説明

癌細胞の処理のための組成物及びその合成方法

【課題】癌細胞に対する細胞障害性効果を有する医薬組成物及びその方法の提供。
【解決手段】下式の少なくとも1つを有するフラボノイド化合物を有する医薬組成物:

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、癌細胞の処理のための組成物及びその合成方法に関する。より詳細には、該方法は、全合成又は半合成である。
【発明の背景】
【0002】
近年、植物からの多くの抽出物及びそれらの誘導体、例えば、ビンクリスチン及びビンブラスチン、カンプトセシン、タキソール及びその誘導体、パクリタキセル、ドセタキセルなどは、既に悪性腫瘍の臨床化学療法に広汎に使用されている。そのため、天然植物成分からの抽出物の効果は、新たな薬物開発の分野における発展する研究対象である。
【0003】
現在の文献によれば、プロトアピゲノン(protoapigenone)化合物は、台湾産テリプテリス トルレシアナ(Thelypteris torresiana)に由来する化合物である。この化合物は、乳癌細胞(MCF-7及びMDA-MB-231)、肝癌細胞(HepG2及びHep3B)及び肺癌細胞(A549)を含む多くのヒト癌細胞株に対して強い細胞障害性活性を有する(Planta Medica 71:867-870, 2005)。
【0004】
これ以前では、このプロトアピゲノン(protoapigenone)は、天然植物からの抽出及び単離にによってのみ得られている。しかし、当該化合物の収集効率は、植物遺伝子(plant genes)、採集地の温湿度、緯度、海抜高度、季節及び植物個体の差異等などの不安定な成供給源(source)の影響下にある。
【0005】
上記に鑑み、本願の発明者は、長期的な植物成分の研究および化学合成の研究における発明者らの経験にもとづき、癌細胞を治療するための化合物を、全合成又は半合成により製造する方法を開発する。そのような製造法を使用することにより植物抽出を経ずに、市販の化学薬品から製造することができる。さらに、この合成化合物の活性は、天然品との活性比較において明らかな差異はない。さらに化合物の供給源の安定を確保するとともに、製造時間が節約されるであろう。かつ、本発明の合成方法を用いることにより、大規模生産において化合物を得ることが見込まれる。
【0006】
また、プロトアピゲノンの多くの誘導体は、異なる開始剤、試薬、及び中間体から産出される。更に、細胞障害性効果を有するより強力な化合物を得られるように、当該化合物の酸性、アルカリ性、脂溶性、水溶性、活性および毒性を異なる機能性基で置換することにより改変できる。
【0007】
以下に本発明を概説する。
【発明の概要】
【0008】
本発明の1側面は、癌細胞の細胞障害性効果を有する医薬組成物を提供することである。
【0009】
本発明の医薬組成物は、以下の式のいずれか1つを有するフラボノイド化合物を包含する:
【化1】

【0010】
(式中、Bリングは4-オキソ-シクロへキサ-2,5-ジエニル基であり、R1〜R12は、水素基、ヒドロキシル基、C1-C20アルキル基、C1-C20エーテル基、C1-C20エステル基、カルボキシル基、ハロゲン及び糖類からなる群より1選択される)。
【0011】
本発明の好ましい態様において、該フラボノイド化合物は、全合成により得られる。他の好ましい態様において、該フラボノイド化合物は、半合成により得られる。
【0012】
好ましくは、該医薬組成物は、哺乳動物の疾病の治療に用いられる。
【0013】
好ましくは、該哺乳動物はヒトである。
【0014】
好ましくは、該疾病は癌である。
【0015】
本発明の他の態様は、特異的なフラボノイド化合物の合成方法を提供することである。
【0016】
当該方法は、第1の保護基を含んだアセトフェノンと、第2の保護基を含んだベンズアルデヒドとを反応させてクライゼン−シュミット(Claisen-Schmidt)縮合を経て第1の化合物を得るステップと、該第1の化合物を第1の触媒とを反応し第2の化合物を得るステップと、該第2の化合物から第2の保護基を除去して第3の化合物を得るステップと、該第3の化合物と第2の触媒及び第1のヨード化ベンゼン類化合物とを反応させて酸化を経て第4の化合物を得るステップと、該第4の化合物に酸を添加して第1の保護基を除去することによりフラボノイド化合物を得るステップと、を備えてなる。
【0017】
好ましくは、該第1の保護基はMOMである。
【0018】
好ましくは、該第2の保護基はベンジルオキシである。
【0019】
好ましくは、該第1の触媒はヨードである。
【0020】
好ましくは、該第2の触媒はTEMPOである。
【0021】
好ましくは、該ヨード化ベンゼン類化合物はヨードベンゼンジアセテート又は[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼンである。
【0022】
好ましくは、該酸溶液は塩酸である。
【0023】
本発明のさらなる態様は、特異的なフラボノイド化合物の合成方法を提供することである。
【0024】
該方法は、4'-ヒドロキシ基を含むフラボノイド化合物を準備し、該フラボノイド化合物を、第1の触媒と、ヨード化ベンゼン類化合物と混合させることにより、特異的なフラボノイド化合物を得るステップを備える。1つの例としては、特異的なフラボノイド化合物はプロトアピゲノン(protoapigenone)の誘導体である。
【0025】
好ましくは、該第1の触媒はTEMPOである。
【0026】
好ましくは、ヨード化ベンゼン類化合物はヨードベンゼンジアセテート又は[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼンである。
【0027】
本発明の他の目的、利点および有効性は、下記図面を参照する好ましい態様において詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明のフラボノイド化合物を製造するための全合成を示すフローチャートである。
【図2】図2は、本発明の半合成方法で製造される化合物8a、10a、15a及び18aの化学構造図である。
【図3】図3は、本発明の半合成方法で製造される化合物8b、10b、及び15bの化学構造図である。
【好ましい態様の詳細な説明】
【0029】
I.定義
以下の定義は、本発明の詳細な説明の理解を助けるために提供される:
本文に用いられる用語「C1-C20 アルキル」は、非置換の、または1以上の置換基により置換されてよい1〜20個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖飽和炭化水素を表す。C1-C20アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、2-プロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル等が含まれる。同様に、用語「C1-C20エーテル」及び「C1-C20エステル」は、非置換の、または1以上の置換基により置換されてよい1〜20個の炭素原子を含む化合物を表す。
【0030】
本文に用いられる用語「アルキル」は、直鎖及び分岐鎖である、飽和及び不飽和炭化水素基の双方を表す。
【0031】
本文に用いられる用語「エーテル」は、分子が酸素原子に一重結合により結合された2つの炭化水素基を含んでいる全ての有機化合物を表す。
【0032】
本文に用いられる用語「エステル」は、有機化学において古典的に使用される用語の定義に当てはまる何れの化合物をいい、および何れの化合物により網羅される。
【0033】
これは、有機および無機エステルを含み(式中Aは−COOHである);この用語は、アルコールまたはチオアルコールでの官能基の処理に由来する産物を包含する。
【0034】
エステルは、化合物(式中Aは−−CH2OHである)に由来する;この用語は、亜リン酸基礎および硫黄基礎の酸、 または、化学式−CH2OCOR(ここでRは置換または非置換の脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、または脂肪族性芳香族基基のいずれかである)の化合物のようなエステルを形成することができる有機酸から由来する化合物を包含する。
【0035】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表す。
【0036】
用語「全合成」は、天然発生の化合物以外の出発物質を用いる、化学的な合成方法をいう。
【0037】
用語「半合成」は、天然発生の化合物を出発物質として用いる化学合成方法をいう。
【0038】
本文に用いられる用語「哺乳類」は、高級脊椎動物の哺乳網、特にヒトを表す。
【0039】
本文に用いられる用語「保護する」は、化合物における官能基が非反応性官能基によって選択的にマスクされる過程をいい、これにより、当該化合物における他の場所で選択的な反応が生じることを可能にする。
【0040】
このような非反応性官能基を本文では「保護基」と称する。このような基は一般的に、問題の化合物の他の部分と干渉しない緩和な反応条件を使用して選択的に導入および除去される。
【0041】
用語「酸化」は、化合物、成分または化学的置換基/サブユニットにおける1以上の電子の損失をいう。酸化反応において、電子は、当該反応において関与する成分の原子により失われる。そのとき、これらの原子における電荷は、より陽性になる。当該電子は、酸化を受ける化学種から失われ、従って、電子が酸化反応における産物として現れる。
【0042】
本文の態様において用いられる用語「プロトアピゲノン(protoapigenone)」は、天然産物における4’-ヒドロキシシクロヘキサ-2’,5’-ジエニル部分よりも4’-オキソシクロヘキサ-2’,5’-ジエニル部分を含むフラボノイド化合物をいう。特に「天然プロトアピゲノン」または「植物から抽出されたプロトアピゲノン」と記載されない限り、態様において言及される用語「プロトアピゲノン」は、化学合成方法に由来するフラボノイドを表す。
【0043】
II.詳細な説明
例1: プロトアピゲノン化合物の全合成方法
図1を参照されたい、図1は、本発明においてフラボノイド化合物を製造する全合成方法を示すフローチャートである。
【0044】
本発明の方法において、まず、2’,4’,6’-トリヒドロキシ-アセトフェノンモノハイドレートを含んだアセトン溶液中に、過量の炭酸カリウムK2CO3、例えば7E(即ち、当量)を添加し、この第1の混合物を撹拌する。
【0045】
さらに、3Eのクロロメチルメチルエーテルを前記第1の混合物にに滴下添加する。完全に反応させるために、第1の混合物を90分間還流させる。
【0046】
冷却後、第1の混合物を濾過して沈殿物を得た。沈殿物をアセトン及びクロロホルムで洗い、さらにシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(定組成溶離、90% n-ヘキサン/10% エチルアセテート)により精製して4’ 及び6’位置上に、MOM保護基を有する2'-ヒドロキシ-4'-6'-ジメトキシメチル-アセトフェノンが得られ、収率は50.3%であった。
【0047】
続いて、上記のステップにより得られた2'-ヒドロキシ-4'-6'-ジメトキシメチル-アセトフェノンを4-ベンジルオキシ-ベンズアルデヒドと混合し、クライゼン−シュミット縮合反応(Claisen-Schmidt Condensation)を実行した。この縮合反応において、2'-ヒドロキシ-4'-6'-ジメトキシメチル-アセトフェノンを2Eの4-ベンジルオキシ-ベンズアルデヒドとエタノール溶液中で混合し、第2の混合物を得た。
【0048】
上記第2の混合物を撹拌後、触媒量の水酸化カリウムを添加し、室温下で30時間撹拌した後、減圧濃縮で溶剤を除去した。濃縮された第2の混合物を、n-ヘキサン/エチルアセテートで溶出するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィに供し、第1の化合物が得られた。収率は87.2%である。
【0049】
第1の化合物を、適量のピリジン中に溶解するとともに、0.2Eのヨードを添加した。このピリジン溶液を5時間加熱回流後、チオ硫酸ナトリウムを添加する。このピリジン溶液を、エチルアセテート/水で抽出し、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィで分離すると、第2の化合物が得られた。収率は85.5%である。
【0050】
ついで、第2の化合物が溶解してあるエチルアセテート/メタノール溶液中に1Eの10% パラジウムカーボン(Pd/C)を添加し、水素雰囲気下で3時間反応させた。パラジウムカーボン(Pd/C)を濾過除去した後、溶液を減圧濃縮すると、第3の化合物が得られた。収率は88.9%である。
【0051】
第3の化合物を、触媒量のTEMPOの存在中で、加熱の条件下で、1Eのヨードベンゼンジアセテート又は[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼンと反応させることにより、酸化反応を行って反応産物aを得た。この反応産物aをエチルアセテート/水で抽出し、さらに反復的にシリカゲル上のカラムクロマトグラフィで分離した後、第4の化合物が得られた。収率は22.2%である。
【0052】
第4の化合物の4’ と6’ 位置上のMOM保護基を、塩酸とともに加熱することにより除去すれば、プロトアピゲノンが得られた。収率は46.7%である。
【0053】
例2:プロトアピゲノンの誘導体の半合成方法
この態様では、次の化合物を合成するための半合成方法を説明する:化合物8a:プロトフラボノン(IIUPAC名称:2-(1-ヒドロキシ-4-オキソシクロへキサ-2,5-ジエニル)-4H-クロメン-4-オン)と、化合物10a:5-ヒドロキシプロトフラボン(IIPAC名称:2-(1-ヒドロキシ-4-オキソシクロへキサ-2,5-ジエニル)-5-ヒドロキシ-4H-クロメン-4-オン)と、化合物15a:β-ナフトフラボノン(IIPAC名称:3-(1-ヒドロキシ-4-オキソシクロへキサ-2,5-ジエニル)-1H-ベンゾ[f]クロメン-1-オン)と、化合物18a:5-ヒドロキシ-7-メトキシプロトフラボノン(IIPAC名称:5-ヒドロキシ-2-(1-ヒドロキシ-4-オキソシクロへキサ-2,5-ジエニル)-7-メトキシ-4H-クロメン-4-オン)。
【0054】
まず、市販の4’-ヒドロキシフラボンと、4’-5-ジヒドロキシフラボンと、4’-ヒドロキシ-β-ナフトフラボンと、4’-5-ジヒドロキシ-7-メトキシフラボンのような前駆体フラボノイドとを適量の水中に溶解した。次に、前駆体フラボノイドにそれぞれ触媒量のTEMPOを添加した。混合物溶液を、加熱の条件下で1Eのヨードベンゼンジアセテート又は[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼンで酸化反応させて反応産物bを得た。続いてこの反応産物bをエチルアセテート/水で抽出して有機層抽出物を得、この有機層を反復的にカラムクロマトグラフィで分離すると、化合物8a、化合物10a、化合物15a、及び化合物18aが得られた。構造変化は図2に示すとおりであり、収率は20〜30%である。
【0055】
他の方法では、上記の前駆体フラボノイドを、適量のメタノール中に溶解できる。さらに前駆体フラボノイドにそれぞれ触媒量のTEMPOを添加する。この混合溶液を、加熱の条件下で、1当量のヨードベンゼンジアセテート又は[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼンで酸化反応させて反応産物cを得る。同様に、この反応産物cをエチルアセテート/水で抽出して有機層を得、この有機層を反復的にカラムクロマトグラフィで分離すると、1'位置にメトキシ基を有する化合物、例えば1'-メトキシプロトフラボノン(化合物8b)と、1'-メトキシ-5-メチルプロトフラボノン(化合物10b)と、1'-メトキシ-β-ナフトフラボノン(化合物15b)とが得られた。構造変化は図3に示すとおりであり、収率は25〜35%である。
【0056】
例3:プロトアピゲノンの誘導体の生物活性
細胞組織の培養
ヒト肝癌細胞(HepG2、Hep3B)、乳癌細胞(MCF-7、MDA-MB-231)及び肺癌細胞(A549)を10%(v/v) FBS、100units/mL ペニシリン及び100μL/mL ストレプトマイシンを補充したRPMI-1640 培地中で、37℃で5%二酸化炭素及び95%空気の加湿した雰囲気下で培養した。3日ごとに培地を交換しコンフルエントになるまで培養し、細胞がコンフルエントになるまで継代培養し、実験に用いた。実験の期間は目的に応じて決定される。
【0057】
細胞障害性試験(Cytotoxicity assay)
この実験では、MTT染色法を利用して細胞障害性を測定した。細胞を5×103から1×104細胞/ウェルの密度で96 ウェル組織培養プレート中に播種した。2日目に、細胞をさらに72時間試験化合物を用いて試験した。薬物処理の後、付着細胞をMTT (0.5 mg/mL) で1時間インキュベートし、続いてDMSOで可溶化した。ついで550 nmでの吸光度を、マイクロプレートリーダーで測定する。
【0058】
細胞生存度の結果は表1に示すとおりである。IC50は、実験条件下において、細胞生存度を50%に減少する薬物の濃度であり、且つ細胞障害性化合物であるドキソルビシンを陽性対照として試用する
結果:表1に示すとおりである。
【表1】

【0059】
この表1に示すように、各試験化合物は、いくつかのヒト癌細胞化合物に対してインビトロの細胞障害性活性について試験し、プロトアピゲノンとドキソルビシンとを陽性対照として比較する。著しく、化合物8a、10a、15a、15b及び18aは癌細胞株、特に、Hep3B 及びMDA-MB-231細胞株に対して、注目すべきIC50を有して有意に細胞障害性を示す。
【0060】
この実験から、化学方法で合成したプロトアピゲノン及びその誘導体は、植物中から抽出したプロトアピゲノンと同様に癌細胞に対する細胞障害性効果を有することが分かる。誘導体の中でも、化合物18aは5つの癌細胞株全てに対して最高の作用強度を示す。驚くべきことに、この化合物はさらに、HepG2 ヒト肝癌細胞株に対し、多くの類似体が比較的弱い活性を示す一方で、有意な増強された活性を発揮する。上記のデータから、特定の癌細胞に対して、プロトアピゲノンよりも高い作用強度を有する多くの誘導体を、本発明の合成方法により製造できることが証明された。
【0061】
要約すると、本発明は、癌細胞(cancer cells)の治療(treating)に用いられる組成物及びその合成方法を提供する。全合成又は半合成の方法は、細胞障害性化合物プロトピゲノンを生成する。さらに、本発明の方法は、同様の活性またはさらに良好な活性を有する他の誘導体を産出できる。
【0062】
本発明を、現時点において何がもっとも実用的であり好ましい態様であるかという観点から記載したが、本発明は開示された態様に限定されないものであると理解されるべきである。これに対し、種々の修飾および同様のアレンジメントも請求項に記載の精神及び範囲内に属し、請求項は、そのような変更が類似する構造全てを包含するように、最大の範囲に解釈されるものであることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式1、式2及び式3のいずれか1つを有するフラボノイド化合物を備えた、癌細胞に対する細胞障害性効果を有する 医薬組成物:
【化1】

(式中、Bリングは4-オキソ-シクロへキサ-2,5-ジエニル基であり、R1〜R12の何れか1は、水素基、ヒドロキシ基、C1-C20アルキル基、C1-C20エーテル基、C1-C20エステル基、カルボキシル基、ハロゲン及び糖類からなる群より1選択される)。
【請求項2】
前記フラボノイド化合物が、全合成又は半合成方式のいずれか1である化学的方法により得られる請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
哺乳動物の疾病の治療に用いられる請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記疾病が癌である請求項3記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記哺乳動物がヒトである請求項4記載の医薬組成物。
【請求項6】
第1の保護基を含むアセトフェノンと、第2の保護基を含むベンズアルデヒドとを混合してクライゼン−シュミット縮合反応を経て第1の化合物を得るステップと、
前記第1の化合物と第1の触媒を反応させて第2の化合物を得るステップと、
前記第2の化合物から第2の保護基を除去して第3の化合物を得るステップと、
前記第3の化合物を、第2の触媒及びヨード化ベンゼン化合物とを反応させ酸化を経て第4の化合物を得るステップと、
前記第4の化合物に、酸を添加することにより、第1の保護基を除去してフラボノイド化合物を得るステップと、
を備えてなる特異的なフラボノイド化合物を合成する方法。
【請求項7】
前記第1の保護基がMOMである請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記第2の保護基がベンジルオキシ基である請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記第1の触媒がヨードである請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記第2の触媒がTEMPOである請求項6記載の方法。
【請求項11】
前記ヨード化ベンゼン化合物がヨードベンゼンジアセテート又は[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼンである請求項6記載の方法。
【請求項12】
前記酸が塩酸である請求項6記載の方法。
【請求項13】
前記特異的なフラボン化合物が請求項1〜5において記載されるものよりなる群より選択される1つである請求項6記載の方法。
【請求項14】
4'-ヒドロキシを含むフラボノイド化合物を準備すること;および
フラボノイド化合物を、第1の触媒とヨード化ベンゼン化合物とを混合して、特異的なフラボノイド化合物を得ること;
を備える特異的なフラボノイド化合物の合成方法。
【請求項15】
前記第1の触媒がTEMPOである請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記ヨード化ベンゼン化合物がヨードベンゼンジアセテート又は[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼンである請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記特異的なフラボン化合物が、請求項1〜5に記載されるものからなる群より選択された1つである請求項14記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−126721(P2012−126721A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−259177(P2011−259177)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【分割の表示】特願2008−101826(P2008−101826)の分割
【原出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【出願人】(505302362)高雄醫學大學 (11)
【Fターム(参考)】