説明

発光制御装置、発光制御方法、および画像形成装置

【課題】感光体ドラムおよびLEDアレイ間の光の光軸方向への距離の変動による画像の濃度変動を低コストで補正できる発光制御装置、発光制御方法、および画像形成装置を提供する。
【解決手段】主走査方向のラインに対応する感光体ドラム109の副走査方向への回転位置を検出し、検出した感光体ドラム109の副走査方向への回転位置とLEDとの間の距離を取得し、取得した距離に従ってLEDによる発光を制御して、静電潜像を可視像化した画像の濃度変動を補正することにより、感光体ドラム109とLEDアレイヘッド111間の光の光軸方向への距離が一定になるような部材や感光体ドラム109の膜厚の変動に応じてLEDアレイヘッド111の位置の制御を用いることなく、トナー画像の濃度変動を補正することができるので、感光体ドラム109およびLEDアレイヘッド111間の光の光軸方向への距離の変動によるトナー画像の濃度変動を低コストで補正できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光制御装置、発光制御方法、および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置は、感光体ドラムおよびLED(Light Emitting Diode)アレイ間の光の光軸方向への距離が変動することによって、LEDアレイから感光体ドラムが受ける光のビームスポット径が変動する。そのため、電子写真方式の画像形成装置においては、例えば、LEDアレイが感光体ドラムに対して傾いた場合、主走査方向の位置によって画像に濃度変動が生じるという問題があった。また、電子写真方式の画像形成装置においては、感光体ドラムが回転駆動している際に、感光体ドラムの回転軸の偏心や感光体ドラム上の位置ごとの膜厚差によって、感光体ドラムおよびLEDアレイ間の光の光軸方向への距離が周期的に変動して、画像の濃度変動として現れるという問題があった。
【0003】
そこで、感光体ドラムおよびLEDアレイ間の光の光軸方向への距離が一定になるような部材を用いる技術が開示されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、感光体ドラムおよびLEDアレイ間の光の光軸方向への距離が一定になるような部材を用いる技術は、部材を構成する上での工夫が必要でコストアップに繋がる、という課題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、感光体ドラムおよびLEDアレイ間の光の光軸方向への距離の変動による画像の濃度変動を低コストで補正できる発光制御装置、発光制御方法、および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、感光体の回転方向である第1方向に直交する第2方向のラインに対応する複数の発光素子の発光により前記感光体上に静電潜像を結像する発光制御装置であって、前記第2方向のラインに対応する前記感光体の前記第1方向への回転位置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出した前記感光体の前記第1方向への回転位置と前記発光素子との間の距離を取得する取得手段と、前記取得手段により取得した距離に従って前記発光素子による発光を制御して、前記静電潜像を可視像化した画像の濃度変動を補正する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、感光体の回転方向である第1方向に直交する第2方向のラインに対応する複数の発光素子の発光により前記感光体上に静電潜像を結像する発光制御装置で実行される発光制御方法であって、前記発光制御装置は、制御部を備え、前記制御部は、検出手段が、前記第2方向のラインに対応する前記感光体の前記第1方向への回転位置を検出する工程と、制御手段が、前記検出手段により検出した前記感光体の前記第1方向への回転位置と前記発光素子との間の距離を取得する取得手段と、前記取得手段により取得した距離に従って前記発光素子による発光を制御して、前記静電潜像を可視像化した画像の濃度変動を補正する工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、感光体の回転方向である第1方向に直交する第2方向のラインに対応する複数の発光素子を備え、前記発光素子の発光により前記感光体上に静電潜像を結像する発光手段と、前記感光体に結像された静電潜像を可視像化する現像手段と、前記第2方向のラインに対応する前記感光体の前記第1方向への回転位置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出した前記感光体の前記第1方向への回転位置と前記発光素子との間の距離を取得する取得手段と、前記取得手段により取得した距離に従って前記発光素子による発光を制御して、前記静電潜像を可視像化した画像の濃度変動を補正する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、感光体ドラムおよびLEDアレイ間の光の光軸方向への距離の変動による画像の濃度変動を低コストで補正できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本実施の形態にかかる画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】図2は、LEDアレイヘッドが感光体ドラムに対して傾いている場合に形成されるトナー画像を示す図である。
【図3】図3は、LEDアレイヘッドが感光体ドラムに対して平行にずれている場合に形成されるトナー画像を示す図である。
【図4】図4は、LEDアレイヘッドによる光の発光を制御する発光制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、主走査方向のラインに対応する感光体ドラムの副走査方向への回転位置の検出方法を説明するための図である。
【図6】図6は、トナー画像の濃度変動の1ライン単位での補正について説明するための図である。
【図7】図7は、ラインクリア信号およびLEDアレイ点灯制御信号を出力するタイミングチャートを示す図である。
【図8】図8は、ドット単位でトナー画像の濃度変動を補正する例を示す図である。
【図9】図9は、トナー画像の濃度変動の補正処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる発光制御装置、発光制御方法、および画像形成装置を適用した電子写真方式の画像形成装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態にかかる画像形成装置の概略構成を示す図である。本実施の形態にかかる画像形成装置1は、図1に示すように、無端状移動手段である搬送ベルト105に沿って並べられたCMYK各色の画像形成部106BK,106Y,106M,106Cを備えるものであり、所謂タンデムタイプといわれるものである。具体的には、本実施の形態にかかる画像形成装置1は、給紙トレイ101から給紙ローラ102と分離ローラ103とにより分離給紙される用紙(記録紙)104を搬送する搬送ベルト105に沿って、この搬送ベルト105の搬送方向の上流側から順に、複数の画像形成部(電子写真プロセス部)106BK,106Y,106M,106Cが配列されている。
【0013】
これら複数の画像形成部106BK,106Y,106M,106Cは、用紙104上に形成するトナー画像の色が異なるだけで内部構成は共通である。画像形成部106BKはブラックの画像を、画像形成部106Mはマゼンタの画像を、画像形成部106Cはシアンの画像を、画像形成部106Yはイエローの画像をそれぞれ形成する。よって、以下の説明では、画像形成部106BKについて具体的に説明するが、他の画像形成部106M,106C,106Yは画像形成部106BKと同様であるので、その画像形成部106M,106C,106Yの各構成要素については、画像形成部106BKの各構成要素に付したBKに替えて、M、C、Yによって区別した符号を図1に表示するにとどめ、説明を省略する。
【0014】
搬送ベルト105は、回転駆動される駆動ローラ107と従動ローラ108とに巻回されたエンドレスのベルトである。この駆動ローラ107は、不図示の駆動モータにより回転駆動させられ、この駆動モータと、駆動ローラ107と、従動ローラ108とが、無端状移動手段である搬送ベルト105を移動させる駆動手段として機能する。
【0015】
本実施の形態にかかる画像形成装置1は、画像形成に際して、給紙トレイ101に収納された用紙104のうち最も上のものから順に送り出し、静電吸着作用により搬送ベルト105に用紙104を吸着させて回転駆動される搬送ベルト105により最初の画像形成部106BKに搬送し、ここで、ブラックのトナー画像を転写する。
【0016】
画像形成部106BKは、図示しない駆動モータにより副走査方向(第1方向)に回転する感光体としての感光体ドラム109BK、感光体ドラム109BKの回転方向である副走査方向に直交する主走査方向(第2方向)のラインに対応する複数のLED(Light Emitting Diode)(発光素子)の発光により感光体ドラム109BK上に静電潜像を結像する発光手段としてのLEDアレイヘッド111BK、感光体ドラム109BKの周囲に配置された帯電器110BK、感光体ドラム109BK上に形成された静電潜像を可視像化する現像器112BK、感光体クリーナ(図示せず)、除電器113BK等から構成されている。LEDアレイヘッド111BKは、各画像形成部106BKの感光体ドラム109BKに対して、1/nドット単位で光を発光するように構成されている。
【0017】
ここで、画像形成部106BK,106Y,106M,106Cによる用紙104への画像形成について説明する。まず、画像形成部106BKは、画像形成に際し、感光体ドラム109BKの外周面を、暗中にて帯電器110BKにより一様に帯電する。次いで、画像形成部106BKは、LEDアレイヘッド111BKからのブラック画像に対応した照射光を発光して、感光体ドラム109BKに静電潜像を形成する。さらに、画像形成部106BKは、この静電潜像を現像器112BKによってブラックトナーにより可視像化し、これにより感光体ドラム109BK上にブラックのトナー画像が形成される。このトナー画像は、感光体ドラム109BKと搬送ベルト105上の用紙104とが接する位置(転写位置)で、図示しない転写器の働きにより用紙104上に転写される。この転写により、用紙104上にブラックのトナーによる画像が形成される。トナー画像の転写が終了した感光体ドラム109BKは、外周面に残留した不要なトナーを感光体クリーナ(図示しない)により払拭された後、除電器113BKにより除電され、次の画像形成のために待機する。以上のようにして、画像形成部106BKでブラックのトナー画像を転写された用紙104は、搬送ベルト105によって次の画像形成部106Yに搬送される。画像形成部106Yでは、画像形成部106BKでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより感光体ドラム109Y上にイエローのトナー画像が形成され、そのトナー画像が用紙104上に形成されたブラックの画像に重畳されて転写される。用紙104は、さらに次の画像形成部106M,106Cに搬送され、同様の動作により、感光体ドラム109M上に形成されたマゼンタのトナー画像と、感光体ドラム109C上に形成されたシアンのトナー画像とが、用紙104上に重畳されて転写される。こうして、用紙104上にフルカラーの画像が形成される。このフルカラーの重ね画像が形成された用紙104は、搬送ベルト105から剥離されて定着器116にて画像を定着された後、画像形成装置1の外部に排紙される。
【0018】
次に、図2および図3を用いて、LEDアレイヘッド111BK,111Y,111M,111Cと、感光体ドラム109BK,109Y,109M,109Cとの間の距離が変動した場合の濃度変動について説明する。なお、以下の説明では、LEDアレイヘッド111BK,111Y,111M,111Cを総称してLEDアレイヘッド111とし、感光体ドラム109BK,109Y,109M,109Cを総称して感光体ドラム109とする。図2は、LEDアレイヘッドが感光体ドラムに対して傾いている場合に形成されるトナー画像を示す図である。図3は、LEDアレイヘッドが感光体ドラムに対して平行にずれている場合に形成されるトナー画像を示す図である。
【0019】
一般的に、画像形成部106BK,106Y,106M,106Cの光源として用いられるLEDアレイヘッド111は、LEDアレイヘッド111と感光体ドラム109との間の距離がLEDアレイヘッド111から発光される光の焦点距離と一致した場合に、1画素分のビームスポットが形成されるか、また主走査方向に隙間ができないように主走査方向に対して1画素よりもやや大きなビームスポットが形成されるように設けられている。なお、本実施の形態では、LEDアレイヘッド111と感光体ドラム109との間の距離とLEDアレイヘッド111から発光される光の焦点距離にずれが生じていない場合、LEDアレイヘッド111は、1画素分のビームスポットを形成するものとする。
【0020】
しかしながら、図2に示すように、LEDアレイヘッド111が感光体ドラム109に対して傾いている場合(つまり、LEDアレイヘッド111と感光体ドラム109との間の距離が、感光体ドラム109の主走査方向の位置によって異なる場合)、感光体ドラム109上に1画素分よりも大きなビームスポットが形成される場所が生じる。これにより、感光体ドラム109上に形成された静電潜像を可視像化した際に、大きなビームスポットが形成された場所に対するトナー付着量が増加して、適正なビームスポットで可視像化したトナー画像よりも濃いトナー画像が形成されてしまう。
【0021】
また、図3に示すように、LEDアレイヘッド111が感光体ドラム109に対して平行にずれている場合、感光体ドラム109上に1画素分よりも大きいビームスポットが形成される。これにより、感光体ドラム109上に形成された静電潜像を可視像化した際に、大きいビームスポットが形成された場所に対するトナー付着量が増加して、適正なビームスポットで可視像化したトナー画像よりも濃いトナー画像が形成されてしまう。
【0022】
そこで、本実施の形態にかかる画像形成装置1では、LEDアレイヘッド111と感光体ドラム109との間の距離を感光体ドラム109上の位置毎に記憶し、記憶した距離に応じて、LEDアレイヘッド111による発光を制御して、トナー画像の濃度補正を行う。具体的には、画像形成装置1は、記憶した距離と、LEDアレイヘッド111から発光された光の焦点距離と、のずれ量を算出し、算出したずれ量に従ってLEDアレイヘッド111が備えるLED毎に供給する駆動電流を減らしてLEDアレイヘッド111による光の発光を制御する。
【0023】
または、LEDアレイヘッド111が感光体ドラム109に対して平行にずれている場合には(図3参照)、画像形成装置1は、感光体ドラム109の回転方向に対する書き込み開始のタイミングを規定するラインクリア信号を出力するラインクリア周期内における光の発光時間の割合を減らすことで、トナー画像の濃度変動を補正しても良い。したがって、LEDアレイヘッド111が傾かず、LEDアレイヘッド111が感光体ドラム109に対して平行にずれる特性を持つ画像形成装置においては、ラインクリア周期内における光の発光時間の割合で、トナー画像の濃度変動を補正する方法を選択することが好ましい。
【0024】
次に、図4を用いて、LEDアレイヘッド111BK,111Y,111M,111Cによる光の発光を制御する発光制御装置について説明する。図4は、LEDアレイヘッドによる光の発光を制御する発光制御装置の構成を示すブロック図である。
【0025】
発光制御装置2は、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアン各色の感光体ドラム109毎に設けられた位置検出センサ301、およびブラック,イエロー,マゼンタ,シアンの4色分の画像データが入力される画像データ変換回路302を備えている。
【0026】
位置検出センサ301は、LEDアレイヘッド111と副走査方向に並んで配置され、LEDアレイヘッド111から発光された光の光軸方向に結像される主走査方向のラインに対応する感光体ドラム109の副走査方向への回転位置を検出する。LEDアレイヘッド111と感光体ドラム109との間の距離は、感光体ドラム109上の位置に依存する。そのため、LEDアレイヘッド111からの光の発光を制御するタイミング(つまり、トナー画像の濃度補正を開始するタイミング)を、LEDアレイヘッド111からの光の光軸方向に結像される主走査方向のラインに対応する感光体ドラム109の副走査方向への回転位置に合わせる必要がある。したがって、トナー画像の濃度補正を行うためには、LEDアレイヘッド111からの光の光軸方向に結像される主走査方向のラインに対応する感光体ドラム109の副走査方向への回転位置を検出する必要がある。
【0027】
図5は、主走査方向のラインに対応する感光体ドラムの副走査方向への回転位置の検出方法を説明するための図である。本実施の形態にかかる画像形成装置1は、感光体ドラム109上の領域のうち、LEDアレイヘッド111から発光された光が照射されない非発光領域に、副走査方向に向って等間隔で配置された複数の位置検出用マーク401を有している。位置検出センサ301は、発光素子および受光素子を備え、感光体ドラム109上の非発光領域に発光素子からビームを照射し、非発光領域で反射したビームを受光素子で受光することにより、位置検出用マーク401を検出する。
【0028】
位置検出用マーク401には、他のマークとは線の太さが異なるなど、他のマークとは異なる特徴を持った基準マークが含まれる。位置検出センサ301は、基準マークから何個目のマークを検出したかをカウントすることで、LEDアレイヘッド111が備えるLEDから発光された光の光軸方向に結像される主走査方向のラインに対応する感光体ドラム109の副走査方向への回転位置を検出する。
【0029】
また、位置検出センサ301は、感光体ドラム(109)1周分の全ての位置検出用マーク401を検出すると、検出した位置検出用マーク401に含まれるマークの検出間隔を検出する。そして、位置検出用センサ301は、検出したマークの検出間隔から、LEDアレイヘッド111が備えるLEDから発光された光の光軸方向に結像される主走査方向のラインに対応する感光体ドラム109の副走査方向への回転位置における感光体ドラム109の線速を検出する線速検出部として機能する。
【0030】
なお、本実施の形態では、感光体ドラム109が有する位置検出用マーク401から感光体ドラム109の線速を検出しているが、これに限定するものではなく、感光体ドラム109上に位置検出用マーク401と同様のマークを画像形成し、感光体ドラム109上に画像形成されたマークを利用して感光体ドラム109の線速を検出しても良い。その場合、位置検出センサ301は、感光体ドラム109上に画像形成した位置検出用マーク401に含まれる基準マークからの走行距離を記憶し、記憶した走行距離から、感光体ドラム109の線速を検出できるようにする。
【0031】
画像データ変換回路302は、信号処理回路303、メモリ304、および発光制御回路305を備えている。
【0032】
メモリ304は、感光体ドラム109の副走査方向への回転位置(感光体ドラム109上において位置検出用マーク401が存在する位置)と、感光体ドラム109の副走査方向への回転位置とLEDアレイヘッド111との間の距離と、を対応付けた距離データを、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアンの感光体ドラム109毎に記憶している。なお、本実施の形態では、LEDアレイヘッド111が備えるLEDから発光された光の光軸方向に結像される主走査方向のラインに対応する感光体ドラム109の副走査方向への回転位置とLEDアレイヘッド111との間の距離を予め測定し、測定した距離と感光体ドラム109の副走査方向への回転位置とを対応付けた距離データをメモリ304に記憶させているものとする。具体的には、感光体ドラム19の副走査方向への回転位置とLEDアレイヘッド111との間の距離は、プリンタ出荷時の調整工程で治具を用いて測定する。ここで、治具とは、定規のようなものでも良い。または、CCD(Charged Coupled Device)カメラでLEDアレイヘッド111から感光体ドラム109に発光された光のビーム径を計り、計ったビーム径と、感光体ドラム19の副走査方向への回転位置とLEDアレイヘッド111との間の距離が適正な距離であった場合のビーム径と、を比較して、感光体ドラム19の副走査方向への回転位置とLEDアレイヘッド111との間の実際の距離を測定しても良い。
【0033】
若しくは、LEDから実際に感光体ドラム19に光を照射して、感光体ドラム19に距離検出用パターンを形成し、形成した距離検出用パターンの濃度と予め設定された適正な濃度との濃度差を求める。そして、求めた濃度差から、適正な濃度で画像が形成された場合における、感光体ドラム19の副走査方向への回転位置とLEDアレイヘッド111との間の距離のずれ量を計算しても良い。ただし、感光体ドラム10に形成した距離検出用パターンの濃度と適正な濃度との濃度差から、感光体ドラム19の副走査方向への回転位置とLEDアレイヘッド111との間の距離を求める場合、感光体ドラム19の線速ムラなど距離ずれ以外の要因による濃度差を踏まえて距離検出用パターンを形成する必要がある。
【0034】
また、メモリ304は、感光体ドラム109の副走査方向への回転位置(感光体ドラム109上において位置検出用マーク401が存在する位置)と、位置検出センサ301により検出された感光体ドラム109の線速と、を対応付けた感光体線速データを、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアンの感光体ドラム109毎に記憶している。
【0035】
さらに、メモリ304は、感光体ドラム109の副走査方向への回転位置と、主走査方向のラインに対応する感光体ドラム109の副走査方向への回転位置とLEDアレイヘッド111との間の距離から算出した濃度補正値と、を対応付けた補正データを、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアンの感光体ドラム109毎に記憶している。また、メモリ304は、感光体ドラム109の副走査方向への回転位置と、感光体ドラム109の副走査方向への回転位置における感光体ドラム109の線速から算出された濃度補正値と、を対応付けた補正データを、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアンの感光体ドラム109毎に記憶している。
【0036】
ここで、濃度補正値は、主走査方向のラインに対応する感光体ドラム109の副走査方向への回転位置とLEDアレイヘッド111との間の距離と、LEDアレイヘッド111が備えるLEDの焦点距離と、のずれ量によるトナー画像の濃度変動、または感光体ドラム109の線速のムラによって生じる周期的な濃度変動の補正に用いる値である。例えば、濃度補正値は、LEDに供給する駆動電流の電流値、ラインクリア周期などである。
【0037】
信号処理回路303は、位置検出センサ301により検出された感光体ドラム109の線速を取得し、感光体ドラム109の副走査方向への回転位置と取得した感光体ドラム109の線速とを対応付けた感光体線速データをメモリ304に記憶させて、感光体線速データを定期的に更新する。さらに、信号処理回路303は、感光体ドラム109の副走査方向への回転位置と、予め測定された感光体ドラム109の副走査方向への回転位置とLEDアレイヘッド111との間の距離と、を対応付けた距離データをメモリ304に記憶させて、距離データを定期的に更新する。
【0038】
また、信号処理回路303は、メモリ304に記憶された距離データおよび感光体線速データから、位置検出センサ301により検出された感光体ドラム109の副走査方向への回転位置と対応付けられた距離および線速を取得する。次いで、信号処理回路303は、取得した距離および線速それぞれから濃度補正値を算出する。そして、信号処理回路303は、感光体ドラム109の副走査方向への回転位置と、算出した濃度補正値と、を対応付けた補正データを、メモリ304に記憶させる。
【0039】
ところで、感光体ドラム109とLEDアレイヘッド111との間の距離は、感光体ドラム109上の膜厚によって変化する。例えば、感光体ドラム109に接触する部材(例えば、感光体クリーナーなど)がある場合、感光体ドラム109上の薄膜は、摩擦によって磨り減り薄くなってくる。また、感光体ドラム109の膜厚の変化量は、感光体ドラム109に接触する部材と感光体ドラム109との摩擦力に依存し、感光体ドラム109に接触する部材が突き当てられている位置は最も磨り減り易く、感光体ドラム109に接触する部材が突き当てられた位置から離れるに従って感光体ドラム109上の膜厚は減りにくい。
【0040】
そこで、信号処理回路303は、感光体ドラム109の走行距離に応じて、メモリ304に記憶された補正データの濃度補正値を更新するものとする。より具体的には、信号処理回路303は、感光体ドラム109と当該感光体ドラム109に接触する部材との摩擦力の分布から、初期状態からの感光体ドラム109の膜厚の変化量を算出する。そして、信号処理回路303は、算出した変化量を基に、メモリ304に記憶された補正データの濃度補正値を更新する。これにより、感光体ドラム109の膜厚の変化によるトナー画像の濃度変動に対してより適切な濃度補正値を設定することができる。
【0041】
発光制御回路305は、入力された画像データに従って、LEDアレイヘッド111が備えるLEDからの光の発光を制御するものである。
【0042】
また、発光制御回路305は、画像データ変換回路302内に画像データが入力されてトナー画像を形成する際、信号処理回路303により距離データから取得した距離(つまり、LEDアレイヘッド111が備えるLEDと感光体ドラム109の副走査方向への回転位置との間の距離)に従って、LEDアレイヘッド111が備えるLEDの発光を制御する。これにより、発光制御回路305は、感光体ドラム109の副走査方向への回転位置とLEDアレイヘッド111が備えるLEDとの間の距離と、LEDの焦点距離とのずれ量により発生するトナー画像の濃度変動を補正する。本実施の形態では、発光制御回路305は、信号処理回路303を介して、メモリ304に記憶された補正データから、位置検出センサ301により検出された感光体ドラム109の副走査方向への回転位置と対応付けられた濃度補正値(感光体ドラム109の副走査方向への回転位置とLEDアレイヘッド111との間の距離から算出した濃度補正値)を読み出し、読み出した濃度補正値を用いてLEDアレイヘッド111による発光を制御する。
【0043】
図6を用いて、トナー画像の濃度変動を1ライン単位で補正する例について説明する。図6は、トナー画像の濃度変動の1ライン単位での補正について説明するための図である。
【0044】
上述したように、感光体ドラム109には、膜厚が厚い部分と薄い部分とがあるため、感光体ドラム109とLEDアレイヘッド111との間の距離に変動が生じる。そのため、感光体ドラム109に画像形成されるトナー画像は、感光体ドラム109の膜厚に従って濃度変動が生じる。例えば、感光体ドラム109に膜厚が厚い部分がある場合、感光体ドラム109の膜厚が厚い部分(感光体ドラム109とLEDアレイヘッド111との間の距離が近い部分)に形成されたトナー画像の濃度が、感光体ドラム109の膜厚が適正な部分(感光体ドラム109とLEDアレイヘッド111との間の距離が適正の部分)に形成されたトナー画像の濃度に比べて濃くなる。このようなトナー画像の濃度変動は、感光体ドラム109の回転周期に伴って発生する。
【0045】
そこで、発光制御回路305は、メモリ304に記憶された補正データから読み出した濃度補正値を用いて、ラインクリア周期を補正する。具体的には、発光制御回路305は、感光体ドラム109上においてトナー画像の濃度が高くなる部分に光を発光する場合、ラインクリア周期を長くして、ラインクリア周期内における光の発光時間の割合を減らすことで、トナー画像の濃度を低くする。一方、発光制御回路305は、感光体ドラム109上においてトナー画像の濃度が低くなる部分に光を発光する場合、ラインクリア周期を短くして、ラインクリア周期内における光の発光時間の割合を増やすことで、トナー画像の濃度を高くする。
【0046】
なお、感光体ドラム109の副走査方向への回転位置とLEDアレイヘッド111との間の距離が一定であっても、感光体ドラム109の回転軸の偏心、LEDアレイヘッド111の傾き、感光体ドラム109を回転駆動させるモータの回転速度のムラ等によってトナー画像に濃度変動が生じた場合も、発光制御回路305は、ラインクリア周期を調整して、トナー画像の濃度を補正する。
【0047】
図7は、ラインクリア信号およびLEDアレイ点灯制御信号を出力するタイミングチャートを示す図である。ラインクリア信号は、上述したように、感光体ドラム109の回転方向に対する書き込み開始のタイミングを規定する信号である。LEDアレイ点灯制御信号は、LEDアレイヘッド111からの光の発光を制御する信号であり、LEDアレイヘッド111が備えるLEDに供給する駆動電流、1ドット当り(各LED)の発光時間、およびLEDアレイヘッド111が備えるLEDのうち発光するLEDのアドレスを含む。感光体ドラム109とLEDアレイヘッド111との間の距離が一定である場合、発光制御回路305は、図7(a)に示すように、ラインクリア信号を一定のラインクリア周期Taで出力する。
【0048】
一方、感光体ドラム109とLEDアレイヘッド111との間の距離がn+1ライン目において短くなる場合、発光制御回路305は、図7(b)に示すように、ラインクリア周期をn+1ライン目だけラインクリア周期Tbに延ばすことにより、LEDアレイ点灯制御信号を出力してn+1ライン目のラインの書き込みが終った後に、書き込みが行われない空白の時間が生じ、n+2ライン目のラインの書き出し位置が副走査方向にずれることになる。このようにラインクリア周期を制御することにより、副走査方向へのトナー画像の密度を制御することができるので、感光体ドラム109およびLEDアレイヘッド111間の光の光軸方向への距離の変動による副走査方向のトナー画像の濃度変動を低コストで補正できる。
【0049】
なお、LEDアレイヘッド111が備えるLEDに供給する駆動電流と1ドット当りの発光時間は、LEDアレイ点灯制御信号によりラインクリア信号とは独立して制御するため、ラインクリア周期を制御して副走査方向へのトナー画像の濃度変動を補正しても、主走査方向のトナー画像の濃度変動には影響しない。したがって、主走査方向および副走査方向へのトナー画像の濃度変動を補正するためには、発光制御回路305は、LEDアレイヘッド111が備えるLEDに供給する駆動電流を制御することでトナー画像の濃度変動を補正するか、若しくはLEDアレイ点灯制御信号により1ドット当りのLEDの発光時間を制御してドット単位でトナー画像の濃度変動を補正する必要がある。または、ラインクリア信号を出力するラインクリア周期およびLEDアレイ点灯制御信号によるLEDの発光時間の両方を制御することによって、トナー画像の濃度変動を補正しても良い。
【0050】
図8は、ドット単位でトナー画像の濃度変動を補正する例を示す図である。まず、1ドットを1/nドットに分割してトナー画像の濃度変動を補正する例について説明する。感光体ドラム109とLEDアレイヘッド111との間の距離がnライン目およびn+1ライン目において短くなる場合、発光制御回路305は、図8(a)に示すように、nライン目およびn+1ライン目の1ドットを1/nドット(例えば、1/5ドット)に分割し、LEDアレイヘッド111が備えるLEDによる光の発光時間を、m/nドット分にするかを制御することで、トナー画像の濃度変動を補正しても良い。なお、m<n、かつmは正の整数とする。
【0051】
次に、ドット単位でトナー画像の濃度変動を補正する他の例について説明する。感光体ドラム109とLEDアレイヘッド111との間の距離がn+1ライン目およびn+2ライン目において短くなる場合、発光制御回路305は、図8(b)に示すように、n+1ライン目およびn+2ライン目の1ドット分の光を発光する発光時間を制御することで、トナー画像の濃度変動を補正しても良い。
【0052】
さらに、発光制御回路305は、信号処理回路303を介して、メモリ304に記憶された補正データから、位置検出センサ301により検出された感光体ドラム109の副走査方向への回転位置と対応付けられた濃度補正値(感光体ドラム109の線速から算出した濃度補正値)を読み出し、読み出した濃度補正値を用いてLEDアレイヘッド111による発光を制御する。本実施の形態では、発光制御回路305は、メモリ304に記憶された補正データから読み出した濃度補正値に従って、ラインクリア周期を制御することにより、感光体ドラム109の線速のムラによって生じる周期的な濃度変動を補正するものとする。
【0053】
なお、発光制御回路305は、感光体ドラム109の線速のムラによって生じる周期的な濃度を補正する場合、感光体ドラム109の線速から算出した濃度補正値を用いてLEDアレイヘッド111からの発光を補正した後、感光体ドラム109上の各位置とLEDアレイヘッド111との間の距離から算出した濃度補正値を用いてLEDアレイヘッド111からの発光をさらに補正するものとする。
【0054】
図9は、トナー画像の濃度変動の補正処理の流れを示すフローチャートである。発光制御回路305は、画像データが入力されると(ステップS901:Yes)、信号処理回路303を介して、メモリ304に記憶された補正データから、位置検出センサ301により検出された感光体ドラム109の副走査方向への回転位置と対応付けられた濃度補正値(感光体ドラム109の線速から算出した濃度補正値、および感光体ドラム109の副走査方向への回転位置とLEDアレイヘッド111が備えるLEDとの間の距離から算出した濃度補正値)を読み出す(ステップS902)。
【0055】
次いで、発光制御回路305は、感光体ドラム109の線速から算出した濃度補正値を用いて、LEDアレイヘッド111が備えるLEDからの発光を制御して、感光体ドラム109の線速のムラによって生じる副走査方向への周期的な濃度変動を補正する(ステップS903)。感光体ドラム109の線速のムラによって生じる副走査方向への周期的な濃度変動を補正した後、発光制御回路305は、感光体ドラム109の副走査方向への回転位置とLEDアレイヘッド111が備えるLEDとの間の距離から算出した濃度補正値を用いて、感光体ドラム109の副走査方向への回転位置とLEDアレイヘッド111が備えるLEDとの間の距離と、LEDの焦点距離のずれ量によって生じる濃度変動を補正する(ステップS904)。
【0056】
このように本実施の形態にかかる画像形成装置1によれば、LEDアレイヘッド111が備えるLEDから発光された光の光軸方向に結像される主走査方向のラインに対応する感光体ドラム109の副走査方向への回転位置を検出し、検出した感光体ドラム109の副走査方向への回転位置とLEDとの間の距離を取得し、取得した距離に従ってLEDによる発光を制御して、静電潜像を可視像化した画像の濃度変動を補正することにより、感光体ドラム109の副走査方向への回転位置とLEDアレイヘッド111間の光の光軸方向への距離が一定になるような部材や感光体ドラム109の膜厚の変動に応じてLEDアレイヘッド111の位置の制御を用いることなく、トナー画像の濃度変動を補正することができるので、感光体ドラム109およびLEDアレイヘッド111間の光の光軸方向への距離の変動によるトナー画像の濃度変動を低コストで補正できる。
【0057】
なお、本実施の形態の画像形成装置1で実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)等に予め組み込まれて提供される。また、本実施の形態の画像形成装置1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0058】
さらに、本実施の形態の画像形成装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の画像形成装置1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0059】
本実施の形態の画像形成装置1で実行されるプログラムは、上述した位置検出センサ301に対応する位置検出部、信号処理回路303に対応する信号処理部、発光制御回路305に対応する発光制御部などを含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしては制御部としてのCPU(Central Processing Unit)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、位置検出部、信号処理部、発光制御部などが主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0060】
なお、上記実施の形態の画像形成装置は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等のいずれにも適用することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 画像形成装置
2 発光制御装置
109 感光体ドラム
111 LEDアレイヘッド
112C,112M,112Y,112BK 現像器
301 位置検出センサ
302 画像データ変換回路
303 信号処理回路
304 メモリ
305 発光制御回路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0062】
【特許文献1】特開2010−008913号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体の回転方向である第1方向に直交する第2方向のラインに対応する複数の発光素子の発光により前記感光体上に静電潜像を結像する発光制御装置であって、
前記第2方向のラインに対応する前記感光体の前記第1方向への回転位置を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出した前記感光体の前記第1方向への回転位置と前記発光素子との間の距離を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した距離に従って前記発光素子による発光を制御して、前記静電潜像を可視像化した画像の濃度変動を補正する制御手段と、
を備えたことを特徴とする発光制御装置。
【請求項2】
前記発光素子は、前記感光体の回転方向に対する書き込み開始のタイミングを規定するラインクリア信号に従って光を発光し、
前記制御手段は、前記取得手段により取得した距離に従って前記ラインクリア信号を出力するラインクリア周期を制御することで、前記画像の濃度変動を補正することを特徴とする請求項1に記載の発光制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記ラインクリア周期内における光の発光時間の割合を制御することで、前記画像の濃度変動を補正することを特徴とする請求項2に記載の発光制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記発光素子による発光を1/nドット単位で制御することで、前記画像の濃度変動を補正することを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載の発光制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記発光素子に供給する駆動電流を制御することで、前記画像の濃度変動を補正することを特徴とする請求項1から4のいずれか一に記載の発光制御装置。
【請求項6】
前記検出手段により検出した前記感光体の前記第1方向への回転位置における前記感光体の線速を測定する測定手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記測定手段により測定した前記感光体の線速に従って前記発光素子による発光を制御して、前記画像の前記第2方向への周期的な濃度変動を補正することを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の発光制御装置。
【請求項7】
前記感光体の前記第1方向への回転位置と、前記画像の前記第1方向への周期的な濃度変動の補正に用いる値であって、前記感光体の線速に従って求めた濃度補正値とを対応付けて記憶する記憶手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記記憶手段において、前記検出手段により検出した前記感光体の前記第1方向への回転位置と対応付けて記憶された前記濃度補正値を用いて前記発光素子による発光を制御することを特徴とする請求項1から6のいずれか一に記載の発光制御装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記濃度補正値を用いて前記発光素子による発光を制御した後、さらに前記取得手段により取得した距離に従って前記発光素子による発光を制御することを特徴とする請求項7に記載の発光制御装置。
【請求項9】
前記感光体の走行距離に応じて、前記記憶手段に記憶された前記濃度補正値を更新する更新手段を備えたことを特徴とする請求項7に記載の発光制御装置。
【請求項10】
感光体の回転方向である第1方向に直交する第2方向のラインに対応する複数の発光素子の発光により前記感光体上に静電潜像を結像する発光制御装置で実行される発光制御方法であって、
前記発光制御装置は、制御部を備え、
前記制御部は、
検出手段が、前記第2方向のラインに対応する前記感光体の前記第1方向への回転位置を検出する工程と、
制御手段が、前記検出手段により検出した前記感光体の前記第1方向への回転位置と前記発光素子との間の距離を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した距離に従って前記発光素子による発光を制御して、前記静電潜像を可視像化した画像の濃度変動を補正する工程と、
を含むことを特徴とする発光制御方法。
【請求項11】
感光体と、
前記感光体の回転方向である第1方向に直交する第2方向のラインに対応する複数の発光素子を備え、前記発光素子の発光により前記感光体上に静電潜像を結像する発光手段と、
前記感光体に結像された静電潜像を可視像化する現像手段と、
前記感光体上において、前記第2方向のラインに対応する前記感光体の前記第1方向への回転位置を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出した前記感光体の前記第1方向への回転位置と前記発光素子との間の距離を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した距離に従って前記発光素子による発光を制御して、前記静電潜像を可視像化した画像の濃度変動を補正する制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−125938(P2012−125938A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276843(P2010−276843)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】