのメモリ容量が設定される。
【0046】
ところで、複合機10においては、操作者が操作部22を操作することによって、スキャナ部20における画像の解像度を設定することができるようになっている。そして、操作者によってスキャナ部20における解像度が高く設定され、読取ユニット40によって高い解像度で画像が読み取られると、読取画像データのデータ量が多くなり、バッファ74に必要とされるメモリ容量が大きくなってしまう。
【0047】
そこで、本実施の形態においては、メモリ容量の小さいバッファ74を配設し、読取画像データのデータ量が多い場合に、シート原稿又は冊子原稿の画像を複数のブロックに分割し、ブロック単位で画像を読み取り、バッファ74に記録される読取画像データのデータ量を小さくするようにしている。
【0048】
そのために、前記スキャナ主制御部71には、シート原稿又は冊子原稿の画像を複数のブロックに分割するブロック読取制御処理手段としてのブロック読取制御部75、画像を複数のブロックに分割する際に、各ブロックを構成する複数のライン(読取ライン)のうちの最後のラインが、互いに隣接するブロックの繋ぎ目を構成するライン、すなわち、ブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断するブロック分割ライン判定処理手段としてのブロック分割ライン判定部76が接続される。
【0049】
次に、画像を複数のブロックに分割し、ブロック単位で画像を読み取る際の前記スキャナ部20の動作について説明する。
【0050】
図5は本発明の第1の実施の形態におけるスキャナ部の動作を示すフローチャートである。
【0051】
まず、操作者によって操作部22のスタートボタンが押下され、シート原稿又は冊子原稿の画像の読取りの指示がされると、スキャナ主制御部71の図示されない必要記憶容量算出処理手段は、必要記憶容量算出処理を行い、シート原稿又は冊子原稿の1ページの画像の読取画像データのデータ量を、バッファ74に必要とされる記憶容量、すなわち、必要記憶容量(バッファ74に必要とされる空き領域)として算出する。そのために、前記必要記憶容量判断処理手段は、操作者が指定した読取条件、例えば、シート原稿又は冊子原稿の寸法(A4判、B5判等のサイズ)、読取モード(カラー、モノクロ、グレイ等)、解像度等を読み込み、RAM73に形成された図示されないデータ量テーブルを参照し、読取条件に対応する必要記憶容量を読み出す。なお、前記データ量テーブルには、前記各読取条件と必要記憶容量とが対応させて記録される。本実施の形態において、シート原稿又は冊子原稿の寸法は、操作者によって指定されるようになっているが、原稿セット部23、原稿台Fb等にシート原稿又は冊子原稿の寸法を検出するための寸法検出部としてのサイズセンサを配設し、必要記憶容量判断処理手段は、前記サイズセンサによって検出された寸法を読み込むことができる。
【0052】
続いて、前記スキャナ主制御部71の図示されない使用可能記憶容量算出処理手段は、使用可能記憶容量算出処理を行い、バッファ74において使用可能なメモリ容量を、使用可能記憶容量(バッファ74において使用することができる空き領域)として算出する。そのために、前記使用可能記憶容量算出処理手段は、RAM73に配設された図示されない記憶容量検出部から使用可能記憶容量を読み込む。
【0053】
そして、前記スキャナ主制御部71の図示されない記憶容量判断処理手段は、記憶容量判断処理を行い、使用可能記憶容量が必要記憶容量以上であるかどうかを判断する。
【0054】
使用可能記憶容量が必要記憶容量以上である場合、前記画像読取制御部21の図示されない通常読取処理手段は、通常読取処理を行い、読取ユニット40によって通常の読取り、すなわち、シート原稿又は冊子原稿の1ページの画像の読取りを行う。
【0055】
また、使用可能記憶容量が必要記憶容量より小さい場合、前記ブロック読取制御部75は、ブロック読取制御処理を行い、シート原稿又は冊子原稿の画像、本実施の形態においては、1ページの画像を、使用可能記憶容量に応じて副走査方向において複数のブロックに分割し、ブロック単位で画像を読み取る。
【0056】
例えば、A4判のシート原稿のカラーの画像を解像度300〔dpi〕*300〔dpi〕で読み取る場合、A4判のシート原稿の寸法は、210〔mm〕*297〔mm〕であり、画素数は、2480〔dot〕*3507〔dot〕になる。
【0057】
1画素(dot)のカラーの読取画像データのデータ量を3〔byte〕とすると、1ページの画像の読取りに必要な記憶容量は、
2480*3507*3=約26〔Mbyte〕
になる。そして、本実施の形態においては、バッファ74の使用可能記憶容量が8〔Mbyte〕であるので、使用可能記憶容量が必要記憶容量より小さく、1ページの画像が複数のブロックに分割される。
【0058】
そのために、前記ブロック読取制御部75の図示されない画像読取処理手段は、画像読取処理を行い、1ブロックの画像の読取りを開始し、画像を1ラインずつ読み取り、前記記録処理手段は、読取画像データを1ラインずつバッファ74に記録する。そして、ブロック読取制御部75の図示されない記憶容量残量判断処理手段は、記憶容量残量判断処理を行い、使用可能記憶容量の残り、すなわち、残量が、第1の所定の割合、本実施の形態においては、30〔%〕未満であるかどうかを判断し、使用可能記憶容量の残量が30〔%〕以上である場合、前記画像読取処理手段は、使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満になるまで、画像を1ラインずつ繰り返し読み取り、前記記録処理手段は、読取画像データを1ラインずつバッファ74に記録する。なお、本実施の形態において、第1の所定の割合は30〔%〕にされるが、複合機10の仕様等によって変更することができる。
【0059】
使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満になると、前記ブロック分割ライン判定部76は、ブロック分割ライン判定処理を行い、所定のライン、すなわち、最後に画像を読み取ったライン(以下「当該ライン」という。)がブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断する。
【0060】
そして、当該ラインがブロック分割ラインとして適している場合、前記画像読取処理手段は、1ブロックの画像の読取りを終了し、次の1ブロックの画像の読取りを開始する。また、当該ラインがブロック分割ラインとして適していない場合、前記記憶容量残量判断処理手段は、使用可能記憶容量の残量が、第2の所定の割合、本実施の形態においては、0〔%〕であるかどうかを判断し、使用可能記憶容量の残量が0〔%〕でない場合、前記画像読取処理手段は、使用可能記憶容量の残量が0〔%〕になるまで、画像を1ラインずつ繰り返し読み取り、前記記録処理手段は、読取画像データを1ラインずつバッファ74に記録する。
【0061】
次に、1ブロックの画像の読取りが終了し、次の1ブロックの画像の読取りを開始する際の前記画像読取処理手段の動作について説明する。
【0062】
まず、前記ブロック分割ライン判定部76によって、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断されると、前記画像読取処理手段は、当該ラインをブロック分割ラインとし、画像読取処理を停止させ、ステッピングモータ53の駆動を停止させることによって、読取ユニット40の副走査方向の移動を停止させる。
【0063】
続いて、前記画像読取処理手段は、ステッピングモータ53を逆方向に駆動し、読取ユニット40をホームポジション側に(逆方向に)一定量移動させて戻し、ステッピングモータ53の駆動を停止させた後、再びステッピングモータ53を正方向に駆動し、読取ユニット40の副走査方向の移動を開始し、ブロック分割ラインであると判断されたラインの次のラインから再び読取りを開始する。なお、読取ユニット40をホームポジション側に戻す量は、ステッピングモータ53の駆動を停止させたときに読取ユニット40が停止するまでの移動量、及びステッピングモータ53の駆動を開始したときに、読取ユニット40の移動速度が立ち上がり、一定の値になるまでの移動量を考慮して設定される。
【0064】
また、前記記録処理手段は、画像読取処理が停止させられ、次のブロックの画像読取処理が開始されるまでに、バッファ74に記録された読取画像データをRAM74に形成された別の領域に移動させるか、外部装置11に送信するか、印刷を行うためにプリンタ部60に送信するかして、バッファ74を空にする。
【0065】
なお、本実施の形態において、読取ユニット40は、ステッピングモータ53が所定の駆動ステップ数だけ駆動されたときに、副走査方向において1ライン分移動させられるように設定される。したがって、読取ユニット40をホームポジション側に一定量移動させる際、及び再び読取りを開始する位置に移動させる際の移動量は、ステッピングモータ53の駆動ステップ数に基づいて設定され、前記画像読取処理手段は、ステッピングモータ53の駆動ステップ数をカウントし、駆動ステップ数が設定された値になると、ステッピングモータ53を停止させる。
【0066】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 必要記憶容量を算出する。
ステップS2 使用可能記憶容量が必要記憶容量以上であるかどうかを判断する。使用可能記憶容量が必要記憶容量以上である場合はステップS11に、使用可能記憶容量が必要記憶容量より小さい場合はステップS3に進む。
ステップS3 1ブロックの画像の読取りを開始する。
ステップS4 1ラインの画像を読み取る。
ステップS5 使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満であるかどうかを判断する。使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満である場合はステップS6に進み、使用可能記憶容量の残量が30〔%〕以上である場合はステップS4に戻る。
ステップS6 当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断する。当該ラインがブロック分割ラインとして適している場合はステップS9に、当該ラインがブロック分割ラインとして適していない場合はステップS7に進む。
ステップS7 使用可能記憶容量の残量が0〔%〕であるかどうかを判断する。使用可能記憶容量の残量が0〔%〕である場合はステップS9に、使用可能記憶容量の残量が0〔%〕でない場合はステップS8に進む。
ステップS8 1ラインの画像を読み取り、ステップS6に戻る。
ステップS9 1ブロックの画像の読取りを終了する。
ステップS10 1ページの画像の読取りが終了したかどうかを判断する。1ページの画像の読取りが終了した場合は処理を終了し、1ページの画像の読取りが終了していない場合はステップS3に戻る。
ステップS11 通常読取処理を行い、処理を終了する。
【0067】
次に、前記ブロック分割ライン判定部76の動作について説明する。
【0068】
図6は本発明の第1の実施の形態におけるヒストグラムを説明するための図、図7は本発明の第1の実施の形態におけるシート原稿の画像の例を示す図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるヒストグラムの第1の例を示す図、図9は本発明の第1の実施の形態におけるヒストグラムの第2の例を示す図、図10は本発明の第1の実施の形態におけるヒストグラムの第3の例を示す図、図11は本発明の第1の実施の形態におけるブロック分割ライン判定部の判定の例を示す第1の図、図12は本発明の第1の実施の形態におけるブロック分割ライン判定部の判定の例を示す第2の図、図13は本発明の第1の実施の形態におけるブロック分割ライン判定部の判定の例を示す第3の図である。なお、図6及び8〜13において、横軸に階調数で表される出力レベルを、縦軸に画素数を採ってある。
【0069】
前述されたように、前記画像読取処理手段は、1ブロックの画像を1ラインずつ繰り返し読み取る。
【0070】
そして、前記ブロック分割ライン判定部76は、1ラインずつ読み取られた画像の出力レベルの分布に基づいて、当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断するようにしている。
【0071】
そのために、各ラインの出力レベルの分布が、当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断する指標、すなわち、ブロック分割ライン判断指標とされ、前記ブロック分割ライン判定部76の図示されないヒストグラム作成処理手段は、ヒストグラム作成処理を行い、使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満になったときの1ラインの画像の読取画像データ、及び使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満になった後の1ラインの画像の読取画像データを逐次読み込み、1ラインの画像について、各画素の出力レベルに基づいてヒストグラムを作成する。
【0072】
なお、該ヒストグラムは、1ラインの読取画像データの各画素の出力レベルの分布を表し、図6に示されるように、出力レベルにおいて、値が小さく、画像濃度が高い黒レベル側に所定の閾値εbが、値が大きく、画像濃度が低い白レベル側に所定の閾値εwがそれぞれ設定される。
【0073】
そして、例えば、図7に示されるシート原稿のラインA〜Cの画像が読み取られると、ラインAの画像については、図8に示されるように、多くの画素の出力レベルが閾値εbより低い黒レベル側に分布するヒストグラムが、ラインBの画像については、図9に示されるように、多くの画素の出力レベルが閾値εwより高い白レベル側に分布するヒストグラムが、ラインCの画像については、図10に示されるように、出力レベルが閾値εbより低い黒レベル側の画素と、出力レベルが閾値εwより高い白レベル側の画素とがほぼ同じように分布するヒストグラムが作成される。
【0074】
続いて、前記ブロック分割ライン判定部76の図示されない分布判断処理手段は、分布判断処理を行い、各ラインA〜Cにおける各画素の出力レベルがどのように分布しているかを判断する。
【0075】
そのために、前記分布判断処理手段は、各ラインA〜Cの全画素における、出力レベルが閾値εbより低い黒レベル側の画素qbの占める割合ρ1を第1の分布判断値として算出し、各ラインA〜Cの全画素における、出力レベルが閾値εwより高い白レベル側の画素qwの占める割合ρ2を第2の分布判断値として算出する。
【0076】
次に、ブロック分割ライン判定部76の図示されないライン判断処理手段は、ライン判断処理を行い、前記割合ρ1、ρ2のうちのいずれか一方が、所定の閾値ρth、本実施の形態においては、90〔%〕以上であるかどうかを判断し、90〔%〕以上である場合に、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断する。なお、割合ρ1が90〔%〕以上である場合、当該ラインは多くの黒の画素、すなわち、黒画素から成っていると考えられ、割合ρ2が90〔%〕以上である場合、当該ラインは多くの白の画素、すなわち、白画素から成っていると考えられ、いずれの場合も、黒画素と白画素とが接する部分が少ないと考えられる。したがって、黒画素と白画素とが接する部分が少ない当該ラインで画像を分割すると、ブロックの繋ぎ目を構成するライン上の読取画像データに、抜け、重複等が生じるのを抑制することができる。なお、本実施の形態において、閾値ρthは90〔%〕にされるが、複合機10の仕様等によって変更することができる。
【0077】
このように、本実施の形態においては、原稿の画像が複数のブロックに分割され、ブロック単位で画像が読み取られ、読取画像データがバッファ74に記録されるので、バッファ74に記録される読取画像データのデータ量を少なくすることができる。したがって、メモリ容量の小さいバッファ74を配設することができるので、複合機10のコストを低くすることができる。
【0078】
また、各ブロックを構成する複数のラインのうちの当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかが判断され、ブロック分割ラインとして適している場合に、当該ラインで画像が分割されるので、ブロックの繋ぎ目を構成するライン上の読取画像データに、抜け、重複等が生じるのを抑制することができる。その結果、画像を再生、例えば、印刷等によって形成した場合、再生された画像にずれ、乱れ等が発生するのを抑制することができ、画像品位が低下するのを抑制することができる。
【0079】
ところで、本実施の形態においては、使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満になると、当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかが判断され、当該ラインがブロック分割ラインとして適していない場合、使用可能記憶容量の残量が0〔%〕になるまで、画像が1ラインずつ繰り返し読み取られ、当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかが判断される。
【0080】
ところが、使用可能記憶容量の残量が0〔%〕になると、当該ラインがブロック分割ラインとして適していない場合であっても、当該ラインで画像が分割されてしまうので、原稿の画像によっては、ブロックの繋ぎ目を構成するライン上の読取画像データに、抜け、重複等が生じてしまう。
【0081】
そこで、使用可能記憶容量の残量が少なくなるほど、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断される率が高くされ、使用可能記憶容量の残量が0〔%〕になるまでに所定のラインをブロック分割ラインとして設定し、画像を分割することができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0082】
図14は本発明の第2の実施の形態における複合機の制御ブロック図である。
【0083】
この場合、画像読取装置としてのスキャナ部20には、複数のブロック分割ライン判定部が配設され、各ブロック分割ライン判定部において、あらかじめ使用可能記憶容量の残量に対応させて設定された判断基準で、当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかが判断される。
【0084】
そのために、前記スキャナ部20は、第1のブロック分割ライン判定処理手段としての第1ブロック分割ライン判定部78、第2のブロック分割ライン判定処理手段としての第2ブロック分割ライン判定部79、第3のブロック分割ライン判定処理手段としての第3ブロック分割ライン判定部80、及びブロック分割判定優先度決定処理手段としてのブロック分割判定優先度決定部81を備える。
【0085】
前記第1ブロック分割ライン判定部78、第2ブロック分割ライン判定部79及び第3ブロック分割ライン判定部80は、いずれも、画像を複数のブロックに分割する際に、各ブロックを構成する複数のラインのうちの当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断するが、前記第1ブロック分割ライン判定部78による当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかの第1の判断条件、前記第2ブロック分割ライン判定部79による当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかの第2の判断条件、及び前記第3ブロック分割ライン判定部80による当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかの第3の判断条件はそれぞれ異なる。
【0086】
そして、前記ブロック分割判定優先度決定部81は、記憶部としてのバッファ74の使用可能記憶容量の残量に応じて前記第1ブロック分割ライン判定部78、第2ブロック分割ライン判定部79及び第3ブロック分割ライン判定部80のうちの少なくとも一つを選択し、ブロック分割ラインの判断基準を切り換える。
【0087】
次に、画像を複数のブロックに分割し、ブロック単位で画像を読み取る際の前記スキャナ部20の動作について説明する。
【0088】
図15は本発明の第2の実施の形態におけるスキャナ部の動作を示す第1のフローチャート、図16は本発明の第2の実施の形態におけるスキャナ部の動作を示す第2のフローチャートである。
【0089】
まず、操作者によって操作部22のスタートボタンが押下され、第1の読取用の媒体としてのシート原稿又は第2の読取用の媒体としての冊子原稿の画像の読取りの指示がされると、スキャナ主制御部71の前記必要記憶容量算出処理手段は、シート原稿又は冊子原稿の1ページの画像の読取画像データのデータ量を必要記憶容量として算出する。そのために、前記必要記憶容量判断処理手段は、操作者が指定した、シート原稿又は冊子原稿の寸法、読取モード、解像度等の読取条件を読み込み、第2の記憶装置としての、かつ、揮発性記憶装置としてのRAM73に形成されたデータ量テーブルを参照し、読取条件に対応する必要記憶容量を読み出す。
【0090】
続いて、スキャナ主制御部71の前記使用可能記憶容量算出処理手段は、バッファ74における使用可能記憶容量を算出し、スキャナ主制御部71の前記記憶容量判断処理手段は、使用可能記憶容量が必要記憶容量以上であるかどうかを判断する。
【0091】
使用可能記憶容量が必要記憶容量以上である場合、画像読取制御処理手段としての前記画像読取制御部21の前記通常読取処理手段は、読取部としての読取ユニット40によって通常の読取りを行う。
【0092】
また、使用可能記憶容量が必要記憶容量より小さい場合、ブロック読取制御処理手段としての前記ブロック読取制御部75は、1ページの画像を、使用可能記憶容量に応じて副走査方向において複数のブロックに分割し、ブロック単位で画像を読み取る。
【0093】
そのために、ブロック読取制御部75の前記画像読取処理手段は、1ブロックの画像の読取りを開始し、画像を1ラインずつ読み取り、スキャナ主制御部71の前記記録処理手段は、読取画像データを1ラインずつバッファ74に記録する。そして、ブロック読取制御部75の前記記憶容量残量判断処理手段は、使用可能記憶容量の残量が、第1の所定の割合、本実施の形態においては、30〔%〕未満であるかどうかを判断し、使用可能記憶容量の残量が30〔%〕以上である場合、前記画像読取処理手段は、使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満になるまで、画像を1ラインずつ繰り返し読み取り、前記記録処理手段は、読取画像データを1ラインずつバッファ74に記録する。
【0094】
使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満になると、スキャナ主制御部71は、使用可能記憶容量の残量をブロック分割判定優先度決定部81に送るとともに、画像読取処理手段によって読み取られた画像の読取画像データを1ラインずつ前記第1ブロック分割ライン判定部78、第2ブロック分割ライン判定部79及び第3ブロック分割ライン判定部80に並列に送る。
【0095】
続いて、前記第1ブロック分割ライン判定部78、第2ブロック分割ライン判定部79及び第3ブロック分割ライン判定部80は、第1〜第3のブロック分割ライン判定処理を行い、読取画像データを1ラインずつ読み込み、当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断し、判断結果をブロック分割判定優先度決定部81に送る。
【0096】
そして、第1ブロック分割ライン判定部78は、第1のブロック分割ライン判定処理を行った後、読取画像データを1ラインずつスキャナ主制御部71に送り、前記記録処理手段は読取画像データを1ラインずつバッファ74に記録する。
【0097】
次に、前記ブロック分割判定優先度決定部81は、ブロック分割判定優先度決定処理を行い、使用可能記憶容量の残量に基づいて、第1ブロック分割ライン判定部78、第2ブロック分割ライン判定部79及び第3ブロック分割ライン判定部80の判断結果の優先度を決定し、所定の判断結果をブロック読取制御部75に送る。
【0098】
本実施の形態においては、バッファ74の使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満、かつ、20〔%〕以上である場合、前記ブロック分割判定優先度決定部81は、第1ブロック分割ライン判定部78によって、第1の判断条件に基づいて、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断されたかどうかを判断し、第1ブロック分割ライン判定部78によって、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断された場合、その旨を判断結果としてブロック読取制御部75に送る。
【0099】
また、バッファ74の使用可能記憶容量の残量が20〔%〕未満、かつ、10〔%〕以上である場合、前記ブロック分割判定優先度決定部81は、第1ブロック分割ライン判定部78又は第2ブロック分割ライン判定部79によって、第1の判断条件又は第2の判断条件に基づいて、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断されたかどうかを判断し、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断された場合、その旨を判断結果としてブロック読取制御部75に送る。
【0100】
そして、バッファ74の使用可能記憶容量の残量が10〔%〕未満である場合、前記ブロック分割判定優先度決定部81は、第1ブロック分割ライン判定部78、第2ブロック分割ライン判定部79又は第3ブロック分割ライン判定部80によって、第1の判断条件、第2の判断条件又は第3の判断条件に基づいて、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断されたかどうかを判断し、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断された場合、その旨を判断結果としてブロック読取制御部75に送る。
【0101】
そして、ブロック分割判定優先度決定部81から判断結果が送られると、前記画像読取処理手段は、1ブロックの画像の読取りを終了し、次の1ブロックの画像の読取りを開始する。また、当該ラインラインがブロック分割ラインとして適していないと判断された場合、前記記憶容量残量判断処理手段は、使用可能記憶容量の残量が、第2の所定の割合、本実施の形態においては、0〔%〕であるかどうかを判断し、使用可能記憶容量の残量が0〔%〕になるまで、画像を1ラインずつ繰り返し読み取り、前記記録処理手段は、読取画像データを1ラインずつバッファ74に記録する。
【0102】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 必要記憶容量を算出する。
ステップS22 使用可能記憶容量が必要記憶容量以上であるかどうかを判断する。使用可能記憶容量が必要記憶容量以上である場合はステップS35に、使用可能記憶容量が必要記憶容量より小さい場合はステップS23に進む。
ステップS23 1ブロックの画像の読取りを開始する。
ステップS24 1ラインの画像を読み取る。
ステップS25 使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満であるかどうかを判断する。使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満である場合はステップS26に進み、使用可能記憶容量の残量が30〔%〕以上である場合はステップS24に戻る。
ステップS26 第1〜第3のブロック分割ライン判定処理を行う。
ステップS27 使用可能記憶容量の残量を判断する。使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満、かつ、20〔%〕以上である場合はステップS28に、使用可能記憶容量の残量が20〔%〕未満、かつ、10〔%〕以上である場合はステップS29に、使用可能記憶容量が10〔%〕未満である場合はステップS30に進む。
ステップS28 第1ブロック分割ライン判定部78によってブロック分割ラインとして適していると判断されたかどうかを判断する。第1ブロック分割ライン判定部78によってブロック分割ラインとして適していると判断された場合はステップS33に、適していないと判断された場合はステップS31に進む。
ステップS29 第1ブロック分割ライン判定部78又は第2ブロック分割ライン判定部79によってブロック分割ラインとして適していると判断されたかどうかを判断する。第1ブロック分割ライン判定部78又は第2ブロック分割ライン判定部79によってブロック分割ラインとして適していると判断された場合はステップS33に、適していないと判断された場合はステップS31に進む。
ステップS30 第1ブロック分割ライン判定部78、第2ブロック分割ライン判定部79又は第3ブロック分割ライン判定部80によってブロック分割ラインとして適していると判断されたかどうかを判断する。第1ブロック分割ライン判定部78、第2ブロック分割ライン判定部79又は第3ブロック分割ライン判定部80によってブロック分割ラインとして適していると判断された場合はステップS33に、適していないと判断された場合はステップS31に進む。
ステップS31 使用可能記憶容量の残量が0〔%〕であるかどうかを判断する。使用可能記憶容量の残量が0〔%〕である場合はステップS33に、使用可能記憶容量の残量が0〔%〕でない場合はステップS32に進む。
ステップS32 1ラインの画像を読み取り、ステップS26に戻る。
ステップS33 1ブロックの画像の読取りを終了する。
ステップS34 1ページの画像の読取りが終了したかどうかを判断する。1ページの画像の読取りが終了した場合は処理を終了し、1ページの画像の読取りが終了していない場合はステップS23に戻る。
ステップS35 通常読取処理を行い、処理を終了する。
【0103】
次に、前記第1ブロック分割ライン判定部78、第2ブロック分割ライン判定部79及び第3ブロック分割ライン判定部80の動作について説明する。
【0104】
図17は本発明の第2の実施の形態におけるシート原稿の画像の例を示す第1の図、図18は本発明の第2の実施の形態における2値化データの例を示す第1の図、図19は本発明の第2の実施の形態における2値化データの例を示す第2の図、図20は本発明の第2の実施の形態におけるシート原稿の画像の例を示す第2の図、図21は本発明の第2の実施の形態における2値化データの例を示す第3の図、図22は本発明の第2の実施の形態における2値化データの例を示す第4の図である。
【0105】
この場合、前記第1ブロック分割ライン判定部78は、第1の実施の形態におけるブロック分割ライン判定部76と同じ判断条件で当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断する。
【0106】
まず、前記第1ブロック分割ライン判定部78の動作について説明する。
【0107】
すなわち、前記第1ブロック分割ライン判定部78の図示されないヒストグラム作成処理手段は、ヒストグラム作成処理を行い、使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満になったときの1ラインの画像の読取画像データ、及び使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満になった後の1ラインの画像の読取画像データを逐次読み込み、1ラインの画像についてヒストグラムを作成する。
【0108】
続いて、前記第1ブロック分割ライン判定部78の図示されない分布判断処理手段は、分布判断処理を行い、各ラインA〜Cにおける各画素の出力レベルががどのように分布しているかを判断し、各ラインA〜Cの全画素における、出力レベルが閾値εb(図6)より低い黒レベル側の画素qbの占める割合ρ1を第1の分布判断値として算出し、各ラインA〜Cの全画素における、出力レベルが閾値εwより高い白レベル側の画素qwの占める割合ρ2を第2の分布判断値として算出する。
【0109】
次に、前記第1ブロック分割ライン判定部78の図示されないライン判断処理手段は、ライン判断処理を行い、前記割合ρ1、ρ2のうちのいずれか一方が、所定の閾値ρth、本実施の形態においては、90〔%〕以上であるかどうかを判断し、90〔%〕以上である場合に、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断する。
【0110】
次に、前記第2ブロック分割ライン判定部79の動作について説明する。
【0111】
すなわち、第2ブロック分割ライン判定部79の図示されない孤立画像部判断処理手段としての孤立点画素判断処理手段は、孤立画像部判断処理としての孤立点画素判断処理を行い、当該ラインの読取画像データを読み込むと、読取画像データを任意の閾値で2値化し、2値化データに基づいて、当該ラインにおける孤立画像部としての孤立点画素の数ηを算出する。なお、前記孤立点画素は、1ラインの各画素のうちの一つだけ独立している黒画素である。
【0112】
続いて、第2ブロック分割ライン判定部79の図示されないライン判断処理手段は、ライン判断処理を行い、前記孤立点画素の数ηが閾値ηth以下であるかどうかを判断し、孤立点画素の数ηが閾値ηth以下である場合、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断する。
【0113】
例えば、図17に示されるシート原稿のラインD及びEの画像が読み取られると、前記孤立点画素判断処理手段は、ラインD及びEの読取画像データを任意の閾値で2値化し、ラインDにおいて孤立点画素の数3を、ラインEにおいて孤立点画素の数9を算出する。
【0114】
そして、前記閾値ηthを3とすると、前記ライン判断処理手段は、ラインDにおける孤立点画素の数3が閾値ηthであるので、ラインDは、ブロック分割ラインとして適していると判断する。本実施の形態においては、閾値ηthが3に設定されているが、閾値ηthを画像処理装置としての複合機10の仕様等によって変更することができる。
【0115】
この場合、孤立点画素の数ηが少ないラインで画像が分割されるので、ブロックの繋ぎ目において、ライン上の読取画像データに、抜け、重複等が生じるのを抑制することができる。
【0116】
次に、前記第3ブロック分割ライン判定部80の動作について説明する。
【0117】
すなわち、第3ブロック分割ライン判定部80の図示されない孤立画像部判断処理手段としての孤立点画素判断処理手段は、孤立画像部判断処理としての孤立点画素判断処理を行い、当該ラインの読取画像データを読み込むと、読取画像データを任意の閾値で2値化し、2値化データに基づいて、当該ラインにおける孤立点画素の位置を算出する。なお、孤立点画素の位置は、ライン中の各画素に対して一端から付与された画素番号で表される。
【0118】
そして、第3ブロック分割ライン判定部80の図示されない孤立画像部位置判断処理手段としての孤立点画素位置判断処理手段は、孤立画像部位置判断処理としての孤立点画素位置判断処理を行い、複数の隣接するライン、本実施の形態においては、二つの隣接するラインにおける各孤立点画素の位置が一致するかどうかを表す一致率σを算出する。
【0119】
続いて、第3ブロック分割ライン判定部80の図示されないライン判断処理手段は、ライン判断処理を行い、前記一致率σが閾値σth以下であるかどうかを判断し、前記一致率σが閾値σth以下である場合、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断する。そして、第3ブロック分割ライン判定部80は、第3のブロック分割ライン判定処理を行った後、当該ラインにおける孤立点画素の位置を第3ブロック分割ライン判定部80に配設された図示されない記憶部に記録し、孤立点画素位置判断処理手段は、次のラインについて孤立点画素位置判断処理を行うときに、一つ前のラインの孤立点画素の位置として読み出す。
【0120】
例えば、図20に示されるシート原稿の、ラインF、ラインFの一つ前のラインF’、ラインG、及びラインGの一つ前のラインG’の画像が読み取られると、前記孤立点画素判断処理手段は、ラインF、F’、G、G’の読取画像データを任意の閾値で2値化し、2値化データに基づいて、ラインF、F’、G、G’における孤立点画素の位置を算出する。
【0121】
そして、前記孤立点画素位置判断処理手段は、ラインF、F’における孤立点画素の一致率σ、及びラインG、G’における孤立点画素の一致率σを算出する。
【0122】
なお、ラインF、F’における孤立点画素の一致率σは、ラインF、F’の少なくとも一方に存在する孤立点画素の数に対して、ラインF、F’のいずれにも存在する孤立点画素の数の割合いを百分率で表したものであり、図21の2値化データにおいては、30〔%〕である。同様に、ラインG、G’における孤立点画素の一致率σは、ラインG、G’の少なくとも一方に存在する孤立点画素の数に対して、ラインG、G’のいずれにも存在する孤立点画素の数の割合いを百分率で表したものであり、図22の2値化データにおいては、100〔%〕である。
【0123】
続いて、前記閾値σthを90〔%〕とすると、前記ライン判断処理手段は、ラインF、F’における孤立点画素の一致率σが90〔%〕以下であるので、ラインFがブロック分割ラインとして適していると判断する。なお、本実施の形態においては、閾値σthが90〔%〕に設定されているが、複合機10の仕様等によって変更することができる。
【0124】
前記一致率σが高い場合、副走査方向において画素が直線状に配列されていることになるので、当該ラインで画像を分割すると、ブロックの繋ぎ目において、ライン上の読取画像データに、抜け、重複等が生じやすい。
【0125】
本実施の形態においては、一致率σが閾値σth以下である場合に、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断されるので、当該ラインで画像を分割したときに、ブロックの繋ぎ目を構成するライン上の読取画像データに、抜け、重複等が生じるのを抑制することができる。
【0126】
このように、本実施の形態においては、バッファ74の使用可能記憶容量の残量が少なくなるほど、当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断するための判断条件が多くされ、いずれかの判断条件が成立すると、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断することができるので、ブロックの繋ぎ目を構成するライン上の読取画像データに、抜け、重複等が生じるのを確実に抑制することができる。したがって、画像品位が低下するのを抑制することができる。
【0127】
ところで、前記各実施の形態においては、読取ユニット40によってカラーの画像が読み取られると、画像読取制御部21はカラーの読取画像データを生成し、ブロック読取制御部75は、カラーの読取画像データにおける所定の色成分のデータを読み込み、該データに基づいてブロック読取制御処理を行い、ブロック分割ライン判定部76は、前記データに基づいてブロック分割ライン判定処理を行うようになっているが、カラーの読取画像データにおける複数の色成分のデータを読み込み、該データに基づいて、ブロック読取制御部75はブロック読取制御処理を、ブロック分割ライン判定部76はブロック分割ライン判定処理を行うこともできる。
【0128】
また、前記第2の実施の形態においては、孤立画像部として孤立点画素が算出されるようになっているが、1ラインの各画素のうちの所定の数だけ独立している黒画素の集まり、すなわち、孤立画素群を算出することができる。
【0129】
そして、前記各実施の形態においては、複合機について説明しているが、本発明をプリンタ、スキャナ、複写機、ファクシミリ等に適用することができる。
【0130】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0131】
20 スキャナ部
21 画像読取制御部
40 読取ユニット
74 バッファ
75 ブロック読取制御部
76 ブロック分割ライン判定部
78 第1ブロック分割ライン判定部
79 第2ブロック分割ライン判定部
80 第3ブロック分割ライン判定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置及び画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、スキャナ、複写機、ファクシミリ、複合機(Multi Function Printer)等の画像処理装置、例えば、複合機においては、プリンタとして機能するプリンタ部及びスキャナとして機能する画像読取装置としてのスキャナ部を備えるようになっている。
【0003】
該スキャナ部は自動原稿搬送部及び原稿台を備え、自動原稿搬送部によって搬送されたシート状の原稿、すなわち、シート原稿、又は原稿台に載置された冊子状の原稿、すなわち、冊子原稿の画像が、読取部によって読み取られる。
【0004】
ところで、前記スキャナ部には、読取部によって読み取られた画像のデータ、すなわち、読取画像データを記録するためのメモリが配設されるようになっているが、高い解像度で画像が読み取られると、読取画像データのデータ量が多くなり、メモリに必要とされる容量、すなわち、メモリ容量が大きくなり、複合機のコストが高くなってしまう。
【0005】
そこで、メモリ容量の小さいメモリを配設し、原稿の画像を複数のブロックに分割し、ブロック単位で画像を読み取り、メモリに記録される読取画像データのデータ量を少なくするようにした複合機が提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−229477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の複合機においては、分割した各ブロックの繋ぎ目を構成するライン(読取ライン)上の読取画像データに、抜け、重複等が生じることがあり、その場合、画像を再生、例えば、印刷等によって形成すると、再生された画像にずれ、乱れ等が発生し、画像品位が低下してしまう。
【0008】
本発明は、前記従来の複合機の問題点を解決して、原稿の画像を複数のブロックに分割し、ブロック単位で画像を読み取った場合に、再生された画像の画像品位が低下するのを抑制することができる画像読取装置及び画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明の画像読取装置においては、原稿の画像を読み取る読取部と、該読取部によって読み取られた画像の読取画像データを生成する画像読取制御部と、前記読取画像データを記録するための記憶部と、該記憶部における使用可能記憶容量に応じて前記原稿の画像を複数のブロックに分割するブロック読取制御処理手段と、原稿の画像を複数のブロックに分割する際に、所定のラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断するブロック分割ライン判定処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像読取装置においては、原稿の画像を読み取る読取部と、該読取部によって読み取られた画像の読取画像データを生成する画像読取制御部と、前記読取画像データを記録するための記憶部と、該記憶部における使用可能記憶容量に応じて前記原稿の画像を複数のブロックに分割するブロック読取制御処理手段と、原稿の画像を複数のブロックに分割する際に、所定のラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断するブロック分割ライン判定処理手段とを有する。
【0011】
この場合、記憶部における使用可能記憶容量に応じて原稿の画像が複数のブロックに分割され、ブロック単位で画像が読み取られるので、記憶部の記憶容量を小さくすることができ、画像処理装置のコストを低くすることができる。
【0012】
また、所定のラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかが判断されるので、ブロックの繋ぎ目を構成するライン上の読取画像データに、抜け、重複等が生じるのを抑制することができる。その結果、画像を印刷等によって再生した場合に、再生された画像にずれ、乱れ等が発生するのを抑制することができ、画像品位が低下するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態における複合機の制御ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における複合機の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるスキャナ部の概念図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタ部の概念図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるスキャナ部の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるヒストグラムを説明するための図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるシート原稿の画像の例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるヒストグラムの第1の例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるヒストグラムの第2の例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるヒストグラムの第3の例を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態におけるブロック分割ライン判定部の判定の例を示す第1の図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態におけるブロック分割ライン判定部の判定の例を示す第2の図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態におけるブロック分割ライン判定部の判定の例を示す第3の図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態における複合機の制御ブロック図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態におけるスキャナ部の動作を示す第1のフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施の形態におけるスキャナ部の動作を示す第2のフローチャートである。
【図17】本発明の第2の実施の形態におけるシート原稿の画像の例を示す第1の図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態における2値化データの例を示す第1の図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態における2値化データの例を示す第2の図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態におけるシート原稿の画像の例を示す第2の図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態における2値化データの例を示す第3の図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態における2値化データの例を示す第4の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像処理装置としての複合機について説明する。
【0015】
図2は本発明の第1の実施の形態における複合機の斜視図である。
【0016】
図に示されるように、複合機10は、スキャナとして機能し、読取用の媒体としての図示されない原稿の画像を読み取る画像読取装置としてのスキャナ部20、及び該スキャナ部20より下方に配設され、プリンタとして機能し、画像形成用の媒体としての図示されない用紙に画像を形成する画像形成装置としてのプリンタ部60を備える。該プリンタ部60は、スキャナ部20から送られた第1の画像データとしての読取画像データ、又は図示されない外部装置、例えば、コンピュータから送られた第2の画像データとしての印刷データを受け、読取画像データ又は印刷データに基づいて、前記用紙に画像を形成する。なお、本実施の形態においては、スキャナ部20によってカラーの画像が読み取られ、プリンタ部60によって単色の画像が形成されるようになっているが、スキャナ部20によって単色の画像を読み取ったり、プリンタ部60によってカラーの画像を形成したりすることができる。
【0017】
そして、前記スキャナ部20は、前記原稿のうちの、第1の読取用の媒体としてのシート状の原稿、すなわち、シート原稿を自動的に搬送する自動原稿搬送部(ADF)31、及び該自動原稿搬送部31の下方において、図示されないヒンジを揺動中心にして自動原稿搬送部31を揺動自在に支持する支持部としての画像読取部32を備える。
【0018】
前記自動原稿搬送部31は、前記シート原稿をセットするための原稿セット部23、及び画像が読み取られた後のシート原稿を積載するための原稿排出部24を備える。
【0019】
また、前記画像読取部32の上面には、シート原稿、又は第2の読取用の媒体としての冊子状の原稿、すなわち、冊子原稿を載置するための原稿台Fbが、前面には、操作・表示部としての操作パネルHpが配設される。該操作パネルHpは、操作者が複合機10に対して各種の指示又は設定を行うための操作部22、及び操作者に対して各種の通知又は表示を行うための表示部25を備え、前記操作部22は操作要素としてのボタン、キー等を備え、前記表示部25は、表示画面を形成するための液晶ディスプレイ又はLED(Light Emitting Diode)ディスプレイを備える。なお、前記表示部25をタッチパネルによって形成し、操作部として機能させることができる。
【0020】
次に、前記スキャナ部20について説明する。
【0021】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるスキャナ部の概念図である。
【0022】
図において、31は自動原稿搬送部であり、該自動原稿搬送部31には、筐体Cs1から突出させて前記原稿セット部23及び原稿排出部24が形成される。原稿セット部23は、原稿束を構成する複数のシート原稿を載置するための原稿トレイである。また、原稿排出部24は、画像が読み取られた後のシート原稿を積載するための原稿スタッカであり、シート原稿又は冊子原稿を画像読取部32に配設された第1の透過部材としての原稿読取ガラス41に押し付けるための原稿圧板として機能する。なお、原稿排出部24の裏面(原稿読取ガラス41と対向する側)には、シート原稿又は冊子原稿に対する背景を形成するためのシート部材としての白色シート39が取り付けられる。
【0023】
前記筐体Cs1内には、回転自在に配設され、原稿セット部23にセットされたシート原稿を繰り出し、1枚ずつ分離させて搬送路Rtに送る第1の搬送部材としての給紙ローラ33、搬送路Rtに配設され、原稿セット部23から送られたシート原稿を画像読取位置p1に送る第2の搬送部材としての搬送ローラ対34、画像が読み取られた後のシート原稿を原稿排出部24に排出するための第3の搬送部材としての排出ローラ対35、シート原稿の搬送方向における給紙ローラ33より上流側に配設され、原稿セット部23にシート原稿がセットされていることを検出するための第1の原稿検出部としての原稿センサ36、搬送路Rtにおける搬送ローラ対34と画像読取位置p1との間に配設され、前記搬送ローラ対34によって搬送されたシート原稿の前端が原稿読取位置p1に近づいたことを検出する第2の原稿検出部としての読取位置センサ37、原稿搬送用の駆動部としてのステッピングモータ38、前記画像読取位置p1において、シート原稿を画像読取部32に配設された第2の透過部材としての原稿読取ガラス55に押し付ける原稿押圧部としての原稿押圧板51等が配設される。前記ステッピングモータ38は、図示されないギヤ構造を介して給紙ローラ33、搬送ローラ対34、排紙ローラ対35等と連結され、ステッピングモータ38を駆動することによって発生させられた回転が給紙ローラ33、搬送ローラ対34、排紙ローラ対35等に伝達される。
【0024】
また、前記画像読取部32には、筐体Cs2の上面において、前記原稿排出部24と対向させて前記原稿読取ガラス41が、原稿押圧板51と対向させて前記原稿読取ガラス55が配設される。前記筐体Cs2内には、シート原稿の幅方向、すなわち、主走査方向に延在させて、かつ、シート原稿の送り方向、すなわち、副走査方向に移動自在に配設された読取部としての読取ユニット40、該読取ユニット40を図示されないシャフトに沿って副走査方向に移動させるための走行ユニット48、シェーディング補正を行うための補正板としての白色補正板49、前記読取ユニット40が基準位置であるホームポジションに位置していることを検出する基準位置検出部としてのホームセンサ50等が配設される。
【0025】
前記走行ユニット48は、走査用の駆動部としてのステッピングモータ53、該ステッピングモータ53によって回転させられる駆動ローラR1、該駆動ローラR1と所定の距離をおいて配設された従動ローラR2、前記駆動ローラR1と従動ローラR2とによって走行自在に張設された駆動ベルト42等を備え、該駆動ベルト42の所定の箇所に前記読取ユニット40が取り付けられる。前記ステッピングモータ53を駆動し、読取ユニット40をシャフトに沿って副走査方向に移動させ、ホームセンサ50によって読取ユニット40が検出されたときにステッピングモータ53の駆動を停止させると、読取ユニット40をホームポジションに位置させることができる。なお、図3に示されるように、画像読取位置p1と対向する位置が前記読取ユニット40のホームポジションにされる。
【0026】
前記読取ユニット40は、ホームポジションに位置させられた状態で、自動原稿搬送部31によって搬送され、画像読取位置p1を通過するシート原稿の画像を読み取ることができ、シャフトに沿って移動させられることによって、原稿台Fb上に載置されたシート原稿又は冊子原稿の画像を読み取ることができる。なお、原稿台Fb上に載置されたシート原稿又は冊子原稿の画像の読取りが終了すると、読取ユニット40はホームポジションに戻される。
【0027】
また、前記読取ユニット40は、原稿読取ガラス55上の通過するシート原稿、及び原稿読取ガラス41上に載置されたシート原稿又は冊子原稿に光を照射するための光源43、該光源43から放射され、シート原稿又は冊子原稿において反射した光の光路を変更させる反射ミラー44、45、光を集光するレンズ46、該レンズ46によって集光された光を結像し、光電変換し、画像に応じた電圧(アナログ電圧)をセンサ出力として発生させる読取センサ47等を備える。なお、該読取センサ47として、CCD(Charge Coupled Device)センサが使用される。また、前記白色補正板49は、前記CCDセンサの各素子が出力する電圧のばらつきを平滑化するためのシェーディング補正を行う際に読み取られ、そのときの読取センサ47のセンサ出力である電圧が基準値にされる。
【0028】
次に、前記スキャナ部20の動作について説明する。
【0029】
まず、自動原稿搬送部31によって搬送されるシート原稿の画像を読み取る場合について説明する。
【0030】
操作者が、原稿セット部23にシート原稿をセットすると、原稿センサ36によってシート原稿が検出される。そして、操作者が、前記操作部22のボタンのうちのスタートボタンを押下すると、ステッピングモータ38が駆動され、給紙ローラ33が回転させられ、原稿セット部23からシート原稿が繰り出され、1枚ずつ分離させられ、搬送路Rtに送られる。
【0031】
続いて、シート原稿は搬送路Rt内を搬送ローラ対34によって搬送され、画像読取位置p1に送られ、該画像読取位置p1を通過する間に、シート原稿の画像が、ホームポジションに置かれた読取ユニット40によって読み取られる。
【0032】
そして、画像の読取りが終了したシート原稿は、排出ローラ対35によって自動原稿搬送部31外に排出され、原稿排出部24に積載される。
【0033】
次に、原稿台Fb上に載置されたシート原稿又は冊子原稿の画像を読み取る場合について説明する。
【0034】
まず、操作者は、ヒンジを介して自動原稿搬送部31を回動させ、原稿台Fbを開放する。続いて、操作者が、シート原稿又は冊子原稿を原稿台Fb上に載置し、自動原稿搬送部31を回動させて原稿排出部24によってシート原稿又は冊子原稿を原稿台Fb上に押し付け、前記操作部22のスタートボタンを押下すると、前記ステッピングモータ53が駆動され、駆動ベルト42が走行させられ、読取ユニット40がシャフトに沿ってホームポジションから原稿台Fb側に移動させられ、続いて、原稿読取ガラス41の下を副走査方向に移動させられる。その間に、シート原稿又は冊子原稿の画像が読取ユニット40によって読み取られる。
【0035】
次に、前記プリンタ部60について説明する。
【0036】
図4は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタ部の概念図である。
【0037】
図に示されるように、プリンタ部60は、像担持体としての感光体ドラム61、帯電装置としての帯電ローラ62、露光装置としてのLEDヘッド63、現像剤担持体としての現像ローラ64、転写部材としての転写ローラ65、用紙を収容する媒体収容部としての用紙カセット67、該用紙カセット67に収容された用紙を1枚ずつ繰り出す繰出部材としてのホッピングローラ68、該ホッピングローラ68によって繰り出された用紙の斜行を矯正するレジストローラ対69、定着装置としての定着器70等を備える。該定着器70は、第1のローラとしての加熱ローラRh、及び該加熱ローラRhと対向させて配設された第2のローラとしての加圧ローラRpを備える。なお、前記感光体ドラム61、帯電ローラ62、現像ローラ64等によって画像形成ユニットが構成される。
【0038】
該画像形成ユニットにおいて、感光体ドラム61の表面は、帯電ローラ62によって一様に帯電させられ、LEDヘッド63によって露光されて潜像としての静電潜像が形成され、該静電潜像に、現像ローラ64によって現像剤としてのトナーが付着させられ、静電潜像が現像されて現像剤像としてのトナー像になる。
【0039】
一方、用紙は、用紙カセット67からホッピングローラ68によって繰り出され、レジストローラ対69を介して感光体ドラム61と転写ローラ65との間の転写部に送られ、該転写部において転写ローラ65によってトナー像が用紙に転写される。
【0040】
続いて、用紙は、定着器70に送られ、該定着器70において、トナー像が定着させられ、画像が形成される。その後、用紙は図示されない排出ユニットによってプリンタ部60外に排出される。
【0041】
次に、前記複合機10の制御部について説明する。
【0042】
図1は本発明の第1の実施の形態における複合機の制御ブロック図である。
【0043】
図に示されるように、複合機10と外部装置11とはデータ通信バス12によって接続され、複合機10において、スキャナ部20とプリンタ部60とはケーブルCbによって接続される。前記外部装置11は、サーバ、パソコン等であり、前記データ通信バス12は、USB(Universal Serial Bus)、LAN(Local Area Network)等である。
【0044】
そして、前記スキャナ部20は、スキャナ部20の全体の制御を行う制御部としてのスキャナ主制御部71を備え、該スキャナ主制御部71に、スキャナ部20の制御を行うためのプログラム等が記録される第1の記憶装置としての、かつ、不揮発性記憶装置としてのROM(Read Only Memory)72、画像データ、制御データ等が一時的に記録される第2の記憶装置としての、かつ、揮発性記憶装置としてのRAM(Random Access Memory)73、操作パネルHp、送受信処理手段としてのインタフェース制御部77等が接続され、前記操作パネルHpに操作部22及び表示部25が配設される。前記インタフェース制御部77は、前記データ通信バス12を介して外部装置11と、前記ケーブルCbを介してプリンタ部60と接続され、外部装置11から送られた印刷データを受け、プリンタ部60に画像データを送るために送受信処理を行う。
【0045】
また、前記スキャナ主制御部71には、画像読取制御処理手段としての画像読取制御部21が接続され、該画像読取制御部21は、画像読取制御処理を行い、読取ユニット40から送られたセンサ出力をアナログ/ディジタル変換し、画素ごとに出力レベル(画像濃度)が階調数で表される読取画像データを生成する。そして、前記スキャナ主制御部71の図示されない記録処理手段は、記録処理を行い、画像読取制御部21によって生成された読取画像データを前記RAM73に一時的に記録する。そのために、RAM73には、読取画像データを記録するための記憶部としてのバッファ74が形成される。該バッファ74は、所定のデータ量の読取画像データ、例えば、標準的な原稿の1ページの画像の読取画像データを記録することができるように、記憶容量としてのメモリ容量が設定される。
【0046】
ところで、複合機10においては、操作者が操作部22を操作することによって、スキャナ部20における画像の解像度を設定することができるようになっている。そして、操作者によってスキャナ部20における解像度が高く設定され、読取ユニット40によって高い解像度で画像が読み取られると、読取画像データのデータ量が多くなり、バッファ74に必要とされるメモリ容量が大きくなってしまう。
【0047】
そこで、本実施の形態においては、メモリ容量の小さいバッファ74を配設し、読取画像データのデータ量が多い場合に、シート原稿又は冊子原稿の画像を複数のブロックに分割し、ブロック単位で画像を読み取り、バッファ74に記録される読取画像データのデータ量を小さくするようにしている。
【0048】
そのために、前記スキャナ主制御部71には、シート原稿又は冊子原稿の画像を複数のブロックに分割するブロック読取制御処理手段としてのブロック読取制御部75、画像を複数のブロックに分割する際に、各ブロックを構成する複数のライン(読取ライン)のうちの最後のラインが、互いに隣接するブロックの繋ぎ目を構成するライン、すなわち、ブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断するブロック分割ライン判定処理手段としてのブロック分割ライン判定部76が接続される。
【0049】
次に、画像を複数のブロックに分割し、ブロック単位で画像を読み取る際の前記スキャナ部20の動作について説明する。
【0050】
図5は本発明の第1の実施の形態におけるスキャナ部の動作を示すフローチャートである。
【0051】
まず、操作者によって操作部22のスタートボタンが押下され、シート原稿又は冊子原稿の画像の読取りの指示がされると、スキャナ主制御部71の図示されない必要記憶容量算出処理手段は、必要記憶容量算出処理を行い、シート原稿又は冊子原稿の1ページの画像の読取画像データのデータ量を、バッファ74に必要とされる記憶容量、すなわち、必要記憶容量(バッファ74に必要とされる空き領域)として算出する。そのために、前記必要記憶容量判断処理手段は、操作者が指定した読取条件、例えば、シート原稿又は冊子原稿の寸法(A4判、B5判等のサイズ)、読取モード(カラー、モノクロ、グレイ等)、解像度等を読み込み、RAM73に形成された図示されないデータ量テーブルを参照し、読取条件に対応する必要記憶容量を読み出す。なお、前記データ量テーブルには、前記各読取条件と必要記憶容量とが対応させて記録される。本実施の形態において、シート原稿又は冊子原稿の寸法は、操作者によって指定されるようになっているが、原稿セット部23、原稿台Fb等にシート原稿又は冊子原稿の寸法を検出するための寸法検出部としてのサイズセンサを配設し、必要記憶容量判断処理手段は、前記サイズセンサによって検出された寸法を読み込むことができる。
【0052】
続いて、前記スキャナ主制御部71の図示されない使用可能記憶容量算出処理手段は、使用可能記憶容量算出処理を行い、バッファ74において使用可能なメモリ容量を、使用可能記憶容量(バッファ74において使用することができる空き領域)として算出する。そのために、前記使用可能記憶容量算出処理手段は、RAM73に配設された図示されない記憶容量検出部から使用可能記憶容量を読み込む。
【0053】
そして、前記スキャナ主制御部71の図示されない記憶容量判断処理手段は、記憶容量判断処理を行い、使用可能記憶容量が必要記憶容量以上であるかどうかを判断する。
【0054】
使用可能記憶容量が必要記憶容量以上である場合、前記画像読取制御部21の図示されない通常読取処理手段は、通常読取処理を行い、読取ユニット40によって通常の読取り、すなわち、シート原稿又は冊子原稿の1ページの画像の読取りを行う。
【0055】
また、使用可能記憶容量が必要記憶容量より小さい場合、前記ブロック読取制御部75は、ブロック読取制御処理を行い、シート原稿又は冊子原稿の画像、本実施の形態においては、1ページの画像を、使用可能記憶容量に応じて副走査方向において複数のブロックに分割し、ブロック単位で画像を読み取る。
【0056】
例えば、A4判のシート原稿のカラーの画像を解像度300〔dpi〕*300〔dpi〕で読み取る場合、A4判のシート原稿の寸法は、210〔mm〕*297〔mm〕であり、画素数は、2480〔dot〕*3507〔dot〕になる。
【0057】
1画素(dot)のカラーの読取画像データのデータ量を3〔byte〕とすると、1ページの画像の読取りに必要な記憶容量は、
2480*3507*3=約26〔Mbyte〕
になる。そして、本実施の形態においては、バッファ74の使用可能記憶容量が8〔Mbyte〕であるので、使用可能記憶容量が必要記憶容量より小さく、1ページの画像が複数のブロックに分割される。
【0058】
そのために、前記ブロック読取制御部75の図示されない画像読取処理手段は、画像読取処理を行い、1ブロックの画像の読取りを開始し、画像を1ラインずつ読み取り、前記記録処理手段は、読取画像データを1ラインずつバッファ74に記録する。そして、ブロック読取制御部75の図示されない記憶容量残量判断処理手段は、記憶容量残量判断処理を行い、使用可能記憶容量の残り、すなわち、残量が、第1の所定の割合、本実施の形態においては、30〔%〕未満であるかどうかを判断し、使用可能記憶容量の残量が30〔%〕以上である場合、前記画像読取処理手段は、使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満になるまで、画像を1ラインずつ繰り返し読み取り、前記記録処理手段は、読取画像データを1ラインずつバッファ74に記録する。なお、本実施の形態において、第1の所定の割合は30〔%〕にされるが、複合機10の仕様等によって変更することができる。
【0059】
使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満になると、前記ブロック分割ライン判定部76は、ブロック分割ライン判定処理を行い、所定のライン、すなわち、最後に画像を読み取ったライン(以下「当該ライン」という。)がブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断する。
【0060】
そして、当該ラインがブロック分割ラインとして適している場合、前記画像読取処理手段は、1ブロックの画像の読取りを終了し、次の1ブロックの画像の読取りを開始する。また、当該ラインがブロック分割ラインとして適していない場合、前記記憶容量残量判断処理手段は、使用可能記憶容量の残量が、第2の所定の割合、本実施の形態においては、0〔%〕であるかどうかを判断し、使用可能記憶容量の残量が0〔%〕でない場合、前記画像読取処理手段は、使用可能記憶容量の残量が0〔%〕になるまで、画像を1ラインずつ繰り返し読み取り、前記記録処理手段は、読取画像データを1ラインずつバッファ74に記録する。
【0061】
次に、1ブロックの画像の読取りが終了し、次の1ブロックの画像の読取りを開始する際の前記画像読取処理手段の動作について説明する。
【0062】
まず、前記ブロック分割ライン判定部76によって、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断されると、前記画像読取処理手段は、当該ラインをブロック分割ラインとし、画像読取処理を停止させ、ステッピングモータ53の駆動を停止させることによって、読取ユニット40の副走査方向の移動を停止させる。
【0063】
続いて、前記画像読取処理手段は、ステッピングモータ53を逆方向に駆動し、読取ユニット40をホームポジション側に(逆方向に)一定量移動させて戻し、ステッピングモータ53の駆動を停止させた後、再びステッピングモータ53を正方向に駆動し、読取ユニット40の副走査方向の移動を開始し、ブロック分割ラインであると判断されたラインの次のラインから再び読取りを開始する。なお、読取ユニット40をホームポジション側に戻す量は、ステッピングモータ53の駆動を停止させたときに読取ユニット40が停止するまでの移動量、及びステッピングモータ53の駆動を開始したときに、読取ユニット40の移動速度が立ち上がり、一定の値になるまでの移動量を考慮して設定される。
【0064】
また、前記記録処理手段は、画像読取処理が停止させられ、次のブロックの画像読取処理が開始されるまでに、バッファ74に記録された読取画像データをRAM74に形成された別の領域に移動させるか、外部装置11に送信するか、印刷を行うためにプリンタ部60に送信するかして、バッファ74を空にする。
【0065】
なお、本実施の形態において、読取ユニット40は、ステッピングモータ53が所定の駆動ステップ数だけ駆動されたときに、副走査方向において1ライン分移動させられるように設定される。したがって、読取ユニット40をホームポジション側に一定量移動させる際、及び再び読取りを開始する位置に移動させる際の移動量は、ステッピングモータ53の駆動ステップ数に基づいて設定され、前記画像読取処理手段は、ステッピングモータ53の駆動ステップ数をカウントし、駆動ステップ数が設定された値になると、ステッピングモータ53を停止させる。
【0066】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 必要記憶容量を算出する。
ステップS2 使用可能記憶容量が必要記憶容量以上であるかどうかを判断する。使用可能記憶容量が必要記憶容量以上である場合はステップS11に、使用可能記憶容量が必要記憶容量より小さい場合はステップS3に進む。
ステップS3 1ブロックの画像の読取りを開始する。
ステップS4 1ラインの画像を読み取る。
ステップS5 使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満であるかどうかを判断する。使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満である場合はステップS6に進み、使用可能記憶容量の残量が30〔%〕以上である場合はステップS4に戻る。
ステップS6 当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断する。当該ラインがブロック分割ラインとして適している場合はステップS9に、当該ラインがブロック分割ラインとして適していない場合はステップS7に進む。
ステップS7 使用可能記憶容量の残量が0〔%〕であるかどうかを判断する。使用可能記憶容量の残量が0〔%〕である場合はステップS9に、使用可能記憶容量の残量が0〔%〕でない場合はステップS8に進む。
ステップS8 1ラインの画像を読み取り、ステップS6に戻る。
ステップS9 1ブロックの画像の読取りを終了する。
ステップS10 1ページの画像の読取りが終了したかどうかを判断する。1ページの画像の読取りが終了した場合は処理を終了し、1ページの画像の読取りが終了していない場合はステップS3に戻る。
ステップS11 通常読取処理を行い、処理を終了する。
【0067】
次に、前記ブロック分割ライン判定部76の動作について説明する。
【0068】
図6は本発明の第1の実施の形態におけるヒストグラムを説明するための図、図7は本発明の第1の実施の形態におけるシート原稿の画像の例を示す図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるヒストグラムの第1の例を示す図、図9は本発明の第1の実施の形態におけるヒストグラムの第2の例を示す図、図10は本発明の第1の実施の形態におけるヒストグラムの第3の例を示す図、図11は本発明の第1の実施の形態におけるブロック分割ライン判定部の判定の例を示す第1の図、図12は本発明の第1の実施の形態におけるブロック分割ライン判定部の判定の例を示す第2の図、図13は本発明の第1の実施の形態におけるブロック分割ライン判定部の判定の例を示す第3の図である。なお、図6及び8〜13において、横軸に階調数で表される出力レベルを、縦軸に画素数を採ってある。
【0069】
前述されたように、前記画像読取処理手段は、1ブロックの画像を1ラインずつ繰り返し読み取る。
【0070】
そして、前記ブロック分割ライン判定部76は、1ラインずつ読み取られた画像の出力レベルの分布に基づいて、当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断するようにしている。
【0071】
そのために、各ラインの出力レベルの分布が、当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断する指標、すなわち、ブロック分割ライン判断指標とされ、前記ブロック分割ライン判定部76の図示されないヒストグラム作成処理手段は、ヒストグラム作成処理を行い、使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満になったときの1ラインの画像の読取画像データ、及び使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満になった後の1ラインの画像の読取画像データを逐次読み込み、1ラインの画像について、各画素の出力レベルに基づいてヒストグラムを作成する。
【0072】
なお、該ヒストグラムは、1ラインの読取画像データの各画素の出力レベルの分布を表し、図6に示されるように、出力レベルにおいて、値が小さく、画像濃度が高い黒レベル側に所定の閾値εbが、値が大きく、画像濃度が低い白レベル側に所定の閾値εwがそれぞれ設定される。
【0073】
そして、例えば、図7に示されるシート原稿のラインA〜Cの画像が読み取られると、ラインAの画像については、図8に示されるように、多くの画素の出力レベルが閾値εbより低い黒レベル側に分布するヒストグラムが、ラインBの画像については、図9に示されるように、多くの画素の出力レベルが閾値εwより高い白レベル側に分布するヒストグラムが、ラインCの画像については、図10に示されるように、出力レベルが閾値εbより低い黒レベル側の画素と、出力レベルが閾値εwより高い白レベル側の画素とがほぼ同じように分布するヒストグラムが作成される。
【0074】
続いて、前記ブロック分割ライン判定部76の図示されない分布判断処理手段は、分布判断処理を行い、各ラインA〜Cにおける各画素の出力レベルがどのように分布しているかを判断する。
【0075】
そのために、前記分布判断処理手段は、各ラインA〜Cの全画素における、出力レベルが閾値εbより低い黒レベル側の画素qbの占める割合ρ1を第1の分布判断値として算出し、各ラインA〜Cの全画素における、出力レベルが閾値εwより高い白レベル側の画素qwの占める割合ρ2を第2の分布判断値として算出する。
【0076】
次に、ブロック分割ライン判定部76の図示されないライン判断処理手段は、ライン判断処理を行い、前記割合ρ1、ρ2のうちのいずれか一方が、所定の閾値ρth、本実施の形態においては、90〔%〕以上であるかどうかを判断し、90〔%〕以上である場合に、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断する。なお、割合ρ1が90〔%〕以上である場合、当該ラインは多くの黒の画素、すなわち、黒画素から成っていると考えられ、割合ρ2が90〔%〕以上である場合、当該ラインは多くの白の画素、すなわち、白画素から成っていると考えられ、いずれの場合も、黒画素と白画素とが接する部分が少ないと考えられる。したがって、黒画素と白画素とが接する部分が少ない当該ラインで画像を分割すると、ブロックの繋ぎ目を構成するライン上の読取画像データに、抜け、重複等が生じるのを抑制することができる。なお、本実施の形態において、閾値ρthは90〔%〕にされるが、複合機10の仕様等によって変更することができる。
【0077】
このように、本実施の形態においては、原稿の画像が複数のブロックに分割され、ブロック単位で画像が読み取られ、読取画像データがバッファ74に記録されるので、バッファ74に記録される読取画像データのデータ量を少なくすることができる。したがって、メモリ容量の小さいバッファ74を配設することができるので、複合機10のコストを低くすることができる。
【0078】
また、各ブロックを構成する複数のラインのうちの当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかが判断され、ブロック分割ラインとして適している場合に、当該ラインで画像が分割されるので、ブロックの繋ぎ目を構成するライン上の読取画像データに、抜け、重複等が生じるのを抑制することができる。その結果、画像を再生、例えば、印刷等によって形成した場合、再生された画像にずれ、乱れ等が発生するのを抑制することができ、画像品位が低下するのを抑制することができる。
【0079】
ところで、本実施の形態においては、使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満になると、当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかが判断され、当該ラインがブロック分割ラインとして適していない場合、使用可能記憶容量の残量が0〔%〕になるまで、画像が1ラインずつ繰り返し読み取られ、当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかが判断される。
【0080】
ところが、使用可能記憶容量の残量が0〔%〕になると、当該ラインがブロック分割ラインとして適していない場合であっても、当該ラインで画像が分割されてしまうので、原稿の画像によっては、ブロックの繋ぎ目を構成するライン上の読取画像データに、抜け、重複等が生じてしまう。
【0081】
そこで、使用可能記憶容量の残量が少なくなるほど、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断される率が高くされ、使用可能記憶容量の残量が0〔%〕になるまでに所定のラインをブロック分割ラインとして設定し、画像を分割することができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0082】
図14は本発明の第2の実施の形態における複合機の制御ブロック図である。
【0083】
この場合、画像読取装置としてのスキャナ部20には、複数のブロック分割ライン判定部が配設され、各ブロック分割ライン判定部において、あらかじめ使用可能記憶容量の残量に対応させて設定された判断基準で、当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかが判断される。
【0084】
そのために、前記スキャナ部20は、第1のブロック分割ライン判定処理手段としての第1ブロック分割ライン判定部78、第2のブロック分割ライン判定処理手段としての第2ブロック分割ライン判定部79、第3のブロック分割ライン判定処理手段としての第3ブロック分割ライン判定部80、及びブロック分割判定優先度決定処理手段としてのブロック分割判定優先度決定部81を備える。
【0085】
前記第1ブロック分割ライン判定部78、第2ブロック分割ライン判定部79及び第3ブロック分割ライン判定部80は、いずれも、画像を複数のブロックに分割する際に、各ブロックを構成する複数のラインのうちの当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断するが、前記第1ブロック分割ライン判定部78による当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかの第1の判断条件、前記第2ブロック分割ライン判定部79による当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかの第2の判断条件、及び前記第3ブロック分割ライン判定部80による当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかの第3の判断条件はそれぞれ異なる。
【0086】
そして、前記ブロック分割判定優先度決定部81は、記憶部としてのバッファ74の使用可能記憶容量の残量に応じて前記第1ブロック分割ライン判定部78、第2ブロック分割ライン判定部79及び第3ブロック分割ライン判定部80のうちの少なくとも一つを選択し、ブロック分割ラインの判断基準を切り換える。
【0087】
次に、画像を複数のブロックに分割し、ブロック単位で画像を読み取る際の前記スキャナ部20の動作について説明する。
【0088】
図15は本発明の第2の実施の形態におけるスキャナ部の動作を示す第1のフローチャート、図16は本発明の第2の実施の形態におけるスキャナ部の動作を示す第2のフローチャートである。
【0089】
まず、操作者によって操作部22のスタートボタンが押下され、第1の読取用の媒体としてのシート原稿又は第2の読取用の媒体としての冊子原稿の画像の読取りの指示がされると、スキャナ主制御部71の前記必要記憶容量算出処理手段は、シート原稿又は冊子原稿の1ページの画像の読取画像データのデータ量を必要記憶容量として算出する。そのために、前記必要記憶容量判断処理手段は、操作者が指定した、シート原稿又は冊子原稿の寸法、読取モード、解像度等の読取条件を読み込み、第2の記憶装置としての、かつ、揮発性記憶装置としてのRAM73に形成されたデータ量テーブルを参照し、読取条件に対応する必要記憶容量を読み出す。
【0090】
続いて、スキャナ主制御部71の前記使用可能記憶容量算出処理手段は、バッファ74における使用可能記憶容量を算出し、スキャナ主制御部71の前記記憶容量判断処理手段は、使用可能記憶容量が必要記憶容量以上であるかどうかを判断する。
【0091】
使用可能記憶容量が必要記憶容量以上である場合、画像読取制御処理手段としての前記画像読取制御部21の前記通常読取処理手段は、読取部としての読取ユニット40によって通常の読取りを行う。
【0092】
また、使用可能記憶容量が必要記憶容量より小さい場合、ブロック読取制御処理手段としての前記ブロック読取制御部75は、1ページの画像を、使用可能記憶容量に応じて副走査方向において複数のブロックに分割し、ブロック単位で画像を読み取る。
【0093】
そのために、ブロック読取制御部75の前記画像読取処理手段は、1ブロックの画像の読取りを開始し、画像を1ラインずつ読み取り、スキャナ主制御部71の前記記録処理手段は、読取画像データを1ラインずつバッファ74に記録する。そして、ブロック読取制御部75の前記記憶容量残量判断処理手段は、使用可能記憶容量の残量が、第1の所定の割合、本実施の形態においては、30〔%〕未満であるかどうかを判断し、使用可能記憶容量の残量が30〔%〕以上である場合、前記画像読取処理手段は、使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満になるまで、画像を1ラインずつ繰り返し読み取り、前記記録処理手段は、読取画像データを1ラインずつバッファ74に記録する。
【0094】
使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満になると、スキャナ主制御部71は、使用可能記憶容量の残量をブロック分割判定優先度決定部81に送るとともに、画像読取処理手段によって読み取られた画像の読取画像データを1ラインずつ前記第1ブロック分割ライン判定部78、第2ブロック分割ライン判定部79及び第3ブロック分割ライン判定部80に並列に送る。
【0095】
続いて、前記第1ブロック分割ライン判定部78、第2ブロック分割ライン判定部79及び第3ブロック分割ライン判定部80は、第1〜第3のブロック分割ライン判定処理を行い、読取画像データを1ラインずつ読み込み、当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断し、判断結果をブロック分割判定優先度決定部81に送る。
【0096】
そして、第1ブロック分割ライン判定部78は、第1のブロック分割ライン判定処理を行った後、読取画像データを1ラインずつスキャナ主制御部71に送り、前記記録処理手段は読取画像データを1ラインずつバッファ74に記録する。
【0097】
次に、前記ブロック分割判定優先度決定部81は、ブロック分割判定優先度決定処理を行い、使用可能記憶容量の残量に基づいて、第1ブロック分割ライン判定部78、第2ブロック分割ライン判定部79及び第3ブロック分割ライン判定部80の判断結果の優先度を決定し、所定の判断結果をブロック読取制御部75に送る。
【0098】
本実施の形態においては、バッファ74の使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満、かつ、20〔%〕以上である場合、前記ブロック分割判定優先度決定部81は、第1ブロック分割ライン判定部78によって、第1の判断条件に基づいて、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断されたかどうかを判断し、第1ブロック分割ライン判定部78によって、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断された場合、その旨を判断結果としてブロック読取制御部75に送る。
【0099】
また、バッファ74の使用可能記憶容量の残量が20〔%〕未満、かつ、10〔%〕以上である場合、前記ブロック分割判定優先度決定部81は、第1ブロック分割ライン判定部78又は第2ブロック分割ライン判定部79によって、第1の判断条件又は第2の判断条件に基づいて、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断されたかどうかを判断し、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断された場合、その旨を判断結果としてブロック読取制御部75に送る。
【0100】
そして、バッファ74の使用可能記憶容量の残量が10〔%〕未満である場合、前記ブロック分割判定優先度決定部81は、第1ブロック分割ライン判定部78、第2ブロック分割ライン判定部79又は第3ブロック分割ライン判定部80によって、第1の判断条件、第2の判断条件又は第3の判断条件に基づいて、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断されたかどうかを判断し、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断された場合、その旨を判断結果としてブロック読取制御部75に送る。
【0101】
そして、ブロック分割判定優先度決定部81から判断結果が送られると、前記画像読取処理手段は、1ブロックの画像の読取りを終了し、次の1ブロックの画像の読取りを開始する。また、当該ラインラインがブロック分割ラインとして適していないと判断された場合、前記記憶容量残量判断処理手段は、使用可能記憶容量の残量が、第2の所定の割合、本実施の形態においては、0〔%〕であるかどうかを判断し、使用可能記憶容量の残量が0〔%〕になるまで、画像を1ラインずつ繰り返し読み取り、前記記録処理手段は、読取画像データを1ラインずつバッファ74に記録する。
【0102】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 必要記憶容量を算出する。
ステップS22 使用可能記憶容量が必要記憶容量以上であるかどうかを判断する。使用可能記憶容量が必要記憶容量以上である場合はステップS35に、使用可能記憶容量が必要記憶容量より小さい場合はステップS23に進む。
ステップS23 1ブロックの画像の読取りを開始する。
ステップS24 1ラインの画像を読み取る。
ステップS25 使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満であるかどうかを判断する。使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満である場合はステップS26に進み、使用可能記憶容量の残量が30〔%〕以上である場合はステップS24に戻る。
ステップS26 第1〜第3のブロック分割ライン判定処理を行う。
ステップS27 使用可能記憶容量の残量を判断する。使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満、かつ、20〔%〕以上である場合はステップS28に、使用可能記憶容量の残量が20〔%〕未満、かつ、10〔%〕以上である場合はステップS29に、使用可能記憶容量が10〔%〕未満である場合はステップS30に進む。
ステップS28 第1ブロック分割ライン判定部78によってブロック分割ラインとして適していると判断されたかどうかを判断する。第1ブロック分割ライン判定部78によってブロック分割ラインとして適していると判断された場合はステップS33に、適していないと判断された場合はステップS31に進む。
ステップS29 第1ブロック分割ライン判定部78又は第2ブロック分割ライン判定部79によってブロック分割ラインとして適していると判断されたかどうかを判断する。第1ブロック分割ライン判定部78又は第2ブロック分割ライン判定部79によってブロック分割ラインとして適していると判断された場合はステップS33に、適していないと判断された場合はステップS31に進む。
ステップS30 第1ブロック分割ライン判定部78、第2ブロック分割ライン判定部79又は第3ブロック分割ライン判定部80によってブロック分割ラインとして適していると判断されたかどうかを判断する。第1ブロック分割ライン判定部78、第2ブロック分割ライン判定部79又は第3ブロック分割ライン判定部80によってブロック分割ラインとして適していると判断された場合はステップS33に、適していないと判断された場合はステップS31に進む。
ステップS31 使用可能記憶容量の残量が0〔%〕であるかどうかを判断する。使用可能記憶容量の残量が0〔%〕である場合はステップS33に、使用可能記憶容量の残量が0〔%〕でない場合はステップS32に進む。
ステップS32 1ラインの画像を読み取り、ステップS26に戻る。
ステップS33 1ブロックの画像の読取りを終了する。
ステップS34 1ページの画像の読取りが終了したかどうかを判断する。1ページの画像の読取りが終了した場合は処理を終了し、1ページの画像の読取りが終了していない場合はステップS23に戻る。
ステップS35 通常読取処理を行い、処理を終了する。
【0103】
次に、前記第1ブロック分割ライン判定部78、第2ブロック分割ライン判定部79及び第3ブロック分割ライン判定部80の動作について説明する。
【0104】
図17は本発明の第2の実施の形態におけるシート原稿の画像の例を示す第1の図、図18は本発明の第2の実施の形態における2値化データの例を示す第1の図、図19は本発明の第2の実施の形態における2値化データの例を示す第2の図、図20は本発明の第2の実施の形態におけるシート原稿の画像の例を示す第2の図、図21は本発明の第2の実施の形態における2値化データの例を示す第3の図、図22は本発明の第2の実施の形態における2値化データの例を示す第4の図である。
【0105】
この場合、前記第1ブロック分割ライン判定部78は、第1の実施の形態におけるブロック分割ライン判定部76と同じ判断条件で当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断する。
【0106】
まず、前記第1ブロック分割ライン判定部78の動作について説明する。
【0107】
すなわち、前記第1ブロック分割ライン判定部78の図示されないヒストグラム作成処理手段は、ヒストグラム作成処理を行い、使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満になったときの1ラインの画像の読取画像データ、及び使用可能記憶容量の残量が30〔%〕未満になった後の1ラインの画像の読取画像データを逐次読み込み、1ラインの画像についてヒストグラムを作成する。
【0108】
続いて、前記第1ブロック分割ライン判定部78の図示されない分布判断処理手段は、分布判断処理を行い、各ラインA〜Cにおける各画素の出力レベルががどのように分布しているかを判断し、各ラインA〜Cの全画素における、出力レベルが閾値εb(図6)より低い黒レベル側の画素qbの占める割合ρ1を第1の分布判断値として算出し、各ラインA〜Cの全画素における、出力レベルが閾値εwより高い白レベル側の画素qwの占める割合ρ2を第2の分布判断値として算出する。
【0109】
次に、前記第1ブロック分割ライン判定部78の図示されないライン判断処理手段は、ライン判断処理を行い、前記割合ρ1、ρ2のうちのいずれか一方が、所定の閾値ρth、本実施の形態においては、90〔%〕以上であるかどうかを判断し、90〔%〕以上である場合に、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断する。
【0110】
次に、前記第2ブロック分割ライン判定部79の動作について説明する。
【0111】
すなわち、第2ブロック分割ライン判定部79の図示されない孤立画像部判断処理手段としての孤立点画素判断処理手段は、孤立画像部判断処理としての孤立点画素判断処理を行い、当該ラインの読取画像データを読み込むと、読取画像データを任意の閾値で2値化し、2値化データに基づいて、当該ラインにおける孤立画像部としての孤立点画素の数ηを算出する。なお、前記孤立点画素は、1ラインの各画素のうちの一つだけ独立している黒画素である。
【0112】
続いて、第2ブロック分割ライン判定部79の図示されないライン判断処理手段は、ライン判断処理を行い、前記孤立点画素の数ηが閾値ηth以下であるかどうかを判断し、孤立点画素の数ηが閾値ηth以下である場合、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断する。
【0113】
例えば、図17に示されるシート原稿のラインD及びEの画像が読み取られると、前記孤立点画素判断処理手段は、ラインD及びEの読取画像データを任意の閾値で2値化し、ラインDにおいて孤立点画素の数3を、ラインEにおいて孤立点画素の数9を算出する。
【0114】
そして、前記閾値ηthを3とすると、前記ライン判断処理手段は、ラインDにおける孤立点画素の数3が閾値ηthであるので、ラインDは、ブロック分割ラインとして適していると判断する。本実施の形態においては、閾値ηthが3に設定されているが、閾値ηthを画像処理装置としての複合機10の仕様等によって変更することができる。
【0115】
この場合、孤立点画素の数ηが少ないラインで画像が分割されるので、ブロックの繋ぎ目において、ライン上の読取画像データに、抜け、重複等が生じるのを抑制することができる。
【0116】
次に、前記第3ブロック分割ライン判定部80の動作について説明する。
【0117】
すなわち、第3ブロック分割ライン判定部80の図示されない孤立画像部判断処理手段としての孤立点画素判断処理手段は、孤立画像部判断処理としての孤立点画素判断処理を行い、当該ラインの読取画像データを読み込むと、読取画像データを任意の閾値で2値化し、2値化データに基づいて、当該ラインにおける孤立点画素の位置を算出する。なお、孤立点画素の位置は、ライン中の各画素に対して一端から付与された画素番号で表される。
【0118】
そして、第3ブロック分割ライン判定部80の図示されない孤立画像部位置判断処理手段としての孤立点画素位置判断処理手段は、孤立画像部位置判断処理としての孤立点画素位置判断処理を行い、複数の隣接するライン、本実施の形態においては、二つの隣接するラインにおける各孤立点画素の位置が一致するかどうかを表す一致率σを算出する。
【0119】
続いて、第3ブロック分割ライン判定部80の図示されないライン判断処理手段は、ライン判断処理を行い、前記一致率σが閾値σth以下であるかどうかを判断し、前記一致率σが閾値σth以下である場合、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断する。そして、第3ブロック分割ライン判定部80は、第3のブロック分割ライン判定処理を行った後、当該ラインにおける孤立点画素の位置を第3ブロック分割ライン判定部80に配設された図示されない記憶部に記録し、孤立点画素位置判断処理手段は、次のラインについて孤立点画素位置判断処理を行うときに、一つ前のラインの孤立点画素の位置として読み出す。
【0120】
例えば、図20に示されるシート原稿の、ラインF、ラインFの一つ前のラインF’、ラインG、及びラインGの一つ前のラインG’の画像が読み取られると、前記孤立点画素判断処理手段は、ラインF、F’、G、G’の読取画像データを任意の閾値で2値化し、2値化データに基づいて、ラインF、F’、G、G’における孤立点画素の位置を算出する。
【0121】
そして、前記孤立点画素位置判断処理手段は、ラインF、F’における孤立点画素の一致率σ、及びラインG、G’における孤立点画素の一致率σを算出する。
【0122】
なお、ラインF、F’における孤立点画素の一致率σは、ラインF、F’の少なくとも一方に存在する孤立点画素の数に対して、ラインF、F’のいずれにも存在する孤立点画素の数の割合いを百分率で表したものであり、図21の2値化データにおいては、30〔%〕である。同様に、ラインG、G’における孤立点画素の一致率σは、ラインG、G’の少なくとも一方に存在する孤立点画素の数に対して、ラインG、G’のいずれにも存在する孤立点画素の数の割合いを百分率で表したものであり、図22の2値化データにおいては、100〔%〕である。
【0123】
続いて、前記閾値σthを90〔%〕とすると、前記ライン判断処理手段は、ラインF、F’における孤立点画素の一致率σが90〔%〕以下であるので、ラインFがブロック分割ラインとして適していると判断する。なお、本実施の形態においては、閾値σthが90〔%〕に設定されているが、複合機10の仕様等によって変更することができる。
【0124】
前記一致率σが高い場合、副走査方向において画素が直線状に配列されていることになるので、当該ラインで画像を分割すると、ブロックの繋ぎ目において、ライン上の読取画像データに、抜け、重複等が生じやすい。
【0125】
本実施の形態においては、一致率σが閾値σth以下である場合に、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断されるので、当該ラインで画像を分割したときに、ブロックの繋ぎ目を構成するライン上の読取画像データに、抜け、重複等が生じるのを抑制することができる。
【0126】
このように、本実施の形態においては、バッファ74の使用可能記憶容量の残量が少なくなるほど、当該ラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断するための判断条件が多くされ、いずれかの判断条件が成立すると、当該ラインがブロック分割ラインとして適していると判断することができるので、ブロックの繋ぎ目を構成するライン上の読取画像データに、抜け、重複等が生じるのを確実に抑制することができる。したがって、画像品位が低下するのを抑制することができる。
【0127】
ところで、前記各実施の形態においては、読取ユニット40によってカラーの画像が読み取られると、画像読取制御部21はカラーの読取画像データを生成し、ブロック読取制御部75は、カラーの読取画像データにおける所定の色成分のデータを読み込み、該データに基づいてブロック読取制御処理を行い、ブロック分割ライン判定部76は、前記データに基づいてブロック分割ライン判定処理を行うようになっているが、カラーの読取画像データにおける複数の色成分のデータを読み込み、該データに基づいて、ブロック読取制御部75はブロック読取制御処理を、ブロック分割ライン判定部76はブロック分割ライン判定処理を行うこともできる。
【0128】
また、前記第2の実施の形態においては、孤立画像部として孤立点画素が算出されるようになっているが、1ラインの各画素のうちの所定の数だけ独立している黒画素の集まり、すなわち、孤立画素群を算出することができる。
【0129】
そして、前記各実施の形態においては、複合機について説明しているが、本発明をプリンタ、スキャナ、複写機、ファクシミリ等に適用することができる。
【0130】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0131】
20 スキャナ部
21 画像読取制御部
40 読取ユニット
74 バッファ
75 ブロック読取制御部
76 ブロック分割ライン判定部
78 第1ブロック分割ライン判定部
79 第2ブロック分割ライン判定部
80 第3ブロック分割ライン判定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)原稿の画像を読み取る読取部と、
(b)該読取部によって読み取られた画像の読取画像データを生成する画像読取制御部と、
(c)前記読取画像データを記録するための記憶部と、
(d)該記憶部における使用可能記憶容量に応じて前記原稿の画像を複数のブロックに分割するブロック読取制御処理手段と、
(e)原稿の画像を複数のブロックに分割する際に、所定のラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断するブロック分割ライン判定処理手段とを有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
(a)操作者が指定した読取条件に基づいて、前記記憶部に必要とされる必要記憶容量を算出する必要記憶容量算出処理手段を有するとともに、
(b)前記ブロック読取制御処理手段は、前記使用可能記憶容量が必要記憶容量より小さい場合に、前記原稿の画像を複数のブロックに分割する請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
(a)前記ブロック分割ライン判定処理手段は、使用可能記憶容量の残量が所定の割合になると、所定のラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断し、
(b)前記ブロック読取制御処理手段は、前記ブロック分割ライン判定処理手段によって、所定のラインがブロック分割ラインとして適していると判断された場合に、前記所定のラインで画像を分割する請求項1又は2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
(a)前記ブロック分割ライン判定処理手段は、それぞれ異なる判断条件で、所定のラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断する複数のブロック分割ライン判定処理手段から成り、
(b)前記ブロック読取制御処理手段は、前記各ブロック分割ライン判定処理手段のうちの所定のブロック分割ライン判定処理手段によって、所定のラインがブロック分割ラインとして適していると判断された場合に、前記所定のラインで画像を分割する請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像読取装置を備えた画像処理装置。
【請求項1】
(a)原稿の画像を読み取る読取部と、
(b)該読取部によって読み取られた画像の読取画像データを生成する画像読取制御部と、
(c)前記読取画像データを記録するための記憶部と、
(d)該記憶部における使用可能記憶容量に応じて前記原稿の画像を複数のブロックに分割するブロック読取制御処理手段と、
(e)原稿の画像を複数のブロックに分割する際に、所定のラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断するブロック分割ライン判定処理手段とを有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
(a)操作者が指定した読取条件に基づいて、前記記憶部に必要とされる必要記憶容量を算出する必要記憶容量算出処理手段を有するとともに、
(b)前記ブロック読取制御処理手段は、前記使用可能記憶容量が必要記憶容量より小さい場合に、前記原稿の画像を複数のブロックに分割する請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
(a)前記ブロック分割ライン判定処理手段は、使用可能記憶容量の残量が所定の割合になると、所定のラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断し、
(b)前記ブロック読取制御処理手段は、前記ブロック分割ライン判定処理手段によって、所定のラインがブロック分割ラインとして適していると判断された場合に、前記所定のラインで画像を分割する請求項1又は2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
(a)前記ブロック分割ライン判定処理手段は、それぞれ異なる判断条件で、所定のラインがブロック分割ラインとして適しているかどうかを判断する複数のブロック分割ライン判定処理手段から成り、
(b)前記ブロック読取制御処理手段は、前記各ブロック分割ライン判定処理手段のうちの所定のブロック分割ライン判定処理手段によって、所定のラインがブロック分割ラインとして適していると判断された場合に、前記所定のラインで画像を分割する請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像読取装置を備えた画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−222422(P2012−222422A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83387(P2011−83387)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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