説明

異常検知装置

【課題】異常として検知すべき異常音に類似する作業音による誤報を低減することができる異常検知装置を提供する。
【解決手段】ニューラルネットワークのモデルを用い、検出データAに基づいて監視対象の状態を診断し(ステップS11)、ニューラルネットワークのモデルで異常と診断された場合に、検出データAとニューラルネットワークのモデルの中間層とのベクトル距離のうちの最小のベクトル距離rを計算し(ステップS14)、誤報リストに保存されている過去の誤報データEと検出データAとのベクトル距離Rを計算し(ステップS15)、誤報データEと検出データAとのベクトル距離Rと判定値r/cとを比較し(ステップS16)、検出データAと誤報データEとのベクトル距離Rが判定値r/c以下である場合に、過去に類似の誤報があったと判断する(ステップS20)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素ステーション等の監視対象の異常を音響に基づき検知する異常検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題やエネルギー問題が深刻化するに伴い、石油エネルギーに代わる次世代のクリーンエネルギーとして、水素エネルギーが注目されている。水素エネルギーの普及に不可欠な水素製造プラント、水素ステーション等の水素を取り扱う設備においては、水素ガスの漏洩等の異常を検知する監視技術の確立が要請されている。
【0003】
従来、監視対象の異常を検知する際には、監視対象にある種の検出手段を設け、予め監視対象が正常状態にあるときの検出手段からの検出データに基づき所定のしきい値が設定される。そして、監視時における検出手段からの検出データと設定したしきい値とを比較することにより、監視対象が正常であるか異常であるかが判定されていた。
【0004】
監視対象に設けられる検出手段としては、例えば、監視対象における音響を検出するマイクロフォンを含む音響センサが用いられている。また、監視対象が異常であるか否かの判定には、ニューラルネットワークが用いられている。
【0005】
ニューラルネットワークによる異常の判定では、学習によりニューラルネットワークのモデルを形成し、そのモデルにより監視対象が正常であるか異常であるかを判定している。しかしながら、監視対象の定常状態は変化しており、ニューラルネットワークのモデルで学習していない検出データが発生すると、監視対象は正常に稼働しているのに異常であると誤って判定されてしまう場合がある。例えば、監視対象における音響を検出して得られた検出データに基づき異常の判定を行う場合に、監視対象において学習していない音響が発生すると、その音響は、未知音として、監視対象が正常であるのに異常であると誤って判定する誤報の原因となる。
【0006】
このような未知音による誤報を低減するため、学習した音響の音域に未知音が近い場合に、ニューラルネットワークのモデルにより正常と判定された音響の検出データをモデルの中間層に加えてニューラルネットワークのモデルを更新する異常検知装置が提案されている(特許文献1を参照)。この異常検知装置によれば、ニューラルネットワークのモデルの再学習を行うことなく誤報を低減することができる。
【特許文献1】特開2006−163517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来、監視対象における音響を検出することによりガス漏洩を異常として検知する場合、監視対象ではガス漏洩がなく正常であるのに異常であると誤って判定され、誤報が発生することがある。
【0008】
このような誤報は、監視対象において異常として検知すべきガス漏洩音のほかに存在するそのガス漏洩音に類似する作業音、例えばエア洗浄音等が原因となっている。作業音に起因して発生する誤報は、過去においても同様の誤報が発生しており、未来においても同様の誤報が発生することが予想される。
【0009】
本発明の目的は、異常として検知すべき異常音に類似する作業音による誤報を低減することができる異常検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、監視対象に設けられた検出手段と、前記検出手段からの検出データに基づいてニューラルネットワークにより前記監視対象の状態を診断する演算手段とを有する異常検知装置であって、前記演算手段は、前記ニューラルネットワークのモデルを用い、前記検出データに基づいて前記監視対象の状態を診断し、前記ニューラルネットワークのモデルで異常と診断された場合に、前記検出データと前記ニューラルネットワークのモデルの中間層とのベクトル距離のうちの最小のベクトル距離である最小ベクトル距離を計算し、誤報リストに保存されている過去の誤報データと前記検出データとのベクトル距離を計算し、前記誤報データと前記検出データとの前記ベクトル距離と、前記最小ベクトル距離に基づく所定の判定値とを比較し、前記検出データと前記誤報データとの前記ベクトル距離が前記所定の判定値以下である場合に、過去に類似の誤報があったと判断することを特徴とする異常検知装置によって達成される。
【0011】
上述した異常検知装置において、前記所定の判定値は、前記最小ベクトル距離を1以上の係数で除算したものであってもよい。
【0012】
上述した異常検知装置において、前記演算手段は、前記ニューラルネットワークのモデルで異常と診断された場合において、過去に類似の誤報があったと判断した場合には、前記検出データを前記誤報リストに保存するようにしてもよい。
【0013】
上述した異常検知装置において、前記検出手段は、前記監視対象における音響を検出するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ニューラルネットワークのモデルを用い、検出データに基づいて監視対象の状態を診断し、ニューラルネットワークのモデルで異常と診断された場合に、検出データとニューラルネットワークのモデルの中間層とのベクトル距離のうちの最小のベクトル距離である最小ベクトル距離を計算し、誤報リストに保存されている過去の誤報データと検出データとのベクトル距離を計算し、誤報データと検出データとのベクトル距離と、最小ベクトル距離に基づく所定の判定値とを比較し、検出データと誤報データとのベクトル距離が所定の判定値以下である場合に、過去に類似の誤報があったと判断するようにしたので、過去において類似の誤報があったか否かを判定することができ、異常として検知すべき異常音に類似する作業音による誤報を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[一実施形態]
本発明の一実施形態による異常検知装置について図1乃至図5を用いて説明する。図1は本実施形態による異常検知装置の構成を示す図、図2は本実施形態による異常検知装置で用いるニューラルネットワークの構造を示す図、図3は本実施形態による異常検知装置による診断方法を示すフローチャート、図4はガソリンスタンドに設置された防爆マイクにより収集された音響データのFFTスペクトルを示すグラフ、図5は誤報リストに保存された誤報データについて、検出データとのベクトル距離及び判定値との大小関係を示す図である。
【0016】
まず、本実施形態による異常検知装置の構成について図1を用いて説明する。
本実施形態による異常検知装置は、水素ステーション等の監視対象の状態を診断し、ガス漏洩等の異常を検知するものである。
【0017】
本実施形態による異常検知装置は、図1に示すように、水素ステーション等の監視対象10に設けられ、監視対象10における音響を検出して検出データを出力する検出手段12と、検出手段12からの検出データを処理する演算手段14とを有している。
【0018】
検出手段12は、監視対象10における音響を検出するためのマイクロフォン(図示せず)を有し、検出した音響データを検出データとして出力する。
【0019】
演算手段14は、検出手段12からの検出データを処理することにより異常音を識別し、水素ステーション等の監視対象10の稼働状態が正常であるか否かを判断する。演算手段14における異常音の識別には、ニューラルネットワーク(NN)のモデルを使用する。
【0020】
図2は、本実施形態の異常検知装置におけるニューラルネットワーク(NN)モデルの構造である。
【0021】
ニューラルネットワーク(NN)モデルとしては、誤差逆伝播学習型が広く使用されている。これは学習済みのデータ群の識別を高精度に行うことができるが、学習データが大きく異なる場合には出力データを予測することが困難となる欠点がある。この理由から、本実施形態では、より高い信号特徴抽出性能が期待できるラジアルベース関数型を使用する。これは誤差逆伝播学習型に似た構造の階層型フィードフォワードネットワークであるが、入力層と中間層の間で中間層関数であるポテンシャル関数の最適化演算が行われること、上記演算に基づいて中間層ユニット数の調整が行われること、結合ウエイトの変更は中間層と出力層の間のみで行われることなどが特徴である。
【0022】
本実施形態のニューラルネットワークモデルでは、図2に示すように、入力データ(X、…、X)に対する平均ベクトルとの偏差をベクトル距離として計算し、これに重みをつけて判定するアルゴリズムである。平均ベクトルは、モデル作成データから生成され、ベクトル距離が小さいものは平均ベクトルと似たパターンである。階層型のニューラルネットワークモデルは、ラジアルベーシックファンクションネットワークのように、入力層からの出力はベクトル距離が0に近いほど大きくなる。
【0023】
なお、特許文献1には、ニューラルネットワークのモデルの中間層に所定の時点での検出データによる入力ベクトルを加えてニューラルネットワークのモデルを更新し、更新したモデルを用いて監視対象の状態を診断する異常検知装置が提案されている。この異常検知装置においては、監視対象の診断に主として使用されている中間層がニューラルネットワークのモデルで学習されたものであるのか、検出データであるのかを特定することができず、診断モデルはブラックボックスとなっている。
【0024】
本実施形態による異常検知装置では、演算手段14が誤報リストを有している。この誤報リストには、検出手段12による過去の検出データのうち、ニューラルネットワークのモデルを用いて監視対象10が正常であるのに異常と判定されたときのN個(Nは正の整数)の誤報データE、…、Eが保管されている。誤報データE、…、Eは、異常として検知すべき異常音に類似する作業音を検出手段12により検出したために得られたデータである。
【0025】
演算手段14は、監視時において、検出手段12による検出データに基づきニューラルネットワークのモデルを用いて監視対象10が異常であると診断した場合に、以下に詳述するように、誤報リストに保管された誤報データとその監視時の検出データとの類似性を判定し、過去に類似の誤報があったか否かを判定する。
【0026】
次に、本実施形態の異常検知装置による診断方法について図3を用いて説明する。
【0027】
まず、検出手段12により監視対象10における音響を検出し(ステップS10)、音響データである検出データAを得る。
【0028】
次いで、検出手段12により得られた検出データAに基づき、演算手段14においてニューラルネットワークのモデルを用いて監視対象10が「異常」であるか否かを診断する(ステップS11)。
【0029】
次いで、演算手段14において、ニューラルネットワークのモデルを用いた診断結果が「異常」であるか否かを判断する(ステップS12)。
【0030】
ステップS12において診断結果が「異常」でないと判断された場合は、監視対象10が正常であることを示す「正常」を出力する(ステップS13)。
【0031】
ステップS12において診断結果が「異常」であると判断された場合は、本実施形態では、以下の処理を行い、過去における類似の誤報の有無を判定する。
【0032】
まず、演算手段14において、ニューラルネットワークのモデルの各中間層と検出データAとのベクトル距離を計算し、それらベクトル距離のうちの最小のベクトル距離rを求める(ステップS14)。
【0033】
続いて、演算手段14の誤報リストに保管された誤報データE(iは1≦i≦Nを満たす正の整数)と検出データAとのベクトル距離Rを計算する(ステップS15)。
【0034】
続いて、ベクトル距離Rと、ベクトル距離rを予め設定した係数cで除算した判定値r/cとを比較する(ステップS16)。ここで、係数cは、経験に基づいて定められる1以上の値であり、例えば2に設定する。
【0035】
ステップS16の比較の結果、ベクトル距離Rが判定値r/cよりも大きければ、検出データAと誤報データEとの類似性が低いと判断される。この場合、続いて、誤報リストのすべての誤報データについて、誤報データと検出データAとのベクトル距離と、判定値r/cとを比較したか否かを判断する(ステップS17)。
【0036】
ステップS17の判断の結果、すべての誤報データについて比較を行っていない場合にはステップS15に戻る。誤報リストのすべての誤報データについて検出データAとのベクトル距離と判定値r/cとを比較するまで、ステップS15〜S17を繰り返す。
【0037】
こうして、ステップS15〜S17を繰り返して、検出データAとN個の誤報データE、…、Eのすべてとの類似性が低いと判断された場合には、過去に類似の誤報はなかったと判断し、監視対象10の状態が異常であることを示す異常アラームを発報する(ステップS18)。
【0038】
一方、ステップS16の比較の結果、ベクトル距離Rが判定値r/c以下であれば、検出データAと誤報データEとの類似性が高いと判断され、過去に類似の誤報があったと判断される。また、監視対象10は正常であると判断される。この場合、演算手段14の誤報リストに検出データAを新たな誤報データとして追加して保存し(ステップS19)、続いて、過去に類似の誤報があったことを示す「過去に誤報あり」と発報する(ステップS20)。
【0039】
このように、本実施形態の異常検知装置による診断方法は、ニューラルネットワークのモデルを用いて監視対象10が「異常」であると判断された場合に、その検出データAと誤報データEとのベクトル距離Rと、検出データAとニューラルネットワークのモデルの各中間層とのベクトル距離のうちの最小のベクトル距離rに基づく判定値r/cとを比較し、検出データAと誤報データEとの類似性を判定する。これにより、過去において類似の誤報があったか否かを判定することができ、異常として検知すべき異常音に類似する作業音による誤報を低減することができる。
【0040】
なお、ステップS18において発報された異常アラームは、過去に類似の誤報がなかったことを示しているが、実際の監視対象10の状態が異常である可能性がある。そこで、ステップS18の後、実際の監視対象10の状態が正常であるか否かを作業員等により更に確認してもよい(ステップS21)。
【0041】
ステップS21において実際の監視対象10の状態が正常であった場合、ステップS18で発報された異常アラームは、過去の誤報に類似しない新たな誤報である。この場合には、検出データAを誤報データとして誤報リストに追加して保存する(ステップS22)。必要であれば、ニューラルネットワークの再学習を行う(ステップS23)。
【0042】
ステップS21において実際の監視対象10の状態も異常であった場合には、監視対象10の状態が異常であることを示す異常アラームを改めて発報する(ステップS25)。
【0043】
また、ステップS19において「過去に誤報あり」と発報した以後においては、誤報が頻発するか否かを判断し(ステップS26)、誤報が頻発するのであれば、ニューラルネットワークの再学習を行う(ステップS23)。誤報が頻発しないのであれば、ニューラルネットワークの再学習は行わない(ステップS27)。
【0044】
なお、ステップS23におけるニューラルネットワークの再学習においては、再学習に用いる学習データに、ステップS19、S22において誤報リストに保存した新たな誤報データを追加する。これにより、再学習されたニューラルネットワークのモデルには、それまでに誤報となった情報が反映され、異常検知の精度を向上することができる。
【0045】
次に、本実施形態の異常検知装置による異常音診断の実例について図4及び図5を用いて説明する。
【0046】
図4は、水素ステーションに類似する設備であるガソリンスタンドに設置された検出手段としての防爆マイクにより収集された音響データのFFTスペクトルを示している。横軸は周波数(Hz)であり、50Hzから20kHzまでである。縦軸は音圧(dB)である。
【0047】
図4において、実線で示された周波数スペクトルは、演算手段14のニューラルネットワークのモデルにより異常である診断されたときの検出データAのものである。
【0048】
図4に示す検出データAの周波数スペクトルと演算手段14のニューラルネットワークのモデルの各中間層とのベクトル距離のうち、最小のベクトル距離rは7.33であった。ここで、図3に示す判定値r/cの係数cは2に設定する。すると、判定値r/cは7.33/2=3.67となる。
【0049】
図5は、演算手段14の誤報リストに保存された誤報データであるデータ1〜22のそれぞれについて、図4に示す検出データAとのベクトル距離Rを、判定値r/cである3.67との大小関係とともに示している。図5において、ベクトル距離Rと判定値r/cとの大小関係については、ベクトル距離Rが判定値3.67以下の場合を○で示し、ベクトル距離Rが判定値3.67よりも大きい場合を×で示している。
【0050】
図5に示すように、誤報リストに保存された誤報データのうち、ベクトル距離Rが判定値3.67以下になったデータは、データ8、データ18、データ21及びデータ22の4データであった。
【0051】
図4に示す破線の周波数スペクトルは、ベクトル距離Rが判定値3.67以下のデータのひとつであるデータ22のものである。データ22の周波数スペクトルは、検出データAの周波スペクトルのパターンと類似性の高いパターンを有していることが分かる。
【0052】
したがって、この場合は、検出データAに類似する過去の誤報データが存在したことになり、過去に類似した誤報があったことを示す「過去に誤報あり」と発報される。
【0053】
なお、図4に示す一点鎖線の周波数スペクトルは、ベクトル距離Rが判定値3.67よりも大きいデータのうち、ベクトル距離Rと判定値3.67との差が最大であるデータ16のものである。データ16の周波数スペクトルは、検出データAの周波スペクトルのパターンと類似性の低いパターンを有していることが分かる。
【0054】
以上の通り、本実施形態によれば、検出データAと誤報データEとのベクトル距離Rと、検出データAとニューラルネットワークのモデルの各中間層とのベクトル距離のうちの最小のベクトル距離rに基づく判定値r/cとを比較し、検出データAと誤報データEとの類似性を判定するので、過去において類似の誤報があったか否かを判定することができ、異常として検知すべき異常音に類似する作業音による誤報を低減することができる。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0055】
例えば、上記実施形態では、水素ステーションの稼働状態の監視に本発明を適用したが、製油所、石油化学プラント等のプラントや、発電所等の監視に本発明を適用してもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、ニューラルネットワークモデルとしてはラジアルベース関数型を使用したが、他のニューラルネットワークモデル、例えば、シグモイド関数型等のニューラルネットワークモデルでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態による異常検知装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による異常検知装置で用いるニューラルネットワークの構造を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による異常検知装置による診断方法を示すフローチャートである。
【図4】ガソリンスタンドに設置された検出手段としての防爆マイクにより収集された音響データのFFTスペクトルを示すグラフである。
【図5】誤報リストに保存された誤報データについて、検出データとのベクトル距離及び判定値との大小関係を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
10…監視対象
12…検出手段
14…演算手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象に設けられた検出手段と、前記検出手段からの検出データに基づいてニューラルネットワークにより前記監視対象の状態を診断する演算手段とを有する異常検知装置であって、
前記演算手段は、
前記ニューラルネットワークのモデルを用い、前記検出データに基づいて前記監視対象の状態を診断し、
前記ニューラルネットワークのモデルで異常と診断された場合に、前記検出データと前記ニューラルネットワークのモデルの中間層とのベクトル距離のうちの最小のベクトル距離である最小ベクトル距離を計算し、
誤報リストに保存されている過去の誤報データと前記検出データとのベクトル距離を計算し、
前記誤報データと前記検出データとの前記ベクトル距離と、前記最小ベクトル距離に基づく所定の判定値とを比較し、前記検出データと前記誤報データとの前記ベクトル距離が前記所定の判定値以下である場合に、過去に類似の誤報があったと判断する
ことを特徴とする異常検知装置。
【請求項2】
請求項1記載の異常検知装置において、
前記所定の判定値は、前記最小ベクトル距離を1以上の係数で除算したものである
ことを特徴とする異常検知装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の異常検知装置において、
前記演算手段は、前記ニューラルネットワークのモデルで異常と診断された場合において、過去に類似の誤報があったと判断した場合には、前記検出データを前記誤報リストに保存する
ことを特徴とする異常検知装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の異常検知装置において、
前記検出手段は、前記監視対象における音響を検出する
ことを特徴とする異常検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−259020(P2009−259020A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−107586(P2008−107586)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(304003860)株式会社ジャパンエナジー (344)
【Fターム(参考)】