説明

疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置

【課題】 日常使用する携帯型情報処理装置を用いて、脳に異常があることの可能性を判定し、脳に関する疾病にかかっている可能性(疾病傾向)を推定する。
【解決手段】 使用者の操作が誤操作か否かを判定し、そして、その使用者が行なった誤操作から誤操作の頻度を算定し、その誤操作の頻度の値と過去の誤操作の頻度の平均値から求められた疾病傾向判定値とを比較して、誤操作の頻度の値が疾病傾向判定値より高い場合に、所定の疾病の傾向を推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力操作の誤操作により脳に関する疾病に罹っているかを推定する機能を有する携帯型情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
脳の異常を検査する方法として、従来より脳をCTスキャンする方法やMRI(磁気共鳴映像法)などの方法があった。この方法では、脳に異常を感じた者が病院へ行って、X線や磁気により脳の内部構造の検査を行っていた。
【0003】
また、脳の神経機能の検査を行なう方法として、TMT(Trail-Making-Test)と呼ばれる精神機能検査方法があった。この方法では、紙面上にランダムに配置された数字を順に線で結び、検査を受ける者がこの課題に要した時間により脳の疾患の具合を判断するというものであった。さらに、この方法をパーソナルコンピュータで行なうものとして、タッチパネル102上にランダムに配置された数字を表示し、脳の診断を受ける者はその数字の順番に線を引いていき、最後の数字まで線を引くのに要した時間および間違った回数を算出することにより、脳の神経機能を診断するというものがあった(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平11−188020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、CTスキャンやMRIなどによって脳を検査する方法では、検査を受ける者が脳に異常があることを感じて、病院に行って検査を受けるものであるため、検査によって脳に異常があることを発見したときには、脳の異常がかなり進行しているということもあった。このことは、CTスキャンやMRIなどで脳の状態を定期的に検査するときにおいても同様である。
【0005】
また、TMTと呼ばれる精神機能検査方法においては、簡単に精神機能の診断を行なうことができるが、診断を受ける者がその検査を受ける意思がなければ検査を受けることができず、日常生活から脳の機能が低下していることを容易に判断することは難しかった。
【0006】
本発明は、日常使用する携帯型情報処理装置を用いて、その携帯型情報処理装置の通常の使用状態において、脳の異常(疾病)が進行する前の初期状態で、脳に異常があることの可能性を判定し、脳に関する疾病にかかっている可能性(疾病傾向)を推定する疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、各種の画面情報を表示可能とするとともに、画面情報の切換えのための指示入力を行なう操作箇所を表示する表示手段と、操作箇所から所定の範囲内が操作されたか否かを検出する操作検出手段と、操作検出手段により所定の範囲内が操作されたと判断された場合に、該操作が誤操作か否かを判定する誤操作判定手段と、該誤操作判定手段により判定された誤操作の頻度を算定する誤操作頻度算出手段と、該誤操作頻度算出手段により算出された誤操作の頻度の値を記憶する誤操作頻度記憶手段と、該誤操作頻度記憶手段に記憶されている過去の誤操作の頻度の値により過去の誤操作の頻度の値の平均値を算出する誤操作頻度平均値算出手段と、誤操作頻度算定手段により算定された誤操作の頻度の値と誤操作頻度平均値算出手段により算定された過去の誤操作の頻度の値の平均値から求められた疾病傾向判定値とを比較する比較手段と、該比較手段による比較の結果、誤操作の頻度の値が疾病傾向判定値より高い場合に、所定の疾病の傾向を推定する疾病傾向推定手段と、該疾病傾向推定手段により推定された疾病傾向推定結果を出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、該疾病傾向推定手段は、比較手段による比較の結果、誤操作の頻度の値が疾病傾向判定値より高い場合に、疾病傾向判定値に対する誤操作の頻度の値の乖離度に応じて所定の疾病の傾向度を推定することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、誤操作判定手段は、操作箇所が操作された一回前の操作も画面情報の切換えのための操作箇所の操作であるか否かを判定する画面切換操作判定手段と、該画面切換操作判定手段により操作箇所が操作された一回前の操作も画面情報の切換えのための操作箇所の操作であると判定された場合に、該操作箇所が操作されたことにより切換えられた後の画面情報と、一回前の操作により画面情報が切換わる前の画面情報とが同一の情報か否かを判定するキャンセル操作判定処理と、該キャンセル操作判定手段により同一の情報であると判定された場合に誤操作であると判定することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、誤操作判定手段は、前回の操作を取消すためのキャンセルキーが操作されたか否かを判定するキャンセルキー操作判定手段を有し、該キャンセルキー操作判定手段により、キャンセルキーが操作されたと判定された場合に誤操作であると判定することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、誤操作判定手段は、操作箇所を除く操作箇所から所定の範囲内が操作されたか否かを判定する操作箇所周辺操作判定手段とを有し、該操作箇所周辺操作判定手段により、操作箇所を除く操作箇所から所定の範囲内が操作されたと検出された場合に誤操作であると判定することを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、疾病傾向推定手段により、誤操作の頻度の値が疾病傾向判定値より高い場合において、疾病傾向判定値に対する誤操作の頻度の値の乖離度が所定値以上である場合に、疾病傾向試験を行なう疾病傾向試験処理手段とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、疾病傾向試験処理手段は、予め定められた順序が表示された表示箇所を表示手段に表示し、該表示手段に表示された表示箇所の順序で指示操作させて、すべての表示箇所を指示操作するのに要した計測時間に応じて疾病傾向を判定し、出力手段は、計測時間に応じた疾病傾向の判定結果を出力することを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、出力手段は、疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置の外部のネットワ−ク手段に疾病傾向に関するデータを出力することを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、使用者の使用環境が疾病傾向推定機能付情報処理手段を使用するのに適した環境であるか否かを判定する使用環境判定手段をさらに有し、誤操作判定手段は、該使用環境判定手段により使用者の使用環境が疾病傾向推定機能付情報処理手段を使用するのに適した環境でないと判定された場合に,該情報処理手段を使用するのに適した環境でないと判断された期間内の操作を誤操作と判定しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載された発明によれば、日常使用する携帯型情報処理装置において、画面情報の切換えのための指示入力を行なう操作箇所の誤操作から求められた誤操作の頻度の値と、過去の誤操作の頻度の値の平均値から求められた疾病傾向判定値とを比較し、誤操作の頻度の値が疾病傾向判定値より高い場合に、所定の疾病の傾向を推定するので、所定の疾病にかかっている可能性を判断する際に、誤操作しやすい人と、誤操作しにくい人の双方についての疾病傾向を的確に判断でき、また、所定の疾病にかかっていることに起因する体調の変化があらわれる前の初期状態において、所定の疾病にかかっている可能性を日常使用する携帯型情報処理装置で知ることができる。これにより、使用者は病院で検査を受け所定の疾病にかかっていることを早期に発見することができる。
【0017】
請求項2に記載された発明によれば、誤操作の頻度の値が疾病傾向判定値より高い場合に、疾病傾向判定値に対する誤操作の頻度の値の乖離度に応じて所定の疾病の傾向度を推定するので、使用者は所定の疾病にかかっている可能性をより高い確率(脳の異常の進行度)で知ることができる。特に、携帯型情報処理装置を使用する間隔が相当日数あったときになど、脳の異常がかなり進行している場合もあるので、そのようなときでも所定の疾病にかかっている可能性の確率を知ることができれば、使用者の不要な不安感も払拭できる。
【0018】
請求項3に記載された発明によれば、操作箇所が操作された一回前の操作も画面情報の切換えのための操作箇所の操作であると判定された場合に、操作箇所が操作されたことにより切換えられた後の画面情報と、一回前の操作により画面情報が切換わる前の画面情報とが同一の情報であると判定された場合に誤操作であると判定するので、画面情報の切換えのための指示入力を行なう操作箇所の誤操作が生じたときでも、その誤操作を確実に把握することができる。
【0019】
請求項4に記載された発明によれば、キャンセルキーが操作されたと判定された場合に誤操作であると判定するので、誤操作か否かを簡単かつ確実に把握することができる。
【0020】
請求項5に記載された発明によれば、操作箇所を除く操作箇所から所定の範囲内が操作されたと検出された場合に誤操作であると判定するので、所定の疾病とは関係なく頻繁に入力ミスが生ずるキーボードの文字入力などと比較して、信頼性の高い所定の疾病の傾向の情報を得ることができる。
【0021】
すなわち、キーボードの文字入力などの場合は非常に隣接したキ−を短期間で操作することから疾病とは関係ない操作ミスが生じやすいが、操作箇所を除く操作箇所から所定の範囲内を操作する場合は、その操作単独で行なうためキーボードの文字入力などと比較して疾病と関係のない操作ミスが生じにくい。これにより、信頼性の高い所定の疾病(脳の異常に関する疾病)の傾向の情報を得ることができる。
【0022】
請求項6に記載された発明によれば、誤操作の頻度の値が疾病傾向判定値より高い場合において誤操作の頻度の値と疾病傾向判定値との乖離度が所定値以上である場合に疾病傾向試験を行なう(所定の疾病にかかっている可能性が高い場合のみ疾病傾向試験を行なう)ので、通常の疾病の検査を比べて試験検査の煩雑さが軽減される。
【0023】
請求項7に記載された発明によれば、疾病傾向試験として、予め定められた順序が表示された表示箇所を表示手段に表示し、該表示手段に表示された表示箇所の順序で指示操作させて、すべての表示箇所を指示操作するのに要した計測時間に応じて疾病傾向を判定するので、疾病にかかっている可能性の確率についてさらに正確な情報を得ることができる。
【0024】
請求項8に記載された発明によれば、疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置の外部のネットワ−ク手段に疾病の傾向に関するデータを出力するので、医療機関などに所定の疾病の傾向を迅速に伝えることができ、その後の処理も迅速に取ることができる。
【0025】
請求項9に記載された発明によれば、使用者の使用環境が疾病傾向推定機能付情報処理手段を使用するのに適した環境でないと判定された場合に,該情報処理手段を使用するのに適した環境でないと判断された期間内の操作を誤操作と判定しないので、誤操作か否かについて正確な情報を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置の外観図である。本実施形態では、疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置として個人向け携帯情報端末(PDA)を用いている。
【0028】
PDA101は、タッチパネル102と、ホームキー103と、キャンセルキー104と、スクロールキー105と、OKキー106と、メニューキー107とを含む。このPDA101は、タッチペン108などを用いて操作される。
【0029】
タッチパネル102は、各種の画面情報(各種ソフトウエアの表示画面(ウィンドウ)など)を表示する後述する表示手段の画面に重ねて配置された透明体パネルである。使用者は、画面情報をこのタッチパネル102を介して見ることができる。また、タッチパネル102は、使用者がタッチペン108などを用いてタッチパネル102上のどの部分を触れたかを検出する機能も有する。たとえば、使用者が、タッチパネル102を介して、画面情報の切換えのための後述する操作箇所などを操作した場合には、その操作箇所が操作されたことを検知する。このタッチパネル102上のどの部分を触れたかの認識は、タッチパネル102上の座標・入力キーの位置(図示略)等の操作面のいずれかの位置が触れたかを示す位置入力情報によってなされる。
【0030】
ホームキー103は、使用者の操作により、タッチパネル102上にメイン画面を表示させるためのボタンである。すなわち、使用者が、タッチパネル102上に表示されている、あるソフトウエア(メイン画面とは異なる)を使用しているときであっても、このホームキー103が操作されることによりタッチパネル102上にメイン画面が表示される(メイン画面に切換わる)。なお、PDA101に搭載されているソフトウエア(辞書ソフトなど)はすべてこのメイン画面からアイコンを選択することによって起動される。
【0031】
ここで、上述したタッチパネル102上に表示されるとは、表示手段により表示される画面情報が、タッチパネル102を介して表示されることを意味するものであり、使用者から見れば、あたかも画面情報がタッチパネル102上に表示されているように見えることからこの表現を用いている。
【0032】
キャンセルキー104は、使用者により、タッチパネル102上に表示されるある項目がタッチペン108などを用いて選択された場合に、その後に、その選択された項目を取消し、選択前の状態にするために使用されるボタンである。簡単にいえば、直前に行われた操作を取消す(キャンセル)ために操作するボタンである。
【0033】
スクロールキー105は、タッチパネル102に表示されるカーソルを移動させるためなどに使用されるボタンである。このスクロールキー105は、その上部が押圧されることによりカーソルが上部に移動し、また、下部が押圧されることによりカーソルが下部に移動し、また同様に、左部が押圧されることによりカーソルが左部に移動し、右部が押圧されることによりカーソルが右部に移動する。
【0034】
OKキー106は、選択を決定するためのボタンである。具体的には、使用者がタッチパネル102上に表示されるある項目を選択しようとするときに、上述したスクロールキー105を用いて、カーソルの位置を使用者が選択を希望する項目の位置まで移動させ、カーソルがその使用者が選択を希望する項目の位置まで移動した後に、このボタンが押圧されることにより、その項目が選択されたことが決定される。
【0035】
メニューキー107は、使用者が使用しているソフトウエアにメニューバー(使用できる機能を一覧で表示したもの)がある場合、メニュー一覧をタッチパネル102上に表示させるボタンである。使用者はこのメニューキー107が押圧されることにより、タッチパネル102上にメニューが表示される。なお、このメニューは、タッチパネル102上に表示されるメニューバー(図示略)をタッチペン108で触れることによっても、タッチパネル102上に表示することができる。
【0036】
上述したキー(ボタン)の使用例について説明する。
【0037】
たとえば、使用者がPDA101のメールソフトを用いて、受信メールの内容を閲覧しているときに、受信メールの内容で意味がわからない字句などが発見されたとする。
【0038】
そこで、使用者は、その意味がわからない字句の意味を調べるために、ホームキー103を操作し、タッチパネル102上にメイン画面を表示させる。このメイン画面上には、辞書ソフトのアイコンが表示されていることから、使用者はスクロールキー105を用いて、そのメイン画面上に表示されている辞書ソフトのアイコンの位置までカーソルを移動させ、カーソルを移動させた後に、OKキー106を操作することにより、辞書ソフトを使用できるようにする。辞書ソフトが使用できるようになった後において、使用者は、その辞書ソフトを用いて、そのわからない字句の意味を調べる。
【0039】
ここで、使用者がその辞書ソフトを使用している期間内であっても、メールソフトは終了していないことから、使用者が辞書ソフトを用いて意味がわからない字句の内容を調べた後においても引続き、使用者は受信メールの内容を閲覧することができる。この場合、辞書ソフトを終了させて、再びメールソフトを使用することになる。
【0040】
また、使用者が、その受信メールの送信者に対し、返信メールを送信したい場合には、使用者は、メニューキー107を操作することにより、タッチパネル102上にメニューを表示させ、その表示させたメニューの中の返信メールの項目までスクロールキー105を用いてカーソルを移動させ、カーソルを移動させた後に、OKキー106が操作されることにより返信メールのウィンドウが開かれる。
【0041】
なお、これらの操作は、タッチペン108などを用いて、タッチパネル102上に表示されている項目を押圧(操作)することによっても行なうことができる。
【0042】
また、本実施形態では、キーボードを有していないPDA101を用いて説明したが、それに限定するものではなく、キーボードを有しているPDA101であってもよい。
【0043】
また、本実施形態では、疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置としてPDA101を用いて説明したが、それに限定するものではなく、たとえば、ノートパソコン、携帯電話、電子辞書、携帯用ゲーム機器などであってもよい。
【0044】
また、本実施形態では、タッチパネル102をタッチペン108を用いて使用者の指示を入力する方法について述べたが、それに限定するものでなく、タッチパッド、マウス、トラックボールなど、画面上の入力位置を選択・認識できる入力手段で入力する方法であってもよい。
【0045】
図2は、疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置の機能を示す機能ブロック図である。
【0046】
PDA101は、上述したとおりタッチパネル102と、キャンセルキー104などのキー205などを有する。
【0047】
タッチパネル102は、表示手段203と、操作検出手段204とを含む。
【0048】
操作検出手段204は、使用者が、タッチペン108などを用いて、タッチパネル102を押圧(操作)したことを検出する。特に、本実施形態では、使用者により、後述する希望する操作箇所から所定の範囲内をタッチペン108などを用いて押圧(操作)されたことを検出する。
【0049】
表示手段203は、各種の画面情報を表示するとともに、画面情報の切換えのための指示入力を行なう操作箇所を表示させる。使用者は、この表示手段203により表示された画面をタッチパネル102を介して見ることができる。
【0050】
PDA101の内部には、制御動作を所定のプログラムに従って実行するCPU206と、必要なデータの書込および読出ができるRAMから構成される記憶手段209と、データの入出力を制御するI/Oポートからなる応答手段208と、CPU206の動作プログラムを格納するROM(図示略)とを含む。
【0051】
CPU206は、スケジュール管理ソフトなどのプログラムを実行するとともに、使用者が疾病にかかっているかの傾向を推定する処理も行なう。特に、操作検出手段204により検出された使用者がタッチペン108などを用いてタッチパネル102を操作した情報や、キャンセルキー104などを含むキー205からの入力情報を処理するプログラムを実行する。CPU206は、判定手段207を有している。
【0052】
なお、本実施形態では、判定手段207がCPU206に設けているとして説明したが、これに限定するものではなく、判定手段207をCPU206と別個に設けてもよい。
【0053】
判定手段207は、操作検出手段204によって、使用者によりタッチペン108などを用いて操作箇所から所定の範囲内が操作されたことを検出されたときに、その使用者の操作が誤操作であるか否かを判定する。この判定手段206により行なわれる誤操作であるか否かの判定については後述する。
【0054】
送受信手段220は、PDA101の外部のネットワーク手段(コンピュータ間の通信網(ネットワーク)の構成)などに情報を送受信する。この送受信手段220には、外部に情報を送信する送信手段210と、外部からの情報を受信する受信手段211とを含む。本実施形態では、送信手段210により、ネットワークを介して医療機関などに情報が送信される。
【0055】
このように、送信手段210から送信された情報を受取った医療機関は、その情報を分析し、その分析結果から必要な処置を判断して、分析結果、および必要な処置の情報をPDA101に返信することができる。そして、分析結果、および必要な処置の情報を受信手段211により受信したPDA101は、その情報の内容を表示手段203により表示する。これにより、使用者は、脳の状態についての分析結果、および取るべき処置を知ることができる。
【0056】
また、受信手段211により受信した情報の内容を音声出力手段(図示略)により出力し、PDA101の使用者に、その情報の内容を伝えるようにしてもよい。
【0057】
なお、記憶手段209として、本実施形態ではRAMを用いて説明したが、それに限らず、フラッシュメモリなどの記憶媒体などでもよい。
【0058】
図3は、疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置の表示画面に表示された操作箇所を含むウィンドウ画面を示す図である。
【0059】
図3(a)は、タッチパネル102上に表示されたウィンドウA401を示している。このウィンドウA401には、画面情報の切換えのための指示入力を行なう操作箇所である選択項目402の操作ボタン402aと、選択項目403の操作ボタン403aが表示されている。使用者は、選択項目402の操作ボタン402aをタッチペン108などを用いて操作することにより、選択項目402に対応する画面に切換えることができる。同様に、使用者が、選択項目403の操作ボタン403aを操作することにより選択項目403に対応する画面に切換えることができる。
【0060】
選択項目402の操作ボタン402aから所定の範囲内(半径5mm程度の領域)は、使用者がタッチペン108などを用いて選択項目402の操作ボタン402aを操作しようとしたときに触れてしまう可能性が高い領域である。この選択項目402の操作ボタン402aから所定の範囲内のうち、選択項目402の操作ボタン402を除く部分が、使用者がタッチペン108などを用いて選択項目402の操作ボタン402aを操作しようとしたときに誤って触れてしまう可能性が高い誤り操作領域404である。
【0061】
したがって、操作ボタン402aの領域と誤り操作領域404を加えた領域が、選択項目402の操作ボタン402aから所定の範囲の領域となる。
【0062】
図3(a)では、選択項目402の操作ボタン402aの誤り操作領域404について説明したが、選択項目403の操作ボタン403aについても、選択項目402の操作ボタン402aと同様の誤り操作領域(図示略)を有する。
【0063】
なお、選択項目403の操作ボタン403aの誤り操作領域については、選択項目402の操作ボタン402aの誤り操作領域と同様であるので説明は省略する。
【0064】
この誤り操作領域404が押圧されることにより、使用者が、選択項目402の操作ボタン402aなどを操作しようとして、誤って誤り操作領域404を操作したと判断(意図しない操作と判断)することができる。
【0065】
本実施形態のPDA101では、選択項目402の操作ボタン402aが操作されると選択項目402に対応する画面に切換り、選択項目403の操作ボタン403aが操作されると選択項目403に対応する画面に切換わる。また、誤り操作領域404が操作された場合には、画面切換えが行われないようにしている。切り換わるときは、操作した瞬間に変わる場合もあれば、ウィンドウの隅に[次へ]などのボタンが表示されて、このボタンにタッチペン108で触れない限り切り換わらない場合もある。
【0066】
なお、本実施形態では、誤り操作領域404を操作したときには、画面切換えが行われないとして説明したが、これに限らず、使用者の意図しない画面(他の画面)に切換わるようにしてもよい。
【0067】
図3(b)には、タッチパネル102上に表示されるウィンドウB411が示されている。
【0068】
このウィンドウB411は、右上に閉ボタン412を含んでおり、使用者が、この閉ボタン412をタッチペン108などを用いて操作することにより、このウィンドウB411が閉じられる(終了する)。
【0069】
閉ボタン412から所定の範囲内(半径5mm程度の領域)は、使用者がタッチペン108などを用いて閉ボタン412を操作しようとしたときに触れてしまう可能性が高い領域である。そして、誤り操作領域413は、使用者がタッチペン108などを用いて、この閉ボタンを操作しようとしたときに誤って触れてしまう可能性が領域である。すなわち、誤り操作領域413が操作されたときには、その操作は使用者の意図しない操作(誤操作)として判断される。
【0070】
図4は、タッチパネル102上に表示される確認画面を示す図である。
【0071】
これらの確認画面は、重要な操作(例えば、ウインドウを閉じる操作や、何らかの設定が行なわれるときの操作等)をする際に、タッチパネル102上に表示される。
【0072】
図4(a)において、「* * *します。よろしいですか?」と表示されたときに、よい場合は、タッチペン108などを用いて、「はいボタン422」を押圧し、よくない場合には、「いいえボタン423」を押圧する。ここで、使用者が「いいえボタン423」を押圧したときには、その直前(一回前)の操作で指示した内容を行なわないことから、その直前(一回前)の操作は使用者の意図しない操作(誤操作)であった判断することができる。この「* * *します。よろしいですか?」として、たとえば、「終了します。よろしいですか」などがある。
【0073】
次に、図4(b)において、「○○の設定を始めます」と表示されたときに、使用者が、○○の設定を行なう意思があれば、「次へボタン432」を押圧し、○○の設定を行なう意思がなければ、「戻るボタン433」を押圧する。ここで、使用者が「戻るボタン433」を押圧したときには、その直前(一回前)の画面に戻ることから、その直前(一回前)の操作は使用者の意図しない操作(誤操作)であった判断することができる。この「○○の設定を始めます」として、たとえば、「初期設定を始めます」などがある。
【0074】
一般にPDA101上に表示されるソフトウエアの概観には図3や図4のような画面がよく使用される。本発明では、図3の誤り操作領域404や誤り操作領域413、図4の戻るボタン433を操作したときの頻度を数えることにより疾患の傾向をつかむことを目的としている。
【0075】
図5は、PDA101を用いてTMTのテストを行なうときの表示画面を示す図である。このテストは、後述するように使用者の脳に異常がある可能性が高い場合に行なわれる。タッチパネル102上に表示されるウィンドウE701には、その画面上に1から20までの数字がランダムに配置されており、その画面の下方には「1から20までの数字を順になぞって下さい。」との説明書きがなされている。
【0076】
TMTのテストでは、使用者は1から順に数字をなぞっていくこととなるが、使用者が1の数字をタッチペン108などを用いて押圧すると、そのときから計測タイマがスタートし、所要時間の計測が開始される。そして、1から20までの数字をなぞり終えると計測タイマがストップし、所要時間の計測が終了する。
【0077】
TMTのテストが終了した後には、後述するように脳の異常の可能性(疾病傾向推定値)が判定手段207により判定される。
【0078】
この脳の異常の可能性についての詳細は後述するが、過去の誤操作の頻度の値の平均値に定数を乗じた値に対する乖離度と、TMTのテストにより計測された所要時間を判断要素として、あらかじめ準備された疾病傾向判定表(図示略)にあてはめて判定される。
【0079】
判定された後においては、その判定された脳の異常の可能性が表示手段203により表示される。これにより、使用者は、タッチパネル102上に表示された脳の異常の可能性などを知ることができる。
【0080】
本発明では、TMTを例として挙げたが、使用者が疑われる疾患に応じてさまざまなテストが考えられ、TMTを用いる必要があるわけではない。状況に応じたテストを行うのが好ましい。
【0081】
このタッチパネル102上に表示される脳の異常の程度の表示として、たとえば、脳の異常の進行が低度と考えられる(可能性)場合は、「脳に異常がある可能性が少し検出されました。できれば病院に行って検査してください。脳疾病推定値20%」などと表示する。また、脳の異常の進行が少し進行している可能性がある場合は、「脳に異常がある可能性があります。必ず病院に行って検査してください。脳疾病推定値50%」などと表示し、脳の異常のかなり進行が進行している可能性がある場合は、「脳に異常がある可能性が大きいです。早期に病院に行って検査してください。脳疾病推定値80%」などと表示される。
【0082】
ここで、脳疾病推定値は、誤操作頻度の値の過去の誤操作の頻度の値の平均値に定数を乗じた値に対する乖離度と、TMTのテストにより計測された所要時間を判断要素として、あらかじめ準備された疾病傾向判定表(図示略)により判定される。
【0083】
なお、この表示手段203の表示は、例示であって、表示方法は上記内容に限定されるものではない。また、表示手段203に表示される表示内容について、その内容の理解を容易にするための解説として、PDA101の表示画面、もしくは使用説明書により、その表示内容の説明を記載してもよい。
【0084】
なお、上記では、脳の異常の可能性を、判定手段207により判定し、その判定結果をタッチパネル102上に表示させることとしたが、これに限らず、その判定結果を送信手段210より、外部のネットワークを介して、医療機関などに送信してもよい。これにより、医療機関などに脳の異常の可能性を判断するデータを迅速に伝えることができ、医療機関などにより、脳の異常の可能性に応じて、今後の取るべき処置が返信されことにより、脳の異常が進行することなく早期に処置をとることができる。
【0085】
図6は、疾病傾向推定処理を説明するためのフローチャートである。
【0086】
まず、ステップ(以下、「S」という)1において、ユーザ入力フラグがONであるか否かが判断される。このユーザ入力フラグは、PDA101の使用者を特定する情報が既に入力されているか否かを判断するものであり、後述するS3によりONにされ、S9によりOFFとされる。
【0087】
S1により、ユーザ入力フラグがONでないと判断された場合は、S2により、使用者(ユーザ)の氏名、年齢、性別などの使用者を特定する情報が入力されているか否かが判断される。具体的に、この使用者を特定する情報の入力は、タッチパネル102上に表示された使用者特定入力画面(図示略)の、氏名入力欄、年齢入力欄、性別選択欄に入力することにより行なわれ、すべての入力欄への入力が完了したときに、使用者が使用者情報入力完了ボタン(図示略)を操作することにより、使用者を特定する情報が入力される。これにより、PDA101の使用者が確定する。
【0088】
S2において、使用者を特定する情報が入力されていないと判断された場合は、S8に進み、入力されていると判断された場合は、S3により、ユーザ入力フラグがONにセットされる。そして、S4により、その使用者を特定する情報を認識し記憶する。この使用者を特定する情報は記憶手209に記憶される。
【0089】
S3により、ユーザ入力フラグがONにセットされることによって、次回の疾病傾向推定処理においてS1によりYESと判断され、PDA101の使用者が変更されない限り、上記で特定された使用者がPDA1の使用者として特定される。
【0090】
一方、S1において、ユーザ入力フラグがONであると判断された場合は、S5により、使用者(ユーザ)を変更するための入力がなされているか否かが判断される。具体的には、この使用者を変更するための入力は、タッチパネル102上に表示された使用者変更入力画面(図示略)の氏名入力欄、年齢入力欄、性別選択欄に使用者の氏名、年齢、性別などを入力することにより行なわれ、すべての入力欄への入力が完了したときに、ユーザ変更入力ボタン(図示略)を操作することにより、変更される使用者を特定する情報が入力される。これにより、変更されたPDA1の使用者が特定される。
【0091】
S5において、使用者を変更するための使用者を特定する情報が入力なされていないと判断された場合はS6に進み、入力なされていると判断された場合は、S4により、その使用者を特定する情報を認識し記憶する。これにより、変更された使用者を認識することができ、今後この変更された使用者がPDA101の使用者として特定される。
【0092】
S6において、タッチパネル入力疾病傾向処理が行なわれる。このタッチパネル入力疾病傾向処理は、図7を用いて後述するように、使用者により、タッチペン108を用いて、入力操作が行なわれた場合に、その使用者の間違った操作(誤操作)の頻度を算出して、その誤操作の頻度から使用者が疾病(脳の異常)にかかっている可能性(疾病の傾向)を判断するものである。
【0093】
次に、S7において、キー入力疾病傾向処理が行なわれる。このキー入力疾病傾向処理は、図8を用いて後述するように、使用者が、キャンセルキー104を用いて操作した場合に、そのキャンセルキー104の操作から求められた使用者の誤操作の頻度を算出して、その誤操作の頻度から使用者が疾病(脳の異常)にかかっている可能性(疾病の傾向)を判断するものである。
【0094】
S8において、使用者によるPDA101の使用が終了されたか否かが判断される。具体的には、PDA101の使用の終了は、使用者によりタッチパネル102上に表示された終了ボタン(図示略)が操作されることにより行なわれる。S8により、PDA101の使用が終了していると判断された場合には、S9により、ユーザ入力フラグがOFFにされ、疾病傾向推定処理が終了する。
【0095】
なお、このPDA101の使用の終了は、本実施形態では、タッチパネル102上に表示された終了ボタンを操作することにより行なわれたが、これに限らず、外部から認識可能な終了キー(ホームキー103やキャンセルキー104のようなボタン)を設けて、その終了キーが操作されることにより、終了させるようにしてもよい。
【0096】
本発明では、ユーザの情報を詳細に入力させているが、ユーザ名の入力のみ行ってユーザを判別しても良い。また、そもそもPDA101は個人が使用するもの(一台のPDA101は一人しか使用しない)という観点から、必ずしもユーザ入力を必要とはしない。
【0097】
図7は、タッチパネル入力疾病傾向処理を説明するためのフローチャートである。
【0098】
まず、S21において、タッチパネル操作検出処理が行なわれる。このタッチパネル操作検出処理では、図9を用いて後述するように、使用者により、希望する操作箇所(選択項目402の操作ボタン402a、選択項目403の操作ボタン403a、閉ボタン412など)から所定の範囲(希望する操作箇所、誤り操作領域404、誤り操作領域413を含む範囲)内が操作されたか否かを検出する。ここで、希望する操作箇所とは、使用者が現在使用中のソフトウエアにおいて、使用者が押すことを考えている部分である。利用者は選択項目403を希望することも考えられるため、操作ボタン402又は選択項目403の一方を選んだだけでは直ちに誤りとは判断しない。
【0099】
S22において、操作フラグがONであるか否かが判断され、ONでないと判断された場合にはS23aに進み、ONであると判断された場合はS23に進む。この操作フラグは、図9のS56により、ONにされる。すなわち、使用者により、タッチペン108などを用いて、希望する操作箇所(選択項目402の操作ボタン402a、選択項目403の操作ボタン403a、閉ボタン412)から所定の範囲(希望する操作箇所、誤り操作領域404、誤り操作領域413を含む範囲)内が操作されたと判断された場合に、ONにされる。なお、この操作フラグは、後述するS32により、OFFとなる。
【0100】
S23において、キャンセル操作判定処理が行なわれる。このキャンセル操作判定処理では、使用者により、タッチペン108などを用いてタッチパネル102の所定の位置に触れることについて、その操作が使用者の意図していない操作(誤操作)であったか否かが判断される。
【0101】
S23aにおいて、使用者により、タッチペン108などを用いてタッチパネル102が所定の位置に触れたときの時間や、その操作内容(たとえば、ウィンドウの種類、操作された場所など)などが記憶手段209に記憶される。すなわち、この記憶手段209には、希望する操作箇所(選択項目402、403の操作ボタン、閉じるボタン412)の操作のみならず、希望する操作箇所から所定の範囲(誤り操作領域404、誤り操作領域413を含む)内の操作や、その他の一切のタッチパネル102の操作の内容が記憶される。
【0102】
そして、S24により、キャンセルフラグがONであるか否かが判断される。このキャンセルフラグは、図10のS66でONにされる。S24により、キャンセルフラグがONでないと判断された場合には、S26に進み、キャンセルフラグがONであると判断された場合には、S25に進む。
【0103】
S25において、誤操作と判定された操作の操作された時間や、その操作内容(たとえば、ウィンドウの種類、操作された場所など)などが記憶手段209に記憶される。ここで、誤操作と判定された操作とは、S23のキャンセル操作判定処理により、キャンセルフラグがONにされる場合の操作をいう。すなわち、記憶手段209には、希望する操作箇所(選択項目402、403の操作ボタン、閉じるボタン412)の操作のうち誤操作と判定された操作内容や、図3に示す誤り操作領域404、誤り操作領域413の範囲内の操作内容が記憶される。
【0104】
なお、薄暗い環境や、揺れが激しい環境でPDA101が操作されたため、使用者が正確に操作箇所を押圧できない場合(たとえば、自動車の運転中にPDA101を使用しているときなど)など、PDA101の使用環境がPDA101を使用するのに適していない場合には、S25において、誤操作が行なわれた時間や、その操作内容などを記憶手段209に記憶しなくてもよい。このPDA101の使用環境がPDA101を使用するのに適していないか否かの判断は、たとえば、PDA101に加速センサや、振動センサや、磁気センサや、照明センサなどを設けて、その加速センサや、振動センサ、照明センサなどにより測定された加速度や、振動や、明度などが、あらかじめ定められた加速度以上か否かにより、また、あらかじめ定められた振動以上か否かにより、また、あらかじめ定められた明度以下か否かにより行なう。このように、PDA101の使用環境が、PDA101を使用するのに適していない場合には、S25において、誤操作が行なわれた時間や、その操作内容などを記憶手段209に記憶しないので、誤操作か否かについて正確な情報を得ることができる。
【0105】
これらの誤操作検出方法は、使用者が何気なく試用しているソフトウエアの操作の中から行う事に特徴がある。その何気なく使用するソフトウエアは、利用頻度が高く、特に高度な入出力を必要としないものが良い。例えばメールソフトやインターネットブラウザなどが最適である。
【0106】
S26において、誤操作頻度算出処理が行なわれる。この誤操作頻度算出処理は、図12を用いて後述するが、使用者がタッチペンなどを用いて行った操作のうち誤操作であると判断される操作の頻度が算出される。この誤操作の頻度は、所定時間(たとえば、5分)内に行なわれた誤操作の回数により求められる。
【0107】
S27において、誤操作の頻度が算出されたか否かが判断され、算出されていないと判断された場合にはS32に進み、算出されたと判断された場合には、S28により、過去の誤操作頻度算出処理が行なわれる。
【0108】
なお、誤操作の頻度が算出されたか否かは、後述する図12のS91により誤操作の頻度が記憶され、S92により、タイマフラグがOFFになったときに、誤操作の頻度が算出されたと判断される。
【0109】
S28において、過去の誤操作頻度算出処理が行なわれる。この過去の誤操作頻度算出処理は、図13を用いて後述するが、過去の誤操作の頻度の値の平均値が算出される。この過去の誤操作の頻度の値の平均値は、使用者別に行なわれ、記憶手段209に記憶されている、その使用者の過去の誤操作の頻度のデータから求められる。
【0110】
なお、使用者の過去の誤操作の頻度のデータが記憶手段209にない場合には、あらかじめ準備された値を用いる。
【0111】
S29において、S26により算出された誤操作の頻度の値と、S28により算出された過去の誤操作の頻度の値の平均値に定数Kを乗じた値(疾病傾向判定値)とを比較し、S26により算出された誤操作の頻度の値が、S28により算出された過去の誤操作の頻度の値の平均値に定数Kを乗じた値よりも大きいか否かが判断され、S26より算出された誤操作の頻度の値がS28により算出された過去の誤操作の頻度の値の平均値に所定数Kを乗じた値よりも小さいと判断された場合には、S32に進み、大きいと判断された場合は、S30により、疾病傾向試験処理が行なわれる。
【0112】
このように、各個人別の疾病傾向判定値と比較することにより、脳の異常の可能性(疾病傾向)を判断する際に、誤操作しやすい人と、誤操作しにくい人の双方についての疾病傾向を的確に判断できる。
【0113】
S30において、疾病傾向試験処理が行なわれる。この疾病傾向試験処理は、PDA101を用いて、TMT試験(図5参照)が行なわれる処理である。具体的には、この疾病傾向試験処理が行なわれる際には、図5に示すウィンドウE701がタッチパネル101上に表示される。そして、使用者は、このウィンドウE701に表示される数字を1から20までの数字の順になぞり、その所要時間を計時することにより行なわれる。この疾病傾向試験処理により計測された計測時間は、脳の異常の可能性を判断する際に使用される。
【0114】
このように、S29により誤操作の頻度の値が疾病傾向判定値より大きいと判断された場合に、さらに、疾病傾向試験処理が行なわれるので、疾病にかかっている可能性の確率についてさらに正確な情報を得ることができる。
【0115】
なお、S30の疾病傾向試験処理は、誤操作の頻度の値が疾病傾向判定値より大きい場合において、誤操作の頻度の値と疾病傾向判定値との乖離度が、所定値以上である場合に疾病傾向試験のみ行なってもよい。このように、所定の疾病にかかっている可能性が高い場合のみ疾病傾向試験を行なうので、通常の疾病の検査を比べて試験検査の煩雑さが軽減される。
【0116】
次に、S31により、誤操作の頻度の値が疾病傾向判定値よりもどれぐらい乖離しているかを示す乖離度、疾病傾向試験処理により行なわれたTMT試験で計時された計測時間、および、この解離度と計時された時間を判定要素として、あらかじめ準備された疾病傾向判定表を用いて判定された使用者が疾病(脳の異常)にかかっている可能性を示す疾病傾向推定値などがタッチパネル102上に表示される。
【0117】
この疾病傾向判定表は、たとえば、乖離度と計測時間とを判断要素とする場合には、乖離度について5段階に区分し、また、計測時間についても5段階に区分けして、その乖離度と計測期間を、それぞれ5段階のマトリックスの表にあてはめて、脳の異常の可能性が判断される。また、乖離度、または計測時間のみを判断要素とする場合には、同様に、5段階に区分された乖離度の表、また、計5段階に区分けされた計測時間の表にあてはめて、脳の異常の可能性を判断する。
【0118】
このように、疾病傾向判定値に対する誤操作の頻度の値の乖離度に応じて脳の異常の可能性(疾病の傾向度)が推定されるので、使用者は、疾病にかかっている可能性をより高い確率(脳の異常の進行度)で知ることができる。
【0119】
なお、タッチパネル102上に表示するのに代えて、また、タッチパネル102上に表示するとともに、音声出力手段(図示略)を用いて、音声により使用者に上記内容を伝えるようにしてもよい。
【0120】
以上のルーチンを日常使用しているソフトウエアの操作中に該ソフトウエアのインターフェース(ウィンドウやボタンなど)を利用することで、脳の異常が体調の変化があらわれる前の初期状態において、脳の異常の可能性(疾病傾向)を知ることができ、使用者は、病院で検査を受け、所定の疾病にかかっていることを早期に発見することができる。
【0121】
また、S31の結果出力として、本実施形態では、疾病傾向判定値よりもどれぐらい乖離しているかを示す乖離度、疾病傾向試験処理により行なわれたTMT試験で計時された計測時間などを、タッチパネル102上に表示する方法や、音声出力手段により出力する方法について述べたが、これに限らず、送信手段210により、ネットワークを介して、医療機関などに送信するようにしてもよい。
【0122】
これにより、医療機関などは、送信手段210により送信された乖離度や計測時間などを判断要素として、脳の異常の可能性(疾病の傾向)を判断することができ、そして、医療機関により、その脳の異常についての今後の処置などがPDA101に送信され、使用者は早期に適切な処置を取ることができる。
【0123】
また、これらの誤操作の頻度の値が疾病傾向判定値よりもどれぐらい乖離しているかを示す乖離度、疾病傾向試験処理により行なわれたTMT試験で計時された計測時間などを、記憶手段209に記憶されておくのみでもよい。この場合、使用者は、後日、医療機関に、その記憶手段209に記憶されているデータを持っていき、医療機関の医師などにより、その記憶手段209に記憶されているデータが解析されることにより、医療機関の医師などは、使用者の過去の特定の時間における状態を知ることができる。
【0124】
次に、S32において、操作フラグ、およびキャンセルフラグがOFFにされる。これにより、タッチパネル入力疾病傾向処理が終了する。これは、利用者がソフトウエアを終了したときなどに同時に終了する。
【0125】
図8は、キー入力疾病傾向処理を説明するためのフローチャートである。
【0126】
まず、S41において、キャンセルキー判定処理が行なわれる。このキャンセルキー判定処理では、図11を用いて後述するが、使用者により、キャンセルキー104が押圧(操作)されたか否かの判定が行なわれる。
【0127】
次に、S42により、キャンセルキーフラグがONであるか否かが判断され、キャンセルキーフラグがONでないと判断された場合には、S44に進み、キャンセルキーフラグがONであると判断された場合には、S43により、そのキャンセルキー104が操作された時間およびそのキャンセルキー104が操作される直前(一回前)の使用者の操作の操作時間、操作内容(ウィンドウ画面、操作箇所など)などが記憶手段209に記憶される。
【0128】
上述したように、キャンセルキー104は、使用者によりタッチパネル102上に表示されるある項目が選択された場合に、その後にその選択が取消され、選択前の状態にするために使用されるボタンである。このことから、キャンセルキー104が操作される直前(一回前)の操作は誤操作と判断することができる。
【0129】
なお、上述したタッチパネル入力疾病傾向処理と同様に、自動車の運転中にPDA101を使用している場合など、PDA101の使用環境がPDA101を使用するのに適していないと判断された場合には、S43において、誤操作が行なわれた時間や、その操作内容などを記憶手段209に記憶しなくてもよい。
【0130】
S44において、誤操作頻度算出処理が行なわれる。この誤操作頻度算出処理については、図7のS26で説明した誤操作頻度算出処理と同様の処理であるため説明は省略する。
【0131】
S45において、誤操作の頻度が算出されているか否かが判断され、算出されていない場合にはS50に進み、算出されている場合にはS46に進む。
【0132】
なお、この誤操作の頻度は、図7のS26の処理と同様に、後述する図12のS90で算出される。
【0133】
S46において、過去の誤操作頻度算出処理が行なわれる。この過去の誤操作頻度算出処理は、図7のS28と同様の処理であるため、説明は省略する。
【0134】
S47において、S44により算出された誤操作の頻度の値が、過去の誤操作の頻度の値の平均値に所定数Nを乗じた値(疾病傾向判定値)よりも大きいか否かが判断され、小さいと判断された場合にはS50に進み、大きいと判断された場合にはS48に進む。このS47の処理は、図7のS29に対応する処理である。
【0135】
なお、タッチパネル入力疾病傾向処理の疾病傾向判定値で用いられるK(定数)と、キー入力疾病傾向処理の疾病傾向判定値で用いられる定数Nとを異なった値としたが、これに限らず、同一の値としてもよい。
【0136】
S48において、疾病傾向試験処理が行なわれる。この疾病傾向試験処理は、S30の疾病傾向試験処理と同様の処理であるため、説明は省略する。
【0137】
次に、S49により、結果出力処理が行なわれる。この結果出力は、S31の結果出力処理と同様の処理であるため、説明は省略する。
【0138】
そして、S50により、キャンセルキーフラグがOFFにされ、キー入力疾病傾向処理が終了する。
【0139】
図9は、タッチパネル操作検出処理を説明するためのフローチャートである。このタッチパネル操作検出処理は、図7のS21において行なわれる。
【0140】
まず、S55において、使用者が希望する操作箇所(たとえば、選択項目402の操作ボタン402a、選択項目403の操作ボタン403a、閉じるボタン412など)から所定の範囲(希望する操作箇所、誤り操作領域404、誤り操作領域413の範囲)内が操作されたか否かが判断される。具体的には、タッチペン108などを用いて、図3に示す選択項目の操作ボタン402または403から所定の範囲(操作ボタン402または403、誤り操作領域404の範囲)内が操作されたか、また、閉ボタン412から所定の範囲(閉ボタン412、誤り操作領域413の範囲)内が操作されたか否かが判断される。
【0141】
S55により、希望する操作箇所から所定の範囲内が操作されていないと判断された場合はタッチパネル操作検出処理が終了され、操作されたと判断された場合には、S56により操作フラグがONにされる。
【0142】
図10は、キャンセル操作判定処理を説明するためのフローチャートである。このキャンセル操作判定処理は、図7のS23により行なわれる。
【0143】
まず、S61において、使用者により希望する操作箇所の周辺部(誤り操作領域404、413など)が操作されたか否かが判断される。この希望する操作箇所の周辺部とは、図3(a)の選択項目402においては、その所定の範囲(操作ボタン402a、誤り操作領域404)内のうち操作ボタン402aを除く部分である。また、図3(b)の閉ボタン412においては、その所定の範囲(閉ボタン412、誤り操作領域413)内のうち閉ボタン412を除く部分である。この希望する操作箇所の周辺部は、使用者が選択項目402または403、閉ボタン412を選択しようとして、誤って操作する可能性が高い部分である。
【0144】
S61により、使用者により希望する操作箇所の周辺部が操作されたと判断された場合にはS66に進み、操作されていないと判断された場合にはS62に進む。
【0145】
この希望する操作箇所の周辺部は、使用者が誤って操作する可能性が高い部分であることから、この希望する操作箇所の使用者の操作は、使用者が希望する操作箇所を操作しようとして誤って操作(誤操作)したものと判断できる。
【0146】
S62において、画面の切換えがあったか否かが判断される。すなわち、S61により希望する操作箇所の周辺部以外の箇所が操作され、その操作により、タッチパネル102に表示される画面が切換わったか否かが判断される。S62により、画面が切換わっていないと判断された場合には、キャンセル操作判定処理が終了され、切換わったと判断された場合には、その画面の切換わる前の画面の情報を記憶する。ここで、切換わる前の画面の情報とは、切換わり前の画面を特定する情報であり、たとえば、その画面情報のURL、識別子などを記憶する。
【0147】
この切換ったかの判断は、タッチパネル102上に、2以上の画面(ソフトウエア)が表示されている場合は、最前面の画面が切換ったか否かにより判断する。
【0148】
S64において、S62により画面が切換わる切換操作の1回前の操作も画面を切換えるための操作であったか否かが判断され、画面切換操作の1回前の操作も画面切換操作であったと判断された場合はS65に進み、画面切換操作であったと判断されなかった場合はキャンセル操作判定処理が終了する。
【0149】
S65において、画面切換後の画面を特定する情報(たとえば、URL、識別子など)と、その切換操作の1回前の切換操作の画面切換前の画面を特定する情報(たとえば、URL、識別子など)が同一であるか否かが判断され、同一であると判断された場合にはS66に進み、同一でないと判断された場合にはキャンセル操作判定処理を終了する。
【0150】
次に、S66により、キャンセルフラグがONにされる。このキャンセルフラグは、図10で判定される操作がキャンセル操作であったと判断されたときにONとなるフラグである。そして、このキャンセルフラグがONになると、前述した図7のS24においてYESの判断がなされる。
【0151】
上記でキャンセル操作判定処理について説明したが、もう少しわかり易く説明すると、まず、タッチパネル102に表示される画面が画面Aである状態からスタートする。この画面Aの状態で、使用者が希望する操作箇所を操作することにより、画面が画面Bになったとする。使用者が誤った操作を行ったために画面が画面Aから画面Bに切換わった場合には、使用者は、その切換わった画面(画面B)を元の画面(画面A)に一度戻し、あらためて使用者が意図する操作を行なうであろうと考える。これらの操作が行なわれたか否かを判断することにより、使用者によって誤操作が行なわれたが否かが判断されるのが、図10のキャンセル操作判定処理の基本原理である。
【0152】
この操作を図10のキャンセル操作判定処理に当てはめて考えると、まず、タッチパネル102に表示されている画面が画面Aであったとする。そして、S61により、希望する操作箇所の周辺部以外が操作され、画面が画面Aから画面Bに切換わったとする。この場合、S62によりYESと判断され、S63により切換え前の画面Aの情報が記憶される。次に、S64により、一回前の操作が切換操作でないと判断された場合にはキャンセル操作判定処理が終了する。そして、次のキャンセル操作判定処理が行なわれたときには、タッチパネル102に表示されている画面は画面Bとなっている。この画面Bの状態で、S61により、画面Bの操作が誤操作と判断された場合には、その画面Bを誤操作前の画面(画面A)に戻すために、使用者は希望する操作箇所の周辺部以外を操作し(S61でYES)、画面が画面Bから画面Aに切換えられる(S62でYES)、次に、画面切換え前の画面Bの情報を記憶し、切換え後の画面Aの情報と、その切換操作の一回前の切換操作の切換え前の情報(画面Aの情報)が同一か否かが判断され、いずれも画面Aであるので、S65により、YESと判断されることにより、画面Bから画面Aに戻す操作が画面Bをキャンセルするための操作であると判断され、画面Aから画面Bの切換操作が誤操作であると判断される。
【0153】
このように、希望する操作箇所が操作された一回前の操作も画面情報の切換えのための希望する操作箇所の操作であると判定された場合に、希望する操作箇所が操作されたことにより切換えられた後の画面情報と、一回前の操作により画面情報が切換わる前の画面情報とが同一の情報であると判定された場合に誤操作であると判定するので、画面情報の切換えのための指示入力を行なう希望する操作箇所の誤操作が生じたときでも、その誤操作を確実に把握することができる。
【0154】
図11は、キャンセルキー判定処理を説明するためのフローチャートである。このキャンセルキー判定処理は、図8のS41により行なわれる。
【0155】
まず、S71において、使用者によりキャンセルキー104が押圧(操作)されたか否かが判断される。
【0156】
このキャンセルキー104は、前述したように、タッチパネル102上のある項目が選択された後に、その選択の取消しのために使用されるもので、直前に行われた操作に戻す(キャンセル)ために操作するものであることから、その直前(一回前)に行われた操作は使用者により誤操作であったと判断できる。
【0157】
S71において、キャンセルキー104が押圧(操作)されていないと判断された場合にはキャンセルキー判定処理が終了され、押圧されたと判断された場合には、S72によりキャンセルキーフラグがONにされる。そして、このキャンセルフラグがONになると、前述した図8のS42によりYESの判断がなされる。
【0158】
なお、本実施形態では、PDA101の外部に備えられたキャンセルキー104を用いて、取消し(キャンセル)操作を行う例について示したが、これに限らず、タッチパネル102上に表示された、キャンセルボタンなど(図4参照)を操作したときにおいても、図11の処理と同様の処理が行なわれる。
【0159】
図12は、誤操作頻度算出処理を説明するためのフローチャートである。この誤操作頻度判定処理は、図7のS26、および図8のS44により行なわれる。この誤操作頻度算出処理では、所定の期間(誤操作頻度算出タイマのタイマ時間、たとえば5分)内での使用者の誤操作の回数が算出され、その誤操作の回数を誤操作の頻度とするものである。
【0160】
まず、S81において、タイマフラグがONであるか否かが判断され、タイマフラグがONであると判断された場合にはS84に進み、ONでないと判断された場合にはS82に進む。このタイマフラグは、誤操作の頻度が算出されているときにONとなり、誤操作の頻度の算出が終了したときにOFFとなる。
【0161】
S82において、誤操作頻度算出タイマがスタートされ、S83により、タイマフラグがONとなる。これにより、誤操作頻度が算出されることになる。
【0162】
S84において、誤操作頻度算出タイマがタイムアップしたか否かが判断され、タイムアップしていないと判断された場合には誤操作頻度算出処理が終了され、タイムアップしたと判断された場合にはS85に進む。これにより、誤操作頻度算出タイマがタイムアップするまで誤操作の回数が算出されることになる。
【0163】
S85において、操作キーごとの操作の区分けが行なわれる。具体的には、まず、図3、図4などに示す各ウィンドウごとの操作の区分けが行なわれ、次に、それぞれのウィンドウごとの操作ボタン等ごとの区分けが行なわれる。
【0164】
これにより、それぞれの操作ボタンごとの誤操作の頻度を算出することができる。また、この区分けは、誤操作のしやすさに応じて予め決められたグループごとに区分けしてもよい。これにより、使用頻度の少ない操作ボタンについても疾病傾向を判断するに足りるデータを有することになり、より正確な疾病傾向を判断することができる。
【0165】
S86において、非操作時間が算出される。この非操作時間は、たとえば、使用者がPDA101のタッチパネル102上に表示される表示画面を閲覧している時間や、休憩などによりPDA101を使用していない時間など、使用者による指示入力が相当の時間(たとえば、1分以上)行なわれなかった場合に算出されるものである。この非操作時間を算出するために、本実施形態では、S23aにより、使用者によりタッチパネル102が操作された時間が記憶されている。この記憶された使用者の操作時間により、使用者の非操作時間が算出される。
【0166】
これにより、使用者が、PDA101を使用していない時間(閲覧時間も含む)を除去した、使用者がPDA101を使用していた操作時間が算出され、より正確な誤操作頻度を算出することができる。
【0167】
なお、本実施形態では、使用者が、PDA101を操作していない時間を非操作時間として算出したが、上述したようにPDA101を使用するのに適した環境でないと判断された場合に、その判断された期間も、S86により、非操作期間として算出してもよい。
【0168】
S87において、非操作時間が算出されているか否かが判断され、算出されていないと判断された場合にはS89に進み、算出されていると判断された場合にはS88により操作頻度算出タイマにその算出された非操作時間を加算する。
【0169】
なお、本実施形態では、非操作時間を算出し、その非操作時間を誤操作頻度算出タイマに加算する方法を用いたが、これに限らず、非操作時間を加算しないようにしてもよい。この方法によると、誤操作の回数は一定時間あたりの回数が算出される。
【0170】
S89において、使用者の所定の期間あたりの誤操作の回数が読み出される。この誤操作の回数は、図7のS25により、また、図8のS43により記憶手段209に記憶された誤操作の操作内容から読み出される。具体的には、使用者が立ち上げているソフトウエアごと区分けされた誤操作の回数が読出される。
【0171】
S90において、誤操作の頻度が算出される。この誤操作の頻度は区分けされたソフトウエアの操作ボタン等ごと算出される。そして、そのソフトウエアの操作ボタン等ごと算出された誤操作の頻度からすべての誤操作の頻度を考慮した各ソフトウエア毎の総合誤操作頻度が算出される。この総合誤操作頻度は、例えば、ソフトウエアの操作ボタン(選択項目402の操作ボタン402a、選択項目403の操作ボタン403a、閉ボタン412)ごと算出された誤操作の頻度が、それぞれX、Y、Zとすると、その誤操作の頻度X、Y、Zに所定の係数(a、b、c)を乗じて、次の(式1)により求められる。
【0172】
総合誤操作頻度 = a*X + b*Y + c*Z (式1)
により求められる。
【0173】
ここで、定数(a、b、c)などは、たとえば、位置的に近い周辺を操作ボタンを押圧する可能性や、操作ボタンの大きさや、使用頻度などを考慮して、定められた値である。
【0174】
以上のように「総合誤操作頻度」はソフトウエア毎に算出することが望ましい。例えば、ウェブブラウザを使うときは各種のホームページに飛び回ることが多いので、タッチパネルによる誤操作が他に比べて多くなることが予測される。一方、メールソフトは、主として閲覧や記入が行われ、タッチパネルによる誤操作はウェブブラウザよりは少なくなることが予測される。このように、ソフトウエアの違いにより、使い方が異なるため、一律には計算出来ない。また、ゲームなどを行う場合は入力頻度が増えるため、脳の疾患を判断する指標のソフトウエアとは考えにくいため、誤操作の頻度を計算する対象からはずす事が望ましい。
【0175】
なお、本実施形態は、各ソフトウエア毎の操作ボタンごと誤操作の頻度を算出し、その算出された誤操作の頻度から各ソフトウエア毎総合誤操作頻度を算出したが、これに限らず、各ソフトウエアをグループに区分けし、その区分けされたグループごとの誤操作の頻度を算出し、その算出された誤操作の頻度から総合誤操作頻度を算出してもよい。
【0176】
S91において、S90により算出された誤操作の頻度と総合誤操作頻度の値を記憶する。この記憶された誤操作の頻度と総合誤操作頻度の値は、後述する過去の誤操作の頻度の値の平均値を算出する際に使用される。
【0177】
なお、S90により誤操作の頻度と総合誤操作の頻度を記憶するとしたが、これに限らず、後述する過去の誤操作の頻度を誤操作の頻度のみから求める場合は、誤操作の頻度のみ記憶すればよく、また、総合誤操作頻度のみから求める場合は、総合誤操作頻度のみ記憶すればよい。この場合、記憶された内容が誤操作の頻度である場合は、 誤操作の頻度から疾病傾向を推定することになり、また、記憶された内容が総合誤操作頻度である場合は、総合誤操作頻度から疾病傾向を推定することになる。
【0178】
次に、S92により、タイマフラグがOFFにされる。このタイマフラグがOFFになることにより、一回分の誤操作の頻度が算出されたこととなる。
【0179】
図13は、過去の誤操作頻度算出処理を説明するためのフローチャートである。この過去の誤操作頻度算出処理は、図7のS28により、また、図8のS46により行なわれる。
【0180】
まず、S101において、過去の誤操作の頻度の値が読出される。この過去の誤操作の頻度の値は、図12のS91により記憶された誤操作の頻度の値から読み出される。この過去の誤操作の頻度の値は、現在の使用者についての過去に算出された全データから算出される。
【0181】
次に、S102により、過去の誤操作の頻度の値の平均値が算出される。この過去の誤操作の頻度の値の平均値は、(全過去の誤操作の頻度を加算した値/過去の誤操作の頻度の値の個数)により求められる。
【0182】
図14は、タッチパネル上にウィンドウA401が表示されている画面を示す図である。このウィンドウA401は、図3(a)を用いて説明したウィンドウA401と同様のものである。通常の使用状態では、このウィンドウA401はタッチパネル102上に図14(a)に示す大きさで表示されている。
【0183】
図14(b)は、ウィンドウA102が拡大されたときの画面を示すものである。このウィンドウA401が拡大される場合として、たとえば、疾病傾向推定処理を行った結果、使用者の誤操作の回数があらかじめ定められた数以上になったときなどに拡大させる。
【0184】
これにより、使用者はウィンドウA401の表示が大きくなることにより、操作しやすくなり、誤操作の回数を低減させることができる。
【0185】
このウィンドウA401の拡大は、誤操作頻度算出処理のS89の後に行なうようにすればよい。なお、このウィンドウA401などの拡大は、ソフトウエアごと行なわれることから、その前提として、S89の誤操作の回数はソフトウエアごと求められている。
【0186】
図15は、1時間当たりの総合誤操作頻度を示すタイムチャートの一つの例である。このタイムチャートでは、総合誤操作頻度を(式1)において、
X:タッチパネルにおけるキャンセル処理(5分間において図9のS55でYとした回数)
Y:タッチパネルにおけるキャンセル処理(5分間において図10のS65でYとした回数)
Z: キャンセルキー判定処理(5分間において図11のS71でYとした回数)
とし、a=1,b=1,c=0.5とした。cを0.5と重み付けしたのは、実際の操作のうちユーザが誤って押したがためにキャンセルキー104を押すことは2回に1回程度であると考えたためである。たとえば、この誤操作の頻度は、図12の誤操作頻度算出タイマにより算出される時間が5分で、この5分間にXを2回、Zを1回誤操作があったとすると、図15に示す単位時間当たりの総合誤操作頻度は、(1*2 + 1*0 + 0.5*1 )÷(5/60)=30(回/時間)となる。
【0187】
横軸の時間軸は、図15の誤操作頻度算出タイマより計測された所定の時間(今の場合、5分)を1単位として表示し、縦軸には誤操作の頻度を示している。
【0188】
ここで、504,505はそれぞれソフトウエアの種類を示しており、本実施形態では、その例示として、504をウェブブラウザ、505をメールソフトとする。
【0189】
まず、一番左側では、ウェブブラウザ、メールソフトを含めいずれも起動されず、次に、ユーザはウェブブラウザを立ち上げている(504a)。ウェブブラウザを閉じてしばらくしてからユーザはメールソフトを立ち上げた(505a)。ウェブブラウザには入力項目多く、また閲覧中に後ろに戻る事も多い。一方、メールソフトはメール作成時の誤入力程度であるため、ウェブブラウザと比較して、総合誤操作頻度は少ない。ユーザはここで、メールソフトを終了してから、しばらくして再びメールソフトを立ち上げている(505b)。このときは、ユーザは総合誤操作頻度に影響する項目の操作をしなかったため、グラフの値は0である。メールソフトをたち下げて再び、このユーザはウェブブラウザを立ち上げ(504b)、ウェブブラウザをたち下げた後に再びメールソフトを立ち上げた(505c)。
【0190】
過去の誤操作の頻度の値の平均値501は、過去の使用者のウェブブラウザ操作中の総合誤操作頻度の平均値である。また、過去の誤操作の頻度の値の平均値502は、メールソフト操作中の総合誤操作頻度の平均値である。さらに、疾病傾向判定値503は、メールソフト操作中の総合誤操作頻度の平均値を定数倍(S29の定数K、S47の定数Nに相当するもの、たとえば、3倍)して求められる閾値であり、メールソフト操作中の総合誤操作頻度が、503よりも大きいときに、脳の異常の疾病(たとえば、一過性脳虚血発作や脳梗塞など)にかかっている可能性が高いと判断し、TMTのテストを開始したりする。
【0191】
なお、図15では、説明を容易にするためウェブブラウザ操作時の総合誤操作頻度504と、メールソフト操作時の総合誤操作頻度505が、図15のタイムチャート上で重ならないようにしているが、これに限らず、同一時間中に重なって両方立ち上がっている場合もある。例えば、メールの文章中にホームページのアドレスが記入されていれば、ユーザはメールソフトを立ち上げながらウェブブラウザを立ち上げることもあるだろう。この場合、メールソフトはウェブブラウザに隠れて画面上には見えなくなる、又はウェブブラウザの下に一部隠れてしまう。この場合、メールソフト操作中とはせずに、ウェブブラウザ操作中と考え、計算する総合誤操作頻度はウェブブラウザのものを採用する。すなわち、504であるとする。
【0192】
また、説明を容易にするために、過去の誤操作の頻度の値の平均値は、図15に示すような値にしている。
【0193】
以下に、本実施形態の変形例について説明する。
(1)本実施形態の誤操作頻度算出処理では、非操作時間を除く誤操作頻度算出タイマにより計時された所定の時間当りの誤操作の回数を求め、その誤操作の回数から誤操作頻度を算出したものであったが、これに限らず、たとえば、誤操作頻度タイマにより計時される所定の時間(一定期間)内の誤操作の回数を求め、その誤操作の回数を全操作回数で割って(誤操作の回数/全操作回数)、誤操作頻度を算出してもよい。
【0194】
なお、この誤操作の回数は、本実施形態で説明したのと、同様に、操作ボタン毎求めてもよいし、誤操作の頻度に応じてグループに区分けして求めてもよい。
(2)本実施形態では、タッチパネル入力疾病傾向処理のキャンセル操作判定処理において、S61によりYESと判断された場合と S62→S63→S64→S65に進む操作が行なわれた場合に、誤操作として判断したが、これに限らず、タッチパネル入力疾病傾向処理のキャンセル操作判定処理において、S61によりYESと判断された場合のみ誤操作と判断し、キー入力疾病傾向処理のキャンセルキー判定処理により、S62→S63→S64→S65に進む操作を行なわれた場合を、誤操作として判断してもよい。
【0195】
このように判断することにより、タッチパネル入力疾病傾向処理においては、使用者が希望する操作箇所の周辺部を操作したことを誤操作として判断することになり、キー入力疾病傾向処理においては、使用者によるキャンセル操作が行なわれたことを契機にして、その一回前の操作を誤操作として判断することができる。
(3)図10のキャンセル操作判定処理では、S62〜S65の処置が行なわれたことにより、キャンセル操作が行なわれたか否かを判断したが、これに限らず、たとえば、選択項目の操作ボタンなど、操作ボタン位置が接近している操作ボタンの誤操作を判断するときには、S65の次のステップに、切換操作した操作ボタンの位置と、一回前の切換操作した操作ボタンの位置が近接(たとえば、5mm以内など)しているか否かを判断するステップ(S65a)を挿入してもよい。
【0196】
これにより、操作ボタンの位置が接近している操作ボタンの誤操作を的確に判断することができる。
【0197】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味およびその範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0198】
【図1】本発明に疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置の外観図である。
【図2】同疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図3】同疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置の表示画面に表示された希望する操作箇所を含むウィンドウ画面を示す図である。
【図4】誤操作が行われたときに表示画面に表示される確認画面を示す図である。
【図5】TMT(精神機能検査方法)を行なうときの表示画面を示す図である。
【図6】疾病傾向推定処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】タッチパネル入力疾病傾向処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】キー入力疾病傾向処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】タッチパネル操作検出処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】キャンセル操作判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】キャンセルキー判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】誤操作頻度算出処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】過去の誤操作頻度算出処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】(a)希望する操作箇所が表示された表示画面を示す図である。(b)拡大させた希望する操作箇所が表示された表示画面を示す図である。
【図15】誤操作の頻度を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0199】
101 PDA、102 タッチパネル、104 キャンセルキー、203 表示手段、204 操作検出手段、206 CPU、207 判定手段、210 送信手段、401 ウィンドウA、402a 選択項目402の操作ボタン、403a 選択項目403の操作ボタン、404 操作ボタン402から所定の範囲、411 ウィンドウB、412 閉ボタン、413 閉ボタンから所定の範囲。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種の画面情報を表示可能とするとともに、前記画面情報の切換えのための指示入力を行なう操作箇所を表示する表示手段と、
前記操作箇所から所定の範囲内が操作されたか否かを検出する操作検出手段と、
前記操作検出手段により前記所定の範囲内が操作されたと判断された場合に、該操作が誤操作か否かを判定する誤操作判定手段と、
該誤操作判定手段により判定された誤操作の頻度を算定する誤操作頻度算出手段と、
該誤操作頻度算出手段により算出された誤操作の頻度の値を記憶する誤操作頻度記憶手段と、
該誤操作頻度記憶手段に記憶されている過去の誤操作の頻度の値により過去の誤操作の頻度の値の平均値を算出する誤操作頻度平均値算出手段と、
前記誤操作頻度算定手段により算定された前記誤操作の頻度の値と前記誤操作頻度平均値算出手段により算定された前記過去の誤操作の頻度の値の平均値から求められた疾病傾向判定値とを比較する比較手段と、
該比較手段による比較の結果、前記誤操作の頻度の値が前記疾病傾向判定値より高い場合に、所定の疾病の傾向を推定する疾病傾向推定手段と、
該疾病傾向推定手段により推定された疾病傾向推定結果を出力する出力手段と、
を有することを特徴とする疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置。
【請求項2】
該疾病傾向推定手段は、前記比較手段による比較の結果、前記誤操作の頻度の値が前記疾病傾向判定値より高い場合に、前記疾病傾向判定値に対する前記誤操作の頻度の値の乖離度に応じて所定の疾病の傾向度を推定する請求項1記載の疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置。
【請求項3】
前記誤操作判定手段は、
前記操作箇所が操作された一回前の操作も前記画面情報の切換えのための前記操作箇所の操作であるか否かを判定する画面切換操作判定手段と、
該画面切換操作判定手段により前記操作箇所が操作された一回前の操作も前記画面情報の切換えのための前記操作箇所の操作であると判定された場合に、該操作箇所が操作されたことにより切換えられた後の画面情報と、一回前の操作により画面情報が切換る前の画面情報とが同一の情報か否かを判定するキャンセル操作判定処理と、
該キャンセル操作判定手段により同一の情報であると判定された場合に誤操作であると判定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置。
【請求項4】
前記誤操作判定手段は、
前回の操作を取消すためのキャンセルキ−が操作されたか否かを判定するキャンセルキ−操作判定手段を有し、
該キャンセルキ−操作判定手段により、前記キャンセルキ−が操作されたと判定された場合に誤操作であると判定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置。
【請求項5】
前記誤操作判定手段は、
前記操作箇所を除く前記操作箇所から所定の範囲内が操作されたか否かを判定する操作箇所周辺操作判定手段とを有し、
該操作箇所周辺操作判定手段により、前記操作箇所を除く前記操作箇所から所定の範囲内が操作されたと検出された場合に誤操作であると判定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置。
【請求項6】
前記疾病傾向推定手段により、前記誤操作の頻度の値が前記疾病傾向判定値より高い場合において、前記疾病傾向判定値に対する前記誤操作の頻度の値の乖離度が所定値以上である場合に、疾病傾向試験を行なう疾病傾向試験処理手段とを有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置。
【請求項7】
前記疾病傾向試験処理手段は、予め定められた順序が表示された表示箇所を表示手段に表示し、該表示手段に表示された表示箇所の順序で指示操作させて、すべての表示箇所を指示操作するのに要した計測時間に応じて疾病傾向を判定し、
前記出力手段は、前記計測時間に応じた疾病傾向の判定結果を出力することを特徴とする請求項6記載の疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置。
【請求項8】
前記出力手段は、疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置の外部のネットワ−ク手段に疾病傾向に関するデータを出力することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置。
【請求項9】
使用者の使用環境が疾病傾向推定機能付情報処理手段を使用するのに適した環境であるか否かを判定する使用環境判定手段をさらに有し、
前記誤操作判定手段は、該使用環境判定手段により使用者の使用環境が疾病傾向推定機能付情報処理手段を使用するのに適した環境でないと判定された場合に,該情報処理手段を使用するのに適した環境でないと判断された期間内の前記操作を誤操作と判定しないことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の疾病傾向推定機能付携帯型情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−141804(P2006−141804A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−337800(P2004−337800)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】