説明

痛みを処置または予防するための組成物および方法

対象における痛みを処置または予防する組成物および方法を、本明細書で開示する。より具体的には、本明細書で開示されるのは、ニコチンアゴニスト、その塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体、およびオピオイドアゴニスト、その塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体、それらの医薬組成物、およびこれら組成物、およびそれらの医薬組成物を対象における痛みを処置または予防するために用いる方法である。また、本明細書で開示されるのは、ニコチンアゴニスト、その塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体、およびオピオイドアゴニスト、その塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、または代謝体を用いて、対象における痛みを処置または予防する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年5月17日に出願された米国仮出願番号60/572,129および2004年5月24日に出願された米国仮出願番号60/574,050、60/574,261、60/574,167、60/574,135、60/574,106、60/574,049、60/574,257、60/574,262、60/574,369および60/574,023からの、35 U.S.C. § 119 (e)に基づく優先権を主張する。
【0002】
1.技術分野
本明細書で開示される方法および組成物は、一般的に対象における痛みの処置または予防に関する。より詳しくは、本明細書の開示は、ニコチンアゴニスト、その塩、水和物、溶媒和物、またはプロドラッグ、および、オピオイドアゴニスト、その塩、水和物、溶媒和物、またはプロドラッグの組成物、それらの医薬組成物、並びに、これらの組成物およびその医薬組成物を、対象における痛みを処置または予防するために使用する方法である。また開示されていることは、ニコチンアゴニスト、その塩、水和物、溶媒和物、またはプロドラッグ、および、オピオイドアゴニスト、その塩、水和物、溶媒和物、またはプロドラッグを用いて対象における痛みを処置または予防する方法である。
【背景技術】
【0003】
2.背景
患者の痛み、典型的には大きな怪我または外科的手術の後、不適切に処置されれば、しばしば、入院の延長、病的状態の悪化、死亡率の増加、慢性痛状態の進展、および予後が危うくなることへ導かれる。オピオイドアゴニストは従来痛みに使用されてきたが、治療有効性にもかかわらず、有効な投与、したがってこれらの麻酔薬の有用性は、呼吸抑制、吐き気、掻痒症(pruritus)、鎮静、便秘および腸閉塞等の重大な副作用によって制限されている。オピオイドアゴニストの他の重大な副作用は、例えば、呼吸、血圧および覚醒(alertness)の低下等の中枢神経系抑制による。
【0004】
NSAID等のオピオイドの用量を少なくする補助剤の開発に応じて、オピオイドの副作用が調べられてきた(O'Hara et al., Pharmacotherpy 1997, 17 (5): 891; Alexander et al., J. Clin. Anesth. 2002, 14 (3): 187; Ng et al., Br. J. Anaesth 2002, 88 (5): 714)。しかしながら、従来のNSAIDの用量は、よく知られている副作用により制限され、一方、COX-2選択的薬剤は心血管系の副作用の恐れがある。
【0005】
ニコチンアゴニストは、例えば、運動障害、中枢または自律神経系の機能障害、神経変性疾患、心血管疾患、けいれん性疾患、薬物依存および摂食疾患を含む多様な状態の処置に使用されてきた。ニコチンアゴニストの薬理学的作用は、とりわけ脳および脊髄で発現しているニコチン性アセチルコリン受容体によって仲介される(Woolf, Progress in Neurobiology 1991, 37:475-524; MacDermott et al., Annu Rev Neurosci 1999, 22; 443-485)。ニコチン性アセチルコリン受容体を作動させると、例えば、心拍および血圧の適度な増加および穏やかな鎮痛を含む、広い範囲の薬理作用を導く。
【0006】
多重機能を有するニコチン性アセチルコリン受容体のサブタイプはヒト脳で発現し、5量体リングに配置されたαおよびβサブユニットの複合体で構成されている。一般的に、受容体は3個のβおよび2個のαサブユニットまたは5個のαサブユニットを含む。現在、9個の相違するαサブユニット型と3個の相違するβサブユニット型が、脳で同定されている。サブユニットα7-10は、ホモ5量体ニコチン受容体を形成することができる。
【0007】
理想的には、オピオイド補助薬は、望まれる治療効果に相乗効果を有し得る、したがって、鎮痛に必要なオピオイドアゴニストの有効用量を減少させ、一方でオピオイドの副作用を弱める。したがって、そのような補助薬は、オピオイドアゴニストの有効用量を減少させ、治療的相乗効果を提供するために要求される用量で、毒性は存在しないであろう。よって、必要とされているのは、鎮痛の性質および/または抗炎症の性質を有するオピオイド補助薬であり、中枢神経刺激薬である。
【発明の開示】
【0008】
3.要約
これらのおよび他の要求は、ニコチンアゴニスト、その塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体、およびオピオイドアゴニスト、その塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体、それらの医薬組成物を含む組成物、および対象における痛みを処置または予防するために、これらの組成物およびその医薬組成物を用いる方法により満たされる。また、本明細書で開示されるのは、ニコチンアゴニスト、その塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体およびオピオイドアゴニスト、その塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体を用いて、痛みを処置する方法であり、ここで、ニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体およびオピオイドアゴニスト、その塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体の組み合わせの治療指数は、オピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体の治療指数、またはニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、または代謝体の治療指数と実質的に同等またはそれより大きい。上記態様のいくつかでは、オピオイドアゴニストはオンセットの早いオピオイドアゴニストである。理論に縛られることを望まずに、ニコチンアゴニストの刺激特性および鎮痛特性および/または抗炎症特性は、それぞれオピオイド副作用を低減することができ、オピオイドと一緒になって治療的相乗効果を与え得る。
【0009】
第一の態様では、治療的有効量のニコチンアゴニストまたはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体、および治療的有効量のオピオイドアゴニストまたはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、オピオイドアゴニストはオンセットの早いアゴニストである。
【0010】
他の実施態様において、医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、治療的有効量のニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体、および治療的有効量のオピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体、および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物が提供される。他の実施態様において、治療的有効量のニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体、および治療的有効量のオンセットの早いオピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体および医薬的に許容される担体を含む医薬組成異物が提供される。
【0011】
更なる他の実施態様において、対象において痛みを処置または予防する方法が提供される。いくつかの実施態様では、これらの方法は、上記組成物および医薬組成物を、係る処置または予防が必要な対象に投与することを含む。他の実施態様において、ニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、または代謝物およびオピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体が、対象に投与され、ここで、ニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体とオピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体の組み合わせの治療指数は、オピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体の治療指数、またはニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体の治療指数と実質的に同等かまたはそれ以上である。上記実施態様のいくつかでは、オピオイドアゴニストはオンセットの早いオピオイドアゴニストである。
【0012】
4.図面の簡単な説明
図1は、マウス足切開モデルにおけるフェンタニルおよびニコチンの用量反応曲線を示す。
図2は、マウス足切開モデルにおけるフェンタニルの用量反応曲線を示す。
図3は、マウス足切開モデルにおけるフェンタニルおよびニコチンの用量反応曲線を示す。
図4は、ニコチンの用量は一定で、フェンタニルの用量を変化させた、マウス足切開モデルにおけるモルヒネおよびニコチンの用量反応曲線を示す。
【0013】
5.詳細な説明
5.1 定義
本明細書で使用される「代謝体」は、オピオイドアゴニストまたはニコチンアゴニストのいずれかの代謝により産生されるいずれかの物質を言う。
【0014】
本明細書で使用される「医薬的に許容される担体」は、本明細書で開示されるニコチンアゴニストおよび/またはオピオイドアゴニストと共に投与される、希釈剤、アジュバント、賦形剤または担体を言う。
【0015】
本明細書で使用される「予防する」または「予防」は、ある実施態様において、身体的に(例えば、認識できる症状の安定化)または生理学的に(例えば、身体的パラメーターの安定化)のいずれか、または両方で、痛みを阻害することを言う。他の実施態様では、「予防する」または「予防」は、痛みのオンセットを遅延させることを言う。
【0016】
本明細書で使用される「プロドラッグ」は、体内で活性薬剤を放出するために変換を必要とするオピオイドアゴニストまたはニコチンアゴニストの誘導体を言う。プロドラッグは、しばしば、必ずしもそうではないが、親薬剤に変換されるまで薬理学的に不活性である。例えば、ヒドロキシル含有薬剤は、スルホン酸塩、エステルまたは炭酸塩プロドラッグに変換されることができ、インビボで加水分解されてヒドロキシル化合物を提供する。例えば、アミノ含有薬剤は、カルバメート、アミド、エナミン、イミン、N−ホスホニル、N−ホスホリル、またはN−スルフェニルプロドラッグに変換されることができ、インビボで加水分解されてアミン化合物を提供する。例えば、カルボン酸薬剤は、エステル(シリルエステル類およびチオエステル類)、アミドまたはヒドラジドプロドラッグに変換されることができ、インビボで加水分解されてカルボン酸化合物を提供する。上記に記載された以外のプロドラッグは、当業者によく知られ、本開示の範囲内である。
【0017】
本明細書で使用される「オンセットの早いオピオイドアゴニスト」は、ボーラス静脈内投与の後に10分以内で効果のピークに達するオピオイドアゴニストを言う。例えば、ヒドロモルフォン、メタドン、メペリジン、スフェンタニル、フェンタニル、アルフェンタニル(alfentanil)およびレミフェンタニル(remifentanil)が、オンセットの早いオピオイドであり、一方、モルヒネはオンセットの早いオピオイドではない。
【0018】
本明細書で使用される「塩」は、親化合物の所望の薬理学的活性を有する、オピオイドアゴニストまたはニコチンアゴニストの塩を言う。かかる塩には、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸と形成する;または、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクト-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトニック酸(glucoheptonic acid)、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、t-ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等の有機酸で形成される、酸付加塩;または(2)親化合物に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、またはアルミニウムイオンで置換されるとき;または、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミン等の有機塩基と配位するとき、形成される塩が含まれる。
【0019】
本明細書で使用される「対象」は、限定はされないが、家畜およびヒトを含む、哺乳類を言う。いくつかの実施態様において、対象はヒト女性である。
【0020】
本明細書で使用される「処置する」または「処置」は、いくつかの実施態様において、痛みを改善すること(例えば、痛みまたはその臨床症状の少なくとも1つの発生を阻止または軽減すること)を言う。他の実施態様において、「処置する」または「処置」は、対象によって認識されなくてもよい、少なくとも一つの痛みの身体的パラメーターを改善することを言う。
【0021】
本明細書で使用される「治療的有効量」は、痛みを処置または予防するために患者に投与されるとき、かかる痛みの処置または予防に十分効果がある、ニコチンアゴニストまたはオピオイドアゴニストの量を言う。「治療的有効量」は、アゴニスト、疾患およびその重篤度および処置される対象の年齢、体重等に依存して変わり得る。
【0022】
本明細書で使用される「治療的有効なライフタイム」は、アゴニストが痛みの処置または予防に有効である、ニコチンアゴニストまたはオピオイドアゴニストのライフタイム(すなわち、時間の量)を言う。「治療的有効なライフタイム」は、アゴニスト、疾患およびその重篤度、および処置される対象の年齢、体重等に依存して変化し得る。
【0023】
詳細に、多様な実施態様が参照される。本発明はこれらの実施態様に限定されないことは理解されるであろう。反対に、許可された請求の範囲の精神および範囲内に含まれる、変化、修飾、および均等をカバーすることを意図する。
【0024】
5.2 ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストの組成物
ニコチンアゴニスト、その塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体およびオピオイドアゴニスト、その塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝体およびそれらの医薬組成物を含む組成物が、本明細書で記載されている。理論に縛られるのは望まないが、ニコチンアゴニストは、付加的または相乗的効果により、痛みを処置および/または予防するのに要求されるオピオイドアゴニストの用量を低減し得る。一般的に、ニコチンアゴニストによる副作用は中枢神経系の活性化を含み、一方、オピオイドアゴニストの副作用は、中枢神経系の抑制を含む。したがって、組み合わせとして送達されるとき、二つのアゴニストの最終的な毒性は相殺され得る。よって、オピオイド鎮痛薬の治療濃度域は、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストを含む組成物により増大され得る。付加的または相乗的効果にはニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストの共放出が必要であり得る。
【0025】
一般的に、ニコチンアゴニストはニコチン受容体を活性化する化合物である。ニコチンアゴニストには、限定はされないが、ニコチン、メタ−ニコチン、DMPP、DMAC、3-2,4-ジメトキシベンジルイデンアナバシン(DMBXアナバシン)、コリン、アセチルコリン、シチシン、GTS 21、DMPP、DMAC、エピバチジン (Quian et al., 米国特許番号6,077,846)、ABT 418、ABT 594 (Decker et al., Curr Top Med Chem. 2004, 4:369-384; Michelmore et al. Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol 2002, 366(3): 235-45)、SIB 1508 および SIB 1558 (Jain, Curr Opin Investig Drugs 2004, 5(1): 76-81) が含まれる。いくつかの実施態様において、ニコチンアゴニストはニコチンである。他の実施態様において、ニコチンは(+)対掌体である。更なる他の実施態様において、ニコチンは(−)対掌体である。更なる他の実施態様において、ニコチンは(+)対掌体および(−)対掌体の混合物である。更なる他の実施態様において、ニコチンアゴニストは、メタ−ニコチン(meta-nicotine)である。
【0026】
更なる他の実施態様において、ニコチンアゴニストは、α7ニコチン受容体に選択的である。α7ニコチン受容体は、α7サブユニットのみを含むことができ、または、あるいは、他のニコチンサブタイプのサブユニットと一緒になったα7サブユニットで構成され得る。したがって、いくつかの実施態様において、ニコチン受容体はホモ5量体であり、他の実施態様では、ニコチン受容体はヘテロ5量体である。
【0027】
いくつかの実施態様において、ニコチンアゴニストは、他のニコチン受容体に比較して2倍以上α7ニコチン受容体を活性化するとき、α7ニコチン受容体に選択的である。他の実施態様において、ニコチンアゴニストは、他のニコチン受容体に比較して5倍以上α7ニコチン受容体を活性化するとき、α7ニコチン受容体に選択的である。更なる他の実施態様において、ニコチンアゴニストは、他のニコチン受容体に比較して10倍以上α7ニコチン受容体を活性化するとき、α7ニコチン受容体に選択的である。更なる他の実施態様において、ニコチンアゴニストは、他のニコチン受容体に比較して20倍以上α7ニコチン受容体を活性化するとき、α7ニコチン受容体に選択的である。更なる他の実施態様において、ニコチンアゴニストは、他のニコチン受容体に比較して50倍以上α7ニコチン受容体を活性化するとき、α7ニコチン受容体に選択的である。
【0028】
選択的α7受容体アゴニストには、限定はされないが、ABT-418、コカイン メチオダイド(cocaine methiodide)、3-2,4-ジメトキシベンジルイデン アナバシン(DMXB-A)、3-(4-ヒドロキシベンジルイデン)アナバシン、3-(4-メトキシベンジルイデン)アナバシン、3-(4-アミノベンジルイデン)アナバシン、3-(4-ヒドロキシ-2-メトキシベンジルイデン)アナバシン、3-(4-メトキシ-2-ヒドロキシベンジルイデン)アナバシン、トランス-3-シンナミルイデン アナバシン、トランス-3-(2-メトキシ-シンナミルイデン)アナバシン、およびトランス3-(4-メトキシシンナミルイデン)アナバシン、N-[(3R)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル]-4-(4-ヒドロキシフェノキシ)ベンズアミド、N-[(3R)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル]-4-(4-アセトアミドフェノキシ)ベンズアミド、N-[(3R)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル]-4-(フェニルスルファニル)ベンズアミド、およびN-[(3R)-1-アザビシクロ [2.2.2]オクト-3-イル]-4-(3-クロロフェニルスルホニル)ベンズアミド、(l-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル)カルバミン酸 1-(2-フルオロフェニル)-エチルエステルおよびTraceyら、国際公開番号2004/0502365に開示された化合物を含む。
【0029】
オピオイドアゴニストは、限定はされないが、フェンタニル、ヒドロモルフォン、アルフェンタニル、レミフェンタニル、カーフェンタニル、スフェンタニル、ブトルファノール、ブプレノルフィン、ペンタゾシン、メペリジン、オキシコドン、オキシモルフォン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、コデイン、メタドン、ジアセチルモルヒネ、モルヒネ、エトルフィン(etrophine)、レボルファノール、オキシコドン、オキシモルフォン、ナルトレキソン、ナルブフィン、ナロルフィン、ブプレノルフィン、コデイン、ジアセチルモルヒネ、ジヒドロコデイン、ジヒドロエトルフィン、ジプレノルフィン(diprenorphine)、エトルフィン、酢酸レボメタディル塩酸塩(levomethadyl actetate hydrochloride)、レボルファノール、ロフェンタニル(lofentanil)、メペリジン、ナロキソン、メチルナルトレキソン、β-ヒドロキシ-3-メチルフェンタニル、N-メチルナルトレキソン、ノルモルヒネ、プロポキシフェン、チリジン、テバイン、ナルブフィン、ナルメフェン、ネオピン(neopine)、ペノモルフォン(penomorphone)およびトラマドールを含む。いくつかの実施態様において、オピオイドアゴニストは、オンセットの早いアゴニストである。他の実施態様において、オピオイドアゴニストは、スフェンタニル、フェンタニル、オキシコドン、ヒドロコドンまたはヒドロモルフォンである。更なる他の実施態様において、オピオイドアゴニストはフェンタニルである。
【0030】
いくつかの実施態様において、ニコチンアゴニストはニコチンであり、オピオイドアゴニストは、スフェンタニル、オキシコドン、ヒドロコドンまたはヒドロモルフォンである。他の実施態様において、ニコチンアゴニストは(+)ニコチンであり、オピオイドアゴニストはフェンタニルである。更なる他の実施態様において、ニコチンアゴニストは(−)ニコチンであり、オピオイドアゴニストはフェンタニルである。更なる他の実施態様において、ニコチンアゴニストは(+)ニコチンであり、オピオイドアゴニストはモルヒネである。更なる他の実施態様において、ニコチンアゴニストは(−)ニコチンであり、オピオイドアゴニストはモルヒネである。
【0031】
本明細書で使用されるあらゆるニコチンアゴニストおよび/またはオピオイドアゴニストの名前は、可能な互変異性体または立体配座形態の一つのみを表すので、ニコチンアゴニストおよび/またはオピオイドアゴニストのいずれの互変異生体または配座異性体並びにこれらのあらゆる相違する異性体形態の混合物が本願の開示に包含される。
【0032】
本明細書で記載されているニコチンアゴニストおよび/またはオピオイドアゴニストは、また、一またはそれ以上の原子が天然で通常認められる原子量と相違する原子量を有する、アイソトープで標識されたニコチンアゴニストおよび/またはオピオイドアゴニストを含む。本明細書で使用されるニコチンアゴニストおよび/またはオピオイドアゴニストに組み込まれ得るアイソトープの例は、限定はされないが、2H、3H、11C、13C、14C、15N、18O、17O等である。本明細書で記載されるニコチンアゴニストおよび/またはオピオイドアゴニストは、非溶媒和の形態で、ならびに溶媒和の形態で存在することができ、水和物形態およびN-オキシドとして、を含む。一般的に、ニコチンアゴニストおよび/またはオピオイドアゴニストは、水和され、溶媒和され、またはN−オキシドであり得る。あるニコチンアゴニストおよび/またはオピオイドアゴニストは、多様な結晶構造またはアモルファスの形態で存在し得る。全ての物理的形態は、本発明で企図されている使用のために等価である。
【0033】
本開示は、また、痛みの鎮痛補助剤としてのニコチンアゴニストの使用を適用とするラベルと共に、その中にニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストを有するパッケージングされた物質を含む製品を提供する。
【0034】
5.3 使用する治療方法
ある実施態様において、治療的有効量のニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物、および治療的有効量のオピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物、またはそれらの医薬組成物を含む組成物は、痛みの治療および/または予防をするために対象に投与される。本明細書では、また、ニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物、およびオピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物の組み合わせを用いて、痛みを処置する方法を開示し、ここで、ニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物、およびオピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物の組み合わせの治療指数は、オピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物の治療指数、またはニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物の治療指数と実質的に同等か、それより大きい。
【0035】
他の実施態様において、治療的有効量のニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物、および治療的有効量のオンセットの早いオピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物、またはそれらの医薬組成物を含む組成物は、痛みの治療および/または予防をするために対象に投与される。いくつかの実施態様において、ニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物、およびオンセットの早いオピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物の組み合わせの治療指数は、オンセットの早いオピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物の治療指数、またはニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物の治療指数と実質的に同等か、それより大きい。
【0036】
更なる他の実施態様において、治療的有効量のニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物、および治療的有効量のオピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物が、痛みを治療するおよび/または予防するために対象に投与され、ここで、ニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物、およびオピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物の治療指数は、オピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物の治療指数、またはニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物の治療指数と実質的に同等か、それより大きい。
【0037】
いくつかの実施態様において、治療的有効量のニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、またはプロドラッグ、および治療的有効量のオンセットの早いオピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、またはプロドラッグが、痛みを治療するおよび/または予防するために対象に投与される。更なる他の実施態様において、ニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物、およびオンセットの早いオピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物の治療指数は、オンセットの早いオピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物の治療指数、またはニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物の治療指数と実質的に同等か、それより大きい。
【0038】
本明細書で開示される方法により処置され得る痛みの種類は、限定はされないが、急性疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、急性外傷痛、関節痛、骨関節炎痛(osteoarthritic pain)、関節リウマチ痛(rheumatoid arthritic pain)、筋肉骨格痛(muscular skeletal pain)、歯科手術後痛(post dental surgical pain)、歯痛(dental pain)、筋膜疼痛(myofascial pain)、癌性疼痛(cancer pain)、内臓痛、糖尿病性疼痛(diabetic pain)、筋肉痛、ヘルペス後神経痛(post herpetic neuralgic pain)、慢性骨盤痛、子宮内膜症痛、骨盤炎症性疼痛および分娩関連痛(child birth related pain)を含む。急性疼痛は、限定はされないが、急性外傷痛または手術後疼痛を含む。慢性疼痛は、限定はされないが、神経因性疼痛、関節痛、骨関節炎痛、関節リウマチ痛、筋肉骨格痛、歯痛、筋膜疼痛、癌性疼痛、糖尿病性疼痛、内臓痛、筋肉痛、ヘルペス後神経痛、慢性骨盤痛、子宮内膜症痛、骨盤炎症性疼痛、および背痛を含む。いくつかの実施態様において、対象がヒト女性のとき、慢性疼痛は、とりわけ、慢性骨盤痛、子宮内膜症痛、骨盤炎症性疼痛および分娩関連痛を含む。
【0039】
いくつかの実施態様において、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストは、痛みの処置または予防のために、対象に同時に投与される。例えば、ニコチンアゴニストは、オピオイドアゴニストの治療的有効なライフタイムを超えて、放出され得る。他の実施態様において、とりわけニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストが同一の組成物またはそれらの医薬組成物の一部でないとき、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストは、順次的におよび同時に投与され得る。
【0040】
理論に縛られることは望まないが、オピオイドアゴニストの治療的有効なライフタイムを超えて、治療的有効量のニコチンアゴニストを維持することは、有効な相乗性または相加性に必要であり得る。ニコチンアゴニストのクリアランスは、多くのオピオイドアゴニストに比較して早い可能性があるので、治療的有効量のニコチンアゴニストの維持には、順次的に実施されるのであれば、一定の投与間隔でニコチンアゴニストを頻回投与することが要求される。あるいは、ニコチンアゴニストとオピオイドアゴニストが同時に投与されるならば、治療的有効量のニコチンアゴニストの維持には、ニコチンアゴニストの持続放出または持続的な注入が要求される。
【0041】
5.4 医薬組成物
本明細書で開示される医薬組成物は、対象へ適切に投与するための形態を提供するために、治療的有効量のニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物、およびオピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物を、適切な量の医薬的に許容される媒体と共に含む。本明細書では、また、治療的有効量のニコチンアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物および医薬的に許容される媒体を含む医薬組成物、およびオピオイドアゴニスト、またはその塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝物および医薬的に許容される媒体を含む医薬組成物を提供する。
【0042】
適切な医薬的媒体には、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、モルト、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロール者ステアレート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノール等の賦形剤を含む。本発明の医薬組成物は、必要ならば、また、少量の湿潤剤、乳化剤またはpH緩衝剤を含み得る。さらに、助剤、安定化剤、増粘剤、平滑剤および着色剤が使用され得る。
【0043】
医薬組成物は、従来の混合、溶解、造粒、糖衣製造、粉末化、乳化、カプセル化、封入、または凍結乾燥の工程の手段により、製造され得る。医薬組成物は、組成物および本明細書で開示される化合物を医薬的に使用されることができる製剤に加工することを促進する、一またはそれ以上の医薬的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、または助剤を用いて、従来の方法で製剤化され得る。適切な製剤化は、選択される投与経路に依存する。
【0044】
本発明の医薬組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤、ピル、ペレット、カプセル、液体を含むカプセル、粉末、徐放性製剤、坐薬、エマルジョン、エアロゾル、スプレー、懸濁液の形態、または当業者に知られている使用に適した何れかの形態を取り得る。いくつかの実施態様において、医薬的に許容される媒体はカプセルである(例えば、Grosswaldら、米国特許番号5,698,155参照)。適切な医薬的媒体の他の例は、文献に記載されている(Remington's Pharmaceutical Sciences, Philadelphia College of Pharmacy and Science, 19th Edition, 1995、参照)。
【0045】
経口投与のための医薬組成物は、医薬的に口当たりがいい製剤を提供するために、例えば、錠剤、トローチ剤、水性または油性懸濁液、顆粒、粉末、エマルジョン、カプセル、シロップ、スラリー、懸濁液、またはエリキシルの形態であり得る。経口で投与される組成物は、例えば、フルクトース、アスパルテームまたはサッカリン等の甘味料、ペパーミント、ウィンターグリーン油、またはチェリー着色剤等の香味料、および保存料等の、一またはそれ以上の任意の薬剤を含み得る。さらに、錠剤またはピル形態のとき、組成物は胃腸管で崩壊および吸収を遅らせるようにコートされることができ、それにより、長時間にわたり作用が持続する。経口組成物は、例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム 、スクロース、ソルビトール、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム(gum tragacanth)、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)、造粒剤、結着剤、および交差架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸、またはアルギン酸ナトリウムのようなそれらの塩、のような崩壊剤、等の標準的な媒体を含むことができる。
【0046】
いくつかの実施態様において、医薬組成物は、活性成分の崩壊および放出が、口腔内、一般的には口腔粘膜を通して起こる、トローチまたはロリポップの形態である。これらの実施態様のために、緩衝剤が、薬剤または組成物の送達のための最適な環境を提供するために、また、使用され得る。付加的な成分には、例えば、甘味料、結合剤、希釈剤、崩壊剤、平滑剤等を含み得る。いくつかの実施態様において、ニコチンアゴニストが豊富なコーティングが、口腔系粘膜的(トローチまたはロリポップ)送達系の外側に適用され、ニコチンアゴニストの効果の最初のオンセットが促進される。口腔経粘膜送達系を用いた送達の独立した速度は、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストの相対的な濃度を調整することにより、および/または独立して口腔内での放出速度を制御する相違するポリマーを、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストに用いることにより、達成され得る。
【0047】
更なる他の実施態様において、医薬組成物は活性成分の崩壊および放出が舌下で起こり、本明細書で開示された組成物および/または化合物が口腔粘膜を通して吸収される、溶解舌下錠である。これらの実施態様において、緩衝剤が、また、薬剤それぞれの送達に対して最適な環境を提供するために使用され得る。付加的な成分には、例えば、甘味料、結合剤、希釈剤、崩壊剤等を含み得る。さらに、ニコチンアゴニストを含む容易に溶解されるコーティングが、舌下錠の外側に適用されることができ、ニコチンアゴニストの効果の最初のオンセットを促進することができる。舌下錠を用いた独立した送達速度は、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストで相違するポリマーを用い、よって、これらの薬剤の口腔内への放出速度を独立して制御することによって、成し遂げられ得る。
【0048】
本明細書で開示された組成物および/または化合物に係わる方法は、また、持続放出を提供する多くの相違する投与形態で実施される。
【0049】
いくつかの実施態様において、投与形態は、崩壊または拡散のとき、本明細書に開示された組成物および/または化合物が、長時間にわたり、好ましくは少なくとも6時間にわたり、さらに好ましくは少なくとも8時間にわたり、そして、よりさらに好ましくは少なくとも12時間にわたり、そして、最も好ましくは少なくとも24時間にわたり、放出されるビーズを含む。ビーズは、本明細書で開示された組成物および/または化合物、および、任意の平滑剤、抗酸化剤および緩衝剤を含む、医薬的に許容される媒体を含む、中心の組成またはコアを有し得る。ビーズは、直径約1から約2mmの医薬調製物であり得る。個々のビーズは、本明細書で開示される組成物および/または化合物の投与量を含み得る。いくつかの実施態様において、ビーズは、非交差架橋物質で形成され、胃腸管からのそれらの放出が促進される。ビーズは、持続放出プロファイルを与える、放出速度制御ポリマーでコーティングされ得る。
【0050】
持続放出ビーズは、治療的有効な投与のために、錠剤に製造され得る。ビーズは、例えば、アクリルレジンでコートした複数のビーズを直接圧縮し、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのような賦形剤と混合することによりマトリックス内で製造される。ビーズの製造は、錠剤の製造が文献(Pharmaceutical Sciences, by Remington, 17th Ed, Ch. 90, pp 1603-1625 (1985))で開示されているように、本分野(Lu, Int. J. Pharm. 1994, 112, 117-124; Pharmaceutical Sciences by Remington, 14th ed, pp 1626-1628 (1970); Fincher, J. Pharm. Sci. 1968, 57, 1825-1835; Benedikt, 米国特許番号4,083,949)で開示されている。
【0051】
他の実施態様において、経口持続放出ポンプが使用され得る(Langer, supra; Sefton, 1987, CRC Crit Ref Biomed. Eng. 14:201; Saudek et al., 1989, N. Engl. J Med. 321:574)。
【0052】
更なる他の実施態様において、ポリマー材料が使用され得る("Medical Applications of Controlled Release,"Langer and Wise (eds.), CRC Press., Boca Raton, Florida (1974); "Controlled Drug Bioavailability," Drug Product Design and Performance, Smolen and Ball (eds.), Wiley, New York (1984); Langer et al., 1983, J Macromol. Sci. Rev. Macromol Chem. 23:61; Levy et al., 1985, Science 228: 190; During et al., 1989, Ann. Neurol. 25:351; Howard et al., 1989, J. Neurosurg. 71:105 参照)。いくつかの実施態様において、ポリマー材料は経口持続放出送達に使用される。かかるポリマーには、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース(最も好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)が含まれる。他のセルロースエーテルは(Alderman, Int. J. Pharm. Tech. & Prod. Mfr. 1984, 5(3) 1-9)に記載されている。薬剤放出に影響する要因は当業者によく知られており、文献(Bamba et al., Int. J. Pharm. 1979, 2, 307)に記載されている。
【0053】
更なる他の実施態様において、腸溶性コートされた製剤が経口持続放出投与に使用され得る。コーティング物質には、例えば、pH依存性の溶解性を有するポリマー(例えば、pH−制御放出)、遅いまたはpH依存性の、膨潤、溶解(dissolution)、または浸食(erosion)の速度を有するポリマー(例えば、時間−制御放出)、酵素によって分解されるポリマー(例えば、酵素−制御放出)および圧力の増加によって破壊されるフィルム層を形成するポリマー(例えば、圧力−制御放出)を含む。
【0054】
更なる他の実施態様において、薬剤放出脂質マトリックスが経口持続放出投与に使用され得る。例えば、本明細書に記載されている組成物および/または化合物の固体微小粒子は、Farah et al., 米国特許番号6,375,987およびJoachim et al., 米国特許番号6,379,700に記載されているように、脂質(例えば、ベヘン酸グリセリン(glyceryl behenate)および/またはパルミトステアリン酸グリセリン(glyceryl palmitostearate))の薄い制御放出層でコートされ得る。脂質−コート粒子は、場合により錠剤を形成するために圧縮され得る。持続放出経口投与に適した他の制御放出脂質基板マトリックス物質は、Roussin et al., 米国特許番号6,171,615に開示されたポリグリコール化されたグリセリンを含む。
【0055】
更なる他の実施態様は、ワックスが経口持続放出投与に使用され得る。適切な持続放出ワックスの例は、Cain et al., 米国特許番号3,402,240(カルナウバワックス、キャンデディラワックス(candedilla wax)、エスパルトワックスおよびオウリキュリーワックス(ouricury wax));Shtohryn et al., 米国特許番号4,820,523(水素化植物油、蜜ろう、カルナウバワックス、パラフィン、キャンデディラ、オゾケライトおよびそれらの混合物);Walters, 米国特許番号4,421,736(パラフィンとキャスターワックスの混合物)に開示されている。
【0056】
更なる他の実施態様において、浸透圧送達系が経口持続放出投与に使用される(Verma et al., Drug Dev. Ind. Pharm. 2000, 26:695 708)。いくつかの実施態様において、Alza Corporation(Mountain View, CA)製のOROS(登録商標)システムが、経口持続放出送達デバイスのために使用される(Theeuwes et al., 米国特許番号3,845,770; Theeuwes et al., 米国特許番号3,916,899)。
【0057】
更なる他の実施態様において、制御放出システムが、本明細書に開示される組成物および/または化合物の標的の近傍に設置されることができ、したがって、全身投与の用量のほんの一部が必要とされる(Goodson, in "Medical Applications of Controlled Release," supra, vol. 2, pp. 115-138 (1984) 参照)。他の制御−放出システムがLanger, 1990, Science 249:1527-1533で議論され、また使用され得る。
【0058】
更なる他の実施態様において、投与形態は、ポリマー基質の上にコートされた本明細書に開示の組成物および/または化合物を含む。ポリマーは浸食性または非浸食性のポリマーであり得る。コートされた物質をそれ自体の上に折り重ね、二層薬剤投与形態を提供し得る。例えば、本明細書で記載された組成物および/または化合物を、ポリペプチド、コラーゲン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリオルトエステル、ポリアセチル、またはポリオルトカーボネート等のポリマーの上にコートすることができ、コートされたポリマーをそれ自体の上に折り重ね、二層ラミネート投与形態を提供する。実施においては、生体内分解性投与形態は、制御された速度で分解し、組成物および/または化合物を持続された放出の期間にわたり分配する。生体内分解性ポリマーの例は、生体分解性ポリ(アミド)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(エステル)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(糖)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オルトカーボネート)、ポリ(アセチル)、ポリ(アンヒドライド)、生体分解性ポリ(ジヒドロピラン)、およびポリ(ジオキシノン(dioxinone))からなる群から選択される一員を含み、これらは、本分野(Rosoff, Controlled Release of Drugs, Chap. 2, pp. 53-95 (1989); Heller et al., 米国特許番号3,811,444; Michaels, 米国特許番号3,962,414; Capozza, 米国特許番号4,066,747; Schmitt, 米国特許番号4,070,347; Choi et al., 米国特許番号4,079,038; Choi et al., 米国特許番号4,093,709)で知られている。
【0059】
他の実施態様において、投与形態は、ポリマーを通して拡散することによって、または穴を通して流動することによって、またはポリマーマトリックスの破裂によって、薬剤を放出するポリマー中に取り込まれている、本明細書に記載される組成物および/または化合物を含む。薬剤送達ポリマー投与形態は、ポリマーの中または上に均一に含まれる10mgから2500mgの濃度を含む。投与形態は、投与量送達の開始時に、少なくとも一つの暴露された表面を含む。非暴露表面は、存在するとき、薬剤の通過に対して不浸透性の医薬的に許容可能な物質でコーティングされる。投与形態は、当業者に知られる手順によって製造され得る。投与形態を提供する例には、上昇した温度(例えば、37℃)で、既知濃度の、本明細書で開示されている組成物および/または化合物を、ポリエチレングリコールのような医薬的に許容される担体と混合し、そして、それをシラスティック医薬グレードエラストマーに、例えばオクタン酸塩のようなクロスリンク剤と一緒に添加し、その後型中で鋳造する。工程はそれぞれの任意の連続層のために繰り返される。システムを約1時間固めて、投与形態を提供する。投与形態を製造するためのポリマーの例は、オレフィンおよびビニルポリマー、付加重合体、縮合重合体、糖ポリマー、およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルアクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリアルギネート、ポリアミドおよびポリシリコンで代表されるようなシリコンポリマーからなる群から選択される一員を含む。それらを製造するためのポリマーおよび手順は、従来技術(Coleman et al., Polymers 1990, 31, 1187-1231; Roerdink et al., Drug Carrier Systems 1989, 9,57-10; Leong et al, Adv. Drug Delivery Rev. 1987, 1, 199-233; Roff et al., Handbook of Common Polymers 1971, CRC Press; Chien et al., 米国特許番号3,992,518)に記載されている。
【0060】
他の実施態様において、投与形態は複数の小さな錠剤を含む。短時間放出錠剤は、24時間までの延長された時間に渡って、持続放出薬物送達プロファイルを達成するための、様々な時間投与を提供する多くの個々の用量を提供する。マトリックスは、ポリサッカライド、寒天、アガロース、天然ゴム、アルギン酸ナトリウムを含むアルカリアルギネート、カラギーナン、フコイダン、フルセララン、ラミナラン、カズノイバラ(hypnea)、アラビアゴム、ガティガム、カラヤゴム、トラガカントゴム、ローカストビーンガム、ペクチン、アミロペクチィン、ゼラチン、および親水性コロイドからなる群から選択される親水性ポリマーを含む。親水性マトリックスは4〜50の複数の小錠剤を含み、小錠剤のそれぞれには、10ng、0.5mg、1mg、1.2mg、1.4mg、1.6mg、5.0mg等からの用量集団を含む。小錠剤は、0.001mmから10mmまでの厚さの放出速度制御層を含み、薬物の時間放出が提供される。例示的な層形成物質は、グリセリルトリステアレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジパルミネート、グリセリルラウレート、グリセリルジデセノエートおよびグリセリルトリデセノエートからなる群から選択されるトリグリセリルエステルを含む。他の層形成物質は、ポリ酢酸ビニル、フタレート、メチルセルロースフタレートおよび微小孔性オレフィンを含む。小錠剤を製造する方法は、Urquhart et al., 米国特許番号4,434,153; Urquhart et al., 米国特許番号4,721,613; Theeuwes, 米国特許番号4,853,229; Barry, 米国特許番号2,996,431; Neville, 米国特許番号3,139,383; Mehta, 米国特許番号4,752,470、に開示されている。
【0061】
他の実施態様において、投与形態は、本明細書で開示される組成物および/または化合物を含む治療的組成物を囲む、半透性の壁を含む、他の浸透圧性の投薬形態を含む。対象内での使用において、均質な組成物を含む浸透圧性の投薬形態は、半透性の壁を横切る濃度勾配に応じて、半透性の壁を介して投与形態中に液体を吸収する。投与形態中の治療的組成物は、浸透圧の相違を進展させ、よって、治療的組成物は24時間までの(または、ある場合は30時間までの)長時間に渡り、投与形態の出口を通り投与され、制御された持続性の放出を提供する。これらの送達プラットホームは、即時放出製剤のスパイクされたプロフィールと反対に、本質的に0次送達を提供することができる。
【0062】
他の実施態様において、投与形態は、区画を囲む壁であって、液体の通過に対し透過性であり、区画内に存在する本明細書で開示された組成物および/または化合物の通過に対して実質的に透過性でない、半透性のポリマー組成物を含む壁、区画内の薬物含有層組成物、液体を吸収し、吸い上げてサイズが拡大し、投薬形態から薬剤組成物層を押し出すための浸透圧製剤を含む区画内のヒドロゲル押出層組成物、および組成物を放出するための壁内の少なくとも一つの通路を含む、他の浸透圧性の投与形態を含む。本方法は、本明細書に開示される組成物および/または化合物を、押出層を拡大させる半透性の壁の透過性および半透性の壁を横切る浸透圧によって決定される液体吸収速度で、半透性の壁を介して液体を吸収することによって送達し、よって、本明細書で開示される組成物および/または化合物を、出口の通路を介して投与形態から対象へ、長時間(24または30時間までに及ぶ)に渡って送達する。ヒドロゲル層組成物は、例えば、重量平均分子量1,000,000のポリエチレンオキシド、分子量2,000,000のポリエチレンオキシド、分子量4,000,000のポリエチレンオキシド、分子量5,000,000のポリエチレンオキシド、分子量7,000,000のポリエチレンオキシド、および重量平均分子量1,000,000から8,000,000のポリエチレンオキシドからなる群から選択される、重量平均分子量1,000,000から8,000,000のポリアルキレンオキシドからなる群から選択される一員などの10mgから1000mgのヒドロゲル;または、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムまたはカルボキシメチルセルロースカリウム等の、重量平均分子量10,000から6,000,000のアルカリカルボキシメチルセルロースの10mgから1000mgを含み得る。ヒドロゲル拡大層は、本製品中、0.0mgから350mg;本製品中、重量平均分子量7,500から4,500,00のヒドロキシアルカリセルロース(例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロースまたはヒドロキシペンチルセルロース)の0.1mgから250mg;塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム(potassium acid phosphate)、酒石酸、クエン酸、ラフィノース、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、尿素、イノシトール、スクロース、グルコースおよびソルビトールからなる群から選択されるオスマジェント(osmagent)の1mgから50mg;酸化鉄等の着色剤の0から5mg;本製品中、0mgから30mg、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルペンチルセルロース(hydroxypropypentylcellulose)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびヒドロプロピルブチルセルロースからなる群から選択される、平均数分子量(average number molecular weight)9,000から225,000のヒドロキシプロピルアルキルセルロースの0.1mgから30mg;アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシキノン、ブチルヒドロキシアニソール、ヒドロキシクマリン、ブチル化ヒドロキシトルエン、セファルム(cephalm)、エチルガレート、プロピルガレート、オクチルガレート、ラウリルガレート、プロピルヒドロキシベンゾエート、トリヒドロキシブチロフェノン、ジメチルフェノール、ジブチルフェノール、ビタミンE、レシチンおよびエタノールアミンからなる群から選択される抗酸化剤0.00から1.5mg;および、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム、スベリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、脂肪酸の塩、脂環式酸の塩、芳香族性酸の塩、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、脂肪属、脂環式または芳香属性酸の混合物および脂肪族、脂環式または芳香属性酸からなる群から選択される、潤滑剤の0.0mgから7mgを含む。
【0063】
浸透圧投与形態において、半透性の壁は、液体の通過に対して透過性であり、本明細書で開示されている組成物および/または化合物の通過に対して非透過性である組成物を含み得る。壁は無毒性であり、セルロースアクリレート、セルロースジアクリレート、セルローストリアクリレート、セルロースアセテート、セルロースジアセテートおよびセルローストリアセテートからなる群から選択されるポリマーを含む。壁は75wt%(重量パーセント)から100wt%のセルロースの壁形成ポリマーを含み;または、壁は、0.01wt%から80wt%のポリエチレングリコール、またはヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなヒドロキシプロピルアルキルセルロースからなる群から選択される1wt%から25wt%のセルロースエーテルを付加的に含むことができる。壁を含む全ての成分の全体の重量%は、100wt%に等しい。内部区画は、薬物含有組成物を、それだけで、または膨張したヒドロゲル組成物と一緒に重ねられた位置で、含む。区画の中の膨張したヒドロゲル組成物は、半透性の膜を介して液体を吸収することにより容積を増大させ、ヒドロゲルは膨張し、区画の中の空間を占拠し、よって、薬剤組成物が投与形態から押し出される。治療的層および膨張層は、共に、投与形態の操作の間、本明細書で開示される組成物および/または化合物の時間に渡る対象への放出のために作動する。投与形態は、投与形態の外側と区画の内部をつなぐ、壁中の通路を含む。浸透圧を動力源とした投与形態は、投与形態からの薬剤を対象に、約24時間までに渡る期間、0次放出速度で送達するために作成され得る。
【0064】
本明細書で使用される表現「通路」は、投与形態の区画から本明細書に開示される組成物および/または化合物の定量的な放出のために適した手段および方法を含む。出口手段は、開口部、穴、すき間、微細孔、多孔性の成分、中空糸、キャピラリー管、通路、多孔性のオーバーレイ、または本明細書に開示される組成物および/または化合物の浸透圧性の制御放出を提供する多孔性の成分を含む、少なくとも一つの通路を含む。通路は、少なくとも1つの制御放出寸法の通路を生み出すために使用する液体環境において、壁から浸食され、浸出される物質を含む。通路または多数の通路を形成するために好適な例示的物質は、浸出可能な壁中のポリ(グリコリック)酸またはポリ(ラクチック)酸のポリマー、ゼラチンのフィラメント、ポリ(ビニルアルコール)、浸出可能なポリサッカライド、塩、および酸化物を含む。微細孔通路、または1以上の微細孔通路は、ソルビトール等の浸出可能な化合物を壁から浸出させることにより形成できる。通路は、投与形態からの組成物および/または薬剤の定量的放出のための、円、三角、四角および楕円形等の制御放出寸法を有する。投与形態は、単一の表面上または1以上の壁の表面上で空間的に離れた関係で1またはそれ以上の通路と共に作られ得る。「液体環境」なる表現は、胃腸管を含むヒト患者の、水性のまたは生物学的な液体を意味する。通路および通路形成のための装置は、Theeuwes et al.,米国特許番号3,845,770; Theeuwes et al.,米国特許番号3,916,899; Saunders et al.,米国特許番号4,063,064; Theeuwes et al.,米国特許番号4,088,864およびAyer et al.,米国特許番号4,816,263に開示されている。浸出により形成される通路は、Ayer et al.,米国特許番号4,200,098およびAyer et al.,米国特許番号4,285,987に開示されている。
【0065】
投与頻度を減らし、対象に対する利便性を向上させ、対象のコンプライアンスを向上させるために、持続放出経口投与形態は(持続放出投与形態の特定の形態にかかわらず)、好ましくは、患者の血中において、本明細書で開示される組成物および/または化合物の治療的濃度を、少なくとも約6時間に渡って、より好ましくは、少なくとも約8時間に渡って、さらに好ましくは、少なくとも約12時間に渡って、そして、最も好ましくは、少なくとも約24時間に渡って、提供する。
【0066】
経口液体調製物は、例えば、懸濁液、エリキシルおよび溶液、適切な担体、賦形剤または水、生理食塩水、アルキレングリコール(例えば、プロピレングリコール)、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール)オイル、アルコール、pH4からpH6の間の弱酸性緩衝液(例えば、約5mMから約50mMの間の酢酸、クエン酸、アスコルビン酸等)である。付加的には、香味剤、保存剤、着色剤、胆汁塩、アシルカルニチン等が添加され得る。
【0067】
噴霧器、液体スプレーデバイスおよびEHDエアロゾルデバイスでの使用に適した液体薬物製剤は、典型的には、例えば、液体(例えば、アルコール、水、ポリエチレングリコールまたはペルフルオロカーボン)等の医薬的に許容される担体と共に、本明細書で開示される組成物および/または化合物を含む。場合によっては、本明細書で開示されている組成物および/または化合物の溶液または懸濁液のエアロゾルの性質を変えるために、他の物質が添加され得る。ある実施態様においては、この物質は、アルコール、グリコール、ポリグリコールまたは脂肪酸等の液体である。エアロゾルデバイスでの使用に好適な液体薬剤溶液または懸濁液を製剤化する他の方法は、当業者に公知である(Biesalski, 米国特許番号5,112,598; Biesalski, 米国特許番号5,556,611)。
【0068】
局所投与のために、本発明の化合物は、溶液、ゲル、軟膏、クリーム、懸濁液等として、当分野でよく知られているように製剤化され得る。
【0069】
口腔投与のために、組成物は、従来の方法で製剤化された、錠剤、トローチ剤、ロリポップ等の形態をとり得る。
【0070】
本明細書で開示された組成物および/または化合物は、また、坐薬または停留かん腸のような、ココアバターまたは他のグリセリドのような従来の坐薬基剤を含む、直腸内または膣内組成物で製剤化され得る。
【0071】
全身製剤には、例えば、皮下、静脈内、筋肉内、くも膜下または腹腔内注射のような注射による投与のために設計されたもの、並びに、経皮、経粘膜、経口、または経肺投与の民に設計されたものが含まれる。全身製剤は、気道粘膜の粘膜繊毛クリアランスを改善または粘膜粘度を低減する更なる活性成分と組み合わされて作成され得る。これらの活性成分には、限定はされないが、ナトリウムチャンネルブロッカー、抗体、N-アセチルシステイン、ホモシステインおよびリン脂質を含む。
【0072】
注射のために、本明細書で開示される組成物および/または化合物は、例えば、ハンクス液、リンゲル液、生理的食塩水緩衝液、または表面活性化剤(または湿潤剤または界面活性剤)と合わせ、水溶液として、またはエマルジョン(油中の水または水中の油エマルジョンとして)の形態で、製剤化され得る。好適な表面活性化剤には、特に、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、Tween(登録商標)20、40、60、80または85)および他のソルビタン(例えば、Span(登録商標)20、40、60、80または85)等の非イオン性薬剤を含む。表面活性化剤を有する組成物は、0.05および5%の間の表面活性化剤または0.1および2.5%の間の表面活性化剤を含み得る。溶液は、例えば、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤等の製剤化剤(formulatory agents)を含み得る。あるいは、組成物および化合物は、例えば、滅菌発熱物質不含の水等の適切なビークルで、使用前に構成されるために粉末形態であり得る。
【0073】
好適なエマルジョンは、商業的に入手可能な脂質エマルジョンを用いて調製され得る。組み合わせ(または単一成分)が、混合前エマルジョン組成物中に溶解されているか、あるいは、オイル(例えば、ダイズ油、サフラワー油、綿実油、ゴマ油、コーン油またはアーモンド油)に溶解され、そして、エマルジョンがリン脂質(例えば、卵リン脂質、ダイズリン脂質またはダイズレシチン)および水を混合して形成され得る。他の成分、例えば、グリセロールまたはグルコースが、エマルジョンの等張性を調整するために、添加され得ることも、理解される。好適なエマルジョンは、典型的には、オイルを20%まで、たとえば、5および20%の間で含み得る。ある実施態様では、EDTAは保存剤として添加される。
【0074】
上記記載の製剤に追加して、本明細書で開示される組成物および/または化合物は、また、デポー製剤として製剤化され得る。かかる長期作用製剤は、埋め込み(例えば、皮下または筋肉内)により、または筋肉内注射により投与され得る。したがって、例えば、本明細書で開示される組成物および/または化合物は、好適なポリマーまたは疎水性物質(例えば、忍容可能なオイル中のエマルジョンとして)、またはイオン交換レジンと共に、または、難溶性誘導体、例えば、難溶性塩として製剤化され得る。
【0075】
5.5 治療/予防投与および用量
痛みの処置および/または予防に用いられるとき、ニコチンアゴニスト、オピオイドアゴニスト、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストの組成物、および/またはそれらの医薬組成物は、単独で、またはニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストの他の組成物を含む他の薬剤と一緒に投与され得る。ニコチンアゴニスト、オピオイドアゴニスト、それらのニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストの組成物は、それ自体でまたは医薬組成物として投与され得る。特異的な医薬組成物は、当業者によく知られているように、所望の投与形態に依存する。
【0076】
ニコチンアゴニスト、オピオイドアゴニスト、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストの組成物および/またはそれらの医薬組成物は、静脈内ボーラス投与、静脈内持続投与、経口錠剤、経口カプセル、経口用液、筋肉内注射、皮下注射、経皮吸収、口腔吸収、鼻腔吸収、吸入、舌下、脳内、膣内、直腸内、局所、とりわけ耳、鼻、眼、または皮膚、または当業者に知られる他の都合の良い方法によって投与され得る。いくつかの実施態様において、ニコチンアゴニスト、オピオイドアゴニスト、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストの組成物、および/またはそれらの医薬組成物は、経口持続放出投与形態を含む、持続性放出投与形態を介して送達される。多様な送達システムが知られ(例えば、リポソーム、微小粒子、マイクロカプセル、カプセル、「患者制御無痛覚」薬物送達システム、等)、ニコチンアゴニスト、オピオイドアゴニスト、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストの組成物、および/または医薬組成物を投与するために用いられ得る。
【0077】
ニコチンアゴニスト、オピオイドアゴニスト、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストの組成物、および/または医薬組成物は、また、吸入により肺に直接投与され得る。吸入による投与のために、本明細書で開示されている組成物および/または化合物は、多くの異なるデバイスによって肺へ都合良く送達され得る。例えば、好適な低沸点推進剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適なガス)を含む缶を利用する、Metered Dose Inhaler「MDI」が、本明細書で開示される組成物および/または化合物の送達に使用され得る。
【0078】
あるいは、Dry Powder Inhaler「DPI」デバイスが、本明細書で開示される組成物および/または化合物の投与のために使用され得る(例えば、Raleigh et al., Proc. Amer. Assoc. Cancer Research Annual Meeting, 1999, 40, 397 参照)。DPIデバイスは、典型的には、ガスを爆発させ、乾燥粉末の雲をコンテナ内に生成させ、そして患者により吸入されることができるというメカニズムを使用する。主な変化は、多数の用量のDPI(MDDPI)システムであり、1の治療用量以上の送達が可能である。吸入装置または吸入器内の使用のために、ゼラチンのカプセルおよびカートリッジが作成されることができ、本明細書で開示される組成物および/または化合物の粉末混合物およびこれらのシステムのためのラクトースまたはデンプン等の好適な粉末基剤を含む。
【0079】
本明細書で開示される組成物および/または化合物を送達するために用いられ得るデバイスの他の種類は、例えば、Aradigm Corporation, Hayward, CAから供給される液体スプレーデバイスである。液体スプレーシステムは、非常に小さいノズル穴を用い、液体薬物製剤をエアロゾル化し、そして直接吸入させることができる。
【0080】
ある実施態様において、噴霧器デバイスが、本明細書で開示された組成物および/または化合物を送達するために使用される。噴霧器は、例えば、容易に吸入される微粒子を形成するために超音波エネルギーを用いることにより、液体薬物製剤からエアロゾルを製造する(例えば、Verschoyle et al., British J. Cancer, 1999, 80, Suppl. 2, 96; Armer et al., 米国特許番号5,954,047; van der Linden et al., 米国特許番号5,950,619; van der Linden et al.,米国特許番号5,970,974)。
【0081】
更なる他の実施態様において、電気流体力学(EHD)エアロゾルデバイスが、本明細書に開示される組成物および/または化合物の送達に使用され得る。EHDエアロゾルデバイスは、電気エネルギーを用い、液体薬剤溶液または懸濁液をエアロゾル化する(例えば、Noakes et al., 米国特許番号4,765,539; Coffee, 米国特許番号4,962,885; Coffee, 国際公開番号WO 94/12285; Coffee, 国際公開番号WO 94/14543; Coffee, 国際公開番号WO 95/26234; Coffee, 国際公開番号WO 95/26235; Coffee, 国際公開番号WO 95/32807)。本発明の化合物の肺中への送達の他の方法は、当業者に知られ、そして本開示の範囲内である。
【0082】
経皮デバイスが、また、本明細書に開示される組成物および/または化合物の送達に用いられ得る。ある実施態様において、経皮デバイスは、マトリックス型の経皮デバイスである(Miller et al., 国際公開番号WO 2004/041324)。他の実施態様において、経皮デバイスは、多重ラミネート経皮デバイスである(Miller, 米国特許出願番号2005/0037059)。更に他の実施態様において、経皮送達デバイスは、ニコチンアゴニスト、塩、水和物、溶媒和物またはそれらのプロドラッグを、オピオイドアゴニスト、塩、水和物、溶媒和物またはそれらのプロドラッグと、分離して製剤化され、または、組み合わされて用いる1またはそれ以上の貯留層(reservoir)を有する。分離された貯留層が使用される実施態様において、適切な膜が化合物の送達速度の調整に用いられることができ、一方が他方より前にまたは同時に送達される。ある実施態様において、オピオイドアゴニストは経皮パッチ貯留層の中に存在し、そしてニコチンアゴニストが粘着デバイス(例えば、パッチ)並びに貯留層に存在し、ニコチンアゴニストの送達は、パッチと患者の皮膚が接触することで即座に開始される。
【0083】
ある実施態様において、デバイスは急性の無痛覚、例えば、術後無痛覚のために意図される。これらの実施態様において、ニコチンアゴニストの最初の用量が、大変早く送達される。ニコチンアゴニストの迅速な吸収は、一部は、粘着デバイスにアゴニストを添加することにより達成される。オピオイドアゴニストは、また、粘着デバイスに添加され、無痛覚のオンセットの速度を増加させ得る。送達速度は、皮膚と貯留層を分離する速度制限膜によって、または、貯留層へのニコチンアゴニストの放出速度を制御する、貯留層内に埋め込まれたポリマーの使用により、制御され得る。ある実施態様において、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストは、場合によって、単一の貯留層の中で相違する放出特性を有する別々のポリマーで混合される。他の実施態様において、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストは、場合によっては異なる貯留層中で異なる放出特性を有する別々のポリマーで混合される。オピオイドおよびニコチンアゴニストは、貯留層中に、例えば手術等の急性の痛み刺激に続く、24時間の無痛覚を提供するのに十分な量で存在し得る。上述したように、ニコチンアゴニストは、オピオイドアゴニストと同じ貯留層中か、または異なる貯留層中に含まれ得る。
【0084】
他の実施態様において、デバイスは慢性的な無痛覚、例えば、癌、消耗性関節炎に由来する痛み等のために意図される。ある実施態様において、デバイスは3日毎に変えられる。送達速度は、皮膚から貯留層を分離する速度制限膜によって、またはニコチンアゴニストの貯留層への放出速度を制御する貯留層内に埋め込まれたポリマーの使用によって、制御され得る。ある実施態様において、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストは、場合によっては、単一の貯留層中の相違する放出特性を有する別個のポリマーで混合される。他の実施態様において、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストは、場合によっては、異なる貯留層中の相違する放出特性を有する別個のポリマーで混合される。上述したように、ニコチンアゴニストは、オピオイドアゴニストと同じ貯留層中か、または異なる貯留層中に含まれ得る。ある実施態様において、経皮デバイスは、24-168時間の持続送達に十分なニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストを提供する。ある実施態様において、経皮デバイスは、72時間の持続送達に十分なニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストを提供する。
【0085】
ある実施態様において、とりわけ、経皮送達が、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストを慢性痛の処置および/または予防のための送達に使用されるとき、有効な薬剤は3つの異なる相で送達される。第1相は、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストが、最初にデバイスから吸収される場所で、デバイスの適用によって開始される。第2相においては、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストは、一定速度で送達され、血漿中のニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストの一定濃度が維持される。第3相においては、デバイスが取り除かれ、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストは、持続性製剤からパッチの直ぐ下の皮膚へウオッシュアウトされ、全身循環される。このウオッシュアウトの特性は、デバイスではなく薬剤および皮膚によって決定される。
【0086】
デバイス適用の直ぐ後に続く、第1相におけるニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストの送達速度は、活性薬剤がパッチよりウオッシュアウトされるとき、第3相の間のニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニスト低下した送達速度を補うために調節され得る。この様式で、新しく適用されたデバイスは、取り除かれたデバイスに由来する送達の減少をほぼ補うような様式で、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストを全身循環に導入する。この様式において、まだ、安定した薬剤濃度と無痛覚の一定レベルを維持していても、経皮デバイスは、慢性痛を有する対象が要求する一定間隔で変えられ得る。
【0087】
対象における痛みを処置し、または予防するのに有効なニコチンアゴニスト、オピオイドアゴニスト、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストの組成物および/またはそれらの医薬組成物の量は、症状の特定の性質に依存し、当分野で知られている標準的な臨床技術により決定され得る。例えば、ニコチンアゴニスト、オピオイドアゴニスト、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストの組成物、および/またはそれらの医薬組成物は、対象に十分な無痛覚を提供するために滴定され得る。ニコチンアゴニスト、オピオイドアゴニスト、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストの組成物、および/またはそれらの医薬組成物は、もちろん、他の要因の中でも特に、処置される対象、対象の体重、苦痛の重症度、投与法および処方した医師の判断に依存する。
【0088】
組み合わせて投与するとき、組み合わせて、または別々で、ニコチン受容体アゴニストおよびオピオイドアゴニストは、無痛覚の発現と一致する割合で存在する。割合は、使用のために選択された特定のニコチン受容体アゴニストおよびオピオイドアゴニストにしたがって変化し得る。
【0089】
ある実施態様において、フェンタニルに対するニコチンアゴニストの重量比は、約10:1(ニコチンアゴニスト(例えば、ニコチン):フェンタニル)である。他の実施態様において、該比率は、約0.001:1および約1000:1の間である。更なる他の実施態様において、該比率は、約0.01:1および100:1の間である。
【0090】
ある実施態様において、ヒドロコドンに対するニコチンアゴニストの重量比は、約2:1(ニコチンアゴニスト(例えば、ニコチン):ヒドロコドン)である。他の実施態様において、該比率は、約0.001:1および約1000:1の間である。更なる他の実施態様において、該比率は、約0.01:1および約100:1の間である。
【0091】
ある実施態様において、コデインに対するニコチンアゴニストの重量比は、約15:1(ニコチンアゴニスト(例えば、ニコチン):コデイン)である。他の実施態様において、該比率は、約0.000007:1および約67:1の間である。更なる他の実施態様において、該比率は、約0.0067:1および約0.7:1の間である。
【0092】
ある実施態様において、スフェンタニルに対するニコチンアゴニストの重量比は、約60:1(ニコチンアゴニスト(例えば、ニコチン):スフェンタニル)である。他の実施態様において、該比率は、約0.0667:1および約66667:1の間である。更なる他の実施態様において、該比率は、約6.6667:1および約667:1の間である。
【0093】
ある実施態様において、メタドンに対するニコチンアゴニストの重量比は、約2:1(ニコチンアゴニスト(例えば、ニコチン):メタドン)である。他の実施態様において、該比率は、約0.0005:1および約500:1の間である。更なる他の実施態様において、該比率は、約0.0500:1および約5:1の間である。
【0094】
ある実施態様において、レボルファノールに対するニコチンアゴニストの重量比は、約3:1(ニコチンアゴニスト(例えば、ニコチン):レボルファノール)である。他の実施態様において、該比率は、約0.0033:1および約3333:1の間である。更なる他の実施態様において、該比率は、約0.3333:1および約33:1の間である。
【0095】
ある実施態様において、アルフェンタニルに対するニコチンアゴニストの重量比は、約1:1.5(ニコチンアゴニスト(例えば、ニコチン):アルフェンタニル)である。他の実施態様において、該比率は、約0.0007:1および約667:1の間である。更なる他の実施態様において、該比率は、約0.0667:1および約7:1の間である。
【0096】
ある実施態様において、オキシコドンに対するニコチンアゴニストの重量比は、約1:2(ニコチンアゴニスト(例えば、ニコチン):オキシコドン)である。他の実施態様において、該比率は、約0.0005:1および約500:1の間である。更なる他の実施態様において、該比率は、約0.05:1および約5:1の間である。
【0097】
ある実施態様において、レミフェンタニルに対するニコチンアゴニストの重量比は、約5:1(ニコチンアゴニスト(例えば、ニコチン):レミフェンタニル)である。他の実施態様において、該比率は、約0.005:1および約5000:1の間である。更なる他の実施態様において、該比率は、約0.5:1および約50:1の間である。
【0098】
ある実施態様において、ヒドロモルフォンに対するニコチンアゴニストの重量比は、約2:1(ニコチンアゴニスト(例えば、ニコチン):ヒドロモルフォン)である。他の実施態様において、該比率は、約0.002:1および約2000:1の間である。更なる他の実施態様において、該比率は、約0.2:1および約20:1の間である。
【0099】
ある実施態様において、オキシモルフォンに対するニコチンアゴニストの重量比は、約3:1(ニコチンアゴニスト(例えば、ニコチン):オキシモルフォン)である。他の実施態様において、該比率は、約0.0033:1および約3333:1の間である。更なる他の実施態様において、該比率は、約0.3333:1および約33:1の間である。
【0100】
ニコチンまたはニコチン受容体アゴニストの好適な投与量レベルは、1日あたり約1mgから約25mgの間である。ある実施態様において、用量範囲は、1日あたり約5mgから約10mgである。化合物は、1日あたり6回までの、好ましくは1日あたり1から4回の投与計画で、投与され得る。
【0101】
フェンタニルは、この鎮痛剤に対する従来の投与量レベルまでの、およびそれを超える投与量レベルで投与され得る。ある実施態様において、フェンタニルは、低減された投与量レベルで投与される。他の実施態様において、フェンタニルは、約0.1mgから約5mg/日の間で投与される。更なる他の実施態様において、フェンタニルは、1日あたり約0.2mgから約2mgの間で投与され得る。更なる他の実施態様において、フェンタニルは、1日あたり約0.25mgから約1.5mgの間で投与される。フェンタニルは、連続して投与されるとき、1日あたり6回までの投与計画で投与され得る。ある実施態様において、フェンタニルは、1日あたり1から4回までの間で投与される。
【0102】
ヒドロコドンは、この鎮痛剤に対する従来の投与量レベルまでの、およびそれを超える投与量レベルで投与され得る。ある実施態様において、ヒドロコドンは、低減された投与量レベルで投与される。他の実施態様において、ヒドロコドンは、約2mgから約100mg/日の間で投与される。更なる他の実施態様において、ヒドロコドンは、1日あたり約4mgから約40mgの間で投与され得る。更なる他の実施態様において、ヒドロコドンは、1日あたり約5mgから約30mgの間で投与される。ヒドロコドンは、連続して投与されるとき、1日あたり6回までの投与計画で投与され得る。ある実施態様において、ヒドロコドンは、1日あたり1から4回までの間で投与される。
【0103】
コデインは、この鎮痛剤に対する従来の投与量レベルまでの、およびそれを超える投与量レベルで投与され得る。ある実施態様において、コデインは、低減された投与量レベルで投与される。他の実施態様において、コデインは、約15mgから約750mg/日の間で投与される。更なる他の実施態様において、コデインは、1日あたり約30mgから約300mgの間で投与され得る。更なる他の実施態様において、コデインは、1日あたり約38mgから約225mgの間で投与される。コデインは、連続して投与されるとき、1日あたり6回までの投与計画で投与され得る。ある実施態様において、コデインは、1日あたり1から4回までの間で投与される。
【0104】
スフェンタニルは、この鎮痛剤に対する従来の投与量レベルまでの、およびそれを超える投与量レベルで投与され得る。ある実施態様において、スフェンタニルは、低減された投与量レベルで投与される。他の実施態様において、スフェンタニルは、約0.01mgから約0.5mg/日の間で投与される。更なる他の実施態様において、スフェンタニルは、1日あたり約0.02mgから約0.2mgの間で投与され得る。更なる他の実施態様において、スフェンタニルは、1日あたり約0.025mgから約0.15mgの間で投与される。スフェンタニルは、連続して投与されるとき、1日あたり6回までの投与計画で投与され得る。ある実施態様において、スフェンタニルは、1日あたり1から4回までの間で投与される。
【0105】
メタドンは、この鎮痛剤に対する従来の投与量レベルまでの、およびそれを超える投与量レベルで投与され得る。ある実施態様において、メタドンは、低減された投与量レベルで投与される。他の実施態様において、メタドンは、約2mgから約100mg/日の間で投与される。更なる他の実施態様において、メタドンは、1日あたり約4mgから約40mgの間で投与され得る。更なる他の実施態様において、メタドンは、1日あたり約5mgから約30mgの間で投与される。メタドンは、連続して投与されるとき、1日あたり6回までの投与計画で投与され得る。ある実施態様において、メタドンは、1日あたり1から4回までの間で投与される。
【0106】
レボルファノールは、この鎮痛剤に対する従来の投与量レベルまでの、およびそれを超える投与量レベルで投与され得る。ある実施態様において、レボルファノールは、低減された投与量レベルで投与される。他の実施態様において、レボルファノールは、約2mgから約100mg/日の間で投与される。更なる他の実施態様において、レボルファノールは、1日あたり約4mgから約40mgの間で投与され得る。更なる他の実施態様において、レボルファノールは、1日あたり約5mgから約30mgの間で投与される。レボルファノールは、連続して投与されるとき、1日あたり6回までの投与計画で投与され得る。ある実施態様において、レボルファノールは、1日あたり1から4回までの間で投与される。
【0107】
アルフェンタニルは、この鎮痛剤に対する従来の投与量レベルまでの、およびそれを超える投与量レベルで投与され得る。ある実施態様において、アルフェンタニルは、低減された投与量レベルで投与される。他の実施態様において、アルフェンタニルは、約0.1mgから約5mg/日の間で投与される。更なる他の実施態様において、アルフェンタニルは、1日あたり約0.2mgから約2mgの間で投与され得る。更なる他の実施態様において、アルフェンタニルは、1日あたり約0.25mgから約1.5mgの間で投与される。アルフェンタニルは、連続して投与されるとき、1日あたり6回までの投与計画で投与され得る。ある実施態様において、アルフェンタニルは、1日あたり1から4回までの間で投与される。
【0108】
オキシコドンは、この鎮痛剤に対する従来の投与量レベルまでの、およびそれを超える投与量レベルで投与され得る。ある実施態様において、オキシコドンは、低減された投与量レベルで投与される。他の実施態様において、オキシコドンは、約2mgから約100mg/日の間で投与される。更なる他の実施態様において、オキシコドンは、1日あたり約4mgから約40mgの間で投与され得る。更なる他の実施態様において、オキシコドンは、1日あたり約5mgから約30mgの間で投与される。オキシコドンは、連続して投与されるとき、1日あたり6回までの投与計画で投与され得る。ある実施態様において、オキシコドンは、1日あたり1から4回までの間で投与される。
【0109】
レミフェンタニルは、この鎮痛剤に対する従来の投与量レベルまでの、およびそれを超える投与量レベルで投与され得る。ある実施態様において、レミフェンタニルは、低減された投与量レベルで投与される。他の実施態様において、レミフェンタニルは、約0.2mgから約10mg/日の間で投与される。更なる他の実施態様において、レミフェンタニルは、1日あたり約0.4mgから約4mgの間で投与され得る。更なる他の実施態様において、レミフェンタニルは、1日あたり約0.5mgから約3mgの間で投与される。レミフェンタニルは、連続して投与されるとき、1日あたり6回までの投与計画で投与され得る。ある実施態様において、レミフェンタニルは、1日あたり1から4回までの間で投与される。
【0110】
ヒドロモルフォンは、この鎮痛剤に対する従来の投与量レベルまでの、およびそれを超える投与量レベルで投与され得る。ある実施態様において、ヒドロモルフォンは、低減された投与量レベルで投与される。他の実施態様において、ヒドロモルフォンは、約0.5mgから約25mg/日の間で投与される。更なる他の実施態様において、ヒドロモルフォンは、1日あたり約1mgから約10mgの間で投与され得る。更なる他の実施態様において、ヒドロモルフォンは、1日あたり約1.3mgから約8mgの間で投与される。ヒドロモルフォンは、連続して投与されるとき、1日あたり6回までの投与計画で投与され得る。ある実施態様において、ヒドロモルフォンは、1日あたり1から4回までの間で投与される。
【0111】
オキシモルフォンは、この鎮痛剤に対する従来の投与量レベルまでの、およびそれを超える投与量レベルで投与され得る。ある実施態様において、オキシモルフォンは、低減された投与量レベルで投与される。他の実施態様において、オキシモルフォンは、約0.2mgから約10mg/日の間で投与される。更なる他の実施態様において、オキシモルフォンは、1日あたり約0.4mgから約4mgの間で投与され得る。更なる他の実施態様において、オキシモルフォンは、1日あたり約0.5mgから約3mgの間で投与される。オキシモルフォンは、連続して投与されるとき、1日あたり6回までの投与計画で投与され得る。ある実施態様において、オキシモルフォンは、1日あたり1から4回までの間で投与される。
【0112】
5.6 併用療法
ある実施態様において、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストおよび/またはそれらの医薬組成物は、少なくとも1の他の治療的薬剤と共に併用療法で使用されることができる。ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストおよび/またはそれらの医薬組成物および該治療的薬剤は、相加的にまたは、より好ましくは相乗的に、作用することができる。ある実施態様において、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストおよび/またはそれらの医薬組成物は、他の治療的薬剤の投与と同時に投与される。例えば、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストおよび/またはそれらの医薬組成物は、もう一つの痛み抑制剤または制吐剤と共に投与され得る。他の実施態様において、ニコチンアゴニストおよびオピオイドアゴニストおよび/またはそれらの医薬組成物は、他の治療的薬剤の投与の前に、またはそれに続いて投与される。
【0113】
5.7 治療キット
本明細書でまた提供されるのは、本明細書で開示される組成物および/または化合物を含む治療キットである。治療キットは、また、他の治療剤またはこれら他の治療剤の医薬組成物を含み得る。
【0114】
治療キットは、組成物および/または化合物またはそれらの医薬組成物を、他の成分(例えば、他の治療的薬剤またはそれらの医薬組成物)と一緒に、または他の成分なしで、含む単一のコンテナ、またはそれぞれの成分のための異なるコンテナを有し得る。キットの成分は、複合前であることができ、またはそれぞれの成分は、患者に投与する前は、別々の異なるコンテナに存在し得る。
【0115】
キットの成分は、1またはそれ以上の液体溶液、好ましくは水溶液、さらに好ましくは、滅菌水溶液中に提供され得る。キットの成分は、また、好ましくはもう一つの異なるコンテナで提供される好適な溶媒の添加により、液体に変換し得る固体として提供され得る。
【0116】
治療キットのコンテナは、バイアル、試験管、フラスコ、ボトル、シリンジ、または固体または液体を入れる他の手段であり得る。通常、1以上の成分のとき、キットは、分離投与を可能にする、第2バイアルまたは他のコンテナを含み得る。キットは、また、医薬的に許容される液体のための他のコンテナを含み得る。
【0117】
ある実施態様において、治療キットは、キットの成分の投与を可能にする器具(例えば、1またはそれ以上の針、シリンジ、目薬の容器、ピペット等)を含み得る。
【実施例】
【0118】
6. 実施例
痛みの治療のためにオピオイドアゴニストおよびニコチンアゴニストを使用する方法を示した、以下の実施例は参考にできる。本明細書での開示範囲から離れない限り、物質および方法療法に対する多くの改変が実行されることは、当業者に明らかなことである。
【0119】
6.1 マウス足切開モデルにおける痛みの処置に対するフェンタニルおよびニコチンの使用
マウス足切開モデルを、痛みの治療におけるオピオイドおよびニコチンの組み合わせの有効性を評価するために使用した。このモデルは、マウス(6週齢、C57BL/6Jマウス)の後肢近くを切開すること、下層組織を僅かに乱すこと、および皮膚を閉じ縫合することを必要とする。手術後の特定の時点で、von Frey fiberで誘発される圧刺激に対する引き込み閾値のベースラインを切開した後肢で試験し、そして、マウスに鎮痛剤(または連続して投与される薬剤の組み合わせ)を皮下投与し、痛み引き込み試験を繰り返す。積算用量反応データを、どちらかの薬剤の蓄積から生じる、薬力学的作用を防止するのに十分なウオッシュアウト期間により隔てられた連続投与の後に、収集する。
【0120】
イソフルラン麻酔下、右後肢をベタジン(betadine)で処置し、そして、5mm長の切開を、皮膚と足の裏の筋膜をとおして、No.15の刃で行う。切開をかかとに近接した端から2mmより行い、つま先に向かって伸ばす。下層の筋肉をはさみで持ち上げ、筋肉を基のままに、そのまま挿入する。それから、皮膚を1本のポリソーブ(polysorb)で縫合し、傷を抗生物質軟膏で覆う。手順は約15分を要し、動物は1時間以内に麻酔から完全に回復する。
【0121】
直径が大きくなるvon Frey fiberを用いた侵害試験を、鎮痛薬の術後作用の評価に用いる。マウスを透明なプラスチックシリンダー(直径20cm)の中の、金網プラットホーム上に置き、30分間馴化させる。堅さ0.02gから2.1gの範囲の 8 von Frey fiberのシリーズの1を用いて、足を試験する。von Frey fiberを、隆起パッド(tori pad)に気をつけて、後肢の足裏の切開のちょうど中間の皮膚に適用する。ファイバーを僅かに曲がるまで押す。刺激を数秒間隔で提示する。ファイバーから後肢を引き込むことを陽性反応と考える。最初のファイバー提示は0.02gであり、ファイバーを陽性引き込み反応が明らかになるまで直径を大きくして提示する;この流れを数回繰り返し、平均反応閾値を計算する。反応データを最大可能作用のパーセントで報告し、ここで、最大(100%)作用は、ベースラインファイバー強度から最大強度ファイバーへの引き込み閾値の増加により定義される。
【0122】
図1は、切開したマウスを、ニコチン(1mg/kg)のみ、そして、ニコチン(1mg/kg)に加えてフェンタニルの用量を増加して処置したときの結果を示す。フェンタニル(またはニコチンのみの作用を評価するときは生理食塩水コントロール)は、引き込み反応試験の5分前に投与されるニコチン投与の10分前に投与する。連続投与は、いずれかの薬剤の蓄積から生じる薬力学的作用を防止するために十分なウオッシュアウト期間により、間隔をあける。これらのデータは、ニコチン(1mg/kg)の存在下での、フェンタニルの用量反応曲線を示す。比較のために、ニコチンの非存在下でのフェンタニルの用量反応曲線を図2に示す。
【0123】
図3は、切開したマウスを、フェンタニル(50μg/kg)のみ、そしてフェンタニル(50μg/kg)に加えてニコチンの用量を増加させて処置したときの結果を示す。フェンタニルを、引き込み反応試験の5分前に投与されるニコチン(またはフェンタニルのみの作用を評価するときは生理食塩水コントロール)投与の10分前に投与する。連続投与は、いずれかの薬剤の蓄積から生じる薬力学的作用を防止するために十分なウオッシュアウト期間により、間隔をあける。これらのデータは、フェンタニル(50μg/kg)の存在下での、ニコチンの用量反応曲線を示す。また、比較のために、ニコチンの非存在下でのフェンタニルの用量反応曲線を図2に示す。
【0124】
6.2 マウス足切開モデルにおける痛みの処置に対するモルヒネおよびニコチンの使用
図4は、切開したマウスを、モルヒネ(50μg/kg)のみの用量を増加して、そしてニコチン(3mg/kg)に加えてモルヒネを単一用量で処置したときの結果を示す。モルヒネを、モルヒネ投与後15分および30分の両方で実施される引き込み反応試験の5分前に投与されるニコチン(またはモルヒネのみの作用を評価するときは生理食塩水コントロール)投与の10分前に投与する。連続投与は、いずれかの薬剤の蓄積から生じる薬力学的作用を防止するために十分なウオッシュアウト期間により、間隔をあける。これらのデータは、モルヒネのみの用量反応曲線およびニコチン(3mg/kg)の存在下でのモルヒネ(3mg/kg)の用量反応曲線を示す。また、モルヒネ+ニコチンの経時変化は相乗効果を示し、それは、ニコチンの薬物動態プロファイルに依存しているようにみえる。
【0125】
本明細書の開示範囲を離れない限り、物質および方法の両方に、多くの改変を実施することができることは、当業者に明らかである。したがって、本実施例は、例示的であり、制限的なものでないと考えられ、本発明は、本明細書で与えられる詳細に制限されず、許可された請求の範囲、およびそれと均等の範囲で改変され得る。
本明細書で引用した全ての刊行物および特許は、引用をもってその全体が本明細書に組み込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】図1は、マウス足切開モデルにおけるフェンタニルおよびニコチンの用量反応曲線を示す。
【図2】図2は、マウス足切開モデルにおけるフェンタニルの用量反応曲線を示す。
【図3】図3は、マウス足切開モデルにおけるフェンタニルおよびニコチンの用量反応曲線を示す。
【図4】図4は、ニコチンの用量は一定で、フェンタニルの用量を変化させた、マウス足切開モデルにおけるモルヒネおよびニコチンの用量反応曲線を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療的有効量のニコチンアゴニストまたはその塩、水和物、溶媒和物またはプロドラッグ、および治療的有効量のオピオイドアゴニストまたはその塩、水和物、溶媒和物またはプロドラッグを含む、組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物および医薬的に許容可能な媒体を含む医薬組成物。
【請求項3】
治療的有効量のニコチンアゴニストまたはその塩、水和物、溶媒和物またはプロドラッグ、および治療的有効量のオンセットの早いオピオイドアゴニストまたはその塩、水和物、溶媒和物またはプロドラッグを含む、組成物。
【請求項4】
請求項3に記載の組成物および医薬的に許容可能な媒体を含む医薬組成物。
【請求項5】
ニコチンアゴニストが、ニコチン、メタ−ニコチン、DMPP、DMAC、ABT−418、DMBX−アナバシン、コリン、アセチルコリン、エピバチジン、シチシン、またはGTS−21である、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
ニコチンアゴニストがニコチンである、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
オピオイドアゴニストが、フェンタニル、ヒドロモルフォン、アルフェンタニル、レミフェンタニル、カーフェンタニル、スフェンタニル、ブトルファノール、ブプレノルフィン、ペンタゾシン、メペリジン、オキシコドン、オキシモルフォン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、コデイン、メタドン、ジアセチルモルヒネ、エトルフィン、レボルファノール、オキシコドン、オキシモルフォン、ナルトレキソン、ナルブフィン、ナロルフィン、ブプレノルフィン、コデイン、ジアセチルモルヒネ、ジヒドロコデイン、ジヒドロエトルフィン、ジプレノルフィン、エトルフィン、酢酸レボメタディル塩酸塩、レボルファノール、ロフェンタニル、メペリジン、ナロキソン、メチルナルトレキソン、ベータ-ヒドロキシ-3-メチルフェンタニル、N-メチルナルトレキソン、ノルモルヒネ、プロポキシフェン、チリジン、テバイン、ナルブフィン、ナルメフェン、ネオピン、ペノモルフォンまたはトラマドールである、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
オピオイドアゴニストが、スフェンタニル、フェンタニル、オキシコドン、ヒドロコドン、またはヒドロモルフォンである、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
オピオイドアゴニストがフェンタニルである、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
ニコチンアゴニストがニコチンであり、オピオイドアゴニストがオキシコドン、ヒドロコドン、スフェンタニル、またはヒドロモルフォンである、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
ニコチンアゴニストがニコチンであり、オピオイドアゴニストがフェンタニルである、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
持続放出投与形態を含む、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
持続放出投与形態が経口投与形態である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
持続投与形態が経皮パッチである、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
ニコチンアゴニストがオピオイドアゴニストの治療的有効なライフタイムを超えて放出される、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−538091(P2007−538091A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527407(P2007−527407)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2005/017384
【国際公開番号】WO2005/112926
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(506386103)ファーマコフォア・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】PHARMACOFORE,INC.
【Fターム(参考)】