画像読取装置及び画像形成装置
【課題】直線上に往復搬送する搬送体を案内するガイド部材を1本の構成とした場合においても、画像ムラを低減して高品質な画像を得ることのできる画像読取装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像読取装置は、光学ユニット1及び移動板33である搬送体を直線上に搬送させるよう案内するガイドレール31と、被ガイド部材32と、ガイドレール31に対して平行に配されて、搬送体を搬送させるシャフト型リニアモータ7とを備えている。そして、搬送体の質量をmとし、搬送体の水平方向に回転するヨーイング方向の慣性モーメントをIとした場合に、リニアモータ7のマグネット部71が、ガイドレール31から水平方向距離Xz≦3√(I/m)以下となる位置に配置されている。
【解決手段】画像読取装置は、光学ユニット1及び移動板33である搬送体を直線上に搬送させるよう案内するガイドレール31と、被ガイド部材32と、ガイドレール31に対して平行に配されて、搬送体を搬送させるシャフト型リニアモータ7とを備えている。そして、搬送体の質量をmとし、搬送体の水平方向に回転するヨーイング方向の慣性モーメントをIとした場合に、リニアモータ7のマグネット部71が、ガイドレール31から水平方向距離Xz≦3√(I/m)以下となる位置に配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を担持する記録媒体上から画像を読み取る画像読取装置及び所定の媒体に所定の画像を記録する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線画像のような放射線画像は、病気診断などに多く用いられている。従来では、このような放射線画像を得るために、被写体を通過したX線を蛍光体層(蛍光スクリーン)に照射し、これにより可視光を生じさせてこの可視光を通常の写真を撮るときと同じように銀塩を使用したフィルムに照射して現像した、いわゆる放射線写真が利用されていた。しかし、近年銀塩を塗布したフィルムを使用しないで蛍光体層から直接画像を取り出す手法が工夫されるようになった。
この手法の一例としては、患者などの被写体を透過した放射線を蛍光体に吸収せしめ、しかる後、この蛍光体を例えば、光又は熱エネルギーで励起することによりこの蛍光体が上記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光として放射せしめ、この蛍光を検出して画像化するものがある。支持体上に輝尽性蛍光体層を形成した輝尽性蛍光体プレートを使用するもので、この輝尽性蛍光体プレートの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を当てて、被写体各部の放射線透過度に対応する放射線エネルギーを蓄積させて潜像を形成し、しかる後に、この輝尽性蛍光体層を輝尽励起光で走査することによって、各部の蓄積された放射線エネルギーを放射させて、これを光に変換し、この光の強弱をフォトマルなどの光電変換手段を介して画像信号に変換して、デジタル画像データとして放射線画像を得るものである。
このようなデジタル画像データに基づいて、銀塩フィルムに画像形成が行われ、あるいはCRT等に画像が出力されて可視化される。また、デジタル画像データは、半導体記憶装置、磁気記憶装置、光ディスク記憶装置等の画像記憶装置に格納され、その後、必要に応じてこれら画像記憶装置から取り出されて銀塩フィルム、CRT等を介して可視化されることができる。
【0003】
ところで、輝尽性蛍光体プレートを輝尽励起光で走査する場合に、輝尽性蛍光体プレートに対して画像読取部(光学ユニット)を一定の速度で精密に相対移動させなければならない。そのため、従来技術においては、リニアモータ、ロータリエンコーダ、ロータリエンコーダの回転軸に連結されたプーリ、プーリに巻き付けられたワイヤロープ等によって搬送体を搬送させる方法が示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、搬送機構においては、2本のガイド部材で搬送体を直線上に摺動可能に保持して往復搬送させており、装置の小型化及び低コストの面で好ましくない。そのため、1本のガイド部材で搬送体を保持し、さらに搬送手段としてシャフト型リニアモータを使用する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平9−222318号公報
【特許文献2】特開2005−70533号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献2に記載の画像読取装置を搬送体が水平面上を搬送させる構成とした場合に、上記特許文献2の垂直搬送の構成では問題にならなかった搬送ムラ(画像ムラ)の課題が発生した。すなわち、ガイド部材を1本で案内して水平搬送させたことに伴って、ガイド部材及びリニアモータの位置によって、搬送体がヨーイング方向の回転力を受けることで、ヨーイング方向の回転運動に伴う搬送ムラとリニアモータの漏れ磁束による外乱で生じる搬送ムラが大きくなり、搬送性能の低下を引き起こすという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、水平面を直線上に往復搬送する搬送体を案内するガイド部材を1本の構成とした場合においても、画像ムラを低減して高品質な画像を得ることのできるシャフト型リニアモータのシャフト磁石の配置位置を提供し、高画質な画像を得ることのできる画像読取装置及び画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、画像が記録された記録媒体上から画像を読み取る画像読取装置において、
画像が記録された記録媒体又は前記記録媒体に記録された画像を読み取る読取部のいずれか一方の搬送体を直線上に搬送させるよう案内するガイド部材と、
前記ガイド部材に案内されて前記搬送体をガイド部材に沿って搬送させる被ガイド部材と、
前記ガイド部材に対して平行に配されて、前記搬送体を搬送させるシャフト型リニアモータとを備え、
前記搬送体の質量をmとし、
前記搬送体の水平方向に回転するヨーイング方向の慣性モーメントをIとした場合に、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石が、前記ガイド部材から水平方向距離Xz≦3√(I/m)以下となる位置に配置されていることを特徴とする。
【0006】
請求項5の発明は、所定の記録媒体上に画像を記録する画像形成装置において、
前記記録媒体又は前記記録媒体に画像を記録する記録部のうちいずれか一方の搬送体を直線上に搬送させるよう案内するガイド部材と、
前記ガイド部材に案内されて前記搬送体をガイド部材に沿って搬送させる被ガイド部材と、
前記ガイド部材に対して平行に配されて、前記搬送体を搬送させるシャフト型リニアモータとを備え、
前記搬送体の質量をmとし、
前記搬送体の水平方向に回転するヨーイング方向の慣性モーメントをIとした場合に、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石が、前記ガイド部材から水平方向距離Xz≦3√(I/m)以下となる位置に配置されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1、5の発明によれば、シャフト状磁石を、ガイド部材から水平方向距離Xz≦3√(I/m)以下となる位置に配置することで、搬送体に加わるヨーイング方向の回転運動を画像ムラとして問題ない(視認できない)レベルに低減することができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の画像読取装置において、
前記シャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト状磁石が、前記ガイド部材から距離X≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする。
【0009】
請求項6の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、
前記シャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト状磁石が、前記ガイド部材から距離X≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2、6の発明によれば、シャフト状磁石を、ガイド部材から距離X≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置することで、シャフト状磁石とガイド部材との間で発生する推力変動により生じる搬送ムラによる画像ムラが問題ない(視認できない)レベルに低減することができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の画像読取装置において、
前記記録媒体が輝尽性蛍光体シートであり、前記読取部が前記輝尽性蛍光体シートに励起光を照射して前記輝尽性蛍光体シートから発せられる輝尽発光光を集光し光電変換させる光電子増倍管を有し、
前記シャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト状磁石が、前記光電子増倍管から距離Xp≧r×{(φ/20)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明によれば、シャフト状磁石を、光電子増倍管から距離Xp≧r×{(φ/20)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置することで、シャフト状磁石の磁束密度の位置変化により光電子増倍管で増幅された電子が磁束にトラップされることで生じる増幅率変化によって生じる電気信号揺らぎによる画像ムラが問題ない(視認できない)レベルに低減することができ、高画質の画像が得られる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
前記搬送体の位置を検出する位置検出手段として、搬送体の直線運動を回転運動に変換する変換手段と、
回転運動の回転位置を検出する回転検出手段とを備え、
前記変換手段として、ワイヤロープとプーリからなり、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石が、前記ワイヤロープから距離Xw≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項5又は6に記載の画像形成装置において、
前記搬送体の位置を検出する位置検出手段として、搬送体の直線運動を回転運動に変換する変換手段と、
回転運動の回転位置を検出する回転検出手段とを備え、
前記変換手段として、ワイヤロープとプーリからなり、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石が、前記ワイヤロープから距離Xw≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項4、7の発明によれば、シャフト状磁石を、ワイヤロープから距離Xw≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置することにで、シャフト状磁石の磁束密度の位置変化により、磁石に吸い付く強磁性材料からなるワイヤロープのプーリへの巻き付き位置ずれによって生じる測長部の位置誤差による画像ムラが問題ない(視認できない)レベルに低減することができ、高画質の画像が得られる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置によれば、搬送性能の向上を図れ、画像ムラを低減して高品質な画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の第1〜第2の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
なお、本発明において、輝尽性蛍光体シートは単体では剛性が無く、装置内での取り扱いが難しいため、輝尽性蛍光体シートを単体で扱うことは少なく、多くの場合は金属板や樹脂板などの支持体に貼付したり、カセッテと呼ばれる着脱自在のケースに収納してカセッテ内面に接着するなどして支持している。このように、輝尽性蛍光体シートが上記支持体やカセッテに支持された構成を以下の説明では輝尽性蛍光体プレートと呼ぶこととする。また、この輝尽性蛍光体プレートは、その支持体側がラバーマグネット等で固定板に取り付けられることにより支持されている。
この輝尽性蛍光体プレートは、撮影時に被写体を透過した放射線が吸収され、そのエネルギーの一部が輝尽性蛍光体中の放射線画像の情報として蓄積される。本発明に係る画像読取装置は、このような輝尽性蛍光体中に蓄積された放射線画像の情報を読み取る装置である。
【0018】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態の画像読取装置における搬送機構の斜視図、図2は、図1におけるX−Z平面図、図3は、図1におけるX−Y平面図、図4は、図1におけるY−Z平面図、図5は、フィードバック制御部を示すブロック図である。
図1〜図5に示すように、画像読取装置は、輝尽性蛍光体プレート(記録媒体)Pにレーザ光照射装置(図示しない)からのレーザ光を走査しながら照射して輝尽性蛍光体プレートPから発せられる輝尽発光光を集光し、光電変換させて画像情報を読み取る光学ユニット(読取部)1と、基台4上に設けられた支持部材2により、光学ユニット1を水平方向に移動を案内するガイドレール31が支持(固定)され、光学ユニット(搬送体)1を移動させるリニアモータ(搬送手段)7とを備えている。
【0019】
また、光学ユニット1が取り付けられた移動板33に連結し、光学ユニット1とともに移動する位置検出手段であるロータリエンコーダユニット5を備えている。ロータリエンコーダユニット5は、移動板33の直線運動を回転運動に変換するためのプーリ(回転体)52と、このプーリ52に巻き付けられたワイヤロープ6とからなる変換手段と、回転運動の回転位置を検出するロータリエンコーダ51(回転検出手段)とを備えている。
【0020】
ワイヤ6は、プーリ52に1回転以上巻き付けられて後述の固定部材91で固定されており、光学ユニット1とともに移動するロータリエンコーダユニット5が移動することで、ワイヤ6が巻き付けられたプーリ52が回転するように構成され、プーリ52の回転位置を検出するロータリエンコーダ51により回転移動量(位置)を検出し、時間微分することによって移動速度が求められる。また、フィードバック制御により、検出された移動速度と予め設定された設定速度(目標速度)とを比較してリニアモータ7を制御するフィードバック制御部100を備えている。
以下、各構成部材について詳細に説明する。
【0021】
基台4は、略矩形板状をなしており、輝尽性蛍光体プレートPを支持する固定板8が基台4上に固定されることによって、基台4の上面に対して輝尽性蛍光体プレートPのレーザ光照射面が略垂直となるように、輝尽性蛍光体プレートPは基台4上に保持されている。
また、この輝尽性蛍光体プレートPに対向して光学ユニット1が配置されており、光学ユニット1は、下面に取り付けられた移動板(搬送体)33が基台4に対して移動可能に設けられ、これによって光学ユニット1は基台4に対して移動可能とされている。
【0022】
基台4上面の略中央には、水平方向に延在する長尺な板状の支持部材2が略水平となるように固定されている。支持部材2の上面には、光学ユニット1を水平方向に案内するガイドレール(ガイド部材)31が設けられている。
ガイドレール31は断面視略矩形状の棒状部材であって、図4に示すように、ガイドレール31に案内される断面視略コ字型状の被ガイド部材32が係合している。そして、被ガイド部材32は移動板33の下面略中央に取り付けられている。
このように、光学ユニット1は、支持部材2、ガイドレール31、被ガイド部材32、移動板33等によって基台4上に移動可能に支持されており、輝尽性蛍光体プレートPに対向して配置されている。
【0023】
また、基台4上面で、支持部材2の側方(移動板31の略中央に設けられた被ガイド部材32の側方)には、リニアモータ7を構成するマグネット部(シャフト状磁石)71を保持するためのリニアモータ保持部72が設けられている。マグネット部71は、断面円形状の永久磁石のN極同士あるいはS極同士を規則的に対向させて複数連結してシャフト状に形成されている。
また、マグネット部71には、リニアモータ7を構成する可動コイル73が設けられている。可動コイル73は円筒状に形成されたコイルを有しており、コイルは箱状のカバー部材により覆われている。そして、可動コイル73が移動板33の下面に設けられており、リニアモータ7は可動コイル73の中心をマグネット部71が貫通するように構成されている。
【0024】
さらに、基台4上面で、リニアモータ保持部72の側方には、支持部材2と平行して水平方向に延在する長尺な板状の保持部材9が略水平となるように固定されている。保持部材9の上面の長手方向両端部には、図1に示すように、断面視略L字型の固定部材91a、91bがそれぞれ設けられており、これら固定部材91a、91bにワイヤロープ6の両端部が固定され、ワイヤロープ6にロータリエンコーダユニット5が連結されている。
【0025】
ロータリエンコーダユニット5は、移動板33に固定されて移動板33とともに移動可能な支持台53と、支持台53上に設けられたロータリエンコーダ51と、ロータリエンコーダ51の回転軸に連結されて支持台53の下面に取り付けられたプーリ52とを備えている。このようにロータリエンコーダ51の回転軸にプーリ52が取り付けられている。
【0026】
プーリ52の材質としては、磁石に吸い付かない又は吸い付け難い軟磁性材であるアルミ材等が好ましく、ワイヤロープ6は、例えばステンレス材上にナイロン等の樹脂をコーティングしたものを使用することが好ましい。プーリ52の材質はワイヤロープ6の表面硬度以上の材料が更に好ましい。アルマイト加工を施したり、ジュラルミン、ステンレスを使用することが好ましい。このようにプーリ52の材質の表面硬度をワイヤロープ6の材質の表面硬度以上とすることにより、プーリ52の摩耗を抑制することができ、プーリ52自身の耐久性を向上させることができるとともに摩耗による等速回転の悪化を抑制することができる。
【0027】
このようにプーリ52に巻き付けられたワイヤロープ6は、光学ユニット1及び移動板33の移動に連動してロータリエンコーダ51が移動することで、プーリ52が回転するように構成され、ロータリエンコーダ51がプーリ52の回転位置を検出する。そして、検出された回転速度情報がリニアモータ7の回転速度を制御するフィードバック制御部100に出力されるようになっている。
【0028】
フィードバック制御部100は、図5に示すように、速度演算部103と差分回路101と制御器104とモータ駆動回路102とを備えている。
速度演算部103では、ロータリエンコーダ51から入力された回転位置を位置信号に変換し、位置信号を時間微分することで搬送体(光学ユニット1と移動板33)の速度を演算する。差分回路101には上記演算した速度と予め設定された設定速度を差分出力することで、速度誤差信号を生成する。
制御器104では、速度制御信号に基づいて、例えばPID制御演算しモータに出力するトルク指令信号を生成し、モータ駆動回路102にてトルク指令信号と搬送体の位置に応じてリニアモータ7に駆動電力を供給する。
なお、速度フィードバック制御の例を示したが、速度の代わりに位置をフィードバックする位置フィードバック制御で構成しても良いし、制御器104としてPID制御の例を挙げたが、H∞制御のような現代制御器で構成してもフィードバック制御できる構成であれば特に限定するものではない。
【0029】
一方、光学ユニット1は、レーザ光L1を輝尽性蛍光体プレートPの移動方向と直交する方向に走査させながら輝尽性蛍光体プレートPに対して照射するレーザ光照射装置と、レーザ光照射装置により輝尽性蛍光体プレートPにレーザ光L1が照射されることで励起された輝尽発光光L2を導く導光板13と、導光板13により導かれた輝尽発光光L2を集光する集光管11と、集光管11により集光された輝尽発光光L2を電気信号に変換する光電変換器(光電子増倍管)12とを有している。
【0030】
なお、本発明の画像読取装置には、図示しないが光学ユニット1により放射線エネルギーの読取処理がなされた後、輝尽性蛍光体プレートPに残留する放射線エネルギーを放出させるために輝尽性蛍光体プレートPに対して消去光を照射する消去装置が設けられている。
【0031】
次に、図6を参照して、ガイドレール31、被ガイド部材32、リニアモータ7、マグネット部71、ワイヤロープ6、ロータリエンコーダ51等の位置関係について説明する。
図6(a)は、上記各構成部材の位置関係について図2を模式的に表した図であり、(b)は、図4を模式的に表した図である。(c)は、マグネット部71とガイドレール31との高さが異なる場合を示している。
ガイドレール31を移動する搬送体である光学ユニット1及び移動板33の質量をmとし、これら光学ユニット1及び移動板33の水平方向に回転するヨーイング方向の慣性モーメントをIとした場合に、マグネット部71を、ガイドレール31から距離Xz≦3√(I/m)以下となる位置に配置する。ここで求めた式は、搬送方向の加速度αs=F/mと回転方向の角加速度ωr=(αr/Xz)=F・Xz/Iから求めた式に、画像ムラが問題ない(視認できない)レベルに低減できる搬送方向の加速度と回転方向の回転加速度の比を実験から求め、式に代入して導出した式である。
ここで、Fはモータ推力であり、αrは規格化した位置の回転加速度である。具体的には、質量mが10kg、慣性モーメントIが0.043kg・m2となる搬送体を製作した場合、距離Xzは0.2m以下にすると良い。このことは、図12の実測結果から明らかであり、図12は横軸にガイドレール31とマグネット部71との間の水平方向距離Xz、縦軸に搬送ムラの振幅を表している。搬送ムラとは、画像読取時に一定速度で搬送するのに対して変動する速度の最大振幅である。
これにより、移動板31及び光学ユニット1からなる搬送体に加わるヨーイング方向の力により搬送体が回転方向に回転変位することで生じる画像ムラを問題ない(視認できない)レベルに低減することができ、高画質の画像を得ることができる。
【0032】
また、マグネット部71の磁極位置表面の磁束密度をφとし、マグネット部71の円柱半径をrとした場合に、マグネット部71をガイドレール31から距離X≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置する。ここで、求めた式は、実際のシャフト状磁石の磁極位置表面から距離Xの磁束密度を測定した結果がφX=φ{r/(r+X)}^exp(1)で近似できることを求めた式と、ガイドレール31及び被ガイド部材32からシャフト状磁石の距離X離した時の実際に測定した搬送ムラ(画像ムラ)から求めた距離の関係から式を導出して求めた式である。具体的には、半径10mm、磁極位置表面の磁束密度を600mTとすると、距離Xは約20mm以上に相当する。このことは、図13の実測結果から明らかであり、図13は横軸にガイドレール31とマグネット部71との間の距離X、縦軸に搬送ムラの振幅を表している。
これにより、ガイドレール31及び被ガイド部材32が磁石に吸い付く強磁性体である場合でも、マグネット部71とガイドレール31との間で発生する推力変動により生じる搬送ムラによる画像ムラが問題ない(視認できない)レベルに低減することができ、高画質の画像を得ることができる。ここで、磁極位置とはN極同士又はS極同士が対向して配置されたマグネット部71の円柱表面の磁束密度が一番大きい位置である。
【0033】
さらに、マグネット部71を、ワイヤロープ6から距離Xw≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置する。具体的には、半径10mm、磁極位置表面の磁束密度を600mTとすると、距離Xは約20mm以上に相当する。このことは、図15の実測結果から明らかであり、図15は横軸にワイヤロープ6とマグネット部71との間の距離Xw、縦軸に搬送ムラの振幅を表している。
これにより、マグネット部71の磁束密度の位置変化により、強磁性材料からなるワイヤロープ6のプーリ52への巻き付き位置ずれによって生じる測長部の位置誤差による画像ムラが問題ない(視認できない)レベルに低減することができ高画質の画像が得られる。
【0034】
図11は、上記光学ユニット1を移動板33の上に、移動板33に対して平行となるように取り付けた場合におけるガイドレール31、被ガイド部材32、マグネット部71、ワイヤロープ6、ロータリエンコーダ51、光電変換器12等の位置関係を模式的に表した図であり、(a)はX−Z平面図、(b)はY−Z平面図である。(c)は、マグネット部71とガイドレール31との高さが異なる場合を示している。
図11に示す場合は、マグネット部71を、光学ユニット1の光電変換器12から距離Xp≧r×{(φ/20)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置することが好ましい。具体的には、半径10mm、磁極位置表面の磁束密度を600mTとすると、距離Xpは約25mm以上に相当する。このことは、図14の実測結果から明らかであり、図14は横軸に光電変換器12とマグネット部71との間の距離Xp、縦軸に搬送ムラの振幅を表している。
これによって、移動板33を配置することで、マグネット部71の磁束密度の位置変化により光電変換器12で増幅された電子が磁束にトラップされることで生じる増幅率変化によって生じる電気信号揺らぎによる画像ムラが問題ない(視認できない)レベルに低減することができ、高画質の画像が得られる。
なお、図11には示さないが、輝尽性蛍光体プレートPは、光学ユニット1の上方に対向して配置されているものとする。
【0035】
次に、上述の構成からなる画像読取装置の動作について説明する。
搬送手段によって輝尽性蛍光体プレートPが画像読取装置の内部に取り込まれて、固定板8に固定される。画像の読取処理を行う際には、まず、リニアモータ7を駆動させて、光学ユニット1を支持する移動板33をガイドレール31に沿って水平方向に移動させる。
これにより、光学ユニット1が輝尽性蛍光体プレートPのレーザ照射面に対向する位置まで移動され、輝尽性蛍光体プレートPの水平方向に沿って移動しながら、レーザ光照射装置からレーザ光が走査される。このときレーザ光は光学ユニット1の移動方向と直交する方向に走査させながら照射される。その結果、励起された輝尽発光光が導光板13により導かれて集光管11に集光され、光電変換器12によって電気信号に変換される。
このように光学ユニット1及び移動板33が水平方向に移動することによって、移動板33に設けられたロータリエンコーダユニット5のロータリエンコーダ51が連動して移動することで、プーリ52及び回転軸が回転する。これによって、ロータリエンコーダ51がプーリ52の回転位置を検出し、検出された回転速度情報がリニアモータ7のフィードバック制御部100に出力される。
【0036】
ロータリエンコーダ51によって検出された回転速度情報は、差分回路101にて予め設定された設定速度から得られた設定速度信号と比較され、その結果に応じてモータ駆動回路102がリニアモータ7の駆動を制御する。
【0037】
なお、リニアモータ7の駆動方法は、周知の駆動方法が用いられる。例えば、インバータ制御により交流の駆動電流の周波数と電圧とを変更することによりリニアモータ7の移動速度を制御することができる。また、PWM制御により、リニアモータ7の可動コイル73に入力するパルス電圧のパルス幅によって制御するものとしても良い。
このようにロータリエンコーダ51の回転速度を常に検出し、その検出結果に基づいてリニアモータ7の移動速度を制御することによって、光学ユニット1の移動速度を一定に保つことができる。よって、輝尽性蛍光体プレートPに蓄積された放射線エネルギーを等間隔に励起して、搬送方向(移動方向)に画像ムラが極めて少ない、良好な画像を得ることができる。
【0038】
輝尽性蛍光体プレートPの一方の端部まで光学ユニット1による読取処理が完了すると、リニアモータ7を停止させる。
その後、図示しない消去装置によって、輝尽性蛍光体プレートPに対して消去光を照射させ、これにより輝尽性蛍光体プレートPに残存する放射線画像を消去させる。そして、さらに別のプレート搬送手段(図示しない)によって輝尽性蛍光体プレートPを画像読取装置の外部へと搬送させる。
【0039】
[第2の実施の形態]
図7は、本発明の第2の実施の形態の画像読取装置における搬送機構の斜視図、図8は、図7におけるX−Z平面図、図9は、図7におけるX−Y平面図、図10は、図7におけるY−Z平面図である。
本発明の第2の実施の形態の画像読取装置は、第1の実施の形態と異なり、光学ユニット1が基台4に固定され、輝尽性蛍光体プレート(搬送体)Pが水平方向に移動するように構成されている。
すなわち、図7〜図10に示すように、基台4の上面に対向して光学ユニット1が配置され、基台4と光学ユニット1との間に輝尽性蛍光体プレートPが配置されている。輝尽性蛍光体プレートPは、その下面に取り付けられた固定板8が、基台4に対して移動可能な移動板(搬送体)33に取り付けられており、これによって輝尽性蛍光体プレートPは基台4に対して移動可能とされている。
【0040】
なお、以下に説明する第1の実施の形態と同様の構成部分については、同様の符号を付すこととする。
基台4の上面の略中央に、支持部材2、支持部材2上にガイドレール31が設けられている。また、ガイドレール31には被ガイド部材32が係合し、被ガイド部材32は移動板33の下面略中央に取り付けられている。
このように、輝尽性蛍光体プレートPは、支持部材2、ガイドレール31、被ガイド部材32、移動板33等によって基台4上に支持されており、光学ユニット1に対向して配置されている。
【0041】
また、基台4上面には、第1の実施の形態と同様のリニアモータ7、リニアモータ保持部72、マグネット部71、可動コイル73が設けられ、さらに、保持部材9、固定部材91a、91bが設けられている。そして、固定部材91a、91bにワイヤロープ6の両端部が高さが異なるように固定され、ロータリエンコーダユニット5のプーリ52にワイヤロープ6が1回転以上巻き付いて連結されている。
【0042】
ロータリエンコーダユニット5も、第1の実施の形態と同様に、移動板33に固定されて移動可能な支持台53と、ロータリエンコーダ51と、プーリ52とを備えている。
【0043】
その他、第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様のフィードバック制御部100を備え、また、光学ユニット1も第1の実施の形態と同様の機能を有する。
【0044】
また、ガイドレール31、リニアモータ7のマグネット部71、被ガイド部材32、ワイヤロープ6、ロータリエンコーダ51等の位置関係は、第1の実施の形態で説明した通りである。
すなわち、図6と同様にマグネット部71とガイドレール31との間の水平方向距離Xzは、Xz≦3√(I/m)以下が好ましい。さらに、磁束密度φとの関係では、距離X≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となることが好ましい。
また、マグネット部71とワイヤロープ6との距離Xwは、距離Xw≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となることが好ましい。
なお、第2の実施の形態においては、光学ユニット1は固定されており、移動しないので、光学ユニット1の光電変換器12で増幅される電子が磁束によりトラップする量は変動しないため、画像ムラとしては現れないので第1の実施の形態のように距離Xpに制限を設ける必要はない。但し、近づけると増幅率が低下するため、Xp以上離して配置した方が好ましい。
【0045】
次に、上述の構成からなる画像読取装置の動作について説明する。
搬送手段によって輝尽性蛍光体プレートPが画像読取装置の内部に取り込まれて、固定板8に固定される。画像の読取処理を行う際には、まず、リニアモータ7を駆動させて、輝尽性蛍光体プレートPを支持する移動板33をガイドレール31に沿って水平方向に移動させる。
これにより、輝尽性蛍光体プレートPが光学ユニット1のレーザ照射面に対向する位置まで移動され、光学ユニット1の水平方向に沿って移動しながら、レーザ光照射装置からレーザ光が走査される。このときレーザ光は光学ユニット1の移動方向と直交する方向に走査させながら照射される。その結果、励起された輝尽発光光が導光板13により導かれて集光管11に集光され、光電変換器12によって電気信号に変換される。
このように輝尽性蛍光体プレートP及び移動板33が水平方向に移動することによって、移動板33に設けられたロータリエンコーダユニット5のロータリエンコーダ51が連動して移動することで、プーリ52及び回転軸が回転する。これによって、ロータリエンコーダ51がプーリ52の回転位置を検出し、検出された回転速度情報がリニアモータ7のフィードバック制御部100に出力される。
【0046】
ロータリエンコーダ51によって検出された回転速度は、差分回路101にて予め設定された設定速度から得られた設定速度信号と比較され、その結果に応じてモータ駆動回路102がリニアモータ7の駆動を制御する。
このようにロータリエンコーダ51の回転速度を常に検出し、その検出結果に基づいてリニアモータ7の移動速度を制御することによって、輝尽性蛍光体プレートPの移動速度を一定に保つことができる。よって、輝尽性蛍光体プレートPに蓄積された放射線エネルギーを等間隔に励起して、搬送方向(移動方向)に画像ムラが極めて少ない、良好な画像を得ることができる。
【0047】
輝尽性蛍光体プレートPの一方の端部まで光学ユニット1による読取処理が完了すると、リニアモータ7を停止させ、その後、図示しない消去装置によって、輝尽性蛍光体プレートPに対して消去光を照射させ、輝尽性蛍光体プレートPに残存する放射線画像を消去させる。そして、さらに別のプレート搬送手段(図示しない)によって輝尽性蛍光体プレートPを画像読取装置の外部へと搬送させる。
【0048】
なお、本発明の実施の形態は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限り適宜変更可能である。
例えば、被ガイド部材は、一つであっても良いが、複数、特に2つある方が安定して光学ユニット1や輝尽性蛍光体プレートPを搬送できる点で好ましい。
さらに、ロータリエンコーダ51も、電気部品であるため、マグネット部71との間の距離を、距離Xw以上の範囲とすることが好ましい。
【0049】
また、上記実施の形態では、輝尽性蛍光体プレートPに蓄積された放射線画像の情報を、レーザ光を照射して画像を読み取る画像読取装置を例に挙げて説明したが、輝尽性蛍光体プレートPの代わりに、感光材料(記録媒体(記録対象))にレーザ光を照射して、感光材料に画像を形成する画像形成装置に適用しても構わない。
また、紙などの記録媒体にインクを吐出する画像形成装置に適用しても構わない。主走査としてレーザ光を搬送方向に垂直に走査させて照射せずに、ドラムに輝尽性蛍光体シートや感光材料や紙を巻き付けて主走査する機構でも構わない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すためのもので、画像読取装置における搬送機構の斜視図である。
【図2】図1の搬送機構におけるX−Z平面図である。
【図3】図1の搬送機構におけるX−Y平面図である。
【図4】図1の搬送機構におけるY−Z平面図である。
【図5】画像読取装置のフィードバック制御部を示すブロック図である。
【図6】(a)〜(c)は、ガイドレール、被ガイド部材、リニアモータのマグネット部、ワイヤロープ、ロータリエンコーダ等の位置関係を模式的に表した図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態を示すためのもので、画像読取装置における搬送機構の斜視図である。
【図8】図7の搬送機構におけるX−Z平面図である。
【図9】図7の搬送機構におけるX−Y平面図である。
【図10】図7の搬送機構におけるY−Z平面図である。
【図11】(a)〜(c)は、変形例を示すためのもので、ガイドレール、被ガイド部材、マグネット部、ワイヤロープ、ロータリエンコーダ、光電変換器等の位置関係を模式的に表した図である。
【図12】横軸にガイドレールとマグネット部との間の水平方向距離Xz、縦軸に搬送ムラの振幅を表した図である。
【図13】横軸にガイドレールとマグネット部との間の距離X、縦軸に搬送ムラの振幅を表した図である。
【図14】横軸に光電変換器とマグネット部との間の距離Xp、縦軸に搬送ムラの振幅を表した図である。
【図15】横軸にワイヤロープとマグネット部との間の距離Xw、縦軸に搬送ムラの振幅を表した図である。
【符号の説明】
【0051】
1 光学ユニット(読取部、搬送体)
6ワイヤロープロープ(変換手段)
7 リニアモータ
12 光電変換器(光電子増倍管)
31 ガイドレール(ガイド部材)
32 被ガイド部材
33 移動板(搬送体)
51 ロータリエンコーダ(回転検出手段)
52 プーリ(変換手段、回転体)
71 マグネット部(シャフト状磁石)
P 輝尽性蛍光体プレート(記録媒体、搬送体)
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を担持する記録媒体上から画像を読み取る画像読取装置及び所定の媒体に所定の画像を記録する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線画像のような放射線画像は、病気診断などに多く用いられている。従来では、このような放射線画像を得るために、被写体を通過したX線を蛍光体層(蛍光スクリーン)に照射し、これにより可視光を生じさせてこの可視光を通常の写真を撮るときと同じように銀塩を使用したフィルムに照射して現像した、いわゆる放射線写真が利用されていた。しかし、近年銀塩を塗布したフィルムを使用しないで蛍光体層から直接画像を取り出す手法が工夫されるようになった。
この手法の一例としては、患者などの被写体を透過した放射線を蛍光体に吸収せしめ、しかる後、この蛍光体を例えば、光又は熱エネルギーで励起することによりこの蛍光体が上記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光として放射せしめ、この蛍光を検出して画像化するものがある。支持体上に輝尽性蛍光体層を形成した輝尽性蛍光体プレートを使用するもので、この輝尽性蛍光体プレートの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を当てて、被写体各部の放射線透過度に対応する放射線エネルギーを蓄積させて潜像を形成し、しかる後に、この輝尽性蛍光体層を輝尽励起光で走査することによって、各部の蓄積された放射線エネルギーを放射させて、これを光に変換し、この光の強弱をフォトマルなどの光電変換手段を介して画像信号に変換して、デジタル画像データとして放射線画像を得るものである。
このようなデジタル画像データに基づいて、銀塩フィルムに画像形成が行われ、あるいはCRT等に画像が出力されて可視化される。また、デジタル画像データは、半導体記憶装置、磁気記憶装置、光ディスク記憶装置等の画像記憶装置に格納され、その後、必要に応じてこれら画像記憶装置から取り出されて銀塩フィルム、CRT等を介して可視化されることができる。
【0003】
ところで、輝尽性蛍光体プレートを輝尽励起光で走査する場合に、輝尽性蛍光体プレートに対して画像読取部(光学ユニット)を一定の速度で精密に相対移動させなければならない。そのため、従来技術においては、リニアモータ、ロータリエンコーダ、ロータリエンコーダの回転軸に連結されたプーリ、プーリに巻き付けられたワイヤロープ等によって搬送体を搬送させる方法が示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、搬送機構においては、2本のガイド部材で搬送体を直線上に摺動可能に保持して往復搬送させており、装置の小型化及び低コストの面で好ましくない。そのため、1本のガイド部材で搬送体を保持し、さらに搬送手段としてシャフト型リニアモータを使用する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平9−222318号公報
【特許文献2】特開2005−70533号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献2に記載の画像読取装置を搬送体が水平面上を搬送させる構成とした場合に、上記特許文献2の垂直搬送の構成では問題にならなかった搬送ムラ(画像ムラ)の課題が発生した。すなわち、ガイド部材を1本で案内して水平搬送させたことに伴って、ガイド部材及びリニアモータの位置によって、搬送体がヨーイング方向の回転力を受けることで、ヨーイング方向の回転運動に伴う搬送ムラとリニアモータの漏れ磁束による外乱で生じる搬送ムラが大きくなり、搬送性能の低下を引き起こすという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、水平面を直線上に往復搬送する搬送体を案内するガイド部材を1本の構成とした場合においても、画像ムラを低減して高品質な画像を得ることのできるシャフト型リニアモータのシャフト磁石の配置位置を提供し、高画質な画像を得ることのできる画像読取装置及び画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、画像が記録された記録媒体上から画像を読み取る画像読取装置において、
画像が記録された記録媒体又は前記記録媒体に記録された画像を読み取る読取部のいずれか一方の搬送体を直線上に搬送させるよう案内するガイド部材と、
前記ガイド部材に案内されて前記搬送体をガイド部材に沿って搬送させる被ガイド部材と、
前記ガイド部材に対して平行に配されて、前記搬送体を搬送させるシャフト型リニアモータとを備え、
前記搬送体の質量をmとし、
前記搬送体の水平方向に回転するヨーイング方向の慣性モーメントをIとした場合に、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石が、前記ガイド部材から水平方向距離Xz≦3√(I/m)以下となる位置に配置されていることを特徴とする。
【0006】
請求項5の発明は、所定の記録媒体上に画像を記録する画像形成装置において、
前記記録媒体又は前記記録媒体に画像を記録する記録部のうちいずれか一方の搬送体を直線上に搬送させるよう案内するガイド部材と、
前記ガイド部材に案内されて前記搬送体をガイド部材に沿って搬送させる被ガイド部材と、
前記ガイド部材に対して平行に配されて、前記搬送体を搬送させるシャフト型リニアモータとを備え、
前記搬送体の質量をmとし、
前記搬送体の水平方向に回転するヨーイング方向の慣性モーメントをIとした場合に、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石が、前記ガイド部材から水平方向距離Xz≦3√(I/m)以下となる位置に配置されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1、5の発明によれば、シャフト状磁石を、ガイド部材から水平方向距離Xz≦3√(I/m)以下となる位置に配置することで、搬送体に加わるヨーイング方向の回転運動を画像ムラとして問題ない(視認できない)レベルに低減することができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の画像読取装置において、
前記シャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト状磁石が、前記ガイド部材から距離X≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする。
【0009】
請求項6の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、
前記シャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト状磁石が、前記ガイド部材から距離X≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2、6の発明によれば、シャフト状磁石を、ガイド部材から距離X≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置することで、シャフト状磁石とガイド部材との間で発生する推力変動により生じる搬送ムラによる画像ムラが問題ない(視認できない)レベルに低減することができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の画像読取装置において、
前記記録媒体が輝尽性蛍光体シートであり、前記読取部が前記輝尽性蛍光体シートに励起光を照射して前記輝尽性蛍光体シートから発せられる輝尽発光光を集光し光電変換させる光電子増倍管を有し、
前記シャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト状磁石が、前記光電子増倍管から距離Xp≧r×{(φ/20)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明によれば、シャフト状磁石を、光電子増倍管から距離Xp≧r×{(φ/20)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置することで、シャフト状磁石の磁束密度の位置変化により光電子増倍管で増幅された電子が磁束にトラップされることで生じる増幅率変化によって生じる電気信号揺らぎによる画像ムラが問題ない(視認できない)レベルに低減することができ、高画質の画像が得られる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
前記搬送体の位置を検出する位置検出手段として、搬送体の直線運動を回転運動に変換する変換手段と、
回転運動の回転位置を検出する回転検出手段とを備え、
前記変換手段として、ワイヤロープとプーリからなり、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石が、前記ワイヤロープから距離Xw≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項5又は6に記載の画像形成装置において、
前記搬送体の位置を検出する位置検出手段として、搬送体の直線運動を回転運動に変換する変換手段と、
回転運動の回転位置を検出する回転検出手段とを備え、
前記変換手段として、ワイヤロープとプーリからなり、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石が、前記ワイヤロープから距離Xw≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項4、7の発明によれば、シャフト状磁石を、ワイヤロープから距離Xw≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置することにで、シャフト状磁石の磁束密度の位置変化により、磁石に吸い付く強磁性材料からなるワイヤロープのプーリへの巻き付き位置ずれによって生じる測長部の位置誤差による画像ムラが問題ない(視認できない)レベルに低減することができ、高画質の画像が得られる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置によれば、搬送性能の向上を図れ、画像ムラを低減して高品質な画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の第1〜第2の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
なお、本発明において、輝尽性蛍光体シートは単体では剛性が無く、装置内での取り扱いが難しいため、輝尽性蛍光体シートを単体で扱うことは少なく、多くの場合は金属板や樹脂板などの支持体に貼付したり、カセッテと呼ばれる着脱自在のケースに収納してカセッテ内面に接着するなどして支持している。このように、輝尽性蛍光体シートが上記支持体やカセッテに支持された構成を以下の説明では輝尽性蛍光体プレートと呼ぶこととする。また、この輝尽性蛍光体プレートは、その支持体側がラバーマグネット等で固定板に取り付けられることにより支持されている。
この輝尽性蛍光体プレートは、撮影時に被写体を透過した放射線が吸収され、そのエネルギーの一部が輝尽性蛍光体中の放射線画像の情報として蓄積される。本発明に係る画像読取装置は、このような輝尽性蛍光体中に蓄積された放射線画像の情報を読み取る装置である。
【0018】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態の画像読取装置における搬送機構の斜視図、図2は、図1におけるX−Z平面図、図3は、図1におけるX−Y平面図、図4は、図1におけるY−Z平面図、図5は、フィードバック制御部を示すブロック図である。
図1〜図5に示すように、画像読取装置は、輝尽性蛍光体プレート(記録媒体)Pにレーザ光照射装置(図示しない)からのレーザ光を走査しながら照射して輝尽性蛍光体プレートPから発せられる輝尽発光光を集光し、光電変換させて画像情報を読み取る光学ユニット(読取部)1と、基台4上に設けられた支持部材2により、光学ユニット1を水平方向に移動を案内するガイドレール31が支持(固定)され、光学ユニット(搬送体)1を移動させるリニアモータ(搬送手段)7とを備えている。
【0019】
また、光学ユニット1が取り付けられた移動板33に連結し、光学ユニット1とともに移動する位置検出手段であるロータリエンコーダユニット5を備えている。ロータリエンコーダユニット5は、移動板33の直線運動を回転運動に変換するためのプーリ(回転体)52と、このプーリ52に巻き付けられたワイヤロープ6とからなる変換手段と、回転運動の回転位置を検出するロータリエンコーダ51(回転検出手段)とを備えている。
【0020】
ワイヤ6は、プーリ52に1回転以上巻き付けられて後述の固定部材91で固定されており、光学ユニット1とともに移動するロータリエンコーダユニット5が移動することで、ワイヤ6が巻き付けられたプーリ52が回転するように構成され、プーリ52の回転位置を検出するロータリエンコーダ51により回転移動量(位置)を検出し、時間微分することによって移動速度が求められる。また、フィードバック制御により、検出された移動速度と予め設定された設定速度(目標速度)とを比較してリニアモータ7を制御するフィードバック制御部100を備えている。
以下、各構成部材について詳細に説明する。
【0021】
基台4は、略矩形板状をなしており、輝尽性蛍光体プレートPを支持する固定板8が基台4上に固定されることによって、基台4の上面に対して輝尽性蛍光体プレートPのレーザ光照射面が略垂直となるように、輝尽性蛍光体プレートPは基台4上に保持されている。
また、この輝尽性蛍光体プレートPに対向して光学ユニット1が配置されており、光学ユニット1は、下面に取り付けられた移動板(搬送体)33が基台4に対して移動可能に設けられ、これによって光学ユニット1は基台4に対して移動可能とされている。
【0022】
基台4上面の略中央には、水平方向に延在する長尺な板状の支持部材2が略水平となるように固定されている。支持部材2の上面には、光学ユニット1を水平方向に案内するガイドレール(ガイド部材)31が設けられている。
ガイドレール31は断面視略矩形状の棒状部材であって、図4に示すように、ガイドレール31に案内される断面視略コ字型状の被ガイド部材32が係合している。そして、被ガイド部材32は移動板33の下面略中央に取り付けられている。
このように、光学ユニット1は、支持部材2、ガイドレール31、被ガイド部材32、移動板33等によって基台4上に移動可能に支持されており、輝尽性蛍光体プレートPに対向して配置されている。
【0023】
また、基台4上面で、支持部材2の側方(移動板31の略中央に設けられた被ガイド部材32の側方)には、リニアモータ7を構成するマグネット部(シャフト状磁石)71を保持するためのリニアモータ保持部72が設けられている。マグネット部71は、断面円形状の永久磁石のN極同士あるいはS極同士を規則的に対向させて複数連結してシャフト状に形成されている。
また、マグネット部71には、リニアモータ7を構成する可動コイル73が設けられている。可動コイル73は円筒状に形成されたコイルを有しており、コイルは箱状のカバー部材により覆われている。そして、可動コイル73が移動板33の下面に設けられており、リニアモータ7は可動コイル73の中心をマグネット部71が貫通するように構成されている。
【0024】
さらに、基台4上面で、リニアモータ保持部72の側方には、支持部材2と平行して水平方向に延在する長尺な板状の保持部材9が略水平となるように固定されている。保持部材9の上面の長手方向両端部には、図1に示すように、断面視略L字型の固定部材91a、91bがそれぞれ設けられており、これら固定部材91a、91bにワイヤロープ6の両端部が固定され、ワイヤロープ6にロータリエンコーダユニット5が連結されている。
【0025】
ロータリエンコーダユニット5は、移動板33に固定されて移動板33とともに移動可能な支持台53と、支持台53上に設けられたロータリエンコーダ51と、ロータリエンコーダ51の回転軸に連結されて支持台53の下面に取り付けられたプーリ52とを備えている。このようにロータリエンコーダ51の回転軸にプーリ52が取り付けられている。
【0026】
プーリ52の材質としては、磁石に吸い付かない又は吸い付け難い軟磁性材であるアルミ材等が好ましく、ワイヤロープ6は、例えばステンレス材上にナイロン等の樹脂をコーティングしたものを使用することが好ましい。プーリ52の材質はワイヤロープ6の表面硬度以上の材料が更に好ましい。アルマイト加工を施したり、ジュラルミン、ステンレスを使用することが好ましい。このようにプーリ52の材質の表面硬度をワイヤロープ6の材質の表面硬度以上とすることにより、プーリ52の摩耗を抑制することができ、プーリ52自身の耐久性を向上させることができるとともに摩耗による等速回転の悪化を抑制することができる。
【0027】
このようにプーリ52に巻き付けられたワイヤロープ6は、光学ユニット1及び移動板33の移動に連動してロータリエンコーダ51が移動することで、プーリ52が回転するように構成され、ロータリエンコーダ51がプーリ52の回転位置を検出する。そして、検出された回転速度情報がリニアモータ7の回転速度を制御するフィードバック制御部100に出力されるようになっている。
【0028】
フィードバック制御部100は、図5に示すように、速度演算部103と差分回路101と制御器104とモータ駆動回路102とを備えている。
速度演算部103では、ロータリエンコーダ51から入力された回転位置を位置信号に変換し、位置信号を時間微分することで搬送体(光学ユニット1と移動板33)の速度を演算する。差分回路101には上記演算した速度と予め設定された設定速度を差分出力することで、速度誤差信号を生成する。
制御器104では、速度制御信号に基づいて、例えばPID制御演算しモータに出力するトルク指令信号を生成し、モータ駆動回路102にてトルク指令信号と搬送体の位置に応じてリニアモータ7に駆動電力を供給する。
なお、速度フィードバック制御の例を示したが、速度の代わりに位置をフィードバックする位置フィードバック制御で構成しても良いし、制御器104としてPID制御の例を挙げたが、H∞制御のような現代制御器で構成してもフィードバック制御できる構成であれば特に限定するものではない。
【0029】
一方、光学ユニット1は、レーザ光L1を輝尽性蛍光体プレートPの移動方向と直交する方向に走査させながら輝尽性蛍光体プレートPに対して照射するレーザ光照射装置と、レーザ光照射装置により輝尽性蛍光体プレートPにレーザ光L1が照射されることで励起された輝尽発光光L2を導く導光板13と、導光板13により導かれた輝尽発光光L2を集光する集光管11と、集光管11により集光された輝尽発光光L2を電気信号に変換する光電変換器(光電子増倍管)12とを有している。
【0030】
なお、本発明の画像読取装置には、図示しないが光学ユニット1により放射線エネルギーの読取処理がなされた後、輝尽性蛍光体プレートPに残留する放射線エネルギーを放出させるために輝尽性蛍光体プレートPに対して消去光を照射する消去装置が設けられている。
【0031】
次に、図6を参照して、ガイドレール31、被ガイド部材32、リニアモータ7、マグネット部71、ワイヤロープ6、ロータリエンコーダ51等の位置関係について説明する。
図6(a)は、上記各構成部材の位置関係について図2を模式的に表した図であり、(b)は、図4を模式的に表した図である。(c)は、マグネット部71とガイドレール31との高さが異なる場合を示している。
ガイドレール31を移動する搬送体である光学ユニット1及び移動板33の質量をmとし、これら光学ユニット1及び移動板33の水平方向に回転するヨーイング方向の慣性モーメントをIとした場合に、マグネット部71を、ガイドレール31から距離Xz≦3√(I/m)以下となる位置に配置する。ここで求めた式は、搬送方向の加速度αs=F/mと回転方向の角加速度ωr=(αr/Xz)=F・Xz/Iから求めた式に、画像ムラが問題ない(視認できない)レベルに低減できる搬送方向の加速度と回転方向の回転加速度の比を実験から求め、式に代入して導出した式である。
ここで、Fはモータ推力であり、αrは規格化した位置の回転加速度である。具体的には、質量mが10kg、慣性モーメントIが0.043kg・m2となる搬送体を製作した場合、距離Xzは0.2m以下にすると良い。このことは、図12の実測結果から明らかであり、図12は横軸にガイドレール31とマグネット部71との間の水平方向距離Xz、縦軸に搬送ムラの振幅を表している。搬送ムラとは、画像読取時に一定速度で搬送するのに対して変動する速度の最大振幅である。
これにより、移動板31及び光学ユニット1からなる搬送体に加わるヨーイング方向の力により搬送体が回転方向に回転変位することで生じる画像ムラを問題ない(視認できない)レベルに低減することができ、高画質の画像を得ることができる。
【0032】
また、マグネット部71の磁極位置表面の磁束密度をφとし、マグネット部71の円柱半径をrとした場合に、マグネット部71をガイドレール31から距離X≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置する。ここで、求めた式は、実際のシャフト状磁石の磁極位置表面から距離Xの磁束密度を測定した結果がφX=φ{r/(r+X)}^exp(1)で近似できることを求めた式と、ガイドレール31及び被ガイド部材32からシャフト状磁石の距離X離した時の実際に測定した搬送ムラ(画像ムラ)から求めた距離の関係から式を導出して求めた式である。具体的には、半径10mm、磁極位置表面の磁束密度を600mTとすると、距離Xは約20mm以上に相当する。このことは、図13の実測結果から明らかであり、図13は横軸にガイドレール31とマグネット部71との間の距離X、縦軸に搬送ムラの振幅を表している。
これにより、ガイドレール31及び被ガイド部材32が磁石に吸い付く強磁性体である場合でも、マグネット部71とガイドレール31との間で発生する推力変動により生じる搬送ムラによる画像ムラが問題ない(視認できない)レベルに低減することができ、高画質の画像を得ることができる。ここで、磁極位置とはN極同士又はS極同士が対向して配置されたマグネット部71の円柱表面の磁束密度が一番大きい位置である。
【0033】
さらに、マグネット部71を、ワイヤロープ6から距離Xw≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置する。具体的には、半径10mm、磁極位置表面の磁束密度を600mTとすると、距離Xは約20mm以上に相当する。このことは、図15の実測結果から明らかであり、図15は横軸にワイヤロープ6とマグネット部71との間の距離Xw、縦軸に搬送ムラの振幅を表している。
これにより、マグネット部71の磁束密度の位置変化により、強磁性材料からなるワイヤロープ6のプーリ52への巻き付き位置ずれによって生じる測長部の位置誤差による画像ムラが問題ない(視認できない)レベルに低減することができ高画質の画像が得られる。
【0034】
図11は、上記光学ユニット1を移動板33の上に、移動板33に対して平行となるように取り付けた場合におけるガイドレール31、被ガイド部材32、マグネット部71、ワイヤロープ6、ロータリエンコーダ51、光電変換器12等の位置関係を模式的に表した図であり、(a)はX−Z平面図、(b)はY−Z平面図である。(c)は、マグネット部71とガイドレール31との高さが異なる場合を示している。
図11に示す場合は、マグネット部71を、光学ユニット1の光電変換器12から距離Xp≧r×{(φ/20)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置することが好ましい。具体的には、半径10mm、磁極位置表面の磁束密度を600mTとすると、距離Xpは約25mm以上に相当する。このことは、図14の実測結果から明らかであり、図14は横軸に光電変換器12とマグネット部71との間の距離Xp、縦軸に搬送ムラの振幅を表している。
これによって、移動板33を配置することで、マグネット部71の磁束密度の位置変化により光電変換器12で増幅された電子が磁束にトラップされることで生じる増幅率変化によって生じる電気信号揺らぎによる画像ムラが問題ない(視認できない)レベルに低減することができ、高画質の画像が得られる。
なお、図11には示さないが、輝尽性蛍光体プレートPは、光学ユニット1の上方に対向して配置されているものとする。
【0035】
次に、上述の構成からなる画像読取装置の動作について説明する。
搬送手段によって輝尽性蛍光体プレートPが画像読取装置の内部に取り込まれて、固定板8に固定される。画像の読取処理を行う際には、まず、リニアモータ7を駆動させて、光学ユニット1を支持する移動板33をガイドレール31に沿って水平方向に移動させる。
これにより、光学ユニット1が輝尽性蛍光体プレートPのレーザ照射面に対向する位置まで移動され、輝尽性蛍光体プレートPの水平方向に沿って移動しながら、レーザ光照射装置からレーザ光が走査される。このときレーザ光は光学ユニット1の移動方向と直交する方向に走査させながら照射される。その結果、励起された輝尽発光光が導光板13により導かれて集光管11に集光され、光電変換器12によって電気信号に変換される。
このように光学ユニット1及び移動板33が水平方向に移動することによって、移動板33に設けられたロータリエンコーダユニット5のロータリエンコーダ51が連動して移動することで、プーリ52及び回転軸が回転する。これによって、ロータリエンコーダ51がプーリ52の回転位置を検出し、検出された回転速度情報がリニアモータ7のフィードバック制御部100に出力される。
【0036】
ロータリエンコーダ51によって検出された回転速度情報は、差分回路101にて予め設定された設定速度から得られた設定速度信号と比較され、その結果に応じてモータ駆動回路102がリニアモータ7の駆動を制御する。
【0037】
なお、リニアモータ7の駆動方法は、周知の駆動方法が用いられる。例えば、インバータ制御により交流の駆動電流の周波数と電圧とを変更することによりリニアモータ7の移動速度を制御することができる。また、PWM制御により、リニアモータ7の可動コイル73に入力するパルス電圧のパルス幅によって制御するものとしても良い。
このようにロータリエンコーダ51の回転速度を常に検出し、その検出結果に基づいてリニアモータ7の移動速度を制御することによって、光学ユニット1の移動速度を一定に保つことができる。よって、輝尽性蛍光体プレートPに蓄積された放射線エネルギーを等間隔に励起して、搬送方向(移動方向)に画像ムラが極めて少ない、良好な画像を得ることができる。
【0038】
輝尽性蛍光体プレートPの一方の端部まで光学ユニット1による読取処理が完了すると、リニアモータ7を停止させる。
その後、図示しない消去装置によって、輝尽性蛍光体プレートPに対して消去光を照射させ、これにより輝尽性蛍光体プレートPに残存する放射線画像を消去させる。そして、さらに別のプレート搬送手段(図示しない)によって輝尽性蛍光体プレートPを画像読取装置の外部へと搬送させる。
【0039】
[第2の実施の形態]
図7は、本発明の第2の実施の形態の画像読取装置における搬送機構の斜視図、図8は、図7におけるX−Z平面図、図9は、図7におけるX−Y平面図、図10は、図7におけるY−Z平面図である。
本発明の第2の実施の形態の画像読取装置は、第1の実施の形態と異なり、光学ユニット1が基台4に固定され、輝尽性蛍光体プレート(搬送体)Pが水平方向に移動するように構成されている。
すなわち、図7〜図10に示すように、基台4の上面に対向して光学ユニット1が配置され、基台4と光学ユニット1との間に輝尽性蛍光体プレートPが配置されている。輝尽性蛍光体プレートPは、その下面に取り付けられた固定板8が、基台4に対して移動可能な移動板(搬送体)33に取り付けられており、これによって輝尽性蛍光体プレートPは基台4に対して移動可能とされている。
【0040】
なお、以下に説明する第1の実施の形態と同様の構成部分については、同様の符号を付すこととする。
基台4の上面の略中央に、支持部材2、支持部材2上にガイドレール31が設けられている。また、ガイドレール31には被ガイド部材32が係合し、被ガイド部材32は移動板33の下面略中央に取り付けられている。
このように、輝尽性蛍光体プレートPは、支持部材2、ガイドレール31、被ガイド部材32、移動板33等によって基台4上に支持されており、光学ユニット1に対向して配置されている。
【0041】
また、基台4上面には、第1の実施の形態と同様のリニアモータ7、リニアモータ保持部72、マグネット部71、可動コイル73が設けられ、さらに、保持部材9、固定部材91a、91bが設けられている。そして、固定部材91a、91bにワイヤロープ6の両端部が高さが異なるように固定され、ロータリエンコーダユニット5のプーリ52にワイヤロープ6が1回転以上巻き付いて連結されている。
【0042】
ロータリエンコーダユニット5も、第1の実施の形態と同様に、移動板33に固定されて移動可能な支持台53と、ロータリエンコーダ51と、プーリ52とを備えている。
【0043】
その他、第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様のフィードバック制御部100を備え、また、光学ユニット1も第1の実施の形態と同様の機能を有する。
【0044】
また、ガイドレール31、リニアモータ7のマグネット部71、被ガイド部材32、ワイヤロープ6、ロータリエンコーダ51等の位置関係は、第1の実施の形態で説明した通りである。
すなわち、図6と同様にマグネット部71とガイドレール31との間の水平方向距離Xzは、Xz≦3√(I/m)以下が好ましい。さらに、磁束密度φとの関係では、距離X≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となることが好ましい。
また、マグネット部71とワイヤロープ6との距離Xwは、距離Xw≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となることが好ましい。
なお、第2の実施の形態においては、光学ユニット1は固定されており、移動しないので、光学ユニット1の光電変換器12で増幅される電子が磁束によりトラップする量は変動しないため、画像ムラとしては現れないので第1の実施の形態のように距離Xpに制限を設ける必要はない。但し、近づけると増幅率が低下するため、Xp以上離して配置した方が好ましい。
【0045】
次に、上述の構成からなる画像読取装置の動作について説明する。
搬送手段によって輝尽性蛍光体プレートPが画像読取装置の内部に取り込まれて、固定板8に固定される。画像の読取処理を行う際には、まず、リニアモータ7を駆動させて、輝尽性蛍光体プレートPを支持する移動板33をガイドレール31に沿って水平方向に移動させる。
これにより、輝尽性蛍光体プレートPが光学ユニット1のレーザ照射面に対向する位置まで移動され、光学ユニット1の水平方向に沿って移動しながら、レーザ光照射装置からレーザ光が走査される。このときレーザ光は光学ユニット1の移動方向と直交する方向に走査させながら照射される。その結果、励起された輝尽発光光が導光板13により導かれて集光管11に集光され、光電変換器12によって電気信号に変換される。
このように輝尽性蛍光体プレートP及び移動板33が水平方向に移動することによって、移動板33に設けられたロータリエンコーダユニット5のロータリエンコーダ51が連動して移動することで、プーリ52及び回転軸が回転する。これによって、ロータリエンコーダ51がプーリ52の回転位置を検出し、検出された回転速度情報がリニアモータ7のフィードバック制御部100に出力される。
【0046】
ロータリエンコーダ51によって検出された回転速度は、差分回路101にて予め設定された設定速度から得られた設定速度信号と比較され、その結果に応じてモータ駆動回路102がリニアモータ7の駆動を制御する。
このようにロータリエンコーダ51の回転速度を常に検出し、その検出結果に基づいてリニアモータ7の移動速度を制御することによって、輝尽性蛍光体プレートPの移動速度を一定に保つことができる。よって、輝尽性蛍光体プレートPに蓄積された放射線エネルギーを等間隔に励起して、搬送方向(移動方向)に画像ムラが極めて少ない、良好な画像を得ることができる。
【0047】
輝尽性蛍光体プレートPの一方の端部まで光学ユニット1による読取処理が完了すると、リニアモータ7を停止させ、その後、図示しない消去装置によって、輝尽性蛍光体プレートPに対して消去光を照射させ、輝尽性蛍光体プレートPに残存する放射線画像を消去させる。そして、さらに別のプレート搬送手段(図示しない)によって輝尽性蛍光体プレートPを画像読取装置の外部へと搬送させる。
【0048】
なお、本発明の実施の形態は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限り適宜変更可能である。
例えば、被ガイド部材は、一つであっても良いが、複数、特に2つある方が安定して光学ユニット1や輝尽性蛍光体プレートPを搬送できる点で好ましい。
さらに、ロータリエンコーダ51も、電気部品であるため、マグネット部71との間の距離を、距離Xw以上の範囲とすることが好ましい。
【0049】
また、上記実施の形態では、輝尽性蛍光体プレートPに蓄積された放射線画像の情報を、レーザ光を照射して画像を読み取る画像読取装置を例に挙げて説明したが、輝尽性蛍光体プレートPの代わりに、感光材料(記録媒体(記録対象))にレーザ光を照射して、感光材料に画像を形成する画像形成装置に適用しても構わない。
また、紙などの記録媒体にインクを吐出する画像形成装置に適用しても構わない。主走査としてレーザ光を搬送方向に垂直に走査させて照射せずに、ドラムに輝尽性蛍光体シートや感光材料や紙を巻き付けて主走査する機構でも構わない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すためのもので、画像読取装置における搬送機構の斜視図である。
【図2】図1の搬送機構におけるX−Z平面図である。
【図3】図1の搬送機構におけるX−Y平面図である。
【図4】図1の搬送機構におけるY−Z平面図である。
【図5】画像読取装置のフィードバック制御部を示すブロック図である。
【図6】(a)〜(c)は、ガイドレール、被ガイド部材、リニアモータのマグネット部、ワイヤロープ、ロータリエンコーダ等の位置関係を模式的に表した図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態を示すためのもので、画像読取装置における搬送機構の斜視図である。
【図8】図7の搬送機構におけるX−Z平面図である。
【図9】図7の搬送機構におけるX−Y平面図である。
【図10】図7の搬送機構におけるY−Z平面図である。
【図11】(a)〜(c)は、変形例を示すためのもので、ガイドレール、被ガイド部材、マグネット部、ワイヤロープ、ロータリエンコーダ、光電変換器等の位置関係を模式的に表した図である。
【図12】横軸にガイドレールとマグネット部との間の水平方向距離Xz、縦軸に搬送ムラの振幅を表した図である。
【図13】横軸にガイドレールとマグネット部との間の距離X、縦軸に搬送ムラの振幅を表した図である。
【図14】横軸に光電変換器とマグネット部との間の距離Xp、縦軸に搬送ムラの振幅を表した図である。
【図15】横軸にワイヤロープとマグネット部との間の距離Xw、縦軸に搬送ムラの振幅を表した図である。
【符号の説明】
【0051】
1 光学ユニット(読取部、搬送体)
6ワイヤロープロープ(変換手段)
7 リニアモータ
12 光電変換器(光電子増倍管)
31 ガイドレール(ガイド部材)
32 被ガイド部材
33 移動板(搬送体)
51 ロータリエンコーダ(回転検出手段)
52 プーリ(変換手段、回転体)
71 マグネット部(シャフト状磁石)
P 輝尽性蛍光体プレート(記録媒体、搬送体)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が記録された記録媒体上から画像を読み取る画像読取装置において、
画像が記録された記録媒体又は前記記録媒体に記録された画像を読み取る読取部のいずれか一方の搬送体を直線上に搬送させるよう案内するガイド部材と、
前記ガイド部材に案内されて前記搬送体をガイド部材に沿って搬送させる被ガイド部材と、
前記ガイド部材に対して平行に配されて、前記搬送体を搬送させるシャフト型リニアモータとを備え、
前記搬送体の質量をmとし、
前記搬送体の水平方向に回転するヨーイング方向の慣性モーメントをIとした場合に、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石が、前記ガイド部材から水平方向距離Xz≦3√(I/m)以下となる位置に配置されていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記シャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト状磁石が、前記ガイド部材から距離X≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記記録媒体が輝尽性蛍光体シートであり、前記読取部が前記輝尽性蛍光体シートに励起光を照射して前記輝尽性蛍光体シートから発せられる輝尽発光光を集光し光電変換させる光電子増倍管を有し、
前記シャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト状磁石が、前記光電子増倍管から距離Xp≧r×{(φ/20)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記搬送体の位置を検出する位置検出手段として、搬送体の直線運動を回転運動に変換する変換手段と、
回転運動の回転位置を検出する回転検出手段とを備え、
前記変換手段として、ワイヤロープとプーリからなり、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石が、前記ワイヤロープから距離Xw≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
所定の記録媒体上に画像を記録する画像形成装置において、
前記記録媒体又は前記記録媒体に画像を記録する記録部のうちいずれか一方の搬送体を直線上に搬送させるよう案内するガイド部材と、
前記ガイド部材に案内されて前記搬送体をガイド部材に沿って搬送させる被ガイド部材と、
前記ガイド部材に対して平行に配されて、前記搬送体を搬送させるシャフト型リニアモータとを備え、
前記搬送体の質量をmとし、
前記搬送体の水平方向に回転するヨーイング方向の慣性モーメントをIとした場合に、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石が、前記ガイド部材から水平方向距離Xz≦3√(I/m)以下となる位置に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記シャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト状磁石が、前記ガイド部材から距離X≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記搬送体の位置を検出する位置検出手段として、搬送体の直線運動を回転運動に変換する変換手段と、
回転運動の回転位置を検出する回転検出手段とを備え、
前記変換手段として、ワイヤロープとプーリからなり、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石が、前記ワイヤロープから距離Xw≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
【請求項1】
画像が記録された記録媒体上から画像を読み取る画像読取装置において、
画像が記録された記録媒体又は前記記録媒体に記録された画像を読み取る読取部のいずれか一方の搬送体を直線上に搬送させるよう案内するガイド部材と、
前記ガイド部材に案内されて前記搬送体をガイド部材に沿って搬送させる被ガイド部材と、
前記ガイド部材に対して平行に配されて、前記搬送体を搬送させるシャフト型リニアモータとを備え、
前記搬送体の質量をmとし、
前記搬送体の水平方向に回転するヨーイング方向の慣性モーメントをIとした場合に、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石が、前記ガイド部材から水平方向距離Xz≦3√(I/m)以下となる位置に配置されていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記シャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト状磁石が、前記ガイド部材から距離X≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記記録媒体が輝尽性蛍光体シートであり、前記読取部が前記輝尽性蛍光体シートに励起光を照射して前記輝尽性蛍光体シートから発せられる輝尽発光光を集光し光電変換させる光電子増倍管を有し、
前記シャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト状磁石が、前記光電子増倍管から距離Xp≧r×{(φ/20)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記搬送体の位置を検出する位置検出手段として、搬送体の直線運動を回転運動に変換する変換手段と、
回転運動の回転位置を検出する回転検出手段とを備え、
前記変換手段として、ワイヤロープとプーリからなり、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石が、前記ワイヤロープから距離Xw≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
所定の記録媒体上に画像を記録する画像形成装置において、
前記記録媒体又は前記記録媒体に画像を記録する記録部のうちいずれか一方の搬送体を直線上に搬送させるよう案内するガイド部材と、
前記ガイド部材に案内されて前記搬送体をガイド部材に沿って搬送させる被ガイド部材と、
前記ガイド部材に対して平行に配されて、前記搬送体を搬送させるシャフト型リニアモータとを備え、
前記搬送体の質量をmとし、
前記搬送体の水平方向に回転するヨーイング方向の慣性モーメントをIとした場合に、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石が、前記ガイド部材から水平方向距離Xz≦3√(I/m)以下となる位置に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記シャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト状磁石が、前記ガイド部材から距離X≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記搬送体の位置を検出する位置検出手段として、搬送体の直線運動を回転運動に変換する変換手段と、
回転運動の回転位置を検出する回転検出手段とを備え、
前記変換手段として、ワイヤロープとプーリからなり、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石の磁極位置表面の磁束密度をφとし、
前記シャフト状磁石の円柱半径をrとした場合に、
前記シャフト型リニアモータのシャフト状磁石が、前記ワイヤロープから距離Xw≧r×{(φ/30)^(1/exp(1))−1}以上となる位置に配置されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−17870(P2007−17870A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−201743(P2005−201743)
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】
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