発光パネルアッセンブリ
【課題】自動車用内部照明装置または自動車用外部照明装置などの照明装置において、衝撃を受けたときにも容易に破損しない構成をもつ、照明装置のための発光パネルアッセンブリを提供すること。
【解決手段】本願発明による発光パネルアッセンブリは、発光表面を有する発光パネル部材を有する発光パネルアッセンブリであって、パネル部材に入射した光は、発光表面を通って出射し、パネル部材は、透明な弾力性可変形材料でできている。
【解決手段】本願発明による発光パネルアッセンブリは、発光表面を有する発光パネル部材を有する発光パネルアッセンブリであって、パネル部材に入射した光は、発光表面を通って出射し、パネル部材は、透明な弾力性可変形材料でできている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に発光パネルアッセンブリに関し、特に自動車内に設けられた部品用の発光パネルアッセンブリに関する。
【0002】
発光パネルアッセンブリは一般的に知られているが、本発明は特に自動車内に設けられた部品用の発光パネルアッセンブリにおける改良に関する。また本発明は、発光パネル部材またはパネル部材に開口した孔を直接通過して透過あるいは輝く光によって、特定の照明機能を実現するための装置に関する。例えば本発明の装置は、乗り物のブレーキランプ、方向指示ランプ、および/または転回もしくは後進ランプに使用し得る。
【背景技術】
【0003】
従来の自動車用内部照明装置においては、衝撃を受けた際に破損して、交通事故などにおいて乗員に大きな負傷を負わせる一因となっていた。また、自動車用外部照明装置等においては、交通事故などでの衝撃で容易に破損した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動車用内部照明装置において、交通事故の際などで衝撃を受けたときにも破損せず、乗員の負傷を軽減または防止する構成をもつ照明装置を提供する課題がある。また、自動車外部照明装置等においては、交通事故などで衝撃を受けても容易に破損しないような構成をもつ照明装置を提供する課題がある。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、自動車用内部照明装置においては、スイッチ類や計器類、ロゴマークなどを照明し、衝撃を吸収して破損せず、交通事故などの際に乗員の負傷を最小限に抑え、自動車用外部照明装置等においても、同様に衝撃を吸収して破損を防ぐことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による発光パネルアッセンブリは、発光表面を有する発光パネル部材を有する発光パネルアッセンブリであって、該パネル部材に入射した光は該発光表面を通って出射し、該パネル部材は透明な弾力性可変形材料でできており、そのことにより上記目的が達成される。
【0007】
ある実施形態では、前記発光表面は光抽出変形パターンを有している。
【0008】
ある実施形態では、前記光抽出変形パターンは前記発光表面の内部または上に成形されている。
【0009】
ある実施形態では、前記光抽出変形パターンは前記発光表面上に印刷されている。
【0010】
ある実施形態では、前記光抽出変形パターンは前記発光表面上に隆起した領域を有している。
【0011】
ある実施形態では、メンブレンスイッチを更に有するアッセンブリであって、前記パネル部材は該メンブレンスイッチの裏面に位置し、かつ発光表面領域を有しており、該パネル部材に入射した光は該発光表面領域を通って出射して該メンブレンスイッチを照明する。
【0012】
ある実施形態では、ハンドルのハブ部とともに用いられるアッセンブリであって、前記パネル部材は該ハブ部内に設けられており、かつ一つ以上の発光表面領域を有しており、該パネル部材に入射した光は該発光表面領域を通って出射して該ハブ部の選択された領域を照明する。
【0013】
ある実施形態では、前記パネル部材下において前記ハブ部内にプリント基板を更に有し、前記外側カバリングの前記選択された領域においてコントロールボタンを更に有するアッセンブリであって、該コントロールボタンは、押下されたときに該パネル部材の各部分が屈曲して該プリント基板に接触することによって選択された回路を完結させる可撓性キーパッドを有している。
【0014】
ある実施形態では、前記パネル部材下において前記ハブ部内にエアバッグを更に有している。
【0015】
ある実施形態では、光源および対応する光透過領域を更に有し、該光透過領域は該光源からの光を受けとり該光を前記パネル部材中に透過させる。
【0016】
ある実施形態では、前記パネル部材の裏面に別の光源を更に有し、該パネル部材を通して光を輝かせる。
【0017】
ある実施形態では、前記別の光源と位置揃えされ前記パネル部材を貫通する空白領域または孔を更に有するアッセンブリであって、該別の光源からの光は光該空白領域または孔を通過する。
【0018】
ある実施形態では、電気的コントロールボタンを更に有するアッセンブリであって、前記発光パネル部材は該コントロールボタンの裏面に位置しかつ発光表面領域を有しており、該パネル部材に入射した光は該発光表面領域を通って出射して該コントロールボタンを照明する。
【0019】
ある実施形態では、前記パネル部材の裏面において前記コントロールボタンと位置揃えされたドームスイッチを更に有するアッセンブリであって、該コントロールボタンは押下されたときに該パネル部材を変形させて関連付けられたドームスイッチと接触することにより関連付けられた回路を完結する。
【0020】
ある実施形態では、前記パネル部材は起伏を有する表面の裏面に設けられ、該起伏を有する表面の一部分を照明する。
【0021】
ある実施形態では、前記起伏を有する表面の前記一部分は、前記パネル部材によって照明されるコントロールボタンを有している。
【0022】
ある実施形態では、前記コントロールボタンは、前記起伏を有する表面上に一体的に成形されている。
【0023】
ある実施形態では、前記コントロールボタンは、前記起伏を有する表面に設けられた貫通孔を通って延び、該コントロールボタンは該パネル部材上に一体的に成形されている。
【0024】
本発明による発光パネルアッセンブリは、発光パネル部材および電気的コントロールボタンを有する発光パネルアッセンブリであって、該発光パネル部材は発光表面を有しており、該パネル部材に入射した光は該発光表面を通って出射し、該発光パネル部材は該コントロールボタンの裏面に位置しかつ発光表面領域を有しており、該パネル部材に入射した光は該発光表面領域を通って出射して該コントロールボタンを照明し、該コントロールボタンは、該パネル部材中の孔と位置揃えされた接触部を有する可撓性キーパッドを有しており、該キーパッドは押下されたときに該接触部を該孔の中に移動させて関連付けられた回路と接触させ、該発光表面領域は該孔の周囲に位置して該キーパッドを光で満たし、そのことにより上記目的が達成される。
【0025】
本発明によるアッセンブリは、乗り物のボディー部上に設けられた透明発光パネル部材を有するアッセンブリであって、該パネル部材は発光表面を有しており、該パネル部材に入射した光は該発光表面を通って出射し、該パネル部材は該パネル部材の厚さよりも大きな幅を有する比較的出っ張りの少ない形状を有し、光源からの光を受け取って該パネル部材を通して伝達し、かつ該発光表面を通して出射させるための光入力表面と、光源および対応する光透過領域とを更に有しており、該光透過領域は該光源からの光を受けとり該光を該パネル部材の該光入力表面中に透過させ、そのことにより上記目的が達成される。
【0026】
ある実施形態では、前記パネル部材の裏面に別の光源を更に有し、該パネル部材を通して光を輝かせる。
【0027】
本発明によるアッセンブリは、厚さよりも大きな幅を有し、上面、下面、および光源からの光を受け取って該パネル部材を通して伝達するための入力表面を有する発光パネル部材と、スロットを有するコントロールボタンと、該パネル部材上の一つ以上の発光表面領域と、該コントロールボタンと位置揃えされたドームスイッチと、を有するアッセンブリであって、該パネル部材は該スロットを通って延びて該パネル部材上の該コントロールボタンを支持し、該パネル部材に入射した光は、該パネル部材上の該一つ以上の発光表面領域を通って出射して該コントロールボタンを照明し、該コントロールボタン中の該スロットは、該パネル部材の厚さよりも大きな高さ寸法を有することによって、該コントロールボタンが押下されて該ドームスイッチと接触して該ドームスイッチに関連付けられた回路をオンにすることができ、そのことにより上記目的が達成される。
【0028】
本発明によるアッセンブリは、厚さよりも大きな幅を有し、内面、外面、および光源からの光を受け取って該パネル部材を通して伝達するための入力表面を有する発光パネル部材と、該パネル部材上に設けられたグラフィックオーバーレイであって、その長さ方向にわたって複数のインジケータ位置を有するグラフィックオーバーレイとを有するアッセンブリであって、該パネル部材は、該グラフィックオーバーレイ上の各インジケータ位置と位置揃えされた一つ以上の発光表面領域を有しており、該パネル部材に入射した光は、該一つ以上の発光表面領域を通って出射して該インジケータ位置を照明し、該パネル部材は該グラフィックオーバーレイのための構造的な支持体を提供し、そのことにより上記目的が達成される。
【0029】
ある実施形態では、より多くの光出力または異なる色の光を前記インジケータ位置において提供するための複数のインジケータランプを、前記パネル部材の一端に沿って、該インジケータ位置に揃えられた位置に更に有している。
【0030】
ある実施形態では、前記パネル部材の裏面に光源を更に有し、該パネル部材を通して光を輝かせる。
【0031】
ある実施形態では、前記パネル部材は該パネル部材の端部の間に少なくとも一つのコーナーを有しており、該コーナー上に、該パネル部材を通って伝達された光の一部を該コーナー周囲において反射するための反射表面を有している。
【0032】
ある実施形態では、前記グラフィックオーバーレイと前記パネル部材との間に位置するカラーフィルタを更に有するアッセンブリであって、該フィルタは、前記セレクタ位置と重なるように移動して、該フィルタによって覆われたセレクタ位置から出力される光の色を変化させることが可能である。
【0033】
ある実施形態では、コンパクトミラーおよび該ミラー近傍に発光パネル部分を有するアッセンブリであって、該パネル部分は厚さよりも大きな幅を有し、内面、外面、および光を受け取って該パネル部分を通して伝達するための入力表面を有しており、該パネル部分は該ミラーの近傍において出っ張らないように比較的薄く形成され、該パネル部分の外面はコンパクトミラー近傍において散乱光および無影光を放射するための発光表面領域を有している。
【0034】
ある実施形態では、前記パネル部分はその端部の間に少なくとも一つの湾曲面を有しており、該湾曲面上に、該パネル部分を通って伝達された光の一部を該湾曲面周囲において反射するための反射表面を有している。
【0035】
ある実施形態では、前記パネル部分はU字概形を有しており、実質的に前記ミラーの3辺の全長にわたりその近くの空間に延びている。
【0036】
ある実施形態では、前記パネル部分は楕円形の概略形状を有し、実質的に前記ミラーの全周にわたって延びており、該パネル部分の湾曲面上に、該パネル部分を通って伝達された光の一部を該湾曲面周囲において反射するための反射表面を有している。
【0037】
ある実施形態では、更なる前記パネル部分を有しており、前記パネル部分および該更なる前記パネル部分は、前記ミラーの2辺に沿いかつその近くの空間に延びている。
【0038】
以下に作用を説明する。本発明の一つの局面において提供される発光パネルアッセンブリは、破損することなく衝撃を吸収することが可能な適切な透明な弾力性可変形エラストマー性材料で形成される発光パネル部材を含んでもよい。そのようなパネル部材は、自動車用内部照明部品において使用し、交通事故において乗り物の運転者および乗客が投げ出されてパネル部材に接触した場合に深刻な負傷を被る可能性を減少させること、および自動車用外部照明部品において使用して交通事故の際に衝撃が加わった場合のパネル部材の損傷を抑えることの両方において特に適切である。
【0039】
そのような弾力性可変形発光パネル部材を効果的に自動車用内部照明部品において使用して事故の際の負傷を低減させ得る例としては、ハンドルおよびダッシュボード用照明部品に用いてコントロール群、スイッチ群、機器パネル、ヘッドライナー(head liner)照明、ロゴマークおよび/またはアクセント照明を照明することが考えられる。
【0040】
ハンドル用部品の場合、弾力性可変形発光パネル部材を乗り物のハンドルのハブ部においてエアバッグの外側に設け、ハンドルのハブ上のコントロール群および/またはスイッチまたはロゴマークを照明したり、アクセント照明を行ってもよい。
【0041】
機器パネルおよびヘッドライナー照明等の、ダッシュボードその他の面一部品に使用する場合、弾力性可変形パネル部材は衝撃およびショックを吸収することができ、また、ダッシュボードその他の面の形状に適合するように起伏をもって形成することができる。
【0042】
上記のような弾力性可変形パネル部材を効果的に自動車用外部照明部品において使用して事故の際のパネル部材の損傷を低減または防止させ得る例としては、バンパーまたは乗り物の他のボディー外側部分に設けられた走行灯またはアクセント照明がある。発光パネル部材はまた、乗り物のトランクの蓋に設けることによってトランク蓋に実装された走行灯および/またはナンバープレートあるいはロゴマーク照明を提供してもよい。トランク蓋が凹んでいるような応用例においてはパネル部材は剛性が高くてもよい。しかし、トランク蓋がボディー外部と実質的に面一である場合は、事故の際にパネル部材が破損することなく衝撃に耐えるために、パネル部材は弾力可変性であることが望ましい。
【0043】
本発明の別の局面によれば、発光パネル部材の有する一つ以上の光入力面近傍において、一つ以上の光源を一つ以上の光透過領域内に設けてもよい。
【0044】
本発明の別の局面によれば、一つ以上の光源をパネル部材の一側面の近傍に設けることによって、パネル部材を通してあるいはパネル部材に設けた孔を通して光を輝かせ、特定の照明機能、例えば乗り物のブレーキランプや方向指示ランプ、転回もしくは後進ランプ等を実現してもよい。
【0045】
本発明の別の局面によれば、一つ以上の光源をパネル部材の一端や一側面に沿って選択的に設けることにより、パネル部材の一面あるいは両面において、選択された光出力領域から出力される光を増大することができる。
【0046】
本発明の別の局面によれば、弾力性可変形発光パネル部材を、ラジオその他の電子機器の液晶ディスプレイ(LCD)および/または複数のコントロールボタンあるいはキーパッドにバックライトを供給するために用いてもよい。そのようなパネル部材は、コントロールボタン/キーパッドに接触された際に、変形して、パネル部材内側においてスイッチまたは他のプリント基板等の回路に電気的に接触することにより、選択的なスイッチング機能を提供する。
【0047】
本発明の別の局面によれば、パネル部材を貫通する孔または開口部を設け、パネル部材の内側においてコントロールボタン/キーパッドの一部をプリント基板に対して電気的に接触/非接触になるよう移動することを可能にすることにより、剛性発光パネル部材をラジオその他の電子機器のLCDおよび/または複数のコントロールボタン/キーパッドにバックライトを供給するために用いてもよい。様々な形状の印刷または成形パターンのような不規則表面をパネル部材上の孔/開口部周辺に設けることによって、ボタン/キーパッド周辺の領域を光で満たすようにしてもよい。
【0048】
本発明の別の局面によれば、剛性発光パネル部材をドームその他のスイッチとともに用いて、スイッチ領域を照明してもよい。各々が独立した光源および光透過領域を有するそのような剛性発光パネル部材を一つ以上用いて、パネル部材上に浮かんだプッシュボタン群を支持し、プッシュボタンが押下されてドームスイッチに接触することを可能にしてもよい。
【0049】
本発明の別の局面によれば、発光パネル部材を2つ以上積み重ねて、機器パネル等を照明するために用いてもよい。パネル部材のうち一つを、機器パネル上のグラフィックディスプレイのための一般のバックライトを供給するために用い、他のパネル部材を機器パネル上のダイヤルポインタその他の部品を照明するために用いてもよい。共通または独立した光源を、2つ以上のパネル部材の入力表面に光を供給するために用いてもよい。また、独立した光源をパネル部材の裏面に設けることにより、機器パネルのグラフィックディスプレイ上のインジケータのための照明を供給してもよい。
【0050】
本発明の別の局面によれば、剛性発光パネル部材をグラフィックオーバーレイまたは転写層(decal)のための構造的な支持体として用い、例えば乗り物のギアシフトレバー位置を示すための照明を供給してもよい。一つ以上の光源を、パネル部材の長さ方向に沿った一つ以上の位置にある光透過領域中に挿入/埋め込みすることにより、光をパネル部材の入力表面内に導いてもよい。パネル部材の一端または一側面の近傍において、インジケータランプを各インジケータ位置に揃えて設けることにより、選択位置における光出力を増強してもよい。また、可動カラーフィルタをパネル部材とラベルとの間に設けることにより、任意の選択されたギアシフト位置において異なる色の光出力を供給してもよい。例えば、可動赤色フィルタを用いれば、選択されたギアシフトレバー位置での光出力の色を白色から赤色に変化させることができる。
【0051】
本発明の別の局面によれば、発光パネル部材は、パネル部材の入力表面に入射する光の一部をパネル部材のコーナー部で反射/屈折するための、二次的な反射/屈折表面を有していてもよい。
【0052】
本発明の上述した目的および関連目的を達成するために、本発明は、以下に詳細に説明されかつ特許請求の範囲において特に記載した特徴を有する。以下の説明および付属の図面は、本発明のいくつかの実施態様を詳細に説明するものであるが、これらは、本発明の原理を適用し得る様々な方法のうちのいくつかを説明するものでしかない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを、ハンドルのハブ部に有する乗り物の、ハンドルの概略上面図である。
【図2】図1のハブ部内に設けられたパネルアッセンブリの、線2−2を通る面における部分横断面図である。
【図3】パネルアッセンブリの光出力表面領域の一部の拡大上面図であって、光出力表面領域に設けられた光抽出変形パターンを概略的に示している。
【図4】本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを設けた、乗り物後部を示す概略後端図である。
【図5】図4に示す乗り物の後部およびパネルアッセンブリの、線4−4を通る面における部分横断面図である。
【図6】本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを設けた、ラジオその他の電子装置を示す概略上面図である。
【図7】図6に示すアッセンブリの、線6−6を通る面における横断面図である。
【図8】本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを設けた、コントロールパネルの一部を示す概略部分断面図である。
【図9】図8の発光パネル部材の一部を示す部分上面図であって、パネル部材の発光表面上に設けられた、(コントロールボタン/キーパッドに位置揃えして開けられたパネル部材の孔または開口部の周囲の)光抽出変形パターンを示している。
【図10】乗り物のダッシュボード等の、起伏を有する表面の概略断面図であって、本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリ(起伏表面中に成形されるかあるいは起伏表面に設けた開口部を通って延びる)を、プリント基板とキーパッド群との間に設けた例を示している。
【図11】ドームスイッチ群上のフローティングプッシュボタン群を支持しかつ照明するために用いられる、本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す概略側立面図である。
【図12】図11に示すアッセンブリの、線10−10を通る面における横断面図である。
【図13】フローティングプッシュボタン群を支持しかつ照明するために用いられる、本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す上面図である。
【図14】本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを設けた機器パネルを示す概略垂直断面図である。
【図15】図14に示す機器パネルのためのグラフィックオーバーレイの、線13−13を通る面から見た上面図である。
【図16】図14に示す機器パネルに設けた本発明の一実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す、図14の線14−14を通る面から見た上面図である。
【図17】図14に示す機器パネルに設けた本発明の更に別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す、図14の線15−15を通る面から見た上面図である。
【図18】例えばエンジンの様々なギアシフトレバー位置を示すために用いられる、グラフィックオーバーレイ/転写層のための構造的な支持体を提供する、本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す概略上面図である。
【図19】例えばエンジンの様々なギアシフトレバー位置を示すために用いられる、グラフィックオーバーレイ/転写層のための構造的な支持体を提供する、本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す概略上面図である。
【図20】例えばエンジンの様々なギアシフトレバー位置を示すために用いられる、グラフィックオーバーレイ/転写層のための構造的な支持体を提供する、本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す概略上面図である。
【図21】本発明の一実施態様に基づく、構造的な支持体として用いられる発光パネル部材を示す部分横断面図である。
【図22】コンパクトミラー等の照明を提供するための、本発明の一実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す概略図である。
【図23】コンパクトミラー等の照明を提供するための、本発明の一実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す概略図である。
【図24】コンパクトミラー等の照明を提供するための、本発明の一実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下に図面を参照しながら本発明を実施例に基づき詳細に説明する。図1および図2は、本発明による発光パネルアッセンブリ1の一形態の概略図を示す。発光パネルアッセンブリ1は、乗り物のハンドル3のハブ部2に対して、エアバッグ4の外側に設けられており、ハンドル上のコントロールスイッチ/ボタン群5、クラクション、ロゴマーク、その他のアクセント照明のためのバックライトを供給する。
【0055】
発光パネルアッセンブリ1は、一つ以上の光源9を有する透明発光パネル部材8を有している。透明発光パネル部材8は光源9を有し、光源9は、エアバッグ/ハンドルカバリング11中エアバッグ4の外側に設けられたパネル部材の一端または両端の、一つ以上の光透過領域(lighttransition region)10中に設けられている。図1および図2においては、2つのそのような光透過領域10および光源9を、1つまたは2つのパネル部材8の一端に示しており、1列または2列のコントロールボタン群5を選択的に照明している。光透過領域10から透明発光パネル部材8に入射する光は、パネル部材の全長にわたって、あるいはその長さ方向にそった一つ以上の光出力表面領域(lightoutput surface area)から放射されることにより、特定の応用例に応じた所望の光出力分布を得ることができる。
【0056】
光源9は、機械加工(machined)、成形その他によってパネルアッセンブリの光透過領域中に形成されたスロット、空洞または開口部中に、任意の適切な機械的方法によって保持され得る。しかし、光源とその周囲の光透過領域との間の空気ギャップまたは空気界面を排除するために、光源を光透過領域中に埋め込み、ポッティング、または接合してもよい。その結果として光損失が減少し、発光パネルから放射される光出力が増加する。接合は、適切な埋め込み、ポッティング、または接合材料を用いることにより、あるいは例えば熱ボンド(thermal bonding)、ヒートステーキング(heat staking)、超音波または可塑溶接等の余分な材料を用いない種々の方法を用いることにより、行うことができる。他の接合方法としては、光源周囲において挿入成形および鋳造を行ってもよい。
【0057】
光源としては、例えば、本願と同じ譲受人に譲渡された米国特許第4,897,771号および第5,005,108号に開示された任意の適切なタイプの光源を使用することができる(両出願の全文をここに援用する)。特に光源は、アークランプ、白熱電球(着色、フィルターまたは塗装してもよい)、レンズエンド電球(lens end bulb)、ハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)、LEDの1チップ、ネオン電球、遠隔光源からの光を伝達する光ファイバ光パイプ、レーザまたはレーザダイオード等の非線形光源、または、ラインライト(linelight)または蛍光管等の線形光源、もしくはその他任意の適切な光源であり得る。また、多色LEDまたは多色発光源を組み合わせた光源を用いることにより、所望のカラーまたは白色光出力分布を得ることができる。例えば、異なる色(赤、青、緑)のLEDまたは、多色チップを有する単一のLED等による多色光を用い、各カラー光の強度を変化させることによって白色光その他の任意のカラー光、またはシェード光出力分布を得ることができる。異なる色の発光領域を有するラベル/オーバーレイを、複数のカラー光源を有するパネルアッセンブリとともに用いた場合、異なる発光領域から放射される光の色または周波数に基づいて特定の表示を行うことができる。
【0058】
光抽出変形/断続パターン12(図3参照)を、パネル部材の片面または両面13および14上において、パネル部材の全長にわたってあるいはパネル部材の選択された領域中に所望に応じて設けてもよい。本明細書中において、「変形」または「断続」という語はどちらも、光の一部を放射させるパネル表面および/またはコーティングあるいは表面処理の、形状または幾何学構造における任意の変化を意味するものとする。光抽出変形パターンは、光抽出パターンが設けられた一面または複数の面を通って光線がパネル部材から出射されるか、あるいは反射戻り光がパネル部材を通って他方の面から出射される程度に光線の一部分の内反射角が大きくなるように光線を分解し得る、可変パターンを有していてもよい。
【0059】
このような変形または断続パターンは、様々な方法によって得られる。例えば、塗装パターン、エッチングパターン、機械加工パターン、印刷パターン、ホットスタンプパターン、または成形パターン等を、パネル部材表面上の選択された光出力領域に設けることによってこのような変形または断続パターンを得ることができる。インクまたは接着/印刷パターンは、例えばパッド印刷(pad printing)、シルクスクリーニング、インクジェット、フォトリソグラフィー、熱転写フィルムプロセス等によって塗布(apply)することができる。また、変形パターンをパネル部材の一面または複数面に塗布するためのシートまたはフィルム上に変形パターンを印刷してもよい。このシートまたはフィルムは、例えばパネル部材の片面または両面に対して取り付けあるいは位置づけことによって、光パネルアッセンブリの永久的な部材になり得、かつ所望の効果を得ることができる。
【0060】
パネル部材の任意の一領域または複数の領域の密度、不透明性、半透明性、形状、奥行き、色、面積、屈折率、または変形タイプを変化させることにより、パネル部材からの光出力を制御することができる。変形または断続パターンは、パネル部材の任意の表面領域から放射される光のパーセンテージを制御するために用いることができる。例えば、パネル表面においてより少ない光出力が望まれる領域には、より少ないおよび/または小さい変形パターンを設ければよい。逆に、パネル表面においてより大きい光出力が望まれる領域には、より大きなパーセンテージおよび/または大きな変形パターンを設ければよい。
【0061】
パネル表面上の異なる領域において変形パターンのパーセンテージおよび/または大きさを変化させることは、均一な光出力分布を得るために必要である。例えば、パネル中を通過する光量は通常、光源に近い領域では多く、光源から離れた領域では少なくなる。光抽出変形パターンを用いることにより、パネル部材内での光変化を調節することができる。例えば、光源から離れるに従って光抽出変形パターンの密度を高くすることにより、発光パネルから均一な光出力分布を得ることができる。
【0062】
また、変形パターンを用いて、放射された出力光線の角度分布を特定の応用例に適合するように制御してもよい。例えば、パネルアッセンブリを使用して液晶ディスプレイのバックライトを供給する場合は、光線が低損失で液晶ディスプレイ中を通過するような所定の光線角度で、光線をパネルから放射させるように変形パターンを用いれば、光出力はより効率的になる。
【0063】
さらに、パネル部材の光抽出に起因する光出力の変動を調製するために、光抽出変形パターンを用いてもよい。光抽出変形パターンは、塗料、インク、コーティング、エポキシ、接着剤等様々な方法を用いることによって、光沢パターンから不透明パターンあるいはその両方を光出力表面領域上に印刷することができる。また、ハーフトーン分離技術を用いて変形範囲を変化させてもよい。接着剤を用いて光抽出変形パターンを得る場合には、同接着剤を用いて後方反射器(back reflector)をパネル部材に固定してもよい。また、光抽出変形パターンは多層にするか、屈折率を異ならせてもよい。
【0064】
印刷された光抽出変形パターンは、点、四角形、菱形、楕円形、星型、ランダム形状等、形状を様々に異ならせてもよい。できれば、各変形部/要素あたり0.006平方インチ以下であることが望ましい。また、60ライン/インチより細かな印刷パターンを用いれば、印刷パターン中の各変形部あるいは各形状が実質的に視認されることがなくなり、より大きな変形要素を用いた場合にしばしば共通的に見られる勾配または帯状線(gradient orbanding lines)を排除することができるため、特定の応用例においては望ましい。さらに、パネル部材の長さおよび/または幅方向に沿って、変形パターンの形状および/または大きさを変化させてもよい。また、パネル部材の長さおよび/または幅方向に沿って、変形パターンをランダムに配置してもよい。変形パターンは、モアレその他の干渉効果を減少させるために、特定の角を有さないような形状またはパターンにしてもよい。このようなランダムなパターンを形成するための方法例は、推計学的印刷パターン技術(stochastic printpattern techniques)、周波数変調ハーフトーンパターンまたはランダムドットハーフトーンを用いて形状を印刷することである。また、パネル部材を色補正するために変形パターンに着色を行ってもよい。また、パネル部材全体にわたって変形パターンの色を変化させ、例えば同じあるいは異なる光出力表面領域に対して異なる色を与えてもよい。
【0065】
これらの光抽出変形パターンに加え、またはその代わりとして、成形パターン中でより複雑な形状を用いたプリズム面または様々な形状の凹凸面を含む他の光抽出変形パターンを、成形,エッチング、スタンピング、熱形成、ホットスタンプにより、パネル部材の一つ以上の表面領域の中または上に設けてもよい。プリズム面または凹凸面は、そのような面に接する光線の一部だけをパネル部材から出射させる。また、プリズム、凹面その他の面の角度を変化させて光を異なった方向に向けることにより、所望の出力分布または効果を得ることができる。また、反射面あるいは屈折面は、モアレその他の干渉効果を減少させるために、特定の角を有さないような形状またはパターンにしてもよい。
【0066】
後方反射器または反射コーティング(透過反射器(transreflector)を含む)15(図2参照)を、接着その他の適切な方法を用いてパネル部材の底面に取り付け、その面からの反射光をパネル部材中を通って反対面に戻して放射させることによってパネルアッセンブリの光出力効率を向上させてもよい。後方反射器を接着剤を用いてパネル部材に接着する場合、好ましくは接着剤をパネル部材の側面に沿ってのみ塗布し、接着剤が存在する領域以外、後方反射器とパネル部材との間にわずかな空気ギャップが存在するようにする。なぜなら、接着剤による光の内反射臨界角(internal criticalangle)の変化は、パネル面および後方反射器間の空気ギャップによるそれに比較して制御が難しいためである。
【0067】
また、光抽出変形パターンを、パネル部材の片面または両面に設けることにより、内反射臨界角を超えて光の一部がパネル部材の片面または両面から出射するように光路を変化させてもよい。印刷パターンによって変形パターンを形成する場合、後方反射器を印刷パターンと同じ色にすることによって印刷パターンが後方反射器を通して視認されないようにすることができる。また、透明フィルム、シートまたは板を、接着その他の適切な方法によってパネル部材の光が出射する側の一面または複数面に対して取り付けまたは位置づけすることにより、所望の効果を得ることができる。
【0068】
光出力分布の均一性をさらに改善するためあるいは出力光線角度分布を変えるために、透明フィルムを使用することができる。そのようなフィルムは例えば、着色フィルム、ディフューザー、またはラベルもしくはディスプレイであって、一部が透明なオーバーレイ部(オーバーレイ部は着色および/または文字あるいはイメージを有していてもよい)であってもよい。また、フィルムはプリズムまたはレンチキュラーレンズその他の、出力光線角度分布を変えることができるデバイスであってもよい。
【0069】
図1においては、光透過領域10は、発光パネル部材8の一端からの一体的な延長部であり、湾曲した端部16を有するように示されている。この結果、光源から出射し光透過領域中を戻って湾曲端部16に当たる(impinge)光を、より効率的に発光パネル部材の光入射面に対して容認可能な入射角度で反射および/または屈折ならびに集光することができる。また、適切な反射材料またはコーティング17を、パネル部材の光透過領域の端部のうち光の任意の部分が当たる部分に設ければ、反射して光透過領域中を戻って発光パネル部材中に入射する光量を、最大化あるいは変化させることができる。
適切な光抽出変形/断続パターン12を、パネル部材8の片面または両面上の選択された領域上、すなわちパネル部材上のエアバッグカバリング18上のコントロールボタン群5位置に対応する位置に設けてもよい。図示例においては、光抽出変形/凹部パターンを、パネル部材3の底面14上(すなわちコントロールボタン群から反対側面)に設けており、反射フィルムまたはコーティング15を同面に設けることによって、この面から出射した光を反射させパネル部材中を通って戻している。
【0070】
好ましくは発光パネル部材8は、熱可塑性エラストマーまたはシリコーンラバー等の透明な弾力性可変形材料で形成されることにより、各コントロールボタンが押下されたときに、パネル部材のコントロールボタン群に対応する領域が曲折してパネル部材下に位置するプリント基板19と接触し、関連付けられた制御回路を電気的に完結することを可能にする。また、万一交通事故等においてエアバッグ4が作動した場合、あるいは運転者の頭部がハンドル3のハブ部2に押し付けられた場合には、弾力性可変形パネル部材8はショックを吸収し、その結果そのような接触時における運転者が深刻な負傷を被る可能性を大きく減少させる。
【0071】
また、プリント基板19を適切な熱可塑性エラストマー、シリコーンラバーまたはフレキシブルフィルムもしくは、積層回路またはメンブレンあるいはドームスイッチから構成した場合、ショックを吸収することができ、運転者の頭部がハンドル3のハブ部2に衝突した際、あるいはハンドルのエアバッグ4が使用されて外側に押し出されたパネル部材および回路が運転者と接触した際に、運転者が深刻な負傷を被る可能性をさらに減少させる。
【0072】
図1および図2に示すものと同様な発光パネルアッセンブリはまた、乗り物内の他の部品、例えばダッシュボード、機器パネル、ヘッドライナー、および外部照明等にも効果的に使用することができる。図4および図5に、乗り物の外部照明に本発明を応用した例を数種類、示している。その一つは、発光パネルアッセンブリ21を乗り物23の後部端あるいはバンパー22に設けて、後部端あるいはバンパー22内の走行灯 (runninglight)とした例である。別の例においては、発光パネルアッセンブリ24を乗り物のボディーパネル25中、後部、前部、および/または側部に沿って設けることにより走行灯またはアクセント照明を提供し、あるいはロゴマーク、ステップ部、走行ボードその他の乗り物の表面領域を照明している。さらに別の例においては、発光パネル26を乗り物のトランク蓋27中に設けることにより、トランク蓋に実装された走行灯、またはロゴマーク、アクセント照明またはナンバープレートのための照明を提供している。各発光パネル部材28、29および30の形状は、各応用例に適合するように形成され、熱可塑性エラストマーまたはシリコーンラバー等の透明な弾力性可変形材料で形成することによって、小規模な交通事故における衝撃の際に屈曲することによって破損を防ぐことができる。
【0073】
特定の発光パネル部材における光源9および対応する光透過領域10の数およびその位置は、各応用例におけるパネル部材全体の大きさおよび形状、ならびにそこから得たい光出力量に依存する。例えば、図4および図5に示す後部端/バンパー走行灯部品は、一つの光源9とそれに対応する光透過領域10とを、パネル部材28の各端において必要とするのみであるが、図4および図5に示すボディーパネルおよびトランク蓋用走行灯部品は、複数の互いに近接した光源9および対応する光透過領域10を、パネル部材の一つ以上の光入力面に沿って必要とし得る。図4および図5は、乗り物の走行テールランプ用の、パネル部材29の後端に沿って設けられた上記のような光源と対応する光透過領域の例および、パネル部材30の上端に沿って設けられたトランク蓋上の照明用の光源と対応する光透過領域の例を、いくつか図示している。走行テールランプ用光源の全てをパネル部材29の後端(すなわちトランク蓋に最も近い端部)に沿って設けることにより、走行テールランプが小規模な交通事故等における衝撃の際に光源自体が損傷を受ける危険を最小にすることができる。これらのパネル部材は、スペースを占有しないように比較的薄く、出っ張らない(lowprofile)ように、例えば1/4インチ厚未満に設けられてもよい。また、図5の左側に示すように、これらのパネル部材29はボディーパネル25の外面を構成してもよく、また図5の右側に示すように、レンズまたはフィルム34によってパネル部材を覆ってもよい。
【0074】
光源は通常の場合、前述のようにパネルの光透過領域中に埋め込み、ポッティング、または接合される。しかし、図4に示すパネル部材28の左端の光源9は、ホルダ63によって機械的に位置決めされている。ホルダ63はパネル部材の一端に設けられたスロット中に座している。また、図4のパネル部材28の右端には光ファイバ光パイプ64を示している。光ファイバ光パイプ64は、例えばトランクその他の乗り物内の離れた位置に設けられた遠隔光源65からの光をパネル部材に伝達する。
【0075】
LEDまたは白熱灯またはハロゲンランプ(反射器は設けても設けなくてもよい)のような追加的な光源アレイ31を、あえて発光パネル部材29および/または30の内表面の内側に(すなわち裏側に)設けることによって、より強力な光をパネル部材および(パネル部材上に後方反射器または透過反射器32を設けた場合には)後方反射器または透過反射器32を通して輝かせ、あるいはパネル部材に開けた一つ以上の空白領域または孔33(印刷パターン、後方反射器および透過反射器がパネル部材に設けられていない領域)を通して輝かせてもよい。図4および図5においては、例えばブレーキランプや方向指示ランプ、転回もしくは後進ランプ等のような特定の応用例の概略図を示している。パネル部材29自体を照明するための光源9をパネル部材の一端部または複数の端部に近接して設置することにより、光源アレイ31がパネル部材を通して輝くことに対する干渉あるいは妨害を防ぐことができる。
【0076】
トランク蓋27等の乗り物用部品において、発光パネル部材30が小規模な交通事故に際する衝撃を典型的には受けないように十分に発光パネルアッセンブリ26を凹んで形成することが可能な場合には、所望に応じて、パネル部材を弾力性可変形材料ではなくポリカーボネートまたはアクリル系プラスチック剛性透明材料で形成してもよい。
【0077】
図6および図7は、本発明の別の実施態様に係る発光パネルアッセンブリ35の概略図である。本実施態様の発光パネルアッセンブリ35は、ラジオ等の装置のLCD37および/または複数のコントロールボタン38の裏面に設けられた弾力性可変形透明発光パネル部材36を有しており、光をパネル部材全面から均一に出射させるか、あるいは、パネル部材の特定の表面領域すなわちLCDおよびコントロールボタンの領域から出射させることにより、所望に応じてLCDおよびコントロールボタンを照明する。パネル部材36は、所望に応じて任意の数の光源9および対応する光透過領域10を有することができる。また、パネル部材36は好ましくは弾力性可変形エラストマー材料でできており、成形あるいはエンボス加工されたコントロールボタン38(メンブレンスイッチまたはエラストマー性キーパッドであってもよい)が押下されてパネル部材と接触し、パネル部材の接触した領域が屈曲して対応するドームスイッチ39’またはその他のパネル部材下部のプリント基板39上の回路に接触することにより、選択的なスイッチング機能を提供する。
【0078】
または、メンブレンスイッチまたはエラストマー性キーパッド42その他のコントロールボタン(図8参照)と位置合わせした貫通孔41をパネル部材に設け、コントロールボタンが押下された際に、コントロールボタン上の接触部43がプリント基板44上の適切な回路にパネル部材の内側で接触するように構成した場合、本発明の発光パネル部材40はポリカーボネートまたはアクリル系プラスチック等の比較的剛性の高い透明材料で形成してもよい。または、コントロールボタン42は、ドームスイッチ(図8の右端側にドームスイッチ57の例を示している)をオンにするために用いてもよく、その場合は接触部43は省略してもよい。
【0079】
光の一部分をコントロールボタンに向かって出射させるために、貫通孔41は、様々な形状を有し得、あるいは角度をつけたもしくはテキスチャー化した壁部45を有してもよい(図8において一番右にある貫通孔41の壁部45は、角度をつけて示してある)。
【0080】
本実施態様において、光源9および対応する光透過領域10からパネル部材に入射する光は、パネル部材の貫通孔41の壁部45から出射し、スイッチ群/パッド群にバックライトを提供する。また、パネル部材の貫通孔41の周囲に印刷パターンのような不規則表面46を設けることによって(図9にその概略図を示す)、光がコントロールボタン周囲に出射してコントロールボタン近傍を光で満たすようにしてもよい。様々な形状に印刷パターンまたは成形された不規則表面46はまた、パネル部材36の他の表面領域、例えばLCD37およびコントロールボタン38の裏面に設けることによってバックライト効果をもたらすこと等も可能である。
【0081】
図10は、面一に実装された本発明の別の実施態様に係る発光パネルアッセンブリ47の概略図である。本実施態様の発光パネルアッセンブリ47において、コントロールスイッチ群50およびロゴマーク等が設けられた乗り物のダッシュボード49等の起伏面の裏面に、弾力性可変形エラストマー透明発光パネル部材48が設けられている。スイッチ群50は透明または半透明キーパッド51、51’を有している。透明または半透明キーパッド51、51’は、図10の中央部に示すように起伏面中に成形されるか、図10の左右側に示すように起伏面中に設けた開口部49’を通って延びるようにパネル部材48上に成形される。また、キーパッド51、51’は望ましくはエラストマー性その他の可撓性材料でできており、パネル部材48とあいまって交通事故等の際に衝撃を吸収しダッシュボードに投げ出された乗員の負傷を最小限にする、柔軟なアッセンブリを提供する。また、パネル部材48を弾力性可変形エラストマー材料で形成することにより、キーパッドを押下したときに、パネル部材の選択された領域が押されてその下部のプリント基板52と接触することが可能になる。プリント基板およびパネル部材は、隣接面に印刷され、互いに接触した時に適切な回路を電気的に完結するような導電性インク等でできた適切な回路53、54を含み得る。または、ドームスイッチ57を設けてキーパッドと接触させる(図10の右端側にそのようなドームスイッチの例を示している)ことにより、回路53および54を省略してもよい。また、プリント基板52を、適切な弾力性可変形エラストマー材料またはフレキシブルフィルムで形成することにより起伏に即し、また交通事故等の際における衝撃を吸収し得る、柔軟なアッセンブリを提供することができる。
【0082】
図11および図12は、スイッチアレイの照明、キーレス入力(keyless entry)、ラジオおよび/またはテープ/CDコントロール群その他の部品のためのドームスイッチ群57とともに用いられる、本発明の更に別の実施態様に係る発光パネルアッセンブリ56の概略図である。本実施態様の発光パネルアッセンブリ56において、比較的剛性の高い透明発光パネル部材58が、ドームスイッチ57と並んで位置するプッシュボタン60のアレイにおいて、横方向開口部スロット59(図12参照)中を延びている。パネル部材の端部その他の部分は剛性を有するトレイ61によって支えられている。トレイ61は、プリント基板62を包含しているかあるいはその近傍に位置している。プリント基板62上にドームスイッチを設けてもよい。プッシュボタン60を通るスロット59の高さは、パネル部材58の厚さよりも大きく、従ってプッシュボタンはパネル部材上に浮かんでおり、その結果プッシュボタンは押下されてプリント基板上の各ドームスイッチに接触して適切な回路をオンにする。
【0083】
図11および図12は、単一のインジケータボタン60を照明するための対応する光源9および光透過領域10が一端または両端に設けられた、単一のパネル部材58を示している。図13は、ラジオコントロール群および/またはテープ/CDコントロール群等照明用のデュアルインジケータボタン68を照明するための独立した光源9および対応する光透過領域10を有する、2つの発光パネル部材66、67を示している。様々な形状の印刷または成形パターンのような不規則表面を、パネル部材の選択された表面領域すなわちプッシュボタンの内部および/または周囲に設けることにより、光がボタン群を照明するようにしてもよい。
【0084】
図14〜図17は、本発明の更に別の実施態様に係る発光パネルアッセンブリ70の概略図である。本実施態様の発光パネルアッセンブリ70は、多層機器パネル73中に、2つ以上の積み重ねられた比較的剛性の高い透明発光パネル部材71、72を有している。図16の上面図に示す外側(すなわち上側)パネル部材71は、図15の上面図に示すグラフィックオーバーレイ74のための構造的な支持体となる。ポインタ75は、グラフィックオーバーレイ74の外側においてシャフト76(図14参照)によって支持されている。シャフト76は、パネル部材中を延び、モータ制御器77によってパネル部材の内側(すなわち下側)において回転駆動される。シャフト76が通る外側パネル部材71に設けた開口部79の周囲に、外側パネル部材内の光をポインタ75に反射/屈折するためのプリズム面78および/または不規則表面を設けることによって、ポインタを照明することができる。ポインタ75も同様に透光性材料で形成し、プリズム面80をポインタの一端に設けることによって外側パネル部材から受け取った光を反射/屈折してポインタ内を戻し、ポインタ上の発光表面領域を通って出射させてもよい。
【0085】
図17の上面図に示す内部(すなわち下側)パネル部材72は、異なる形状を有する発光表面領域83、84および85を有している。一つ以上の光源からパネル部材に入射する光は、発光表面領域83、84および85から出射して、外側パネル部材71の外面に配置されたグラフィックオーバーレイ74にバックライトを供給する。
【0086】
所望に応じて、各パネル部材71、72に独立または共通光源を設けてもよい。図14〜図17に示す実施態様において、両パネル部材71、72のための共通光源群86が、パネル部材中に光源に対応して位置揃えされて設けられた開口部87、88中に延びている。また、独立したインジケータランプ89を、プリント基板90上の両パネル部材71、72の内側における選択された位置に設け、両パネル部材を通してグラフィックオーバーレイ74上の異なるインジケータ91を照明してもよい(図14および図15にその概略図を示す)。適切なシールド/反射器92をインジケータランプ89の周囲/間に設けることにより(図14参照)、光をシールドして適切なインジケータに向けてもよい。
【0087】
図18は、本発明の更に別の実施態様に係る発光パネルアッセンブリ93の概略図である。本実施態様の発光パネルアッセンブリ93は、剛性透明発光パネル部材94を有している。剛性透明発光パネル部材94は、例えば乗り物のエンジンの様々なギアシフトレバー位置を示すために用いられる、グラフィックオーバーレイ/転写層95のための構造的な支持体として機能してもよい。一つ以上の光源9を、パネル部材上の光透過領域10中に挿入/埋め込みすることにより、パネル部材の長さ方向にわたる選択された表面領域96において、例えば、異なるギアシフトセレクタ位置(すなわちP、R、N、D、L等)に対応するバックライト、あるいはアクセント照明もしくはロゴマークのためのバックライトを提供してもよい。図18に示すパネル部材94は概してL字型を有しており、角度を付けられた反射表面97がパネル部材の脚部98、99を接続しており、パネル部材の一方の脚部98上の光源9からの光の一部を、コーナー100において反射することによって、パネル部材の他方の脚部99上の一つ以上の選択された表面領域101においてバックライトを供給する。
【0088】
パネル部材102は、L字概形を有さずに一つ以上の面で湾曲していてもよい。その概略図を図19に示す。また、図19に示すそのような2つのパネル部材102、102’を、4輪駆動乗り物における異なるギアシフトレバー位置を示すために用いてもよい。図示した実施態様において、2つのパネル部材は互いに接合され、共通光源9を用いて光を両パネル部材に供給し、反射表面103、103’をコーナー104、104’に設けて光の一部をコーナー部において反射/屈折している。
【0089】
または、パネル部材105は実質的に真っ直ぐに構成されてもよい。図20にその概略図を示す。
【0090】
また、複数のインジケータランプ106を、パネル部材の端部に沿って発光表面領域96と並んだ位置に、各ギアシフトレバー位置に対応するように設けることにより(図18の概略図参照)、これらの位置における光出力を増強してもよい。また、追加的な光源106’をパネル部材の裏面に設け、パネル部材の発光表面領域その他の表面領域を通して光を輝かせてもよい(図18中点線で示す)。
【0091】
図20の概略図に示すように、パネル部材とパネル部材用のグラフィックオーバーレイオーバーレイ95との間に設けたフィルタ107を、ギアセレクタシフトレバー108とともに移動させ、選択されたギアシフト位置に対応するパネル部材上の任意の一つの発光表面領域96と重なるようにしてもよい。そのようにして、選択されたギアシフト位置において異なる色またはシェードの光出力が得られる。例えば、フィルタ107を赤色フィルタにすれば、選択されたギアシフト位置での光出力の色を白色から赤色に変化させることができる。
【0092】
図18および図21の概略図においては、パネル部材の両側端部において、パネル部材用の後方反射器トレイ110にパネル部材を例えばヒートステーク(heat stake)するための、タブ109を設けている。また、オーバーレイ/ラベル95をパネル部材にヒートステークするためおよび/またはパネル部材を乗り物の内部ボディーパネルにヒートステークするために、ポスト111をパネル部材に設けてもよい。
【0093】
図22〜図24に、本発明の更に別の実施態様に係る発光パネルアッセンブリ115、116および117の概略図である。本実施態様の発光パネルアッセンブリ115、116および117はそれぞれ、コンパクトミラー(vanity mirror)122のフラップ121上に設けられた発光パネル部材118(図22参照)、概略矩形のコンパクトミラー123の3辺に設けられた発光パネル部材119(図23参照)、および楕円形コンパクトミラー124の実質的に全周に設けられた発光パネル部材120(図24参照)を有している。これらパネル部材118、119および120は、比較的薄く出っ張らないように形成され(例えば1/4インチ厚未満)一つ以上の光源9および光透過領域10をパネル部材の一端または両端に有することにより、コンパクトミラー周囲に均一な散乱光および無影光を生成する。発光パネル部材118がコンパクトミラーのフラップ121上に設けられた図22の実施態様においては、パネル部材118は概して真っ直ぐに形成され、実質的にミラーの全長にわたって平行に延びており、光源9および対応する光透過領域10がパネル部材の一端に設けられている。図23の実施態様においては、パネル部材116はU字概形を有しており、ミラーの3辺の実質的に全長にわたって平行かつその近傍を延びている。図24の実施態様においては、パネル部材120は概して楕円形の形状を有している。図23および図24の実施態様においてパネル部材119および120は、一つ以上の光源9および対応する光透過領域10をパネル部材の両端に有している。また、反射表面125がパネル部材119、120のコーナー/湾曲部126、127に設けられ、コーナー/湾曲部の周囲の光の一部を反射する。
【0094】
本発明を特定の好適な実施態様について説明したが、本明細書を理解すれば当業者には同等な改変および変形が想起され得るであろう。本発明はそのような同等な改変および変形の全てを含むものであり、特許請求の範囲によってのみ限定を受ける。
【0095】
(発明の効果)
本発明によれば、スイッチ類や計器類、またはロゴマークなどを照明する照明装置や、その他の自動車用内部照明装置において用いたときには、交通事故の際などで衝撃を受けたときにも装置類が破損することなく、乗員の負傷を軽減または防止することができる。また、自動車外部照明装置等に用いたときには、交通事故などで衝撃を受けても容易に破損しないような照明装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0096】
1 発光パネルアセンブリ
2 ハブ部
3 ハンドル
5 コントロールスイッチ/ボタン群
8 パネル部材
9 光源
10 光透過領域
11 エアバッグ/ハンドルカバリング
16 湾曲した端部
17 反射材料またはコーティング
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に発光パネルアッセンブリに関し、特に自動車内に設けられた部品用の発光パネルアッセンブリに関する。
【0002】
発光パネルアッセンブリは一般的に知られているが、本発明は特に自動車内に設けられた部品用の発光パネルアッセンブリにおける改良に関する。また本発明は、発光パネル部材またはパネル部材に開口した孔を直接通過して透過あるいは輝く光によって、特定の照明機能を実現するための装置に関する。例えば本発明の装置は、乗り物のブレーキランプ、方向指示ランプ、および/または転回もしくは後進ランプに使用し得る。
【背景技術】
【0003】
従来の自動車用内部照明装置においては、衝撃を受けた際に破損して、交通事故などにおいて乗員に大きな負傷を負わせる一因となっていた。また、自動車用外部照明装置等においては、交通事故などでの衝撃で容易に破損した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動車用内部照明装置において、交通事故の際などで衝撃を受けたときにも破損せず、乗員の負傷を軽減または防止する構成をもつ照明装置を提供する課題がある。また、自動車外部照明装置等においては、交通事故などで衝撃を受けても容易に破損しないような構成をもつ照明装置を提供する課題がある。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、自動車用内部照明装置においては、スイッチ類や計器類、ロゴマークなどを照明し、衝撃を吸収して破損せず、交通事故などの際に乗員の負傷を最小限に抑え、自動車用外部照明装置等においても、同様に衝撃を吸収して破損を防ぐことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による発光パネルアッセンブリは、発光表面を有する発光パネル部材を有する発光パネルアッセンブリであって、該パネル部材に入射した光は該発光表面を通って出射し、該パネル部材は透明な弾力性可変形材料でできており、そのことにより上記目的が達成される。
【0007】
ある実施形態では、前記発光表面は光抽出変形パターンを有している。
【0008】
ある実施形態では、前記光抽出変形パターンは前記発光表面の内部または上に成形されている。
【0009】
ある実施形態では、前記光抽出変形パターンは前記発光表面上に印刷されている。
【0010】
ある実施形態では、前記光抽出変形パターンは前記発光表面上に隆起した領域を有している。
【0011】
ある実施形態では、メンブレンスイッチを更に有するアッセンブリであって、前記パネル部材は該メンブレンスイッチの裏面に位置し、かつ発光表面領域を有しており、該パネル部材に入射した光は該発光表面領域を通って出射して該メンブレンスイッチを照明する。
【0012】
ある実施形態では、ハンドルのハブ部とともに用いられるアッセンブリであって、前記パネル部材は該ハブ部内に設けられており、かつ一つ以上の発光表面領域を有しており、該パネル部材に入射した光は該発光表面領域を通って出射して該ハブ部の選択された領域を照明する。
【0013】
ある実施形態では、前記パネル部材下において前記ハブ部内にプリント基板を更に有し、前記外側カバリングの前記選択された領域においてコントロールボタンを更に有するアッセンブリであって、該コントロールボタンは、押下されたときに該パネル部材の各部分が屈曲して該プリント基板に接触することによって選択された回路を完結させる可撓性キーパッドを有している。
【0014】
ある実施形態では、前記パネル部材下において前記ハブ部内にエアバッグを更に有している。
【0015】
ある実施形態では、光源および対応する光透過領域を更に有し、該光透過領域は該光源からの光を受けとり該光を前記パネル部材中に透過させる。
【0016】
ある実施形態では、前記パネル部材の裏面に別の光源を更に有し、該パネル部材を通して光を輝かせる。
【0017】
ある実施形態では、前記別の光源と位置揃えされ前記パネル部材を貫通する空白領域または孔を更に有するアッセンブリであって、該別の光源からの光は光該空白領域または孔を通過する。
【0018】
ある実施形態では、電気的コントロールボタンを更に有するアッセンブリであって、前記発光パネル部材は該コントロールボタンの裏面に位置しかつ発光表面領域を有しており、該パネル部材に入射した光は該発光表面領域を通って出射して該コントロールボタンを照明する。
【0019】
ある実施形態では、前記パネル部材の裏面において前記コントロールボタンと位置揃えされたドームスイッチを更に有するアッセンブリであって、該コントロールボタンは押下されたときに該パネル部材を変形させて関連付けられたドームスイッチと接触することにより関連付けられた回路を完結する。
【0020】
ある実施形態では、前記パネル部材は起伏を有する表面の裏面に設けられ、該起伏を有する表面の一部分を照明する。
【0021】
ある実施形態では、前記起伏を有する表面の前記一部分は、前記パネル部材によって照明されるコントロールボタンを有している。
【0022】
ある実施形態では、前記コントロールボタンは、前記起伏を有する表面上に一体的に成形されている。
【0023】
ある実施形態では、前記コントロールボタンは、前記起伏を有する表面に設けられた貫通孔を通って延び、該コントロールボタンは該パネル部材上に一体的に成形されている。
【0024】
本発明による発光パネルアッセンブリは、発光パネル部材および電気的コントロールボタンを有する発光パネルアッセンブリであって、該発光パネル部材は発光表面を有しており、該パネル部材に入射した光は該発光表面を通って出射し、該発光パネル部材は該コントロールボタンの裏面に位置しかつ発光表面領域を有しており、該パネル部材に入射した光は該発光表面領域を通って出射して該コントロールボタンを照明し、該コントロールボタンは、該パネル部材中の孔と位置揃えされた接触部を有する可撓性キーパッドを有しており、該キーパッドは押下されたときに該接触部を該孔の中に移動させて関連付けられた回路と接触させ、該発光表面領域は該孔の周囲に位置して該キーパッドを光で満たし、そのことにより上記目的が達成される。
【0025】
本発明によるアッセンブリは、乗り物のボディー部上に設けられた透明発光パネル部材を有するアッセンブリであって、該パネル部材は発光表面を有しており、該パネル部材に入射した光は該発光表面を通って出射し、該パネル部材は該パネル部材の厚さよりも大きな幅を有する比較的出っ張りの少ない形状を有し、光源からの光を受け取って該パネル部材を通して伝達し、かつ該発光表面を通して出射させるための光入力表面と、光源および対応する光透過領域とを更に有しており、該光透過領域は該光源からの光を受けとり該光を該パネル部材の該光入力表面中に透過させ、そのことにより上記目的が達成される。
【0026】
ある実施形態では、前記パネル部材の裏面に別の光源を更に有し、該パネル部材を通して光を輝かせる。
【0027】
本発明によるアッセンブリは、厚さよりも大きな幅を有し、上面、下面、および光源からの光を受け取って該パネル部材を通して伝達するための入力表面を有する発光パネル部材と、スロットを有するコントロールボタンと、該パネル部材上の一つ以上の発光表面領域と、該コントロールボタンと位置揃えされたドームスイッチと、を有するアッセンブリであって、該パネル部材は該スロットを通って延びて該パネル部材上の該コントロールボタンを支持し、該パネル部材に入射した光は、該パネル部材上の該一つ以上の発光表面領域を通って出射して該コントロールボタンを照明し、該コントロールボタン中の該スロットは、該パネル部材の厚さよりも大きな高さ寸法を有することによって、該コントロールボタンが押下されて該ドームスイッチと接触して該ドームスイッチに関連付けられた回路をオンにすることができ、そのことにより上記目的が達成される。
【0028】
本発明によるアッセンブリは、厚さよりも大きな幅を有し、内面、外面、および光源からの光を受け取って該パネル部材を通して伝達するための入力表面を有する発光パネル部材と、該パネル部材上に設けられたグラフィックオーバーレイであって、その長さ方向にわたって複数のインジケータ位置を有するグラフィックオーバーレイとを有するアッセンブリであって、該パネル部材は、該グラフィックオーバーレイ上の各インジケータ位置と位置揃えされた一つ以上の発光表面領域を有しており、該パネル部材に入射した光は、該一つ以上の発光表面領域を通って出射して該インジケータ位置を照明し、該パネル部材は該グラフィックオーバーレイのための構造的な支持体を提供し、そのことにより上記目的が達成される。
【0029】
ある実施形態では、より多くの光出力または異なる色の光を前記インジケータ位置において提供するための複数のインジケータランプを、前記パネル部材の一端に沿って、該インジケータ位置に揃えられた位置に更に有している。
【0030】
ある実施形態では、前記パネル部材の裏面に光源を更に有し、該パネル部材を通して光を輝かせる。
【0031】
ある実施形態では、前記パネル部材は該パネル部材の端部の間に少なくとも一つのコーナーを有しており、該コーナー上に、該パネル部材を通って伝達された光の一部を該コーナー周囲において反射するための反射表面を有している。
【0032】
ある実施形態では、前記グラフィックオーバーレイと前記パネル部材との間に位置するカラーフィルタを更に有するアッセンブリであって、該フィルタは、前記セレクタ位置と重なるように移動して、該フィルタによって覆われたセレクタ位置から出力される光の色を変化させることが可能である。
【0033】
ある実施形態では、コンパクトミラーおよび該ミラー近傍に発光パネル部分を有するアッセンブリであって、該パネル部分は厚さよりも大きな幅を有し、内面、外面、および光を受け取って該パネル部分を通して伝達するための入力表面を有しており、該パネル部分は該ミラーの近傍において出っ張らないように比較的薄く形成され、該パネル部分の外面はコンパクトミラー近傍において散乱光および無影光を放射するための発光表面領域を有している。
【0034】
ある実施形態では、前記パネル部分はその端部の間に少なくとも一つの湾曲面を有しており、該湾曲面上に、該パネル部分を通って伝達された光の一部を該湾曲面周囲において反射するための反射表面を有している。
【0035】
ある実施形態では、前記パネル部分はU字概形を有しており、実質的に前記ミラーの3辺の全長にわたりその近くの空間に延びている。
【0036】
ある実施形態では、前記パネル部分は楕円形の概略形状を有し、実質的に前記ミラーの全周にわたって延びており、該パネル部分の湾曲面上に、該パネル部分を通って伝達された光の一部を該湾曲面周囲において反射するための反射表面を有している。
【0037】
ある実施形態では、更なる前記パネル部分を有しており、前記パネル部分および該更なる前記パネル部分は、前記ミラーの2辺に沿いかつその近くの空間に延びている。
【0038】
以下に作用を説明する。本発明の一つの局面において提供される発光パネルアッセンブリは、破損することなく衝撃を吸収することが可能な適切な透明な弾力性可変形エラストマー性材料で形成される発光パネル部材を含んでもよい。そのようなパネル部材は、自動車用内部照明部品において使用し、交通事故において乗り物の運転者および乗客が投げ出されてパネル部材に接触した場合に深刻な負傷を被る可能性を減少させること、および自動車用外部照明部品において使用して交通事故の際に衝撃が加わった場合のパネル部材の損傷を抑えることの両方において特に適切である。
【0039】
そのような弾力性可変形発光パネル部材を効果的に自動車用内部照明部品において使用して事故の際の負傷を低減させ得る例としては、ハンドルおよびダッシュボード用照明部品に用いてコントロール群、スイッチ群、機器パネル、ヘッドライナー(head liner)照明、ロゴマークおよび/またはアクセント照明を照明することが考えられる。
【0040】
ハンドル用部品の場合、弾力性可変形発光パネル部材を乗り物のハンドルのハブ部においてエアバッグの外側に設け、ハンドルのハブ上のコントロール群および/またはスイッチまたはロゴマークを照明したり、アクセント照明を行ってもよい。
【0041】
機器パネルおよびヘッドライナー照明等の、ダッシュボードその他の面一部品に使用する場合、弾力性可変形パネル部材は衝撃およびショックを吸収することができ、また、ダッシュボードその他の面の形状に適合するように起伏をもって形成することができる。
【0042】
上記のような弾力性可変形パネル部材を効果的に自動車用外部照明部品において使用して事故の際のパネル部材の損傷を低減または防止させ得る例としては、バンパーまたは乗り物の他のボディー外側部分に設けられた走行灯またはアクセント照明がある。発光パネル部材はまた、乗り物のトランクの蓋に設けることによってトランク蓋に実装された走行灯および/またはナンバープレートあるいはロゴマーク照明を提供してもよい。トランク蓋が凹んでいるような応用例においてはパネル部材は剛性が高くてもよい。しかし、トランク蓋がボディー外部と実質的に面一である場合は、事故の際にパネル部材が破損することなく衝撃に耐えるために、パネル部材は弾力可変性であることが望ましい。
【0043】
本発明の別の局面によれば、発光パネル部材の有する一つ以上の光入力面近傍において、一つ以上の光源を一つ以上の光透過領域内に設けてもよい。
【0044】
本発明の別の局面によれば、一つ以上の光源をパネル部材の一側面の近傍に設けることによって、パネル部材を通してあるいはパネル部材に設けた孔を通して光を輝かせ、特定の照明機能、例えば乗り物のブレーキランプや方向指示ランプ、転回もしくは後進ランプ等を実現してもよい。
【0045】
本発明の別の局面によれば、一つ以上の光源をパネル部材の一端や一側面に沿って選択的に設けることにより、パネル部材の一面あるいは両面において、選択された光出力領域から出力される光を増大することができる。
【0046】
本発明の別の局面によれば、弾力性可変形発光パネル部材を、ラジオその他の電子機器の液晶ディスプレイ(LCD)および/または複数のコントロールボタンあるいはキーパッドにバックライトを供給するために用いてもよい。そのようなパネル部材は、コントロールボタン/キーパッドに接触された際に、変形して、パネル部材内側においてスイッチまたは他のプリント基板等の回路に電気的に接触することにより、選択的なスイッチング機能を提供する。
【0047】
本発明の別の局面によれば、パネル部材を貫通する孔または開口部を設け、パネル部材の内側においてコントロールボタン/キーパッドの一部をプリント基板に対して電気的に接触/非接触になるよう移動することを可能にすることにより、剛性発光パネル部材をラジオその他の電子機器のLCDおよび/または複数のコントロールボタン/キーパッドにバックライトを供給するために用いてもよい。様々な形状の印刷または成形パターンのような不規則表面をパネル部材上の孔/開口部周辺に設けることによって、ボタン/キーパッド周辺の領域を光で満たすようにしてもよい。
【0048】
本発明の別の局面によれば、剛性発光パネル部材をドームその他のスイッチとともに用いて、スイッチ領域を照明してもよい。各々が独立した光源および光透過領域を有するそのような剛性発光パネル部材を一つ以上用いて、パネル部材上に浮かんだプッシュボタン群を支持し、プッシュボタンが押下されてドームスイッチに接触することを可能にしてもよい。
【0049】
本発明の別の局面によれば、発光パネル部材を2つ以上積み重ねて、機器パネル等を照明するために用いてもよい。パネル部材のうち一つを、機器パネル上のグラフィックディスプレイのための一般のバックライトを供給するために用い、他のパネル部材を機器パネル上のダイヤルポインタその他の部品を照明するために用いてもよい。共通または独立した光源を、2つ以上のパネル部材の入力表面に光を供給するために用いてもよい。また、独立した光源をパネル部材の裏面に設けることにより、機器パネルのグラフィックディスプレイ上のインジケータのための照明を供給してもよい。
【0050】
本発明の別の局面によれば、剛性発光パネル部材をグラフィックオーバーレイまたは転写層(decal)のための構造的な支持体として用い、例えば乗り物のギアシフトレバー位置を示すための照明を供給してもよい。一つ以上の光源を、パネル部材の長さ方向に沿った一つ以上の位置にある光透過領域中に挿入/埋め込みすることにより、光をパネル部材の入力表面内に導いてもよい。パネル部材の一端または一側面の近傍において、インジケータランプを各インジケータ位置に揃えて設けることにより、選択位置における光出力を増強してもよい。また、可動カラーフィルタをパネル部材とラベルとの間に設けることにより、任意の選択されたギアシフト位置において異なる色の光出力を供給してもよい。例えば、可動赤色フィルタを用いれば、選択されたギアシフトレバー位置での光出力の色を白色から赤色に変化させることができる。
【0051】
本発明の別の局面によれば、発光パネル部材は、パネル部材の入力表面に入射する光の一部をパネル部材のコーナー部で反射/屈折するための、二次的な反射/屈折表面を有していてもよい。
【0052】
本発明の上述した目的および関連目的を達成するために、本発明は、以下に詳細に説明されかつ特許請求の範囲において特に記載した特徴を有する。以下の説明および付属の図面は、本発明のいくつかの実施態様を詳細に説明するものであるが、これらは、本発明の原理を適用し得る様々な方法のうちのいくつかを説明するものでしかない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを、ハンドルのハブ部に有する乗り物の、ハンドルの概略上面図である。
【図2】図1のハブ部内に設けられたパネルアッセンブリの、線2−2を通る面における部分横断面図である。
【図3】パネルアッセンブリの光出力表面領域の一部の拡大上面図であって、光出力表面領域に設けられた光抽出変形パターンを概略的に示している。
【図4】本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを設けた、乗り物後部を示す概略後端図である。
【図5】図4に示す乗り物の後部およびパネルアッセンブリの、線4−4を通る面における部分横断面図である。
【図6】本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを設けた、ラジオその他の電子装置を示す概略上面図である。
【図7】図6に示すアッセンブリの、線6−6を通る面における横断面図である。
【図8】本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを設けた、コントロールパネルの一部を示す概略部分断面図である。
【図9】図8の発光パネル部材の一部を示す部分上面図であって、パネル部材の発光表面上に設けられた、(コントロールボタン/キーパッドに位置揃えして開けられたパネル部材の孔または開口部の周囲の)光抽出変形パターンを示している。
【図10】乗り物のダッシュボード等の、起伏を有する表面の概略断面図であって、本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリ(起伏表面中に成形されるかあるいは起伏表面に設けた開口部を通って延びる)を、プリント基板とキーパッド群との間に設けた例を示している。
【図11】ドームスイッチ群上のフローティングプッシュボタン群を支持しかつ照明するために用いられる、本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す概略側立面図である。
【図12】図11に示すアッセンブリの、線10−10を通る面における横断面図である。
【図13】フローティングプッシュボタン群を支持しかつ照明するために用いられる、本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す上面図である。
【図14】本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを設けた機器パネルを示す概略垂直断面図である。
【図15】図14に示す機器パネルのためのグラフィックオーバーレイの、線13−13を通る面から見た上面図である。
【図16】図14に示す機器パネルに設けた本発明の一実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す、図14の線14−14を通る面から見た上面図である。
【図17】図14に示す機器パネルに設けた本発明の更に別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す、図14の線15−15を通る面から見た上面図である。
【図18】例えばエンジンの様々なギアシフトレバー位置を示すために用いられる、グラフィックオーバーレイ/転写層のための構造的な支持体を提供する、本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す概略上面図である。
【図19】例えばエンジンの様々なギアシフトレバー位置を示すために用いられる、グラフィックオーバーレイ/転写層のための構造的な支持体を提供する、本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す概略上面図である。
【図20】例えばエンジンの様々なギアシフトレバー位置を示すために用いられる、グラフィックオーバーレイ/転写層のための構造的な支持体を提供する、本発明の別の実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す概略上面図である。
【図21】本発明の一実施態様に基づく、構造的な支持体として用いられる発光パネル部材を示す部分横断面図である。
【図22】コンパクトミラー等の照明を提供するための、本発明の一実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す概略図である。
【図23】コンパクトミラー等の照明を提供するための、本発明の一実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す概略図である。
【図24】コンパクトミラー等の照明を提供するための、本発明の一実施態様に基づく発光パネルアッセンブリを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下に図面を参照しながら本発明を実施例に基づき詳細に説明する。図1および図2は、本発明による発光パネルアッセンブリ1の一形態の概略図を示す。発光パネルアッセンブリ1は、乗り物のハンドル3のハブ部2に対して、エアバッグ4の外側に設けられており、ハンドル上のコントロールスイッチ/ボタン群5、クラクション、ロゴマーク、その他のアクセント照明のためのバックライトを供給する。
【0055】
発光パネルアッセンブリ1は、一つ以上の光源9を有する透明発光パネル部材8を有している。透明発光パネル部材8は光源9を有し、光源9は、エアバッグ/ハンドルカバリング11中エアバッグ4の外側に設けられたパネル部材の一端または両端の、一つ以上の光透過領域(lighttransition region)10中に設けられている。図1および図2においては、2つのそのような光透過領域10および光源9を、1つまたは2つのパネル部材8の一端に示しており、1列または2列のコントロールボタン群5を選択的に照明している。光透過領域10から透明発光パネル部材8に入射する光は、パネル部材の全長にわたって、あるいはその長さ方向にそった一つ以上の光出力表面領域(lightoutput surface area)から放射されることにより、特定の応用例に応じた所望の光出力分布を得ることができる。
【0056】
光源9は、機械加工(machined)、成形その他によってパネルアッセンブリの光透過領域中に形成されたスロット、空洞または開口部中に、任意の適切な機械的方法によって保持され得る。しかし、光源とその周囲の光透過領域との間の空気ギャップまたは空気界面を排除するために、光源を光透過領域中に埋め込み、ポッティング、または接合してもよい。その結果として光損失が減少し、発光パネルから放射される光出力が増加する。接合は、適切な埋め込み、ポッティング、または接合材料を用いることにより、あるいは例えば熱ボンド(thermal bonding)、ヒートステーキング(heat staking)、超音波または可塑溶接等の余分な材料を用いない種々の方法を用いることにより、行うことができる。他の接合方法としては、光源周囲において挿入成形および鋳造を行ってもよい。
【0057】
光源としては、例えば、本願と同じ譲受人に譲渡された米国特許第4,897,771号および第5,005,108号に開示された任意の適切なタイプの光源を使用することができる(両出願の全文をここに援用する)。特に光源は、アークランプ、白熱電球(着色、フィルターまたは塗装してもよい)、レンズエンド電球(lens end bulb)、ハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)、LEDの1チップ、ネオン電球、遠隔光源からの光を伝達する光ファイバ光パイプ、レーザまたはレーザダイオード等の非線形光源、または、ラインライト(linelight)または蛍光管等の線形光源、もしくはその他任意の適切な光源であり得る。また、多色LEDまたは多色発光源を組み合わせた光源を用いることにより、所望のカラーまたは白色光出力分布を得ることができる。例えば、異なる色(赤、青、緑)のLEDまたは、多色チップを有する単一のLED等による多色光を用い、各カラー光の強度を変化させることによって白色光その他の任意のカラー光、またはシェード光出力分布を得ることができる。異なる色の発光領域を有するラベル/オーバーレイを、複数のカラー光源を有するパネルアッセンブリとともに用いた場合、異なる発光領域から放射される光の色または周波数に基づいて特定の表示を行うことができる。
【0058】
光抽出変形/断続パターン12(図3参照)を、パネル部材の片面または両面13および14上において、パネル部材の全長にわたってあるいはパネル部材の選択された領域中に所望に応じて設けてもよい。本明細書中において、「変形」または「断続」という語はどちらも、光の一部を放射させるパネル表面および/またはコーティングあるいは表面処理の、形状または幾何学構造における任意の変化を意味するものとする。光抽出変形パターンは、光抽出パターンが設けられた一面または複数の面を通って光線がパネル部材から出射されるか、あるいは反射戻り光がパネル部材を通って他方の面から出射される程度に光線の一部分の内反射角が大きくなるように光線を分解し得る、可変パターンを有していてもよい。
【0059】
このような変形または断続パターンは、様々な方法によって得られる。例えば、塗装パターン、エッチングパターン、機械加工パターン、印刷パターン、ホットスタンプパターン、または成形パターン等を、パネル部材表面上の選択された光出力領域に設けることによってこのような変形または断続パターンを得ることができる。インクまたは接着/印刷パターンは、例えばパッド印刷(pad printing)、シルクスクリーニング、インクジェット、フォトリソグラフィー、熱転写フィルムプロセス等によって塗布(apply)することができる。また、変形パターンをパネル部材の一面または複数面に塗布するためのシートまたはフィルム上に変形パターンを印刷してもよい。このシートまたはフィルムは、例えばパネル部材の片面または両面に対して取り付けあるいは位置づけことによって、光パネルアッセンブリの永久的な部材になり得、かつ所望の効果を得ることができる。
【0060】
パネル部材の任意の一領域または複数の領域の密度、不透明性、半透明性、形状、奥行き、色、面積、屈折率、または変形タイプを変化させることにより、パネル部材からの光出力を制御することができる。変形または断続パターンは、パネル部材の任意の表面領域から放射される光のパーセンテージを制御するために用いることができる。例えば、パネル表面においてより少ない光出力が望まれる領域には、より少ないおよび/または小さい変形パターンを設ければよい。逆に、パネル表面においてより大きい光出力が望まれる領域には、より大きなパーセンテージおよび/または大きな変形パターンを設ければよい。
【0061】
パネル表面上の異なる領域において変形パターンのパーセンテージおよび/または大きさを変化させることは、均一な光出力分布を得るために必要である。例えば、パネル中を通過する光量は通常、光源に近い領域では多く、光源から離れた領域では少なくなる。光抽出変形パターンを用いることにより、パネル部材内での光変化を調節することができる。例えば、光源から離れるに従って光抽出変形パターンの密度を高くすることにより、発光パネルから均一な光出力分布を得ることができる。
【0062】
また、変形パターンを用いて、放射された出力光線の角度分布を特定の応用例に適合するように制御してもよい。例えば、パネルアッセンブリを使用して液晶ディスプレイのバックライトを供給する場合は、光線が低損失で液晶ディスプレイ中を通過するような所定の光線角度で、光線をパネルから放射させるように変形パターンを用いれば、光出力はより効率的になる。
【0063】
さらに、パネル部材の光抽出に起因する光出力の変動を調製するために、光抽出変形パターンを用いてもよい。光抽出変形パターンは、塗料、インク、コーティング、エポキシ、接着剤等様々な方法を用いることによって、光沢パターンから不透明パターンあるいはその両方を光出力表面領域上に印刷することができる。また、ハーフトーン分離技術を用いて変形範囲を変化させてもよい。接着剤を用いて光抽出変形パターンを得る場合には、同接着剤を用いて後方反射器(back reflector)をパネル部材に固定してもよい。また、光抽出変形パターンは多層にするか、屈折率を異ならせてもよい。
【0064】
印刷された光抽出変形パターンは、点、四角形、菱形、楕円形、星型、ランダム形状等、形状を様々に異ならせてもよい。できれば、各変形部/要素あたり0.006平方インチ以下であることが望ましい。また、60ライン/インチより細かな印刷パターンを用いれば、印刷パターン中の各変形部あるいは各形状が実質的に視認されることがなくなり、より大きな変形要素を用いた場合にしばしば共通的に見られる勾配または帯状線(gradient orbanding lines)を排除することができるため、特定の応用例においては望ましい。さらに、パネル部材の長さおよび/または幅方向に沿って、変形パターンの形状および/または大きさを変化させてもよい。また、パネル部材の長さおよび/または幅方向に沿って、変形パターンをランダムに配置してもよい。変形パターンは、モアレその他の干渉効果を減少させるために、特定の角を有さないような形状またはパターンにしてもよい。このようなランダムなパターンを形成するための方法例は、推計学的印刷パターン技術(stochastic printpattern techniques)、周波数変調ハーフトーンパターンまたはランダムドットハーフトーンを用いて形状を印刷することである。また、パネル部材を色補正するために変形パターンに着色を行ってもよい。また、パネル部材全体にわたって変形パターンの色を変化させ、例えば同じあるいは異なる光出力表面領域に対して異なる色を与えてもよい。
【0065】
これらの光抽出変形パターンに加え、またはその代わりとして、成形パターン中でより複雑な形状を用いたプリズム面または様々な形状の凹凸面を含む他の光抽出変形パターンを、成形,エッチング、スタンピング、熱形成、ホットスタンプにより、パネル部材の一つ以上の表面領域の中または上に設けてもよい。プリズム面または凹凸面は、そのような面に接する光線の一部だけをパネル部材から出射させる。また、プリズム、凹面その他の面の角度を変化させて光を異なった方向に向けることにより、所望の出力分布または効果を得ることができる。また、反射面あるいは屈折面は、モアレその他の干渉効果を減少させるために、特定の角を有さないような形状またはパターンにしてもよい。
【0066】
後方反射器または反射コーティング(透過反射器(transreflector)を含む)15(図2参照)を、接着その他の適切な方法を用いてパネル部材の底面に取り付け、その面からの反射光をパネル部材中を通って反対面に戻して放射させることによってパネルアッセンブリの光出力効率を向上させてもよい。後方反射器を接着剤を用いてパネル部材に接着する場合、好ましくは接着剤をパネル部材の側面に沿ってのみ塗布し、接着剤が存在する領域以外、後方反射器とパネル部材との間にわずかな空気ギャップが存在するようにする。なぜなら、接着剤による光の内反射臨界角(internal criticalangle)の変化は、パネル面および後方反射器間の空気ギャップによるそれに比較して制御が難しいためである。
【0067】
また、光抽出変形パターンを、パネル部材の片面または両面に設けることにより、内反射臨界角を超えて光の一部がパネル部材の片面または両面から出射するように光路を変化させてもよい。印刷パターンによって変形パターンを形成する場合、後方反射器を印刷パターンと同じ色にすることによって印刷パターンが後方反射器を通して視認されないようにすることができる。また、透明フィルム、シートまたは板を、接着その他の適切な方法によってパネル部材の光が出射する側の一面または複数面に対して取り付けまたは位置づけすることにより、所望の効果を得ることができる。
【0068】
光出力分布の均一性をさらに改善するためあるいは出力光線角度分布を変えるために、透明フィルムを使用することができる。そのようなフィルムは例えば、着色フィルム、ディフューザー、またはラベルもしくはディスプレイであって、一部が透明なオーバーレイ部(オーバーレイ部は着色および/または文字あるいはイメージを有していてもよい)であってもよい。また、フィルムはプリズムまたはレンチキュラーレンズその他の、出力光線角度分布を変えることができるデバイスであってもよい。
【0069】
図1においては、光透過領域10は、発光パネル部材8の一端からの一体的な延長部であり、湾曲した端部16を有するように示されている。この結果、光源から出射し光透過領域中を戻って湾曲端部16に当たる(impinge)光を、より効率的に発光パネル部材の光入射面に対して容認可能な入射角度で反射および/または屈折ならびに集光することができる。また、適切な反射材料またはコーティング17を、パネル部材の光透過領域の端部のうち光の任意の部分が当たる部分に設ければ、反射して光透過領域中を戻って発光パネル部材中に入射する光量を、最大化あるいは変化させることができる。
適切な光抽出変形/断続パターン12を、パネル部材8の片面または両面上の選択された領域上、すなわちパネル部材上のエアバッグカバリング18上のコントロールボタン群5位置に対応する位置に設けてもよい。図示例においては、光抽出変形/凹部パターンを、パネル部材3の底面14上(すなわちコントロールボタン群から反対側面)に設けており、反射フィルムまたはコーティング15を同面に設けることによって、この面から出射した光を反射させパネル部材中を通って戻している。
【0070】
好ましくは発光パネル部材8は、熱可塑性エラストマーまたはシリコーンラバー等の透明な弾力性可変形材料で形成されることにより、各コントロールボタンが押下されたときに、パネル部材のコントロールボタン群に対応する領域が曲折してパネル部材下に位置するプリント基板19と接触し、関連付けられた制御回路を電気的に完結することを可能にする。また、万一交通事故等においてエアバッグ4が作動した場合、あるいは運転者の頭部がハンドル3のハブ部2に押し付けられた場合には、弾力性可変形パネル部材8はショックを吸収し、その結果そのような接触時における運転者が深刻な負傷を被る可能性を大きく減少させる。
【0071】
また、プリント基板19を適切な熱可塑性エラストマー、シリコーンラバーまたはフレキシブルフィルムもしくは、積層回路またはメンブレンあるいはドームスイッチから構成した場合、ショックを吸収することができ、運転者の頭部がハンドル3のハブ部2に衝突した際、あるいはハンドルのエアバッグ4が使用されて外側に押し出されたパネル部材および回路が運転者と接触した際に、運転者が深刻な負傷を被る可能性をさらに減少させる。
【0072】
図1および図2に示すものと同様な発光パネルアッセンブリはまた、乗り物内の他の部品、例えばダッシュボード、機器パネル、ヘッドライナー、および外部照明等にも効果的に使用することができる。図4および図5に、乗り物の外部照明に本発明を応用した例を数種類、示している。その一つは、発光パネルアッセンブリ21を乗り物23の後部端あるいはバンパー22に設けて、後部端あるいはバンパー22内の走行灯 (runninglight)とした例である。別の例においては、発光パネルアッセンブリ24を乗り物のボディーパネル25中、後部、前部、および/または側部に沿って設けることにより走行灯またはアクセント照明を提供し、あるいはロゴマーク、ステップ部、走行ボードその他の乗り物の表面領域を照明している。さらに別の例においては、発光パネル26を乗り物のトランク蓋27中に設けることにより、トランク蓋に実装された走行灯、またはロゴマーク、アクセント照明またはナンバープレートのための照明を提供している。各発光パネル部材28、29および30の形状は、各応用例に適合するように形成され、熱可塑性エラストマーまたはシリコーンラバー等の透明な弾力性可変形材料で形成することによって、小規模な交通事故における衝撃の際に屈曲することによって破損を防ぐことができる。
【0073】
特定の発光パネル部材における光源9および対応する光透過領域10の数およびその位置は、各応用例におけるパネル部材全体の大きさおよび形状、ならびにそこから得たい光出力量に依存する。例えば、図4および図5に示す後部端/バンパー走行灯部品は、一つの光源9とそれに対応する光透過領域10とを、パネル部材28の各端において必要とするのみであるが、図4および図5に示すボディーパネルおよびトランク蓋用走行灯部品は、複数の互いに近接した光源9および対応する光透過領域10を、パネル部材の一つ以上の光入力面に沿って必要とし得る。図4および図5は、乗り物の走行テールランプ用の、パネル部材29の後端に沿って設けられた上記のような光源と対応する光透過領域の例および、パネル部材30の上端に沿って設けられたトランク蓋上の照明用の光源と対応する光透過領域の例を、いくつか図示している。走行テールランプ用光源の全てをパネル部材29の後端(すなわちトランク蓋に最も近い端部)に沿って設けることにより、走行テールランプが小規模な交通事故等における衝撃の際に光源自体が損傷を受ける危険を最小にすることができる。これらのパネル部材は、スペースを占有しないように比較的薄く、出っ張らない(lowprofile)ように、例えば1/4インチ厚未満に設けられてもよい。また、図5の左側に示すように、これらのパネル部材29はボディーパネル25の外面を構成してもよく、また図5の右側に示すように、レンズまたはフィルム34によってパネル部材を覆ってもよい。
【0074】
光源は通常の場合、前述のようにパネルの光透過領域中に埋め込み、ポッティング、または接合される。しかし、図4に示すパネル部材28の左端の光源9は、ホルダ63によって機械的に位置決めされている。ホルダ63はパネル部材の一端に設けられたスロット中に座している。また、図4のパネル部材28の右端には光ファイバ光パイプ64を示している。光ファイバ光パイプ64は、例えばトランクその他の乗り物内の離れた位置に設けられた遠隔光源65からの光をパネル部材に伝達する。
【0075】
LEDまたは白熱灯またはハロゲンランプ(反射器は設けても設けなくてもよい)のような追加的な光源アレイ31を、あえて発光パネル部材29および/または30の内表面の内側に(すなわち裏側に)設けることによって、より強力な光をパネル部材および(パネル部材上に後方反射器または透過反射器32を設けた場合には)後方反射器または透過反射器32を通して輝かせ、あるいはパネル部材に開けた一つ以上の空白領域または孔33(印刷パターン、後方反射器および透過反射器がパネル部材に設けられていない領域)を通して輝かせてもよい。図4および図5においては、例えばブレーキランプや方向指示ランプ、転回もしくは後進ランプ等のような特定の応用例の概略図を示している。パネル部材29自体を照明するための光源9をパネル部材の一端部または複数の端部に近接して設置することにより、光源アレイ31がパネル部材を通して輝くことに対する干渉あるいは妨害を防ぐことができる。
【0076】
トランク蓋27等の乗り物用部品において、発光パネル部材30が小規模な交通事故に際する衝撃を典型的には受けないように十分に発光パネルアッセンブリ26を凹んで形成することが可能な場合には、所望に応じて、パネル部材を弾力性可変形材料ではなくポリカーボネートまたはアクリル系プラスチック剛性透明材料で形成してもよい。
【0077】
図6および図7は、本発明の別の実施態様に係る発光パネルアッセンブリ35の概略図である。本実施態様の発光パネルアッセンブリ35は、ラジオ等の装置のLCD37および/または複数のコントロールボタン38の裏面に設けられた弾力性可変形透明発光パネル部材36を有しており、光をパネル部材全面から均一に出射させるか、あるいは、パネル部材の特定の表面領域すなわちLCDおよびコントロールボタンの領域から出射させることにより、所望に応じてLCDおよびコントロールボタンを照明する。パネル部材36は、所望に応じて任意の数の光源9および対応する光透過領域10を有することができる。また、パネル部材36は好ましくは弾力性可変形エラストマー材料でできており、成形あるいはエンボス加工されたコントロールボタン38(メンブレンスイッチまたはエラストマー性キーパッドであってもよい)が押下されてパネル部材と接触し、パネル部材の接触した領域が屈曲して対応するドームスイッチ39’またはその他のパネル部材下部のプリント基板39上の回路に接触することにより、選択的なスイッチング機能を提供する。
【0078】
または、メンブレンスイッチまたはエラストマー性キーパッド42その他のコントロールボタン(図8参照)と位置合わせした貫通孔41をパネル部材に設け、コントロールボタンが押下された際に、コントロールボタン上の接触部43がプリント基板44上の適切な回路にパネル部材の内側で接触するように構成した場合、本発明の発光パネル部材40はポリカーボネートまたはアクリル系プラスチック等の比較的剛性の高い透明材料で形成してもよい。または、コントロールボタン42は、ドームスイッチ(図8の右端側にドームスイッチ57の例を示している)をオンにするために用いてもよく、その場合は接触部43は省略してもよい。
【0079】
光の一部分をコントロールボタンに向かって出射させるために、貫通孔41は、様々な形状を有し得、あるいは角度をつけたもしくはテキスチャー化した壁部45を有してもよい(図8において一番右にある貫通孔41の壁部45は、角度をつけて示してある)。
【0080】
本実施態様において、光源9および対応する光透過領域10からパネル部材に入射する光は、パネル部材の貫通孔41の壁部45から出射し、スイッチ群/パッド群にバックライトを提供する。また、パネル部材の貫通孔41の周囲に印刷パターンのような不規則表面46を設けることによって(図9にその概略図を示す)、光がコントロールボタン周囲に出射してコントロールボタン近傍を光で満たすようにしてもよい。様々な形状に印刷パターンまたは成形された不規則表面46はまた、パネル部材36の他の表面領域、例えばLCD37およびコントロールボタン38の裏面に設けることによってバックライト効果をもたらすこと等も可能である。
【0081】
図10は、面一に実装された本発明の別の実施態様に係る発光パネルアッセンブリ47の概略図である。本実施態様の発光パネルアッセンブリ47において、コントロールスイッチ群50およびロゴマーク等が設けられた乗り物のダッシュボード49等の起伏面の裏面に、弾力性可変形エラストマー透明発光パネル部材48が設けられている。スイッチ群50は透明または半透明キーパッド51、51’を有している。透明または半透明キーパッド51、51’は、図10の中央部に示すように起伏面中に成形されるか、図10の左右側に示すように起伏面中に設けた開口部49’を通って延びるようにパネル部材48上に成形される。また、キーパッド51、51’は望ましくはエラストマー性その他の可撓性材料でできており、パネル部材48とあいまって交通事故等の際に衝撃を吸収しダッシュボードに投げ出された乗員の負傷を最小限にする、柔軟なアッセンブリを提供する。また、パネル部材48を弾力性可変形エラストマー材料で形成することにより、キーパッドを押下したときに、パネル部材の選択された領域が押されてその下部のプリント基板52と接触することが可能になる。プリント基板およびパネル部材は、隣接面に印刷され、互いに接触した時に適切な回路を電気的に完結するような導電性インク等でできた適切な回路53、54を含み得る。または、ドームスイッチ57を設けてキーパッドと接触させる(図10の右端側にそのようなドームスイッチの例を示している)ことにより、回路53および54を省略してもよい。また、プリント基板52を、適切な弾力性可変形エラストマー材料またはフレキシブルフィルムで形成することにより起伏に即し、また交通事故等の際における衝撃を吸収し得る、柔軟なアッセンブリを提供することができる。
【0082】
図11および図12は、スイッチアレイの照明、キーレス入力(keyless entry)、ラジオおよび/またはテープ/CDコントロール群その他の部品のためのドームスイッチ群57とともに用いられる、本発明の更に別の実施態様に係る発光パネルアッセンブリ56の概略図である。本実施態様の発光パネルアッセンブリ56において、比較的剛性の高い透明発光パネル部材58が、ドームスイッチ57と並んで位置するプッシュボタン60のアレイにおいて、横方向開口部スロット59(図12参照)中を延びている。パネル部材の端部その他の部分は剛性を有するトレイ61によって支えられている。トレイ61は、プリント基板62を包含しているかあるいはその近傍に位置している。プリント基板62上にドームスイッチを設けてもよい。プッシュボタン60を通るスロット59の高さは、パネル部材58の厚さよりも大きく、従ってプッシュボタンはパネル部材上に浮かんでおり、その結果プッシュボタンは押下されてプリント基板上の各ドームスイッチに接触して適切な回路をオンにする。
【0083】
図11および図12は、単一のインジケータボタン60を照明するための対応する光源9および光透過領域10が一端または両端に設けられた、単一のパネル部材58を示している。図13は、ラジオコントロール群および/またはテープ/CDコントロール群等照明用のデュアルインジケータボタン68を照明するための独立した光源9および対応する光透過領域10を有する、2つの発光パネル部材66、67を示している。様々な形状の印刷または成形パターンのような不規則表面を、パネル部材の選択された表面領域すなわちプッシュボタンの内部および/または周囲に設けることにより、光がボタン群を照明するようにしてもよい。
【0084】
図14〜図17は、本発明の更に別の実施態様に係る発光パネルアッセンブリ70の概略図である。本実施態様の発光パネルアッセンブリ70は、多層機器パネル73中に、2つ以上の積み重ねられた比較的剛性の高い透明発光パネル部材71、72を有している。図16の上面図に示す外側(すなわち上側)パネル部材71は、図15の上面図に示すグラフィックオーバーレイ74のための構造的な支持体となる。ポインタ75は、グラフィックオーバーレイ74の外側においてシャフト76(図14参照)によって支持されている。シャフト76は、パネル部材中を延び、モータ制御器77によってパネル部材の内側(すなわち下側)において回転駆動される。シャフト76が通る外側パネル部材71に設けた開口部79の周囲に、外側パネル部材内の光をポインタ75に反射/屈折するためのプリズム面78および/または不規則表面を設けることによって、ポインタを照明することができる。ポインタ75も同様に透光性材料で形成し、プリズム面80をポインタの一端に設けることによって外側パネル部材から受け取った光を反射/屈折してポインタ内を戻し、ポインタ上の発光表面領域を通って出射させてもよい。
【0085】
図17の上面図に示す内部(すなわち下側)パネル部材72は、異なる形状を有する発光表面領域83、84および85を有している。一つ以上の光源からパネル部材に入射する光は、発光表面領域83、84および85から出射して、外側パネル部材71の外面に配置されたグラフィックオーバーレイ74にバックライトを供給する。
【0086】
所望に応じて、各パネル部材71、72に独立または共通光源を設けてもよい。図14〜図17に示す実施態様において、両パネル部材71、72のための共通光源群86が、パネル部材中に光源に対応して位置揃えされて設けられた開口部87、88中に延びている。また、独立したインジケータランプ89を、プリント基板90上の両パネル部材71、72の内側における選択された位置に設け、両パネル部材を通してグラフィックオーバーレイ74上の異なるインジケータ91を照明してもよい(図14および図15にその概略図を示す)。適切なシールド/反射器92をインジケータランプ89の周囲/間に設けることにより(図14参照)、光をシールドして適切なインジケータに向けてもよい。
【0087】
図18は、本発明の更に別の実施態様に係る発光パネルアッセンブリ93の概略図である。本実施態様の発光パネルアッセンブリ93は、剛性透明発光パネル部材94を有している。剛性透明発光パネル部材94は、例えば乗り物のエンジンの様々なギアシフトレバー位置を示すために用いられる、グラフィックオーバーレイ/転写層95のための構造的な支持体として機能してもよい。一つ以上の光源9を、パネル部材上の光透過領域10中に挿入/埋め込みすることにより、パネル部材の長さ方向にわたる選択された表面領域96において、例えば、異なるギアシフトセレクタ位置(すなわちP、R、N、D、L等)に対応するバックライト、あるいはアクセント照明もしくはロゴマークのためのバックライトを提供してもよい。図18に示すパネル部材94は概してL字型を有しており、角度を付けられた反射表面97がパネル部材の脚部98、99を接続しており、パネル部材の一方の脚部98上の光源9からの光の一部を、コーナー100において反射することによって、パネル部材の他方の脚部99上の一つ以上の選択された表面領域101においてバックライトを供給する。
【0088】
パネル部材102は、L字概形を有さずに一つ以上の面で湾曲していてもよい。その概略図を図19に示す。また、図19に示すそのような2つのパネル部材102、102’を、4輪駆動乗り物における異なるギアシフトレバー位置を示すために用いてもよい。図示した実施態様において、2つのパネル部材は互いに接合され、共通光源9を用いて光を両パネル部材に供給し、反射表面103、103’をコーナー104、104’に設けて光の一部をコーナー部において反射/屈折している。
【0089】
または、パネル部材105は実質的に真っ直ぐに構成されてもよい。図20にその概略図を示す。
【0090】
また、複数のインジケータランプ106を、パネル部材の端部に沿って発光表面領域96と並んだ位置に、各ギアシフトレバー位置に対応するように設けることにより(図18の概略図参照)、これらの位置における光出力を増強してもよい。また、追加的な光源106’をパネル部材の裏面に設け、パネル部材の発光表面領域その他の表面領域を通して光を輝かせてもよい(図18中点線で示す)。
【0091】
図20の概略図に示すように、パネル部材とパネル部材用のグラフィックオーバーレイオーバーレイ95との間に設けたフィルタ107を、ギアセレクタシフトレバー108とともに移動させ、選択されたギアシフト位置に対応するパネル部材上の任意の一つの発光表面領域96と重なるようにしてもよい。そのようにして、選択されたギアシフト位置において異なる色またはシェードの光出力が得られる。例えば、フィルタ107を赤色フィルタにすれば、選択されたギアシフト位置での光出力の色を白色から赤色に変化させることができる。
【0092】
図18および図21の概略図においては、パネル部材の両側端部において、パネル部材用の後方反射器トレイ110にパネル部材を例えばヒートステーク(heat stake)するための、タブ109を設けている。また、オーバーレイ/ラベル95をパネル部材にヒートステークするためおよび/またはパネル部材を乗り物の内部ボディーパネルにヒートステークするために、ポスト111をパネル部材に設けてもよい。
【0093】
図22〜図24に、本発明の更に別の実施態様に係る発光パネルアッセンブリ115、116および117の概略図である。本実施態様の発光パネルアッセンブリ115、116および117はそれぞれ、コンパクトミラー(vanity mirror)122のフラップ121上に設けられた発光パネル部材118(図22参照)、概略矩形のコンパクトミラー123の3辺に設けられた発光パネル部材119(図23参照)、および楕円形コンパクトミラー124の実質的に全周に設けられた発光パネル部材120(図24参照)を有している。これらパネル部材118、119および120は、比較的薄く出っ張らないように形成され(例えば1/4インチ厚未満)一つ以上の光源9および光透過領域10をパネル部材の一端または両端に有することにより、コンパクトミラー周囲に均一な散乱光および無影光を生成する。発光パネル部材118がコンパクトミラーのフラップ121上に設けられた図22の実施態様においては、パネル部材118は概して真っ直ぐに形成され、実質的にミラーの全長にわたって平行に延びており、光源9および対応する光透過領域10がパネル部材の一端に設けられている。図23の実施態様においては、パネル部材116はU字概形を有しており、ミラーの3辺の実質的に全長にわたって平行かつその近傍を延びている。図24の実施態様においては、パネル部材120は概して楕円形の形状を有している。図23および図24の実施態様においてパネル部材119および120は、一つ以上の光源9および対応する光透過領域10をパネル部材の両端に有している。また、反射表面125がパネル部材119、120のコーナー/湾曲部126、127に設けられ、コーナー/湾曲部の周囲の光の一部を反射する。
【0094】
本発明を特定の好適な実施態様について説明したが、本明細書を理解すれば当業者には同等な改変および変形が想起され得るであろう。本発明はそのような同等な改変および変形の全てを含むものであり、特許請求の範囲によってのみ限定を受ける。
【0095】
(発明の効果)
本発明によれば、スイッチ類や計器類、またはロゴマークなどを照明する照明装置や、その他の自動車用内部照明装置において用いたときには、交通事故の際などで衝撃を受けたときにも装置類が破損することなく、乗員の負傷を軽減または防止することができる。また、自動車外部照明装置等に用いたときには、交通事故などで衝撃を受けても容易に破損しないような照明装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0096】
1 発光パネルアセンブリ
2 ハブ部
3 ハンドル
5 コントロールスイッチ/ボタン群
8 パネル部材
9 光源
10 光透過領域
11 エアバッグ/ハンドルカバリング
16 湾曲した端部
17 反射材料またはコーティング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物のボディー部に設けられた発光パネルアッセンブリであって、
該パネルアッセンブリは、弾性的に変形可能な透明な材料の発光パネル部材を含み、
該弾性的に変形可能な透明な材料は、破損することなく該パネル部材の屈曲を可能にし、
該パネル部材は、内面および外面を有し、かつ、該パネル部材の端部に隣接する光入力表面を有し、該光入力表面は、少なくとも1つの光源から光を受け取り、該パネル部材の外面から該光を出射するように、該光を該パネル部材を介して導き、
該パネル部材の該外面は、該乗り物の該ボディー部の外部表面を形成し、該外面が該乗り物の湾曲した外形に適合することにより、該湾曲した外形に沿って照明を提供する、アッセンブリ。
【請求項2】
前記パネル部材は、前記乗り物のコーナーの周りに延びていることにより、該コーナーの周りに照明を提供する、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項3】
前記光源は、光パイプを介して前記光入力表面に光を提供する遠隔の光源である、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項4】
前記パネル部材によって形成されている前記ボディー部の前記外部表面は、前記乗り物の後部および前部のうちの少なくとも一方に位置している、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項5】
前記パネル部材によって形成されている前記ボディー部の前記外部表面は、前記乗り物の側面に沿って位置している、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項6】
前記光源は、前記パネル部材の後端に沿って位置しており、該パネル部材の後端は、前記コーナーの内側にある、請求項2に記載のアッセンブリ。
【請求項7】
前記パネル部材の内面の内側に位置する別の光源であって、前記光入力表面によって受け取られ、該パネル部材の外面から出射された前記光とは独立して、かつ、該別の光源からの光が前記少なくとも1つの光源によって妨害されることなく、該パネル部材を介して光を照射する別の光源をさらに備えている、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項8】
前記パネル部材の前記内面を覆う透過反射器をさらに備えている、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項9】
乗り物のボディー部に設けられた発光パネルアッセンブリであって、
該パネルアッセンブリは、
弾性的に変形可能な透明な材料の発光パネル部材であって、該パネル部材は、互いに対向する面を有し、かつ、該パネル部材の端部に隣接する光入力表面を有し、該光入力表面は、少なくとも1つの光源から光を受け取り、該パネル部材の該互いに対向する面のうちの一方の面から該光を出射するように、該光を該パネル部材を介して導く、発光パネル部材と、
該パネル部材の他方の面の内側に位置する別の光源であって、該光入力表面によって受け取られ、該パネル部材の該一方の面から出射された該光とは独立して、かつ、該別の光源からの光が該少なくとも1つの光源によって妨害されることなく、該パネル部材を介して光を照射する別の光源と
を含む、アッセンブリ。
【請求項10】
前記別の光源は、前記パネル部材の空白領域を介して直接的に照射する該別の光源よりも強い集光効果のために、前記光入力表面によって受け取られ、該パネル部材の前記一方の面から出射された前記光よりも強い照射を該パネル部材を介して提供する光のアレイを含む、請求項9に記載のアッセンブリ。
【請求項11】
透過反射器が、前記パネル部材の前記他方の面を覆っており、
前記別の光源は、ブレーキライト、方向指示ライト、転回ライト、後進ライトのうちの少なくとも1つを提供するように、該透過反射器と前記パネル部材とを介する十分な照明を生成する、請求項9に記載のアッセンブリ。
【請求項12】
前記パネル部材を通る孔をさらに含み、該パネル部材の該孔を介して前記別の光源からの遮られない光の通路を提供する、請求項9に記載のアッセンブリ。
【請求項1】
乗り物のボディー部に設けられた発光パネルアッセンブリであって、
該パネルアッセンブリは、弾性的に変形可能な透明な材料の発光パネル部材を含み、
該弾性的に変形可能な透明な材料は、破損することなく該パネル部材の屈曲を可能にし、
該パネル部材は、内面および外面を有し、かつ、該パネル部材の端部に隣接する光入力表面を有し、該光入力表面は、少なくとも1つの光源から光を受け取り、該パネル部材の外面から該光を出射するように、該光を該パネル部材を介して導き、
該パネル部材の該外面は、該乗り物の該ボディー部の外部表面を形成し、該外面が該乗り物の湾曲した外形に適合することにより、該湾曲した外形に沿って照明を提供する、アッセンブリ。
【請求項2】
前記パネル部材は、前記乗り物のコーナーの周りに延びていることにより、該コーナーの周りに照明を提供する、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項3】
前記光源は、光パイプを介して前記光入力表面に光を提供する遠隔の光源である、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項4】
前記パネル部材によって形成されている前記ボディー部の前記外部表面は、前記乗り物の後部および前部のうちの少なくとも一方に位置している、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項5】
前記パネル部材によって形成されている前記ボディー部の前記外部表面は、前記乗り物の側面に沿って位置している、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項6】
前記光源は、前記パネル部材の後端に沿って位置しており、該パネル部材の後端は、前記コーナーの内側にある、請求項2に記載のアッセンブリ。
【請求項7】
前記パネル部材の内面の内側に位置する別の光源であって、前記光入力表面によって受け取られ、該パネル部材の外面から出射された前記光とは独立して、かつ、該別の光源からの光が前記少なくとも1つの光源によって妨害されることなく、該パネル部材を介して光を照射する別の光源をさらに備えている、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項8】
前記パネル部材の前記内面を覆う透過反射器をさらに備えている、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項9】
乗り物のボディー部に設けられた発光パネルアッセンブリであって、
該パネルアッセンブリは、
弾性的に変形可能な透明な材料の発光パネル部材であって、該パネル部材は、互いに対向する面を有し、かつ、該パネル部材の端部に隣接する光入力表面を有し、該光入力表面は、少なくとも1つの光源から光を受け取り、該パネル部材の該互いに対向する面のうちの一方の面から該光を出射するように、該光を該パネル部材を介して導く、発光パネル部材と、
該パネル部材の他方の面の内側に位置する別の光源であって、該光入力表面によって受け取られ、該パネル部材の該一方の面から出射された該光とは独立して、かつ、該別の光源からの光が該少なくとも1つの光源によって妨害されることなく、該パネル部材を介して光を照射する別の光源と
を含む、アッセンブリ。
【請求項10】
前記別の光源は、前記パネル部材の空白領域を介して直接的に照射する該別の光源よりも強い集光効果のために、前記光入力表面によって受け取られ、該パネル部材の前記一方の面から出射された前記光よりも強い照射を該パネル部材を介して提供する光のアレイを含む、請求項9に記載のアッセンブリ。
【請求項11】
透過反射器が、前記パネル部材の前記他方の面を覆っており、
前記別の光源は、ブレーキライト、方向指示ライト、転回ライト、後進ライトのうちの少なくとも1つを提供するように、該透過反射器と前記パネル部材とを介する十分な照明を生成する、請求項9に記載のアッセンブリ。
【請求項12】
前記パネル部材を通る孔をさらに含み、該パネル部材の該孔を介して前記別の光源からの遮られない光の通路を提供する、請求項9に記載のアッセンブリ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2009−227275(P2009−227275A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101478(P2009−101478)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【分割の表示】特願2007−277026(P2007−277026)の分割
【原出願日】平成9年1月16日(1997.1.16)
【出願人】(501199128)ソリッド ステート オプト リミテッド (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【分割の表示】特願2007−277026(P2007−277026)の分割
【原出願日】平成9年1月16日(1997.1.16)
【出願人】(501199128)ソリッド ステート オプト リミテッド (8)
【Fターム(参考)】
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