説明

留守番電話装置

【課題】 テレビ電話機能に関連して記録した留守録内容を外部からユーザが取り出す留守番電話機能を充実させる。
【解決手段】 本発明は、動画像データ及び音声データでなるテレビ電話データに係る留守番電話機能を提供する留守番電話装置に関する。そして、留守録のために到来したテレビ電話データに対し、データ量が異なる2種類以上の中から指定された留守録内容を形成するテレビ電話データ加工手段を有することを特徴とする。例えば、留守録内容を外部から閲覧するような場合であれば、データ量が少ない留守録内容を指定しておけば良い。また例えば、外部装置の能力、仕様に合わせて、留守録内容を指定してすることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は留守番電話装置に関し、例えば、留守番電話機能を有するテレビ電話機や、テレビ電話サービスを提供している留守番電話機能を有するキャリア設備に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
従来のテレビ電話機における留守番電話機能は、テレビ電話機本体内のメモリに、相手電話機からの動画像データ及び音声データでなるデータ(以下、テレビ電話データと呼ぶ)を記録し、当該テレビ電話機に対する後での再生操作に応じて、記録されたテレビ電話データを再生出力するものである(特許文献1〜3参照)。
【0003】
テレビ電話機能を持たない固定電話機の場合には、留守録内容を、記録している固定電話機だけでなく、外部装置が、固定電話機に記録されている留守録内容を聞くことができる。そのため、テレビ電話機の場合にも、記録されている留守録内容であるテレビ電話データを、外部のテレビ電話機(固定電話機だけでなく、携帯電話機を含む)から閲覧できるようにすることも考えられる。
【特許文献1】特開2005−278032号公報
【特許文献2】特開2004−336349号公報
【特許文献3】特開2004−312634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、記録されている留守録内容であるテレビ電話データを外部のテレビ電話機から閲覧できるようにすると、留守録内容の全てが必要ない場合でも(例えば、音声だけで十分なような場合でも)、必ず、通信料金が高いテレビ電話データを通信しなければならない。
【0005】
また、テレビ電話機能を持たない固定電話機や携帯電話機からは、他のテレビ電話機に留守録されているテレビ電話データを閲覧することができない。
【0006】
テレビ電話機能を持たない電話機の場合と同様に、テレビ電話サービスを提供しているキャリアの設備が、テレビ電話データ(留守録内容)を記録し、外部装置からのアクセスによって記録しているテレビ電話データを送出する留守録電話サービスを提供することも考えられる。しかし、このような場合にも、上述した場合と同様な課題を有する。
【0007】
そのため、テレビ電話機能に関連して記録した留守録内容を外部からユーザが取り出す留守番電話機能を充実させた留守番電話装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため、動画像データ及び音声データでなるテレビ電話データに係る留守番電話機能を提供する留守番電話装置において、留守録のために到来した上記テレビ電話データに対し、データ量が異なる2種類以上の中から指定された留守録内容を形成するテレビ電話データ加工手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、留守録内容を外部からユーザが取り出す留守番電話機能を充実させることができる。例えば、留守録内容を外部から閲覧するような場合であれば、データ量が少ない留守録内容を指定しておけば良い。また例えば、外部装置の能力、仕様に合わせて、留守録内容を指定してすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(A)主たる実施形態
以下、本発明による留守番電話装置を、テレビ電話機に適用した一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0011】
(A−1)実施形態の構成
図1は、この実施形態に係るテレビ電話機100の構成を示すブロック図である。
【0012】
図1において、CPU101は、テレビ電話機全体を制御するものであり、ROM102は、テレビ電話機の動作プログラムを記憶したメモリであり、RAM103は、ワークエリアとして使用されるメモリであり、操作部104は、オペレータが当該テレビ電話機を操作するためのものである。
【0013】
また、表示部105は、LCD等で構成されているディスプレイであり、カメラ106は、使用者の映像を撮影するものであり、グラフィック制御部107は、表示部105の表示制御や撮影映像の画像処理を行うものである。スピーカ108は、受信音声などを発音出力するものであり、マイク109は、使用者の音声を捕捉するものであり、オーディオ制御部110は、音声の入出力を制御するものである。
【0014】
留守録機能用メモリ111は、留守録機能に係る各種のデータを記憶するものであり、メモリ制御部112は、留守録機能用メモリ111を制御するものである。
【0015】
オーディオコーデック113は、音声データの符号化及び復号化を行うものであり、ビデオコーデック114は、動画像データの符号化及び復号化を行うものであり、多重/分離部115は、動画像データと音声データの多重化、及び、回線から受信した多重化データを動画像データと音声データとに分離するものであり、回線インターフェース部116は、通信回線118とのインターフェースを行うものである。
【0016】
各ブロック102〜116は、制御バス117に接続され、CPU101によって制御されるものである。
【0017】
この第1の実施形態においては、留守録機能用メモリ111には、図2に示すように、留守録時にどのような留守録内容を記録するか、電子メール発送するか等のユーザによる設定内容である留守録設定情報111aと、留守録時に到来したテレビ電話データを上記留守録設定情報に応じて処理した後の留守録内容111bと、留守録内容に係る記録書誌情報111cと、外部装置から留守録内容を取得する際に必要な認証情報(パスワード等)111dなどが記憶される。なお、留守録モード設定時の着信に対し、留守録を行う旨などを発呼者に通知する応答メッセージ111eも、留守録機能用メモリ111に格納されている。
【0018】
留守録設定情報111aは、大きくは、留守録内容の方式を設定している情報111a1と、電子メール発送に関して設定している情報111a2とからなる。
【0019】
留守録内容の方式情報111a1として、(1)到来したテレビ電話データをそのまま留守録内容として記録するのか、(2)テレビ電話データのうち、音声データだけを留守録内容として記録するのか、(3)テレビ電話データのうち、動画像データについては静止画データに加工し、静止画データと音声データとを留守録内容として記録するのか、(4)テレビ電話データのうち、動画像データについては縦横サイズを小さくした動画像データ(例えば携帯電話で対応できるサイズ)に加工(再エンコード)し、サイズが縮小された動画像データと音声データとを留守録内容として記録するのか、等が設定される。
【0020】
電子メール発送設定情報111a2として、電子メール発送の有無が設定される。また、電子メール発送する場合であれば、さらに、電子メールの宛先情報と、電子メールに対する留守録内容の添付の有無が設定される。なお、留守録内容の一部の種類(例えば、到来したテレビ電話データがそのままの留守録内容や、サイズが縮小された動画像データと音声データとでなる留守録内容)については、添付ファイル化を認めないようにしても良い。
【0021】
留守録内容に係る記録書誌情報111cは、相手先電話番号(発番号通知による)、留守録内容のデータサイズ、記録されている時間(再生に供する時間)、記録した日時等である。
【0022】
(A−2)実施形態の動作
次に、実施形態に係るテレビ電話機100の動作を説明する。まず、当般的なテレビ電話の通話時動作を説明する。
【0023】
カメラ106から入力された画像(動画像)はグラフィック制御部107によりA/D変換され、さらに、所定の画像処理を施した後にビデオコーデック114で符号化される。また、マイク109から入力された音声はオーディオ制御部110でA/D変換され、オーディオコーデック113で符号化される。テレビ電話の通話において、相手のテレビ電話機へデータを送る場合は、ビデオコーデック114で符号化された動画像データとオーディオコーデック113で符号化された音声データを多重/分離部115で多重化し、回線インターフェース部116から、通信回線118を介して相手先のテレビ電話機に送信する。
【0024】
テレビ電話での通話において、通信回線118を経由して相手装置から受信した多重化データ(テレビ電話データ)は、回線インターフェース部116から多重/分離部115に入力され、動画像データと音声データに分離される。動画像データはビデオコーデック114で復号化され、音声データはオーディオコーデック113で復号化される。ビデオコーデック114で復号化された動画像データは、グラフィック制御部107に入力され所定の画像処理を施した後に表示部105で表示される。オーディオコーデック113で復号化された音声データは、オーディオ制御部110でD/A変換されスピーカ108から音声として出力される。
【0025】
次に、実施形態のテレビ電話機100における留守録設定時の動作を、図3のフローチャートを参照しながら説明する。
【0026】
CPU101は、ユーザが操作部104に対して、留守録の設定開始操作を行うと、図3に示す処理を開始する。なお、図3に示す処理を実行させる処理プログラムは、例えば、ROM102に格納されている。
【0027】
CPU101はまず、留守録内容の方式情報111a1をユーザによって設定させる(ステップ200)。例えば、「到来したテレビ電話データをそのまま記録する方は1を、音声データだけを記録する方は2を、…押して下さい」という音声ガイダンスを流し、それに応じたユーザの操作番号によって、留守録内容の方式情報111a1を取り込む。又は、同様なガイダンスを表示部105に表示させ、それに応じたユーザの操作番号によって、留守録内容の方式情報111a1を取り込む。後述する他の設定項目の設定についても同様に音声ガイダンス又は表示ガイダンスを利用したものである。
【0028】
ユーザは、例えば、留守から戻って来て留守録内容を確認する場合であれば、到来したテレビ電話データをそのまま留守録内容として記録するように設定する。また、ユーザは、例えば、出先で留守録内容を確認するつもりの場合には、確認に用いる装置を考慮し、留守録内容を設定する。テレビ電話機能を備えない外部の固定電話で留守録内容を確認する場合であれば、音声データだけを留守録内容として記録するように設定する。また自己が有する携帯電話機で留守録内容を確認する場合であれば、サイズが縮小された動画像データと音声データとを留守録内容として記録するように設定する。
【0029】
次に、CPU101は、留守録内容を記録したときに、電子メールによる通知を希望するか否かをユーザに設定させる(ステップ201)。電子メールによる通知をユーザが希望しない場合であれば、CPU101は、当該テレビ電話機100を設定内容に応じた留守録モードに移行させ、移行させた旨をユーザに通知して(ステップ202)、図3に示す一連の処理を終了する。
【0030】
ユーザが電子メールによる留守録内容の存在の通知を希望した場合には、CPU101は、メールアドレスを設定させる(ステップ203)。このメールアドレスの設定では、新たに入力させるようにしても良く、また、既に入力されたメールアドレスから選択させるようにしても良い。
【0031】
その後、CPU101は、設定された留守録内容の形式情報が、電子メールに添付し得る留守録内容を設定しているか否かを判別する(ステップ204)。設定された留守録内容の形式情報が、電子メールに添付できないものであると、CPU101は、当該テレビ電話機100を設定内容に応じた留守録モードに移行させ、移行させた旨をユーザに通知して(ステップ202)、図3に示す一連の処理を終了する。
【0032】
設定された留守録内容の形式情報が電子メールに添付できるものであると、CPU101は、留守録内容を電子メールに添付するか否かをユーザに設定させる(ステップ205)。留守録内容を電子メールに添付しない場合には、CPU101は、当該テレビ電話機100を設定内容に応じた留守録モードに移行させ、移行させた旨をユーザに通知して(ステップ202)、図3に示す一連の処理を終了する。
【0033】
留守録内容を電子メールに添付する場合であれば、CPU101は、添付したときに、留守録内容を当該テレビ電話機100から消去するか否かをユーザに設定させる(ステップ206)。留守録内容を当該テレビ電話機100から消去する場合も消去しない場合も、CPU101は、当該テレビ電話機100を設定内容に応じた留守録モードに移行させ、移行させた旨をユーザに通知して(ステップ202)、図3に示す一連の処理を終了する。
【0034】
なお、上記では、当該テレビ電話機100に対する操作で当該テレビ電話機100を留守録モードに設定させる場合を説明したが、外部の電話装置への音声ガイダンスの提供及び外部の電話装置からの操作信号(プッシュボタン信号)などによって、外部の電話装置が、当該テレビ電話機100を留守録モードに設定できるようにしても良い。
【0035】
次に、留守録モードの当該テレビ電話機100における着信時動作を、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
【0036】
CPU101は、留守録モードに設定されているときに、着信があると、発信元に、留守録内容の記録を求めるか、記録されている留守録内容の再生を求めるかを確認し、留守録内容の記録を要求したときに、図4に示す処理を開始する。なお、図4に示す処理を実行させる処理プログラムは、例えば、ROM102に格納されている。また、以下では、呼制御もCPU101が実行するとして説明するが、呼制御用のCPU等を、アプリケーションを実行するCPUと別個に備えていても良い。
【0037】
図4に示す処理を開始すると、CPU101はまず、相手先電話番号を記録書誌情報11cの一部として書き込むと共に(ステップ300)、発信元に対しては、開始音を送出した時点から留守録を行う旨などを通知する応答メッセージ111eを送信し(ステップ301)、留守録内容を記録し得る準備を行う(ステップ302)。この準備では、到来したテレビ電話データを、設定された形式情報などに応じて処理し得るように各部を設定することも行う。
【0038】
準備が完了すると、CPU101は、留守録開始音を発信元に対しては送出させ(ステップ303)、その後、発信元から到来したテレビ電話データに対し、該当する加工を実行させながら(ステップ304;但し、そのまま記録が設定されている場合にはこの加工は実行されない)、留守録機能用メモリ111に留守録内容を記録させる(ステップ305)。
【0039】
到来したテレビ電話データをそのまま留守録内容として記録する設定の場合であれば、到来したテレビ電話データをそのまま留守録機能用メモリ111に記録させる。なお、到来したテレビ電話データに対する復号を行って記録させるようにしても良い。
【0040】
また、テレビ電話データのうち、音声データだけを留守録内容として記録する設定の場合であれば、テレビ電話データから、多重/分離部105が分離した音声データを留守録機能用メモリ111に記録させる。なお、多重/分離部105が分離した音声データをオーディオコーデック113が復号し、その復号された音声データを留守録機能用メモリ111に記録させるようにしても良い。他の設定での音声データ記録についても同様である。
【0041】
さらに、到来したテレビ電話データのうち、動画像データについては静止画データに加工し、静止画データと音声データとを留守録内容として記録する設定の場合であれば、多重/分離部105が分離した動画像データをビデオコーデック114が復号し、その先頭の画像を静止画データとして留守録機能用メモリ111に記録させると共に、多重/分離部105が分離した音声データを留守録機能用メモリ111に記録させる。
【0042】
さらにまた、テレビ電話データのうち、動画像データについては縦横サイズを小さくした動画像データ(例えば携帯電話で対応できるサイズ)に加工(再エンコード)し、サイズが縮小された動画像データと音声データとを留守録内容として記録する設定の場合であれば、多重/分離部105が分離した動画像データをビデオコーデック114が復号し、その縦横サイズを所定サイズに縮小し、ビデオコーデック114が再度符号化したものを留守録機能用メモリ111に記録させると共に、多重/分離部105が分離した音声データを留守録機能用メモリ111に記録させる。
【0043】
到来したテレビ電話データに対する加工(ステップ304)及び留守録機能用メモリ111への記録を繰返し実行しているときには、CPU101は、発信元側から切断信号が到来するのを待ち受けており(ステップ306)、切断信号が到来すると、呼の切断処理を実行すると共に(ステップ307)、留守録内容のデータサイズ、記録されている時間(再生に供する時間)、記録した日時等を留守録機能用メモリ111に記録させる(ステップ308)。なお、留守録内容の記録時間の上限時間を設けておき、上限時間に達したときにも、CPU101は、上述したステップ307及び308の処理を実行するようにしても良い。また、時間や日時の情報は、例えば、CPU101が実行しているソフトタイマの機能を利用して得る。
【0044】
次に、CPU101は、電子メール発送が設定されているか否かを判別する(ステップ309)。電子メール発送が不要ならば、CPU101は、図4に示す一連の処理を終了する。
【0045】
これに対して、電子メール発送が設定されているならば、CPU101は、留守録機能用メモリ111から、相手先電話番号(発番号通知による)、留守録内容のデータサイズ、記録されている時間(再生に供する時間)、記録した日時等でなる留守録内容に係る記録書誌情報を取り出して本文に挿入すると共に、留守録機能用メモリ111に設定されているメールアドレスを宛先アドレスとした電子メールを組立てた後(ステップ310)、留守録内容の添付が求められているか否かを判別する(ステップ311)。
【0046】
留守録内容の添付が求められていなければ、CPU101は、留守録内容を添付することなく、組み立てた電子メールを送信させ(ステップ312)、図4に示す一連の処理を終了する。
【0047】
一方、留守録内容の添付が求められていれば、CPU101は、留守録機能用メモリ111から留守録内容を取り出して電子メールに添付して送信させる(ステップ313)。留守録内容を添付した電子メールを送信させた場合には、CPU101は、留守録内容の消去が設定されているか否かを判別する。消去が設定されていなければ、CPU101は、図4に示す一連の処理を終了し、消去が設定されていれば、CPU101は、留守録機能用メモリ111から、添付された留守録内容及びそれに対応する記録書誌情報を消去して(ステップ314)、図4に示す一連の処理を終了する。
【0048】
例えば、留守録内容が添付された電子メールをパソコンなどで受信したユーザは、添付されている留守録内容を視聴することができる。
【0049】
また、留守録内容が添付されていない電子メールをパソコンなどで受信したユーザは、記録書誌情報に基づいて、発信元などを確認し、必要ならば、当該テレビ電話機100の設置場所に戻ることなく、外部の装置から、テレビ電話機100に対し留守録内容の取得動作を行うことになる。
【0050】
電子メール発送を求めなかったユーザも、当該テレビ電話機100の設置場所に戻ることなく、外部の装置から、テレビ電話機100に対し留守録内容の取得動作を行うこともあり得る。
【0051】
図示は省略しているが、外部の装置から、テレビ電話機100に格納されている留守録内容を取得する動作は、留守録内容の種類が必ずしも一致しないが、外部の装置から、テレビ電話機能を持たない電話機に格納されている留守録内容を取得する既存の動作とほぼ同様である。
【0052】
例えば、テレビ電話機100は、外部アクセスのユーザを認証すると、記録書誌情報を外部装置に通知し、ユーザがその再生を指示すると、テレビ電話機100が留守録内容を外部装置に送信してユーザがその内容を取得し、このような動作を格納件数分行うことになる。
【0053】
ここで、ユーザは、外部装置の能力や仕様を考慮して、テレビ電話機100に対する各種情報の設定を行っているので、外部装置はユーザに留守録内容を提供することができる。
【0054】
(A−3)実施形態の効果
上記実施形態によれば、ユーザは、当該テレビ電話機に対し、記録させる留守録内容の形成方式(加工方法など)などを設定できるので、外部装置によって取り出すことを前提としているような場合には、留守録内容のデータ量を抑えることができ、留守録内容を取得する際の通信費用を押さえることができる。
【0055】
また、外部装置の能力や仕様を考慮して、テレビ電話機に対し、記録させる留守録内容の形成方式(加工方法など)などを設定できるので、テレビ電話機能を備えない外部装置を用いて、留守録内容を取得することもできる。
【0056】
さらに、電子メールによって、留守録内容を記録したことを通知するようにしたので、ユーザは、記録されたことを早期に認識することができる。この認識時に、実施形態のテレビ電話機をアクセスして留守録内容を取得することもできる。また、設定によっては、電子メールに加工(データ量を抑える加工)した留守録内容を添付させることができ、電子メールの受信時に、留守録内容を取得することができる。
【0057】
すなわち、到来したテレビ電話データに関連して記録した留守録内容を、外部からユーザが取り出す留守番電話機能が非常に汎用的な充実したものとなっている。
【0058】
(C)他の実施形態
上記実施形態においては、留守録内容が格納されたことを通知する電子メールの発送が可能なものを示したが、電子メール発送機能を備えなくても良い。逆に、電子メールの発送機能をユーザの設定項目とせず、常に、発送するものとしても良い。
【0059】
また、上記実施形態においては、留守録内容の形成方式が4種類のものを示したが、2種類以上あれば良く、各種類も上述したものに限定されるものではない。
【0060】
さらに、上記実施形態では、記録させる留守録内容の方式を予め設定しておき、発信元からの留守録用のテレビ電話データが到来したときに、設定に応じて加工(加工しない場合を含む)して記録するものを示したが、方式の設定(選択)は、留守録内容を取り出す際であっても良い。すなわち、発信元からの留守録用のテレビ電話データが到来したときにはそのまま記録し、外部装置から留守録内容の転送を求められた際に方式を選択させ、選択された方式に応じて、記録されているテレビ電話データを加工して、外部装置に送信するようにしても良い。
【0061】
このような方法であれば、記録されている数件に対し、異なる加工方法を指示することもできる。
【0062】
なお、上記実施形態のように、受信時点で加工する方法であっても、発信番号に対応付けて異なる加工方法を設定するようにしても良い。
【0063】
さらにまた、上記実施形態では、テレビ電話機(固定型、携帯型を問わない)に本発明を適用したものを示したが、テレビ電話サービスを提供しているキャリアの設備が、留守録電話サービスも提供している場合であれば、このようなキャリア設備に本発明を適用することができる。本発明の「留守番電話装置」とは、テレビ電話機だけでなく、このようなキャリア設備も含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施形態のテレビ電話機の構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態の留守録機能用メモリにおける格納情報の説明図である。
【図3】実施形態のテレビ電話機における留守録設定時の動作を示すフローチャートである。
【図4】実施形態テレビ電話機における留守録モードでの着信時動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
100…テレビ電話機、101…CPU、102…ROM、103…RAM、104…操作部、105…表示部、106…カメラ、107…グラフィック制御部、108…スピーカ、109…マイク、110…オーディオ制御部、111…留守録機能用メモリ、112…メモリ制御部、113…オーディオコーデック、114…ビデオコーデック、115…多重/分離部、116…回線インターフェース部、117…制御バス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画像データ及び音声データでなるテレビ電話データに係る留守番電話機能を提供する留守番電話装置において、
留守録のために到来した上記テレビ電話データに対し、データ量が異なる2種類以上の中から指定された留守録内容を形成するテレビ電話データ加工手段を有することを特徴とする留守番電話装置。
【請求項2】
留守録内容の1種類として、テレビ電話データから抽出した音声データだけを含む留守録内容が用意されていることを特徴とする請求項1に記載の留守番電話装置。
【請求項3】
留守録内容の1種類として、テレビ電話データから抽出した動画像データを処理して得た静止画データと、テレビ電話データから抽出した音声データとを含む留守録内容が用意されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の留守番電話装置。
【請求項4】
留守録内容の1種類として、テレビ電話データから抽出した動画像データの画像サイズを変換した動画像データと、テレビ電話データから抽出した音声データとを含む留守録内容が用意されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の留守番電話装置。
【請求項5】
外部装置からの留守録内容の転送要求に対し、上記テレビ電話データ加工手段が形成した留守録内容を転送させる留守録内容転送手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の留守番電話装置。
【請求項6】
上記テレビ電話データ加工手段が形成する留守録内容の種類を、留守録のためのテレビ電話データが到来する前に指定させる留守録内容種類指定手段と、
上記テレビ電話データ加工手段が形成した留守録内容を記録する留守録内容記録手段とを備え、
上記テレビ電話データ加工手段は、留守録のためにテレビ電話データが到来したときに指定された留守録内容を形成して上記留守録内容記録手段に記録させる
ことを特徴とする請求項5に記載の留守番電話装置。
【請求項7】
留守録のために到来した上記テレビ電話データを記録するテレビ電話データ記録手段を備え、
上記テレビ電話データ加工手段は、外部装置からの留守録内容の転送要求があったときに、上記テレビ電話データ記録手段に記録されているテレビ電話データから、指定された留守録内容を形成して上記留守録内容転送手段に与える
ことを特徴とする請求項5に記載の留守番電話装置。
【請求項8】
留守録のためにテレビ電話データが到来したとき、予め設定されているメールアドレスへ、到来したことを通知する電子メールを発送する電子メール発送手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の留守番電話装置。
【請求項9】
上記電子メール発送手段は、上記電子メールに、上記テレビ電話データ加工手段が形成した留守録内容を添付して発送することを特徴とする請求項8に記載の留守番電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−79017(P2008−79017A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−256022(P2006−256022)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】