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異常判定装置、異常判定プログラムおよび異常判定方法
説明

異常判定装置、異常判定プログラムおよび異常判定方法

【課題】入力されたデータにもとづいて、発生した異常の種類を判定する異常判定装置を提供する。
【解決手段】訓練データ入力部101が、異常判定装置の外部から訓練データおよび予め設定されたパラメータを入力する。パラメータ推定部102が、入力された訓練データにもとづいて、線形混合モデルのパラメータの推定値を求める。評価データ入力部103が、入力された評価データにもとづいて、線形回帰分析モデルのパラメータの推定値を求める。系列間異常判定部104が、線形混合モデルのパラメータの推定値と、線形回帰分析モデルのパラメータの推定値とにもとづいて系列間異常が生じたか否かを判定する。系列内異常判定部105が、線形混合モデルのパラメータの推定値と、線形回帰モデルのパラメータの推定値とにもとづいて系列内異常が生じたか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された所定の系列の一連のデータである評価データにもとづいて、発生した異常の種類を判定する異常判定装置、異常判定プログラムおよび異常判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
時間の経過に応じて測定されたデータである時系列データにもとづいて、異常検出を行う方法がある。
【0003】
特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、および特許文献5には、正常または異常であることが事前に分かっているデータ(以下、訓練データという)が与えられることなく、異常検出の対象となるデータ(以下、評価データという)のみにもとづいて異常検出を行う方法が記載されている。
【0004】
また、正常時の訓練データが与えられたうえで、非特許文献1、および非特許文献2に記載されている回帰分析モデル、および自己組織型状態空間モデルなどを用いて、正常時のデータの挙動を統計モデルによって表し、評価データが正常時の統計モデルに適合するか否かを統計的に判断することにより異常検出を行う方法がある。
【0005】
さらに、正常時の訓練データおよび異常時の訓練データが与えられたうえで、非特許文献3に記載されているベイズ判別分析モデルや線形判別分析モデルなどを用いて、正常時のデータと異常時のデータとのそれぞれの挙動を統計モデルによって表し、評価データが正常時の統計モデルと異常時の統計モデルとのどちらにより適合するのかを統計的に判断することにより異常検出を行う方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−101154号公報(段落0022〜0064、図1)
【特許文献2】特開2004−54370号公報(段落0020〜0066、図1)
【特許文献3】特開2004−78981号公報(段落0026〜0063、図1)
【特許文献4】特開2004−309998号公報(段落0118〜0262、図1)
【特許文献5】特開2007−18530号公報(段落0024〜0061、図1)
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】小西貞則、北川源四郎著「情報量規準 シリーズ・予測と発見の科学2」朝倉書店、2004年9月25日、pp.16−22
【非特許文献2】森下真一、宮野悟編「bit別冊 発見とデータマイニング」共立出版株式会社、2000年5月5日、pp.159−168
【非特許文献3】甘利俊一、竹内啓、竹村彰通、伊庭幸人編「パターン認識と学習の統計学 統計科学のフロンティア6」岩波書店、2003年4月11日、pp.36−41
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述した先行技術文献に記載されているいずれの方法も、時系列データに内在する誤差によるデータの変動のうち、系列内のデータの変動のみを考慮するにとどまり、系列間のデータの変動を考慮していない。したがって、ある系列のデータに異常が検出された場合に、その異常がその系列そのものの要因による異常なのか、またはその系列以外の要因による異常なのかを知ることができないという問題点がある。以下、系列そのものの要因による異常を系列間異常、系列以外の要因による異常を系列内異常と呼ぶ。従って、系列間異常が生じた場合に、評価データが正常時の訓練データと異なる傾向で変化する。また、系列内異常が生じた場合に、評価データが正常時の訓練データから統計的に推測可能な範囲を超えて変化する。
【0009】
図4は、系列間異常と系列内異常との例を示す説明図である。図4において、正常な系列のデータが●印で示され、異常な系列のデータが×印で示されている。図4(a)には、正常な系列のデータと異常な系列のデータとで、データの時間に応じた変化である挙動が全く異なる場合が示されている。それに対して、図4(b)には、正常な系列のデータと異常な系列のデータとで系列全体としては類似した挙動を示すが、異常な系列のデータではある時間帯におけるデータの変動が他の時間帯のデータの変動に比べて大きくなることが示されている。
【0010】
前述した先行技術文献に記載されている方法では、図4(a)に示す場合と図4(b)に示す場合とのいずれの場合に対しても×印で示されているデータの系列を異常な系列として検出することが可能であるが、系列間異常であるのか、または系列内異常であるのかを判定することができないという問題がある。
【0011】
そこで、本発明は、入力されたデータにもとづいて、発生した異常の種類を判定する異常判定装置、異常判定プログラムおよび異常判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による異常判定装置は、入力された所定の系列の一連のデータである評価データにもとづいて、発生した異常の種類を判定する異常判定装置であって、装置外部から正常時または異常時に測定されたデータであることが事前に分かっているデータである訓練データおよび予め設定されたパラメータを入力する訓練データ入力部と、訓練データ入力部が入力した訓練データにもとづいて、線形混合モデルのパラメータの推定値を求めるパラメータ推定部と、装置外部から入力された評価データにもとづいて、線形回帰分析モデルのパラメータの推定値を求める評価データ入力部と、パラメータ推定部が求めた線形混合モデルのパラメータの推定値と、評価データ入力部が求めた線形回帰分析モデルのパラメータの推定値とにもとづいて、評価データ入力部に入力された所定の系列の一連の評価データが正常時に測定されたデータと異なる傾向で変化する系列間異常が生じたか否かを判定する系列間異常判定部と、評価データの値が、パラメータ推定部が求めた線形混合モデルのパラメータの推定値と、評価データ入力部が求めた線形回帰モデルのパラメータの推定値とにもとづいて算出される一定の範囲外になる系列内異常が生じたか否かを判定する系列内異常判定部と、系列間異常判定部の判定結果、および系列内異常判定部の判定結果を出力する判定結果出力部とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明による異常判定プログラムは、入力された所定の系列の一連のデータである評価データにもとづいて、発生した異常の種類を判定する異常判定装置に搭載される異常判定プログラムであって、コンピュータに、装置外部から正常時または異常時に測定されたデータであることが事前に分かっているデータである訓練データおよび予め設定されたパラメータを入力する訓練データ入力処理と、訓練データ入力処理で入力した訓練データにもとづいて、線形混合モデルのパラメータの推定値を求めるパラメータ推定処理と、装置外部から入力された評価データにもとづいて、線形回帰分析モデルのパラメータの推定値を求める評価データ入力処理と、パラメータ推定処理で求めた線形混合モデルのパラメータの推定値と、評価データ入力処理で求めた線形回帰分析モデルのパラメータの推定値とにもとづいて、入力された所定の系列の一連の評価データが正常時に測定されたデータと異なる傾向で変化する系列間異常が生じたか否かを判定する系列間異常判定処理と、評価データの値が、パラメータ推定処理で求めた線形混合モデルのパラメータの推定値と、評価データ入力処理で求めた線形回帰モデルのパラメータの推定値とにもとづいて算出される一定の範囲外になる系列内異常が生じたか否かを判定する系列内異常判定処理と、系列間異常判定処理の判定結果、および系列内異常判定処理の判定結果を出力する判定結果出力処理とを実行させることを特徴とする。
【0014】
本発明による異常判定方法は、入力された所定の系列の一連のデータである評価データにもとづいて、発生した異常の種類を判定する異常判定方法であって、装置外部から正常時または異常時に測定されたデータであることが事前に分かっているデータである訓練データおよび予め設定されたパラメータを入力し、入力した訓練データにもとづいて、線形混合モデルのパラメータの推定値を求め、装置外部から入力された評価データにもとづいて、線形回帰分析モデルのパラメータの推定値を求め、求めた線形混合モデルのパラメータの推定値と、求めた線形回帰分析モデルのパラメータの推定値とにもとづいて、入力された所定の系列の一連の評価データが正常時に測定されたデータと異なる傾向で変化する系列間異常が生じたか否かを判定し、評価データの値が、求めた線形混合モデルのパラメータの推定値と、求めた線形回帰モデルのパラメータの推定値とにもとづいて算出される一定の範囲外になる系列内異常が生じたか否かを判定し、系列間異常が生じたか否かの判定結果、および系列内異常が生じたか否かの判定結果を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、入力されたデータにもとづいて、発生した異常の種類を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による異常判定装置の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す異常判定装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】原材料の温度変化の例を示す説明図である。
【図4】系列間異常と系列内異常との例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明による異常判定装置の実施形態について説明する。まず、線形混合モデルとそのモデルにおけるパラメータの推定方法について説明する。以下、線形混合モデルにおける目的変数をG組の時系列データ(y,x)(j=1,・・・,G)の観測値y=(yj1,・・・,yjNj)’とし、説明変数を観測時刻x=(xj1,・・・,xjNj)’として説明する。ただし、Nはj番目の時系列データの系列長である。またy=(yj1,・・・,yjNj)’は、yが(yj1,・・・,yjNj)の転置行列であることを示している。
【0018】
線形混合モデルは以下の式(1)で表わされる。
【数1】

【0019】
ただし、1Njは全ての成分が1であるN次元ベクトルであり、wj1とwj2とは、それぞれ線形混合モデルの切片と傾きとである。通常の線形モデルと異なる点は、切片と傾きとが系列に依存していることである。線形混合モデルでは、一般にwとεとがそれぞれ以下の式(2)に示す確率分布に従うと仮定する。
【数2】

なお、w〜N(b,T)は、wは平均b、分散Tの正規分布に従うことを示している。
【0020】
ただし、0Njは全ての成分が0であるN次元ベクトルであり、INjはN次元単位行列である。また、N(μ,Σ)は平均μ、分散共分散行列Σの多変量正規分布である。式(2)において、Tが系列間変動を、がS系列内変動を表わしている。線形混合モデルにおけるパラメータw,S,b,T(j=1,・・・,G)の推定法として、最尤推定法やベイズ推定法がある。本実施形態では、ベイズ推定法によってパラメータの推定を行うとする。ベイズ推定法では、一般に、S,b,Tが以下の式(3)に示す事前確率分布に従うと仮定する。
〜IG(κ,λ),b〜N(β,Σ),t〜IG(μ,ν),t〜IG(μ,ν),β=(β,β)’,Σ=diag(σ,σ)・・・式(3)
【0021】
ただし、IG(k,θ)は形状パラメータk、尺度パラメータθの逆ガンマ分布であることを表している。また、κ,λ,β,Σ,μ,ν(i=1,2)は分析者が事前に指定する超パラメータである。ベイズ推定法では、訓練データ(y,x)が与えられたうえで、w,S,b,Tの事後確率分布をもとにパラメータの推定が行われる。本実施形態では、マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC法:Markov chain Monte Carlo methods)によって各パラメータの事後確率分布の平均値を求め、この平均値をパラメータの推定値とする。以下の式(4)〜式(7)で表わされる各パラメータの条件付き事後確率分布をもとに、ギブスサンプラを用いたMCMC法によって各パラメータの推定値を求めることができる。
【数3】

なお、式(4)においてbは、bがbと異なるパラメータであることを示す記号である。以下、異なるパラメータであることを示す場合に「」を付す。例えば、nとnとは異なるパラメータである。また式(6)におけるw.はwの平均値を示し、以下、各パラメータの平均値を示す場合に「.」を付す。例えば、nの平均値をn.と記す。
【0022】
次に、本発明による異常判定装置の実施形態の構成について、図面を参照して説明する。図1は、本発明による異常判定装置の実施形態の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、本発明による異常判定装置は、訓練データ入力部101と、パラメータ推定部102と、評価データ入力部103と、系列間異常判定部104と、系列内異常判定部105と、判定結果出力部106とを含む。
【0023】
訓練データ入力部101には、装置外部から訓練データとしてG組の正常時の時系列データ(y,x)(j=1,・・・,G)と式(3)における超パラメータκ,λ,β,Σ,μ,ν(i=1,2)とが入力される。ただし、y=(yj1,・・・,yjNj)’とx=(xj1,・・・,xjNj)’とはj番目の時系列データにおける観測値と観測時刻、Nはj番目の時系列データの系列長である。訓練データ入力部101は、パラメータ推定部102に、訓練データ(y,x)(j=1,・・・,G)と超パラメータκ,λ,β,Σ,μ,ν(i=1,2)とを出力する。
【0024】
パラメータ推定部102には、訓練データ入力部101によって訓練データ(y,x)(j=1,・・・,G)と超パラメータκ,λ,β,Σ,μ,ν(i=1,2)とが入力される。パラメータ推定部102は、ギブスサンプラを用いたMCMC法によって、これらの値から式(1)と式(2)とにおける線形混合モデルのパラメータw,S,b,T(j=1,・・・,G)に対して、訓練データが与えられたもとでの事後確率分布の平均値w.,S.,b.,T.を求める。なお、w.は、wの事後確率分布の平均値であり、S.は、Sの事後確率分布の平均値であり、b.は、bの事後確率分布の平均値であり、T.は、Tの事後確率分布の平均値である。そして、パラメータ推定部102は、系列間異常判定部104に、b.およびT.を出力し、系列内異常判定部105にS.を出力する。
【0025】
評価データ入力部103には、装置外部から異常検出の対象となる評価データとして時系列データが入力される。ただし、y=(y01,・・・,y0N0)’とx=(x01,・・・,x0N0)’とは評価データにおける観測値と観測時刻とであり、Nは評価データの系列長である。評価データ入力部103は、これらの値から、以下の式(8)で表わされる線形回帰分析モデルにおける回帰係数の推定値(事後確率分布の平均値)w.をベイズ推定法(ギブスサンプラを用いたMCMC法)にもとづいて求める。
【数4】

【0026】
評価データ入力部103は、系列間異常判定部104にw.を出力し、系列内異常判定部105に(y,x)とw.とを出力する。なお、評価データは複数の系列であってもよい。この場合、各系列に対して回帰係数の推定が行なわれる。
【0027】
系列間異常判定部104には、パラメータ推定部102から訓練データに対するパラメータの推定値b.およびT.が入力され、評価データ入力部103から評価データに対するパラメータの推定値w.が入力される。系列間異常判定部104は、これらの値にもとづいて、系列間異常が生じたか否かの判定を行う。判定方法としては、以下の式(9)で表わされる確率分布に対して、w01.およびw02.のうち少なくとも1つが上側α%点以上または下側α%点以下であれば系列間異常が生じたと判定する方法が挙げられる。ただし、αは分析者が事前に設定する閾値である。
.〜N(b.,T.)・・・式(9)
系列間異常判定部104は、判定結果出力部106に系列間異常の判定結果を出力する。
【0028】
系列内異常判定部105には、パラメータ推定部102から訓練データに対するパラメータの推定値S.が入力され、評価データ入力部103から評価データ(y,x)と評価データに対するパラメータの推定値w.が入力される。系列内異常判定部105は、これらの値にもとづいて、系列内異常が生じたか否かの判定を行う。判定方法としては、以下の式(10)で表わされる確率分布に対して、y01,・・・,y0N0のうち少なくとも1つが上側α%点以上または下側α%点以下であれば系列内異常が生じたと判定する方法が挙げられる。ただし、αは分析者が事前に設定する閾値である。
【数5】

系列内異常判定部105は、判定結果出力部106に系列内異常の判定結果を出力する。
【0029】
判定結果出力部106には、系列間異常判定部104から系列間異常の判定結果が入力され、系列内異常判定部105から系列内異常の判定結果が入力される。判定結果出力部106は、装置外部に入力された判定結果を出力する。
【0030】
次に、図1に示す異常判定装置の動作について、図面を参照して説明する。図2は、図1に示す異常判定装置の動作を示すフローチャートである。
【0031】
訓練データ入力部101は、与えられた訓練データ(y,x)と超パラメータκ,λ,β,Σ,μ,ν(i=1,2)とを入力する(ステップS101)。パラメータ推定部102は、訓練データ入力部101によって入力された(y,x)とκ,λ,β,Σ,μ,ν(i=1,2)とから、式(1)と式(2)とにおけるパラメータw,S,b,T(j=1,・・・,G)の推定値w.,S.,b.,T.を求める(ステップS102)。評価データ入力部103は、評価データ(y,x)を入力し、式(8)におけるパラメータwの推定値w.を求める(ステップS103,S104)。
【0032】
系列間異常判定部104はb.、T.およびw.から、評価データが系列間異常であるか否かを判定する(ステップS105)。系列内異常判定部105は(y,x)とS.,w.とから評価データが系列内異常であるか否かを判定する(ステップS106)。判定結果出力部106は、評価データに対する系列間異常と系列内異常との判定結果をそれぞれ出力する(ステップS107)。
【0033】
本実施形態によれば、例えば、工業製品の製造過程における原材料の温度や硬度などの変化解析に適用することにより、製造過程に対する異常検出に応用できる。図3は、原材料の温度変化の例を示す説明図である。図3に示す例では、観測時刻(横軸)をいくつかの時間帯に(例えば、図3において破線で示される時刻で)分割し、それぞれの時間帯ごとに本発明の実施形態における異常判定装置を適用することにより、製造過程に対して異常が検出された際に、その異常が系列間異常(例えば、原材料自体の問題)であるのか、または系列内異常(例えば、突発的な温度センサーの故障)であるのかを製造過程の管理者が知ることができる。
【0034】
次に、本発明の概要について図1に示すブロック図を参照して説明する。図1に示すように、本発明による異常判定装置は、訓練データ入力部101と、パラメータ推定部102と、評価データ入力部103と、系列間異常判定部104と、系列内異常判定部105と、判定結果出力部106とを含む。
【0035】
訓練データ入力部101は、異常判定装置の外部から正常時または異常時に測定されたデータであることが事前に分かっているデータである訓練データおよび予め設定されたパラメータを入力する。パラメータ推定部102は、訓練データ入力部101が入力した訓練データにもとづいて、線形混合モデルのパラメータの推定値を求める。評価データ入力部103は、異常判定装置の外部から入力された評価データにもとづいて、線形回帰分析モデルのパラメータの推定値を求める。系列間異常判定部104は、パラメータ推定部102が求めた線形混合モデルのパラメータの推定値と、評価データ入力部103が求めた線形回帰分析モデルのパラメータの推定値とにもとづいて、評価データ入力部103に入力された所定の系列の一連の評価データが正常時に測定されたデータと異なる傾向で変化する系列間異常が生じたか否かを判定する。
【0036】
系列内異常判定部105は、評価データの値が、パラメータ推定部102が求めた線形混合モデルのパラメータの推定値と、評価データ入力部103が求めた線形回帰モデルのパラメータの推定値とにもとづいて算出される一定の範囲外になる系列内異常が生じたか否かを判定する。判定結果出力部106は、系列間異常判定部104の判定結果、および系列内異常判定部105の判定結果を出力する。
【0037】
そのような構成によれば、入力された評価データにもとづいて、発生した異常の種類が系列間異常であるのか、または系列内異常であるのかを判定することができる。
【0038】
また上記の実施形態では、以下の(1)〜(4)に示すような異常判定装置も開示されている。
【0039】
(1)系列間異常判定部104が、評価データ入力部103が求めた線形回帰分析モデルのパラメータである回帰係数の推定値が所定の確率分布における所定の範囲外の値である場合に、系列間異常が生じたと判定する異常判定装置。
【0040】
(2)系列内異常判定部105が、評価データ入力部103が入力した評価データが予め決められた確率分布における一定の範囲外の値である場合に、評価データが系列内異常であると判定する異常判定装置。
【0041】
(3)パラメータ推定部102が、ベイズ推定法を用いて線形混合モデルのパラメータの推定値を求める異常判定装置。
【0042】
(4)評価データ入力部103が、ベイズ推定法を用いて線形回帰分析モデルのパラメータの推定値を求める異常判定装置。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明を、入力されたデータにもとづいて、発生した異常の種類を判定するシステムに適用することができる。
【符号の説明】
【0044】
101 訓練データ入力部
102 パラメータ推定部
103 評価データ入力部
104 系列間異常判定部
105 系列内異常判定部
106 判定結果出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された所定の系列の一連のデータである評価データにもとづいて、発生した異常の種類を判定する異常判定装置であって、
装置外部から正常時または異常時に測定されたデータであることが事前に分かっているデータである訓練データおよび予め設定されたパラメータを入力する訓練データ入力部と、
前記訓練データ入力部が入力した前記訓練データにもとづいて、線形混合モデルのパラメータの推定値を求めるパラメータ推定部と、
前記装置外部から入力された前記評価データにもとづいて、線形回帰分析モデルのパラメータの推定値を求める評価データ入力部と、
前記パラメータ推定部が求めた前記線形混合モデルのパラメータの推定値と、前記評価データ入力部が求めた前記線形回帰分析モデルのパラメータの推定値とにもとづいて、前記評価データ入力部に入力された前記所定の系列の一連の評価データが前記正常時に測定されたデータと異なる傾向で変化する系列間異常が生じたか否かを判定する系列間異常判定部と、
前記評価データの値が、前記パラメータ推定部が求めた前記線形混合モデルのパラメータの推定値と、前記評価データ入力部が求めた前記線形回帰モデルのパラメータの推定値とにもとづいて算出される一定の範囲外になる系列内異常が生じたか否かを判定する系列内異常判定部と、
前記系列間異常判定部の判定結果、および前記系列内異常判定部の判定結果を出力する判定結果出力部とを備えた
ことを特徴とする異常判定装置。
【請求項2】
系列間異常判定部は、評価データ入力部が求めた線形回帰分析モデルのパラメータである回帰係数の推定値が所定の確率分布における所定の範囲外の値である場合に、系列間異常が生じたと判定する
請求項1記載の異常判定装置。
【請求項3】
系列内異常判定部は、評価データ入力部が入力した評価データが予め決められた確率分布における一定の範囲外の値である場合に、前記評価データが系列内異常であると判定する
請求項1または請求項2記載の異常判定装置。
【請求項4】
パラメータ推定部は、ベイズ推定法を用いて線形混合モデルのパラメータの推定値を求める
請求項1から請求項3のうちいずれか1項記載の異常判定装置。
【請求項5】
評価データ入力部は、ベイズ推定法を用いて線形回帰分析モデルのパラメータの推定値を求める
請求項1から請求項4のうちいずれか1項記載の異常判定装置。
【請求項6】
入力された所定の系列の一連のデータである評価データにもとづいて、発生した異常の種類を判定する異常判定装置に搭載される異常判定プログラムであって、
コンピュータに、
装置外部から正常時または異常時に測定されたデータであることが事前に分かっているデータである訓練データおよび予め設定されたパラメータを入力する訓練データ入力処理と、
前記訓練データ入力処理で入力した前記訓練データにもとづいて、線形混合モデルのパラメータの推定値を求めるパラメータ推定処理と、
前記装置外部から入力された前記評価データにもとづいて、線形回帰分析モデルのパラメータの推定値を求める評価データ入力処理と、
前記パラメータ推定処理で求めた前記線形混合モデルのパラメータの推定値と、前記評価データ入力処理で求めた前記線形回帰分析モデルのパラメータの推定値とにもとづいて、入力された前記所定の系列の一連の評価データが前記正常時に測定されたデータと異なる傾向で変化する系列間異常が生じたか否かを判定する系列間異常判定処理と、
前記評価データの値が、前記パラメータ推定処理で求めた前記線形混合モデルのパラメータの推定値と、前記評価データ入力処理で求めた前記線形回帰モデルのパラメータの推定値とにもとづいて算出される一定の範囲外になる系列内異常が生じたか否かを判定する系列内異常判定処理と、
前記系列間異常判定処理の判定結果、および前記系列内異常判定処理の判定結果を出力する判定結果出力処理とを実行させる
ための異常判定プログラム。
【請求項7】
コンピュータに、
系列間異常判定処理で、評価データ入力処理で求めた線形回帰分析モデルのパラメータである回帰係数の推定値が所定の確率分布における所定の範囲外の値である場合に、系列間異常が生じたと判定させる
請求項6記載の異常判定プログラム。
【請求項8】
入力された所定の系列の一連のデータである評価データにもとづいて、発生した異常の種類を判定する異常判定方法であって、
装置外部から正常時または異常時に測定されたデータであることが事前に分かっているデータである訓練データおよび予め設定されたパラメータを入力し、
入力した前記訓練データにもとづいて、線形混合モデルのパラメータの推定値を求め、
前記装置外部から入力された前記評価データにもとづいて、線形回帰分析モデルのパラメータの推定値を求め、
求めた前記線形混合モデルのパラメータの推定値と、求めた前記線形回帰分析モデルのパラメータの推定値とにもとづいて、入力された前記所定の系列の一連の評価データが前記正常時に測定されたデータと異なる傾向で変化する系列間異常が生じたか否かを判定し、
前記評価データの値が、求めた前記線形混合モデルのパラメータの推定値と、求めた前記線形回帰モデルのパラメータの推定値とにもとづいて算出される一定の範囲外になる系列内異常が生じたか否かを判定し、
系列間異常が生じたか否かの判定結果、および系列内異常が生じたか否かの判定結果を出力する
ことを特徴とする異常判定方法。
【請求項9】
系列間異常が生じたか否かを判定する場合に、求めた線形回帰分析モデルのパラメータである回帰係数の推定値が所定の確率分布における所定の範囲外の値であるときに、系列間異常が生じたと判定する
請求項8記載の異常判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−242942(P2011−242942A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113426(P2010−113426)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】