説明

発光素子およびその製造方法

【課題】 高効率な紫外線発生源として用いられ得るとともに、導電性基板を採用することにより、プロセスコストも顕著に低減可能である発光素子およびその製造方法を提供すること
【解決手段】 酸化ガリウム単結晶基板上に、窒化ガリウム柱状結晶を形成してなることを特徴とする発光素子。酸化ガリウム単結晶基板上に、温度650〜750℃、ガス流量80〜120sccm、時間1〜30分の条件でアンモニアをフローさせ、前記酸化ガリウム単結晶基板表面を窒化させる窒化工程と、前記窒化工程後、800〜1000℃の表面温度の前記酸化ガリウム単結晶基板上で金属ガリウムとアンモニアとを反応させ、前記酸化ガリウム単結晶基板上に窒化ガリウム柱状結晶を成長させる工程とを有することを特徴とする発光素子の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子およびその製造方法に関するものであり、詳しくは高効率な紫外線発生源として用いられ得る発光素子およびその製造方法に関するものである。本発明の発光素子は、LSIプロセス用光源、紫外線加工用光源、紫外線硬化材料用光源、光触媒用光源、メディカルまたはバイオ応用光源、光ディスク用光源などに幅広いニーズがある半導体製小型ランプとして利用可能である。
【背景技術】
【0002】
紫外線には、LSIプロセス用光源、紫外線加工用光源、紫外線硬化材料用光源、光触媒用光源、メディカルまたはバイオ応用光源、光ディスク用光源など、幅広いニーズがある。しかしながら、従来の紫外線ランプは水銀、重水素などが用いられ、大型・低効率・短寿命・危険という欠点などがあり、このため固体半導体発光素子を用いた紫外線光源の開発が重要な課題となっている。
【0003】
上記半導体発光素子を用いた紫外線光源としては、従来から窒化ガリウム(GaN)系半導体薄膜を用いたデバイスが検討されている。GaN系半導体薄膜を成長させる基板としては、サファイアやSiC基板が用いられているが、異種基板であるため、膜中に欠陥や転位が多く含まれ、そのため充分な発光効率が得られていないのが現状である。これに対し、成長させる半導体薄膜を柱状にすると、結晶の転位密度が劇的に減少し、そのため非常に高効率の発光が期待できる。さらに、薄膜では光取り出し損失が大きいのに対し、柱状構造にすると多重反射により基板に対して垂直方向への光放出が大きくなり、結果として高効率発光の実現が期待できる。実際、柱状のGaNからは電子線励起により薄膜に比べ高強度の発光が観察され、紫外線光源としての応用が示唆されている(例えば特許文献1および非特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−260093号公報
【非特許文献1】Y.Inoue et al、 Appl. Phys. Lett., 85(2004)2340.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1および非特許文献1に開示された技術で製造されたGaN系半導体発光素子は、Si基板を用いているため、光を透過しないほか、抵抗も高く、デバイス構造の作製が困難となり、発光効率の低下も予想される。一方、透明なサファイアや石英基板を用いてGaN系半導体発光素子を作製することも可能であるが、この場合、基板は絶縁体であり、透明電極が必要になり、プロセスコストがかかるといった問題点があった。
【0005】
本発明は、上記従来の課題を解決し、高効率な紫外線発生源として用いられ得るとともに、導電性基板を採用することにより、プロセスコストも顕著に低減可能である発光素子およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のとおりである。
(1)酸化ガリウム単結晶基板上に、窒化ガリウム柱状結晶を形成してなることを特徴とする発光素子。
(2)前記酸化ガリウム単結晶基板と、窒化ガリウム柱状結晶との間に、窒化アルミニウム層を形成してなることを特徴とする前記1に記載の発光素子。
(3)前記窒化ガリウム柱状結晶が、六方晶窒化ガリウムであり、その径が0.05〜3μmであり、長さが0.5〜5μmである六角柱または六角錐の形状を有することを特徴とする前記1または2に記載の発光素子。
(4)前記酸化ガリウム単結晶基板が、Si、GeおよびSnから選択された少なくとも一種の元素を添加してなることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の発光素子。
(5)前記窒化アルミニウム層の厚さが3〜100nmであることを特徴とする前記2に記載の発光素子。
(6)電子線励起により波長364〜390nmの紫外線を発光することを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の発光素子。
(7)酸化ガリウム単結晶基板上に、温度650〜750℃、ガス流量80〜120sccm、時間1〜30分の条件でアンモニアをフローさせ、前記酸化ガリウム単結晶基板表面を窒化させる窒化工程と、前記窒化工程後、800〜1000℃の表面温度の前記酸化ガリウム単結晶基板上で金属ガリウムとアンモニアとを反応させ、前記酸化ガリウム単結晶基板上に窒化ガリウム柱状結晶を成長させる工程とを有することを特徴とする発光素子の製造方法。
(8)酸化ガリウム単結晶基板上に、温度650〜750℃、ガス流量80〜120sccm、時間1〜30分の条件でアンモニアをフローさせ、前記酸化ガリウム単結晶基板表面を窒化させる窒化工程と、前記窒化工程後の酸化ガリウム単結晶基板上に、厚さ3〜100nmの窒化アルミニウム層を形成する工程と、800〜1000℃の表面温度の、前記窒化アルミニウム層を形成した酸化ガリウム単結晶基板上で金属ガリウムとアンモニアとを反応させ、前記酸化ガリウム単結晶基板上に窒化ガリウム柱状結晶を成長させる工程とを有することを特徴とする発光素子の製造方法。
(9)前記窒化アルミニウム層を形成する工程が、アンモニアおよびトリメチルアルミニウムを原料として、温度750〜850℃、時間1〜10分の条件で両者を加熱し、前記窒化工程後の酸化ガリウム単結晶基板上に、厚さ3〜100nmの窒化アルミニウム層を形成する工程であることを特徴とする前記8に記載の発光素子の製造方法。
(10)前記窒化工程を行う前記酸化ガリウム単結晶基板の結晶方位が、(100)面であることを特徴とする前記7〜9のいずれかに記載の発光素子の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の発光素子は、酸化ガリウム単結晶基板上に、窒化ガリウム柱状結晶を形成してなることを特徴としている。酸化ガリウム単結晶基板は導電性を有するために、発光デバイスを作製する際に透明電極等を必要とせず、プロセスコストがかかるという従来の課題を解決することができる。また酸化ガリウム単結晶基板は透明であるために、窒化ガリウム窒化ガリウム柱状結晶から発生した紫外線を基板背面から高効率で取り出すことができる。さらに本発明では、基板上に窒化ガリウム柱状結晶を形成させているため、発生した紫外線が多重反射し、基板に対して垂直方向への光放出が大きくなり、結果として高効率発光が達成される。
また本発明の製造方法は、酸化ガリウム単結晶基板上への窒化条件、窒化ガリウム柱状結晶の成長条件を特定している。この条件の特定により、基板に対して垂直方向に良好に整列した窒化ガリウム柱状結晶を形成することができ、高効率発光が達成される発光素子を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0009】
(酸化ガリウム単結晶基板)
本発明の発光素子における基板は、酸化ガリウム(β-Ga2O3)単結晶を用いる。β-Ga2O3単結晶は、フローティングゾーン(FZ法)や引上げ(CZ法)などで作製されるが、るつぼを用いないFZ法で作製する方法が高品質の単結晶が得られるので好ましい。FZ法で得られた単結晶を切断、研磨して表面を鏡面にし、例えば厚さ0.4mmほどのウエハとする。このときの結晶方位は研磨が容易で製造しやすい(100)面とするのがよい。FZ法で作製したβ-Ga2O3単結晶は、無色透明であり、光学的透過率はおよそ80%ほどであり、光吸収端はおよそ260nmである。β-Ga2O3単結晶は、添加元素なしでも作製する雰囲気による酸素欠損から発生した電子がキャリアとなって導電性を有するが、さらに導電性を向上させるために、IV族元素のSi、GeおよびSnから選択された少なくとも一種の元素を添加してなることが好ましい。これらドーピングする元素量は、β-Ga2O3単結晶に対し、20〜100ppmが好ましい。
【0010】
(本発明の発光素子の製造)
本発明の発光素子は、酸化ガリウム単結晶基板上に、温度650〜750℃、ガス流量80〜120sccm、時間1〜30分の条件でアンモニアをフローさせ、前記酸化ガリウム単結晶基板表面を窒化させる窒化工程と、前記窒化工程後、800〜1000℃の表面温度の前記酸化ガリウム単結晶基板上で金属ガリウムとアンモニアとを反応させ、前記酸化ガリウム単結晶基板上に窒化ガリウム柱状結晶を成長させる工程とを経て製造することができる。
【0011】
窒化工程は、酸化ガリウム単結晶基板をアンモニアガスに曝して窒化させ、その後に形成させる窒化ガリウム柱状結晶との馴染みをよくするために行う。窒化工程において、温度が650℃未満であると、窒化が不十分であり、750℃を超えると、基板表面の凹凸が大きくなり好ましくない。アンモニアガスの流量が80sccm未満であると、窒化が不十分であり、120sccmを超えると、基板表面の凹凸が大きくなり好ましくない。窒化時間が1分未満であると、窒化が不十分であり、30分を超えると、基板表面の凹凸が大きくなりとなり好ましくない。
さらに好ましい窒化工程の条件は、温度700〜720℃、ガス流量90〜100sccm、時間1〜5分である。
【0012】
続いて、800〜1000℃の表面温度の前記酸化ガリウム単結晶基板上で金属ガリウムとアンモニアとを反応させ、前記酸化ガリウム単結晶基板上に窒化ガリウム柱状結晶を成長させる。
この工程は、当業界で公知のHot Wall Epitaxy法を採用することができ、装置としては、例えば上記特許文献1に記載されている。
上記条件により作製された窒化ガリウム柱状結晶は、六方晶窒化ガリウムであって、その径が3μm以下、例えば0.05〜3μm、長さが0.5〜5μmである六角柱または六角錐の形状を有する柱状結晶である。また、基板に対して垂直方向に良好に整列した窒化ガリウム柱状結晶を形成することができ、高効率発光が達成される。
酸化ガリウム単結晶基板の表面温度が800℃未満では、柱状結晶ではなく、薄膜状の窒化ガリウム結晶が成長するため、本発明の目的を達成することができない。なお、該表面温度が1000℃を超えても柱状結晶は得られるが、アンモニアの分解により水素が激しく発生し、酸化ガリウム単結晶基板を還元、分解するので好ましくない。
さらに好ましい酸化ガリウム単結晶基板の表面温度は、880〜940℃である。
また、金属ガリウムとアンモニアとの反応は、上記Hot Wall Epitaxy法において、例えば金属ガリウムを900℃程度に加熱することにより達成される。反応時間は30〜120分、好ましくは60〜90分であるのがよい。30分未満であると、柱状結晶の成長する高さが不十分となる場合がある。逆に120分を超えると、柱状結晶が成長しすぎる傾向にあり、柱状結晶同士が結合し、著しく結晶品質が低下するため好ましくない。
このようにして得られた本発明の発光素子は、電子線励起により波長364〜390nmの紫外線を、窒化ガリウムから発生させることができ、この発光を透明な酸化ガリウム基板背面から高効率に取り出すことができる。
【0013】
(本発明の発光素子のさらに好ましい製造方法)
上記の酸化ガリウム単結晶基板上に窒化ガリウム柱状結晶を成長させる工程においては、基板の表面温度を800〜1000℃と高温に設定しているので、アンモニアの分解による水素の発生により、酸化ガリウム単結晶基板を還元、分解する恐れがあり、窒化ガリウム柱状結晶が基板から剥離する可能性がある。そこで本発明では、酸化ガリウム単結晶基板と、窒化ガリウム柱状結晶との間に、窒化アルミニウム層を形成するのがとくに好ましい。
窒化アルミニウム(AlN)層は、酸化ガリウム基板表面のブロック層として機能し、発生した水素の悪影響を抑制することができる。また、窒化アルミニウム層の厚さを調整することにより、導電性も維持することができる。
窒化アルミニウム層は、アンモニアおよびトリメチルアルミニウム(TMA)を原料とし、750〜850℃の温度で、1〜10分加熱することにより、酸化ガリウム基板表面上に設けることができる。
当該反応は、上記と同様に、当業界で公知のHot Wall Epitaxy法を採用して達成され、装置としては、例えば上記特許文献1に記載されたものを用いて行うことができる。
上記加熱温度が750℃未満であると、アンモニアの分解による反応が不純分となり、逆に850℃を超えると、アンモニアの分解による水素の発生により、酸化ガリウム単結晶基板を還元、分解する恐れがあるので好ましくない。また、上記加熱時間を1〜10分に設定することにより、表面が平坦な窒化アルミニウム層が得られる。図1は、窒化アルミニウム層形成の時間依存性を説明するための原子間力顕微鏡(AFM)写真である。図1に示すように、加熱時間が1分(1 min)から10分(10 min)の範囲において、表面が平坦な窒化アルミニウム層が得られることが分かるが、加熱時間が30分(30 min)の場合、表面が荒れてその後の窒化ガリウム柱状結晶を成長させる工程に適さなくなる。したがって、上記加熱時間は1〜10分であることが好ましい。
【0014】
窒化アルミニウム層の形成において、アンモニアガスの流量は30〜50sccm、好ましくは38〜42sccmであり、トリメチルアルミニウムの流量は、2.0〜10.0μmol/min、好ましくは5.0〜5.4μmol/minとするのがよい。
【0015】
窒化アルミニウム層の厚さは、3〜100nmであるのが好ましく、3〜10nmであるのがさらに好ましい。窒化アルミニウム層の厚さが3nm未満であると、上記水素のブロック効果が乏しく、逆に100nmを超えると、水素のブロック効果を発現するには十分な厚さであるが、窒化アルミニウムは絶縁体であるため導電性の酸化ガリウム単結晶基板を使うメリットが活かせない。そのためトンネル電流により電流が流れると考えられる100nm以下の膜厚とすることが好ましい。
【0016】
なお、上記では、酸化ガリウム単結晶基板と窒化ガリウム柱状結晶との間に、窒化アルミニウム層を形成する形態について説明するが、窒化アルミニウム層の替わりに、GaN/AlN多層、AlGaN層、SiO2層、SiN層を用いた場合も同様の効果が奏されることを、本発明者は確認している。
【実施例】
【0017】
以下、本発明を実施例によってさらに説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。
【0018】
例1
無添加のβ-Ga2O3単結晶を育成しウエハ状に加工した。単結晶育成は、酸化ガリウム粉末(純度4N)を原料とし、静水圧プレスで成形した成形体を大気中1600℃、10時間で焼結し、この焼結体を原料棒としてFZ装置を用いて単結晶育成を行った。成長速度は7.5mm/hとし、雰囲気ガスにはドライエアを用いた。装置としては、市販の光FZ装置(キャノンマシナリー社製商品名iAce)を用いた。作製した単結晶を切断し、CMP(化学機械)研磨により厚さ0.4mmのウエハ状に加工した。この場合の研磨面の結晶方位は(100)面であり、透過率はおよそ80%、抵抗率は1.43×10-1Ωcmである。
【0019】
得られた酸化ガリウム単結晶基板上に、基板表面温度700℃、アンモニア(NH3)流量100sccm、1分の条件でアンモニアをフローさせ、酸化ガリウム単結晶基板を窒化させた。次に、この窒化工程後の基板上に、基板表面温度800℃、アンモニア流量40sccm、トリメチルアルミニウム流量5.2μmol/min、加熱時間5分の条件で、窒化アルミニウム層を形成した。窒化アルミニウム層の厚さは、10nmであった、続いて、窒化アルミニウム層上に、基板表面温度750℃、アンモニア流量100sccm、金属Ga加熱900℃、反応時間60分の条件で、窒化ガリウム結晶を成長させ、発光素子を作製した。
【0020】
図2は、例1の酸化ガリウム単結晶基板上に成長させた窒化ガリウム結晶のX線回折結果を示す図であり、図3は、例1の窒化ガリウム結晶のSEM観察結果を示す図である。図2の結果から、酸化ガリウム単結晶基板からのピークの他に六方晶窒化ガリウムの回折ピークが検出され、窒化ガリウムの形成が確認された。しかしながら、図3のSEM観察結果から、得られた窒化ガリウムは膜状であり、柱状結晶ではないことが認められた。
【0021】
例2
例1において、基板表面温度を900℃にして窒化ガリウム結晶を成長させたこと以外は、例1を繰り返し、発光素子を作製した。図4は、例2の窒化ガリウム結晶のSEM観察結果を示す図である。図4の結果から、窒化ガリウム結晶は、六角柱状の柱状結晶であることが認められた。該柱状結晶の径は1μm、長さは2μmであった。
【0022】
例3
例1および例2で作製した発光素子について、電子線励起によりカソードルミネッセンス(CL)測定を行い、発光効率の比較を行なった。その結果を図5に示す。図5から、例2のように窒化ガリウムを柱状結晶にすることで(Nanocrystal)、例1の膜状(Film)に比べ、発光強度が強くなることが分かる。図5において、波長390nm付近に窒化ガリウムに由来する発光を確認した。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の発光素子は、LSIプロセス用光源、紫外線加工用光源、紫外線硬化材料用光源、光触媒用光源、メディカルまたはバイオ応用光源、光ディスク用光源などに幅広いニーズがある半導体製小型ランプとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】窒化アルミニウム層形成の時間依存性を説明するための原子間力顕微鏡(AFM)写真である。
【図2】例1の酸化ガリウム単結晶基板上に成長させた窒化ガリウム結晶のX線回折結果を示す図である。
【図3】例1の窒化ガリウム結晶のSEM観察結果を示す図である。
【図4】例2の窒化ガリウム結晶のSEM観察結果を示す図である。
【図5】例3の電子線励起によるカソードルミネッセンス(CL)測定の結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化ガリウム単結晶基板上に、窒化ガリウム柱状結晶を形成してなることを特徴とする発光素子。
【請求項2】
前記酸化ガリウム単結晶基板と、窒化ガリウム柱状結晶との間に、窒化アルミニウム層を形成してなることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記窒化ガリウム柱状結晶が、六方晶窒化ガリウムであり、その径が0.05〜3μmであり、長さが0.5〜5μmである六角柱または六角錐の形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記酸化ガリウム単結晶基板が、Si、GeおよびSnから選択された少なくとも一種の元素を添加してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発光素子。
【請求項5】
前記窒化アルミニウム層の厚さが3〜100nmであることを特徴とする請求項2に記載の発光素子。
【請求項6】
電子線励起により波長364〜390nmの紫外線を発光することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の発光素子。
【請求項7】
酸化ガリウム単結晶基板上に、温度650〜750℃、ガス流量80〜120sccm、時間1〜30分の条件でアンモニアをフローさせ、前記酸化ガリウム単結晶基板表面を窒化させる窒化工程と、前記窒化工程後、800〜1000℃の表面温度の前記酸化ガリウム単結晶基板上で金属ガリウムとアンモニアとを反応させ、前記酸化ガリウム単結晶基板上に窒化ガリウム柱状結晶を成長させる工程とを有することを特徴とする発光素子の製造方法。
【請求項8】
酸化ガリウム単結晶基板上に、温度650〜750℃、ガス流量80〜120sccm、時間1〜30分の条件でアンモニアをフローさせ、前記酸化ガリウム単結晶基板表面を窒化させる窒化工程と、前記窒化工程後の酸化ガリウム単結晶基板上に、厚さ3〜100nmの窒化アルミニウム層を形成する工程と、800〜1000℃の表面温度の、前記窒化アルミニウム層を形成した酸化ガリウム単結晶基板上で金属ガリウムとアンモニアとを反応させ、前記酸化ガリウム単結晶基板上に窒化ガリウム柱状結晶を成長させる工程とを有することを特徴とする発光素子の製造方法。
【請求項9】
前記窒化アルミニウム層を形成する工程が、アンモニアおよびトリメチルアルミニウムを原料として、温度750〜850℃、時間1〜10分の条件で両者を加熱し、前記窒化工程後の酸化ガリウム単結晶基板上に、厚さ3〜100nmの窒化アルミニウム層を形成する工程であることを特徴とする請求項8に記載の発光素子の製造方法。
【請求項10】
前記窒化工程を行う前記酸化ガリウム単結晶基板の結晶方位が、(100)面であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の発光素子の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−60005(P2009−60005A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−227572(P2007−227572)
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【出願人】(000004743)日本軽金属株式会社 (627)
【出願人】(304023318)国立大学法人静岡大学 (416)
【Fターム(参考)】