説明

発光素子及びその製造方法

【課題】発光素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】発光素子及びその製造方法に係り、該発光素子は、第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層を含む化合物半導体構造物;第2化合物半導体層の上面に設けられたものであり、第1化合物半導体層及び第2化合物半導体層それぞれに電気的に連結される第1電極層及び第2電極層;第1電極層及び第2電極層が位置した領域の一部を除外した残りの領域に塗布された絶縁層;非導電性基板の上面に形成され、非導電性基板を第1電極層、第2電極層及び絶縁層に連結させる導電性接着層;導電性接着層と非導電性基板との一側面に形成され、導電性接着層に連結される第1電極連結層;導電性接着層と非導電性基板との他側面に形成され、第2電極層に連結される第2電極連結層;を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED:light emitting diode)のような発光素子は、化合物半導体(compound semiconductor)のpn接合を介して、発光源を構成するものであり、多様な色の光を具現することができる半導体素子をいう。例えば、窒化物系LEDは、GaN、InN、AlNのようなIII−V族化合物半導体でもって、短波長光(紫外線ないし緑色光)、特に、青色光を出すことができる発光素子に広く使われる。このような発光素子は、寿命が長く、小型化及び軽量化が可能であり、光の指向性が強く、かつ低電圧駆動が可能であるという長所がある。また、このような発光素子は、衝撃及び振動に強く、予熱時間と複雑な駆動とが不要であり、多様な形態でパッケージングが可能であり、さまざまな用途に適用が可能である。
【0003】
LEDのような発光素子を製造する1つのアプローチとして、結晶成長のための格子整合条件を最も満足すると知られているサファイア基板のような絶縁性基板を利用して、化合物半導体層を積層した後で、基板を除去する垂直型構造が提案されている。このような垂直型発光素子は、n型電極とp型電極とが化合物半導体構造物の同一面に設けられた場合と、化合物半導体構造物の互いに異なる面に設けられた場合とに分けられる。n型電極とp型電極とを化合物半導体構造物の同一面に位置させれば、電流拡散(current spreading)の側面で有利であり、電極によって光の移動経路がブロッキングされる現象を低減させることができるという点で有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、発光素子の側面に連結層を形成することによって、製造工程を容易にしつつ、製造コストを低減させることができる発光素子及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面による発光素子は、第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層を含む化合物半導体構造物;第2化合物半導体層の上面に設けられたものであり、第1化合物半導体層及び第2化合物半導体層それぞれに電気的に連結される第1電極層及び第2電極層;第1電極層及び第2電極層が位置した領域の一部を除外した残りの領域に塗布された絶縁層;非導電性基板の上面に形成され、非導電性基板を、第1電極層、第2電極層及び前記絶縁層に連結させる導電性接着層;導電性接着層と非導電性基板との一側面に形成され、導電性接着層に連結される第1電極連結層;導電性接着層と非導電性基板との他側面に形成され、第2電極層に連結される第2電極連結層;を含む。
【0006】
本発明の他の側面による垂直型発光素子の製造方法は、基板上に第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層を積層して、化合物半導体構造物を形成する段階と、化合物半導体構造物の上面に、前記第1化合物半導体層及び第2化合物半導体層にそれぞれ電気的に連結される第1電極層及び第2電極層を形成する段階と、第1電極層及び第2電極層が位置した領域の一部を除外した残りの領域に、絶縁層を塗布する段階と、絶縁層、第1電極層及び導電性接着層を利用して、非導電性基板を接合する段階と、導電性接着層の一部と、第2電極層の上面一部とを露出させる段階と、導電性接着層に第1電極連結層を連結させる段階と、第2電極層に第2電極連結層を連結させる段階と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態による発光素子の概略的な断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態による発光素子の概略的な断面図である。
【図3】図1に図示された本発明の一実施形態による発光素子の製造方法を説明するために、順次に図示した工程断面図である。
【図4】図1に図示された本発明の一実施形態による発光素子の製造方法を説明するために、順次に図示した工程断面図である。
【図5】図1に図示された本発明の一実施形態による発光素子の製造方法を説明するために、順次に図示した工程断面図である。
【図6】図1に図示された本発明の一実施形態による発光素子の製造方法を説明するために、順次に図示した工程断面図である。
【図7】図1に図示された本発明の一実施形態による発光素子の製造方法を説明するために、順次に図示した工程断面図である。
【図8】図1に図示された本発明の一実施形態による発光素子の製造方法を説明するために、順次に図示した工程断面図である。
【図9】図1に図示された本発明の一実施形態による発光素子の製造方法を説明するために、順次に図示した工程断面図である。
【図10】図1に図示された本発明の一実施形態による発光素子の製造方法を説明するために、順次に図示した工程断面図である。
【図11】図1に図示された本発明の一実施形態による発光素子の製造方法を説明するために、順次に図示した工程断面図である。
【図12】図1に図示された本発明の一実施形態による発光素子の製造方法を説明するために、順次に図示した工程断面図である。
【図13】図1に図示された本発明の一実施形態による発光素子の製造方法を説明するために、順次に図示した工程断面図である。
【図14】図1に図示された本発明の一実施形態による発光素子の製造方法を説明するために、順次に図示した工程断面図である。
【図15】図1に図示された本発明の一実施形態による発光素子の製造方法を説明するために、順次に図示した工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付された図面を参照しつつ、本発明の望ましい実施形態について詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態による発光素子を、概略的に図示した断面図である。
【0010】
図1を参照すれば、本実施形態の発光素子は、化合物半導体構造物110と、化合物半導体構造物110の両側面に設けられた電極構造物と、を含む。
【0011】
化合物半導体構造物110は、所定の基板100(図3)上に結晶成長して形成された第1化合物半導体層111、活性層112、第2化合物半導体層113を含む。結晶成長の基になった基板100は、後述するところのように除去されうる(図12)。
【0012】
このような化合物半導体構造物110は、例えば、GaN、InN、AlNのような、III−V族化合物半導体に結晶成長された窒化物半導体ダイオードでありうる。このような窒化物半導体は、結晶成長のための格子整合条件を良好に満足するサファイア基板のような絶縁性基板を利用して製造されうる。第1化合物半導体層111は、n型導電性を有することができ、第2化合物半導体層113は、p型導電性を有することができる。場合により、n型導電性とp型導電性とは、入れ替わることもある。このような第1化合物半導体層111と第2化合物半導体層113との間には、活性層112が位置する。活性層112は、例えば、多重量子井戸構造によって形成されうる。多重量子井戸構造は、多数の量子井戸層と、それらの間に形成された多数の量子障壁層とからなる。具体的な例として、化合物半導体構造物110が窒化ガリウム系発光ダイオードである場合、第1化合物半導体層111は、n型不純物ドーピングされたGaNから形成され、第2化合物半導体層113は、p型不純物ドーピングされたGaNから形成され、活性層112は、InGaNからなる多重井戸層と、GaNからなる量子障壁層とが多層積層されて形成されうる。第1化合物半導体層111と第2化合物半導体層113とを介して注入された電子、正孔は、活性層112で出合って光を放出する。
【0013】
電極構造物は、第2化合物半導体層113側に設けられた第1電極層130及び第2電極層140と、第1電極層130及び第2電極層140それぞれに電気的に連結される第1電極連結層181及び第2電極連結層182とを含む。
【0014】
第1電極層130は、第2化合物半導体層113側から第1化合物半導体層111に開けられたビアホール110a(図4)を介して、第1化合物半導体層111に電気的に連結される。ビアホール110aは、メサ(mesa)構造や垂直構造にエッチングされて形成されうる。ビアホール110aは、一つまたは複数個設けられうる。
【0015】
第2電極層140は、第2化合物半導体層113上に設けられ、第2化合物半導体層113に電気的に連結される。第2電極層140は、第2化合物半導体層113のビアホール110aが形成されていない領域に設けられうる。
【0016】
絶縁層120は、化合物半導体構造物110の上面で、第1電極層130が位置した領域、及び第2電極層140が位置した領域の一部を除外した残りの領域に塗布されている。第1電極層130は、絶縁層120によって、活性層112、第2化合物半導体層113及び第2電極層140から絶縁される。
【0017】
非導電性基板160の上面に、導電性接着層150を塗布し、所定温度及び圧力を加えて、非導電性基板160を、絶縁層120及び第1電極層130の下面に接合する。
【0018】
導電性接着層150の上面一部と、第2電極層140の上面一部は、外部に露出される。非導電性基板160と導電性接着層150との両側面には、第1電極連結層181と第2電極連結層182とがそれぞれ設けられる。第1電極連結層181は、非導電性基板160と導電性接着層150との一側面に接触し、その一端は、露出された導電性接着層150の上面に接触する。第2電極連結層182は、非導電性基板160と導電性接着層150との他側面を覆い包むように設けられ、その一端は、露出された第2電極層140の上面に接触する。
【0019】
第1電極連結層181と第2電極連結層182は、金属を蒸着して設けられ、蒸着方法としては、電子ビーム、スパッタリング及びメッキなどの方法が適用されうる。
【0020】
このとき、第1電極連結層181と第2電極連結層182とがいずれも導電性接着層150に接触すれば、互いに連結されてショートするために、これを防止するために、第2電極連結層182と、非導電性基板160及び導電性接着層150との側面間には、絶縁膜170が設けられている。絶縁膜170は、非導電性基板160、導電性接着層150及び第2電極層140の側面に直接接触するように設けられており、第2電極連結層182は、非導電性基板160及び導電性接着層150と接触することが防止される。絶縁膜170は、SiO、Siなどや、ポリマー、ポリイミド及びエポキシ系が使われうる。
【0021】
従って、第1電極連結層181は、導電性接着層150を介して、第1電極層130と電気的に連結され、第2電極連結層182は、第2電極層140に電気的に連結され、第1電極連結層181と第2電極連結層182は、絶縁膜170によって互いに絶縁される。
【0022】
非導電性基板160の下面には、伝導性接着層183によって、パッケージ200が接合される。このとき、第1電極連結層181と第2電極連結層182は、伝導性接着層183に接触して電気的に連結される。パッケージ200及び伝導性接着層183には、非導電性基板160まで貫通するように、ビアホール210が形成されている。従って、第1電極連結層181と第2電極連結層182は、ビアホール210によって絶縁される。化合物半導体構造物110を覆い包むように、保護層190を形成する。
【0023】
図2は、本発明の他の実施形態による発光素子を概略的に図示した断面図である。
【0024】
図2を参照すれば、基本的な構成は、図1に図示された本発明の一実施形態による発光素子と同一である。ただし、化合物半導体構造物110だけではなく、露出された第1電極連結層181、第2電極連結層182及び伝導性接着層183を覆い包むように、保護層290を形成する。このような保護層290及び保護層190は、化合物半導体構造物110などを外部環境から保護するためのものであり、光抽出が妨害されないように、光を透過させることができる透明な材質からなりうる。
【0025】
非導電性基板にビアホールを形成することは困難な作業であって経済的なものではないために、前記のような構成により、非導電性基板にビアホールを形成せずに、非導電性基板の側面に電極を形成することによって、作業工程を容易にすることができ、製造コスト側面でも経済的である。
【0026】
図3ないし図15は、本発明の一実施形態による発光素子を製造する方法について説明するために、順次に図示した工程断面図である。図3ないし図15は、説明の便宜のために、1つの発光素子を製造する工程を図示したが、実際には、複数個の発光素子をウェーハ上に一体に形成した後、それぞれ切断して個別発光素子を製造することができる。
【0027】
図3を参照すれば、基板100の上面に、第1化合物半導体層111、活性層112及び第2化合物半導体層113を順次に結晶成長させ、化合物半導体構造物110を形成する。
【0028】
基板100は、結晶成長させようとする化合物半導体に適したものを選択することができる。例えば、窒化物半導体単結晶を成長させる場合、基板100は、サファイア基板、酸化亜鉛(ZnO)基板、窒化ガリウム(GaN)基板、炭化シリコン(SiC)基板及び窒化アルミニウム(AlN)基板などから選択することができる。図3には図示されていないが、基板100と第1化合物半導体層111との間にはバッファ層が形成されうる。バッファ層は、第1化合物半導体層111を成長させる前に、基板100との格子整合を向上させるための層であり、一般的に、AlN/GaNから形成されうる。
【0029】
化合物半導体構造物110は、例えば、GaN、InN、AlNのようなIII−V族化合物半導体を結晶成長させて形成することができる。一例として、化合物半導体構造物110が窒化ガリウム系発光ダイオードである場合、第1化合物半導体層111、活性層112及び第2化合物半導体層113は、AlInGa(1−x−y)Nの組成式(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)を有する半導体物質であって、有機金属化学気相蒸着(MOCVD:metal organic chemical vapor deposition)設備を利用したエピタキシャル(epitaxial)成長法などで形成しうる。すなわち、第1化合物半導体層111は、Si、Ge、Snのような第1導電型不純物がドーピングされたGaNまたはGaN/AlGaN層によって形成しうる。活性層112は、多重量子井戸(multi-quantum well)構造のInGaN/GaN層によって形成されたり、1つの量子井戸層またはダブルヘテロ構造によっても形成されうる。第2化合物半導体層113は、Mg、Zn、Beのような第2導電型不純物がドーピングされたGaN層またはGaN/AlGaN層によって形成されうる。
【0030】
次に、図4を参照すれば、第1電極層130(図1)の形成領域に対応する領域に該当する化合物半導体構造物110の部分を、第2化合物半導体層113から所定深さほどエッチングしてビアホール110aを形成し、第1化合物半導体層111の一部を露出させる。ビアホール110aは、メサ構造や垂直構造などで形成することができる。ビアホール110aは、複数の第1電極層130に対応するように、複数個形成されうる。その後、ビアホール110aを含む化合物半導体構造物110の上部面全域に、保護層(passivation layer)121を公知の蒸着方法を利用して塗布する。例えば、保護層121は、プラズマ化学蒸着(PECVD:plasma enhanced chemical vapor deposition)を利用し、SiOを約6,000Å厚に蒸着して形成することができる。
【0031】
次に、図5を参照すれば、保護層121において、ビアホール110aの底に形成された部分をエッチングし、第1化合物半導体層111を露出させる。このようなエッチングは、例えば、RIE(reactive ion etching)とBOE(buffered oxide echant)とを利用してなされる。その後、第1化合物半導体層111の露出された領域に、第1電極層130を形成する。例えば、第1電極層130は、Al/Ti/Pt層を、200nm/1200nm/20nm厚に蒸着して形成することができる。このとき、第1電極層130は、多数個形成し、第1化合物半導体層111への電流拡散(current spreading)を向上させることができる。
【0032】
図6を参照すれば、第1電極層130を取り囲んだ領域を除外した残りの領域の保護層121をエッチングし、第2化合物半導体層113を露出させる。このようなエッチングは、例えば、RIEとBOEとを利用してなされる。次に、露出された第2化合物半導体層113上に、第2電極層140を形成する。このとき、第2電極層140は、第1電極層130から離隔するように形成される。第2電極層140は、オーミック特性と光反射特性とを同時に有した金属から形成されて反射膜の役割を行ったり、またはオーミック特性と光反射特性とをそれぞれ有した金属が順次に積層されてなる多層によって形成することができる。例えば、第2電極層140は、Ni/Ag/Pt/Ti/Pt層を、0.5nm/250nm/50nm/300nm/50nmの厚さに蒸着して形成することができる。
【0033】
次に、図7を参照すれば、化合物半導体構造物110の上側に、所定厚に絶縁物質層122を塗布する。絶縁物質層122は、第1電極層130、第2電極層140及び保護層121を包括した全域に塗布される。このような絶縁物質層122は、例えば、PECVDを利用して、SiOを約8,000Å厚に蒸着して形成することができる。保護層121及び絶縁物質層122は、同一物質から形成され、第1電極層130及び第2電極層140に対する絶縁層120をなす。
【0034】
第1電極層130の上側を覆っている絶縁物質層122の一部を除去し、除去された部分に、第1電極層130を形成するAl/Ti/Pt層を充填して、第1電極層130と一体に形成する。それにより、一体になった第1電極層130は、絶縁物質層122の外部に露出される。従って、第1電極層130は、絶縁物質層122の外部に露出されるが、第2電極層140は、絶縁物質層120によって外部と遮断される。
【0035】
図8を参照すれば、非導電性基板160の上側に、導電性接着層150を塗布した後、非導電性基板160を第1電極層130及び絶縁層120に、所定温度と圧力とを加えて接合させる。導電性接合層150に、300℃以上の温度と所定の圧力とを加え、導電性接着層150上に非導電性基板160を接合する。すれにより、第1電極層130は、導電性接着層160と接触するが、第2電極層140は、絶縁層120によって導電性接着層160から離隔される。
【0036】
非導電性基板160は、最終的な発光素子の支持層として、役割を行うものであり、接合時に、300℃以上の温度が加えられるので、基板100と熱膨張係数が類似した基板を使用することが望ましい。
【0037】
図9を参照すれば、第1電極層130に隣接した絶縁層120、化合物半導体構造物110及び基板100の一部をエッチングし、導電性接着層150の一部を露出させる。第2電極層140の上側に位置する化合物半導体構造物110及び基板100の一部をエッチングし、第2電極層140の一部を露出させる。エッチングは、例えば、RIEとBOEとを利用してなされうる。
【0038】
図10を参照すれば、第2伝導層140、導電性接着層150及び非導電性基板160の側面に、絶縁膜170を所定厚に形成する。従って、第2電極層140、導電性接着層150及び非導電性基板160の側面は、絶縁膜170で覆われる。絶縁膜170は、SiO、Siなどや、ポリマー、ポリイミド及びエポキシ系が使われうる。
【0039】
図11を参照すれば、伝導性接着層150の露出された上面一部と、非導電性基板160の側面とを覆い包むように、第1電極連結層181を形成する。第2電極層140の露出された上面一部と絶縁膜170とを覆い包むように、第2電極連結層182を形成する。第1電極連結層181と第2電極連結層182は、銅、ニッケル、クロムのような金属を蒸着することによって形成され、金属を蒸着する方法は、電子ビーム、スパッタリングまたはメッキなどである。このとき、第1電極連結層181の一端は、絶縁層120から所定間隔離隔されて、伝導性接着層150の上面に形成されている。第2電極連結層182の一端は、第2化合物半導体層113から所定間隔離隔され、第2電極層140の上面に形成されている。これは、化合物半導体構造物110を覆い包むように形成される保護層190(図13)を形成するためのスペースを確保するためである。
【0040】
次に、図12を参照すれば、化合物半導体構造物110から基板100を除去する。化合物半導体構造物110の上面は、光が抽出される部分であり、光抽出効率を高めるために、基板100を除去する。併せて、図面に図示されていないが、化合物半導体構造物110の上面に、表面凹凸構造を形成し、光抽出効率を高めることができる。
【0041】
図13を参照すれば、化合物半導体構造物110を覆い包むように、保護層190を形成する。保護層190は、化合物半導体構造物110を外部環境から保護するためのものであり、光抽出が妨害されないように、光を透過させることができる透明な材質からなる。
【0042】
図14を参照すれば、パッケージ200の上側に、導電性接着層183を塗布した後、パッケージ200を、第1電極連結層181、非導電性基板160、絶縁膜170及び第2電極連結層182に接合させる。このとき、第1電極連結層181と第2電極連結層182は、導電性接着層183に接合されて連結される。
【0043】
図15を参照すれば、パッケージ200と導電性接着層183とを貫通するように、ビアホール210を形成し、非導電性基板160の一部を露出させる。このとき、第1電極連結層181と第2電極連結層182は、ビアホール210によって絶縁される。ビアホール210は、機械的加工(drilling)、超音波加工、レーザ加工、サンド・ブラスティング(sand blasting)または乾式エッチングのような多様な方法を利用したり、またはそれら方法を結合して形成されうる。
【符号の説明】
【0044】
100 基板
110 化合物半導体構造物
110a,210 ビアホール
111 第1化合物半導体層
112 活性層
113 第2化合物半導体層
120 絶縁層
121,190,290 保護層
122 絶縁物質層
130 第1電極層
140 第2電極層
150 伝導性接着層
160 非導電性基板
170 絶縁膜
181 第1電極連結層
182 第2電極連結層
183 伝導性接着層
200 パッケージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層を含む化合物半導体構造物と、
前記化合物半導体構造物の前記第2化合物半導体層側の面に設けられた、前記第1化合物半導体層に電気的に連結される第1電極層と、
前記化合物半導体構造物の前記第2化合物半導体層側の面に設けられた、前記第2化合物半導体層に電気的に連結される第2電極層と、
前記第1電極層及び前記第2電極層が位置した領域の一部を除外した残りの領域に塗布された絶縁層と、
非導電性基板と対向して形成され、前記非導電性基板を前記第1電極層及び前記絶縁層に連結させる導電性接着層と、
前記導電性接着層と前記非導電性基板との一方の側面に形成され、前記導電性接着層に連結される第1電極連結層と、
前記導電性接着層と前記非導電性基板との他方の側面に形成され、前記第2電極層に連結される第2電極連結層と
を含む発光素子。
【請求項2】
前記第1電極連結層は、前記導電性接着層を介して、前記第1電極層に電気的に連結されることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記第2電極連結層と前記導電性接着層との間には、絶縁膜が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記絶縁膜は、前記第2電極層の側面と、前記非導電性基板の前記他方の側面とを覆うように延びていることを特徴とする請求項3に記載の発光素子。
【請求項5】
前記第2電極連結層は、前記第2電極層の露出部分に連結されることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の発光素子。
【請求項6】
前記非導電性基板、前記第1電極連結層及び前記第2電極連結層は、伝導性接着層によってパッケージと連結され、前記伝導性接着層及び前記パッケージにはビアホールが形成され、前記第1電極連結層と前記第2電極連結層とを絶縁させることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の発光素子。
【請求項7】
前記化合物半導体構造物を覆い包むように、保護層が設けられたことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の発光素子。
【請求項8】
前記化合物半導体構造物、前記第1電極連結層及び前記第2電極連結層を覆い包むように、保護層が設けられたことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の発光素子。
【請求項9】
基板上に、第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層を積層し、化合物半導体構造物を形成する化合物半導体構造物形成段階と、
前記化合物半導体構造物の前記第2化合物半導体層側に、前記第1化合物半導体層に電気的に連結される第1電極層、及び第2化合物半導体層に電気的に連結される第2電極層を形成する電極層形成段階と、
前記第1電極層及び前記第2電極層が位置する領域以外の領域に、絶縁層を塗布する塗布段階と、
前記絶縁層及び前記第1電極層に、導電性接着層を利用して非導電性基板を接合する接合段階と、
前記導電性接着層の一部と、第2電極層の前記第2化合物半導体層と対向する面の一部とを露出させる露出段階と、
前記導電性接着層に第1電極連結層を連結させる第1電極連結層連結段階と、
前記第2電極層に第2電極連結層を連結させる第2電極連結層連結段階と
を含む発光素子の製造方法。
【請求項10】
前記露出段階は、前記化合物半導体構造物の両側の一部をそれぞれ除去することによってなされることを特徴とする請求項9に記載の発光素子の製造方法。
【請求項11】
前記露出段階は、前記導電性接着層の一方の側面及び前記絶縁層と対向する面の一部を露出し、
前記第1電極連結層連結段階は、
前記非導電性基板と、露出された前記導電性接着層とに、前記第1電極連結層を形成することを特徴とする請求項9または10に記載の発光素子の製造方法。
【請求項12】
前記第2電極連結層連結段階の前に、前記非導電性基板と前記導電性接着層との他方の側面と、前記第2電極層の側面とに絶縁膜を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項9から11の何れか1項に記載の発光素子の製造方法。
【請求項13】
前記第2電極連結層連結段階は、
前記絶縁膜を覆い包みつつ、前記第2電極層の露出面の一部に連結されるように、前記第2電極連結層を形成することを特徴とする請求項12に記載の発光素子の製造方法。
【請求項14】
前記非導電性基板、前記第1電極連結層及び前記第2電極連結層を、導電性接着層を利用してパッケージに連結させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の発光素子の製造方法。
【請求項15】
前記導電性接着層と前記パッケージとを貫通して、前記非導電性基板までビアホールを形成し、前記第1電極連結層と前記第2電極連結層とを絶縁させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の発光素子の製造方法。
【請求項16】
前記基板を除去する段階と、
前記化合物半導体構造物を覆い包む保護層を形成する段階と
をさらに含むことを特徴とする請求項9から15の何れか1項に記載の発光素子の製造方法。
【請求項17】
前記接合段階の前に、前記第1電極層の前記第1化合物半導体層と対向しない側を覆っている前記絶縁層を除去し、除去された部分に、前記第1電極層をなす物質を充填し、前記第1電極層を前記絶縁層外部に露出させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項9から16の何れか1項に記載の発光素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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