説明

癌治療用イミダゾリジノニルアミノピリミジン化合物

本発明は、Plk1を阻害することにより癌治療のための臨床用途があると考えられる、新規なイミダゾリジノニルアミノピリミジン化合物を提供する。


(式中、Rはアミノメチル、(C−Cアルキル)アミノメチル、ジ(C−Cアルキル)アミノメチル、N−エチル−N−メチル−アミノメチル、1−アミノエチル、1−((C−Cアルキル)アミノ)−エチル、3,3,3−トリフルオロプロピルアミノメチル、エチニル、2−ヒドロキシ−エトキシ、2−ヒドロキシエチルアミノメチル、2−シアノエチルアミノメチル、モルホリン−4−イルメチル、メトキシメトキシメチル、シクロプロピル、1−アゼチジニルメチル、1−ピロリジニルメチル、又は1,3−ジオキソラン−2−イルであり、
は水素又はハロであり、
は水素又はハロであり、
但し、R及びRのうちの少なくとも1つが水素であり、
は水素、メチル、又はハロであり、
「−−−−」は存在するか又は存在しない単結合である)、
又は薬理学的に許容できるその塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イミダゾリジノニルアミノピリミジン化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
Plk1は、ポロボックス領域として公知のホスホセリン/トレオニン結合ドメインによって特徴付けられる、プロテインキナーゼの小ファミリーに属する。Plk1は、細胞周期の調節において中心的役割を果たす。他の機能もさることながら、Plk1は、有糸分裂(癌細胞が分裂する段階)の開始、進行及び脱出を制御すると考えられる。したがって、癌細胞においてPlk1を妨害することにより、それらの分裂又は有糸分裂が防止される。
【0003】
ビンカアルカロイド(NAVELBINE(登録商標))、タキソイド(TAXOTERE(登録商標))及びトポイソメラーゼII阻害剤(ADRIAMYCIN(登録商標))などの、有糸分裂を妨害する強力な抗癌剤が同定されている。VELCADE(登録商標)は、26Sプロテオソームを阻害する抗癌剤である。しかしながらこれらの薬剤は、正常な非分裂細胞にも顕著な副作用を生じさせる。Plk阻害剤は分裂細胞を特異的に標的とし、望ましくない毒性を回避できる可能性がある。
【0004】
Plk1の阻害剤は、当該技術分野で公知である。例えば特許文献1:国際公開第06/066172号を参照のこと。更に特許文献2:国際公開第06/021548号は、Plk1阻害剤として、特定のジヒドロプテリジノン類似体(例えばBI−2536)を開示している。BI−2536は目下、第2フェーズの臨床試験の段階にあるが、高いクリアランス(CL>1000mL/分)を示し、またヒトでの骨髄抑制により用量が限定されてしまうものである。改良された効力又は薬物動態特性を有する、Plk1阻害化合物へのニーズが今も存在している。経口投与可能なPlk1阻害剤を提供することもまた有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第06/066172号パンフレット
【特許文献2】国際公開第06/021548号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、Plk1の阻害により癌の治療に臨床上使用できると考えられる、新規なイミダゾリジノニルアミノピリミジン化合物を提供する。これらの化合物の幾つかは、特許文献1で開示される化合物を凌ぐ効力を有すると考えられる。更に、これらの化合物の中の幾つかは、BI−2536よりも改善された薬物動態特性を有すると考えられる。更に、試験された本発明の化合物の経口時の生体利用度から、これらの化合物の中の幾つかは経口投与できるものと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、式Iの化合物
【化1】

(式中、Rはアミノメチル、(C−Cアルキル)アミノメチル、ジ(C−Cアルキル)アミノメチル、N−エチル−N−メチル−アミノメチル、1−アミノエチル、1−((C−Cアルキル)アミノ)−エチル、3,3,3−トリフルオロプロピルアミノメチル、エチニル、2−ヒドロキシ−エトキシ、2−ヒドロキシエチルアミノメチル、2−シアノエチルアミノメチル、モルホリン−4−イルメチル、メトキシメトキシメチル、シクロプロピル、1−アゼチジニルメチル、1−ピロリジニルメチル、又は1,3−ジオキソラン−2−イルであり、
は水素又はハロであり、
は水素又はハロであり、
但しR及びRのうちの少なくとも1つが水素であり、
は水素、メチル、又はハロであり、
「−−−−」は存在するか又は存在しない単結合である)、
又は薬理学的に許容できるその塩を提供する。
【0008】
本発明は、哺乳動物における、肺非小細胞癌、口腔咽頭癌、食道癌、胃癌、黒色腫、皮膚の類表皮癌、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、結腸直腸癌、神経膠腫、神経膠芽腫、甲状腺癌、子宮頸癌、膵臓癌、前立腺癌、肝芽腫及び非ホジキンリンパ腫からなる群より選択される癌を治療する方法であって、かかる治療を必要とする哺乳動物に有効量の式Iの化合物又は薬理学的に許容できるその塩を投与する工程を含む方法を提供する。
【0009】
本発明はまた、薬理学的に許容できる賦形剤、担体又は希釈剤との組み合わせで、式Iの化合物又は薬理学的に許容できるその塩を含む医薬組成物を提供する。
【0010】
本発明はまた、薬剤の調製用の、式Iの化合物又は薬理学的に許容できるその塩を提供する。更に本発明は、哺乳動物における、肺非小細胞癌、口腔咽頭癌、食道癌、胃癌、黒色腫、皮膚の類表皮癌、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、結腸直腸癌、神経膠腫、神経膠芽腫、甲状腺癌、子宮頸癌、膵臓癌、前立腺癌、肝芽腫及び非ホジキンリンパ腫からなる群より選択される癌の治療用薬剤の調製に使用するための、式Iの化合物又は薬理学的に許容できるその塩を提供する。更に本発明は、肺非小細胞癌、口腔咽頭癌、食道癌、胃癌、黒色腫、皮膚の類表皮癌、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、結腸直腸癌、神経膠腫、神経膠芽腫、甲状腺癌、子宮頸癌、膵臓癌、前立腺癌、肝芽腫及び非ホジキンリンパ腫からなる群より選択される癌の治療に適する医薬組成物であって、1つ以上の薬理学的に許容できる賦形剤、担体又は希釈剤との組み合わせで、式Iの化合物又は薬理学的に許容できるその塩を含む組成物を提供する。
【0011】
本発明はまた、次式の化合物
【化2】

(式中、Rはジメチルアミノメチル、モルホリニルメチル、メトキシメトキシメチル、シクロプロピル、又は1,3−ジオキソラン−2イルであり、
は水素、又はハロであり、
は水素、又はハロであり、
但しR及びRのうちの少なくとも1つが水素であり、
は水素、又はハロである)、
又は薬理学的に許容できるその塩を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上記の式において使用する一般的な化学用語は、それらの通常の意味で用いる。例えば、「C−Cアルキル」という用語は、メチル、エチル、プロピル、及びイソプロピルなどの直鎖又は分岐鎖アルキルを意味する。「C−Cアルキル」は、「C−Cアルキル」の意味するものに含まれ、メチル及びエチルを意味する。「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを意味する。
【0013】
当業者であれば、本発明の化合物のほとんど又は全てが塩を形成できることを理解するであろう。本発明の化合物はアミンであり、したがって、多くの無機酸及び有機酸のうちのいずれかと反応して、薬理学的に許容できる酸付加塩を形成する。かかる薬理学的に許容できる酸付加塩、及びそれらを調製するための一般的な方法論は、当該技術分野で周知である。例えば、P.Stahlら、HANDBOOK OF PHARMACEUTICAL SALTS: PROPERTIES,SELECTION AND USE,(VCHA/Wiley−VCH,2002)、S.M.Bergeら、“Pharmaceutical Salts,“Journal of Pharmaceutical Sciences,第66巻,第1号,January 1977を参照のこと。
【0014】
式Iの化合物で好ましいものは、
a)Rがジメチルアミノメチルである。
b)Rがメチルアミノメチルである。
c)Rがアミノメチルである。
d)Rが水素である。
e)Rがハロである。
f)Rがフルオロである。
g)Rがハロである。
h)Rがフルオロである。
i)Rがジメチルアミノメチルであり、Rが水素であり、Rがフルオロであり、かつRがフルオロである。
j)Rがメチルアミノメチルであり、Rが水素であり、Rがフルオロであり、かつRがフルオロである。並びに、
k)Rがアミノメチルであり、Rが水素であり、Rがフルオロであり、かつRがフルオロである。
【0015】
(反応式)
当業者であれば、本発明の化合物の置換基の全てが、化合物の合成に使用される特定の反応条件を許容できるわけではないことを認識するであろう。これらの部分は、合成中の好都合な何れのタイミングで導入してもよく、又はそれらを必要に応じて若しくは所望により保護し、次いで脱保護してもよい。当業者であれば、保護基は本発明の化合物の合成中、好都合なタイミングでいつでも除去できることを認識するであろう。窒素及び酸素の保護基を導入し、除去する方法は当該技術分野で周知である。例えば、Greene and Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第3版,John Wiley and Sons,New York,Chapter 7(1999)を参照のこと。更に当業者であれば、多くの場合、それらの基を導入する順序は特定のものに限定されないことを認識するであろう。本発明の化合物の製造に必要な工程の特定の順序は、合成される特定の化合物、出発化合物、及び置換部分の相対的な不安定性に基づく場合がある。
【0016】
特に明記しない限り、以下の反応式中の全ての置換基は、上記で定義したとおりであり、また試薬は当該技術分野で周知であって、一般的に用いられているか、又は調製例及び実施例で例証される。
【化3】

【0017】
2−ハロピリミジン化合物(1)を、1−(2−アミノエチル)−2−イミダゾリジノン(2)又は1−(2−アミノエチル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン(3)と反応させ、求核置換反応を経て化合物(4)を得る。かかる反応は、n−ブタノール、ジオキサンなどの適切な溶媒中で実施する。一般に、上記の反応は、油浴又はマイクロ波反応器を用いて、約120℃〜150℃の温度で実施する。この反応の典型的な化学量論では、約2当量のアミン類(2)若しくは(3)、又はトリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミンなどの酸スカベンジャーの過剰量存在下で1当量の(2)若しくは(3)が用いられる。
【0018】
任意の工程で、化合物(4)の薬理学的に許容できる塩が形成される。かかる塩の形成は当該技術分野で周知であり、一般に行われている。
【0019】
当業者に明らかなように、化合物(1)は、当該技術分野で周知の確立された手順を用いて、本願明細書に記載された方法と同様の方法で容易に調製できる。例えば、化合物(1)は、任意に置換されたピリジニル化合物と、任意に置換されたベンゾチオフェニル化合物とを、鈴木カップリング法によりカップリングして調製される。得られる鈴木付加物を、当該技術分野で周知の方法によりホウ素化し、更に、任意に置換されたハロゲン化ピリミジンと、鈴木カップリング法によりカップリングする。また、化合物(1)の調製に必要な工程は、化合物(1)に至る中間体と化合物(2)又は(3)との反応を含めて、後の炭素−炭素結合の形成、カップリング反応などにより化合物(4)が提供される方法であれば、いかなる順序でも実施できると認識されている。
【0020】
本発明を、以下の実施例及び調製例により更に例証する。これらの実施例及び調製例は、例示のみを目的とするものであり、いかようにも本発明を限定することを目的とするものではない。特に明記しない限り、実施例及び調製例において使用する用語は、それらの通常の意味を有する。下記に例示される化合物は、ChemDraw(登録商標)(Version 10)を使用して命名した。
【0021】
調製例
調製例1:2−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン
7−ブロモ−ベンゾ[b]チオフェン(426mg、2mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(756mg、3mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(1:1)(81mg、0.1mmol)、酢酸カリウム(294mg、3mmol)を、フラスコ内のジメチルスルホキシド(DMSO)(10mL)中で混合した。混合液を5分間窒素でバブリングした。フラスコを密封し、油浴に入れて100℃で4時間、加熱した。混合液をクロロホルム/イソプロパノール(3/1)で希釈した。飽和塩化ナトリウム水溶液で溶液を洗浄した。硫酸ナトリウムにより有機溶液を乾燥させた。真空中で溶液を濃縮し、暗色の残渣を得た。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン〜20%の酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、無色の固体として標題化合物(342mg、66%)を得た。MS(ES)m/z261[M+1]
【0022】
調製例2:ベンゾ[b]チオフェン−7−ボロン酸
撹拌機を備えた12Lのモートンフラスコ内の、無水テトラヒドロフラン(THF)(4000mL)中に、7−ブロモベンゾ[b]チオフェン(300g、1.41mmol)及びトリイソプロピルボレート(403.6g、2.15mmol)を混合し、窒素雰囲気下、ドライアイス/アセトン浴内で−70℃に冷却した。内部温度が−67.5℃より低い温度に維持される速度で、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、714g、1.68mmol)を滴状添加した。添加終了後、反応混合液をこの温度で1時間撹拌した。冷却槽を取り外し、4Lの水をゆっくりと添加した。次に、溶液のpHがpH=2付近になるまで濃HCl(75mL)を添加した。スラリーを1時間撹拌した。混合液のpHを約pH=12に調整するのに充分な量の5N NaOH水溶液を添加した。層を分離させ、水性層を取っておいた。その有機層を4Lのメチル−tert−ブチルエーテルで希釈し、1Lの5N NaOH水溶液で抽出した。層を分離させた。水性層を前の水性抽出物と合わせた。更なるメチル−tert−ブチルエーテル(4L)で水性層を洗浄した。層を分離させ、撹拌機を備えた12Lの3口の丸底フラスコに水性層を移した。溶液を氷水浴で+5℃に冷却した。溶液のpHがpH=2付近になるまで、濃HClを添加した。混合液を30分間撹拌し、得られる固体を濾取した。漏斗内の固体を2Lの水で2回濯ぎ、30分間風乾した。50℃の真空オーブン内に固体を入れ、真空下で一晩乾燥させた。2Lのn−ヘプタンで乾燥固体を30分間スラリー化することにより、黄色の着色を除去した。再度固体を濾取し、30分間風乾し、40℃で一晩真空乾燥させ、白色固体として標題化合物(188.8g、75%)を得た。H NMR(400MHz,CDOD) δ7.86(d,J=8Hz,1H)、7.49−7.57(m,2H)、7.30−7.39(m,2H)。
【0023】
調製例3:5−ブロモメチル−2−フルオロ−4−ヨード−ピリジン
フラスコ中で、2−フルオロ−4−ヨード−ピコリン(10.0g、42.19mmol)、N−ブロモスクシンイミド(9.76g、54.85mmol)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(3.46g、21.10mmol)及び乾燥CCl(100mL)を混合した。窒素雰囲気下で16時間、70℃で加熱した。室温に冷却した。ジクロロメタンで希釈し、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。層を分離させ、硫酸マグネシウムにより有機層を乾燥させた。真空中で濃縮し、粗生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(1%〜15%の酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物(8.27g、62%)を得た。MS(EI)m/z315M
【0024】
調製例4:4−(6−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−イルメチル)−モルホリン
フラスコ中で、5−ブロモメチル−2−フルオロ−4−ヨード−ピリジン(6.13g、19.40mmol)、モルホリン(3.38g、38.80mmol)及び乾燥CHCN(100mL)を窒素下にて混合した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(6.76mL、38.80mmol、2M THF溶液)を添加した。81℃で2時間加熱して、室温に冷却した。ジクロロメタンで希釈して、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。水性層から有機層を分離し、硫酸マグネシウムにより乾燥させた。濾過の後、真空中で濃縮して粗製標題化合物(6.23g、99.7%)を得た。MS(ES)m/z323[M+1]
【0025】
4−(6−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−イルメチル)−モルホリンの場合と同様の手順を用い、適切なアミンで以下の化合物を合成した。
【0026】
【表1】

【0027】
調製例14:(6−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−イルメチル)−(3,3,3−トリフルオロ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
アセトニトリル(2mL)中の5−ブロモメチル−2−フルオロ−4−ヨード−ピリジン(0.315g、997μmol)の溶液を、アセトニトリル(2mL)中の3,3,3−トリフルオロプロピルアミン塩酸塩(298mg、1.99mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(521μL、2.99mmol)の溶液に室温で滴状添加した。一晩、混合液を撹拌した。ジイソプロピルエチルアミン(522μL、2.99mmol)及びジ−tert−ブチルジカーボネート(1.088g、4.99mmol)を混合液に添加して、室温で6時間撹拌した。80gのシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより、1:1のヘキサン/ジクロロメタン〜50%酢酸エチル/1:1ヘキサン/ジクロロメタンの勾配を用いて溶出して生成物を濃縮及び精製し、(3,3,3−トリフルオロ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルとの1対1の混合物として標題化合物(813mg)を得た。MS(ES)m/z449[M+1]
【0028】
(6−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−イルメチル)−(3,3,3−トリフルオロ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルにおけると同様の手順を用いて以下の化合物を合成した。
【0029】
【表2】

【0030】
調製例16:[6−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−(3,3,3−トリフルオロ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
DMSO(5mL)中の(6−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−イルメチル)−(3,3,3−トリフルオロ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(600mg、1.3mmol)、酢酸カリウム(262.8mg、2.7mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(407.9mg、1.6mmol)、及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)CHCl(109.2mg、133.9μmol)の懸濁液を脱気した。80℃で4時間、混合液を密封容器にて加熱した。混合液を室温に冷却して、酢酸エチルで希釈した。有機溶液を水で3回、飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥させて濾過し、蒸発させた。粗生成物を25gのシリカゲル装填カラムにジクロロメタンと共に付し、40gシリカゲルカラムへと、ヘキサン〜ジクロロメタンの勾配で溶出して、次いでジクロロメタン〜酢酸エチルの勾配で溶出し、暗色の油状物として標題化合物(600mg)を得た。生成物は、前のステップからの(3,3,3−トリフルオロ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを依然として含むものであった。更に精製することなく、先に進めた。GC(EI)m/z448M
【0031】
調製例17:2−フルオロ−5−メトキシメトキシ−ピリジン
6−フルオロ−ピリジン−3−オール(3.5g、30.95mmol)をジメチルホルムアミド(20mL)中の水素化ナトリウム(1.49g、37.14mmol)の懸濁液に添加した。混合液を1時間撹拌した。クロロメチルメチルエーテル(2g、25.0mmol)を添加した。室温で一晩、混合液を撹拌した。混合液を酢酸エチル及び水で希釈した。有機層を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸ナトリウムにより混合液を乾燥させた。真空中で溶液を褐色の油状物に濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10%酢酸エチル)により精製して標題化合物(4.30g、88.4%)を黄色の油状物として得た。H NMR(400MHz、CDCl) δ3.48(s,3H)、5.15(s,2H)、6.85(dd,J=3.6Hz,J=8.8Hz,1H)、7.47(m,1H)、7.96(m,1H)。
【0032】
調製例18:2−フルオロ−4−ヨード−5−メトキシメトキシ−ピリジン
THF(60mL)中の2−フルオロ−5−メトキシメトキシ−ピリジン(4.1g、26.1mmol)の溶液を−75℃に冷却した。30分かけてtert−ブチルリチウム(ペンタン中の1.7M溶液、30.4mL、51.66mmol)を添加した。混合液を更に30分間、撹拌した。ヨウ素(9.8g、38.61mmol、60mLのテトラヒドロフランに溶解)を添加した。添加が完了した後、1時間撹拌した。撹拌しながら1時間かけて、温度を室温に上昇させた。混合液を水で処理した。溶液を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸ナトリウムにより混合液を乾燥させた。真空中で溶液を褐色の固体に濃縮した。その褐色固体をヘキサンで粉末状にした。濾過して、標題化合物(3.9g、52.8%)を褐色の固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl) δ3.53(s,3H)、5.23(s,2H)、7.39(d,J=4.0Hz,1H)、7.96(d,J=1.6Hz,1H)。
【0033】
調製例19:6−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−オール
HCl(31mLの3M水溶液、93.01mmol)をTHF(20mL)中の2−フルオロ−4−ヨード−5−メトキシメトキシ−ピリジン(3.9g、13.78mmol)の溶液に添加した。60℃で3時間、混合液を撹拌した。混合液を冷却した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液をゆっくりと添加して、pHを7に調整した。溶液を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸ナトリウムにより混合液を乾燥させた。真空中で溶液を濃縮して、標題化合物(3.2g、97.18%)を黄色の固体として得た。MS(EI)m/z240[M+1]
【0034】
調製例20:2−フルオロ−4−ヨード−5−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−ピリジン
6−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−オール(0.5g、2.09mmol)を、ジメチルホルムアミド(6mL)中の水素化ナトリウム(鉱油中の60%分散物、0.1g、2.51mmol)の懸濁液に添加した。混合液を1時間撹拌した。2−(2−ブロモ−エトキシ)−テトラヒドロ−ピラン(0.51g、2.34mmol)を添加した。室温で一晩、溶液を撹拌した。混合液を酢酸エチル及び水で希釈した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液及び水で洗浄した。硫酸ナトリウムにより混合液を乾燥させた。真空中で溶液を濃縮して、黄色の油状物を得た。油状物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10%酢酸エチル)により精製し、標題化合物(0.58g、75.5%)を淡黄色の油状物として得た。MS(EI)m/z368[M+1]
【0035】
調製例21:4−クロロ−3−トリメチルシリルエチニル−ピリジン
トルエン(20mL)中の4−クロロ−3−ヨードピリジン(2.0g、8.3mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(0.219g、0.83mmol)、ヨウ化銅(0.079g、0.41mmol)及び酢酸パラジウム(II)(0.093g、0.41mmol)を添加し、室温でトリエチルアミン(3.49mL、25mmol)を滴状添加して、その後連続的に撹拌しながらトリメチルシリルアセチレン(1.65mL、11.69mmol)を室温で添加した。室温で2時間、反応混合液を撹拌した。真空下にてトルエンを蒸発させることにより反応混合液を濃縮した。ヘキサンで粉末状にし、次いでヘキサン層を4〜5回デカントすることにより化合物(ほぼ純粋)を抽出した。ヘキサンを真空下にて蒸発させ、それを乾燥させ、純粋な化合物(1.68g、96%)を得た。H NMR(400MHz、CDCl) δ8.677(s,1H)、8.418(s,1H)、7.338(d,J=2.6Hz,1H)、0.286(s,9H)。MS(ES)m/z210[M+1]
【0036】
調製例22:(6−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−イルメチル)−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(6−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−イルメチル)−メチル−アミン(8g、30.07mmol)の粗製混合物を、窒素下で乾燥アセトニトリル(50mL)中のジイソプロピルエチルアミン(10.49mL、60.14mmol)と混合した。ジ−tert−ブチルジカーボネート(13.13g、60.14mmol)を添加して、一晩撹拌した。飽和炭酸水素塩、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で混合液を洗浄した。水性層から有機層を分離し、MgSOにより乾燥させた。濾過の後で、有機溶媒を除去して乾燥させ、粗生成物を得た。粗製物を5%〜25%の酢酸エチル/ヘキサンでカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(8.24g、75%)を得た。MS(ES)m/z367[M+1]
【0037】
調製例23:1−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−エタノール
0℃で窒素下にて、メチルマグネシウムブロミド(エーテル中3M、12mL、36mmol)をTHF(20mL)中の6−フルオロ−ピリジン−3−カルボアルデヒド(3g、24mmol)の溶液に添加した。一晩、室温で混合液を撹拌し続けた。1N HClで混合液を加水分解し、その後、希釈した水酸化アンモニウムで〜pH9に塩基性化した。生成物をクロロホルム/イソプロピルアルコール(3/1)で抽出した。硫酸ナトリウムにより乾燥させた。真空中で溶液を黄色の油状物に濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中、10%メタノール)により精製して生成物を無色の油状物(2.3g、68%)として得た。MS(ES)m/z142[M+1]
【0038】
調製例24:2−フルオロ−5−(1−メトキシメトキシ−エチル)−ピリジン
ジクロロメタン中の1−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−エタノール(3.0g、21.3mmol)の溶液にN,N’−ジイソプロピルエチルアミン及びクロロメトキシメタンを0℃で添加した。混合液を0℃で30分間、次いで室温で一晩、撹拌し続けた。混合液をクロロホルム/イソプロピルアルコール(3/1)で希釈した。その溶液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸ナトリウムにより、それを乾燥させた。真空中で溶液を暗色の残渣に濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン〜20%の酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、生成物を無色の固体(3g、66%)として得た。MS(ES)m/z186[M+1]
【0039】
調製例25:5−アジドメチル−2−フルオロ−4−ヨード−ピリジン
丸底フラスコ中、5−ブロモメチル−2−フルオロ−4−ヨード−ピリジン(0.45g、1.4mmol)、アジ化ナトリウム(370mg、5.7mmol)、及び18−クラウンエーテル(45mg、0.17mml)をジメチルホルムアミド(10mL)中で混合した。室温で4時間、混合液を撹拌した。反応混合液をクロロホルムで希釈して、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。水性層から有機層を分離し、MgSOにより乾燥させた。濾過の後、有機溶媒を真空中で蒸発させて、粗生成物を得た。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20%酢酸メチルで溶出)で精製して、標題化合物(無色の油状物、0.0.32g、82%)を得た。MS(ES)m/z279[M+1]
【0040】
調製例26:(4−クロロ−ピリジン−3−イル)−モルホリン−4−イル−メタノン
4−クロロニコチン酸(0.10g、6.0mmol)及び1,1’−カルボニルジイミダゾール(0.97g、6.0mmol)を乾燥THF(15mL)中で混合した。室温で窒素下にて、90分間撹拌した。モルホリン(1.58mL、18.0mmol)を添加して、室温で窒素下にて15時間撹拌した。ジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。層を分離させて、硫酸マグネシウムにより有機層を乾燥させた。真空中で濃縮した。粗製物残渣をカラムクロマトグラフィー[5%〜25%(ジクロロメタン中10%の2Mアンモニア/メタノール溶液)/ジクロロメタン]により精製して標題化合物(1.17g、86%)を得た。MS(ES)m/z227[M+1]
【0041】
調製例27:4−(4−クロロ−ピリジン−3−イルメチル)−モルホリン
(4−クロロ−ピリジン−3−イル)−モルホリン−4−イル−メタノン(1.17g、5.17mmol)を乾燥THF(10mL)に溶解させた。2M BH−MeS/THF(15mL、31.0mmol)の溶液を室温で窒素下にて滴状添加した。室温で15時間、窒素下にて撹拌した。メタノール(11.0mL)を非常にゆっくりと滴状添加した。60℃で3時間加熱し、真空中で室温に冷却して標題化合物(1.1g、100%)を得た。MS(ES)m/z213[M+1]
【0042】
調製例28:5−[1,3]ジオキソラン−2−イル−2−フルオロ−ピリジン
圧力容器中で、6−フルオロ−ピリジン−3−カルボアルデヒド(4g、32mmol)、エチレングリコール(3g、48mmol)、塩化銅(II)二水和物(0.56g、3.2mmol)及びTHF(10mL)を混合した。混合液を100℃で1時間加熱した。混合液をクロロホルム−イソプロパノール(3:1、100mL)で希釈した。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液及び水で洗浄した。硫酸ナトリウムにより有機層を乾燥させた。真空中で溶液を褐色の油状物に濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20%の酢酸エチル)により精製し、標題化合物(2.1g、39%)を淡黄色の油状物として得た。MS(ES)m/z170[M+1]
【0043】
調製例29:5−[1,3]ジオキソラン−2−イル−2−フルオロ−3−ヨード−ピリジン
THF(20mL)中の5−[1,3]ジオキソラン−2−イル−2−フルオロ−ピリジン(2.0g、11.8mmol)の溶液を−75℃に冷却した。リチウムジイソプロピルアミド(THF中2M、6mL、12mmol)を30分間かけて添加した。混合液を更に3時間撹拌した。ヨウ素(3.0g、11.8mmol、100mLのTHFに溶解したもの)を添加した。添加が完了した後2時間、撹拌した。混合液に水(100mL)を添加して、撹拌しながら1時間かけて温度を室温まで上げた。混合液を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(50mL)で処理した。溶液をエーテルで抽出した。真空中で溶液を褐色の油状物に濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン〜20%の酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、標題化合物(2.1g、60%)を黄色の油状物として得た。MS(ES)m/z296[M+1]
【0044】
5−[1,3]ジオキソラン−2−イル−2−フルオロ−3−ヨード−ピリジンの場合と同様の手順を用いて以下の化合物を合成した。
【0045】
【表3】

【0046】
調製例31:5−[1,3]ジオキソラン−2−イル−2−フルオロ−4−ヨード−ピリジン
THF(20mL)中の5−[1,3]ジオキソラン−2−イル−2−フルオロ−3−ヨード−ピリジン(2.0g、6.8mmol)の溶液を−75℃に冷却した。リチウムジイソプロピルアミド(THF中2M、3.4mL、6.8mmol)を30分間かけて添加した。混合液を更に3時間撹拌した。水(100mL)を添加し、撹拌しながら1時間かけて温度を室温まで上げた。溶液をエーテルで抽出した。真空中で溶液を褐色の油状物に濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン〜15%の酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、標題化合物(1.03g、51%)を黄色の油状物として得た。MS(ES)m/z296[M+1]
【0047】
5−[1,3]ジオキソラン−2−イル−2−フルオロ−4−ヨード−ピリジンの場合と同様の手順を用いて以下の化合物を合成した。
【0048】
【表4】

【0049】
調製例33:1−(6−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−イル)−エタノール
メタノール(10mL)中の2−フルオロ−4−ヨード−5−(1−メトキシメトキシ−エチル)−ピリジン(1g、3.2mmol)の溶液に1N HCl(5mL)を添加した。一晩、混合液を撹拌した。2N炭酸ナトリウムで反応混合液を希釈した。生成物をクロロホルムに抽出した。硫酸ナトリウムにより有機相を乾燥させた。真空中で溶液を濃縮して粗製物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中10%のメタノール)により精製し、生成物を白色固体(0.75g、87%)として得た。MS(ES)m/z268[M+1]
【0050】
調製例34:5−(1−アジド−エチル)−2−フルオロ−4−ヨード−ピリジン
ジクロロメタン(150mL)中のトリフェニルフィン(11g、42mmol)及び1,4−シクロヘキサジエン−2,2−ジカルボニトリル,4,5−ジクロロ−3,6−ジオキソ−(9g、40mmol)の溶液に、テトラ−N−ブチルアンモニウムアジドを氷浴での冷却下に添加した。次いで、1−(6−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−イル)−エタノール(6.7g、25.1mmol)を前記溶液に添加した。混合液を室温で1時間撹拌した。混合液を真空中で約50mLに濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン〜20%の酢酸エチル/ヘキサン勾配として)により精製し、標的生成物を無色の油状物(5.7g、78%)として得た。MS(ES)m/z293[M+1]
【0051】
調製例35:R−5−(1−アジド−エチル)−2−フルオロ−4−ヨード−ピリジン
5−(1−アジド−エチル)−2−フルオロ−4−ヨード−ピリジン(11.7g)を、キラルクロマトグラフィー(Chiralpak(登録商標)AS−Hカラム、270nmで15:85:イソプロピルアルコール/C7)により分割して、R−1−(1−アジド−エチル)−4−フルオロ−2−ヨード−ベンゼン(3.82g、33%)を得た。
【0052】
調製例36:1−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−エチルアミン
チタンテトラ(イソプロポキシド)(18.27g、64.27mmol)及びアンモニア(160.7mmol、MeOH中2M)中の1−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−エタノン(5g、32.14mmol)の混合液を、N下に室温で6時間撹拌した。この混合液にテトラヒドロホウ酸ナトリウム(1.82g、48.21mmol)を添加して、一晩撹拌した。反応混合液を水酸化アンモニウムでクエンチし、混合液を濾過した。濾液から溶媒を除去して、残渣をジクロロメタンで抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、NaSOにより乾燥させ、濾過し、溶媒を除去して、暗黄色の油状物(4.2g)を得た。MS(ES)m/z157[M+1]
【0053】
調製例37:[1−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
アセトニトリル(50mL)中の1−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−エチルアミン(4.2g、26.82mmol)の溶液にジイソプロピルエチルアミン(5.2g、40.23mmol)及びジ−tert−ブチルジカーボネート(7.02g、32.18mmol)を添加して、混合液を一晩撹拌した。混合液を飽和NaHCO(200mL)で洗浄し、ジクロロメタンで抽出して、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、NaSOにより乾燥させた。5%〜20%の酢酸エチル/ヘキサンでカラムクロマトグラフィーにより精製して白色固体(5.1g)を得た。MS(ES)m/z257[M+1]
【0054】
調製例38:[1−(6−クロロ−4−ヨード−ピリジン−3−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
THF(60mL)中の[1−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(5.1g、19.87mmol)の溶液に、tert−ブチルリチウム(35mL、59.6mmol)をN下に−78℃で添加した。30分後に、THF(20mL)中のヨウ素(7.6g、29.8mmol)を−78℃で30分かけて添加した。1時間撹拌し、その後室温に加温した。水でクエンチし、飽和塩化ナトリウム水溶液を含む酢酸エチルで抽出し、NaSOにより乾燥させた。5%〜20%の酢酸エチル/ヘキサンでカラムクロマトグラフィーにて精製して、生成物(1g)を得た。MS(ES)m/z383[M+1]
【0055】
調製例39:5−(1−アジド−エチル)−2−フルオロ−ピリジン
氷浴にて保冷した1Lのフラスコに、トリフェニルホスフィン(27.9g、106.3mmol)、1,4−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボニトリル、及び4,5−ジクロロ−3,6−ジオキソ−(24.12g、106.3mmol)を添加した。撹拌しながらジクロロメタンをゆっくりと添加した(150mL)。その暗色溶液にテトラ−N−ブチルアンモニウムアジド(30.23g、106.3mmol)をゆっくりと添加し、その後、ジクロロメタン(10mL)に溶解させた1−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−エタノール(10g、70.85mmol)を添加した。フラスコを氷浴から取り出し、室温で1時間撹拌した。ロータリーエバポレーター(rotovap)で溶媒を除去して、5%〜20%の酢酸エチル/ヘキサンで順相クロマトグラフィーにより精製し、生成物を無色の油状物(7.75g)として得た。GCMS(EI)m/z166M
【0056】
調製例40:1−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−エチルアミン
PtO(6%重量/重量)の存在下、エタノール(200mL)中で60psiの圧力下に5−(1−アジド−エチル)−2−フルオロ−ピリジン(4.09g、24.59mmol)を水素化した。4時間後に混合液を濾過して、溶媒をロータリーエバポレーターにて除去し、得られた油状物を真空下にて乾燥させて生成物(3.149g)を得た。GCMS(EI)m/z140M
【0057】
調製例41:[1−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
アセトニトリル(100mL)中の1−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−エチルアミン(14.86g、106.01mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(37mL、212mmol)及びジ−tert−ブチルジカーボネート(46.27g、212mmol)を添加した。一晩、混合液を撹拌した。飽和NaHCOで洗浄し、ジクロロメタンで抽出して飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、NaSOにより乾燥させた。10%〜70%の酢酸エチル/ヘキサンでカラムクロマトグラフィーにて精製して、生成物を白色固体(20g)として得た。MS(ES)m/z241[M+1]
【0058】
調製例42:[1−(6−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
乾燥THF(90mL)中の[1−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(9.3g、38.8mmol)の溶液を、乾燥THF(70mL)中のtert−ブチルリチウム(68.4mL、116.3mmol、ペンタン中1.7Mの溶液)にN下、−78℃で15分かけて添加した。−78℃で1時間撹拌した。乾燥THF(90mL)中のヨウ素(14.8g、58.2mmol)の溶液を、15分かけて添加した。−78℃で2時間撹拌した。0℃に加温した。水を添加した。室温に加温した。酢酸エチルで抽出した。有機層を、NaCO溶液、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、MgSOにより乾燥させた。濾過の後、粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(5%〜20%酢酸エチル/ヘキサン)により濃縮して精製した。所望の生成物[1−(6−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2.8g、20%)、MS(ES)m/z367[M+1]を得た。
【0059】
調製例43:エチル−[1−(6−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
水素化ナトリウム(84.0mg、2.1mmol、鉱油中60%の分散物)を、ジメチルホルムアミド(10mL)中の[1−(6−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.37g、1.0mmol)の溶液に添加した。室温で30分撹拌した。ヨードエタン(0.2mL、2.1mmol)を添加した。1時間撹拌した。反応を水でクエンチした。CHClで抽出した。有機層を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。MgSOにより乾燥させた。濾過の後、90%のHPLC純度で、粗生成物のエチル−[1−(6−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.4g、97%)、MS(ES)m/z395[M+1]を得た。
【0060】
エチル−[1−(6−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルと同様の手順で、以下の化合物を調製した。
【0061】
【表5】

【0062】
調製例45:2−フルオロ−4−ヨード−3−メトキシメトキシメチル−ピリジン
クロロメチルメチルエーテル(2g、25.0mmol)を、ジクロロメタン(5mL)中の2−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−イル)−メタノール(1.0g、3.95mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(5g、39mmol)の溶液に徐々に添加した。室温で一晩、混合液を撹拌した。混合液をクロロホルムで希釈した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液及び水で洗浄した。硫酸ナトリウムにより混合液を乾燥させた。真空中で溶液を褐色の油状物に濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中10%のメタノール)により精製し、標題化合物(0.90g、77%)を黄色の油状物として得た。MS(ES)m/z298[M+1]
【0063】
調製例46:5−シクロプロピル−2−フルオロ−ピリジン
フラスコ中で、2−フルオロ−5−ヨード−ピリジン(1.12g、5mmol)、シクロプロピルボロン酸(645mg、7.5mmol)、酢酸パラジウム(56mg、0.25mmol)、リン酸カリウム(3.2g、15mmol)、及びトルエン−水(20:1、21mL)を混合した。混合液を100℃で4時間加熱した。混合液をクロロホルム−イソプロパノール(3:1、100mL)で希釈した。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液及び水で洗浄した。硫酸ナトリウムにより混合液を乾燥させた。真空中で溶液を褐色の油状物に濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20%の酢酸エチル)により精製し、標題化合物(430mg、63%)を淡黄色の油状物として得た。H NMR(400MHz−CDCl) δ7.99(d,J=3Hz,1H)、7.39(td,J=3.5Hz,1H)、6.79(dd,J=3.8Hz,1H)、0.96−1.02(m,2H)、0.63−0.69(m,2H)。
【0064】
調製例47:5−シクロプロピル−2−フルオロ−3−ヨード−ピリジン
THF(20mL)中の5−シクロプロピル−2−フルオロ−ピリジン(1.3g、9.5mmol)の溶液をドライアイス−アセトン浴で窒素下、−75℃に冷却した。リチウムジイソプロピルアミド(THF中2M、6mL、12mmol)を30分間かけて添加した。混合液を更に3時間撹拌した。ヨウ素(2.9g、11.4mmol、50mLのTHFに溶解したもの)を添加して、混合液を2時間撹拌した。水(100mL)を添加し、撹拌しながら1時間かけて温度を室温まで上げた。混合液を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(50mL)で処理した。溶液をエーテルで抽出した。真空中で溶液を褐色の油状物に濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン〜20%の酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、標題化合物(1.7g、68%)を黄色の油状物として得た。H NMR(400MHz−CDCl) δ8.03(dd,J=3.8Hz,1H)、7.99(s,1H)、0.91−1.00(m,2H)、0.71−0.78(m,2H)。
【0065】
調製例48:5−シクロプロピル−2−フルオロ−4−ヨード−ピリジン
THF(20mL)中の5−シクロプロピル−2−フルオロ−3−ヨード−ピリジン(1.7g、6.5mmol)の溶液をドライアイス−アセトン浴で窒素下、−75℃に冷却した。リチウムジイソプロピルアミド(THF中2M、3.9mL、7.8mmol)を30分にわたって添加した。混合液は、水(100mL)を添加する前に更に3時間撹拌した。次いで1時間にわたり、撹拌下に温度を室温に上げた。溶液をエーテルで抽出した。真空中で溶液を褐色の油状物に濃縮した。その油状物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン〜15%の酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、生成物を黄色の油状物(1.1g、65%)として得た。
【0066】
調製例49:4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル−6−フルオロ−ピリジン−3−イルメチル)−モルホリン
CHCN(8mL)及び水(4mL)中で、4−(6−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−イルメチル)−モルホリン(0.48g、1.5mmol)、2−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(0.47g、1.8mmol)及び炭酸ナトリウム(0.39g、3.75mmol)を混合した。混合液を窒素で5分間パージした。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(1:1)(5.0mg、0.6mmol)を添加し、窒素で更に5分パージした。混合液を120℃で10分、マイクロ波反応容器で加熱し、室温に冷却した。反応混合液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムにより乾燥させた。濾過して真空中で濃縮し、粗製混合物を得た。カラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン中、0.1%〜1%の2Mアンモニア)により精製して、標題化合物(0.43g、87%)を得た。MS(ES)m/z329[M+1]
【0067】
適切な出発原料を使用し、4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル−6−フルオロ−ピリジン−3−イルメチル)−モルホリンの手順を用いて以下の化合物を調製した。
【0068】
【表6】

【0069】
調製例57:1−(4−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル−6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−エチルアミン
丸底フラスコ中で、エタノール(10mL)中のR−5−(1−アジド−エチル)−4−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル−2−フルオロ−ピリジン(580mg、1.9mmol)の溶液に、ヒドラジンギ酸塩(1:1)及び0.5gのラネーニッケルを添加した。混合液を室温で3時間撹拌した。炭酸ナトリウム希釈溶液に、反応混合液を注いだ。その生成物をクロロホルムで抽出して、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。水性層から有機層を分離し、NaSOにより乾燥させた。濾過の後、有機溶媒を真空中で蒸発させ、所望の生成物を黄色の固体(530mg、100%)として得た。MS(ES)m/z273[M+1]
【0070】
調製例58:[1−(4−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル−6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
丸底フラスコ中で、ジオキサン(30mL)及び水(10mL)中の1−(4−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル−6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−エチルアミン(530mg、1.9mmol)の溶液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(647mg、2.9mmol)を添加した。混合液を2時間、室温で撹拌した。反応混合液をクロロホルムに注ぎ、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。水性層から有機層を分離し、NaSOにより乾燥させた。濾過の後、有機溶媒を真空中で蒸発させて粗製物を得た。粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン〜20%の酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、所望の生成物を白色固体(550mg、76%)として得た。MS(ES)m/z373[M+1]
【0071】
調製例59:4−ベンゾ[b]チオフェン−7−トリメチルシリルエチニル−1−ピリジン
4−クロロ−3−トリメチルシリルエチニル−ピリジン(1.0g、4.78mmol)をTHF:HOの溶液に添加し、炭酸カリウム(1.97g、14.3mmol)及び2−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(1.49g、5.72mmol)を添加した。反応混合液を30分、脱気した。Pd触媒(0.218g、0.2mmol)及びトリ(tert−ブチルホスフィノ)テトラフルオロボレート(0.120g、0.4mmol)を、N雰囲気下で添加した。反応混合液を80℃で2時間、加熱した。THFを全て真空下にて蒸発させ、その反応混合液を酢酸エチルで希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を抽出し、NaSOにより乾燥させた。濾過して真空下にて濃縮し、粗製物をシリカゲル(60〜120メッシュ)カラムに通して純粋な化合物を得た。収量(0.7g、48%)、MS(ES)m/z308[M+1]
【0072】
調製例60:4−{4−[2−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル]−6−フルオロ−ピリジン−3−イルメチル}−モルホリン
溶液A:乾燥THF(5mL)中で、4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル−6−フルオロ−ピリジン−3−イルメチル)−モルホリン(0.43g、1.31mmol)及びトリイソプロピルボレート(0.43g、2.63mmol)を−78℃で窒素下にて混合した。シクロヘキサン中、1.5Mのリチウムジイソプロピルアミドモノ(THF)(2.2mL、3.28mmol)を窒素下で添加した。窒素下にて−78℃で1時間撹拌し、反応液を室温まで加温した。
【0073】
溶液B:THF(7mL)及び水(3mL)中で、2,4−ジクロロピリミジン(0.29g、1.97mmol)、2−(ジ−tert−ブチルホスホ)ビフェニル(0.01g、0.04mmol)及び炭酸ナトリウム(0.42g、3.94mmol)を混合した。窒素で5分パージした。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(1:1)(0.05g、0.07mmol)を添加した。混合液を60℃で窒素下にて加熱した。
【0074】
溶液Aを溶液Bに、シリンジを通して20分かけて滴状添加した。反応混合液を1時間、60℃で窒素下にて加熱して、室温に冷却した。反応混合液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムにより乾燥させた。濾過して真空中で濃縮し、粗生成物を得た。カラムクロマトグラフィー[メタノール/ジクロロメタン中、0.1%〜1%の2Mアンモニア]により精製して、標題化合物(0.42g、73%)を得た。MS(ES)m/z441[M+1]
【0075】
適切な出発原料を使用し、4−{4−[2−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル]−6−フルオロ−ピリジン−3−イルメチル}−モルホリンの調製例に基本的に従い、以下の化合物を調製した。
【0076】
【表7】

【0077】
調製例75:(2−アジドカルボニル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
エチルクロロホルメート(2.52g、23.25mmol)を、THF(60mL)中の3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸(4g、21.14mmol)及び4−メチルモルホリン(2.35g、23.25mmol)の溶液に−20℃で滴状添加した。40分後に、懸濁液を−5℃に加温し、水(10mL)中のアジ化ナトリウム(3.44g、52.85mmol)の溶液を滴状添加した。10分後に、混合液を酢酸エチル(60mL)で希釈して、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、MgSOにより乾燥させた。濾過の後、有機溶媒を除去し、清澄な油状物(4.3g、95%)として生成物を得た。H NMR(DMSO−d) δ6.91(ブロードs,1H)、3.18(q,J=6.4Hz,2H)、2.51−2.48(m,2H)、1.37(s,9H)。
【0078】
調製例76:(2−イソシアナート−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
トルエン(50mL)中の(2−アジドカルボニル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(4.3g、20.07mmol)の溶液を、65℃で25分間、Nガスの発生が停止するまで撹拌した。溶液を冷却した。H NMR(DMSO−d) δ7.06(ブロードs,1H)、3.33−3.29(m,2H)、3.12(q,J=5.8Hz,2H)、1.39(s,9H)。
【0079】
調製例77:{2−[3−(2,2−ジエトキシ−エチル)−ウレイド]−エチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
2,2−ジエトキシエタンアミン(3.33g、25.04mmol)をトルエン(50mL)中の(2−イソシアナート−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(3.73g、20.03mmol)の溶液に添加した。1時間後に、混合液を濃縮して白色固体(6.39g)を得た。H NMR(DMSO−d) δ6.74(t,J=5Hz,1H)、6.03(t,J=5.6Hz,1H)、5.85(t,J=5.8Hz,1H)、4.39(t,J=5.4Hz,1H)、3.61−3.55(m,2H)、3.48−3.42(m,2H)、3.06(t,J=5.7Hz,2H)、3.01(q,J=6.2Hz,2H)、2.92(q,J=6.2Hz,2H)、1.37(s,9H)、1.11(t,J=6.4Hz,6H)。
【0080】
調製例78:[2−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾール−1−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
{2−[3−(2,2−ジエトキシ−エチル)−ウレイド]−エチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(6.5g、20.35mmol)をメタノール(75mL)及び水(40mL)に溶解させた。その反応混合液に、HCl(0.4N、50mL)を30分かけて滴状添加した。一晩、混合液を撹拌し、KOH(0.4M、50mL)を添加することにより中和し、真空中で濃縮した。クロロホルムで残渣を抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、MgSOにより乾燥させ、濾過し、溶媒をロータリーエバポレーターにて除去して粗製白色固体を得た。1%〜10%のMeOH/ジクロロメタンでカラムクロマトグラフィーにより精製して純粋な生成物を白色固体(2.53g、11.13mmol)として得た。GCMS(EI)m/z227M
【0081】
調製例79:1−(2−アミノ−エチル)−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オン;トリフルオロ酢酸との化合物
トリフルオロ酢酸(10mL)をジクロロメタン(10mL)中の[2−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾール−1−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2.5g、11mmol)の溶液に添加した。混合液を3時間撹拌した。ロータリーエバポレーターにて溶媒及びトリフルオロ酢酸のほとんどを除去し、帯黄色の濃厚油状物を真空下で乾燥させて生成物を得た。GCMS(EI)m/z127M
【0082】
調製例80:{1−[6−フルオロ−4−(2−{5−フルオロ−2−[2−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾール−1−イル)−エチルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル)−ピリジン−3−イル]−エチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
圧力反応チューブ内のN−メチルピロリドン(1.0mL)中で、(1−{4−[2−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル]−6−フルオロ−ピリジン−3−イル}−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(150mg、0.3mmol)、1−(2−アミノ−エチル)−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オン(70mg、0.55mmol)及びトリエチルアミン(80mg、0.8mmol)を混合した。マイクロ波反応容器において、反応混合液を130℃で1時間加熱し、その後室温に冷却した。反応混合液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。水性層から有機層を分離し、MgSOにより乾燥させた。濾過の後、有機溶媒を蒸発させて粗製物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中10%のメタノール)により精製して、所望の生成物(80mg、74%)を得た。MS(ES)m/z538[M+t−Bu],494[M−Boc],616[M+Na]
【0083】
調製例81:2−クロロ−4−[7−(3−トリメチルシラニルエチニル−ピリジン−4−イル)−ベンゾ[b]−チオフェン−2−イル]−ピリミジン
2,4−ジクロロピリミジン(0.29g、1mmol)及び炭酸ナトリウム(2.0M、0.273g、2.6mmol)を、丸底フラスコ中でTHFの溶液に添加した。反応混合液を30分間脱気してPd触媒(0.053g、0.06mmol)を添加し、次いでその反応混合液を1.5時間還流した。同時に別の丸底フラスコ中で、N雰囲気下に4−ベンゾ[b]チオフェン−7−トリメチルシリルエチニル−1−ピリジン(0.40g、1.3mmol)を添加し、トリス−イソプロピルボレート(0.59mL、2.5mmol)を室温で添加した。リチウムジイソプロピルアミド(1.9mL、3.8mmol)を−78℃で滴状添加した。溶液を−78℃で1.5時間撹拌した。1.5時間後に、前記溶液を第1還流反応混合液に添加した。再度、反応混合液を更に2時間還流した。THFを全て真空下で蒸発させ、反応混合液を酢酸エチル中に取り込むことにより抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。NaSOにより有機相を乾燥させ、濾過し、真空下にて濃縮して粗製化合物を得た。この粗製物をシリカゲル(60〜120メッシュ)カラムに通して、純粋な化合物を溶出させた。収量(0.180g、33%)、H NMR(400MHz、CDCl) δ8.863(s,1H)、8.663(d,J=4.8Hz,1H)、8.621(d,J=5.6Hz,1H)、8.207(s,1H)、7.832(d,J=7.6Hz,1H)、7.595(t,J=5.6Hz 3H)、7.508(t,J=7.6Hz,1H)、0.286(s,9H);MS(ES)m/z420.17[M+1]
【0084】
以下の中間体を、2−クロロ−4−[7−(3−トリメチルシラニルエチニル−ピリジン−4−イル)−ベンゾ[b]−チオフェン−2−イル]−ピリミジンに用いたと同様の手順で調製した。
【0085】
【表8】

【0086】
以下、適切な出発原料を使用して、1−(2−{4−[7−(5−ジメチルアミノメチル−2−フルオロ−ピリジン−4−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ}−エチル)−イミダゾリジン−2−オンの調製例に基本的に従い、下記の中間体を調製した。
【0087】
【表9】

【0088】
調製例91:1−(2−[4−[7−(3−トリメチルシラニルエチニル−ピリジン−4−イル)−ベンゾ[b]−チオフェン−2−イル]−ピリミジン−2−イル−アミノ)−エチルイミダゾリジン−2−オン
2−クロロ−4−[7−(3−トリメチルシラニルエチニル−ピリジン−4−イル)−ベンゾ[b]−チオフェン−2−イル]−ピリミジン(0.180g、0.4mmol)を密封チューブに加え、それにn−ブタノール(2mL)を添加した。N−2−アミノエチルイミダゾリジン−2−オン(0.103g、0.8mmol)を添加した。チューブを密封し、油浴中で120℃にて4〜5時間加熱した。減圧下に反応混合液を濃縮し、カラムクロマトグラフィーに通して粗製物を精製した。収量(0.1g、49%);H NMR(400MHz、DMSO−d) δ8.832(s,1H)、8.725(d,J=5.2Hz,1H)、8.394(s,1H)、8.369(s,1H)、8.015(d,J=8.8Hz,1H)、7.711(d,J=5.2Hz,1H)、7.552(m,2H)、7.356(s,1H)、7.272(d,J=4.8Hz,1H)、6.288(s,1H)、3.185(m,4H)、0.286(s,9H);MS(ES)m/z513[M+1]
【0089】
1−(2−[4−[7−(3−トリメチルシラニルエチニル−ピリジン−4−イル)−ベンゾ[b]−チオフェン−2−イル]−ピリミジン−2−イル−アミノ)−エチルイミダゾリジン−2−オンに用いたと同様の手順で以下の中間体を調製した。
【0090】
【表10】

【0091】
調製例93:1−(2−{5−フルオロ−4−[7−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボラン−2−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−ピリミジン−2−イルアミノ}−エチル)−イミダゾリジン−2−オン
フラスコ中で、7−1−{2−[4−(7−ブロモ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−エチル}−イミダゾリジン−2−オン(5.5g、12.6mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(3.84g、15.3mmol)、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)ジクロロパラジウム(II)(1.0g、1.3mmol)、酢酸カリウム(2.5g、25mmol)をDMSO(80mL)中で混合した。混合液を10分間窒素でバブリングした。フラスコを密封し、油浴中に入れて85℃で一晩加熱した。混合液をクロロホルム/イソプロピルアルコール(3/1)で希釈した。飽和塩化ナトリウム水溶液で上記溶液を洗浄した。硫酸ナトリウムによりそれを乾燥させた。真空中で溶液を濃縮し、暗色の残渣を得た。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン〜20%の酢酸エチル/ヘキサン〜10%のメタノール/ジクロロメタン)により残渣を精製し、褐色の固体(5g、82%)として生成物を得た。MS(ES)m/z484[M+1]
【0092】
1−(2−{5−フルオロ−4−[7−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−ピリミジン−2−イルアミノ}−エチル)−イミダゾリジン−2−オンについて記載したと同様の手順で、以下の化合物を調製した。
【0093】
【表11】

【0094】
調製例97:1−(2−{4−[7−(5−アジドメチル−2−フルオロ−ピリジン−4−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ}−エチル)−イミダゾリジン−2−オン
5−アジドメチル−2−フルオロ−4−ヨード−ピリジン(70mg、0.25mmol)及び1−(2−{5−フルオロ−4−[7−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−ピリミジン−2−イルアミノ}−エチル)−イミダゾリジン−2−オン(100mg、0.21mmol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(8.5mg、0.01mmol)及びNaHCO(35mg、0.41mmol)を、DMSO(87mL)及び水(3mL)中で混合した。混合液を5分間2回、窒素を通してパージした。混合液を85℃で1時間、油浴中で加熱した。室温に冷却した。反応混合液をクロロホルム/イソプロピルアルコール(93/1)で希釈し、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。水性層から有機層を分離して、硫酸ナトリウムにより乾燥させた。濾過の後、有機溶媒を除去して粗製混合物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中10%のメタノール)により精製して、標題化合物(105mg、100%)を得た。MS(ES)m/z508[M+1]
【0095】
1−(2−{4−[7−(5−アジドメチル−2−フルオロ−ピリジン−4−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ}−エチル)−イミダゾリジン−2−オンについて記載したと同様の手順で以下の中間体を調製した。
【0096】
【表12】

【0097】
調製例102:tert−ブチル1−(6−クロロ−4−(2−(5−フルオロ−2−(2−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エチルアミノ)ピリミジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−7−イル)ピリジン−3−イル)エチルカルバメート
マイクロ波バイアルにおいて、アセトニトリル(7mL)及び水(3mL)中で、[1−(6−クロロ−4−ヨード−ピリジン−3−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(250mg、0.65mmol)及び1−(2−{5−フルオロ−4−[7−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−ピリミジン−2−イルアミノ}−エチル)−イミダゾリジン−2−オン(380mg、0.78mmol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(53mg、0.07mmol)及びNaHCO(110mg、1.31mmol)を混合した。混合液を窒素で5分間、パージした。マイクロ波で、混合液を100℃で15分間加熱した。溶媒をロータリーエバポレーターにて除去した。0.5%〜5%MeOH/ジクロロメタンを用い、順相カラムクロマトグラフィーにより精製してオフホワイトの固体生成物(220mg)を得た。MS(ES)m/z612[M+1]
【0098】
調製例103:tert−ブチル(6−フルオロ−4−(2−(5−フルオロ−2−(2−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)エチルアミノ)ピリミジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−7−イル)ピリジン−3−イル)メチル(メチル)カーバメート
n−ブタノール(10.0mL)中で、{4−[2−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル]−6−フルオロ−ピリジン−3−イルメチル}−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.52g、1.04mmol)及びトリエチルアミン(0.87mL、6.24mmol)を混合した。1−(2−アミノ−エチル)−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オン(トリフルオロ酢酸との化合物)(0.75g、3.12mmol)を添加した。反応を完遂するために、反応混合液を120℃で54時間加熱し、次いで室温に冷却した。溶媒をロータリーエバポレーターにて除去し、粗生成物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィー(0.5%〜6%の2M NHメタノール溶液/ジクロロメタン)により精製して、所望の生成物(0.28g)を得た。MS(ES)m/z594[M+1]
【実施例】
【0099】
実施例1:1−(2−{4−[7−(5−((ジメチルアミノ)メチル)−2−フルオロ−ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン
【化4】

n−ブタノール(8.0mL)中で、{4−[2−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル]−6−フルオロ−ピリジン−3−イルメチル}−ジメチル−アミン(0.25g、0.59mmol)及びトリエチルアミン(0.25mL、1.78mmol)を混合した。1−(2−アミノエチル)イミダゾリジン−2−オン(0.23g、1.78mmol)を添加した。反応混合液を120℃で一晩(15時間)加熱し、次いで室温に冷却した。反応混合液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。水性層から有機層を分離し、MgSOにより乾燥させた。濾過の後、有機溶媒を除去して、粗製物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィー(0.5%〜10%の2N NHメタノール溶液/ジクロロメタン)により精製して、標題化合物(0.19g、63%)を得た。MS(ES)m/z510[M+1]
【0100】
適切な出発原料を使用し、1−(2−{4−[7−(5−((ジメチルアミノ)メチル)−2−フルオロ−ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オンの調製例に基本的に従い、以下の化合物を調製した。
【0101】
【表13−1】

【0102】
【表13−2】

【0103】
1−(2−{4−[7−(5−アジドメチル−2−フルオロ−ピリジン−4−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ}−エチル)−イミダゾリジン−2−オンについて記載したと同様の手順で、以下の実施例を調製した。
【0104】
【表14−1】

【0105】
【表14−2】

【0106】
実施例18:1−(2−{5−フルオロ−4−[7−(2−フルオロ−5−((メチルアミノ)メチル)ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−ピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン
【化5】

乾燥CHCl(1.4mL)及びCFCOOH(1.4mL)に、[4−(2−{5−フルオロ−2−[2−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−エチルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル)−6−フルオロ−ピリジン−3−イルメチル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.19g、0.32mmol)を溶解させた。室温で1時間撹拌した。溶媒を完全に除去した。そのトリフルオロ酢酸塩をCHClで希釈した。飽和NaHCO溶液、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。MgSOで乾燥させた。濾過の後、溶媒を除去した。真空中で一晩乾燥させて、標題化合物(0.12g、78%)を得た。MS(ES)m/z495[M+1]
【0107】
1−(2−{5−フルオロ−4−[7−(2−フルオロ−5−メチルアミノメチル−ピリジン−4−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−ピリミジン−2−イルアミノ}−エチル)−イミダゾリジン−2−オンについて記載したと同様の手順で以下の実施例を調製した。
【0108】
【表15】

【0109】
実施例23:1−(2−{5−フルオロ−4−[7−(2−フルオロ−5−((メチルアミノ)メチル)ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]ピリミジン−2−イルアミノ}エチル)−1H−イミダゾール−2(3H)−オン
【化6】

トリフルオロ酢酸(1mL)を、ジクロロメタン(1mL)中の[6−フルオロ−4−(2−{5−フルオロ−2−[2−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾール−1−イル)−エチルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(280mg、0.47mmol)の溶液に添加した。1時間撹拌し、溶媒をロータリーエバポレーターにて除去した。飽和NaHCOで洗浄し、ジクロロメタンで抽出して飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、NaSOにより乾燥させ、濾過した。溶媒をロータリーエバポレーターにて除去して固体を得、真空下にて乾燥させて生成物(196mg)を得た。MS(ES)m/z494[M+1]
【0110】
実施例24:1−{2−[5−フルオロ−4−(7−{2−フルオロ−5−[(3,3,3−トリフルオロ−プロピルアミノ)−メチル]−ピリジン−4−イル}ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)ピリミジン−2−イルアミノ]エチル}イミダゾリジン−2−オン
【化7】

塩化水素(2mL、1Mジエチルエーテル溶液)を、ジクロロメタン(3mL)中の[6−フルオロ−4−(2−{5−フルオロ−2−[2−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−エチルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−(3,3,3−トリフルオロ−プロピル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.136g、200.68μmol)の溶液に添加した。室温で一晩、混合液を撹拌した。溶媒を蒸発させて、得られた固体をジクロロメタンに懸濁させ、30%炭酸カリウム水溶液で処理した。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄して、その有機溶液をジクロロメタンと共に25gのシリカゲル装填カラムに付し、40gシリカゲルカラムへとジクロロメタン〜酢酸エチルの勾配で溶出し、次いで酢酸エチル〜10%のメタノール/酢酸エチルの勾配を用いて溶出して標題化合物を得た。この物質をHPLC(HPLC条件:XBride(登録商標)MS C18 19×100mmにおいて20mL/分で、38〜42%のCHCN/10mM NHHCO、pH10)により更に精製した。適切な画分を集め、それを濃縮した。残渣を無水エタノールで2回、トルエンで1回、同時蒸発させて、10mLの丸底フラスコにジクロロメタンを用いて移した。ジクロロメタンヘキサン同時蒸発を用いてこの物質を固体に変換して、標題化合物45mg(39%)を黄色の固体として得た。MS(ES)m/z578[M+1]
【0111】
1−{2−[5−フルオロ−4−(7−{2−フルオロ−5−[(3,3,3−トリフルオロ−プロピルアミノ)−メチル]−ピリジン−4−イル}ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)ピリミジン−2−イルアミノ]エチル}イミダゾリジン−2−オンについて記載したと同様の手順で以下の実施例を調製した。
【0112】
【表16】

【0113】
実施例26:1−(2−{4−[7−(5−(アミノメチル)−2−フルオロピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン
【化8】

丸底フラスコ中で、エタノール(10mL)中の1−(2−{4−[7−(5−アジドメチル−2−フルオロ−ピリジン−4−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ}−エチル)−イミダゾリジン−2−オン(105mg、0.3mmol)の溶液に、2gのヒドラジンギ酸塩(1:1)及び0.5gのラネーニッケルを添加した。混合液を室温で3時間撹拌した。反応混合液を炭酸ナトリウム希釈溶液に注いだ。クロロホルムで生成物を抽出し、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。水性層から有機層を分離し、NaSOにより乾燥させた。濾過の後、有機溶媒を真空中で蒸発させて粗生成物を得た。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/水酸化アンモニウム、7/3/0.05)で精製し、標題化合物を黄色の固体として得た(0.50mg、53%)。MS(ES)m/z482[M+1]
【0114】
実施例27及び28:R−1−[2−(4−{7−[5−(1−アミノエチル)−2−フルオロピリジン−4−イル]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)エチル]イミダゾリジン−2−オン及びS−1−[2−(4−{7−[5−(1−アミノエチル)−2−フルオロピリジン−4−イル]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)エチル]イミダゾリジン−2−オン
【化9】

1−[2−(4−{7−[5−(1−アミノエチル)−2−フルオロピリジン−4−イル]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)エチル]イミダゾリジン−2−オン(180mg、0.36mmol)を、キラルHPLC(Chiralpak(登録商標)AD−H、9/1のEtOH/アセトニトリル、0.2%N,N−ジメチルエタノールアミン、1mL/分、225nm)により分割し、S−エナンチオマー(50mg、28%)として第1画分を、及びR−エナンチオマー(51mg、28%)として第2画分を得た。MS(ES)m/z496[M+1]
【0115】
実施例29:1−[2−(5−フルオロ−4−{7−[2−フルオロ−5−(2−ヒドロキシエトキシ)ピリジン−4−イル]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}ピリミジン−2−イルアミノ)エチル]イミダゾリジン−2−オン
【化10】

エタノール(4mL)中の1−{2−[5−フルオロ−4−(7−{2−フルオロ−5−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−ピリジン−4−イル}−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−エチル}−イミダゾリジン−2−オン(100mg、0.17mmol)の溶液に、ピリジニウムp−トルエンスルホネート(4.3mg、0.02mmol)を添加した。55℃で一晩、混合液を撹拌した。その溶液を冷却した。真空中で溶液を黄色の油状物に濃縮した。油状物をカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン〜10%のメタノール/塩化メチレン)により精製し、標題化合物(75mg、87%)を淡黄色の固体として得た。MS(ES)m/z513[M+1]
【0116】
実施例30:1−(2−(4−(7−(3−エチニルピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)エチル)イミダゾリジン−2−オン
【化11】

丸底フラスコ中で、のメタノール中に、1−(2−[4−[7−(3−トリメチルシラニルエチニル−ピリジン−4−イル)−ベンゾ[b]−チオフェン−2−イル]−ピリミジン−2−イル−アミノ)−エチルイミダゾリジン−2−オン(0.1g、0.19mmol)を添加した。炭酸カリウム(0.053g、0.38mmol)を添加した。反応混合液を室温で20分間撹拌した。全ての溶媒を真空下にて蒸発させた。ジクロロメタンで希釈し、水で洗浄することにより化合物を抽出した。化合物を真空下にて乾燥させた(0.083g、40%)。MS(ES)m/z441.26[M+1]
【0117】
1−(2−(4−(7−(3−エチニルピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)エチル)イミダゾリジン−2−オンで使用したのと同様の手順で、以下の実施例を調製した。
【0118】
【表17】

【0119】
実施例32:1−(2−(4−(7−(5−(1−アミノエチル)−2−クロロピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)エチル)イミダゾリジン−2−オン
【化12】

ジクロロメタン(1mL)中のtert−ブチル1−(6−クロロ−4−(2−(5−フルオロ−2−(2−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エチルアミノ)ピリミジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−7−イル)ピリジン−3−イル)エチルカルバメート(220mg、0.36mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。1時間撹拌し、溶媒をロータリーエバポレーターにて除去した。飽和NaHCOで洗浄し、ジクロロメタンで抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、NaSOにより乾燥させ、濾過した。溶媒をロータリーエバポレーターにて除去して固体を得、真空下にて乾燥させて生成物(158mg)を得た。MS(ES)m/z512[M+1]
【0120】
生成物(90mg、0.18mmol)を、キラルHPLC(Chiralpak(登録商標)AS−H、100%MeOH/0.02%ジメチルエタノールアミン/CO、5mL/分、225nm)により分割して、第1溶出異性体(39mg)を得た。MS(ES)m/z512[M+1]
【0121】
実施例33及び34:S−1−(2−(4−(7−(5−(1−(エチルアミノ)エチル)−2−フルオロピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)エチル)イミダゾリジン−2−オン及びR−1−(2−(4−(7−(5−(1−(エチルアミノ)エチル)−2−フルオロピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)エチル)イミダゾリジン−2−オン
【化13】

1−(2−(4−(7−(5−(1−(エチルアミノ)エチル)−2−フルオロピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)エチル)イミダゾリジン−2−オン(150mg、0.29mmol)を、キラルHPLC(Chiralpak(登録商標)AD−H、30%MeOH/0.2%イソプロピルアミン/CO、5mL/分、225nm)により分割し、S−エナンチオマーとして第1画分(58.4mg、38%)を、及びR−エナンチオマーとして第2画分(58.4mg、38%)を得た。MS(ES)m/z524[M+1]
【0122】
実施例35及び36:S−1−(2−(5−フルオロ−4−(7−(2−フルオロ−5−(1−(メチルアミノ)エチル)ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)エチル)イミダゾリジン−2−オン及びR−1−(2−(5−フルオロ−4−(7−(2−フルオロ−5−(1−(メチルアミノ)エチル)ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)エチル)イミダゾリジン−2−オン
【化14】

1−(2−{5−フルオロ−4−[7−(2−フルオロ−5−メチルアミノメチル−ピリジン−4−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−ピリミジン−2−イルアミノ}−エチル)−イミダゾリジン−2−オンについて記載したと同様の手順で1−(2−(5−フルオロ−4−(7−(2−フルオロ−5−(1−(メチルアミノ)エチル)ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)エチル)イミダゾリジン−2−オンを調製した。1−(2−(5−フルオロ−4−(7−(2−フルオロ−5−(1−(メチルアミノ)エチル)ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)エチル)イミダゾリジン−2−オン(196mg、0.38mmol)を、キラルHPLC(Chiralpak(登録商標)AD−H、40%EtOH(0.2%イソプロピルアミン)/CO、5mL/分、225nm)により分割し、S−エナンチオマー(60.2mg、31%)として第1画分を、及びR−エナンチオマー(58.9mg、30%)として第2画分を得た。MS(ES)m/z510[M+1]
【0123】
アッセイ
Plk1は、多くのヒトの腫瘍、例えば肺非小細胞癌、口腔咽頭癌、食道癌、胃癌、黒色腫、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、結腸直腸癌、神経膠芽腫、乳頭癌、膵臓癌、前立腺癌、肝芽腫及び非ホジキンリンパ腫において過剰に発現することが示されている。更に、Plk1発現は、肺非小細胞癌、口腔咽頭癌、食道癌、黒色腫、結腸直腸癌、肝芽腫及び非ホジキンリンパ腫の予後において重要な意味を有する(Strebhardt,K及びA.Ullrich.Nature Reviews Cancer 6(4):321−30(2006))。Plk1リン酸化基質は、中心体の成熟、有糸分裂の開始、姉妹染色分体の分離及び細胞質分裂を調整することにより、有糸分裂の進行を調節する(Eckerdt及びStrebhardt 2006、Strebhardt及びUllrich 2006、van de Weerdt,B.C.及びR.H.Medema.Cell Cycle 5(8):853−64(2006))。抗体注入、ドミナントネガティブなPlk1の発現、及びアンチセンスmRNAによる抑制を使用したPlk1機能の阻害により、単極紡錘体の生成及び分裂後期の停止が生じ、それにより、腫瘍細胞系では有糸分裂細胞死に至るが、正常な非形質転換初代細胞系では可逆的なG2停止が起こる。
【0124】
更に、Plkがラブドイド腫瘍の治療において有用であることが報告されている(Morozov A.ら、Clinical Cancer Research.13(16):4721−30,(Aug15,2007))。
【0125】
BI−2536は、HCT116、A549及びNCIH460ネズミ異種移植片を使用した前臨床モデルにおいて、活性を示すことが報告されている(Baum,A.,P.Garin−Chesaら、(2006).#C191 In vivo activity of BI 2536,a potent and selective inhibitor of the mitotic kinase PLK1,in a range of cancer xenografts.AACR−NCI−EORTC International Conference on “Molecular Targets and Cancer Therapeutics”,Philidelphia,PA)。
【0126】
以下のアッセイの結果から、本発明の化合物が抗癌剤として有用であることが立証される。
【0127】
Plk1の発現及び精製
Incyte(受託番号:NM_005030)など、多くの供給源から得られるヒトPlk1 cDNAを、その1つの末端において、Hisタグ(例えばC末端FLAG−Hisタグ)を発現するポリヌクレオチド配列と直接連結し、適切な発現ベクター(例えばpFastBac(商標)ベクター(Invitrogen社))に挿入し、適切な系(例えばxPlkk1に関してYue−Wei Qianら,Science 282,1701(1998)により報告されたものと同様のバキュロウイルス)にトランスフェクションすることができる。ウイルス発現系を用いる場合、ウイルス(例えばPlk1−Flag−Hisタグポリヌクレオチド構築体を担持するバキュロウイルス)を、適切な宿主細胞(例えばSf9細胞)の培養物に感染させる。Plk1−Flag−Hisタグ融合タンパク質が充分量発現したとき(例えば感染後約46時間目)、培養物を充分な時間(例えば3時間)オカダ酸(0.1μM)で処理するべきである。Plk1−Flag−Hisタグ融合体は、金属親和性樹脂(例えばTALON(商標)(Clontech、カタログ#635503))を使用して、当該技術分野で周知の方法により細胞ペレットから精製する。精製したPlk1−Flag−Hisタグ融合体は、使用前まで少量のアリコートとして、適切な溶媒(例えば10mM HEPES、150mM NaCl、0.01% TRITON(登録商標)X−100、1mM ジチオスレイトール(DTT)、10%グリセロール(pH7.5))中に−80℃で保存する。精製したPlk1−Flag−Hisタグ融合タンパク質の同一性をMALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)により確認する。
【0128】
GST−Cdc25C(1−206)の発現及び精製
Incyte(受託番号:AY497474)など、適切な任意の供給源から得られるヒトCdc25C cDNAは、簡便な任意の発現系において発現させることができ、その後、Bin Ouyangら,Oncogene,18,6029−6036(1999)に記載の方法と同様の周知の方法で精製を行う。1つの好都合な系では、ヒトCds25CのcDNAが導入されたpGEX−2Tベクター(Amersham社)で形質転換した大腸菌BL21を18℃で一晩増殖させ、1mMのイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシドを用いて発現を誘導する。発現したGST−Cdc25C(1−206)(Plk1の基質)を、グルタチオンセファロース(登録商標)4Bで精製し、少量のアリコートとして、適切な溶液(例えば10mM HEPES、100mM NaCl(pH7.5))中で−80℃にて保存することができる。
【0129】
Plk1阻害アッセイ
Plk1キナーゼ反応液は、50mM HEPES(pH7.3)、1.0mMジチオスレイトール、5.0μM ATP、10mM MgCl、0.01%TRITON(登録商標)X−100、0.4μCi 33P−ATP及び0.06μg/μL GST−Cdc25c(1−206)ペプチドを含む緩衝液中に、Plk1−Flag−Hisタグ融合酵素(0.2ng/μL)を含有する。化合物を、DMSO中の10mMのストックとして調製する。化合物を、20%のDMSOにて1:3で連続的に希釈して10点からなる濃度反応曲線を作成し、その後反応混合液にて1:5で希釈し(4%の最終DMSO濃度中、20μM〜0.001μMの最終濃度)、化合物の活性を測定する。室温で60分間反応を実施し、次に10.0%のHPOを60μL添加してクエンチする。10.0%のHPO 30μLで事前に湿らせた96ウェルのホスホセルロースフィルタープレートに、反応混合液(85μL)を移し、室温で20〜30分間インキュベートし、次に0.5%のHPOで3回洗浄する。ウェルを乾燥させ、その後MicroScint(商標)20(Packard社)を40μL添加し、次にWallac MICROBETA(登録商標)Jetで計測する。その後、10点における濃度反応データからの阻害値(%)を、例えば4−パラメータロジスティック方程式により、ACTIVITY BASE(商標)ソフトウェア(IDBS)を使用して分析する。曲線に代入した結果IC50絶対値が算出される。例示される全ての化合物は、3.6の最小有意比(Minimum Significant Ratio(MSR))で、100nM未満のIC50を示す。例えば、実施例4は約25nMのIC50を示す。
【0130】
pHH3(S10)、有糸分裂細胞及びDNA含量のアッセイ
American Type Culture Collection(ATCC)から入手したHeLa細胞を、96ウェルのBeckman Dickinson BIOCOAT(商標)プレート上に、200細胞/ウェルで播き、37℃、5%のCO条件で24時間、10%のFBS(ウシ胎児血清)を含有するMEM(最小必須培地(例えばGIBCO社、カタログ#11095))中でインキュベートする。0.5μM〜0.0098μMの投与量範囲の化合物(0.25%のDMSO中)を10点で培地に添加することにより細胞を処理する。23時間化合物に曝露した後、細胞を固定(例えばPREFER(商標)固定化剤[Anatech LTD.社、カタログ#414]で30分間処理)し、次にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の0.1%のTRITON(登録商標)X100で15分間浸透化させる。細胞をPBSで3回洗浄し、次に50μg/mL RNAseで消化する。1%のウシ血清アルブミン(BSA)を含有するPBSで1:500希釈した、一次抗体であるホスホヒストンH3(Upstate社、カタログ#06−570)を細胞に添加し、4℃で一晩インキュベートする。PBSで3回洗浄した後、室温で1時間、Alexa488で標識した二次的抗体(Invitrogen社、カタログ#A11008)と細胞をインキュベートする。再びPBSで3回洗浄し、次に15μMのヨウ化プロピジウム(Molecular Probe社、カタログ#P3566)を添加し、30分間核を染色する。蛍光プレートをACUMEN EXPLORER(商標)[レーザースキャン蛍光マイクロプレートサイトメーター(488nmのアルゴンイオンレーザによる励起、及び複数の光電子増倍管による検出を含む)(TTP LABTECH LTD製)]でスキャンし、ホスホヒストンH3、DNA含量及び有糸分裂細胞(DNAの凝縮として測定)を測定する。画像分析は、細胞からの蛍光シグナルに基づき、異なる部分集団から細胞を同定することにより行う。pHH3(S10)陽性細胞は、閾値を上回る500〜530nmの平均強度により同定される。ヨウ化プロピジウム/DNAからの655〜705nmの総強度を用いて、個別の細胞(2N〜4NのDNA含量の細胞)及び細胞周期にある部分集団(2N細胞、4N細胞)を同定する。575〜640nmのピークの強度を用いて、4N細胞のうち、有糸分裂細胞を同定するマーカーとして用いられるDNA凝結を同定する。アッセイ結果を、各同定された部分集団のパーセンテージ、pHH3(%)、2N(%)、4N(%)、有糸分裂(%)及び総細胞数として算出する。EC50を、ACTIVITY BASE(商標)を使用して、結果ごとに4パラメータロジスティック曲線に代入して決定する。pHH3(s10)、DNA含量及び有糸分裂において得られたEC50は、各々2.6、2.4及び2.5のMSRを示す。例えば実施例4は、pHH3(s10)EC50=24nM(n=1)、DNA含量EC50=35nM(n=2)、及び有糸分裂EC50=22nM(n=1)を示す。
【0131】
抗増殖アッセイ
細胞増殖に対する化合物の効果は、当該技術分野で周知の細胞及び細胞増殖法を使用して求めることができる(Robert C.Squatritoら,Gynecological Oncology,58,101−105,(1995))。例えば、HCT116細胞(ATCCから入手できる)を、96ウェルプレート中に〜2000細胞/ウェルで播き、37℃の湿潤COインキュベータ内で一晩かけて付着させることができる。20〜24時間インキュベートした後、半対数的に連続希釈した化合物を添加し、プレートをインキュベータに戻す。適切な時間(例えば72時間)曝露した後、周知の方法を使用して細胞増殖を推定する。1つの方法においては、Alamar Blue(商標)などのテトラゾリウム塩を10μL、細胞プレートに添加する。色素へ適切に曝露した後、蛍光(530nmの励起、580nmの発光)を測定する。得られるIC50は3.1のMSRである。例えば実施例4は44nM(n=3)のIC50を示す。
【0132】
本発明の化合物は好ましくは、様々な経路で投与される医薬組成物として製剤化される。最も好ましくは、かかる組成物は経口投与用である。かかる医薬組成物及びその調製方法は当該技術分野で周知である。REMINGTON:THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY(A.Gennaroら編,第19版,Mack Publishing Co.,1995)を参照のこと。
【0133】
式Iの化合物は通常、広い投与量範囲において効果的である。例えば、1日あたりの投与量は、通常は約0.01〜約20mg/kg体重、好ましくは0.1〜20mg/kg体重の範囲である。場合によっては、上記の範囲の下限値以下の投与量レベルでも十分過ぎる効果を示すこともあり、また、より多くの投与量を用いても有害な副作用を起こさない場合もあるため、上記の投与量範囲は、いかようにも本発明の範囲を限定するものではない。化合物の実際の投与量は、治療しようとする症状、選択された投与経路、実際に投与される1つ以上の化合物、個々の患者の年齢、体重及び応答、並びに患者の症状の重篤度などの関連する状況を考慮し、医師により決定されることが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式の化合物:
【化1】

(式中、Rはアミノメチル、(C−Cアルキル)アミノメチル、ジ(C−Cアルキル)アミノメチル、N−エチル−N−メチル−アミノメチル、1−アミノエチル、1−((C−Cアルキル)アミノ)−エチル、3,3,3−トリフルオロプロピルアミノメチル、エチニル、2−ヒドロキシ−エトキシ、2−ヒドロキシエチルアミノメチル、2−シアノエチルアミノメチル、モルホリン−4−イルメチル、メトキシメトキシメチル、シクロプロピル、1−アゼチジニルメチル、1−ピロリジニルメチル、又は1,3−ジオキソラン−2−イルであり、
は水素又はハロであり、
は水素又はハロであり、
但し、R及びRのうちの少なくとも1つが水素であり、
は水素、メチル、又はハロであり、
「−−−−」は存在するか又は存在しない単結合である)、
又は薬理学的に許容できるその塩。
【請求項2】
がアミノメチル、(C−Cアルキル)アミノメチル、ジ(C−Cアルキル)アミノメチル、N−エチル−N−メチル−アミノメチル、1−アミノエチル、1−((C−Cアルキル)アミノ)−エチル、3,3,3−トリフルオロプロピルアミノメチル、エチニル、2−ヒドロキシ−エトキシ、2−ヒドロキシエチルアミノメチル、2−シアノエチルアミノメチル、モルホリン−4−イルメチル、メトキシメトキシメチル、シクロプロピル、1−アゼチジニルメチル、1−ピロリジニルメチル、又は1,3−ジオキソラン−2−イルであり、
が水素又はフルオロであり、
が水素、クロロ、又はフルオロであり、
但し、R及びRのうちの少なくとも1つが水素であり、
が水素、メチル、クロロ、又はフルオロであり、
「−−−−」が存在するか又は存在しない単結合である、請求項1記載の化合物、又は薬理学的に許容できるその塩。
【請求項3】
がジメチルアミノメチル、メチルアミノメチル又はアミノメチルであり、
が水素、又はフルオロであり、
が水素、クロロ、又はフルオロであり、
但し、R及びRのうちの少なくとも1つが水素であり、
が水素、メチル、クロロ、又はフルオロであり、
「−−−−」が存在するか又は存在しない単結合である、請求項1記載の化合物、又は薬理学的に許容できるその塩。
【請求項4】
がジメチルアミノメチルであり、Rが水素であり、Rがフルオロであり、Rがフルオロである、請求項1記載の化合物、又は薬理学的に許容できるその塩。
【請求項5】
がメチルアミノメチルであり、Rが水素であり、Rがフルオロであり、Rがフルオロである、請求項1記載の化合物、又は薬理学的に許容できるその塩。
【請求項6】
がアミノメチルであり、Rが水素であり、Rがハロであり、Rがハロである、請求項1記載の化合物、又は薬理学的に許容できるその塩。
【請求項7】
1−(2−{4−[7−(5−((ジメチルアミノ)メチル)−2−フルオロ−ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−{4−[7−(2−フルオロ−5−(モルホリノメチル)−ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]ピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−{5−フルオロ−4−[7−(2−フルオロ−5−(モルホリノメチル)ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−ピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−{4−[7−(5−((ジメチルアミノ)メチル)−2−フルオロピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]ピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−{5−フルオロ−4−[7−(3−(モルホリノメチル)−ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]ピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−{4−[7−(5−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−2−フルオロピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−{5−フルオロ−4−[7−(2−フルオロ−3−((メトキシメトキシ)メチル)−ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]ピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−{4−[7−(5−シクロプロピル−2−フルオロピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−{5−フルオロ−4−[7−(2−フルオロ−5−(ピロリジン−1−イルメチル)ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]ピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−{4−[7−(5−(アゼチジン−1−イルメチル)−2−フルオロピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−{5−クロロ−4−[7−(5−((ジメチルアミノ)メチル)−2−フルオロピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]ピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−{2−[5−フルオロ−4−(7−{2−フルオロ−5−[(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−メチル]ピリジン−4−イル}ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)ピリミジン−2−イルアミノ]−エチル}イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−{5−フルオロ−4−[7−(2−フルオロ−5−((プロピルアミノ)メチル)ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]ピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−(4−(7−(5−((エチルアミノ)メチル)−2−フルオロピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−{2−[4−(7−{5−[(エチル(メチル)アミノ)−メチル]−2−フルオロピリジン−4−イル}ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ]エチル}イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−{4−[7−(5−((ジエチルアミノ)メチル)−2−フルオロピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−{4−[7−(5−((ジメチルアミノ)メチル)−2−フルオロピリジン−4−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−5−メチルピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−{5−フルオロ−4−[7−(2−フルオロ−5−((メチルアミノ)メチル)ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−ピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−{4−[7−(2−フルオロ−5−((メチルアミノ)メチル)ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−5−メチルピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−{5−クロロ−4−[7−(2−フルオロ−5−((メチルアミノ)メチル)ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]ピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−{4−[7−(2−フルオロ−5−((メチルアミノ)メチル)ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]ピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−[2−(4−{7−[5−(1−アミノエチル)−2−フルオロピリジン−4−イル]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)エチル]イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−{5−フルオロ−4−[7−(2−フルオロ−5−((メチルアミノ)メチル)ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]ピリミジン−2−イルアミノ}エチル)−1H−イミダゾール−2(3H)−オン、
1−{2−[5−フルオロ−4−(7−{2−フルオロ−5−[(3,3,3−トリフルオロ−プロピルアミノ)−メチル]−ピリジン−4−イル}ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)ピリミジン−2−イルアミノ]エチル}イミダゾリジン−2−オン、
3−{[6−フルオロ−4−(2−{5−フルオロ−2−[2−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エチルアミノ]ピリミジン−4−イル}ベンゾ[b]チオフェン−7−イル)ピリジン−3−イル]メチルアミノ}−プロパンニトリル、
1−(2−{4−[7−(5−(アミノメチル)−2−フルオロピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン、
R−1−[2−(4−{7−[5−(1−アミノエチル)−2−フルオロピリジン−4−イル]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)エチル]イミダゾリジン−2−オン、
S−1−[2−(4−{7−[5−(1−アミノエチル)−2−フルオロピリジン−4−イル]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)エチル]イミダゾリジン−2−オン、
1−[2−(5−フルオロ−4−{7−[2−フルオロ−5−(2−ヒドロキシエトキシ)ピリジン−4−イル]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}ピリミジン−2−イルアミノ)エチル]イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−(4−(7−(3−エチニルピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−(4−(7−(3−エチニルピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)エチル)イミダゾリジン−2−オン、
1−(2−(4−(7−(5−(1−アミノエチル)−2−クロロピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)エチル)イミダゾリジン−2−オン、
S−1−(2−(4−(7−(5−(1−(エチルアミノ)エチル)−2−フルオロピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)エチル)イミダゾリジン−2−オン、
R−1−(2−(4−(7−(5−(1−(エチルアミノ)エチル)−2−フルオロピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)エチル)イミダゾリジン−2−オン、
S−1−(2−(5−フルオロ−4−(7−(2−フルオロ−5−(1−(メチルアミノ)エチル)ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)エチル)イミダゾリジン−2−オン、及び
R−1−(2−(5−フルオロ−4−(7−(2−フルオロ−5−(1−(メチルアミノ)エチル)ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)エチル)イミダゾリジン−2−オンからなる群より選択される化合物、又は薬理学的に許容できる塩。
【請求項8】
薬理学的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤との組み合わせで、請求項1から7に記載の化合物又は薬理学的に許容できるその塩を含む医薬組成物。
【請求項9】
哺乳動物における、肺非小細胞癌、口腔咽頭癌、食道癌、胃癌、黒色腫、皮膚の類表皮癌、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、結腸直腸癌、神経膠腫、神経膠芽腫、甲状腺癌、子宮頸癌、膵臓癌、前立腺癌、肝芽腫及び非ホジキンリンパ腫からなる群より選択される癌を治療する方法であって、かかる治療を必要とする哺乳動物に、有効量の次式の化合物:
【化2】

(式中、Rはアミノメチル、(C−Cアルキル)アミノメチル、ジ(C−Cアルキル)アミノメチル、N−エチル−N−メチル−アミノメチル、1−アミノエチル、1−((C−Cアルキル)アミノ)−エチル、3,3,3−トリフルオロプロピルアミノメチル、エチニル、2−ヒドロキシ−エトキシ、2−ヒドロキシエチルアミノメチル、2−シアノエチルアミノメチル、モルホリン−4−イルメチル、メトキシメトキシメチル、シクロプロピル、1−アゼチジニルメチル、1−ピロリジニルメチル、又は1,3−ジオキソラン−2−イルであり、
は水素又はハロであり、
は水素又はハロであり、
但し、R及びRのうちの少なくとも1つが水素であり、
は水素、メチル、又はハロであり、
「−−−−」は存在するか又は存在しない単結合である)、
又は薬理学的に許容できるその塩を投与する工程を含む方法。
【請求項10】
薬剤製造用の、請求項1から7のいずれか1項記載の化合物又は薬理学的に許容できるその塩。
【請求項11】
哺乳動物における、肺非小細胞癌、口腔咽頭癌、食道癌、胃癌、黒色腫、皮膚の類表皮癌、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、結腸直腸癌、神経膠腫、神経膠芽腫、甲状腺癌、子宮頸癌、膵臓癌、前立腺癌、肝芽腫及び非ホジキンリンパ腫からなる群より選択される癌の治療用薬剤の製造に使用するための、請求項1から7のいずれか1項記載の化合物又は薬理学的に許容できるその塩。

【公表番号】特表2010−513553(P2010−513553A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543062(P2009−543062)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/087046
【国際公開番号】WO2008/076705
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(594197872)イーライ リリー アンド カンパニー (301)
【Fターム(参考)】