説明

異なる物理的形態の2種以上の有効医薬成分を含有する投薬形態

2種以上の有効医薬成分を対象に投与するための投薬形態であって、第1の有効医薬成分と任意選択的に1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を、粉末、顆粒、ペレット、ビーズ、または小型タブレット形態からなる群から選択される第1の物理的形態で含む第1の医薬組成物を含み、さらに、第2の有効医薬成分と任意選択的に1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を、顆粒、ペレット、ビーズ、小型タブレット、またはタブレット形態からなる群から選択される第2の物理的形態で含む少なくとも第2の医薬組成物を含み、組成物は、前記第1および第2の医薬組成物の間の相互作用を最小にし、サイズの相違に基づいて分析のための前記第1および第2の医薬組成物の分離を可能にするように、前記第1および第2の物理的形態が異なるように選択されることを特徴とする投薬形態。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2種以上の医薬組成物の投薬形態への調合に関する。
【背景技術】
【0002】
2種以上の有効医薬成分(API)の同時投薬に基づく医薬調製物を利用することができる。この複数のAPI投薬を達成するために種々の手段が存在し、それらは、単一の包装中に含有される各APIごとに別個の投薬形態、1つの投薬形態における複数のAPI、圧縮タブレット中の異なるAPIの複数の層を含む。
【0003】
各APIごとに別個の投薬形態を含有するブリスターパックのような包装の提供は、好ましくない。なぜなら、患者自身を含めて、APIを投与する人が、異なる薬物を結果として1種のAPIの過剰な摂取と混同し、第二のAPIが全く服用されないかもしれないからである。EP 1003503は、単一の従来の投薬形態中に、または各APIごとに別個の投薬形態を含有するキットの一部として、調合されることができる、アムロジピンとアトルバスタチンを含有する医薬組成物を開示する。
【0004】
米国特許第6417191号は、ラミブジンおよび所望によりジドブジンとアバカビルの組合せを、これらの化合物の単純な混合と好適なキャリアでの調合を通して開示する。しかしながら、単一の投薬形態における複数のAPIは、あるAPIと他のAPIの相互作用、APIと賦形剤の相互作用、および/または放出速度または胃腸管(例えば、胃、大腸または小腸、あるいは結腸)における放出の近接のような異なる放出特性を必要とする異なるAPIの相互作用の問題を呈示しうる。
【0005】
多くのAPIは、他のAPIおよび/または多くの一般的に使用される医薬的に許容されうる賦形剤の1種以上との相互作用のいくつかの形態を示す。1つのこのような古典的相互作用は、第一級アミン基を含有するAPIと、極めて一般的に使用される充填剤であるラクトースの間のメイラード反応である。この相互作用は、治療効果を示さず、製品を作用させなくするかまたはさらに悪化させうるラクトシド化合物を形成し、ラクトシド化合物は、毒性であり、そして有害な副作用を引き起こすかもしれない。ラクトースとのこの相互作用は、アミノ酸、アミノフィリン、アンフェタミン類、およびリシノプリルのようなAPIで見られることができる。
【0006】
別の良く知られている相互作用は、一般的なプロトンポンプ阻害化合物のいくつかと酸性賦形剤の相互作用である。オメプラゾール、パントプラゾール、およびランソプラゾールのようなAPIは、酸に不安定な化合物であり、それらは、胃の酸性環境を回避し、pHが胃より高いさらに下のGI管でAPIを放出するために腸溶性コーティングされた製品として提供され、その環境は、APIが吸収されることができるまでAPIを分解しないだろう。しかしながら、最も一般的な腸溶性コーティングポリマーはまた、本質的に酸性である。したがって、タブレット、ペレット、またはビーズのコア中に含有されるこれらのAPIは、酸性の腸溶性コーティングポリマーからのさらなる保護を必要とする。
【0007】
賦形剤の選択に関して、組み合わせられた製品を調合することがいかに困難でありうるかという1つの例が示され、そこでは、APIであるオランザピンは、一般的に使用される崩壊剤および充填剤である微結晶性セルロースと相互作用することが見出されている。この製品はまた、フルオキセチンとの併用治療剤としても市販されている。上で述べられたように、ラクトースは第一級アミンと相互作用し、そしてフルオキセチンは第一級アミンであるので、これら2つの成分の間には相互作用の可能性が存在する。したがって、フルオキセチンをタブレット中に調合するために、代替的な充填剤が必要とされるだろう。別の一般的に最適な充填剤は微結晶性セルロースであるが、オランザピンとのその相互作用のために、微結晶性セルロースは、フルオキセチンおよびオランザピンの両方を含有する単一の投薬形態においては使用されることができない。したがって、1種より多いAPIを、1種以上のAPIおよび他の賦形剤と相互作用しない許容されうる賦形剤と共に単一の投薬形態中に調合することは、ますます困難になる。
【0008】
さらなる問題は、多層の圧縮タブレットに関連する。なぜなら、その調製のために専門の圧縮装置が必要とされるからである。また、独立した層は、API間またはAPIと賦形剤の間の相互作用を排除しないかもしれない。不活性な分離物質の付加的な層が使用されることができるが、これは圧縮タブレットの調合の時間、費用、および複雑さを増大する。WO 2004/060355は、トリプタンをある層に、そしてナプロキセンを別の層に含む多層タブレットの例を開示する。任意選択的に、APIを含有する2つの層の間に分離層が存在する。WO 01/35941は、各APIがそれ自身の医薬的に許容されうるキャリア中に分散される、塩酸メトホルミンとチアゾリジンジオン(「グリタゾン」)の組合せを開示する。1つの好ましい実施形態において、これらの独立した組成物の各々は、単一投薬形態における別個の区域、例えば、多層タブレットの圧縮された別個の層として含有される。
【0009】
あるいは、APIを任意選択的に含むコアは、APIを含有する膜形成ポリマーの層を吹き付けられることができる。続いて、これは、同じAPIまたは異なるAPIを含むさらなる層、および/または表面装飾用、保護用、または放出速度制御用のポリマーコーティングのなんらかの形態を吹き付けられることができる。このような表面装飾用のコーティングは、表面装飾的な魅力のため、製品の印象の増大のため、風味を遮蔽するため、および製品を区別するためのカラーコーティングであることができる。保護用のコーティングは、防湿層または酸性環境に対する保護として使用されることができる。放出速度制御用のコーティングは、腸溶性コーティングのようにpH溶解性に特異的なpH不溶解性コーティングであることができ、それは、浸透圧ポンプ系と、APIの放出を制御するためのコーティング中の微細な穴またはAPI物質の放出の速度を制御する膨張性ポリマーを利用する。多くのこのようなコーティングは、上記で言及されたコーティングの各々のタイプについて業界において周知である。WO 2004/060355はまた、コハク酸スマトリプタンが、ナプロキセンナトリウムを含有するコアに塗布される膜コーティング中に含まれる例を開示する。WO 2004/038428は、コア中のAPIの制御された放出と、コーティング中のAPIの速い放出を提供するための、塩酸トラマドールおよびアセトアミノフェンを含有する製剤を開示する。WO 98/06385は、他のものとは異なって、コアおよびコーティングの両方が少なくとも1種のAPIを独立して含有する、同様にコーティングされたコアを開示する。
【0010】
このような吹き付けられた層状製品は、製造に時間がかかり、その結果として高い費用および製造の複雑さを示す。さらに、コーティング溶液において使用されるAPIの量は、必要な量より多くなければならない。なぜなら、被覆溶液の一部は、タブレットの床を通過し、コーティング用のパンの外側に捕獲されるからである。投与量の均一性はまた、市場への販売が許容されるには潜在的に大き過ぎるその後の統計的な変動係数のために、達成するのが困難である。米国特許第5026560号および同第5516531号は、結合剤、ならびに薬物および低置換ヒドロキシプロピルセルロースを含有する吹き付け粉末でコーティングされたコアを有するノン−パレイル(non−pareil)ビーズを開示する。
【0011】
米国特許第6015577号は、アセチルサリチル酸タブレットでカプセル化されたジピリダモールのペレットを開示する。アセチルサリチル酸成分は、酢酸を含まないわけではなく、酢酸は、保存の間にアセチルサリチル酸の開裂によって形成され、酢酸は、ジピリダモールと反応して吸湿性の塩およびエステルを形成し、それによってジピリダモールを分解する。したがって、2種のAPIを分離し、保存における経時的なジピリダモールの分解を防ぐために、タブレットは、スクロース、アラビアゴム、およびタルクを含むコーティング懸濁液でコーティングされる。米国特許出願第2006/006256号は、粒子が放出速度制御膜コーティングによってコーティングされる、ガランタミンの粒子を含む制御放出製剤を開示する。それはさらに、ガランタミンの一部分が制御放出製剤として存在し、別の部分が即時放出形態で存在する、好ましくは小型タブレットとしての投薬形態を開示する。米国特許第6514531号は、二相性の生体外溶解プロフィールに従ってゾルピデムを放出するための制御放出投薬形態を開示する。二相は、微結晶性セルロースの20質量%の層で吹き付けコーティングされたペレットまたはコーティングされたタブレットを含む制御放出投薬形態、および大きなタブレットまたはカプセルに組み入れられたペレットまたはタブレットを含む即時放出投薬形態を利用することによって達成されることができる。この特許はまた、多層タブレットおよび多重コーティングされたタブレットも開示する。
【0012】
成分間の相互作用に加えて、使用される1種のAPIまたは1種以上の賦形剤は、分析的試験方法における1種または両方のAPIの試験に干渉しうることも見られる。これの1つの例は、1種より多いAPI、APIおよび賦形剤、またはAPIおよび別のAPIからの関連物質を同時に溶出する高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)分析において見られ、それによって別個物質の各々の正確な定量を不可能にする。同様に、賦形剤のピークは、超高性能液体クロマトグラフィー(UPLC)、赤外分光法(IRおよびFTIR)、近赤外分光法(NIR)、X線粉末回折測定法(X−Ray Powder Diffractometry:XRPD)、またはラマン分光法のような分析技術において、重要なAPIのピークを干渉および/または遮蔽しうる。類似性に基づく干渉は、他のAPIおよび製剤に対する、他の分光学的分析技術またはクロマトグラフ分析技術で見られることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、先行技術の問題を克服することができる投薬形態が開発される必要性が存在する。特に、簡単な臨床検査を可能にし、あるAPIと、製剤中に使用されるさらなるAPIまたは1種以上の賦形剤との相互作用の可能性を制限する投薬形態を製造するための簡単かつ費用効果的な手段に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、粉末形態、顆粒、ペレット、ビーズ、小型タブレット、およびタブレットから選択される異なる物理的形態で2種以上のAPIを含有する投薬形態に関する。各APIは、別個の医薬組成物中に別々に調合され、別個の医薬組成物は、投薬形態に調合される。2つの組成物の異なる物理的形態は、あるAPIと別のAPIの間、またはAPIと賦形剤のいずれかの間の相互作用を最小にするのに役立つ。このアプローチは、APIの放出速度および/または放出の近接に対して制御を向上させ、別個の医薬製剤が使用されるときの投与量の均一性の制御を向上させる。これは、組合せ医薬製品を調合する伝統的な方法とは対照的であるかもしれない。伝統的な方法では、医薬品の一方または両方は単独療法として利用可能であり、それは、第2のAPIまたは改変された製造方法を含めるようなこれらの製剤の変化を伴う。本発明は、少なくとも1種の製剤を、既に製造されているものと同じように製造することが可能であり、それは、製造およびコストの効率の向上、および時間削減の向上を導く。さらに、本発明は、投薬形態において使用されるユニットのサイズの相違に基づいて試験の前に異なるAPIを物理的に分離することによって、2種以上のAPIを含有する製品の分析試験を容易にする。このAPIの分離は、分析学的試験が、他のAPI、関連物質、および/または賦形剤から干渉されることなく、個々のAPIの各々に対して行われることができることを意味する。
【0015】
本発明の第1態様において、2種以上の有効医薬成分を対象に投与するための投薬形態であって、第1の有効医薬成分と任意選択的に1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を、粉末、顆粒、ペレット、ビーズ、または小型タブレット形態からなる群から選択される第1の物理的形態で含む第1の医薬組成物を含み、さらに、第2の有効医薬成分と任意選択的に1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を、顆粒、ペレット、ビーズ、小型タブレット、またはタブレット形態からなる群から選択される第2の物理的形態で含む少なくとも第2の医薬組成物を含み、
組成物は、前記第1および第2の医薬組成物の間の相互作用を最小にし、サイズの相違に基づいて分析のための前記第1および第2の医薬組成物の分離を可能にするように、前記第1および第2の物理的形態が異なるように選択されることを特徴とする投薬形態が提供される。
【0016】
さらなる態様において、2種以上のAPIを含む投薬形態であって、投薬形態は、第1のAPIと任意選択的に1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を含む第1の組成物、および第2のAPIと1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を含む第2の組成物を含有し、組成物はさらに、第1および第2の組成物が容易に分離されることができることを特徴とする投薬形態が提供される。
【0017】
さらなる態様において、2種以上の有効医薬成分を含む投薬形態を調合する方法であって、
第1の有効医薬成分と任意選択的に1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を、粉末、顆粒、ペレット、ビーズ、または小型タブレット形態からなる群から選択される第1の物理的形態で含む第1の医薬組成物を提供すること、および
第2の有効医薬成分と任意選択的に1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を、顆粒、ペレット、ビーズ、小型タブレット、またはタブレット形態からなる群から選択される第2の物理的形態で含む少なくとも第2の医薬組成物を提供すること、
前記第1および第2の医薬組成物を組合せて前記投薬形態にすること
を含み、前記第1および第2の物理的形態は、前記第1および第2の医薬組成物の間の相互作用を最小にし、サイズの相違に基づいて分析のための前記第1および第2の医薬組成物の分離を可能にするように選択される方法が提供される。
【0018】
さらなる態様において、2種以上の有効医薬成分を含む投薬形態を前記有効医薬成分の分析のために調製する方法であって、前記投薬形態は、第1の有効医薬成分と任意選択的に1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を、粉末、顆粒、ペレット、ビーズ、または小型タブレット形態からなる群から選択される第1の物理的形態で含む第1の医薬組成物、および第2の有効医薬成分と任意選択的に1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を、顆粒、ペレット、ビーズ、小型タブレット、またはタブレット形態からなる群から選択される第2の物理的形態で含む少なくとも第2の医薬組成物を含み、サイズの相違に基づいて分析のための前記第1および第2の医薬組成物の分離が行われる方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
分析学的試験のために、物理的手段または他の手段による分離が簡単で単純な工程であるように、本発明による投薬形態を含む別個の組成物が、このように異なる粒径の組成物にされていることは当業者には明らかだろう。このような分離の例は、ある形態を通過させながら他の形態を保持する、適切な大きさのスクリーンに製品を通す篩い分けによる分離、手による手動の分離、または風選のような空気分離技術である。本発明のこの態様を達成するために有用な他の分離技術は、周知である。
【0020】
特に好ましい実施形態において、第1の組成物およびさらなる組成物は、明らかに異なる粒径を有する。
【0021】
さらに好ましい実施形態において、投薬形態は、第1のAPIを含有する第1の組成物が粉末または顆粒の組成物として提示され、一方、1種以上のAPIを含有するさらなる組成物の各々は、ペレット、ビーズ、圧縮小型タブレットまたは慣習的なタブレット組成物として提示される。
【0022】
粉末、顆粒、ペレット、またはビーズの形態であるAPIを含むことは、顆粒、ペレット、ビーズ、小型タブレットまたはタブレット中に含まれる他のAPIおよび賦形剤からのそのAPIの優れた分離を提供する。この別個の提示形態は、保存時に、顆粒、ペレット、ビーズ、小型タブレットまたはタブレットにおける第1のAPIと、賦形剤または他のAPIの間のいかなる相互作用も制限する。この提示はまた、各々の投薬単位における異なる調合の使用により、投薬形態における異なるAPIの各々の放出の異なる速度および/または近接も可能にする。
【0023】
特に好ましい実施形態において、本発明は、2種以上のAPIを含む医薬的硬ゼラチンカプセルからなる医薬的投薬形態に関し、カプセルは、第1のAPIと1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を、粉末、顆粒、ペレット、またはビーズの形態で含み、そして少なくとも1種の他のAPIと1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を、顆粒、ペレット、ビーズ、小型タブレット、またはタブレットの形態で含む。さらなる実施形態において、他のAPIが小型タブレットまたはタブレットの形態のみであるとき、第1のAPIは、粉末、顆粒、ペレット、またはビーズの形態である。
【0024】
さらなる実施形態において、本発明による粉末、顆粒、ペレット、ビーズ、小型タブレット、タブレットはまた、従来の手段によってコーティングされることができる。もちろん、コーティングが、カラーコーティング、風味遮蔽コーティング、または腸溶性コーティングおよび他の制御放出タイプのコーティングのような改良された放出コーティングを含むいかなるタイプのコーティングでもありうることは理解されるだろう。
【0025】
本明細書中で使用される用語「賦形剤」は、治療的に不活性な、医薬的に許容されうる成分を示し、それは例えば、充填剤または希釈剤、結合剤、崩壊剤、流動促進剤、あるいは潤滑剤、滑剤または湿潤剤として作用するように医薬製剤に添加される。賦形剤のこれらおよび他のカテゴリーに分類される賦形剤は、医薬品の調合および製造において周知である。
【0026】
用語「タブレット」は、コーティングされたタブレットまたはコーティングされていないタブレット、単層タブレットまたは多層タブレット、および固体投薬単位を形成するために圧縮または締め固めのプロセスを経たいかなる他の投薬形態も示す。相互作用を防ぐためにAPIを分離する防護コーティングの必要性が克服されているが、コーティングされたタブレットは、本発明の投薬形態の構成要素となることができる。投薬形態における別のAPIからのこのような組成物の隔離が、分析のためのAPIの分離しやすさの利点をさらに提供することは理解されるだろう。
【0027】
用語「小型タブレット」は、5mmに等しいかそれより小さい長さ、幅、または直径の寸法を有する圧縮された医薬製剤を意味する。
【0028】
用語「ペレット」または「ビーズ」は、約2mm以下の直径を示す製剤を意味し、それは、圧縮されるのではなく、ノン−パレイル上に層状にされるかまたは押し出しによって作製され、その後、任意選択的に球状化または他の類似した公知技術を受ける。一般的に、ペレットおよびビーズは、小型タブレットよりも外観上は球形に近い。
【0029】
用語「顆粒」は、APIを他の成分の一部または全部としっかりとかつ均一に分散するために、及び粒径を増大させるために成分が一緒に混合された医薬製剤を示す。周知技術は、医薬品業界において知られており、湿式造粒または乾式造粒から選択されることができる。
【0030】
本明細書中で使用される用語「組成物」は、いかなる医薬的に許容されうる賦形剤も存在しないAPIの調製物、ならびに伝統的に理解される意味のAPIと医薬的に許容されうる賦形剤の複合物を含む。
【0031】
本発明による最終の投薬提示物としてカプセル内に含めるための、併用療法におけるAPIの選択は、注意深く判断される必要がある。第1のAPIおよび他のAPIの両方の製剤の総量に対して、物理的制限が存在する。これは、投与されることができるカプセルのサイズに対する制限に起因し、そしてこれは、単一のカプセル内にカプセル化されることができる内容物の量を制御する。この制限は、製品が投与される動物に依存して変動する。
【0032】
一般的に、高い投与量で存在するAPIは、第1のAPIとして示される。特定の理論に縛られることなく、粉末、顆粒、ペレット、またはビーズとしてのこのAPIの調合が、顆粒、ペレット、ビーズ、小型タブレット、またはタブレットとして提示される低投与量APIと共にカプセル内に収まる可能性を大きくすることと信じられている。これらの投薬提示形態の小さな粒径および製造時の圧縮力の欠如は、これらの製剤が結合剤および崩壊剤のような賦形剤を全く必要としないか、またはこれらの薬剤の低減された量しか必要としないということを意味する。これは、利用される全製剤の高い割合がAPIであり、そのため、カプセル化されるのに必要とされる量が、関連するAPIの投与量にさらに近いことを意味する。
【0033】
第2のまたは次のAPI組成物の一部として利用される圧縮された小型タブレットまたは従来のタブレットは、放出速度制御ポリマー、結合剤、崩壊剤、流動促進剤、および潤滑剤のようなさらなる賦形剤を必要とする。したがって、これらの圧縮された投与提示形態は、賦形剤に対するAPIの割合がずっと低い低投与量APIにより適している。たとえそうであっても、これらの低投与量APIに必要とされる全空間は、第1のAPIのものよりも実質的に少ない。もちろん、上記にもかかわらず、第1のAPI組成物はまた、圧縮された小型タブレットまたは従来のタブレットを含みうることが理解されるだろう。
【0034】
さらに、第1のAPIおよび第2のAPIは、同じ化合物であることができるが、送達の機構は異なることができる。例えば、第1のAPIは、即時放出投薬形態に調合されることができ、第2のAPIは、延長された、除放または遅延放出投薬形態などに調合されることができる。
【0035】
第1およびさらなるAPIは、併用療法において使用されることができる医薬的活性を有するいかなる化合物からも選択されることができる。本発明の1つの実施形態は、フルオキセチン、メトホルミン、ミルナシプラン、ナプロキセン、スルホニル尿素類(例えば、グリメピリド、グリピジド、またはグリブリド)、グリタゾン類(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、またはシグリタゾン)、ジクロフェナク、アセトアミノフェン(パラセタモール)、ヒドララジン、ベラパミル、ジピリダモール、ヒドロクロロチアジド、トリアムテレン、「サルタン類」(例えば、カンデサルタン、イルベサルタン、テルミサルタン、エプロサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、バルサルタン)、「プリル類」(例えば、キナプリル、フォシノプリル、エナラプリル、ラミプリル、トランドラプリル、カプトプリル、ベナゼプリル、リシノプリル、モエキシプリル)、ガランタミン、ビソプロロール、メトプロロール、ラベタロール、プロプラノロール、ピンドロール、スピロノラクトン、エプレレノン、メチルドーパ、レボドパ、レセルピン、デセルピジン、オランザピン、スルホニル尿素類(例えば、グリメピリド、グリピジド、またはグリブリド)、グリタゾン類(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、またはシグリタゾン)、ガバペンチン、プレガバリン、スマトリプタン、ミソプロストール、トラマドール、メトクロプラミド、ヒドロクロロチアジド、アミロライド、アスピリン(アセチルサリチル酸)、ランソプラゾール、イソソルビド、カルビドパ、サクサグリプチン、ビルダグリプチン、シタグリプチン、アモキシシリン、クラブラン酸、「スタチン類」(例えば、アトルバスタチン、シンバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン)、エゼチミブ、ナイアシン、またはこれらの医薬的に許容されうる塩またはエステルを含む化合物の群のいずれかから選択されるAPIを含む。
【0036】
好ましい実施形態において、第1のAPIは、好ましくは、塩酸フルオキセチンまたは塩酸メトホルミンであり、最も好ましくは、塩酸フルオキセチンである。第2のAPIは、好ましくは、オランザピン、塩酸ピオグリタゾン、またはマレイン酸ロシグリタゾンであり、最も好ましくは、オランザピンである。再度、上記の列挙は例示的であり、本発明による投薬形態の利用において使用されうるAPIの範囲を決して制限しないことは当業者には明らかだろう。
【0037】
第1のAPIおよび他のAPIのいくつかの組合せの例の非網羅的なリストが、表1に列挙される。
【0038】

【0039】
API間、またはAPIと推奨される賦形剤の間に何らかの相互作用が起こるかどうか決定するために、実験的分析が、組合せ製品としてオランザピンおよび塩酸フルオキセチンを含有する、推奨される製剤で実行された。API単独、および2つの初期の、慣習的に仕上げられた投薬形態が、3つの異なる保存条件下で、すなわち冷温室保存、60℃のオーブンでの7日間の保存、および40℃/75%RHのインキュベータにおける6日間の保存で分析された。1種または両方のAPIと賦形剤の混合物は、2つの異なる保存条件下、すなわち60℃のオーブンでの7日間の保存、および40℃/75%RHのインキュベータにおける6日間の保存で分析された。
【0040】
サンプルのリストは以下の通りである:
・塩酸フルオキセチン単独
・オランザピン単独
・塩酸フルオキセチン/オランザピン カプセル
・塩酸フルオキセチン+微結晶性セルロース
・塩酸フルオキセチン+予めゼラチン化されたトウモロコシデンプン
・塩酸フルオキセチン+トウモロコシデンプン
・塩酸フルオキセチン+ステアリン酸マグネシウム
・塩酸フルオキセチン+オランザピン
・塩酸フルオキセチン+オランザピン+微結晶性セルロース
・塩酸フルオキセチン+オランザピン+予めゼラチン化されたトウモロコシデンプン
・塩酸フルオキセチン+オランザピン+トウモロコシデンプン
・塩酸フルオキセチン+オランザピン+ステアリン酸マグネシウム
・オランザピン タブレット
・オランザピン+ラクトース一水和物
・オランザピン+微結晶性セルロース
・オランザピン+トウモロコシデンプン
・オランザピン+予めゼラチン化されたトウモロコシデンプン
・オランザピン+クロスポビドン
・オランザピン+ステアリン酸マグネシウム
・オランザピン+Opadry(登録商標)II コーティング成分
【0041】
塩酸フルオキセチン/オランザピンのカプセルは、従来技術によって作製された。2種のAPIは以下に列挙される賦形剤としっかりと混合され、次いでカプセル化された。
【0042】

【0043】
オランザピンのタブレットは、以下に記載される成分を使用して、湿式造粒、乾燥、粉砕、混合、および圧縮のような従来技術によって製造された。
【0044】

【0045】
サンプルは、割り当てられた期間の後に分析され、既知および未知の関連物質のレベルが、HPLCによって決定された。結果は、既知の関連物質の全て、および未知の関連物質の大部分の検出された量が変化しなかったことを示した。しかしながら、API単独の結果に対して、検出されたレベルが有意に上昇した未知の物質も存在した。これらの結果は、表2および表3に示される。
【0046】

【0047】

【0048】
したがって、未知の不純物1および2を増加させる塩酸フルオキセチンとオランザピンの間の相互作用が存在するようである。さらに、塩酸フルオキセチンの有りおよび無しで、MCCと組み合わせられた場合、オランザピンは、未知の不純物3、4およびAの増大を示す。
【実施例】
【0049】
以下の実施例は、本発明を例示するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲および精神から逸脱することなく、種々の変更および修正が当業者によってなされることができる。
【0050】
実施例1
成分 重量/単位(mg)
部分A(粉末)
塩酸フルオキセチン 27.95
トウモロコシデンプン 10.00
予めゼラチン化されたトウモロコシデンプン 85.725
ステアリン酸マグネシウム 1.325
部分B(小型タブレット)
オランザピン 6.00
ラクトース無水物 47.15
トウモロコシデンプン 5.00
予めゼラチン化されたトウモロコシデンプン 1.25
クロスポビドン 2.00
ステアリン酸マグネシウム 0.60
合計 187.00
【0051】
部分Aの成分は、適切かつ製薬業界において良く知られているように造粒されて混合された。
【0052】
部分Bの成分は、適切かつ製薬業界において良く知られているように造粒されて混合された。その結果生じた顆粒が、タブレットへと圧縮された。
【0053】
塩酸フルオキセチンの必要な強度を提供する適切な量の顆粒が、適切な大きさのカプセルに充填され、オランザピンのタブレットが加えられた。
【0054】
既知または未知の不純物のいずれも、12週間の25℃/60%RHまたは40℃/75%RHの安定性保存条件下では有意に増大しなかった。
【0055】
実施例2
成分 重量/単位(mg)
部分A(顆粒)
塩酸メトホルミン 502.51
Eudragit(登録商標)RL/RS 50.00
タルク 11.89
水 QS
ステアリン酸マグネシウム 5.60
部分B(小型タブレット)
塩酸ピオグリタゾン 15.00
ラクトース 22.125
MCC 7.375
クロスポビドン 9.00
ステアリン酸マグネシウム 0.50
合計 620.00
【0056】
部分Aの成分は、適切かつ製薬業界において良く知られているように造粒され、乾燥され、粉砕され、そして混合された。
【0057】
部分Bの成分は、適切かつ製薬業界において良く知られているように混合された。その結果生じた顆粒が、タブレットへと圧縮された。
【0058】
部分Aの必要な強度を提供する適切な量の顆粒が、適切な大きさのカプセルに充填され、適切な数の部分Bの小型タブレットが加えられた。
【0059】
実施例3
成分 重量/単位(mg)
部分A(顆粒)
塩酸メトホルミン 502.51
ポビドン K30 20.00
微結晶性セルロース 105.00
水 QS
ステアリン酸マグネシウム 2.49
部分B(小型タブレット)
マレイン酸ロシグリタゾン 5.30
ラクトース 110.20
ヒプロメロース E3 4.50
MCC 16.50
デンプングリコール酸ナトリウム 12.00
水 QS
ステアリン酸マグネシウム 1.50
合計 780.00
【0060】
部分Aの成分は、適切かつ製薬業界において良く知られているように湿式造粒され、乾燥され、粉砕され、そして混合された。
【0061】
部分Bの成分は、適切かつ製薬業界において良く知られているように湿式造粒され、乾燥され、粉砕され、そして混合された。その結果生じた顆粒が、タブレットへと圧縮された。
【0062】
部分Aの必要な強度を提供する適切な量の顆粒が、適切な大きさのカプセルに充填され、適切な数の部分Bの小型タブレットが加えられた。
【0063】
実施例4
成分 重量/単位(mg)
部分A(顆粒)
ナプロキセンナトリウム 500.00
ポビドン 20.00
クロスポビドン 28.00
水 QS
部分B(小型タブレット)
コハク酸スマトリプタン 119.00
MCC 102 121.00
クロスポビドン 20.00
無水コロイドシリカ 8.00
ラウリル硫酸ナトリウム 8.00
ステアリン酸マグネシウム 8.00
合計 832.00
【0064】
部分Aの成分は、適切かつ製薬業界において良く知られているように湿式造粒され、乾燥され、粉砕され、そして混合された。
【0065】
部分Bの成分は、適切かつ製薬業界において良く知られているように混合された。その結果生じた顆粒が、タブレットへと圧縮された。
【0066】
部分Aの必要な強度を提供する適切な量の顆粒が、適切な大きさのカプセルに充填され、適切な数の部分Bの小型タブレットが加えられた。
【0067】
実施例5
成分 重量/単位(mg)
部分A(顆粒)
臭化水素酸ガランタミン 5.128
ラクトース 48.272
クロスポビドン 5.00
無水コロイドシリカ 1.00
ステアリン酸マグネシウム 0.60
部分B(小型タブレット)
臭化水素酸ガランタミン 10.256
Kollidon(登録商標) SR 32.244
硬化植物油 3.00
ポビドン K90 2.00
ステアリン酸マグネシウム 0.50
合計 108.00
【0068】
部分Aの成分は、適切かつ製薬業界において良く知られているように混合された。
【0069】
部分Bの成分は、適切かつ製薬業界において良く知られているように混合された。その結果生じた顆粒が、タブレットへと圧縮された。
【0070】
部分Aの必要な強度を提供する適切な量の顆粒が、適切な大きさのカプセルに充填され、適切な数の部分Bの小型タブレットが加えられた。
【0071】
実施例6
成分 重量/単位(mg)
部分A(顆粒)
グリメピリド 1.00
ラクトース 52.90
MCC 101 7.70
デンプングリコール酸ナトリウム 5.60
HPMC 2.10
ステアリン酸マグネシウム 0.70
部分B(小型タブレット)
マレイン酸ロシグリタゾン 5.30
ラクトース 33.20
MCC 101 5.50
デンプングリコール酸ナトリウム 4.00
HPMC 1.50
ステアリン酸マグネシウム 0.50
合計 120.00
【0072】
部分Aの成分は、適切かつ製薬業界において良く知られているように混合された。
【0073】
部分Bの成分は、適切かつ製薬業界において良く知られているように混合された。その結果生じた顆粒が、タブレットへと圧縮された。
【0074】
部分Aの必要な強度を提供する適切な量の顆粒が、適切な大きさのカプセルに充填され、適切な数の部分Bの小型タブレットが加えられた。
【0075】
上記の実施例において、部分Aは第1のAPI組成物に関し、部分Bは第2のAPI組成物に関する。
【0076】
添付の特許請求の範囲およびこれまでの発明の記載において、文脈が表現言語または必要な含意のためにそうでないことを要求する場合を除いて、用語「含む(comprise)」または、「含む(comprises)」もしくは「含んでいる(comprising)」のような変形は包括的な意味で使用される。即ち、記載される特徴の存在を明記するために使用され、本発明の種々の実施形態におけるさらなる特徴の存在または追加を排除するために使用されるのではない。
【0077】
本明細書において多くの先行技術の刊行物が参照されるが、この参照が、これらの文献のいずれもオーストラリアまたは他のいかなる国においても一般的な知識の一部を形成するという承認を構成しないことは明確に理解されるだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2種以上の有効医薬成分を対象に投与するための投薬形態であって、第1の有効医薬成分と任意選択的に1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を、粉末、顆粒、ペレット、ビーズ、または小型タブレット形態からなる群から選択される第1の物理的形態で含む第1の医薬組成物を含み、さらに、第2の有効医薬成分と任意選択的に1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を、顆粒、ペレット、ビーズ、小型タブレット、またはタブレット形態からなる群から選択される第2の物理的形態で含む少なくとも第2の医薬組成物を含み、
組成物は、前記第1および第2の医薬組成物の間の相互作用を最小にし、サイズの相違に基づいて分析のための前記第1および第2の医薬組成物の分離を可能にするように、前記第1および第2の物理的形態が異なるように選択されることを特徴とする投薬形態。
【請求項2】
前記第1の医薬組成物は粉末の形態であり、前記第2の医薬組成物はペレット、ビーズ、小型タブレットまたはタブレットの形態である、請求項1に記載の投薬形態。
【請求項3】
前記第1の医薬組成物は顆粒の形態であり、前記第2の医薬組成物はペレット、ビーズ、小型タブレットまたはタブレットの形態である、請求項1に記載の投薬形態。
【請求項4】
前記第1の医薬組成物はペレットの形態であり、前記第2の医薬組成物は顆粒、小型タブレットまたはタブレットの形態である、請求項1に記載の投薬形態。
【請求項5】
前記第1の医薬組成物はビーズの形態であり、前記第2の医薬組成物は顆粒、小型タブレットまたはタブレットの形態である、請求項1に記載の投薬形態。
【請求項6】
前記第1の有効医薬成分と前記第2の有効医薬成分は、異なる化合物である、請求項1〜5のいずれかに記載の投薬形態。
【請求項7】
前記第1の有効医薬成分は、前記第2の有効医薬成分より高い投与量で送達される、請求項6に記載の投薬形態。
【請求項8】
前記第1および第2の医薬組成物は、異なって調合された同じ有効医薬成分を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の投薬形態。
【請求項9】
前記第1の医薬組成物は即時放出製剤を含み、前記第2の医薬組成物は延長放出製剤を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の投薬形態。
【請求項10】
前記第1の医薬組成物は、フルオキセチン、メトホルミン、ミルナシプラン、ナプロキセン、スルホニル尿素類(例えば、グリメピリド、グリピジド、またはグリブリド)、グリタゾン類(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、またはシグリタゾン)、ジクロフェナク、ベラパミル、ヒドララジン、アセトアミノフェン(パラセタモール)、メチルドーパ、レボドパ、ジピリダモール、ヒドロクロロチアジド、トリアムテレン、「サルタン類」(例えば、カンデサルタン、イルベサルタン、テルミサルタン、エプロサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、バルサルタン)、「プリル類」(例えば、キナプリル、フォシノプリル、エナラプリル、ラミプリル、トランドラプリル、カプトプリル、ベナゼプリル、リシノプリル、モエキシプリル)、ガランタミン、ビソプロロール、メトプロロール、プロプラノロール、スピロノラクトン、エプレレノン、「スタチン類」(例えば、アトルバスタチン、シンバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン)、またはこれらの医薬的に許容されうる塩からなる群から選択される第1の有効医薬成分を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の投薬形態。
【請求項11】
前記第2の医薬組成物は、オランザピン、スルホニル尿素類(例えば、グリメピリド、グリピジド、またはグリブリド)、グリタゾン類(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、またはシグリタゾン)、プレガバリン、スマトリプタン、ミソプロストール、トラマドール、メトクロプラミド、アミロライド、ヒドロクロロチアジド、アスピリン(アセチルサリチル酸)、ランソプラゾール、一硝酸イソソルビド、二硝酸イソソルビド、ガランタミン、カルビドパ、フェロジピン、アムロジピン、エゼチミブ、ナイアシン、またはこれらの医薬的に許容されうる塩からなる群から選択される第2の有効医薬成分を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の投薬形態。
【請求項12】
前記第1の有効医薬成分および前記第2の有効医薬成分は、以下の表から選択される組合せを含む、請求項1〜11のいずれかに記載の投薬形態。

【請求項13】
前記第1の有効医薬成分はフルオキセチンまたはその医薬的に許容されうる塩であり、前記第2の有効医薬成分は、オランザピンである、請求項1〜12のいずれかに記載の投薬形態。
【請求項14】
フルオキセチンは、塩酸フルオキセチンである、請求項13に記載の投薬形態。
【請求項15】
オランザピン組成物は微結晶性セルロースを含有せず、フルオキセチン組成物はラクトースを含有しない、請求項13または14に記載の投薬形態。
【請求項16】
前記第1および第2の医薬組成物が充填された硬ゼラチンカプセルの形態である、請求項1〜15のいずれかに記載の投薬形態。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれかに記載の投薬形態の製造における、有効医薬成分と任意選択的に1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を含む医薬組成物の使用。
【請求項18】
治療のための、請求項1〜17のいずれかに記載の投薬形態の使用。
【請求項19】
2種以上のAPIを含む投薬形態であって、投薬形態は、第1のAPIと任意選択的に1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を含む第1の組成物、および第2のAPIと1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を含む第2の組成物を含有し、組成物はさらに、第1および第2の組成物が容易に分離されることができることを特徴とする投薬形態。
【請求項20】
2種以上の有効医薬成分を含む投薬形態を調合する方法であって、
第1の有効医薬成分と任意選択的に1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を、粉末、顆粒、ペレット、ビーズ、または小型タブレット形態からなる群から選択される第1の物理的形態で含む第1の医薬組成物を提供すること、および
第2の有効医薬成分と任意選択的に1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を、顆粒、ペレット、ビーズ、小型タブレット、またはタブレット形態からなる群から選択される第2の物理的形態で含む少なくとも第2の医薬組成物を提供すること、
前記第1および第2の医薬組成物を組合せて前記投薬形態にすること
を含み、前記第1および第2の物理的形態は、前記第1および第2の医薬組成物の間の相互作用を最小にし、サイズの相違に基づいて分析のための前記第1および第2の医薬組成物の分離を可能にするように選択される方法。
【請求項21】
前記第1の医薬組成物は粉末の形態であり、前記第2の医薬組成物はペレット、ビーズ、小型タブレットまたはタブレットの形態である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の医薬組成物は顆粒の形態であり、前記第2の医薬組成物はペレット、ビーズ、小型タブレットまたはタブレットの形態である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の医薬組成物はペレットの形態であり、前記第2の医薬組成物は顆粒、小型タブレットまたはタブレットの形態である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の医薬組成物はビーズの形態であり、前記第2の医薬組成物は顆粒、小型タブレットまたはタブレットの形態である、請求項20に記載の投薬形態。
【請求項25】
前記第1および第2の医薬組成物を硬ゼラチンカプセルに導入することを含む、請求項20〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記第1の医薬組成物で硬ゼラチンカプセルを充填すること、および前記第2の医薬組成物を加えることを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
2種以上の有効医薬成分を含む投薬形態を前記有効医薬成分の分析のために調製する方法であって、前記投薬形態は、第1の有効医薬成分と任意選択的に1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を、粉末、顆粒、ペレット、ビーズ、または小型タブレット形態からなる群から選択される第1の物理的形態で含む第1の医薬組成物、および第2の有効医薬成分と任意選択的に1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤を、顆粒、ペレット、ビーズ、小型タブレット、またはタブレット形態からなる群から選択される第2の物理的形態で含む少なくとも第2の医薬組成物を含み、サイズの相違に基づいて分析のための前記第1および第2の医薬組成物の分離が行われる方法。
【請求項28】
分離するために前記第1および第2の医薬組成物を篩い分けすることを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
サイズの目測に基づいて、前記第1の医薬組成物から前記第2の医薬組成物を手動で選択することを含む、請求項27に記載の方法。

【公表番号】特表2010−518028(P2010−518028A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548549(P2009−548549)
【出願日】平成20年2月11日(2008.2.11)
【国際出願番号】PCT/AU2008/000169
【国際公開番号】WO2008/095263
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(508320712)アルファファーム ピーティーワイ リミテッド (6)
【Fターム(参考)】