説明

画像識別装置及び画像識別に用いられるデータベースシステム

【課題】 美術品等の画像情報に基づき、その画像情報が表す物体の作者等の属性情報を知ることができる画像識別装置を提供することである。
【解決手段】 ディジタルカメラ10が絵画12を撮影し、その絵画のディジタル画像を生成する。特徴量算出手段14は絵画のディジタル画像の特徴量を算出する。検索手段16は、算出した特徴量と、データベース18中に格納されている特徴量とを比較し、合致する特徴量に対応する画像情報を見つけだす。さらに、検索手段16は、見つけだした画像情報の属性情報である作者名、絵画の名称等をデータベース18から読み出し、出力手段20に送出する。出力手段20は、供給されてきた作者名、絵画の名称等を表示手段22に表示させる。このようにして、利用者は絵画の名称や作者名を容易に知ることができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像識別装置に関する。特に、絵画等の画像を取得し、その絵画の作者等を知ることができる画像識別装置に関する。また、この画像識別装置が利用するデータ構造を有する記録媒体、及びこの画像識別装置が利用するデータベースシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、絵画等の美術品をディジタル情報で保存しようとするいわゆるディジタルアーカイブ事業が広く行われている。このように美術品をディジタル情報で保存することにより、実物と異なり、半永久的な保存が可能となる。また、このような美術品のデータベースを作成することによって、例えば、作品名からその美術品を瞬時に表示することも可能となり、美術品に関する教育・研究に寄与すると考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなディジタルアーカイブ事業による美術品のデータベースによれば、作品名、作者名等から美術品を瞬時に検索することができるが、逆に、絵画等の画像情報からその作者名や作品名を知ること、すなわちデータベースの逆引きは困難であった。
【0004】また、植物図鑑等においても、植物の品種名からその植物の絵を検索する索引は存在しても、植物の画像(絵)からその植物の品種名を知ることは困難であった。
【0005】例えば、野外等に存在する植物の品種名を知りたい場合に、植物の画像から、その植物の品種名がわかるシステムが存在すれば、教育・研究に大きく資することは容易に予想できる。
【0006】美術品に関しても、その絵画等の画像に基づき、その作品名や作者名がわかれば教育・研究に大きく寄与することは想像に難くない。
【0007】しかしながら、従来、画像情報に基づき、その画像情報が表す物体(植物、美術品)の属性(品種名、作者名)を知ることができるシステム、ひいてはデータベースは知られていない。
【0008】本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであり、その目的は、美術品等の画像情報に基づき、その画像情報が表す物体の作者等の属性情報を知ることができるシステムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の本発明は、上記課題を解決するために、与えられた入力画像情報の特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記算出した特徴量と合致する特徴量を有する画像情報を、データベースから検索し、この検索によって見いだされた画像情報が表す物体の属性情報を、前記データベースから読み出す検索手段と、前記読み出した属性情報を出力する属性情報出力手段と、を含むことを特徴とする画像識別装置である。
【0010】このような構成によれば、特徴量を用いて検索しているため、画像情報が表す物体の属性情報を効率的に得ることができる。
【0011】第2の本発明は、画像情報と、前記画像情報が表す物体の属性情報と、前記画像情報の特徴量と、を格納するデータベースと、与えられた入力画像情報の特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記算出した特徴量と合致する特徴量を有する画像情報を、前記データベースから検索し、この検索によって見いだされた画像情報が表す物体の属性情報を、前記データベースから読み出す検索手段と、前記読み出した属性情報を出力する属性情報出力手段と、を含むことを特徴とする画像識別装置である。
【0012】このような構成によればデータベースを含んでいるため、外部のデータベースにアクセスする必要がない。
【0013】第3の本発明は、物体の画像情報を生成するディジタルカメラ手段、を備え、前記ディジタルカメラ手段が、前記入力画像情報を生成することを特徴とする画像識別装置である。
【0014】物体の画像を生成するためにディジタルカメラ手段を備えているため、眼前にある物体に基づき、迅速に画像情報を生成することができ、その物体の属性情報を迅速に得ることができる。
【0015】第4の本発明は、前記物体は、美術品であり、前記属性情報には、少なくとも前記美術品の作者名及び作品名が含まれていることを特徴とする画像識別装置である。
【0016】このような構成によれば、美術品の作者名等を迅速に知ることができる。
【0017】第5の本発明は、前記物体は、絵画であり、前記属性情報には、少なくとも前記絵画の作者名及び作品名が含まれていることを特徴とする画像識別装置。
【0018】このような構成によれば、絵画の作品名等を迅速に知ることができる。
【0019】第6の本発明は、前記物体は、衣服であり、前記属性情報には、少なくとも前記衣服のブランド名が含まれていることを特徴とする画像識別装置である。
【0020】このような構成によれば、衣服のブランド名等を迅速に知ることができる。
【0021】第7の本発明は、前記物体は、ネクタイであり、前記画像情報は、前記ネクタイの柄を表す画像情報であることを特徴とする画像識別装置である。
【0022】このような構成によれば、ネクタイの柄に基づき、ネクタイのブランド名等を迅速に知ることができる。
【0023】第8の本発明は、前記物体は、植物であり、前記属性情報には、少なくとも前記植物の名称及び分類が含まれていることを特徴とする画像識別装置である。
【0024】このような構成によれば、植物の名称等を迅速に知ることができる。
【0025】第9の本発明は、前記物体は、動物であり、前記属性情報には、少なくとも前記動物の名称及び分類が含まれていることを特徴とする画像識別装置である。
【0026】このような構成によれば、動物の名称等を迅速に知ることができる。
【0027】第10の本発明は、前記物体は、魚類であり、前記属性情報には、少なくとも前記魚類の名称及び分類が含まれていることを特徴とする画像識別装置である。
【0028】このような構成によれば、魚類の名称等を迅速に知ることができる。
【0029】第11の本発明は、前記特徴量には、少なくとも前記魚類の目の色に重点を置いた鮮度特徴量が含まれており、前記データベースにはある種の前記魚類に関して、前記鮮度特徴量が異なる複数のエントリーが含まれていることを特徴とする画像識別装置。
【0030】このような構成によれば、魚類の鮮度を識別可能である。
【0031】第12の本発明は、前記物体は、食品であり、前記属性情報には、少なくとも前記食品の名称が含まれていることを特徴とする画像識別装置である。
【0032】このような構成によれば、食品の鮮度を識別可能である。
【0033】第13の本発明は、与えられた入力画像情報の特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記算出した特徴量と合致する特徴量を有する画像情報を、データベースから検索し、この検索によって見いだされた画像情報が表す状態の属性情報を、前記データベースから読み出す検索手段と、前記読み出した属性情報を出力する属性情報出力手段と、を含むことを特徴とする画像識別装置である。
【0034】このような構成によれば、特徴量を用いて検索しているため、画像情報が表す状態の属性情報を効率的に得ることができる。
【0035】第14の本発明は、画像情報と、前記画像情報が表す状態の属性情報と、前記画像情報の特徴量と、を格納するデータベースと、与えられた入力画像情報の特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記算出した特徴量と合致する特徴量を有する画像情報を、前記データベースから検索し、前記検索によって見いだされた画像情報が表す状態の属性情報を、前記データベースから読み出す検索手段と、前記読み出した属性情報を出力する属性情報出力手段と、を含むことを特徴とする画像識別装置である。
【0036】このような構成によればデータベースを含んでいるため、外部のデータベースにアクセスする必要がない。
【0037】第15の本発明は、所定の状態を表す画像情報を生成するディジタルカメラ手段、を備え、前記ディジタルカメラ手段が、前記入力画像情報を生成することを特徴とする画像識別装置である。
【0038】状態を表す画像を生成するためにディジタルカメラ手段を備えているため、眼前にある状態に基づき、迅速に画像情報を生成することができ、その状態の属性情報を迅速に得ることができる。
【0039】第16の本発明は、前記状態は、靴の足跡を表す地表面、路面又は床面の状態であり、前記属性情報には少なくともその靴の製造会社名が含まれていることを特徴とする画像識別装置である。
【0040】このような構成によれば、靴の足跡に関し、その靴の製造会社名を迅速に知ることができる。
【0041】第17の本発明は、前記状態は、医療検査結果であり、前記属性情報には少なくとも診断結果が含まれていることを特徴とする画像識別装置である。
【0042】このような構成によれば、医療の検査結果に基づき、診断結果を迅速に知ることができる。
【0043】第18の本発明は、前記画像情報は、レントゲン写真を表す画像情報であることを特徴とする画像識別装置である。
【0044】このような構成によれば、レントゲン写真に基づき、診断結果を迅速に知ることができる。
【0045】第19の本発明は、物体を表す画像情報と、前記画像情報が表す物体の属性情報と、前記画像情報の特徴量と、を格納する記憶手段と、前記特徴量をキーとして前記画像情報を検索する検索手段と、を含むことを特徴とするデータベースシステムである。
【0046】このようなデータベースシステムによれば、外部からの入力画像情報を含む問い合わせによって、その画像情報が表す物体の属性情報を知ることができる。
【0047】第20の本発明は、状態を表す画像情報と、前記画像情報が表す状態の属性情報と、前記画像情報の特徴量と、を格納する記憶手段と、前記特徴量をキーとして前記画像情報を検索する検索手段と、を含むことを特徴とするデータベースシステムである。
【0048】このようなデータベースシステムによれば、外部からの入力画像情報を含む問い合わせによって、その画像情報が表す状態の属性情報を知ることができる。
【0049】第21の本発明は、物体を表す画像情報と、前記画像情報が表す物体の属性情報と、前記画像情報の特徴量と、を格納したことを特徴とする記録媒体であって、前記特徴量をキーとして前記画像情報を検索しうることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0050】このようなデータ構造を有する記憶媒体によれば、画像情報の特徴量に基づき、画像情報を検索し、さらに、その画像情報が表す物体の属性情報を得ることができる。
【0051】第22の本発明は、状態を表す画像情報と、前記画像情報が表す状態の属性情報と、前記画像情報の特徴量と、を格納したことを特徴とする記録媒体であって、前記特徴量をキーとして前記画像情報を検索しうることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0052】このようなデータ構造を有する記憶媒体によれば、画像情報の特徴量に基づき、画像情報を検索し、さらに、その画像情報が表す状態の属性情報を得ることができる。
【0053】第23の本発明は、所定の記録媒体から前記入力画像情報を読み出す記録媒体読み出し手段、を備え、前記特徴量算出手段は、前記記録媒体から読み出した前記入力画像情報の特徴量を算出することを特徴とする画像識別装置である。
【0054】このような構成によれば、画像が格納された記録媒体に基づいて、画像識別が可能な画像識別装置が得られる。
【0055】第24の本発明は、前記記録媒体は、ディジタルカメラ手段によって画像情報を書き込まれることが可能な記録媒体であることを特徴とする画像識別装置である。
【0056】このような構成によれば、まず、ディジタルカメラで画像を撮影し、記録媒体に格納し、次に、この画像が格納された記録媒体に基づいて、画像識別をすることが可能である。
【0057】第25の本発明は、所定の通信回線から前記入力画像情報を受信する画像受信手段、を備え、前記特徴量算出手段は、前記画像受信手段が受信した前記入力画像情報の特徴量を算出することを特徴とする画像識別装置である。
【0058】このような構成によれば、通信回線を介して送信されてきた入力画像情報について、画像識別をすることが可能である。
【0059】第26の本発明は、前記属性情報出力手段が出力した属性情報を、前記通信回線を介して送信する属性情報送信手段、を含むことを特徴とする画像識別装置である。
【0060】このような構成によれば、画像識別の結果である属性情報を通信回線を介して送信することができ、遠隔地から画像識別装置を利用可能である。
【0061】第27の本発明は、前記画像受信手段は、前記通信回線から電子メールを受信し、その電子メールに含まれる前記入力画像情報を抽出する電子メール受信手段、を含むことを特徴とする画像識別装置である。
【0062】このような構成によれば、電子メールに含まれる入力画像情報について、画像識別をすることが可能である。
【0063】第28の本発明は、前記画像送信手段は、前記属性情報出力手段が出力した属性情報を含む電子メールを、前記通信回線を介して送信する電子メール送信手段、を含むことを特徴とする画像識別装置である。
【0064】このような構成によれば、画像識別の結果である属性情報を電子メールで送信することができ、遠隔地から画像識別装置を利用可能である。
【0065】第29の本発明は、前記通信回線はインターネットであることを特徴とする画像識別装置である。
【0066】インターネットを通信回線として用いたので、インターネットにアクセス可能な場所から、画像識別装置を利用可能である。
【0067】第30の本発明は、前記通信回線は移動体通信回線であり、前記画像受信手段は、前記移動体通信回線を介して、ディジタルカメラ手段から前記入力画像情報を受信する移動体端末受信手段、を含むことを特徴とする画像識別装置である。
【0068】このような構成によれば、移動体通信回線を介して受信した入力画像情報に基づき、画像識別を行うことができる。
【0069】第31の本発明は、前記通信回線は、移動体通信端末によって通信を行う移動体通信回線であり、前記画像送信手段は、前記属性情報出力手段が出力した属性情報を、前記移動体通信回線を介して相手方の前記移動体通信端末に送信する移動体端末送信手段、を含むことを特徴とする画像識別装置である。
【0070】このような構成によれば、画像識別の結果である属性情報を移動体通信端末で受信することができ、遠隔地から画像識別装置が生成した属性情報を知ることができる。
【0071】第32の本発明は、前記移動体通信回線は、携帯電話通信回線であることを特徴とする画像識別装置である。
【0072】携帯電話通信回線を用いて入力画像情報や属性情報を送受信するので、携帯電話を利用可能な場所から、画像識別装置を利用可能である。
【0073】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0074】実施の形態1図1には、本発明の好適な実施の形態1にかかる画像識別装置8の構成ブロック図が示されている。
【0075】この図に示されているように、画像識別装置8は特徴量算出手段14と、検索手段16と、出力手段20とから構成されている。
【0076】まず、ディジタルカメラ10が絵画12を撮影し、その絵画のディジタル画像を生成する。生成したディジタル画像は特徴量算出手段14に送出される。特徴量算出手段14は絵画のディジタル画像の特徴量を算出する。
【0077】次に、検索手段16は、算出した特徴量と、データベース18中に格納されている特徴量とを比較し、合致する特徴量に対応する画像情報を見つけだす。この画像情報は絵画の画像情報である。
【0078】さらに、検索手段16は、見つけだした画像情報の属性情報である作者名、絵画の名称等をデータベース18から読み出し、出力手段20に送出する。出力手段20は、供給されてきた作者名、絵画の名称等を表示手段22に表示させる。
【0079】このようにして、本実施の形態1によれば、絵画をディジタルカメラ10で撮影することによって、その絵画の作者や絵画の名称等が表示手段22に示される。したがって、利用者は絵画の名称や作者名を容易に知ることができる。
【0080】さて、本実施の形態1において特徴的なことは、画像情報をデータベース18から検索する際に特徴量を用いていることである。画像の特徴量としては、従来から知られている種々の特徴量を用いることができる。
【0081】このような種々の特徴量を特徴量算出手段14が算出するのである。特徴量そのものは、従来から知られているものであるため、その算出方法の説明は省略する。
【0082】また、データベース18は、絵画に関するデータベースである。このデータベース18には、絵画の画像情報と、その絵画の属性情報と、その画像情報の特徴量とが格納されている。属性情報とは、その絵画の作者名や絵画の名称等である。また、データベース18は、特徴量をキーとして絵画の画像情報を検索しやすくするために、特徴量に関するインデックステーブルが設けられている。これによって、特徴量をキーとして画像の情報を迅速に検索することが可能なデータ構造がデータベース18中に実現されている。
【0083】本実施の形態1においては、検索手段16は、特徴量をキーとして検索した画像情報に関し、その属性情報をデータベース18から読み出す。そして、検索手段16は、読み出した属性情報、すなわち作者名等を表示手段22に供給する。表示手段22は、この作者名等の表示を行う。
【0084】データベース18は種々の形態をとることができる。例えばコンピュータのハードディスク上に構成されていてもよい。また、例えばこの種の絵画のデータベースは美術館等に設置される場合も多いと考えられる。そのような場合には、画像識別装置8は、データベース18から遠距離に存在することも多い。この場合は、画像識別装置8を通信回線を介してデータベース18と接続する形態を採用することが好ましい。このように通信回線を介して画像識別装置8と接続するのに適したデータベースシステムの構成は後の実施の形態3においてさらに詳述する。
【0085】なお、属性情報としては、作者名や絵画の名称の他に、その絵画の制作年、所有者、サイズ、専門家による評論・説明等を利用することも好ましい。専門家による評論・説明等を属性情報として表示手段22に表示すれば、利用者はその絵画の説明を見ることができ、学習・教育等の目的に資することができる。
【0086】また、上の説明では、絵画のディジタル画像はディジタルカメラ10で生成したが、絵画の写真をスキャナーでスキャンすることによって絵画のディジタル画像を得ることも好ましい。また、ビデオ信号から絵画の静止画を取り込むように構成してもかまわない。いずれにしても、絵画のディジタル画像が得られればどのような手法を採用してもかまわない。
【0087】また、上の説明では、データベース18を画像識別装置8と別体に構成したが、画像識別装置8の内部に含めてもかまわない。識別の対象となる絵画の種類が少なく、データベース18が小規模である場合には、画像識別装置内部のハードディスク等に、このデータベース18を構成する形態が好ましい。
【0088】また、表示装置22は種々の表示装置を利用可能である。従来から用いられてきたCRTや液晶表示装置など種々の表示装置が利用できる。さらに、上記説明では、表示装置22を画像識別装置8と別体に構成したが、画像識別装置8の内部に含めてもかまわない。この場合、小型の液晶表示装置を画像識別装置8に備えさせれば、携帯に便利な小型化された画像識別装置も実現できる可能性がある。
【0089】なお、特徴量算出手段14は、計算専用のハードウェアを用いることも好ましいが、ソフトウェアで実現することも好ましい。また、検索手段16は、データベース18にアクセスするためのソフトウェアで構成することが望ましい。さらに、出力手段は、外部の表示手段22の種類にも依存するが、例えばビデオカードとそのビデオカードを駆動するソフトウェアで構成することが望ましい。
【0090】実施の形態2(応用分野)上記説明では、絵画の例について説明したが、絵画に限らず、ディジタルカメラ等で撮影できる物体ならば、他の美術品や、動植物、衣服等でもかまわない。
【0091】2.1美術品としては、絵画の他に彫刻等が考えられる。この場合は、データベース18は、彫刻の画像情報、彫刻の画像情報の特徴量、彫刻の属性情報(彫刻の作者、彫刻の名称)を含むデータベースである。
【0092】2.2物体が植物の場合は、植物の画像に基づき、その植物の名称や種類を知ることができる植物図鑑として利用することが可能である。この場合は、データベース18は、植物の画像情報、植物の画像情報の特徴量、植物の属性情報を含むデータベースである。植物の属性情報には、その植物の名称や、学名、科、生態、繁殖地域、1年草か2年草か、等が含まれる。
【0093】2.3物体が動物の場合も、植物とほぼ同様であり、動物の画像情報に基づき、その動物の名称や生態等を知ることができる。
【0094】また、その動物が食用の魚類である場合には、特に特徴量として魚の目の色に重点を置いたものを採用することが好ましい。これは、魚の鮮度を表す指標として魚の目の色が広く利用されていることに基づくものである。このような場合、データベース18は、1種類の魚に対して、鮮度が異なる複数のエントリーを有するものとなる。例えば、ある魚の鮮度が高い画像情報に関しては、鮮度が高いある魚の画像情報、鮮度が高いある魚の画像情報の特徴量、鮮度が高いという情報を含むある魚の属性情報、を含むエントリーがデータベース18中に格納されている。
【0095】そして、ある魚の鮮度が低い画像情報に関しては、鮮度が低いある魚の画像情報、鮮度が低いある魚の画像情報の特徴量、鮮度が低いという情報を含むある魚の属性情報、を含むエントリーがデータベース18中に格納されている。
【0096】このように、単一の種類の物体に対して、鮮度の異なる複数のエントリーがデータベース18中に含まれている。このようにデータベース18を構築することによって、単にその魚の画像情報に基づいて、魚の名称を知ることができるだけでなく、その魚の鮮度も知ることができるという効果がある。
【0097】2.4上記2.3においては、魚の鮮度を知ることができる画像識別装置について説明したが、同様の原理を用いて、一般の食品の鮮度を知ることができる画像識別装置を構成することも好ましい。
【0098】この場合、データベース18は、魚の場合と同様に、1種類の食品に対して、鮮度が異なる複数のエントリーを有するものとなる。例えば、ある食品の鮮度が高い画像情報に関しては、鮮度が高いある食品の画像情報、鮮度が高いある食品の画像情報の特徴量、鮮度が高いという情報を含むある食品の属性情報、を含むエントリーがデータベース18中に格納されている。
【0099】同様に、データベース18中には、ある食品の鮮度が低い画像情報に関するエントリーも格納されている。
【0100】このようなデータベース18を用いることによって、食品の鮮度も知ることができる画像識別装置が構成可能である。
【0101】2.5物体が衣服の場合も、美術品等と同様であり、衣服の画像情報に基づき、その衣服のブランド名称や織り方の種類等を知ることができる。この場合は、データベース18は、衣服の画像情報、衣服の画像情報の特徴量、衣服の属性情報を含むデータベースである。衣服の属性情報には、その衣服のブランド名や、繊維の種類、織り方、洗濯方法、価格等が含まれる。
【0102】特に、衣服がネクタイやスカーフの場合には、その形状よりも、むしろ図柄から識別できる場合が多い。そのため、ネクタイ等の場合には画像情報としてネクタイの一部を採用することが好ましい。そして、その図柄の画像情報に基づき、画像の特徴量や、その図柄を有するネクタイ等の属性情報、がデータベース18に格納されているのである。
【0103】2.6以上説明してきた例では、ある独立した1個の物体を表す画像情報を利用し、その物体の属性情報を得ている。しかし、画像情報を生成することができれば、物体そのものではなく、物体の「跡」や物体の様子等の「状態」でもよく、そのような状態を表す画像情報を用いて、その状態に関する属性情報を得ることも好ましい。
【0104】例えば、足跡等の物体の跡もディジタルカメラ10等を用いることによって、足跡の画像情報を生成することができる。そして、その足跡に基づき、足跡を作った靴の属性情報を表示しうる画像識別装置8を構成することも好ましい。なお、ここで、足跡とは、地表の靴の跡や、路上や床の上の靴の跡である。
【0105】なお、靴の属性情報としては、その靴の製造会社名や、靴の材質等を利用することが好ましい。
【0106】また、「物体の様子」としては、例えばレントゲン写真画像等の検査結果が挙げられる。レントゲン写真の画像情報に関し、その特徴点に基づき合致する画像をデータベース18から検索することによって、そのレントゲン写真の属性情報を表示することができる。
【0107】属性情報としては、そのレントゲン写真に対する診断結果が好ましい。属性情報として診断結果が表示されることによって、いわば自動診断装置を構成することが可能である。
【0108】ここでは、レントゲン写真について説明したが、内視鏡写真等、画像で表現できるものであればどのような検査の結果でもかまわない。
【0109】実施の形態3(データベースシステム)以上述べた説明においては、画像識別装置8は、特定のデータ構造を有するデータベース18を利用していた。このデータベース18は、既に述べたように、各エントリー中に、物体の画像情報と、その物体の画像情報の特徴量と、その物体の属性情報と、を含むことを特徴とするものである。また、既に述べたように、データベース18は、各エントリー中に、状態の画像情報と、その状態の画像情報の特徴量と、その状態の属性情報と、を含むことをも特徴とするものである。
【0110】さて、一般に美術品等のデータベースは、美術館等に置かれて管理される場合が多い。したがって、上述したように画像識別装置8とデータベース18とは通信回線で接続される場合も多いと考えられる。
【0111】この場合には、データベース8を単なる記憶手段としてではなく、検索機能も備えたデータベースシステム30として構築するのが好ましい。これは、通信回線上のトラフィック量の軽減のためである。このようなデータベースシステム30の構成ブロック図が図2に示されている。
【0112】データベース18の代わりに、データベースシステム30を用いる場合は、図1の検索手段16は、データベースシステム30に対し問い合わせ(クエリー)を発し、データベース管理手段32がこの問い合わせ(クエリー)に応答してデータベース18を検索して結果を検索手段16に返送する。このような構成によれば、検索結果だけが通信回線状を流れるのでトラフィック量の軽減を図ることができる。なお、データベース管理手段32は、コンピュータのソフトウェアで実現することが好ましい。
【0113】また、データベースシステム30が美術館等に設置された場合は、上述した画像識別装置8を用いずに、利用者が手作業でその絵画等の名称を知ることも可能である。
【0114】すなわち、利用者はまず、ディジタルカメラ10等を用いて美術品の撮影をして画像情報を得る。次に、利用者は画像情報の特徴量を算出し、この特徴量と合致する画像情報をデータベース18中から見つけるようにデータベースシステム30に通信回線を介して依頼する。この依頼に基づき、データベースシステム30のデータベース管理手段32は対応する画像情報を検索し、その画像情報の属性情報である名称や作品名を利用者に送信するのである。利用者は通信回線を介して美術品の作品名や作者名を受信することによって、その美術品の属性を知ることができる。
【0115】以上のような構成のデータベースシステム30は、美術品のデータベースだけでなく、上述した医療診断にも用いることができる。この場合にはそのデータベースシステム30は例えば病院等に設置されることになろう。その結果、遠隔地にいる被検者に対していわゆる遠隔診断が可能となる。
【0116】実施の形態4(記録媒体)以上述べた実施の形態においては、特別なデータ構造を有するデータベース18を利用することを前提としていた。図3には、このデータベース18のデータ構造が示されている。既に述べたように、このデータベース18は、ある物体の画像情報と、その画像情報の特徴量と、その物体の属性情報と、を含んでいる。なお、図3には示していないが、データベース18は、ある状態の画像情報と、その画像情報の特徴量と、その状態の属性情報と、を含む構成でもよいことは上述の通りである。
【0117】このような特別なデータ構造を記録媒体に格納することによって、データベースが構築されている。したがって、特徴量を用いて画像情報の検索をすることができるのである。なお、検索をより高速にするために、特徴量に関するインデックステーブルを構築することも好ましい(図3参照)。
【0118】なお、記録媒体としては、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であればどのようなものでもかまわない。例えば、フロッピー(登録商標)ディスクでもかまわないし、ハードディスクやCDROM等を利用することも好ましい。
【0119】このようにコンピュータ読み取り可能な記録媒体中にデータベース18を構成させれば、コンピュータを用いて画像識別装置を容易に構成できる。また、そのコンピュータの利用者が記録媒体中のデータベース18にアクセスすることによって、画像情報に基づき、その画像情報が表す物体や状態の属性情報を得ることも可能である。
【0120】実施の形態5(入力画像情報の取得形態)以上述べた実施の形態においては、入力画像情報は図1に示されているように外部のディジタルカメラ10等から直接供給されていた。
【0121】しかし、ディジタルカメラ10と画像識別装置8とを直接接続しなくても、通信回線を介して画像情報を供給することも好ましい。また、画像情報を一旦記録媒体に格納し、この記録媒体を画像識別装置に供給する形態を採用することも好ましい。
【0122】以下、本実施の形態5においては、入力画像情報を画像識別装置に供給する種々の形態について説明する。
【0123】図4には本実施の形態5にかかる画像識別装置38は、図1と同様に、特徴量算出手段14と、検索手段16、出力手段20を備えている。また、表示手段22が出力手段20に接続され、データベース18が検索手段に接続されている。これらの構成は上記実施の形態1と同様の動作を行っている。
【0124】5.1本実施の形態5において特徴的なことは、記録媒体読み取り手段40が特徴量算出手段14に接続されていることである。この記録媒体読み取り手段40は、コンパクトフラッシュやスマートメディア等の記録媒体から入力画像情報を読み取り、特徴量算出手段14に供給する。特徴量算出手段14は、供給された入力画像情報に基づき特徴量を算出するのである。
【0125】このような構成によれば、ディジタルカメラ10を直接画像識別装置38に接続しなくても、入力画像情報を画像識別装置38に供給することができる。
【0126】すなわち、利用者はまず、ディジタルカメラ10等を用いて画像を撮影し、入力画像情報を得る。この入力画像情報は上述したコンパクトフラッシュ等の記録媒体に格納される。一般にディジタルカメラ10等はこのようなコンパクトフラッシュやスマートメディア等の記録媒体に画像を格納する機能を有している。
【0127】利用者は、このようにして画像を格納した記録媒体を、画像識別装置38の記録媒体読み取り手段40に読み取らせる。記録媒体読み取り手段40は、読み取った画像を入力画像情報として特徴量算出手段14に供給する。以下の動作は上記実施の形態1と同様であり、利用者は、画像の識別の結果である属性情報等を表示手段22の画面上で見ることができる。
【0128】このような動作によって、利用者は画像識別装置38と離れた場所で画像を撮影することができる。
【0129】なお、記録媒体としては可搬性を有するものであれば種々のものを採用することができる。上述したコンパクトフラッシュの他、メモリースティックや、フロッピーディスク、CD−R等でも好ましい。また、リムーバブルハードディスクのような記録媒体でもかまわない。
【0130】ただし、本実施の形態5では、画像の格納のために記録媒体を用いているため、ディジタルカメラ10等の画像取得手段が画像情報を書き込み可能な記録媒体であることが最も望ましい。
【0131】また、記録媒体読み取り手段40は、コンパクトフラッシュやスマートメディア、メモリースティック等を読み書きするドライブ装置、及びこのドライブ装置を駆動するドライバプログラムで構成する事が好ましい。
【0132】5.2さらに、本実施の形態5において特徴的なことは、電子メール通信手段42が特徴量算出手段14に接続されていることである。この電子メール通信手段42は、インターネット等の通信回線を介して電子メールを受信する。そして、この電子メールに含まれている入力画像情報を抽出し、特徴量算出手段14に供給する。特徴量算出手段14は、供給された入力画像情報に基づき特徴量を算出するのである。
【0133】このような構成によれば、ディジタルカメラ10を直接画像識別装置38に接続しなくても、入力画像情報を画像識別装置38に供給することができる。
【0134】すなわち、利用者はまず、ディジタルカメラ10等を用いて画像を撮影し、撮影した入力画像情報を、その撮影した場所でノートパソコン等に格納する。次に、利用者はノートパソコン等の通信機能を利用し、得た入力画像情報を添付した電子メールを画像識別装置宛に送信する。
【0135】電子メール通信手段42は、インターネット等の通信回線を介して送信されてきた電子メールを受信する。そして、この電子メールに添付されている上記入力画像情報を抽出し、特徴量算出手段14に供給する。以下の動作は上記実施の形態1と同様であり、画像識別装置38は、画像の識別の結果である属性情報等を得る。
【0136】さらに、本実施の形態5にかかる電子メール通信手段42は、得た属性情報等を電子メールを使用して返信する機能を備えている。すなわち、電子メール通信手段42は、検索手段16が得た属性情報等を含む電子メールを、入力画像情報を送った相手先に返信するのである。利用者は、返信されてきた電子メールを見ることによって、属性情報等を知ることができる。
【0137】この結果、利用者は、画像識別装置38から遠く離れた場所からでも画像識別装置38の機能を利用することができ、利便性の高い画像識別装置38が実現可能である。
【0138】なお、本発明の画像受信手段や属性情報送信手段は、本実施の形態5の電子メール通信手段42に相当する。さらに、本発明の電子メール送信手段や電子メール受信手段も、本実施の形態5の電子メール通信手段42に相当することは言うまでもない。
【0139】また、電子メール通信手段42は、具体的にはモデム又はターミナルアダプタ等と、電子メールソフトウェアと、から構成することが好ましい。
【0140】5.3上述した例ではインターネットを利用した電子メールによって、入力画像情報と属性情報を送受信する例を示した。しかし、入力画像情報と属性情報を送受信できれば、必ずしも電子メールを用いなくてもかまわない。
【0141】特に、近年のディジタルカメラ10は高機能化され、携帯電話等を利用して遠隔地のパソコンと通信する機能を備えている場合も多い。このようなディジタルカメラ10を用いる場合には、インターネットを介さずに移動体通信回線等の一般の公衆回線を介して入力画像情報と属性情報を送受信することも好ましい。
【0142】このようなことを実現するために、本実施の形態5では、移動体通信手段44が特徴量算出手段14に接続されている。この移動体通信手段44は、携帯電話などの移動体通信回線を利用して入力画像情報や属性情報を送受信する手段である。そして、移動体通信手段44は移動体通信回線を介して受信した入力画像情報を抽出し、特徴量算出手段14に供給する。特徴量算出手段14は、供給された入力画像情報に基づき特徴量を算出するのである。
【0143】このような構成によれば、ディジタルカメラ10を直接画像識別装置38に接続しなくても、入力画像情報を画像識別装置38に供給することができる。
【0144】すなわち、利用者はまず、ディジタルカメラ10等を用いて画像を撮影し、撮影した入力画像情報を、携帯電話による通信を利用して、得た入力画像情報を画像識別装置38に送信する。
【0145】画像識別装置38の移動体通信手段44は、移動体通信回線を介して送信されてきた入力画像情報を受信する。そして、この入力画像情報を、特徴量算出手段14に供給する。以下の動作は上記実施の形態1と同様であり、画像識別装置38は、画像の識別の結果である属性情報等を得る。
【0146】さらに、本実施の形態5にかかる移動体通信手段44は、得られた属性情報等を移動体通信回線を介して携帯電話に返信する機能を備えている。すなわち、移動体通信手段44は、検索手段16が得た属性情報等を、入力画像情報を送った相手先に返信するのである。利用者は、返信されてきた属性情報等を携帯電話上で見ることによって、属性情報等を知ることができる。なお、近年の携帯電話は高機能化され、単なる電話機能だけでなく、各種の情報を表示する機能を有している。
【0147】この結果、利用者は、画像識別装置38から遠く離れた場所からでも画像識別装置38の機能を利用することができ、利便性の高い画像識別装置38が実現可能である。
【0148】なお、本発明の画像受信手段や属性情報送信手段は、本実施の形態5の移動体通信手段44に相当する。さらに、本発明の移動体端末受信手段や移動体端末送信手段も、本実施の形態5の移動体端末通信手段44に相当することは言うまでもない。
【0149】また、移動体通信手段44は、携帯電話と、携帯電話を利用してデータ通信を行うためのアダプタ等と、から構成することが好ましい。
【0150】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、画像の特徴量を利用して画像情報を検索し、その画像情報が表す物体や状態の属性情報を知ることができる。その結果、絵画などの美術品の画像情報に基づき、その絵画等の美術品の作品名や作者名を知ることができる画像識別装置が実現できる。
【0151】また、画像識別装置にデータベースを備えさせれば、外部のデータベースにアクセスせずに画像情報に基づき属性情報を知ることができる。
【0152】さらに、画像情報を得る手段としてディジタルカメラ手段を用いれば眼前にある物体や状態に基づき迅速に画像情報を生成でき、その物体や状態の属性情報を迅速に知ることができる。
【0153】物体としては、美術品の他に、衣服やネクタイ、動物、植物、魚類、食品等を適用することができ、本発明によれば、これらの画像情報に基づき、物体の属性情報を知ることができる。
【0154】特に、本発明においては、魚類や食品の鮮度を属性情報として含めることができるため、これらの鮮度を知ることが可能となる。
【0155】状態としては、靴跡や医療検査結果等を採用することができ、靴跡の元になった靴の製造会社名や検査結果に基づく診断結果を得ることができる。また、レントゲン写真を画像情報としているため、本発明によればレントゲン写真に基づき、診断結果を得ることが可能である。
【0156】また、データベースにデータベース管理手段を備えさせているため、通信回線を介してデータベースシステムにアクセスする場合でも通信回線のトラフィック量を小さく抑えることが可能である。
【0157】本発明のデータベースシステムは、このように、特徴量で画像情報を検索しうるデータベース管理手段を備えているため、利用者はこのデータベースシステムを用いて画像情報が表す物体や状態の属性情報を得ることができる。
【0158】さらに、本発明は、これらの特別なデータ構造を有するデータベースを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であるため、コンピュータから画像情報の特徴量を利用して画像情報を検索することができ、属性情報も得ることができる。
【0159】また、本発明は、記録媒体読み取り手段によって入力画像情報を所定の記録媒体から読み取る。したがって、画像を撮影する場所と画像識別装置が離れた場所にある場合でも画像の属性情報を知ることができる。
【0160】また、本発明によれば、インターネットや携帯電話通信回線等を利用して、入力画像情報や属性情報を送受信する手段を備えているため、遠隔地から画像識別装置を利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施の形態にかかる画像識別装置の構成ブロック図である。
【図2】本発明の好適な実施の形態にかかるデータベースシステムの構成ブロック図である。
【図3】データベースのデータ構造を表す説明図である。
【図4】他の実施の形態にかかる画像識別装置の構成ブロック図である。
【符号の説明】
8 画像識別装置
10 ディジタルカメラ
12 絵画
14 特徴量算出手段
16 検索手段
18 データベース
20 出力手段
22 表示手段
30 データベースシステム
32 データベース管理手段
38 画像識別装置
40 記録媒体読み取り手段
42 電子メール通信手段
44 移動体通信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】 与えられた入力画像情報の特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記算出した特徴量と合致する特徴量を有する画像情報を、データベースから検索し、この検索によって見いだされた画像情報が表す物体の属性情報を、前記データベースから読み出す検索手段と、前記読み出した属性情報を出力する属性情報出力手段と、を含むことを特徴とする画像識別装置。
【請求項2】 画像情報と、前記画像情報が表す物体の属性情報と、前記画像情報の特徴量と、を格納するデータベースと、与えられた入力画像情報の特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記算出した特徴量と合致する特徴量を有する画像情報を、前記データベースから検索し、この検索によって見いだされた画像情報が表す物体の属性情報を、前記データベースから読み出す検索手段と、前記読み出した属性情報を出力する属性情報出力手段と、を含むことを特徴とする画像識別装置。
【請求項3】 請求項1又は2記載の画像識別装置において、物体の画像情報を生成するディジタルカメラ手段、を備え、前記ディジタルカメラ手段が、前記入力画像情報を生成することを特徴とする画像識別装置。
【請求項4】 請求項1又は2記載の画像識別装置において、前記物体は、美術品であり、前記属性情報には、少なくとも前記美術品の作者名及び作品名が含まれていることを特徴とする画像識別装置。
【請求項5】 請求項4記載の画像識別装置において、前記物体は、絵画であり、前記属性情報には、少なくとも前記絵画の作者名及び作品名が含まれていることを特徴とする画像識別装置。
【請求項6】 請求項1又は2記載の画像識別装置において、前記物体は、衣服であり、前記属性情報には、少なくとも前記衣服のブランド名が含まれていることを特徴とする画像識別装置。
【請求項7】 請求項6記載の画像識別装置において、前記物体は、ネクタイであり、前記画像情報は、前記ネクタイの柄を表す画像情報であることを特徴とする画像識別装置。
【請求項8】 請求項1又は2記載の画像識別装置において、前記物体は、植物であり、前記属性情報には、少なくとも前記植物の名称及び分類が含まれていることを特徴とする画像識別装置。
【請求項9】 請求項1又は2記載の画像識別装置において、前記物体は、動物であり、前記属性情報には、少なくとも前記動物の名称及び分類が含まれていることを特徴とする画像識別装置。
【請求項10】 請求項9記載の画像識別装置において、前記物体は、魚類であり、前記属性情報には、少なくとも前記魚類の名称及び分類が含まれていることを特徴とする画像識別装置。
【請求項11】 請求項10記載の画像識別装置において、前記特徴量には、少なくとも前記魚類の目の色に重点を置いた鮮度特徴量が含まれており、前記データベースにはある種の前記魚類に関して、前記鮮度特徴量が異なる複数のエントリーが含まれていることを特徴とする画像識別装置。
【請求項12】 請求項1又は2記載の画像識別装置において、前記物体は、食品であり、前記属性情報には、少なくとも前記食品の名称が含まれていることを特徴とする画像識別装置。
【請求項13】 与えられた入力画像情報の特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記算出した特徴量と合致する特徴量を有する画像情報を、データベースから検索し、この検索によって見いだされた画像情報が表す状態の属性情報を、前記データベースから読み出す検索手段と、前記読み出した属性情報を出力する属性情報出力手段と、を含むことを特徴とする画像識別装置。
【請求項14】 画像情報と、前記画像情報が表す状態の属性情報と、前記画像情報の特徴量と、を格納するデータベースと、与えられた入力画像情報の特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記算出した特徴量と合致する特徴量を有する画像情報を、前記データベースから検索し、前記検索によって見いだされた画像情報が表す状態の属性情報を、前記データベースから読み出す検索手段と、前記読み出した属性情報を出力する属性情報出力手段と、を含むことを特徴とする画像識別装置。
【請求項15】 請求項13又は14記載の画像識別装置において、所定の状態を表す画像情報を生成するディジタルカメラ手段、を備え、前記ディジタルカメラ手段が、前記入力画像情報を生成することを特徴とする画像識別装置。
【請求項16】 請求項13又は14記載の画像識別装置において、前記状態は、靴の足跡を表す地表面、路面又は床面の状態であり、前記属性情報には少なくともその靴の製造会社名が含まれていることを特徴とする画像識別装置。
【請求項17】 請求項13又は14記載の画像識別装置において、前記状態は、医療検査結果であり、前記属性情報には少なくとも診断結果が含まれていることを特徴とする画像識別装置。
【請求項18】 請求項17記載の画像識別装置において、前記画像情報は、レントゲン写真を表す画像情報であることを特徴とする画像識別装置。
【請求項19】 物体を表す画像情報と、前記画像情報が表す物体の属性情報と、前記画像情報の特徴量と、を格納する記憶手段と、前記特徴量をキーとして前記画像情報を検索する検索手段と、を含むことを特徴とするデータベースシステム。
【請求項20】 状態を表す画像情報と、前記画像情報が表す状態の属性情報と、前記画像情報の特徴量と、を格納する記憶手段と、前記特徴量をキーとして前記画像情報を検索する検索手段と、を含むことを特徴とするデータベースシステム。
【請求項21】 物体を表す画像情報と、前記画像情報が表す物体の属性情報と、前記画像情報の特徴量と、を格納したことを特徴とする記録媒体であって、前記特徴量をキーとして前記画像情報を検索しうることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項22】 状態を表す画像情報と、前記画像情報が表す状態の属性情報と、前記画像情報の特徴量と、を格納したことを特徴とする記録媒体であって、前記特徴量をキーとして前記画像情報を検索しうることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項23】 請求項1、2、13又は14記載の画像識別装置において、所定の記録媒体から前記入力画像情報を読み出す記録媒体読み出し手段、を備え、前記特徴量算出手段は、前記記録媒体から読み出した前記入力画像情報の特徴量を算出することを特徴とする画像識別装置。
【請求項24】 請求項23記載の画像識別装置において、前記記録媒体は、ディジタルカメラ手段によって画像情報を書き込まれることが可能な記録媒体であることを特徴とする画像識別装置。
【請求項25】 請求項1、2、13又は14記載の画像識別装置において、所定の通信回線から前記入力画像情報を受信する画像受信手段、を備え、前記特徴量算出手段は、前記画像受信手段が受信した前記入力画像情報の特徴量を算出することを特徴とする画像識別装置。
【請求項26】 請求項25記載の画像識別装置において、前記属性情報出力手段が出力した属性情報を、前記通信回線を介して送信する属性情報送信手段、を含むことを特徴とする画像識別装置。
【請求項27】 請求項25記載の画像識別装置において、前記画像受信手段は、前記通信回線から電子メールを受信し、その電子メールに含まれる前記入力画像情報を抽出する電子メール受信手段、を含むことを特徴とする画像識別装置。
【請求項28】 請求項26記載の画像識別装置において、前記画像送信手段は、前記属性情報出力手段が出力した属性情報を含む電子メールを、前記通信回線を介して送信する電子メール送信手段、を含むことを特徴とする画像識別装置。
【請求項29】 請求項25、26、27又は28記載の画像識別装置において、前記通信回線はインターネットであることを特徴とする画像識別装置。
【請求項30】 請求項25記載の画像識別装置において、前記通信回線は移動体通信回線であり、前記画像受信手段は、前記移動体通信回線を介して、ディジタルカメラ手段から前記入力画像情報を受信する移動体端末受信手段、を含むことを特徴とする画像識別装置。
【請求項31】 請求項26記載の画像識別装置において、前記通信回線は、移動体通信端末によって通信を行う移動体通信回線であり、前記画像送信手段は、前記属性情報出力手段が出力した属性情報を、前記移動体通信回線を介して相手方の前記移動体通信端末に送信する移動体端末送信手段、を含むことを特徴とする画像識別装置。
【請求項32】 請求項30又は31記載の画像識別装置において、前記移動体通信回線は、携帯電話通信回線であることを特徴とする画像識別装置。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【公開番号】特開2001−101191(P2001−101191A)
【公開日】平成13年4月13日(2001.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−272128
【出願日】平成11年9月27日(1999.9.27)
【出願人】(591210910)株式会社キャディックス (1)
【Fターム(参考)】