説明

界面活性剤を含む接着剤層を有する親水性の物品

熱可塑性ポリマーの層、および界面活性剤が中に分散された接着剤層を含む、親水性の物品を開示する。該親水性の物品は、たとえば、水性インク用インク受容基材として、流体輸送物品、ワイプスおよび吸収性物品に、有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性ポリマーの層、および界面活性剤が中に分散された接着剤層を含む、親水性の物品に関する。本発明はまた、このような物品を製造する方法にも関する。該親水性の物品は、たとえば、水性インク用インク受容基材として、流体輸送物品、ワイプス(wipes)および吸収性物品に、有用である。
【背景技術】
【0002】
押し出された熱可塑性ポリマー、たとえばポリオレフィンから作られるフィルムは、たとえば、オーバーヘッドトランスパレンシー、包装材料、ラベル、インク受容基材および接着テープ用裏材等として、様々な用途で広く使用されている。多くの用途で、該フィルムは、コーティングまたは表面処理を施して、該フィルムを親水性にする必要がある。良好な接着、およびこのようなコーティング、特に水性コーティングの、被覆性を与えるためには、コーティングの前にフィルム表面をコロナ放電で処理することが一般に必要である。この処理は、概して効果的であるが、フィルム表面を粗くする。さらに、該フィルム表面に対するコロナ放電処理の効果は、経時的に低下する可能性がある。したがって、コロナ放電処理は、概して、該フィルムのコーティングに合わせて行うことができる場合に有用であるに過ぎない。しかし、多数の用途では、それは現実的ではないかもしれない。
【0003】
さらに、多くの用途では、これらの基材は、文章およびカラー画像を含む画像等の、印刷情報が提供される必要がある。多くの場合、この印刷情報は、インクプリンティング、特にインクジェットプリンティングにより、その上に提供される。残念ながら、未処理の熱可塑性ポリマー基材は、このようにして印刷されるとき、多数の不都合がある。たとえば、色のブリージングおよび/または色の癒合結果として、画像の見た目が劣ることがある。さらに、乾燥が遅いという欠点のあるインクもあり、また許容できる時間内に完全に乾燥せずに、表面的に乾燥するに過ぎないインクもあるであろう。こうした問題は、使用されるインクが水性インクであるときに殊に顕著であるが、専ら水性インクのみで観察される訳ではない。したがって、改良された印刷適性を備えた、これらの熱可塑性ポリマー基材を提供できる解決法が必要である。
【0004】
さらに、熱可塑性ポリマーの押し出し中に化合物を添加することにより、熱可塑性ポリマーの表面特性を変えることは、当該技術分野で公知である。
【0005】
国際公開第92/18569号パンフレットおよび国際公開第95/01396号パンフレットには、撥水特性を備えたフィルムおよび繊維を作製するための熱可塑性ポリマーの押し出しで使用するためのフルオロケミカル添加物について記述されている。優れた抗濡れ特性を備えたフィルムを作製できることが具体的に開示されている。さらに、フルオロケミカルが中に分散されたポリプロピレンフィルムは、優れた帯電防止特性を有することが教示されている。
【0006】
さらに、繊維の表面および本体の両者に親水性を与えるために、熱可塑性ポリマーの溶解物に1つまたは複数の界面活性剤を加えることもまた、当該技術分野で教示されている。米国特許第4,857,251号明細書および同第4,920,168号明細書(ノーア(Nohr)ら)には、熱可塑性ポリマーおよびある部分を有するシロキサン含有添加物を含む表面分離可能な熱可塑性組成物の溶融押出によって繊維を形成する方法が記述されている。該繊維が形成された後、それらを、該繊維表面における添加物の量を増加させるのに十分な時間、27℃〜95℃に加熱する。結果として生じる繊維は、熱可塑性ポリマーのみから調製される繊維と比べて高い表面親水性を示す。
【0007】
米国特許第5,804,625号明細書(テンパランテ(Temperante)ら)には、該ポリマーから押し出された物品の表面に永続的な親水性を与えるために、1つまたは複数の非イオン性フルオロケミカル界面活性剤と1つまたは複数の非イオン性、非フッ素化、ポリオキシエチレン基含有界面活性剤との配合物を、ポリマー溶解物に添加することが開示されている。製造することができ、かつ表面における永続的な親水性を提供することができる、特定の物品としては、繊維、布およびフィルムなどがある。
【0008】
EP 0 516 271号明細書には、繊維の表面に永続的な濡れ性を与えるために、ポリプロピレン繊維の押し出しに際して、フルオロ脂肪族基含有非イオン性化合物を使用することが開示されている。特に例示された化合物は、ヒドロキシル基または低アルキルエーテルで終わるポリ(オキシアルキレン)基に連結されたペルフルオロアルキル基を有するものである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、親水性表面を備えた熱可塑性ポリマー物品が必要である。詳細に後述する通り、本発明は、該物品のポリマー層に結合された接着剤層中に界面活性剤を分散させることにより、この問題を解決する。該界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、または両性界面活性剤あるいはそれらの混合物であってもよい。該ポリマー層は、無孔性フィルム、膜または織布または不織布等の繊維状層の形態であってもよい。
【0010】
本発明は、第1の親水性表面、および接着剤層が結合した第2の表面を有するポリマー層を含み、前記接着剤層は、前記ポリマー層の前記第1の表面に移動して、前記第1の表面に親水性を与える、中に分散した十分な界面活性剤を含む、親水性の物品を提供する。本発明の実施に際して、ある範囲の界面活性剤濃度を使用することが可能であるが、概して、該接着剤層は、接着剤層の総重量を基準にして少なくとも3重量%の界面活性剤を含有する。好ましくは、該感圧接着剤層は、接着剤層の総重量を基準にして、少なくとも5重量%から40重量%以下までの、少なくとも1つの界面活性剤を含有する。
【0011】
別の態様において、本発明は、感圧接着剤を、第1の熱可塑性ポリマー層の主要面と接触させることを含み、該接着剤は、接着剤の総重量を基準にして、3重量%超から40重量%以下までの、少なくとも1つの界面活性剤を含む、親水性の物品を製造する方法を提供する。
【0012】
本発明との関連で、用語「中に分散された」の使用は、該界面活性剤が、その後、移動する可能性のある所に関して制限無く、該接着剤層中に界面活性剤が最初に存在することを意味するに過ぎないことが理解されるであろう。したがって、該界面活性剤は、最初は、該接着剤の全体に一様に分散されていてもよく、あるいは該熱可塑性ポリマー層の表面に移動していてもよい。
【0013】
本明細書で使用されるとき、「親水性」は、該熱可塑性ポリマー層の表面の特徴、すなわち、該層の表面が水溶液により濡れていること、に言及するためのみに使用され、該層が水溶液を吸収するか否かを表現するのではない。したがって、熱可塑性ポリマー層は、該層が水溶液不透過性または透過性であろうとなかろうと、親水性と呼ばれる可能性がある。水または水溶液の滴が90°未満の接触角を示す表面は、一般に「親水性」と呼ばれる。
【0014】
本発明は、該接着剤層から該ポリマー層中へのこのような界面活性剤の移動により該ポリマー層の表面を親水性にさせるために、熱可塑性ポリマー層に付着した接着剤層中に界面活性剤の貯蔵所を提供することによって、当該技術分野の問題を解決する。
【0015】
本発明の一態様は、(a)ポリマー層に親水性表面を提供する少なくとも1つの界面活性剤を、接着剤層中に分散させる工程;および(b)該接着剤層が、ポリマー層のために界面活性剤貯蔵所を提供するように、該接着剤を、熱可塑性ポリマー層に付着させる工程;を含む、熱可塑性ポリマー層および接着剤層を含む、親水性の物品を提供する方法である。本発明の特長は、長期にわたって親水性を提供するために、該ポリマー層と接触している接着剤中に面活性剤の貯蔵所を提供できることである。
【0016】
予期せず、本発明の方法は、該接着剤に隣接しているポリマー層に親水性表面を提供するのみならず、該貯蔵所接着剤が膜に隣接するとき、複合品の他層にも親水性表面を提供する。より具体的には、該貯蔵所接着剤が微多孔膜に隣接する場合、該界面活性剤は膜を通過して、多層物品のさらなる層中に移動する。注目すべきは、貯蔵所中の界面活性剤は、異なる2つの材料の異なる2層を横切って移動し、第3の層を親水性にすることが可能なことである。したがって、本発明の別の利点は、接着剤層から、中間層を通過して、移動した界面活性剤によって親水性表面が提供される、未だ界面活性剤を少しも含んでいないかもしれない多層フィルムを使用できることである。
【0017】
本発明の別の態様は、界面活性剤移動前には、熱可塑性ポリマー層それ自身は、当初は疎水性である、隣接する熱可塑性ポリマー層に親水性表面を提供する界面活性剤のための、隣接する接着剤送達システムによって親水性にされる、熱可塑性ポリマー層である。
【0018】
「接着剤送達システム」は、界面活性剤用の貯蔵所を提供し、またこのような界面活性剤の、接着剤層から隣接する熱可塑性ポリマー層中への移動を容易にするための、接着剤の使用を意味する。この接着剤送達システムの使用は、熱可塑性ポリマーに親水性表面を提供するために使用される最も一般的な2つの方法である、押し出しおよびコーティングで、生じる問題を排除する。界面活性剤は、しばしば直接調合することができず、また、界面活性剤の分解温度が低いため、溶解物として押し出される。別の事例では、界面活性剤は、ポリマー核形成を妨害したり、あるいは処理中に、熱可塑性ポリマーの物理的性質を低下させたりする可能性がある。
【0019】
親水性表面を提供するためのコーティング方法もまた、幾つかの制限を有する。まず第1に、フィルム作製に必要とされる特別の工程は高価であり、時間がかかり、また安全性および環境問題を含む。コーティングに使用される溶剤の多くは、特別の製造施設を必要とする、可燃性液体であるか、または曝露限度を有する。さらに、界面活性剤の量は、コーティング溶剤中での溶解度およびコーティングの濃度によって制限される。また、接着剤に界面活性剤を組み入れることにより、これらの問題を解決することができる。本発明の「接着剤送達システム」は、こうした問題を解決する。
【0020】
本発明の親水性の物品は、インク受容性基材として;オムツ、生理用ナプキン、および失禁用具等のパーソナルケア製品に;流体を吐かせたり、他の方法で輸送する、流体輸送装置として;レスピレーター等の、濾材として:表面拭き取りとして;また防曇フィルムとして;多くの目的に適する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、図面を参照すると、典型的な親水性の物品100は、主要面120および125を有する熱可塑性ポリマー層110を含む。感圧接着剤層130は、主要面120と接触し、また場合により、基材140の主要面150と接触する。感圧接着剤層130は、少なくとも1つの感圧接着剤、および、該感圧接着剤層の総重量ベースで少なくとも3重量%の、少なくとも1つの界面活性剤を含む。本発明の幾つかの実施形態では、基材140は、たとえば、剥離ライナーであってもよい。
【0022】
理論に拘束されたくないが、接着剤層中の界面活性剤は、該感圧接着剤層から該熱可塑性ポリマー層中に徐々に移動すると考えられる。熱可塑性ポリマー層に拡散されていた界面活性剤は、使用中、曝露中または保存中に、消耗される可能性がある。接着剤貯蔵所から界面活性剤を徐々に放出することにより、該熱可塑性ポリマー層は、界面活性剤の連続供給を受けることができる。接着剤層から熱可塑性ポリマー層を通過する界面活性剤の移動は、拡散過程であると考えられ、したがって、接着剤層および熱可塑性ポリマー層のTgは、好ましくは25℃以下であり、より好ましくは約0℃未満である。ガラス状態のポリマーは、概して、ゴム状態のものより浸透性が低いため、ゴム状態のポリマーは特に有用である。該物品を加熱することにより、該界面活性剤の移動を増強することが可能である。
【0023】
熱可塑性ポリマー層で使用するための熱可塑性ポリマーの例としては、ポリエステル類、ポリウレタン類、ポリアミド類およびポリ(α)オレフィン類などがある。好ましい熱可塑性ポリマーは、ポリ(α)オレフィン類である。ポリ(α)オレフィンは、当該技術分野で一般に認められている、通常は固体の、脂肪族モノ−1−オレフィン類(αオレフィン類)のホモポリマー、コポリマーおよびターポリマーを包含することができる。通常、このようなポリ(α)オレフィンの製造に使用されるモノマーは、分子当たり約2〜10個の炭素原子を含むが、時には、より高い分子量のモノマーがコモノマーとして使用される。本発明はまた、機械的に、またはin situで、調製されるポリマーおよびコポリマーの配合物にも応用できる。熱可塑性ポリマーの調製に使用することができる有用なモノマーの例としては、単独の、または混合剤中の、あるいは逐次重合システムにおける、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、4−メチル−ペンテン、ヘキセン、およびオクテンなどがある。好ましい熱可塑性ポリマーの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン/エチレンコポリマー、ポリブチレンおよびそれらの配合物などがある。熱可塑性ポリマーを調製する方法は周知であり、本発明は、ある特定の方法で製造されたポリマーに限定されない。
【0024】
該熱可塑性ポリマー層は、フィルム、膜または繊維状層の形態であってもよく、延伸されていても延伸されていなくてもよい。本明細書で使用されるとき、用語「繊維」および「繊維状」は、粒状物質、概して、該粒状物質の直径に対する長さの比が約10以上である、熱可塑性樹脂を指す。繊維直径は、約0.5μmから少なくとも1,000μmまでの範囲であってもよい。各繊維は様々な横断面形状を有してもよく、中実であっても中空であってもよく、また、たとえば、押し出し前に、染料または顔料をポリマー融解物に組み入れることにより着色されていてもよい。本発明の目的のために、フィルムに存在するあらゆる孔隙は、フィルムの全厚さを超えないが、膜に存在する少なくとも一部の孔隙は、膜の全厚さを超えて、反対面の間に流体管を提供する点で、「フィルム」は、「膜」と区別される。
【0025】
有用な熱可塑性ポリマー層は、織布、編物、および不織布を含む。繊維状熱可塑性ポリマー層は任意の厚さを有してもよいが、一般的には、該厚さは少なくとも10、25、または1000μmから、0.5、2.5mm以下まで、またはさらに5mmもしくはそれ以上までの範囲である。
【0026】
該繊維状熱可塑性ポリマー層は、一般に知られている不織ウェブ製造方法のいずれかにより製造される不織ウェブを含んでもよい。たとえば、該繊維状不織ウェブは、カーデッド、エアーレイド、スパンレース、スパンボンディングまたはメルトブローイング技術またはそれらの組み合せにより製造することができる。スパンボンデッド繊維は、溶融した熱可塑性ポリマーを、スピナレットの複数の細い、通常は円形の毛管から、フィラメントとして押し出すことにより形成され、押し出された繊維の直径を急速に減少させる、一般的に小直径繊維である。メルトブローン繊維は、一般的に、溶融した熱可塑性材料を、複数の細い、通常は円形の、ダイキャピラリーを通して、溶融糸またはフィラメントとして、高速の、通常は加熱されたガス(たとえば空気)流れ中に押し出し、溶融した熱可塑性材料のフィラメントを細くして、それらの直径を減少させることにより形成される。その後、該メルトブローン繊維は高速気流により運ばれ、回収面上に置かれて、ランダムにまき散らされたメルトブローン繊維のウェブを形成する。単一タイプの繊維あるいは熱可塑性ポリマーのタイプおよび/または厚さが異なる2つ以上の繊維から、不織ウェブを製造することができる。
【0027】
本発明の不織ウェブの製造方法に関するさらなる詳細は、ウェンテ(Wente)、Superfine Thermoplastic Fibers、48 INDUS.ENG.CHEM.1342(1956年)、またはウェンテ(Wente)ら、Manufacture Of Superfine Organic Fibers、(Naval Research Laboratories Report No.4364、1954年)中に見つけることが可能である。
【0028】
該ポリマー層が微多孔膜である場合、該膜は、流体がそれらの中を流れることを可能にする構造を有する。有効な孔径は、流動分子の平均自由行程の少なくとも数倍、すなわち数μmから最低で約100オングストロームまでである。このようなシートは、表面および内部構造が可視光線を散乱させるため、透明な材料で製造されたときでさえ、概して不透明である。
【0029】
微多孔膜を作製するための幾つかの方法が、当該技術分野で知られている。本発明の微多孔膜を製造するための好ましい方法は、液液相分離または固液相分離のいずれかを使用する相分離現象を使用する。こうした技術を使用して微多孔構造を作る方法は通常、ポリマーを、鋳込温度または押し出し温度で該ポリマーと混和できる相溶性の液体と溶融ブレンドし、該溶融ブレンドの造形品を形成し、該造形品を、ポリマー相が相溶性の液体から分離する温度まで冷却することを含む。たとえば、(i)該構造物を、少なくとも1つの方向に延伸すること;(ii)該相溶性の液体を除去し、次いで該構造物を少なくとも1つの方向に延伸すること;または(iii)該構造物を少なくとも1つの方向に延伸し、次いで該相溶性の液体を除去すること;によって、結果として生じる構造物に微多孔性を与えることができる。フィルムの冷却工程は通常、該フィルムをチル・ロールと接触させることによって実施される。この結果、膜の該チル・ロールと接触する側に薄皮が形成され、該フィルムを通過する流体流れが減少する結果となる。
【0030】
このような方法は、たとえば、米国特許第4,247,498号明細書(カストロ(Castro))、米国特許第4,539,256号明細書(シップマン(Shipman))、米国特許第4,726,989号明細書(ムロジンスキ(Mrozinski))および米国特許第4,867,881号明細書(キンザー(Kinzer))に記述されている。たとえば、米国特許第4,777,073号明細書(シェス(Sheth))、米国特許第4,861,644号明細書(ヤング(Young)ら)、および米国特許第5,176,953号明細書(ジャコビ(Jacoby)ら)、ならびに、特開昭61−264031号公報(三菱化成株式会社(Mitsubishi Kasei KK))に記載されているもの等の、微粒子充填微多孔膜も使用することができる。たとえば、該フィルムを少なくとも1つの方向に延伸することにより、このような微粒子充填フィルムに微多孔性を与えることができる。
【0031】
該熱可塑性ポリマー層は、フィルムであろうと、膜または繊維状であろうと、くぼみで隔てられた、隆起部または比較的厚い部分、または比較的薄い部分の、模様を含むことが可能である。該隆起部は、畝、小丘、尖頭、円柱、溝、または形状および寸法が一様であっても多様であってもよく、概して規則的な配列または模様で配置された、他のエンボスメントという形をとる。「模様」は、必ずしも規則的な繰り返し配列を指す訳ではなく、同一サイズまたは異なるサイズを有する形のランダムな配列を意味することもある。本発明を実施するのに適する模様は、四角錐、切頭四角錐、円錐、直線、波線、正方形または矩形ブロック、半球体、溝等を包含し、該熱可塑性ポリマー層の少なくとも一部に与えられる。該模様の個々の形は、エンボスメントと呼ばれる。エンボスメントの数および間隔、ならびに、個々のエンボスメントの性質、たとえばその深さ、鋭い反射エッジの度合、および形状は、多様であってもよい。用語「模様」および「エンボスメント」は、適用方法と関係なく使用される。
【0032】
複数のエンボスメントを該熱可塑性ポリマー層上に形成することが可能である。一般的に、センチメートル当たり、約5〜20のエンボスメントがある。エンボスメントが形成された後で、フィルムの機械的特性が所望の最終用途に十分である限り、該エンボスメントは、任意の適当な深さであってもよい。エンボスメントの深さは一般に、延伸された熱可塑性フィルムの厚さの10〜約90%の範囲である。好ましくは、エンボスメントの深さは一般に、該熱可塑性ポリマーの厚さの25〜75%の範囲である。
【0033】
エンボス加工は、物品の表面に模様が押し付けられる方法を指す。エンボス加工は、一般的に、エンボス加工ロール上の金属層等の硬質材料上に形成された凸型を用いて実施される。当業者は、エンボス加工は、連続ツールドベルト(tooled belt)またはスリーブの使用を含む幾つかの方法で遂行できることを認めている。好ましい金属層としては、ニッケル、銅、鋼鉄、およびステンレススチールを含むものなどがある。模様は一般に、金属層に酸腐食または機械加工され、また多種多様なサイズおよび形状を有することができる。本発明の実施に際して、金属表面に刻み付けることができる任意の模様を使用することができる。1つの有用なエンボス加工方法が、譲受人の米国特許第6,514,597号明細書(シュトローベル(Strobel)ら)に記述されている。
【0034】
エンボス加工は、当該技術分野で公知の任意の方法で実施することができる。エンボス加工の好ましい方法は、軟化した熱可塑性ポリマー層(接着剤層でコーティングする前)を、エンボス加工表面を有するニップを通過させることである。「ニップ」は、フィルムがその間を通過するとき、フィルムに加圧する近接した2本のロールを指す。該エンボス加工表面は、該熱可塑性ポリマー層の軟化した表面にエンボスメントをもたらすのに十分な力で、フィルムと接する。次いで、該物品が先の延伸によるバルク特性の著明変化を受ける前に、軟化した表面の温度を下げるための多数の方法のいずれかによって、エンボス表面を、その軟化温度未満まで冷却する。このような方法は、フィルムを、1つまたは複数の冷却したローラー上を移動させ、水浴に送るか、またはたとえばエアーナイフを使用して、空気または他のガスで冷却することを含む。
【0035】
詳細には、本発明は、該熱可塑性ポリマー層が、その上に配置された液体の方向流れを促進する複数のチャネルを有する微細構担持表面を含むことが可能な、液体輸送物品を提供する。液体を遠隔部に輸送するために、液体をフィルムそれ自体の上に集めるために、または該液体を、増加した表面積の全面にわって分散させ、より速やかな蒸発を促進するために、液体制御フィルムを組み込むことが可能である。
【0036】
このような液体輸送フィルムを、液体浸透性トップシート、バックシート、および該トップシートと該バックシートとの間に配置された吸収材コアを含む吸収性物品に組み込むことが可能であり、前記物品は、液体の方向拡散を促進する複数のチャネルを中に有する少なくとも1つの微細構造担持親水性表面を有するシートを含む少なくとも1つの液体管理部材を含み、前記親水性表面および前記吸収材コアは、前記バックシートの内面に配置された前記親水性表面と接触している。
【0037】
チャネルのサイズ、形状および寸法に関する詳細は、米国特許第6,531,205号明細書(ジョンストン(Johnston)ら)および同第6,080,243号明細書(インスリー(Insley)ら)中に見られる。ポリマーフィルム等のポリマー層上の、構造化表面、および特に微細構造化表面の製造は、米国特許第5,069,403号明細書および同第5,133,516号明細書(ともにマレンティク(Marentic)らに付与)に開示されている。構造化層はまた、ベンソン(Benson),Jr.らに付与された米国特許第5,691,846号明細書に記載されている原理または工程を使用して、連続的に微細複製することができる。微細構造化表面について記述している他の特許としては、ジョンストン(Johnston)らに付与された米国特許第5,514,120号明細書、ノレーン(Noreen)らに付与された米国特許第5,158,557号明細書、ルー(Lu)らに付与された米国特許第5,175,030号明細書、およびバーバー(Barber)に付与された米国特許第4,668,558号明細書などがある。
【0038】
界面活性剤の有用なクラスには、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、および両性界面活性剤がある。
【0039】
炭化水素非イオン性界面活性剤の有用な1クラスには、約3〜約100モル、好ましくは約5〜約40モル、最も好ましくは約5〜約20モルのエチレンオキシドと縮合した、約8〜約20個の炭素原子を直鎖または分岐鎖構造中に含有する、脂肪アルコール等の高級脂肪族アルコールの縮合生成物などがある。このような非イオン性エトキシル化脂肪アルコール界面活性剤の例は、ユニオン・カーバイドから販売されているタージトール(Tergitol)(登録商標)15−SシリーズおよびICIから販売されているブリジ(Brij)(登録商標)界面活性剤である。タージトール(Tergitol)(登録商標)15−S界面活性剤は、C11〜C15第2級アルコールポリエチレングリコールエーテル類を包含する。ブリジ(Brij)(登録商標)97界面活性剤は、ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテルであり;ブリジ(Brij)(登録商標)58界面活性剤は、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルであり;ブリジ(Brij)(登録商標)76界面活性剤は、ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテルである。
【0040】
炭化水素非イオン性界面活性剤の別の有用なクラスには、上で規定されたHLBを実現するための、約3〜約100モル、好ましくは約5〜約40モル、最も好ましくは約5〜約20モルのエチレンオキシドと、約6〜12個の炭素原子を直鎖または分岐鎖構造中に含有する1モルのアルキルフェノールの、ポリエチレンオキシド縮合物などがある。非反応性非イオン性界面活性剤の例は、ローヌ・プーラン(Rhone−Poulenc)から販売されているアイジェポール(Igepal)(登録商標)COおよびCAシリーズである。アイジェポール(Igepal)(登録商標)CO界面活性剤は、ノニルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール類を含む。アイジェポール(Igepal)(登録商標)CA界面活性剤は、オクチルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール類を含む。
【0041】
炭化水素非イオン性界面活性剤の別の有用なクラスには、約6〜約19、好ましくは約9〜約18、最も好ましくは約10〜約16のHLB値を有する、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドまたはブチレンオキシドのブロックコポリマーなどがある。このような非イオン性ブロックコポリマー界面活性剤の例は、BASFから販売されている、プルロニック(Pluronic)(登録商標)シリーズおよびテトロニック(Tetronic)(登録商標)シリーズの界面活性剤である。プルロニック(Pluronic)(登録商標)界面活性剤は、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックコポリマーを含む。テトロニック(Tetronic)(登録商標)界面活性剤は、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックコポリマーを含む。
【0042】
さらに他の有用な炭化水素非イオン性界面活性剤としては、約6〜約19、好ましくは約9〜約18、および最も好ましくは約10〜約16のHLBを有する、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類およびポリオキシエチレンステアレートなどがある。このような脂肪酸エステル非イオン性界面活性剤の例は、ICIから販売されているスパン(Span)(登録商標)、トゥウィン(Tween)(登録商標)、およびマイジ(Myj)(登録商標)界面活性剤である。スパン(Span)(登録商標)界面活性剤は、C12〜C18ソルビタンモノエステル類を含む。トゥウィン(Tween)(登録商標)界面活性剤は、ポリ(エチレンオキシド)C12〜C18ソルビタンモノエステル類を含む。マイジ(Myj)(登録商標)界面活性剤は、ポリ(エチレンオキシド)ステアレート類を含む。
【0043】
特に適する炭化水素非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキル−フェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアシルエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミド類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールラウレート、ポリエチレングリコールステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールオレアート、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタンラウレート、ソルビタンステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンオレアート、ソルビタンセスキオレアート、ソルビタントリオレアート、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレアート、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンラウリルアミド、ラウリルアミンアセテート、硬質牛脂プロピレンジアミンジオレアート、エトキシル化テトラメチルデシンジオール、フルオロ脂肪族ポリマーエステル、ポリエーテル−ポリシロキサンコポリマー、等がある。
【0044】
該炭化水素界面活性剤は、以下の式に該当することが好ましい:
h1−Y1−W−Y2−Rh2 (I)
式中、
Wは、ポリオキシアルキレン基、好ましくはポリオキシエチレン基を表し;Y1およびY2は、独立して、酸素原子またはイオウ原子あるいは式−CO−、−COO−、−NH−、−CONH−、または−N(R)−(ここで、Rはアルキル基またはアリール基である)の基を表し;
h1は、置換されていても置換されていなくてもよく、また2〜約20個の炭素原子を含む、アルキル基またはアリール基、あるいはそれらの組み合わせを表し、その骨格鎖は、直鎖であっても分枝状であってもよく、あるいは十分に大きければ、環状であっても、それらの任意の組み合わせであってもよく、該骨格鎖はまた、骨格鎖の炭素原子に結合した1つまたは複数のカテナリーヘテロ原子(たとえば酸素原子、六価イオウ原子、および三価窒素原子)を場合により含み、さらに、
h2は、水素原子を表すか、あるいは置換されていても置換されていなくてもよく、また2〜約20個の炭素原子を含む、アルキル基、アリール基、またはそれらの組み合わせであり、その骨格鎖は、直鎖であっても分枝状であってもよく、あるいは十分に大きければ、環状であっても、それらの任意の組み合わせであってもよく、該骨格鎖はまた、骨格鎖の炭素原子に結合した1つまたは複数のカテナリーヘテロ原子、たとえば酸素原子、六価イオウ原子、および三価窒素原子を場合により含む。
【0045】
図示したRh1およびRh2の一方または両方は、式:
【化1】

(ここで、図示されている全てのR基は、独立して、置換されていても置換されていなくてもよく、直鎖または分枝状であっても、環式または非環式であってもよく、さらに1つまたは複数のカテナリーヘテロ原子を含んでもよい、1〜約10個の炭素原子を有するアルキル基またはアリール基として選択される)
のポリジアルキルシロキサン基を含んでもよい。
【0046】
上式Iによる炭化水素界面活性剤における可変のWは、ポリオキシアルキレン基(OR1)sであり、ここでR1は、2〜約4個の炭素原子を有するアルキレン基、たとえば−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、および−CH(CH3)CH(CH3)−であり、sは、該炭化水素界面活性剤中のオキシアルキレン単位の重量%が、20〜80%、より好ましくは40〜70重量%であるような、数値である。ポリ(オキシアルキレン)基におけるオキシアルキレン単位は、たとえばポリ(オキシプロピレン)またはポリ(オキシエチレン)の場合と同じであってもよく、あるいは、たとえばランダムに分布したオキシエチレンおよびオキシプロピレン単位のヘテロ直鎖または分枝鎖、すなわち、ポリ(オキシエチレン−コ−オキシプロピレン)で、混合物として、あるいはまたはオキシプロピレン単位の直鎖または分枝鎖ブロックとして存在してもよい。
【0047】
上記式Iによる代表的な炭化水素界面活性剤としては、エトキシル化アルキルフェノール類(たとえば、それぞれユニオン・カーバイド・コーポレーション(Union Carbide Corp.)およびローヌ・プーラン・コーポレーション(Rhone−Poulenc Corp.)から販売されているトリトン(TRITON)(登録商標)TX、アイジェポール(IGEPAL)(登録商標)CAシリーズおよびアイジェポール(IGEPAL)(登録商標)COシリーズ)、エトキシル化ジアルキルフェノール類(たとえば、やはりローヌ・プーラン・コーポレーション(Rhone−Poulenc Corp.)から販売されている、アイジェポール(IGEPAL)(登録商標)DMシリーズ)、エトキシル化脂肪アルコール類(たとえば、ユニオン・カーバイド・コーポレーション(Union Carbide Corp.)から販売されている、タージトール(TERGITOL)(登録商標)シリーズ)およびポリオキシエチレン脂肪酸モノ−エステル類およびジエステル類(たとえば、PPGインダストリーズ・インコーポレーテッド(PPG Industries,Inc.)から販売されているメーペグ(MAPEG)(登録商標)MOシリーズおよびメーペグ(MAPEG)(登録商標)DOシリーズ)などがある。
【0048】
本発明による、別のクラスの非フッ素化、非イオン性ポリオキシエチレン含有界面活性剤は、以下の式:
【化2】

(式中、各nは、独立して、2〜約20の数であり、また界面活性剤中のポリオキシエチレンの重量%が20〜80%、好ましくは30〜60%であるように選択され;各Rは、置換されていても置換されていなくてもよく、また2〜約20個の炭素原子を含む、アルキル基またはアリール基として、互いに無関係に選択され、その骨格鎖は、直鎖であっても分枝状であってもよく、あるいは十分に大きければ、環状であっても、それらの任意の組み合わせであってもよく;このような骨格鎖はまた、該骨格鎖の炭素原子に結合した、1つまたは複数のカテナリーヘテロ原子、たとえば酸素原子、六価イオウ原子、および三価窒素原子を、場合により含む)で記述することが可能である。
【0049】
本発明を実施する際に有用な、非フッ素化、非イオン性ポリオキシエチレン含有界面活性剤の別のクラスには、以下の式:
【化3】

(式中、
n、x、y、およびzは、図示した界面活性剤中の反復単位の数を示し、該界面活性剤中のポリエチレンオキシドの重量%が20〜80%、好ましくは40〜70%、最も好ましくは40〜60%であるように選択され;当然のことながら、図示した式中で繰り返されるシロキサン単位は、界面活性剤分子中にランダムに位置する;
Qは、多価、概して二価の、結合基であるか、または共有結合であり、ケイ素原子を、図示されたオキシアルキレン基に連結する手段を提供し;Qは、ヘテロ原子含有基、たとえば、−O−、−CO−、−Cn2nO−、または−OCn2nO−(ここで、nは、1〜6の数値である)を含有する基を含むことができ;また、
各Rは、置換されていても置換されていなくてもよく、また1〜約20個の炭素原子を含む、アルキル基、アルコキシ基、アリール基またはアリールオキシ基として互いに無関係に選択され、その骨格鎖は、直鎖、分枝状、または、十分に大きければ、環状であってもそれらの任意の組み合わせであってもよく、該骨格鎖はまた、該骨格鎖の炭素原子に結合した1つまたは複数のカテナリーヘテロ原子、たとえば酸素、六価イオウ、および三価窒素原子も場合により含む)で一般的に表すことが可能なオルガノシロキサン化合物などがある。該式で図示されるタイプの有用なシリコーン界面活性剤としては、ユニオン・カーバイド・コーポレーション(Union Carbide Corp.)から販売されている、シルウェット(Silwet)(登録商標)L−77等の、エトキシル化ポリジメチルシロキサン類などがある。
【0050】
有用なフルオロケミカル界面活性剤は、1つまたは複数の水溶化ポリオキシアルキレン基のブロックをそれらの構造中に含む、フルオロ脂肪族基含有非イオン性化合物を含む。このような界面活性剤のクラスは、米国特許第5,300,357号明細書(ガーディナー(Gardiner))に記述されている。概して、本発明で有用なフルオロケミカル界面活性剤としては、式II:
(Rf−Q)n−Z(II)
(式中、
fは、直鎖であっても分枝状であってもよく、あるいは十分に大きければ、環状であっても、またはそれらの組合せであってもよい、少なくとも3個、好ましくは少なくとも4個、最も好ましくは4〜7個の、完全にフッ素化された炭素原子を有するフルオロ脂肪族基である)により以下に表されるもの等がある。フルオロ脂肪族基における骨格鎖は、該骨格鎖の炭素原子のみに結合した1つまたは複数のカテナリーヘテロ原子、たとえば酸素、六価イオウ、および三価窒素原子を含むことができる。完全にフッ素化されたフルオロ脂肪族基が好ましいが、水素原子または塩素原子が置換基として存在してもよいが、ただし、2個の炭素原子に1個存在するのであれば、どちらか一方のせいぜい1個の原子である。Rfは、より多数の炭素原子を含むことができるが、より大きい基は通常、より短い鎖でなし得るより低能率のフッ素利用を示すため、Rfが20個以下の炭素原子である化合物が適切であり、好ましい。約4〜約7個の炭素原子を含有するフルオロ脂肪族基が最も好ましい。概して、Rfは、約40〜約78重量%のフッ素を含有する。Rf基の末端部は、好ましくは、少なくとも3個の完全にフッ素化された炭素原子を含み(たとえば、C37−)、特に好ましい化合物は、Rfがペルフルオロアルキル、たとえば、CF3(CF2n−である事例のように、該Rf基が、完全にまたは実質的に完全にフッ素化されているものである。適当なRf基としては、たとえば、C47−、C613CH2CH2−、およびC1021CH2CH2−などがある。
【0051】
上式IIにおけるQは、多価、概して二価の、結合基であるか、または共有結合であり、Rfを、図示された基Z(非イオン性、親水性基である)と連結するための手段を提供し;Qは、ヘテロ原子含有基、たとえば、−S−、−O−、−CO−、−SO2−、−N(R)−(ここで、Rは、水素であるか、または、O、N、S等のカテナリーヘテロ原子を含んでもよい、置換されているかまたは置換されていないC1〜C6アルキル基である)、−Cn2n−(n=1〜6)等の基を含むことができ;Qは、たとえば、−CON(R)Cn2n−、−SO2N(R)Cn2n−、−SO364N(R)Cn2n−、−SO2N(R)Cn2nO[CH2CH(CH2Cl)O]gCH2CH(CH2Cl)−(n=1〜6;g=1〜10)、−SO2N(CH3)C24OCH2CH(OH)CH2−、−SO2N(C25)C24OCH2CH(OH)CH2−、−SO2N(H)CH2CH(OH)CH2NHC(CH3)CH2−、−(CH22S(CH22−、および−(CH24CH(CH3)−;を与えるような、このような基の組合せを含むことができ;
上式IIにおけるZは、ポリ(オキシアルキレン)基、(OR’)x、(ここでR’は、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、および−CH(CH3)CH(CH3)−等の、2〜約4個の炭素原子を有するアルキレン基であり、xは、約4〜約25の数値である)を含む、非イオン性、親水性基であり;Zは、好ましくはポリ(オキシエチレン)基を含む。前記ポリ(オキシアルキレン)におけるオキシアルキレン単位は、たとえばポリ(オキシプロピレン)の場合のように、同一であるか、または、たとえばランダムに分布したオキシエチレンおよびオキシプロピレン単位のヘテロ直鎖または分枝鎖、すなわち、ポリ(オキシエチレン−コ−オキシプロピレン)の場合、またはオキシプロピレン単位の直鎖または分枝鎖ブロックの場合のように、混合物として存在する。該ポリ(オキシアルキレン)鎖は、Zが、式−O−CH2−CH(O−)−CH2−O−の基を含むような1つまたは複数のカテナリー連結によって中断されていてもよく、あるいは該カテナリー連結を含んでもよいが、ただし、このような連結は、該ポリ(オキシアルキレン)鎖の水溶化特性を、実質的に変えない。Z基は、ヒドロキシル、アルキルエーテル(たとえばC1〜C20アルキルエーテル等)、アルカリールエーテル、またはフルオロアルキルエーテル、たとえば、−OCH3、−OCH2CH3、−OC64C(CH32CH2C(CH32CH3、−OC64(C9192、−OC1225、−OC1429、−OC1633、または−O−QRf(ここで、QおよびRfは、上で定義された通りである)で終わってもよく;nは、1〜6の数値である。
【0052】
非イオン性フルオロケミカル界面活性剤の具体例には、下記のものなどがある:
817SO2N(C25)CH2CH2(OCH2CH27OCH3
817SO2N(C25)CH2CH2(OCH2CH29OCH2CH3
715SO2N(CH3)CH2CH2(OCH2CH27(OCH2CH(CH3))4OH
817SO2N(C25)CH2CH2NHCH2CH2(OCH2CH29NHC(O)−CH3
F(CF2CF2nCH2CH2O(CH2CH2O)x
ここで、最後の式は、nは、約2〜6の数値であり、平均値は約4であり、xは約14である、化合物の混合物を表す。
【0053】
式IIで上に図示されたものを含め、フルオロ脂肪族非イオン性界面活性剤は、米国特許第2,915,554号明細書(アルブレクト(Albrecht)ら)に記載の方法を含む既知の方法を使用して調製することが可能である。該アルブレクト(Albrecht)の特許は、活性水素含有フルオロケミカル中間体、たとえばフルオロ脂肪族アルコール類(たとえば、Rf24OH)、酸類(たとえば、RfSO2N(R)CH2CO2H)、およびスルホンアミド類(たとえば、RfSO2N(R)H)を、たとえば、エチレンオキシドと反応させて、それぞれ、Rf24(OC24nOH、RfSO2N(R)CH2CO2(C24O)nH、およびRfSO2N(R)(C24O)nH(ここで、nは、約3より大きい数値であり、Rは水素または低アルキル基(たとえば、1〜6個の炭素原子)である)を生成することによる、該中間体からの、フルオロ脂肪族基含有非イオン性化合物の調製について開示している。該中間体をプロピレンオキシド処理することにより、類縁化合物を調製することが可能である。米国特許第3,787,351号明細書(オルソン(Olson))に開示のフルオロ脂肪族オリゴマー、および米国特許第2,723,999号明細書(コーウェン(Cowen)ら)に記載のある種のフッ素化アルコール−エチレンオキシド縮合物も、有用と考えられる。疎水性長鎖炭化水素基を含むフルオロ脂肪族基含有非イオン性界面活性剤は、BF3−エテレートの存在下で、フルオロ脂肪族エポキシド、たとえば
【化4】

を、たとえば、エトキシル化アルキルフェノールまたはアルコール、たとえば、それぞれCH3C(CH32CH2C(CH3264(OC249OHまたはC1225(OC249OH等と、それぞれ反応させることによって調製することが可能である。フルオロ脂肪族基含有非イオン性界面活性剤はまた、第1に、該エトキシル化アルキルフェノールまたはアルコールを、塩化チオニルと反応させることにより塩化物に変換し、次いで結果として生じた塩化物を、炭酸ナトリウムおよびヨウ化カリウムの存在下で、活性水素を含有するフルオロ脂肪族スルホンアミド、たとえばC817SO2NH(CH3)と反応させることによって調製することも可能である。
【0054】
有用な陰イオン性界面活性剤としては、1)ドデシル硫酸ナトリウムおよびドデカンスルホン酸カリウム等の、硫酸アルキルおよびスルホン酸アルキル;2)直鎖または分枝鎖脂肪族アルコール類およびカルボン酸のポリエトキシル化誘導体の硫酸塩;3)ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の、アルキルベンゼンスルホン酸塩および硫酸塩、またはアルキルナフタレンスルホン酸塩および硫酸塩;4)エトキシル化およびポリエトキシル化アルキルおよびアラルキルアルコールカルボン酸エステル;5)サルコシン酸アルキルおよびグリシン酸アルキル等の、グリシネート類;6)ジアルキル・スルホコハク酸を含む、スルホコハク酸塩;7)イセチオン酸誘導体;8)N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム等の、N−アシルタウリン誘導体;9)アルキルおよびアルキルアミドアルキルジアルキルアミンオキシド類を含む、アミンオキシド類;および10)エトキシル化ドデシルアルコールリン酸エステル、ナトリウム塩等の、リン酸アルキルモノまたはジ−エステル類;のアルカリ金属および(アルキル)アンモニウム塩などがあるが、それらに限定されない。
【0055】
適当な陰イオン性スルホン酸界面活性剤の代表的な市販例としては、たとえば、デラウェア州ウィルミントンのヘンケル・インコーポレーテッド(Henkel Inc.,Wilmington,DE)からテキサポン(TEXAPON)(登録商標)L−100として、またはイリノイ州ノースフィールドのステパン・ケミカル・カンパニー(Stepan Chemical Co,Northfield,IL)からポリステップ(POLYSTEP)(登録商標)B−3として、販売されているラウリル硫酸ナトリウム;イリノイ州ノースフィールドのステパン・ケミカル・カンパニー(Stepan Chemical Co,Northfield,IL)からポリステップ(POLYSTEP)(登録商標)B−12として販売されているナトリウム25ラウリルエーテル硫酸塩;デラウェア州ウィルミントンのヘンケル・インコーポレーテッド(Henkel Inc.,Wilmington,DE)からスタンダポール(STANDAPOL)(登録商標)Aとして販売されているラウリル硫酸アンモニウム;およびニュージャージー州クランベリーのローヌ・プーラン・インコーポレーテッド(Rhone−Poulenc,Inc.,Cranberry,NJ)からシポネート(SIPONATE)(登録商標)DS−10として販売されているドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム;ニュージャージー州ウエスト・パターソンのサイテック・インダストリーズ(Cytec Industries,West Paterson,NJ)から販売されている、商品名アエロゾル(AEROSOL)(登録商標)OTを有するジアルキル・スルホコハク酸;メチルタウレートナトリウム(東京の日光ケミカルズ株式会社(Nikko Chemicals Co.,Tokyo,Japan)からニッコール(NIKKOL)(登録商標)CMT30の商品名で販売されている);ノースカロライナ州シャーロットのクラリアント・コーポレーション(Clariant Corp.,Charlotte,NC)から販売されている(C14〜C17)第2級アルカンスルホン酸ナトリウム(α−オレフィンスルホン酸)である、ホスタプァー(Hostapur)(登録商標)SAS等の第2級アルカンスルホン酸;ステパン・カンパニー(Stepan Company)からアルフェースト(ALPHASTE)(登録商標)PC−48の商品名で販売されている、メチル−2−スルホ(C12~16)エステルナトリウムおよび2−スルホ(C12〜C16)脂肪酸二ナトリウム等の、メチル−2−スルホアルキルエステル類;ラウリルスルホ酢酸ナトリウム(商品名ランサノール(LANTHANOL)(登録商標)LAL)として、またスルホコハク酸ラウレス二ナトリウム(ステパンマイルド(STEPANMILD)(登録商標)SL3)として、ともにステパン・カンパニー(Stepan Company)から販売されている、アルキルスルホ酢酸およびアルキルスルホコハク酸;ステパン・カンパニー(Stepan Company)からステパノール(STEPANOL)(登録商標)AMの商品名で販売されているラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸塩;などがある。
【0056】
適当な陰イオン性リン酸界面活性剤の代表的な市販例としては、一般にトリラウレス−4−リン酸と呼ばれ、クラリアント・コーポレーション(Clariant Corp.)からホスタファト(HOSTAPHAT)(登録商標)340KLの商品名で販売されている、モノ−、ジ−およびトリ−(アルキルテトラグリコールエーテル)−o−リン酸エステル類の混合物、ならびにニュージャージー州パーシッパニーのクロダ・インコーポレーテッド(Croda Inc.,Parsipanny,NJ)からクロダホス(CRODAPHOS)(登録商標)SGの商品名で販売されている、PPG−5セチル10リン酸などがある。
【0057】
適当な陰イオン性アミンオキシド界面活性剤の代表的な市販例としては、ラウリルジメチルアミンオキシド、ラウリルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、およびセチルアミンオキシドである、アンモニクス(AMMONYX)(登録商標)LO、LMDO、およびCOの商品名で市販されているものなどがあり、全て、ステパン・カンパニー(Stepan Company)から販売されている。
【0058】
有用な両性界面活性剤の例としては、アルキルジメチルアミンオキシド類、アルキルカルボキサミドアルキレンジメチルアミンオキシド類、アミノプロピオネート類、スルホベタイン類、アルキルベタイン類、アルキルアミドベタイン類、ジヒドロキシエチルグリシン酸塩、酢酸イミダゾリン類、プロピオン酸イミダゾリン類、カルボン酸アンモニウムおよびスルホン酸アンモニウム両性化合物およびスルホン酸イミダゾリン類などがある。
【0059】
両性界面活性剤の代表的な市販例としては、ある種のベタイン類、たとえばココベタインおよびコカミドプロピルベタイン等(イリノイ州ユニバーシティ・パークのマッキンタイアー・グループ・リミテッド(McIntyre Group Ltd.,University Park,Il)からマッカム(MACKAM)(登録商標)CB−35およびマッカム(MACKAM)(登録商標)Lの商品名で販売されている);モノ酢酸類、たとえばラウロアンホ酢酸ナトリウム等;二酢酸類、たとえばラウロアンホ酢酸二ナトリウム等;アミノ−およびアルキルアミノプロピオン酸、たとえばラウラミノプロピオン酸等(マッキンタイアー・グループ・リミテッド(McIntyre Group Ltd.)から、それぞれ、マッカム(MACKAM)1L、マッカム(MACKAM)(登録商標)2L、およびマッカム(MACKAM)(登録商標)151Lの商品名で販売されている)およびコカミドプロピルヒドロキシスルタイン(マッキンタイアー・グループ・リミテッド(McIntyre Group Ltd.)からマッカム(MACKAM)(登録商標)50−SBとして市販されている);などがある。
【0060】
該親水性の物品は、該界面活性剤および該接着剤を混合し、該混合物を該熱可塑性ポリマー層に被覆することによって作製することが可能である。該界面活性剤は、該界面活性剤が移動したとき、該熱可塑性ポリマー層の表面を親水性にするのに十分な量で使用される。該界面活性剤は、接着剤層の重量を基準にして少なくとも約3重量%の量で、より好ましくは少なくとも約5重量%の量で、一般に使用される。該界面活性剤の最大量は重要ではないが、ただ1層の熱可塑性ポリマーで構成される親水性の物品の場合には、該熱可塑性ポリマー層の機械的特性を損なわないために、可能な最低量を使用することが好ましい。概して、界面活性剤の量は、約5〜40重量%、より好ましくは約15〜30重量%である。
【0061】
界面活性剤のための貯蔵所の役割も果たすことができ、かつ界面活性剤に反応しない、熱可塑性ポリマーとともに使用するのに適した任意の接着剤を、本発明で使用することができる。接着剤としては、ホットメルト接着剤、化学線反応性接着剤等がある。該接着剤は、溶剤型接着剤、100%固体接着剤、またはラテックス型接着剤であってもよい。Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology、第2版、D.Satas、編者、Van Nostrand,Rheinhold、1989年を参照することが可能である。好ましくは、該接着剤は、感圧接着剤である。「感圧接着剤」は、室温で乾燥粘着性および永続的粘着性であり、また指圧または手圧より大きい圧力を必要とせずに、単に接触するだけで様々な異なる表面にしっかり接着し、かつ指で取り扱ったり、残留物を残さずに滑らかな表面から剥がしたりできるように、十分な凝集保持力および弾力性を有する接着剤を意味する。
【0062】
適当な感圧接着剤としては、たとえば、天然ゴム、合成ゴム、スチレンブロックコポリマー、ポリビニルエーテル類、ポリ(メタ)アクリレート類(アクリレート類およびメタクリレート類の両者を含む)、ポリウレタン類、ポリ尿素類、ポリオレフィン類、およびシリコーン類を主成分とするものなどがある。該感圧接着剤は、本質的に粘着性の材料を含んでもよく、または必要に応じて、粘着性または非粘着性の基材に粘着付与剤を加えて感圧接着剤を作ってもよい。有用な粘着付与剤としては、たとえば、ロジンエステル樹脂、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、およびテルペン樹脂などがある。たとえば、可塑剤、水素化ブチルゴム、ガラスビーズ、導電粒子、フィラー、染料、顔料、およびそれらの組合せを含む、他の材料を、特別の目的のために加えてもよい。
【0063】
感圧接着剤は、たとえば、ミネソタ州セントポールのスリーエム・カンパニー(3M Company,Saint Paul,Minnesota)を含む、多数の供給元から市販されている。有用な感圧接着剤のさらなる例としては、米国特許第4,112,213号明細書(ウォールドマン(Waldman));米国特許第4,917,928号明細書(ハイネッケ(Heinecke));米国特許第4,917,929号明細書(ハイネッケ(Heinecke));米国特許第5,141,790号明細書(カルフーン(Calhoun));米国特許第5,045,386号明細書(スタン(Stan)ら);米国特許第5,229,207号明細書(パケット(Paquette)ら);米国特許第5,296,277号明細書(ウイルソン(Wilson)ら);米国特許第5,670,557号明細書(ディーツ(Dietz)ら);および米国特許第6,232,366号明細書(ワング(Wang)ら)に概述されているものなどがある。
【0064】
該感圧接着剤層は、任意の厚さを有することが可能である。たとえば、概感圧接着剤層は、少なくとも25、100、または250μmから、500、1000、または2500μm以下まで、またはさらにそれ以上の範囲の厚さを有してもよい。
【0065】
選択された具体的な熱可塑性ポリマー層および所期の用途に応じて、熱可塑性ポリマー層を損傷せずに、感圧接着剤層を該熱可塑性ポリマー層から機械的に分離できないように、感圧接着剤層を選択することが可能である。このことは、たとえば、2つの熱可塑性ポリマー層が、感圧接着剤層によって結合される場合に、望ましいであろう。
【0066】
感圧接着剤層は、たとえば、布の一主要面の繊維上の、連続接着剤フィルムまたは連続コーティングとして、連続していてもよい。あるいは、感圧接着剤層は、不連続層であってもよい。一実施形態では、該感圧接着剤層は、英数字またはグラフィック画像の形状を有していてもよい。該感圧接着剤層の塗布に適した方法としては、たとえば、ロール塗布、グラビア塗布、カーテン塗布、スプレー塗布、スクリーン印刷などがあり、その方法は一般に、所望のコーティングのタイプに基づいて選択される。
【0067】
該親水性の物品は、任意の固体材料であってもく、また任意の形状であってもよい、任意の基材をさらに含むことが可能である。適当な基材としては、たとえば、セラミック(たとえば、タイル、メーソンリー)、ガラス(たとえば、窓)、金属、ボール紙、布、およびポリマーフィルム(たとえば、被覆または非被覆ポリマーフィルム)などがある。より具体的には、該基材は、たとえば、自動車、建造物、窓、掲示板、ボート、壁、床、ドア、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0068】
一実施形態では、該基材は、たとえば、使用前に接着剤を保護するための、剥離ライナーであってもよい。剥離ライナーの例としては、米国特許第3,997,702号明細書(シャーブ(Schurb)ら);米国特許第4,313,988号明細書(コーシャー(Koshar)ら);米国特許第4,614,667号明細書(ラーソン(Larson)ら);米国特許第5,202,190号明細書(カントナー(Kantner)ら);および米国特許第5,290,615号明細書(タシャウス(Tushaus)ら)に概述されているような、シリコーン被覆クラフト紙、シリコーン被覆ポリエチレン被覆紙、シリコーン被覆または非被覆ポリマー材料たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等、ならびに、ポリマー剥離剤、たとえばシリコーン尿素、ウレタン類、および長鎖アルキルアクリレート等で被覆された前述の基材などがある。適当な市販の剥離ライナーとしては、イリノイ州オークブルックのレキサム・リリース(Rexam Release of Oakbrook,Illinois)から「ポリシルク(POLYSLIK)」の商品名で販売されているもの、およびペンシルベニア州スプリング・グローブのP.H.グラトフェルター・カンパニー(P.H.Glatfelter Company of Spring Grove,Pennsylvania)から「エクスヒア(EXHERE)」の商品名で販売されているものなどがある。
【0069】
別の実施形態では、該基材は、第1のポリマー層と同じであってもよく、異なってもよい、ポリマー層であってもよい。この実施形態では、該親水性の物品は、外面にほとんどまたは全く粘着性を持たない多層親水性の物品であってもよい。結果として得られる親水性の物品は、したがって、たとえば、親水性の物品で知られているあらゆる用途に使用されるが、一般に、親水性の物品が製造される構成材熱可塑性ポリマーと比べて高い親水性を有する。たとえば、2層の熱可塑性ポリマーを、少なくとも3重量%の少なくとも1つの界面活性剤を含む感圧接着剤と結合することによって、親水性の物品を作製することが可能である。
【0070】
該親水性の物品は、熱可塑性ポリマー層、および1つまたは複数の界面活性剤が中に分散された接着剤層を含む、インク受容性基材として特に有用である。該接着剤層は、建造物の壁、床、または天井、トラックの側壁、掲示板、または教育、娯楽、または情報のために高品質画像グラフィックが表示される他の場所等の、支持面にインク受容基材を貼付するために使用することが可能である。あるいは、該インク受容性基材は、2つの熱可塑性ポリマー層、および、その間に配置され、1つまたは複数の界面活性剤が中に分散された、接着剤層を含んでもよい。
【0071】
本発明のインク受容体媒体の幾つかの特徴は、高いインク吸収能力を有すること、迅速なインク乾燥時間を提供すること、インクジェット印刷カラーにおいて付着したドロップエッジのくっきりした描写を提供すること、優れた色濃度を提供すること、使用されたインクに耐水性を与えること、UVおよび化学的に安定していること、耐磨耗性であること、機械的に柔軟なこと、および基材に優れた粘着力を提供することである。本発明の幾つかの実施形態では、場合により透明のインク受容体コーティングが実行されることがある。
【0072】
本発明の方法によれば、該インク受容性基材は、インクを画像状様式で供給できる。本発明に関して、用語「画像状使用」は、サイン、グラフ、図面、画像、テキストまたはそれらの任意の組合せ等の、情報を表すインクパターンが使用されることを意味する。インク受容性基材に使用されるインクは、当該技術分野でよく使用される任意のタイプのインクであってもよい。たとえば、該インクは、水性系であっても、溶剤系であってもよい。好ましくは、該インクは水性系である。さらに、該インクは、該インクに溶解されているか、または微細に分散された顔料として該インク中に存在する、染料を主成分としてもよい。本発明の基材上への、該インクの画像状使用は、インクジェットプリンターを用いて便利に進められる。
【0073】
本発明と関連して使用することができる市販のインクジェットプリンターとしては、たとえば、ヒューレット・パッカード(Hewlett Packard)プリンターHP 855デスクジェット、HP870デスクジェット、HP2000cデスクジェット、HP2500デザインジェット(Design Jet)およびエンキャド(Encad)(登録商標)プリンターノバジェット(Novajet)(登録商標)IVおよびノバジェット(Novajet)(登録商標)プロ(Pro)などがある。
【0074】
画像主要面は、画像化前にはカバーされていないが、画像化後、該受容体上の画像の画像品質を保護したり高めたりするために、画像化された主要面に任意の層を塗布することが可能である。任意の層の非限定的例は、ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング・カンパニー(Minnesota Mining and Manufacturing Company)のコマーシャル・グラフィックス・ディビジョン(Commercial Graphics Division)から販売されているオーバーラミネートおよび保護用透明塗料、ならびに米国特許第5,681,660号明細書(ブル(Bull)ら)に開示されているものである。当業者に公知の他の製品も使用することができる。
【0075】
本発明を限定する意図がない、以下の実施例を用いて、本発明をさらに説明する。
【実施例】
【0076】
これらの実施例は、単に例を挙げて説明するために過ぎず、添付の特許請求の範囲の範囲に関する限定を意味するものではない。本明細書の実施例および残りの、全ての部、パーセンテージ、比率等は、別途記載がない限り、重量基準である。使用した溶剤および他の試薬は、別途記載がない限り、ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company;Milwaukee,Wisconsin)から入手した。
【0077】
テスト方法
表面湿潤スクリーニングテスト(Surface Wetting Screening Test)
このテストは、表面の表面湿潤能の定性的測定である。固定量10μlの脱イオン水を、注射器から被験材料の上面に直接ゆっくり置き、約15分間に、該水滴が該表面を濡らすか、または玉のようになるか観察した。該小滴が該表面を濡らせば「湿潤」として、該小滴が該表面上で玉のようになれば「玉のようになる」として、その結果を示す。
【0078】
接触角測定法(Contact Angle Measurement)
VCA 2500 XE(ASTプロダクツ(AST Products))を使用して、静的接触角(θ)を測定した。2μlの脱イオン水滴を、注射器から標的基材の上面にゆっくり置き、3分後に、ビデオ・キャプチャーで接触角を測定した。
【0079】
XPS/ESCA
非単色化Al光源付きTA−M ESCAを使用して、X線光電子分光法を実施した;表面法線に関して90°の角度で、光電子放出を検出した。
【0080】
【表1】

【表2】

【表3】

【0081】
添加物−1の合成法
工程1:
攪拌棒を備えたガラス反応容器に、タージトール(Tergitol)TMN−10(コネチカット州ダンベリーのユニオン・カーバイド(Union Carbide,Danbury CT)、固形分90%)856.9gを入れた。該TMN−10を、120℃および真空(約25mm)で加熱することにより脱水し、固形分100%の材料779.4gを得た。747.4g(1.13モル)を残して、サンプルを除去した。還流冷却器、および順次接続されている1Lフラスコ2個からなる水酸化ナトリウム洗浄機を該容器に取り付け、約500mlの20%水酸化ナトリウム溶液が入っている2番目のフラスコに、バブラー管を入れた。該容器を油浴で65℃に加熱し、塩化チオニル(156.22g、1.313モル、TMN−10に関して化学量論比1.16)を、約1時間にわたって添加した。添加完了時の反応温度は、約55℃であった。熱浴を、約30分間、75℃に上げ、次いで95℃に上げた。該容器に窒素入口を加え、窒素を、約10バブル/秒の速度で反応容器の中を通過させ、反応させて一晩加熱した。反応混合物を、約25mm真空で140℃に2時間加熱して、あらゆる揮発性物質を除去した。該反応は、767.6gの生成物を生じた(収率99.3%)。1Hおよび13C NMRスペクトルは、所望の生成物の構造と一致していた。
【0082】
工程2:
ガラス反応容器に、上記工程1からの生成物691.0g(1.016モル)を入れた。還流冷却器を取り付け、該システムを窒素で速やかにパージし、C49SO2N(CH3)H 322.5g(1.030モル)を加えた。シリコーン油浴を使用して、該混合物を攪拌しながら120℃に加熱し、粉末Na2CO3(MCBケミカルズ(MCB Chemicals)から購入)131.0g(1.236モル)を少量ずつ分けて加え、発泡させた。発泡が鎮まった後、KI(EMサイエンス(EM Science)から購入)10.7g(0.065モル)を加え、該反応混合物を窒素条件下で攪拌しながら120℃に加熱した。18時間後、該反応混合物から1.0gアリコートを採取し、2−ブタノン1.5gで希釈した。この混合物のGLC分析は、C49SO2N(CH3)Hが完全に消費されていることを示した。第2の1.0gアリコートを2−ブタノン1.5gで希釈し、結果として得られた混合物を、セライト(Celite)を通してろ過し、減圧下で濃縮し、工程1からの出発材料がないことを、13C NMRスペクトルで確認した。該反応混合物の温度を95℃に下げ、熱(55℃)水道水800mlを加えた。該混合物を分液ロートに移し、下方水層を分離し、さらに1回量500mlの熱水道水で3回、有機相を洗浄した。該有機相は、1回量800mlの50%飽和NaCl水で最後に洗浄し、水相のpHを10%H2SO4水溶液でおよそ7に調整した。層を分離すると、有機層は真空下140℃で、少量の不溶性物質が懸濁したコハク色の液体973.3gを与えた。生成物から固形分を沈殿させ、透き通ったコハク色の液体をデカントした。1Hおよび13C NMRスペクトルは、所望の生成物の構造と一致していた。
【0083】
実施例1
パートI:接着剤サンプルの作製
接着剤−1および6.7重量%の添加物−1の混合物を調製し、ドクターナイフを用いて0.76mmの厚さで剥離ライナー上に塗布し、室温で3日間乾燥させて、およそ0.30mmの乾燥接着剤厚さを与えた。乾燥した接着剤中の添加物−1の最終濃度は、およそ15重量%であった。
【0084】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ3つを、接着剤サンプルをPEフィルム−1の3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、80℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、40℃の炉に入れて老化させ、第3の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、3日後にテストした。結果を、表1に示す。6日間の加熱に続いて室温で6ヶ月後、上記接触角測定テスト法を使用して、これらの積層品の接触角を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0085】
比較例C1
パートI:接着剤サンプルの作製
添加物を含まない接着剤−1を、上の実施例1、パートIに記載の通りに塗布した。
【0086】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ3つを、接着剤サンプルをPEフィルム−1の3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、80℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、40℃の炉に入れて老化させ、第3の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、経時的にテストした。結果を、表1に示す。6日間の加熱に続いて室温で6ヶ月後、上記接触角測定テスト法を使用して、これらの積層品の接触角を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0087】
【表4】

【0088】
実施例2
パートI:接着剤サンプルの作製
接着剤−1および6.7重量%の添加物−1の混合物を調製し、ドクターナイフを用いて0.64mmの厚さで剥離ライナー上に塗布し、室温で3日間乾燥させて、およそ0.25mmの乾燥接着剤厚さを与えた。乾燥した接着剤中の添加物−1の最終濃度は、およそ15重量%であった。
【0089】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ3つを、接着剤サンプルをPEフィルム−2の3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、80℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、40℃の炉に入れて老化させ、第3の積層品は、室温で老化させた。これらの温度での老化前および15日間の老化後に、これらの積層品の接触角を測定したところ、該フィルムの微細構造化表面のため、初期接触角および老化後接触角は全て145°であった。しかし、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、経時的にテストしたとき、80℃で老化させた積層品は、2日後に濡れることが分かった。
【0090】
比較例C2
パートI:接着剤サンプルの作製
添加物を含まない接着剤−1を、上の実施例2、パートIに記載の通りに塗布した。
【0091】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ3つを、接着剤サンプルをPEフィルム−2の3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、80℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、40℃の炉に入れて老化させ、第3の積層品は、室温で老化させた。これらの温度での老化前および15日間の老化後に、これらの積層品の接触角を測定したところ、該フィルムの微細構造化表面のため、初期接触角および老化後接触角は全て145°であった。しかし、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、経時的にテストしたとき、80℃で老化させた積層品は、2日後に濡れることが分かった。
【0092】
実施例3
パートI:接着剤サンプルの作製
実施例2と同様。
【0093】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ3つを、接着剤サンプルをPPフィルムの3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、80℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、40℃の炉に入れて老化させ、第3の積層品は、室温で老化させた。老化前および老化後に、これらの積層品の接触角を測定した。結果を表2に示す。
【0094】
比較例C3
パートI:接着剤サンプルの作製
比較例C2と同様。
【0095】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ3つを、接着剤サンプルをPPフィルムの3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、80℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、40℃の炉に入れて老化させ、第3の積層品は、室温で老化させた。老化前および老化後に、これらの積層品の接触角を測定した。結果を表2に示す。
【0096】
【表5】

【0097】
実施例4
パートI:接着剤サンプルの作製
接着剤−1および10重量%の添加物−1の混合物を調製し、ドクターナイフを用いて0.15mmの厚さで剥離ライナー上に塗布し、室温で3日間乾燥させて、およそ0.060mmの乾燥接着剤厚さを与えた。乾燥した接着剤中の添加物−1の最終濃度は、およそ21.7重量%であった。
【0098】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ2つを、接着剤サンプルをPURフィルムの3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、85℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、25日後にテストした。結果を表3に示す。
【0099】
比較例C4
パートI:接着剤サンプルの作製
添加物を含まない接着剤−1を、上の実施例4、パートIに記載の通りに塗布した。
【0100】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ2つを、接着剤サンプルをPURフィルムの3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、85℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、25日後にテストした。結果を表3に示す。
【0101】
【表6】

【0102】
実施例5
パートI:接着剤サンプルの作製
実施例4と同様。
【0103】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ2つを、接着剤サンプルをPSフィルムの3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、85℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、毎日、20日間テストした。結果を表4に示す。
【0104】
比較例C5
パートI:接着剤サンプルの作製
比較例C4と同様。
【0105】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ2つを、接着剤サンプルをPSフィルムの3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、85℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、毎日、20日間テストした。結果を表4に示す。
【0106】
【表7】

【0107】
実施例6
パートI:接着剤サンプルの作製
実施例1と同様。
【0108】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ3つを、接着剤サンプルを微多孔フィルムの3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、80℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、40℃の炉に入れて老化させ、第3の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、1日後にテストした。結果を表5に示す。
【0109】
比較例C6
パートI:接着剤サンプルの作製
比較例C1と同様。
【0110】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ3つを、接着剤サンプルを微多孔フィルムの3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、80℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、40℃の炉に入れて老化させ、第3の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、1日後にテストした。結果を表5に示す。
【0111】
【表8】

【0112】
実施例7
パートI:接着剤サンプルの作製
実施例4と同様。
【0113】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ2つを、接着剤サンプルを布−1の3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、85℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、毎日、20日間テストした。結果を表6に示す。
【0114】
比較例C7
パートI:接着剤サンプルの作製
比較例C4と同様。
【0115】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ2つを、接着剤サンプルを布−1の3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、85℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、毎日、20日間テストした。結果を表6に示す。
【0116】
【表9】

【0117】
実施例8
パートI:接着剤サンプルの作製
実施例4と同様。
【0118】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ2つを、接着剤サンプルを布−2の3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、85℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、毎日、20〜27日間テストした。結果を表7に示す。
【0119】
比較例C8
パートI:接着剤サンプルの作製
比較例C4と同様。
【0120】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ2つを、接着剤サンプルを布−2の3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、85℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、毎日、20〜27日間テストした。結果を表7に示す。
【0121】
【表10】

【0122】
実施例9
パートI:接着剤サンプルの作製
実施例4と同様。
【0123】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ2つを、接着剤サンプルを布−3の3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、85℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、毎日、最高27日間テストした。結果を表8に示す。
【0124】
比較例C9
パートI:接着剤サンプルの作製
比較例C4と同様。
【0125】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ2つを、接着剤サンプルを布−3の3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、85℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、毎日、最高27日間テストした。結果を表8に示す。
【0126】
【表11】

【0127】
実施例10
パートI:接着剤サンプルの作製
実施例4と同様。
【0128】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ2つを、接着剤サンプルを布−4の3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、85℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、毎日、20〜27日間テストした。結果を表9に示す。
【0129】
比較例C10
パートI:接着剤サンプルの作製
比較例C4と同様。
【0130】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ2つを、接着剤サンプルを布−4の3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、85℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、毎日、20〜27日間テストした。結果を表9に示す。
【0131】
【表12】

【0132】
実施例11
パートI:接着剤サンプルの作製
実施例4と同様。
【0133】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ2つを、接着剤サンプルを布−5の3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、85℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、毎日、最高27日間テストした。結果を表10に示す。
【0134】
比較例C11
パートI:接着剤サンプルの作製
比較例C4と同様。
【0135】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ2つを、接着剤サンプルを布−5の3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、85℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、毎日、最高27日間テストした。結果を表10に示す。
【0136】
【表13】

【0137】
実施例12および比較例C12
インクジェットプリンティングテスト
実施例12については、HPデスクジェット(Deskjet)950D水性プリンターを使用して、実施例6で作製して室温で老化させておいた積層品に印刷した。比較例C12については、HPデスクジェット(Deskjet)950D水性プリンターを使用して、比較例C6で作製して室温で老化させておいた微多孔フィルムに印刷した。黒色インクで印刷したとき、比較例C12と実施例12の間に有意差が認められた。比較例C12では、該インクは玉になる傾向があり、画像は非常に色あせて見えた。実施例12では、該インクは均一に広がり、画像は有意に濃かった。
【0138】
実施例13〜14および比較例C13〜C14
XPS/ESCA表面分析:
フィルム検体の表面上に界面活性剤が存在することを確認するために、テスト前に80℃で7日間老化させておいた実施例1(実施例13)および実施例6(実施例14)からの積層品および、テスト前に80℃で7日間老化させておいたPEフィルム−1(比較例C13)および微多孔フィルム(比較例C14)のサンプルを、XPS表面分析に付した。これらの結果を表11に示す。
【0139】
【表14】

【0140】
実施例15
パートI:接着剤サンプルの作製
接着剤−1および7.0重量%の添加物−2の混合物を調製し、ドクターナイフを用いて0.76mmの厚さで剥離ライナー上に塗布し、室温で24時間乾燥させて、およそ0.10mmの乾燥接着剤厚さを与えた。乾燥した接着剤中の添加物−2の最終濃度は、およそ15重量%であった。
【0141】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ3つを、接着剤サンプルを微多孔フィルムの2サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、80℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、16時間後にテストした。結果を表12に示す。
【0142】
比較例C15
パートI:接着剤サンプルの作製
添加物を含まない接着剤−1を、上の実施例15、パートIに記載の通りに塗布した。
【0143】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープ2つを、接着剤サンプルを微多孔フィルムの3サンプルに積層することによって作製した。これらの各テープから剥離ライナーを取り除き、各テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。積層品1つは、80℃の炉に入れて老化させ、第2の積層品は、室温で老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、経時的にテストした。結果を表12に示す。
【0144】
【表15】

【0145】
実施例16および比較例C16
インクジェットプリンティングテスト
実施例16については、実施例15の場合と同様に作製して80℃で4日間老化させておいた積層品を1枚の紙に積層し、HPデスクジェット(Deskjet)5550水性プリンターを使用してそれに印刷した。比較例C16については、比較例C15の場合と同様に作製して80℃で4日間老化させておいた積層品を1枚の紙に積層し、HPデスクジェット(Deskjet)5550水性プリンターを使用してそれに印刷した。黒色インクで印刷したとき、比較例C16と実施例16の間に有意差が認められた。実施例16では、該サンプルは印刷直後に触ると乾いていた。比較例C16では、該インクは玉になる傾向があり、印刷の30分後に触ると濡れており、16時間後もまだ汚れた。
【0146】
実施例17
パートI:接着剤サンプルの作製
接着剤−1および2.0重量%の添加物−1の混合物を調製し、ドクターナイフを用いて剥離ライナー上に塗布し、室温で24時間乾燥させて、およそ0.10mmの乾燥接着剤厚さを与えた。乾燥した接着剤中の添加物−1の最終濃度は、およそ5重量%であった。
【0147】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープを、接着剤サンプルを微多孔フィルムのサンプルに積層することによって作製した。このテープから剥離ライナーを取り除き、テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。該積層品を80℃の炉に入れて老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、3日後にテストした。結果を表13に示す。
【0148】
実施例18
パートI:接着剤サンプルの作製
接着剤−1および1.2重量%の添加物−1の混合物を調製し、ドクターナイフを用いて剥離ライナー上に塗布し、室温で24時間乾燥させて、およそ0.10mmの乾燥接着剤厚さを与えた。乾燥した接着剤中の添加物−1の最終濃度は、およそ3重量%であった。
【0149】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープを、接着剤サンプルを微多孔フィルムのサンプルに積層することによって作製した。このテープから剥離ライナーを取り除き、テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。該積層品を80℃の炉に入れて老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、3日後にテストした。結果を表13に示す。
【0150】
比較例C17
パートI:接着剤サンプルの作製
接着剤−1および0.47重量%の添加物−1の混合物を調製し、ドクターナイフを用いて剥離ライナー上に塗布し、室温で24時間乾燥させて、およそ0.10mmの乾燥接着剤厚さを与えた。乾燥した接着剤中の添加物−1の最終濃度は、およそ1重量%であった。
【0151】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープを、接着剤サンプルを微多孔フィルムのサンプルに積層することによって作製した。テープから剥離ライナーを取り除き、テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。該積層品を80℃の炉に入れて老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、3日後にテストした。結果を表13に示す。
【0152】
比較例C18
パートI:接着剤サンプルの作製
添加物を含まない接着剤−1を、上の実施例17〜18、パートIに記載の通りに塗布した。
【0153】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープを、接着剤サンプルを微多孔フィルムのサンプルに積層することによって作製した。テープから剥離ライナーを取り除き、テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。該積層品を80℃の炉に入れて老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、3日後にテストした。結果を表13に示す。
【0154】
【表16】

【0155】
比較例C19
パートI:接着剤サンプルの作製
接着剤−1および4.1重量%の添加物−3の混合物を、80℃に10分間加熱し、実験室ローラーで2時間回転させることによって調製し、ドクターナイフを用いて剥離ライナー上に塗布し、室温で24時間乾燥させて、およそ0.10mmの乾燥接着剤厚さを与えた。乾燥した接着剤中の添加物−1の最終濃度は、およそ10重量%であった。
【0156】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープを、接着剤サンプルを微多孔フィルムのサンプルに積層することによって作製した。テープから剥離ライナーを取り除き、テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。該積層品を80℃の炉に入れて老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、3日後にテストした。結果を表14に示す。
【0157】
比較例C20
パートI:接着剤サンプルの作製
添加物を含まない接着剤−1を、上の比較例C19、パートIに記載の通りに塗布した。
【0158】
パートII:積層品の作製およびテスト
上記パートIで作製した接着剤サンプルのテープを、接着剤サンプルを微多孔フィルムのサンプルに積層することによって作製した。テープから剥離ライナーを取り除き、テープの接着剤側を、スライドガラスに貼り合わせて3層積層品を形成した。該積層品を80℃の炉に入れて老化させた。サンプル積層品を、上記テスト方法を使用する表面湿潤スクリーニングテストで、3日後にテストした。結果を表14に示す。
【0159】
【表17】

【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】図面は、本発明による親水性の物品の、典型的な横断側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面、および第2の表面に結合された接着剤層を有する第2の表面を有する熱可塑性ポリマー層であって、前記接着剤層は、前記ポリマー層の前記第1の表面に移動する界面活性剤を含む、熱可塑性ポリマー層
を含む、親水性の物品。
【請求項2】
前記ポリマー層は、フィルム、多孔性の膜、微多孔膜、および繊維状ポリマー層を含む、請求項1に記載の親水性の物品。
【請求項3】
前記界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、および両性界面活性剤またはそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の親水性の物品。
【請求項4】
前記界面活性剤は、フルオロケミカル非イオン性界面活性剤である、請求項3に記載の親水性の物品。
【請求項5】
前記界面活性剤は、式:
(Rf−Q)n−Z
(式中、
fは、部分的にまたは完全にフッ素化された脂肪族基を表し、
Qは、有機二価または多価結合基あるいは共有結合を表し、
Zは、親水性ポリ(オキシアルキレン)基であり、nは1〜6である)
のものである請求項4に記載の親水性の物品。
【請求項6】
Zは、式(OR’)x(式中、R’は2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基であり、xは4〜25の数値である)のポリ(オキシアルキレン)を含む、請求項5に記載の親水性の物品。
【請求項7】
前記ポリ(オキシアルキレン)基は、ヒドロキシル、アルキル、アルカリールエーテル、またはフルオロアルキルエーテルで終わる、請求項5に記載の親水性の物品。
【請求項8】
前記非イオン性界面活性剤は、式:
h1−Y1−W−Y2−Rh2
(式中、
Wは、ポリオキシアルキレン基を表し;
1およびY2は、独立して、酸素原子、イオウ原子または式−CO−、−COO−、−NH−、−CONH−、または−N(R)−(ここで、Rは、アルキル基またはアリール基である)の基を表し;
h1は、アルキルまたはアリール基、またはそれらの組み合わせを表し、
h2は、水素原子を表すか、またはアルキル基またはアリール基であるか、またはそれらの組み合わせである)
のものである、請求項3に記載の親水性の物品。
【請求項9】
前記非イオン性界面活性剤は、前記ポリ(オキシアルキレン)基が、4〜25個のオキシアルキレン単位を含むことを特徴とする、請求項8に記載の親水性の物品。
【請求項10】
前記界面活性剤は、前記熱可塑性ポリマー層を親水性にするために十分な量で存在する、請求項1に記載の親水性の物品。
【請求項11】
前記接着剤層は、少なくとも3重量%の前記界面活性剤を含む、請求項10に記載の親水性の物品。
【請求項12】
前記接着剤層は、5〜40重量%の前記界面活性剤を含む、請求項10に記載の親水性の物品。
【請求項13】
前記ポリマー層は、ポリエステル類、ポリウレタン類、ポリアミド類およびポリ(α)オレフィン類から選択される、請求項1に記載の親水性の物品。
【請求項14】
前記ポリマー層は、脂肪族モノ−αオレフィン類のホモポリマー、コポリマーおよびターポリマーから選択される、請求項1に記載の親水性の物品。
【請求項15】
前記ポリマー層は、エチレンおよびプロピレンのホモポリマー、コポリマーおよびターポリマーから選択される、請求項1に記載の親水性の物品。
【請求項16】
前記接着剤層は、感圧接着剤層である、請求項1に記載の親水性の物品。
【請求項17】
剥離ライナーをさらに含む、請求項1に記載の親水性の物品。
【請求項18】
前記熱可塑性ポリマー層は、模様のある、請求項1に記載の親水性の物品。
【請求項19】
前記親水性表面の少なくとも一部の上に、インクの画像パターンで印刷された、請求項1に記載の親水性の物品。
【請求項20】
前記インクは水性インクである、請求項19に記載の親水性の物品。
【請求項21】
前記熱可塑性ポリマー層は、最初は疎水性である、請求項1に記載の親水性の物品。
【請求項22】
前記熱可塑性ポリマー層は、上に配置された液体の方向流れを促進する複数のチャネルを有する微細構造担持表面を含む、請求項1に記載の親水性の物品を含む、液体輸送物品。
【請求項23】
熱可塑性ポリマー層を接着剤層で被覆することを含み、前記接着剤層は、前記ポリマー層の前記第1の表面に移動する界面活性剤を含む、請求項1に記載の親水性の物品を製造する方法。
【請求項24】
前記熱可塑性ポリマー層は、フィルム、膜、または繊維状ポリマー層を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記界面活性剤は、前記熱可塑性ポリマー層を親水性にするために十分な量で存在する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、および両性界面活性剤から選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記界面活性剤は、フルオロケミカル非イオン性界面活性剤である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記界面活性剤は、前記熱可塑性ポリマー層を親水性にするために十分な量で存在する、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記接着剤層は、少なくとも3重量%の前記界面活性剤を含む、請求項28に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−523777(P2007−523777A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500772(P2007−500772)
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/003286
【国際公開番号】WO2005/083025
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】