説明

画像送信端末

【課題】限られた通信速度でも高画質の静止画データを取得することができる画像送信端末を提供する。
【解決手段】画像送信端末が、撮像部17と、画像フレームデータを生成する画像データ生成部18と、前記画像フレームデータを圧縮する第1の画像データ圧縮部19と、前記画像フレームデータを低い圧縮率で圧縮する第2の画像データ圧縮部21と、ユーザの操作入力を受け付け、前記操作入力に基づいて撮像部17で撮像された前記画像フレームデータを選択する内視鏡操作部11と内視鏡制御部13と、内視鏡操作部11と内視鏡制御部13との選択に応じて、第2の画像データ圧縮部21から出力された前記画像フレームデータを記憶する第1画像データ記憶部22と、第1の画像データ圧縮部19から出力された前記画像フレームデータを無線送信する無線送信部20と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線で画像データを送信する画像送信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内視鏡検査による病変部の早期発見と診断精度が向上し、また内視鏡に備える多様な処置具が開発されたことで、内視鏡のさらなる性能向上に対する期待が高まっている。しかし、従来の内視鏡が撮像した体腔内の画像データは、内視鏡と離れた位置に設置された表示装置に画像送信ケーブル(以下、ケーブルと称する)を介して有線送信されていた。このため、術者と被験者と表示装置との位置関係等はケーブルにより制限されてしまうという問題があった。
【0003】
そこで、内視鏡で撮像された画像データを無線(ワイヤレス)により表示装置に送信することで、術者と被験者と表示装置との位置関係等の制限をなくし、術者の内視鏡操作にも負担をかけない内視鏡が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、例えば特許文献1に示された内視鏡では、フレーム内圧縮処理された動画データの画像フレームデータを、そのまま静止画データとして記録しているため、画質劣化が目立つ静止画データとなってしまうことがあった。
【0004】
ここで、内視鏡が撮像した体腔内の動画データを圧縮し、圧縮処理された動画データを内視鏡から表示装置に送信する場合、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)に代表される動画データ圧縮処理では、画像フレーム順番を並び替えること(以下、リオーダリングと称する)により通常は符号化を行っていることから、圧縮処理中に画像フレームデータの入力待ち時間等が必要となるため、体腔内の実際の動きと、表示された動画との間には表示タイミングの遅延(以下、表示遅延と称する)が発生する。
【0005】
しかし、体腔内の静止画を撮像する場合、内視鏡から送信された動画を見ながら内視鏡を操作する術者は、撮像対象の実際の動きと、表示された動画との表示遅延が大きいほど、静止画の撮像タイミングを的確に把握することが困難になる。そのため、内視鏡から表示装置に送信される動画データは、データサイズを小さくすることよりも、表示遅延を少なくすることを優先することが望まれる。そこで通常の内視鏡において、内視鏡から表示装置に送信される動画データは、表示遅延の原因の1つであるリオーダリングを無くすために、例えばMPEGのIピクチャやMotion−JPEG2000等に代表されるフレーム内圧縮処理のみを用いることで、動画データの表示遅延を少なくしている。
【0006】
一方、病変部の早期発見と診断精度の向上のため、内視鏡により撮像された静止画データにはさらなる高画質化が求められている。このため内視鏡が撮像した静止画データは、非圧縮データか、伸張処理によるデータ欠落がまったく発生しない可逆圧縮データか、あるいは伸張処理によるデータ欠落がわずかな非可逆低圧縮データであることが求められている。
【0007】
さらに、動画データでは連続的に画像フレームが更新されるため画質の劣化があまり目立たないことがあるのに対し、画像フレームが更新されない静止画データでは、同じ画像フレームで比較すると画質の劣化が目立ち易いため、静止画データは動画データよりも高画質であることが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平6−335450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、フレーム内圧縮処理のみでは画像フレーム間の相関を利用したデータ量削減を行うことができないために、内視鏡により撮像された動画データはサイズが大きい場合が多く、また内視鏡により撮像された静止画データも画質優先のためにサイズが大きい場合が多く、これらの動画データと静止画データとを今日普及している標準的な無線通信方式で同時に送信した場合は通信速度が圧倒的に不足してしまい、高画質の静止画データを取得することができないという問題があった。
【0010】
本発明は、前記の諸点に鑑みてなされたものであり、限られた通信速度でも高画質の静止画データを取得することができる画像送信端末を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、撮像素子に入射された光量に応じた画素信号を出力する撮像部と、前記画素信号に基づいて画像フレームデータを生成して出力する画像データ生成部と、前記画像フレームデータを所定の圧縮率で圧縮して出力する第1の画像データ圧縮部と、前記画像フレームデータを非圧縮のまま又は前記所定の圧縮率よりも低い圧縮率で圧縮して出力する第2の画像データ圧縮部と、ユーザの操作入力を受け付け、前記操作入力に基づいて前記撮像部で撮像された前記画像フレームデータを選択する画像選択部と、前記画像選択部の選択に応じて、前記第2の画像データ圧縮部から出力された前記画像フレームデータを記憶する画像データ記憶部と、前記第1の画像データ圧縮部から出力された前記画像フレームデータを無線送信する画像送信部と、を備えることを特徴とする画像送信端末である。
【0012】
また本発明は、ユーザの通信切断指示操作を受け付け、前記操作に基づいて操作信号を出力する操作部を備え、前記画像送信部は、前記操作信号を受信した際に、前記画像データ記憶部に記憶された前記画像フレームデータを無線送信することを特徴とする画像送信端末である。
【0013】
また本発明は、前記画像選択部が、前記画像フレームデータを選択した際に、前記第1の画像データ圧縮部から出力された前記画像フレームデータの無線送信を中断し、前記画像データ記憶部に記憶された前記画像フレームデータを無線送信することを特徴とする画像送信端末である。
【0014】
また本発明は、前記画像データ記憶部は、着脱可能な記憶媒体であることを特徴とする画像送信端末である。
【0015】
また本発明は、前記画像データ記憶部は、外部インターフェースを備えることを特徴とする画像送信端末である。
【0016】
また本発明は、前記画像送信部は、前記第1の画像データ圧縮部から出力された前記画像フレームデータの無線送信を停止している期間に、前記画像データ記憶部に記憶された前記画像フレームデータを無線送信することを特徴とする画像送信端末である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画像送信端末がデータサイズの大きい静止画データを無線送信せず、画像送信端末に記憶することで、術者は高画質の静止画データを画像送信端末に得ることができる。
【0018】
また画像送信端末が、データサイズの大きい静止画データを動画データの送信ブランキング期間に無線送信することで、術者は高画質の静止画データを表示装置に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施の一形態による内視鏡のブロック図である。
【図2】本実施の一形態による表示装置のブロック図である。
【図3】本実施の一形態による内視鏡の動作フローチャートである。
【図4】本実施の一形態による表示装置の動作フローチャートである。
【図5】本実施の一形態による内視鏡のブロック図である。
【図6】本実施の一形態による表示装置のブロック図である。
【図7】第1の無線受信部64のパケットデータ送信タイミングと第2の無線受信部68のパケットデータ送信タイミングを示す図である。
【図8】本実施の一形態による内視鏡の動作フローチャートである。
【図9】本実施の一形態による表示装置の動作フローチャートである。
【図10】本実施の一形態による表示装置の動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1の実施の形態]
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の一形態による内視鏡(画像送信端末)のブロック図である。図1において内視鏡10は、内視鏡操作部11と、内視鏡電源部12と、内視鏡制御部13と、調光部14と、光源部15と、発光部16と、撮像部17と、画像データ生成部18と、第1の画像データ圧縮部19と、無線送信部20と、第2の画像データ圧縮部21と、第1の画像データ記憶部22と、を備える。
【0021】
内視鏡操作部11は、術者(ユーザ)の操作入力を受け付け、内視鏡制御部13と内視鏡電源部12に操作信号を出力する。内視鏡電源部12は、内視鏡操作部11から操作信号として通信接続指示を受信する。通信接続指示を受信した場合、内視鏡電源部12は、内視鏡10の各ブロックへの電力供給を開始する。また内視鏡電源部12は、内視鏡操作部11から操作信号として通信切断指示を受信する。通信切断指示を受信した場合、内視鏡電源部12は、通信切断指示を受信してから所定の時間経過後に、内視鏡10の各ブロックへの電力供給を停止する。なお、内視鏡電源部12が電力供給を停止するタイミングは、内視鏡制御部13から指示されるとしてもよい。
【0022】
内視鏡制御部13は、内視鏡操作部11から操作信号として体腔内に照射する光の発光量データを受信し、発光量データを調光部14に出力する。また、内視鏡操作部11から操作信号として通信接続指示を受信した場合、内視鏡制御部13は、後述する図2に示す表示装置30の無線受信部34との通信接続指示を無線送信部20に出力する。一方、内視鏡操作部11から操作信号として通信切断指示を受信した場合、内視鏡制御部13は、表示装置30の無線受信部34との通信切断指示を無線送信部20に出力する。
【0023】
内視鏡制御部13は、内視鏡操作部11から操作信号として低(非)圧縮データ生成指示(例えば、静止画撮像指示)を受信し、低(非)圧縮データ生成指示を第2の画像データ圧縮部21に出力する。なお内視鏡制御部13は、プログラム動作に用いられるパラメータ等を記憶する記憶部(不図示)を備える、としてもよい。
【0024】
撮像部17は、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ(以下、CCDと称する)や、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ(以下、CMOSと称する)に代表される固体撮像素子を備え、固体撮像素子に入射された光量に応じた画素信号を画像データ生成部18に出力する。画像データ生成部18は、撮像部17から入力された画素信号に基づいて画像フレームデータを生成し、第1の画像データ圧縮部19と第2の画像データ圧縮部21とに画像フレームデータを出力する。
【0025】
第1の画像データ圧縮部19は、画像フレームデータを高圧縮率でフレーム内圧縮し、動画データとして連続的に無線送信部20に出力する。
【0026】
無線送信部20は、内視鏡制御部13から通信接続指示を受信した場合、後述する図2に示す表示装置30の無線受信部34とパケット通信を開始する。さらに無線送信部20は、第1の画像データ圧縮部19から入力された圧縮後の画像フレームデータに変調処理を実行し、後述する図2に示す表示装置30の無線受信部34に無線信号として画像フレームデータのパケットデータを送信する。一方、無線送信部20は、内視鏡制御部13から通信切断指示を受信した場合、後述する図2に示す表示装置30の無線受信部34とのパケット通信を終了する。
【0027】
第2の画像データ圧縮部21は、内視鏡制御部13から低(非)圧縮データ生成指示を受信すると、画像フレームデータを低圧縮率でフレーム内圧縮し、静止画データとして第1の画像データ記憶部22に出力する。ここで、伸張時に画像フレームデータが高画質であるようにするために、第2の画像データ圧縮部21が出力する圧縮後の画像フレームデータは、第1の画像データ圧縮部19が出力する圧縮後の画像フレームデータよりもデータ欠落が少ない低圧縮データであるものとする。なお、第2の画像データ圧縮部21は非圧縮データを出力する、あるいはデータ欠落がまったく発生しない可逆圧縮データを出力するとしてもよい。
【0028】
第1の画像データ記憶部22は、第2の画像データ圧縮部21から圧縮後の画像フレームデータを受信し記憶する。なお第1の画像データ記憶部22は、例えばメモリカードに代表される着脱可能な記憶媒体であってもよい。また第1の画像データ記憶部22は、第1の画像データ記憶部22に外部インターフェース(不図示)を備え、圧縮後の画像フレームデータを内視鏡10の周辺機器(不図示)との通信規格に適合したデータに変換後、圧縮後の画像フレームデータを周辺機器(不図示)に出力する、としてもよい。
【0029】
調光部14は、内視鏡制御部13から入力された発光量データに基づいて光源部15を駆動する。光源部15は、例えばLED(Light Emitting Diode)などの発光素子を備え、調光部14からの駆動に応じて例えば光ファイバを介して発光部16に光を供給する。発光部16は、このように供給された光を体腔内に照射する。
【0030】
図2は、本実施の一形態による表示装置のブロック図である。図2において表示装置30は、表示装置操作部31と、表示装置電源部32と、表示装置制御部33と、無線受信部34と、画像データ伸張部35と、画像処理部36と、表示部37と、第2の画像データ記憶部38と、外部インターフェース部39と、を備える。
【0031】
表示装置操作部31は、術者の操作入力を受け付け、表示装置制御部33と表示装置電源部32に操作信号を出力する。表示装置電源部32は、表示装置操作部31から操作信号として通信接続指示を受信する。通信接続指示を受信した場合、表示装置電源部32は、表示装置30の各ブロックへの電力供給を開始する。また表示装置電源部32は、表示装置操作部31から操作信号として通信切断指示を受信する。通信切断指示を受信した場合、表示装置電源部32は、通信切断指示を受信してから所定の時間経過後に、表示装置30の各ブロックへの電力供給を停止する。なお、表示装置電源部32が電力供給を停止するタイミングは、表示装置制御部33から指示されるとしてもよい。
【0032】
表示装置制御部33は、表示装置操作部31から操作信号として通信接続指示を受信した場合、内視鏡10の無線送信部20との通信接続指示を無線受信部34に出力する。一方、表示装置操作部31から操作信号として通信切断指示を受信した場合、表示装置制御部33は、内視鏡10の無線送信部20との通信切断指示を無線受信部34に出力する。
【0033】
表示装置制御部33から通信接続指示を受信した場合、無線受信部34は、内視鏡10の無線送信部20とパケット通信を開始する。さらに無線受信部34は無線信号として内視鏡10から受信したデータに復調処理を実行し、内視鏡10の無線送信部20から送信された圧縮後の画像フレームデータをパケットデータから取得して、画像データ伸張部35と第2の画像データ記憶部38に出力する。一方、表示装置制御部33から通信切断指示を受信した場合、無線受信部34は、内視鏡10の無線送信部20とのパケット通信を終了する。
【0034】
画像データ伸張部35は、入力された圧縮後の画像フレームデータを伸張処理し、画像処理部36に出力する。画像処理部36は、伸張された画像フレームデータに対し、ノイズリダクションや強調処理等の画像処理を実行し、表示部37に画像処理後の画像フレームデータを出力する。表示部37は、画像処理後の画像フレームデータを画像としてディスプレイ等に表示する。
【0035】
第2の画像データ記憶部38は、無線受信部34から入力された圧縮後の画像フレームデータを記憶する。外部インターフェース部39は、圧縮後の画像フレームデータを第2の画像データ記憶部38から取得し、表示装置30の周辺機器(不図示)との通信規格に適合したデータに変換後、圧縮後の画像フレームデータを周辺機器(不図示)に出力する。
【0036】
図3は、本実施の一形態による内視鏡の動作フローチャートである。内視鏡操作部11は、術者の操作入力を受け付け、内視鏡制御部13と内視鏡電源部12に操作信号を出力する。内視鏡電源部12は、内視鏡操作部11から操作信号として通信接続指示を受信し、内視鏡10の各ブロックに電力供給を開始する。
【0037】
内視鏡制御部13は、内視鏡操作部11から操作信号として体腔内に照射する光の発光量データを受信し、発光量データを調光部14に出力する。調光部14は、内視鏡制御部13から入力された発光量データに基づいて光源部15を駆動する。光源部15は、調光部14からの駆動に応じて例えば光ファイバを介して発光部16に光を供給する。発光部16は、このように供給された光を体腔内に照射する。
【0038】
内視鏡制御部13は、内視鏡操作部11から操作信号として通信接続指示を受信し、表示装置30の無線受信部34との通信接続指示を無線送信部20に出力する。無線送信部20は、内視鏡制御部13から通信接続指示を受信し、表示装置30の無線受信部34とパケット通信を開始する(ステップS1)。
【0039】
電力が供給された撮像部17は、固体撮像素子に入射された光量に応じた画素信号を画像データ生成部18に出力する(ステップS2)。画像データ生成部18は、撮像部17から入力された画素信号に基づいて画像フレームデータを生成し、第1の画像データ圧縮部19と第2の画像データ圧縮部21とに画像フレームデータを出力する(ステップS3)。第1の画像データ圧縮部19は、フレーム内圧縮後の画像フレームデータを無線送信部20に出力する(ステップS4)。
【0040】
内視鏡制御部13は、内視鏡操作部11から低(非)圧縮データ生成指示(例えば、静止画撮像指示)を受信したか否かを判断する(ステップS5)。内視鏡制御部13は、内視鏡操作部11から操作信号として低(非)圧縮データ生成指示を受信しなかった場合は、ステップS8に進む。
【0041】
内視鏡制御部13は、内視鏡操作部11から操作信号として低(非)圧縮データ生成指示を受信した場合は、低(非)圧縮データ生成指示を第2の画像データ圧縮部21に出力する。第2の画像データ圧縮部21は、低(非)圧縮データ生成指示を受信すると、フレーム内圧縮後の画像フレームデータを第1の画像データ記憶部22に出力する(ステップS6)。第1の画像データ記憶部22は、第2の画像データ圧縮部21からフレーム内圧縮後の画像フレームデータ(低(非)圧縮データ)を受信し記憶する(ステップS7)。
【0042】
無線送信部20は、第1の画像データ圧縮部19から入力された圧縮後の画像フレームデータ(高圧縮データ)に変調処理を実行し、表示装置30の無線受信部34に無線信号として画像フレームデータのパケットデータを送信する(ステップS8)。無線送信部20は、通信切断指示を受信した場合、表示装置30の無線受信部34とのパケット通信を終了する。一方、通信切断指示を受信していない場合、無線送信部20はステップS2に戻る。また内視鏡電源部12は、内視鏡操作部11から操作信号として通信切断指示を受信したか否かを判断し、通信切断指示を受信した場合、内視鏡10の各ブロックへの電力供給を所定の時間経過後に停止する。通信切断指示を受信していない場合、内視鏡電源部12は、ステップS2に戻る(ステップS9)。
【0043】
図4は、本実施の一形態による表示装置の動作フローチャートである。表示装置操作部31は、術者の操作入力を受け付け、表示装置制御部33と表示装置電源部32に操作信号を出力する。表示装置電源部32は、表示装置操作部31から操作信号として通信接続指示を受信し、表示装置30の各ブロックに電力供給を開始する。
【0044】
表示装置制御部33は、表示装置操作部31から操作信号として通信接続指示を受信し、内視鏡10の無線送信部20との通信接続指示を無線受信部34に出力する。無線受信部34は、表示装置制御部33から通信接続指示を受信し、内視鏡10の無線送信部20とパケット通信を開始する(ステップSa1)。
【0045】
無線受信部34は無線信号として受信したデータに復調処理を実行し、内視鏡10の無線送信部20から送信された圧縮後の画像フレームデータ(高圧縮データ)をパケットデータから取得して、画像データ伸張部35と第2の画像データ記憶部38に出力する(ステップSa2)。画像データ伸張部35は、入力された圧縮後の画像フレームデータ(高圧縮データ)を伸張処理し、画像処理部36に出力する(ステップSa3)。画像処理部36は、伸張された画像フレームデータに対し画像処理を実行し、表示部37に画像処理後の画像フレームデータを出力する(ステップSa4)。表示部37は、画像処理後の画像フレームデータを画像としてディスプレイ等に表示する(ステップSa5)。
【0046】
無線受信部34は、通信切断指示を受信した場合、内視鏡10の無線送信部20とのパケット通信を終了する。一方、通信切断指示を受信していない場合、無線受信部34はステップSa2に戻る。また表示装置電源部32は、表示装置操作部31から操作信号として通信切断指示を受信したか否かを判断し、通信切断指示を受信した場合、表示装置30の各ブロックへの電力供給を所定の時間経過後に停止する。通信切断指示を受信していない場合、表示装置電源部32は、ステップS2に戻る(ステップSa6)。
【0047】
このようにすれば、内視鏡10の無線送信部20がデータサイズの大きい低(非)圧縮データ(例えば、静止画データ)を無線送信しないので、無線送信部20は通信速度を不足させることなく高圧縮データ(例えば、動画データ)を表示装置30に無線送信することができる。また内視鏡10は、内視鏡10に備えた第1の画像データ記憶部22にデータサイズの大きい低(非)圧縮データを記憶するので、術者は高画質の静止画データを内視鏡10に得ることができる。さらに術者は、無線送信された動画データを表示装置30の表示部37に表示させるとともに、動画データを外部インターフェース部39からも得ることができる。
【0048】
なお、低(非)圧縮データ生成指示(例えば、静止画撮像指示)を内視鏡10の無線送信部20から表示装置30の無線受信部34に送信するようにし、低(非)圧縮データ生成指示を受信した表示装置30が、表示部37に表示中の画像フレームデータ(例えば、動画データ)の更新を一時停止する演出を行ってもよい。このような表示演出をすることで、内視鏡10は低(非)圧縮データ生成処理が実行されたことを術者に通知することができる。
【0049】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は、本実施の一形態による内視鏡のブロック図である。図5において内視鏡40は、内視鏡操作部41と、内視鏡電源部42と、内視鏡制御部43と、調光部44と、光源部45と、発光部46と、撮像部47と、画像データ生成部48と、第1の画像データ圧縮部49と、第1の無線送信部50と、第2の画像データ圧縮部51と、第3の画像データ記憶部52と、第2の無線送信部53と、を備える。
【0050】
内視鏡操作部41は、図1の内視鏡操作部11と同様の動作を行う。内視鏡電源部42は、図1の内視鏡電源部12と同様の動作を行う。内視鏡制御部43は、図1の内視鏡制御部13と同様の動作を行う。内視鏡制御部43は、後述する図6に示す表示装置60の第1の無線受信部64との通信接続指示を第1の無線送信部50に出力する。同様に内視鏡制御部43は、後述する図6に示す表示装置60の第2の無線受信部68との通信接続指示を第2の無線送信部53に出力する。内視鏡制御部43は、内視鏡操作部41から操作信号として内視鏡40の通信接続指示を受信する。通信切断指示についても、内視鏡制御部43は、図1の内視鏡制御部13と同様に動作する。
【0051】
内視鏡制御部43は、第1の無線送信部50と第2の無線送信部53にパケットデータ送信タイミングを指示する。また内視鏡制御部43は、第1の無線送信部50がパケットデータ送信を完了しているか否かの情報を、第1の無線送信部50から取得する。同様に内視鏡制御部43は、第2の無線送信部53がパケットデータ送信を完了しているか否かの情報を、第2の無線送信部53から取得する。
【0052】
内視鏡操作部41から操作信号として低(非)圧縮データ生成指示(例えば、静止画撮像指示)を受信した場合、内視鏡制御部43は、低(非)圧縮データ生成指示を第2の画像データ圧縮部51に出力する。さらに内視鏡制御部43は、「高圧縮データ記憶指示情報」を画像フレームデータに付加するよう第1の無線送信部50に指示をする。ここで「高圧縮データ記憶指示情報」とは、後述する図6に示す表示装置60の第4の画像データ記憶部69に第1の無線送信部50から送信される画像フレームデータを記憶させるために、表示装置60の第1の無線受信部64が参照する情報である。なお「高圧縮データ記憶指示情報」は画像フレームデータに付加するのでなく、もともと画像フレームデータに含まれるものとし、「高圧縮データ記憶指示情報」を示すビットの「有効」「無効」を切り替える、としてもよい。
【0053】
低(非)圧縮データ生成指示を受信した内視鏡制御部43は、第1の無線送信部50のパケットデータ送信を、第2の無線送信部53のパケットデータ送信が完了するまで一時停止するよう第1の無線送信部50に指示することで、第2の無線送信部53のパケットデータ送信を一時停止させている間に第2の無線送信部53にパケットデータ送信させる、としてもよい。
【0054】
調光部44と光源部45と発光部46は、それぞれ図1の調光部14と光源部15と発光部16と同様の動作を行う。撮像部47は、図1の撮像部17と同様の動作を行う。画像データ生成部48は、図1の画像データ生成部18と同様の動作を行う。
【0055】
第1の画像データ圧縮部49は、図1の第1の画像データ圧縮部19と同様の動作を行う。第1の画像データ圧縮部49は、フレーム内圧縮後の画像フレームデータ(例えば、動画データ)を第1の無線送信部50に出力する。
【0056】
第1の無線送信部50は、図1の無線送信部20と同様の動作を行う。第1の無線送信部50は、後述する図6に示す表示装置60の第1の無線受信部64に無線信号として画像フレームデータのパケットデータを送信する。また内視鏡制御部43から「高圧縮データ記憶指示情報」付加指示を受信した場合、第1の無線送信部50は、画像フレームデータに「高圧縮データ記憶指示情報」を付加して、パケットデータを送信する。
【0057】
第2の画像データ圧縮部51は、図1の第2の画像データ圧縮部21と同様の動作を行う。第2の画像データ圧縮部51は、フレーム内圧縮後の画像フレームデータ(例えば、静止画データ)を第3の画像データ記憶部52に出力する。ここで、伸張された後も高画質であるようにするために、第2の画像データ圧縮部51が出力する圧縮後の画像フレームデータは、第1の画像データ圧縮部49が出力する圧縮後の画像フレームデータよりもデータ欠落が少ない低圧縮データであるものとする。なお、第2の画像データ圧縮部51は非圧縮データを出力する、あるいは伸張処理によるデータ欠落がまったく発生しない可逆圧縮データを出力するとしてもよい。
【0058】
第3の画像データ記憶部52は、図1の第1の画像データ記憶部22に対応し、第2の画像データ圧縮部51から圧縮後の画像フレームデータを受信し記憶する。また第3の画像データ記憶部52は、第2の無線送信部53に圧縮後の画像フレームデータを出力する。
【0059】
第2の無線送信部53は、内視鏡制御部43から通信接続指示を受信した場合、後述する図6に示す表示装置60の第2の無線受信部68とパケット通信を開始する。さらに第2の無線送信部53は、後述する図6に示す表示装置60の第2の無線受信部68に無線信号として画像フレームデータのパケットデータを送信する。一方、第2の無線送信部53は、内視鏡制御部43から通信切断指示を受信した場合、後述する図6に示す表示装置60の第2の無線受信部68とのパケット通信を終了する。
【0060】
なお第2の無線送信部53は、第1の無線送信部50と同じ通信方式を実行する必要はなく、第1の無線送信部50よりも高速な通信を実行するとしてもよい。例えば第2の無線送信部53は、信号の1区間(シンボル)に多くの情報を送出する多値変調を実行するとしてもよい。また第2の無線送信部53は、第1の無線送信部50よりも広い通信帯域幅を持つとしてもよい。
【0061】
図6は、本実施の一形態による表示装置のブロック図である。図6において表示装置60は、表示装置操作部61と、表示装置電源部62と、表示装置制御部63と、第1の無線受信部64と、画像データ伸張部65と、画像処理部66と、表示部67と、第2の無線受信部68と、第4の画像データ記憶部69と、外部インターフェース部70と、を備える。
【0062】
表示装置操作部61は、図2の表示装置操作部31と同様の動作を行う。表示装置電源部62は、図1の表示装置電源部32と同様の動作を行う。表示装置制御部63は、図2の表示装置制御部33と同様の動作を行う。表示装置制御部63は、表示装置操作部61から操作信号として通信接続指示を受信し、内視鏡40の第1の無線送信部50との通信接続指示を第1の無線受信部64に出力する。同様に表示装置制御部63は、内視鏡40の第2の無線送信部53との通信接続指示を第2の無線受信部68に出力する。通信切断指示についても、表示装置制御部63は、図2の表示装置制御部33と同様に動作する。
【0063】
第1の無線受信部64は、表示装置制御部63から通信接続指示を受信し、内視鏡40の第1の無線送信部50とパケット通信を開始する。第1の無線受信部64は無線信号として受信したデータに復調処理を実行し、内視鏡40の第1の無線送信部50から送信された圧縮後の画像フレームデータをパケットデータから取得して、画像データ伸張部65に出力する。
【0064】
第1の無線受信部64は、図5の第1の無線送信部50から送信された画像フレームデータ(高圧縮データ)に「高圧縮データ記憶指示情報」が付加されているか否かを検出する。「高圧縮データ記憶指示情報」が付加されていた場合、第1の無線受信部64は、圧縮後の画像フレームデータを第4の画像データ記憶部69にも出力する。
【0065】
第2の無線受信部68は、表示装置制御部63から通信接続指示を受信し、内視鏡40の第2の無線送信部53とパケット通信を開始する。第2の無線受信部68は無線信号として受信したデータに復調処理を実行し、内視鏡40の第2の無線送信部53から送信された圧縮後の画像フレームデータをパケットデータから取得して、第4の画像データ記憶部69に出力する。
【0066】
画像データ伸張部65は、入力された圧縮後の画像フレームデータを伸張処理し、画像処理部66に出力する。画像処理部66は、伸張された画像フレームデータに対し、ノイズリダクションや強調処理等の画像処理を実行し、表示部67に画像処理後の画像フレームデータを出力する。表示部67は、画像処理後の画像フレームデータを画像としてディスプレイ等に表示する。
【0067】
第4の画像データ記憶部69は、入力された圧縮後の画像フレームデータを記憶する。なお第4の画像データ記憶部69は、例えばメモリカードに代表される着脱可能な記憶媒体であってもよい。外部インターフェース部70は、圧縮後の画像フレームデータを第4の画像データ記憶部69から取得し、表示装置60の周辺機器(不図示)との通信規格に適合したデータに変換後、圧縮後の画像フレームデータを周辺機器(不図示)に出力する。
【0068】
図7は、第1の無線送信部50のパケットデータ送信タイミングと第2の無線送信部53のパケットデータ送信タイミングを示す図である。第1の無線送信部50は、高圧縮データパケット(例えば、動画データ)を送信する。また第2の無線送信部53は、低(非)圧縮データパケット(例えば、静止画データ)を送信する。ここで内視鏡制御部43は、第1の無線送信部50がパケットデータを送信しない期間である送信ブランキング期間を、例えば画像フレームデータ送信がすべて完了しているか否かによって、あるいは所定の周期でパケットデータが送信されることによって、決めてもよい。なお、内視鏡制御部43の指示によらず、第1の無線送信部50と第2の無線送信部53とが所定の周期で交互にパケットデータを送信する、としてもよい。
【0069】
図8は、本実施の一形態による内視鏡の動作フローチャートである。内視鏡操作部41は、術者の操作入力を受け付け、内視鏡制御部43と内視鏡電源部42に操作信号を出力する。内視鏡電源部42は、内視鏡操作部41から操作信号として通信接続指示を受信し、内視鏡40の各ブロックに電力供給を開始する。
【0070】
内視鏡制御部43は、内視鏡操作部41から操作信号として体腔内に照射する光の発光量データを受信し、発光量データを調光部44に出力する。調光部44は、内視鏡制御部43から入力された発光量データに基づいて光源部45を駆動する。光源部45は、調光部44からの駆動に応じて例えば光ファイバを介して発光部46に光を供給する。発光部46は、このようにして供給された光を体腔内に照射する。
【0071】
内視鏡制御部43は、内視鏡操作部41から操作信号として通信接続指示を受信する。内視鏡制御部43は、表示装置60の第1の無線受信部64との通信接続指示を第1の無線送信部50に出力する。第1の無線送信部50は、内視鏡制御部43から通信接続指示を受信し、表示装置60の第1の無線受信部64とパケット通信を開始する。同様に第2の無線送信部53は、表示装置60の第2の無線受信部68とパケット通信を開始する(ステップSb1)。
【0072】
ステップSb2からステップSb3までは、図3のステップS2からステップS3までと同様である。第1の画像データ圧縮部49は、フレーム内圧縮後の画像フレームデータを第1の無線送信部50に出力する(ステップSb4)。
【0073】
内視鏡制御部43は、内視鏡操作部41から低(非)圧縮データ生成指示を受信したか否かを判断する(ステップSb5)。内視鏡制御部43は、内視鏡操作部41から操作信号として低(非)圧縮データ生成指示(例えば、静止画撮像指示)を受信した場合は、低(非)圧縮データ生成指示を第2の画像データ圧縮部51に出力する。さらに内視鏡制御部43は、第1の画像データ圧縮部49が出力した画像フレームデータ(高圧縮データ)に対して「高圧縮データ記憶指示情報」を付加するよう、第1の無線送信部50に指示する。内視鏡操作部41から操作信号として低(非)圧縮データ生成指示を受信しなかった場合、内視鏡制御部43は、ステップSb9に進む。
【0074】
第2の画像データ圧縮部51は、低(非)圧縮データ生成指示を受信すると、圧縮後の画像フレームデータを第3の画像データ記憶部52に出力する(ステップSb6)。第3の画像データ記憶部52は、第2の画像データ圧縮部51から圧縮後の画像フレームデータを受信し記憶する(ステップSb7)。「高圧縮データ記憶指示情報」を付加するよう指示された第1の無線送信部50は、「高圧縮データ記憶指示情報」を高圧縮データに付加する(ステップSb8)。
【0075】
次に内視鏡制御部43は、前述の条件に応じて送信ブランキング期間か否かを決める(ステップSb9)。送信ブランキング期間でない場合、内視鏡制御部43は、第1の無線送信部50にパケットデータ送信を指示する。第1の無線送信部50は、表示装置60の第1の無線受信部64に無線信号として画像フレームデータ(高圧縮データ)のパケットデータを送信する(ステップSb10)。
【0076】
第1の無線送信部50と第2の無線送信部53は、通信切断指示を受信した場合、表示装置60の各無線受信部とのパケット通信を終了する。一方、通信切断指示を受信していない場合、第1の無線送信部50と第2の無線送信部53はステップSb2に戻る。また内視鏡電源部42は、内視鏡操作部41から操作信号として通信切断指示を受信したか否かを判断し、通信切断指示を受信した場合、内視鏡40の各ブロックへの電力供給を所定の時間経過後に停止する。通信切断指示を受信していない場合、内視鏡電源部42は、ステップSb2に戻る(ステップSb11)。
【0077】
ステップSb9において送信ブランキング期間である場合、内視鏡制御部43は、第2の無線送信部53のパケットデータ送信が前回までに完了しているか否かを判断する。送信が完了している場合は、ステップSb11に進む(ステップSb12)。送信が完了していない場合、内視鏡制御部43は、第2の無線送信部53にパケットデータ送信を指示する。第2の無線送信部53は、表示装置60の第2の無線受信部68に無線信号として画像フレームデータ(低(非)圧縮データ)のパケットデータを送信し、ステップSb9に進む(ステップSb13)。
【0078】
図9は、本実施の一形態による表示装置の動作フローチャートである。表示装置操作部61は、術者の操作入力を受け付け、表示装置制御部63と表示装置電源部62に操作信号を出力する。表示装置電源部62は、表示装置操作部61から操作信号として通信接続指示を受信し、表示装置30の各ブロックに電力供給を開始する。
【0079】
表示装置制御部63は、表示装置操作部61から操作信号として通信接続指示を受信し、内視鏡40の第1の無線送信部50との通信接続指示を第1の無線受信部64に出力する。第1の無線受信部64は、表示装置制御部63から通信接続指示を受信し、内視鏡40の第1の無線送信部50とパケット通信を開始する。同様に第2の無線受信部68は、表示装置制御部63から通信接続指示を受信し、内視鏡40の第2の無線送信部53とパケット通信を開始する(ステップSc1)。
【0080】
第1の無線送信部50からパケットデータの送信があった場合、第1の無線受信部64は、受信したデータに復調処理を実行し、圧縮後の画像フレームデータをパケットデータから取得して、画像データ伸張部65に出力する(ステップSc2)。ステップSc3において、第2の無線送信部53からパケットデータの送信があった場合、第2の無線受信部68は、受信したデータに復調処理を実行し、圧縮後の画像フレームデータをパケットデータから取得して、画像データ伸張部65と第4の画像データ記憶部69に出力する。第4の画像データ記憶部69は、圧縮後の画像フレームデータ(低(非)圧縮データ)を記憶する(ステップSc4)。
【0081】
画像データ伸張部65は、複数のパケットデータを用いて伸張処理を実行する。したがって、ステップSc2においてパケットデータを受信しなかった場合でも、画像データ伸張部65は、前回までに入力された圧縮後の画像フレームデータに対して伸張処理を実行する(ステップSc5)。画像処理部66は、伸張された画像フレームデータに対し画像処理を実行し、表示部67に画像処理後の画像フレームデータを出力する(ステップSc6)。
【0082】
第1の無線受信部64は、受信したパケットデータの画像フレームデータに「高圧縮データ記憶指示情報」が付加されているか否かを検出する(ステップSc7)。「高圧縮データ記憶指示情報」が付加されている場合、第1の無線受信部64は、圧縮後の画像フレームデータを第4の画像データ記憶部69に出力する。第4の画像データ記憶部69は、圧縮後の画像フレームデータを記憶する(ステップSc8)。
【0083】
表示部67は、画像処理後の画像フレームデータを画像としてディスプレイ等に表示する(ステップSc9)。第1の無線受信部64と第2の無線受信部68は、通信切断指示を受信した場合、内視鏡40の各無線送信部とのパケット通信を終了する。一方、通信切断指示を受信していない場合、第1の無線受信部64と第2の無線受信部68はステップSc2に戻る。また表示装置電源部62は、表示装置操作部61から操作信号として通信切断指示を受信したか否かを判断し、通信切断指示を受信した場合、表示装置60の各ブロックへの電力供給を所定の時間経過後に停止する。通信切断指示を受信していない場合、表示装置電源部62は、ステップSc2に戻る(ステップSc10)。
【0084】
このようにすれば、内視鏡40の第2の無線送信部53がデータサイズの大きい低(非)圧縮データ(例えば、静止画データ)を、高圧縮データ(例えば、動画データ)の送信ブランキング期間に無線送信するので、第1の無線送信部50は通信速度を不足させることなく高圧縮データを表示装置60に無線送信できる。これにより術者は、高画質の静止画データを表示装置60の第4の画像データ記憶部69と外部インターフェース部70から得ることができる。
【0085】
低(非)圧縮データ(例えば、静止画データ)の送信タイミングは以下のようにしてもよい。図10は、本実施の一形態による表示装置の動作フローチャートである。ここで、ステップSd1からステップSd8は、図8のステップSb1からステップSb8と同様である。
【0086】
術者が内視鏡40による検査を終了する場合、内視鏡操作部41は調光部44の停止指示(発光部46の消灯指示)を受け付け、内視鏡制御部43に調光部44の停止指示を通知する。内視鏡制御部43は、内視鏡操作部41から調光部44の停止指示を受信したか否かを判断する(ステップSd9)。内視鏡制御部43が調光部44の停止指示を受信していない場合、術者が内視鏡40による検査を継続していることが想定されるので、内視鏡制御部43は、第1の無線送信部50に画像フレームデータ(高圧縮データ)のパケットデータ送信を指示する。第1の無線送信部50は、表示装置60の第1の無線受信部64に無線信号として画像フレームデータ(高圧縮データ)のパケットデータを送信し、ステップSd2に進む(ステップSd10)
【0087】
内視鏡制御部43が調光部44の停止指示を受信した場合、術者が内視鏡40による検査を終了することが想定されるので、内視鏡制御部43は、調光部44の停止指示を受信し、調光部44の動作を停止させる。また内視鏡制御部43は、第1の無線送信部50に画像フレームデータの送信停止を指示する。さらに内視鏡制御部43は、第2の無線送信部53のパケットデータ一括送信が完了しているか否かを判断する。送信が完了していない場合、内視鏡制御部43は、第2の無線送信部53に未送信のパケットデータを送信することを指示する。パケットデータ送信指示を受けた第2の無線送信部53は、表示装置60の第2の無線受信部68に無線信号として画像フレームデータ(低(非)圧縮データ)のパケットデータを送信し、ステップSd9に進む(ステップSd12)。
【0088】
このようにすれば、内視鏡40の第2の無線送信部53がデータサイズの大きい低(非)圧縮データ(例えば、静止画データ)を、高圧縮データ(例えば、動画データ)の送信停止後に一括で無線送信するので、第1の無線送信部50は通信速度を不足させることなく高圧縮データを表示装置60に無線送信できる。これにより術者は、高画質の静止画データを表示装置60の第4の画像データ記憶部69と外部インターフェース部70から得ることができる。
【0089】
なお、図10のステップSd9の判断条件は、調光部44の停止指示を受信したか否かを判断する代わりに、内視鏡電源部42への通信切断指示、すなわち内視鏡40への電源供給停止指示を受信したか否か、としてもよい。さらに、内視鏡電源部42が保持する電力が充分でない場合は、内視鏡40は内視鏡電源部42に充電されるのを待ち、次回の電力供給指示をトリガーにして、表示装置60にパケットデータを一括送信する、としてもよい。
【0090】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0091】
また、本発明に記載の撮像部は、撮像部17と、撮像部47と、に対応し、画像データ生成部は、画像データ生成部18と、画像データ生成部48と、に対応し、第1の画像データ圧縮部は、第1の画像データ圧縮部19と、第1の画像データ圧縮部49と、に対応し、第2の画像データ圧縮部は、第2の画像データ圧縮部21と、第2の画像データ圧縮部51と、に対応し、画像データ記憶部は、第1の画像データ記憶部22と、第3の画像データ記憶部52と、に対応し、画像送信部は、無線送信部20と、第1の無線送信部50と、第2の無線送信部38と、に対応し、操作部は、内視鏡操作部11と、内視鏡操作部41と、画像選択部は、内視鏡操作部11と、内視鏡制御部13と、内視鏡操作部41と、内視鏡制御部43と、に対応する。
する。
【0092】
また、図3、図4、図8、図9、図10に示す各ステップを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、通信端末の実行処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
【0093】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0094】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、無線で画像データを送信する画像送信端末に好適である。
【符号の説明】
【0096】
10…内視鏡 11…内視鏡操作部 12…内視鏡電源部 13…内視鏡制御部 14…調光部 15…光源部 16…発光部 17…撮像部 18…画像データ生成部 19…第1の画像データ圧縮部 20…無線送信部 21…第2の画像データ圧縮部 22…第1の画像データ記憶部 30…表示装置 31…表示装置操作部 32…表示装置電源部 33…表示装置制御部 34…無線受信部 35…画像データ伸張部 36…画像処理部 37…表示部 38…第2の画像データ記憶部 39…外部インターフェース部 40…内視鏡 41…内視鏡操作部 42…内視鏡電源部 43…内視鏡制御部 44…調光部 45…光源部 46…発光部 47…撮像部 48…画像データ生成部 49…第1の画像データ圧縮部 50…第1の無線送信部 51…第2の画像データ圧縮部 52…第3の画像データ記憶部 53…第2の無線送信部 60…表示装置 61…表示装置操作部 62…表示装置電源部 63…表示装置制御部 64…第1の無線受信部 65…画像データ伸張部 66…画像処理部 67…表示部 68…第2の無線受信部 69…第4の画像データ記憶部 70…外部インターフェース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子に入射された光量に応じた画素信号を出力する撮像部と、
前記画素信号に基づいて画像フレームデータを生成して出力する画像データ生成部と、
前記画像フレームデータを所定の圧縮率で圧縮して出力する第1の画像データ圧縮部と、
前記画像フレームデータを非圧縮のまま又は前記所定の圧縮率よりも低い圧縮率で圧縮して出力する第2の画像データ圧縮部と、
ユーザの操作入力を受け付け、前記操作入力に基づいて前記撮像部で撮像された前記画像フレームデータを選択する画像選択部と、
前記画像選択部の選択に応じて、前記第2の画像データ圧縮部から出力された前記画像フレームデータを記憶する画像データ記憶部と、
前記第1の画像データ圧縮部から出力された前記画像フレームデータを無線送信する画像送信部と、
を備えることを特徴とする画像送信端末。
【請求項2】
ユーザの通信切断指示操作を受け付け、前記操作に基づいて操作信号を出力する操作部を備え、
前記画像送信部は、前記操作信号を受信した際に、前記画像データ記憶部に記憶された前記画像フレームデータを無線送信することを特徴とする請求項1に記載の画像送信端末。
【請求項3】
前記画像選択部が、前記画像フレームデータを選択した際に、前記第1の画像データ圧縮部から出力された前記画像フレームデータの無線送信を中断し、前記画像データ記憶部に記憶された前記画像フレームデータを無線送信することを特徴とする請求項1に記載の画像送信端末。
【請求項4】
前記画像データ記憶部は、着脱可能な記憶媒体であることを特徴とする請求項1に記載の画像送信端末。
【請求項5】
前記画像データ記憶部は、外部インターフェースを備えることを特徴とする請求項1に記載の画像送信端末。
【請求項6】
前記画像送信部は、前記第1の画像データ圧縮部から出力された前記画像フレームデータの無線送信を停止している期間に、前記画像データ記憶部に記憶された前記画像フレームデータを無線送信することを特徴とする請求項1に記載の画像送信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−251902(P2010−251902A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−97012(P2009−97012)
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】