説明

異物検出装置

【課題】異物の検出能力を向上可能な異物検出装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 異物検出装置1は、検査光L1に対して透明な材料からなり、異物5が混在している可能性のある被検査物3が載置される搬送部10と、被検査物3を含む搬送部10上の被検査領域S1に対して検査光L1を照射する照射部21と、照射部21による検査光L1の照射に伴い、被検査領域S1から反射された反射光R1のスペクトルを測定する回折格子31及びカメラ41からなるラインセンサ41Aと、搬送部10を挟んでラインセンサ41Aと反対側に位置しており、被検査領域S1を通過した検査光L1のうちラインセンサ41Aへ戻る光を減衰させる光減衰部51と、ラインセンサ41Aにより測定された反射光のスペクトルを解析して異物5が混在しているか否かを判定する判定システム61と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は異物検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような分野においては、異物の検出能力を向上させるための研究が進められており、異物の検出能力の向上のための様々な方法が報告されている。例えば、特許文献1には、被検査物の背面に位置して被検査物の表面色に対する補色をなした載置台と、被検査物を照射する照射装置と、被検査物を撮影するカラーカメラと、撮影した画像を処理し異物を認識する処理装置とを備える被検査物の表面検査装置及びその装置を用いた表面検査方法が開示されている。このように、特許文献1においては、異物の検出能力を向上させるため、被検査物の載置台を被検査物の表面色の補色とすることで、被検査物の撮影画面が周辺の背景色の中から浮き出たようにしている。
【特許文献1】特開平9−30429号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載の被検査物の表面検査装置及び表面検査方法によれば、載置台の材料と反射率が近似する異物を検出することが困難である。すなわち、異物検出における載置台の影響を十分に抑制することができず、異物の検出能力を十分に向上することは困難である。
【0004】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、異物の検出能力を向上可能な異物検出装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の問題を解決するため、本発明に係る異物検出装置は、検査光に対して透明な材料からなり、異物が混在している可能性のある被検査物が載置される載置台と、被検査物を含む載置台上の被検査領域に対して検査光を照射する照射手段と、照射手段による検査光の照射に伴い、被検査領域から反射された反射光のスペクトルを測定するスペクトル測定手段と、載置台を挟んでスペクトル測定手段と反対側に位置しており、被検査領域を通過した検査光のうち前記スペクトル測定手段へ戻る光を減衰させる光減衰手段と、スペクトル測定手段により測定された反射光のスペクトルを解析して異物が混在しているか否かを判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明に係る異物検出装置は、載置台上の被検査領域から反射された反射光のスペクトルを測定するスペクトル測定手段と、載置台を挟んでスペクトル測定手段と反対側に位置しており、被検査領域を透過した検査光を減衰させる光減衰手段を備えている。これにより、スペクトル測定時の背景となる載置台の被検査領域の部分の反射率を効果的に低下させ、背景の識別閾値を下げることができ、これに伴って、反射率が低い異物も識別することができる。従って、本発明に係る異物検出装置によれば、異物の検出能力を向上することができる。
【0007】
また、光減衰手段は、その内面が照射手段により照射される検査光を吸収する材料で構成された箱状のものであり、光減衰手段の前記被検査領域に対面する部分にスリット状の開口部が設けられていることが好適である。このような構造を採用することにより、スリット状の開口部を通過して光減衰手段の内部に侵入した検査光は、光減衰手段の内部において乱反射を繰り返しながら吸収され、減衰される。従って、簡単な構成で載置台の被検査領域の部分の反射率を効果的に低下させて、背景の識別閾値を低下させることができる。
【0008】
また、被検査領域は、第1被検査領域及び第2被検査領域からなり、照射手段は、第1被検査領域に対して載置台の上方から第1検査光を照射する第1照射手段と、第2被検査領域に対して載置台の下方から第2検査光を照射する第1照射手段とを有し、スペクトル測定手段は、載置台の上方に設けられており第1被検査領域から反射された反射光を測定する第1スペクトル測定手段と、載置台の下方に設けられており第2被検査領域から反射された反射光を測定する第2スペクトル測定手段とを有し、光減衰手段は、第1スペクトル測定手段及び第2測定手段それぞれに対して載置台を挟んで反対側に位置する第1光減衰手段及び第2光減衰手段を有することが好適である。これにより、載置台の表面及び裏面において同時に異物検出を行うことができ、異物検出の効率化を図ることができる。
【0009】
また、第1及び第2の検査光は、波長範囲900nm〜2500nmに含まれる中心波長を有することが好適である。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る異物検出装置によれば、異物検出率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る異物検出装置1の概略構成図である。図1に示すように、異物検出装置1は、搬送部(載置台)10、照射部21,23、回折格子31,33、ラインセンサ41A,43A、光減衰部51,53及びパーソナルコンピュータ60を備える。
【0013】
搬送部10は、異物(例えば、毛髪)5が混在している可能性のある被検査物(例えば、豆)3を載置して搬送する。具体的にはベルトコンベアであり、波長範囲900nm〜2500nmに中心波長を有する近赤外線に対する透過率が非常に高い(例えば、90%)透明な材料からなる。搬送部10は、被検査物がその表面上に載置されるベルト部10aとベルト部10aの内面と接している2つのロール部(図示せず)とで構成されている。ロール部はモーター等の回転駆動装置と連結されており、ロール部が回転することによって、ベルト部10aが駆動して、ベルト部10aに載置されている被検査物3は図1に示すA方向(x軸の正方向)に搬送される。ベルト部10aの幅は、後述する照射部21,23が照射可能な範囲内であり、且つ後述するラインセンサ41A,43Aが測定可能な範囲であることが好ましい。
【0014】
照射部21,23、ラインセンサ41A,43A及び光減衰部51,53は、搬送部10で搬送される被検査物3の搬送経路の途中に設置されている。照射部21,23は、被検査物3を含む搬送部10上の被検査領域S1,S2に検査光を照射する。具体的に説明すると、照射部21は、搬送部10の上方に配置されており、搬送部10の上方からベルト部10aの表面P1上の被検査領域S1に検査光L1を照射する。一方、照射部23は搬送部10の下方に配置されており、搬送部10の下方からベルト部10aの表面P1上の被検査領域S2に検査光L2を照射する。なお、検査光L1及びL2は、波長範囲900nm〜2500nmに中心波長を有する近赤外光であり、照射部21及び23は、検査光L1及びL2が互いに影響し合わない程度の距離をもって配置されている。
【0015】
光減衰部51,53は、それぞれ搬送部10を挟んでラインセンサ41A,43Aと反対側に配置されており、光減衰部51は被検査領域S1を通った透過光T1を減衰させるものであり、光減衰部53は被検査領域S2を通った透過光T2を減衰させるためのものである。
【0016】
図2は、光減衰部51,53を上方から見た斜視図である。図2に示すように、光減衰部51,53は、その外形が一辺の長さLが120mmの立方体の箱状をなしており、上面P2には中心線Lに沿って延在する幅Lωが10mmの長方形状のスリット部(スリット状の開口部)SLが設けられている。なお、光減衰部51,53は、それぞれのスリット部SLが被検査領域S1,S2に所定の距離をもって対面すると共に被検査領域S1,S2を覆うように配置されている。
【0017】
また、光減衰部51,53は、その内面が検査光L1,L2に対して反射率の低い材料で構成されている。具体的に説明すると、内面の底面は表面が荒くなっている反射率2%の標準反射板で構成されており、その他の内面は黒色のアクリル板で構成されている。その黒色のアクリル板は、底面の構成する標準反射板より低い拡散反射率を有し、表面が鏡面となっている。また、基準反射板の製品例としてはLabspere社製スペクトル基準反射板、Sphere Optics社製ゼニス標準反射板などが挙げられる。
【0018】
これにより、被検査領域S1,S2を通過し、光減衰部51,53のスリット部SLを通過して立方体内に侵入した検査光L1,L2は、光減衰部51,53の内部で乱反射を繰り返しながら減衰される。
【0019】
ラインセンサ41A,43Aは、検査光L1、L2の照射に伴い、被検査領域S1,S2から反射された反射光R1,R2を受光して受光された光の強度を測定するものである。具体的には、図1に示すように、ラインセンサ41Aは、搬送部10の上方に配置されて被検査領域S1から反射される反射光R1を受光するように設定されており、ラインセンサ43Aは、搬送部10の下方に配置されて被検査領域S2から反射されて搬送部10を透過した反射光R2を受光するように設定されている。ラインセンサ41A,43Aを配置する位置は、それぞれ被検査領域S1,S2から反射された反射光R1,R2の強度が十分に確保できる位置であれば特に限定されない。
【0020】
また、ラインセンサ41A、43Aは撮像部(カメラ)41,43とその前段の回折格子31,33を含む。回折格子31,33は、被検査領域S1,S2からの反射光R1,R2を入力して反射光R1,R2を波長に応じてx軸方向に分光する。
【0021】
カメラ41,43は、2次元の受光面により回折格子31,33により分光された反射光R1,R2を受光する。その2次元の受光面は、搬送方向と直交する方向(Y軸方向)の各位置で搬送部10のY軸方向の各位置からの反射光を受光し、搬送方向(X軸方向)の各位置で回折格子31、33により分光された各波長の光を受光する。
【0022】
これにより、カメラ41,43の受光面を構成する各受光センサには被検査領域S1,S2中の所定の単位領域から反射された反射光R1,R2が波長に応じて分光されて入力される。従って、カメラ41,43の2次元の受光面には、y軸方向には被検査領域S1,S2の位置情報が受光され、x軸方向には位置情報ごとの波長に対応する光強度情報が受光される。このように、回折格子31,33は、被検査領域S1,S2から反射された反射光R1,R2を分光して、その分光された反射光R1,R2がカメラ41,43の各2次元の受光面により受光される。そのため、異物検出装置1においては、ラインセンサ41Aと、ラインセンサ43Aとがスペクトル測定手段として作用する。
【0023】
カメラ41,43は、2次元の受光面による受光により発生する電荷をA/D変換器によってデジタル変換し、波長領域ごとに光強度の分布のデジタルデータを得る。このデジタルデータは、カメラ41,43のデータ出力端子からケーブルを通してパーソナルコンピュータ(PC)60に時系列的に伝送される。PC60内には、測定された波長領域毎に反射光R1,R2の強度の分布をデータ処理及び画像処理を行う判定システム(判定部)61が取り込まれている。この判定システム61により、被検査領域S1,S2に異物が存在するか否かが判定される。
【0024】
以下、判定システム61により行われる異物が存在するか否かを判定する方法について具体的に説明する。判定システム61はピクセル単位(受光素子のx軸の1ライン単位)に判定を行う。まず、被検査領域S1からの反射光R1の特定波長(波長λとλを含む予め決められた複数の波長)の反射率が全て背景閾値以下である部分を背景であると判断し、それ以外の部分を要識別領域(被検査物3または異物5)であると判定する。その後、要識別領域に対して複数の波長毎の反射率を演算し、被検査物3と異物5を判別する。
【0025】
この演算方法の一例を、図3を用いて説明する。図3は、被検査領域S1からの反射光R1の特定波長λとλの強度分布を示す図である。被検査物3では波長λの反射率が波長λの反射率の2倍程度になるが、異物5ではその反射率は同程度となる。そこで、波長λと波長λの反射率の比が1.5を超えるピクセルでは被検査物3が検出されたと判定し、その比率が1.5以下の場合には異物5が検出されたと判定することで被検査物3及び異物5を判別する。なお、判定システム61は、検出性能を更に向上させるため、特定エリア内に異物が検出されたと判定されるピクセルが複数個まとまって存在するときにのみ異物5が存在すると判定する。すなわち、例えば5×5の25ピクセル内に異物5が検出されたと判定されるピクセルが3個以上まとまって存在する場合に異物5として認識する。この判定方法は、あくまで単純化した一例であり、PC60に組み込まれた判定システム61においては、更に複雑で識別能力の高い判定アルゴリズムが組み込まれていてもよい。
【0026】
以下、異物検出装置1の動作を説明する。
【0027】
搬送部10へ被検査物3の供給が開始されると、照射部21,23から検査光L1,L2が発せられ、被検査領域S1,S2に検査光L1,L2が照射される。検査光L1,L2の照射により被検査領域S1,S2から反射光R1,R2が発生し、各反射光は回折格子31,33により波長に応じてx軸方向に分光されてカメラ41,43の2次元の受光面により受光される。
【0028】
一方、被検査領域S1,S2を通過した透過光T1,T2は光減衰部51,53により減衰される。カメラ41,43の2次元の受光面による受光により発生する電荷はA/D変換器によってデジタル変換され、波長領域ごとに光強度の分布のデジタルデータが得られる。このデジタルデータは、カメラ41,43のデータ出力端子からケーブルを通してパーソナルコンピュータ(PC)60に時系列的に伝送され、PC60内に取り込まれている判定システム(判定部)61より、上述した判定方法で異物5が存在するか否かが判定される。
【0029】
本実施形態に係る異物検出装置1は、搬送部10の被検査領域S1から反射された反射光R1を分光する回折格子31及び分光された反射光R1を受光するカメラ41からなるラインセンサ41Aと、搬送部10の被検査領域S2から反射された反射光R2を分光する回折格子33及び分光された反射光R2を受光するカメラ43からなるラインセンサ43Aとを備える。また、搬送部10を挟んでラインセンサ41A(ラインセンサ43A)と反対側に位置しており、被検査領域S1(被検査領域S2)を透過した透過光T1(透過光T2)のうちラインセンサ41A(ラインセンサ43A)に戻る光を減衰させる光減衰部51(光減衰部53)を備えている。
【0030】
分光分析から異物を判別する場合に、異物5の検出能力を向上させるためには、背景となる搬送部10の材料がいかなる材料からなる異物5とも異なる反射特性を有することが好ましい。本発明においては、このような構成を採用するこれにより、スペクトル測定時における被検査領域S1,S2の背景の反射率を効果的に低下させ、背景の識別閾値を下げることができる。そのため、背景といかなる材料からなる異物5との反射特性の差別化を図ることができ、反射率が低い異物も識別することができる。従って、本発明に係る異物検出装置によれば、異物の検出能力を向上することができる。
【0031】
また、光減衰部51,53は、その内面が照射手段により照射される光を吸収する材料で構成された箱状のものであり、光減衰部51,53の被検査領域S1,S2に所定の距離をもって対面する部分にスリット部SLが設けられている。これにより、スリット部SLを通過して光減衰部51,53の内部に侵入した透過光T1,T2は、光減衰部51,53の内部において乱反射を繰り返しながら吸収されて減衰される。そのため、簡単な構成で被検査領域S1,S2の搬送部10の部分の反射率を効果的に低下させて、背景の識別閾値を低下させることができる。
【0032】
図4は、光減衰部51,53の異物検出装置1の異物の検出能力の向上に対する寄与を説明するための図である。スペクトルSP1は、異物検出装置1の搬送部10上の被検査領域S1に異物を載置せずに、回折格子31及びカメラ41を用いて測定した被検査領域S1のスペクトルである。スペクトルSP1から、光減衰部51を設けることで背景の反射率が十分に低下することが分かる。
【0033】
スペクトルSP2、SP3は異物検査装置1を用いて測定した2%標準反射板からの反射スペクトルである。また、スペクトルSP4、SP5は異物検査装置1を用いて測定した反射率の低い石の反射スペクトルである。2%標準反射板を用いても、標準反射板表面の汚れなどの影響を受けてSP2の様に比較的高い反射率を示す事もあれば、SP3の様に本来の反射率に近い値を示す事もあり、ある程度のバラツキがある。反射率の低い石もSP4の様に比較的高い反射率を示す石もあれば、SP5の様に2%標準反射板と同程度の反射率を示す石もある。
【0034】
このような状況で被検査領域S1、S2の背景に2%標準反射板を使用すると、SP4の様に比較的高い反射率を示す石は識別できても、SP5の様に2%標準反射板と同程度の反射率を示す石は背景との識別が困難となる。異物検査装置1に示す様に被検査領域S1,S2の背景に光減衰部51,53を設ける事により、SP5の様な反射率の極めて低い石も背景との識別が可能となり、十分に検出できるようになる。
【0035】
また、異物検出装置1は、搬送部10の上方に第1スペクトル測定手段として作用をする回折格子31及びカメラ41を有し、搬送部10の下方に第2スペクトル測定手段として作用をする回折格子33及びカメラ43を有する。また、異物検出装置1は、搬送部10を挟んで回折格子31及びカメラ41の反対側に位置する第1光減衰部51を有し、搬送部10を挟んで回折格子33及びカメラ43の反対側に位置する第2光減衰部53を有する。これにより、搬送部10の表面及び裏面において同時に異物検出を行うことができ、異物検出の効率化を図ることができる。
【0036】
また、回折格子31及びカメラ41と、回折格子33とカメラ43とがスペクトル測定手段として用いられるため、波長可変フィルターを用いる方式等に比べて、波長分解特性に優れ、異物の検出感度が向上する。
【0037】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、本実施形態において、光減衰部51,53は箱状の立方体になっているが、これに限定される必要はなく、他の形状を有するものであってもよい。
【0038】
また、本実施形態のおいては、搬送部としてベルトコンベヤが用いられているが、ターンテーブルなどであってもよい。また、スペクトル測定部として回折格子31,33及び複数のラインセンサからなる2次元の受光面を有するカメラ41,43が採用されているが、波長可変フィルターとエリアセンサ等からなる通常の2次元の受光面を有するカメラで構成されるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態に係る異物検出装置の概略構成図である。
【図2】図1の光減衰部を上方から見た斜視図である。
【図3】図1の異物検出装置の判定システムにより行われる異物の判定方法を説明するための図である。
【図4】図1の光減衰部の異物検出装置の異物の検出能力の向上に対する寄与を説明するための図である
【符号の説明】
【0040】
1…異物検出装置、3…被検査物、5…異物、10…搬送部、21,23…照射部、31,33…回折格子、41A,43A…ラインセンサ、41,43…カメラ、51,53…光減衰部、61…判定システム、S1,S2…被検査領域、L1,L2…検査光、SL…スリット部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査光に対して透明な材料からなり、異物が混在している可能性のある被検査物が載置される載置台と、
前記被検査物を含む前記載置台上の被検査領域に対して前記検査光を照射する照射手段と、
前記照射手段による前記検査光の照射に伴い、前記被検査領域から反射された反射光のスペクトルを測定するスペクトル測定手段と、
前記載置台を挟んで前記スペクトル測定手段と反対側に位置しており、前記被検査領域を通過した前記検査光のうち前記スペクトル測定手段へ戻る光を減衰させる光減衰手段と、
前記スペクトル測定手段により測定された前記反射光のスペクトルを解析して前記異物が混在しているか否かを判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする異物検出装置。
【請求項2】
前記光減衰手段は、その内面が前記照射手段により照射される前記検査光を吸収する材料で構成された箱状のものであり、前記光減衰手段の前記被検査領域に対面する部分にスリット状の開口部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の異物検出装置。
【請求項3】
前記被検査領域は、第1被検査領域及び第2被検査領域からなり、
前記照射手段は、前記第1被検査領域に対して前記載置台の上方から第1検査光を照射する第1照射手段と、前記第2被検査領域に対して前記載置台の下方から第2検査光を照射する第1照射手段とを有し、
前記スペクトル測定手段は、前記載置台の上方に設けられており前記第1被検査領域から反射された反射光を測定する第1スペクトル測定手段と、前記載置台の下方に設けられており前記第2被検査領域から反射された反射光を測定する第2スペクトル測定手段とを有し、
前記光減衰手段は、前記第1スペクトル測定手段及び前記第2測定手段それぞれに対して前記載置台を挟んで反対側に位置する第1光減衰手段及び第2光減衰手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の異物検出装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の検査光は、波長範囲900nm〜2500nmに含まれる中心波長を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の異物検出装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−25636(P2010−25636A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−185166(P2008−185166)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】