説明

癌の治療のための新規な薬剤組成物

本発明は、式(I)の化合物の固形分散体を含んでなる新規の薬剤組成物、それら新規の薬剤組成物の製造方法、及び、癌等のような過剰増殖性疾患を治療するための、単独薬剤としてのまたはたの治療剤との組み合わせの形での、それらの使用に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な薬剤組成物、それら新規な薬剤組成物を製造するための方法、及び、単独薬剤としての又は他の治療剤との組合せの形での、癌等の様な過剰増殖性疾患を治療するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ジアリール尿素は、当該分野において知られているセリン−トレオニンキナーゼ阻害剤及びチロシンキナーゼ阻害剤の一クラスである。次の刊行物は、癌等のような過剰増殖性疾患の治療のための薬剤組成物の活性成分としてのそれらの用途を説明している。
【0003】
Smith et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 2001, 11, 2775-2778.
Lowinger et al., Clin. Cancer Res. 2000, 6(suppl.), 335
Lyons et al., Endocr.-Relat. Cancer 2001, 8, 219-225.
Riedl et al., Book of Abstracts, 92nd AACR Meeting, New Orleans, LA, USA, abstract 4956
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Lowinger et al., Curr. Pharm. Design 2002, 8, 99-110.
Carter et al., Book of Abstracts, 92nd AACR Meeting, New Orleans, LA, USA, abstract 4954
Vincent et al., Book of Abstracts, 38th ASCO Meeting, Orlando, FL, USA, abstract 1900
Hilger et al., Book of Abstracts, 38th ASCO Meeting, Orlando, FL, USA, abstract 1916
Moore et al., Book of Abstracts, 38th ASCO Meeting, Orlando, FL, USA, abstract 1816
Strumberg et al., Book of Abstracts, 38th ASCO Meeting, Orlando, FL, USA, abstract 121
【0004】
ω−カルボキシアリールジフェニル尿素が、WO00/42012(2000年7月20日公開)、WO00/41698(2000年7月20日公開)に、及び下記の公開米国出願に開示されている。
【0005】
US2002−0165394−A1(2002年11月7日公開)
US2001−003447−A1(2001年10月25日公開)
US2001−0016659−A1(2001年8月23日公開)
US2002−013774−A1(2002年9月26日公開)
及び同時係属の米国出願:
09/758,547(2001年1月12日出願)
09/889,227(2001年7月12日出願)
09/993,647(2001年11月27日出願)
10/042,203(2002年1月11日出願)及び
10/071,248(2002年2月11日出願)
【0006】
特に、4{4−[3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ウレイド]フェノキシ}ピリジン−2−カルボン酸メチルアミドとも呼ばれる式Iのジフェニル尿素が、raf、VEGFR−2、p38、及びPDGFRキナーゼに対する強力な阻害剤であることが発見されている。これらの酵素は何れも、癌を含む過剰増殖性疾患の治療のための興味深い分子標的である。従って、式Iの化合物は、上記疾患の治療のための医薬として使用されるであろう。
【0007】
薬物投与の好ましい経路は、口腔を経るものである。この経路は、投与に際し最大の快適さと利便性を与える。経口投与後に達成される生物学的利用性は、薬物の経口投与形態の潜在的有用性のための尺度である。経口投与後の生物学的利用性は、例えば、水性媒質中の活性の溶解性、投与量、投与形態の溶解、消化管を通じた吸収、及び初回通過効果等のような幾つかの要素に依存する。従って、改善された溶解性、吸収及び哺乳類中での曝露、改善された患者間変動、及び全体として改善された臨床的有効性をもたらす、式Iの化合物を含有する経口投与用の固形薬剤組成物が望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するための手段】
【0008】
下記の式Iの化合物の固形分散体を含んでなる薬剤組成物が提供される。
式Iは次のとおりである。
【0009】
【化1】


【0010】
用語「式Iの化合物」、又は「本発明の化合物」は、式Iに示された4{4−[3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ウレイド]フェノキシ}ピリジン−2−カルボン酸メチルアミドのみならず、その溶媒和物、水和物、薬剤学的に許容し得る塩又はそれらの組合せをもいうものである。
【0011】
(i) 固溶体、ガラス状固溶体(glass solutions)、ガラス状懸濁体(glass suspensions)、結晶性担体中のアモルファス析出物(amorphous suspensions)、共晶又は偏晶、化合物又は複合体形成物及びこれらの組合せであってよい、固形分散体の形で式Iの化合物を含有する新規の薬剤組成物、
(ii) これらの新規薬剤組成物の製造方法、及び
(iii) 癌等のような過剰増殖性疾患の治療のための、単独薬剤としての又は他の抗癌剤との組合せでのこれらの組成物の使用。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下において、種々のタイプの固形分散体(固溶体、ガラス状固溶体、ガラス状懸濁体、結晶性担体中のアモルファス析出物、共晶又は偏晶、化合物又は複合体形成物及びこれらの組合せ)を、包括的に、「固形分散体」という。
【0013】
本発明の薬剤組成物は、少なくとも式Iの化合物及び薬剤学的に許容し得るマトリックスを含む固形分散体を含んでなる。
【0014】
ここに用いる用語「マトリックス」又は「マトリックス剤」は、式Iの化合物を溶解又は分散させることのできる、ポリマー性の賦形剤、非ポリマー性の賦形剤の双方及びこれらの組合せをいう。
【0015】
特に興味深い本発明の一面は、固形分散体を含んでなる薬剤組成物であり、ここにマトリックスは、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール)、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、ヒドロキシアルキルメチルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ビニルアルコール/ビニルアセテートコポリマー、ポリグリコール化グリセリド、キサンタンガム、カラゲナン、キトサン、キチン、ポリデキストリン、デキストリン、デンプン、タンパク質及びこれらの組み合わせ等のような、薬剤学的に許容し得るポリマーを含んでなるものである。
【0016】
本発明の別の一面は、固形分散体を含んでなる薬剤組成物であって、ここにマトリックスは、例えば、ショ糖、乳糖、果糖、マルトース、ラフィノース、ソルビトール、ラクチトール、マンニトール、マルチトール、エリスリトール、イノシトール、トレハロース、イソマルト、イヌリン、マルトデキストリン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテルシクロデキストリン又はこれらの組み合わせ等の、糖及び/又は糖アルコール及び/又はシクロデキストリンを含んでなるものである。
【0017】
本発明の特に興味深い一面は、式Iの化合物とポリビニルピロリドンとのアモルファスの無定形の共沈物たる固形分散体を含んでなる薬剤組成物である。
【0018】
固形分散体のマトリックスの形成に有用な更なる適した賦形剤としては、アルコール、有機酸、有機塩基、アミノ酸、リン脂質、ワックス、塩類、脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、及び尿素が挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
マトリックス中の式Iの化合物の固形分散体は、担体、界面活性剤、充填剤、崩壊剤、再結晶阻害剤、可塑剤、消泡剤、抗酸化剤、タック性減少剤、pH調整剤、滑剤及び潤滑剤等のような、更なる薬剤学的に許容し得る成分を含有していてもよい。
【0020】
本発明による担体は賦形剤であり、それは、固形分散体の製造工程において、例えばホットメルト押出、ホットメルトコーティング、溶融スプレー、凝結、溶媒蒸発工程(例えば、積層、コーティング、顆粒化)によって、少なくともマトリックス剤及び本発明の化合物よりなる混合物を負荷されて、固形分散体の一体的な一部となる。
【0021】
本発明の一具体例においては、マトリックスは、水溶性ポリマーを含んでなるものである。
【0022】
別の一具体例においては、ポリビニルピロリドン、コポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール及びポリエチレンオキシドよりなる群からの少なくとも1種が、固形分散体においてマトリックス剤として用いられる。
【0023】
別の一具体例においては、ポリビニルピロリドンが、マトリックス剤として用いられる。
【0024】
別の一具体例は、マトリックス剤としてヒドロキシプロピルセルロースを含んでなるものである。
【0025】
本発明の特に興味深い別の一面は、担体又は崩壊剤として、クロスカルメロースナトリウム、グリコール酸スターチナトリウムナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)、デンプン、微結晶セルロース又はこれらの組合せを含んだ、固形分散体である。
【0026】
一具体例においては、固形分散体は、ポリビニルピロリドン及びクロスカルメロースナトリウムを含んでなるものである。
【0027】
別の好ましい一具体例においては、固形分散体は、ポリビニルピロリドン及びグリコール酸スターチナトリウムを含んでなるものである。
【0028】
別の一具体例においては、固形分散体は、ポリビニルピロリドン、クロスカルメロースナトリウム及び微結晶セルロースを含んでなるものである。
【0029】
別の一具体例においては、固形分散体は、ヒドロキシプロピルセルロース及びクロスカルメロースナトリウムを含んでなるものである。
【0030】
なおも別の一具体例においては、固形分散体は、ヒドロキシプロピルセルロースと、糖、糖アルコール、シクロデキストリン又はこれらの組み合わせである少なくとも1種の賦形剤とを含んでなるものである。
【0031】
本発明の固形分散体は、溶融法、ホットメルトコーティング、溶融スプレー、凝結、溶媒蒸発(例えば、凍結乾燥、スプレードライング、真空乾燥、粉末、顆粒又はペレットの積層、及び流動床造粒)、共沈、超臨界流体技術及び静電スピン法等のような、固形分散体の製造のための既知の方法に従って製造される。
【0032】
ホットメルト押出又は溶媒蒸発法は、本発明の固形分散体処方の製造に適した方法である。
【0033】
スプレードライング、積層、及び流動床造粒等のような溶媒蒸発工程による固形分散体の製造に適した溶媒は、式Iの化合物が溶解できる如何なる化合物であってもよい。好ましい溶媒としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール及びブタノール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン)、エステル(例えば、酢酸エチル及び酢酸プロピル)、及び、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ヘキサン、トルエン、テトラヒドロフラン、環状エーテル、及び1,1,1−トリクロロエタン等のような種々の他の溶媒が挙げられる。ジメチルアセタミド又はジメチルスルホキシド等のような低揮発性溶媒もまた、使用できる。薬物が、及びもし必要ならマトリックス剤が、工程を実際的なものにするに十分に溶解性である限り、溶媒の混合物もまた、水との混合物が使用できると同様に、使用できる。
【0034】
特に興味深い本発明の一面は、式Iの化合物が実質的にアモルファスである薬剤組成物である。
【0035】
特に興味深い本発明の別の一面は、マトリックスがポリビニルピロリドンポリマーである、式Iの化合物の固形分散体である。
【0036】
特に興味深い本発明の別の一面は、マトリックスがヒドロキシプロピルセルロースポリマーである、式Iの化合物の固形分散体である。
【0037】
特に興味深いものである本発明の別の一面は、式Iの化合物とマトリックスとの共沈物を含んでなる新規の薬剤組成物である。
【0038】
この薬剤組成物は、所望の薬理学的効果を達成するために、それを必要とする患者に経口投与することによって利用されるであろう。そして哺乳類内における薬物放出、生物学的利用性及び/又は患者間変動という点において、慣用の処方に比して有利であろう。本発明の目的にとって、患者とは、予防的処置を含む、特別な状態又は疾患を治療することを必要としている、ヒトを含む哺乳類である。
【0039】
経口投与のためには、ここに記述される固形分散体を、散剤、顆粒剤、ペレット、錠剤、カプセル剤、糖衣錠(dragees)、チュアブル(chewable)錠、分散錠、トローチ剤、ローゼンジ、メルト剤、溶液剤、懸濁剤又はエマルジョン等のような固体製剤又は液体製剤として処方することができ、また薬剤組成物の製造のための技術において既知の方法に従って、製造すればよい。この目的のためには、固形分散体は、慣用の賦形剤、例えば結合剤、充填剤、潤滑剤、崩壊剤、溶剤、界面活性剤、増粘剤及び安定化剤、コーティング剤並びに矯味剤、甘味剤、矯味剤及び着色剤等と混合してよい。
【0040】
上記の情報を利用して当業者が本発明を完全に利用することができるものと信ずる。式Iの化合物の経口処方は、1mg、10mg、100mg若しくは1gという日々の投与量、又はこれ以上の投与量等のような、広い範囲の投与量を参照するものである。これは、例えば、錠剤又はカプセル剤の組成及びサイズを調節することによって、及び/又は、それを必要とする患者に1日あたり複数の錠剤又はカプセル剤を投与することによって、達成されよう。代わりとして、固形分散体処方はまた、散剤、顆粒剤、チュアブル錠若しくは分散錠等のような形態で投与してよく、又は、例えば、もし最適な投与方式が実用性ある錠剤若しくはカプセル剤のサイズともはや整合しないのであれば、使用前に適当な液体中に任意の適当な固形処方を分散させることによって、投与してよい。
【0041】
本発明はまた、癌を含む哺乳類の過剰増殖性疾患を治療するための、式Iの化合物の新規な経口薬剤組成物を使用する方法にも関する。この方法は、固形分散体の形の薬剤組成物を、これを必要とするヒトを含む哺乳類に、当該疾患を治療するに有効な量で投与することを含んでなる。用語「過剰増殖性疾患」及び/又は「癌」は、乳房、気道、脳、生殖器、消化管、尿路、眼、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、副甲状腺、及びそれらの遠隔転移等のような固形腫瘍をいうのみならず、リンパ腫、肉腫及び白血病も含む。
【0042】
乳癌の例としては、浸潤性腺管癌、浸潤性小葉癌、上皮内腺管癌、上皮内小葉癌が挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
気道癌の例としては、小細胞及び非小細胞肺癌、並びに気管支腺腫及び胸膜肺芽腫が挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
脳の癌の例としては、脳幹及び視床下部神経膠腫、小脳及び大脳星状細胞腫、髄芽細胞腫、上衣細胞腫、並びに神経外胚葉及び松果体部腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
男性生殖器の腫瘍としては、前立腺及び睾丸癌が挙げられるが、これらに限定されない。女性生殖器の腫瘍としては、子宮内膜、子宮頸部、卵巣、膣、及び陰裂の癌、並びに子宮肉腫が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
消化管の腫瘍としては、肛門、結腸、結腸直腸、食道、胆嚢、胃、膵臓、直腸、小腸、及び唾液腺の癌が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
尿路の腫瘍としては、膀胱、陰茎、腎臓、腎盂、尿管、尿道口の癌が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
眼の癌としては、眼内黒色種及び網膜芽細胞腫が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
肝臓の癌としては、肝細胞癌(fibrolamellar変異型を伴う、若しくは伴わない肝臓細胞癌)、胆管癌(肝内胆管癌)、及び混合型肝細胞胆管癌が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
皮膚癌としては、扁平上皮癌、カポジ肉腫、悪性黒色種、メルケル細胞皮膚癌、及び非メラノーマ皮膚癌が挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
頭頸部癌としては、喉頭/下咽頭/鼻腔咽頭/口腔咽頭癌、及び口唇及び口腔癌が挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
リンパ腫としては、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキン病、及び中枢神経系のリンパ腫が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
肉腫としては、軟組織の肉腫、線維肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫、及び横紋筋肉腫が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
白血病としては、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、及びヘアリー細胞白血病が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
これらの疾患は、ヒトにおいて充分特徴付けされているが、他の哺乳動物においても同様の病因で存在し、本発明の薬剤組成物を投与することにより治療し得る。
【0056】
本発明の薬剤組成物を用いて経口により投与すべき活性成分(式Iの化合物)の総量は、通常、1日あたり約0.01mg/kgないし約50mg/kg体重である。過剰増殖性障害の治療に有用な化合物を評価するための公知の標準的な実験手法に基づき、標準的な毒性試験によって、及び哺乳動物において上記に特定した状態の治療の判定のための標準的な薬理学的アッセイによって、及びこれらの結果とこれらの状態を治療するために使用される既知の医薬の結果との比較によって、本発明の薬剤組成物の有効な投薬量は、当業者により容易に決定できる。これらの状態の1つの治療において投与される活性成分の量は、用いられる特定の化合物及び投薬単位、投与の様式及び時間、治療期間、治療対象の患者の年齢性別及び一般状態、並びに治療対象である状態の性質及び程度、薬物の代謝及び排泄の速度、起こり得る薬物の組み合わせ、及び薬物−薬物相互作用その他の考慮事項に応じて、広い範囲で変更することができる。
【0057】
本発明の薬剤組成物は、単独の医薬品として、又はその併用が許容し得ない有害作用を引き起こさない場合には、1種又は2種以上の他の医薬品との組合せで、投与することができる。例えば、それらは、細胞毒、シグナル伝達阻害剤と、又はその他の抗癌剤若しくは治療方法と、並びにそれらの混合物及び組み合わせと、組み合わせることができる。
【0058】
一具体例においては、本発明の薬剤組成物は、細胞毒性の抗癌剤と組み合わせることができる。そのような薬剤の例は、Merck Index, 第11版(1996)に見出すことができる。それらの薬剤としては、限定するものではないが、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、コラスパーゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン、エトポシド、5−フルオロウラシル、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシ尿素、イホスファミド、イリノテカン、ロイコボリン、ロムスチン、メクロレタミン、6−メルカプトプリン、メスナ、メソトレキセート、マイトマイシンC、ミトキサントロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロカルバジン、ラロキシフェン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、チオグアニン、トポテカン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、及びビンデシンなどが挙げられる。
【0059】
本発明の薬剤組成物と共に使用するのに適した他の細胞毒性剤としては、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics(第9版、1996、McGraw-Hill)において新生物性疾患の治療に使用されることが承認されている化合物が挙げられるが、それらに限定されない。それらの薬剤としては、限定するものではないが、アミノグルテチミド、L−アスパラギナーゼ、アザチオプリン、5−アザシチジンクラドリビン、ブスルファン、ジエチルスチルベストロール、2’,2’−ジフルオロデオキシシチジン、ドセタキセル、エリスロヒドロキシノニルアデニン、エチニルエストラジオール、5−フルオロデオキシウリジン、5−フルオロデオキシウリジン一リン酸、フルダラビンリン酸塩、フルオキシメステロン、フルタミド、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、イダルビシン、インターフェロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、ミトタン、パクリタキセル、ペントスタチン、N−ホスホノアセチル−L−アスパラギン酸塩(PALA)、プリカマイシン、セムスチン、テニポシド、プロピオン酸テストステロン、チオテパ、トリメチルメラミン、ウリジン、及びビノレルビンなど挙げられる。
【0060】
本発明の組成物と組み合わせて使用するに適した他の細胞毒性抗癌剤としてはまた、オキサリプラチン、ゲミシタビン、カペシタビン、エポチロン及びその天然の又は合成の誘導体、テモゾロマイド(Quinn et al., J. Clin. Oncology 2003, 21(4), 646-651)、トシツモマブ(Bexxar)、トラベデクチン(Vidal et al., Proceedings of the American Society for Clinical Oncology 2004, 23, 要約3181)、及びキネシン紡錘タンパク質Eg5の阻害剤(Wood et al., Curr. Opin. Pharmacol. 2001, 1, 370-377)等のような、新たに発見された細胞毒性剤が挙げられる。
【0061】
別の一具体例において、本発明の薬剤組成物は、他のシグナル伝達阻害剤と組み合わせることができる。特に興味深いのは、EGFR、HER−2、及びHER−4(Raymond et al., Drugs 2000, 60 (Suppl. 1), 15-23; Harari et al., Oncogene 2000, 19(53), 6102-6114)等のようなEGFRファミリー及びそれらのそれぞれのリガンドに標的化するシグナル伝達阻害剤である。そのような薬剤の例としては、限定するものではないが、ハーセプチン(トラスツツマブ)、エルビタックス(セツキシマブ)及びペルツツマブなどのような抗体治療剤が挙げられる。そのような治療剤としてはまた、限定するものではないが、ZD−1839/イレッサ(Baselga et al., Drugs 2000, 60 (Suppl. 1), 33-40)、OSI−774/タルセバ(Pollack et al., J. Pharm. Exp. Ther. 1999, 291(2), 739-748)、CI−1033(Bridges, Curr. Med. Chem. 1999, 6, 825-843)、GW−2016(Lackey et al., 92nd AACR Meeting, New Orleans, March 24-28,2001, 要約4582)、CP−724,714(Jani et al., Proceedings of the American Society for Clinical Oncology 2004, 23, 要約3122)、HKI−272(Rabindran et al., Cancer Res. 2004, 64, 3958-3965)、及びEKB−569(Greenberger et al., 11th NCI-EORTC-AACR Symposium on New Drugs in Cancer Therapy, Amsterdam, November 7-10, 2000, 要約388)等のような小分子のキナーゼ阻害剤が挙げられる。
【0062】
別の一具体例においては、本発明の薬剤組成物は、分断された(split)キナーゼドメインファミリー(VEGFR、FGFR、PDGFR、flt−3、c−kit、c−fmsその他)の受容体キナーゼ及びそれらのそれぞれのリガンドに標的化する、他のシグナル伝達阻害剤と組み合わせることができる。これらの薬剤としては、限定するものではないが、アバスチン(ベバシズマブ)等のような抗体が挙げられる。それらのリガンドとしてはまた、限定するものではないが、STI−571/グリーベック(Zvelebil, Curr. Opin. Oncol., Endocr. Metab. Invest. Drugs 2000, 2(1), 74-82)、PTK−787(Wood et al., Cancer Res, 2000, 60(8), 2178-2189)、SU−11248(Demetri et al., Proceedings of the American Society for Clinical Oncology, 2004, 23, 要約3001)、ZD−6474(Hennequin et al., 92nd AACA Meeting, New Orleans, March 24-28, 2001, 要約3152)、AG−13736(Herbst et al., Clin. Cancer Res. 2003, 9, 16(Suppl 1), 要約C253)、KRN−951(Taguchi et al., 95th AACR Meeting, Orlando, FL., 2004, 要約2575)、CP−547,632(Beebe et al., Cancer Res. 2003, 63, 7301-7309)、CP−673,451(Roberts et al., Proceedings of the American Association of Cancer Research 2004, 45, 要約3989)、CHIR−258(Lee et al, Proceedings of the American Association of Cancer Research 2004, 45, 要約2130)、MLN−518(Shen et al., Blood 2003, 102, 11, 要約476)、及びAZD−2171(Hennequin, et al., Proceedings of the American Association of Cancer Research 2004, 45, 要約5439)等のような小分子の阻害剤が挙げられる。
【0063】
別の一具体例においては、本発明の薬剤組成物は、Raf/MEK/ERK伝達経路(Avruch et al., Recent Prog. Horm. Res. 2001, 56, 127-155)又はPKB(akt)経路(Lawlor et al., J. Cell Sci. 2001, 114, 2903-2910)の阻害剤と組み合わせることができる。それらとしては、限定するものではないが、PD−325901(Sebolt-Leopold et al., Proceedings of the American Association of Cancer Research 2004, 45, 要約4003)、及びARRY−142886(Wallace et al., Proceedings of the American Association of Cancer Research 2004, 45, 要約3891)が挙げられる。
【0064】
別の一具体例においては、本発明の薬剤組成物は、ヒストンデアセチラーゼの阻害剤と組み合わせることができる。そのような薬剤としては、限定するものではないが、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)、LAQ−824(Ottmann et al., Proceedings of the American Society for Clinical Oncology 2004, 23, 要約3024)、LBH−589(Beck et al., Proceedings of the American Society for Clinical Oncology 2004, 23, 要約3025)、MS−275(Ryan et al., Proceedings of the American Association of Cancer Research 2004, 45, 要約2452)、及びFR−901228(Piekarz et al., Proceedings of the American Society for Clinical Oncology 2004, 23, 要約3028)が挙げられる。
【0065】
別の一具体例においては、本発明の薬剤組成物は、プロテアソーム阻害剤や、m−TOR阻害剤等のような他の抗癌剤と組み合わせることができる。それらとしては、限定するものではないが、ボルテゾミブ(Mayckay et al., Proceedings of the American Society for Clinical Oncology 2004, 23, 要約3109)、及びCCI−779(Wu et al., Proceedings of the American Association of Cancer Research 2004, 45, 要約3849)が挙げられる。
【0066】
一般に、本発明の薬剤組成物と組み合わせた形での細胞毒性の及び/又は細胞増殖抑制性の抗癌剤の使用は、次のことに役立つ。
(1)何れかの薬剤を単独で投与するのに比して、腫瘍の増殖を減らし又は腫瘍を消滅させさえもすることにおいて、よりよい効果を示す。
(2)投与される薬剤の投与量の低減をもたらす。
(3)単独薬剤での化学療法及び他の組み合わせ療法で観察されるところに比して、有害な薬理学的副作用がより少なく患者における認容性に優れた化学療法プロトコールを与える。
(4)哺乳類、特にヒトにおいて、より広いスペクトルの種々のタイプの癌の治療をもたらす。
(5)治療を受けた患者において、より高い応答率を与える。
(6)治療を受けた患者において、標準の化学療法に比して、より長い生存期間をもたらす。
(7)腫瘍の進行時間を引き延ばす。及び/又は
(8)他の癌治療剤の組み合わせが対立する効果を生ずる例が知られているのに比して、それらの薬剤が単独で用いられたときの効果と少なくとも同等に優れた効果及び認容性をもたらす。
【0067】
上記の情報及び当該技術において入手可能な情報を用いて、当業者が本発明を完全に利用することができるものと信ずる。
ここに提示された本発明の精神及び範囲から逸脱することなしに、本発明に変更及び修正を加えることができることは当業者に明らかな筈である。
上に引用した全ての刊行物、出願及び特許は、参照により本明細書に導入されている。
【0068】
実施例1は、本発明において用いる化合物の製造についてのものである。本発明の化合物の代表的な固形分散体処方は、実施例2、3及び4に記述されている。
【実施例】
【0069】
実施例1: 4{4−[3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ウレイド]フェノキシ}ピリジン−2−カルボン酸メチルアミドの製造
BAY 43−9006(4{4−[3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ウレイド]フェノキシ}ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド)の製造方法は、Bankston et al., "A Scalable Synthesis of BAY 43-9006: A Potent Raf Kinase Inhibitor for the Treatment of Cancer" Org. Proc. Res. Dev. 2002, 6(6), 777-781.に記載されている。
【0070】
実施例2: 実施例1の化合物とポリビニルピロリドンとの1:1、1:2、1:3、1:4、及び1:5固形分散体の製造
キャップを外したバイアル中で、遊離塩基としての実施例Iの化合物1部を、ポリビニルピロリドン(PVP−25/Kollidon 25)の1、2、3、4、又は5部と、それぞれ混合した。混合物を、全ての粉末が溶液となるまで、アセトンとエタノールとの5:1混液の十分量に溶解させた。キャップを外したそれらバイアルを、40℃に設定した真空オーブンに入れ、少なくとも24時間乾燥させた。
実施例2の薬剤組成物のin vitroでの溶解性を、下の溶解プロフィールに描かれたように実施例1の遊離塩基のin vitroでの溶解性と比較する。
このデータに基づき、本発明の化合物を、固形分散体として経口投与することは、慣用の処方に比して、ヒトにおける吸収及び生物学的利用性の改善をもたらすと考えられる。
【0071】
【表1】


【0072】
種々の量のポリビニルピロリドン(比率は1:1ないし1:5の範囲に及ぶ)での本発明の化合物の固形分散体のin vitroでの溶解プロフィール
【0073】
実施例3: 実施例1の化合物とヒドロキシプロピルセルロースとの1:3固形分散体の製造
耐熱容器中で、遊離塩基としての実施例1の化合物1部を、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)3部と完全に混合し、加熱プレート上で温度>200℃にて一緒に溶解させ、次いで室温まで冷却させた。
【0074】
実施例4: 実施例1の化合物とデンプン及びポリエチレングリコールとの1:5固形分散体の製造
耐熱容器中で、遊離塩基としての実施例1の化合物1部を、デンプン4部とポリエチレングリコール(PEG6000)1部と完全に混合し、加熱プレート上で温度>200℃にて一緒に溶解させ、次いで室温まで冷却させた。
【0075】
式Iの化合物の固形分散体を含んでなるこの新規なタイプの薬剤組成物は、改善された生物学的利用性、改善された患者間変動、癌を含む過剰増殖性疾患の治療のための全体として優れた有効性をもたらすものと信じる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
これらの発見に基づき、式Iの化合物の固形分散体を含んでなるこの新しいタイプの薬剤組成物は、改善された吸収と曝露、患者間の変動の減少、及び、癌を含む過剰増殖性疾患の治療のための全体として優れた有効性をもたらすものと考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
4{4−[3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ウレイド]フェノキシ}ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド及び/又はその塩、水和物、溶媒和物を固形分散体の形で含有する組成物。
【請求項2】
少なくとも式I
【化1】



の化合物と薬剤学的に許容し得るマトリックスとを含んでなる固形分散体を含んでなる組成物。
【請求項3】
該マトリックスが、式Iの化合物を溶解又は分散させることのできるポリマー性の賦形剤又は非ポリマー性の賦形剤を含んでなるものである、請求項2の組成物。
【請求項4】
該マトリックスが、式Iの化合物を溶解又は分散させることのできるポリマー性賦形剤及び非ポリマー性賦形剤の組み合わせを含んでなるものである、請求項2の組成物。
【請求項5】
該マトリックスが水溶性ポリマーを含んでなるものである、請求項2の組成物。
【請求項6】
該マトリックスが、ポリビニルピロリドン、コポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール又はポリエチレンオキシドよりなる群からの少なくとも1種のポリマーを含んでなるものである、請求項5の組成物。
【請求項7】
該マトリックスがポリビニルピロリドンを含んでなるものである、請求項6の組成物。
【請求項8】
溶媒不含の塩基として計算された式Iの化合物とポリビニルピロリドンとの重量比が1:0.5〜1:20である、請求項7の組成物。
【請求項9】
該マトリックスが、ヒドロキシプロピルセルロースを含んでなるものである、請求項6の組成物。
【請求項10】
溶媒不含の塩基として計算された式Iの化合物とヒドロキシプロピルセルロースとの重量比が1:0.5〜1:20である、請求項9の組成物。
【請求項11】
該固形分散体が、クロスカルメロースナトリウム、グリコール酸スターチナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、微結晶セルロース又はこれらの組み合わせを含んでなるものである、上記請求項の何れかの組成物。
【請求項12】
該固形分散体が、ポリビニルピロリドン及びクロスカルメロースナトリウムを含んでなるものである、請求項8の組成物。
【請求項13】
該固形分散体が、ポリビニルピロリドン及びグリコール酸スターチナトリウムを含んでなるものである、請求項8の組成物。
【請求項14】
該固形分散体が、ポリビニルピロリドン、クロスカルメロースナトリウム及び微結晶セルロースを含んでなるものである、請求項8の組成物。
【請求項15】
該固形分散体が、ヒドロキシプロピルセルロースとクロスカルメロースナトリウムとを含んでなるものである、請求項10の組成物。
【請求項16】
該固形分散体が、ヒドロキシプロピルセルロースと、糖、糖アルコール、シクロデキストリンである少なくとも1種の賦形剤とを含んでなるものである、請求項10の組成物。
【請求項17】
該固形分散体が実質的に均質である、上記請求項の何れかの組成物。
【請求項18】
式Iの化合物を実質的にアモルファスの形で含むものである、上記請求項の何れかの組成物。
【請求項19】
経口投与用の薬剤組成物である、上記請求項の何れかの組成物。
【請求項20】
錠剤の形態の薬剤組成物である、上記請求項の何れかの組成物。
【請求項21】
カプセル剤の形態の薬剤組成物である、上記請求項の何れかの組成物。
【請求項22】
散剤、顆粒剤又はサシェ剤の形態の薬剤組成物である、上記請求項の何れかの組成物。
【請求項23】
式I
【化2】



の化合物の固形分散体を製造するための方法であって、式Iの化合物と少なくとも1種のマトリックスとをホットメルト押出、ホットメルトコーティング、溶融スプレー、凝結、溶媒蒸発法又はこれらの組合せに同時に付すことを含んでなる、製造方法。
【請求項24】
該固形分散体が、式Iの化合物と少なくとも1種のマトリックス剤とをホットメルト押出に付すことによって製造されるものである、請求項23の製造方法。
【請求項25】
該固形分散体が、式Iの化合物と少なくとも1種のマトリックス剤とを溶媒蒸発法に付すことによって製造されるものである、請求項23の製造方法。
【請求項26】
該固形分散体を更に、粉末化、篩がけ、ローラー圧縮、粉砕、選別、混合又はこれらの組合せである少なくとも1つの更なる処理ステップに付すものである、請求項23ないし25の方法。
【請求項27】
該固形分散体を1種又は2種以上の薬剤学的に許容し得る賦形剤と混合して混合物を形成し、該混合物を錠剤、充填済みカプセル剤またはサシェ剤へと成形する更なるステップを含むものである、請求項23ないし26の方法。
【請求項28】
請求項23ないし27の方法により製造される薬剤組成物。
【請求項29】
単一薬剤として又は他の治療剤との組合せの形で、ヒトを含む哺乳類に請求項1ないし22及び28の何れかの薬剤組成物を投与することを含んでなる、過剰増殖性疾患を治療するための方法。
【請求項30】
単一薬剤として又は他の治療剤との組合せの形で、ヒトを含む哺乳類に請求項1ないし22及び28の何れかの薬剤組成物を投与することを含んでなる、癌を治療するための方法。
【請求項31】
単一薬剤として又は放射線療法との組合せの形で、ヒトを含む哺乳類に請求項1ないし22及び28の何れかの薬剤組成物を投与することを含んでなる、癌を治療するための方法。
【請求項32】
細胞毒療法との組合せの形で、ヒト患者に請求項1ないし22及び28の何れかの薬剤組成物を投与することを含んでなる、癌を治療するための方法。
【請求項33】
VEGFR、PDGFR、src、abl flt−3、EGFR、HER−2、オーロラ、raf、MEK,ERK、PI−3キナーゼ、AKT、mTOR、又はHDACに標的化する別の抗癌療法との組合せの形で、請求項1ないし22及び28の何れかの薬剤組成物をヒト患者に投与することを含んでなる、癌を治療するための方法。

【公表番号】特表2008−511686(P2008−511686A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−533490(P2007−533490)
【出願日】平成17年8月29日(2005.8.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/030542
【国際公開番号】WO2006/026501
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(504210617)バイエル、ファーマシューテイカルズ、コーポレイション (11)
【Fターム(参考)】