説明

発光体の微弱発光領域を光学装置によって観測するための方法および装置

【課題】発光体の微弱発光領域以外の領域から照射される光、および外光が光学装置の観測窓に入射することを防止し、微弱発光領域から光学装置に入射する光の強度を相対的に増大させることによって、微弱発光領域の観測精度を上げる。
【解決手段】箱体1を備え、箱体の光学装置7に対向する面には、光学装置の視野より大きい面積を有する開口部2が形成される。箱体は、箱体の開口部と光学装置の観測窓8との間の空隙を、光学装置の視野を遮らないように包囲する遮光手段6を備える。箱体の内部に発光体10の微弱発光領域11を受け入れるための光取入口3が設けられる。箱体の内壁面の全体および前記遮光手段の内側面の全体が、光を反射させもしくは吸収するまたはその両方の機能を有する光減衰層によって被覆される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光体の微弱発光領域を光学装置によって観測するための方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、発光体の微弱発光領域を光学装置によって観測する場合には、暗箱が使用され、発光体を含む観測系の全体を暗箱内に収容して実施することが一般的であった(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
この方法によれば、発光体の外部に存在する別の発光源から照射される光を確実に遮光して、光学装置の観測窓に侵入するのを防止することができる。しかしながら、発光体からの照射光が箱体の内壁面および光学装置によって反射せしめられて生じた2次的な光が、発光体からの照射光に重畳されて光学装置の観測窓に侵入し、それによって微弱発光領域からの照射光線の強度が相対的に弱められてしまい、正確な観測をすることが容易ではなかった。
【0004】
【特許文献1】特許第2890840号公報
【特許文献2】特開平10‐300660号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の課題は、発光体の微弱発光領域以外の領域から照射される光、および外光が光学装置の観測窓に入射することを防止し、微弱発光領域から光学装置に入射する光の強度を相対的に増大させることによって、微弱発光領域の観測精度を上げることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、第1発明は、発光体の微弱発光領域を光学装置によって観測するための方法であって、前記発光体の前記微弱発光領域以外の領域から照射される光および外光を反射させること、または前記光および外光を吸収すること、またはその両方によって、前記光および外光が前記光学装置の観測窓に侵入してくることを防止し、それによって前記微弱発光領域から前記光学装置に入射する光線の強度を相対的に増大させるようにしたことを特徴とする方法を構成したものである。
【0007】
第1発明の構成において、箱体を前記光学装置の観測窓に対向させて配置し、前記箱体の前記光学装置に対向する面には、前記光学装置の視野より大きい面積を有する開口部を設け、前記箱体の開口部と前記光学装置の観測窓との間の空隙を、前記光学装置の視野を遮らないようにしつつ遮光手段によって包囲し、前記箱体に光取入口を設けて前記箱体の内部に前記発光体の微弱発光領域を受け入れるようにし、さらに、前記箱体の内壁面の全体並びに前記遮光手段の内側面の全体を、光を反射させもしくは吸収する材料、またはその両方の機能を備えた材料によって被覆することが好ましい。
【0008】
前記箱体の内部における前記光学装置に対して前記微弱発光領域の後側に、少なくとも1つの平面もしくは少なくとも1つの曲面、またはそれらの両方から構成され、光を前記光学装置の観測窓に入射しないように反射させる幾何学的構造を設け、前記幾何学的構造における露出面をすべて、光を反射させもしくは吸収する材料、またはその両方の機能を有する材料によって被覆することがさらに好ましい。
【0009】
また、前記箱体の内部における前記光学装置の光軸に関して前記光取入口と反対側に反射手段を配置して、前記光取入口側から前記光学装置の視野を横切る照射光線を、前記光学装置の観測窓に入射しないような向きに反射せしめることが好ましい。
【0010】
上記課題を解決するため、また第2発明は、発光体の微弱発光領域を光学装置によって観測するための装置であって、前記光学装置の観測窓に対向して配置された箱体を備え、前記箱体の前記光学装置に対向する面には、前記光学装置の視野より大きい面積を有する開口部が形成され、前記箱体には、前記箱体の開口部と前記光学装置の観測窓との間の空隙を、前記光学装置の視野を遮らないように包囲する遮光手段が備えられるとともに、前記箱体の内部に前記発光体の微弱発光領域を受け入れるための光取入口が設けられ、さらに、前記箱体の内壁面の全体および前記遮光手段の内側面の全体が、光を反射させもしくは吸収する、またはその両方の機能を有する光減衰層によって被覆されているものであることを特徴とする装置を構成したものである。
【0011】
第2発明の構成において、好ましくは、前記箱体の内部における前記光学装置に対して前記微弱発光領域の後側に、少なくとも1つの平面もしくは少なくとも1つの曲面、またはそれらの両方から構成され、光を前記光学装置の観測窓に入射しないように反射させる幾何学的構造が設けられ、前記幾何学的構造における露出面がすべて、光を反射させもしくは吸収する、またはその両方の機能を有する光減衰層によって被覆されている。
【0012】
さらに、前記幾何学的構造は、互いに対向し、かつ前記箱体の開口部から前記箱体の奥に向かって末広がり状にのびるように配置された一対の板体からなり、前記一対の板体の間隔が、前記開口部側において前記光学装置の視野より大きくなっており、さらに、前記板体は、平面もしくは曲面またはその両方を有していることが好ましい。
あるいは、前記幾何学的構造は、前記箱体の開口部に対向する内壁面から該開口部に向かって先細り状に突出するように配置された中空円錐台または中空角錐台からなり、前記円錐台または前記角錐台の先端開口が、前記光学装置の視野より大きい面積を有するように形成されていることが好ましい。
【0013】
また、前記箱体の内部における、前記光学装置の光軸に関して前記光取入口と反対側に反射手段が配置されていて、前記光取入口側から前記光学装置の視野を横切る照射光線を、前記光学装置の観測窓に入射しないような向きに反射せしめるようになっていることが好ましい。
また、前記遮光手段は、前記箱体に一体形成されて前記箱体の一部をなし、前記光学装置の観測窓が、前記箱体に設けられた観測窓挿入口に装着されるようになっていることが好ましく、さらに、前記箱体の内部における前記観測窓挿入口に設けられ、前記光線取入口から直接にまたは反射の結果、前記光学装置の観測窓に入射する光線を遮る庇をさらに備えていることが好ましく、さらには、前記庇は、丸味を帯びた形状を有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、発光体の微弱発光領域以外の領域から照射される光および外光を反射させること、または光および外光を吸収すること、またはその両方によって、光および外光が光学装置の観測窓に侵入してくることを防止し、それによって微弱発光領域から光学装置に入射する光線の強度を相対的に増大させるようにしたので、微弱発光領域の観測を容易、かつ正確に行うことができる。
【0015】
また、本発明によれば、箱体を光学装置に対向させて配置するとともに、箱体の光学装置に対向する面には開口部を形成し、箱体の開口部と光学装置の観測窓との間の空隙を、遮光手段によって包囲し、箱体に光取入口を設けて箱体内部に発光体の微弱発光領域を受け入れ、さらに、箱体の内壁面の全体および遮光手段の内側面の全体を、光を反射させもしくは吸収する、またはその両方の機能を有する光減衰層によって被覆したので、発光体の微弱発光領域以外の領域から照射される光、並びに外光が、微弱発光領域から照射された光に重畳されて光学装置の観測窓に入射することが防止され、それによって微弱発光領域からの照射光線の強度が相対的に強められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施例について説明する。本発明の方法は、発光体の微弱発光領域以外の領域から照射される光および外光を反射させること、または光および外光を吸収すること、またはその両方によって、前記光および外光が光学装置の観測窓に侵入してくることを防止し、それによって微弱発光領域から光学装置に入射する光線の強度を相対的に増大させるようにしたものである。
【0017】
そして、本発明の方法によれば、例えば、箱体が光学装置の観測窓に対向して配置される。箱体の光学装置に対向する面には、光学装置の視野より大きい面積を有する開口部が設けられ、箱体の開口部と光学装置の観測窓との間の空隙は、光学装置の視野を遮らないようにしつつ遮光手段によって包囲される。また、箱体に光取入口が設けられて、箱体の内部に発光体の微弱発光領域が受け入れられる。さらに、箱体の内壁面の全体並びに遮光手段の内側面の全体が、光を反射させもしくは吸収する材料、またはその両方の機能を備えた材料によって被覆される。
【0018】
さらに、箱体の内部における光学装置に対して微弱発光領域の後側に、光を光学装置の観測窓に入射しないように反射させる幾何学的構造が設けられる。幾何学的構造は、少なくとも1つの平面もしくは少なくとも1つの曲面、またはその両方から構成される。そして、幾何学的構造における露出面はすべて、光を反射させもしくは吸収する材料、またはその両方の機能を有する材料によって被覆される。
また、箱体の内部における光学装置の光軸に関して光取入口と反対側に反射手段が配置され、光取入口側から光学装置の視野を横切る照射光線を、光学装置の観測窓に入射しないように反射させる。
【0019】
図1は、本発明の1実施例による発光体の微弱発光領域を光学装置によって観測するための装置の斜視図であり、図2は、図1における光学装置の光軸に沿った断面図である。なお、明瞭にするため、図1中、箱体1と光学装置7の間に備えられる遮光手段を省略してある。
図1および図2を参照して、本発明の装置は、光学装置7の観測窓8に対向して配置された箱体1を備えている。この実施例では、箱体1は直方体の形状を有しているが、箱体1の形状はこれに限定されるものではない。また、本発明の装置を適用可能な光学装置7としては、例えば、各種カメラ、各種測光器、各種光度計、各種分光計等が挙げられる。また、箱体1を形成する材料も特に限定されず、紙やプラスチックやアルミ板等の公知の適当な材料を使用することができる。
【0020】
箱体1の光学装置7に対向する面には、光学装置7の視野より大きい面積を有する開口部2が形成される。開口部2は、この実施例では、箱体1の光学装置7に対向する面の全体に形成される。また、図2に示したように、箱体1には、箱体1の開口部2と光学装置7の観測窓8との間の空隙を、光学装置7の視野を遮らないように包囲する遮光手段6が備えられる。遮光手段6の構成は特に限定されず、例えば、図2に示したように、箱体1の上壁面1aに突設された一対の水平な支持棒19と、これら一対の支持棒19に上から掛けられて、箱体1の開口部2の周辺部分から光学装置7の観測窓8の周辺部分までを覆い被すように配置された黒色のビロード等の遮光性を有する黒色布地20とから構成することができる。
【0021】
箱体1には、また、その内部に発光体10の微弱発光領域11を受け入れるための光取入口3が設けられる。この実施例では、光取入口3は箱体1の上壁面1aに設けられている。
箱体1の内部には、光学装置7に対して微弱発光領域11の後側に、光を光学装置7の観測窓8に入射しないように反射させるための幾何学的構造が設けられる。幾何学的構造は、少なくとも1つの平面もしくは少なくとも1つの曲面、またはそれらの両方から構成される。
【0022】
この実施例では、この幾何学的構造は、互いに対向し、かつ箱体1の開口部2から箱体1の奥(後側内壁面1c)に向かって末広がり状にのびるように配置された一対の板体4a、4bからなっている。この場合、図2から明らかなように、一方の板体4aは、箱体1の上側内壁面1aに対し、開口部2側に向かって鋭角をなして傾斜して配置され、他方の板体4bは、箱体1の下側内壁面1bに対し、開口部2側に向かって鋭角をなして傾斜して配置されるとともに、一対の板体4a、4bの間隔dが開口部2側において光学装置7の視野より大きくなるように配置される。
【0023】
また、箱体1の内部における、光学装置7の光軸9に関して光取入口3と反対側に反射手段5が備えられる。この実施例では、反射手段5は公知の適当なミラーからなっており、光取入口3側から下向きに、光学装置7の視野を横切って箱体1の下側内壁面1bに向かう照射光線を、光学装置7の観測窓8に入射しないような向きに、この実施例では、箱体1の奥の方に向けて反射せしめる。この反射手段5は、本願発明に必須のものではなく、観測の必要に応じて適宜設けられる。
【0024】
さらに、箱体1の内壁面の全体および幾何学的構造(一対の板体4a、4b)における露出面の全体が、光を反射させもしくは吸収する、またはその両方の機能を有する光減衰層によって被覆される。この構成を実現する方法として、例えば、箱体1や幾何学的構造(一対の板体4a、4b)を、艶のある黒色の平滑紙や、コーティングまたはプラスチックフィルムのラミネート加工が表面に施された黒色の紙によって形成する方法がある。あるいは、斜め一方向に一様に植毛されたスエード様の表面を備えた紙や、黒アルマイト処理を表面に施したアルミ板を使用して、箱体1や幾何学的構造(一対の板体4a、4b)を形成するようにしてもよい。
この場合、材料表面が平滑であることが反射の重要な要素であり、黒色であることが吸収の重要な要素となっている。
【0025】
こうして、発光体10からの照射光が箱体1の光取入口3から取入れられ、箱体1内部に観測すべき微弱発光領域11が位置するように、同時に、光学装置7の視野内に微弱発光領域11が位置しかつ光学装置7の視野内に一対の板体4a、4bのエッジ部分が写り込まないように調節がなされる。
そして、光学装置7による観測がなされる。このとき、当該発光体10の外部に存在する別の発光源から照射される光は、箱体1および遮光手段6によってほぼ完全に遮られ、光学装置7の観測窓9から侵入することはない。また、光取入口3から下向きに、光学装置7の視野をほぼ垂直に横切って箱体1の下側内壁面1bに向かって照射される光は、反射手段(ミラー)5によって光学装置7の観測窓8から遠ざかる向きに、特に、下側の板体4bと箱体1の下側壁面4bとの間の空間に向けて反射され、当該空間を画成する面によって繰り返し反射されながら吸収される。下側の板体光取入口3から斜め方向に箱体1内に照射される光は、一対の板体4a、4bの間の空間、または上側の板体4aと箱体1の上側壁面4aとの間の空間に向けて反射され、各空間を画成する面によって繰り返し反射されながら吸収される。そして、これらの光の大部分は、箱体1の後側内壁面1cに到達するまでにほとんど減衰してしまい、よって、光学装置の観測窓に入射する微弱発光領域からの照射光線の強度が相対的に強められる。
【0026】
図3(A)は、本発明の別の実施例による装置の概略構成を示す図1に類似の図であり、(B)は(A)の変形例を示す図である。図3に示した実施例は、図1の実施例と、箱体の内部に配置される幾何学的構造の構成が異なり、さらに、箱体内に反射手段を備えていない点が相違している。したがって、図3(A)、(B)中、図1に示した構成要素と同一のものには同一番号を付して詳細な説明を省略する。
【0027】
図3(A)を参照して、この実施例では、幾何学的構造は、箱体1の開口部2に対向する内壁面(後側内壁面)1cから該開口部に向かって先細り状に突出するように配置された中空の四角錐台12からなっている。この場合、四角錐台12の先端開口13は、光学装置7の視野より大きい面積を有するように形成されている。
この実施例においても、前述の実施例における一対の板体4a、4bと同様、四角錐台12の露出面はすべて、光を反射させもしくは吸収する、またはその両方の機能を有する光減衰層によって被覆されている。
【0028】
この実施例によっても、前述の実施例と同様の効果が得られることは言うまでもない。なお、観測すべき微弱発光領域が、光取入口3の近傍、よって箱体1内部の上方に位置する場合には、光学装置7の観測窓8がやや上向きに調節されるが、このとき、四角錐台12の先端開口13の上辺エッジ14が光学装置7の視野内に写り込み、微弱発光領域の観測が妨げられるおそれがある。このような場合には、図3(B)に示したように、箱体1の上側壁面1aの一部が四角錐台12の1つの側壁をなすような構成として、四角錐台12の先端開口13の上辺エッジ14を箱体1の上側内壁面1a上に位置させることによって、上辺エッジ14の写り込みを防止することができる。
【0029】
図4は、本発明のさらに別の実施例による装置の概略構成を示す図1に類似の図である。この実施例は、図1の実施例と、箱体の内部に配置される幾何学的構造の構成および遮光手段の構成が異なり、また、箱体内に反射手段を備えていない点が相違している。したがって、図1に示した構成要素と同一のものには同一番号を付して詳細な説明を省略する。
【0030】
図4を参照して、この実施例では、遮光手段が箱体15に一体形成されて、箱体15の一部をなしており、光学装置7の観測窓8が、箱体15の前側壁面15dに設けられた観測窓挿入口16に装着されるようになっている。
【0031】
幾何学的構造は、この実施例では、箱体1の後側内壁面1cから観測窓挿入口16に向かって先細り状に突出するように配置された中空の四角錐台17からなっている。そして、四角錐台17の先端開口18は、光学装置7の視野より大きい面積を有するように形成されている。
この実施例においても、図3の実施例における四角錐台12と同様、円錐台17の露出面はすべて、光を反射させもしくは吸収する、またはその両方の機能を有する光減衰層によって被覆されている。
【0032】
図示はされないが、観測窓挿入口16には、箱体15の内側から庇が設けられ、光線取入口3から直接にまたは反射の結果、光学装置7の観測窓8に入射する光線を遮るようになっている。この場合、庇は丸味を帯びた形状を有していることが好ましい。
この実施例の場合にも、図1および図3の実施例と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の1実施例による発光体の微弱発光領域を観測するための装置の概略構成を示す図である。なお、明瞭にするため、図中、箱体および光学装置間に備えられた遮光手段は省略してある。
【図2】図1における光学装置の光軸に沿った断面図である。
【図3】(A)は、本発明の別の実施例による装置の概略構成を示す図1に類似の図であり、(B)は(A)の変形例を示す図である。
【図4】本発明のさらに別の実施例による装置の概略構成を示す図1に類似の図である。
【符号の説明】
【0034】
1 箱体
2 開口部
3 光取入口
4a、4b 板体
5 反射手段
6 遮光手段
7 光学装置
8 観測窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光体の微弱発光領域を光学装置によって観測するための方法であって、
前記発光体の前記微弱発光領域以外の領域から照射される光および外光を反射させること、または前記光および外光を吸収すること、またはその両方によって、前記光および外光が前記光学装置の観測窓に侵入してくることを防止し、それによって前記微弱発光領域から前記光学装置に入射する光線の強度を相対的に増大させるようにしたことを特徴とする方法。
【請求項2】
箱体を前記光学装置の観測窓に対向させて配置し、前記箱体の前記光学装置に対向する面には、前記光学装置の視野より大きい面積を有する開口部を設け、前記箱体の開口部と前記光学装置の観測窓との間の空隙を、前記光学装置の視野を遮らないようにしつつ遮光手段によって包囲し、前記箱体に光取入口を設けて前記箱体の内部に前記発光体の微弱発光領域を受け入れるようにし、さらに、前記箱体の内壁面の全体並びに前記遮光手段の内側面の全体を、光を反射させもしくは吸収する材料、またはその両方の機能を備えた材料によって被覆したことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記箱体の内部における前記光学装置に対して前記微弱発光領域の後側に、少なくとも1つの平面もしくは少なくとも1つの曲面、またはそれらの両方から構成され、光を前記光学装置の観測窓に入射しないように反射させる幾何学的構造を設け、前記幾何学的構造における露出面をすべて、光を反射させもしくは吸収する材料、またはその両方の機能を有する材料によって被覆したことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記箱体の内部における前記光学装置の光軸に関して前記光取入口と反対側に反射手段を配置して、前記光取入口側から前記光学装置の視野を横切る照射光線を、前記光学装置の観測窓に入射しないような向きに反射せしめることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の方法。
【請求項5】
発光体の微弱発光領域を光学装置によって観測するための装置であって、
前記光学装置の観測窓に対向して配置された箱体を備え、前記箱体の前記光学装置に対向する面には、前記光学装置の視野より大きい面積を有する開口部が形成され、前記箱体には、前記箱体の開口部と前記光学装置の観測窓との間の空隙を、前記光学装置の視野を遮らないように包囲する遮光手段が備えられるとともに、前記箱体の内部に前記発光体の微弱発光領域を受け入れるための光取入口が設けられ、さらに、前記箱体の内壁面の全体および前記遮光手段の内側面の全体が、光を反射させもしくは吸収する、またはその両方の機能を有する光減衰層によって被覆されているものであることを特徴とする装置。
【請求項6】
前記箱体の内部における前記光学装置に対して前記微弱発光領域の後側に、少なくとも1つの平面もしくは少なくとも1つの曲面、またはそれらの両方から構成され、光を前記光学装置の観測窓に入射しないように反射させる幾何学的構造が設けられ、前記幾何学的構造における露出面がすべて、光を反射させもしくは吸収する、またはその両方の機能を有する光減衰層によって被覆されていることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記幾何学的構造は、互いに対向し、かつ前記箱体の開口部から前記箱体の奥に向かって末広がり状にのびるように配置された一対の板体からなり、前記一対の板体の間隔が、前記開口部側において前記光学装置の視野より大きくなっており、さらに、前記板体は、平面もしくは曲面またはその両方を有していることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記幾何学的構造は、前記箱体の開口部に対向する内壁面から該開口部に向かって先細り状に突出するように配置された中空円錐台または中空角錐台からなり、前記円錐台または前記角錐台の先端開口が、前記光学装置の視野より大きい面積を有するように形成されていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記箱体の内部における、前記光学装置の光軸に関して前記光取入口と反対側に反射手段が配置されていて、前記光取入口側から前記光学装置の視野を横切る照射光線を、前記光学装置の観測窓に入射しないような向きに反射せしめるようになっていることを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記遮光手段は、前記箱体に一体形成されて前記箱体の一部をなし、前記光学装置の観測窓が、前記箱体に設けられた観測窓挿入口に装着されるようになっていることを特徴とする請求項5〜請求項9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記箱体の内部における前記観測窓挿入口に設けられ、前記光線取入口から直接にまたは反射の結果、前記光学装置の観測窓に入射する光線を遮る庇をさらに備えていることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記庇は、丸味を帯びた形状を有していることを特徴とする請求項11に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−170201(P2008−170201A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−1999(P2007−1999)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【出願人】(392036326)株式会社アドテック プラズマ テクノロジー (24)
【Fターム(参考)】